説明

ポリビニルアセタール樹脂粒子及びポリビニルアセタール樹脂粒子の製造方法

【課題】有機溶剤に容易に溶解させることができるポリビニルアセタール樹脂粒子を提供する。また、該ポリビニルアセタール樹脂粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】重合度が500以上のポリビニルアセタール樹脂からなり、60メッシュの篩を通過する粒子の含有割合が20重量%以下、かさ比重が0.20以下、かつ、平均粒子径が100〜500μmであるポリビニルアセタール樹脂粒子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機溶剤に容易に溶解させることができるポリビニルアセタール樹脂粒子に関する。また、本発明は、該ポリビニルアセタール樹脂粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂は、強靱性、造膜性、顔料等の分散性、塗布面への接着性等に優れていることから、様々な用途で使用されている。
ポリビニルアセタール樹脂の用途の1つとしては、例えば、積層セラミックコンデンサが挙げられる。
積層セラミックコンデンサを製造する場合には、一般に次のような工程を経て製造される。まず、セラミック粉末を有機溶剤中に分散した分散液にバインダー樹脂と可塑剤とを加え、ボールミル等の混合装置により均一に混合し脱泡してスラリー組成物を調製する。次いで、このスラリー組成物をドクターブレード、3本ロールリバースコーター等を用いて、剥離性の支持体上に塗布し、これを加熱して乾燥した後、支持体から剥離してグリーンシートを得る。得られたグリーンシート上に、内部電極となる導電ペーストをスクリーン印刷等により塗布したものを複数枚積み重ね、加熱圧着して積層体を得る。得られた積層体中に含まれるバインダー樹脂成分等を熱分解して除去する処理、いわゆる脱脂処理を行った後、焼成して得られるセラミック焼成物の端面に外部電極を焼結する工程を経て、積層セラミックコンデンサが得られる。特許文献1、特許文献2、特許文献3、及び、特許文献4には、ハンドリング性を良くするために、バインダー樹脂としてポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂を用いたスラリー組成物や導電ペーストが開示されている。
【0003】
また、ポリビニルアセタール樹脂は熱現像性感光材料のバインダーとしても用いられる。従来、広範囲に用いられているハロゲン化銀感光材料は、その優れた写真特性により、より広範囲かつ高品質な素材として画像形成分野に利用されているが、現像及び定着が複雑でしかも処理工程が湿式であるため、処理が煩雑かつ多量の化学廃液を排出するという問題があった。そのため、主に脂肪酸の銀塩、有機還元剤、場合により少量の感光性ハロゲン化銀を、ポリビニルアセタール樹脂を用いたバインダー中に分散させ、得られた組成物を支持体に塗工してなる熱現像性感光材料が開発され、熱処理による現像工程が行われている。
【0004】
これらの用途に用いられるポリビニルアセタール樹脂は、一般にメチルエチルケトン、トルエン、アルコール、これらの混合物等の有機溶剤に溶解された溶液として用いられる。ポリビニルアセタール樹脂が有機溶剤に対する溶解性に劣るものであると、有機溶剤に溶解させた際に微量の未溶解物が生じ、積層セラミックコンデンサに用いた場合、脱脂工程及び焼成工程においてボイドが残りやすくなったり、セラミック粉末等の分散性が低下したりすることにより、得られる製品の電気特性が低下する。また、熱現像性感光材料のバインダーとして用いる場合においても、未溶解物が存在することによって、銀塩等の分散性が悪化し、画像特性が低下する。従って、ポリビニルアセタール樹脂としては、有機溶剤に対する溶解性が高いことが要求される。
【0005】
特許文献5には、粉状及び/又は粒状のポリビニルアセタール樹脂を圧縮成形した後、解砕することにより得られる、粒子径が小さい粒子の含有割合が低く、かつ、かさ比重が高いポリビニルアセタール樹脂粒子が開示されている。特許文献5に開示されているポリビニルアセタール樹脂粒子は、有機溶剤に溶解しやすいとされている。しかしながら、特許文献5に開示されているポリビニルアセタール樹脂粒子でも、実際には有機溶剤に対する溶解性が不充分であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平3−197511号公報
【特許文献2】特開平3−200805号公報
【特許文献3】特開平4−175261号公報
【特許文献4】特開平4−178404号公報
【特許文献5】特開平4−258638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、有機溶剤に容易に溶解させることができるポリビニルアセタール樹脂粒子を提供することを目的とする。また、本発明は、該ポリビニルアセタール樹脂粒子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、重合度が500以上のポリビニルアセタール樹脂からなり、60メッシュの篩を通過する粒子の含有割合が20重量%以下、かさ比重が0.20以下、かつ、平均粒子径が100〜500μmであるポリビニルアセタール樹脂粒子である。
