説明

ポリマーの分子量分布を制御する方法及びその組成物

付加重合反応の開始後、触媒、共触媒、及び/又は連鎖移動剤は、添加され、最初の反応混合物中の全ての成分を有するポリマー生成物と比較して広がった分子量分布を備えるポリマー生成物を生成する。触媒、共触媒、又は連鎖移動剤は、その反応に個別的に、又は継続的に添加され、2峰性分子量分布、3峰性分子量分布、又は他の広がった分子量分布を有する生成物を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本国際出願は、2008年5月29日に出願され、「ポリマーの分子量分布を制御する方法及びその組成物」と題される米国特許出願No.12/129、106号で公開された1以上の発明を主張する。前述の出願は、参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0002】
本発明の分野
本発明は、付加重合の分野に関連する。さらに具体的には、本発明は、付加重合の生成物の分子量を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
関連分野の記述
付加重合は、重付加及び連鎖重合としても知られ、伸長するポリマー鎖上にモノマー単位の段階的付加により起こる。付加重合は、3つの異なる段階を経て起きる。夫々の鎖は、先ず開始され、その後増え、最終的に停止する。重合はモノマー単位の段階的付加により起こるので、ポリマー鎖の平均分子量は、過剰のモノマーが存在すると仮定すると、与えられた開始条件に関する反応時間とともに直線的に増加する。
【0004】
付加重合により形成されるポリマーとしては、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリエステル、及びポリエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。付加重合体の例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ(塩化ビニル)(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリアクリロニトリル、ポリ(酢酸ビニル)(PVA)、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、ポリ(酢酸ビニル)(PVA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ(シクロヘキサンカーボネート)(PCHC)、ポリ(エチレンカーボネート)(PEC)、ポリ(プロピレンカーボネート)(PPC)及びポリ(酸化プロピレン)(PPO)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0005】
非特許文献1は、付加重合により二酸化炭素とエポキシドの共重合化触媒を検討しており、これは参照することにより本明細書中に組み込まれる。これらの金属ベース触媒としては、アルミニウムベース触媒、マグネシウムベース触媒、クロムベース触媒、コバルトベース触媒、イットリウムベース触媒、亜鉛ベース触媒、カドミウムベース触媒、及びニッケルベース触媒が挙げられるが、これらに限定されない。非特許文献2、非特許文献3、及びCoates等により出願された特許文献1は、参照により本明細書中に組み込まれ、酸化アルキレン及び二酸化炭素の共重合化コバルト触媒を開示している。非特許文献1及びCoates等により出願された特許文献2は、参照により本明細書中に組み込まれ、酸化アルキレン及び二酸化炭素の共重合化亜鉛ベース触媒および他の金属ベース触媒を開示している。
【0006】
1以上の共触媒は、付加重合における触媒と同時に使用され、重合速度を速め、その触媒のみの使用と比較して、反応に対する圧又は温度における低下を可能にする。共触媒は、重合反応の立体選択性又は位置選択性もまた改善する。特許文献1は、酸化アルキレン及び二酸化炭素の共重合化コバルト触媒の使用のための共触媒として、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化イミニウム、ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウムペンタフルオロベンゾエイト、臭化テトラフェニルフォスフォニウム、塩化テトラフェニルフォスフォニウム、テトラ‐n‐ブチルアンモニウムクロライド、トリエチルアミン、及びトリオクチルアミンを開示する。
【0007】
可逆性連鎖移動剤は、触媒と同時に使用され、付加重合反応に有意な別の影響を及ぼすことなく生成物の平均分子量を低減する。特許文献1は、酸化プロピレン及び二酸化炭素の共重合化コバルト触媒とともに使用するための可逆性連鎖移動剤として、例えばペンタフルオロ安息香酸等のカルボン酸、例えばメタノール等のアルコール、ジカルボン酸、ジオール、ポリ酸、ポリオール、及び例えば、ペンタフルオロ安息香酸ナトリウム等のそれらの脱プロトン化体を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第7,304,172号
