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ポリビニルアルコール樹脂及びその製造方法
説明

ポリビニルアルコール樹脂及びその製造方法

【課題】取り扱い性に優れ、かつ、水に溶解したときに溶け残りが発生しにくいポリビニルアルコール樹脂及びその製造方法を提供する。
【解決手段】重合工程(ステップS1)及び鹸化工程(ステップS2)を経て得たポリビニルアルコール樹脂スラリーを、100〜170℃に加熱して、含有される揮発成分を1質量%以下にする(ステップS3)。その後、揮発成分を除去した樹脂を、直径が3〜8mmμmの孔を備える金型を使用して押出成形してストランド形状とし、押出成形後の樹脂を45℃以下の温度になるまで空冷又は風冷する(ステップS4)。そして、冷却後の樹脂を粉砕し、長さが1〜10mm、最大径が0.5〜3.0mmの棒状粒子とする(ステップS5)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリビニルアルコール樹脂及びその製造方法に関する。より詳しくは、塩化ビニル樹脂を製造する際に分散剤として使用されるポリビニルアルコール樹脂及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリビニルアルコール(PVA)は、水溶性の合成樹脂であり、その特徴を生かして、フィルム材料、乳化分散剤、接着剤及びバインダー樹脂など様々な分野で使用されている。このPVA樹脂は、酢酸ビニルモノマーを重合し、得られたポリ酢酸ビニルを鹸化することにより製造され、一般に、粉末状又は顆粒状のものが使用されている(特許文献1〜4参照)。例えば、特許文献1,2には、水への分散性を向上させるために、PVAの粒子径を数μm以下にしたPVA微粒子が開示されている。
【0003】
一方、特許文献3,4には、粒径を数百μm以上、更には数mm以上にしたフレーク状又はペレット状のPVA樹脂が開示されている。この特許文献4に記載のPVA樹脂ペレットの製造方法では、鹸化工程後のPVA樹脂を含む水/アルコール混合溶液を、溶解度パラメーターδが9.3〜14.4の凝固液中に押出し、得られたストランドをペレタイザーなどで切断することでペレット化している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−236417号公報
【特許文献2】特開2006−89536号公報
【特許文献3】特表平11−504374号公報
【特許文献4】特開2002−301715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1,2に記載されているようなPVA樹脂微粉末は、表面積が大きいため水に溶解させた際に凝集しやすく、また、飛散しやすいため取り扱い性に劣るという問題点がある。一方、特許文献3に記載の技術は、フレーク状のPVA樹脂を得ることが目的であるため、得られたPVA樹脂の粉砕部分同士が相互に接触して、ブロッキングが発生する場合があるという問題点がある。
【0006】
また、特許文献4に記載のPVA樹脂ペレットの製造方法は、PVA樹脂の水/アルコール溶液を、アセトンやメチルエチルケトンなどの凝固液中に押し出して凝固させた後、得られたペレットを洗浄、乾燥させている。このため、この特許文献4に記載の製造方法では、得られたペレットの表面に凝固液の残渣が付着するという問題や、凝固浴や乾燥機などの設備が必要になるという問題が生じる。
【0007】
そこで、本発明は、取り扱い性に優れ、かつ、水に溶解したときに溶け残りが発生しにくいポリビニルアルコール樹脂及びその製造方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るポリビニルアルコール樹脂は、長さが1〜10mm、最大径が0.5〜3.0mmの棒状粒子である。
本発明においては、ポリビニルアルコール樹脂を、特定サイズの棒状粒子にしているため、粉立ちが発生せず、耐ブロッキング性も向上する。更に、水に対する溶解速度も速くなる。
【0009】
