説明

ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物及びそれからなる成形体

【課題】耐衝撃性、及び成形加工性に優れたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物及びそれからなる成形体を提供する。
【解決手段】ポリフェニレンスルフィド(A)60から98重量部、及びエチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン共重合体であって、無水物基、カルボキシル基及びそのエステル、または塩の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を含み、その官能基の割合が1.5から3重量%である変性エチレン系共重合体(B)2から40重量部(組成物中における(A)及び(B)のみの合計を100重量部とする)からなることを特徴とするポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐衝撃性、及び成形加工性に優れたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
及びそれからなる成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下PPS樹脂と略す)は耐熱性、難燃性、剛性、耐薬品性、電気絶縁性、耐湿熱性に優れており、電子部品などに利用されている。そして、PPS樹脂の利用を拡大させるためには、耐衝撃性の性能を更に高めることが必要である。
【0003】
PPS樹脂の耐衝撃性を改良するため、種々のエラストマーを配合することも試みられている。PPS樹脂に無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフト共重合した変性α―オレフィン共重合体を配合することも知られているが、その耐衝撃性の改良と共にPPS樹脂の優れた物性を維持し、良好な成形性を維持することは不十分である。その更なる改良をすれば、PPS樹脂の利用が更に拡大することが期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−198923(請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の解決課題は、耐衝撃性、及び成形加工性に優れたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物及びそれからなる成形体を提供することである。
更に詳しくは、ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS樹脂)に配合する変性エチレン・α−オレフィン系共重合体の変性の割合を調整することにより、PPS樹脂の耐衝撃性が改良され、かつ他の優れた物性を維持し、さらに良好な成形性を維持するポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ポリフェニレンスルフィド(A)を60から98重量部、及びエチレンと炭素原子数3〜10のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン系共重合体であって、無水物基、カルボキシル基及びそのエステル、または塩の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を含み、その官能基の割合が1.5から3重量%である変性エチレン系共重合体(B)を2から40重量部(組成物中における(A)及び(B)のみの合計を100重量部とする)含むことを特徴とするポリフェニレンスルフィド樹脂組成物に関する。
【0007】
また、本発明の好適な態様において、変性エチレン系共重合体(B)が、エチレン75〜96モル%及び1−ブテン4〜25モル%からなるエチレン・1−ブテン共重合体の一部または全部に、酸無水物基、カルボキシル基及びそのエステルか、または塩の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を含み、その官能基の割合が1.5から3重量%であることを特徴とするポリフェニレンスルフィド樹脂組成物に関する。
【0008】
本発明の組成物においては、ポリフェニルスルフィド(A)75から95重量部、及び密度が0.880g/cm3 以下であり、MFR(ASTM D 1238、190℃、2160g荷重にて測定)が0.01から50g/10分である変性エチレン系共重合体(B)5から25重量部(組成物中における(A)及び(B)のみの合計を100重量部とする)とすることが特に望ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のPPS樹脂組成物によれば、PPS樹脂の耐衝撃性を更に改良すると共に、PPS樹脂の優れた物性、並びに良好な成形性を維持した成形品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に用いられるPPS樹脂は、従来公知のPPS樹脂であれば特に制限されることなく利用される。このようなPPS樹脂には、―(−φ―S−)−(なお、-φ-は、フェニレン基)で示される繰り返し単位を有する重合体であり、一般に耐熱性の点から、この繰り返し単位が、好ましくは70モル%以上、さらに90モル%以上を含む重合体が好ましい。またPPS樹脂はその繰り返し単位の30モル%未満を、―(−φ―O−φ―S−)−、―(−φ―CO―φ―S−)−、(なお、-φ-は、フェニレン基)単位等で構成することが可能である。
