説明

ポリビニルエーテル樹脂

【課題】略球形粒子状であり、かつ、アミノ基含有ポリビニルエーテル樹脂を含む高分子担体を製造し得る樹脂を提供する。
【解決手段】式(1)


で示される構造単位を含むポリビニルエーテル樹脂。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリビニルエーテル樹脂等に関する。
【背景技術】
【0002】
酵素による分子認識を分離モードとする液体クロマトグラフィ用分離材料又は固定化酵素触媒材料の製造用担体として、アミノ基を有するポリビニルエーテル樹脂(アミノ基含有ポリビニルエーテル樹脂)を含む高分子担体が知られている。たとえば、特許文献1には、2−ビニルオキシエチルフタルイミドとアルキルビニルエーテルとをアセトン中、BFEtOEtを触媒として重合させ、ヒドラジンで脱保護して得られる膜作用性ポリビニルエーテルポリアミン・ターポリマー、すなわち、膜の形状を有する高分子担体(膜状担体)のアミノ基含有ポリビニルエーテル樹脂が記載されている。
ところで、高分子担体を液体クロマトグラフィ用分離材料又は固定化酵素触媒材料を充填塔に充填して用いる場合には、略球形粒子の形状(略球形粒子状)の高分子担体が必要であるが、略球形粒子状であり、かつ、アミノ基含有ポリビニルエーテル樹脂を含む高分子担体はこれまで知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2010−521133号公報[0135]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような状況下、略球形粒子状であり、かつ、アミノ基含有ポリビニルエーテル樹脂を含む高分子担体を製造し得る樹脂が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下の本発明に至った。
[1] 式(1)

(式中、mは0以上の整数を表わし、nは2以上の整数を表わす。R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わし、RとRとが結合して環を形成していてもよく、RとRとが結合して環を形成していてもよい。
およびR5はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基または置換基を有していてもよいアリールスルホニル基を表わし、RおよびR5のうちの少なくとも一つは、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基または置換基を有していてもよいアリールスルホニル基である。また、RとR5とが結合して、これらが結合している窒素原子と一緒になって環を形成していてもよい。)
で示される構造単位を含むポリビニルエーテル樹脂。
【0006】
[2] 式(1)で示される構造単位に加えて、2個以上の炭素−炭素不飽和結合を分子内に有するモノマーから導かれる構造単位を含む[1]記載のポリビニルエーテル樹脂。
[3] 2個以上の炭素−炭素不飽和結合を分子内に有するモノマーが、式(2m):

(式中、pは0以上の整数を表わす。qおよびrはそれぞれ独立に、2以上の整数を表わす。R6、R7およびR8はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わし、R6とR7とが結合して、これらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R7とR8とが結合して、これらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。)
で示される化合物である[2]記載のポリビニルエーテル樹脂。
【0007】
[4] 式(3):

(式中、sは0以上の整数を表わし、tは0以上の整数を表わす。R、R10およびR11はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表し、RとR10とが結合して環を形成していてもよく、R10とR11とが結合して環を形成していてもよい。R12は、水素原子、水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキルオキシ基または置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表わす。)
で示される構造単位をさらに含む[1]〜[3]のいずれか記載のポリビニルエーテル樹脂。
[5] 式(1)において、RおよびRのうち少なくとも一方が、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基または置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基である[1]〜[4]のいずれか記載のポリビニルエーテル樹脂。
【0008】
[6] [2]又は[3]記載のポリビニルエーテル樹脂において、式(1)で示される構造単位が、式(10):

(式中、mは0以上の整数を表わし、nは2以上の整数を表わす。R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わし、RとRとが結合して環を形成していてもよく、RとRとが結合して環を形成していてもよい。Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わす。)
で示される構造単位に変換されたポリビニルエーテル樹脂。
【0009】
[7] 式(10):

(式中、mは0以上の整数を表わし、nは2以上の整数を表わす。R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わし、RとRとが結合して環を形成していてもよく、RとRとが結合して環を形成していてもよい。Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わす。)
で示される構造単位と2個以上の炭素−炭素不飽和結合を分子内に有するモノマーから導かれる構造単位とを含むポリビニルエーテル樹脂。
【0010】
[8] 2個以上の炭素−炭素不飽和結合を分子内に有するモノマーが、式(2m):

(式中、pは0以上の整数を表わす。qおよびrはそれぞれ独立に、2以上の整数を表わす。R6、R7およびR8はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わし、R6とR7とが結合して、これらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R7とR8とが結合して、これらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。)
で示される化合物である[7]記載のポリビニルエーテル樹脂。
【0011】
[9] 式(3):

(式中、sは0以上の整数を表わし、tは0以上の整数を表わす。R、R10およびR11はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表し、RとR10とが結合して環を形成していてもよく、R10とR11とが結合して環を形成していてもよい。R12は、水素原子、水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基または置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表わす。)
で示される構造単位をさらに含む[6]〜[8]のいずれか記載のポリビニルエーテル樹脂。
【0012】
[10] 式(1m):

(式中、mは0以上の整数を表わし、nは2以上の整数を表わす。R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わし、RとRとが結合して環を形成していてもよく、RとRとが結合して環を形成していてもよい。
およびR5はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基または置換基を有していてもよいアリールスルホニル基であり、RおよびR5のうち少なくとも一つは、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基または置換基を有していてもよいアリールスルホニル基である。また、RとR5とが結合して、これらが結合している窒素原子と一緒になって環を形成していてもよい。)
で示される化合物の付加重合反応を行う工程を含む式(1):

(式中、m、n、R、R、R、RおよびR5は上記と同一の意味を表わす。)
で示される構造単位を含むポリビニルエーテル樹脂の製造方法。
【0013】
[11] 水中に、式(1m)で示される化合物を懸濁重合する工程を含む[10]記載の製造方法。
[12] [10]または[11]記載の製造方法により得られるポリビニルエーテル樹脂に含まれる式(1)で示される構造単位を、式(10):

(式中、mは0以上の整数を表わし、nは2以上の整数を表わす。R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わし、RとRとが結合して環を形成していてもよく、RとRとが結合して環を形成していてもよい。Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わす。)
で示される構造単位に変換する工程を有するポリビニルエーテル樹脂の製造方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、略球形粒子状であり、かつ、アミノ基含有ポリビニルエーテル樹脂を含む高分子担体を製造し得る樹脂が提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例1で得られた樹脂Aの外観を示す光学顕微鏡写真である。
【図2】実施例2で得られた樹脂A’の外観を示す光学顕微鏡写真である。
【図3】実施例3で得られた樹脂Bの外観を示す光学顕微鏡写真である。
【図4】実施例4で得られた樹脂B’の外観を示す光学顕微鏡写真である。
【図5】実施例5で得られた樹脂Cの外観を示す光学顕微鏡写真である。
【図6】実施例6で得られた樹脂Dの外観を示す光学顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
まず、式(1):

(式中、mは0以上、好ましくは1以上、より好ましくは1〜10の整数を表わし、nは2以上の整数を表わす。R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わし、RとRとが結合して環を形成していてもよく、RとRとが結合して環を形成していてもよい。
およびR5はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基または置換基を有していてもよいアリールスルホニル基を表わす。ただし、RおよびR5のうち少なくとも一つは、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基または置換基を有していてもよいアリールスルホニル基である。また、RとR5とが結合して、これらが結合している窒素原子と一緒になって環を形成していてもよい。)
で示される構造単位(以下、構造単位(1)と略記する。)を含むポリビニルエーテル樹脂(以下、樹脂(1)と略記する。)について、説明する。
【0017】
構造単位(1)は、式(1m):

(式中、m、n、R、R、R、RおよびR5は上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(1m)と略記する。)から導かれる。
【0018】
、R、R、RおよびR5におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基等の炭素数1〜50のアルキル基が挙げられ、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。かかるアルキル基は、直鎖状であってもよいし、分枝鎖状であってもよいし、環状であってもよい。かかるアルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、化合物(1m)の付加重合反応に影響しないものであればよい。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基等の炭素数6〜15のアリール基、フェノキシ基等の炭素数6〜15のアリールオキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アセチル基、ベンゾイル基等の炭素数2〜10のアシル基、アセトキシ基等の炭素数2〜10のアシルオキシ基、および、ベンジル基等の炭素数7〜15のアラルキル基が挙げられる。
【0019】
、R、R、RおよびR5におけるアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等の炭素数6〜15のアリール基が挙げられる。かかるアリール基は置換基を有していてもよく、置換基としては、化合物(1m)の付加重合反応に影響しないものであればよい。具体的には、前記アルキル基の置換基と同様のものが挙げられる。
【0020】
とRとが結合して、それらが結合している炭素原子とともに形成する環としては、シクロペンテン環およびシクロヘキセン環が挙げられる。RとRとが結合して、それらが結合している炭素原子とともにシクロペンテン環を形成する場合、式(1m)における式(1p):

で示される部分構造は、式(1p−A)で示される部分構造であり、RとRとが結合して、それらが結合している炭素原子とともにシクロヘキセン環を形成する場合、式(1m)における式(1p)で示される部分構造は、式(1p−B)で示される部分構造である。

【0021】
とRとが結合して、それらが結合している炭素原子とともに形成する環としては、シクロペンタン環およびシクロヘキサン環が挙げられる。RとRとが結合して、それらが結合している炭素原子とともにシクロペンタン環を形成する場合、式(1m)における式(1p)で示される部分構造は、式(1p−C)で示される部分構造であり、RとRとが結合して、それらが結合している炭素原子とともにシクロヘキサン環を形成する場合、式(1m)における式(1p)で示される部分構造は、式(1p−D)で示される部分構造である。