本発明に係るポリビニルアルコール樹脂の製造方法は、ポリビニルエステルを鹸化して得たポリビニルアルコール樹脂スラリーを、100〜170℃に加熱して、含有される揮発成分を1質量%以下にする脱溶剤工程と、揮発成分除去後の樹脂を、直径が1〜15mmの孔を備える金型を使用して押出成形し、ストランド形状にする工程と、押出成形後の樹脂を45℃以下の温度になるまで空冷又は風冷する工程と、冷却後の樹脂を粉砕し、長さが1〜10mm、最大径が0.5〜3.0mmの棒状粒子を得る工程と、を有する。
本発明においては、凝固液を使用せず、溶融押出成形により、特定の粒子形状のポリビニルアルコール樹脂を製造しているため、凝固液の残渣の付着がなく、水に対する溶解性及び取り扱い性に優れたポリビニルアルコール樹脂が得られる。
この製造方法では、揮発成分を除去する際、減圧しながら撹拌してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ポリビニルアルコール樹脂を、特定サイズの棒状粒子としているため、取り扱い性に加えて、水に対する溶解性も向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るPVA樹脂の製造方法を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について、添付の図面を参照して、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。本発明の実施形態に係るポリビニルアルコール(PVA)樹脂は、棒状粒子であり、長さが1〜10mm、最大径が0.5〜3.0mmとなっている。
【0013】
[形状]
従来の粉状のPVA樹脂は、表面積が大きいため、水に溶解させた際に凝集して塊になりやすく、水に溶解しにくいという問題や、比重が軽く飛散しやすいため、取り扱い性に劣るといった問題点がある。一方、粒径が大きなPVA樹脂を粉砕処理して得られた不定形状のペレットは、粒度分布を有し、粒度の大きいものも含まれるため、溶解条件によってはPVA樹脂が溶け残ってしまう場合がある。また、このような不定形状のペレットでは、粉砕部分同士が相互に接触して、配管内での樹脂詰まりやブロッキングが発生する場合があるため、取り扱い性にも劣る。
【0014】
これに対して、本実施形態のPVA樹脂は棒状粒子であるため、表面積も小さく、粒子同士の接触面積も少ないため、水に溶解しやすく、かつブロッキングも発生しにくい。このため、前述した粉状又は不定形状の粉砕物に比べて、水への溶解性及び取り扱い性が向上する。
【0015】
[長さ]
本実施形態のPVA樹脂は、長さが1〜10mmである。これにより、ブロッキンや、水に溶解した際の溶け残りが生じにくくなる。なお、PVA樹脂の粒子長が1mm未満の場合、切断面に対する粒子の側面の割合が少なくなり、ブロッキングが発生しやすくなる。一方、PVA樹脂の粒子長が10mmを超えると、水に溶解した際に溶け残りが発生することがある。
【0016】
[最大径]
本実施形態のPVA樹脂は、最大径が0.5〜3.0mmである。これにより、ブロッキングが発生しにくくなると共に、水に溶解した際の溶け残りを抑制することができる。なお、PVA樹脂の最大径が0.5mm未満の場合、PVA樹脂がブロッキングしやすくなり、また、3.0mmを超えると、水に溶け残る粒子が生じることがある。
【0017】
次に、本実施形態のPVA樹脂の製造方法について説明する。図1は本実施形態のPVA樹脂の製造方法を示すフローチャート図である。図1に示すように、本実施形態のPVA樹脂の製造方法においては、重合工程(ステップS1)、鹸化工程(ステップS2)、脱溶剤工程(ステップS3)、冷却工程(ステップS4)及び粉砕工程(ステップS5)の各工程を、この順に実施する。
【0018】
[重合工程]
ステップS1の重合工程では、1種若しくは2種以上のビニルエステルを重合するか、又は、ビニルエステルとこれと共重合可能なその他の単量体とを共重合して、ポリビニルエステルを得る。ここで使用するビニルエステルとしては、例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピパリン酸ビニル及びバーサチック酸ビニルなどが挙げられるが、重合安定性の観点から特に酢酸ビニルが好ましい。
