説明

ポリプロピレンのポリエーテルアミン改質

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は、官能化(functionalized)ポリプロピレンとポリエーテルアミンとの反応生成物を含んでいる新規なオレフィンポリマーに関するものである。本発明はまた、この新規なオレフィンポリマーとポリプロピレンを含んでいる熱可塑性樹脂ブレンド物にも関する。
【0002】
【関連技術】ポリブレンド用コンパティビライザー(compatibilizer)をインサイチューで生じさせることが急速に普及してきている。最近の数年間、反応性を示す基を存在させて、2種以上のポリマー類を含む混合物のためのコンパティビライザーとして働き得るグラフトまたはブロックまたはランダムコポリマー類を生じさせることの利点に関する事項が益々報告されてきている。従来技術であるS.S.Dagli、M.XanthosおよびJ.A.Biensenberger著「Process Requirements of the Reactive Compatibilization of Nylon 6/Polypropylene Blends」:Polymer Processing Institute at Stevens Instituteof Technology、Hoboken、N.J.07030には、ナイロン6とポリプロピレンとのブレンド物と一緒に用いられているアクリル酸グラフト化改質ポリプロピレンが開示されている。
【0003】ポリプロピレンを含んでいる熱可塑性樹脂組成物は本技術分野でよく知られている(例えば米国特許第5,208,081号)。米国特許第5,179,164号には、成形物を製造するに適切なポリプロピレン/ポリアミド組成物が開示されている。この特許には、接着促進剤として有効性を示すエチレンコポリマーが記述されている。更に、この特許には、マレイン酸がこのエチレンコポリマーを製造するに適切なモノマーであることが示されている。
【0004】加うるに、マレート化(maleated)ポリプロピレンは商業的に入手可能である。
【0005】ヨーロッパ特許出願公開第0 367 832号には、酸無水物基を有するオレフィン系ポリマー類を含んでいる樹脂組成物が開示されている。米国特許第5,179,164号と同様、この新規化合物はポリアミドとブレンドされている。
【0006】日本特許第46003838号には、トリエチルアミンとポリエチレングリコールノニルフェニルエーテルを含んでいる無水マレイン酸改質ポリプロピレン組成物が開示されている。日本特許第60195120号には、ポリエチレン、無水マレイン酸グラフト化ポリエチレンおよびジエチレントリアミンを含んでいる成形物が開示されている。
【0007】しかしながら、本発明では、ポリエーテルアミン類と協力させて無水マレイン酸を用いており、これによって、予想外な樹脂特性改良が得られる。
【0008】
【発明の要約】本発明は、通常の混合装置を用いて官能化ポリプロピレンの上にポリエーテルアミンをグラフト化させた、官能化ポリプロピレンとポリエーテルアミンとの反応生成物と、ポリプロピレンとのブレンド物を含んでいるコンパンドである。本発明はまた、通常の混合装置を用いてポリプロピレンと一緒に溶融させることによって該官能化ポリプロピレンと該ポリエーテルアミンとの反応生成物を生じさせる方法である。
【0009】
【好適な態様の説明】マレート化ポリプロピレンとポリエーテルアミンとの反応生成物と一緒にしたポリプロピレンのブレンド物は、ポリプロピレンとマレート化ポリプロピレンとの反応生成物とポリプロピレンとのブレンド物に比べて改良された印刷性、改良された耐衝撃性および優れた型流れ性を示す。
【0010】自動車の製造で益々プラスチックが用いられてきている。衝撃改質PPは、バンパー、スポイラー、フェンダー、サイドバンプストリップなどの如き用途に特に適切であることが確かめられている。従って、本発明の改良された特性を示す熱可塑性樹脂ブレンド物は、有意な効力を示す商業的有効性を示す。
【0011】本発明に従う樹脂組成物は、輸送機(自動車、船など)、装置、道具、電子器械、電気器具、スポーツ用品、レジャー用品などの分野における構造部材、並びに継ぎ手、管などのための材料であるエンジニアリングプラスチックとして有効性を示す。
【0012】適切なポリプロピレン類は、ポリマー化学から公知であり、例えばR.Vieweg、A.SchleyおよびA.Schwarz編集「Kunststoff−Handbuch」、IV巻、「Polyolefine」、Carl Hanser Verlag、Munich、1969の中に記述されていると共に、商業的に入手可能であり、詳細に示す必要はないであろう。
【0013】官能化PPは、その上にモノマーをグラフト化させたPPである。上記グラフト化に通常の方法はフリーラジカル反応による方法である。官能化ポリプロピレンを製造するに適切なモノマー類は、例えばオレフィン系不飽和モノカルボン酸、例えばアクリル酸またはメタアクリル酸および相当するt−ブチルエステル類、例えば(メタ)アクリル酸t−ブチルなど、オレフィン系不飽和ジカルボン酸、例えばフマル酸、マレイン酸およびイタコン酸、並びに相当するモノ−および/またはジ−t−ブチルエステル類、例えばフマル酸モノ−もしくはジ−t−ブチルおよびマレイン酸モノ−もしくはジ−t−ブチルなど、オレフィン系不飽和ジカルボン酸無水物、例えば無水マレイン酸など、スルホ−もしくはスルホニル含有オレフィン系不飽和モノマー類、例えばp−スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロペンスルホン酸または2−スルホニル−(メタ)アクリレートなど、オキサゾリニル含有オレフィン系不飽和モノマー類、例えばビニルオキサゾリン類およびビニルオキサゾリン誘導体など、並びにエポキシ含有オレフィン系不飽和モノマー類、例えば(メタ)アクリル酸グリシジルまたはアリルグリシジルエーテルなどである。
【0014】適切なマレート化ポリプロピレンは、下記の構造:
【0015】
【化11】


