説明

ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子および該ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子より得られるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体

【課題】 安価製造プロセスである押出発泡法で得られるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子であって、型内成形時の融着性と低収縮性のバランスが良好であることから肉厚な形状にも成形し得るポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子および、該ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子から得られるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を提供すること。
【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂を含んでなる基材樹脂および発泡剤を押出機に供給し、混練および冷却した後、細孔ダイを通じて低圧領域に押出し、細断して得られるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子にあって、該ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の示差走査熱量計法による結晶融解測定で融点ピークの半値幅が20℃以上であることを特徴とする、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子および該ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子から得られる型内発泡成形体に関する。詳しくは、製造コストが安価で、型内成形時の融着性と低収縮性とのバランスが良好なポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子および、該ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子から得られるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、ポリスチレン系樹脂型内発泡成形体と比較して、耐薬品性能、耐熱性能、緩衝性能、圧縮歪み回復性能に優れ、ポリエチレン系樹脂型内発泡成形体と比較しても、耐熱性能、圧縮強度に優れることから、緩衝包装資材や通い箱、自動車用部材として広く用いられている。
【0003】
ポリプロピレン系樹脂型内発泡体を得るために使用されるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、一般には、ポリプロピレン系樹脂を揮発性発泡剤と共に耐圧容器内で水中に分散させ、該ポリプロピレン系樹脂粒子の融点近傍の温度に加熱して該ポリプロピレン系樹脂粒子内に発泡剤を含浸させ、該発泡剤の示す蒸気圧以上の加圧下で容器内の温度、圧力を一定に保持しながら、該ポリプロピレン系樹脂粒子と水との分散物を容器内よりも低圧の雰囲気下に放出する、いわゆる除圧発泡法で得られる。この除圧発泡法で得られるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、本来の樹脂融点よりも高温で融解する結晶が、予備発泡粒子を得る工程中に新たに形成されるため、2つの融解ピークを有しており、このような結晶状態であるがゆえに型内成形時に結晶の融解量を制御しやすく、種々形状の型内発泡成形体を得ることが可能である。しかしながら該予備発泡粒子製造プロセスは、分散媒である水ごとポリプロピレン系樹脂を加熱し、一定時間保持する必要があるためエネルギー効率に欠け、製造コストが高くなる傾向がある。
【0004】
これに対し、製造コストが安価な押出発泡法により予備発泡粒子を得る試みがなされている。例えば、溶融強度が5〜40cNのポリプロピレン系樹脂を用いて押出発泡を行う方法(特許文献1)や、ポリプロピレン系樹脂を芳香族ビニル単量体および/またはイソプレン単量体とラジカル発生剤を溶融混練して得られる改質ポリプロピレン系樹脂を用いて押出発泡を行う方法(特許文献2)、ポリプロピレン系樹脂と1,2−ポリブタジエン樹脂からなる混合樹脂を用いて押出発泡を行う方法(特許文献3)、固有粘度を規定したポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂からなる樹脂組成物を用いて押出発泡を行う方法(特許文献4)などが提案されている。しかしながらこれらの方法は、最終製品がポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子であることを目的としているため、例示されたポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いた型内成形は、困難である。これは、通常、押出発泡法によって得られたポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の融解ピークが1つでかつシャープなため、型内発泡成形を行う際に、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子同士が融着するのに充分な量の結晶を融解させ、かつ型内発泡成形体の収縮を低減し得るだけの結晶を残存させる加熱条件が極めて狭いためと考えられる。その結果、良好な型内発泡成形体の収率が低い傾向にあり、更には、型内の温度分布が生じやすい肉厚な金型形状では、内部まで予備発泡粒子が融着した良好な型内発泡成形体が得られない場合がある。
【0005】
