説明

ポリチオエーテルポリマーおよびこれらを含有する硬化性組成物

【課題】ポリチオエーテルポリマー、ならびにこのようなポリマーを含有する硬化性組成物を提供すること。
【解決手段】本発明は、航空宇宙産業用組成物のために認容可能な特性を示し得る硬化性組成物において使用され得、一方で、類似の特性を示す先行技術の組成物と比較して、低下した製造費用および/または塗布費用を潜在的に有する、ポリチオエーテルポリマーを提供する。本発明はまた、このような組成物を用いて基材をコーティングおよびシールするための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、ポリチオエーテルポリマー、ならびにこのようなポリマーを含有する硬化性組成物(例えば、コーティング組成物、接着剤組成物、および封止剤組成物)に関する。本発明はまた、このような組成物を用いて基材をコーティングおよびシールするための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
チオール末端を有する硫黄含有化合物は、種々の用途(例えば、航空宇宙産業の封止剤組成物)における使用のために十分に適切であることが、公知である。このことは、主として、これらの組成物の架橋の際の燃料耐性の性質に起因する。航空宇宙産業の封止剤組成物のために望ましい他の特性としては、とりわけ、低温での流動性、長い適用時間(封止剤が使用可能なままである期間)、短い硬化時間(所定の強度に達するために必要とされる時間)および高温耐性が挙げられる。これらの特徴のうちの少なくともいくつかを示し、そしてチオール末端を有する硫黄含有化合物を含有する、封止剤組成物は、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、および特許文献10に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第2,466,963号明細書
【特許文献2】米国特許第4,366,307号明細書
【特許文献3】米国特許第4,609,762号明細書
【特許文献4】米国特許第5,225,472号明細書
【特許文献5】米国特許第5,912,319号明細書
【特許文献6】米国特許第5,959,071号明細書
【特許文献7】米国特許第6,172,179号明細書
【特許文献8】米国特許第6,232,401号明細書
【特許文献9】米国特許第6,372,849号明細書
【特許文献10】米国特許第6,509,418号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それにもかかわらず、航空宇宙産業用組成物のために認容可能な特性を示し得る硬化性組成物(例えば、航空宇宙産業用コーティングまたは封止剤組成物)において使用され得、一方で、類似の特性を示す先行技術の組成物と比較して、低下した製造費用および/または塗布費用を潜在的に有する、ポリチオエーテルポリマーが、当該分野において必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要旨)
特定の局面において、本発明は、式(I):
【0006】
【化12】


を含む構造を有するポリマーに関する。式(I)において、
式(I)中のRは、C2−10 n−アルキレン基、C2−6分枝アルキレン基、C6−8シクロアルキレン基、C6−10アルキルシクロアルキレン基、−[(−CH−)−X−]−(−CH−)−、または少なくとも1個の−CH−単位がメチル基で置換されている−[(−CH−)−X−]−(−CH−)−から独立して選択され、pは、2〜6の範囲の値を有する整数であり、qは、1〜5の範囲の値を有する整数であり、rは、2〜10の範囲の値を有する整数であり、そしてXは、O、S、および−NR−から選択され、ここでRは、水素もしくはメチルであり、
式(I)中のRは、アリル(メタ)アクリレートまたは多官能性(メタ)アクリレートから誘導される構造を表し、
式(I)中のRは、水素およびアルキル基(例えば、メチル基)から独立して選択され、
式(I)中のnは、1〜60の範囲の値を有する整数であり、そして
式(I)中のmは、0〜10の範囲の値を有する有理数である。
【0007】
他の局面において、本発明は、本発明の少なくとも1種のポリマーを含有する硬化性組成物に関する。
【0008】
なお他の局面において、本発明は、本発明のポリマーを作製するための方法に関する。
【0009】
他の局面において、本発明は、基材をコーティングするための方法に関し、この方法は、(a)この基材の少なくとも一部分に、本発明のポリマーを含有する硬化性組成物を塗布する工程、および(b)この組成物を硬化させる工程を包含する。
【0010】
また、本発明は、基材をシールするための方法に関し、この方法は、(a)この基材の少なくとも一部に、本発明のポリマーを含有する硬化性組成物を塗布する工程、および(b)この組成物を硬化させる工程を包含する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(発明の詳細な説明)
以下の詳細な説明の目的で、本発明は、逆のことが明白に言及される場合を除いて、種々の代替のバリエーションおよび工程順序を呈し得ることが、理解されるべきである。さらに、任意の操作実施例においてを除いて、またはそうではないことが示される場合を除いて、例えば、本明細書および特許請求の範囲において使用される成分の量を表す全ての数字は、全ての例において、単語「約」によって修飾されることが、理解されるべきである。従って、逆のことが示されない限り、以下の説明および添付の特許請求の範囲に記載される数字パラメータは、近似であり、本発明によって得られるべき望ましい特性に依存して変動し得る。少なくとも、特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限することの試みとしてではなく、各数字パラメータは、少なくとも、報告される有効桁の数字を考慮して、通常の丸め技術を適用することによって、解釈されるべきである。
【0012】
本発明の広範な範囲を記載する数字範囲およびパラメータは近似であるにもかかわらず、特定の実施例に記載される数値は、可能な限り正確に報告されている。しかし、任意の数値は、それぞれの試験測定において見出される標準偏差から生じる特定の誤差を、必然的に固有に含む。
【0013】
また、本明細書中に記載される任意の数字範囲は、その範囲に含まれるすべての部分範囲を包含することを意図されることが理解されるべきである。例えば、「1〜10」との範囲は、記載される最小値である1と、記載される最大値である10との間の(1および10を含む)すべての(すなわち、1以上の最小値および10以下の最大値を有する)部分範囲を包含することが意図される。
【0014】
本願において、単数形の使用は、他に明白に言及されない限り、複数形を包含する。本願において、「または」の使用は、他に明白に言及されない限り、「および/または」を意味する。
【0015】
本明細書中で使用される場合、用語「ポリマー」は、オリゴマー、ホモポリマー、およびコポリマーをいうことを意味する。
【0016】
本明細書中で使用される場合、用語「(メタ)アクリレート」およびこれらから派生する用語は、構造
【0017】
【化13】