【0016】を含んでおり、ここで、PPはポリプロピレンである。
【0017】ポリエーテルアミンに適切なポリエーテルブロックには、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのコポリマー類、ポリ(1,2−ブチレングリコール)およびポリ(テトラメチレングリコール)が含まれる。
【0018】適切なポリエーテルアミン類には、分子量が約150から12,000のモノアミン類、ジアミン類およびトリアミン類が含まれる。適切なモノアミン類には、JEFFAMINE M−1000、JEFFAMINE M−2070およびJEFFAMINE M−2005などが含まれる。適切なジアミン類には、JEFFAMINE ED−6000、JEFFAMINE ED−4000、JEFFAMINE ED−2001、JEFFAMINE D−2000、JEFFAMINE D−4000、JEFFAMINE ED−900、JEFFAMINE ED−600およびJEFFAMINE D−400などが含まれる。適切なトリアミン類には、JEFFAMINE ET−3000、JEFFAMINE T−3000およびJEFFAMINE T−5000などが含まれる。
【0019】この官能化ポリプロピレンとポリエーテルアミンとの混合は、バッチミキサー類、連続ミキサー類、ニーダー類および押出し機を含む通常の混合装置内で実施され得る。
【0020】この樹脂組成物は、本発明に従うPP/官能化PP/ポリエーテルアミンの構造成分以外に、衝撃強度を改良するための衝撃改質剤、有利には衝撃改質エラストマー類を含んでいてもよい。本発明に適した衝撃改質剤は技術者によく知られている。その例は、エチレン、プロピレン、ブタジエンおよびアクリレート類、例えばメタアクリレート類などか或はそれらの混合物を基とするゴムである。
【0021】適切な衝撃改質エラストマー類は、例えば「Methoden der organischen Chemie」(Houben−Weyl)、XIV/1巻、「Makromolekulare Chemie」(Georg−Thieme−Verlag、Stuttgart、1961)、390から460頁およびC.B.Bucknalの専攻論文「Toughened Plastics」(Applied Publishers、London、1977)の中に記述されている。
【0022】この樹脂はまた、本発明に従う樹脂組成物の中に含まれているPP、官能化PPおよびポリエーテルアミンの構造成分と何らかの衝撃改質剤に加えて、補強材および/または添加剤を含んでいてもよい。用いる補強材は、補強充填材、例えばアスベスト、炭素または炭素繊維、粘土、タルク、マイカ、ガラス(ビードまたは繊維)、およびチョークなどであってもよく、これらは、接着促進剤および/またはサイズで仕上げされていてもよい。
【0023】好適な官能化ポリプロピレンは、下記の構造:
【0024】
【化12】