【0022】
およびR5におけるアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、2−プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、2−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等の前記炭素数1〜10のアルコキシ基とカルボニル基とから構成される基が挙げられる。かかるアルコキシカルボニル基は置換基を有していてもよく、置換基としては、フェニル基等の炭素数6〜15のアリール基および9H−フルオレン−9−イル基が挙げられる。置換基を有するアルコキシカルボニル基としては、フェニルメトキシカルボニル基および9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル基が挙げられる。これらの中でもtert−ブトキシカルボニル基および9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル基が好ましい。
およびR5におけるアリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル基等の前記炭素数6〜15のアリールオキシ基とカルボニル基とから構成される基が挙げられる。かかるアリールオキシカルボニル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、メチル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基、ニトロ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。置換基を有するアリールオキシカルボニル基としては、4−メトキシフェノキシカルボニル基、4−メチルフェノキシカルボニル基、4−ニトロフェノキシカルボニル基、4−クロロフェノキシカルボニル基、4−ブロモフェノキシカルボニル基、4−ヨードフェノキシカルボニル基、2−メトキシフェノキシカルボニル基、2−メチルフェノキシカルボニル基、2−ニトロフェノキシカルボニル基、2−クロロフェノキシルボニル基、2−ブロモフェノキシカルボニル基、2−ヨードフェノキシカルボニル基、3−メトキシフェノキシカルボニル基、3−メチルフェノキシカルボニル基、3−ニトロフェノキシカルボニル基、3−クロロフェノキシカルボニル基、3−ブロモフェノキシカルボニル基および3−ヨードフェノキシカルボニル基が挙げられる。これらの中でも、フェノキシカルボニル基および4−ニトロフェノキシカルボニル基が好ましい。
【0023】
およびR5におけるアシル基としては、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、2−プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基、2−ブチルカルボニル基、tert−ブチルカルボニル基、ベンゾイル基等の炭素数2〜10の脂肪族または芳香族アシル基が挙げられる。かかるアシル基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基等の炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基等の炭素数6〜15のアリール基、トリフルオロメチル基等の炭素数1〜6のフルオロアルキル基およびニトロ基が挙げられる。置換基を有するアシル基としては、クロロアセチル基、ジクロロアセチル基、トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、フェニルアセチル基、4−メチルベンゾイル基、4−メチルベンゾイル基、4−ニトロベンゾイル基、4−クロロベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、4−ヨードベンゾイル基、4−トリフルオロメチルベンゾイル基、3−メチルベンゾイル基、3−メチルベンゾイル基、3−ニトロベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、3−ブロモベンゾイル基、3−ヨードベンゾイル基、3−トリフルオロメチルベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、2−ニトロベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、2−ブロモベンゾイル基、2−ヨードベンゾイル基および2−トリフルオロメチルベンゾイル基などが挙げられる。これらの中でも、アセチル基、トリクロロアセチル基およびベンゾイル基が好ましい。
【0024】
およびR5におけるアルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、2−プロピルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基、ブチルスルホニル基等の前記炭素数1〜10のアルキル基とスルホニル基とから構成される基が挙げられる。かかるアルキルスルホニル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、フッ素原子が挙げられる。置換基を有するアルキルスルホニル基としては、トリフルオロメチルスルホニル基が挙げられる。これらの中でも、メチルスルホニル基が好ましい。
およびR5におけるアリールスルホニル基としては、ベンゼンスルホニル基等の前記炭素数6〜15のアリール基とスルホニル基とから構成される基が挙げられる。かかるアリールスルホニル基は置換基を有していてもよく、置換基としては、前記アリール基の置換基と同様のものが挙げられる。置換基を有するアリールスルホニル基としては、4−メチルベンゼンスルホニル基、4−ニトロベンゼンスルホニル基、4−クロロベンゼンスルホニル基、4−ブロモベンゼンスルホニル基、4−ヨードベンゼンスルホニル基、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル基、3−メチルベンゼンスルホニル基、3−ニトロベンゼンスルホニル基、3−クロロベンゼンスルホニル基、3−ブロモベンゼンスルホニル基、3−ヨードベンゼンスルホニル基、3−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル基、2−メチルベンゼンスルホニル基、2−メチルベンゼンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、4−ニトロベンゼンスルホニル基、2,4−ジニトロベンゼンスルホニル基、2−クロロベンゼンスルホニル基、2−ブロモベンゼンスルホニル基、2−ヨードベンゼンスルホニル基および2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル基が挙げられる。これらの中でも、4−メチルベンゼンスルホニル基および2−ニトロベンゼンスルホニル基が好ましい。
【0025】
化合物(1m)において、RおよびR5のうちの少なくとも一つは、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基または置換基を有していてもよいアリールスルホニル基である。RおよびR5のうちの少なくとも一つは、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基または置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基である化合物(1m)が好ましく、Rが、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基または置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)がより好ましい。
【0026】
とRが結合し、これらが結合している窒素原子と一緒になって環を形成する場合、式(1m)における式(1q):

で示される部分構造としては、下記のものが挙げられる。

【0027】
mが大きすぎると、化合物(1m)の付加重合の反応性が低下し易くなる傾向があるため、mは1000以下の整数であることが好ましく、100以下の整数であることがより好ましく、10以下の整数であることが特に好ましい。また、mは1以上が好ましく、2以上がより好ましい。化合物(1m)を製造するための原料の入手が容易であるという点で、nは30以下の整数であることが好ましく、10以下の整数であることがより好ましく、6以下の整数であることが特に好ましい。
【0028】
化合物(1m)としては、
が水素原子である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基である化合物(1m)、
がメチル基である化合物(1m)、
、RおよびRが水素原子である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、RおよびRが水素原子である化合物(1m)、
がメチル基であり、RおよびRが水素原子である化合物(1m)、
【0029】
mが0〜1000の整数である化合物(1m)、
mが0〜100の整数である化合物(1m)、
mが0〜10の整数である化合物(1m)、
nが2〜30の整数である化合物(1m)、
nが2〜10の整数である化合物(1m)、
nが2〜6の整数である化合物(1m)、
mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数である化合物(1m)、
mが0〜10の整数であり、nが2〜6の整数である化合物(1m)、
【0030】
が水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数である化合物(1m)、
がメチル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数である化合物(1m)、
、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数である化合物(1m)、
がメチル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数である化合物(1m)、
【0031】
が置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基または置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がtert−ブトキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がフェノキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が4−ニトロフェノキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がアセチル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がトリクロロアセチル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がベンゾイル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がメチルスルホニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が4−メチルベンゼンスルホニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が2−ニトロベンゼンスルホニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
とR5が結合して、フタロイル基を形成する化合物(1m)、
【0032】
が水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基または置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがtert−ブトキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがフェノキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが4−ニトロフェノキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがアセチル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがトリクロロアセチル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがベンゾイル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがメチルスルホニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが4−メチルベンゼンスルホニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが2−ニトロベンゼンスルホニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、RとR5が結合して、フタロイル基を形成する化合物(1m)、
【0033】
が炭素数1〜10のアルキル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基または置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがtert−ブトキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがフェノキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが4−ニトロフェノキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがアセチル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがトリクロロアセチル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがベンゾイル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがメチルスルホニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが4−メチルベンゼンスルホニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが2−ニトロベンゼンスルホニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、RとR5が結合して、フタロイル基を形成する化合物(1m)、
【0034】
がメチル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基または置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がメチル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がメチル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がメチル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがtert−ブトキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がメチル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がメチル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがフェノキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がメチル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが4−ニトロフェノキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
【0035】
がメチル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがアセチル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がメチル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがトリクロロアセチル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がメチル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがベンゾイル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がメチル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがメチルスルホニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がメチル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが4−メチルベンゼンスルホニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がメチル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが2−ニトロベンゼンスルホニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がメチル基であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、RとR5が結合して、フタロイル基を形成する化合物(1m)、
【0036】
、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基または置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがtert−ブトキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがフェノキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが4−ニトロフェノキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
【0037】
、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがアセチル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがトリクロロアセチル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがベンゾイル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがメチルスルホニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが4−メチルベンゼンスルホニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが2−ニトロベンゼンスルホニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、RとR5が結合して、フタロイル基を形成する化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基または置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
【0038】
が炭素数1〜10のアルキル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがtert−ブトキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがフェノキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが4−ニトロフェノキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
【0039】
が炭素数1〜10のアルキル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがアセチル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがトリクロロアセチル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがベンゾイル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがメチルスルホニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが4−メチルベンゼンスルホニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが2−ニトロベンゼンスルホニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
が炭素数1〜10のアルキル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、RとR5が結合して、フタロイル基を形成する化合物(1m)、
【0040】
がメチル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基または置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がメチル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がメチル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がメチル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがtert−ブトキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がメチル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がメチル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがフェノキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がメチル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが4−ニトロフェノキシカルボニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
【0041】
がメチル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがアセチル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がメチル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがトリクロロアセチル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がメチル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがベンゾイル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がメチル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rがメチルスルホニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がメチル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが4−メチルベンゼンスルホニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、
がメチル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、Rが2−ニトロベンゼンスルホニル基であり、R5が水素原子である化合物(1m)、および、
がメチル基であり、RおよびRが水素原子であり、mが0〜10の整数であり、nが2〜10の整数であり、RとR5が結合して、フタロイル基を形成する化合物(1m)が挙げられる。
【0042】
具体的には、
N−tert−ブトキシカルボニル−2−ビニルオキシエチルアミン、
N−tert−ブトキシカルボニル−2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチルアミン、
N−tert−ブトキシカルボニル−2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エチルアミン、
N−tert−ブトキシカルボニル−2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、
N−tert−ブトキシカルボニル−2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、
N−tert−ブトキシカルボニル−2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、
N−tert−ブトキシカルボニル−2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、
N−tert−ブトキシカルボニル−3−ビニルオキシプロピルアミン、
N−tert−ブトキシカルボニル−2−(3−ビニルオキシプロポキシ)エチルアミン、
N−tert−ブトキシカルボニル−4−ビニルオキシブチルアミン、
N−tert−ブトキシカルボニル−2−(4−ビニルオキシブトキシ)エチルアミン、
【0043】
N−アセチル−2−ビニルオキシエチルアミン、
N−アセチル−2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチルアミン、
N−アセチル−2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エチルアミン、
N−アセチル−2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、
N−アセチル−2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、
N−アセチル−2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、
N−アセチル−2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、
N−アセチル−3−ビニルオキシプロピルアミン、
N−アセチル−2−(3−ビニルオキシプロポキシ)エチルアミン、
N−アセチル−4−ビニルオキシブチルアミン、
N−アセチル−2−(4−ビニルオキシブトキシ)エチルアミン、
【0044】
N−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル)−2−ビニルオキシエチルアミン、
N−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル)−2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチルアミン、
N−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル)−2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エチルアミン、
N−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル)−2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、
N−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル)−2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、
N−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル)−2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、
N−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル)−2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、
N−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル)−3−ビニルオキシプロピルアミン、
N−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル)−2−(3−ビニルオキシプロポキシ)エチルアミン、
N−アセチル−4−ビニルオキシブチルアミン、
N−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル)−2−(4−ビニルオキシブトキシ)エチルアミン、
【0045】
N−tert−ブトキシカルボニル−2−(1−メチルビニルオキシ)エチルアミン、
N−tert−ブトキシカルボニル−2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エチルアミン、
N−tert−ブトキシカルボニル−2−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、
N−tert−ブトキシカルボニル−2−(2−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、
N−tert−ブトキシカルボニル−2−(2−(2−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、
N−tert−ブトキシカルボニル−2−(2−(2−(2−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、
N−tert−ブトキシカルボニル−2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、
N−tert−ブトキシカルボニル−3−(1−メチルビニルオキシ)プロピルアミン、
N−tert−ブトキシカルボニル−2−(3−(1−メチルビニルオキシ)プロポキシ)エチルアミン、
N−tert−ブトキシカルボニル−4−(1−メチルビニルオキシ)ブチルアミン、
N−tert−ブトキシカルボニル−2−(4−(1−メチルビニルオキシ)ブトキシ)エチルアミン、
【0046】
N−(2−ビニルオキシエチル)フタルイミド、
N−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチル)フタルイミド、
N−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エチル)フタルイミド、
N−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)フタルイミド、
N−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)フタルイミド、
N−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)フタルイミド、
N−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)フタルイミド、
N−(3−ビニルオキシプロパニル)フタルイミド、
N−(2−(3−ビニルオキシプロポキシ)エチル)フタルイミド、
N−(4−ビニルオキシブチル)フタルイミド、および、
N−(2−(4−ビニルオキシブトキシ)エチル)フタルイミドが挙げられる。
【0047】
樹脂(1)は、構造単位(1)に加えて、2個以上の炭素−炭素不飽和結合を分子内に有するモノマーから導かれる構造単位(以下、構造単位(2)と略記する。)を含むことができる。炭素−炭素不飽和結合としては、炭素−炭素二重結合が好ましい。構造単位(2)を含む樹脂(1)は架橋構造を含んでおり、溶媒に溶解し難くなるため、樹脂(1)を液体クロマトグラフィー用充填剤として使用する場合、該液体クロマトグラフィーの移動相として使用する溶媒の選択の幅が広がる。樹脂(1)が構造単位(2)を含む場合、樹脂(1)における構造単位(1)の含有量は、構造単位(1)と構造単位(2)の合計100モルに対して、通常99〜1モルであり、構造単位(2)の含有量は、構造単位(1)と構造単位(2)の合計100モルに対して、通常1〜99モルである。構造単位(2)の含有量を適宜調整することにより、樹脂(1)の溶媒への溶解性をコントロールすることができ、構造単位(2)の含有量は、用いる構造単位(2)を導くモノマーの使用量を調整することにより、適宜調整することができる。
【0048】
構造単位(2)を導くモノマーとしては、市販品を用いることができる。市販品としては、ジビニルベンゼン、トリアリールイソシアヌレート、エチレングリコールジアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレ−ト、ブチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリストールトリメタクリレート、N,N’−メチレンビスメタクリルアミド、エチレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリストールトリビニルエーテルおよびジアリールフタレートが挙げられる。
【0049】
構造単位(2)を導くモノマーとして、式(2m):