このような、押出発泡法により得た予備発泡粒子の型内成形性を改良する試みとしては、例えば、押出発泡で得られる、示差熱量測定においてポリオレフィン固有の融点と高温ピークを示す予備発泡ポリオレフィンビーズ(特許文献5)が提案されている。これは固体のポリプロピレン系樹脂に物理発泡剤を飽和含浸させ、発泡剤による可塑化効果を利用して低温で樹脂溶融を行った後、結晶融点より2から50℃低い温度で1〜60分保持して大気中に吐出する方法により得られるが、これは樹脂を溶融させてから発泡剤を供給する一般的な押出発泡に比べ、設備やプロセスが極めて複雑なため、押出発泡法のメリットである製造コストの低減に繋がらない。更には、押出機内にて溶融樹脂を一部結晶化させることで高温ピーク由来の結晶を発現させるが、押出発泡可能なレベルで流動性を維持するには、前記高温ピーク由来の結晶量は少なくせざるを得ず、結果として型内成形性を充分に改良するには至っていない。
【特許文献1】特開平6−234878号公報
【特許文献2】特開平9−302131号公報
【特許文献3】特開平9−124830号公報
【特許文献4】特開2000−159922号公報
【特許文献5】特表平10−507224号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、安価製造プロセスである押出発泡法で得られるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子であって、型内成形時の融着性と低収縮性のバランスが良好であることから肉厚な形状にも成形し得るポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子および、該ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子から得られるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、押出発泡で得られた予備発泡粒子であっても、示差走査熱量測定において融点ピークがブロードであれば、融点ピークが一つの場合であっても、型内成形時に融着性と低収縮のバランスが良好であることを見出した。また、このように融点ピークがブロードであるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、例えば、融点の異なる2種のポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とし、これを押出発泡することで容易に製造し得ることを見出し、本発明の完成に至った。
【0008】
即ち、本発明は、ポリプロピレン系樹脂を含んでなる基材樹脂および発泡剤を押出機に供給し、混練および冷却した後、細孔ダイを通じて低圧領域に押出し、細断して得られるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子にあって、該ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の示差走査熱量計法による結晶融解測定で融点ピークの半値幅が20℃以上であることを特徴とする、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子に関する。
【0009】
好ましい態様としては、
(1)基材樹脂が、融点が145℃以下のポリプロピレン系樹脂70重量%以上95重量%以下と、融点が155℃以上のポリプロピレン系樹脂5重量%以上30重量%以下を含んでなることを特徴とする、
(2)ポリプロピレン系樹脂が、融点が145℃以下のポリプロピレン系樹脂70重量%以上95重量%以下と、融点が155℃以上のポリプロピレン系樹脂5重量%以上30重量%以下、ラジカル重合性単量体、ラジカル重合開始剤を溶融混練して得られる改質ポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする、
前記記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子に関する。
【0010】
本発明の第2は、前記記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を、閉塞しうるが密閉しえない金型に充填し、水蒸気で加熱して成形することによって得られることを特徴とするポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、押出発泡法で得られることから低コストであり、また型内成形時に融着性と低収縮性のバランスが良好であることから、型内の温度分布が生じやすい肉厚な金型形状でも、内部までポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子が融着した良好な型内発泡成形体を得ることが可能である。
【0012】
また、本発明のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、発泡粒子の融着が良好であり衝撃を受けても割れにくく、成形体の寸法精度も良好である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明におけるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、ポリプロピレン系樹脂を含んでなる基材樹脂および発泡剤を押出機に供給し、混練および冷却した後、細孔ダイを通じて低圧領域に押出し、細断して得られるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子にあって、該ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の示差走査熱量計法による結晶融解測定で融点ピークの半値幅が20℃以上であることを特徴とする。前記半値幅が20℃以上であれば、型内の温度分布が生じやすい複雑な金型形状においても、成形加熱時の結晶融解量の変化が小さく、良好なポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を容易に得ることが可能となる。前記半値幅は30℃以上であることが好ましい。