によって表されるアクリレートと、構造
【0018】
【化14】


によって表されるメタクリレートとの両方を包含する。
【0019】
本明細書中で使用される場合、用語「多官能性(メタ)アクリレート」は、2個以上の(メタ)アクリレートを含む構造を有する物質を包含することを意図される。
【0020】
本明細書中で使用される場合、用語「(メタ)アクリル酸アリル」は、(メタ)アクリレートと、アリル基(これは、構造CH−CH=CHによって表される)とを含む構造を有する物質を包含することを意図される。
【0021】
本明細書中で使用される場合、用語「アルキル」とは、親のアルカン、アルケン、またはアルキンの1個の炭素原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される、飽和または不飽和の、分枝鎖、直鎖または環状の、一価の炭化水素基をいう。
【0022】
本明細書中で使用される場合、用語「アルキレン」とは、親のアルカン、アルケン、またはアルキンの1個または2個の炭素原子から2個の水素原子を除去することによって誘導される、飽和または不飽和の、分枝鎖、直鎖または環状の、二価の炭化水素基をいう。用語「アルキレン」は、任意の飽和の程度またはレベルを有する基(すなわち、排他的に炭素−炭素単結合を有する基、1個以上の炭素−炭素二重結合を有する基、1個以上の炭素−炭素三重結合を有する基、および炭素−炭素の単結合と、二重結合と、三重結合との混合物を有する基)を包含することを、特に意図する。
【0023】
本明細書中で使用される場合、用語「シクロアルキレン」とは、飽和または不飽和の環状アルキレン基をいう。
【0024】
本明細書中で使用される場合、用語「アルキルシクロアルキレン」とは、置換されたアルキル基を含むシクロアルキレンをいう。
【0025】
本明細書中で使用される場合、用語「チオール基」とは、基−SHをいう。
【0026】
本明細書中で使用される場合、用語「オレフィン基」とは、炭素−炭素二重結合(C=C)をいう。
【0027】
本明細書中で使用される場合、用語「多官能性化剤」とは、末端の−SH基および/または−CH=CH基と反応性である2個以上の部分を有する化合物をいう。
【0028】
本発明は、先に記載された式(I)を含む構造を有するポリマーに関する。特定の実施形態において、本発明は、式(II):
A−(−[R−R (II)
を含む構造を有するポリマーに関する。式(II)において、Aは、式(I)を含む構造を表し、yは、0または1であり、Rは、yが0である場合には単結合を表し、そしてyが1である場合には−S−(CH−[−O−R−]−O−(ここでRおよびmは、式(I)において上に記載されたとおりである)を表し、そしてRは、yが0である場合にはチオール基または−S−(−CH−)2+x−O−Rを表し、そしてyが1である場合には−CH=CHまたは−(−CH−)−S−R(ここでxは、0〜10の範囲の値を有する整数であり、そしてRは、非置換であるか、または少なくとも1個の−OH基もしくは−NHR基で置換されているC1−6 n−アルキル基を表し、ここでRは、HまたはC1−6 n−アルキル基である)を表す。
【0029】
式(II)におけるRが−SHであるポリマーは、未反応末端チオール基を含む、「キャップされていない」ポリマーである。しかし、特定の実施形態において、本発明のポリチオエーテルは、「キャップされた」ポリマーである。すなわち、他の末端基(例えば、末端のヒドロキシル基、アミン基、シロキサン基、イソシアネート基、エポキシ基、エチレン性不飽和の基、またはアルキル基)を含むポリマーである。
【0030】
特定の実施形態において、本発明のポリマーは、(a)少なくとも2個の反応性チオール基を含む化合物を含有する第一の反応物質と、(b)第一の反応物質のチオール基と反応性である少なくとも1個の(メタ)アクリレート基を含む化合物を含有する第二の反応物質との、反応生成物である。
【0031】
特定の実施形態において、本発明のポリマーは、周囲温度および周囲圧力で液体である。本明細書中で使用される場合、「周囲温度および周囲圧力」とは、約77°F(25℃)および1大気圧(760mmHg)の圧力の条件をいう。
【0032】
特定の実施形態において、本発明のポリマーは、少なくとも2個の反応性チオール基を含む第一の反応物質(すなわち、ポリチオール)から形成される。本発明のポリマーを調製する際に使用するために適切なポリチオールとしては、モノマー性ポリチオール、ポリマー性ポリチオール、またはこれらの混合物が挙げられる。特定の場合において、ポリチオール材料は、90グラム/モル〜1000グラム/モルの範囲(例えば、90グラム/モル〜500グラム/モル)の数平均分子量を有する。
【0033】
例えば、本発明のポリマーを調製する際に使用するために適切なモノマー性ポリオールとしては、式(III):
HS−R−SH (III)
を有するジチオールが挙げられ、式(III)において、Rは、C2−10 n−アルキレン基;1個以上のペンダント基を有し得るC2−6分枝アルキレン基(このペンダント基は、例えば、ヒドロキシル基、アルキル基(例えば、メチル基もしくはエチル基)、および/またはアルコキシ基であり得る);C6−8シクロアルキレン基;C6−10アルキルシクロアルキレン基;[(−CH−)−X−]−(−CH−)−;あるいは少なくとも1個の−CH−単位がメチル基で置換されている−[(−CH−)−X−]−(−CH−)−(ここでpは、2〜6の範囲の値を有する整数であり、qは、1〜5の範囲の値を有する整数であり、rは、2〜10の範囲の値を有する整数であり、そしてXは、ヘテロ原子(例えば、O、S、または別の二価のヘテロ原子基)を含む);第二級アミン基または第三級アミン基(すなわち、−NR−であり、ここでRは、水素またはメチルである);あるいは別の置換された三価ヘテロ原子を表す。特定の実施形態において、Xは、OまたはSであり、従って、式(III)中のRは、−[(−CH−)−O−]−(−CH−)−または−[(−CH−)−S−]−(−CH−)−である。特定の実施形態において、pとrとは等しく、例えば、pとrとの両方が2である場合である。
【0034】
本発明のポリマーを調製する際に使用するために適切な特定のジチオールの例としては、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,3−ブタンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,3−ペンタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,3−ジメルカプト−3−メチルブタン、ジペンテンジメルカプタン、エチルシクロヘキシルジチオール(ECHDT)、ジメルカプトジエチルスルフィド、メチル置換されたジメルカプトジエチルスルフィド、ジメチル置換されたジメルカプトジエチルスルフィド、ジメルカプトジオキサオクタン、1,5−ジメルカプト−3−オキサペンタンおよびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ポリチオール材料は、低級アルキル基、低級アルコキシ基およびヒドロキシル基から選択される、1個以上のペンダント基を有し得る。適切なアルキルペンダント基としては、C〜C直鎖アルキル、C〜C分枝アルキル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが挙げられる。
【0035】
本発明のポリマーを調製する際に使用するために適切な特定のジチオールの他の例としては、ジメルカプトジエチルスルフィド(DMDS)(式(III)において、Rが−[(−CH−)−X−]−(−CH−)−であり、ここでpは2であり、rは2であり、qは1であり、XがSである);ジメルカプトジオキサオクタン(DMDO)(式(III)において、Rが−[(−CH−)−X−]−(−CH−)−であり、ここでpは2であり、qは2であり、rは2であり、XがOである);および1,5−ジメルカプト−3−オキサペンタン(式(III)において、Rが−[(−CH−)−X−]−(−CH−)−であり、ここでpは2であり、rは2であり、qは1であり、XはOである)が挙げられる。炭素骨格とペンダントアルキル基(例えば、メチル基)との両方にヘテロ原子を含むジチオールを使用することもまた、可能である。このような化合物としては、例えば、メチル置換されたDMDS(例えば、HS−CHCH(CH)−S−CHCH−SH、HS−CH(CH)CH−S−CHCH−SH)ならびにジメチル置換されたDMDS(例えば、HS−CHCH(CH)−S−CH(CH)CH−SHおよびHS−CH(CH)CH−S−CHCH(CH)−SH)が挙げられる。
【0036】
先に言及されたように、本発明のポリマーはまた、ポリマー性ポリチオールを含有する第一の反応物質から形成され得る。例えば、(i)1種以上のポリビニルエーテルモノマーと(ii)1種以上のポリチオール材料とを含有する反応物質を反応させることによって調製される、1種以上のチオール末端を有するポリマーが、本発明のポリマーを形成するための反応物質として利用され得る。このようなポリマーを調製する際に使用するために適切なポリチオール材料としては、例えば、上で同定されたようなポリチオール(これらの2種以上の混合物を含む)が挙げられる。
【0037】
このようなポリチオールポリマーを調製する際に使用するために適切なポリビニルエーテルモノマーとしては、例えば、式(IV):
CH=CH−O−(−R−O−)−CH=CH (IV)
を有するジビニルエーテルが挙げられ、式(IV)において、Rは、C2−6 n−アルキレン基、C2−6分枝アルキレン基、C6−8シクロアルキレン基、C6−10アルキルシクロアルキレン基、または−[(−CH−)−O−]−(−CH−)−であり、ここでpは、2〜6の範囲の値を有する整数であり、qは、1〜5の範囲の値を有する整数であり、そしてrは、2〜10の範囲の値を有する整数である。
【0038】
式(IV)の物質は、ジビニルエーテルである。適切なジビニルエーテルとしては、少なくとも1個のオキシアルキレン基(例えば、1個〜4個のオキシアルキレン基)を有する化合物、すなわち、式(IV)中のmが1〜4の整数である化合物が挙げられる。いくつかの場合において、式(IV)中のmは、2〜4の整数である。本発明のポリマーを生成するために使用され得るポリチオールポリマーを生成するために、市販のジビニルエーテル混合物を使用することもまた、可能である。このような混合物は、1分子あたりのオキシアルキレン単位の数についての、非積分平均値(non−integral average value)によって特徴付けられる。従って、式(IV)中のmはまた、0〜10.0(例えば、1.0〜10.0、1.0〜4.0、または2.0〜4.0)の、有理数の値を採り得る。
【0039】
ポリチオールポリマーを調製し得る適切なポリビニルエーテルモノマーとしては、ジビニルエーテルモノマー(例えば、ジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル(EG−DVE)(式(IV)中のRがエチレンであり、そしてmが1である)、ブタンジオールジビニルエーテル(BD−DVE)(式(IV)中のRがブチレンであり、そしてmが1である)、ヘキサンジオールジビニルエーテル(HD−DVE)(式(IV)中のRがヘキシレンであり、そしてmが1である)、ジエチレングリコールジビニルエーテル(DEG−DVE)(式(IV)中のRがエチレンであり、そしてmが2である)、トリエチレングリコールジビニルエーテル(式(IV)中のRがエチレンであり、そしてmが3である)、テトラエチレングリコールジビニルエーテル(式(IV)中のRがエチレンであり、そしてmが4である)、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ポリテトラヒドロフリルジビニルエーテル);トリビニルエーテルモノマー(例えば、トリメチロールプロパントリビニルエーテル);四官能性エーテルモノマー(例えば、ペンタエリトリトールテトラビニルエーテル);および2種以上のこのようなポリビニルエーテルモノマーの混合物が挙げられる。ポリビニルエーテル材料は、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基およびアミン基から選択される、1個以上のペンダント基を有し得る。
【0040】
式(IV)中のRがC2−6分枝アルキレンである有用なジビニルエーテルは、ポリヒドロキシ化合物をアセチレンと反応させることによって、調製され得る。この型の例示的な化合物としては、式(IV)中のRがアルキル置換されたメチレン基(例えば、−CH(CH)−)である化合物(例えば、PLURIOL(登録商標)E−200ジビニルエーテルなどの「PLURIOL(登録商標)」ブレンド(BASF Corp.,Parsippany,N.J.)であり、これについては、式(IV)中のRがエチレンであり、そしてmが3.8である)、またはアルキル置換されたエチレン(例えば、−CHCH(CH)−)である化合物(例えば、DPE−2およびDPE−3が挙げられる「DPE」ポリマーブレンド(International Specialty Products,Wayne,N.J.))が挙げられる。
