説明

ポリテトラフルオロエチレン製のスリットヤーン及びその製造方法

【課題】 線径のバラツキを抑制し得るスリットヤーンを提供する。
【解決手段】 スリットヤーンは、両側部が1回以上折り畳まれており、折り畳み幅がヤーン長手方向で略等しくなっている。このスリットヤーンは、その幅を0.5mおきに20点以上測定し、平均値W(avg)と標準偏差W(σ)とに基づいて下記式(1)に示す変動指数Xを算出したとき、このXが例えば4%以下程度になっている。なお本発明のスリットヤーンでは、前記折り畳み部は、通常、形状セットされている。
X(%)=W(σ)/W(avg)×100 …(1)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリテトラフルオロエチレン製の糸に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製糸は、耐熱性、耐候性、耐薬品性などに優れており、また低摩擦係数、低誘電定数、生体適合性(抗血栓性など)などの点でも優れており、幅広い分野で利用が進められている。例えば、種々の膜体(逆浸透膜、限外ろ過膜、精密ろ過膜、バグフィルター用ろ過膜、イオン交換膜など)の支持体として使用されることもあり、また手術縫合用糸、手術用当布などに利用される場合もある。
【0003】
ところでポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、溶融成型が困難なため、通常、エマルジョン紡糸法(特許文献1など)、スリットヤーン法(特許文献2〜3など)などによって製造されている。これら製法のうちスリットヤーン法は、不純物が少ない点で優れており、特にイオン交換膜の支持体として使用するのに好適である。
【0004】
スリットヤーン法では、概略、次のようにして糸を製造している。すなわちまず始めに、PTFE粉末を潤滑剤と混合してペースト化した後、押出成形し、加熱乾燥して潤滑剤を除去する。得られた押出成形物をPTFEの融点以下の温度で延伸してシート化した後、この延伸シートを細長くスリットしてテープ化する。このテープをPTFEの融点以上の温度で延伸することによって、スリットヤーン(糸)を製造している。
【特許文献1】特開昭63−126911号公報
【特許文献2】特開平2−127509号公報
【特許文献3】特開平7−102413号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし前記シートのスリット体(テープ)は極めて柔軟であり、装置内を走行している間にテープが縦方向に沿って折り曲がることがある。しかも折り曲がり幅がテープ長手方向で不均一になり、糸の線径バラツキが大きくなる。
【0006】
なおテープを厚肉にすれば前記折り曲がりは低減できるものの、得られるスリットヤーン(糸)の柔軟性が低下し、またスリット加工性も低下する。
【0007】
またスリット体(テープ)のスリット面は、ミクロ繊維(多孔質構造を形成するフィブリル部分)が切断されて毛羽立ち易くなっており、繊維屑を発生させたり、糸切れの起点になる。
【0008】
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、線径のバラツキを抑制し得るスリットヤーン及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、繊維屑を低減でき、糸切れを低減できるスリットヤーン及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、回転ロールに筋状凸部を形成し、この筋状凸部の頂面に沿って延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)のテープを走行させ、テープを筋状凸部頂面の両側部で折り曲げておけば、得られるスリットヤーンの折り畳み幅をヤーン長手方向で略等しくできること、
またこのようにして得られた折り畳み幅の略等しいスリットヤーンは、線径のバラツキが抑制されており、また繊維屑や糸切れも低減できることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
すなわち本発明に係るスリットヤーンは、両側部が1回以上折り畳まれており、折り畳み幅がヤーン長手方向で略等しくなっている点に要旨を有する。このスリットヤーンは、その幅を0.5mおきに20点以上測定し、平均値W(avg)と標準偏差W(σ)とに基づいて下記式(1)に示す変動指数Xを算出したとき、このXが例えば4%以下程度になっている。なお本発明のスリットヤーンでは、前記折り畳み部は、通常、形状セットされている。
X(%)=W(σ)/W(avg)×100 …(1)
【0012】
