説明

ポリヒドロキシアルカノエート医療用織物および医療用繊維

強度保持が長期化された、吸収性ポリエステル繊維、組紐および外科用メッシュを開発した。これらのデバイスは、好ましくは、4−ヒドロキシブチレートの生体適合性コポリマーまたはホモポリマーに由来する。これらのデバイスは、現在利用可能なものよりも広範囲のインビボ強度保持特性を提供し、そして、抗癒着特性、感染、もしくはデバイスの吸収および最終的な排除から生じる他の術後の問題の危険性の減少、および競争力のあるコストのような、さらなる利益を提供し得る。このデバイスはまた、その吸収が、成長を妨げるべきではない小児科集団における使用に特に適切であり得、全ての患者集団において、長期にわたって機械的に安定な創傷治癒を提供し得る。このデバイスはさらに、自家組織、同種組織および/または異種組織と組み合せて、医療用特性、生物学的特性および取り扱い上の特性が改善された移植片を提供し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、一般的にポリ−4−ヒドロキシブチレートおよびそのコポリマー由来の織物ベースおよび繊維ベースの医療デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリ−4−ヒドロキシブチレート(Tepha,Inc.、Cambridge、MAからPHA4400として入手可能)は、発酵工程(Williamsらの米国特許第6,548,569号を参照のこと)により産生される、強靭な加工性の良い熱可塑性樹脂である。その生合成経路にもかかわらず、上記ポリエステルの構造は、比較的単純である(図1)。上記ポリマーは、多数の微生物により産生されるポリヒドロキシアルカノエート(PHA)と呼ばれる、より大きな分類の物質(Steinbuechel、A.Polyhydoroxyalkanoic acids、Biomaterials、123〜213(1991);Steinbuechel、A.ら、Diversity of Bacterial Polyhydroxyalkanoic Acids、FEMS Microbial.Lett.128:219〜228(1995);およびDoi、Y. Microbial Polyesters(1990))に属する。元々これらのポリエステルは、細胞内の貯臓顆粒として産生され、エネルギー代謝を調節するために役立つ。それらはまた、それらの熱可塑的な性質および比較的に生産が容易なことで商業的関心がある。いくつかの生合成経路は、図2に示されるように、ポリ−4−ヒドロキシブチレートを産生することが、現在公知である。ポリ−4−ヒドロキシブチレートの化学合成は、今まで試みられてきたが、殆どの応用に必要な、十分に高分子量の上記ポリマーを産生することは不可能であった(Hori Y.,ら、Chemical Synthesis of High Molecular Weight poly(3−hydroxybutyrate−co−4−hydroxybutyrate、Polymer 36:4703〜4705(1995)。
【0003】
Tepha、Inc.(Cambridge、MA)は、医療用途のPHA4400および関連コポリマーを生産し、PHA4400に関して米国食品医薬品局(FDA)にデバイスマスターファイルを提出している。関連するコポリマーとしては、3−ヒドロキシブチレートとまたはグリコール酸とコポリマー化した4−ヒドロキシブチレート(MartinおよびSkralyらのU.S.S.N.60/379,583号、Huismanらの米国特許第6,316,262号およびSkralyらの同第6,323,010号)が挙げられる。Tephaはまた、米国FDAに、3−ヒドロキシブチレートと4−ヒドロキシブチレートとを含有するコポリマーに関してデバイスマスターファイルを提出している。PHAポリマーの分子量を調節する方法は、Snellらの米国特許第5,811,272号に開示され、そしてPHAポリマーを医療用途のために精製する方法は、Williamsらの米国特許第6,245,537号に開示されている。インビボで一年未満の分解速度を有するPHAは、Williamsらの米国特許第6,548,569号およびMartinらのPCT WO 99/32536に開示されている。組織工学骨格としてのPHAの使用はまた、Williamsらの米国特許第6,514,515号に開示され、そしてPHAの他の応用については、Williams S.F.ら、Applications of PHAs in Medicine and Pharmacy、Biopolymers、Polyesters,IIIVol.4:91〜127(2002)に総説されている。
【0004】
手術の実務において、性能が改善した吸収性の繊維および吸収性手術メッシュの需要が、現在存在する。例えば、縫合物質として使用され得る長期間、強度を保持する吸収性モノフィラメントの需要が現在存在する。そのような製品は、糖尿病、肥満、栄養障害、易感染性(compromised)の免疫系、または創傷治癒が損なわれている他の悪性疾患もしくは感染症などの状態の患者の処置において、潜在的に有用である。
【0005】