【0041】
他の有用なジビニルエーテルとしては、式(IV)中のRがポリテトラヒドロフリル(ポリ−THF)またはポリオキシアルキレンである化合物(例えば、平均して約3個のモノマー単位を有する化合物)が挙げられる。
【0042】
2種以上の式(IV)のポリビニルエーテルモノマーが、使用され得る。従って、いくつかの実施形態において、2種の式(III)のポリチオールおよび1種の式(IV)のポリビニルエーテルモノマー、1種の式(III)のポリチオールおよび2種の式(IV)のポリビニルエーテルモノマー、2種の式(III)のポリチオールおよび2種の式(IV)のポリビニルエーテルモノマーならびに2種より多い一方または両方の式の化合物が、本発明のポリマーを形成するために使用され得る種々のポリマー性ポリチオールを生成するために使用され得る。
【0043】
いくつかの場合において、ポリビニルエーテルモノマーは、ポリチオールポリマーを調製するために使用される反応物質の20モル%から50モル%未満を構成し、そしていくつかの場合において、30モル%から50モル%未満を構成する。
【0044】
上記ポリチオールポリマーは、多数の方法によって調製され得る。上記ポリチオールポリマーを調製するために使用される、ポリチオール材料とジビニルエーテル材料との相対量は、末端チオール基を得るように選択される。従って、いくつかの場合において、式(III)を有するnモルより多い(例えば、n+1モルの)ポリチオール、または少なくとも2種の異なる式(III)を有する化合物の混合物が、nモルの式(IV)を有するジビニルエーテル、または少なくとも2種の異なる式(IV)を有する化合物の混合物と反応させられる。
【0045】
式(III)の化合物と式(IV)の化合物との間の反応は、フリーラジカル触媒によって触媒され得る。適切なフリーラジカル触媒としては、アゾ化合物(例えば、アゾ(ビス)イソブチロニトリル(AIBN)などのアゾビスニトリル化合物);有機過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイルおよび過酸化t−ブチル);ならびに無機過酸化物(例えば、過酸化水素)が挙げられる。この反応はまた、カチオン性光開始部分を用いてかまたは用いずにのいずれかで、紫外線の照射によって行われ得る。無機塩基または有機塩基(例えば、トリエチルアミン)のいずれかを使用する、イオン触媒方法もまた、有用な材料を与える。
【0046】
本発明のポリマーを調製する際に使用するために適切なポリチオールポリマーは、少なくとも1種の式(III)の化合物と、少なくとも1種の式(IV)の化合物とを混合し、続いて、適切な触媒を添加し、そしてこの反応を、30℃〜120℃、例えば、70℃〜90℃の温度で、2時間〜24時間、例えば、2時間〜6時間にわたって行うことによって、調製され得る。
【0047】
本発明のポリマーを調製する際に有用な、例示的な線状構造のポリチオールポリマーは、式(V)の構造:
HS−R−[−S−(CH−O−[−R−O−]−(CH−S−R−]−SH (V)
を有する。式(V)において、
式(V)中のRは、C2−10 n−アルキレン基、C2−6分枝アルキレン基、C6−8シクロアルキレン基、C6−10アルキルシクロアルキレン基、複素環式基、−[(−CH−)−X−]−(−CH−)−;または少なくとも1個の−CH−単位がメチル基で置換されている−[(−CH−)−X−]−(−CH−)−を表し、ここでpは、2〜6の範囲の値を有する整数であり、qは、1〜5の範囲の値を有する整数であり、rは、2〜10の範囲の値を有する整数であり、そしてXは、O、S、または−NHR−を表し、ここでRは、Hまたはメチルを表し;
式(V)中のRは、メチレン、C2−10 n−アルキレン基、C2−6分枝アルキレン基、C6−8シクロアルキレン基、C6−14アルキルシクロアルキレン、複素環式基、または−[(−CH−)−X−]−(−CH−)−を表し、ここでpは、2〜6の範囲の値を有する整数であり、qは、1〜5の範囲の値を有する整数であり、rは、2〜10の範囲の値を有する整数であり、そしてXは、O、S、または−NHR−を表し、ここでRは、Hまたはメチルを表し;
式(V)中のmは、1〜50の範囲の値を有する有理数であり;
式(V)中のnは、1〜60の範囲の値を有する整数であり;そして
式(V)中のpは、2〜6の範囲の値を有する整数である。
【0048】
従って、特定の実施形態において、本発明のポリマーを調製するために使用されるポリチオールポリマーは、式(VI)の構造:
HS−R−[−S−(CH−O−[−R−O−]−(CH−S−R−]−SH (VI)
を有し、式(VI)において、R、R、m、およびnは、式(V)に関して上に記載されたとおりである。特定の実施形態において、式(VI)中のRは、−[(−CH−)−X−]−(−CH−)−であり、ここでpは2であり、XはOであり、qは2であり、rは2であり、Rはエチレンであり、mは2であり、そしてnは9である。
【0049】
特定の実施形態において、本発明のポリマーを調製するために使用されるポリチオールポリマーは、スルホン結合も、エステル結合も、ジスルフィド結合も、本質的に含まないか、またはまったく含まない。本明細書中で使用される場合、「スルホン結合も、エステル結合も、ジスルフィド結合も、本質的に含まない」とは、チオール末端を有するポリマーの結合のうちの2モル%未満が、スルホン結合、エステル結合、またはジスルフィド結合であることを意味する。
【0050】
先に言及されたように、特定の実施形態において、本発明のポリマーは、第一の反応物質のチオール基と反応性である少なくとも1個の(メタ)アクリレート基を含む化合物を含有する、第二の反応物質の反応生成物を含む。より具体的には、特定の実施形態において、第二の反応物質は、(メタ)アクリル酸アリル、多官能性(メタ)アクリレート、またはこれらの混合物から選択される。
【0051】
本発明のポリマーを調製する際に使用するために適切な多官能性アクリレートとしては、二官能性(メタ)アクリレート、三官能性(メタ)アクリレート、四官能性(メタ)アクリレート、五官能性(メタ)アクリレート、および六官能性(メタ)アクリレート(これらの混合物を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。適切な多官能性(メタ)アクリレートの代表的な例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,3−ジメチルプロパン1,3−ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキシレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、チオジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールプロポキシトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、およびジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート(これらの混合物を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
本発明のポリマーは、多数の方法によって調製され得る。特定の実施形態において、nモルより多い(例えば、n+1モルの)ポリチオール(例えば、先に記載されたモノマー性チオールもしくはポリマー性チオール)、または少なくとも2種の異なるポリチオールの混合物が、少なくとも1個の(メタ)アクリレート基を含む化合物を含有するnモルの反応物質、または少なくとも1個の(メタ)アクリレート基を含む少なくとも2種の異なる化合物の混合物と、適切な触媒の存在下で反応させられる。この反応は、キャップされていない、チオール末端を有する多官能性ポリマーを与える。
【0053】
先に示されたように、本発明の特定の実施形態は、「キャップされた」ポリマーを含む。従って、本発明の特定の実施形態において、上記ポリマーに対するアナログは、(i)nモルより多く(例えば、n+1モルの)ポリチオール(例えば、先に記載されたモノマー性チオールもしくはポリマー性チオール)、または少なくとも2種の異なるポリチオールの混合物を、(ii)少なくとも1個の(メタ)アクリレート基を含む化合物を含有するnモルの反応物質、または少なくとも1個の(メタ)アクリレート基を含む少なくとも2種の異なる化合物の混合物および(iii)0.05モル〜2モルの式(VII)
CH=CH−(CH−O−R (VII)
を有する化合物、または式(VII)を有する少なくとも2種の異なる化合物の混合物と、適切な触媒の存在下で反応させることによって、調製される。式(VII)において、Rは、非置換であるか、または少なくとも1個の−OH基もしくは−NHR基で置換されている、C1−6 n−アルキルを表し、ここでRは、HまたはC1−6 n−アルキル基を表す。
【0054】
式(VII)の化合物は、アルキルω−アルケニルエーテル(末端のエチレン性不飽和基を有するエーテル)であり、これは、末端チオール基と反応して、ポリマーをキャップする。2モルの式(VII)の化合物を使用すると、完全にキャップされたポリマーが得られ、一方で、より少ない量を使用すると、部分的にキャップされたポリマーが得られる。
【0055】
式(VII)において、sは、0〜10の範囲の値を有する整数であり、例えば、0〜6、またはいくつかの場合において、0〜4である。式(VII)を有する適切な化合物の具体的な例は、モノビニルエーテル(sが0である)(アミノアルキルビニルエーテルおよびヒドロキシアルキルビニルエーテル(例えば、3−アミノプロピルビニルエーテルおよび4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(ブタンジオールモノビニルエーテル))が挙げられる)、ならびに非置換アルキルビニルエーテル(例えば、エチルビニルエーテル)である。式(VII)の化合物の他の例としては、アリルエーテル(sが1である)(例えば、4−アミノブチルアリルエーテル、3−ヒドロキシプロピルアリルエーテル)などが挙げられる。
【0056】
本発明の特定の実施形態において、nモルのポリチオール(例えば、先に記載されたモノマー性チオールもしくはポリマー性チオール、または少なくとも2種の異なるポリチオールの混合物)が、少なくとも1個の(メタ)アクリレート基を含む化合物、または少なくとも1個の(メタ)アクリレート基を含む少なくとも2種の異なる化合物の混合物を含有するnモルより多い(例えば、n+1モルの)反応物質と、適切な触媒の存在下で反応させられる。この方法は、ビニル末端を有する多官能性ポリマーを与える。
【0057】
本発明の特定の実施形態において、上記ビニル末端を有するポリマーに対するアナログは、(i)nモルのポリチオール(例えば、先に記載されたモノマー性チオールもしくはポリマー性チオール)、または少なくとも2種の異なるポリチオールの混合物を、(ii)少なくとも1個の(メタ)アクリレート基を含む化合物、または少なくとも1個の(メタ)アクリレート基を含む少なくとも2種の化合物の混合物を含有するnモルより多い(例えば、n+1モルの)反応物質、および(iii)0.05モル〜2モルの式(VIII)
HS−R (VIII)
を有する化合物、または式(VIII)を有する少なくとも2種の異なる化合物の混合物と、適切な触媒の存在下で反応させることによって調製される。式(VIII)において、Rは、非置換であるか、または少なくとも1個の−OH基もしくは−NHR基で置換されているC1−6 n−アルキルを表し、ここでRは、HまたはC1−6 n−アルキル基を表す。
【0058】
式(VIII)の化合物は、モノチオールであり、これは、非置換であっても、例えばヒドロキシル基またはアミノ基で置換されていてもよい。式(VIII)の例示的な化合物としては、メルカプトアルコール(例えば、3−メルカプトプロパノール)、およびメルカプトアミン(例えば、4−メルカプトブチルアミン)が挙げられる。
【0059】
先の記載から明らかであるように、本発明のポリマーは、上記式(I)を含む構造を有する。
【0060】
特定の実施形態において、式(I)中のRは、2個のアクリレート基を含む化合物(すなわち、ジ(メタ)アクリレート)から誘導される部分を表す。従って、本発明の特定の実施形態は、式(I)中のRが式(IX):
【0061】
【化15】