前記スリットヤーンは、撚りをかけて撚糸にするのが望ましい。撚り数は、800T/m以下であってもよい。この撚糸は布帛にすることができ、該布帛は例えばイオン交換膜の支持材として使用できる。
【0013】
本発明のスリットヤーンは、以下のようにして製造できる。すなわち(a)延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンシートを長手方向にスリットしてテープにし、(b)テープ幅より狭い幅の頂面を有する筋状凸部が形成された第1の回転ロールに、この頂面を覆うように前記テープを走行させ、テープを筋状凸部頂面の両側部で折り曲げ、(c)この折り曲げ部を折り畳んだ後、延伸することによって製造できる。前記筋状凸部に沿ってテープを走行させる際には、テープに引張テンションを作用させるのが望ましい。前記筋状凸部の頂面と側面が形成する角部の曲率半径Rは、例えば1.0mm以下程度である。テープの両側部は鋭角に折り曲げるのが望ましく、その為には例えば(i)前記筋状凸部の頂面と側面とが形成する角度を90°未満にしてもよく、(ii)テープの折り曲げの後、テープ進行方向に向かうにつれて狭くなる隙間に、テープの折り曲げ部だけを進入させてもよい。折り曲げ部を折り畳むためには、例えば、(i)テープの両側部を鋭角に折り曲げた後、折り曲げ側が表になるようにしながら第2の回転ロールにテープを沿わせてもよく、(ii)テープの両側部を鋭角に折り曲げた後、テープを厚み方向に押圧してテープの両側部を折り畳んでもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明のスリットヤーンによれば、折り畳み幅が略等しいため、線径のバラツキが抑制されており、また繊維屑や糸切れも低減できる。また本発明のスリットヤーンの製造方法によれば、回転ロールに筋状凸部を形成し、この筋状凸部の頂面に沿ってePTFEテープを走行させ、テープを筋状凸部頂面の両側部で折り曲げているため、得られるスリットヤーンの折り畳み幅をヤーン長手方向で略等しくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
[スリットヤーン]
以下、適宜図面を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明のスリットヤーンの製法の一例を説明するための装置概略斜視図である。この図示例の製法では、延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)をボトム側からトップ側へ搬送する3本ロール10(ボトム側から順に、折り曲げロール、折り畳みロール、ニップロールと称する。なお折り曲げロールは、第1の回転ロールと称する場合があり、折り畳みロールは第2の回転ロールと称する場合がある)を使用している。より詳細には、ボトム側の折り曲げロール20では、ePTFEシートをスリット刃(図示せず)により所定の幅にスリットすることによって得られるePTFEテープ110を巻き取っている。この折り曲げロール20には、ePTFEテープ110の走行方向に沿って複数の筋状凸部21が形成されており、この筋状凸部21にePTFEテープ110を巻き付けることにより、該テープ110の両側部を折り曲げている。そして折り曲げロール20と折り畳みロール30との間に設けられたガイド部材70によって前記折り曲げの角度を鋭角にした後、折り曲げ側が表になるようにしながら折り畳みロール30にテープを沿わせてテープ110の両側部を折り畳み、次いで折り畳みロール30とニップロール40とで折り畳み部をテープ厚み方向に押圧(ニップ)している。このようにしてニップされた折り畳みテープ120を延伸機(図示せず)で延伸(特に熱延伸)することによってスリットヤーンを製造している。
【0017】
この図示例の製法において、折り曲げロール20に形成された筋状凸部21は、図2の概略断面図に示すように、頂面24の幅T1がePTFEテープ110の幅T2よりも狭くなっており、この狭い頂面24を覆うようにePTFEテープ110を走行させている。そのため図3の概略断面図に示すように、筋長凸部の頂面24の両側部(エッジ)23,23でePTFEテープ110を概略コ字形状に折り曲げることができる。特に図示例の製法では、ePTFEテープ110に引張テンションを作用させているため、凸部頂面の両側部23,23でePTFEテープ110をより確実に折り曲げることができる。
【0018】
なおePTFEテープ110の幅T2は、ePTFEテープの折り曲げが実質的に可能である限り特に限定されず、例えば、0.5mm以上、好ましくは1mm以上、さらに好ましくは2mm以上である。なお幅T2の上限は、50mm程度、例えば10mm程度であることが多い。ePTFEテープ110の厚さは、スリット後にePTFEテープの折り曲げが実質的に可能である限り特に限定されず、例えば、5μm以上(特に10μm以上)、1000μm以下(特に700μm以下)程度である。ePTFEテープ110の厚さが上記範囲から外れると、ePTFEテープの折り畳みが実質的に困難となる。