【特許文献2】米国特許第6,133,402号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Coates及びMoore、Angew. Chem.、Int. Ed.、43、pp. 6618-6639、2004
【非特許文献2】Qin等 Angew. Chem.、Int. Ed.、42、pp. 5484-5487、2003
【非特許文献3】Cohen等、J. Am. Chem. Soc.、127、pp.10869-10878、2005
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
付加重合反応の開始後、触媒、共触媒、及び/又は連鎖移動剤は、同時に添加され、最初の反応混合物中の全ての成分を有するポリマー生成物と比較して広がった分子量分布を備えるポリマー生成物を生成する。触媒、共触媒、又は連鎖移動剤は、その反応に個別的に、又は継続的に添加され、2峰性分子量分布、3峰性分子量分布、又は他の広がった分子量分布を有する生成物を生成する反応を行う。
【0011】
本発明の第1の実施形態において、前記方法は、付加重合反応の生成物の分子量分布を制御する。前記方法は、開始時間での付加重合反応を開始する工程と、開始時間後少なくとも1つの反応時間中に少なくとも1つの反応成分を、反応に添加する工程を含む。反応成分は、少なくとも1つの触媒、少なくとも1つの共触媒、少なくとも1つの連鎖移動剤及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0012】
本発明の第2の実施形態において、前記方法は、付加重合反応のポリカーボネート生成物の分子量分布を制御する。前記方法は、開始時間での付加重合反応を開始する工程と、開始時間後少なくとも1つの反応時間中に少なくとも1つの反応成分を、反応に添加する工程を含む。
【0013】
本発明の第3の実施形態において、前記方法は、予め定めた分子量分布を備える付加重合反応の生成物を生成する。前記方法は、反応の開始条件を決定する工程と、少なくとも1つの反応成分の少なくとも1つの追加的な量を計算する工程とを備え、該反応成分は、少なくとも1つの反応速度定数を使用して反応の開始時間後、少なくとも1つの反応時間中にその反応に添加される。前記方法は、また、開始時間での開始条件で反応を開始する工程と、反応時間中に反応に反応成分を添加する工程を含む。反応成分は、少なくとも1つの触媒、少なくとも1つの共触媒、少なくとも1つの連鎖移動剤及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0014】
本発明の第4の実施形態において、ポリマー生成物は、単一バッチ重合の第1付加重合生成物を含む。第1付加重合生成物は、重合反応の間中生み出される第2の付加重合生成物と異なる分子量分布を有し、この場合、第2の付加重合生成物の全ての反応成分は、第2の付加重合生成物の重合反応の開始時又は終了時に添加される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の実施形態におけるポリマーを合成する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書中で使用される付加重合は、モノマー単位を、成長するポリマー鎖に個別に加える段階的な方法を経て生じる任意の重合反応を含み、これにより生成物の平均分子量が、与えられた反応条件に対する時間で略直線的に増える。
【0017】
本発明の方法で使用される付加重合は、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリヒドロキシアルカノエート、及びポリエーテルを合成するための付加重合が挙げられるが、これらに限定されず、これらの例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン、ポリイソブチレン、ポリ(塩化ビニル)(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリアクリロニトリル、ポリ(酢酸ビニル)(PVA)、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、ポリ(酢酸ビニル)(PVA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFF)、ポリ(シクロヘキサンカーボネート)(PCHC)、ポリ(エチレンカーボネート)(PEC)、ポリ(プロピレンカーボネート)(PPC)及びポリ(酸化プロピレン)(PPO)が挙げられる。本発明の方法は、任意の付加重合のために使用され得るが、特定の実施形態において、重合は、二酸化炭素とエポキシドとの共重合である。1つの実施形態において、重合は、酸化プロピレンと二酸化炭素との共重合である。
【0018】