の構造を表すポリマーに関し、式(IX)において、Yは、(CH−CH−O)、(CH−CH−CH−O)
【0062】
【化16】


、または(CHOを表し、ここでuは、1〜4の範囲の値を有する整数であり、yは、1〜3の範囲の値を有する整数であり、zは、1〜4の範囲の値を有する整数であり、そしてwは、1〜12の範囲の値を有する整数である。
【0063】
特定の実施形態において、式(I)中のRは、(メタ)アクリル酸アリルから誘導される部分を表す。従って、本発明の特定の実施形態は、式(I)中のRが式(X):
【0064】
【化17】


の構造を表すポリマーに関する。
【0065】
先の記載から当業者に明らかであるように、特定の実施形態において、本発明のポリマーは、二官能性のチオール末端を有する(キャップされていない)ポリチオエーテルを含む。これらの実施形態において、このポリマーは、式(XI):
【0066】
【化18】


の構造を有し、式(XI)において、式(XI)中のR、R、R、mおよびnは、式(I)に関して上に記載されたとおりである。特定の実施形態において、このようなポリマーは、末端の−SH基を−S−(−CH−)2+x−O−Rで置き換えることによって、キャップされる。ここでRは、非置換であるか、または少なくとも1個の−OH基もしくは−NHR基で置換されているC1−6 n−アルキルを表し、ここでRは、HまたはC1−6 n−アルキル基を表し、そして、xは、0〜10の範囲の値を有する整数である。このようなキャップは、反応混合物に、先に詳細に記載されたようなキャッピング剤またはその混合物を含めることにより、末端チオール基をω−アルケニルエーテル(例えば、モノビニルエーテル)と反応させることによって、生成され得る。
【0067】
当業者にまた明らかであるように、特定の実施形態において、本発明のポリマーは、二官能性のビニル末端を有するポリチオエーテルを含む。これらの実施形態において、このポリマーは、式(XII):
【0068】
【化19】