改善された外科用メッシュの需要もまた、存在する。例えば、強度を長期間保持する吸収性のヘルニアメッシュは、ヘルニア手術において現在使用されている非吸収性合成メッシュ(Klingeら、U.ら、Functional Assessment and Tissue Response of Short− and Long−term Absorbable Surgical Meshes、Biomaterials 22:1415〜1424(2001))を上回る多くの利点を有する。これらの非吸収性メッシュの長期間移植は、それらが癒着(フィステル形成)、痛みおよび身体的能力の制限などの合併症の原因になり得るので、理想的とは見なされていない(Klingeら、2001)。もし混入されているか、または混入される可能性がある手術部位へ移植される場合、これらの非吸収性移植物のうちの50〜90%は、除去される必要がある(Daytonら、1986)。これらの移植物は、それらが増殖を阻害する小児患者において、使用されるためにもまた、理想的ではない(Klingesら、2001)。今まで、ヘルニア修復における吸収性の合成手術メッシュの使用は、殆どいつも、これらの物質が比較的短期間しか強度が保持されないために修正手術が必要な大きな切開創ヘルニアを生じる(Klingeら、2001)。しかしながら、長期間強度を保持する吸収性ヘルニアメッシュは、機械的に安定な閉合を提供してこの問題を解決し、癒着の頻度および感染症のリスクを減少させ、小児患者における使用に適切であり得ると考えられる。
【0006】
さらにヘルニア修復のために改善されたメッシュの需要に加えて、他の処置のための改善されたメッシュおよびパッチの需要もまた、存在する。心膜修復において、開心術の後に、胸骨と心臓の間の癒着を防ぐ手術材料の需要が存在する。改善された手術メッシュおよびパッチに言及され得る脊髄系および婦人科系の処置において癒着を防ぐ同様な需要もまた存在する。
【0007】
動物およびヒト組織由来の医療用生体材料パッチは、美容外科、心臓血管手術、一般的手術(ヘルニア修復を含む)、そして膣脱および尿失禁を含む状態を処置するために、泌尿器系および婦人科系の処置において、現在、かなり広く使用されている。しかしながら、疾患の伝達と関連するリスクがあるために、動物由来のおよびヒト由来の生体医療用材料の使用は、増大する関心事であると報告されている。疾患伝達のリスクの減少を提供し得る合成吸収性メッシュおよび合成吸収性パッチは、現在限られており、炎症性であり得、そして長期間の強度保持は提供しない。従って、これらの処置のためにもまた、新しい吸収性のメッシュの開発の需要が、現在存在する。理想的には、これらの製品は、長期間強度を保持し、消散する最小の炎症性応答を誘導し、機械的に安定な補強もしくは閉合を提供し、抗癒着的性質(必要な場合)を提供し、疾患伝達を最小化し、そして吸収後、健全な天然組織構造を残す。
【0008】
従って、縫合材料として、または手術メッシュにおいて使用され得る長期間強度を保持する吸収性繊維を開発する需要がある。より長期間の機械的安定性を提供する、後者は、骨盤床再構成、尿道懸垂(urethral suspension)(スリング(sling)としてメッシュを使用してストレス失禁を防ぐ)、心膜修復、心臓血管パッチング(patching)、心臓支持(cardiac support)(補強を提供する心臓を覆うようにフィットするサック)、器官救助、結腸直腸癌患者における結腸放射の間の小腸の上昇、骨移植もしくは軟骨移植の保持デバイス、誘導された組織再生、血管移植、硬膜置換、神経誘導修復のような他の処置、ならびに抗癒着膜および組織工学骨格を必要とする処置にもまた、使用され得る。強靭な吸収性の繊維はまた、例えば、合成靭帯および合成腱デバイスまたは骨格において他の用途を見出し得る。さらなる用途としては、他の合成および天然の繊維、メッシュおよびパッチとの組合せを含む。例えば、繊維由来のメッシュおよびチューブの様な、吸収性繊維およびデバイスは、上記組織の補強、強化および/または硬直するのを提供するために、自己組織、同種異系の組織および/または異種の組織と組み合わせ得る。そのような組合せは、自己組織、同種異系の組織および/または異種の組織の移植を容易にし得、また改善された機械的および生物学的性質を提供し得る。組合せデバイスは、例えば、ヘルニア修復、乳房固定/胸部再構成、回旋腱板修復、血管移植/フィステル、組織弁、心膜パッチング、組織心臓弁移植、腸中間挿入、硬膜パッチングにおいて使用され得る。
【0009】
従って、以下:インビボでの長期間の強度の保持、抗癒着的性質、移植時の最小応答、疾患伝達または感染症の増強のリスクの最小化、インビボで健全なる天然の組織へのリモデリングの特徴の一以上を有する吸収性繊維、手術メッシュおよび医療用デバイスを提供することが、本発明の目的である。
【0010】
長期間の強度を保持する物品およびデバイスを作製する方法を提供することが、本発明の別の目的である。
【0011】
吸収性マルチフィラメント繊維およびこれらのマルチフィラメントを外科用メッシュに作製する方法を提供することが、本発明のさらに別の目的である。
【0012】
自己組織、同種異系の組織および/または異種の組織の改善された機械的、生物学的および取扱的性質を提供するために、上記繊維および上記メッシュを自己組織、同種異系の組織および/または異種の組織と組み合わせることが、本発明のさらに別の目的である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の要旨)