本明細書中で使用される触媒は、化学反応において消費されることのない重合の反応速度を増加する任意の化学成分を含む。本発明の方法で使用される触媒は、アルミニウムベース触媒、マグネシウムベース触媒、クロムベース触媒、コバルトベース触媒、イットリウムベース触媒、亜鉛ベース触媒、カドミウムベース触媒、及びニッケルベース触媒が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の方法は、任意の付加重合のための任意の触媒と共に使用されるが、特定の実施形態において、その触媒は二酸化炭素とエポキシドとの共重合のための金属ベース触媒である。1つの実施形態において、触媒は、エポキシドと二酸化炭素との共重合のためのコバルトベース触媒である。別の実施形態において、触媒は、エポキシドと二酸化炭素との共重合のためのクロムベース触媒である。特定の実施形態において、触媒は、エポキシドと二酸化炭素との共重合のための亜鉛ベース触媒である。
【0019】
本明細書中で使用される共触媒は、触媒と同時に使用される場合、共触媒の無い重合の反応速度に対する重合の反応速度を増加させる任意の化学成分を含む。本発明の方法で使用される共触媒としては、アミン、アンモニウム塩、リン酸塩、及びアルソニウム塩を含むがこれらに限定されず、これらの例としては、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化イミニウム(PPN−Cl)、ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウムペンタフルオロベンゾエイト、臭化テトラフェニルフォスフォニウム、塩化テトラフェニルフォスフォニウム、テトラ‐n‐ブチルアンモニウムクロライド、トリエチルアミン、トリオクチルアミン、ジメチルアミノピリジン(DMAP)、メチルイミダゾール、3‐ヒドロキシピリジン、及びジメチルアミノキノリン(DMAQ)が挙げられる。本発明の方法は、任意の付加重合のための任意の共触媒と共に使用され得るが、特定の実施形態において、その共触媒は二酸化炭素とエポキシドとの共重合のためのものである。1つの実施形態において、共触媒は、二酸化炭素と酸化プロピレンとの共重合のためのPPN−Clである。
【0020】
本明細書中で使用される可逆性連鎖移動剤は、触媒上に及び触媒からポリマー鎖を可逆的に遮断することができる任意の化学成分を含み、この場合、ポリマー鎖は伸長しない上に、触媒はポリマー鎖に接触しない。可逆性連鎖移動剤濃度の増加は、活性ポリマー鎖の数を増やすことにより合成ポリマーの平均分子量を下げる。連鎖移動速度が重合速度に対して速い場合、ポリマー鎖全てが、同じ平均速度で伸長する。本発明の方法で使用する可逆性連鎖移動剤は、含まれる重合の型に伴って変化する。本発明の方法で使用する可逆性連鎖移動剤としては、カルボン酸、アルコール、ジカルボン酸、ジオール、ポリ酸、ポリオール、及びそれらの脱プロトン化体、並びにチオール、インドペルフルオロアルカン、ジインド‐ペルフルオロアルカン、ペンタン、プロパン、及びブタンが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の方法は、任意の付加重合のための任意の可逆性連鎖移動剤と共に使用され得るが、二酸化炭素とエポキシドとの共重合のための特定の実施形態において、可逆性連鎖移動剤はアルコール(ポリオールを含む)である。二酸化炭素とエポキシドとの共重合のための1つの実施形態において、可逆性連鎖移動剤はエチレングリコールである。
【0021】
本明細書中で使用される連鎖停止剤は、可逆性連鎖移動剤としても知られ、ポリマー鎖を触媒から永久に遮断することができる任意の化学成分を含み、この場合、ポリマー鎖は伸長しない上に、触媒はポリマー鎖に接触しない。本発明の方法で使用される連鎖停止剤は、含まれる重合の型に伴って変化する。連鎖停止剤濃度の増加は、合成ポリマーの平均分子量を下げる。本発明の方法で使用される連鎖停止剤は、水素ガス、ハロゲン化アルキル、及び臭化ベンジルを含むが、これらに限定されない。
【0022】
本明細書中で使用される連鎖移動剤は、触媒上に及び/又は触媒からポリマー鎖を遮断することができる任意の化学成分を含み、この場合、ポリマー鎖は伸長しない上に、触媒はポリマー鎖に接触しない。連鎖移動剤は、可逆性連鎖移動剤及び連鎖停止剤を含むがこれらに限定されない。
【0023】
本明細書中で使用される反応成分は、付加重合の生成物の分子量分布を変えることができる任意の化学成分を含む。本発明の方法で使用される反応成分は、触媒、共触媒、及び連鎖移動剤を含むがこれらに限定されない。
【0024】
試薬が重合の開始時のみに供給される場合、付加重合は、縮合重合と比較して相対的に狭い分子量分布を有する最終生成物を生成する。より広い分子量分布を備えるポリマーは、いくつかの応用において所望される。例えば、より高い分子量及びより低い分子量の双方の画分は、狭い分子量分布の生成物で達成不可能な加工性及び強度の所望の組合せを備えるポリマー生成物を生成し得る。
【0025】