【0011】
また特に、ジハロベンゼンを主モノマーとし、トリハロベンゼンを3モル%未満共重合した分枝状PPSとして、高い溶融粘度を有するPPS樹脂を用いることも行われる。
これらのPPS樹脂の溶融粘度は、溶融混練が可能であれば特に制限はなく、例えば400ポイズ(310℃、せん断速度1000/s)以上、中でも700ポイズ以上が好ましい。
【0012】
本発明に用いられる変性エチレン系共重合体(B)は、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン共重合体であって、無水物基、カルボキシル基及びそのエステル、または塩の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を含み、その官能基の割合が1.5から3重量%である。変性エチレン系共重合体(B)には、エチレンと少なくとも1種以上のα−オレフィンからなる共重合体、好ましくはランダム共重合体が用いられる。α―オレフィンとしては、一般的に炭素数3〜2 0のα―オレフィンがあり、炭素数3〜20のα−オレフィンとして、具体的にはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1− オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセンが挙げられる。これらの共重合体としては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ペンテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体などが例示される。
【0013】
これらの中では、エチレンと共に炭素数3から12のα―オレフィンの少なくとも1種類以上のα−オレフィンを共重合体することにより得られる共重合体が衝撃強度の向上、改質効果の一層の向上が見られるためより好ましい。
【0014】
エチレン・α−オレフィン系共重合体におけるエチレンとα−オレフィンの間では、エチレンの含有量は、75〜96モル%が好ましく、さらには75〜93モル%が好ましく、更には、78〜88モル%であり、α−オレフィンの含有量は、4〜25モル%が好ましく、さらには7〜25モル%が好ましく、更には12〜22モル%(それぞれの場合において、エチレンとα−オレフィンのみの合計を100モル%とする。)が好ましい。これにより、柔軟性及び耐衝撃性を効率よく改良することができる。
【0015】
これらのエチレン・α―オレフィン共重合体の製造方法については特に制限はなく、ラジカル重合、チーグラー・ナッタ触媒を用いた配位重合、アニオン重合、メタロセン触媒を用いた配位重合などいずれの方法でも用いることができる。
【0016】
これらのエチレン・α−オレフィン共重合体に、酸無水物基、カルボキシル基及びその塩、エステルの中から選ばれる少なくとも1種の官能基を導入して変性エチレン系共重合体(B)として用いる。
【0017】
これら酸無水物基、カルボキシル基及びその塩、エステルとしては、マレイン酸無水物、コハク酸無水物、フマル酸無水物などの酸無水物の残基、アクリル酸、メタクリル酸等のα,β―不飽和カルボン酸の残基、それらのNa、Zn、K、Ca、Mgなどの塩、さらには、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸イソブチルなどのα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルを挙げることができる。この中では、マレイン酸無水物がで好適である。
【0018】
これらを上記のエチレン・α−オレフィン共重合体に導入して変性エチレン系共重合体(B)を得る方法については特に制限はなく、例えばこれら官能基を含有するオレフィン化合物とラジカル発生剤の存在下に押出機等を用いて溶融状態で反応させて製造することができる。
【0019】
本発明において用いられる変性エチレン系共重合体(B)は、その一部または全部に上記の酸無水物基、カルボキシル基及びそのエステル、または塩の中から選ばれる少なくとも1種の官能基が導入されており、変性エチレン系共重合体(B)の中で、それら官能基の割合が1.5から3重量%、中でも好ましくは1.8から2.5重量%に調整されたものである。
【0020】
また、変性エチレン系共重合体(B)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により得られる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.0以下であるものが好適である。さらに、密度が0.880g/cm3 以下、中でも0.830〜0.880g/cm3 である変性エチレン系共重合体(B)であることが優れた機械特性と成形加工性を得るために望ましい。
