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ポリペプチド発現細胞の同定及び単離の方法
説明

ポリペプチド発現細胞の同定及び単離の方法

本発明は、新規ポリペプチド類及びポリペプチド類を含む細胞に関する。ポリペプチド類及び細胞は、特異的生物機能を有するタンパク質を生成する細胞を同定及び/又は単離するための方法に使用される。特に、本方法は、抗原特異的モノクロナール抗体を生成する細胞を同定、選択、及び単離するために使用されることができる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2010年2月12日に提出した米国仮出願第61/304,251号及び2011年1月31日に提出した米国仮出願第61/437,889号に基づく優先権を享受するものであり、各仮出願は、参照によりその全体が本明細書に取り込まれる。
【0002】
本発明の分野は、概して、新規ポリペプチド類及びポリペプチド類を含む細胞に関連する。本発明はまた、ポリペプチド類を発現する細胞を同定及び/又は単離する方法において、ポリペプチド類を使用することに関する。本方法は、抗原特異的モノクロナール抗体を生成する細胞を同定及び単離するために使用してもよい。
【背景技術】
【0003】
1970年代にモノクロナール抗体の技術が開発されて以来、モノクロナール抗体は次第に治療薬剤の中で重要なクラスとなった。ハイブリドーマ技術は今でも、モノクロナール抗体生成のために最も一般的に使用されている方法である。モノクロナール抗体は、正常な抗体生成B細胞を不死の骨髄腫細胞又はその他の不死細胞と融合させることにより作られるハイブリドーマ細胞から分泌される。モノクロナール抗体開発法には、通常、対象の抗原に結合する抗体を生成するハイブリドーマを同定するため、数サイクルの上清スクリーニングが含まれる。
【0004】
対象の抗原に対するモノクロナール抗体を生成するハイブリドーマの同定は、典型的には、ELISAスクリーニングにより達成される。ハイブリドーマライブラリーから無作為に抽出したハイブリドーマクローンのプールにより生成される上清液をスクリーンすることは可能だが、本方法には限界がある。なぜなら、個別クローンを単離するためには、その後、ポジティブプール(複数を含む)の希釈液を制限しなければならず、それから、全クローンを再スクリーンする必要がある。ある場合においては、ハイブリドーマは、スクリーン対象の個別クローンを大量に生成する第一ステップとして希釈液を制限することによりクローン化される。希釈ステップを制限することを含む任意の方法には問題がある。なぜなら、その方法では時間がかかり、かつ多くの労力を要するからだ。さらに、ある状況においては、所望のクローンがハイブリドーマライブラリー中に占める割合は極端に少なく、そのため希少クローンの同定が困難である。加えて、ELISAスクリーニング方式は、単一の抗原との結合活動を同定するのであって、モノクロナール抗体が2つ以上の抗原と結合するかどうかを判断するためには、異なる個別抗原に対し、ELISAスクリーニングを複数回連続して実施しなければならない。
【0005】
抗体を生成する細胞が、抗体産生細胞自体が直接同定できるようにする様式(例えば、細胞の表面)で抗体を保有するならば、有利となるであろう。この戦略は、なぜファージディスプレイ技術が成功しているのかを示す1つの理由である。事実、正常なB細胞は膜結合免疫グロブリンを作り、この分子は、抗原との結合に反応してシグナルを発するB細胞受容体複合体のコア構成要素である。天然膜結合抗体の存在は、以前より、ハイブリドーマを直接単離する試みにおいて使用されてきた(Parksら 1979、PNAS,76:1962−1966を参照のこと)。しかし、膜結合抗体のレベルが極端に低いため、本方法には限界がある。この目標の推進のため、他にも複数の技法が開発されてきた。そのうちの1つの方法として、ビオチン化アガロース微小滴で細胞を包み、その後ひき続きアビジン及びビオチン化抗マウスIgGで懸濁液滴をインキュベートする、「分泌物捕捉記録網(secretion capture report web(SCRW))」がある。アビジンは、細胞が分泌した抗体を捕捉する滴内に捕捉場所を形成するために、ビオチン化アガロースとビオチン化抗マウス抗体との間のブリッジとして機能する。これら抗体含有微小滴は、レポーター(例えば、蛍光標識抗原)との結合能力についてスクリーニングが可能であり、この液滴は、フローサイトメトリにより単離することができる(Kenneyら、1995、ネイチャーバイオテクノロジー(Nature Biotechnology)8:787−90; Grayら、1995、J. Immunol. Methods 182:155−63を参照のこと)。他の方法は、分泌されたタンパク質又は細胞表面の抗体を一時的に捕捉する能力に基づいている。「捕捉された」タンパク質又は抗体は、レポーター分子(例えば、蛍光標識抗原)の結合により細胞の表面上で検出され得、また、例えばフローサイトメトリにより単離され得る(例えば、米国特許第6,919,183号及び第7,166,423号、米国特許出願第2010/0009866号を参照のこと)。
【0006】
これら技法にはそれぞれ限界がある。アガロース微小滴技法は、技術的に困難であり、アガロース微小滴を生成するための特別な装置が必要である。さらに、細胞はカプセル化過程に対し感受性が高い。細胞表面捕捉法では、対象のハイブリドーマ細胞により生成された抗体と他のハイブリドーマ細胞により生成された抗体の区別は十分ではない。隣接する細胞間で対象の抗体又はタンパク質を融合することは問題となり得る。例えば、抗体は、それを生成する細胞上の捕捉分子から分離することがあり得、異なる抗体を生成する細胞に拡散し、捕捉されることもあり得る。よって、場合によっては、本方法では、発現細胞から離れたタンパク質又は抗体への拡散を削減するために高粘度媒体が必要とされる。さらに、ハイブリドーマにより生成される抗体の全てが、実際に細胞表面上で捕捉されるのではなく、こうした過剰抗体は媒体に分泌され、そこで、無作為抽出された他のハイブリドーマ細胞上で捕捉分子に容易に結合し得る。従って、抗原特異的モノクロナール抗体を生成する細胞を同定及び選択するための新規の方法及び/又は改良された方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、新規のポリペプチド類及びポリペプチド類を含む細胞、並びに、ポリペプチド類を生成する細胞を同定及び/又は選択するために、ポリペプチド類、細胞及び細胞ライブラリーの利用法について詳述するものである。特に、本発明は、抗原特異的モノクロナール抗体を生成する細胞の同定及び単離のために使用され得る。本発明は、単一の抗原結合部位を含む膜結合ヘテロ二量体分子が、細胞表面に発現される方式を提供する。単一の抗原結合部位は、細胞により生成される抗体の結合特異性を表す。ヘテロ二量体分子は、分泌された抗体を「結合」しないため、1つの細胞が別の細胞の表面上で結合又は存在することにより生成される抗体に関しては、問題は限定的であるか、又は全く問題ない。本明細書に記載の本方法及びコンストラクトは、「Membrane−MAb」又は「Membrane−MAb技法」及び「Membrane−MAbコンストラクト」と称される。新規のポリペプチドコンストラクトは、免疫グロブリンタンパク質又は非免疫グロブリンタンパク質由来の二量体形成ドメイン及び膜貫通領域を含むポリペプチドを含む。ある実施形態では、新規のポリペプチドコンストラクトには、免疫グロブリンタンパク質又は非免疫グロブリンタンパク質由来の二量体形成領域及び膜貫通領域を含むポリペプチドが含まれる。いくつかの実施形態では、新規のポリペプチドコンストラクトには、CH2ドメイン及びCH3ドメインを含む免疫グロブリン重鎖定常領域、及び免疫グロブリンタンパク質又は非免疫タンパク質由来の膜貫通領域が含まれる。いくつかの実施形態では、新規のポリペプチドコンストラクトには、CH2ドメイン及びCH3ドメインを含む免疫グロブリン重鎖定常領域及びGPI(グリコシルホスファチジルイノシトール)膜アンカーが含まれる。細胞が、ポリペプチドと、例えば、免疫グロブリン重鎖の双方を発現する場合、ポリペプチド類は、細胞の表面に発現される一価抗体を含む、ヘテロ二量体分子を生成するために結合する。ヘテロ二量体分子は、抗体結合タンパク質ではなく、それ自体は、分泌される抗体と結合もせず、又は捕捉もしない。Membrane−MAb戦略の非限定的実施例を図1Cに示した。これを従来のハイブリドーマ技法(図1A)及び表面捕捉法(図1B)の例と比較する。
【0008】
1つの態様では、本発明は、第2のポリペプチドを有するヘテロ二量体分子を形成でき、第1のポリペプチドが膜結合性であり、ヘテロ二量体分子が細胞の表面上に発現される、ポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには、(a)二量体形成ドメインを含む細胞外部分、及び(b)膜貫通部が含まれる。いくつかの実施形態では、二量体形成ドメインには、Fc領域、免疫グロブリン定常領域、ロイシンジッパー、又はイソロイシンジッパーが含まれるが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、二量体形成ドメインは、通常二量体構造若しくは多量体構造を形成する受容体、インテグリン、又は任意の分子から採取したのでもよい。二量体形成ドメインは、例えば、免疫グロブリン、LFA−1、GPIIIb/IIIa)、神経成長因子(NGF)、ニューロトロフィン−3(NT−3)、インターロイキン−8(IL−8)、IL−8受容体、血管内皮増殖因子(VEGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、FOS、Jun、NFkB、Ras、Raf、CD4、Bcl−2、Myc及びMetから採取したのでもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、ポリペプチドには、(a)免疫グロブリン重鎖定常領域を含む細胞外部位、及び(b)膜貫通部が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには、(a)CH2ドメイン及びCH3ドメインを含む免疫グロブリン重鎖定常領域を含む細胞外部位、及び(b)非免疫グロブリン膜貫通部が含まれる。いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域には、少なくともヒンジ領域、CH2ドメイン及びCH3ドメインの部位が含まれる。いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域にはFc領域が含まれる。いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域は、IgG、IgA、IgD、IgE、若しくはIgM抗体又はそのサブタイプ由来である。ある実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域は、IgG1又はIgG2抗体由来である。いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域は、マウス免疫グロブリン重鎖定常領域である。いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域は、ヒト免疫グロブリン重鎖定常領域である。いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域には、配列番号2、配列番号4、配列番号6、又は配列番号8が含まれる。
【0010】
いくつかの実施形態では、本発明のポリペプチド類には膜貫通部が含まれる。いくつかの実施形態では、膜貫通部には、免疫グロブリンタンパク質又は非免疫グロブリンタンパク質由来の膜貫通ドメインの少なくとも一部が含まれる。いくつかの実施形態では、膜貫通部はヒトタンパク質由来である。ある実施形態では、膜貫通部はマウスタンパク質由来である。いくつかの実施形態では、膜貫通部は、B細胞免疫グロブリンタンパク質由来である。いくつかの実施形態では、膜貫通部は、マウスB細胞免疫グロブリンタンパク質由来である。いくつかの実施形態では、膜貫通部は、ヒトB細胞免疫グロブリンタンパク質由来である。いくつかの実施形態では、膜貫通部は、CD4、CD8、クラスIMHC、クラスIIMHC、CD19、T細胞受容体α及びβ鎖、CD3、zeta鎖、ICAM1(CD54)、ICAM2、ICAM3、ICAM4、ICAM5、CD28、CD79a、CD79b、及びCD2から成る群から選択されるタンパク質由来である。ある実施形態では、膜貫通部は、CD4タンパク質由来である。ある実施形態では、膜貫通部は、マウスCD4タンパク質由来である。ある実施形態では、膜貫通部は、ヒトCD4タンパク質由来である。ある実施形態では、膜貫通部には、配列番号13又は16が含まれる。いくつかの実施形態では、膜貫通部には、細胞内領域(ICD)がさらに含まれる。いくつかの実施形態では、膜貫通部には、配列番号14、配列番号15、又は配列番号17が含まれる。
【0011】
いくつかの実施形態では、本発明のポリペプチド類には、GPI膜アンカーが含まれる。いくつかの実施形態では、GPI膜アンカーは、CD52、CD55、CD58及びCD59から成る群から選択されるタンパク質から得られる。
【0012】
いくつかの実施形態では、本発明のポリペプチド類には、検出又は「レポーター」分子が含まれる。いくつかの実施形態では、この検出又はレポーター分子は、蛍光タンパク質、生物発光タンパク質、又はその変異体である。ある実施形態では、検出又はレポーター分子は、緑色蛍光タンパク質(GFP)又はその変異体である。
【0013】
よって、いくつかの実施形態では、本発明のポリペプチド類には、IgG−CH2−CH3ドメイン及び膜貫通ドメインが含まれる。ある実施形態では、ポリペプチドには、IgG−CH2−CH3定常領域、膜貫通ドメイン、及びGFPが含まれる。
【0014】
いくつかの実施形態では、本発明のポリペプチド類は膜結合性であり、及び免疫グロブリン重鎖定常領域は細胞の表面上に発現されている。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには免疫グロブリン重鎖可変領域が含まれない。ある実施形態では、ポリペプチドには、抗原結合部位が含まれない。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、第2のポリペプチドとヘテロ二量体分子を形成することができる。ある実施形態では、第2のポリペプチドには、免疫グロブリンFc領域が含まれる。ある実施形態では、第2のポリペプチドには、免疫グロブリン重鎖が含まれる。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドにはさらに、免疫グロブリン軽鎖が含まれる。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドには、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖の双方を有する単鎖免疫グロブリンが含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、第2のポリペプチドと少なくとも1つのジスルフィド結合を形成することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、本発明のポリペプチドには、配列番号10、配列番号12、又は配列番号28が含まれる。いくつかの実施形態では、本発明のポリペプチドには、配列番号22、配列番号23、又は配列番号26が含まれる。ある実施形態では、本発明のポリペプチドには、配列番号30、配列番号31、又は配列番号32が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは配列番号9、配列番号11、又は配列番号29を含む配列によりコードされる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号24、配列番号25、又は配列番号27を含む配列によりコードされる。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、本明細書に記載の任意のポリペプチドを発現する。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、本明細書に記載の任意のポリペプチドを生成する。
【0016】
別の態様では、本発明は、ヘテロ二量体のポリペプチド分子を提供する。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体のポリペプチド分子には、(a)(i)二量体形成ドメインを含む細胞外部分及び(ii)膜貫通部の両者を含んだ第1のポリペプチド、並びに(b)二量体形成ドメインを含んだ第2のポリペプチドが含まれる。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体分子には、免疫グロブリン重鎖を含む第1のポリペプチドが含まれる。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体分子には、免疫グロブリン重鎖を含む第2のポリペプチドが含まれる。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドに免疫グロブリン軽鎖がさらに含まれる。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドには、免疫グロブリン重鎖と免疫グロブリン軽鎖の双方を有する単鎖免疫グロブリンが含まれる。いくつかの実施形態では、第1のポリペプチドは、第2ポリペプチドと少なくとも1つのジスルフィド結合を形成する。
【0017】
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の任意のポリペプチド類を含む抗体分子を提供する。いくつかの実施形態では、抗体分子はヘテロ二量体分子である。ある実施形態では、抗体分子にはさらに、(a)免疫グロブリン重鎖、及び(b)免疫グロブリン軽鎖が含まれる。いくつかの実施形態では、抗体分子にはさらに、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を有する単鎖免疫グロブリンが含まれる。いくつかの実施形態では、抗体分子のポリペプチドは、免疫グロブリン重鎖−軽鎖のペアのFc領域と少なくとも1つのジスルフィド結合を形成する。いくつかの実施形態では、抗体分子には単一抗原結合部位(例えば、一価の)が含まれる。
【0018】
1つの態様では、本発明は、本明細書に記載の任意のポリペプチド類をコードするポリヌクレオチドを提供する。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドには、配列番号9、配列番号11、又は配列番号29が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドには、配列番号24、配列番号25、又は配列番号27が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドはベクターに含まれる。いくつかの実施形態では、宿主細胞にはポリヌクレオチド又はベクターが含まれる。いくつかの実施形態では、宿主細胞には、本明細書に記載の任意のポリペプチド又は抗体分子が含まれる。
【0019】
1つの態様では、本発明は、宿主細胞及び本明細書に記載のポリペプチドを含む宿主細胞を生成する方法を提供する。いくつかの実施形態では、宿主細胞を生成する方法には、(a)免疫グロブリン重鎖定常領域を含む細胞外部分及び(b)膜貫通部の両者を含んだポリペプチドをコードするポリヌクレオチドで細胞を形質移入することが含まれる。いくつかの実施形態では、形質移入された細胞はポリペプチドを発現する。いくつかの実施形態では、細胞は一時的に形質移入される。別の実施形態では、細胞は安定的に形質移入される。いくつかの実施形態では、本方法には、ポリペプチド発現を検出することがさらに含まれる。ある実施形態では、本方法には、細胞の表面上のポリペプチド発現を検出することがさらに含まれる。いくつかの実施形態では、本方法には、細胞の表面上のポリペプチド発現を検出することがさらに含まれる。他の実施形態では、本方法には、細胞の表面上にポリペプチドを発現する細胞を単離することがさらに含まれる。いくつかの実施形態では、細胞は哺乳動物の細胞(例えば、ヒト細胞又はマウス細胞)である。いくつかの実施形態では、細胞は融合パートナー細胞株である。
【0020】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載の方法により生成される宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態では、細胞には、本明細書に記載の任意のポリペプチド類をコードするポリヌクレオチドが含まれる。いくつかの実施形態では、細胞には、本明細書に記載の任意のポリペプチド類が含まれる。ある実施形態では、細胞は、(a)免疫グロブリン重鎖定常領域を含む細胞外部分、及び(b)膜貫通部の両者を含んだポリペプチドを発現する。
【0021】
別の態様では、本発明の細胞は、膜結合性ヘテロ二量体分子を生成するために使用してもよい。いくつかの実施形態では、細胞には、(a)(i)免疫グロブリン重鎖定常領域を含む細胞外部分、及び(ii)膜貫通部の両者を含んだ膜結合性ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、並びに(b)少なくとも1つの追加ポリペプチドをコードする、少なくとも1つの追加ポリヌクレオチドが含まれる。いくつかの実施形態では、追加ポリペプチドには、CH2ドメイン及びCH3ドメインを含む免疫グロブリン重鎖定常領域が含まれる。いくつかの実施形態では、追加ポリペプチドにはFcドメインが含まれる。いくつかの実施形態では、追加ポリペプチドには、免疫グロブリン重鎖及び/又は免疫グロブリン軽鎖が含まれる。いくつかの実施形態では、加ポリペプチドには抗体が含まれる。いくつかの実施形態では、追加ポリペプチドには単鎖抗体が含まれる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加ポリペプチドには、無作為抽出のポリペプチド類が含まれる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加ポリペプチドは、変異誘発されたポリペプチド類が含まれる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加ポリペプチドには、ポリペプチド類のライブラリーが含まれる。いくつかの実施形態では、追加ポリペプチド類は細胞から分泌される。他の実施形態では、膜結合性ポリペプチドは、膜結合性ヘテロ二量体分子を形成するために、追加ポリペプチドと少なくとも1つのジスルフィド結合を形成する。
【0022】
1つの態様では、本発明は、細胞の表面上に膜結合性ヘテロ二量体分子を発現するハイブリドーマ細胞の製造方法を提供する。いくつかの実施形態では、ハイブリドーマ細胞の製造方法には、細胞を抗体産生細胞と融合させることが含まれ、細胞には、(a)免疫グロブリン重鎖定常領域を含む細胞外部分、及び(b)膜貫通部の両者を含んだ、膜結合性ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが含まれる。いくつかの実施形態では、融合されたハイブリドーマ細胞は、細胞の表面上にヘテロ二量体抗体分子を発現する。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞は、抗体産生細胞集団である。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞は、未処理動物由来である。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞は、免疫化動物由来である。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞には、B細胞、プラズマ細胞、ハイブリドーマ、骨髄腫、及び組換え細胞が含まれるが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞には複数のポリヌクレオチドが含まれる。いくつかの実施形態では、複数のポリヌクレオチドは、複数のポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、複数のポリペプチドには、免疫グロブリン重鎖定常領域が含まれる。いくつかの実施形態では、複数のポリペプチドには、免疫グロブリン重鎖及び/又は免疫グロブリン軽鎖が含まれる。いくつかの実施形態では、複数のポリペプチドには、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を有する単鎖免疫グロブリンが含まれる。いくつかの実施形態では、複数のポリペプチドには、無作為抽出されたポリペプチドライブラリーが含まれる。いくつかの実施形態では、複数のポリペプチドにはDNAライブラリーが含まれる。いくつかの実施形態では、DNAライブラリーは、未処理動物の細胞から生成される。いくつかの実施形態では、DNAライブラリーは、免疫化動物の細胞から生成される。いくつかの実施形態では、DNAライブラリーは、cDNAライブラリーである。いくつかの実施形態では、融合細胞には、複数のヘテロ二量体抗体分子を発現するハイブリドーマ細胞集団が含まれる。
【0023】
1つの態様では、本発明は、ハイブリドーマ又は本明細書に記載の任意の方法により作られたハイブリドーマライブラリーを提供する。
【0024】
別の態様では、本発明は、細胞ライブラリー及び本明細書に記載のポリペプチド類を含む細胞ライブラリーの製造方法を提供する。いくつかの実施形態では、細胞ライブラリーの製造方法には、細胞を複数のポリヌクレオチドで形質移入することが含まれ、細胞には、(a)免疫グロブリン重鎖定常領域、及び(b)膜貫通部の両者を含んだポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが含まれる。いくつかの実施形態では、形質移入された細胞は、形質移入された複数の細胞の表面上にヘテロ二量体分子を発現する。いくつかの実施形態では、複数のポリヌクレオチドは複数のポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、複数のポリペプチドの各ポリペプチドには、免疫グロブリンFc領域が含まれる。いくつかの実施形態では、複数のポリペプチドには、複数の無作為抽出ポリペプチドが含まれる。いくつかの実施形態では、複数のポリペプチドの各ポリペプチドには、(a)免疫グロブリンFc領域、及び(b)無作為抽出ポリペプチドが含まれる。他の実施形態では、複数のポリペプチドに、免疫グロブリン重鎖及び/又は免疫グロブリン軽鎖が含まれる。他の実施形態では、複数のポリペプチドに、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を有する単鎖免疫グロブリンが含まれる。いくつかの実施形態では、複数のポリヌクレオチドにはDNAライブラリーが含まれる。いくつかの実施形態では、DNAライブラリーは、未処理動物の細胞から生成される。いくつかの実施形態では、DNAライブラリーは、免疫化動物の細胞から生成される。他の実施形態では、DNAライブラリーは、無作為抽出された複数のポリペプチドをコードする。他の実施形態では、DNAライブラリーは、複数のポリペプチドをコードし、各ポリペプチドには、(a)免疫グロブリンFc領域、及び(b)無作為抽出ポリペプチドが含まれる。
【0025】
1つの態様では、本発明は、本明細書に記載の任意の方法により作られる細胞ライブラリーを提供する。
【0026】
別の態様では、本発明は、特異的抗体を生成する細胞を同定する方法を提供する。いくつかの実施形態では、特異的抗体を生成する細胞を同定する方法には、(a)免疫グロブリン重鎖定常領域を含む細胞外部分、及び(b)膜貫通部の両者を含んだポリペプチド含有細胞を抗体産生細胞と融合させて、ハイブリドーマ細胞集団を生成することが含まれる。いくつかの実施形態では、ハイブリドーマ細胞は、細胞の表面上にヘテロ二量体分子を発現する。いくつかの実施形態では、本方法には、ハイブリドーマ細胞集団を検出分子(例えば、対象の標的)と接触させることが含まれる。いくつかの実施形態では、本方法には、検出分子と結合するハイブリドーマ細胞を同定することが含まれる。いくつかの実施形態では、本方法には、検出分子と結合する細胞を単離することが含まれる。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞は未処理動物由来である。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞は免疫化動物由来である。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞はヒト細胞である。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞は、マウス細胞である。ある実施形態では、抗体産生細胞は、B細胞、プラズマ細胞、ハイブリドーマ、骨髄腫、又は組換え細胞である。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞には、複数のポリペプチドが含まれる。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞には、複数のポリヌクレオチドが含まれる。実施形態では、複数のポリヌクレオチドは、免疫グロブリン重鎖、及び/又は免疫グロブリン軽鎖を含む複数のポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、複数のポリヌクレオチドは、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を有する単鎖免疫グロブリンを含む複数のポリペプチドをコードする。他の実施形態では、複数のポリヌクレオチドにはDNAライブラリーが含まれる。いくつかの実施形態では、DNAライブラリーは未処理動物の細胞から生成される。いくつかの実施形態では、DNAライブラリーは、免疫化動物の細胞から生成される。
【0027】
いくつかの実施形態では、抗体産生細胞から作られる抗体は、組換え抗体、モノクロナール抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体又は抗体断片である。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞が作る抗体は、IgA、IgD、IgE、IgG若しくはIgM抗体又はそのサブタイプである。
【0028】
いくつかの実施形態では、検出分子(例えば、対象の標的)は、タンパク質又はその断片である。いくつかの実施形態では、検出分子は対象の抗原である。いくつかの実施形態では、検出分子は標識化されている。ある実施形態では、検出分子と結合する細胞は、フローサイトメトリにより同定される。いくつかの実施形態では、検出分子と結合する細胞は、蛍光活性化細胞選別(FACS)により単離される。