本発明の方法において、より広い分子量分布を有するポリマー生成物を生成するために、少なくとも1つの反応成分は、反応の開始後、付加重合反応に添加される。少なくとも1つの反応生成物の任意の組合せは、複数の触媒、複数の共触媒、及び/又は複数の連鎖移動剤を含む反応に添加される。反応成分は、一定速度で又は様々な速度で、1以上の離散時間で及び/又は1以上の期間にわたって添加され得る。反応成分又は複数の反応成分は、反応の経過において及び任意の予め定めた量又は量において、もしくは任意の予め定めた速度で又は速度で添加され、ポリマー生成物を生成する。代替的に、時間、複数の時間、期間及び/又は複数の期間及び量、複数の量、速度、及び/又は複数の速度は、反応の経過において決定され得る。反応成分又は複数の反応成分は、1つの離散工程で、一定の又は様々な期間での複数の等しい又は異なる離散工程で、もしくは1又は複数の期間一定速度又は様々な速度で継続的に、反応に添加される。反応成分は、好ましくは混合下添加され、新たに添加された物質を供給する。1つの実施形態において、反応成分又は複数の反応成分は、反応の開始後、1つの離散時間で添加され、これにより生成物は、2峰性分子量分布を備える。別の実施形態において、反応成分又は複数の反応成分は、反応の開始後、2つの離散時間で添加され、これにより生成物は、3峰性分子量分布を備える。
【0026】
1つの実施形態において、重合は付加重合であり、この場合反応成分は、触媒、共触媒、及び可逆性連鎖移動剤からなる群から選択される。
【0027】
別の実施形態において、重合は、付加重合であり、ポリカーボネートを形成し、この場合、反応成分は、触媒、共触媒、及び可逆性連鎖移動剤からなる群から選択される。
【0028】
本発明の方法は、好ましくは、1つのバッチの重合に適用され、この場合、連続重合よりはむしろ少なくともいくつかのポリマー鎖が反応全体にわたって伸長し、連鎖移動剤が反応に周期的に添加され、予め定めた平均分子量で全ての伸長しているポリマー鎖を止めるとともに、新しい鎖の伸長を開始する。
【0029】
図1は、本発明の実施形態における付加重合の生成物を合成する方法を示す。反応は、触媒、共触媒、連鎖移動剤、及びモノマーの量で開始される(10)。開始時間後の一定の時間で、反応成分又は複数の反応成分を反応に添加するかどうかに関して照会する(12)。もし、1以上の反応成分を添加する場合、複数の反応成分を、1つの離散バッチに全てを添加するべきかどうかに関して照会する(14)。もし、反応成分を1つの離散バッチに全てを添加する場合、反応成分を反応混合物に添加する(16)。続いて、1以上の反応成分を反応に添加するかどうかに関して別の照会がある(12)。もし、反応成分を期間にわたって連続方法で添加する場合、反応成分の添加を第1の時間で開始し(18)、それからしばらくたって終了する(20)。反応成分を添加しないならば、反応を終了するべきかどうかに関して照会する(22)。反応は終了し(24)、又は継続する。図1に示される代替的な実施形態において、異なる反応成分の添加は、互いに重複する。例えば、触媒又は共触媒の連続的な添加の間中、連鎖移動剤の離散又は連続的な添加が実施される。モノマーは、好ましくは反応開始前にのみ導入されるが、モノマーは、重合反応の間中、任意の時間でもまた添加され得る。
【0030】
反応の開始時間(10)で、任意のまたは全てのいずれも含まない触媒、共触媒、及び/又は連鎖移動剤の任意の量が、モノマーと組み合わされ、反応を開始する。
【0031】
本発明の1つの実施形態において、反応成分又は複数の反応成分の添加の時間、速度、及び量は、最終ポリマー生成物の反応条件及び予め定めた、所望の分子量分布のための既知の反応速度に基づいて予め定められる。
【0032】
代替的な実施系他において、反応はモニタされ、反応成分又は複数の反応成分の添加の時間、速度、及び量は、反応のモニタされた伸長に基づいて測定される。
【0033】
反応成分又は複数の反応成分の添加の反応条件及び量/速度及びタイミングの制御は、付加重合と比較して付加重合の最終生成物の分子量分布のより大きな制御及び柔軟性を可能にし、この場合、全ての物質は、重合反応の開始時にリアクターに提供される。
【0034】
本発明の別の実施形態において、単一バッチ重合の付加重合生成物は、付加重合生成物と異なる分子量分布を有し、この場合、全ての反応成分は、重合反応の開始又は終了時に添加される。
【0035】
次の実施例は、例示されることを意図しており、本発明の原理を限定するものではない。以下の実施例において、Mは、構成単位の分子量であり、Rは、反応の開始時の構成単位の付加速度であり、及びCx及びrxは、質量単位としてよりもモル単位である。単一成分重合に関して、その構成単位はモノマー分子である。共重合に関して、構成単位は、第1のモノマーの分子及び第2のモノマーの分子である。次の実施例において、共触媒が存在又は添加される場合、共触媒は予め定めた最適な又は略最適な割合で触媒とともに常に存在又は添加されるが、本発明の精神の範囲内において、共触媒は、触媒の添加なしに又は最適でない割合で個々に添加され、分子量分布を変化させ得る。反応は、本発明の精神の範囲内で、完了に至る反応に期待される時間よりもより長い時間を実行され得るが、反応は、時間tより前に完成しないことは、計算上仮定される。
【0036】
実施例1
反応は、開始時間tでの量Cの触媒及び過剰量のモノマーを有する。より遅い時間tでの触媒Cの追加量が反応に添加される。反応は、より遅い時間tで終了する。反応生成物は、略M(1+R(t−t))の平均分子量を有する略C/(C+C)のモル比率の第1の部分P並びに略M(1+R(t−t))の平均分子量を有する略C/(C+C)のモル比率の第2の部分Pを備える2峰性分子量分布を有する。