強度保持が長期化された(長期間強度を保持する)、吸収性ポリエステル繊維、組紐(braid)、および外科用メッシュが開発された。これらのデバイスは、好ましくは、生体適合性の4−ヒドロキシブチレートのコポリマーまたはホモポリマーに由来する。これらのデバイスは、現在利用可能なものよりも広い範囲のインビボでの強度保持特性を提供し、抗癒着特性、デバイスの吸収および実際の除去の結果として生じる感染もしくは他の手術後の問題の危険性の減少、ならびに競争力のある費用のようなさらなる利点を提供する。これらのデバイスはまた、小児の集団における使用に特に適しており、それらの吸収が成長を阻害せず、全ての患者集団において、長期の機械的安定性を有する創傷治癒を提供する。それらのデバイスは、さらに自己組織、同種異系組織および/または異種組織と組み合わせられて、改善された機械的特性、生物学的特性、および取り扱い特性を有するインプラントを提供し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(発明の詳細な説明)
強度保持が長期化した、吸収性繊維およびメッシュが、開発された。
【0015】
(I.定義)
強度保持とは、ヒトまたは動物に移植された後に、材料が特定の機械的特性を維持する時間量をいう。例えば、吸収性繊維の引っ張り強度(tensile strength)が、動物に移植してから3ヶ月過ぎて半分に減少した場合、その繊維の3ヶ月での強度保持は、50%である。
【0016】
生体適合性とは、デバイスの意図されたインビボでの適用の間に適切な、それらの材料またはデバイスに対する生物学的応答をいう。これらの材料の任意の代謝産物はまた、生体適合性であるはずである。
【0017】
ポリ−4−ヒドロキシブチレートとは、4−ヒドロキシブチレート単位を含むホモポリマーを意味する。これは、P4HB、PHA4400またはTepha FLEXTM生体材料と言及され得、Tepha Inc.,Cambridge,MAによって製造されている。ポリ−4−ヒドロキシブチレートのコポリマーとは、1つ以上の異なるヒドロキシ酸単位を有する4−ヒドロキシブチレートを含む任意のポリマーを意味する。
【0018】
(II.ポリ−4−ヒドロキシブチレートおよびそのコポリマーの供給元)
Cambridge,MAのTepha,Inc.は、トランスジェニック醗酵法を用いて、ポリ−4−ヒドロキシブチレートおよびそのコポリマーを製造している。
【0019】
(III.強度保持が長期化したポリ−4−ヒドロキシブチレート繊維)
1984頃、Johnson and Johnson(Ethicon)のある部門が、PDSTMとして公知の、ポリジオキサノンから製造されるモノフィラメント合成吸収性縫合糸を最初に導入した。この縫合糸は、移植後6週間まで、その強度の約50%を保持しており、6ヶ月以内に身体に完全に吸収される。Davis and Geckは、その後、MaxonTMの商標名で販売されている、グリコリドとトリメチレンカーボネートとのコポリマーに基づくモノフィラメント縫合糸を導入した。この縫合糸は、PDSTMと類似の強度保持を有する。2つの他のモノフィラメント縫合糸が、より最近になって導入された。グリコリドとカプロラクトンのセグメント化コポリマーに基づいたMonocrylTM、およびグリコリド、p−ジオキサノン、およびトリメチレンカーボネートのターポリマーに基づくBiosynTM。MonocrylTMは、2〜3週間後に20〜30%の引っ張り強さ(breaking strength)を有し、3〜4ヶ月後には、完全に吸収されると報告されている。BiosynTMは、MonocrylTMと類似の吸収性プロフィールを有する。吸収性合成モノフィラメント縫合糸の開発において革新が続けられてきたにも拘わらず、長期の創傷支持を要する患者のための、強度保持が長期化した合成吸収性縫合糸(例えば、(移植後)3〜6ヶ月で50%の強度保持を有するモノフィラメント縫合糸)が未だに必要である。強度保持が長期化した合成吸収性メッシュの選択肢はまた、制限されている。
【0020】
米国特許第6,548,569号(Williamsら)は、ポリ−4−ヒドロキシブチレートが、吸収性縫合糸として使用されている多くの材料よりもインビボでゆっくりとした吸収速度を有することを開示し、非配向性(unoriented)ポリ−4−ヒドロキシブチレート繊維および多孔性サンプルについての吸収性データを提供する。しかし、この特許は、移植後のポリ−4−ヒドロキシブチレートの繊維の強度保持を開示していない。
【0021】
いまや、既存の合成吸収性縫合糸繊維(例えば、PDSTM)に匹敵する引っ張り強度を有する、PHA4400およびそのコポリマーの配向性(oriented)繊維が調製されるが、3〜6ヶ月で20〜30%を超えるインビボでの長期化した強度保持を有することが見出された。比較すると、コントロールPDS縫合糸は、12〜15週間後には、ほとんど引っ張り強度が残っていない。
【0022】