【0014】
ここで、示差走査熱量計法によるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の結晶融解測定は、40℃から210℃まで10℃/分の速度で昇温して行い、吸熱量が最大となるピークを融点ピークとする。そしてこの融点ピークからベースラインまで垂線を引き、ピーク高さの半分の位置での融点ピークの温度幅を、半値幅とする。なお、前記融点ピーク高さの半分の位置において結晶融解ピークが複数個存在する場合は、高温側ピークの高温側のカーブと、低温側ピークの低温側のカーブとの温度幅を、本発明における半値幅とする。
【0015】
一般に、押出発泡においては、ポリプロピレン系樹脂を含んでなる基材樹脂と発泡剤を押出機に供給し、細孔ダイを通じて低圧領域に押出しする際、ダイ内外の温度差および体積増加に伴う断熱膨張により、基材樹脂は急激に冷却される。そのため、水中に分散させて融点近傍で長時間加熱し高温融解の結晶を成長させた後予備発泡粒子を得る除圧発泡法の場合と異なり、1つの融点しか示さない傾向にある。
【0016】
仮に融点の異なる2種のポリプロピレン系樹脂を混合して、基材樹脂としては2つの結晶融解ピークを有する樹脂であったとしても、押出発泡に伴う急激な樹脂冷却が行われると、結晶融解ピークは1つとなる場合が多い。これは急激な冷却環境下では、2種のポリプロピレン系樹脂が混合した状態で高融点樹脂の結晶が速く成長し、そのため空間的に低融点樹脂の結晶成長が阻害されるためと考えられる。
【0017】
なお、樹脂の融点とは、示差走査熱量計法による測定において、40℃と210℃の間を10℃/分の速度で昇温・降温させた後、再度40℃から210℃まで10℃/分にて昇温した際の結晶融解ピークの温度をいう。
【0018】
本発明において、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の基材樹脂は、融点が145℃以下のポリプロピレン系樹脂70重量%以上95重量%以下と、融点が155℃以上のポリプロピレン系樹脂5重量%以上30重量%以下含んでなることが、押出発泡法によって前記融点ピークの半値幅が20℃以上であるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得やすいため好ましい。
【0019】
また、前記ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の融点ピークの半値幅が更に広くなりやすいことから、前記融点が145℃以下のポリプロピレン系樹脂の融点は140℃以下であることが更に好ましく、同様に、前記融点が155℃以上のポリプロピレン系樹脂の融点は160℃以上であることが更に好ましい。
【0020】
なお、本発明のポリプロピレン系樹脂は、単量体として、プロピレンを80重量%以上、より好ましくは85重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上含むものであり、例えば、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体などが挙げられる。
【0021】
本発明におけるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子はポリプロピレン系樹脂を含んでなる基材樹脂および発泡剤を押出機に供給し、混練および冷却した後、細孔ダイを通じて低圧領域に押出し、発泡させるものである。そのため前記基材樹脂のメルトテンションは高いことが好ましく、発泡倍率や独立気泡率の調整を容易に行い得ることから、230℃において5g以上であることが好ましい。
【0022】
なお、メルトテンションの測定には東洋精機製キャピログラフを用い、230℃に加熱した樹脂を、口径1mm、長さ10mm、流入角45度のオリフィスから1m/minの速度で押出し、該押出物を張力検出用プーリ−を通過させて1m/minの速度から加速(加速度39.8m/min)させながら巻き取り、該押出物が切断される際のテンション値を測定する。
【0023】
基材樹脂が、融点が145℃以下のポリプロピレン系樹脂と、融点が155℃以上のポリプロピレン系樹脂を含んでなる場合、いずれのポリプロピレン系樹脂メルトテンションもが230℃において5g以上である必要は無く、一方の樹脂のメルトテンションが5g未満であっても他方のメルトテンションが充分に高いことで、基材樹脂のブレンド後のメルトテンションが5g以上となっていれば、所望のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を容易に得ることができる傾向がある。
【0024】
前記メルトテンションが高いポリプロピレン系樹脂としては、線状のポリプロピレン系樹脂(以下、このポリプロピレン系樹脂のことを「原料ポリプロピレン系樹脂」ということもある)に電子線を照射して長鎖分岐を導入したもの(例えば、バセル社製HMS−PP)や、原料ポリプロピレン系樹脂、ラジカル重合性単量体、ラジカル重合開始剤を溶融混練して得られる改質ポリプロピレン樹脂などが挙げられる。特に、原料ポリプロピレン系樹脂、ラジカル重合性単量体、ラジカル重合開始剤を溶融混練して得られる改質ポリプロピレン樹脂が、製造が容易で経済的に有利である点から、好ましい。
【0025】
本発明においてはポリプロピレン系樹脂が、融点が145℃以下のポリプロピレン系樹脂70重量%以上95重量部以下と、融点が155℃以上のポリプロピレン系樹脂5重量%以上30重量%以下、ラジカル重合性単量体、ラジカル重合開始剤を溶融混練して得られる改質ポリプロピレン樹脂を使用することが好ましい。
【0026】
すなわち、融点が145℃以下のポリプロピレン系樹脂70重量%以上95重量部以下と、融点が155℃以上のポリプロピレン系樹脂5重量%以上30重量%以下を含んでなる原料ポリプロピレン系樹脂をラジカル重合性単量体、ラジカル重合開始剤にて改質された改質ポリプロピレン樹脂を基材樹脂として用いることが好ましい。