【0025】で表されるマレート化ポリプロピレンであり、ここで、PPはポリプロピレンである。
【0026】好適なモノアミン類並びに好適なトリアミン類は約200から4000の分子量を有している。好適なジアミン類は約148から6000の分子量を有している。
【0027】好適な官能化ポリプロピレンであるマレート化ポリプロピレンと好適なポリエーテルアミンとの好適な反応生成物は、下記の式:
【0028】
【化13】


【0029】で表され、ここで、aは約5から50,000であり、b:cに関しては約0:100から100:0であり、xは約1から3であり、そしてRはアルキル基である。
【0030】適切な熱可塑性樹脂組成物は、PPを約66から80重量%、マレート化PPを約20から30重量%、そしてポリエーテルアミンを約2から10重量%含んでいてもよい。
【0031】好適な通常の混合装置は押出し機であり、ここでは、約25から300秒の滞留時間の内に約175から300℃でそのマレート化ポリプロピレンの上にポリエーテルアミンをグラフト化させる。ポリプロピレンは、この混合ブレンド物の中に入っている反応性を示さない成分である。好適な温度範囲は約190から260℃である。
【0032】Werner & Pfleiderer製の30mm二軸押出し機(ZSK30)内で連続コンパンド化を実施したが、ここでの供給順序は組み合わせ供給であり、全ての成分を同じ場所(この押出し機に備わっているホッパー)で供給した。
【0033】本発明の特徴を説明する下記の実施例は、制限することを意図したものではない。
【0034】
【実施例】
実施例1−6押出し機内で製造したPPとマレート化PP(MAL−PP)とJEFFAMINE M2070とのブレンド物は、表1に示す如き特徴を示しており、ここで、その組成物をパーセントで表しそしてその残りはPPである。
【0035】
【表1】


【0036】ここで、FM....曲げモジュラスStY...降伏応力TE....引張り伸びTSt...引張り強度NI....ノッチドアイゾッド衝撃UnI...アンノッチドアイゾッド衝撃。
【0037】実施例7−10表2は、JEFFAMINE ED2001(ED)に比較したJEFFAMINE M2070(M)が示す効果を表しており、ここでは押出し機内で、これらの両方を約76から78重量%のPPおよび約20重量%のMAL−PPとブレンドした。
【0038】
【表2】


【0039】ここで、FM....曲げモジュラスStY...降伏応力TE....引張り伸びTSt...引張り強度NI....ノッチドアイゾッド衝撃UnI...アンノッチドアイゾッド衝撃。
【0040】実施例11−17表3は、PPとマレート化PPとJEFFAMINE類を含む種々の組成物が示す、対照サンプルと比較した塗料接着パーセントを表しており、ここでは、これらのブレンド物を押出し機内で製造した。
【0041】
【表3】


【0042】用語解JEFFAMINE M−1000
【0043】
【化14】


【0044】JEFFAMINE M−2070およびJEFFAMINE M−2005
【0045】
【化15】


【0046】ここで、R=H、CH3、mは約3から32であり、そしてnは約10から32である。
【0047】JEFFAMINE D−2000、JEFFAMINE D−4000およびJEFFAMINE D−400
【0048】
【化16】


【0049】ここで、D−2000に関するxは約33であり、D−4000に関するxは約68であり、そしてD−400に関するxは約5.6である。
【0050】JEFFAMINE ED−600、JEFFAMINE ED−900、JEFFAMINE ED−2001、JEFFAMINE ED−4000およびJEFFAMINE ED−6000
【0051】
【化17】


【0052】ここで、ED−600に関してはbが約8.5でa+cが約2.5であり、ED−900に関してはbが約15.5でa+cが約2.5であり、ED−2001に関してはbが約40.5でa+cが約2.5であり、ED−4000に関してはbが約86.0でa+cが約2.5であり、そしてED−6000に関してはbが約132.0でa+cが約3.0である。
【0053】JEFFAMINE T−3000およびJEFFAMINE T−5000
【0054】
【化18】