配向性ポリ−4−ヒドロキシブチレート繊維は、強度保持が長期化した外科用メッシュおよび外科用チューブを調製するために使用され得ることが見出された。これらの繊維および織物デバイス(textile device)は、さらに、自己組織、同種異系組織および/または異種組織と合わせられて、これらの移植可能な組織に改善された特性を付与し得る。この組み合わせを通じて付与され得る特性としては、組織を強化して、組織を移植するのにより強く、堅く、より耐久性があり、かつ容易にする機械的特性(例えば、引っ張り強度および引っ張り係数)が挙げられる。
【0023】
非限定的な例は、繊維、メッシュ、ならびに自己組織、同種異系組織および/または異種組織を有する複合デバイスを調製するための方法を記載するために、そして移植時にその繊維の強度保持を例示するために、本明細書で提供される。
【実施例】
【0024】
(実施例1:モノフィラメント繊維を製造するためのPHA4400の溶融押し出し(Melt extrusion))
PHA4400(Tepha,Inc.,Cambridge,MA)(Mw 575K)を、Fritsch切断ミル(Pulversette 15,10mm底部ふるい)を使用して小片にすりつぶし、溶融処理する前に一晩減圧下で乾燥させた。PHA4400のモノフィラメント繊維を、Zenith型計量ポンプ(0.16cc/rev)および単一穴のスピナレット(0.026”、2:1 L:D)を有する金型を備えたAJA(Alex James Associates,Greer,SC)3/4”シングルスクリュー押し出し機(24:1 L:D、3:1圧縮)を用いて溶融押し出しした。その押し出し機の4つの加熱ゾーンを、140℃、190℃、200℃および205℃に設定した。その押し出し機を、15フィートの降下ゾーン、48”の空気クエンチゾーン(10℃)、ガイドロール、3つの巻き取り機およびピックアップ(pickup)に設定した。その繊維を、マルチステージプロセスにおいてその繊維を引っ張ることによって、押し出し機と一直線に配向して、高い引っ張り強度および破れるまでの減少した伸張を繊維に提供した。その繊維を6〜11×の伸張率(stretch ratio)になるまで一直線に引っ張った。紡糸仕上げ剤(Goulston,Lurol PT−6A)を、10vol/vol%でイソ−プロパノールに溶解し、潤滑剤として作用するように、一巻きめの前に繊維に適用し、下流の処理の間に繊維を保護した。異なるサイズの一連の繊維を、押し出し条件(計量ポンプ速度)および引っ張り条件(引っ張り率(draw ratio))を変動することによって製造した。溶融押し出しした繊維の機械的引っ張り特性を、汎用機械式試験器を用いて決定し、結果を表1に示す。明らかなように、その配向性PHA4400繊維の引っ張り強度は、市販の縫合糸繊維について報告された450〜560MPa(PDSTM、Chu,C.C.ら、Wound Closure Biomaterials and Devices,CRC Press(1997)に匹敵する。その繊維の重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により決定し、やはり表1に示す。
【0025】
(表1.溶融押し出しPHA4400モノフィラメントの性質)
【0026】
【表1】

注意:サンプル10およびサンプル11を大きいスピナレット(0.045”、2:1 L:D)を通して紡いだ。
**出発ポリマーの分子量は、575Kであった。
【0027】
(実施例2:PHA4400モノフィラメント繊維の強度保持力および生体適合性)
PHA4400繊維の強度保持直を決定するための移植研究をウサギモデルにおいて行なった。サンプル10(表1に示される)の繊維が、切断までの伸長が70%であり、市販のモノフィラメント吸収性縫合糸に相当する346MPa(60,000psi)の引っ張り強度を有するので、この繊維をこれらの研究のために選択した。移植の前に、この繊維を冷却エチレンオキシド気体(40℃、13.7 INHGAのエチレンオキシド圧、1.7 INHGAの湿度、保持時間4時間およびエアレーション時間10時間)を用いて滅菌した。滅菌プロセスの間に生じた少量の繊維の収縮(2%)は、注目すべきであった。市販のモノフィラメント吸収性縫合糸材質であるPDSTMを、コントロールとして使用した。
【0028】
滅菌条件下で、滅菌した縫合糸をウサギの背側中線に垂直に配置した。少し切開した後、大量の止血剤を、切開を介して皮下組織に導入し、そして皮下組織層中に約9インチ通過させた。PHA4400縫合繊維およびコントロール(3/0 PDSTM)繊維を、別々に外科的に作製された移植領域に個々に通し、留置した。この切開を、組織接着剤で閉鎖した。合計4つの試験サンプルおよび4つのコントロールサンプルを、各ウサギに移植した。動物を1週間、4週間、8週間、12週間、16週間および26週間の期間(時点あたり2羽のウサギ)維持し、移植部位の適切な治癒を確実にするために、毎日観察した。適切な時点の終了時に、動物の体重を測定し、注射可能バルビツレートにより安楽死させた。移植された縫合糸を含む組織切片を動物から切除した。一つの試験サンプルおよび一つのコントロールサンプルを、ホルマリンに固定し、縫合糸移植物を取り巻く組織の組織学的分析のために保持した。各群からの残りの3つのサンプルから組織を取り除き、滅菌した生理食塩水に浸漬したガーゼに包み、そしてさらなる分析のための外移植の日に戻した。縫合糸サンプルをさらに、残留組織を取り除き、乾燥させた。
【0029】