【0027】
この場合、融点が145℃以下のポリプロピレン系樹脂と融点が155℃以上のポリプロピレン系樹脂は、ペレットを混合したものを改質に供しても良いし、予め押出機などで混錬したものを改質に供しても良い。
【0028】
本発明に用いられるラジカル重合性単量体としては、1,3−ブタジエンやイソプレンなどの共役ジエン系単量体、スチレンやα−メチルスチレン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル単量体、トリアリルシアヌレートやトリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレートなどの多官能単量体などが例示される。これらの内、少量で原料ポリプロピレン系樹脂の改質が可能なことから、イソプレンが好ましい。前記ラジカル重合性単量体の添加量としては、原料ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し、0.1重量部以上10重量部以下であることが好ましい。
【0029】
また本発明に用いられるラジカル重合開始剤としては、1分間半減期温度が高く、水素引き抜き性が高い有機化酸化物であることが好ましい。具体的には、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール;
パーメタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド;
【0030】
t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルなどが例示される。これらの内、少量で原料ポリプロピレン系樹脂の改質が可能なことから、パーオキシエステルが好ましい。
【0031】
前記ラジカル重合開始剤の添加量としては、原料ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し、0.05重量部以上5重量部以下であることが好ましい。
【0032】
前記改質ポリプロピレン系樹脂を製造する工程は、各原料を樹脂の溶融状態で混錬しうる装置内で行うことが好ましい。この様な装置としては、生産性が高いことから押出機がより好ましく、効率的に反応し得ることから二軸押出機が特に好ましい。
【0033】
各原料を押出機に供給する方法に特に制限はないが、例えば、ラジカル重合性単量体にイソプレンを用いる場合、原料ポリプロピレン系樹脂とラジカル重合開始剤を二軸押出機ホッパーに供給し、樹脂溶融後に押出機途中からイソプレンを圧入する方法などが例示される。融点が145℃以下のポリプロピレン系樹脂と融点が155℃以上のポリプロピレン系樹脂を同時に改質する場合は、これらの樹脂をペレットでブレンドして原料ポリプロピレン系樹脂とする方法が例示される。
【0034】
更には、本発明におけるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子に用いる基材樹脂の230℃におけるメルトフローレートは、押出発泡における発泡倍率の調整が容易であり、かつ予備発泡粒子の成形において良好な伸びを示すことから、0.3g/10分以上10g/10分以下であることが好ましく、さらには0.5g/10分以上8g/10分以下であることが好ましい。
【0035】
上記のようにして、本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の基材樹脂を構成するポリプロピレン系樹脂は準備される。
【0036】
本発明では、ポリプロピレン系樹脂を含んでなる基材樹脂と発泡剤を押出機に供給して混練および冷却した後、細孔ダイを通じて低圧領域に押出し、細断することによりポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を製造する。ここでポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子形状とするための細断は、細孔ダイに接触するよう設けられた回転刃で細孔ダイから吐出直後に切断する方法や、ストランド状の発泡体を引き取った後に回転刃で切断する方法、などが例示される。
【0037】
本発明における発泡剤としては、脂肪族炭化水素類、脂環式炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、無機ガス、水などが挙げられ、それらの1種または2種以上を組み合わせて用いても良い。発泡剤の添加量は、発泡剤の種類および目標とするポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の発泡倍率により異なるが、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、1重量部以上15重量部以下が好ましく、2重量部以上10重量部以下がより好ましい。
【0038】
更には、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の気泡形状をコントロールする目的で、造核剤を添加してもよい。添加剤としては、重炭酸ソーダ−クエン酸混合物やクエン酸モノナトリウム塩、タルクなどが例示され、これらは、単独或いは併用することが出来る。造核剤の添加量は、特に制限はないが、通常、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.01重量部以上3重量部以下であることが好ましい。
【0039】
また、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリプロピレン系樹脂以外の他の合成樹脂を添加して基材樹脂としても良い。ポリプロピレン系樹脂以外の他の合成樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体等のエチレン系樹脂、ポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−エチレン共重合体等のスチレン系樹脂等が例示される。