の構造を有し、式(XII)において、式(XII)中のR、R、R、mおよびnは、式(I)に関して上に記載されたとおりである。特定の実施形態において、末端の−CH=CH基は、−C−CH−Rで置き換えられ、ここでRは、非置換であるか、または少なくとも1個の−OH基もしくは−NHR基で置換されているC1−6 n−アルキルを表し、ここでRは、HまたはC1−6 n−アルキル基を表す。このようなキャップは、反応混合物に、先に詳細に記載されたようなキャッピング剤または2種以上のキャッピング剤の混合物を含めることにより、末端のオレフィン基をモノチオール(例えば、メルカプトアルコールまたはメルカプトアミン)と反応させることによって、生成され得る。
【0069】
特定の実施形態において、ちょうど示されたように、本発明のポリマーは、2の官能性(この合計には、アルキルキャップと他の非反応性キャップとを考慮する)を有する線状ポリチオエーテルを含む。しかし、所望であれば、より高い官能性を有するポリチオエーテルが、多官能性化剤を使用することによって、このようなポリマーから調製され得る。この多官能性化剤は、例えば、3個〜6個のこのような部分を含み得、そして「z価の」多官能性化剤と表され得る。ここでzは、その薬剤に含まれるこのような部分の数であり、従って、ポリマーが含む別々の分枝の数である。このような多官能性化剤は、式(XIII)
B−(R) (XIII)
によって表され得、式(XIII)中のRは、末端の−SHまたは−CH=CHと反応性である部分を表し、そして同じであっても異なっていてもよく、Bは、多官能性化剤のz価の残基(すなわち、この薬剤の反応性部分以外の部分)である。
【0070】
その結果として、本発明の特定の実施形態は、式(XIV):
B−(A−(−[R−R (XIV)
を含む構造を有するポリマーに関し、式(XIV)中のBは、多官能性化剤のz価の残基であり、Aは、先に記載された式(I)を有する構造を表し、yは、0または1であり、zは、3〜6の範囲の値を有する整数であり、Rは、yが0である場合には単結合を表し、そしてyが1である場合には−S−(−CH−)−[−O−R−]−O−(ここでRおよびmは、式(I)において上に記載されたとおりである)を表し、そしてRは、yが0である場合には−SHまたは−S−(−CH−)2+x−O−Rを表し、そしてyが1である場合には−CH=CHまたは−(−CH−)−S−R(ここでxは、0〜10の範囲の値を有する整数であり、そしてRは、非置換であるか、または少なくとも1個の−OH基もしくは−NHR基で置換されているC1−6 n−アルキル基を表し、ここでRは、HまたはC1−6 n−アルキル基である)を表す。
【0071】
先に記載された二官能性ポリマーにおいてと同様に、2より大きい官能性を有する上記ポリマーは、末端のチオール基または−CH=CH基、あるいは末端の−S−(−CH−)2+x−O−R基または−C−CH−R基を含み得、ここでxは、0〜10の範囲の値を有する整数であり、そしてRは、非置換であるか、または少なくとも1個の−OH基もしくは−NHR基で置換されているC1−6 n−アルキルを表し、ここでRは、HまたはC1−6 n−アルキル基を表す。部分的にキャップされたポリマー(すなわち、分枝のうちのすべてではなくいくつかがキャップされているポリマー)もまた、本発明の範囲内である。
【0072】
本発明において使用するために適切な特定の多官能性化剤としては、三官能性化剤(すなわち、zが3である化合物)が挙げられる。適切な三官能性化剤としては、式(XIII)中のRがアリルであるシアヌル酸トリアリル(TAC)、および式(XIII)中のRがチオールである1,2,3−プロパントリチオールが挙げられる。特定の実施形態において、多官能性化剤としては、少なくとも3個の(メタ)アクリレート基を含む多官能性(メタ)アクリレート(例えば、先に同定された三官能性(メタ)アクリレート、四官能性(メタ)アクリレート、五官能性(メタ)アクリレート、および六官能性(メタ)アクリレートのいずれか(これらの混合物を含む)が挙げられる。
【0073】
他の有用な多官能性化剤としては、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ならびに米国特許第4,366,307号第4欄第6行〜第23行、および第6欄第18行〜第55行;同第4,609,762号第8欄第60行〜第9欄第55行;および同第5,225,472号第4欄第8行〜第32行(これらの各々の開示は、本明細書中に参考として援用される)に記載されているポリチオールが挙げられる。多官能性化剤の混合物もまた、使用され得る。
【0074】
その結果として、本発明の特定のポリマーは、広範な平均官能性を有し得る。例えば、三官能性化剤は、約2.05〜約3.0(例えば、約2.1〜約2.6)の平均官能性を与え得る。より広範な平均官能性は、四官能性またはより高い官能性の多官能性化剤を使用することによって、達成され得る。官能性はまた、当業者によって理解されるように、化学量論などの要因によって影響を受け得る。
【0075】
2より大きい官能性を有する本発明のポリマーは、先に記載された二官能性ポリマーと同様に調製され得る。特定の実施形態において、このようなポリマーは、(i)1種以上のポリチオール(例えば、先に記載されたモノマー性チオールもしくはポリマー性チオール)を、(ii)少なくとも1個であり2個以下の(メタ)アクリレート基を含む1種以上の化合物、および(iii)多官能性化剤と混合し、そしてこの混合物を反応させることによって、調製される。従って、本発明の特定の実施形態によれば、nモルより多い(例えば、n+1モルの)1種以上のポリチオールと、少なくとも1個であり2個以下の(メタ)アクリレート基を含むnモルの1種以上の化合物と、1種以上のz価の多官能性化剤とが混合されて、反応混合物を形成する。次いで、この混合物は、おそらく適切な触媒の存在下で反応させられて、チオール末端を有するポリマーを与える。このようなポリマーのキャップされたアナログは、この反応混合物に、0.05モル〜2モルの1種以上の適切なキャッピング化合物(例えば、式(VII)を参照して先に記載された化合物)を含めることによって、調製され得る。
【0076】
特定の実施形態において、nモルの1種以上のポリチオールと、少なくとも1個であり2個以下の(メタ)アクリレート基を含むnモルより多い(例えば、n+1モルの)1種以上の化合物と、1種以上のz価の多官能性化剤が混合されて、反応混合物を形成し、次いで、上に記載されたように反応させられて、オレフィン末端を有する多官能性ポリマーを与える。このようなポリマーのキャップされたアナログは、この反応混合物に1種以上の適切なキャッピング化合物(例えば、式(VIII)を参照して先に記載された化合物)を含めることによって、調製され得る。
【0077】
本発明のポリマーは、1種以上のポリチオールと、少なくとも1個の(メタ)アクリレート基を含む1種以上の化合物とを、必要に応じて1種以上のキャッピング化合物および/または1種以上の多官能性剤と一緒に混合し、次いで適切な触媒を添加し、そしてこの反応を、25℃〜120℃の温度で、2時間〜24時間にわたって実施することによって、調製され得る。いくつかの場合において、この反応は、70℃〜90℃の温度で、2時間〜6時間にわたって実施され得る。
【0078】
適切な触媒としては、無機塩基または有機塩基のいずれか(例えば、トリエチルアミン、および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU))が挙げられる。特定の場合において、アゾ化合物(例えば、AIBNなどのアゾビスニトリル化合物);有機過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイルおよび過酸化t−ブチル);ならびに無機過酸化物(例えば、過酸化水素)が使用され得る。
【0079】
特定の実施形態において、フリーラジカル重合禁止剤もまた、反応物質のうちの1種以上の尚早なフリーラジカル重合を防止するために使用され得る。任意のフリーラジカル重合禁止剤が利用され得、これらとしては、フェノール系重合禁止剤(例えば、4−メトキシフェノール、4−エトキシフェノール、2,6−ジ第三級ブチル−パラ−クレゾールなど)またはキノン系重合禁止剤(例えば、キノン、2−メチルキノン、メチルヒドロキノン)などが挙げられる。特定の実施形態において、重合禁止剤は、存在する場合、反応物質の0.01重量%〜5重量%を構成する。
【0080】
特定の実施形態において、硬化前に、本発明のポリマーは、ゲル化していないか、またはジ質的に架橋がないものであり得る。「ゲル化していない」とは、適切な溶媒に溶解される場合にそのポリマーが実質的に架橋を含まず、例えば、ASTM−D1795またはASTM−D4243に従って決定される場合に、固有粘度を有することを意味する。ポリマーの固有粘度は、その有限の分子量の指標である。他方で、ゲル化した反応生成物は、本質的に無限に高い分子量を有するので、高すぎて測定することができない固有粘度を有する。
【0081】
特定の実施形態において、本発明のポリマーは、−50℃以下、例えば、−55℃以下、いくつかの場合には、−60℃以下のガラス転移温度(Tg)を有する。特定の実施形態において、本発明のポリマーのTgは、−85℃〜−50℃、例えば、−70℃〜−50℃の範囲である。本明細書中で報告されるTg値は、示差走査熱量測定法(DSC)によって決定される。
【0082】
特定の実施形態において、本発明のポリマーは、500グラム/モル〜20,000グラム/モル、例えば、1,000グラム/モル〜10,000グラム/モル、またはいくつかの場合において、2,000グラム/モル〜5,000グラム/モルの範囲の数平均分子量を有し、この分子量は、ポリスチレン標準物質を使用するゲル透過クロマトグラフィーによって決定される。
【0083】
特定の実施形態において、本発明のポリマーは、ASTM D−2849 §79−90に従ってBrookfield粘度計を使用して決定される場合に、25℃の温度および約760mmHgの圧力において、500ポアズ未満、例えば、300ポアズ未満の粘度を有する。
【0084】
本発明のポリマーは、広範な種々の用途(コーティング組成物、接着剤組成物、および/または封止剤組成物(例えば、低温での可撓性および燃料耐性が重要である用途における硬化性組成物)中の成分としての用途が挙げられる)において有用であり得る。このような硬化性組成物は、航空宇宙産業の用途(例えば、航空宇宙産業用封止剤および燃料タンク用ライニング)において、有用であり得る。従って、本発明はまた、本発明の少なくとも1種のポリマーを含有する硬化性組成物に関する。
【0085】
特定の実施形態において、本発明のポリマーは、このような硬化性組成物中に、30重量%〜90重量%、例えば、40重量%〜80重量%、またはいくつかの場合において、45重量%〜75重量%の量で存在する。この重量%は、この硬化性組成物の全ての不揮発性成分の重量に基づく。
【0086】
特定の実施形態において、本発明の硬化性組成物はまた、ポリマーの反応性基と反応性である少なくとも2個の反応性基を含む、硬化剤を含有する。例えば、硬化性組成物中に含まれる本発明のポリマーが、先に記載されたような反応性チオール基を含む場合、適切な硬化剤は、1種以上のポリオレフィン、ポリアクリレート、金属酸化物、ポリエポキシド、またはこれらの混合物を含有し得る。本発明の硬化性組成物(特に、ポリマーが反応性チオール基を含む実施形態)において有用な硬化剤としては、ポリエポキシドまたはエポキシ官能性樹脂、例えば、ヒダントインジエポキシド、ビスフェノール−Aエポキシド、ビスフェノール−Fエポキシド、ノボラック系エポキシド、脂肪族ポリエポキシド、ならびにエポキシ化不飽和樹脂およびエポキシ化フェノール樹脂のいずれかが挙げられる。他の有用な硬化剤としては、不飽和化合物(例えば、市販のポリオールの(メタ)アクリル酸エステル、不飽和合成硬化性樹脂化合物、不飽和天然樹脂化合物、TAC、および本発明のオレフィン末端を有するポリマー)が挙げられる。有用な硬化はまた、当業者に公知である有機過酸化物または無機過酸化物(例えば、MnO)を使用してチオール基を酸化的にカップリングすることによって、得られ得る。特定の硬化剤の選択は、硬化後の組成物のTgに影響を与え得る。例えば、ポリマーのTgよりかなり低いTgを有する硬化剤は、硬化後の組成物のTgを低下させ得る。
【0087】
本発明の硬化性組成物において使用されるポリマーの性質に依存して、上記組成物は、特定の実施形態において、−SH当量に基づいて、選択された硬化剤の化学量論的量が90%〜150%、例えば、95%〜125%であり得る。
【0088】
特定の実施形態において、本発明の硬化性組成物はまた、少なくとも1種の充填剤を含有する。充填剤は、所望であれば、例えば、衝撃耐性を付与するため、組成物の粘度を制御するため、組成物の電気的特性を改変するため、または組成物の比重を制御するために、本発明の硬化性組成物に添加され得る。本発明の硬化性組成物において使用するために適切な充填剤としては、例えば、カーボンブラック、炭酸カルシウム、シリカ、およびポリマー粉末が挙げられる。例示的な充填剤としては、Sipernat(登録商標)D−13疎水性沈降シリカ(Degussa)、Winnofil(登録商標)SPM沈降炭酸カルシウム(Solvay Chemicals)、TS−270(Cabot Corp.)、二酸化チタン(DuPont)、水酸化アルミニウム、およびOrgasol(登録商標)1002 D Nat 1超微細ポリアミド粉末(Atofina Chemicals)が挙げられる。特定の実施形態において、硬化性組成物は、この硬化性組成物の総重量に基づいて、5重量%〜70重量%の充填剤を含有する。
【0089】
特定の実施形態において、本発明の硬化性組成物はまた、1種以上の接着促進剤を含有し得る。適切な接着促進剤としては、フェノール系物質(例えば、Occidental Chemicalsから入手可能なMETHYLONフェノール樹脂、有機シラン(エポキシ官能性シラン、メルカプト官能性シラン、またはアミノ官能性シラン(OSi Specialtiesから市販されているA−187およびA−1100など)が挙げられる)が挙げられる。特定の実施形態において、接着促進剤は、硬化性組成物の総重量に基づいて、0.1重量%〜15重量%の範囲の量で使用される。
【0090】
特定の実施形態において、本発明の硬化性組成物はまた、可塑剤を含有する。適切な可塑剤としては、とりわけ、フタル酸エステル、塩素化パラフィン、および水素化テルフェニルが挙げられる。有用な可塑剤の例としては、HB−40(登録商標)修飾ポリフェニル(Solutia,Inc.)および桐油(Campbell & Co.)が挙げられる。可塑剤は、存在する場合、硬化性組成物の総重量に基づいて、特定の実施形態において、1重量%〜40重量%、例えば、1重量%〜8重量%を構成し得る。
【0091】
特定の実施形態において、硬化性組成物はまた、1種以上の有機溶媒(例えば、とりわけ、イソプロピルアルコール)を含有する。特定の実施形態において、このような溶媒は、15重量%までの量、例えば、15重量%未満、または10重量%未満の量で存在し得、この重量%は、硬化性組成物の総重量に基づく。
【0092】
上記成分に加えて、本発明の硬化性組成物は、必要に応じて、以下のもののうちの1種以上を含有し得る:顔料;揺変剤;加速剤;遅延剤;および遮蔽剤。有用な顔料としては、とりわけ、カーボンブラック、炭酸カルシウム、および金属酸化物が挙げられる。特定の実施形態において、このような顔料は、硬化性組成物の総重量に基づいて0.1重量%〜10重量%を構成する。有用な揺変剤としては、例えば、フュームドシリカおよびカーボンブラックが挙げられ、そして特定の実施形態において、硬化性組成物の総重量に基づいて0.1重量%〜5重量%を構成する。
【0093】