【0029】
いくつかの実施形態では、特異的抗体を生成する細胞を同定する本方法には、(a)免疫グロブリン重鎖定常領域を含む細胞外部分、及び(b)膜貫通部の両者を含んだポリペプチド含有細胞を、少なくとも1つのポリヌクレオチドで形質移入させることが含まれる。いくつかの実施形態では、形質移入された細胞は、細胞の表面上にヘテロ二量体分子を発現する。いくつかの実施形態では、本方法には、形質移入された細胞を検出分子(例えば、対象の標的)と接触させることが含まれる。いくつかの実施形態では、本法には、検出分子と結合する細胞を同定することが含まれる。いくつかの実施形態では、本方法には、検出分子と結合する細胞を単離することが含まれる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポリヌクレオチドに複数のポリヌクレオチドが含まれる。いくつかの実施形態では、複数のポリヌクレオチドは、免疫グロブリン重鎖、及び/又は免疫グロブリン軽鎖を含む複数のポリペプチドをコードする。他の実施形態では、複数のポリヌクレオチドには、DNAライブラリーが含まれる。いくつかの実施形態では、DNAライブラリーは、未処理動物の細胞から生成される。いくつかの実施形態では、DNAライブラリーは、免疫化動物の細胞から生成される。
【0030】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポリヌクレオチドが、組換え抗体、モノクロナール抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、又は抗体断片であるポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポリヌクレオチドが、IgA、IgD、IgE、IgG若しくはIgM抗体又はそのサブタイプであるポリペプチドをコードする。
【0031】
いくつかの実施形態では、検出分子(例えば、対象の標的)は、タンパク質又はその断片である。いくつかの実施形態では、検出分子は対象の抗原である。いくつかの実施形態では、検出分子は標識化されている。ある実施形態では、検出分子と結合する細胞は、フローサイトメトリにより同定される。いくつかの実施形態では、検出分子と結合する細胞は、FACSにより単離される。
【0032】
いくつかの実施形態では、特異的抗体を生成する細胞を同定する本方法には、抗体産生細胞を含む細胞ライブラリーを、(a)免疫グロブリン重鎖定常領域を含む細胞外部分、及び(b)膜貫通部の両者を含んだポリペプチドをコードするポリヌクレオチドで形質移入することが含まれる。いくつかの実施形態では、形質移入された細胞は、細胞の表面上にヘテロ二量体分子を発現する。いくつかの実施形態では、本方法には、形質移入された細胞を検出分子(例えば、対象の標的)と接触させることが含まれる。いくつかの実施形態では、本方法には、検出分子と結合する細胞を同定することが含まれる。いくつかの実施形態では、本方法には、検出分子と結合する細胞を単離することが含まれる。いくつかの実施形態では、細胞ライブラリーはハイブリドーマライブラリーである。いくつかの実施形態では、細胞ライブラリーには、未処理動物由来の細胞が含まれる。いくつかの実施形態では、細胞ライブラリーには、免疫化動物由来の細胞が含まれる。いくつかの実施形態では、細胞ライブラリーにはヒト細胞が含まれる。いくつかの実施形態では、細胞ライブラリーにはマウス細胞が含まれる。ある実施形態では、細胞ライブラリーには、B細胞、プラズマ細胞、ハイブリドーマ、骨髄腫、又は組換え細胞が含まれる。いくつかの実施形態では、細胞ライブラリーには、複数のポリペプチドが含まれる。いくつかの実施形態では、細胞ライブラリーには、複数のポリヌクレオチドが含まれる。いくつかの実施形態では、複数のポリヌクレオチドは、免疫グロブリン重鎖、及び/又は免疫グロブリン軽鎖を含む複数のポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、複数のポリヌクレオチドは、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を有する単鎖免疫グロブリンを含む複数のポリペプチドをコードする。他の実施形態では、複数のポリヌクレオチドは、DNAライブラリーを含む。いくつかの実施形態では、DNAライブラリーは、未処理動物の細胞から生成される。いくつかの実施形態では、DNAライブラリーは、免疫化動物の細胞から生成される。
【0033】
いくつかの実施形態では、細胞ライブラリーにより作られる抗体は、組換え抗体、モノクロナール抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、又は抗体断片である。いくつかの実施形態では、細胞ライブラリーにより作られる抗体は、IgA、IgD、IgE、IgG若しくはIgM抗体又はそのサブタイプである。
【0034】
いくつかの実施形態では、検出分子は、タンパク質又はその断片である。実施形態では、検出分子は対象の抗原である。いくつかの実施形態では、検出分子は標識化されている。ある施形態では、検出分子と結合する細胞は、フローサイトメトリで同定される。いくつかの実施形態では、検出分子と結合する細胞は、FACSにより単離される。
【0035】
1つの態様では、本発明は、各細胞に、(a)本明細書に記載の任意の膜結合性ポリペプチドから成る第1のポリペプチド、及び(b)免疫グロブリン重鎖を含む第2のポリペプチドが含まれる、細胞ライブラリーを提供する。いくつかの実施形態では、これら2つのポリペプチドは、ヘテロ二量体分子を形成し得る。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体分子は、細胞の表面上に発現される。いくつかの実施形態では、各細胞にはさらに、免疫グロブリン軽鎖が含まれる。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドには、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を有する単鎖免疫グロブリンが含まれる。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体分子には、単一の抗原結合部位が含まれる。
【0036】
いくつかの実施形態では、本発明は、各細胞に(a)本明細書に記載の任意の膜結合性ポリペプチドから成る第1のポリペプチド、及び(b)CH2ドメイン及びCH3ドメインを含む免疫グロブリン重鎖定常領域を含む第2のポリペプチドが含まれる、細胞ライブラリーを提供する。いくつかの実施形態では、これら2つのポリペプチドはヘテロ二量体分子を形成し得る。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体分子は、細胞の表面上に発現される。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドには、(a)免疫グロブリンFc領域、及び(b)無作為抽出ポリペプチドが含まれる。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドには、(a)ジスルフィド結合を形成し得る領域及び(b)無作為抽出ポリペプチドが含まれる。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドには、(a)ジスルフィド結合を形成し得る領域、及び(b)変異誘発されたポリペプチドが含まれる。
【0037】
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の任意の細胞ライブラリーのスクリーニング法を提供する。いくつかの実施形態では、細胞ライブラリーのスクリーニング法には、細胞ライブラリーを検出分子(例えば、対象の標的)と接触させることが含まれる。いくつかの実施形態では、本方法には、検出分子と結合する細胞を同定することが含まれる。いくつかの実施形態では、本方法には、検出分子と結合する細胞を単離することが含まれる。いくつかの実施形態では、検出分子は、タンパク質又はその断片である。いくつかの実施形態では、検出分子は対象の抗原である。いくつかの実施形態では、検出分子は、小分子化合物である。ある実施形態では、検出分子は標識化されている。いくつかの実施形態では、細胞はフローサイトメトリで同定される。ある実施形態では、細胞はFACSで単離される。
【0038】
別の態様では、本発明は、抗体のスクリーニング法を提供する。いくつかの実施形態では、特異的抗体のスクリーニング法には、本明細書に記載の細胞又は細胞ライブラリーを検出分子(例えば、対象の標的)と接触させることが含まれる。いくつかの実施形態では、特異的抗体のスクリーニング法には、検出分子と結合する細胞を同定することが含まれる。いくつかの実施形態では、特異的抗体のスクリーニング法には、検出分子と結合する細胞を単離することが含まれる。いくつかの実施形態では、特異的抗体のスクリーニング法には、検出分子により同定される細胞由来の抗体を単離することが含まれる。いくつかの実施形態では、検出分子は、タンパク質又はその断片である。いくつかの実施形態では、検出分子は対象の抗原である。いくつかの実施形態では、検出分子は小分子化合物である。ある実施形態では、検出分子は標識化されている。ある実施形態では、細胞はフローサイトメトリで同定される。ある実施形態では、細胞はFACSにより単離される。
【0039】
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の任意の方法により生成され、同定され、及び/又は単離される抗体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】他のハイブリドーマ戦略と比較した膜MAb技法の概略図。図1Aは、モノクロナール抗体がハイブリドーマから分泌されることを示した典型的ハイブリドーマを表している。図1Bは、その細胞表面に抗体結合性タンパク質又は「捕捉タンパク質」(例えば、Fc受容体又はタンパク質A)を発現するハイブリドーマを表している。概略図は、モノクロナール抗体がハイブリドーマから分泌されることを示している。しかし、ハイブリドーマは、細胞によって分泌される抗体だけでなく、他の細胞によっても生成される抗体と結合し得る抗体結合性タンパク質を細胞表面に有する。図1Cは、膜MAb戦略の非限定的実施形態の1つを表している。ハイブリドーマは、免疫グロブリン重鎖−軽鎖のペアと共有結合した膜結合性ポリペプチドを含むヘテロ二量体分子を発現する。免疫グロブリン重鎖−軽鎖のペアは、細胞により生成されるモノクロナール抗体の代表的な単一抗原結合部位を形成する。
【図2】融合に利用するための膜MAbポリペプチドを発現する細胞の生成。マウスのハイブリドーマ融合パートナー細胞株SP2/0−Ag14は、膜MAb(mIgG1)コンストラクトで安定的に形質移入された。得られた細胞株は、指定されたSP2/0−MTであった。図2Aは、アイソタイプの負の制御抗体(左のパネル)及び抗体FLAG抗体(右のパネル)を用い、SP2/0−MT細胞上に膜MAb(mIgG1)コンストラクトが細胞表面発現することに関するフローサイトメトリの結果を示している。膜MAb(mIgG1)コンストラクトは、抗FLAG抗体によりポリペプチドを検出し得るFLAGタグを有している。図2Bは、SP2/0−MT細胞株の5つのサブクローン上に膜MAb(mIgG1)コンストラクトが細胞表面発現することに関するフローサイトメトリの結果を示している。
【図3】複数の標的と結合する抗体を生成するハイブリドーマを同定する、膜MAb技法の利用。SP−2/0細胞を、マウスFZD5及びFZD8で免疫したマウスから単離した細胞と融合させることにより作製された膜MAbハイブリドーマライブラリーのフローサイトメトリプロットが提示されている。細胞は、標識化FZD5及びFZD8タンパク質でインキュベートされ、解析された。組換えFZD5タンパク質は、Alexa Fluor488で標識化され、組換えFZD8はAlexa Fluor647で標識化された。FZD5及びFZD8双方への結合を示すハイブリドーマ細胞が同定された(「FZD5/8DP」と標識された枠で囲まれた領域;DP=二重ポジティブ)
【図4】DDR2に対する抗体を生成する細胞を同定するための膜MAb技法の利用。膜MAb(mIgG1)コンストラクトを既存のDDR2ハイブリドーマライブラリーに形質移入することにより作製される、膜MAbハイブリドーマライブラリーのフローサイトメトリプロットが提示されている。細胞は、標識化DDR2タンパク質及び抗FLAG抗体でインキュベートされ、解析された。組換えDDR2タンパク質は、Alexa Fluor488で標識化され、抗FLAG抗体は、フィコエリトリン(PE)で標識化された。「DDR2Pos」と標識された枠で囲まれた領域には、DDR2及び抗FLAG抗体への結合を示すハイブリドーマ細胞が存在する。
【図5】293−hMT安定クローンのフローサイトメトリ解析。HEK−293細胞は、膜MAb(hIgG2)−GFPコンストラクトで安定的に形質移入された。14個のクローンに対し、GFP発現のスクリーニングが行われた。
【図6】膜MAbコンストラクトを用いた細胞別抗体ディスプレイの概略図。図6Aは、膜MAb(hIgG2)及び膜MAb(hIgG2)−GFPコンストラクトを表している。図6Bは、本明細書でMAbLibコンストラクトと称される単鎖抗体ベクターを表している。抗体ライブラリー産生を促進するため、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域は、独自の制限部位に隣接する。図6Cは、HEK−293細胞の表面に発現する膜MAb(hIgG2)−GFP分子を表している。図6Dは、HEK−293細胞の表面上のヘテロ二量体分子の非制限的実施形態を示している。ヘテロ二量体分子は、単鎖抗体分子と結合する膜MAb(hIgG2)−GFPタンパク質である。
【図7】HEK−293細胞の表面上のヘテロ二量体抗体分子の発現解析。様々な濃度の抗DLL4抗体sc21M18プラスミドDNAが、HEK−293細胞に膜MAb(hIgG2)−GFPコンストラクト(−X−)を形質移入するために用いられた。対照は、非形質移入細胞(−◆−)、sc21M18DNAのみで形質移入された細胞(−▲−)、及び膜MAb(hIgG2)−GFP DNAのみで形質移入された細胞(−■−)である。細胞を48時間インキュベートし、収穫し、FACSにより抗体特異的抗原(hDLL4−Fc)でスクリーンした。結果は、蛍光強度中央値(MFI)として提示されている。
【図8】抗体分子のディスプレイを調節するための担体プラスミド利用の解析。抗DLL4抗体プラスミドDNAを、無関係の抗体プラスミドDNA(sc18R5)の過剰量と様々な割合で混合し、HEK−293細胞を形質移入するために使用した。細胞を48時間インキュベートし、収穫し、FACSによりスクリーンした。表面上の抗DLL4抗体のスクリーニングに関して、hDLL4−rFCを抗原として用い(−◆−)、hJag−rFCタンパク質を対照として用いた(−■−)。結合された抗原はPE標識化抗ラビットFc抗体で検出し、また対照としてのみ使用された(−▲−)。表面上の抗DLL4抗体を発現する細胞の割合は、FACSにより判断された。
【図9】抗DLL4抗体を発現する細胞の選択及び濃縮。HEK−293細胞を、抗DLL4抗体プラスミドDNAと無関係の抗体プラスミドDNAを1:100,000(sc21M18:sc18R5)の割合で混ぜ合わせた混合物で形質移入した。細胞に対し4ラウンドのソーティングを行った。表面上に抗DLL4抗体を発現する細胞の割合は、ラウンド毎にFACSにより判断された。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明は、細胞の表面上にヘテロ二量体分子を形成し得るポリペプチド類を含む、新規の膜結合性ポリペプチド類を提供する。また、関連するポリペプチド類及びポリヌクレオチド類、並びにポリペプチド類及びポリヌクレオチド類を含む細胞及び細胞ライブラリーも提供される。ポリペプチド類を含む宿主細胞の製造方法及び特定の個別細胞を同定及び単離するためのこれら細胞の利用方法がさらに提供される。また、細胞により生成される抗体、又は本方法により生成、単離、及び/若しくは同定される抗体も提供される。
【0042】
膜Mab(mIgG1)、膜Mab(hIgG2)、及び膜Mab(hIgG2)−GFPを含む、新規の膜結合性ポリペプチド類をコードするヌクレオチドを含むコンストラクトが生成された(実施例1)。新規の膜結合性ポリペプチド類を発現する細胞が産生された。細胞株SP2/0−MTは、膜MAb(mIgG1)コンストラクトをSP2/0−Ag14細胞、すなわちマウス融合パートナー細胞株に形質移入することにより生成された(実施例2)。細胞株293−hMTは、膜Mab(hIgG2)−GFPコンストラクトをHEK293細胞、すなわちヒト胚腎臓由来細胞株に形質移入することにより生成された(実施例5)。SP2/0−MT細胞は、細胞表面上にヘテロ二量体抗体分子を発現するハイブリドーマライブラリーを生成する免疫化動物由来の細胞と融合させるのに使用された。これらの膜結合性抗体分子は、標的抗原に特異的に結合する抗体を生成する細胞を検出し、単離するために使用された(実施例3)。新規のポリペプチド膜Mab(mIgG1)をコードするポリヌクレオチドは、確立されたハイブリドーマライブラリーに形質移入され、得られた細胞は、その表面上のヘテロ二量体抗体分子を発現するために提示された。膜結合性抗体分子が、標的抗原に特異的に結合する抗体を生成する細胞を検出し、単離するために使用された(実施例4)。ハイブリドーマ融合法と形質移入法の両方を用いて、膜MAb技法を行った結果、無作為に選択されたクローン(プラス0.6%及び8%)と比較して、単離された抗原特異的正のクローンの割合(プラス91%及び84%)が劇的に増加した。膜Mab(hIgG2)−GFPコンストラクトを、抗DLL4抗体をコードするDNAでHEK293細胞に形質移入した。フローサイトメトリの解析により、DLL4抗原に結合する形質移入された細胞の表面上にヘテロ二量体分子が存在することが示された(実施例7)。膜MAb技法を用いた検証試験により、抗DLL4抗体を含むヘテロ二量体分子を発現する細胞は、異なる抗体が大量の過剰物に発現される細胞集団から選択され得ることが示された(実施例9)。
【0043】
I.定義
本発明の理解を促進するために、以下にいくつかの用語と表現を定義する。
【0044】
本明細書で使用する「抗体」という用語は、免疫グロブリン分子の可変領域内の少なくとも1つの抗原認識部位又は抗原結合部位を通じて、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、又はそれらの組み合わせ等の標的を認識し、特異的に結合する免疫グロブリン分子を指している。本明細書で使用される「抗体」という用語には、インタクトなポリクロナール抗体、インタクトなモノクロナール抗体、抗体断片(例えば、Fab、Fab'、F(ab')2及びFv断片)、単鎖Fv(scFv)突然変異体、全体にわたり免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖が含まれる単鎖免疫グロブリン分子、少なくとも2つのインタクト抗体から生成される二重特異的抗体等の多重特異的抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、抗体の抗原認識部位を含む融合タンパク質、及び抗体が所望の生物活性を示す限り抗原認識部位を含む、任意の他の修飾免疫グロブリン分子が包含される。さらに、「抗体」という用語には、ただ1つの結合部位を有する一価抗体分子が含まれる。抗体は、免疫グロブリンの主要な5種類のクラス、すなわち、IgA、IgD、IgE、IgG及びIgM抗体又はそのサブタイプ(例えば、IgGl、IgG2、IgG3、IgG4、IgAl及びIgA2)のいずれかであり得、それぞれα、Δ、ε、γ、及びμと称される各抗体の重鎖定常ドメインの同一性に基づいている。
【0045】
本明細書で使用する「Fc領域」という用語は、免疫グロブリン重鎖のC末端領域を指している。「Fc領域」は、ネイティブ配列Fc領域又はFc可変領域であってもよい。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は可変的であってもよいが、免疫グロブリンのFc領域には通常、2つの定常ドメイン、すなわちCH2ドメイン及びCH3ドメイン、及び少なくともヒンジ領域の一部が含まれる。
【0046】
「抗体断片」という用語は、インタクト抗体の一部、及びインタクト抗体の抗原決定可変領域を指している。抗体断片の例として、Fab、Fab'、F(ab')2及びFv断片、直線抗体、scFv抗体、及び抗体断片から形成される多重特異的抗体が含まれるが、これに限定されない。
【0047】
抗体の「可変領域」という用語は、抗体軽鎖の可変領域又は抗体重鎖の可変領域で、いずれか片方又はそれら組み合わせを指している。重鎖及び軽鎖の可変領域は、「高度可変領域」としても知られている、3つの相補性決定領域(CDRs)によりつながる4つの枠組み領域から成る。各鎖のCDRsは、枠組み領域により近接した位置に置かれ、他の鎖のCDRsと共に、抗体の抗原結合性部位の形成に寄与する。決定性CDRsには少なくとも2つの技法が存在する。すなわち、(1)種間配列変異性に基づく方式(すなわち、Kabatら、1991、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、米国国立衛生研究所、メリーランド州ベテスダ)、及び(2)抗原抗体複合体の結晶学研究に基づく方式(Al−Lazikaniら、1997、分子生物学誌(J. Molec. Biol.)273:927−948)である。さらに、CDRs決定を行う当技術分野において、これら二つの方式を組み合わせて使用することもできる。
【0048】
「モノクロナール抗体」という用語は、高度特異的認識に関与する均質な抗体集団及び単一の抗原決定基又はエピトープの結合を指している。これは、通常、異なる抗原決定基に対し向けられる異なる抗体の混合物を含むポリクローナル抗体と対照的である。「モノクロナール抗体」という用語は、インタクトなモノクロナール抗体及び全長モノクロナール抗体の双方、並びに、抗体断片(Fab、Fab'、F(ab')2及びFv断片)、scFv変異体、抗体部分を含む融合タンパク質、及び抗原認識部位を含む任意の他の修飾免疫グロブリン分子を包含する。「モノクロナール抗体」は、ハイブリドーマ生成、ファージ選択、組換え発現、及び形質移入動物を含むがこれに限定されない、任意の数の技法により作製される抗体のことを指している。
【0049】
「ヒト化抗体」という用語は、最小限非ヒト(例えば、マウスの)配列を含む特異的免疫グロブリン鎖、キメラ免疫グロブリン、又はその断片である、非ヒト(例えば、マウスの)抗体のフォームを指している。
【0050】
「ヒト抗体」という用語は、ヒトにより生成される抗体、又は当技術分野で知られている任意の技法を用いて作製される、ヒトが生成する抗体に相応するアミノ酸配列を有する抗体を指している。ヒト抗体に関するこの定義には、インタクト抗体若しくは全長抗体、その断片、及び/又は少なくとも1つのヒト重鎖ポリペプチド及び/若しくはヒト軽鎖ポリペプチド、例えば、マウス軽鎖ポリペプチド及びヒト重鎖ポリペプチドを含む抗体等の抗体が含まれる。
【0051】
「キメラ抗体」という用語は、免疫グロブリン分子のアミノ酸配列が、2又はそれ以上の種由来である抗体を指している。典型的には、軽鎖と重鎖双方の可変領域は、所望の特異性、近似性、及び/又は機能性を有する1種類の哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ラビット)由来の抗体の可変領域に相応し、一方、定常領域は、種における免疫反応の誘導を避けるために、別の種(通常はヒト)由来の抗体の配列と相同である。
【0052】
「エピトープ」及び「抗原決定基」は、本明細書においては同義で使用され、特定の抗体により認識され、特異的に結合することができる抗原の部分を指している。抗原がポリペプチドの場合、エピトープは、連続するアミノ酸(しばしば「直線エピトープ」と称される)とタンパク質の三次フォールディング(しばしば「コンフォメーション性エピトープ」と称される)により並置される非連続アミノ酸の双方から形成され得る。連続アミノ酸から形成されるエピトープは、典型的には、タンパク質変性の際に保持されるが、三次フォールディングにより形成されるエピトープは、典型的にはタンパク質変性時に消失する。エピトープには、典型的には、独自の空間コンフォメーションの中の少なくとも3個のアミノ酸、より通常としては、少なくとも5個又は8〜10個のアミノ酸が含まれる。
【0053】
本明細書で使用される「非免疫グロブリン」という用語は、抗体免疫グロブリン鎖ではないポリペプチドを指している。本明細書で使用される「非免疫グロブリン」には、免疫グロブリンスーパーファミリーの他のメンバーも包含される。
【0054】
「特異的結合」及び「特異的に結合すること」という用語は、結合剤又は抗体が、無関係のタンパク質等の代替物質とよりも頻繁に、より迅速に、より長い間、より類似して、又はこれらの幾つかの組み合わせで、エピトープ又はタンパク質と反応又は結合するという意味である。ある実施形態では、「特異的結合」とは、例えば、抗体が約0.1mM又はそれ以下のKを有するタンパク質と結合する、だが、より通常としては、約1μM未満のKを有するタンパク質と結合するという意味である。ある実施形態では、「特異的結合」とは、抗体が、少なくとも約0.1μM若しくはそれ以下、少なくとも約0.01μM若しくはそれ以下、又は少なくとも約1nM若しくはそれ以下のKを有するタンパク質に結合するという意味である。異種の相同なタンパク質間の配列同一性の故に、特異的に結合することには、1より多くの種(例えば、マウスFZD及びヒトFZD)における特定のタンパク質を認識する抗体が含まれ得る。同様に、ポリペプチド配列の特定の領域における異なるタンパク質間の相同性の故に、特異的に結合することには、1より多くのタンパク質(例えば、ヒトFZD5及びヒトFZD8)を認識する抗体(又は他のポリペプチド若しくは薬品)が含まれ得る。第1の標的に特異的に結合する抗体又は結合部分は、第2の標的に特異的に結合するかもしれないし、しないかもしれないことが理解される。そのように、「特異的に結合すること」は、排他的結合、すなわち、単一の標的への結合が(含まれ得るとしても)必ずしも求められるわけではない。よって、抗体は、ある実施形態では、1より多くの標的と特異的に結合してもよい。ある実施形態では、複数の標的が、抗体上の同じ抗原結合部位と結合することもあり得る。例えば、抗体は、ある実施形態では、2つの同一の抗原結合部位を含み、それぞれ2又はそれ以上のタンパク質上の同じエピトープと特異的に結合することもある。一般に、結合という表現は特異的に結合するという意味であるが、必ずしもそうではない。
【0055】
「ポリペプチド」及び「ペプチド」及び「タンパク質」という用語は、本明細書において同義に使用されており、任意の長さのアミノ酸ポリマーを指している。ポリマーは、直線状でも分枝状でもよく、修飾アミノ酸を含んでもよく、非アミノ酸により介在されてもよい。用語はまた、天然に修飾されたアミノ酸ポリマー又は介在により修飾されたアミノ酸ポリマー、例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、又は標識化合物との結合等、他の任意の操作若しくは修飾を包含する。また、例えば、1又はそれ以上のアミノ酸類似体(例えば、非天然アミノ酸を含む)含有ポリペプチド、並びに当技術分野で知られている他の修飾物も定義内に含まれる。本発明のポリペプチドの少なくとも一部は抗体に基づいているため、ある実施形態では、ポリペプチドは単鎖又は結合鎖として発生し得ると理解される。
【0056】
「ポリヌクレオチド」及び「核酸」という用語は、本明細書では同義に使用され、任意の長さのヌクレオチドポリマーを指しており、DNA及びRNAを含む。ヌクレオチド類は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾ヌクレオチド若しくは塩基、及び/若しくはこれらの類似体、又はDNA若しくはRNAポリメラーゼによりポリマーにより組み入れられ得る任意の基板であり得る。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチド及びその類似体等の修飾ヌクレオチドを含んでもよい。ヌクレオチド構造への修飾は、もしあれば、ポリヌクレオチド集合の前又は後に取り入れてもよい。ヌクレオチド類の配列は、非ヌクレオチド成分により介在されてもよい。ポリヌクレオチドは、標識成分との結合等により、集合後にさらに修飾されてもよい。
【0057】
「高度ストリンジェンシー条件」は、以下により同定されてもよい。すなわち、(1)洗浄のための低イオン強度及び高温度、例えば、50℃で0.015Mの塩化ナトリウム/0.0015Mのクエン酸ナトリウム/0.1%の硫酸ドデシルナトリウムを使用する;(2)ハイブリダイゼーションの間、ホルムアミド等の変性剤を使用する。例えば、0.1%のウシ血清アルブミン/0.1%フィコール/0.1%ポリビニルピロリドンを含む50%(v/v)ホルムアミド/750mM塩化ナトリウム、75mMクエン酸ナトリウムを含み、pH6.5の50mMリン酸ナトリウムバッファを42℃で使用する;又は(3)42℃で50%のホルムアミド、5xSSC(0.75M塩化ナトリウム、0.075Mクエン酸ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%ピロリン酸ナトリウム、5xデンハート液、超音波処理サケ精子DNA(50μg/ml)、0.1%SDS、及び10%デキストラン硫酸を用い、0.2xSSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)の中で42℃で洗浄し、55℃で50%ホルムアミドで洗浄し、その後、55℃でEDTAを含有する0.lxSSCから成る高度ストリンジェンシー洗浄を行った。
【0058】
2又はそれ以上の核酸又はポリペプチドとの関係で使われる「同一性」又は「同一性割合」という用語は、配列の同一性の一部として任意の保存的アミノ酸置換を考慮せずに最大一致性と比較及び調節(必要であればギャップを導入)するにあたり、同一のヌクレオチド類又はアミノ酸残基と同じ、又は特定の割合を有する2又はそれ以上の配列又は部分配列を指している。「同一性の割合」は、配列比較ソフトウェア若しくはアルゴリズムを使って、又は目視により測定してもよい。アミノ酸配列又はヌクレオチド配列のアラインメントを得るために使用され得る様々なアルゴリズム及びソフトウェアは、当業者に周知である。これらには、BLAST、ALIGN、Megalign、BestFit、及びGCGプログラムが含まれるが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、本発明の2つの核酸又はポリペプチドは実質的に同一であり、つまり、配列比較アルゴリズムを使って、又は目視により測定し、最大一致性と比較及び調節した場合、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、またいくつかの実施形態では、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%のヌクレオチド又はアミノ酸残基が同一であるという意味である。いくつかの実施形態では、少なくとも約10、少なくとも約20、少なくとも約40〜60、少なくとも約60〜80長の残基又はそれらの間の任意の整数値である配列の領域にまたがって同一性が存在する。いくつかの実施形態では、少なくとも約90〜100残基等60〜80残基よりも長い領域にまたがって同一性が存在し、いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列のコード領域等、比較対象の配列全長にわたり、配列は実質的に同一である。