【0040】
本発明においては、必要に応じて、酸化防止剤、金属不活性剤、燐系加工安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、蛍光増白剤、金属石鹸、制酸吸着剤などの安定剤、または架橋剤、連鎖移動剤、造核剤、滑剤、可塑剤、充填材、強化材、顔料、染料、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤を添加してもよい。
【0041】
本発明におけるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の発泡倍率は、型内発泡成形において、軽量かつ圧縮強度が高いポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を得やすいことから10〜50倍が好ましく、15〜40倍が更に好ましい。
【0042】
更には、前記ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の発泡倍率が前記範囲に至らなかった場合、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子内を不活性ガスで加圧し、加熱して発泡倍率を高める方法(例えば、特開平10−237212号公報に記載の方法)も利用可能である。
【0043】
本発明におけるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の粒子重量は、充填・膨張して外観美麗な成形体となりやすいことから、3mg/粒子以下が好ましく、2mg/粒子が更に好ましい。下限は特に限定しないが、生産性などを考慮すると、0.3mg/粒子以上が好ましい。 また本発明におけるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の気泡径は、型内発泡成形において金型の隅々までポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子が膨張し、かつ得られるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の収縮が小さいことから0.1〜0.8mmが好ましく、0.2〜0.5mmが更に好ましい。
【0044】
本発明におけるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の独立気泡率は、型内発泡成形において、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子間の融着性が良好で圧縮強度の高いポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を得やすいことから90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
【0045】
本発明のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、前記ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を閉塞しうるが密閉しえない金型に充填し、水蒸気で加熱して成形することにより得られる。
【0046】
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子からポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を成形するには、例えば、イ)発泡粒子を無機ガスで加圧処理して粒子内に無機ガスを含浸させ所定の粒子内圧を付与した後、金型に充填し、蒸気等で加熱融着させる方法(例えば、特公昭51−22951号)、ロ)発泡粒子をガス圧力で圧縮して金型に充填し粒子の回復力を利用して、蒸気等で加熱融着させる方法(例えば、特公昭53−33996号)、ハ)間隙を広げた金型に発泡粒子を充填した後、所定の間隙まで金型を閉じて充填した発泡粒子を圧縮し、蒸気等で加熱融着させる方法等の方法が利用しうる。
【0047】
以上のようにして得られたポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、発泡粒子の融着が良好であり衝撃を受けても割れにくく、成形体の寸法精度も良好である。
【実施例】
【0048】
次に、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0049】
〈ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の樹脂融点ピークの半値幅測定〉
示差走査熱量計法による結晶融解測定において、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子試料4〜10mgを40℃から210℃まで10℃/分の速度で昇温して行い、吸熱量が最大となるピークを融点ピークとする。そしてこの融点ピークからベースラインまで垂線を引き、ピーク高さの半分の位置での融点ピークの温度幅を、半値幅とした。なお、前記融点ピーク高さの半分の位置において結晶融解ピークが複数個存在する場合は、高温側ピークの高温側のカーブと、低温側ピークの低温側のカーブとの温度幅を、本発明における半値幅とした。
【0050】
〈樹脂の樹脂融点測定〉
示差走査熱量計法による測定において、発泡前の樹脂粒子試料4〜10mgを40℃から210℃まで10℃/分の速度で昇温して一旦融解し、次に210℃から40℃まで10℃/分の速度で冷却した後、再度40℃から210℃まで10℃/分の速度で昇温して融解した時に得られる吸熱曲線においてえられる吸熱量が最大となる結晶融解ピークを樹脂融点とした。