(式中、pは0以上の整数を表わす。qおよびrはそれぞれ独立に、2以上の整数を表わす。R6、R7およびR8はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わし、R6とR7とが結合して、これらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R7とR8とが結合して、これらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。)
で示される化合物(以下、化合物(2m)と略記する。)を用いることができる。
6、R7およびR8の「置換基を有していてもよいアルキル基」および「置換基を有していてもよいアリール基」としては、それぞれ前記R、RおよびRと同様のものが挙げられる。、R6とR7とが結合して、これらが結合している炭素原子と一緒になって形成する環としては、前記RとRとが結合して、それらが結合している炭素原子とともに形成する環と同様のものが挙げられる。RとRとが結合して、これらが結合している炭素原子と一緒になって形成する環としては、前記RとRとが結合して、それらが結合している炭素原子とともに形成する環と同様のものが挙げられる。
pが大きすぎると、化合物(2m)の付加重合の反応性が低下し易くなる傾向があるため、pは1000以下の整数であることが好ましく、100以下の整数であることがより好ましく、10以下の整数であることが特に好ましい。化合物(2m)を製造するための原料の入手が容易であるという点で、qは30以下の整数であることが好ましく、10以下の整数であることがより好ましく、6以下の整数であることが特に好ましい。
【0050】
化合物(2m)としては、
3−ビニルオキシプロポキシエテン、4−ビニルオキシブトキシエテン、5−ビニルオキシペントキシエテン、6−ビニルオキシヘキトキシエテン、7−ビニルオキシヘプトキシエテン、8−ビニルオキシオクトキシエテン、2−ビニルオキシエトキシエテン、2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エテン、3−(2−(3−ビニルオキシプロポキシ)エトキシ)プロポキシエテン、4−(2−(4−ビニルオキシブトキシ)エトキシ)ブトキシエテン、
【0051】
2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシエテン−2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エテン、3−(2−(3−(1−メチルビニルオキシ)プロポキシ)エトキシ)プロポキシエテン、4−(2−(4−(1−メチルビニルオキシ)ブトキシ)エトキシ)ブトキシエテン、
【0052】
2−(2−メチルビニルオキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エテン、3−(2−(3−(2−メチルビニルオキシ)プロポキシ)エトキシ)プロポキシエテン、4−(2−(4−(2−メチルビニルオキシ)ブトキシ)エトキシ)ブトキシエテン、
【0053】
2−(1−フェニルビニルオキシ)エトキシエテン、2−(2−(1−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(1−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(1−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(1−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(1−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(1−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(1−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(1−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エテン、3−(2−(3−(1−フェニルビニルオキシ)プロポキシ)エトキシ)プロポキシエテン、4−(2−(4−(1−フェニルビニルオキシ)ブトキシ)エトキシ)ブトキシエテン、
【0054】
2−(2−フェニルビニルオキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エテン、3−(2−(3−(2−フェニルビニルオキシ)プロポキシ)エトキシ)プロポキシエテン、4−(2−(4−(2−フェニルビニルオキシ)ブトキシ)エトキシ)ブトキシエテン、
【0055】
2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エトキシエテン、2−(2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エテン、3−(2−(3−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)プロポキシ)エトキシ)プロポキシエテンおよび4−(2−(4−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)ブトキシ)エトキシ)ブトキシエテンが挙げられる。
【0056】
樹脂(1)は、構造単位(1)に加えて、式(3):

(式中、sは0以上の整数を表わし、tは0以上の整数を表わす。R、R10およびR11はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表し、RとR10とが結合して環を形成していてもよく、R10とR11とが結合して環を形成していてもよい。R12は、水素原子、水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基または置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表わす。)
で示される構造単位(以下、構造単位(3)と略記する。)を含むことができる。
【0057】
構造単位(3)は、式(3m):