【0059】
「保存的アミノ酸置換」とは、1つのアミノ酸残基を類似の側鎖を有する別のアミノ酸残基と置換することである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは当技術分野において同定されており、例えば、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラ酸、グルタミン酸)、非電荷極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分岐側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)及び芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)等が含まれる。例えば、チロシンのフェニルアラニンの置換は、保存的置換と考えられる。ポリペプチド及び本発明の抗体の配列における保存的置換は、ポリペプチド又はアミノ酸配列を含む抗体の抗原への結合、すなわち、ポリペプチド又は抗体が結合する1又はそれ以上のタンパク質への結合を排除しないことが好ましい。抗原結合を排除しないヌクレオチド及びアミノ酸の保存的置換の同定方法は、当技術分野において周知である。
【0060】
「ベクター」という用語は、宿主細胞の1又はそれ以上の対象遺伝子又は対象配列を送達でき、好ましくは発現できるコンストラクトを指している。ベクターの例として、ウイルスベクター、裸のDNA若しくはRNA発現ベクター、プラスミド、コスミド若しくはファージベクター、陽イオン濃縮剤と結合するDNA若しくはRNA発現ベクター、及びリポソームにカプセル化されたDNA若しくはRNA発現ベクターであるが、これに限定されない。
【0061】
本明細書で使用する「形質移入」という用語は、細胞による異質DNAの取り込みを表すために使われる。外因性DNAが細胞膜内に導入された時、細胞は「形質移入」された。
【0062】
単離されたポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞、又は組成物とは、天然では見つからないフォームのポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞、又は組成物のことである。単離されたポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞又は組成物には、もはや天然で見つからないフォームになるまで精製されたものが含まれる。ある実施形態では、単離された抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞、又は組成物は、実質的に純粋である。
【0063】
本明細書で使用する「実質的に純粋」という用語は、少なくとも50%純粋(すなわち、不純物がない)、より好ましくは少なくとも90%純粋、より好ましくは少なくとも95%純粋、より好ましくは少なくとも98%純粋、より好ましくは少なくとも99%純粋である物質を指している。
【0064】
本明細書で使用する「動物」は、マウス、ラット、ハムスター、他の齧歯類、ラビット、ヤギ、イヌ、ネコ、非ヒト霊長類、ヒト等の任意の動物(例えば、哺乳動物)を指しているが、これに限定されない。
【0065】
本明細書で「A及び/又はB」等の表現に使用される「及び/又は」という用語は、A及びBの両方、A(のみ)及びB(のみ)を含むことを意図している。
【0066】
本開示及び特許請求の範囲で使用する、単数形「a」、「an」、及び「the」には、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数の言及が含まれる。
【0067】
本明細書において、実施形態が「を含む(comprising)」という用語で記載される場合は常に、「から成る(consisting of)」及び/又は「本質的に〜から成る(consisting essentially of)」に関して記載されるその他の類似の実施形態もまた提供されると理解される。
【0068】
II.ポリペプチド類及びポリヌクレオチド類
本発明は、膜結合性であり及び細胞の表面上に発現する細胞外部分を含む新規のポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには、(a)二量体形成ドメインを含む細胞外部分、及び(b)膜貫通部が含まれる。本明細書で使用される二量体形成ドメインは、2つのポリペプチド間の相互作用を促進することができる任意のドメインである。好適な二量体形成ドメインには、疎水性基が通常の間隔で存在し、各タンパク質の疎水性基との相互作用により二量体の形成を可能とする、両親媒性αへリックスを有するタンパク質のものが含まれる。好適な二量体形成ドメインには、ジスルフィド結合形成を通じて二量体形成を可能とするシステイン残基を有するタンパク質のも含まれる。二量体形成ドメインには、免疫グロブリン定常領域、ロイシンジッパー、イソロイシンジッパー、及びGCN4ジッパーが含まれるが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには(a)免疫グロブリン重鎖定常領域を含む細胞外部分、及び(b)膜貫通部が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには、(a)二量体形成領域を含む細胞外部分、及び(b)GPIアンカー部分が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには、(a)免疫グロブリン重鎖定常領域を含む細胞外部分、及び(b)GPIアンカー部分が含まれる。いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域には、CH2、CH3及び/又はCH4から選択される少なくとも1つの定常ドメインが含まれる。いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域には、少なくともヒンジ領域の一部が含まれる。いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域には、CH2ドメイン及びCH3ドメインが含まれる。いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域には、ヒンジ領域、CH2及びCH3が含まれる。いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域にはFc領域が含まれる。いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域には、IgA、IgD、IgE、IgG、IgM抗体又はそのサブタイプから得られる。いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域は、IgG1又はIgG2から得られる。いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域は、IgG2から得られる。いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域は、ヒト免疫グロブリン重鎖定常領域から得られる。他の実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域は、マウス免疫グロブリン重鎖定常領域から得られる。
【0069】
いくつかの実施形態では、ポリペプチドには抗体可変領域は含まれない。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには抗原結合部位が含まれない。
【0070】
ポリペプチドは、ポリペプチド又はGPI膜アンカーの膜貫通部により、細胞膜に、少なくとも部分的にアンカーされる。いくつかの実施形態では、膜貫通部は、タイプI膜貫通タンパク質から得られる。タイプI膜貫通タンパク質は、N末端が膜の外に存在するよう配置されている。タイプI膜貫通タンパク質はシングルパスでもよく、つまり、膜貫通タンパク質は1度だけ膜を貫通するという意味であり、又はマルチパスでもよく、つまり膜貫通タンパク質が複数回膜を貫通するという意味である。膜貫通部は、免疫グロブリンタンパク質及び非免疫グロブリンタンパク質を含むがこれに限定されない、多様なソースから得てもよい。いくつかの実施形態では、膜貫通部は、CD4、CD8、クラスI MHC、クラスII MHC、CD19、T細胞受容体α及びβ鎖、CD3、zeta鎖、ICAM1(CD54)、ICAM2、ICAM3、ICAM4、ICAM5、CD28、CD79a、CD79b、及びCD2等を含むがこれに限定されない、免疫グロブリンスーパーファミリーの一部であるタンパク質から採取される。いくつかの実施形態では、膜貫通部は、ヒトタンパク質から得られる。いくつかの実施形態では、膜貫通部はマウスタンパク質から得られる。いくつかの実施形態では、膜貫通部はヒトCD4から得られる。
【0071】
いくつかの実施形態では、ポリペプチドにはさらに、少なくとも細胞内領域の一部が含まれる。いくつかの実施形態では、細胞内ドメインは、膜貫通部の採取元と同じタンパク質から得られる。いくつかの実施形態では、細胞内ドメインは、膜貫通部の採取元のタンパク質とは異なるタンパク質から得られる。いくつかの実施形態では、細胞内ドメインは修飾される。いくつかの実施形態では、細胞内ドメインは、ドメインの正常な機能が除去される又は不活性化されるよう修飾される。修飾には、タンパク質結合部位の除去、活性部位の除去又は阻害、及びリン酸化部位の除去又は阻害が含まれるが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには、ヒトCD4由来の膜貫通部及び細胞内ドメイン領域が含まれる。他の実施形態では、ポリペプチドには、ヒトCD4由来の膜貫通部及び細胞内ドメイン領域が含まれ、細胞内ドメインは修飾されている。いくつかの実施形態では、細胞内ドメインは、lckタンパク質結合部位を除去するよう修飾されている。
【0072】
いくつかの実施形態では、膜貫通部又は細胞内ドメインを有する膜貫通部は、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、及び配列番号17から成る群から選択される。いくつかの実施形態では、細胞内ドメインを有する膜貫通部は、配列番号15である。
【0073】
いくつかの実施形態では、ポリペプチドはGPI膜アンカーにより細胞膜にアンカーされる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、典型的な疎水性C末端アミノ酸残基がプロペプチドから切断され、ポリペプチドのC末端がグリコシルホスファチジルイノシトールと共有結合的に結合しているGPIリンクにより、細胞膜にアンカーされる。GPIの疎水性脂質部分は、細胞膜でポリペプチドを保有する。いくつかの実施形態では、GPIリンクを担う分子の疎水性C末端は、CD52、CD55、CD58、CD59、及びその他の類似のタンパク質から得られる。
【0074】
本発明のポリペプチド類は膜結合性であり、細胞の表面上に発現される免疫グロブリン重鎖定常領域を含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは第2のポリペプチドと結合し、ヘテロ二量体分子を形成することができる。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドには免疫グロブリン重鎖が含まれる。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドには、単鎖分子として、免疫グロブリン長鎖及び免疫グロブリン軽鎖が含まれる。いくつかの実施形態では、免疫グロブリン軽鎖は免疫グロブリン重鎖と結合する。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドには、免疫グロブリン長鎖−軽鎖のペアが含まれる。本明細書で使用する「免疫グロブリン長鎖−軽鎖のペア」には、1つのポリペプチドに免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖の両方を含む単鎖免疫グロブリンが含まれる。いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖−軽鎖のペアには、単一の抗原結合部位が含まれる。いくつかの実施形態では、膜結合性ポリペプチドは免疫グロブリン重鎖−軽鎖のペアと結合し、1つの抗原結合部位を含むヘテロ二量体抗体分子を形成する。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体抗体分子は一価抗体である。
【0075】
本発明のポリペプチド類は、非共有結合性結合又は共有結合性結合を含むがこれに限定されない、任意の数の手段により、第2のポリペプチドと結合してもよい。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、イオン性結合等、非共有結合性結合により第2のポリペプチドと結合する。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、ジスルフィド結合等、共有結合性結合により第2のポリペプチドと結合する。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、第2のポリペプチドと少なくとも1つのジスルフィド結合を形成する。他の実施形態では、ポリペプチドは、第2のポリペプチドと2つのジスルフィド結合を形成する。他の実施形態では、ポリペプチドは、第2のポリペプチドと3又は4のジスルフィド結合を形成する。他の実施形態では、ポリペプチドは、免疫グロブリン重鎖−軽鎖のペアの免疫グロブリン重鎖定常領域と少なくとも1つのジスルフィド結合を形成し、ヘテロ二量体抗体分子を形成することができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、本発明のポリペプチドは第2ポリペプチドとジスルフィド結合を形成し、ヘテロ二量体分子を形成することができる。設計により、ポリペプチドは通常、すでにヘテロ二量体分子又はホモ二量体分子の一部であるポリペプチドとジスルフィド結合を形成することができる。ポリペプチドは通常、分泌された抗体分子とジスルフィド結合を形成することができない。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは分泌された抗体とジスルフィド結合を形成しない。いくつかの実施形態では、本発明のポリペプチドを含むヘテロ二量体分子は、抗体と結合しない。ある実施形態では、本発明のポリペプチドを含むヘテロ二量体分子は、分泌された抗体と結合しない。
【0077】
いくつかの実施形態では、本発明は、(a)CH2及びCH3を含む免疫グロブリン重鎖定常領域、及び(b)膜貫通部の両者を含んだポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態では。ポリペプチドには、(a)CH2及びCH3を含むヒトIgG2重鎖定常領域、及び(b)ヒトCD4膜貫通部が含まれる。ある実施形態では、ポリペプチドには、(a)CH2及びCH3を含む免疫グロブリン重鎖定常領域、(b)膜貫通部、及び(c)蛍光分子が含まれる。ある実施形態では、ポリペプチドには、(a)CH2及びCH3を含む免疫グロブリン重鎖定常領域、(b)CD4膜貫通部、及び(c)蛍光分子が含まれる。ある実施形態では、ポリペプチドには、(a)CH2及びCH3を含むヒトIgG2重鎖定常領域、(b)ヒトCD4膜貫通部、及び(c)蛍光分子が含まれる。ある実施形態では、蛍光分子はGFPである。
【0078】
いくつかの実施形態では、本発明は、(a)配列番号2、配列番号4、配列番号6、又は配列番号8を含む免疫グロブリン重鎖定常領域、及び(b)配列番号13又は配列番号16を含む膜貫通部を含んだポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには、配列番号2を含む免疫グロブリン重鎖定常領域及び配列番号16を含む膜貫通部が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには、配列番号2を含む免疫グロブリン重鎖定常領域及び配列番号17を含む膜貫通部が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには、配列番号2を含む免疫グロブリン重鎖定常領域及び配列番号13を含む膜貫通部が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには、配列番号2を含む免疫グロブリン重鎖定常領域及び配列番号15を含む膜貫通部が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには、配列番号4を含む免疫グロブリン重鎖定常領域及び配列番号16を含む膜貫通部が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには、配列番号4を含む免疫グロブリン及び配列番号17を含む膜貫通部が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには、配列番号4を含む免疫グロブリン重鎖定常領域及び配列番号13を含む膜貫通部が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには、配列番号4を含む免疫グロブリン重鎖定常領域及び配列番号15を含む膜貫通部が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには、配列番号6を含む免疫グロブリン重鎖定常領域及び配列番号16を含む膜貫通部が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには、配列番号6を含む免疫グロブリン重鎖定常領域及び配列番号17を含む膜貫通部が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには、配列番号6を含む免疫グロブリン重鎖定常領域及び配列番号13を含む膜貫通部が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには、配列番号6を含む免疫グロブリン重鎖定常領域及び配列番号15を含む膜貫通部が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには、配列番号8を含む免疫グロブリン重鎖定常領域及び配列番号16を含む膜貫通部が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには、配列番号8を含む免疫グロブリン重鎖定常領域及び配列番号17を含む膜貫通部が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには、配列番号8を含む免疫グロブリン重鎖定常領域及び配列番号13を含む膜貫通部が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには、配列番号8を含む免疫グロブリン重鎖定常領域及び配列番号15を含む膜貫通部が含まれる。
【0079】
いくつかの実施形態では、本発明は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、又は配列番号8に対して少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列、及び配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、又は配列番号17に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供する。ある実施形態では、ポリペプチドには、配列番号2、配列番号4、配列番号6、又は配列番号8に対して、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、又は少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列、及び配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、又は配列番号17に対して少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、又は少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには、配列番号2に対して少なくとも約95%の同一性を有するアミノ酸配列、及び配列番号14又は配列番号15に対して少なくとも約95%の同一性を有するアミノ酸配列が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには、配列番号4に対して少なくとも約95%の同一性を有するアミノ酸、及び配列番号14又は配列番号15に対して少なくとも約95%の同一性を有するアミノ酸配列が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには、配列番号6に対して少なくとも約95%の同一性を有するアミノ酸、及び配列番号14又は配列番号15に対して少なくとも約95%の同一性を有するアミノ酸配列が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには、配列番号8に対して少なくとも約95%の同一性を有するアミノ酸、及び配列番号14又は配列番号15に対して少なくとも約95%の同一性を有するアミノ酸配列が含まれる。
【0080】
ある実施形態では、ポリペプチドには、配列番号10、配列番号12、又は配列番号28に対して少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列が含まれる。ある実施形態では、ポリペプチドには、配列番号10、配列番号12、又は配列番号28に対して少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、又は少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列が含まれる。いくつかの実施形態では、本発明は、配列番号10、配列番号12、又は配列番号28を含むポリペプチドを提供する。
【0081】
本発明のポリペプチド類には、タンパク質の輸送を指示するシグナル配列が含まれる。シグナル配列(シグナルペプチド又はリーダー配列とも称される)は、初期ポリペプチドのN末端に位置している。それらは、小胞体に対するポリペプチドを標的とし、タンパク質は、目的地、例えば、細胞小器官の内空、内膜、細胞の外膜、又は細胞分泌物等の目的地別に分別される。シグナル配列の多くは、タンパク質が小胞体に輸送された後に、シグナルペプチダーゼによりタンパク質から切断される。シグナル配列のポリペプチドからの切断は、通常アミノ酸配列の特定の部位において発生し、またシグナル配列内のアミノ酸残基に依存する。通常は、1つの特定の切断部位が存在するが、2つ以上の切断部位が、シグナルペプチダーゼにより認識及び/又は使用されることもあり、その結果、ポリペプチドのN末端が不相同となる。例えば、シグナル配列内の異なる切断部位を利用することで、その結果、異なるN末端アミノ酸で発現されるポリペプチドが生成され得る。従って、いくつかの実施形態では、本明細書に記載のポリペプチドには、異なるN末端を有するポリペプチドの混合物が含まれてもよい。いくつかの実施形態では、N末端の長さは、アミノ酸が1個、2個、3個、4個、又は5個であることにより異なる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは実質的に相同、すなわち、ポリペプチドが同じN末端を有する。いくつかの実施形態では、ポリペプチドシグナル配列には、1又はそれ以上の(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10等)アミノ酸置換及び/又は欠失が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドのシグナル配列には、1つの切断部位が優位となるようにすることができ、よって1種類のN末端を有する実質的に相同なポリペプチドを生じる、アミノ酸置換及び/又は欠失が含まれる。シグナルペプチダーゼ切断部位を予測する様々なアルゴリズム及びソフトウェアは、当技術分野において知られており、また一般に利用可能である(例えば、SignalPソフトウェア)。
【0082】
ある実施形態では、ポリペプチドには、配列番号22、配列番号23、又は配列番号26に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列が含まれる。ある実施形態では、ポリペプチドには、配列番号22、配列番号23、又は配列番号26に対して少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、又は少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列が含まれる。いくつかの実施形態では、(シグナル配列切断前の)ポリペプチドには、配列番号22、配列番号23、又は配列番号26が含まれる。
【0083】
ある実施形態では、ポリペプチドには、配列番号30、配列番号31、又は配列番号32に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列が含まれる。ある実施形態では、ポリペプチドには、配列番号30、配列番号31、又は配列番号32に対して、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、又は少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには配列番号32が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、本質的に配列番号32から成る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには配列番号30が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、本質的に配列番号30から成る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドには配列番号31が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは本質的に配列番号31から成る。あるアミノ酸配列から「本質的に成る」、又はあるアミノ酸配列から「本質的に成っている」ポリペプチドには、1又はそれ以上の(例えば、1、2、3、4又はそれ以上)追加アミノ酸が含まれる。但し、追加アミノ酸は、ポリペプチドの機能に物質的影響を与えない。あるアミノ酸から「本質的に成る」、又はあるアミノ酸から「本質的に成っている」ポリペプチドは、いくつかの実施形態では、1又はそれ以上の(例えば、1、2、3、4又はそれ以上)のアミノ酸により還元されてもよい。但し、欠失アミノ酸は、ポリペプチドの機能に物質的影響を与えない。
【0084】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載の任意のポリペプチドを含む抗体分子を提供する。いくつかの実施形態では、抗体分子はさらに、免疫グロブリン重鎖を含む第2のポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、抗体分子にはさらに免疫グロブリン軽鎖が含まれる。いくつかの実施形態では、抗体分子にはさらに、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を有する単鎖免疫グロブリンを含む第2のポリペプチドが含まれる。ある実施形態では、抗体には、単一の抗体結合部位(すなわち、一価抗体)が含まれる。
【0085】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載の任意のポリペプチドを含むヘテロ二量体分子を提供する。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体分子にはさらに、二量体形成ドメインを含む第2のポリペプチドが含まれる。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドには免疫グロブリン定常領域が含まれる。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドには免疫グロブリン重鎖が含まれる。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドには免疫グロブリン軽鎖が含まれる。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドには、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を有する単鎖免疫グロブリンが含まれる。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体分子には、単一の抗体結合部位(すなわち、一価抗体)が含まれる。ある実施形態では、本発明は、(a)二量体形成ドメインを含む細胞外部分、及び膜貫通部を含んだ第1のポリペプチド、並びに(b)二量体形成ドメインを含む第2のポリペプチドの両者を含んだヘテロ二量体分子を提供する。ある実施形態では、第1及び第2の二量体形成ドメインは同じである。ある実施形態では、第1及び第2の二量体形成ドメインは異なる。
【0086】
いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体分子には、(a)(i)第1の二量体形成ドメインを含む細胞外部分及び(ii)膜貫通部の両者を含んだ第1のポリペプチド、並びに(b)第2の二量体形成ドメインを含む第2のポリペプチドの両者が含まれる。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体分子には、免疫グロブリン定常領域を有する第1の二量体形成ドメインが含まれる。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体分子には、免疫グロブリン重鎖定常領域である第1の二量体形成ドメインが含まれる。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体分子には、免疫グロブリン定常領域である第2の二量体形成ドメインが含まれる。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体分子には、免疫グロブリン重鎖定常領域である第2の二量体形成ドメインが含まれる。ある実施形態では、ヘテロ二量体分子には、本明細書に記載の任意のポリペプチドを含む第1のポリペプチドが含まれる。