【0019】
ePTFEテープ110の折り曲げ部を鋭角にするため、上記図示例ではガイド部材70が使用されている。このガイド部材70の詳細を、図4の概略斜視図及び図5の概略平面図に図示する。これら図4及び図5に示されるように、ガイド部材70は複数本の櫛歯状突出部71を備えており、この櫛歯状突出部71は、折り曲げロール20に形成された筋状凸部21と互いに挟まり合うようになっている。また櫛歯状突出部71は、折り曲げロール20の回転方向前方に進むにつれて互いの間隔が狭くなっており、上方からは概略V字形状に見えるV字部(隙間)72を形成している。なおこのV字部(隙間)72は、側方から見ると折り畳みロール(第3ロール)30方向に向けて反り上がっている。
【0020】
このガイド部材70の機能を、図6〜図7(a)、(b)、(c)、(d)を参照しながら説明する。図6のA−A’切断面が図7(a)に相当し、図6のB−B’切断面が図7(b)に相当し、図6のC−C’切断面が図7(c)に相当し、図6のD−D’切断面が図7(d)に相当する。図6及び図7(a)に示すように、折り曲げロール20(筋状凸部21)で断面コ字形状に折り曲げられたePTFEテープ110は、折り曲げロール20の回転に沿って上方へと送られ、櫛歯状突出部71の間に進入していく。ePTFEテープ110は、一旦櫛歯状突出部71の間に挟まって確実に折り曲げられた後(図7(b)参照)、折り曲げロール20を離れて折り畳みロール30方向(上方)に進んでいく(図6参照)。そしてこのePTFEテープ110の進行方向に沿う様に、ガイド部材70のV字部(隙間)72も反り上がっており、このV字部(隙間)72にテープ110の折り曲げ部112だけを進入させることにより、折り曲げ角度を鋭角にすることができる(図7(c)、(d)参照)。
【0021】
また上記図示例では、V字部72(ガイド部材70)で鋭角に折り曲げたePTFEテープ110を、この折り曲げた側が表になるようにしながら折り畳みロール30に巻き付けている(図6参照)。この巻き付けによって、折り曲げ部112を折り畳んでいる。
【0022】
さらに図示例の製法では、折り畳んだテープ120を、ニップロール40によってテープ120の厚み方向に押圧し、前記折り畳みをより確実にしている。そしてこのように確実に折り畳まれたテープ120を、延伸機(図示せず)で延伸し、スリットヤーンを製造している。
【0023】
上記製法によって得られたスリットヤーンは、概略、図8に示す平面形状を有している。すなわちスリットヤーン140の両側部141,142が折り畳まれており、しかも折り畳み幅Dがヤーン長手方向で略等しくなっている。この折り畳み幅Dの均等性は、より具体的には、スリットヤーンの幅Wに関連する変動指数Xによって表すことができる。変動指数Xは、スリットヤーンの幅Wの平均値W(avg)と標準偏差W(σ)とから、下記式(1)に基づいて算出される値であり、スリットヤーンの幅Wの測定点は0.5mおきに20点以上設定する。
X(%)=W(σ)/W(avg)×100 …(1)
【0024】
本発明のスリットヤーンでは、前記変動指数Xが、例えば、4%以下、好ましくは3.5%以下、さらに好ましくは3%以下になっている。このように本発明のスリットヤーンは、折り畳み幅Dがヤーン長手方向で略等しくなっているため、線径のバラツキを抑制できる。また延伸ムラを低減でき、スリットヤーンの長手方向の物性の均一性も向上できる。
【0025】
なおスリットヤーンの幅W(avg)は、撚糸加工時に糸切れを起こさない程度の強度が確保できれば特に限定されないが、例えば、10μm以上、好ましくは50μm以上、さらに好ましくは100μm以上である。スリットヤーンの幅W(avg)の上限は特に限定されないが、5000μm以下(例えば1000μm以下、特に500μm以下)程度であることが多い。またスリットヤーンの繊度は、撚糸加工時に糸切れを起こさない程度の強度が確保できれば特に限定されないが、例えば、5デニール以上、好ましくは10デニール以上、さらに好ましくは20デニール以上である。スリットヤーンの繊度の上限は特に限定されないが、2000デニール以下(例えば、1000デニール以下、特に500デニール以下)程度であることが多い。
【0026】
さらには本発明のスリットヤーンでは、前記図8に示すように、摩擦耐久性の低いスリット切断面145が確実に内側に折り畳まれている。そのためヤーンの毛羽立ちを抑制でき、かつ糸切れ又は糸の強度低下も抑制できる。さらには繊維屑の発生も防止できる。
【0027】