【0055】ここで、T−3000に関してはx+y+z=50そしてT−5000に関してはx+y+z=83である。
【0056】JEFFAMINE ET−3000
【0057】
【化19】


【0058】ここで、x+y+z=57およびa+b+c=4である。
【0059】本発明の特徴および態様は以下のとおりである。
【0060】1. 官能化ポリプロピレンとポリエーテルアミンとの反応生成物とポリプロピレンを含んでいるコンパンド。
【0061】2. 該官能化ポリプロピレンがポリプロピレンとオレフィン系不飽和カルボン酸とのフリーラジカル反応から誘導される第1項のコンパンド。
【0062】3. 該オレフィン系不飽和カルボン酸がアクリル酸またはメタアクリル酸を含むモノカルボン酸および相当するエステル類である第2項のコンパンド。
【0063】4. 該オレフィン系不飽和カルボン酸がフマル酸、マレイン酸およびイタコン酸を含むジカルボン酸である第2項のコンパンド。
【0064】5. 該官能化ポリプロピレンが、モノ−もしくはジ−フマレートおよびモノ−もしくはジ−マレートを含むオレフィン系不飽和ジカルボン酸モノ−および/またはジ−エステル類とポリプロピレンとの反応から誘導される第1項のコンパンド。
【0065】6. 該官能化ポリプロピレンがポリプロピレンとオレフィン系不飽和カルボン酸無水物との反応から誘導される第1項のコンパンド。
【0066】7. 該官能化ポリプロピレンが、p−スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロペンスルホン酸および2−スルホニル−(メタ)アクリレートを含むスルホ−もしくはスルホニル含有オレフィン系不飽和モノマー類とポリプロピレンとの反応から誘導される第1項のコンパンド。
【0067】8. 該官能化ポリプロピレンが、ビニルオキサゾリン類およびビニルオキサゾリン誘導体を含むオキサゾリニル含有オレフィン系不飽和モノマー類とポリプロピレンとの反応から誘導される第1項のコンパンド。
【0068】9. 該官能化ポリプロピレンが、(メタ)アクリル酸グリシジルおよびアリルグリシジルエーテルを含む群から選択されるエポキシ含有オレフィン系不飽和モノマー類とポリプロピレンとの反応から誘導される第1項のコンパンド。
【0069】10. 該ポリエーテルアミンがモノアミン類、ジアミン類およびトリアミン類から成る群から選択され、そして約148から12,000の分子量を有する第1項のコンパンド。
【0070】11. マレート化ポリプロピレンとポリエーテルアミンとの反応生成物とポリプロピレンを含んでいるコンパンド。
【0071】12. 該マレート化ポリプロピレンとポリエーテルアミンとの反応生成物が式:
【0072】
【化20】


【0073】で表され、ここで、aが約5から50,000であり、b:cに関しては約0:100から100:0であり、xが約1から3であり、そしてRがアルキル基である第11項のコンパンド。
【0074】13. 該マレート化ポリプロピレンが式
【0075】
【化21】


【0076】で表される構造物から成る群から選択され、ここで、PPがポリプロピレンである第11項のコンパンド。
【0077】14. 該ポリエーテルブロックが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのコポリマー類から成る群から選択される第11項のコンパンド。
【0078】15. a)ポリプロピレンを70から80重量%、b)マレート化ポリプロピレンを20から30重量%、c)ポリエーテルアミンを2から10重量%、含んでいる第11項のコンパンド。
【0079】16. 該ポリエーテルアミンが下記の構造:
【0080】
【化22】


【0081】で表され、ここで、R=H、CH3であり、mが約3から32であり、そしてnが約10から32である第15項のコンパンド。
【0082】17. 該ポリエーテルアミンが下記の構造:
【0083】
【化23】


