説明

ポリプロピレン製包装体

【課題】
【解決手段】本発明は、溶融して半液体状態になり易いペースト状製品、特にチーズに対する迅速な引裂き開口部を有する密封した矩形の平行六面体ポリプロピレン製包装体であって、適宜な輪郭外形に沿って切り且つ、製品を受け入れ、また、包装体を開けるための把持隅部2を提供する矩形の貝型形状をした第一のシート1と、カバーシートと、2つの引裂き片5、6とから成る包装体に関する。把持隅部2は、八角形の形状となるように切った第一のシートの側部の1つに形成された三角形の突起から成り、引裂き片5、6は、尖ったU字形の形状を形成し、その先端は、上記三角形の突起内に配置され、これにより容易に且つ、簡単に開けることを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引裂くことにより迅速に開封可能であり、ポリプロピレンから成る矩形の平行六面体形状を有し、チーズ等の半流動状態となりうる半固体製品を包装するのに適した漏洩防止包装体であって、第1のシートと第2のシートの2つの薄いシートと、2つの引裂き片とから構成され、前記第1のシートは、製品を受け入れる矩形の殻体を形成するように適切な輪郭に切り取られており、かつ、包装体を開封するための引張り隅部を備え、前記第2のシートは、少なくとも前記殻体の底部の寸法となるように切り取られており、前記製品上に平らに配置され、前記殻体の側部がその上に折り重ねられ、前記引張り隅部を自由にした状態で熱密封されるためのものであり、前記2つの引裂き片は、前記引張り隅部が引っ張られたときに引き出されるように、前記第1のシート上に配置され且つ前記第1のシートに固定される包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
この型式の包装体は、フランス国特許明細書FR 2 499 025号から既知である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この包装体において、第一のシートには、2つの平行な引裂き片が設けられ、引張り隅部は、切ったシートの側部の一方の2つの半体を45゜折り重ねることにより形成される。この折り重ねの効果は、2つの引裂き片の端部を引張り隅部の端部から相対的に離れた熱密封領域に持ってくることである。引張り隅部が引っ張られたとき、引裂き片に牽引力を作用させる前に、引張り隅部が引裂かれてしまい、その結果、包装体を開けることができない虞れがある。
【0004】
隅部が同様に2つの45゜の折り重ね部により形成される上述した包装体に由来する包装体において、平行な引裂き片は、包装体の中心部に接近し、上記中心部に向けて拡大部を提供し、これら平行な引裂き片は、隅部が形成される間、引張り隅部の端部に極めて近い位置に配置される。しかし、45゜折り重ねた隅部の側部の部分は第二のシートに熱密封され、引裂きに対するより大きい抵抗を提供する折重ね部を形成する。かかる包装体は、ポリエチレン(PP)で出来たものであるとき、この折り重ね部のため、引裂くことは極めて難しく、このことが該包装体が延伸ポリプロピレン(OPP)で出来ている理由である。
【0005】
フランス国特許明細書FR 2 362 765号には、調節フォークの形態をした引裂き片が設けられ、引裂く目的のための引張り舌片を形成する極めて短いハンドルを有する、矩形の平行六面体の形態をした包装体が開示されている。該短い舌片を保持することは容易ではない。
【0006】
本発明の1つの目的は、ポリプロピレン(PP又はOPPであるかを問わず)で出来た包装体を開けることを容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の包装体は、八角形の形状となるように切った第一のシートの側部の一方に形成された三角形の突起により引張り隅部が形成され、引裂き片は尖ったU字形を形成し、その先端は上記三角形の突起内に配置されることを特徴とする。
【0008】
このように、引張り隅部を保持したとき、2つの引裂き片もまた保持され、折り重ね部の抵抗を受けることなく包装体を開けることができる。
引張り隅部が設けられた第一のシートの側部は2つの引裂き開始部を提供することが望ましい。引裂き開始部は、引張り隅部の側部を伸ばし得るように配置された切欠き部により構成されることが好ましい。
【0009】
引裂き片は、外部から隠れるように殻体内に配置されることが好ましく、また、該引裂き片は、包装体を完全に開けることを可能にし得るよう殻体の底部の側部に沿って伸びている。
【0010】
殻体を形成し且つ、その内部に製品を包装するため、必要な適応を加えつつ、スイス国特許明細書CH 690 996号(欧州特許明細書0 803 439号)に記載された方法及び装置を使用することが可能である。
【0011】
第一のシートの側部は、2つの異なる技術を使用して第二のシートに折り重ねることができる。引裂き片の両側部に配置された殻体の側部は、他方の2つの側部に折り重ねられるよう最後に折り重ねるか、又は、他方の2つの側部の下方に折り重ねられるよう最初に折り重ねることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の1つの実施の形態は、単に一例として添付図面に示されている。
図1には、ほぼ正八角形の形状となるように切ったポリプロピレン(PP)のシート1が示されており、その辺の1つは、その中間部に三角形の形状の突起を提供し、三角形の辺は八角形の面の内部に伸びる2つの切欠き3、4によって伸びるようにされ、これら切欠き部は引裂き開始部を形成する。ポリエチレンテレフタレート(PET)で出来た2つの引裂き片5、6は、予め所要の形状となるように切り且つ、熱密封によりシート1に固定されており、このため、片の角度付き部分5a、6aは三角形の突起2にて合体する。このように、2つの引裂き片5、6は、その先端が三角形の突起2とほぼ一致する尖ったU字形の形状を形成する。2つの片5、6を使用することに代えて、U字形の形状となるように切った単一の片を使用することも勿論、可能である。
【0013】