本発明の硬化性組成物は、任意の適切な基材に塗布され得る。本発明の硬化性組成物が塗布される通常の基材としては、とりわけ、チタン、ステンレス鋼、アルミニウム、これらのアノード処理された形態、下塗りされた形態、有機物でコーティングされた形態およびクロメートでコーティングされた形態、エポキシ、ウレタン、黒鉛、ガラス繊維複合材料、KEVLAR(登録商標)、アクリルならびにポリカーボネートが挙げられ得る。
【0094】
本発明はまた、基材をシールまたはコーティングするための方法に関し、これらの方法は、(a)この基材の少なくとも一部に硬化性組成物を塗布する工程、および(b)この組成物を硬化させる工程を包含する。これらの方法において、硬化性組成物は、本発明の硬化性組成物を含有する。
【0095】
本発明の方法によれば、硬化性組成物は、硬化させられる。本明細書中で使用される場合、用語「硬化する」とは、硬化性組成物の任意の架橋可能な成分が、少なくとも部分的に架橋することを意味する。特定の実施形態において、架橋可能な成分の架橋密度(すなわち、架橋度)は、完全架橋の5%〜100%、例えば、完全架橋の35%〜85%の範囲である。例えば、封止剤組成物については、硬化の程度は、時間の関数として、組成物の押出し速度を決定することによって評価され得る。押出し速度とは、混合された封止剤処方物(すなわち、加速剤系と一緒になった封止剤処方物)がアプリケータデバイスから押出される速度である。封止剤処方物か加速剤系と混合されると、硬化が開始し、そして押出し速度が時間と共に変化する。従って、押出し速度は、硬化の程度の逆数に関連する。硬化の程度が低い場合、混合されたゲル化していない封止剤処方物の粘度は低く、従って、押出し速度は高い。この反応が完了に近づくと、その粘度は非常に高くなり、従って、押出し速度は低くなる。押出し速度は、AMS Method 3276(第4.5.10節)に従って測定され得る。
【0096】
本発明の方法の特定の実施形態において、硬化性組成物は、0℃〜100℃の範囲の温度で硬化する。
【0097】
本発明の方法の特定の実施形態において、硬化性組成物は、この組成物をエネルギー源に曝露することによって硬化される。特定の実施形態において、例えば、硬化性組成物が、反応性のエチレン性不飽和基(例えば、オレフィン基)を含む本発明のポリマーを含有する場合、この硬化性組成物は、放射線硬化性であり得る。本明細書中で使用される場合、用語「放射線硬化性」とは、例えば、電子線(EB)、UV光、または可視光などのエネルギー源に曝露することによって重合可能である反応性成分を有する材料をいう。
【0098】
従って、特定の実施形態において、本発明の硬化性組成物は、電離放射線および/または紫外光への曝露によって、硬化し得る。電離放射線とは、通常の材料(例えば、空気または水)からなる媒体中で直接または間接的にのいずれかでイオンを生成するために少なくとも充分なエネルギーを有する放射線であり、例えば、一般的に公知である電子線デバイスによって生成されるような加速電子が挙げられる。本発明の組成物を硬化させるために電子線デバイスが使用される場合、加速電子のエネルギーは、代表的に、約100,000電子ボルト〜約300,000電子ボルトの範囲である。本発明の組成物を硬化させるための電離放射線のラドで表される量は、硬化性組成物の特定の処方、基材上の硬化性組成物の塗布された層の厚さ、組成物の温度などの要因に依存して、変動する。しかし、特定の実施形態において、本発明の硬化性組成物は、低線量の電子線放射で硬化し得る。
【0099】
例えば180ナノメートル〜400ナノメートルの範囲の波長を有する紫外光を放出する任意の適切な源からの紫外放射線が、本発明の特定の硬化性組成物を硬化させるために使用され得る。紫外光の適切な源は、一般的に公知であり、そして例えば、水銀アーク、カーボンアーク、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、渦流プラズマアークおよび紫外線発光ダイオードが挙げられる。本発明の硬化性組成物の特定の実施形態は、空気中で、比較的低エネルギーの紫外光への曝露で、優れた硬化度を示し得る。
【0100】
特定の実施形態において、特に、硬化性組成物中に存在するポリマーがUV放射線によって硬化される場合、本発明の硬化性組成物はまた、光開始剤を含有する。当業者によって理解されるように、光開始剤は、硬化の間に放射線を吸収し、そしてこの放射線を、重合のために利用可能な化学エネルギーに変換する。光開始剤は、作用の様式に基づいて2つの主要な群に分類され、これらの群のうちのいずれかまたは両方が、本発明の組成物において使用され得る。切断型の光開始剤としては、アセトフェノン、α−アミノアルキルフェノン、ベンゾインエーテル、ベンゾイルオキシム、アシルホスフィンオキシドおよびビスアシルホスフィンオキシド、ならびにこれらの混合物が挙げられる。引き抜き型の光開始剤としては、ベンゾフェノン、マイケルケトン、チオキサントン、アントラキノン、ショウノウキノン、フルオロン、ケトクマリンおよびこれらの混合物が挙げられる。
【0101】
本発明の硬化性組成物において使用され得る光開始剤の具体的な非限定的な例としては、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノール、アセトフェノン、ベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビス(N,N’−ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、フルオロン(例えば、Spectra Group Ltd.から入手可能なH−Nu系列の開始剤)2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−イソプロピルチオキサントン、α−アミノアルキルフェノン(例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン)、アシルホスフィンオキシド(例えば、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、2,6−ジクロロベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキシド、および2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド)、ビスアシルホスフィンオキシド(例えば、ビス(2,6−ジメチルオキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、およびビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド)、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0102】
特定の実施形態において、本発明の硬化性組成物は、硬化性組成物の総重量に基づいて、0.01重量%〜15重量%までの光開始剤、またはいくつかの実施形態において、0.01重量%〜10重量%まで、またはなお他の実施形態において、0.01重量%〜5重量%までの光開始剤を含有する。
【0103】
硬化されると、本発明の硬化性組成物の特定の実施形態は、公知の方法(例えば、AMS(Aerospace Material Specification)3267 §4.5.4.7,MIL−S(Military Specification)−8802E §3.3.12およびMIL−S−29574に記載される方法、およびASTM(American Society for Testing and Materials)D522−88に記載される方法と類似の方法(これらは、本明細書中に参考として援用される))によって決定される場合に、良好な低温での可撓性を示し得る。
【0104】
特定の実施形態において、本発明の硬化性組成物は、硬化すると、本明細書中で議論されるポリマーの使用に一部起因して、非常に望ましい燃料耐性特徴を示す。硬化後の組成物の燃料耐性は、硬化後の組成物を炭化水素燃料に長時間曝露した後の体積膨潤の百分率によって決定され得、これは、ASTM D792またはAMS 3269(これらは、本明細書中に参考として援用される)に記載される方法と類似の方法を使用して、定量的に決定され得る。燃料耐性の試験のために、硬化後の組成物は、100重量部のチオール末端を有するポリマー、50重量部の沈降炭酸カルシウム、およびメルカプト基対エポキシ基の1:1当量比のエポキシ硬化剤から調製され得る。このエポキシ硬化剤は、60:40重量比のEPON 828ビスフェノールAジグリシジルエーテル(Shell Chemicalから入手可能)からDEN 431ビスフェノールAノボラック樹脂(Dow Chemicalから入手可能)までで調製される。
【0105】
本発明の特定の実施形態において、硬化後の組成物は、140°F(60℃)で周囲圧力のジェット参照液(jet reference fluid)(JRF)タイプ1に1週間浸漬した後に、40%以下、例えば、25%以下、またはいくつかの場合において、20%以下の体積膨潤の百分率を示す。ジェット参照液JRFタイプ1は、本明細書中で燃料耐性の決定のために使用される場合、以下の組成を有する(AMS 2629,1989年7月1日発行,§3.1.1以下参照(SAE(Society of Automotive Engineers,Warrendale,Pa.)から入手可能)(これは、本明細書中に参考として援用される)を参照のこと):
トルエン 28±1体積%
シクロヘキサン(工業用) 34±1体積%
イソオクタン 38±1体積%
第三級ジブチルジスルフィド 1±0.005体積%
(ドクタースイート(doctor sweet))
第三級ブチルメルカプタン 他の4つの成分の0.015重量%±0.0015重量%。
【0106】
以下の実施例が、本発明を説明するが、これらの実施例は、本発明をその細部まで限定するとみなされるべきではない。他に示されない限り、以下の実施例中および本明細書全体の全ての部および百分率は、重量が基準である。
【実施例】
【0107】
(実施例1)
温度計と、機械攪拌器と、窒素ガス入口と、添加漏斗とを備える3リットルの四つ口丸底フラスコに、981.24グラム(5.38モル)のジメルカプトジオキサオクタン(DMDO)および47.18グラム(0.19モル)のシアヌル酸トリアリル(TAC)を入れた。このフラスコを窒素でパージし、そしてその内容物を、70℃で5時間攪拌しながら加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、そして1.00gの1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)および100mlのエタノールと混合した。水浴で冷却して攪拌しながら、971.60グラム(4.54モル)のジアクリル酸ジエチレングリコール(DEG−DA)を、このフラスコに8時間かけて導入した。この反応混合物を室温で3時間攪拌し、そして70℃で5時間加熱した。この反応混合物を70℃/7〜8mmHgで2時間排気することによって、オフホワイト色の液体ポリマーを得た。このポリマーの収量は、2000グラム(100%)であった。このポリマーは、ASTM D−2849 §79−90に従ってBrookfield粘度計を使用して決定した場合に25℃の温度および約760mmHgの圧力で156ポアズの粘度、示差走査熱量測定法により決定して−48℃のTg、ならびにポリスチレン標準物質を使用するゲル透過クロマトグラフィーにより決定した場合に3376の数平均分子量を有した。
【0108】
(実施例2)
温度計と、機械攪拌器と、窒素ガス入口と、添加漏斗とを備える1リットルの四つ口丸底フラスコに、369.16グラム(2.02モル)のDMDOおよび17.71グラム(0.07モル)のTACを入れた。このフラスコを窒素でパージし、そしてその内容物を、70℃で3時間攪拌しながら加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、そして0.8グラムの4−メトキシフェノール、0.4グラムのDBUおよび40ミリリットルのエタノールと混合した。水浴で冷却して攪拌しながら、413.13グラム(1.71モル)のジメタクリル酸ジエチレングリコール(DEG−DMA)を、このフラスコに7時間かけて導入した。この反応混合物を室温で4時間攪拌し、70℃で6時間加熱した。この反応混合物を70℃/7〜8mmHgで2時間排気して、オフホワイト色の液体ポリマーを得た。このポリマーの収量は、800グラム(100%)であった。このポリマーは、ASTM D−2849 §79−90に従ってBrookfield粘度計を使用して決定した場合に25℃の温度および約760mmHgの圧力で252ポアズの粘度、示差走査熱量測定法により決定して−51℃のTg、ならびにポリスチレン標準物質を使用するゲル透過クロマトグラフィーにより決定した場合に4039の数平均分子量を有した。
【0109】
(実施例3)
温度計と、機械攪拌器と、窒素ガス入口と、添加漏斗とを備える100ミリリットルの四つ口丸底フラスコに、36.66グラム(0.2モル)のDMDO、0.06グラムの4−メトキシフェノール、0.03グラムのDBUおよび3ミリリットルのエタノールを入れた。水浴で冷却して攪拌しながら、21.75グラム(0.17モル)のメタクリル酸アリル(AMA)を、このフラスコに1.5時間かけて導入した。この反応混合物を室温で8時間攪拌し、70℃で4.5時間加熱した。エタノールを減圧下で除去し、そして1.59グラム(0.006モル)のTACをこの反応混合物に添加した。このフラスコを窒素でパージし、そしてその内容物を70℃まで加熱した。9部(それぞれ0.036g)のフリーラジカル開始剤Vazo(登録商標)67[Du Pontの2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)]を、2時間ごとに添加して、この反応を完了させた。この反応混合物を70℃/7〜8mmHgで0.5時間排気して、淡琥珀色の液体ポリマーを得た。このポリマーの収量は、60グラム(100%)であった。このポリマーは、ASTM D−2849 §79−90に従ってBrookfield粘度計を使用して決定した場合に、25℃の温度および約760mmHgの圧力で319ポアズの粘度、示差走査熱量測定法により決定して−59℃のTg、ならびにポリスチレン標準物質を使用するゲル透過クロマトグラフィーにより決定した場合に4644の数平均分子量を有した。
【0110】
(実施例4)
封止剤組成物を、85重量部の実施例1のポリマー、15重量部のPERMAPOL P5ポリマー(PRC−DeSoto International,Glendale,Californiaから市販されている)、1.5重量部のMethylon 75108樹脂(Resolution Performance Products,Houston,Texasから市販されている)、1.0重量部のフェノール樹脂接着促進剤、1.0重量部の二酸化チタン、5重量部の水酸化アルミニウム、50重量部の炭酸カルシウム、0.5重量部のTyzor(登録商標)TPT(E.I.DuPont de Nemours and Co.,Wilmington,DEから市販されている)、2.0重量部のA−1100アミノシラン(OSi Specialties,Inc.,Greenwich,CTから市販されている)、1.0重量部のA−1120アミノシラン(OSi Specialties,Inc.,Greenwich,CTから市販されている)、0.8重量部のDabco 33LV(ジプロピレングリコール中のトリエチレンジアミンであり、Air Products & Chemicalsから市販されている)、および0.5重量部の桐油を混合することによって、調製した。
【0111】
実施例4の組成物の調製の要約を、表1に提供する。
【0112】
【表1】