【0084】で表され、ここで、bが約40.5でa+cが約2.5であり、bが約86.0でa+cが約2.5であり、そしてbが約132.0でa+cが約3.0である第15項のコンパンド。
【0085】18. 該ポリエーテルアミンが下記の式:
【0086】
【化24】


【0087】で表される第15項のコンパンド。
【0088】19. 該ポリエーテルアミンがモノアミン類、ジアミン類およびトリアミン類から成る群から選択され、そして約148から12,000の分子量を有する第11項のコンパンド。
【0089】20. 該ポリエーテルアミンが約200から4000の分子量を有する群から選択されるモノアミンである第19項のコンパンド。
【0090】21. 該モノアミンが下記の構造:
【0091】
【化25】


【0092】で表される第20項のコンパンド。
【0093】22. 該モノアミンが下記の構造:
【0094】
【化26】


【0095】で表され、ここで、R=H、CH3であり、mが約3から32であり、そしてnが約10から32である第20項のコンパンド。
【0096】23. 該ポリエーテルアミンが約148から6000の分子量を有する群から選択されるジアミンである第19項のコンパンド。
【0097】24. 該ジアミンが下記の構造:
【0098】
【化27】


【0099】で表される化合物から成る群から選択され、ここで、bが約8.5でa+cが約2.5であり、bが約15.5でa+cが約2.5であり、bが約40.5でa+cが約2.5であり、bが約86.0でa+cが約2.5であり、そしてbが約132.0でa+cが約3.0である第23項のコンパンド。
【0100】25. 該ジアミンが下記の構造:
【0101】
【化28】


【0102】で表される化合物から成る群から選択され、ここで、xが約33であり、xが約68であり、そしてxが約5.6である、第23項のコンパンド。
【0103】26. 該ポリエーテルアミンが約200から4000の分子量を有するトリアミンである第19項のコンパンド。
【0104】27. 該トリアミンが下記の構造:
【0105】
【化29】


【0106】で表される化合物から成る群から選択され、ここで、x+y+z=50およびx+y+z=83である第26項のコンパンド。
【0107】28. 該トリアミンが下記の構造:
【0108】
【化30】


【0109】で表され、ここで、x+y+z=57およびa+b+c=4である第26項のコンパンド。
【0110】29. マレート化ポリプロピレンとポリエーテルアミンとの反応生成物を製造する方法において、通常の混合装置を用い、約175から300℃の温度で、約25から300秒の滞留時間の内にこれらの成分を溶融させることによって、ポリプロピレン存在下で該マレート化ポリプロピレンの上に該ポリエーテルアミンをグラフト化させる方法。
【0111】30. 該反応を押出し機を用い約190から260℃で実施する第29項の方法。
【0112】31. (ii)オレフィン系不飽和カルボン酸、オレフィン系不飽和カルボン酸無水物およびオレフィン系不飽和カルボン酸エステルから成る群から選択される化合物と反応させたポリプロピレンと(i)ポリエーテルアミンとの反応生成物を含む成分(b)と一緒にポリプロピレンを含んでいる成分(a)を約175℃から約300℃の温度で反応させることを含む方法。
【0113】32. 該オレフィン系不飽和カルボン酸がフマル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸またはメタアクリル酸である第31項の方法。
【0114】33. 該オレフィン系不飽和カルボン酸無水物が無水フマル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水アクリル酸または無水メタアクリル酸である第31項の方法。
【0115】34. 該オレフィン系不飽和カルボン酸エステルがフマル酸エステル、マレイン酸エステル、イタコン酸エステル、アクリル酸エステルまたはメタアクリル酸エステルである第31項の方法。
【0116】35. 該ポリエーテルアミンが約148から12,000の分子量を有する第31項の方法。
【0117】36. 該ポリエーテルアミンがポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのコポリマー類から成る群から選択されるポリエーテルブロックを含んでいる第31項の方法。
【0118】37. 通常の混合装置を用い約25から300秒の滞留時間の内に該成分を溶融させることによって該反応を実施する第31項の方法。
【0119】38. (ii)マレート化ポリプロピレンと(i)ポリエーテルアミンとの反応生成物を含む成分(b)と一緒にポリプロピレンを含んでいる成分(a)を約175℃から約300℃の温度で反応させることを含む方法。
【0120】39. a)ポリプロピレンを70から80重量%、b)マレート化ポリプロピレンを20から30重量%、およびc)ポリエーテルアミンを2から10重量%、含んでおり、ここで、このポリエーテルアミンが約200から4000の分子量を有するポリエーテルモノアミンである、第38項の方法で製造される熱可塑性樹脂ブレンド物。
【0121】40. 該ポリエーテルモノアミンが下記の式:
【0122】
【化31】