例えば、スイス国特許明細書CH 690 996号に記載された型式のマンドレル及び押し具により、シート1には図面2に示したような矩形の平行六面体の形状が与えられる。主要な折り重ね線は、図1に細線として描かれている。これらの折り重ね線は殻体の側壁A、B、C、Dを形成する。殻体の垂直端縁を形成するため、面A、B、C、Dの間に配置されたシート1の部分は、八角形の相応する辺に対し垂直に伸びる鎖線で示した折り重ね線7に沿って折り重ねられる。線7の周りにて折り重ね且つ面A、Cに対して平坦にすることは、図2に示すように、フラップ部分E、F、G、Hを形成する作用を果たす。この殻体の形状とすることは、折り重ね部を保持し得るよう熱プレス加工通路内にてプレス加工することにより行われる。折り重ねた部分を重ね合わせ且つ熱密封する。
【0014】
次に、図2に示したような殻体は、包装のため適宜に測定した量の製品を受け入れる。このように、殻体はその高さの約2/3までのみ充填される。
その後、PPで出来たシート8は製品上の所要の位置に配置し、使用される折り重ね技術に依存して、シート8は、矩形又は四角形の形状をしている。
【0015】
図3に示した第一の折り重ね技術において、第二のシート8は矩形である。引裂き片5、6に対し平行に、その幅は殻体の底部における幅に等しく、このためその長さは底辺よりも長く、面A、Cの上方に位置し、これにより密封効果を向上させる。シート8が所要位置に配置された後、シート8の上方に配置された面B、Dのこれらの部分は、最初にシート8上の所要位置に折り重ねられ、その後、他の2つの面A、Cが折り重ねられる。このように、折り重ねた部分I、Jは折り重ねた部分K、Lの上方に位置する。この折り重ねが行われる間、三角形の突起2の寸法は、その辺が折り重ねた部分I、Jの45゜の側部を通って伸びるようなものとする。
【0016】
しかし、部分I、Jを最初に折り重ね、その後に、部分K、Lを折り重ねることが可能である。このことは図4に示した外観を生じさせる。しかし、この折り重ねは、フラップF、Hの頂部パネルに対し追加的な45゜の折り重ね部を与え、引裂き片5、6に対する通路を解放することを必要とする。
【0017】
これらの折り重ね工程は、折り重ね部が維持されることを保証し得るよう熱工具を使用して行われる。次に、殻体及びカバーシート8は熱プレス内にて熱密封される。最後の折り重ね工程からの2つのフラップをプレス内にて平坦に折り重ね、これらフラップは、ポリプロピレン膜の記憶特性を考慮し、チーズからの熱の影響により展開しないことを保証する。
【0018】
この熱密封の間、三角形の突起2の少なくとも端部は、自由なままとされ、このため、包装体を開封するために、把持して引っ張るための隅部を構成する。
使用した膜は、OPP又はPPにて等しく良好に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】切ったままであり且つ、折り重ねる前の第一のシートを示す図である。
【図2】包装のため製品を受け入れる準備ができた殻体となるように形成された第一のシートを示す図である。
【図3】第一の折り重ね技術を使用して完成させた包装体を示す図である。
【図4】第二の折り重ね技術を使用して完成させた包装体を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引裂くことにより迅速に開封可能であり、ポリプロピレンから成る矩形の平行六面体形状を有し、チーズ等の半流動状態となりうる半固体製品を包装するのに適した漏洩防止包装体であって、
第1のと第2の2つの薄いシート(1、8)と、2つの引裂き片(5、6)とから構成され、
前記第1のシート(1)は、製品を受け入れる矩形の殻体を形成するように適切な輪郭に切り取られており、かつ、包装体を開封するための引張り隅部(2)を備え、
前記第2のシート(8)は、少なくとも前記殻体の底部の寸法となるように切り取られており、前記製品上に平らに配置され、前記殻体の側部(A、B、C、D)がその上に折り重ねられ、前記引張り隅部(2)を自由にした状態で熱密封されるためのものであり、
前記2つの引裂き片(5、6)は、前記引張り隅部(2)が引っ張られたときに引き出されるように、前記第1のシート上に配置され且つ前記第1のシートに固定され、
前記引張り隅部(2)は、八角形状に切り取られた前記第1のシートの一側部に形成された三角形状の突起部から形成され、
前記引裂き片(5、6)は、尖端部を有するU字形を形成し、前記尖端部は、前記三角形状の突起部内に配置されている、漏洩防止包装体。
【請求項2】
前記第1のシート(1)の前記引張り隅部(2)が設けられた側部は、2つの引裂き開始部(3、4)を備えている請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
前記引裂き開始部(3、4)は、前記引張り隅部の側部を伸ばし得るように配置された切欠き部により構成される請求項2に記載の包装体。
【請求項4】
前記引裂き片(5、6)は、前記殻体内に配置され、前記殻体底部の2つの底部に沿って延びている請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の包装体。
【請求項5】
前記引裂き片の両側の側部上に配置された前記殻体の側面(A、C)は、前記引き裂き片の他の側部の折り畳まれた部分の上に、折り重ねられる請求項1から請求項4の何れか一つに記載の包装体。
【請求項6】
前記殻体の前記引裂き片に対して横方向に延びる前記殻体の側面(B、D)は、前記殻体の他の2つの側面の折り畳まれた部分の上に、折り重ねられる請求項1から請求項4の何れか一つに記載の包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−508868(P2006−508868A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−558165(P2004−558165)
【出願日】平成15年12月3日(2003.12.3)
【国際出願番号】PCT/FR2003/003577
【国際公開番号】WO2004/052753
【国際公開日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(500167009)
【Fターム(参考)】