以下に本発明を詳述する。
【0009】
本発明者らは、特許文献5に開示されているポリビニルアセタール樹脂粒子は、かさ比重が高いものであるため、溶剤が含浸しにくく、大きな固まりとなり、その結果、有機溶剤に対する溶解性が不充分となっていることを見出した。
そこで本発明者らは、粒子径が小さい粒子の含有割合が低く、かさ比重が低く、かつ、平均粒子径が大きくなるように造粒したポリビニルアセタール樹脂粒子は、有機溶剤に容易に溶解させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
本発明のポリビニルアセタール樹脂粒子における60メッシュの篩を通過する粒子の含有割合の上限は20重量%である。上記60メッシュの篩を通過する粒子の含有割合が20重量%を超えると、有機溶剤に対する溶解性が低下する。上記60メッシュの篩を通過する粒子の含有割合のより好ましい上限は5重量%である。
なお、本明細書において上記篩はJIS Z8801に準拠するものである。
【0011】
本発明のポリビニルアセタール樹脂粒子のかさ比重の上限は0.20である。上記かさ比重が0.20を超えると、ポリビニルアセタール樹脂粒子が重すぎて溶剤が含浸しにくくなるため、有機溶剤に対する溶解性が低下する。上記かさ比重のより好ましい上限は0.17である。
なお、本明細書において上記かさ比重は、JIS K6720に準じた方法により測定される数値を表す。
【0012】
本発明のポリビニルアセタール樹脂粒子の平均粒子径の下限は100μm、上限は500μmである。上記平均粒子径が100μm未満であると、有機溶剤に対する溶解性が低下する。上記平均粒子径が500μmを超えると、有機溶剤へ溶解させた際に、分散できずに継粉化する。上記平均粒子径の好ましい下限は120μm、好ましい上限は480μmである。
なお、上記平均粒子径は、例えば、粒体モニタリングシステム(レーゼンテック社製)等の粒度分布計を用いて測定することができる。
【0013】
本発明のポリビニルアセタール樹脂粒子を有機溶剤に溶解させる際の温度は特に限定されないが、好ましい下限は20℃、好ましい上限は60℃である。本発明のポリビニルアセタール樹脂粒子を有機溶剤に溶解させる際の温度が20℃未満であると、ポリビニルアセタール樹脂粒子が充分に溶解しないことがある。本発明のポリビニルアセタール樹脂粒子を有機溶剤に溶解させる際の温度が60℃を超えると、有機溶剤が揮発しやすくなるため、溶液中のポリビニルアセタール樹脂の濃度が変化することがある。
【0014】
本発明のポリビニルアセタール樹脂粒子を溶解させるために用いられる有機溶剤は特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類や、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類や、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類や、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、ブタン酸メチル、ブタン酸エチル、ブタン酸ブチル、ペンタン酸メチル、ペンタン酸エチル、ペンタン酸ブチル、ヘキサン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸ブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酪酸2−エチルヘキシル等のエステル類や、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、α−テルピネオール、ブチルセルソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート等が挙げられる。これらの有機溶剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0015】
本発明のポリビニルアセタール樹脂粒子を有機溶剤に溶解させる際の溶解時間は短ければ短い程よいが、実質的には樹脂濃度が5〜10%の条件でエタノールとトルエンとの混合溶剤(重量比1:1)に溶解させた場合の溶解時間が4時間以下であることが好ましい。
【0016】
本発明のポリビニルアセタール樹脂粒子は、インク、塗料、焼付け用エナメル、ウォッシュプライマー、ラッカー、分散剤、接着剤、積層セラミックコンデンサ、熱現像性感光材料等の用途に用いることができる。
【0017】
本発明のポリビニルアセタール樹脂粒子は、ポリビニルアセタール樹脂をスラリー化する工程1、及び、工程1においてスラリー化したポリビニルアセタール樹脂を60〜120℃で30〜300分造粒する工程2を行うことにより製造することができる。
このようなポリビニルアセタール樹脂粒子の製造方法もまた、本発明の1つである。
【0018】
本発明のポリビニルアセタール樹脂粒子を構成する上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアセタール化することにより得られる。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は特に限定されず、従来公知の範囲であれば良い。