【0021】
本発明の変性エチレン系共重合体(B)のメルトフローレート(MFR)(ASTM D1238、190℃、2160g荷重にて測定) は、一般に0.01〜50g/10分であり、好ましくは0.05〜30g/10分である。MFRが0.01g/10分未満の場合は流動性が不十分となり、50g/10分を越えると成形品の形状によっては衝撃強度の改良が不十分となることがある。
【0022】
本発明において、組成物中のポリフェニレンスルフィド(A)と変性エチレン系共重合体(B)の割合は、ポリフェニレンスルフィド(A)60から98重量部、好ましくは70から95重量部、さらに好ましくは75から95重量部、及び変性エチレン系共重合体(B)2から40重量部、好ましくは5から30重量部、さらに好ましくは5から25重量部(組成物中における(A)及び(B)のみの合計を100重量部とする)である。
【0023】
変性エチレン系共重合体(B)の割合が2重量部未満では、耐衝撃性の改良が不十分であり、40重量部を越えると、PPS樹脂の優れた物性を十分に発揮できなくなる傾向がある。
【0024】
本発明の組成物には、必要に応じて他の成分を配合することが行われる。例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリカ−ボネ−ト、ポリエ−テルスルホン、ポリエ−テルケトン、ポリチオエーテルケトン、ポリエ−テルエ−テルケトン、エポキシ樹脂、フェノ−ル樹脂、ABS樹脂、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアルキレンオキサイド等の他の樹脂を含んでも良い。
【0025】
本発明の組成物には、これら他のエンジニアリングプラスチック、熱可塑性エラストマーの他、必要に応じて、有機または無機の充填剤、難燃剤、酸化防止剤、耐候安定剤、着色剤、顔料、染料、滑剤、離型剤等が挙げられる。
【0026】
配合されることのある充填材としては、その形状が繊維状、粉状、塊状等があり、これらを併用してもよい。充填材としては、ガラス繊維、ガラスミルドファイバー、炭素繊維、チタン酸カリウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、石コウ繊維、金属繊維などの繊維状充填剤、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、マイカ、タルク、カオリン、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アルミナシリケートなどの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素及びシリカなどが挙げられる。これらの充填剤は、配合割合はポリフェニレンスルフィド(A)と変性エチレン系共重合体(B)の合計100重量部に対して、通常1〜300重量部である。
【0027】
本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、種々の成形体の成形に用いられる。成形体の製造方法に特に制限はないが、組成物の各成分を単軸あるいは2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロール等を用いて溶融混合機に供給して一般に280〜380℃の温度で混練した後、成形する方法などがある。
【0028】
各成分の混合順序には特に制限はなく、全ての成分を配合した後に溶融混練する方法、一部の成分を予め配合後に溶融混練し更に残りの成分を配合し溶融混練する方法、あるいは一部の成分を配合した後に単軸あるいはニ軸の押出機により溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの成分を混合する方法などがある。
【0029】
本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形、トランスファー成形、フィルム成形等の種々の成形方法により、各種の成形体に成形される。中でも射出成形、押出成形によれば、ポリフェニレンスルフィドの優れた物性を利用した成形体を製造することができる。
【0030】
本発明の組成物から成形、中でも射出成形、押出成形により成形される成形体は、耐衝撃性に優れており、またその良好な成形加工性により、効率よく製造することができる。これらの成形体は、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板等の種々の電子関係の成形体に利用することができる。
実施例
以下に実施例を示す。
[測定方法]
(1)引張特性:ASTM D638法に準じた。
(2)ノッチ付きIZOD衝撃強度:ASTM D256法に準じた。
(3)曲げ特性:ASTM D790法に準じた。
【0031】
なお、引張特性、ノッチ付きIZOD衝撃強度、曲げ特性を測定するための試験片は、射出成形により成形した。射出成形機は名機製作所(株)社製M50−AIIを用い、シリンダー設定温度300℃、