【0019】
また、これらビニルエステルと共重合可能な他の単量体は、特に限定されるものではないが、例えば、エチレン及びプロピレンなどのα−オレフィン類、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル及び(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、(メタ)アクリルアミド及びN−メチロールアクリルアミドなどの不飽和アミド類、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸及びフマル酸などの不飽和酸類、不飽和酸のアルキル(メチル、エチル、プロピルなど)エステル、無水マレイン酸などの不飽和酸の無水物、不飽和酸の塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートなどのグリシジル基含有単量体、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びその塩類などのスルホン酸基含有単量体、アシッドホスホオキシエチルメタアクリレート及びアシッドホスホオキシプロピルメタアクリレートなどのリン酸基含有単量体、アルキルビニルエーテル類などが挙げられる。
【0020】
[鹸化工程]
ステップS2の鹸化工程では、ステップS1で得られたポリビニルエステルを、有機溶媒中において、触媒の存在下で鹸化する。その際、有機溶媒には、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン及びジエチレングリコールなどのアルコール類を使用することができるが、特に、メタノールが好ましい。
【0021】
また、鹸化触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムアルコラート及び炭酸ナトリウムなどのアルカリ触媒、硫酸、燐酸及び塩酸などの酸触媒が挙げられる。これら鹸化触媒の中でも、アルカリ触媒を使用することが好ましく、水酸化ナトリウムを使用することがより好ましい。これにより、鹸化速度を早くして、生産性を向上させることができる。
【0022】
この鹸化工程により、ポリビニルエステルにおけるビニルエステル単位の一部又は全部が鹸化されて、ビニルアルコール単位となる。なお、前述した鹸化工程により得られるPVA樹脂の鹸化度は、特に限定されるものではなく、用途などに応じて適宜設定することができる。
【0023】
[脱溶剤工程]
次に、ステップS2で得られた鹸化溶媒を含んだ状態のPVA樹脂スラリーから鹸化溶媒を除去し、PVA樹脂に含まれる揮発分(鹸化溶媒)量を1質量%以下にする(ステップS3)。その具体的方法は特に限定されるものではないが、例えば減圧式ニーダーなどを使用し、スラリーを撹拌しながら、加熱及び減圧する方法を適用することができる。
【0024】
なお、脱溶剤後のPVA樹脂に1質量%を超える揮発分が残留していると、後述する粉砕工程において、ストランドが粉砕しにくくなったり、所望する部位以外でストランドが切断されて、得られるPVA樹脂の形状にばらつきが生じたりする。
【0025】
また、このときの加熱温度は、鹸化溶媒の種類に応じて適宜設定することができるが、100〜170℃とすることが望ましい。これにより、揮発分量を十分に除去することができると共に、得られるPVA樹脂が黄色化することを防止できる。なお、加熱温度が100℃未満の場合、揮発分含有量が十分に低減しないことがあり、170℃を超えると、スラリーが加熱分解して得られるPVA樹脂が黄変化してしまうことがある。
【0026】
[成形・冷却工程]
ステップS4の成形・冷却工程では、ステップS3で脱溶剤したPVA樹脂を、例えば直径が3〜8mmの孔を複数備えた金型を使用して、ベルトコンベアー上にストランド形状に押出成形した後、ベルトコンベアー上に載置した状態で、大気中で、樹脂の温度が45℃以下になるまで空冷又は風冷する(ステップS4)。これにより、最大径が0.5〜3.0mmの長尺棒状の樹脂(ストランド)が得られる。
【0027】