【0051】
〈粒子重量測定〉
試料となる予備発泡粒子を無作為に20粒を選定して総重量を測定し、20で除した値を粒子重量とした。
【0052】
〈発泡倍率測定〉
試料となる予備発泡粒子重量と、該試料をメスシリンダー中のエタノールに水没させてえられる容積から予備発泡粒子密度を算出し、基材樹脂密度を除して発泡倍率とした。
【0053】
〈型内発泡成形評価〉
DAISEN株式会社製KD−345を用い、ブロック金型にポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を充填した後、金型内の体積を27%減ずるように圧縮して金型の寸法を縦400mm×横300mm×厚み40mmとした後、まず0.1MPa(ゲージ圧)の水蒸気で金型内の空気を追い出し、その後0.20〜0.50MPa(ゲージ圧)の任意の圧力の加熱蒸気を用いて10秒間加熱成形させて、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を得た。えられたポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の表面にカッターで入れた約5mmの深さのクラックに沿ってポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を割り、破断面を観察して、予備発泡粒子の全個数に対する破壊粒子の割合を融着率として、融着率が75%以上となった最低の圧力(最低成形加熱蒸気圧力)でのポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体について、対金型収縮率を評価した。対金型収縮率は、成形直後の直方体形状であるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を75℃で15時間乾燥させた後、23±2℃で24時間放置した後、縦、横、厚みの寸法を測定して金型の寸法に対する収縮率を求め、縦、横、厚みそれぞれの収縮率を平均化した値を対金型収縮率とした。
【0054】
[実施例・比較例にて使用したポリプロピレン系樹脂]
〈PP−1〉
市販のエチレン−プロピレンランダム共重合体(融点131.7℃、230℃におけるメルトフローレート7g/10分、メルトテンション0.4g)
〈PP−2〉
市販のプロピレン単独重合体(融点164.2℃、230℃におけるメルトフローレート7g/10分、メルトテンション0.3g)
〈PP−3〉
市販のプロピレン単独重合体(融点160.4℃、230℃におけるメルトフローレート3g/10分、メルトテンション0.7g)100重量部とラジカル重合開始剤(t−ブチルパーオキシベンゾエート)0.25重量部をリボンブレンダーで混合した後、二軸押出機のホッパーから供給し、更にイソプレン0.5重量部を押出機途中から圧入して、シリンダー設定温度200℃にて溶融混練することにより得た、160.3℃の融点を有する、230℃のメルトフローレート0.3g/10分、メルトテンション13gの改質ポリプロピレン系樹脂。
【0055】
〈PP−4〉
PP−1 80重量部とPP−2 20重量部、ラジカル重合開始剤(t−ブチルパーオキシベンゾエート)0.2重量部をリボンブレンダーで混合した後、二軸押出機のホッパーから供給し、更にイソプレン1.0重量部を押出機途中から圧入して、シリンダー設定温度200℃にて溶融混練することにより得た、154.6℃と126.9℃の2つの融点を有する、230℃のメルトフローレート1.3g/10分、メルトテンション9gの改質ポリプロピレン系樹脂。
【0056】
〈PP−5〉
PP−1 80重量部とPP−2 20重量部、ラジカル重合開始剤(t−ブチルパーオキシベンゾエート)0.3重量部をリボンブレンダーで混合した後、二軸押出機のホッパーから供給し、更にイソプレン1.0重量部を押出機途中から圧入して、シリンダー設定温度200℃にて溶融混練することにより得た、155.7℃と127.8℃の2つの融点を有する、230℃のメルトフローレート0.6g/10分、メルトテンション11gの改質ポリプロピレン系樹脂。
【0057】
〈PP−6〉
PP−1 60重量部とPP−2 40重量部、ラジカル重合開始剤(t−ブチルパーオキシベンゾエート)0.3重量部をリボンブレンダーで混合した後、二軸押出機のホッパーから供給し、更にイソプレン1.0重量部を押出機途中から圧入して、シリンダー設定温度200℃にて溶融混練することにより得た、159.9℃の融点を有する、230℃のメルトフローレート0.7g/10分、メルトテンション11gの改質ポリプロピレン系樹脂。
【0058】
(実施例1)
PP−1 75重量部とPP−3 25重量部をハンドブレンドした後、二軸押出機にて混錬し、154.7℃の融点を有する、230℃のメルトフローレート5g/10分、メルトテンション8gのポリプロピレン系樹脂を得た。このポリプロピレン系樹脂100重量部に気泡核形成剤マスターバッチ(永和化成工業社製、EE275F)0.6重量部をハンドブレンドした後、φ65−90mmタンデム型押出機に供給し、200℃に設定した第1段押出機(φ65mm)中にて溶融させた後、発泡剤としてイソリッチブタン(イソ/ノルマル=85/15)を前記ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し12重量部圧入混合し、155℃に設定した第2段押出機(φ90mm)中で冷却し、φ0.8mmの18穴の細孔が円周上に配されたダイより大気圧下に吐出量30kg/時間で押出した。吐出された発泡ストランドをペレタイザーにて切断することにより、粒子重量1.2mg/粒子、発泡倍率24倍、独立気泡率95%のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得た。この予備発泡粒子の融点は155.7℃で、融点ピークの半値幅は24.5℃であり、型内発泡成形評価では最低成形加熱蒸気圧力は0.36MPa(ゲージ圧)であり、型内発泡成形体の対金型収縮率は2.2%であり、総合評価は○であった。評価結果を表1に示す。