金型設定温度80℃で成形した。
【0032】
[実施例及び比較例で用いた配合材]
(A−1)
PPS樹脂:東レ株式会社製トレリナA900を使用した。
(B−1)
変性エチレン−α−オレフィン共重合体B−1:メタロセン触媒を用いて重合したMw/Mn=2.0、エチレン含有量79モル%、ブテン含有量=21モル%、密度0.863g/cm3のエチレン−1−ブテン共重合体100重量部、2重量部の無水マレイン酸及び0.1重量部の過酸化物(2,5−ジメチルー2,5−t−ブチルヘキサン)の混合物を30mm径単軸押出機で250℃の条件下混練して得られた変性エチレン・1−ブテン共重合体。無水マレイン酸の含有量はFT−IRにてカルボニル基に帰属される波数1780cm-1ピーク強度を元に別途作成した検量線から求め、1.9重量%であった。MFR(2.16kg、230℃)はASTM D1238に準じた方法で求め、1.0g/10分であった。
【0033】
(B―2)
変性エチレン−α−オレフィン共重合体B−2:B−1と同一のエチレン−1−ブテン共重合体100重量部、1重量部の無水マレイン酸及び0.8重量部の過酸化物(2,5−ジメチルー2,5−t−ブチルヘキサン)の混合物を30mm径単軸押出機で250℃の条件下混練して得られた変性エチレン・1−ブテン共重合体。無水マレイン酸の含有量は0.97重量%であった。MFR(2.16kg、230℃)は1.4g/10分であった。
【0034】
(B−3)
変性エチレン−α−オレフィン共重合体B−3:B−1と同一のエチレン−1−ブテン共重合体100重量部、0.5重量部の無水マレイン酸及び0.5重量部の過酸化物(2,5−ジメチルー2,5−t−ブチルヘキサン)の混合物を30mm径単軸押出機で250℃の条件下混練して得られた変性エチレン・1−ブテン共重合体。無水マレイン酸の含有量は上述の方法で求め、0.49重量%であった。MFR(2.16kg、230℃)は1.8g/10分であった。
【0035】
実施例1〜2
表1に示す各成分を表1に示す割合でドライブレンドした後、50〜300℃の温度条件に設定した二軸スクリュー式押出機(スクリューセグメント:ニーディング)により溶融混練しペレタイズした。得られたペレットを用いて試験片を射出成形し、上記の機械特性を測定した。測定結果を表1に示す。
【0036】
【表1】

比較例1
特定の変性エチレン−α−オレフィン共重合体(B)を用いず、PPS樹脂のみを用いて各物性測定を行った。結果を表1に示す。変性エチレン−α−オレフィン共重合体を用いない場合明らかに衝撃特性等が劣った。
【0037】
比較例2、4
特定の変性エチレン−α−オレフィン共重合体(B−1)の替わりに、(B−2)を用い各物性測定を行った。結果を表1に示す。無水マレイン酸が1.0重量%である変性エチレン−α−オレフィン共重合体(B−2)を用いると明らかに衝撃特性等が劣った。
【0038】
比較例3、5
特定の変性エチレン−α−オレフィン共重合体(B−1)の替わりに、(B−3)を用い各物性測定を行った。結果を表1に示す。無水マレイン酸が0.5重量%である変性エチレン−α−オレフィン共重合体(B−3)を用いると明らかに衝撃特性等が劣った。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリフェニレンスルフィド(A)を60から98重量部、及びエチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン共重合体であって、無水物基、カルボキシル基及びそのエステル、または塩の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を含み、その官能基の割合が1.5から3重量%である変性エチレン系共重合体(B)を2から40重量部(組成物中における(A)及び(B)のみの合計を100重量部とする)含むことを特徴とするポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
【請求項2】
変性エチレン系共重合体(B)が、エチレン75〜96モル%及び1−ブテン4〜25モル%からなるエチレン・1−ブテン共重合体の一部または全部に、酸無水物基、カルボキシル基及びそのエステルか、または塩の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を含み、その官能基の割合が1.5から3重量%であることを特徴とする請求項1に記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を射出成形してなることを特徴とする成形体。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を押出成形してなることと特徴とする成形体。

【公開番号】特開2013−18913(P2013−18913A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155047(P2011−155047)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】