【0037】
実施例2
反応は、開始時間tでの量Cの触媒及び過剰量のモノマーを有する。より遅い時間tでの触媒Cの追加量が反応に添加される。より遅い時間tでの可逆性連鎖移動剤Aの量が反応に添加される。反応は、より遅い時間tで終了する。反応生成物は、略M(1+R(t−t)+X)の平均分子量を有する略C/(C+A)のモル比率の第1の部分P並びに略M(1+X)の平均分子量を有する略A/(C+A)のモル比率の第2の部分Pを備える2峰性分子量分布を有し、この場合、X=R(C/(C+A))(t−t)であり、連鎖移動の速度は、重合の速度に対して速いことが仮定される。
【0038】
実施例3
反応は、開始時間tでの量Cの触媒、量Bの共触媒及び過剰量のモノマーを有する。より遅い時間tでの触媒C及び共触媒Bの追加量がC:Bと同じ割合で反応に添加される。反応は、より遅い時間tで終了する。反応生成物は、略M(1+R(t−t))の平均分子量を有する略(C+B)/(C+B+C+B)のモル比率の第1の部分P並びに略M(1+R(t−t))の平均分子量を有する略(C+B)/(C+B+C+B)のモル比率の第2の部分Pを備える2峰性分子量分布を有する。
【0039】
実施例4
反応は、開始時間tでの量Cの触媒、量Bの共触媒及び過剰量のモノマーを有する。より遅い時間tでの可逆性連鎖移動剤Aの量が反応に添加される。反応は、より遅い時間tで終了する。反応生成物は、略M(1+R(t−t)+X)の平均分子量を有する略(C+B)/(C+B+A)のモル比率の第1の部分P並びに略M(1+X)の平均分子量を有する略A/(C+B+A)のモル比率の第2の部分Pを備える2峰性分子量分布を有し、この場合、X=R((C+B)/(C+B+A))(t−t)であり、連鎖移動の速度は、重合の速度に対して速いことが仮定される。
【0040】
実施例5
反応は、開始時間tでの量Cの触媒、量Bの共触媒、量Aの可逆性連鎖移動剤及び過剰量のモノマーを有する。より遅い時間tでの触媒Cの量、共触媒Bの量、及び可逆性連鎖移動剤Aの量が反応に添加される。反応は、より遅い時間tで終了する。反応生成物は、略M(1+R(t−t)+X)の平均分子量を有する略(C+B+A)/(C+B+A+C+B+A)のモル比率の第1の部分P並びに略M(1+X)の平均分子量を有する略(C+B+A)/(C+B+A+C+B+A)のモル比率の第2の部分Pを備える2峰性分子量分布を有し、この場合、X=R(((C+B+C+B)/(C+B+A+C+B+A))/((C+B)/(C+B+A)))(t−t)であり、連鎖移動の速度は、重合の速度に対して速いことが仮定される。
【0041】
実施例6
反応は、開始時間tでの量Cの触媒、量Bの共触媒、量Aの可逆性連鎖移動剤及び過剰量のモノマーを有する。より遅い時間tでの触媒Cの量、共触媒Bの量、及び可逆性連鎖移動剤Aの量が反応に添加される。第2のより遅い時間tでの触媒Cの量、共触媒Bの量、及び可逆性連鎖移動剤Aの量が反応に添加される。反応は、より遅い時間tで終了する。反応生成物は、略M(1+R(t−t)+X+Y)の平均分子量を有する略(C+B+A)/(C+B+A+C+B+A+C+B+A)のモル比率の第1の部分P、略M(1+X+Y)の平均分子量を有する略(C+B+A)/(C+B+A+C+B+A+C+B+A)のモル比率の第2の部分P、並びに略M(1+Y)の平均分子量を有する略(C+B+A)/(C+B+A+C+B+A+C+B+A)のモル比率の第3の部分Pを備える3峰性分子量分布を有し、この場合、X=R(((C+B+C+B)/(C+B+A+C+B+A))/((C+B)/(C+B+A)))(t−t)及びY=R(((C+B+C+B+C+B)/(C+B+A+C+B+A+C+B+A))/((C+B)/(C+B+A)))(t−t)であり、連鎖移動の速度は、重合の速度に対して速いことが仮定される。
【0042】
実施例7
反応は、開始時間tでの量Cの触媒、量Bの共触媒、量Aの可逆性連鎖移動剤及び過剰量のモノマーを有する。より遅い時間(t、t、…、tN−2、及びtN−1)での触媒(C、C、…、CN−2、及びCN−1)の量、共触媒(B、B、…、BN−2、及びBN−1)の量、及び可逆性連鎖移動剤(A、A、…、AN−2、及びAN−1)の量が反応に添加される。反応は、より遅い時間tで終了する。反応生成物は、夫々の部分Piに対して略(Ci+Bi+Ai)/(ΣC+ΣB+ΣA)のモル比率を備えるn峰性分子量分布を有し、この場合、i=0からn−1であり、各々の部分Piは、略M(1+Σ(R(((Ci+Bi)/(ΣC+ΣB+ΣA))/((C+B)/(C+B+A)))(ti+1−ti))の平均分子量を備え、連鎖移動の速度は、重合の速度に対して速いことが仮定される。
【0043】
実施例8
反応は、開始時間tでの量Cの触媒、及び過剰量のモノマーを有する。より遅い時間tでの可逆性連鎖移動剤Aの量が反応に添加される。より遅い時間tでの連鎖停止剤Dの量が反応に添加され、この場合、DはC+A未満である。反応は、より遅い時間tで終了する。反応生成物は、略M(1+R(t−t)+X)の平均分子量を有する略C(C+A−D)/(C+Aのモル比率の第1の部分P、略M(1+X)の平均分子量を有する略A(C+A−D)/(C+Aのモル比率の第2の部分P、並びに略M(1+Y)の平均分子量を有する略D/(C+A)のモル比率の第3の部分Pを備える3峰性分子量分布を有し、この場合、X=R(C/(C+A))(t−t)及びY=R(C/(C+A))(t−t)であり、連鎖移動及び連鎖停止の速度は重合の速度に対して速いことが仮定される。