なお、ストランドの冷却は、ベルトコンベアー上で徐冷してもよく、また、ストランドの移動方向と逆向きに冷却風を吹き付けて空冷してもよい。また、金型より押し出されたストランドは、ベルトコンベアーや粉砕機により引き延ばされて、金型の孔径よりも細くなる場合がある。
【0028】
[粉砕工程]
次に、ステップS4で成形された長尺棒状の樹脂(ストランド)を、ペレタイザーなどの粉砕機を使用して、長さが1〜10mmになるように粉砕する(ステップS5)。その際の粉砕条件は、特に限定されるものではないが、例えば8枚の刃を有する回転刃を用いて、ストランドの引取速度を1〜25m/分にして行うことができる。このとき、引取速度が速すぎると、ストランドに伝わる回転刃の衝撃により、得られる棒状粒子の切断面が粗くなり、ブロッキング発生の原因になることがある。
【0029】
このように、本実施形態のPVA樹脂においては、粒子形状を、長さが1〜10mm、最大径が0.5〜3.0mmの棒状にしているため、水への溶解速度が速く、また、粉状の従来品に比べて、耐ブロッキング性に優れ、粉立ちも発生しない。また、本実施形態のPVA樹脂は、粒度分布が狭く、大きさが揃っている。その結果、水への溶解性に優れ、かつ取り扱い性にも優れたPVA樹脂が得られる。この特性から、本実施形態のPVA樹脂は、塩化ビニル樹脂を懸濁重合する際の分散剤に特に好適である。
【実施例】
【0030】
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて、本発明の効果について具体的に説明する。本実施例においては、形状や大きさが異なる複数のPVA樹脂粒子を作製し、その溶解性及び取り扱い性を評価した。実施例及び比較例の各PVA樹脂粒子は、同一のPVA樹脂スラリーを使用し、以下の方法により作製した。
【0031】
<PVAスラリー>
酢酸ビニル:10質量部と、メタノール:17質量部と、アゾビスイソブチロニトリル:酢酸ビニルに対して0.10質量%とを、重合缶に仕込んだ。そして、缶内を窒素で置換した後、加熱して沸点まで昇温させ、更に、酢酸ビニル:3.5質量部とメタノール:7.5質量部との混合液を、重合率が75%に達するまで連続的に添加しながら重合を行い、重合率が90%に達した時点で重合を停止した。
【0032】
その後、常法により未重合の酢酸ビニルを除去し、ポリビニルアセテート(以下、PVAcともいう)系重合体のメタノール溶液を得た。次に、この溶液の一部を採り常法により鹸化を行い、粘度平均重合度:400、鹸化度:50mol%、固形分濃度45%のPVA樹脂スラリーを得た。
【0033】
<PVA樹脂粒子>
(実施例1)
前述したPVA樹脂スラリーを、130℃、−0.06MPaの条件で減圧乾燥した後、直径3mmの孔を備えた金型を通して押し出し、得られたストランドを、牽引速度を20m/分にして粉砕して、長さ5mm、直径0.5mmの棒状PVA樹脂粒子を得た。なお、減圧乾燥及び押し出し成形には、KRCニーダー(栗本鐵工社製)を使用した。以下の実施例及び比較例においても同様である。
【0034】
(実施例2)
前述したPVA樹脂スラリーを、130℃、−0.06MPaの条件で減圧乾燥した後、直径5mmの孔を備えた金型を通して押し出し、得られたストランドを、牽引速度を20m/分にして粉砕して、長さ5mm、直径1.0mmの棒状PVA樹脂粒子を得た。
【0035】
(実施例3)
前述したPVA樹脂スラリーを、130℃、−0.06MPaの条件で減圧乾燥した後、直径8mmの孔を備えた金型を通して押し出し、得られたストランドを、牽引速度を20m/分にして粉砕して、長さ5mm、直径3.0mmの棒状PVA樹脂粒子を得た。
【0036】
(実施例4)
前述したPVA樹脂スラリーを、130℃、−0.06MPaの条件で減圧乾燥した後、直径4mmの孔を備えた金型を通して押し出し、得られたストランドを、牽引速度を5m/分にして粉砕して、長さ10mm、直径1.0mmの棒状PVA樹脂粒子を得た。
【0037】
(実施例5)
前述したPVA樹脂スラリーを、130℃、−0.06MPaの条件で減圧乾燥した後、直径6mmの孔を備えた金型を通して押し出し、得られたストランドを、牽引速度を24m/分にして粉砕して、長さ1mm、直径1.0mmの棒状PVA樹脂粒子を得た。
【0038】