【0019】
上記ポリビニルアセタール樹脂を製造する際に用いられるポリビニルアルコールの重合度は特に限定されないが、好ましい下限は150、好ましい上限は4000である。上記ポリビニルアルコールの重合度が150未満、又は、4000を超えると、アセタール化が困難となる。上記ポリビニルアルコールの重合度のより好ましい下限は300、より好ましい上限は2800である。
【0020】
上記ポリビニルアルコールのケン化度の好ましい下限は80モル%である。上記ポリビニルアルコールのケン化度が80モル%未満であると、水溶性が悪化するためアセタール化が困難になり、また、水酸基量が少なくなるためアセタール化自体が困難になる。より好ましい下限は85モル%である。
【0021】
上記ポリビニルアルコールは、アセタール化する際のポリビニルアルコールのケン化度が80モル%以上であれば、上記ポリビニルアルコールを単独で使用してもよく、又は、ケン化度80モル%以上のポリビニルアルコールとケン化度80モル%未満のポリビニルアルコールを混合して、ケン化度を80モル%以上に調整してから使用してもよい。
【0022】
上記ポリビニルアルコールをアセタール化する方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができ、例えば、酸触媒の存在下で、上記ポリビニルアルコールの水溶液に各種アルデヒドを添加する方法等が挙げられる。
【0023】
上記酸触媒は特に限定されず、有機酸、無機酸のどちらでも使用可能であり、例えば、酢酸、パラトルエンスルホン酸、硝酸、硫酸、塩酸等が挙げられる。なかでも、非ハロゲン性の酸触媒が好適である。
【0024】
上記アセタール化に用いるアルデヒドは特に限定されず、例えば、ホルムアルデヒド(パラホルムアルデヒドを含む)、アセトアルデヒド(パラアセトアルデヒドを含む)、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられる。なかでも、アセトアルデヒド及び/又はブチルアルデヒドを用いてアセタール化することが好ましい。これらのアルデヒドは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0025】
上記アセタール化の反応を停止するために、アルカリによる中和を行うことが好ましい。上記アルカリとしては特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。
また、上記中和工程の前後に、水等を用いて得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を洗浄することが好ましい。なお、洗浄水中に含まれる不純物の混入を防ぐため、洗浄は純水で行うことがより好ましい。
【0026】
上記工程1において、上記ポリビニルアセタール樹脂をスラリー化する方法は特に限定されず、例えば、上記ポリビニルアセタール樹脂を媒体に添加し、撹拌翼により均一にスラリー化する方法等が挙げられる。
【0027】
上記ポリビニルアセタール樹脂をスラリー化するために用いられる上記媒体は特に限定されず、例えば、水、水/アルコール等が挙げられる。
【0028】
上記工程2において、上記工程1にてスラリー化したポリビニルアセタール樹脂を造粒する方法は特に限定されず、例えば、転動造粒法、押し出し造粒法、圧縮造粒法、撹拌造粒法、スプレードライ法、溶解凝固法、解砕造粒法等が挙げられる。
【0029】
上記工程2において、上記工程1にてスラリー化した上記ポリビニルアセタール樹脂を造粒する際の温度の下限は60℃、上限は120℃である。上記スラリー化した上記ポリビニルアセタール樹脂を造粒する際の温度が60℃未満であると、造粒化が進まず、粒子径が小さいままとなる。上記スラリー化した上記ポリビニルアセタール樹脂を造粒する際の温度が120℃を超えると、造粒化が困難となる。上記スラリー化した上記ポリビニルアセタール樹脂を造粒する際の温度の好ましい下限は70℃、好ましい上限は95℃である。
【0030】
上記工程1においてスラリー化した上記ポリビニルアセタール樹脂を造粒する時間の下限は30分、上限は300分である。上記スラリー化した上記ポリビニルアセタール樹脂を造粒する時間が30分未満であると、充分に造粒化が進まなくなる。上記スラリー化した上記ポリビニルアセタール樹脂を造粒する時間が300分を超えると、粒子径が大きくなり過ぎる。上記スラリー化した上記ポリビニルアセタール樹脂を造粒する時間の好ましい下限は60分、好ましい上限は240分である。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、有機溶剤に容易に溶解させることができるポリビニルアセタール樹脂粒子を提供することができる。また、本発明によれば、該ポリビニルアセタール樹脂粒子の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
【0033】
(実施例1)