【0044】
実施例9
反応は、開始時間tでの量Cの触媒及び過剰量のモノマーを有する。期間tからtに関して、追加の触媒が一定速度rで反応に継続的に添加される。反応は、より遅い時間tで終了する。反応生成物は、より広い分子量分布を備える。反応生成物は、略M(1+R(t−t))の平均分子量を有する略C/(C+r(t−t))のモル比率の第1の部分P並びに略M(1+R(t−t))からM(1+R(t−t))の平均分子量範囲にわたるモル基準で略等しく分けられる残りの部分Pを備える分子量分布を有し、この場合、X=R(C/(C+A))(t−t)である。
【0045】
実施例10
反応は、開始時間tでの量Cの触媒及び過剰量のモノマーを有する。期間tからtに関して、可逆性連鎖移動剤が一定速度rで反応に継続的に添加される。反応は、より遅い時間tで終了する。反応生成物は、より広い分子量分布を備える。反応生成物は、略M(1+R(t−t)+X+Y)の平均分子量を有する略C/(C+r(t−t))のモル比率の第1の部分P並びに略M(1+Y)からM(1+X+Y)の平均分子量範囲にわたって分けられる残りの部分Pを備える分子量分布を有し、この場合、tからtのX=R∫(C/(C+r(t−t)))dt及びY=R(C/(C+r(t−t)))(t−t)である。
【0046】
実施例11
反応は、開始時間tでの量Cの触媒、量Bの共触媒及び過剰量のモノマーを有する。期間tからtに関して、追加の触媒及び共触媒は、C:Bと同じ割合で、一定速度r及びrで個別に反応に継続的に添加される。反応は、より遅い時間tで終了する。反応生成物は、より広い分子量分布を備える。反応生成物は、略M(1+R(t−t))の平均分子量を有する略(C+B)/(C+r(t−t)+B+r(t−t))のモル比率の第1の部分P並びに略M(1+R(t−t))からM(1+R(t−t))の平均分子量範囲にわたるモル基準で略等しく分けられる残りの部分Pを備える分子量分布を有する。
【0047】
実施例12
反応は、開始時間tでの量Cの触媒、量Bの共触媒及び過剰量のモノマーを有する。期間tからtに関して、可逆性連鎖移動剤が一定速度rで反応に継続的に添加される。反応は、より遅い時間tで終了する。反応生成物は、より広い分子量分布を備える。反応生成物は、略M(1+R(t−t)+X+Y)の平均分子量を有する略(C+B)/(C+B+r(t−t))のモル比率の第1の部分P並びに略M(1+Y)からM(1+X+Y)の平均分子量範囲にわたって分けられる残りの部分Pを備える分子量分布を有し、この場合、tからtのX=R∫((C+B)/(C+B+r(t−t)))dt及びY=R((C+B)/(C+B+r(t−t)))(t−t)である。
【0048】
実施例13
反応は、開始時間tでの量Cの触媒、量Bの共触媒、量Aの可逆性連鎖移動剤及び過剰量のモノマーを有する。期間tからtに関して、追加の触媒、共触媒、及び可逆性連鎖移動剤は、一定速度r、r及びrで個別に反応に継続的に添加される。反応は、より遅い時間tで終了する。反応生成物は、より広い分子量分布を備える。反応生成物は、略M(1+R(t−t)+X+Y)の平均分子量を有する略(C+B+A)/(C+B+A+(r+r+r)(t−t))のモル比率の第1の部分P並びに略M(1+Y) からM(1+X+Y)の平均分子量範囲にわたって分けられる残りの部分Pを備える分子量分布を有し、この場合、tからtのX=R∫((C+B+A)/(C+B+A+(r+r+r)(t−t)))dt及びY=R((C+B+A)/(C+B+A+(r+r+r)(t−t)))(t−t)である。
【0049】
実施例14
反応は、開始時間tでの過剰量のモノマーを有する。期間tからtに関して、触媒、共触媒、及び可逆性連鎖移動剤は、一定速度r、r及びrで個別に反応に継続的に添加される。反応は、より遅い時間tで終了する。反応生成物は、より広い分子量分布を備える。反応生成物は、略M(1+R(t−t))からM(1+R(t−t))の平均分子量範囲にわたって分けられる分子量分布を有し、この場合、Rは、触媒:共触媒:可逆性連鎖移動剤のr:r:rに対するモノマー単位の添加の割合である。
【0050】
実施例15