スリットヤーンの折り畳み部143、144は、図8のように重ならなくてもよいが、図9に示すように重なり合っていてもよい。折り畳み部を重なり合わせると、スリット切断面145をより高度に遮蔽でき、かつスリットヤーンの細径化も容易に達成できる。
【0028】
さらにはスリットヤーン140の両側部141、142の折り畳み回数は、図8や図9のように1回に限られず、図10に示すように2回であってもよく、さらには3回以上であってもよい。両側部141、142を2回以上折り畳めば、スリット切断面145をさらに高度に遮蔽できる。なお図10に示すようなスリットヤーン140は、図11(a)に示すように両側部を1回折り畳んだ折り畳みテープ120(又はスリットヤーン140)を、再度、コ字形状に曲げ(図11(b)、(c)参照)、折り畳むことによって(図11(d)、(e)参照)製造できる。また後述するように特定のガイド部材を使用することによっても製造できる。
【0029】
なお上記図8〜図11では折り畳み部143、144は、その折り返し構造内に隙間149が残っているかのように描写されているが、これはスリットヤーンの折り畳み構造を判りやすく示すためである。実際には折り畳み部143、144は非折り畳み部と密着(特に熱融着)しており、前記隙間149は存在しない。
【0030】
上記した本発明のスリットヤーン140は、上述の図示例の製法に限られず、種々の方法によって製造できる。例えば、折り曲げロール20では、必ずしも凸状に折り曲げる必要はない。図12は筋状凹部22を形成した折り曲げロール20の概略断面図であり、この図12に示すように、筋状凹部を利用すればePTFEテープ110を凹状に折り曲げることができる。さらには図13に示すような補助部材(丸棒など)80を利用することによっても、ePTFEテープ110を凹状に折り曲げることができる。図13の例では、筋状凸部21の間に補助部材(丸棒)80が介挿されており、かつこの丸棒80と筋状凸部21の頂面とで概略凹型形状を形成するようにしている。しかも前記補助部材(丸棒)80の先端81を概略V字形状に折り曲げており、このV字先端部81の配設位置を、ePTFEテープ110が概略コ字形状に折り曲げられる前の未だ概略平坦形状を維持している箇所になるようにしている。このような補助部材80を用いれば、V字先端部81を利用してePTFEテープ110を凹状に折り曲げることができる。なお補助部材80の断面形状は、筋状凸部の頂面24と一緒になって概略凹型形状を形成できる限り特に限定されず、丸形以外の種々の形状を採用できる。また先端部81の形状も、ePTFEテープ110を平坦状から凹状に案内できる限り、種々の形状が採用できる。
【0031】
好ましい折り曲げ方法は、筋状凸部を利用して凸状に折り曲げる方法である。この方法は、折り畳み幅Dを極めて高度に均一化できる。
【0032】
筋状凸部を形成する場合にも、当該筋状凸部としては種々の断面形状のものが採用でき、例えば筋状凸部の頂面24はフラットにしてもよく、フラットにしなくてもよい。図14は、頂面がフラットではない筋状凸部の一例を示す概略断面図である。図14の例では、筋状凸部21の頂面24と側面25との間に、突起26が形成されている。この突起26によってePTFEテープ110に折り曲げ癖を強固につけることができる。
【0033】
一方、頂面がフラットである筋状凸部としては、例えば上記図3に示した筋状凸部の他、図15に示すような筋状凸部も例示できる。図15の例では、筋状凸部21の頂面24と側面25との間の角部(コーナー、エッジ)23が90°未満(例えば50〜89°程度)の角度を形成している。そのため、ePTFEテープ110の両側部を鋭角に折り曲げることができる。
【0034】
なお筋状凸部の頂面24をフラットにする場合、角部23の曲率半径Rは、例えば、1.0mm以下、好ましくは0.3mm以下、さらに好ましくは0.1mm以下程度である。曲率半径Rを小さくする程、ePTFEテープ110の折り曲げ癖を強固にできる。
【0035】
筋状凸部の高さは、ePTFEテープ110の折り曲げ部112の幅よりも高いことが望ましい。折り曲げ部112の幅よりも高ければ、安定して概略コ字形状に折り曲げることができる。
【0036】
折り曲げロール20でePTFEテープ110を折り曲げる際(特に凸状に折り曲げる際)には、テープ110の折り曲げ癖を強固にできることからePTFEテープに引張テンションを作用させるのが望ましいが、必ずしも引張テンションを作用させる必要はない。
【0037】
折り曲げロール20の材質は特に限定されないが、比較的硬質な部材(SUSなどの金属部材、硬質PVCなどの硬質プラスチック部材など)が望ましい。ゴム質部材などのように弾性が大きい部材を使用した場合に比べ、硬質部材で折り曲げロール20を製造すると、ePTFEテープ110の折り曲げ癖を強固にできる。
【0038】