(式中、s、t、R、R10、R11およびR12は上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(3m)と略記する。)から導かれる。
、R10、R11およびR12における置換基を有していてもよいアルキル基および置換基を有していてもよいアリール基は、それぞれ前記したものと同様のものが挙げられる。
【0058】
12における置換基を有していてもよいアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、2−プロポキシ基、ブトキシ基、2−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の無置換の炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニルメトキシ基等の炭素数6〜15のアリール基で置換された炭素数1〜10のアルコキシ基、および、9H−フルオレン−9−イルメトキシ基等の9H−フルオレン−9−イル基で置換された炭素数1〜10のアルコキシ基が挙げられる。
12における置換基を有していてもよいアリールオキシ基としては、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基等の無置換の炭素数6〜15のアリールオキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等の炭素数1〜10のアルキル基で置換された炭素数6〜15のアリールオキシ基、2−メトキシフェノキシ基、3−メトキシフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数6〜15のアリールオキシ基、2−ニトロフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、4−ニトロフェノキシ基等のニトロ基で置換された炭素数6〜15のアリールオキシ基、4−クロロフェノキシ基、4−ブロモフェノキシ基、4−ヨードフェノキシ基、2−クロロフェノキシ基、2−ブロモフェノキシ基、2−ヨードフェノキシ基、3−クロロフェノキシ基、3−ブロモフェノキシ基、3−ヨードフェノキシ基等のハロゲン原子で置換された炭素数6〜15のアリールオキシ基が挙げられる。
【0059】
化合物(3m)は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法にしたがって製造されたものを用いてもよい。
化合物(3m)の具体例としては、
3−ビニルオキシプロポキシメタン、4−ビニルオキシブトキシメタン、5−ビニルオキシペンチルオキシメタン、6−ビニルオキシヘキシルオキシメタン、7−ビニルオキシヘプチルオキシメタン、8−ビニルオキシオクチルオキシメタン、2−ビニルオキシエトキシメタン、2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシメタン、2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシメタン、2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ) エトキシメタン、2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシメタン、2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシメタン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシメタン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシメタン、3−(2−(3−メトキシプロポキシ)エトキシ)プロポキシエテン、4−(2−(4−メトキシブトキシ)エトキシ)ブトキシエテン、
【0060】
3−ビニルオキシプロポキシエタン、4−ビニルオキシブトキシエタン、5−ビニルオキシペンチルオキシエタン、6−ビニルオキシヘキシルオキシエタン、7−ビニルオキシヘプチルオキシエタン、8−ビニルオキシオクチルオキシエタン、2−ビニルオキシエトキシエタン、2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシエタン、2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシエタン、2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエタン、2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエタン、2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエタン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエタン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエタン、3−(2−(3−エトキシプロポキシ)エトキシ)プロポキシエテン、4−(2−(4−エトキシブトキシ)エトキシ)ブトキシエテン、
【0061】
3−ヒドロキシプロポキシエテン、4−ヒドロキシブトキシエテン、5−ヒドロキシペンチルオキシエテン、6−ヒドロキシヘキシルオキシエテン、7−ヒドロキシヘプチルオキシエテン、8−ヒドロキシオクチルオキシエテン、2−ヒドロキシエトキシエテン、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、
【0062】
3−ビニルオキシプロポキシベンゼン、4−ビニルオキシブトキシベンゼン、5−ビニルオキシペンチルオキシベンゼン、6−ビニルオキシヘキシルオキシベンゼン、7−ビニルオキシヘプチルオキシベンゼン、8−ビニルオキシオクチルオキシベンゼン、2−ビニルオキシエトキシベンゼン、2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシベンゼン、2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシベンゼン、2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシベンゼン、2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシベンゼン、2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシベンゼン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシベンゼン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシベンゼン、3−(2−(3−フェノキシプロポキシ)エトキシ)プロポキシエテン、4−(2−(4−フェノキシブトキシ)エトキシ)ブトキシエテン、
【0063】
エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、2−プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、ヘプチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ノニルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、ウンデシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、トリデシルビニルエーテル、テトラデシルビニルエーテル、ペンタデシルビニルエーテル、ヘキサデシルビニルエーテル、ヘプタデシルビニルエーテルおよびオクタデシルビニルエーテルが挙げられる。
【0064】
樹脂(1)における構造単位(1)の含有量は、構造単位(1)と構造単位(3)の合計100モルに対して、通常100〜1モルであり、構造単位(3)の含有量は、構造単位(1)と構造単位(3)の合計100モルに対して、通常0〜99モルである。構造単位(3)の含有量を適宜調整することにより、樹脂(1)中のアミノ基の含有量をコントロールすることができ、構造単位(3)の含有量は、用いる化合物(3m)の使用量を調整することにより、適宜調整することができる。樹脂(1)中のアミノ基の含有量は、樹脂(1)の親水性の程度と疎水性の程度を決定する要素の一つである。
【0065】
樹脂(1)は、構造単位(1)、構造単位(2)および構造単位(3)を含むことが好ましい。
【0066】
続いて、樹脂(1)の製造方法について説明する。
樹脂(1)は、化合物(1m)などの構造単位(1)を与えるモノマーを重合することにより製造することができる。本発明の目的を奏する限りは、樹脂(1)のモノマーとして、必要に応じて、化合物(2m)などの構造単位(2)を与えるモノマー、及び、化合物(3m)などの構造単位(3)を与えるモノマー等の構造単位(1)を与えるモノマー以外のモノマーを用いてもよい。
構造単位(1)と構造単位(2)とを含む樹脂(1)は、化合物(1m)と化合物(2m)とを含むモノマーを重合させることにより製造することができる。構造単位(1)と構造単位(3)とを含む樹脂(1)は、化合物(1m)と化合物(3m)とを含むモノマーを重合させることにより製造することができる。構造単位(1)と構造単位(2)と構造単位(3)とを含む樹脂(1)は、化合物(1m)と化合物(2m)と化合物(3m)とを含むモノマーを重合させることにより製造することができる。
【0067】
樹脂(1)の製造方法として、例えば、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合等の付加重合法が挙げられる。略球形粒子状の樹脂(1)を得るという点で、ラジカル重合が好ましく、液体クロマトグラフィー用の充填剤として実用的な粒径を有する略球形粒子状の樹脂(1)が得られやすいという点で、懸濁重合がより好ましい。
【0068】
以下、懸濁重合により樹脂(1)を製造する方法について説明する。
懸濁重合は、水中に、化合物(1m)または化合物(1m)を含むモノマーを懸濁重合する工程を含む。水は、化合物(1m)を溶解しないまたは溶解し難い水溶性有機溶媒を含むことができる。かかる懸濁重合は、例えば、J.Sep.Sci.,2005,28,1855−1875等に記載の公知の方法に準じて行うことができる。
懸濁重合は、分散安定剤の存在下に行うことが好ましい。分散安定剤としては、種々の市販されているものを用いることができるが、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ヒドロキシアルキルセルロース、天然ガム等の高分子系分散安定剤が好ましい。分散安定剤の使用量は、水と分散安定剤との合計重量に対して、例えば、0.1〜10重量%の範囲等が挙げられ、1〜3重量%の範囲が好ましい。
ここで懸濁とは、化合物(1m)または化合物(1m)を含むモノマーが、必要に応じて含有される分散安定剤とともに、水中に分散され、分散滴を形成することを意味する。
【0069】
水に加えて、水に不溶または難溶であって、用いるモノマーを溶解可能な有機溶媒を用いることもできる。このような有機溶媒は、porogenと呼ばれており、porogenを用いることにより、多孔性表面を有する略球形粒子状の樹脂(1)を得ることができる。porogenとしては、トルエン、ポリスチレンが溶解したトルエン、シクロヘキサノール、ドデカノール、テトラデカノールおよびヘキサデカノールが挙げられる。porogenの使用量は、モノマー100体積部に対して、例えば、0〜300体積部である。
【0070】
水とモノマーを混合し、得られる混合物を十分攪拌することにより、モノマーが分散滴となり、水中に分散する。攪拌は、マグネチックスターラー、攪拌モーター等の通常の攪拌手段を用いることができる。攪拌速度が速いほど、分散滴の分散性が良好になるが、速過ぎるとエネルギーコストの上昇を招く傾向があり、攪拌速度が速いほど粒径の小さい略球形粒子状の樹脂(1)が得られ易くなる。そのため、所望の粒径の略球形粒子状の樹脂(1)を得るために、分散安定剤の種類や使用量、モノマーの種類や使用量、水の使用量および攪拌速度が適宜調整される。攪拌手段としてマグネチックスターラーを用いる場合、その攪拌速度は、通常10〜1500rpmの範囲に調節される。かくして、水中に、モノマーを含む分散滴が分散した分散液が調製される。
前記分散滴中には、モノマーが含まれる。porogenを用いた場合には、porogenも分散滴中に通常含まれている。
【0071】
懸濁重合は、重合開始剤の存在下に行うことが好ましい。重合開始剤として、加熱または紫外線照射によってラジカルを発生する一般的なラジカル重合開始剤を用いることがより好ましい。具体的には、過酸化ベンゾイル、過硫酸アンモニウム等の過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が挙げられる。重合開始剤の使用量は、モノマーの総重量に対して、通常0.1〜10重量%の範囲であり、所望の分子量を有する樹脂(1)が得られるよう適宜選択される。
【0072】
水中に分散滴が形成された後、重合を開始する。通常、用いた重合開始剤の種類に応じて、適切な重合温度になるように、得られた分散液の温度が調整される。重合温度は、例えば、60〜80℃の範囲等が挙げられる。
水の使用量は、水とモノマーとporogenの合計100体積部に対して、例えば、99〜1体積部の範囲を挙げることができる。
【0073】
重合開始剤、モノマーおよび必要に応じてporogenを混合し、有機相を調製する。有機相は、増粘剤、防腐剤等の添加剤を含むことができる。分散安定剤と水とを混合して水相を調製する。調製した水相を一定速度で攪拌しながら、調製した有機相を加えることにより、有機相が水相中に分散し、分散滴を形成する。次いで、得られた分散滴が形成された分散液を、所定の重合温度に調整する。重合開始剤は、前述のように、予め有機相中に溶解させおいてもよいが、重合開始剤を含まない有機相と水相とから分散液を調製し、該分散液を所定の重合温度に調整する途中で、または、所定の重合温度に調整した後に、重合開始剤を分散液に加えてもよい。
重合時間は、用いるモノマー、重合開始剤およびporogenの種類や使用量により異なるが、通常3分〜72時間の範囲である。重合反応の途中の反応混合物から、分析用の試料を採取し、適切な分析手段により該試料を分析することにより、重合反応の進行の程度を確認し、重合反応の終点を判定することもできる。
【0074】
懸濁重合終了後、例えば、得られた反応混合物をろ過することにより、略球形粒子状の樹脂(1)を取り出すことができる。取り出した樹脂(1)は、必要に応じて溶媒で洗浄することもできる。洗浄に用いる溶媒としては、水、メタノール等のアルコ−ル溶媒が挙げられる。
【0075】
得られた樹脂(1)は、構造単位(1)を有する樹脂であり、該構造単位(1)は、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基または置換基を有していてもよいアリールスルホニル基で保護されたアミノ基(以下、保護基で保護されたアミノ基と略記する。)を有している。かかる樹脂(1)の保護基で保護されたアミノ基から保護基を除去することにより、構造単位(1)のが、式(10):