粘度を、AMS(Aerospace Material Specification)3265B,§3.6.3,試験手順AS5127/1(クラスBの封止化合物について),§ 5.3に記載される手順に従って測定した。
流動性を、AMS 3265B,§ 3.6.5,試験手順AS5127/1,§ 5.5.1に記載される手順に従って測定した。
塗布時間を、AMS 3265B,§ 3.6.6,試験手順AS5127/1,§ 5.6.2に記載される手順に従って測定した。
指触乾燥時間を、AMS 3265B,§ 3.6.8,試験手順AS5127/1,§5.8に記載される手順に従って測定した。
硬化硬度を、AMS 3265B,§ 3.6.9,試験手順AS5127/1,§ 5.9に記載される手順に従って測定した。
接着を、種々の条件で、AMS 3265B,§ 3.6.23,試験手順AMS 3265,§ 4.6.4に記載される手順に従って測定した。
引張強度および伸びを、種々の条件で、AMS 3265B,§ 3.6.20,試験手順AS5127/1,§ 7.7に記載される手順に従って測定した。
【0113】
上記明細書中に開示された概念から逸脱することなく、本発明に対して改変がなされ得ることが、当業者に容易に理解される。このような改変は、特許請求の範囲がそうではないことをその文言により明白に言及しない限り、添付の特許請求の範囲に含まれるとみなされるべきである。従って、本明細書中に詳細に記載された特定の実施形態は、例示のみであり、そして本発明の範囲を限定しない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその任意の全ての均等物の全範囲を与えられるべきである。
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
式:
【化1】