重合度1700、ケン化度98モル%のポリビニルアルコール193gを純水2900gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸20gとn−ブチルアルデヒド115gを添加し、液温を15℃に下げてこの温度を保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、液温を40℃とし、3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗、及び、乾燥を行い、ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて測定したブチラール化度は65モル%であった。
得られたポリビニルアセタール樹脂の原料粉末を水に投入し、撹拌してスラリー化した。得られたスラリーを、撹拌槽を用いて70℃で120分間造粒することにより、ポリビニルアセタール樹脂粒子を得た。
【0034】
(実施例2)
得られたスラリーを75℃で180分間造粒したこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルアセタール樹脂粒子を得た。
【0035】
(実施例3)
得られたスラリーを75℃で120分間造粒したこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルアセタール樹脂粒子を得た。
【0036】
(実施例4)
得られたスラリーを70℃で60分間造粒したこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルアセタール樹脂粒子を得た。
【0037】
(実施例5)
得られたスラリーを80℃で270分間造粒したこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルアセタール樹脂粒子を得た。
【0038】
(実施例6)
得られたスラリーを75℃で210分間造粒したこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルアセタール樹脂粒子を得た。
【0039】
(比較例1)
得られたスラリーを50℃で120分間造粒したこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルアセタール樹脂粒子を得た。
【0040】
(比較例2)
得られたスラリーを55℃で120分間造粒したこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルアセタール樹脂粒子を得た。
【0041】
(比較例3)
得られたスラリーを70℃で20分間造粒したこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルアセタール樹脂粒子を得た。
【0042】
(比較例4)
得られたスラリーを80℃で330分間造粒したこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルアセタール樹脂粒子を得た。
【0043】
<評価>
実施例及び比較例で得られたポリビニルアセタール樹脂粒子について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
【0044】
(1)かさ比重
JIS K6720に準じた方法により、得られたポリビニルアセタール樹脂粒子のかさ比重を測定した。
【0045】
(2)平均粒子径
実施例及び比較例で得られたポリビニルアセタール樹脂粒子の平均粒子径を、粒体モニタリングシステム(レーゼンテック社製)を用いて測定した。
【0046】
(3)微粉率
実施例及び比較例で得られたポリビニルアセタール樹脂粒子について、JIS Z8801に準拠する60メッシュの篩を通過する粒子の割合(微粉率)を測定した。
【0047】
(4)溶解性
500mLのビーカーに有機溶剤としてエタノールとトルエンとの混合溶剤(重量比1:1)228gを入れ、温度を25℃に保ち、2枚の攪拌翼を用い、回転数200rpmで攪拌しながら、得られたポリビニルアセタール樹脂粒子12gを添加し、ポリビニルアセタール樹脂粒子を溶解させた。目視で観察し、得られたポリビニルアセタール樹脂粒子を添加してから不溶解樹脂が無くなるまでの時間を測定した。
【0048】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明によれば、有機溶剤に容易に溶解させることができるポリビニルアセタール樹脂粒子を提供することができる。また、本発明によれば、該ポリビニルアセタール樹脂粒子の製造方法を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合度が500以上のポリビニルアセタール樹脂からなり、60メッシュの篩を通過する粒子の含有割合が20重量%以下、かさ比重が0.20以下、かつ、平均粒子径が100〜500μmである
ことを特徴とするポリビニルアセタール樹脂粒子。
【請求項2】
請求項1記載のポリビニルアセタール樹脂粒子を製造する方法であって、
ポリビニルアセタール樹脂をスラリー化する工程1、及び、工程1においてスラリー化したポリビニルアセタール樹脂を60〜120℃で30〜300分造粒する工程2により製造されることを特徴とするポリビニルアセタール樹脂粒子の製造方法。