(式中、m、n、R、RおよびRは上記と同一の意味を表わし、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わす。)
で示される構造単位(以下、構造単位(10)と略記する。)に変換されたポリビニルエーテル樹脂(以下、樹脂(10)と略記する。)を得ることができる。すなわち、樹脂(10)は、構造単位(10)を含む樹脂である。
樹脂(10)は、樹脂(1)の全ての構造単位(1)が構造単位(10)に変換された樹脂であってもよいし、樹脂(1)の構造単位(1)の一部が構造単位(10)に変換された樹脂であってもよいが、液体クロマトグラフィー用の高分子担体としての使用という観点から、樹脂(1)の全ての構造単位(1)が実質的に構造単位(10)に変換された樹脂であることが好ましい。樹脂(10)は、構造単位(2)を有することが好ましい。樹脂(10)は、構造単位(10)、構造単位(2)および構造単位(3)を含むことが好ましい。
【0076】
樹脂(1)の保護基で保護されたアミノ基から保護基を除去する方法としては、樹脂(1)と脱保護剤とを反応させる方法が挙げられる。脱保護剤は、保護基の種類に応じて適宜選択され、例えば、Protective Groups in Orgnic Chemistry(Greene et al., John Wiley & Sons, Inc.)等に記載された脱保護剤が挙げられる。例えば、Rがtert−ブトキシカルボニル基であり、R5が水素原子である構造単位(1)を有する樹脂(1)の場合、脱保護剤として、トリフルオロ酢酸または塩酸/ジオキサン溶液が用いられる。例えば、Rが9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル基であり、R5が水素原子である構造単位(1)を有する樹脂(1)の場合、ピペリジンが脱保護剤として用いられる。
適切な溶媒中で、樹脂(1)と脱保護剤とを接触させることにより、保護基で保護されたアミノ基の脱保護反応を行うことができる。脱保護反応の反応時間は、樹脂(1)中の構造単位(1)のRやRの種類、脱保護剤の種類および反応温度によって異なるが、通常3分〜15時間の範囲である。脱保護剤の使用量は、樹脂(1)中の構造単位(1)の含有量により適宜調節すればよく、例えば、樹脂(1)中の構造単位(1)の当量に対して、大過剰量の脱保護剤を用いることにより、樹脂(1)中の構造単位(1)のすべてを構造単位(10)に変換することができる。
【0077】
脱保護反応終了後、得られた反応混合物を、水、飽和重曹水またはメタノール等の有機溶媒で洗浄し、残存する脱保護剤を除去することが好ましい。脱保護剤として、トリフルオロ酢酸等の酸を用いた場合、樹脂(10)中のアミノ基と酸との塩が形成されていることがあるが、例えば、反応混合物をアルカリと接触させることにより、塩を形成しているアミノ基を遊離のアミノ基にすることもできる。
【0078】
かくして得られる樹脂(10)は、酵素等を固定化できるアミノ基を有しており、固定化酵素調製用の担体として用いることができる。また、樹脂(10)は、樹脂(1)の形状と略同一の形状であり、例えば、略球形粒子状の樹脂(1)を用いることにより、略球形粒子状の樹脂(10)を得ることができる。かかる略球形粒子状の樹脂(10)は、固定化酵素用の担体に加えて、液体クロマトグラフィー用分離材料に使用される高分子担体としても好適である。略球形粒子状の樹脂(10)を含む高分子担体は、例えば、適切な方法により酵素を固定化することにより、固定化酵素触媒に変換することができる。得られた固定化酵素触媒を充填塔に充填した後、所定の基質の溶液を該充填塔に通すことにより、該基質を酵素の作用によって目的物に転換することが可能である。固定化酵素触媒は、形状が略球形粒子状であることから、該固定化酵素触媒が充填された充填塔は、基質溶液の通液性(liquid permeability)に優れるという利点がある。また、所定の基質が気体である場合も、該固定化酵素触媒が充填された充填塔は、基質の通気性(gas permeability)に優れるという利点がある。同様に、樹脂(10)を含む高分子担体を含む液体クロマトグラフィー用分離材料も、試料溶液の通液性に優れる分離カラム等の分析手段に好適である。
【0079】
化合物(1m)は、例えば、以下の工程(A)〜(C)を含む方法により、製造することができる。
工程(A):ホスフィン化合物および式(23):

(式中、R21およびR22はそれぞれ独立に、メトキシ基、イソプロポキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、ジメチルアミノ基またはピペリジニル基を表わす。)
で示されるジアゾ化合物(以下、ジアゾ化合物(23)と略記する。)の存在下に、式(21):

(式中、R、R、R、mおよびnは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(21)と略記する。)と
【0080】
式(22):

(式中、R20は、1,2−エチレン基、1,2−フェニレン基または1,3−プロピレン基を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(22)と略記する。)とを反応させて、
【0081】
式(24):

(式中、R、R、R、R20、mおよびnは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(24)と略記する。)を得る工程、
【0082】
工程(B):得られた化合物(24)のイミド部位をアミノ基に変換することにより、式(25):

(式中、R、R、R、mおよびnは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(25)と略記する。)を得る工程、
【0083】
工程(C):得られた化合物(25)と求電子剤とを反応させる工程。
【0084】
化合物(21)としては、市販されているものを用いてもよい。また、化合物(21)は、例えば、J. Polym. Sci. Polym. Chem. Ed., 20, 2731-2734 (1982) に記載の方法に従って製造することもできる。また、mが1以上の整数である化合物(21)は、式(26):

(式中、R、R、Rおよびnは上記と同一の意味を表わし、aは0以上の整数を表わす。)
で示される化合物と式(27):