インビボの分解研究と平行に、インビトロの分解研究を行い、比較データを作成した。滅菌したPHA4400モノフィラメント繊維(移植研究に用いた繊維と同一の繊維)を、アジ化ナトリウム(0.05%)を保存剤として含有するダルベッコのリン酸緩衝化生理食塩水(pH 7.4、37℃)中でインキュベートした。時点あたり6個のコントロールPHA4400縫合糸を、滅菌したポリエチレンサンプルバッグ中に入れ、同時にそれぞれの移植サンプルを取り除いた。インビボおよびインビトロサンプルを同様に処理した。
【0030】
(強度保持)
外移植された縫合糸サンプルを、ASTM D2256−97の手順に従った引っ張り試験に供した。この引っ張り試験の結果を図3に示す。読み取れるように、PHA4400縫合糸およびPDSTMコントロール縫合糸は、開始引っ張り強度(60,000psi)に匹敵する強度を有していた。予測されるように、PDSTMコントロール縫合糸は、約6週目までそれらの初期の引っ張り強度の50%を維持した。それとは対照的に、移植されたPHA4400縫合糸は、26週目までを通して初期の引っ張り強度の約30%を保持した。PHA4400および市販のモノフィラメント縫合糸の、引っ張りの力学的な特性の比較を図4に示す。
【0031】
移植された縫合糸とは違って、インビトロのPHA4400コントロール縫合糸は、その元の強度の80%を保持するが、26週間の分解研究の間全体にわたって、より段階的な強度の喪失を示した。この結果は、単純な加水分解に対するポリマー性物質の機械的な安定性を示す。
【0032】
(分子量および質量の減少)
PH4400縫合糸繊維の強度保持に加えて、PHA4400サンプルの分子量をGPCにより分析した。図5に示されるように、移植したPHA4400縫合糸およびコントロールPHA4400縫合糸の分子量は、分解研究の過程の間、26週間で、その元々の分子量の約43%まで徐々に減少した。さらに、移植したPHA4400縫合糸とインビトロのコントロールのPHA4400縫合糸との間で、分子量に有意な差は、見出されない。この結果は、移植されたサンプルの加水分解性の安定性が、インビトロコントロールと非常に類似していることを示す。
【0033】
時間の経過によるサンプルの質量の減少を決定するために、PHA4400縫合糸(インビトロおよびインビボ)の質量および長さを決定し、分解時間の関数としてプロットした。PHA4400サンプル(移植したサンプルおよび緩衝液コントロール)の長さに対する質量の比を、分解時間に対してプロッティングし、図6に示す。質量/長さ比は、移植の間に切断するか、回収の間に破損するかしたサンプルに対して標準化するので、サンプルの質量のみではなく、質量/長さ比を決定した。この図に読み取れるように、移植した縫合糸は、インビトロのコントロールより迅速に質量を減少するようである。このデータは、移植されたサンプルが、インビトロのコントロールサンプルより迅速に質量を減少することを示し、インビボで表面分解が生じていることを示唆する。
【0034】
(組織反応)
移植されたPHA4400縫合糸およびPDSTMコントロール縫合糸を取り囲む組織を、26週の時点まで移植された物品に対する組織反応について分析した。各試験動物からのホルマリン固定した組織サンプル(PHA4400およびPDSTMコントロール)を切片化し、認可された獣医により、以下を評価した:炎症、繊維症、出血、壊死、変性、外因性の組織片および関係する領域の相対的大きさ。
【0035】
組織病理学的な評価は、PDSTMコントロール部位およびPHA4400部位での知見が類似していて、コントロール部位または試験部位のどちらかでの局所的毒性効果の顕著な徴候が存在しないことを示した。
【0036】
(実施例3:強度保持の延長したPHA4400モノフィラメント繊維の編んだメッシュ)
PHA4400の歪んで編んだメッシュを、実施例1に記載されるようにして作製した直径100μmの配向モノフィラメントPHA4400繊維から作製した。歪んで編んだ型の構造は、外科医により切断され得、容易にほどけないので、移植物として望ましい。100μmのモノフィラメントPHA4400の繊維(引っ張り強度92,000psi、切断までの伸長77%)を用いて、メッシュを組み立てた。繊維の構成は、以下の通りであった:Mach #30 Raschel Knit 36ガーゼ布、インチあたり150縦糸、16横列(course)、40ステッチ、インチあたり18針を使用する。完成した繊維についての仕様は、以下の通りであった:重量:58g/m(1.72oz/平方ヤード)、厚さ:0.29mm。
【0037】
(実施例4:グリコレートおよび4−ヒドロキシブチレートのコポリマー(PHA4422)の縫合糸繊維の押し出し)