折り曲げロール20でePTFEテープ110を折り曲げた後に使用するガイド部材70は、ePTFEテープ110の折り曲げ部112だけを進入させる隙間72であって、テープ110の進行方向に向かうにつれて狭くなるような隙間72を有している限り、種々の形状のものが使用できる。前記のような隙間72があれば、ePTFEテープを鋭角に折り曲げることができるためである。例えば図16に示すように、テープ110の進行方向に向かうにつれて半径が小さくなるU字管73も、ガイド部材70として使用できる。
【0039】
徐々に狭くなる隙間72は、ePTFEテープ1本当たり、1つであってもよいが、2つであってもよい。テープ1本当たり2つ隙間72があると、図17に示すように、ePTFEテープの両側部を2回折り曲げることができ、1パスで上記図10に示すようなスリットヤーンを作ることができる。
【0040】
また前記ガイド部材70は、櫛歯状突出部71などのように、筋状凸部21の間に挟まり込む部位を有しているのが望ましい。このような部位を有していれば、ePTFEテープ110の折り曲げ幅をより高度に安定させることができる。
【0041】
ガイド部材70の材質は特に限定されないが、比較的高い寸法精度が要求されるため、金属部材が好ましく、切削加工が容易なことからアルミニウムが特に好ましい。
【0042】
なお本発明では、ガイド部材70は必須ではない。例えば上述したように、折り曲げロール20の筋状凸部21の角部(コーナー、エッジ)23を鋭角にしておけば、ガイド部材70を使用しなくても、ePTFEテープ110を鋭角に折り曲げることができる。
【0043】
ガイド部材70や鋭角なコーナーを有する筋状凸部21などによって折り曲げ部を鋭角にしたePTFEテープ110は、上記図6に示すように、折り畳みロール30に送ることによって、反転させる(即ち折り曲げ方向と反対に反らせる)のが望ましい。折り幅Dをより高度に均一にできるためである。
【0044】
ただし折り畳みロール30による反転処理は必須ではない。例えば図18に示す例では、鋭角なコーナーを有する筋状凸部21によってePTFEテープを鋭角に折り曲げた後、このePTFEテープを反転させることなく直接一対のニップロール40、40で押圧している。このような方法によっても、折り畳み幅Dを略均等にできる。なお図17の例では、鋭角なコーナーの筋状凸部21と共に、又は該鋭角な筋状凸部21に変えて、上述のガイド部材70を利用して折り曲げ部を鋭角にしてもよい。
【0045】
好ましい方法は、折り曲げ部の鋭角化処理と反転処理の両方を行う方法である。これらを組み合わせれば、より確実に、折り畳み幅Dを略均等にできる。
【0046】
本発明の方法では、折り曲げたePTFEテープ120の押圧(ニップロール40などによる押圧など)もまた必須ではないが、折り畳み癖を強固につけることによって折り畳み幅Dの均等性を高めるのに極めて有用であるため、押圧することが望ましい。押圧には、テープの厚み方向に押圧力を作用させることができる限り種々の方法が採用でき、例えば、厚み方向の隙間が徐々に狭くなるスリットにePTFEテープ120を通過させてもよい。
【0047】
折り曲げロール20、ガイド部材70、折り畳みロール30、ニップロール40などにおけるePTFEテープの走行速度は、例えば、1m/分以上(特に5m/分以上)、20m/分以下(特に15m/分以下)程度である。
【0048】
折り畳みePTFEテープ120の延伸は、加熱条件下で行うことが望ましく、例えば、PTFEの融点以上(例えば、330〜370℃程度)で行うことが推奨される。加熱条件下で延伸することによって、折り畳み部143、144を熱セット(特に熱融着)することができ、その形状をセットできる。なお延伸倍率は、例えば、5倍以上(特に7倍以上)、20倍以下(特に15倍以下)程度である。
【0049】
上記した製法に供するePTFEシートとしては従来公知のものが使用でき、例えば、ePTFEシートは特公昭51−18991号公報に記載の方法によって得られたものであってもよい。
【0050】
[スリットヤーンの利用]
本発明のスリットヤーンは、従来のPTFE製糸と同様に幅広い分野で利用することができるが、特に撚糸にしたときに従来のPTFE製糸よりも優れている。すなわち本発明のスリットヤーンは、折り畳み幅Dがヤーン長手方向で略等しくなっている。そのため撚りをかけて撚糸にしたとき、撚りムラを低減できる。特に従来のPTFE製スリットヤーンでは、撚り数が800T/m以下(例えば、700T/m以下、特に600T/m以下)のときに撚りムラが顕著であったが、本発明のスリットヤーンによればこのような低い撚り数でも撚りムラを低減できる。
【0051】
そして本発明のスリットヤーンから得られる撚糸は、折り畳み幅Dが略等しく、かつ撚りムラが低減されているため、糸径が高度に均一化されている。そのため該撚糸から布帛を形成した時に、種々の膜体(逆浸透膜、限外ろ過膜、精密ろ過膜、バグフィルター用ろ過膜、イオン交換膜など。特にイオン交換膜)の支持体として極めて有利に利用できる。