【0123】で表され、ここで、R=HまたはCH3であり、mが約3から32であり、そしてnが約10から32である第39項の熱可塑性樹脂ブレンド物。
【0124】41. 該ポリエーテルモノアミンが下記の式:
【0125】
【化32】


【0126】で表される第39項の熱可塑性樹脂ブレンド物。
【0127】42. a)ポリプロピレンを70から80重量%、b)マレート化ポリプロピレンを20から30重量%、およびc)ポリエーテルアミンを2から10重量%、含んでおり、ここで、このポリエーテルアミンが約200から4000の分子量を有するポリエーテルジアミンである、第38項の方法で製造される熱可塑性樹脂ブレンド物。
【0128】43. 該ジアミンが下記の構造:
【0129】
【化33】


【0130】で表される化合物から成る群から選択され、ここで、bが約8.5であり、そしてa+cが約2.5である第42項の熱可塑性樹脂ブレンド物。
【0131】44. 該ジアミンが下記の構造:
【0132】
【化34】


【0133】で表される化合物から成る群から選択され、ここで、bが約15.5であり、そしてa+cが約2.5である第42項の熱可塑性樹脂ブレンド物。
【0134】45. 該ジアミンが下記の構造:
【0135】
【化35】


【0136】で表される化合物から成る群から選択され、ここで、bが約40.5であり、そしてa+cが約2.5である第42項の熱可塑性樹脂ブレンド物。
【0137】46. 該ジアミンが下記の構造:
【0138】
【化36】


【0139】で表される化合物から成る群から選択され、ここで、bが約86.0であり、そしてa+cが約2.5である第42項の熱可塑性樹脂ブレンド物。
【0140】47. 該ジアミンが下記の構造:
【0141】
【化37】


【0142】で表される化合物から成る群から選択され、ここで、bが約132.0であり、そしてa+cが約3.0である第42項の熱可塑性樹脂ブレンド物。
【0143】48. 該ジアミンが下記の構造:
【0144】
【化38】


【0145】で表される化合物から成る群から選択され、ここで、xが約5.6である第42項の熱可塑性樹脂ブレンド物。
【0146】49. 該ジアミンが下記の構造:
【0147】
【化39】


【0148】で表される化合物から成る群から選択され、ここで、xが約33である第42項の熱可塑性樹脂ブレンド物。
【0149】50. 該ジアミンが下記の構造:
【0150】
【化40】