【0087】
本明細書に記載のポリペプチドは、当技術分野で知られている好適な任意の方法により生成され得る。係る方法は、直接タンパク質合成法からポリペプチド配列をコードするDNA配列の構成及び好適な宿主における配列の発現にまで及ぶ。いくつかの実施形態では、DNA配列は、対象のワイルドタイプタンパク質をコードするDNA配列を単離又は合成することにより、組換え技術を使って構成され得る。任意選択的に、配列を部位特異的変異誘発により変異誘発させ、その機能変異体を提供することもできる。
【0088】
いくつかの実施形態では、対象のポリペプチドをコードするDNA配列は、オリゴヌクレオチド合成機を用いて化学合成により構成してもよい。オリゴヌクレオチド類は、所望のポリペプチドのアミノ酸配列に基づき、また対象の組換えポリペプチドが生成される宿主において好まれるコドンを選択することにより設計され得る。標準方法を適用して、対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を合成することができる。例えば、完全アミノ酸配列を利用して、逆翻訳された遺伝子を構成することができる。いくつかの実施形態では、特定のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むDNAオリゴマーを合成することができる。例えば、所望のポリペプチドの部分をコードする複数の小オリゴヌクレオチドを合成し、その後結紮することができる。個別オリゴヌクレオチドは、典型的には、相補的集合の5'又は3'オーバーハングを含んでいる。
【0089】
(組み換え技術、化学合成、又はその他の方法により)いったん集合すると、対象の特定のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列は、発現ベクターに挿入され、所望の宿主におけるポリペプチドの発現に適切な発現制御配列に作動可能に連結され得る。ヌクレオチド配列、マッピング制限、及び/又は好適な宿主における生物活性ポリペプチドの発現により、妥当な集合であることが確認され得る。当技術分野において知られているように、宿主の形質移入遺伝子の高度な発現レベルを得るためには、遺伝子は、選択された発現宿主において機能的な転写及び翻訳発現制御配列に作動可能に連結されていなければならない。
【0090】
ある実施形態では、組換え発現ベクターは、本明細書に記載のポリペプチドをコードするDNAを増幅及び発現するために使用される。例えば、組換え発現ベクターは、ポリペプチドをコードし、哺乳類、微生物、ウイルス又は昆虫遺伝子由来の好適な転写又は翻訳制御要素と作動可能に連結している合成的又はcDNA由来のDNA断片を有する複写可能なDNAコンストラクトであり得る。転写ユニットには、通常、(1)遺伝子発現の役割を担う制御要素又は要素類、例えば、転写プロモーター及び/又はエンハンサー、(2)mRNAに転写され、タンパク質に翻訳される構造的配列又はコード配列、及び(3)適切な転写及び翻訳開始配列及び終了配列の集合が含まれる。制御要素には、転写を制御するためのオペレーター配列が含まれ得る。通常は、複写元が与える宿主における複写能力、及び形質転換体の認識を促進するための選択遺伝子を追加的に組み入れることもできる。DNA領域は、互いに機能的に関連している場合、「作動可能に連結されて」いる。例えば、単一のペプチド(分泌リーダー)に対するDNAは、もしポリペプチド分泌に関与する前駆体として発現されるなら、DNAと作動可能に連結されている。もし配列の転写を制御するならば、プロモーターはコード配列に作動可能に連結している。又は、もし翻訳を許可するよう位置づけられているなら、リボソーム結合部位はコード配列に作動可能に連結されている。酵母発現系での利用を意図された構造的要素には、宿主細胞による翻訳後タンパク質の細胞外分泌を可能とするリーダー配列が含まれる。代替的に、組換えタンパク質がリーダー配列又は輸送配列なしに発現される場合、それにはN末端メチオニン残基が含まれ得る。この残基はその後、最終生成物を提供するために、発現組換えタンパク質から任意選択的に切断され得る。
【0091】
発現ベクター及び制御要素の選択は、宿主の選択に依存する。多様な発現宿主/ベクター組換えを利用することが可能である。真核性宿主に有益な発現ベクターには、例えば、SV40、ウシパピローマウイルス、アデノウイルス及びサイトメガロウイルスの発現制御配列を含むベクターが含まれる。バクテリア宿主に有益な発現ベクターには、pCR1、pBR322、pMB9並びにそれらの誘導体を含む大腸菌由来のプラスミド等の既知のバクテリアプラスミド、及びM13並びに他の繊維状一本鎖DNAファージ等のより広範な宿主のプラスミドが含まれる。
【0092】
真核性宿主の発現ベクターの中には、宿主ゲノムに統合される能力を有するものもあり、また、真核性宿主の発現ベクターの中には、染色体外存在物として核に固着するものもある。いくつかの実施形態では、エピソームベクターには、1細胞につき複数の複製を形質移入し、その結果、対象のポリヌクレオチドは高度に発現し、及び/又は形質移入はより効率的となる等の利点がある。
【0093】
本明細書に記載のポリペプチドの発現に好適な宿主細胞には、適切なプロモーターの制御下にある原核生物、酵母、又は昆虫や高等真核細胞が含まれる。原核生物には、グラム陰性又はグラム陽性生物体、例えば、大腸菌又は桿菌が含まれる。より高度な真核性細胞には、下記の哺乳動物由来の樹立細胞株が含まれる。無細胞翻訳系を利用することも可能である。
【0094】
様々な哺乳動物又は昆虫細胞の培養系を利用して、組換えポリペプチドを発現させる。いくつかの実施形態では、哺乳動物細胞の組換えタンパク質の発現が好まれる。なぜなら、係るタンパク質は通常正しく折りたたまれ、適切に修飾され、完全に機能的であるからだ。好適な哺乳動物宿主細胞株の例として、COS−7(サル腎臓由来)、L−929(マウス線維芽細胞由来)、C127(マウス乳腺腫瘍由来)、3T3(マウス線維芽細胞由来)、CHO(チャイニーズハムスター卵巣由来)、HEK−293(ヒト胎児腎臓由来)、HeLa細胞(ヒト癌由来の子宮頸部)及びBHK(ハムスター腎線維芽細胞由来)細胞株が含まれるが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、細胞株の変異体を使用してもよい。例えば、293T細胞は、SV40複製起点を含む形質移入されたプラスミドのエピソーム複製を可能にする、SV40ラージT−抗原を発現するHEK−293細胞である。哺乳動物の発現ベクターには、複製起点、発現する遺伝子に接続する好適なプロモーター及びエンハンサー、並びに他の5'又は3'隣接の非転写配列等の非転写要素、並びに、必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライスドナー及びアクセプター部位、並びに転写終結配列等の5'又は3'非翻訳配列が含まれる。いくつかの実施形態では、バキュロウイルス系が、昆虫細胞における異種タンパク質の生成に使用される。これら方法及び技法は当業者の間で周知である(例えば、LuckowとSummers、1988、バイオテクノロジー(Bio/Technology)、6:47を参照のこと)。
【0095】
ある実施形態では、本明細書に記載のポリペプチドは単離されている。ある実施形態では、本明細書に記載のポリペプチドは実質的に純粋である。
【0096】
宿主細胞により発現させられるタンパク質は、任意の好適な方法に従って生成され得る。係る方法には、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換カラムクロマトグラフィー、アフィニティカラムクロマトグラフィー、サイズ排除カラムクロマトグラフィー)、遠心分離、溶解度差、又は任意のその他の標準的なタンパク質精製技術が含まれる。ヘキサ−ヒスチジン、マルトース結合ドメイン、インフルエンザコート配列及びグルタチオン−S−トランスフェラーゼ等の親和性タグは、適切なアフィニティーカラムに通すことによって容易に精製できるタンパク質に結合し得る。単離されたタンパク質はまた、タンパク質分解、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、核磁気共鳴及びX線結晶構造解析等の技法を用いて物理的に特徴付けることができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、組換えタンパク質を培養培地に分泌する発現系の上清は、まず、市販のタンパク質濃縮度フィルタ、例えば、アミコン又はミリポア社製Pellicon限外濾過ユニットを用いて濃縮することができる。濃縮工程に続いて、濃縮物を好適な精製マトリックスに適用させることができる。いくつかの実施形態では、陰イオン交換樹脂、例えば、ペンダントジエチルアミノエチル(DEAE)基を有するマトリックス又は基質を用いることができる。マトリックスは、アクリルアミド、アガロース、デキストラン、セルロース、又はその他一般的にタンパク質精製に用いられるタイプであり得る。いくつかの実施形態では、陽イオン交換ステップを用いることができる。好適な陽イオン交換体には、スルホプロピル基又はカルボキシメチル基を含む様々な不溶性マトリックスが含まれる。いくつかの実施形態では、セラミックハイドロキシアパタイト等のハイドロキシアパタイト(CHT)媒体を利用することもできるがこれに限定されない。いくつかの実施形態では、疎水性のRP−HPLC媒体、例えば、ペンダントメチル又は他の脂肪族基を有するシリカゲルを利用した、1つ又は複数の逆相HPLCステップを、タンパク質をさらに精製するために用いることができる。上記の精製手順の一部又は全てを様々な組み合わせで利用し、均一な組換えタンパク質を提供することができる。
【0098】
ある実施形態では、本発明は、免疫グロブリン重鎖定常領域及び膜貫通部を含んだポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドを提供する。ある実施形態では、本発明は、免疫グロブリン重鎖定常領域及びGPI膜部分を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドを提供する。「ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド」という表現には、ポリペプチドのコード配列のみを含むポリヌクレオチド、並びに追加のコード配列及び/又は非コード配列を含むポリヌクレオチドが包含される。本発明のポリヌクレオチドは、RNA形式又はDNA形式であり得る。DNAには、cDNA、ゲノムDNA、及び合成DNAが含まれ、二本鎖又は一本鎖であり得、及び一本鎖であれば、コード鎖又は非コード(アンチセンス)鎖であり得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドには、配列番号10を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが含まれる。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドには、配列番号12を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが含まれる。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドには、配列番号28を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが含まれる。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドには、配列番号22、配列番号23、又は配列番号26を含むポリペプチドを(シグナル配列有り又は無しで)コードするポリヌクレオチドが含まれる。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドには、配列番号30を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが含まれる。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドには、配列番号31を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが含まれる。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドには、配列番号32を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが含まれる。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドには、配列番号30のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが含まれる。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドには、配列番号31のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが含まれる。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドには、配列番号32のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが含まれる。
【0100】
いくつかの実施形態では、いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドには、配列番号9、配列番号11、又は配列番号29のポリヌクレオチドが含まれる。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドには、配列番号24、配列番号25、又は配列番号27のポリヌクレオチドが含まれる。ある実施形態では、ポリヌクレオチドには、配列番号9、配列番号11、配列番号24、配列番号25、配列番号27、又は配列番号29のポリヌクレオチドに対して、少なくとも80%の同一性、少なくとも85%の同一性、少なくとも約90%の同一性、少なくとも約95%の同一性、及びいくつかの実施形態では、少なくとも96%、97%、98%、又は99%の同一性を有する配列を持つポリヌクレオチドが含まれる。
【0101】
また、配列番号9、配列番号11、配列番号24、配列番号25、配列番号27、又は配列番号29に対しハイブリダイズするポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドを提供する。いくつかの実施形態では、ハイブリダイゼーションは、高度ストリンジェンシー条件下で行われる。
【0102】
ある実施形態では、ポリヌクレオチドには、例えば、宿主細胞由来のポリペプチドの発現及び/又は分泌を支援するポリヌクレオチドに対する同じ読み枠で融合された成熟ポリペプチドのコード配列が含まれる。例えば、リーダー又はシグナル配列は、細胞表面へのポリペプチド輸送制御の配列として機能し、もしポリペプチドが分泌タンパク質であるなら、細胞からの分泌物として機能する。リーダー配列(又はシグナル配列)を有するポリペプチドはプレタンパク質であり、ポリペプチドの成熟形態を生成するために宿主細胞により切断されたリーダー配列を有する。ポリヌクレオチドはまた、成熟タンパク質に加え、追加の5'アミノ酸残基であるプロタンパク質をコードすることができる。プロ配列を有する成熟タンパク質がプロタンパク質であり、タンパク質の不活性形態である。いったんプロ配列が切断されると、活性成熟タンパク質が残る。
【0103】
ある実施形態では、ポリヌクレオチドには、例えば、発現ポリペプチドの精製及び/又は同定を可能にするマーカー又はタグ配列と同じ読み枠に融合された成熟ポリペプチドのコード配列が含まれる。いくつかの実施形態では、バクテリア宿主が使用される場合、マーカー配列は、成熟ポリペプチドの精製を行うためにpQE−9ベクターにより供給されるヘキサ−ヒスジンタグであり得る。他の実施形態では、哺乳動物宿主が用いられる場合(例えば、COS−7細胞)マーカー配列は、インフルエンザ血球凝集素タンパク質由来のヘマグルチニン(HA)タグであり得る。いくつかの実施形態では、マーカー配列は「FLAG」、すなわち、他のアフィニティタグと組み合わせて使用し得るペプチド配列DYKDDDDK(配列番号17)である。
【0104】
本発明はさらに、例えば、ポリペプチド類の断片、類似体、及び/又は誘導体をコードする前記のポリヌクレオチド類の変異体に関する。
【0105】
ある実施形態では、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに対して、少なくとも80%の同一性、少なくとも85%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、及びいくつかの実施形態では、少なくとも96%、97%、98%又は99%の同一性を有するヌクレオチド配列を持つポリヌクレオチド類を含むポリヌクレオチド類を提供する。
【0106】
本明細書で使用する、参照のヌクレオチド配列に対して、例えば、少なくとも95%「同一性」であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドという表現は、ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が参照配列に対して同一であることを意味するよう意図されている。但し、この場合、ポリヌクレオチド配列には、参照ヌクレオチド配列のヌクレオチド100個毎に最大5つの点突然変異を含み得るとする。言い換えれば、参照ヌクレオチド配列に対し少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを得るとは、参照配列のヌクレオチドの最大5%までは、欠失若しくは他のヌクレオチドとの置換が可能であり、又は参照配列の合計ヌクレオチドのうち最大5%までは参照配列に挿入できるということである。参照配列のこのような突然変異は、参照ヌクレオチド配列の5'末端又は3'末端部又はそれらの間のいずれかで、参照配列のヌクレオチド間で個別に、又は参照配列内の1又はそれ以上の近接基のいずれかに散在して、発生し得る。
【0107】
ポリヌクレオチド変異体は、コード領域、非コード領域、又はそれら両方にオルタネーションを含み得る。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド変異体には、「サイレント」置換、挿入又は欠失を生じさせるオルタネーションが含まれるが、コードされたポリペプチドの特性又は活性を変えることはない。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド変異体には、遺伝子コードの縮重のため「サイレント」置換が含まれる。ポリヌクレオチド変異体は、多様な理由により、例えば、特定の宿主のコドン発現を最適化する(例えば、ヒトmRNAのコドンを大腸菌等のバクテリア宿主に好まれるコドンに変更する)ために生成され得る。
【0108】
ある実施形態では、本明細書に記載のポリヌクレオチドは単離されている。ある実施形態では、本明細書に記載のポリヌクレオチドは、実質的に純粋である。
【0109】
本明細書に記載のポリヌクレオチドを含むベクター及び細胞もまた提供される。いくつかの実施形態では、発現ベクターには、ポリヌクレオチド分子が含まれる。いくつかの実施形態では、宿主細胞には、ポリヌクレオチド分子を含む発現ベクターが含まれる。いくつかの実施形態では、宿主細胞には、ポリヌクレオチド分子が含まれる。いくつかの実施形態では、宿主細胞には、ポリヌクレオチド分子によりコードされたポリペプチドが含まれる。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、ポリヌクレオチド分子によりコードされたポリペプチドを生成する。
【0110】
III.細胞
本発明はまた、本明細書に記載のポリペプチドを発現する細胞を提供し、細胞を生成する方法を提供する。本明細書に記載の細胞を作るために使用される細胞(例えば、宿主細胞)には、全哺乳動物の細胞、細胞株及び細胞培養が含まれる。いくつかの実施形態では、細胞は、マウス、ラット若しくはその他の齧歯動物、又はヒト若しくはサル等の霊長類由来である。いくつかの実施形態では、細胞はマウスの細胞である。いくつかの実施形態では、細胞はヒトの細胞である。他の実施形態では、細胞は哺乳動物の生殖細胞又は全身細胞である。他の実施形態では、細胞は初代細胞培養又は不死化細胞株である。哺乳動物の細胞は、典型的には細胞培養で成長させられる。いくつかの実施形態では、細胞は堅い表面に付着する。他の実施形態では、細胞は懸濁液中で成長させられる。
【0111】
多様な宿主細胞に関して、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド及び/又はベクターで形質移入してもよい。いくつかの実施形態では、細胞は、SP2/0、SP2/0−Agl4、NS/0、YB2/0、K6H6/B5、NS−1、FO、Y3/Ag1.2.3、P3X63Ag8.653、他の骨髄腫、ハイブリドーマ、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)、HeLa細胞、ベビーハムスター腎細胞(BHK)、CV−1細胞、3T3細胞、L細胞、TC7細胞、及びヒト胎児腎臓細胞(HEK−293と293T)を含むがこれに限定されない、不死化真核細胞となる。いくつかの実施形態では、細胞は、融合パートナー細胞株として知られている。いくつかの実施形態では、細胞は、効率的に融合し、抗体の高度発現を支援し、及び選択媒体に対して感受的である、不死化細胞株である。これらの細胞株には、Sp2/0、SP2/0−Agl4、YB2/0、K6H6/B5、NS−1、FO、Y3/Ag1.2.3、及びP3X63Ag8.653が含まれ得るが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、細胞は免疫グロブリンを発現しない骨髄腫である。いくつかの実施形態では、細胞は、ハイブリドーマ又はハイブリドーマライブラリーである。ある実施形態では、細胞はヒト細胞である。ある実施形態では、細胞は、HEK−293細胞又はその変異体(例えば、293T細胞)である。ある実施形態では、細胞はCHO細胞である。ある実施形態では、細胞はマウス細胞である。ある実施形態では、細胞はSP2/0又はその変異体(例えば、SP2/0−Ag14)である。
【0112】
本発明のポリペプチドを発現する細胞は、当業者に知られている多様な方法により製造してもよい。本明細書に記載のポリヌクレオチド、ベクター及び/又はコンストラクトは、多様な方法により好適な宿主細胞に導入してもよい。一般に、本発明のポリペプチドを発現する哺乳動物細胞を得るためには、ベクターによる形質移入又は感染が用いられる。
【0113】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、形質移入により細胞に導入される。いくつかの実施形態では、形質移入は一時的発現であり、通常は限られた期間に形質移入されたポリペプチドを発現する。他の実施形態では、形質移入は安定的な形質移入であり、形質移入されたポリペプチドを恒常的に発現する。いくつかの実施形態では、安定的な形質移入は、インプットDNAの細胞ゲノムへの統合に付随する。いくつかの実施形態では、安定的な形質移入は、インプットDNAのエピソーム維持及び複製を生じさせる。
【0114】
DNAは、従来の形質移入の技法により真核性細胞に導入され得る。「形質移入」という用語は、当業者の間で周知の、宿主細胞に異質なポリヌクレオチド(例えば、DNA)を導入するための多様な技法を指している。これら技法には、リン酸カルシウム又は塩化カルシウム共沈殿、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、リポソーム媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、及びマイクロインジェクションが含まれるが、これに限定されない。宿主を形質移入するこれらの方法及びその他の方法については、多くの標準的研究マニュアルに記載されている。いくつかの実施形態では、細胞は、
リポソーム媒介トランスフェクション、又は「リポフェクション」を用いて、形質移入することができる。リポフェクションは、脂質ベースの形質移入技術であり、核酸が脂質ベースの形質移入試薬と結合し、その結果、核酸を凝縮し保護する。リポフェクションの主な長所は、高度な効率性、全てのタイプの核酸を広範囲の細胞タイプに形質移入し得る能力、使用の容易性、再現性及び低い毒性である。さらに、リポフェクションには、一時的形質移入、安定的形質移入、同時形質移入、連続的形質移入、又は複数の形質移入が含まれるが、これに限定されない全ての形質移入の適用に適している。
【0115】
いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に記載のポリペプチドを発現するポリヌクレオチドで安定的に形質移入される。哺乳類動物細胞の安定的形質移入に関しては、使用される発現ベクター及び形質移入技術次第では、DNAをゲノムに統合するのは細胞の小断片のみである場合がある。哺乳動物細胞をエピソームベクターで形質移入すれば、細胞のより大きな断片であってもDNAを組み入れ、維持するかもしれない。これら細胞を同定し、選択するために、選択可能なマーカー(例えば、抗生物質耐性)をコードする遺伝子は、通常、対象の遺伝子(複数を含む)と共に、宿主細胞に導入される。様々な選択可能なマーカーには、G418、ハイグロマイシン及びメトトレキサート等の薬剤への耐性を与えるものが含まれる。選択可能なマーカーをコードするポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドをコードするのと同じベクターで宿主細胞に導入され得るか、又は別のベクターで導入され得る。導入されたポリヌクレオチドで安定的に形質移入された細胞は、薬剤選択により同定され得る(例えば、選択可能なマーカーの遺伝子を組み入れた細胞は生存するが、一方で、他の細胞は死滅する)。
【0116】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、ベクターにより細胞に導入される。ベクターは、染色体外要素として独立して複製されてもよく又はされないかもしれない、ビリオン又はウイルス様粒子を収量するウイルスゲノム由来であり得る。所望のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むビリオン粒子は、感染により宿主細胞の中に導入され得る。いくつかの実施形態では、ウイルスベクターは細胞ゲノムに統合される。哺乳動物細胞の形質転換を導くウイルスベクターには、SV40ベクター、及びパピローマウイルス、アデノウイルス、エプスタイン − バーウイルス、ワクシニアウイルス、並びにラウス肉腫ウイルス等のレトロウイルスに基づくベクター、又はモロニーマウス白血病ウイルス等のマウス白血病ウイルスが含まれるが、これに限定されない。
【0117】
また、本明細書に記載のポリペプチドを発現する細胞を生成する方法が提供される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド又は本明細書に記載のポリペプチドをコードするベクターで細胞を形質移入することが含まれる、細胞産生方法が本明細書において提供される。いくつかの実施形態では、形質移入された細胞はポリペプチドを発現する。いくつかの実施形態では、細胞は一時的に形質移入される。いくつかの実施形態では、細胞は安定的に形質移入される。いくつかの実施形態では、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、細胞のゲノムに統合される。いくつかの実施形態では、ポリペプチドをコードする形質移入されたポリヌクレオチドは、細胞内で安定的に発現する。他の実施形態では、ポリペプチドは、形質移入された細胞の表面上で発現する。
【0118】
いくつかの実施形態では、本方法にはさらに、ポリペプチドの発現を検出することが含まれる。形質移入された細胞は、当技術分野において知られている任意の方法により、ポリペプチドの発現をアッセイし得る。使用されるアッセイには、Biacore分析、フローサイトメトリ、FACS解析、免疫蛍光法、免疫細胞化学、ウェスタンブロット分析、ラジオイムノアッセイ、ELISA、"サンドイッチ"イムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、沈降反応、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体などの技術を使用して、アッセイ、免疫ラジオメトリックアッセイ、蛍光イムノアッセイ、及びプロテインAイムノアッセイ等の技法を用いた競争的及び非競争的アッセイ系が含まれるが、これに限定されない。係るアッセイは、当技術分野においては日常的に行われており、周知のことである(例えば、Ausubelら編、1994、Current Protocols in Molecular Biology 第1巻、 John Wiley & Sons, Inc. New Yorkを参照のこと)。
【0119】
いくつかの実施形態では、本方法には、細胞表面上のポリペプチド発現を検出することが含まれる。いくつかの実施形態では、細胞は検出分子と接触する。いくつかの実施形態では、検出分子は、免疫グロブリン重鎖定常領域に対する抗体である。いくつかの実施形態では、検出分子は標識化されている。いくつかの実施形態では、検出分子は、蛍光団又は発色団で標識化されている。いくつかの実施形態では、本方法には、フローサイトメトリを用いたポリペプチドの発現を検出することが含まれる。いくつかの実施形態では、本方法には、フローサイトメトリを用いた検出分子と結合する細胞を同定することが含まれる。本明細書で使用されている「検出分子」という表現には、検出分子集団が含まれるがこれに限定されない。例えば、検出分子は抗体の溶液、又はタンパク質若しくはタンパク質断片の溶液でもよい。同様に、「検出分子により結合された細胞」という表現には、多数の検出分子と結合する細胞が含まれるが、これに限定されない。
【0120】