(比較例1)
前述したPVA樹脂スラリーを、130℃、−0.06MPaの条件で減圧乾燥した後、直径7mmの孔を備えた金型を通して押し出し、得られたストランドを、牽引速度を30m/分にして粉砕して、長さ0.5mm、直径1.0mmの棒状PVA樹脂粒子を得た。
【0039】
(比較例2)
前述したPVA樹脂スラリーを、130℃、−0.06MPaの条件で減圧乾燥した後、直径3mmの孔を備えた金型を通して押し出し、得られたストランドを、牽引速度を0.9m/分にして粉砕して、長さ15mm、直径1.0mmの棒状PVA樹脂粒子を得た。
【0040】
(比較例3)
前述したPVA樹脂スラリーを、130℃、−0.06MPaの条件で減圧乾燥した後、直径1mmの孔を備えた金型を通して押し出し、得られたストランドを、牽引速度を20m/分にして粉砕して、長さ5mm、直径0.3mmの棒状PVA樹脂粒子を得た。
【0041】
(比較例4)
前述したPVA樹脂スラリーを、130℃、−0.06MPaの条件で減圧乾燥した後、直径9mmの孔を備えた金型を通して押し出し、得られたストランドを、牽引速度を20m/分にして粉砕して、長さ5mm、直径3.5mmの棒状PVA樹脂粒子を得た。
【0042】
<溶解性>
実施例又は比較例のPVA樹脂粒子:5質量部と、23℃の純水:95質量部とを、1Lのセパラブルフラスコに入れて、アンカー翼によって撹拌速度200rpmで撹拌し、PVA樹脂が完全に溶解するまでの時間を測定した。なお、計測時間の最大は60分間とした。
【0043】
<取り扱い性>
実施例又は比較例のPVA樹脂粒子:5質量部と、23℃の純水:95質量部とを、1Lのセパラブルフラスコに入れて、アンカー翼により撹拌速度200rpmで50分間撹拌して調整した溶液を内径5mmのステンレス製パイプに通流させ、パイプ内部での樹脂詰まり(ブロッキング)が発生するか否かを確認した。
【0044】
以上の結果を、下記表1にまとめて示す。
【0045】
【表1】

【0046】
上記表1に示すように、長さが1mm未満の比較例1のPVA樹脂及び最大径が0.5mm未満の比較例3のPVA樹脂では、水に溶解した際に粒子が凝集し、更にブロッキングも発生した。また、長さが10mmを超えている比較例2のPVA樹脂、最大径が3.0mmを超えている比較例4のPVA樹脂は、取り扱い性は良好であったが、水に溶解した際に溶け残りが生じた。
【0047】
これに対して、棒状粒子で、長さ、最大径及び粒度の全てが本発明の範囲内である実施例1〜5のPVA樹脂は、溶解性及び取り扱い性のいずれも優れていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さが1〜10mm、最大径が0.5〜3.0mmの棒状粒子であるポリビニルアルコール樹脂。
【請求項2】
ポリビニルエステルを鹸化して得たポリビニルアルコール樹脂スラリーを、100〜170℃に加熱して、含有される揮発成分を1質量%以下にする工程と、
揮発成分除去後の樹脂を、直径が3〜8mmの孔を備える金型を使用して押出成形し、ストランド形状にする工程と、
押出成形後の樹脂を45℃以下の温度になるまで空冷又は風冷する工程と、
冷却後の樹脂を粉砕し、長さが1〜10mm、最大径が0.5〜3.0mmの棒状粒子を得る工程と、
を有するポリビニルアルコール樹脂の製造方法。
【請求項3】
揮発成分を除去する際、減圧しながら撹拌することを特徴とする請求項2に記載のポリビニルアルコール樹脂の製造方法。
【請求項4】
揮発成分除去後の樹脂をベルト上に押出形成し、該ベルト上で成形後の樹脂を空冷又は風冷することを特徴とする請求項2又は3に記載のポリビニルアルコール樹脂の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2012−149144(P2012−149144A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7674(P2011−7674)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(000003296)電気化学工業株式会社 (1,539)
【Fターム(参考)】