【0151】で表される化合物から成る群から選択され、ここで、xが約68である第42項の熱可塑性樹脂ブレンド物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 マレート化ポリプロピレンとポリエーテルアミンとの反応生成物を製造する方法において、通常の混合装置を用い、175から300℃の温度で、25から300秒の滞留時間の内にこれらの成分を溶融させることによって、ポリプロピレン存在下で該マレート化ポリプロピレンの上に該ポリエーテルアミンをグラフト化させる方法。
【請求項2】 ポリプロピレンを含んでいる成分(a)を、(i)ポリエーテルアミンと(ii)オレフィン系不飽和カルボン酸、オレフィン系不飽和カルボン酸無水物およびオレフィン系不飽和カルボン酸エステルから成る群から選択される化合物と反応させたポリプロピレンの反応生成物を含む成分(b)と、175℃から300℃の温度で反応させることを含む方法。
【請求項3】 該オレフィン系不飽和カルボン酸がフマル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸またはメタアクリル酸である請求項2の方法。
【請求項4】 該オレフィン系不飽和カルボン酸無水物が無水フマル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水アクリル酸または無水メタアクリル酸である請求項2の方法。
【請求項5】 該オレフィン系不飽和カルボン酸エステルがフマル酸エステル、マレイン酸エステル、イタコン酸エステル、アクリル酸エステルまたはメタアクリル酸エステルである請求項2の方法。
【請求項6】 該ポリエーテルアミンが148から12,000の分子量を有する請求項2の方法。
【請求項7】 該ポリエーテルアミンがポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのコポリマー類から成る群から選択されるポリエーテルブロックを含んでいる請求項2の方法。
【請求項8】 通常の混合装置を用い25から300秒の滞留時間の内に該成分を溶融させることによって該反応を実施する請求項2の方法。
【請求項9】 (ii)マレート化ポリプロピレンと(i)ポリエーテルアミンとの反応生成物を含む成分(b)と一緒にポリプロピレンを含んでいる成分(a)を175℃から300℃の温度で反応させることを含む方法。
【請求項10】 a)ポリプロピレンを70から80重量%、b)マレート化ポリプロピレンを20から30重量%、およびc)ポリエーテルアミンを2から10重量%、含んでおり、ここで、このポリエーテルアミンが200から4000の分子量を有するポリエーテルモノアミンである、第9項の方法で製造される熱可塑性樹脂ブレンド物。
【請求項11】 該ポリエーテルモノアミンが下記の式:
【化1】


で表され、ここで、R=HまたはCHであり、mが3から32であり、そしてnが10から32である請求項10の熱可塑性樹脂ブレンド物。
【請求項12】 該ポリエーテルモノアミンが下記の式:
【化2】


で表される請求項10の熱可塑性樹脂ブレンド物。
【請求項13】 a)ポリプロピレンを70から80重量%、b)マレート化ポリプロピレンを20から30重量%、およびc)ポリエーテルアミンを2から10重量%、含んでおり、ここで、このポリエーテルアミンが200から4000の分子量を有するポリエーテルジアミンである、請求項9の方法で製造される熱可塑性樹脂ブレンド物。
【請求項14】 該ジアミンが下記の構造:
【化3】


で表される化合物から成る群から選択され、ここで、bが8.5であり、そしてa+cが2.5である請求項13の熱可塑性樹脂ブレンド物。
【請求項15】 該ジアミンが下記の構造:
【化4】


で表される化合物から成る群から選択され、ここで、bが15.5であり、そしてa+cが2.5である請求項13の熱可塑性樹脂ブレンド物。
【請求項16】 該ジアミンが下記の構造:
【化5】


で表される化合物から成る群から選択され、ここで、bが40.5であり、そしてa+cが2.5である請求項13の熱可塑性樹脂ブレンド物。
【請求項17】 該ジアミンが下記の構造:
【化6】


で表される化合物から成る群から選択され、ここで、bが86.0であり、そしてa+cが2.5である請求項13の熱可塑性樹脂ブレンド物。
【請求項18】 該ジアミンが下記の構造:
【化7】


で表される化合物から成る群から選択され、ここで、bが132.0であり、そしてa+cが3.0である請求項13の熱可塑性樹脂ブレンド物。
【請求項19】 該ジアミンが下記の構造:
【化8】


で表される化合物から成る群から選択され、ここで、xが5.6である請求項13の熱可塑性樹脂ブレンド物。
【請求項20】 該ジアミンが下記の構造:
【化9】


で表される化合物から成る群から選択され、ここで、xが33である請求項13の熱可塑性樹脂ブレンド物。
【請求項21】 該ジアミンが下記の構造:
【化10】


で表される化合物から成る群から選択され、ここで、xが68である請求項13の熱可塑性樹脂ブレンド物。

【特許番号】特許第3498149号(P3498149)
【登録日】平成15年12月5日(2003.12.5)
【発行日】平成16年2月16日(2004.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平6−179769
【出願日】平成6年7月8日(1994.7.8)
【公開番号】特開平7−145216
【公開日】平成7年6月6日(1995.6.6)
【審査請求日】平成13年5月31日(2001.5.31)
【出願人】(594129297)ハンツマン・ペトロケミカル・コーポレーシヨン (2)