フローサイトメトリ及びFACSは、当業者の間で知られている技法である。フローサイトメトリは、細胞から特定のマルチパラメータデータを生成させるため、光散乱、蛍光色素分子の光励起及び発光の原則を利用する。1つ1つの細胞がセンシングポイントを介してストリームの中を流れる時、機器が細胞の測定を行う。フローサイトメトリを用いて、蛍光活性化細胞選別又はFACSにより細胞集団の精製又は個別細胞の単離を行うことができる。いくつかの実施形態では、細胞は、毎秒10〜20,000個の速さで分析される。いくつかの実施形態では、細胞は、毎秒1,000〜10,000個の速さで分析される。いくつかの実施形態では、細胞は、毎秒100〜1000個の速さで分析される。いくつかの実施形態では、約1×10〜1×10個の細胞が分析される。いくつかの実施形態では、約1×10個の細胞が分析される。ある実施形態では、約5×10個の細胞が分析される。いくつかの実施形態では、約1×10個の細胞が分析される。いくつかの実施形態では、約2.5×10個の細胞が分析される。いくつかの実施形態では、細胞は分析され、ソートされる。いくつかの実施形態では、約2.5×10個の細胞が、FACS機器にかけられ、解析され得る。標的細胞を約8つの96ウェルプレートのウェルにソートし、600〜700の個別クローンを単離することは可能である。よって、フローサイトメトリの利用により、大量の細胞を迅速にスクリーニングすることができる。同様に、FACSを利用することで、大量の細胞を検出及びソートすることが可能となり、個別の細胞を迅速に単離することができる。
【0121】
いくつかの実施形態では、細胞製造法には、本明細書に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド又はベクターで細胞を形質移入することが含まれる。いくつかの実施形態では、形質移入された細胞は、ポリペプチドを発現する。いくつかの実施形態では、本方法には、細胞表面上のポリペプチド発現を検出することが含まれる。いくつかの実施形態では、本方法には、ポリペプチドを発現する細胞を選択することが含まれる。いくつかの実施形態では、細胞は検出分子と接触する。いくつかの実施形態では、検出分子は、免疫グロブリン重鎖定常領域に対する抗体である。いくつかの実施形態では、検出分子は対象の標的(例えば、タンパク質又はその断片)である。いくつかの実施形態では、検出分子は標識化されている。いくつかの実施形態では、検出分子は、蛍光団及び発色団で標識化されている。いくつかの実施形態では、本方法には、フローサイトメトリにより検出分子と結合する細胞を同定することが含まれる。いくつかの実施形態では、本方法には、FACSにより検出分子と結合する細胞を単離することが含まれる。
【0122】
よって、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む細胞を提供する。いくつかの実施形態では、細胞は本明細書に記載の任意の方法で生成される。いくつかの実施形態では、細胞には、本明細書に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むベクターが含まれる。いくつかの実施形態では、細胞には、本明細書に記載のポリペプチドが含まれる。いくつかの実施形態では、細胞には、免疫グロブリン重鎖定常領域及び非免疫グロブリン膜貫通部を含んだポリペプチドが含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは膜結合性であり、細胞の表面上に発現する。
【0123】
本発明はまた、ヘテロ二量体分子を生成する細胞を提供する。ヘテロ二量体分子は膜結合性であり、細胞の表面で発現し、細胞から分泌されない。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体分子には、本明細書に記載のポリペプチドが含まれ、さらに少なくとも1つの追加ポリペプチドが含まれる。いくつかの実施形態では、追加ポリペプチドには、CH2ドメイン及びCH3ドメインを含む免疫グロブリン重鎖定常領域が含まれる。いくつかの実施形態では、追加ポリペプチドには、免疫グロブリンFc領域が含まれる。いくつかの実施形態では、追加のポリペプチドには、免疫グロブリン重鎖が含まれる。ある実施形態では、少なくとも1つの追加ポリペプチドには、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖が含まれる。ある実施形態では、少なくとも1つの追加ポリペプチドには、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を有する単鎖免疫グロブリンが含まれる。いくつかの実施形態では、追加ポリペプチドは抗体である。
【0124】
いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体分子は、共有結合的に第2のポリペプチドと結合する膜結合性ポリペプチドであり、膜結合性ポリペプチドには、(a)免疫グロブリン重鎖定常領域、及び(b)膜貫通部が含まれる。いくつかの実施形態では、膜結合性ポリペプチドは、ジスルフィド結合を形成することにより第2のポリペプチドと結合する。いくつかの実施形態では、膜結合性ポリペプチドは、第2のポリペプチドと少なくとも1つのジスルフィド結合を形成し、ヘテロ二量体分子を形成する。
【0125】
いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体分子は免疫グロブリン重鎖と共有結合的に結合する膜結合性ポリペプチドであり、膜結合性ポリペプチドには、(a)免疫グロブリン重鎖定常領域、及び(b)膜貫通部が含まれる。いくつかの実施形態では、膜結合性ポリペプチドは、ジスルフィド結合を形成することにより免疫グロブリン重鎖と結合する。いくつかの実施形態では、膜結合性ポリペプチドは、免疫グロブリン重鎖と少なくとも1つのジスルフィド結合を形成する。いくつかの実施形態では、重鎖可変領域と軽鎖可変領域が単一の抗原結合部位を形成するよう、免疫グロブリン重鎖は免疫グロブリン軽鎖とペアになる。いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖は、免疫グロブリン重鎖と免疫グロブリン軽鎖双方を有する単一の免疫グロブリンの一部である。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体分子は、一価の抗体分子である。いくつかの実施形態では、細胞表面上に発現するヘテロ二量体分子は、分泌抗体と結合しない。
【0126】
よって、いくつかの実施形態では、細胞には、(a)CH2ドメイン及びCH3ドメインを含む免疫グロブリン重鎖定常領域及び非免疫グロブリン膜貫通部の両者を含んだポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、及び(b)少なくとも1つの追加ポリペプチドをコードする少なくとも1つの追加ポリヌクレオチドが含まれる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加ポリペプチドには、免疫グロブリン重鎖、及び/又は免疫グロブリン軽鎖が含まれる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加ポリペプチドには、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を有する単鎖免疫グロブリンが含まれる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加ポリペプチドは抗体である。いくつかの実施形態では、追加ポリペプチドは、細胞から分泌され得る抗体である。ある実施形態では、細胞の表面に発現する本発明のポリペプチド類は、分泌抗体と結合しない。
【0127】
本発明はまた、本明細書に記載のポリペプチド及び/又はヘテロ二量体分子を発現するハイブリドーマ細胞及びハイブリドーマ製造方法を提供する。いくつかの実施形態では、ハイブリドーマ細胞の製造方法には、本発明のポリペプチドを発現する細胞を抗体産生細胞と融合させることが含まれる。いくつかの実施形態では、融合されたハイブリドーマ細胞は、細胞表面上にヘテロ二量体抗体分子を発現する。抗体産生細胞は、B細胞、プラズマ細胞、骨髄腫、ハイブリドーマ、及び組換え細胞を含むがこれに限定されない、抗体分子を生成することができる、又は生成している任意の細胞である。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞により、細胞が発現するポリペプチドでヘテロ二量体分子を形成する免疫グロブリン重鎖が融合細胞に寄与することとなる。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞により、抗原結合部位を形成するために免疫グロブリン重鎖と結合する免疫グロブリン軽鎖が融合細胞に寄与することとなる。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞により、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を有し、発現するポリペプチドでヘテロ二量体分子を形成する単鎖免疫グロブリンが、融合細胞に寄与することとなる。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞はマウス細胞である。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞はヒト細胞である。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞は、抗体産生細胞集団である。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞は、免疫化動物から単離された細胞である。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞は、未処理動物から単離された細胞である。他の実施形態では、抗体産生細胞には、複数のポリヌクレオチドが含まれる。いくつかの実施形態では、複数のポリヌクレオチドは、免疫グロブリン重鎖を含む複数のポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、複数のポリヌクレオチドは免疫グロブリン軽鎖を含む複数のポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、複数のポリペプチドは、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を有する単鎖免疫グロブリンを含む複数のポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、複数のポリペプチドには、DNAライブラリーが含まれる。いくつかの実施形態では、DNAライブラリーは、免疫化動物の細胞から生成される。他の実施形態では、DNAライブラリーは、未処理ライブラリーである。いくつかの実施形態では、DNAライブラリーは、cDNAライブラリーである。いくつかの実施形態では、本方法により、複数のヘテロ二量体抗体分子を発現するハイブリドーマ細胞集団(例えば、ライブラリー)が製造される。本明細書に記載の方法により製造されるハイブリドーマ又はハイブリドーマライブラリーもまた提供される。
【0128】
本発明はまた、本明細書に記載のポリペプチドを含むヘテロ二量体分子を発現する細胞ライブラリーの製造方法を提供する。いくつかの実施形態では、細胞ライブラリーの製造方法には、複数のポリペプチドをコードする複数のポリヌクレオチドで、本発明のポリペプチドを発現する細胞を形質移入することが含まれる。いくつかの実施形態では、形質移入された細胞はヘテロ二量体分子を発現する。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体分子は、形質移入された細胞の表面上に発現する。いくつかの実施形態では、複数のポリヌクレオチドが、CH2ドメイン及びCH3ドメインを含む免疫グロブリン重鎖定常領域を含む複数のポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、複数のポリヌクレオチドは、免疫グロブリンFc領域を含む複数のポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、複数のポリヌクレオチドは、免疫グロブリン重鎖を含む複数のポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、複数のポリヌクレオチドが、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を含む複数のポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、複数のポリヌクレオチドが、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を有する単鎖免疫グロブリンを含む複数のポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、複数のポリヌクレオチドが、複数のポリペプチドをコードし、各ポリペプチドには、(a)免疫グロブリンFc領域、及び(b)無作為抽出ポリペプチドが含まれる。いくつかの実施形態では、複数のポリヌクレオチドにはDNAライブラリーが含まれる、いくつかの実施形態では、DNAライブラリーは、免疫化動物の細胞から生成される。他の実施形態では、DNAライブラリーは、未処理動物の細胞から生成される。いくつかの実施形態では、DNAライブラリーは未処理ライブラリーである。いくつかの実施形態では、DNAライブラリーは、cDNAライブラリーである。ある実施形態では、DNAライブラリーは、無作為抽出ポリペプチドライブラリーをコードする。本明細書に記載の任意の方法により作られる細胞ライブラリーもまた提供される。
【0129】
本発明はまた、本発明の新規ポリペプチドを発現する細胞を提供し、また抗体を生成する。本発明のポリペプチド、抗体、及び/又は本明細書に記載のヘテロ二量体分子を発現するこれら細胞の製造方法もまた提供される。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞は、本明細書に記載の任意の新規ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドで形質移入される。いくつかの実施形態では、形質移入された細胞は、細胞表面上にヘテロ二量体分子を発現する。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体分子にはポリペプチド及び免疫グロブリン重鎖が含まれる。いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖は免疫グロブリン軽鎖と結合し、単一の抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖は単鎖免疫グロブリンの一部である。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞はハイブリドーマライブラリーである。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞はハイブリドーマである。
【0130】
本発明はまた、本明細書に記載の新規ポリペプチドを含む細胞ライブラリーを提供する。いくつかの実施形態では、細胞ライブラリーの各細胞には、(a)CH2ドメイン及びCH3ドメインを含む免疫グロブリン重鎖定常領域及び膜貫通部の両者を含んだ第1のポリペプチド、並びに(b)免疫グロブリン重鎖を含む第2のポリペプチドが含まれ、これら2つのポリペプチドはヘテロ二量体分子を形成することができる。いくつかの実施形態では、これら2つのポリペプチドは、共有結合的に結ばれている。いくつかの実施形態では、これら2つのポリペプチドは、少なくとも1つのジスルフィド結合を形成する。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体分子は細胞表面上で結合する。いくつかの実施形態では、各細胞はさらに免疫グロブリン軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドは単鎖免疫グロブリンである。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体分子は単一の抗原結合部位を含む。
【0131】
本発明はまた、抗体ではないポリペプチドを同定及び/又は選択する方法を提供する。ポリペプチドには、細胞表面受容体若しくはその断片、可溶性受容体又はその断片、細胞表面リガンド又はその断片、及び可溶性リガンド又はその断片が含まれるが、これに限定されない。ポリペプチドは、タンパク質が変異誘発したもの又は誘導体化したものが含まれ得る。ポリペプチドには、無作為抽出ポリペプチド、例えば、無作為抽出されたポリペプチドライブラリーが含まれ得る。
【0132】
いくつかの実施形態では、細胞ライブラリーの各細胞には、(a)CH2ドメイン及びCH3ドメインを含む免疫グロブリン重鎖定常領域を含む第1のポリペプチド、及び(b)第2のポリペプチドが含まれる。ある実施形態では、これら2つのポリペプチドが共有結合的につながる。いくつかの実施形態では、これら2つのポリペプチドは、少なくとも1つのジスルフィド結合を形成する。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドには、CH2ドメイン及びCH3ドメインを含む免疫グロブリン重鎖定常領域が含まれ、これら2つのポリペプチドはヘテロ二量体分子を形成することができる。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドには、免疫グロブリンFc領域が含まれる、いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドには、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を有する単鎖免疫グロブリンが含まれる。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドには、無作為抽出ポリペプチドが含まれる。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドには、(a)免疫グロブリンFc領域及び(B)無作為抽出ポリペプチドが含まれる。
【0133】
無作為抽出ポリペプチド又は無作為ポリペプチドライブラリー(及びそれらをコードするポリヌクレオチド)は、完全に無作為抽出であるか、又は無作為化による偏向を生じているかのいずれかである。ヌクレオチド及び/又はペプチドの化学合成を含むがこれに限定されない、当業者に周知の任意の方法を用いて、無作為抽出ポリペプチド又は無作為ペプチドライブラリ―を生成することができる(例えば、米国特許出願第2003/0170753号及び国際出願第WO 00/20574号を参照のこと)。
【0134】
本明細書に記載の細胞ライブラリーは、特定のポリペプチドを生成する細胞からスクリーンされ得る。よって、本明細書に記載の細胞ライブラリーを検出分子と接触させることを含む細胞ライブラリーのスクリーニング法も、本明細書において提供される。いくつかの実施形態では、本方法にはさらに、検出分子と結合する細胞を同定することも含まれる。いくつかの実施形態では、本方法にはさらに、検出分子と結合する細胞を単離することも含まれる。検出分子には、タンパク質、炭水化物、小分子、及びその変異体が含まれるが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、検出分子はタンパク質又はその断片である。いくつかの実施形態では、検出分子には対象の抗原が含まれる。いくつかの実施形態では、検出分子は、細胞の細胞表面受容体、抗体、リガンド又はその断片である。いくつかの実施形態では、検出分子は標識化されている。いくつかの実施形態では、検出分子は、蛍光団、発色団又は磁気化合物である。いくつかの実施形態では、検出分子と結合する細胞は、フローサイトメトリにより同定される。いくつかの実施形態では、検出分子と結合する細胞は、FACSにより単離される。
【0135】
IV.抗体又はポリペプチドを同定、選択及び/又は単離する方法
対象の抗原に対するモノクロナール抗体を生成するハイブリドーマ細胞の同定は、典型的には、細胞上清のELISAスクリーニングにより達成される。上清は、単一細胞(制限希釈)クローニング技法により単離される無作為細胞により生成され得る。又は、上清はハイブリドーマライブラリー由来のハイブリドーマ細胞のプールにより生成され得、それにより任意のELISAポジティブプール由来の細胞は、単一細胞クローニングによりサブクローンされ、単離されなければならない。これらの方法には多くの限界が存在する。まず第一に、ELISAポジティブクローンを見つけるために、「単一細胞」培養液を含む大量のプレートをスクリーンしなければならない。ハイブリドーマプールスクリーニングの場合、対象のハイブリドーマの純粋クローンを単離するために、各ELISAポジティブクローンをさらに制限希釈クローンにより分離しなければならない。これら両方法とも非常な労力を要し、時間がかかる。さらに、いくつかの実施形態では、ハイブリドーマライブラリーのうち所望のクローンが占める割合は極端に低く、そのため希少クローンの同定が困難である。その上、ELISAスクリーニング方式は、単一の抗原への結合活動を同定する。個別ハイブリドーマクローンが、2以上の抗原、複数、連続的ELISAと結合できるモノクロナール抗体を生成するかどうかを評価する必要がある。
【0136】
本発明の新規ポリペプチド、細胞、及び細胞ライブラリーは、対象の抗原又は標的に特異的な抗体を生成する細胞を同定及び単離する方法において用いられ得る。いくつかの実施形態では、特異的抗体を生成する細胞を同定する方法には、本明細書に記載の新規ポリペプチドを含む細胞を、ハイブリドーマ細胞集団を生成する抗体産生細胞と融合させることが含まれる。いくつかの実施形態では、ハイブリドーマ細胞は、細胞表面上にヘテロ二量体抗体分子を発現する。いくつかの実施形態では、本方法には、ハイブリドーマ細胞集団を検出分子と接触させることが含まれる。いくつかの実施形態では、本方法には、検出分子と結合するハイブリドーマ細胞を同定することが含まれる。いくつかの実施形態では、本方法には、検出分子と結合する細胞を単離することが含まれる。いくつかの実施形態では、検出分子は対象の標的である。いくつかの実施形態では、検出分子は、タンパク質又はその断片である。いくつかの実施形態では、検出分子は標識化されている。
【0137】
いくつかの実施形態では、抗体分子を生成するハイブリドーマ細胞は、当業者の間で「パニング」として知られているアフィニティ選択の形式を用いて同定される。細胞を検出分子(例えば、対象の抗原)でインキュベートし、検出分子により同定された細胞を単離する。単離された細胞由来の免疫グロブリンDNAを増幅し、細胞に再導入する。再び細胞を検出分子でインキュベートし、検出分子と結合した細胞を単離する。1又はそれ以上の選択ラウンドにより、対象の標的に対する所望の特異性を有する抗体又はその断片を選択、濃縮することができる。よって、所望の抗体分子を発現する希少細胞を、大量かつ高度に多様化した集団から選択することが可能である。
【0138】
本明細書に記載の通り、いくつかの実施形態では、本発明のポリペプチドには、CH2及びCH3を含む免疫グロブリン重鎖定常領域及び膜貫通部の両者が含まれる。ポリペプチドは、抗体産生細胞が発現する免疫グロブリン重鎖−軽鎖のペアと共有結合的に連結し、細胞表面に発現されるヘテロ二量体抗体分子を形成することができる。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体抗体分子は、単一の抗原結合部位を含み及び一価抗体である。個別細胞上にあるヘテロ二量体分子の単一の抗原結合部位は、個別細胞により生成及び分泌された抗体の結合特異性を表している。よって、対象の特異的抗原に結合するヘテロ二量体抗体分子を有する細胞を同定することにより、同じ結合特異性を有する分泌抗体をも生成する細胞の単離が可能となる。
【0139】
抗体産生細胞は、天然で抗体(例えば、B細胞)を生成する細胞であろうと、又は、組換え手段(例えば、形質移入された細胞)により抗体を作る細胞であろうと、抗体を産生する細胞であればいかなる細胞であってもよい。よって、いくつかの実施形態では、抗体産生細胞は、B細胞、プラズマ細胞、骨髄腫、又は組換え細胞である。いくつかの実施形態では、抗体性細胞は、マウス細胞である。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞は、ヒト細胞である。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞は、抗体産生細胞集団である。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞は、免疫化動物由来である。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞は、未処理動物由来である。
【0140】
いくつかの実施形態では、抗体産生細胞には、複数のポリヌクレオチドが含まれる。いくつかの実施形態では、複数のポリヌクレオチドは、免疫グロブリン重鎖を含む複数のポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、複数のポリヌクレオチドは、免疫グロブリン軽鎖をさらに含む複数のポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、複数のポリヌクレオチドは、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を有する単鎖免疫グロブリンを含む複数のポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、複数のポリヌクレオチドには、DNAライブラリーが含まれる。いくつかの実施形態では、DNAライブラリーは、免疫化動物の細胞から生成される。いくつかの実施形態では、DNAライブラリーは、未処理動物の細胞から生成される。いくつかの実施形態では、DNAライブラリーは、未処理ライブラリーである。他の実施形態では、DNAライブラリーは、cDNAライブラリーである。
【0141】
本明細書で提供される方法では、抗体産生細胞により生成される抗体のタイプは制限されない。よって、いくつかの実施形態では、抗体産生細胞により作られる抗体は、組換え抗体、モノクロナール抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、単鎖抗体、又は抗体断片である。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞により作られる抗体は、モノ特異的抗体又はマルチ特異的抗体(例えば、二重特異的抗体)である。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞により作られる抗体は、IgA、IgD、IgE、IgG若しくはIgM抗体又はそのサブタイプである。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞により作られる抗体は、IgG1又はIgG2抗体である。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞により作られる抗体は、IgG2抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はマウス抗体である。いくつかの実施形態では、抗体産生細胞により作られる抗体は、ヒト化抗体である。他の実施形態では、抗体はヒト抗体である。
【0142】
いくつかの実施形態では、特異的抗体を生成する細胞の同定方法には、少なくとも1つの追加ポリペプチドをコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドを有する、本明細書に記載の新規のポリペプチドを含む細胞を形質移入することが含まれる。いくつかの実施形態では、形質移入された細胞は、細胞表面上にヘテロ二量体抗体分子を発現する。いくつかの実施形態では、本方法には、形質移入された細胞を検出分子と接触させることが含まれる。いくつかの実施形態では、本方法には、検出分子と結合する形質移入された細胞を同定することが含まれる。いくつかの実施形態では、本方法には、検出分子と結合する細胞を単離することが含まれる。いくつかの実施形態では、検出分子は対象の標的である。いくつかの実施形態では、検出分子は、タンパク質又はその断片である。いくつかの実施形態では、検出分子は標識化されている。
【0143】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポリヌクレオチドには、複数のポリペプチドをコードする複数のポリヌクレオチドが含まれる。いくつかの実施形態では、複数のポリヌクレオチドは、免疫グロブリン重鎖を含む複数のポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、複数のポリヌクレオチドは、免疫グロブリン軽鎖をさらに含む複数のポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、複数のポリヌクレオチドは、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を有する単鎖免疫グロブリンを含む複数及び/又はポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、複数のポリヌクレオチドには、DNAライブラリーが含まれる。いくつかの実施形態では、DNAライブラリーは、免疫化動物の細胞から生成される。いくつかの実施形態では、DNAライブラリーは、未処理動物の細胞から生成される。いくつかの実施形態では、DNAライブラリーは未処理ライブラリ―である。他の実施形態では、DNAライブラリ―は、cDNAライブラリーである。
【0144】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポリヌクレオチドは、組換え抗体、モノクロナール抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、単鎖抗体、又はその断片である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポリヌクレオチドは、モノ特異的抗体又はマルチ特異的抗体(例えば、二重特異的抗体)であるポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポリヌクレオチドは、IgA、IgD、IgE、IgG若しくはIgM抗体又はそのサブタイプであるポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポリヌクレオチドは、IgG1又はIgG2抗体であるポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポリヌクレオチドは、IgG2抗体であるポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポリヌクレオチドは、マウス抗体であるポリペプチドをコードする。少なくとも1つのポリヌクレオチドは、ヒト化抗体であるポリペプチドをコードする。他の実施形態では、少なくとも1つのポリヌクレオチドは、ヒト抗体であるポリペプチドをコードする。
【0145】