5%グリコール酸コモノマーを含むPHA4422(GPCによる分子量305,000)を、繊維へと溶融押し出しし、以下のように縫合糸に変換した。減圧乾燥器中で乾燥させたP−15実験室切断ミル(Fritsch、Germany)を使用してバルクポリマーを約1mmの大きさの粒子に製粉することによりポリマーを調製した。このポリマーを、単一穴のスピナレット(0.040”、2:1 L/D)を備えるAJA 5/8”単一スクリュー押し出し成形機(Alex James and Associates)を用いて、押し出した。押し出し成形機は、インレットから、ギアポンプを備えるアウトレットまでを120℃、154℃、155℃、160℃および160℃に設定した5つの別個の温度ゾーンを有した。押し出し成形機中での総滞留時間は、9分間と推定された。押し出し成形の後、空気を通した10フィートの降下ゾーンが存在し、その後、水浴中(5℃)でクエンチした。浴でクエンチした後、3つの巻き取り機を用いて繊維を回収した。第一の巻き取り機を、1分間あたり約2.5メートルの速度に設定した。浴の長さは、約3〜4フィートであり、繊維の浴中での滞留時間は、約30秒間と推定された。繊維の結晶化は、第一巻き取り機の前に生じた。さらなる二つの巻き取り機(17.5メートル/分および19.5メートル/分)は、繊維を約8倍に延ばした(8倍に引く)。わずかな伸長のみを有する巻き取りユニットを使用した。下向きに維持する間、ポリマーの押し出し速度を変動させ、異なる直径の製造された繊維を同じ速度で巻き取った。最初に、押し出し成形機をギアポンプ比7に設定し、次いで連続的に遅くし、直径約375μm、約275μmおよび約200μmの繊維を生じた(表2を参照のこと)。
【0038】
縫合糸針を異なる直径の繊維のそれぞれに接触させ、その縫合糸を滅菌のためにパッケージングした。引っ張り強度(直鎖的に引くまたは結び目を引く)を、縫合糸のそれぞれのサンプルに対して決定した(表2を参照のこと)。
【0039】
(表2:PHA4422(5%グリコール酸コモノマー、Mw 300K)の溶融押出しによって調製された縫合糸の物理的特徴付け)
【0040】
【表2】

(実施例5:70kg/mmより大きい最大引張り応力を有するモノフィラメント繊維)
ポリ−4−ヒドロキシブチレート「PHA4400」ポリマーの溶融紡糸は、溶融流動の不安定性および得られた繊維の粘着性に起因して、達成するのが非常に難しかった。紡糸型を離れる溶融物は、周期的な直径の変動およびらせん構造を示した。これらの流動の不規則性は、メルトフラクチャーまたは「弾性乱流」として公知であり、この溶融物がスピナレットホールに入り、そして通過する間に発生する。このような流動不規則性の理由は、粘弾性溶融物の非常に高い粘度、およびスピナレットキャピラリーの出口点での非常に高い弾性機能である。
【0041】
このポリマーの約−50℃という低いガラス転移温度、および低い結晶化傾向は、上記繊維の粘性(stickiness)を説明する。それに加えて、溶融紡糸の間に生じた配向は、非常に短い時間の後に緩和し、その結果、上記繊維は、さらなる引き抜き(drawing)に対して低いテナシティを与える。
【0042】
本実施例は、上記の加工問題を克服し、そして高強度繊維を製造するための我々の能力を例示する。PHA4400ポリマーを、0.01%未満の湿度にまで乾燥させた。PHA4400の乾式ペレットを、窒素ブランケット下で押出しバレルに送り込んだ。バレル温度域を、フィードは100℃に、遷移は150℃に、および定量は200℃に維持した。溶融したポリマーは、加熱されたブロックを通って計量ポンプに行き、次いで、単一のホールスピナレットを有する型から押出された。このブロック、計量ポンプおよび型を、220℃の温度で維持した。ポンプ発射圧を、温度制御によって1000psiより下に維持し、そして計量ポンプの速度を維持した。スパン押出しフィラメントは、いかなる溶融不規則物も含まなかった。この押出しに、結晶化するための滞留時間を与え、この後に、さらなる多段階の引き抜きで、結晶の配向を増大させ強度を得ることが可能であった。次いで、この繊維を加熱処理し、そして巻きスプールに巻き取った。その後の繊維の特性を、表3に示す。
【0043】
(表3:PHA4400の溶融紡糸によって調製された繊維の物理的特徴付け)
【0044】
【表3】

(実施例6:長期のインビボ強度保持を有するモノフィラメント繊維)
実施例5で調製したPHA4400モノフィラメントを、冷エチレンオキシドガスを使用して滅菌した(40℃、13.7 INHGAのエチレンオキシド圧、1.7 INHGAの湿度、滞留時間4時間、およびエアレーション時間10時間)。
【0045】
無菌条件下で、上記滅菌したモノフィラメント繊維を、ウサギの背側正中線に垂直に配置した。小さな切開を作製した後、大きな止血鉗子をこの切開を通して皮下組織に導入し、そして皮下層に約9インチの穴を開けた。上記PHA4400繊維を、個々に、別々の外科的に作製された移植領域に通し、そして定位置に固定させた。4つの試験サンプルおよび4つのコントロールの全部を、各ウサギに移植した。動物を、2週間維持し(2匹のウサギ)、そして毎日観察して、上記移植部位の適切な治癒を確認した。適切な時点の最後において、上記動物を秤量し、そして安楽死させた。移植された縫合糸を含む組織切片を、上記動物から摘出した。サンプルを、組織から取り出し、無菌生理食塩水を浸漬させたガーゼで包み、そしてさらなる分析のために外植の日に戻した。縫合糸サンプルを、残りの組織から取り出し、そして乾燥させた。引張り強度を、万能試験機で決定した。2週間の移植後の外植された繊維の引張り破断荷重は、8.5 lbfピーク荷重であると見出され、これは、出発繊維(9.8 lbf)のピーク荷重の87%であった。従って、これらの繊維は、実施例2、図3の繊維(2週間で50%)と比較した場合インビボでより高い強度保持(2週間で87%)を実証した。