【0052】
例えばイオン交換膜の性能(イオン交換能力)は、支持体である布帛の糸径に影響される。すなわち糸径を小さくして糸による遮蔽効果を小さくするほど、イオン交換能を高めることができる。本発明のスリットヤーンを使用して糸径を均一化にすれば、太径部を低減できるため、イオン交換能を高めるのに極めて有利である。
【0053】
さらには糸径の均一性を確保しながら糸を細くするためには、従来の方法では、比較的厚いePTFEシートを細くスリットしてePTFEテープ110にする必要があり、スリット断面が大きくなり、毛羽立ちが発生する虞があった。本発明のスリットヤーンによれば、スリットされたePTFEテープ110の両側部を均一な幅で折り畳むため、薄いePTFEシートからでも均一な糸径のPTFE糸を得ることができる。そのためスリット断面を小さくでき、毛羽立ちも高度に低減できる。従ってイオン交換能に優れかつ毛羽立ちも低減されたイオン交換膜を得ることも可能である。
【0054】
本発明の布帛は、本発明のスリットヤーンから得られる撚糸を用いて、織物、編物、不織布、フェルト、ネットなど、使用される用途に合わせて、所望の形状に加工して製造される。
【0055】
例えば、イオン交換膜を製造する場合、前記布帛を適宜用いることができるが、機械的強度と寸法安定性の観点から、織物が好ましく用いられる。織物の組織は特に限定されず、平織、朱子織、綾織などが適宜用いられるが、平織が寸法安定性、イオン交換膜を製造した際の均一性に優れるため好ましい。イオン交換膜に用いられる場合のスリットヤーンは、繊度が10〜400デニール、撚糸回数が150〜4000回のものが通常用いられる。平織にした場合の織密度は、要求される性能に応じて適宜設定されるが、縦糸、横糸ともに5本/inch以上、好ましくは10本/inch以上で、100本/inch以下、好ましくは70本/inch以下である。織密度が5本/inchを下回ると、イオン交換膜の均一性が損なわれるとともに強度が不十分となる。織密度が100本/inchを超えると、スリットヤーンによるイオンの遮蔽率が高くなるため、イオン交換膜の性能が低下する虞がある。
【0056】
本発明のイオン交換膜は、本発明の布帛にイオン交換樹脂を複合化することによって製造される。イオン交換樹脂の種類や、布帛とイオン交換樹脂の複合化の方法は、食塩電解用や燃料電池用など、用いられる用途に応じて適宜選択されるが、特に燃料電池用途に適した方法について説明する。
【0057】
イオン交換樹脂は、非フッ素樹脂系のイオン交換樹脂と、フッ素樹脂系のイオン交換樹脂とに分類できる。非フッ素樹脂系のイオン交換樹脂としては、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルアルコール、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、スチレン−ジビニルベンゼン系イオン交換樹脂などが挙げられ、これらは金属塩を形成していてもよい。好ましい非フッ素樹脂系のイオン交換樹脂には、ポリアルキレンオキサイド−アルカリ金属塩複合体(例えば、エチレンオキサイドオリゴマーを塩素酸リチウムなどのアルカリ金属塩の共存下で重合させたものなど)、ポリエーテルエーテルケトンを発煙硫酸中に入れてスルホン化したものなどが含まれる。フッ素樹脂系のイオン交換樹脂としては、パーフルオロスルホン酸樹脂、パーフルオロカルボン酸樹脂などが挙げられる。好ましいフッ素樹脂系イオン交換樹脂は、パーフルオロスルホン酸樹脂である。なおパーフルオロスルホン酸樹脂は、DuPont社の「Nafion 」、旭化成(株)の「Aciplex」、旭硝子(株)の「Flemion」などとして市販されており、これらを使用してもよい。
【0058】
本発明の布帛とイオン交換樹脂を複合化するため、これらのイオン交換樹脂を溶媒に溶かしてイオン交換樹脂溶液を調整する。溶媒の種類や濃度は、イオン交換樹脂の種類、布帛の組織、密度などに応じて適宜決定する。次に、本発明の布帛に上記イオン交換樹脂溶液を含浸させ、オーブンで溶媒を蒸発させることによりイオン交換膜が得られる。
【0059】
また−SO2F型の官能基を持ったパーフルオロ樹脂を布帛の少なくとも片面に熱溶融押出成型によりTダイを用いてフィルム状に押出し、布帛と樹脂フィルムを積層一体化した後に加水分解を行い、−SO2F型の官能基を−SO3Hもしくは−SO3Naなどの金属塩に変換することによりイオン交換膜を製造することもできる。この際、別の官能基を持ったイオン交換樹脂を用いてもよい。
【0060】
尚、本発明の布帛は、イオン交換膜の厚みを均一にするために、ロール間に通して圧縮するなどの平滑化処理(カレンダー処理など)を施してもよい。