を含む構造を有するポリマーであって、該式において、
は、C2−10 n−アルキレン基、C2−6分枝アルキレン基、C6−8シクロアルキレン基、C6−10アルキルシクロアルキレン基、−[(−CH−)−X−]−(−CH−)−、または少なくとも1個の−CH−単位がメチル基で置換されている−[(−CH−)−X−]−(−CH−)−から独立して選択され、ここでpは、2〜6の範囲の値を有する整数であり、qは、1〜5の範囲の値を有する整数であり、rは、2〜10の範囲の値を有する整数であり、そしてXは、O、S、および−NR−から選択され、ここでRは、水素もしくはメチルであり、
は、アリル(メタ)アクリレートまたは多官能性(メタ)アクリレートから誘導される構造を表し、
は、水素およびアルキル基から独立して選択され、
nは、1〜60の範囲の値を有する整数であり、そして
mは、0〜10の範囲の値を有する有理数である、
ポリマー。
(項目2)
が、式
【化2】


を含む構造を表し、該式において、Xが、
【化3】


を表し、そしてYが、(CH−CH−O)、(CH−CH−CH−O)
【化4】


または(CHOを表し、ここで、uは、1〜4の範囲の値を有する整数であり、yは、1〜3の範囲の値を有する整数であり、zは、1〜4の範囲の値を有する整数であり、そしてwは、1〜12の範囲の値を有する整数である、項目1に記載のポリマー。
(項目3)
が、式
【化5】


を含む構造を表す、項目1に記載のポリマー。
(項目4)
式:
A−(−[R−R
を含む構造を有するポリマーであって、該式において、
Aは、項目1の式を含む構造を表し、
yは、0または1であり、
は、yが0である場合には単結合を表し、そしてyが1である場合には−S−(CH−[−O−R−]−O−を表し、ここでmは、0〜10の範囲の値を有する有理数であり、そして
は、yが0である場合にはチオール基もしくは−S−(−CH−)2+s−O−Rを表し、そしてyが1である場合には−CH=CHもしくは−(−CH−)−S−Rを表し、ここで、sは、0〜10の範囲の値を有する整数であり、そしてRは、非置換であるかまたは少なくとも1個の−OH基もしくは−NHR基で置換されているC1−6 n−アルキル基を表し、ここでRは、HまたはC1−6 n−アルキル基である、
ポリマー。
(項目5)
上記ポリマーが、少なくとも2個の反応性チオール基を含む反応物質から形成される、項目1に記載のポリマー。
(項目6)
上記少なくとも2個のチオール基を含む反応物質が、式:
HS−R−SH
を有するジチオールを含むモノマー性ポリチオールを含み、該式において、
Rは、C2−10 n−アルキレン基、C2−6分枝アルキレン基、C6−8シクロアルキレン基、C6−10アルキルシクロアルキレン基、−[(−CH−)−X−]−(−CH−)−、または少なくとも1個の−CH−単位がメチル基で置換されている−[(−CH−)−X−]−(−CH−)−を表し、ここで、pは、2〜6の範囲の整数であり、qは、1〜5の範囲の整数であり、rは、2〜10の範囲の整数であり、そしてXは、O、S、または−NR−から選択され、ここでRは、水素またはメチルである、
項目5に記載のポリマー。
(項目7)
上記少なくとも2個のチオール基を含む反応物質が、(i)ポリビニルエーテルモノマーと(ii)ポリチオールモノマーとを含有する反応物質を反応させることによって調製されるチオール末端を有するポリマーを含むポリマー性ポリチオールを含む、項目5に記載のポリマー。
(項目8)
上記ポリマー性ポリチオールが、式:
HS−R−[−S−(CH−O−[−R−O−]−(CH−S−R−]−SH
を含む構造を含み、該式において
は、C2−10 n−アルキレン基、C2−6分枝アルキレン基、C6−8シクロアルキレン基、C6−10アルキルシクロアルキレン基、複素環式基、−[(−CH−)−X−]−(−CH−)−;または少なくとも1個の−CH−単位がメチル基で置換されている−[(−CH−)−X−]−(−CH−)−を表し、ここでpは、2〜6の範囲の値を有する整数であり、qは、1〜5の範囲の値を有する整数であり、rは、2〜10の範囲の値を有する整数であり、そしてXは、O、S、または−NHR−を表し、ここでRは、Hまたはメチルを表し;
は、メチレン、C2−10 n−アルキレン基、C2−6分枝アルキレン基、C6−8シクロアルキレン基、C6−14アルキルシクロアルキレン、複素環式基、または−[(−CH−)−X−]−(−CH−)−を表し、ここでpは、2〜6の範囲の値を有する整数であり、qは、1〜5の範囲の値を有する整数であり、rは、2〜10の範囲の値を有する整数であり、そしてXは、O、S、または−NHR−を表し、ここでRは、Hまたはメチルを表し;
mは、1〜50の範囲の値を有する有理数であり;
nは、1〜60の範囲の値を有する整数であり;そして
pは、2〜6の範囲の値を有する整数である、
項目7に記載のポリマー。
(項目9)
項目1に記載のポリマーを作製するための方法であって、該方法は、nモルより多いポリチオールを、少なくとも1個の(メタ)アクリレート基を含む化合物を含有するnモルの反応物質と、触媒の存在下で反応させる工程を包含する、方法。
(項目10)
式:
CH=CH−(CH−O−R
を有する0.05モル〜2モルの化合物を、上記ポリチオールおよび上記少なくとも1個の(メタ)アクリレート基を含む化合物を含有する反応物質と反応させる工程をさらに包含し、該式において、Rは、非置換であるかまたは少なくとも1個の−OH基もしくは−NHR基で置換されているC1−6 n−アルキルを表し、ここでRは、HまたはC1−6 n−アルキル基を表し、そしてsは、0〜10の整数である、項目9に記載の方法。
(項目11)
式:
HS−R
を有する0.05モル〜2モルの化合物を、上記ポリチオールおよび上記少なくとも1個の(メタ)アクリレート基を含む化合物を含有する反応物質と反応させる工程をさらに包含し、該式において、Rは、非置換であるかまたは少なくとも1個の−OH基もしくは−NHR基で置換されているC1−6 n−アルキルを表し、ここでRは、HまたはC1−6 n−アルキル基を表す、項目9に記載の方法。
(項目12)
上記ポリマーが、式:
【化6】


を有する構造を含み、該式において、Aは、−SHまたは−CH=CHである、項目1に記載のポリマー。
(項目13)
式:
B−(A−(−[R−R
を含む構造を有するポリマーであって、該式において、
Bは、多官能性化剤のz価の残基であり、
Aが、項目1の式を含む構造を表し、
yは、0または1であり、
zは、3〜6の範囲の値を有する整数であり、
は、yが0である場合には単結合を表し、そしてyが1である場合には−S−(CH−[−O−R−]−O−を表し、ここでmは、0〜10の範囲の値を有する有理数であり、そして
は、yが0である場合には−SHまたは−S−(−CH−)2+s−O−Rを表し、そしてyが1である場合には−CH=CHまたは−(−CH−)−S−Rを表し、ここでsは、0〜10の範囲の値を有する整数であり、そしてRは、非置換であるかまたは少なくとも1個の−OH基もしくは−NHR基で置換されているC1−6 n−アルキル基を表し、ここでRは、HまたはC1−6 n−アルキル基である、
ポリマー。
(項目14)
上記多官能性化剤が、シアヌル酸トリアリル、1,2,3−プロパントリチオール、およびこれらの混合物から選択される、少なくとも1種の三官能性化剤を含む、項目13に記載のポリマー。
(項目15)
項目1に記載のポリマーを含有する、硬化性組成物。
(項目16)
少なくとも1種の硬化剤をさらに含有し、該硬化剤は、上記ポリマーの反応性基と反応性である少なくとも2個の反応性基を含む、項目15に記載の硬化性組成物。
(項目17)
上記硬化剤が、エポキシ官能性樹脂を含む、項目16に記載の硬化性組成物。
(項目18)
項目15に記載の硬化性組成物で基材を少なくとも部分的にコーティングする方法であって、該方法は、
(a)該硬化性組成物を、該基材の少なくとも一部分に塗布する工程、および
(b)該組成物を硬化させる工程、
を包含する、方法。
(項目19)
項目15に記載の硬化性組成物で基材を少なくとも部分的にシールする方法であって、該方法は、
(a)該硬化性組成物を、該基材の少なくとも一部分に塗布する工程、および
(b)該組成物を硬化させる工程、
を包含する、方法。
(項目20)
項目15に記載の硬化性組成物から形成された、硬化組成物。
(項目21)
式:
【化7】


を含む構造を有するポリマーであって、該式において、
は、C2−10 n−アルキレン基、C2−6分枝アルキレン基、C6−8シクロアルキレン基、C6−10アルキルシクロアルキレン基、−[(−CH−)−X−]−(−CH−)−、または少なくとも1個の−CH−単位がメチル基で置換されている−[(−CH−)−X−]−(−CH−)−から独立して選択され、ここでpは、2〜6の範囲の値を有する整数であり、qは、1〜5の範囲の値を有する整数であり、rは、2〜10の範囲の値を有する整数であり、そしてXは、O、S、および−NR−から選択され、ここでRは、水素もしくはメチルであり、
は、式
【化8】


および式
【化9】


から選択される構造を表し、該式において、Xは、
【化10】


を表し、そしてYは、(CH−CH−O)、(CH−CH−CH−O)
【化11】


、または(CHOを表し、ここでuは、1〜4の範囲の値を有する整数であり、yは、1〜3の範囲の値を有する整数であり、zは、1〜4の範囲の値を有する整数であり、そしてwは、1〜12の範囲の値を有する整数であり、
は、水素およびアルキル基から独立して選択され、
nは、1〜60の範囲の値を有する整数であり、そして
mは、0〜10の範囲の値を有する有理数である、
ポリマー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書中に記載される発明。

【公開番号】特開2011−153324(P2011−153324A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−109934(P2011−109934)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【分割の表示】特願2008−525992(P2008−525992)の分割
【原出願日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【出願人】(502328466)ピーアールシー−デソト インターナショナル,インコーポレイティド (29)
【Fターム(参考)】