いくつかの実施形態では、特異的抗体を生成する細胞の同定方法には、本明細書に記載の任意の新規ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド又はベクターで、抗体産生細胞を含む細胞ライブラリーを形質移入することが含まれる。いくつかの実施形態では、形質移入された細胞は、細胞表面上にヘテロ二量体抗体分子を発現する。いくつかの実施形態では、本方法には、形質移入された細胞を検出分子に接触させることが含まれる。いくつかの実施形態では、本方法には、検出分子と結合する形質移入された細胞を同定することが含まれる。いくつかの実施形態では、本方法には、検出分子と結合する形質移入された細胞を単離することが含まれる。いくつかの実施形態では、検出分子は対象の標的である。いくつかの実施形態では、検出分子は、タンパク質又はその断片である。いくつかの実施形態では、検出分子は標識化されている。
【0146】
いくつかの実施形態では、細胞ライブラリーは、B細胞、プラズマ細胞、ハイブリドーマ、骨髄腫、又は組換え細胞である。いくつかの実施形態では、細胞ライブラリーは、ハイブリドーマライブラリーである。いくつかの実施形態では、細胞ライブラリーにはマウス細胞が含まれる。いくつかの実施形態では、細胞ライブラリーにはヒト細胞が含まれる。
【0147】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、特異的抗体を分泌するが、細胞表面上にも分泌抗体の結合特異性を表す単一の抗原結合部位を含む一価のヘテロ二量体抗体分子を発現する、細胞又はハイブリドーマを生成する。このヘテロ二量体抗体分子、従って抗体産生細胞は、検出分子を用いて同定され得る。いくつかの実施形態では、検出分子は対象の抗原である。いくつかの実施形態では、検出分子は、タンパク質又はその断片である。いくつかの実施形態では、検出分子は標識化されている。いくつかの実施形態では、検出分子は、蛍光団、発光団又は磁気化合物で標識化されている。いくつかの実施形態では、検出分子と結合する細胞は、フローサイトメトリで同定される。いくつかの実施形態では、検出分子と結合する細胞は、FACSにより単離される。
【0148】
本発明の新規ポリペプチド、細胞、及び細胞ライブラリーは、対象の抗原又は標的に特異的な抗体のスクリーニング法で使用され得る。いくつかの実施形態では、特異的抗体のスクリーニング法には、本明細書に記載の細胞又は細胞ライブラリーをスクリーニングすることが含まれる。いくつかの実施形態では、細胞(例えば、細胞ライブラリー)は、細胞表面上にヘテロ二量体分子を発現する。本明細書に記載の通り、細胞表面上に発現するヘテロ二量体分子には、細胞により生成される抗体の結合部位と同じ結合部位が含まれる。いくつかの実施形態では、特異的抗体のスクリーニング法には、細胞を検出分子と接触させることが含まれる。検出分子と結合するヘテロ二量体分子を発現する細胞は、検出分子に特異的な抗体分子を発現する。いくつかの実施形態では、スクリーニング法には、検出分子に結合する細胞を同定することが含まれる。いくつかの実施形態では、スクリーニング法には、検出分子と結合する細胞を単離することが含まれる。いくつかの実施形態では、スクリーニング法には、検出分子と結合する細胞によって生成される抗体を単離することが含まれる。いくつかの実施形態では、検出分子は対象の標的である。いくつかの実施形態では、検出分子はタンパク質又はその断片である。いくつかの実施形態では、検出分子は標識化されている。
【0149】
いくつかの実施形態では、膜MAb技法を用いた特異的抗体のスクリーニングには、増幅後の反復的な選択ラウンドが含まれる。例えば、細胞(例えば、293−hMT細胞又は293T−hMT細胞)は、ライブラリーDNAで形質移入される。任意の1つの形質移入に用いられるDNAの量及び細胞の数は、ライブラリー及び/又はライブラリーの多様性に依存する。いったん形質移入されたら、細胞は、24〜48時間インキュベートされ、培養される。その後、細胞を収穫し、洗浄し、標的分子(例えば、対象の抗原)でスクリーンする。スクリーニング分子は、直接標識化される場合もあり、又は標識化された第2の分子により検出される場合もある。標識化された細胞は、当業者に周知の方法、例えば、FACS又は磁気ビーズを用いることで、解析及び/又はソートされる。ソートされた細胞由来のプラスミドDNAは、抽出され、増幅される。プラスミドDNAは、任意の周知の方法により抽出、精製されてもよい。例えば、フェノール/クロロホルム混合物と、その後エタノール沈殿を用いて、プラスミドDNAを抽出することができる。その後、精製されたプラスミドを用いて、バクテリアを形質転換し、単離されたDNAを増幅することができる。又は、DNAを細胞から単離し、当業者に周知のPCR法により特定の領域を増幅してもよい。PCR生成物を、バクテリアを形質転換し、プラスミドを増幅するために用いられる宿主プラスミドに戻しサブクローン化する。いずれかの方法を用いて得られた、第1選択から増幅されたライブラリアウトプットを用いて、新鮮な細胞(例えば、293−hMT又は293T−hMT細胞)を形質移入し、その後、同じ標的又は抗原を使って選択ラウンドを実施する。このようにして、対象の標的又は抗原に特異的に結合する抗体集団が濃縮されるまで、複数回の選択ラウンドを行う。
【0150】
いったんライブラリーが特異的抗体分子集団を濃縮すると、DNAは単離され、バクテリアを形質転換するために用いられる。単一のコロニーが選ばれ、プラスミドDNAが単離される。可溶性抗体の生成のため、クローンプラスミドを用いて、哺乳動物細胞(例えば、親HEK−293又は親293T細胞)の形質移入が行われる。その結果得られた抗体は、その後、ELISA、FACS及び/又はBiacoreにより所望の標的に特異的に結合するかどうか試験される。
【0151】
プラスミドで哺乳動物細胞を一時的に形質移入すると、通常は、細胞毎にプラスミドの複製が複数生じる。細胞毎の複製数は、100〜10,000の範囲であり得る。細胞毎の絶対数は、トランスフェクションプロトコル、トランスフェクション試薬、プラスミドの品質、プラスミドのサイズ、及び細胞密度等の多様な要素に依存するが、これに限定されない。細胞表面に表示された抗体のライブラリーを生成するにあたり、細胞内に導入された抗体コードプラスミド(又はAbライブラリープラスミド)の量を調節することが望ましい。いくつかの実施形態では、細胞のAbライブラリープラスミドのプラスミド複製数を調節するために、別の「担体」プラスミドを使用してもよい。担体プラスミドをAbライブラリープラスミドと混ぜ合わせ、利用可能な「プラスミドスペース(plasmid space)」の一部を利用する。よって、いくつかの実施形態では、細胞により利用されるAbライブラリープラスミドの数を調節するために、担体プラスミドをAbライブラリープラスミドと異なる割合で混ぜ合わせ、その後、細胞に形質移入する。
【0152】
いくつかの実施形態では、宿主細胞の表面上のポリペプチド発現を調節する方法には、(a)ポリペプチドをコードするDNA、及び(b)無関係DNAの過剰量を宿主細胞に形質移入することが含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、ヘテロ二量体抗体分子である。よって、いくつかの実施形態では、宿主細胞の表面上のヘテロ二量体抗体分子の発現を調節する方法には、(a)DNAコード免疫グロブリン、及び(b)無関係DNAの過剰量を宿主細胞に形質移入することが含まれる。いくつかの実施形態では、無関係DNAに対し免疫グロブリンをコードするDNAの割合は、1:10〜1:1,000,000である。いくつかの実施形態では、無関係DNAに対し免疫グロブリンをコードするDNAの割合は、1:10、1:100、1:1000、1:10,000、1:100,000、1:1,000,000、又はこれらの間の任意の割合である。いくつかの実施形態では、免疫グロブリンをコードするDNAは、プラスミドDNAであり、無関係DNAは、プラスミドDNAである。いくつかの実施形態では、宿主細胞には、本明細書に記載の任意のポリペプチド又はポリヌクレオチドが含まれる。いくつかの実施形態では、免疫グロブリンには、免疫グロブリン重鎖が含まれる。いくつかの実施形態では、抗体には、免疫グロブリン軽鎖が含まれる。いくつかの実施形態では、免疫グロブリンは、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を有する単鎖抗体分子である。いくつかの実施形態では、免疫グロブリンをコードするDNAは、DNAライブラリーである。いくつかの実施形態では、DNAライブラリーは、免疫化動物の細胞から生成される。いくつかの実施形態では、DNAライブラリーは、未処理動物の細胞から生成される。いくつかの実施形態では、DNAライブラリーは、cDNAライブラリーである。いくつかの実施形態では、本方法にはさらに、宿主細胞を検出分子と接触させることが含まれる。いくつかの実施形態では、本方法には、検出分子と結合する宿主細胞を同定することが含まれる。いくつかの実施形態では、本方法には、検出分子と結合する宿主細胞を単離することが含まれる。
【0153】
本発明はまた、本明細書に記載の任意の方法により同定、選択、及び/又は単離された細胞により精製される抗体も提供する。本発明はまた、本明細書に記載の任意の方法により単離された細胞により精製された抗体も提供する。
【0154】
V.抗体
本明細書に記載の通り、本発明の新規のポリペプチド及び細胞は、対象の標的(例えば、抗原)を特異的に結合させる抗体を同定、選択及び/又は単離するために用いてもよい。いくつかの実施形態では、細胞表面上に発現するヘテロ二量体抗体分子には、単一の抗原結合部位を形成する免疫グロブリン重鎖−軽鎖のペアが含まれる。単一の抗原結合部位は、細胞により生成、分泌される抗体の抗原結合部位と同一であり、及び/又はそれを表している。
【0155】
本明細書で提供するポリペプチド、細胞及び方法は、生成する抗体のタイプに制限されない。いくつかの実施形態では、抗体はモノクロナール抗体である。モノクロナール抗体は、当業者に周知のハイブリドーマ法を用いて製造することができる(例えば、KohlerとMilstein、1975、ネイチャー(Nature) 256:495を参照のこと)。いくつかの実施形態では、マウス、ハムスター、又は他の適切な宿主動物は、関連抗原を複数の皮下注射、腹腔内注射又は静脈内注射により免疫する(例えば、精製されたペプチド断片、全長組換えタンパク質、融合タンパク質等)。抗原は、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、又は血清アルブミン等の担体タンパク質に、任意選択的に結合させることができる。抗原は(担体タンパク質の有無に関わらず)、滅菌生理食塩水で希釈され、通常は、安定なエマルジョンを形成するためのアジュバント(例えば、完全又は不完全フロイントアジュバント)と組み合わされる。いくつかの実施形態では、免疫抗原はヒトタンパク質又はその一部であり得る。いくつかの実施形態では、免疫抗原はマウスタンパク質又はその一部であり得る。いくつかの実施形態では、マウスはヒト抗原で免疫化されている。いくつかの実施形態では、マウスはマウス抗原で免疫化されている。いくつかの実施形態では、単離されたリンパ球はin vitroで免疫化され得る。いくつかの実施形態では、単離されたリンパ球は非特異的に活性化される。いくつかの実施形態では、単離されたリンパ球は、マウスリンパ球である。いくつかの実施形態において、単離されたリンパ球はヒトリンパ球である。
【0156】
免疫化及び/又は活性化に続き、ハイブリドーマを生成するために、例えば、ポリエチレングリコールを用いて、好適な細胞株でリンパ球を単離及び融合する。ハイブリドーマを生成するために使用される細胞株には、本明細書に記載の新規のポリペプチドを発現する任意の細胞株が含まれてもよい。いくつかの実施形態では、ハイブリドーマ細胞は、当業者の間で知られている特別な媒体を利用して選択する。いくつかの実施形態では、選択された抗原に対抗するモノクロナール抗体を生成するハイブリドーマは、免疫沈降、イムノブロッティング、及びin vitro結合アッセイ(例えば、フローサイトメトリー(FACS)、酵素免疫測定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA))等の多様な技法により同定してもよいが、これに限定されない。他の実施形態では、細胞は、本明細書に記載の任意の方法を用いて、ヘテロ二量体抗体分子の一部として細胞表面上に発現する抗原結合部位に基づき直接選択される。ハイブリドーマは、標準的な方法を用いたin vitro培養で(Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, Academic Press社、1986)、又は動物の腹水としてin vivoのいずれかで増殖することができる。モノクロナール抗体は、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析等、当分野における標準的方法に従って、培養培地又は腹水から精製され得るが、これらに限定されない。
【0157】
代わりに、当業者に知られている組換えDNA技法を用いて、モノクロナール抗体を製造することもできる(米国特許第4,816,567号を参照のこと)。いくつかの実施形態では、モノクロナール抗体をコードするポリヌクレオチドは、抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子を特異的に増幅するオリゴヌクレオチドプライマーを用いたRT−PCR等の技法を使って、成熟したB細胞又はハイブリドーマ細胞から単離される。単離されたポリヌクレオチドの配列は、従来のシークエンシング技法を使って決定され得る。重鎖及び軽鎖をコードする単離されたポリヌクレオチドは、好適な発現ベクターにクローンされ得る。これら発現ベクターは、大腸菌、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ヒト胎児腎臓細胞(HEK)、又は、別の手段では免疫グロブリンタンパク質を産生しない骨髄腫細胞等の宿主細胞に形質移入される場合、モノクロナール抗体を生成する。いくつかの実施形態では、重鎖及び軽鎖をコードする単離されたポリヌクレオチドは、CH2ドメイン及びCH3ドメイン及び膜貫通部を含む免疫グロブリン重鎖含有ポリペプチドを発現する、本発明の細胞に形質移入される。
【0158】
組換えモノクロナール抗体、又はその断片もまた、所望の種のCDRsを発現するファージディスプレイライブラリーから単離され得る(例えば、McCaffertyら、1990,ネイチャー(Nature)、348:552−554; Clacksonら、1991、ネイチャー(Nature)、352:624−628;及びMarksら、1991、J. Mol. Biol、222:581−597を参照のこと)。
【0159】
モノクロナール抗体をコードするポリヌクレオチドをさらに組換えDNA技法を用いて修飾し、代替抗体を生成することができる。いくつかの実施形態では、例えば、マウスモノクロナール抗体の軽鎖及び重鎖の定常ドメインを、1)例えば、ヒト抗体のこれら領域と置換しキメラ抗体を生成する、又は2)非免疫グロブリンポリペプチドと置換し融合抗体を生成することは可能である。いくつかの実施形態では、定常領域はトランケート又は除去され、モノクロナール抗体の所望の抗体断片を生成する。可変領域の部位特異的又は高密度突然変異誘発を使用して、モノクローナル抗体の特異性、親和性及び/又は他の生物学的特性を最適化することができる。いくつかの実施形態では、CDRsの部位特異的な変異誘発を使用して、モノクローナル抗体の特異性、親和性及び/又は生物学的特性を最適化することができる。
【0160】
いくつかの実施形態では、抗体はヒト化抗体である。典型的に、ヒト化抗体は、相補性決定領域(CDRs)の残基を、当業者に知られている方法を用いて、所望の特異性、親和性及び/又は機能性を有する非ヒト種(例えば、マウス、ラット、ラビット、ハムスター)のCDRsの残基で置換したヒト免疫グロブリンである。いくつかの実施形態では、ヒト免疫グロブリンのFv枠組み領域(FR)残基を、所望の特異性、親和性及び/又は機能性を有する非ヒト免疫グロブリンの相応する枠組み領域残基で置換する。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体はさらに、Fv枠組み領域において、及び/又は特異性、親和性及び/又は機能性を精錬し、最適化する、置換された非ヒト残基内において、追加の残基置換基で修飾され得る。一般に、ヒト化抗体には、非ヒト免疫グロブリンに相応するCDRsの全て、又は実質的に全てを含む、少なくとも1つ、典型的には2つ又は3つの可変ドメインの実質的に全てが含まれ、一方で、枠組み領域の全て、又は実質的に全ては、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のそれである。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体にはまた、免疫グロブリン定常領域又はドメイン(Fc)の少なくとも一部、典型的にはヒト免疫グロブリンのそれが含まれる。ある実施形態では、係るヒト化抗体は治療的に利用される。その理由は、ヒト対象に投与する時、抗原性及びHAMA(ヒト抗マウス抗体)反応を低下させる場合があるためである。当業者であれば、既知の技法に従って、免疫原性の低下した機能性ヒト化抗体を得ることができる(例えば、米国特許第5,225,539号、第5,585,089号、第5,693,761号、及び第5,693,762号を参照のこと)。
【0161】
ある実施形態では、抗体はヒト抗体である。ヒト抗体は、当技術分野で知られている様々な技法を使って直接製造することができる。標的抗原に対抗する抗体を生成する、in vitroで免疫化された又は免疫化された個体から単離された、不死化ヒトBリンパ球を生成することが可能である。代わりに、ヒト抗体を、ヒト抗体を発現するファージライブラリから選択することもできる(例えば、Vaughanら、1996、ネイチャー バイオテクノロジー(Nat. Biotech.)、14:309−314; Sheetsら、1998,米国科学アカデミー紀要(PNAS)、95:6157−6162; HoogenboomとWinter, 1991、分子生物学誌(J Mol. Biol)、227:381;及びMarksら、1991、分子生物学誌(J Mol. Biol)、222:581を参照のこと)。抗体ファージライブラリの生成及び利用の技法についてはまた、米国特許第5,969,108号、第6,172,197号、第5,885,793号、第6,521,404号、第6,544,731、第6,555,313号、第6,582,915号、第6,593,081号、第6,300,064号、第6,653,068号、第6,706,484号、及び第7,264,963号、並びにRotheら、2008、分子生物学誌(J. Mol. Bio.)、376:1182−1200に記載されている。親和性成熟戦略及び鎖シャッフリング戦略については、当技術分野で知られており、これらを高度親和性ヒト抗体を生成するために利用してもよい(Marksら、 1992、バイオテクノロジー(Bio/Technology)、10:779−783)。
【0162】
ヒト抗体はまた、予防接種時に、内因性免疫グロブリン産生不在下でヒト抗体の全レパートリーを生成できる、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を含むトランスジェニックマウスで製造され得る。この方式は、米国特許第5,545,807号、第5,545,806号、第5,569,825号、第5,625,126号、第5,633,425号、及び第5,661,016号に記載されている。
【0163】
ある実施形態では、抗体は二重特異的抗体である。二重特異的抗体は、少なくとも2つの異なるエピトープを特異的に認識し、結合することができる。異なるエピトープは、同じ分子内か、また異なる分子上のいずれかに存在し得る。ある実施形態では、抗体は、第1抗原標的を発現する細胞に対する細胞防衛メカニズムに集中するため、白血球上のエフェクター分子(例えば、CD2、CD3、CD28、又はB7)、又はFc受容体(例えば、CD64、CD32、又はCD16)等の第1抗原標的並びに第2抗原標的を特異的に認識し、結合する。いくつかの実施形態では、抗体を用いて、細胞傷害性薬物を特定の標的抗原を発現する細胞に向かわせることができる。これらの抗体は、抗原結合アーム、及び細胞傷害性薬物又はEOTUBE、DPTA、DOTA、若しくはTETA等の放射性核種のキレート剤を保有する。
【0164】
二重特異性抗体の製造技法は、当業者の間で知られており、例えば、Millstemら、1983、ネイチャー(Nature)、305:537−539;Brennanら、1985、サイエンス(Science)、229:81;Sureshら、1986、酵素学の方法(Methods in Enzymol)、121:120; Trauneckerら、1991、欧州生物学機構誌(EMBO J.)、10:3655−3659; Shalabyら、1992、実験医学誌(J. Exp. Med.)、175:217−225; Kostelnyら、1992、米国免疫学誌(J. Immunol)、148:1547−1553; Gruberら、1994、米国免疫学誌(J. Immunol.)、152:5368;及び米国特許第5,731,168号を参照のこと。二重特異性抗体は、インタクトな抗体又は抗体断片であり得る。2より多くの原子価を有する抗体も考慮される。例えば、三重特異性抗体を産生することも可能である(Tuttら、1991、米国免疫学誌(J. Immunol.)、147:60)。よって、ある実施形態では、抗体は多重特異的である。
【0165】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体は、単一の遺伝子コンストラクトから生成される単鎖免疫グロブリンである(例えば、Leeら、1999、分子免疫学誌(Molecular Immunology)、36:61−71を参照のこと)。単鎖免疫グロブリンには、その全体にわたり、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖の両方が含まれる。例えば、軽鎖のカルボキシル末端を、Gly−Serリンカーペプチドを介して、重鎖のアミノ酸末端に接合させる。その中で、軽鎖には可変領域及び定常領域が含まれ、重鎖には可変領域及びCH1、CH2及びCH3が含まれる。これらの単鎖免疫グロブリンは、二量体抗体分子を形成する。
【0166】
ある実施形態では、本明細書に記載の抗体又は他のポリペプチドは、モノ特異的であってもよい。
【0167】
ある実施形態では、抗体は抗体断片である。抗体断片は、インタクト抗体とは異なる機能又は能力を有する場合がある。例えば、抗体断片の腫瘍浸透が増加することもあり得る。抗体断片の生成として、インタクト抗体のタンパク質分解消化を含むがこれに限定されない、様々な技法が知られている。いくつかの実施形態では、抗体断片には、抗体分子のペプシン消化により生成されるF(ab')2断片が含まれる。いくつかの実施形態では、抗体断片には、F(ab')2断片のジスルフィド架橋を還元することにより生成されるFab断片が含まれる。他の実施形態では、抗体断片には、パパイン及び還元剤で抗体分子を処理することにより生成されるFab断片が含まれる。ある実施形態では、抗体断片は、組換えで生成される。いくつかの実施形態では、抗体断片には、Fv又は単鎖Fv(scFv)断片が含まれる。Fab、Fv及びscFv抗体断片は、大腸菌又はその他の宿主からの発現、分泌が可能であり、そのため断片の大量生成が可能となる。いくつかの実施形態では、抗体断片は、本明細書に記載の抗体ファージライブラリーから単離する。例えば、本方法を用いてFab発現ライブラリーを構成し(Huseら、1989、サイエンス(Science)、246:1275−1281)、タンパク質又は誘導体、断片、類似体又はその相同体に対し所望の特異性を有するモノクロナールFab断片を迅速かつ有効的に同定できるようにする。いくつかの実施形態では、抗体断片は、米国特許第5,641,870号に記載の直線抗体断片である。ある実施形態では、抗体断片は、モノ特異的又は二重特異的である。ある実施形態では、抗体は、scFvである。所定の標的抗原に特異的な単鎖抗体の生成に、多様な技法を用いることができる(例えば、米国特許第4,946,778号を参照のこと)。
【0168】
半減期の血清を増加させるためには、特に抗体断片の場合には、抗体を修飾することがさらに望ましくなり得る。これは、例えば、エピトープに結合するサルベージ受容体を、抗体断片の適切な領域の突然変異による抗体断片に組み入れることにより、又は、エピトープをペプチドタグに組み入れて後、抗体断片の末端又は中間のいずれかに融合させることにより(例えば、DNA又はペプチド合成によって)達成され得る(例えば、米国特許第6,096,871号及び第6,121,022号を参照のこと)。
【0169】
本発明の目的のためには、修飾抗体又はその断片には、それが結合する特異的抗原との結合をもたらす任意のタイプの可変領域が含まれ得ると理解されるべきである。この点に関して、可変領域は、体液性応答をマウントし、所望の抗原に対する免疫グロブリンを生成するために誘導され得る、任意の哺乳動物タイプ由来であってもよい。それゆえ、修飾抗体の可変領域は、例えば、ヒト、マウス、非ヒト霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル等)又はラビットオリジンのものであり得る。いくつかの実施形態では、修飾された免疫グロブリンの可変及び定常領域双方ともヒトである。他の実施形態では、互換性のある抗体の可変領域(通常は、非ヒトのソースから抽出)は、結合特性を改善するために、又は分子の免疫原性を低減するために、設計又は特異的に仕立てることが可能である。この点において、本発明に有益な可変領域はヒト化され、そうでなければ、インポートされたアミノ酸配列を含めることにより変更される。
【0170】
ある実施形態では、重鎖及び軽鎖双方における可変領域は、1又はそれ以上のCDRsの少なくとも部分的置換により、及び、必要であれば部分的枠組み領域置換及び配列修飾により変更される。CDRsは、枠組み領域由来の抗体と同じクラス又はサブクラスも含め、それら抗体から得てもよいが、CDRsは、異なるクラスの抗体、好ましくは、異種の抗体由来となると想定される。1つの可変ドメインの抗原結合能力を別のドメインに移すために、全CDRsをドナー可変領域の全CDRsと置き換える必要性はない場合がある。むしろ、抗原結合部位の活性を維持するのに必要なこれら残基を移すことだけが必要であると言える。
【0171】
可変領域の変更にも関わらず、当業者であれば、本発明の修飾抗体には、未処理又は未変更の定常領域を含むほぼ同様の免疫原性の抗体と比較して、腫瘍局在の増加、腫瘍浸透の増加、血清半減期の減少、又は血清半減期の増加等、所望の生化学特性を提供するために、1又はそれ以上の定常領域の少なくとも一部が削除され、そうでなければ変更される抗体(例えば、全長抗体又はその抗原結合性断片)が含まれると理解するであろう。いくつかの実施形態では、修飾抗体の定常領域には、ヒト定常領域が含まれる。定常領域に対する修飾には、1又はそれ以上のドメインの1又はそれ以上のアミノ酸の追加、欠失又は置換が含まれる。本明細書で開示される修飾抗体には、3つの重鎖定常ドメイン(CH1、CH2若しくはCH3)のうち1若しくはそれ以上、及び/又は軽鎖定常ドメイン(CL)に対する変更若しくは修飾が含まれ得る。いくつかの実施形態では、1又はそれ以上のドメインは、修飾抗体の定常領域から部分的に又は全体が削除される。いくつかの実施形態では、CH2ドメイン全体が除去される(ΔCH2コンストラクト)。いくつかの実施形態では、省略された定常領域ドメインは、定常領域が無い場合典型的に分子柔軟性を一部もたらす、短いアミノ酸スペーサー(例えば、10aa残基)に置き換えられる。
【0172】
ある実施形態では、修飾抗体は、CH3ドメインを抗体のヒンジ領域に直接融合させるよう設計されている。他の実施形態では、ペプチドスペーサーは、ヒンジ領域と修飾されたCH2ドメイン及び/又はCH3ドメインの間に挿入される。例えば、コンストラクトは、CH2ドメインが削除され、残りのCH3ドメイン(修飾又は未修飾)が5〜20個のアミノ酸スペーサーでヒンジ領域に接合するよう発現されてもよい。定常ドメインの制御因子はフリーかつアクセス可能のままであり、又はヒンジ領域は柔軟なままであるよう、係るスペーサーを追加してもよい。しかし、アミノ酸スペーサーは免疫原性であり、コンストラクトに対して望ましくない免疫反応を誘発する場合のあることに留意されたい。従って、ある実施形態では、コンストラクトに追加する任意のスペーサーは、修飾抗体の所望の生物学的品質を維持するよう、比較的に非免疫原性的となる。
【0173】
いくつかの実施形態では、修飾抗体は、定常領域の部分的欠失、又は単一の場合も含め、少数のアミノ酸の置換のみを有するのでもよい。例えば、CH2ドメインの選択された領域における単一アミノ酸の突然変異は、Fc結合を実質的に低減し、よって、腫瘍局在及び/又は腫瘍浸透を増加させるのに十分である。同様に、調節対象の特異的エフェクター機能(例えば、相補的C1q結合)を制御する、1又はそれ以上の定常領域ドメインの一部を単純に除去することが望ましい場合もある。定常領域の係る部分的除去は、対象の定常領域ドメインインタクトに関連する、抗体の選択特性(血清半減期)を改良する可能性がある。さらに、先にも示唆したように、開示された抗体の定常領域を、結果的に得られるコンストラクトのプロファイルを強化する1又はそれ以上のアミノ酸の突然変異又は置換を介して修飾してもよい。この点に関して、修飾抗体の配置及び免疫病原性プロファイルを実質的に維持しながら、保存的結合部位(例えば、Fc結合)により提供される活動を破壊できる場合もある。ある実施形態では、修飾抗体には、エフェクター機能の低減又は増加等、所望の特性を強化するために、又はより多くの細胞毒若しくは炭水化物付着部位を提供するために、定常領域に対する1又はそれ以上のアミノ酸の追加が含まれる。
【0174】
定常領域はいくつかのエフェクター機能を媒介することは、当技術分野で知られている。例えば、(抗原に結合した)IgG抗体又はIgM抗体のFc領域に対する補体C1コンポーネントの結合は、補体系を活性化する。補体の活性化は、細胞の病原体のオプソニン化及び溶解において重要である。補体の活性化はまた炎症反応を刺激し、自己免疫過敏症にも関与し得る。さらに、抗体のFc領域は、Fc受容体(FcR)を発現する細胞に結合し得る。IgG抗体(γ受容体)、IgE(ε受容体)、IgA(α受容体)及びIgM(μ受容体)を含む異なるクラスの抗体に特異的なFc受容体が多数存在する。細胞表面上で抗体がFc受容体に結合することで、貪食、抗体被覆粒子の破壊、免疫複合体のクリアランス、キラー細胞による抗体被覆された標的細胞の溶解(ADCC)、炎症媒介物の放出、胎盤通過、及び免疫グロブリン産生の制御等を含む、数多くの重要かつ多様な生物反応を引き起こす。
【0175】