反応は、開始時間tでの量Cの触媒、量Bの共触媒、量Aの可逆性連鎖移動剤及び過剰量のモノマーを有する。より遅い期間(tからt、tからt、…、tN−4からtN−3、及びtN−2からtN−1)で、触媒、共触媒、及び可逆性連鎖移動剤は、一定速度rC,1、rC,2、…、rC,(N−3)/2、及びrC,(N−1)/2、rB,1、rB,2、…、rB,(N−3)/2、及びrB,(N−1)/2、並びにrA,1、rA,2、…、rA,(N−3)/2、及びrA,(N−1)/2で個別に反応に継続的に添加される。反応は、より遅い時間tで終了する。反応生成物は、より広い分子量分布を備える。反応生成物は、M(1+R(t−t)+ΣXi+ΣYi)の平均分子量を有する略(C+B+A)/(C+ΣrC,i(t2i−t2i−1)+B+ΣrB,i(t2i−t2i−1)+A+ΣrA,i(t2i−t2i−1))のモル比率の第1の部分P、この場合、i=1から(N−1)/2であり、並びに略M(1+ΣXi+ΣYi−Xi)からM(1+ΣXi+ΣYi)までの平均分子量範囲にわたって各々に分けられる略(rC,i(t2i−t2i−1)+rB,i(t2i−t2i−1)+rA,i(t2i−t2i−1))/(C+ΣrC,i(t2i−t2i−1)+B+ΣrB,i(t2i−t2i−1)+A+ΣrA,i(t2i−t2i−1))のモル比率を個々に有する残りの部分Piを備える分子量分布を有し、この場合、tからtのXi=R∫((C+B+A)/(C+B+A+(rA,i+rB,i+rC,i)(t−t2i‐1)))dt及びYi=R((C+B+A)/(C+B+A+(rA,i+rB,i+rC,i)(t2i−t2i−1)))(t2i+1−t2i)である。
【0051】
従って、本明細書中に記載される発明の実施形態は、本発明の本質の応用の単に例示であることを理解されたい。例示された実施形態の詳細に対する本明細書中の参照は、本発明の必須要素としてみなされる技術的特徴を記載している特許請求の範囲を限定するものであると意図されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定めた分子量分布を有する付加重合反応の生成物を生成する方法であって、
前記方法は、
a)前記反応の開始条件を決定する工程と、
b)前記反応の少なくとも1つの速度定数を使用して反応開始時間後、少なくとも1つの反応時間の間に前記反応に添加される少なくとも1つの反応成分の少なくとも1つの追加量を計算する工程と、
c)前記開始時間に前記開始条件で前記反応を開始する工程と、
d)前記反応時間の間に前記反応に前記反応成分を添加する工程と、を備え、
前記反応成分は、
少なくとも1つの触媒と、少なくとも1つの共触媒と、少なくとも1つの可逆性連鎖移動剤及びこれらの任意の組合せとからなる群から選択されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記触媒は、
アルミニウムベース触媒と、マグネシウムベース触媒と、クロムベース触媒と、コバルトベース触媒と、イットリウムベース触媒と、亜鉛ベース触媒と、カドミウムベース触媒と、ニッケルベース触媒及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1つの金属ベース触媒を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記付加重合反応の前記生成物がポリカーボネートであることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記付加重合は、二酸化炭素及びエポキシドの共重合であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記付加重合は、二酸化炭素及び酸化プロピレンの共重合であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記反応が停止する場合、停止時間前に連鎖停止剤を添加する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記反応成分は、1以上の離散工程で前記反応に添加されることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記反応成分は、単一工程で添加され、これにより前記生成物の前記分子量分布が2峰性であることを特徴とする請求項1乃至7いずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
前記反応成分は、2工程で添加され、これにより前記生成物の前記分子量分布が3峰性であることを特徴とする請求項1乃至7いずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
前記反応成分が連続添加速度で、前記反応に連続的に添加されることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1つの方法により作られることを特徴とする生成物。
【請求項12】
付加重合反応の生成物の分子量分布を制御する方法であって、
前記方法は、
a)開始時間で付加重合反応を開始する工程と、
b)開始時間後少なくとも1つの反応時間の間に、前記反応に少なくとも1つの反応成分を添加する工程と、を備え、
前記反応成分は、
少なくとも1つの触媒と、少なくとも1つの共触媒と、少なくとも1つの可逆性連鎖移動剤及びこれらの任意の組合せとからなる群から選択されることを特徴とする方法。
【請求項13】
前記触媒は、
アルミニウムベース触媒と、マグネシウムベース触媒と、クロムベース触媒と、コバルトベース触媒と、イットリウムベース触媒と、亜鉛ベース触媒と、カドミウムベース触媒と、ニッケルベース触媒及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1つの金属ベース触媒を含むことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記付加重合反応の前記生成物がポリカーボネートであることを特徴とする請求項12又は13記載の方法。