(式中、bは1以上の整数を表わす。)
で示される化合物とを、塩基の存在下に反応させることにより製造することもできる。
【0085】
化合物(21)としては、2−ビニルオキシエタノール、2−(2−ビニルオキシエトキシ)エタノール、2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、3−ビニルオキシプロパノ−ル、2−(3−ビニルオキシプロポキシ)エタノール、4−ビニルオキシブタノ−ル、2−(4−ビニルオキシブトキシ)エタノール、
【0086】
2−(1−メチルビニルオキシ)エタノール、2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(2−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、3−(1−メチルビニルオキシ)プロパノール、2−(3−(1−メチルビニルオキシ)プロポキシ)エタノール、4−(1−メチルビニルオキシ)ブタノール、2−(4−(1−メチルビニルオキシ)ブトキシ)エタノール、
【0087】
2−(2−メチルビニルオキシ)エタノール、2−(2−(2−メチルビニルオキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(2−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(2−(2−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(2−(2−(2−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、3−(2−メチルビニルオキシ)プロパノール、2−(3−(2−メチルビニルオキシ)プロポキシ)エタノール、4−(2−メチルビニルオキシ)ブタノール、2−(4−(2−メチルビニルオキシ)ブトキシ)エタノール、
【0088】
2−(1−フェニルビニルオキシ)エタノール、2−(2−(1−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(1−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(2−(1−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(2−(2−(1−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(2−(2−(2−(1−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(1−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、3−(1−フェニルビニルオキシ)プロパノ−ル−2−(3−(1−フェニルビニルオキシ)プロポキシ)エタノール、4−(1−フェニルビニルオキシ)ブタノ−ル−2−(4−(1−フェニルビニルオキシ)ブトキシ)エタノール、
【0089】
2−(2−フェニルビニルオキシ)エタノール、2−(2−(2−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(2−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(2−(2−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(2−(2−(2−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、3−(2−フェニルビニルオキシ)プロパノール、2−(3−(2−フェニルビニルオキシ)プロポキシ)エタノール、4−(2−フェニルビニルオキシ)ブタノール、2−(4−(2−フェニルビニルオキシ)ブトキシ)エタノール、
【0090】
2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エタノール、2−(2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(2−(2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(2−(2−(2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、3−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)プロパノール、2−(3−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)プロポキシ)エタノール、4−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)ブタノールおよび2−(4−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)ブトキシ)エタノールが挙げられる。
【0091】
化合物(22)は、通常市販されているものが用いられる。具体的には、スクシンイミド、フタルイミドおよびグルタルイミドが挙げられる。化合物(22)の使用量は、化合物(21)に対して、例えば、1当量以上、好ましくは1〜5当量である。
ホスフィン化合物も、通常市販されているものが用いられる。具体的には、トリフェニルホスフィン、ブチルホスフィン、tert−ブチルホスフィン、ジフェニル−2−ピリジルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、4−(ジメチルアミノ)フェニルジフェニルホスフィン、4−ジフェニルホスフィノポリスチレンおよび4−ジフェニルホスフィノメチルポリスチレンが挙げられる。ホスフィン化合物の使用量は、化合物(21)に対して、例えば、1当量以上、好ましくは1〜5当量である。
ジアゾ化合物(23)も、通常市販されているものが用いられる。具体的には、1,1’−アゾビス(N,N−ジメチルホルムアミド)、1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン、アゾジカルボン酸ジベンジル、アゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピルおよびアゾジカルボン酸ジメチルが挙げられる。ジアゾ化合物(23)の使用量は、化合物(21)に対して、例えば、1当量以上、好ましくは1〜5当量である。
【0092】
工程(A)における化合物(21)と化合物(22)との反応は、溶媒の存在下に行うことが好ましい。
溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタン、トルエン、キシレン等の炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンおよびアニソール等のエーテル溶媒、クロロホルム、ジクロロエタン、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒が挙げられ、エーテル溶媒が好ましい。2種以上の溶媒を混合して用いることもできる。
溶媒の使用量は、ホスフィン化合物、ジアゾ化合物(23)、化合物(21)および化合物(22)の種類や使用量によって適宜調節できる。
反応温度は、例えば、−10℃以上、用いる溶媒の沸点以下の範囲等を挙げることができ、好ましくは0℃〜40℃の範囲が挙げられる。
反応時間も用いられる反応剤の種類およびその使用量により異なるが、例えば、3分〜15時間の範囲が挙げられる。
【0093】
反応終了後、得られた反応混合物を、抽出、再結晶、各種クロマトグラフィー等の分離精製操作に供することにより、化合物(24)を取り出すことができる。取り出した化合物(24)は、そのまま次工程(B)に用いてもよいし、精製した後、次工程(B)に用いてもよい。化合物(24)を含む反応混合物を次工程(B)に用いてもよい。
【0094】
化合物(24)の具体例としては、
N−(2−ビニルオキシエチル)フタルイミド、N−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチル)フタルイミド、N−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エチル)フタルイミド、N−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)フタルイミド、N−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)フタルイミド、N−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)フタルイミド、N−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)フタルイミド、N−(3−ビニルオキシプロピル)フタルイミド、N−(2−(3−ビニルオキシプロポキシ)エチル)フタルイミド、N−(4−ビニルオキシブチル)フタルイミド、N−(2−(4−ビニルオキシブトキシ)エチル)フタルイミド、
【0095】
N−(2−ビニルオキシエチル)スクシンイミド、N−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチル)スクシンイミド、N−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エチル)スクシンイミド、N−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)スクシンイミド、N−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)スクシンイミド、N−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)スクシンイミド、N−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)スクシンイミド、N−(3−ビニルオキシプロピル)スクシンイミド、N−(2−(3−ビニルオキシプロポキシ)エチル)スクシンイミド、N−(4−ビニルオキシブチル)スクシンイミド、N−(2−(4−ビニルオキシブトキシ)エチル)スクシンイミド、
【0096】
N−(2−ビニルオキシエチル)グルタルイミド、N−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチル)グルタルイミド、N−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エチル)グルタルイミド、N−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)グルタルイミド、N−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)グルタルイミド、N−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)グルタルイミド、N−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)グルタルイミド、N−(3−ビニルオキシプロピル)グルタルイミド、N−(2−(3−ビニルオキシプロポキシ)エチル)グルタルイミド、N−(4−ビニルオキシブチル)グルタルイミド、N−(2−(4−ビニルオキシブトキシ)エチル)グルタルイミド、
【0097】
N−(2−(1−メチルビニルオキシ)エチル)フタルイミド、N−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エチル)フタルイミド、N−(2−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)フタルイミド、N−(2−(2−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)フタルイミド、N−(2−(2−(2−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)フタルイミド、N−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)フタルイミド、N−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)フタルイミド、N−(3−(1−メチルビニルオキシ)プロピル)フタルイミド、N−(2−(3−(1−メチルビニルオキシ)プロポキシ)エチル)フタルイミド、N−(4−(1−メチルビニルオキシ)ブチル)フタルイミド、N−(2−(4−(1−メチルビニルオキシ)ブトキシ)エチル)フタルイミド、N−(2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エチル)フタルイミド、N−(2−(2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エトキシ)エチル)フタルイミド、N−(2−(2−(2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)フタルイミド、N−(2−(2−(2−(2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)フタルイミド、N−(2−(2−(2−(2−(2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)フタルイミド、N−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)フタルイミド、N−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)フタルイミド、N−(3−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)プロパニル)フタルイミド、N−(2−(3−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)プロポキシ)エチル)フタルイミド、N−(4−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)ブチル)フタルイミドおよびN−(2−(4−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)ブトキシ)エチル)フタルイミドが挙げられる。
【0098】
工程(B)における化合物(24)のイミド部位のアミノ基への変換は、Protective Groups in Orgnic Chemistry(Greene et al., John Wiley & Sons, inc.)等に記載の公知の方法に準じて行うことができる。
中でも、化合物(24)と式(26):
30−NH (26)
(式中、R30は水素原子、アミノ基、アルキル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基またはアリール基を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(26)と略記する。)とを反応させる方法が好ましい。
【0099】
化合物(26)としては、ヒドラジン、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、アニリンおよびナフチルアミンが挙げられる。通常、市販されている化合物(26)が用いられる。化合物(26)の使用量は、化合物(24)に対して、例えば、1当量以上、好ましくは1〜50当量である。
【0100】
化合物(24)と化合物(26)との反応は、溶媒の存在下に行うことが好ましい。溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール溶媒、アセトニトリル等の非プロトン性極性溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタン、トルエン、キシレン等の炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール等のエーテル溶媒、および、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒が挙げられる。2種以上の溶媒を混合して用いることもできる。アルコール溶媒、エーテル溶媒およびこれらの混合溶媒が好ましく、アルコール溶媒とエーテル溶媒の混合溶媒がより好ましい。溶媒の使用量は制限されず、化合物(24)および化合物(26)の種類や使用量により適宜調節すればよい。
反応温度は、例えば、−10℃以上、用いる溶媒の沸点以下の範囲を挙げることができ、25〜80℃の範囲が好ましい。反応時間は、化合物(24)および化合物(26)の種類や反応温度により異なるが、例えば、3分〜15時間の範囲を挙げることができる。
【0101】
反応終了後、例えば、以下の工程(a)〜(c)を行うことにより、化合物(25)を取り出すことができる。
工程(a):反応終了後、得られた反応混合物を濃縮し、濃縮残渣を、弱溶出溶媒を用いて、順相シリカゲルカラムにチャージし、化合物(25)をシリカゲルに吸着させるとともに、弱溶出溶媒で低極性不純物を溶出除去する工程
工程(b):シリカゲルに吸着した化合物(25)を強溶出溶媒で溶出する工程
工程(c):得られた化合物(25)を含む溶液を濃縮する工程。
【0102】
”弱溶出溶媒”とは、得られた反応混合物の一部を順相薄層シリカゲルクロマトグラフィーにより分析した結果、化合物(25)のRf値が0.1以下である展開溶媒を意味する。弱溶出溶媒としては、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等の塩素化炭化水素溶媒、および、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素溶媒が挙げられる。かかる弱溶出溶媒には、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルtert−ブチルエーテル等のエーテル溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール溶媒、または、アセトニトリル、アセトン、メチルtert−ブチルケトン等の非プロトン性極性溶媒が混合されていてもよい。
【0103】
”強溶出溶媒”とは、得られた反応混合物の一部を順相薄層シリカゲルクロマトグラフィーにより分析した結果、化合物(25)のRf値が0.3以上である展開溶媒を意味する。強溶出溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール溶媒、および、アセトニトリル、アセトン、メチルtert−ブチルケトン等の非プロトン性極性溶媒が挙げられる。かかる強溶出溶媒には、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等の塩素化炭化水素溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素溶媒、または、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルtert−ブチルエーテル等のエーテル溶媒が混合されていてもよい。
【0104】
化合物(25)の具体例としては、2−ビニルオキシエチルアミン、2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、3−ビニルオキシプロピルアミン、2−(3−ビニルオキシプロポキシ)エチルアミン、4−ビニルオキシブチルアミン、2−(4−ビニルオキシブトキシ)エチルアミン、
【0105】
2−(1−メチルビニルオキシ)エチルアミン、2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(1−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、3−(1−メチルビニルオキシ)プロピルアミン、2−(3−(1−メチルビニルオキシ)プロポキシ)エチルアミン、4−(1−メチルビニルオキシ)ブチルアミン、2−(4−(1−メチルビニルオキシ)ブトキシ)エチルアミン、
【0106】
2−(2−メチルビニルオキシ)エチルアミン、2−(2−(2−メチルビニルオキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(2−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(2−(2−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(2−(2−(2−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メチルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、3−(2−メチルビニルオキシ)プロピルアミン、2−(3−(2−メチルビニルオキシ)プロポキシ)エチルアミン、4−(2−メチルビニルオキシ)ブチルアミン、2−(4−(2−メチルビニルオキシ)ブトキシ)エチルアミン、
【0107】
2−(1−フェニルビニルオキシ)エチルアミン、2−(2−(1−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(1−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(2−(1−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(2−(2−(1−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(1−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(1−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、3−(1−フェニルビニルオキシ)プロピルアミン、2−(3−(1−フェニルビニルオキシ)プロポキシ)エチルアミン、4−(1−フェニルビニルオキシ)ブチルアミン、2−(4−(1−フェニルビニルオキシ)ブトキシ)エチルアミン、
【0108】
2−(2−フェニルビニルオキシ)エチルアミン、2−(2−(2−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(2−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(2−(2−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(2−(2−(2−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−フェニルビニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、3−(2−フェニルビニルオキシ)プロピルアミン、2−(3−(2−フェニルビニルオキシ)プロポキシ)エチルアミン、4−(2−フェニルビニルオキシ)ブチルアミン、2−(4−(2−フェニルビニルオキシ)ブトキシ)エチルアミン、
【0109】
2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エチルアミン、2−(2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(2−(2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)−エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン、3−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)プロピルアミン、2−(3−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)プロポキシ)エチルアミン、4−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)ブチルアミン、および、2−(4−(シクロヘキセン−1−イルオキシ)ブトキシ)エチルアミンが挙げられる。
【0110】
工程(C)で用いられる求電子剤としては、クロロ炭酸tert−ブチル、クロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチル、二炭酸ジ−tert−ブチル、二炭酸ジメチル、二炭酸ジエチル、クロロ炭酸9H−フルオレン−9−イルメチル、スクシニルオキシ炭酸9H−フルオレン−9−イルメチル、ベンジルクロリド、ベンゾイルクロリド、4−メチルベンゾイルクロリド、フタル酸無水物、フタロイルジクロリド、酢酸クロリド、無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸等が挙げられる。求電子剤の使用量は、化合物(25)に対して、例えば、1当量以上、好ましくは1.5〜3当量である。
【0111】
化合物(25)と求電子剤との反応は、溶媒の存在下に行うことが好ましい。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタン、トルエン、キシレン等の炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール等のエーテル溶媒、および、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒が挙げられる。2種以上の溶媒を混合して用いることもできる。好ましくは、エーテル溶媒が用いられる。
【0112】
化合物(25)と求電子剤との反応を塩基の存在下に行う。塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルイミダゾール、ピリジン等の有機塩基、および、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(25)に対して、例えば、1当量以上、好ましくは1.5〜3当量である。
反応温度は、例えば、−10℃以上、用いる溶媒の沸点以下であり、0〜80℃が好ましい。反応時間は、化合物(25)および求電子剤の種類や反応温度により異なるが、例えば、3分〜15時間の範囲等が挙げられる。
反応終了後、得られた反応混合物を、抽出、再結晶、各種クロマトグラフィー等の通常の分離精製操作に供することにより、化合物(1m)を取り出すことができる。
【0113】
化合物(2m)は、市販されているものを用いてもよいし、例えば、式(31):

(式中、R、R、Rおよびrは前記と同一の意味を表わし、xは0以上の整数を表わす。)
で示される化合物と式(33):