【0046】
(実施例7:マルチフィラメント糸)
繊維紡糸を、型が複数穴の紡糸口金(20ホール×0.0065インチ)を有する点以外は実施例5と同じ様式で行った。押出し糸を、時間を置いて結晶化させ、そして繊維軸に垂直の気体媒体/液体ミストの過冷却蒸気を導入した。氷点下浴もまた使用して、そして気体媒体に対する適切な代替を証明した。この得られたフィラメントを、冷たいゴデットおよび加熱したゴデットによってさらに加工し、そして上記フィラメントは配向し得、加熱セットし得た。30%の伸びを有して、3.5gpd(グラム/デニール)より大きい糸テナシティが得られた。マルチフィラメント糸についての代表的なデータを表4に示す。
【0047】
(表4:PHA4400マルチフィラメント糸についての引っ張り特性)
【0048】
【表4】

(実施例8:マルチフィラメント糸からの編物)
マルチフィラメント糸を、単一フィードの、円形横糸織機(circular weft knitting machine)(Lamb Knitting Co.、モデルST3A/ZA)を使用してチューブ状に織った。フラットチューブの幅は、約9mmであった。この糸は、繊維の崩壊の証拠を示すことなく、さらに滑沢剤として紡糸仕上げを追加することなく、非常に良好に織られた。洗浄および滅菌後、この織られたチューブは、吸収性医療用織物としての使用に非常に適しているようである。
【0049】
(実施例9:生物学的組織移植のための吸収性ポリマー支持体構造)
半剛体の支持体チューブに織られたか、編まれたかもしくは編み込まれたPHA4400繊維、または支持体チューブに直接押出されたPHA4400ポリマーは、生物学的基質移植物(例えば、自己組織、同種異型組織および/または異種組織)にほぼ適合する内部直径を有して調製され得る。この生物学的移植物は、移植の前に、上記支持体チューブに挿入され得、そして必要に応じて、例えば、縫合することにより定位置に固定され得る。上記支持体チューブの追加は、向上した強度、モジュールを与え、そして移植をより簡単なものにし得る。同様に、押出しフィルム、織物、非織物または編まれた布地のシートは、生物学的組織移植物に巻かれ、そして上記布地の端が固定されるか、縫合されるかまたは接着剤で付けられ、半剛体の構築物を生物学的移植物の上に維持し得る。
【0050】
織られたチューブを、実施例5に記載したように押出された0.300mm直径のモノフィラメントPHA4400から製造した。円形織物装置を使用して、10mmの内部直径のチューブを製造した。このチューブの構成は、移植生物学的基質の挿入を可能にし、そして他の柔らかい生物学的移植物を配置および縫合するのに十分な堅さを与えた。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、ポリ−4−ヒドロキシブチレート(P4HB、ポリ−4−ヒドロキシブチレート)の化学構造である。
【図2】図2は、P4HBの製造のための既知の生合成経路のいくつかを示す。経路の酵素は、以下である:1.スクシンセミアルデヒドデヒドロゲナーゼ(Succinic semialdehyde dehydrogenase)、2.4−ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼ、3.ジオールオキシドレダクターゼ、4.アルデヒドデヒドロゲナーゼ、5.コエンザイムAトランスフェラーゼ、および6.PHAシンセターゼ。
【図3】図3は、PDSコントロール繊維(インビボ)と比較した、PHA4400繊維の強度保持データ(インビトロおよびインビボ)のグラフである。
【図4】図4は、PHA4400および市販のモノフィラメント縫合糸の機械的引っ張り特性を比較するグラフである。
【図5】図5は、インビトロコントロールと比較した、インビボでのPHA4400(P4HB)サンプルの分解のグラフである。移植された(インビボ)縫合糸および緩衝液コントロール縫合糸(インビトロ)についてのMwを、時間に対してプロットする。
【図6】図6は、分解時間の関数としてプロットした、PHA4400縫合糸(インビトロおよびインビボ)の質量および長さの比のグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリ−4−ヒドロキシブチレートポリマーを含む繊維であって、該繊維は、126MPaより大きい引張り強度を有する、繊維。
【請求項2】
前記繊維の重量平均分子量が、移植後6ヶ月間で、80%未満減少する、請求項1に記載の繊維。
【請求項3】
前記繊維の重量平均分子量が、移植後2週間で、75%未満減少する、請求項1に記載の繊維。
【請求項4】
前記繊維の引張り強度が、移植後6ヶ月間で、80%未満減少する、請求項1に記載の繊維。
【請求項5】
前記繊維の引張り強度が、移植後2週間で、75%未満減少する、請求項1に記載の繊維。
【請求項6】
破れるまでの伸張が、20%を超える、請求項1に記載の繊維。
【請求項7】
前記ポリマーは、4−ヒドロキシブチレートおよび1種以上のコモノマーを含むコポリマーである、請求項1に記載の繊維。
【請求項8】
前記コモノマーが、グリコール酸である、請求項7に記載の繊維。
【請求項9】
前記コモノマーが、3−ヒドロキシブチレートである、請求項7に記載の繊維。
【請求項10】