【実施例】
【0061】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0062】
実施例1
特公昭51−18991号公報に記載の方法に従って、延伸多孔質化したPTFEシートを製作した。すなわちPTFE粉末に灯油を配合し、押出圧延してテープ状に成形した。次いで温度200℃で加熱乾燥して灯油を除去し、温度300℃で3倍に1軸延伸して、延伸多孔質構造を有するPTFEシート(厚さ:60μm)を得た。
【0063】
この延伸多孔質PTFEシート(ePTFEシート)を、切刃で4.0mm幅にスリットして得られたePTFEテープを図1〜図7のように処理して、スリットヤーンを得た。なお筋状凸部21の幅は1.0mmとし、ePTFEテープ110及び折り畳みテープ120の走行速度は10m/minとした。折り畳みテープ120の延伸条件は、延伸温度:350℃、延伸倍率:10倍にした。このスリットヤーンは、その断面写真(図20)及び平面写真(図21)から明らかなように、図9に図示するような折り畳み部143、144が重なり合った形状をしていた。
【0064】
上記のようにして得られたスリットヤーンの特性は、下記の通りであった。
【0065】
[繊度]
100d(デニール)
【0066】
[ヤーン幅]
ヤーン幅の平均値W(avg):320μm
幅Wの標準偏差W(σ):6.7μm
変動指数X:2.1%
なおヤーン幅Wは、0.5m毎に連続して20点測定した。この幅測定には、投影測定機[(株)ニコン製「PROFILE PROJECTOR V−12」、(株)ニコン製「DIGITAL COUNTER CM−6S」]を使用した。
【0067】
[撚り特性(撚糸ムラ)]
スリットヤーンを500t/mの間隔でS撚り(右撚り)した。得られた撚糸の撚りがかかっていない部分を目視で数えたところ、20m当たり、0箇所であった。
【0068】
[耐摩耗性]
図19に示す試験機200を用いてスリットヤーンの耐摩耗性を評価した。この試験機200は、鋼板210の上面に往復運動可能な固定具220を取り付けたものである。鋼板210のエッジ部215は曲率半径0.5mmの面取りが施されている。スリットヤーン140の片端を前記固定具で保持し、他端に錘230を取り付け、この錘を鋼板210の側方から下へ垂らした。この際、スリットヤーン140の折り畳み面が上側(鋼板と逆側)になるようにスリットヤーンを配置した。なお錘の質量は、スリットヤーン1デニール当たり、0.1g(すなわちスリットヤーンが100dの場合は、10g)とした。固定具220を、速度33mm/秒、往復幅50mmで往復運動させ、鋼板210のエッジ部215でスリットヤーン140に毛羽立ちが生じるか否かテストした。15本のスリットヤーン140に対して毛羽立ちの発生の有無を確認し、毛羽立ちが発生したスリットヤーンの割合を求めた。なお前記テストは、往復回数100回で実施した。
【0069】
実施例1のスリットヤーンでは、毛羽立ちの発生割合は、10%であった。
【0070】
比較例1
ePTFEテープを折り畳むことなく直接延伸する以外は、実施例1と同様にした。
【0071】
得られたスリットヤーンの特性を実施例1と同様にして調べたところ、下記の通りであった。
繊度:100d
ヤーンの平均値W(avg):800μm
幅Wの標準偏差W(σ):72μm
変動指数X:9.0%
撚り特性(撚糸ムラ):20m当たり、9箇所
耐摩耗性(毛羽立ち発生割合):70%
【0072】
実施例1と比較例1とを対比すれば明らかなように、実施例1のスリットヤーンは、折り畳み幅が略等しいため線径のバラツキが抑制されており、また毛羽立ちの発生も低減されている。さらには撚糸ムラも低減される。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】図1は本発明の製造方法の一例を説明するための装置概略斜視図である。
【図2】図2は図1の折り曲げロール20における折り曲げ方式を説明するための断面図である。
【図3】図3は図2の続きを示す断面図である。
【図4】図4は図1の装置で使用されるガイド部材70を示す概略斜視図である。
【図5】図5は図1の装置で使用されるガイド部材70を示す概略平面図である。
【図6】図6はガイド部材70による折り曲げを説明するための概念図である。
【図7】図7はガイド部材70による折り曲げを説明するための断面図である。
【図8】図8は本発明のスリットヤーンの一例を示す概略平面図である。
【図9】図9は本発明のスリットヤーンの他の例を示す概略平面図である。
【図10】図10は本発明のスリットヤーンの別の例を示す概略平面図である。
【図11】図11は図10のスリットヤーンの製法の一例を示す概念図である。
【図12】図12は本発明の製法の変更例を説明するための概略断面図である。