(式中、yは1以上の整数であり、xとyの和がpである。)
で示される化合物とを反応させることにより、製造することができる。
【0114】
化合物(3m)は、市販されているものを用いてもよいし、前記化合物(2m)の製造方法において、式(33)で示される化合物に代えて、末端の水酸基がR12である式(33)で示される化合物を用いる以外は同様に実施することにより、製造することができる。
【実施例】
【0115】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。
(実施例1)
N−tert−ブトキシカルボニル−2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチルアミン0.46g、2−(2−メトキシエトキシ)エトキシエテン1.16g、トリエチレングリコ−ルジビニルエーテル2.00gおよび2,2’−アゾビスイソブチロニトリル200mgを混合し、均一の溶液(有機相)を調製した。濃度2重量%のポリビニルアルコール(n=2000、鹸化度約80%)水溶液(水相)をマグネチックスターラーで、攪拌速度200rpmで攪拌しながら、調製した有機相を加えた。得られた混合物を、室温(約23℃)で、さらに30分間攪拌し、有機相の分散滴が水相中に分散した分散液を得た。分散液の内温を70℃まで徐々に上げ、70℃で20時間分散液を攪拌した。その後、得られた反応混合物の内温を室温まで下げた後、攪拌を停止し、得られた懸濁液をろ過した。得られた固体を、200mLの温水および200mLのメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して、N−tert−ブトキシカルボニル−2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチルアミンに由来する構造単位と、2−(2−メトキシエトキシ)エトキシエテンに由来する構造単位と、トリエチレングリコ−ルジビニルエーテルに由来する構造単位を含むポリビニルエーテル樹脂2.0gを得た。得られたポリビニルエーテル樹脂を樹脂Aと称す。樹脂Aを光学顕微鏡観察(観察倍率:240倍)した結果、樹脂Aの形状は、略球形粒子状であることが分かった。樹脂Aの光学顕微鏡写真を図1に示す。
【0116】
(実施例2)
実施例1で得られた樹脂A30mgに、0.5mLトリフルオロ酢酸を含む水溶液(トリフルオロ酢酸/水(重量比)=80/20)を加え、得られた混合物を15分間、室温で攪拌した。得られた反応混合物をろ過し、得られた固体を5mLメタノールで洗浄し、さらに10mL飽和重曹水で洗浄した。さらに、10mL水および10mLメタノ−ルで洗浄した後、減圧乾燥して、樹脂25mgを得た。得られた樹脂を樹脂A’と称す。樹脂A’を光学顕微鏡観察(観察倍率:240倍)した結果、樹脂A’の形状は、略球形粒子状であることが分かった。樹脂A’の光学顕微鏡写真を図2に示す。
樹脂A’10mgとニンヒドリン10mgとメタノール0.1mLとを、1.5mLマイクロチューブ内で混合した。マイクロチューブを80℃で15分間加熱し、発色試験を行ったところ、内容物の色が青色に変化した。この結果により、樹脂A’はアミノ基を有することがわかった。樹脂A’に代えて、実施例1で得た樹脂Aを用い、同様に発色試験を行ったところ、内容物の色は青色に変化しなかった。これらの結果により、樹脂A中のN−tert−ブトキシカルボニル−2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチルアミンに由来する構造単位が、2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチルアミンに由来する構造単位に変換されており、樹脂A’は、2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチルアミンに由来する構造単位と、2−(2−メトキシエトキシ)エトキシエテンに由来する構造単位と、トリエチレングリコ−ルジビニルエーテルに由来する構造単位を含むポリビニルエーテル樹脂であることが分かった。
【0117】
(実施例3)
N−tert−ブトキシカルボニル−2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン1.0g、ブチルビニルエーテル0.74gおよびトリエチレングリコールジビニルエーテル3.0gを混合し、均一の溶液(有機相)を調製した。濃度2重量%のポリビニルアルコール(n=2000、鹸化度約80%)水溶液(水相)をマグネチックスターラーで、攪拌速度200rpmで攪拌しながら、調製した有機相を加えた。得られた混合物を、室温(約23℃)で30分間攪拌し、有機相の分散滴が水相中に分散した分散液を得た。分散液をさらに15分間攪拌した後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル30mgを加えた。得られた分散液を室温程度で15分間攪拌した後、内温を徐々に60℃まで上げ、60℃で12時間分散液を攪拌した。その後、得られた反応混合物の内温を室温程度まで下げた後、攪拌を停止し、得られた懸濁液をろ過した。得られた固体を、200mLの温水および200mLのメタノールで洗浄した後、減圧乾燥し、N−tert−ブトキシカルボニル−2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミンに由来する構造単位と、ブチルビニルエーテルに由来する構造単位と、トリエチレングリコールジビニルエーテルに由来する構造単位とを含むポリビニルエーテル樹脂2.1gを得た。得られたポリビニルエーテル樹脂を樹脂Bと称す。樹脂Bを光学顕微鏡観察(観察倍率:240倍)した結果、樹脂Bの形状は、略球形粒子状であることが判明した。樹脂Bの光学顕微鏡写真を図3に示す。
【0118】
(実施例4)
実施例3で得られた樹脂B100mgに、3mLトリフルオロ酢酸を含む水溶液(トリフルオロ酢酸/水(重量比)=80/20)を加え、得られた混合物を1時間、室温で攪拌した。得られた反応混合物をろ過し、得られた固体を10mLの水および10mLのメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して、樹脂70mgを得た。得られた樹脂を樹脂B’と称す。樹脂B’を光学顕微鏡観察(観察倍率:240倍)した結果、樹脂B’の形状は、略球形粒子状であることが分かった。樹脂B’の光学顕微鏡写真を図4に示す。
樹脂B’10mgとニンヒドリン10mgとメタノール0.1mLとを、1.5mLマイクロチューブ内で混合した。マイクロチューブを80℃で15分間加熱し、発色試験を行ったところ、内容物の色が青色に変化した。この結果により、樹脂B’はアミノ基を有することがわかった。樹脂B’に代えて、実施例3で得た樹脂Bを用い、同様に発色試験を行ったところ、内容物の色は青色に変化しなかった。これらの結果により、樹脂B中のN−tert−ブトキシカルボニル−2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミンに由来する構造単位が、2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミンに由来する構造単位に変換されており、樹脂B’は、2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミンに由来する構造単位と、ブチルビニルエーテルに由来する構造単位と、トリエチレングリコールジビニルエーテルに由来する構造単位とを含むポリビニルエーテル樹脂であることが分かった。
【0119】
(実施例5)
N−tert−ブトキシカルボニル−2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチルアミン0.15g、ブチルビニルエーテル0.26g、トリエチレングリコールジビニルエーテル0.67gおよび2,2’−アゾビスイソブチロニトリル67mgを混合し、均一の溶液(有機相)を調製した。濃度2重量%のポリビニルアルコール(n=2000、鹸化度約80%)水溶液(水相)をマグネチックスターラーで、攪拌速度200rpmで攪拌しながら、調製した有機相を加えた。得られた混合物を、室温(約23℃)で30分間攪拌し、有機相の分散滴が水相中に分散した分散液を得た。得られた分散液の内温を徐々に70℃まで上げ、70℃で20時間分散液を攪拌した。その後、得られた反応混合物の内温を室温程度まで下げた後、攪拌を停止し、得られた懸濁液をろ過した。得られた固体を、200mLの温水および200mLのメタノールで洗浄した後、減圧乾燥し、N−tert−ブトキシカルボニル−2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチルアミンに由来する構造単位と、ブチルビニルエーテルに由来する構造単位と、トリエチレングリコールジビニルエーテルに由来する構造単位とを含むポリビニルエーテル樹脂2.5gを得た。得られたポリビニルエーテル樹脂を樹脂Cと称す。樹脂Cを光学顕微鏡観察(観察倍率:240倍)した結果、樹脂Cの形状は、略球形粒子状であることが判明した。樹脂Cの光学顕微鏡写真を図5に示す。
【0120】
実施例4に記載の方法と同様にして、得られた樹脂Cをトリフルオロ酢酸の水溶液と混合することにより、2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチルアミンに由来する構造単位と、ブチルビニルエーテルに由来する構造単位と、トリエチレングリコールジビニルエーテルに由来する構造単位とを含むポリビニルエーテル樹脂を得ることができる。
【0121】
(実施例6)
N−tert−ブトキシカルボニル−2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン0.27g、2−(2−メトキシエトキシ)エトキシエテン0.39g、トリエチレングリコールジビニルエーテル0.67gおよび2,2’−アゾビスイソブチロニトリル67mgを混合し、均一の溶液(有機相)を調製した。濃度2重量%のポリビニルアルコール(n=2000、鹸化度約80%)水溶液(水相)をマグネチックスターラーで、攪拌速度200rpmで攪拌しながら、調製した有機相を加えた。得られた混合物を、室温(約23℃)で30分間攪拌し、有機相の分散滴が水相中に分散した分散液を得た。得られた分散液の内温を徐々に65℃まで上げ、65℃で20時間分散液を攪拌した。その後、得られた反応混合物の内温を室温程度まで下げた後、攪拌を停止し、得られた懸濁液をろ過した。得られた固体を、200mLの温水および200mLのメタノールで洗浄した後、減圧乾燥し、N−tert−ブトキシカルボニル−2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミンに由来する構造単位と、2−(2−メトキシエトキシ)エトキシエテンに由来する構造単位と、トリエチレングリコールジビニルエーテルに由来する構造単位とを含むポリビニルエーテル樹脂1.9gを得た。得られたポリビニルエーテル樹脂を樹脂Dと称す。樹脂Dを光学顕微鏡観察(観察倍率:240倍)した結果、樹脂Dの形状は、略球形粒子状であることが判明した。樹脂Dの光学顕微鏡写真を図6に示す。
【0122】
実施例4に記載の方法と同様にして、得られた樹脂Dをトリフルオロ酢酸の水溶液と混合することにより、2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミンに由来する構造単位と、2−(2−メトキシエトキシ)エトキシエテンに由来する構造単位と、トリエチレングリコールジビニルエーテルに由来する構造単位とを含むポリビニルエーテル樹脂を得ることができる。
【0123】
(参考例1)
2−(2−ビニルオキシエトキシ)エタノール2.5g、フタルイミド3.1gおよびトリフェニルホスフィン5.5gを含むテトラヒドロフラン溶液30mLに、40%アゾジカルボン酸ジイソプロピルのトルエン溶液10.8mLを室温で滴下した。得られた混合物を2時間室温で攪拌し、混合物を得た。混合物の一部を分取薄層クロマトグラフィーに供し、生成物の構造をNMRにより確認したところ、生成物は、N−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチル)フタルイミドであることが分かった。
H-NMR (CDCl, 270MHz):7.85 (dd, J=3.1, 5.6Hz, 2H), 7.71 (dd, J=3.3, 5.6Hz, 2H), 6.39 (dd, J=6.8, 14.3Hz, 1H), 4.12 (dd, J=2.1, 14.3Hz, 1H), 3.70-3.94 (m, 9H)
【0124】
(参考例2)
参考例1で得たN−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチル)フタルイミドを含む混合物に、40%メチルアミンのメタノール溶液3mLを室温で滴下した。得られた混合物を60℃で3時間攪拌した後、室温で放冷した。析出しているN−メチルフタルイミドを濾過により除去した後、ろ液を濃縮した。濃縮残渣をクロロホルムに溶解して得られた溶液を、シリカゲルカラムにチャージし、クロロホルムで用いた混合物中のトリフェニルホスフィンオキサイドを溶出させた後、クロロホルム/メタノール(1/1)溶液で目的物を溶出させた。得られた溶液を濃縮し、2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチルアミン1.5gを得た。収率:60%(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エタノール基準)
ESI(+)-MS:132[M+H+ calcd. for C6H14NO2:132.10]
【0125】
(参考例3)
、2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチルアミン1.5gのテトラヒドロフラン溶液20mLに、二炭酸ジ−tert−ブチル4.5gを室温で加えた。得られた混合物を室温で3時間攪拌した。得られた反応混合物を濃縮した後、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)により精製し、N−tert−ブトキシカルボニル−2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチルアミン2.64gを得た。
1H-NMR (CDCl3, 270MHz):6.50 (dd, J=6.9, 14.3Hz, 1H), 4.96 (br. s,1H), 4.21 (dd, J=2.1, 14.3Hz, 1H), 4.03 (dd, J=2.1, 6.8Hz, 1H), 3.84(d, J=6.4Hz, 1H), 3.83 (d, J=4.8Hz, 1H), 3.71 (d, J=4.8Hz, 1H), 3.69(d, J=6.4Hz, 1H), 3.56 (t, J=5.3Hz, 2H), 3.33 (q, J=5.03, 2H), 1.45 (s,9H)
【0126】
(参考例4)
2−(2−ビニルオキシエトキシ)エタノール1.3g、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパン−1,3−ジアミン1.4gのテトラヒドロフラン溶液20mLに、トルエンスルホン酸クロリド1.9gを室温で加えた。得られた混合物を室温で3時間攪拌した。得られた反応混合物に、飽和重曹水20mLを加え、5分間室温で攪拌した。得られた混合物に、酢酸エチル20mLを加えた後、分液した。有機層を飽和重曹水20mLで2回洗浄し、1M硫酸水素カリウム水溶液20mLで2回洗浄し、さらに、飽和食塩水20mLで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、得られたろ液を濃縮し、2−(1−ビニルオキシエトキシ)エチル トルエンスルホネート2.3gを得た。収率:80%
H-NMR (CDCl, 270MHz): 7.86 (dd, J=2.0, 8.2Hz, 2H), 7.34 (dd, J=0.7, 8.6Hz, 2H), 6.46 (dd, J=6.8, 14.3Hz, 1H), 4.14-4.20 (m, 3H), 4.01(dd, J=2.1, 6.8Hz, 1H), 3.65-3.78(m, 6H), 2.45 (s, 3H)
【0127】
(参考例5)
テトラエチレングリコール1.56gのテトラヒドロフラン溶液20mLに、tert−ブトキシカリウム1.35gを室温で加えた。得られた混合物を、室温で15分間攪拌した後、2−(1−ビニルオキシエトキシ)エチル トルエンスルホネート2.3gのテトラヒドロフラン溶液10mLを加えた。得られた混合物を60℃で1時間攪拌した後、室温で放冷した。不溶分を濾過により除去し、得られたろ液を濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル→酢酸エチル/アセトン(20/1→10/1→5/1→3/1→2/1)で精製し、2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール0.76gを得た。収率:31%
1H-NMR (CDCl3, 270MHz):6.50 (dd, J=6.9, 14.6 Hz, 1H), 4.19 (dd, J=2.0, 14.2Hz, 1H), 4.01 (dd, J=2.1, 6.8Hz, 1H), 3.85 (d, J=6.4Hz, 1H), 3.84 (d, J=5.3Hz, 1H), 3.59-3.79 (m, 22H), 2.78 (br. s, 1H)
【0128】
(参考例6)
2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール0.58g、フタルイミド0.33gおよびトリフェニルホスフィン0.59gを含むテトラヒドロフラン溶液20mLに、40%アゾジカルボン酸ジイソプロピルのトルエン溶液1.2mLを室温で滴下した。得られた混合物を2時間室温で攪拌した。混合物の一部を分取薄層クロマトグラフィーに供し、生成物の構造をNMRにより確認したところ、生成物は、N−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)フタルイミドであることが分かった。
H-NMR (CDCl, 270MHz):7.85 (dd, J=3.1, 5.4Hz, 2H), 7.71 (dd, J=3.0,5.4Hz, 2H), 6.49 (dd, J=6.6, 14.3 Hz, 1H), 4.18 (dd, J=2.0, 14.3Hz, 1H), 4.00 (dd, J=2.1, 6.8Hz, 1H), 3.58-3.92 (m, 24H)
【0129】
(参考例7)
参考例6で得たN−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)フタルイミドを含む混合物に、40%メチルアミン/メタノール溶液3mLを室温で滴下した。得られた混合物を60℃で3時間攪拌した後、室温で放冷した。析出しているN−メチルフタルイミドを濾過により除去し、得られたろ液を濃縮した。濃縮残渣をクロロホルムに溶解し、シリカゲルカラムにチャージし、クロロホルムで用いた混合物中に含まれるトリフェニルホスフィンオキサイドを溶出させた後、クロロホルム/メタノール(1/1)で目的物を溶出させた。得られた溶液を濃縮し、2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン0.25gを得た。収率:43%(2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール基準)
ESI(+)-MS:308 [M+H+ calcd. for C14H30NO6:308.21]
【0130】
(参考例8)
2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン0.25gのテトラヒドロフラン溶液20mLに、二炭酸ジ−tert−ブチル0.47gを室温で加えた。得られた混合物を、室温で3時間攪拌した。得られた反応混合物を濃縮した後、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル(1/1)→酢酸エチル)で精製、N−tert−ブトキシカルボニル−2−(2−(2−(2−(2−(2−ビニルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチルアミン0.33gを得た。
H-NMR (CDCl,270MHz): 6.49 (dd, J=6.8, 14.3Hz, 1H), 5.07 (br. s, 1H), 4.18 (dd, J=2.0, 14.2Hz, 1H), 4.01 (dd, J=2.0, 6.8Hz, 1H), 3.85 (d, J=6.3Hz, 1H), 3.84 (d, J=5.1Hz, 1H), 3.74 (d, J=5.3Hz, 1H), 3.73 (d, J=6.6Hz, 1H), 3.62-3.67 (m, 16H), 3.54 (t, J=5.1Hz, 2H), 3.31 (q, J=5.3, 2H), 1.44 (s, 9H)
【産業上の利用可能性】
【0131】
本発明により提供されるアミノ基含有ポリビニルエーテル樹脂を含み、略球形粒子状の高分子担体であり、酵素による分子認識を分離モードとする液体クロマトグラフィ用分離材料又は固定化酵素触媒材料の製造用担体に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)