ある実施形態では、抗体は、逆に、投与された抗体の生物学的プロファイルに影響を与える、変更されたエフェクター機能を提供する。例えば、いくつかの実施形態では、(点突然変異又はその他の手段を介した)定常領域ドメインの除去又は不活性化は、循環修飾抗体のFc受容体への結合を低減し、よって、腫瘍局在及び/又は浸透を増加させる場合がある。他の実施形態では、定常領域修飾が、抗体の血清半減期を増加又は低減する。いくつかの実施形態では、ジスルフィド連結又はオリゴ糖部分を削除し、強化された腫瘍局在及び/又は浸透を可能にするために、定常領域は修飾される。
【0176】
ある実施形態では、抗体は1又はそれ以上のエフェクター機能を有しない。いくつかの実施形態では、抗体は、抗体依存性細胞毒性(ADCC)活動及び/又は補体依存性細胞毒性(CDC)活動を有しない。ある実施形態では、抗体は、Fc受容体及び/又は補体要因に結合しない。ある実施形態では、抗体はエフェクター機能を有しない。
【0177】
本発明はさらに、本明細書に記載のキメラ抗体、ヒト化及びヒト抗体、又はそれらの断片と実質的に相同な変異体及び等価物を包含する。これらは、例えば保存的置換突然変異、すなわち類似のアミノ酸による1つ又はそれ以上のアミノ酸の置換を含み得る。
【実施例】
【0178】
実施例1
免疫グロブリン定常領域CD4コンストラクトの生成
コンストラクトは、単一の配列、FLAGエピトープタグ、マウスIgG1のヒンジ領域及びCH2とCH3ドメイン、並びに膜MAb(mIgG1)と称されるヒトCD4の膜貫通ドメイン(TM)及び細胞内ドメイン(ICD)を含むようデザインされた。第2のコンストラクトは、シグナル配列、FLAGエピトープタグ、ヒトIgG2のヒンジ領域及びCH2とCH3ドメイン、並びに膜MAb(hIgG2)と称されるヒトCD4の膜貫通ドメイン(TM)及び細胞内ドメイン(ICD)を含むようデザインされた。第3のコンストラクトは、単一の配列、FLAGエピトープタグ、ヒトIgG2のヒンジ領域及びCH2とCH3ドメイン、ヒトCD4の膜貫通ドメイン(TM)及び細胞内ドメイン(ICD)、並びに膜MAb(hIgG2)−GFP(図6A)と称されるC末端の緑蛍光タンパク質(GFP)を含むようデザインされた。
【0179】
各コンストラクトで使用されるヒンジ領域の部分は、軽鎖のペアリングに関与するシステインの残基C末端を含むようデザインされた。膜MAb(mIgG1)コンストラクトは、シグナル配列−FLAG−mIgG1(ヒンジ−CH2−CH3)−hCD4(TM/ICD)の順番でデザインされた。これらは、配列番号24(ヌクレオチド配列)及び配列番号22(シグナル配列を有するアミノ酸配列)に示されている。膜MAb(hIgG2)コンストラクトは、シグナル配列−FLAG−hIgG2(ヒンジ−CH2−CH3)−hCD4(TM/ICD)の順番でデザインされた。これらは、配列番号25(ヌクレオチド配列)及び配列番号23(シグナル配列を有するアミノ酸配列)に示されている。膜MAb(hIgG2)−GFPコンストラクトは、シグナル配列−FLAG−hIgG2(ヒンジ−CH2−CH3)−hCD4(TM/ICD)−GFPの順番でデザインされた。これらは、配列番号27(ヌクレオチド配列)及び配列番号26(シグナル配列を有するアミノ酸配列)に示されている。膜MAb(hIgG2)コンストラクト及び膜MAb(hIgG2)−GFPコンストラクトは、lckタンパク質結合部位を除去するために、CD4細胞内ドメインに修飾部を有するようデザインされた。コンストラクトは、化学合成により生成され、標準的技法により哺乳動物の発現ベクタープラスミドヘクローンされた。
【0180】
実施例2
細胞株の生成
マウスのハイブリドーマ融合パートナー細胞株SP2/0−Ag14を、実施例1に記載の膜MAb(mIgG1)コンストラクトで形質移入した。2×10SP2/0細胞を、Amaxa(登録商標) NucleofectionキットV(Lonza社)を用いて、製造者によるプログラムL−013のマニュアルに従って、2μgの膜MAb(mIgG1)で形質移入した。24時間後、細胞を、0.8mg/mlのG418選択の下に置き、培養液で増殖した。形質移入から2週間後に、膜MAb(mIgG1)コンストラクトの細胞表面発現のFACS解析により細胞の特徴が明らかにされた。これらの細胞は、指定されたSP2/0−MTであった。5×10の形質移入された細胞を蛍光標識化抗FLAG抗体又はアイソタイプ負の制御抗体(10μg/ml)で、30分間氷上でインキュベートした。細胞は洗浄され、DMEM/10%FBSに再懸濁され、フローサイトメトリで解析された。図2Aは、負の制御抗体(左のパネル)を伴ったフローサイトメトリの結果、及び抗FLAG抗体(右のパネル)で検出した膜MAb(mIgG1)ポリペプチドを発現する細胞の数を示している。
【0181】
膜MAb(mIgG1)コンストラクトを発現する細胞をFACSでソートし、ウェル毎に1つの細胞を入れ、全部で96のウェルプレートに入れ、0.5mg/mlのG418による選択の下で、培養液で増殖した。10日後、各ウェルの細胞クローンを、先に記載のフローサイトメトリで、膜MAb(mIgG1)コンストラクトの発現について解析し、5個のサブクローンを選択した。図2Bに示す通り、サブクローンSP2/0−MT.3が、膜MAb(mIgG1)コンストラクトの最も高い発現レベルを有していたことが観察された。
【0182】
実施例3
ハイブリドーマを単離するための膜MAb技法の利用
マウスFrizzled5(FZD5)及びマウスFrizzled8(FZD8)のfriドメインの組換えポリペプチド断片が、抗体生成の抗原として利用するために生成された。標準的DNA組換え技術を使用して、FZD5(配列番号19)のアミノ酸27〜157及びFZD8(配列番号20)のアミノ酸28〜158をコードするポリヌクレオチドを単離した。ポリヌクレオチドをN末端ヒスチジンタグとインフレームで連結させ、昆虫細胞のバキュロウイルス媒介発現のための転送プラスミドベクターにクローンした。形質移入、感染、及び細胞培養の標準的プロトコールを用いて、相応するFZDポリペプチドを発現する組換え昆虫細胞を生成した。
【0183】
マウス(n=3)を、標準的技法を用いて、FZD5及びFZD8抗原タンパク質双方で免疫化した。抗原認識のための最初の免疫化から約70日後に、ELISA及びFACS解析を用いて、個別マウス由来の血液をスクリーンした。最後の抗原ブーストに、最も高い抗体力価を有する2匹の動物を選択し、その後、脾臓細胞を単離した。単離された脾細胞は、標準的なハイブリドーマ融合技術を用いて、実施例2に記載されたSP2/0−MT細胞株と融合させた。その結果得られたハイブリドーマライブラリーを54L1と名付けた。
【0184】
ライブラリー54L1を、標識化FZD5ポリペプチド及び標識化FZD8ポリペプチドでスクリーンした。標識化FZD5に関しては、製造者(Invitrogen社/Molecular Probes社)のマニュアルに従って、染料対タンパク質の割合を15:1で、マウスHisタグ化friドメインFZD5をAlexa Fluor(商標)488染料に結合した。標識化されたFZD8に関しては、製造者(Invitrogen社/Molecular Probes社)のマニュアルに従って、染料対タンパク質の割合を15:1で、マウスHisタグ化friドメインFZD8をAlexa Fluor(商標)647染料に結合した。1×10細胞/mlの割合のハイブリドーマ細胞を、室温で30分間、Alexa Fluor(商標)488標識化FZD5(10μg/ml)及びAlexa Fluor647標識化FZD8(10μg/ml)でインキュベートした。細胞を洗浄し、DMEM/10%FBSで再懸濁し、フローサイトメトリで解析した(図3)。Alexa Fluor488標識化FZD5及びAlexa Fluor647標識化FZD8の両方に結合した個別ハイブリドーマ細胞をFACSによりソートし、ウェル毎に1つの細胞を入れ、全部で96のウェル組織培養プレートに入れた。対照として、54L1ライブラリー由来の個別細胞を無作為にソートし、ウェル毎に1つの細胞を入れ、全部で96のウェル組織培養プレートに入れた。プレートを10日間インキュベートし、ハイブリドーマ細胞を増殖させ、FZD5タンパク質とFZD8タンパク質双方に結合できる抗体の存在について、各ウェルの上清をスクリーンした。
【0185】
FACSによるスクリーニングに関して、HEK−293細胞を、FZD5又はFZD8の全長cDNAクローンをコードする発現ベクター及びトランスフェクションマーカーGFPで同時形質移入した。形質移入の24〜48時間後、HEK−293細胞を回収し、抗FZD5/8ハイブリドーマ上清又は制御IgGで氷上インキュベートした。細胞を洗浄し、結合された一次抗体を、蛍光発色団と結合する抗マウス第二次抗体で検出した。その後、未処理のFZD5及び/又はFZD8の細胞表面発現を特異的に認識する抗体を同定するために、標識化された細胞をFACSで解析した。
【0186】
SP2/0−MT融合パートナー細胞株及び膜MAb技法を利用した結果、FZD5及びFZD8を結合できた576個のクローンのうち526個(91%)を選択した。その一方、無作為抽出したクローンの対照ライブラリースクリーニングの結果、FZD5及びFZD8を結合できた1705個のクローンのうちわずか11個を選択した(0.6%)(表1を参照のこと)。よって、膜MAb技法を利用した結果、FZD5及びFZD8に特異的なハイブリドーマの同定が劇的に増加した。
【表1】

【0187】
図3で示すように、ライブラリー54L1のごくわずかな細胞のみが、FZD5、FZD8、又はFZD5及びFZD8の両方と結合した状態で表された。膜MAb技法により、FZD5及びFZD8双方と結合する抗体を生成する細胞を直接同定、選択することができる。FZD5のみ又はFZD8のみと結合する抗体を生成する細胞もまた膜MAb技法により選択され得ることは、当業者には明確であるはずだ。
【0188】
実施例4
ハイブリドーマを単離するための膜MAb技法の利用
ヒトDDR2の細胞外ドメインの組換えポリペプチド断片は、抗体生成の抗原として利用するために生成された。標準的なDNA組換え技術を利用して、DDR2のアミノ酸1〜399(配列番号21)をコードするポリヌクレオチドを単離した。このポリヌクレオチドをN末端のヒスチジンタグにインフレームで連結し、昆虫細胞のバキュロウイルス媒介発現のための転送プラスミドベクターにクローンした。標準的な形質移入、感染、細胞培養プロトコールを利用して、相応するDDR2ポリペプチドを発現する組換え昆虫細胞を生成した。
【0189】
マウス(n=3)を、標準的技法を用いて、精製されたDDR2抗原タンパク質で免疫化した。抗原認識のための最初の免疫化から約70日後に、ELISA及びFACS解析を用いて、個別マウス由来の血液をスクリーンした。最後の抗原ブーストに、最も高い抗体力価を有する2匹の動物を選択し、その後、脾臓細胞を単離し、標準的なハイブリドーマ融合技術により、DDR2ハイブリドーマライブラリーを生成するために使用された。
【0190】
DDR2ライブラリーの一部を膜MAb(mIgG1)コンストラクト(実施例1に記載)で形質移入した。ライブラリーを、Amaxa(登録商標) NucleofectionキットV(Lonza社)を用いて、製造者のプログラムL−013用マニュアルに従い形質移入した。3×10個の細胞を、30μgの膜MAb(mIgG1)コンストラクト(「膜MAbライブラリー」)で形質移入した。24時間後、形質移入された細胞を、標識化されたDDR2ポリペプチドでスクリーンした。標識化DDR2に関しては、(上記で製造された)DDR2ポリペプチドを、製造者(Invitrogen社/Molecular Probes社)のマニュアルに従って、Alexa Fluor(商標)488カルボン酸スクシンイミジルエステル染料に、染料対タンパク質の割合を15:1で結合させた。1×10細胞/mlの膜MAbライブラリーを、Alexa Fluor488標識化DDR2(20μg/ml)及びPE標識化抗FLAG抗体(10μg/ml)で、30分間氷上でインキュベートした。細胞を洗浄し、DMEM/10%FBSで再懸濁し、フローサイトメトリで解析した。図4に示されているように、ライブラリーのごくわずかな細胞のみが、DDR2及び抗FLAG抗体と結合した状態で表された。
【0191】
Alexa Fluor488標識化DDR2及びPE標識化抗FLAG抗体と結合した個別ハイブリドーマ細胞をFACSによりソートし、ウェル毎に1つの細胞を入れ、全部で96のウェル組織培養プレートに入れた。対照として、同じライブラリーから無作為抽出した個別細胞を96ウェル組織培養プレートのウェルに入れた。これらのプレートを10日間インキュベートし、ハイブリドーマ細胞を増殖させ、その後、全長DDR2タンパク質と結合できる抗体の存在について、各ウェルの上清をスクリーンした。
【0192】
FACSによるスクリーニングに関しては、HEK−293細胞を、DDR2の全長cDNAクローン及びトランスフェクションマーカーGFPをコードする発現ベクターで同時形質移入した。形質移入の24〜48時間後に、HEK−293細胞を回収し、抗DDR2ハイブリドーマ上清又は制御IgGで、氷上インキュベートした。細胞を洗浄し、結合された一次抗体を、蛍光発色団と結合する抗マウス第二次抗体で検出した。その後、未処理のDDR2の細胞表面発現を特異的に認識する抗体を同定するために、標識化された細胞をFACSで解析した。
【0193】
膜MAb技法を利用した結果、DDR2と結合できた168個のクローンのうち141個(84%)を選択した。一方、無作為に抽出したクローンの対照ライブラリーをスクリーンした結果、DDR2と結合できた202個のクローンのうちわずか16個を選択した(8%)(表2を参照のこと)。よって、膜MAb技法を利用した結果、抗原特異的抗体を生成する細胞の同定が劇的に増加した。
【表2】

【0194】
実施例5
293−hMT細胞株の生成
膜MAb(hIgG2)−GFPポリペプチドを安定的に発現する細胞株を生成させるために(実施例1に記載、図6Cに表示)、HEK−293細胞を膜MAb(hIgG2)−GFPコンストラクトで安定的に形質移入した。5×10個のHEK−293細胞を、FuGENEトランスフェクション試薬(Roche、インディアナポリス、インディアナ州)を用いて、製造者のマニュアルに従い、8μgの膜MAb(hIgG2)−GFPコンストラクトで形質移入した。24時間後、細胞を0.8mg/mlのG418選択の下に置き、培養液で増殖した。形質移入から2週間後に、膜MAb(hIgG2)−GFPコンストラクト発現のFACSにより細胞の特徴が明らかにされた。形質移入された細胞のサブクローンもGFP発現についてスクリーンし、図5が示すように、フローサイトメトリの結果10個のクローンが明らかになった。
【0195】
実施例6
単一の遺伝子抗体コンストラクト及びライブラリー
抗体軽鎖の定常領域のカルボキシル末端が、(GGGGS)ペプチドリンカーを介して重鎖可変領域のアミノ末端と連結している、単一タンパク質又は単一鎖抗体(scAb)コンストラクトとして、親抗体スキャフォールドを設計した。ヒンジ領域のシステイン残基を保有し、2つの重鎖間又は1つの重鎖と膜MAbコンストラクトの間のジスルフィド結合を可能とした。単一の遺伝子抗体の軽鎖は、可変領域とヒト定常領域をコードする。単一の遺伝子抗体の重鎖は、可変領域並びにヒトIgGCH1、CH2及びCH3ドメインをコードする。発現ベクターは、単鎖抗体を生成するよう構成されており、本明細書ではMAbLibコンストラクトと称される。ベクターは、軽鎖可変領域及び重鎖可変領域が、各軽鎖可変領域及び/又は重鎖可変領域の除去と新たな別の可変領域の挿入を可能にする、独自の制限部位に互いに隣接するように(図6Bに表示)設計された。MAbLibコンストラクトを用いて、多様な単鎖抗体(scAb)ライブラリーを生成し得る。
【0196】
軽鎖及び重鎖可変領域を、当業者に周知の方法により、ヒトcDNAからPCRで増幅した。制限部位EcoRv又はBsiWIを含むプライマーを用いて、軽鎖可変領域にPCR反応を生じさせた。制限部位MfeI又はBlpIを含むプライマーを用いて、重鎖可変領域にPCR反応を生じさせた。軽鎖可変領域を含むPCR生成物を精製し、EcoRv及びBsiWIで消化させ、同様に消化された親MAbLibベクター(上記の)にクローンした。このようにして、多様な軽鎖可変領域を有するscAbライブラリーが作られた。その後、重鎖可変領域を含むPCR生成物を精製し、MfeI及びBlpIで消化させ、多様な重鎖可変領域を含む、同様に消化されたscAbライブラリーにクローンした。このようにして、多様な軽鎖可変領域及び重鎖可変領域双方を有するscAbライブリーが作られた。軽鎖可変領域を挿入する前に、重鎖可変領域を親MAbLibベクターに挿入してもよいことは、当業者には周知のことであると思われる。
【0197】
実施例7
HEK−293細胞の表面上のヘテロ二量体抗体分子発現
細胞表面上にヘテロ二量体抗体分子が形成されることを検証するために、HEK−293細胞を、抗DLL4単鎖抗体をコードするDNA及び膜MAb(hIgG2)−GFPタンパク質をコードするDNAで形質移入した。21M18軽鎖、(GGGGS)リンカー、21M18可変重鎖、及びCH1領域をコードする合成ポリヌクレオチドがデザインされた。ポリヌクレオチドを、DNA2.0(Menlo Park社、カリフォルニア州)により合成し、上記実施例6に記載の単鎖21M18抗体(sc21M18)をコードするベクターを生成するために(sc21M18配列番号33、ヌクレオチド配列;配列番号34、アミノ酸配列)、MAbLibにクローンした。抗hDLL4抗体21M18については、先に、米国特許第7,750,124号に記載されている。sc21M18プラスミドDNAを様々な濃度(25、250、2500及び25000ng/ml)で形質移入し、48時間後に細胞を収穫した。対照として、細胞をsc21M18DNAのみで形質移入(−▲−)、膜MAb(hIgG2)−GFP DNAのみで形質移入(−■−)、又は形質移入しなかった(−◆−)。細胞表面上の機能性抗DLL4抗体分子の検出に関しては、形質移入された細胞をhDLL4−rFc融合タンパク質でインキュベートした。結合されたhDLL4−rFcを、PE標識化抗ラビットFc抗体で検出した。FACSで細胞を解析し、細胞集団の平均蛍光強度(MFI)を決定した。図7に示す通り、抗DLL4sc21M18DNA及び膜MAb(hIgG2)DNA(−X−)で形質移入された細胞のみが、DLL4−rFcタンパク質に特異的に結合する機能性結合部位を有する膜結合分子を発現した。
【0198】
実施例8
抗体分子のディスプレイを調節する担体プラスミドの利用
プラスミドを有する哺乳動物細胞を一時的に形質移入すると、通常、細胞毎にプラスミドを多数複製する。細胞毎の複製数は、100〜10,000個の範囲であり得る。細胞毎の絶対数は、トランスフェクションプロトコル、トランスフェクション試薬、プラスミドの品質、プラスミドのサイズ、及び細胞濃度を含む多様な要因に依存するが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、細胞表面にディスプレイされた抗体のライブラリーを生成するにあたり、細胞に導入される抗体コードプラスミド(又はAbライブラリープラスミド)の量を調節することが望ましい。細胞のAbライブラリープラスミドのプラスミド複製数を調節するために、別の「担体」プラスミドを使用する。担体プラスミドをAbライブラリープラスミドと混ぜ合わせ、利用可能な「プラスミドスペース(plasmid space)」の一部を利用する。細胞が利用するAbライブラリープラスミドの数を調節するために、担体プラスミドをAbライブラリープラスミドと異なる割合で混ぜ合わせ、その後、細胞に形質移入する。
【0199】
Abコードプラスミドのトランスフェクション及びディスプレイに対する担体プラスミドの効果を試験した。上記の単鎖抗DLL4抗体(sc21M18)を、様々な割合の担体プラスミドで形質移入した。本研究において、担体プラスミドは、無関係の単一タンパク質抗体をコードした(sc18R5)。細胞はまた、膜MAb(hIgG2)−GFPコンストラクトで形質移入された。細胞のAbライブラリープラスミドの濃度は、抗DLL4抗体分子の表面発現のレベルから推測され得た。約5×10個のHEK−293細胞をプラスミドDNAで形質移入し、48時間後に収穫した。プラスミドDNAは、sc21M18とsc18R5の混合物であり、sc21M18のsc18R5に対する割合は、sc18R5の1〜10,000倍過剰の範囲(1、10、100、1000又は10,000倍過剰)である。細胞表面の機能性抗DLL4抗体分子の検出に関しては、形質移入された細胞を、hDLL4−rFc融合タンパク質でインキュベートした。結合されたhDLL4−rFcは、PE標識化抗ラビットFc抗体で検出した。抗DLL4抗体を発現する細胞の割合は、FACS解析により決定した。細胞はまた、制御抗原で(hJag−rFc、−■−)又はPE標識化抗ラビットFc抗体のみ(−▲−)でインキュベートされた。図8に示すように、担体プラスミドDNAの量は、形質移入された細胞の表面上に抗DLL4抗体を発現する細胞の割合に明らかに影響を与えていた。
【0200】
実施例9
抗体ライブラリーのスクリーニング法
膜Mab技法及び選択方法を検証するため、本研究は、抗DLL4抗体sc21M18プラスミドDNAを用いて行われた。sc21M18プラスミドDNAを、sc18R5DNAが100,000倍過剰である、無関係の抗体sc18R5プラスミドDNAと混ぜ合わせた。HEK−293細胞を、7.5×l0−6μgのsc21Ml8プラスミドDNA、0.75μgのscl8R5プラスミドDNA、14.3μgの担体プラスミド(カナマイシンプラスミド)、及び膜MAb(hIgG2)−GFPをコードする15μgのプラスミドで形質移入した。細胞は、48時間後に収穫された。細胞表面上の機能性抗DLL4抗体の検出に関しては、形質移入された細胞をhDLL4−rFc融合タンパク質でインキュベートした。結合されたhDLL4−rFcをPE標識化抗ラビットFc抗体で検出した。細胞を発現する抗DLL4抗体を同定し、単離するために、標識化された細胞をFACSで解析し、ソートした。抗原が抗DLL4抗体により認識されないため、hJag−rFcを対照として使用した。FACSによりソートされた細胞からプラスミドDNAを単離し、バクテリアで増幅した。増幅されたプラスミドDNA(担体プラスミド及びプラスミドをコードする膜MAb(hIgG2)−GFPと結合して)を用いて、新鮮なHEK−293細胞を形質移入し、別の選択ラウンドを行った。この増幅及び選択方法を4回繰り返した。FACSの結果は、図9に示されている。表3には、各選択ラウンド後の抗DLL4抗体の発現に対しポジティブな細胞の割合を示している。本研究は、sc21M18DNAが無関係の抗体DNAを背景にして高度に希釈されたという事実にも関わらず、4ラウンド超の選択を通じて、抗DLL4抗体を発現する細胞を同定し、濃縮したことを示している。
【表3】

【0201】
実施例10
抗VEGF抗体ライブラリーの生成及び293−hMT細胞株への形質移入
抗体ライブラリーを、上記の実施例6及び7で述べた所sc21M18を発現するMAbLibコンストラクト、並びにヒト血管内皮細胞成長因子(hVEGF)で免疫化したマウス由来の免疫グロブリンcDNAを用いて生成した。3つのBalb/cマウスをhVEGFの腹腔内注射により免疫化した。最初の注射では、完全フロイントアジュバントにhVEGFが含まれていた。その後の注射には、不完全フロイントアジュバントにhVEGFが含まれていた。合計4回の腹腔内注射が、3カ月にわたって行われた。マウスは、静脈の尾静脈注射によりPBSでhVEGFの最後の注射を受けた。最後の注射の1週間後、免疫化されたマウスから脾臓とリンパ節が回収された。RNAを単離し、cDNAを生成した。マウス重鎖可変領域をコードするDNAをPCRで増幅し、単離し、精製した。PCR生成物を、MfeI及びBlpIで消化し、同様に消化されたsc21M18コンストラクトにクローンし、よって、配列番号33の重鎖可変領域を、hVEGF免疫化マウス由来の複数のマウス重鎖可変領域と置き換えた。このライブラリーに関しては、21M18軽鎖は定常に保たれた。
【0202】
21M18軽鎖を、複数のヒトカッパ鎖可変領域と取り換えること以外は、本明細書に記載のライブラリーと同様に第2のVEGFライブラリーを構成した。ヒトカッパ鎖可変領域を、ヒトカッパ鎖特異的プライマーを用いて、プールされたヒトcDNAからPCRで増幅した。PCR生成物を単離し、生成し、EcoRV及びBsiWIで消化し、第1VEGFライブラリー由来の、同様に消化されたプラスミドDNAにクローンし、よって、21M18軽鎖可変領域を取り替えた。
【0203】
293−MT細胞を、2つの抗VEGF抗体ライブラリーで形質移入した。
【0204】
本明細書に記載の実施例及び実施形態は例示のみを目的としており、その観点から、本技術分野の当業者に対して、様々な修正又は変更に関する提言がなされるであろうこと、またそれらは、本発明の精神及び範囲において含まれるべきであることを理解されたし。
【0205】
よって、本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願は、各刊行物、特許又は特許出願があたかも具体的かつ個別的に引用により含まれるべきと示しているのと同程度に、全ての目的のためにその全体を、引用により含めるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリペプチドであって、
(a)CH2ドメイン及びCH3ドメインを含む免疫グロブリン重鎖定常領域を含む細胞外部分、及び
(b)非免疫グロブリン膜貫通部
を含むポリペプチド。
【請求項2】
免疫グロブリン重鎖定常領域がさらに、少なくともヒンジ領域の一部を含む、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項3】
免疫グロブリン重鎖定常領域がFc領域を含む、請求項1又は2に記載のポリペプチド。
【請求項4】
免疫グロブリン重鎖定常領域がIgA,IgD,IgE,IgG、IgM抗体又はそれらの任意のサブタイプである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項5】
免疫グロブリン重鎖定常領域がIgG1又はIgG2である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項6】
免疫グロブリン重鎖定常領域がヒト免疫グロブリン重鎖定常領域である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項7】
免疫グロブリン重鎖定常領域がマウス免疫グロブリン重鎖定常領域である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項8】
免疫グロブリン重鎖定常領域が、配列番号2、配列番号4、配列番号6、又は配列番号8を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項9】
膜貫通部が、CD4,CD8、クラスIMHC、クラスIIMHC、CD19、T細胞受容体α鎖及びβ鎖、CD3、zeta鎖、ICAM1(CD54)、ICAM2、ICAM3、ICAM4、ICAM5、CD28、CD79a、CD79b、及びCD2から成る群から選択される、膜貫通ドメインの少なくとも一部を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項10】
膜貫通部が配列番号13又は配列番号16を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項11】
膜結合性であり、免疫グロブリン重鎖領域が細胞表面上に発現される、請求項1〜10のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項12】
抗原結合部位を有しない、請求項1〜11のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項13】
第2のポリペプチドを有するヘテロ二量体分子を形成することができる、請求項1〜12のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項14】
第2のポリペプチドが、CH2ドメイン及びCH3ドメインを含む免疫グロブリン重鎖定常領域を含む、請求項13に記載のポリペプチド。
【請求項15】
第2のポリペプチドが免疫グロブリンFc領域を含む、請求項13又は14に記載のポリペプチド。
【請求項16】
第2のポリペプチドが、無作為抽出されたポリペプチドを含む、請求項13〜15のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項17】
第2のポリペプチドが免疫グロブリン重鎖を含む、請求項13に記載のポリペプチド。
【請求項18】
免疫グロブリン重鎖が免疫グロブリン軽鎖と結合する、請求項17に記載のポリペプチド。
【請求項19】
第2のポリペプチドが、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を有する単鎖免疫グロブリンを含む、請求項13〜18のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項20】
第2のポリペプチドと少なくとも1つのジスルフィド結合を形成することができる、請求項13〜19のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項21】
ヘテロ二量体抗体分子を形成する免疫グロブリン重鎖−軽鎖のペアと、少なくとも1つのジスルフィド結合を形成することができる、請求項1〜12のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項22】
ヘテロ二量体抗体分子が1つの抗原結合部位を含む、請求項13〜21のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項23】
分泌抗体と結合しない、請求項1〜22のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項24】
配列番号10、配列番号12、配列番号22、配列番号23、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号31、又は配列番号32に対し少なくとも80%相同的な配列を含むポリペプチド。
【請求項25】
配列番号10、配列番号12、配列番号22、配列番号23、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号31、又は配列番号32を含むポリペプチド。
【請求項26】
配列番号30、配列番号31、又は配列番号32に対し少なくとも80%相同的な配列を含むポリペプチド。
【請求項27】
配列番号30、配列番号31、又は配列番号32を含むポリペプチド。
【請求項28】
本質的に配列番号30、配列番号31、又は配列番号32から成るポリペプチド。
【請求項29】
配列番号9、配列番号11、配列番号24、配列番号25、配列番号27、又は配列番号29によりコードされる配列を含むポリペプチド。
【請求項30】
請求項1〜29のいずれか一項に記載のポリペプチドを含む抗体分子。
【請求項31】
請求項30の抗体分子であって、
(a)免疫グロブリン重鎖、及び
(b)免疫グロブリン軽鎖
をさらに含む、抗体分子。
【請求項32】