【図13】図13は本発明の製法の他の変更例を説明するための概略斜視図である。
【図14】図14は本発明の製法のさらに他の変更例を説明するための概略断面図である。
【図15】図15は本発明の製法の別の変更例を説明するための概略断面図である。
【図16】図16は本発明の製法のさらに別の変更例を説明するための概略斜視図である。
【図17】図17は本発明の製法の他の変更例を説明するための概略断面図である。
【図18】図18は本発明の製法のさらに他の変更例を説明するための概略斜視図である。
【図19】図19は耐摩耗性の測定方法を説明するための概略斜視図である。
【図20】図20は実施例1で得られたスリットヤーンの断面を写した電子顕微鏡写真である。
【図21】図21は実施例1で得られたスリットヤーンの平面を写した電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
【0074】
140:スリットヤーン
143、144:折り畳み部
110:延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンテープ
112:テープ折り曲げ部
20:折り曲げロール(第1の回転ロール)、
21:筋状凸部、23:筋状凸部の側部(角部)、24:筋状凸部頂面、25:筋状凸部側面
30:折り畳みロール(第2の回転ロール)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
両側部が1回以上折り畳まれたスリットヤーンであって、折り畳み幅がヤーン長手方向で略等しくなっていることを特徴とするポリテトラフルオロエチレン製のスリットヤーン。
【請求項2】
スリットヤーンの幅を0.5mおきに20点以上測定したときの該スリットヤーンの幅の平均値W(avg)と標準偏差W(σ)とに基づいて、下記式(1)に示す変動指数Xを算出したとき、このXが4%以下である請求項1に記載のスリットヤーン。
X(%)=W(σ)/W(avg)×100 …(1)
【請求項3】
折り畳み部が形状セットされている請求項1又は2に記載のスリットヤーン。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のスリットヤーンに撚りをかけたものであるポリテトラフルオロエチレン製糸。
【請求項5】
撚り数が800T/m以下である請求項4に記載のポリテトラフルオロエチレン製糸。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のポリテトラフルオロエチレン製糸から形成される布帛。
【請求項7】
請求項6に記載の布帛から形成されるイオン交換膜。
【請求項8】
延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンシートを長手方向にスリットしてテープにし、
テープ幅より狭い幅の頂面を有する筋状凸部が形成された第1の回転ロールに、この頂面を覆うように前記テープを走行させ、テープを筋状凸部頂面の両側部で折り曲げ、
この折り曲げ部を折り畳んだ後、延伸することを特徴とするスリットヤーンの製造方法。
【請求項9】
前記筋状凸部に沿ってテープを走行させる際に、テープに引張テンションを作用させる請求項8に記載のスリットヤーンの製造方法。
【請求項10】
前記筋状凸部の頂面と側面が形成する角部の曲率半径Rが1.0mm以下である請求項8又は9に記載のスリットヤーンの製造方法。
【請求項11】
前記筋状凸部の頂面と側面とが形成する角度を90°未満にすることによって、テープの両側部を鋭角に折り曲げる請求項8〜10のいずれかに記載のスリットヤーンの製造方法。
【請求項12】
前記テープの折り曲げの後、テープ進行方向に向かうにつれて狭くなる隙間に、テープの折り曲げ部だけを進入させ、当該折り曲げ部を鋭角にする請求項8〜11のいずれかに記載のスリットヤーンの製造方法。
【請求項13】
テープの両側部を鋭角に折り曲げた後、折り曲げ側が表になるようにしながら第2の回転ロールにテープを沿わせ、テープの両側部を折り畳む請求項11又は12に記載のスリットヤーンの製造方法。
【請求項14】
テープの両側部を鋭角に折り曲げた後、テープを厚み方向に押圧してテープの両側部を折り畳む請求項11〜13のいずれかに記載のスリットヤーンの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2007−31919(P2007−31919A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−221604(P2005−221604)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(000107387)ジャパンゴアテックス株式会社 (121)
【Fターム(参考)】