(式中、mは0以上の整数を表わし、nは2以上の整数を表わす。R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わし、RとRとが結合して環を形成していてもよく、RとRとが結合して環を形成していてもよい。
およびR5はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基または置換基を有していてもよいアリールスルホニル基を表わし、RおよびR5のうちの少なくとも一つは、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基または置換基を有していてもよいアリールスルホニル基である。また、RとR5とが結合して、これらが結合している窒素原子と一緒になって環を形成していてもよい。)
で示される構造単位を含むポリビニルエーテル樹脂。
【請求項2】
式(1)で示される構造単位に加えて、2個以上の炭素−炭素不飽和結合を分子内に有するモノマーから導かれる構造単位を含む請求項1記載のポリビニルエーテル樹脂。
【請求項3】
2個以上の炭素−炭素不飽和結合を分子内に有するモノマーが、式(2m):

(式中、pは0以上の整数を表わす。qおよびrはそれぞれ独立に、2以上の整数を表わす。R6、R7およびR8はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わし、R6とR7とが結合して、これらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R7とR8とが結合して、これらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。)
で示される化合物である請求項2記載のポリビニルエーテル樹脂。
【請求項4】
式(3):

(式中、sは0以上の整数を表わし、tは0以上の整数を表わす。R、R10およびR11はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表し、RとR10とが結合して環を形成していてもよく、R10とR11とが結合して環を形成していてもよい。R12は、水素原子、水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキルオキシ基または置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表わす。)
で示される構造単位をさらに含む請求項1〜3のいずれか記載のポリビニルエーテル樹脂。
【請求項5】
式(1)において、RおよびRのうち少なくとも一方が、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基または置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基である請求項1〜4のいずれか記載のポリビニルエーテル樹脂。
【請求項6】
請求項2又は3記載のポリビニルエーテル樹脂において、式(1)で示される構造単位の一部又は全部が、式(10):

(式中、mは0以上の整数を表わし、nは2以上の整数を表わす。R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わし、RとRとが結合して環を形成していてもよく、RとRとが結合して環を形成していてもよい。Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わす。)
で示される構造単位に変換されたポリビニルエーテル樹脂。
【請求項7】
式(10):

(式中、mは0以上の整数を表わし、nは2以上の整数を表わす。R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わし、RとRとが結合して環を形成していてもよく、RとRとが結合して環を形成していてもよい。Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わす。)
で示される構造単位と2個以上の炭素−炭素不飽和結合を分子内に有するモノマーから導かれる構造単位とを含むポリビニルエーテル樹脂。
【請求項8】
2個以上の炭素−炭素不飽和結合を分子内に有するモノマーが、式(2m):

(式中、pは0以上の整数を表わす。qおよびrはそれぞれ独立に、2以上の整数を表わす。R6、R7およびR8はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わし、R6とR7とが結合して、これらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R7とR8とが結合して、これらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。)
で示される化合物である請求項7記載のポリビニルエーテル樹脂。
【請求項9】
式(3):

(式中、sは0以上の整数を表わし、tは0以上の整数を表わす。R、R10およびR11はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表し、RとR10とが結合して環を形成していてもよく、R10とR11とが結合して環を形成していてもよい。R12は、水素原子、水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基または置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表わす。)
で示される構造単位をさらに含む請求項6〜8のいずれか記載のポリビニルエーテル樹脂。
【請求項10】
式(1m):

(式中、mは0以上の整数を表わし、nは2以上の整数を表わす。R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わし、RとRとが結合して環を形成していてもよく、RとRとが結合して環を形成していてもよい。
およびR5はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基または置換基を有していてもよいアリールスルホニル基であり、RおよびR5のうち少なくとも一つは、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基または置換基を有していてもよいアリールスルホニル基である。また、RとR5とが結合して、これらが結合している窒素原子と一緒になって環を形成していてもよい。)
で示される化合物の付加重合反応を行う工程を含む式(1):

(式中、m、n、R、R、R、RおよびR5は上記と同一の意味を表わす。)
で示される構造単位を含むポリビニルエーテル樹脂の製造方法。
【請求項11】
水中に、式(1m)で示される化合物を懸濁重合する工程を含む請求項10記載の製造方法。
【請求項12】
請求項10または11記載の製造方法により得られるポリビニルエーテル樹脂に含まれる式(1)で示される構造単位を、式(10):

(式中、mは0以上の整数を表わし、nは2以上の整数を表わす。R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わし、RとRとが結合して環を形成していてもよく、RとRとが結合して環を形成していてもよい。Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わす。)
で示される構造単位に変換する工程を有するポリビニルエーテル樹脂の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−38093(P2011−38093A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160303(P2010−160303)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】