前記繊維が、モノフィラメント、マルチフィラメントまたは網状構造体である、請求項1に記載の繊維。
【請求項11】
前記ポリマーの前記繊維が、配向性である、請求項1に記載の繊維。
【請求項12】
請求項1〜11に記載の繊維の1種以上を含むデバイスであって、該デバイスは、医療用織物、管、全身外科用メッシュ、ヘルニアメッシュ、心膜パッチ、抗癒着パッチ、心脈管パッチ、誘導組織再生パッチ、スリング、モノフィラメント縫合糸、マルチフィラメント縫合糸、組紐、靱帯、腱、半月板修復デバイス、軟骨修復デバイス、神経ガイド、ステント、脈管移植片、および硬膜である、デバイス。
【請求項13】
前記デバイスが、編みメッシュ、織りメッシュまたは不織メッシュである、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記デバイスにおける前記繊維の重量平均分子量が、移植後6ヶ月間で、80%未満減少する、請求項12に記載のデバイス。
【請求項15】
前記デバイスにおける前記繊維の重量平均分子量が、移植後2週間で75%未満減少する、請求項12に記載のデバイス。
【請求項16】
前記デバイスにおける前記繊維の引張り強度が、移植後6ヶ月間で80%未満減少する、請求項12に記載のデバイス。
【請求項17】
前記デバイスにおける前記繊維の引張り強度が、移植後2週間で50%未満減少する、請求項12に記載のデバイス。
【請求項18】
前記デバイスの引っ張り強さが、少なくとも10psiである、請求項12に記載のデバイス。
【請求項19】
請求項12に記載のデバイスの使用方法であって、該方法は、骨盤床再建、腹圧性尿失禁を防止するための尿道懸垂、ヘルニア修復、心膜修復、心脈管パッチング、心臓支持、心筋再生、器官サルベージ、結腸直腸癌患者における結腸照射の間の小腸の上昇、骨、軟骨および半月板の移植手順、誘導組織再生、脈管移植、硬膜置換、神経修復、癒着の防止、靱帯および腱の修復、乳房固定/胸部再建、脈管移植片/フィステル、GI切除術(TEF修復を含む)、気管再建、心臓内欠損閉鎖、椎間板ヘルニアの軽減における支援、膀胱修復、ならびに脳ヘルニア/髄膜脊髄瘤の修復において、挿入を必要とする患者に挿入する工程を包含する、方法。
【請求項20】
請求項12に記載のデバイス、および/または請求項1〜11のいずれか1項に記載の繊維を、採取した自家組織、同種組織および/または異種組織と組み合せることによって形成される、デバイス。
【請求項21】
請求項20に記載のデバイスであって、請求項11に記載のデバイスおよび/または請求項1〜10に記載の繊維が、前記自家組織、同種組織および/または異種組織を、強化、支持、補強および/または硬化する、デバイス。
【請求項22】
請求項20に記載のデバイスであって、請求項11に記載のデバイスおよび/または請求項1〜11に記載の繊維が、移植を容易にするために、前記組織を硬化する、デバイス。
【請求項23】
請求項20に記載のデバイスであって、前記採取された自家組織、同種組織、および/または異種組織が、脈管移植片、心臓弁、心膜、皮膚、腸(小腸粘膜下組織を含む)、筋肉、靱帯および腱、軟骨および半月板、神経、硬膜、筋膜および器官を含む、デバイス。
【請求項24】
ヘルニア修復、乳房固定/胸部再建、回旋筋腱板修復、脈管移植/フィステル、組織弁、心臓内修復における心膜パッチング、組織心臓弁移植、腸中間物挿入、ならびに硬膜パッチングにおける、請求項20に記載のデバイスの使用。
【請求項25】
請求項1〜11に記載の繊維を生成するための方法であって、該繊維は、紡糸され、一線に引かれ、126MPaより大きい引張り強度を有する繊維を生じる、方法。
【請求項26】
請求項1〜11に記載のマルチフィラメントヤーンを生成するための方法であって、該ヤーンは、紡糸され、引かれ、0.5g/デニールより大きいテナシティを有するヤーンを生じる、方法。
【請求項27】
前記ヤーンは、1g/デニールよりも大きいテナシティを有する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記ヤーンは、3g/デニールよりも大きいテナシティを有する、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記ヤーンは、126MPaよりも大きい引張り強度を有する、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記ヤーンから、医療用織物を作製する工程をさらに包含する、請求項26に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2007−525601(P2007−525601A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501302(P2006−501302)
【出願日】平成16年4月30日(2004.4.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/013475
【国際公開番号】WO2004/101002
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(501347936)テファ, インコーポレイテッド (8)
【Fターム(参考)】