ポリペプチドが、免疫グロブリン重鎖−軽鎖のペアのFc領域と少なくとも1つのジスルフィド結合を形成する、請求項30又は31に記載の抗体分子。
【請求項33】
単一の抗原結合部位を含む、請求項30〜32のいずれか一項に記載の抗体分子。
【請求項34】
請求項1〜29のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
【請求項35】
配列番号9、配列番号11、配列番号24、配列番号25、配列番号27、又は配列番号29に対し少なくとも80%相同的である配列を有するポリヌクレオチドを含む、単離されたポリヌクレオチド。
【請求項36】
配列番号9、配列番号11、配列番号24、配列番号25、配列番号27、又は配列番号29のポリヌクレオチド配列を含む、単離されたポリヌクレオチド。
【請求項37】
請求項34〜36のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
【請求項38】
請求項34〜37のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド又はベクターを含む宿主細胞。
【請求項39】
請求項1〜33のいずれか一項に記載のポリペプチド又は抗体分子を含む宿主細胞。
【請求項40】
請求項34〜37のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド又はベクターで細胞を形質移入することを含む、宿主細胞の製造方法。
【請求項41】
形質移入された細胞がポリペプチドを発現する、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
細胞が一時的に形質移入される、請求項40又は41に記載の方法。
【請求項43】
細胞が安定的に形質移入される、請求項40又は41に記載の方法。
【請求項44】
ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが細胞のゲノムに統合された、請求項40に記載の方法。
【請求項45】
ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが安定的に発現される、請求項40、41、43、又は44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
ポリペプチドが細胞の表面に発現される、請求項40〜45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
細胞の表面上のポリペプチド発現を検出することを含む、請求項40〜46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
細胞の表面上にポリペプチドを発現する細胞を単離することを含む、請求項40〜47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
細胞が哺乳動物細胞である、請求項40〜48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
細胞がマウス細胞である、請求項40〜49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
細胞がヒト細胞である、請求項40〜49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
細胞が融合パートナー細胞株である、請求項40〜51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
細胞が、Sp2/0、Sp2/0−Ag14、YB2/0、K6H6/B5、NS−1、FO、Y3/Ag1.2.3、P3X63Ag8.653、HEK−293、293T、及びCHOから成る群から選択される、請求項40〜48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
請求項40〜53のいずれか一項に記載の方法により作製される宿主細胞。
【請求項55】
請求項34〜37に記載のポリヌクレオチド又はベクターを含む宿主細胞。
【請求項56】
請求項1〜33のいずれか一項に記載のポリペプチド又は抗体分子を含む宿主細胞。
【請求項57】
請求項1〜33のいずれか一項に記載のポリペプチド又は抗体分子を発現する宿主細胞。
【請求項58】
少なくとも1つの追加ポリペプチドをさらに含む、請求項54〜57のいずれかに記載の宿主細胞。
【請求項59】
少なくとも1つの追加ポリペプチドが、CH2ドメイン及びCH3ドメインを含む免疫グロブリン重鎖定常領域を含む、請求項58に記載の宿主細胞。
【請求項60】
少なくとも1つの追加ポリペプチドが免疫グロブリンFc領域を含む、請求項58に記載の宿主細胞。
【請求項61】
少なくとも1つの追加ポリペプチドが免疫グロブリン重鎖を含む、請求項58に記載の宿主細胞。
【請求項62】
少なくとも1つの追加ポリペプチドが免疫グロブリン軽鎖を含む、請求項58〜61のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項63】
少なくとも1つの追加ポリペプチドが、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を有する単鎖抗体を含む、請求項58に記載の宿主細胞。
【請求項64】
少なくとも1つの追加のポリペプチドが抗体である、請求項58〜63のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項65】
ポリペプチドが第2のポリペプチドと少なくとも1つのジスルフィド結合を形成し、ヘテロ二量体分子を形成する、請求項58〜64のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項66】
ポリペプチドが免疫グロブリン重鎖−軽鎖のペアと少なくとも1つのジスルフィド結合を形成し、ヘテロ二量体抗体分子を形成する、請求項58〜65のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項67】
免疫グロブリン重鎖−軽鎖のペアが単一抗原結合部位を形成する、請求項66に記載の宿主細胞。
【請求項68】
ヘテロ二量体分子が細胞表面上に発現し、単一抗原結合部位を含む、請求項65〜67のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項69】
ヘテロ二量体分子が分泌抗体と結合しない、請求項65〜68のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項70】
請求項54〜57のいずれか一項に記載の細胞を抗体産生細胞と融合することを含む、ハイブリドーマ細胞の製造方法。
【請求項71】
融合された細胞が細胞表面上にヘテロ二量体抗体分子を発現する、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
抗体産生細胞が抗体産生細胞集団である、請求項70又は71に記載の方法。
【請求項73】
抗体産生細胞が免疫化動物由来である、請求項70〜72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
抗体産生細胞が未処理動物由来である、請求項70〜72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
抗体産生細胞が、B細胞、プラズマ細胞、ハイブリドーマ、骨髄腫及び組換え細胞から成る群から選択される、請求項70〜74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
抗体産生細胞がマウス細胞である、請求項70〜75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
抗体産生細胞がヒト細胞である、請求項70〜75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
抗体産生細胞が複数のポリヌクレオチドを含む、請求項70〜77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
複数のポリヌクレオチドが免疫グロブリン重鎖を含む複数のポリペプチドをコードする、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
複数のポリヌクレオチドが免疫グロブリン軽鎖を含む複数のポリペプチドをコードする、請求項78又は79に記載の方法。
【請求項81】
複数のポリヌクレオチドが、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を有する単鎖抗体分子を含む複数のポリペプチドをコードする、請求項78又は79に記載の方法。
【請求項82】
複数のポリヌクレオチドがDNAライブラリーを含む、請求項78〜81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
DNAライブラリーが免疫化動物の細胞から生成される、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
DNAライブラリーが未処理ライブラリーである、請求項82に記載の方法。
【請求項85】
DNAライブラリーがcDNAライブラリーである、請求項82〜84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
融合細胞が、複数のヘテロ二量体抗体分子を発現するハイブリドーマ細胞集団を含む、請求項70〜85のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
請求項70〜86のいずれかに記載の方法により作製されるハイブリドーマ又はハイブリドーマライブラリー。
【請求項88】
請求項54〜57のいずれか一項に記載の細胞を、複数のポリペプチドをコードする複数のポリヌクレオチドで形質移入することを含む細胞ライブラリーの製造方法。
【請求項89】
形質移入された細胞がヘテロ二量体分子を発現する、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
ヘテロ二量体分子が形質移入された細胞の表面上に発現される、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
複数のポリヌクレオチドが、CH2ドメイン及びCH3ドメインを含む免疫グロブリン重鎖定常領域を含む複数のポリペプチドをコードする、請求88〜90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
複数のポリヌクレオチドが、免疫グロブリンFc領域を含む複数のポリペプチドをコードする、請求項88〜90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項93】
複数のポリヌクレオチドが、免疫グロブリン重鎖を含む複数のポリペプチドをコードする、請求項88〜90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
複数のポリヌクレオチドが、免疫グロブリン軽鎖を含む複数のポリペプチドをコードする、請求項88〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
複数のポリヌクレオチドが、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を有する単鎖抗体分子を含む複数のポリペプチドをコードする、請求項88〜90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項96】
複数のポリヌクレオチドが複数のポリペプチドをコードし、各ポリペプチドに(a)免疫グロブリンFc領域及び(b)無作為抽出されたポリペプチドが含まれる、請求項88〜90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
複数のポリヌクレオチドがDNAライブラリーを含む、請求項88〜96のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
DNAライブラリーが免疫化動物の細胞から生成される、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
DNAライブラリーが未処理ライブラリーである、請求項97に記載の方法。
【請求項100】
DNAライブライブラリーがcDNAライブラリーである、請求項97〜99のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
DNAライブラリーが無作為抽出のポリペプチドライブラリーをコードする、請求項97に記載の方法。
【請求項102】
請求項88〜101のいずれか一項に記載の方法により作製された細胞ライブラリー。
【請求項103】
ハイブリドーマ細胞集団を生成するため、請求項54〜57のいずれか一項に記載の細胞を抗体産生細胞と融合させることを含む、特異的抗体を生成する細胞の同定方法。
【請求項104】
ハイブリドーマ細胞が、細胞表面上にヘテロ二量体抗体分子を発現する、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
ハイブリドーマ細胞集団を検出分子に接触させることを含む、請求項103又は104に記載の方法。
【請求項106】
検出分子と結合するハイブリドーマ細胞を同定することを含む、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
検出分子に結合するハイブリドーマ細胞を単離することを含む、請求項105又は106に記載の方法。
【請求項108】
抗体産生細胞が抗体産生細胞集団である、請求項103〜107のいずれか一項に記載の方法。
【請求項109】
抗体産生細胞が免疫化動物由来である、請求項103〜108のいずれか一項に記載の方法。
【請求項110】
抗体産生細胞が未処理動物由来である、請求項103〜108のいずれか一項に記載の方法。
【請求項111】
抗体産生細胞が、B細胞、プラズマ細胞、ハイブリドーマ、骨髄腫及び組換え細胞から成る群から選択される、請求項103〜110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
抗体産生細胞がマウス細胞である、請求項103〜111のいずれか一項に記載の方法。
【請求項113】
抗体産生細胞がヒト細胞である、請求項103〜111のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
抗体産生細胞が、複数のポリヌクレオチドを含む、請求項103〜113のいずれか一項に記載の方法。
【請求項115】
複数のポリヌクレオチドが、免疫グロブリン重鎖を含む複数のポリペプチドをコードする、請求項114に記載の方法。
【請求項116】
複数のポリヌクレオチドが、免疫グロブリン軽鎖を含む複数のポリペプチドをコードする、請求項114又は115に記載の方法。
【請求項117】
複数のポリヌクレオチドが、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を有する単鎖抗体分子を含む複数のポリペプチドをコードする、請求項114に記載の方法。
【請求項118】
複数のポリヌクレオチドがDNAライブラリーを含む、請求項114〜117のいずれか一項に記載の方法。
【請求項119】
DNAライブラリーが免疫化動物の細胞から生成される、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
DNAライブラリーが未処理ライブラリーである、請求項118に記載の方法。
【請求項121】
DNAライブラリーがcDNAライブラリーである、請求項118〜120のいずれか一項に記載の方法。
【請求項122】
抗体産生細胞により作られる抗体が、組換え抗体、モノクロナール抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、又は抗体の断片である、請求項103〜121のいずれか一項に記載の方法。
【請求項123】
抗体産生細胞により作られる抗体が、モノ特異的抗体又は二重特異的抗体である、請求項103〜122のいずれか一項に記載の方法。
【請求項124】
抗体産生細胞により作られる抗体が一価抗体である、請求項103〜122のいずれか一項に記載の方法。
【請求項125】
抗体産生細胞により作られる抗体が、IgA,IgD,IgE,IgG若しくはIgM抗体又はそのサブタイプである、請求項103〜124のいずれか一項に記載の方法。
【請求項126】
抗体産生細胞により作られる抗体が、IgG1抗体又はIgG2抗体である、請求項103〜124のいずれか一項に記載の方法。
【請求項127】
検出分子がタンパク質又はその断片である、請求項105〜126のいずれか一項に記載の方法。
【請求項128】
検出分子が対象の抗原である、請求項105〜127のいずれか一項に記載の方法。
【請求項129】
検出分子が標識化されている、請求項105〜128のいずれか一項に記載の方法。
【請求項130】
検出分子が蛍光団、発色団又は磁気化合物で標識化される、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
検出分子と結合する細胞の同定はフローサイトメトリにより行われる、請求項106〜130のいずれか一項に記載の方法。
【請求項132】
検出分子と結合する細胞の単離はFACSにより行われる、請求項107〜131のいずれか一項に記載の方法。
【請求項133】
少なくとも1つのポリペプチドをコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドで、請求項54〜57のいずれか一項に記載の細胞を形質移入することを含む特異的抗体を生成する細胞の同定方法。
【請求項134】
形質移入された細胞が細胞表面上にヘテロ二量体抗体分子を発現する、請求項133に記載の方法。
【請求項135】
形質移入された細胞を検出分子に接触させることを含む、請求項133又は134に記載の方法。
【請求項136】
検出分子と結合する細胞を同定することを含む、請求項135に記載の方法。
【請求項137】
検出分子と結合する細胞を単離することを含む、請求項135又は136に記載の方法。
【請求項138】
ポリヌクレオチドの少なくとも1つが、複数のポリペプチドをコードする複数のポリヌクレオチドを含む、請求項133〜137のいずれか一項に記載の方法。
【請求項139】
複数のポリヌクレオチドが、免疫グロブリン重鎖を含む複数のポリペプチドをコードする、請求項138に記載の方法。
【請求項140】
複数のポリヌクレオチドが、免疫グロブリン軽鎖を含む複数のポリペプチドをコードする、請求項138又は139に記載の方法。
【請求項141】
複数のポリヌクレオチドが、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を有する単鎖抗体分子を含む複数のポリペプチドをコードする、請求項138〜140のいずれか一項に記載の方法。
【請求項142】
複数のポリヌクレオチドがDNAライブラリーを含む、請求項138〜141のいずれか一項に記載の方法。
【請求項143】
DNAライブラリーが免疫化動物の細胞から生成される、請求項142に記載の方法。
【請求項144】
DNAライブラリーが未処理ライブラリーである、請求項142に記載の方法。
【請求項145】
DNAライブラリーがcDNAライブラリーである、請求項142〜144のいずれか一項に記載の方法。
【請求項146】
少なくとも1つのポリヌクレオチドが、組換え抗体、モノクロナール抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、又は抗体の断片であるポリペプチドをコードする、請求項133〜145のいずれか一項に記載の方法。
【請求項147】
少なくとも1つのポリヌクレオチドが、モノ特異的抗体又は二重特異的抗体であるポリペプチドをコードする、請求項133〜146のいずれか一項に記載の方法。
【請求項148】
少なくとも1つのポリヌクレオチドが、一価抗体であるポリペプチドをコードする、請求項133〜146のいずれか一項に記載の方法。
【請求項149】
少なくとも1つのポリヌクレオチドが、IgA,IgD,IgE,IgG若しくはIgM抗体又はそのサブタイプであるポリペプチドをコードする、請求項133〜148のいずれか一項に記載の方法。
【請求項150】
少なくとも1つのポリヌクレオチドが、IgG1抗体又はIgG2抗体であるポリペプチドをコードする、請求項133〜149のいずれか一項に記載の方法。
【請求項151】
検出分子がタンパク質又はその断片である、請求項135〜150のいずれか一項に記載の方法。
【請求項152】
検出分子が対象の抗原である、請求項135〜151のいずれか一項に記載の方法。
【請求項153】
検出分子が標識化されている、請求項135〜152のいずれか一項に記載の方法。
【請求項154】
検出分子が蛍光団、発色団又は磁気化合物で標識化されている、請求項153に記載の方法。
【請求項155】
検出分子と結合する細胞の同定をフローサイトメトリで行う、請求項136〜154のいずれか一項に記載の方法。
【請求項156】
検出分子と結合する細胞の単離をFACSで行う、請求項137〜155のいずれか一項に記載の方法。
【請求項157】
請求項34〜37のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド又はベクターで、抗体産生細胞を含む細胞ライブラリーを形質移入することを含む、特異的抗体を生成する細胞の同定方法。
【請求項158】
形質移入された細胞が細胞表面上にヘテロ二量体抗体分子を発現する、請求項157に記載の方法。
【請求項159】
形質移入された細胞を検出分子と接触させることを含む、請求項157又は158に記載の方法。
【請求項160】
検出分子と結合する細胞を同定することを含む、請求項159に記載の方法。
【請求項161】
検出分子と結合する細胞を単離することを含む、請求項159又は160に記載の方法。
【請求項162】
細胞ライブラリーが、B細胞、プラズマ細胞、ハイブリドーマ、骨髄腫、及び組換え細胞から成る群から選択される、請求項151〜161のいずれか一項に記載の方法。
【請求項163】
細胞ライブラリーがハイブリドーマライブラリーである、請求項151〜162のいずれか一項に記載の方法。
【請求項164】
細胞ライブラリーがマウス細胞を含む、請求項151〜163のいずれか一項に記載の方法。
【請求項165】
細胞ライブラリーがヒト細胞を含む、請求項151〜163のいずれか一項に記載の方法。
【請求項166】
請求項103〜165のいずれかに記載の方法により同定される細胞により生成される抗体。
【請求項167】
請求項107〜132、137〜156、又は161〜165のいずれかに記載の方法により単離される細胞により生成される抗体。
【請求項168】
細胞ライブラリーであって、各細胞には、
(a)請求項1〜29のいずれか一項に記載の第1ポリペプチド、及び
(b)2本のポリペプチドがヘテロ二量体分子を形成し得る、免疫グロブリン重鎖を含む第2ポリペプチド
が含まれる、細胞ライブラリー。
【請求項169】
ヘテロ二量体分子が細胞表面上に発現される、請求項168に記載の細胞ライブラリー。
【請求項170】
各細胞がさらに免疫グロブリン軽鎖を含む、請求項168又は169に記載の細胞ライブラリー。
【請求項171】
第2のポリペプチドが、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を有する単鎖抗体分子を含む、請求項168又は169に記載の細胞ライブラリー。
【請求項172】
ヘテロ二量体分子が単一抗原結合部位を含む、請求項168〜171のいずれか一項に記載の細胞ライブラリー。
【請求項173】
細胞ライブラリーであって、各細胞には、
(a)請求項1〜29のいずれか一項に記載の第1ポリペプチド、及び
(b)2本のポリペプチドがヘテロ二量体分子を形成し得る、CH2ドメイン及びCH3ドメインを含む免疫グロブリン重鎖定常領域を含む第2ポリペプチド、
が含まれる、細胞ライブラリー。
【請求項174】
ヘテロ二量体分子が細胞表面上に発現される、請求項173に記載の細胞ライブラリー。
【請求項175】
第2のポリペプチドに免疫グロブリンFc領域が含まれる、請求項173又は174に記載の細胞ライブラリー。
【請求項176】
第2のポリペプチドに、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を有する単鎖抗体分子を含む、請求項173又は174に記載の細胞ライブラリー。
【請求項177】
第2のポリペプチドにさらに無作為抽出ポリペプチドが含まれる、請求項173に記載の細胞ライブラリー。
【請求項178】
請求項168〜177のいずれか一項に記載の細胞ライブラリーを検出分子と接触させることを含む、細胞ライブラリーのスクリーニング法。
【請求項179】
検出分子と結合する細胞を同定することを含む、請求項178に記載の方法。
【請求項180】
検出分子と結合する細胞を単離することを含む、請求項178又は179に記載の方法。
【請求項181】
検出分子がタンパク質又はその断片である、請求項178〜180のいずれか一項に記載の方法。
【請求項182】
検出分子が対象の抗原である、請求項178〜181のいずれか一項に記載の方法。
【請求項183】
検出分子が細胞表面受容体、リガンド、抗体又はその断片である、請求項178〜182のいずれか一項に記載の方法。
【請求項184】
検出分子は小分子である、請求項178〜180のいずれか一項に記載の方法。
【請求項185】
検出分子は標識化されている、請求項178〜184のいずれか一項に記載の方法。
【請求項186】
検出分子と結合する細胞の同定がフローサイトメトリで行われる、請求項179〜185のいずれか一項に記載の方法。
【請求項187】
検出分子に結合する細胞の単離がFACSで行われる、請求項180〜186のいずれか一項に記載の方法。
【請求項188】
請求項178〜187のいずれか一項に記載の方法により同定される細胞。
【請求項189】
請求項178〜187のいずれかに記載の方法により単離される細胞。
【請求項190】
(a)免疫グロブリンをコードするDNA、及び(b)無関係DNAの過剰量を宿主細胞に形質移入することを含む、宿主細胞の表面上のヘテロ二量体抗体分子の発現調節方法。
【請求項191】
免疫グロブリンをコードするDNAの無関係DNAに対する割合が、1:10〜1:1,000,000である、請求項190に記載の方法。
【請求項192】
免疫グロブリンをコードするDNAがプラスミドDNAであり、無関係DNAがプラスミドDNAである、請求項190〜191に記載の方法。
【請求項193】
宿主細胞が請求項1〜29に記載のポリペプチド又は請求項34〜36に記載のポリヌクレオチドを含む、請求項190〜192のいずれか一項に記載の方法。
【請求項194】
免疫グロブリンが免疫グロブリン重鎖を含む、請求項190〜193のいずれか一項に記載の方法。
【請求項195】
抗体が免疫グロブリン軽鎖を含む、請求項190〜193のいずれか一項に記載の方法。
【請求項196】
免疫グロブリンが、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を有する単鎖抗体分子である、請求項190〜195のいずれか一項に記載の方法。
【請求項197】
免疫グロブリンをコードするDNAがDNAライブラリーである、請求項190〜195のいずれか一項に記載の方法。
【請求項198】
DNAライブラリーが免疫化動物の細胞から生成される、請求項197に記載の方法。
【請求項199】
DNAライブラリーが未処理動物の細胞から生成される、請求項197に記載の方法。
【請求項200】
DNAライブラリーがcDNAライブラリーである、請求項197〜199のいずれか一項に記載の方法。
【請求項201】
宿主細胞を検出分子と接触させることをさらに含む、請求項190〜200のいずれか一項に記載の方法。
【請求項202】
検出分子と結合する宿主細胞を同定することを含む、請求項201に記載の方法。
【請求項203】
検出分子と結合する宿主細胞を単離することを含む、請求項201及び202に記載の方法。
【請求項204】
ヘテロ二量体分子であって、
(a)(i)第1の二量体形成ドメインを含む細胞外部分、及び(ii)膜貫通部の両者を含んだ第1ポリペプチド、並びに
(b)第2の二量体形成ドメインを含む第2ポリペプチド
が含まれる。
【請求項205】
第1の二量体形成領域が免疫グロブリン定常領域である、請求項204に記載のヘテロ二量体分子。
【請求項206】
第1の二量体形成ドメインが免疫グロブリン重鎖定常領域である、請求項204又は205に記載のヘテロ二量体分子。
【請求項207】
第2の二量体形成ドメインが免疫グロブリン定常領域である、請求項204〜206のいずれか一項に記載のヘテロ二量体分子。
【請求項208】
第2の二量体形成ドメインが免疫グロブリン重鎖定常領域である、請求項204〜207のいずれか一項に記載のヘテロ二量体分子。
【請求項209】
第1のポリペプチドが請求項1〜29のいずれか一項に記載のポリペプチドを含む、請求項204に記載のヘテロ二量体分子。
【請求項210】
第2のポリペプチドが免疫グロブリン重鎖定常領域を含む、請求項204〜209のいずれか一項に記載のヘテロ二量体分子。
【請求項211】
第2のポリペプチドが免疫グロブリンFc領域を含む、請求項204〜210のいずれか一項に記載のヘテロ二量体分子。
【請求項212】
第2のポリペプチドが免疫グロブリン重鎖を含む、請求項204〜211のいずれか一項に記載のヘテロ二量体分子。
【請求項213】
免疫グロブリン重鎖が免疫グロブリン軽鎖と結合する、請求項212に記載のヘテロ二量体分子。
【請求項214】
第2のポリペプチドが免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を有する単鎖免疫グロブリンを含む、請求項204〜213のいずれか一項に記載のヘテロ二量体分子。
【請求項215】
第1のポリペプチドが第2のポリペプチドと少なくとも1つのジスルフィド結合を形成する、請求項204〜214のいずれか一項に記載のヘテロ二量体分子。
【請求項216】
1つの抗原結合部位を含む、請求項204〜215のいずれか一項に記載のヘテロ二量体分子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−519379(P2013−519379A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553038(P2012−553038)
【出願日】平成23年2月11日(2011.2.11)
【国際出願番号】PCT/US2011/024554
【国際公開番号】WO2011/100566
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(308031072)オンコメッド ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (16)
【Fターム(参考)】