【0059】
【表1】

【0060】
(実施例2)
押出発泡に使用するポリプロピレン系樹脂をPP−4に変更した以外は、実施例1と同様な方法により、粒子重量1.2mg/粒子、発泡倍率24倍、独立気泡率99%、融点が159.0℃で、融点ピークの半値幅が34.8℃のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得た。この予備発泡粒子の型内発泡成形評価における最低成形加熱蒸気圧力は0.32MPa(ゲージ圧)であり、型内発泡成形体の対金型収縮率は1.8%であり、総合評価は○であった。
【0061】
(実施例3)
押出発泡に使用するポリプロピレン系樹脂をPP−5に変更した以外は、実施例1と同様な方法により、粒子重量1.4mg/粒子、発泡倍率23倍、独立気泡率99%、融点は158.7℃の他に127.3℃のサブピークがあり、融点ピークの半値幅が42.0℃のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得た。この予備発泡粒子の型内発泡成形評価における最低成形加熱蒸気圧力は0.30MPa(ゲージ圧)であり、型内発泡成形体の対金型収縮率は1.7%であり、総合評価は○であった。
【0062】
(比較例1)
押出発泡に使用するポリプロピレン系樹脂をPP−3に変更し、第2段押出機の設定温度を158℃に変更した以外は、実施例1と同様な方法により、粒子重量1.3mg/粒子、発泡倍率24倍、独立気泡率99%、融点が157.9℃で、融点ピークの半値幅が11.6℃のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得た。この予備発泡粒子の型内発泡成形評価における最低成形加熱蒸気圧力は0.50MPa(ゲージ圧)であり、型内発泡成形体の対金型収縮率は2.9%であり、総合評価は×であった。
【0063】
(比較例2)
押出発泡に使用するポリプロピレン系樹脂をPP−6に変更した以外は、実施例1と同様な方法により、粒子重量1.2mg/粒子、発泡倍率25倍、独立気泡率99%、融点が161.2℃で、融点ピークの半値幅が12.5℃のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得た。この予備発泡粒子の型内発泡成形評価における最低成形加熱蒸気圧力は0.40MPa(ゲージ圧)であり、型内発泡成形体の対金型収縮率は2.5%であり、総合評価は×であった。
【0064】
(比較例3)
PP−1 40重量部とPP−2 60重量部をハンドブレンドした後、二軸押出機にて混錬し、163.5℃の融点を有する、230℃のメルトフローレート7g/10分、メルトテンション0.5gのポリプロピレン系樹脂を得た。このポリプロピレン系樹脂を用いて実施例1と同様に押出発泡を行ったが、細孔ダイから破泡しながら吐出され、発泡倍率1.5倍、独立気泡率0%の収縮した発泡体しか得られず、型内発泡成形評価には至らなかった。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の融点ピークの半値幅を求めるための、示差走査熱量計法における融点ピークの一例である。横軸は温度、縦軸は吸熱を表しており、吸熱量が最大となる融点ピークからベースラインまで垂線を引き、ピーク高さの半分の位置での融点ピークの温度幅を算出する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリプロピレン系樹脂を含んでなる基材樹脂および発泡剤を押出機に供給し、混練および冷却した後、細孔ダイを通じて低圧領域に押出し、細断して得られるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子にあって、該ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の示差走査熱量計法による結晶融解測定で融点ピークの半値幅が20℃以上であることを特徴とする、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子。
【請求項2】
基材樹脂が、融点が145℃以下のポリプロピレン系樹脂70重量%以上95重量%以下と、融点が155℃以上のポリプロピレン系樹脂5重量%以上30重量%以下を含んでなることを特徴とする、請求項1記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子。
【請求項3】
ポリプロピレン系樹脂が、融点が145℃以下のポリプロピレン系樹脂70重量%以上95重量%以下と、融点が155℃以上のポリプロピレン系樹脂5重量%以上30重量%以下、ラジカル重合性単量体、ラジカル重合開始剤を溶融混練して得られる改質ポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする、請求項1記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子。
【請求項4】
請求項1〜3何れか一項に記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を、閉塞しうるが密閉しえない金型に充填し、水蒸気で加熱して成形することによって得られることを特徴とするポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。

【図1】
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【公開番号】特開2009−256460(P2009−256460A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−106799(P2008−106799)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】