【請求項15】
前記付加重合は、二酸化炭素及びエポキシドの共重合であることを特徴とする請求項12乃至14いずれか1つに記載の方法。
【請求項16】
前記付加重合は、二酸化炭素及び酸化プロピレンの共重合であることを特徴とする請求項12乃至15いずれか1つに記載の方法。
【請求項17】
前記反応が停止する場合、停止時間前に連鎖停止剤を添加する工程をさらに含むことを特徴とする請求項12乃至16いずれか1つに記載の方法。
【請求項18】
前記反応成分は、1以上の離散工程で前記反応に添加されることを特徴とする請求項12乃至17いずれか1つに記載の方法。
【請求項19】
前記反応成分は、単一工程で添加され、これにより前記生成物の前記分子量分布が2峰性であることを特徴とする請求項12乃至18いずれか1つに記載の方法。
【請求項20】
前記反応成分は、2工程で添加され、これにより前記生成物の前記分子量分布が3峰性であることを特徴とする請求項12乃至18いずれか1つに記載の方法。
【請求項21】
前記反応成分が連続添加速度で、前記反応に連続的に添加されることを特徴とする請求項12乃至17いずれか1つに記載の方法。
【請求項22】
連続添加の前記速度が時間に伴って変化することを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項23】
請求項12乃至22のいずれか1つの方法により作られることを特徴とする生成物。
【請求項24】
付加重合反応のポリカーボネート生成物の分子量分布を制御する方法であって、
前記方法は、
a)開始時間で付加重合反応を開始する工程と、
b)開始時間後少なくとも1つの反応時間の間に、前記反応に少なくとも1つの反応成分を添加する工程と、を備えることを特徴とする方法。
【請求項25】
前記反応成分は、
少なくとも1つの触媒と、少なくとも1つの共触媒と、少なくとも1つの可逆性連鎖移動剤及びこれらの任意の組合せとからなる群から選択されることを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記触媒は、
アルミニウムベース触媒と、マグネシウムベース触媒と、クロムベース触媒と、コバルトベース触媒と、イットリウムベース触媒と、亜鉛ベース触媒と、カドミウムベース触媒と、ニッケルベース触媒及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1つの金属ベース触媒を含むことを特徴とする請求項24又は25に記載の方法。
【請求項27】
前記付加重合は、二酸化炭素及びエポキシドの共重合であることを特徴とする請求項24乃至26いずれか1つに記載の方法。
【請求項28】
前記付加重合は、二酸化炭素及び酸化プロピレンの共重合であることを特徴とする請求項24乃至27いずれか1つに記載の方法。
【請求項29】
前記反応成分は、1以上の離散工程で前記反応に添加されることを特徴とする請求項24乃至28いずれか1つに記載の方法。
【請求項30】
前記反応成分は、単一工程で添加され、これにより前記生成物の前記分子量分布が2峰性であることを特徴とする請求項24乃至29いずれか1つに記載の方法。
【請求項31】
前記反応成分は、2工程で添加され、これにより前記生成物の前記分子量分布が3峰性であることを特徴とする請求項24乃至29いずれか1つに記載の方法。
【請求項32】
前記反応成分が連続添加速度で、前記反応に連続的に添加されることを特徴とする請求項24乃至28いずれか1つに記載の方法。
【請求項33】
連続添加の前記速度が時間に伴って変化することを特徴とする請求項32記載の方法。
【請求項34】
請求項24乃至33のいずれか1つの方法により作られることを特徴とする生成物。
【請求項35】
単一バッチ重合の第1の付加重合生成物を含むポリマー生成物であって、
前記第1の付加重合生成物は、重合反応の間中生み出される第2の付加重合生成物と異なる分子量分布を有し、この場合、第2の付加重合生成物の全ての反応成分は、第2の付加重合生成物の重合反応の開始時又は終了時に添加されることを特徴とするポリマー生成物。
【請求項36】
前記第1の付加重合生成物がポリカーボネートポリマーであることを特徴とする請求項35記載のポリマー生成物。

【図1】
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【公表番号】特表2011−522091(P2011−522091A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511762(P2011−511762)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【国際出願番号】PCT/US2009/045216
【国際公開番号】WO2009/148889
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(510313555)ノボマー, インク. (1)
【Fターム(参考)】