説明

ポリマーアミンの段階的なアルキル化

【課題】第二アミノ基および/または第三アミノ基並びに第四級アンモニウム基を含有している官能基、陽イオン交換基を有するポリマー、ポリマーからなる膜、イオン交換膜、およびポリマー電解質膜を使用した燃料電池、直接メタノール燃料電池、酸化還元電池および電気透析等の膜処理の膜としてのイオン交換ポリマーの使用を提供する。
【解決手段】有機金属基との段階的脱プロトン化およびこれに続くアルキルハロゲン化合物との反応によって第一ポリマーアミンを段階的アルキル化する方法により、第二アミノ基および/または第三アミノ基並びに第四級アンモニウム基を含有しているポリマーから、陽イオン交換基を有するポリマー、膜であって、スルホン酸、ホスホン酸またはカルボキシル基を含有するポリマーを有する塩基性ポリマーからなる酸−塩基混合物/酸−塩基混合物膜を製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.本発明の目的
本発明の目的は下記の通りである、即ち、
(1) 有機金属基との段階的脱プロトン化およびこれに続くアルキルハロゲン化合物との反応によって第一ポリマーアミンを段階的アルキル化する方法。
(2) 方法(1)により作られた第三ポリマーアミンを他の官能基で修飾する方法。
(3) 方法(1)により得られた第二アミノ基および/または第三アミノ基並びに第四級アンモニウム基を含有しているポリマー。
(4) 方法(2)により得られた第二アミノ基および/または第三アミノ基と他の官能基、特には陽イオン交換基を有するポリマー。
(5) (1)、(2)、(3)、(4)のポリマーからなる膜であって、これらの膜は、架橋を形成していないか、またはイオン的橋もしくは共有的に架橋可能である膜。
(6) 塩基性の、必要に応じて他の官能基を有するポリマー(1)、(2)、(3)、(4)とスルホン酸基、ホスホン酸基またはカルボキシル基とを有するポリマーとから酸−塩基混合物/酸−塩基混合物膜を製造する方法。
(7) 方法(6)により得られる酸−塩基混合物/酸−塩基混合物膜であって、該混合物/混合物膜を補足的に共有架橋することのできる混合物/混合物膜。
(8) ポリマー電解質膜燃料電池(PEFC)、直接メタノール燃料電池(DMFC)、酸化還元電池および電気透析等の膜処理の膜としてのイオン交換ポリマー(3)(4)(5)(7)の使用。
(9) 透析および逆浸透、ナノろ過、拡散透析、ガス分離、浸透気化および浸透抽出の膜としての親水性ポリマー(3)(4)(5)(7)の使用。
【0002】
2.本発明により解決される技術的な問題点
公知の方法で第一アミンをアルキル化する際、第二アミン以外に同じく第三アミンと第四級アンモニウム塩が生じる。低分子の第一、第二および第三アミンの混合物は、例えば蒸留することによりそれぞれ分離可能である。しかし、ポリマーの第一アミノ基を通常の方法でアルキル化すると、その反応後、巨大分子上に第一、第二および第三アミノ基が同時に存在し得る。従って、通常のアルキル化法の場合、第一ポリマーアミンから意図的に第二または第三ポリマーアミンを作ることはできない。このような技術的な問題点を本発明は解決するものである。
【0003】
3.現在の技術水準およびその欠点
第一アミノ基をポリマー中へ導入する一連の方法がある。その中の2通りの方法を下記に述べることにする、即ち、
・例えば、亜ジチオン酸ナトリウム等の本発明に好適な還元剤によるニトロ化されたポリマーのニトリロ基の還元法(Naik, H. A.; Parsons, I. W.: ポリアリールエーテル/スルホンポリマーの化学的修飾:主鎖上でアミノ化された材料の調製および特性、Polymer 32、140(1991年))。
・例えばリチオ化されたポリスルホン等の、リチオ化されたポリマー中へのアジド基の導入(Guiver, M. D.; Robertson, G.P.: ポリスルホンの化学的修飾:リチオ化されたポリスルホン中間生成物からアジド誘導体を調製する簡便法、Macromolecules 28、294-301 (1995年))およびこれに続く、水素化ホウ素ナトリウムによるアジド基のアミノ基への還元(Guiver, M. D.; Robertson, G. P.; Foley, S.: ポリスルホンIIの化学的修飾:芳香鎖へ第一級アミン基を導入する効果的な方法、Macromolecules 28、7612-7621(1995年))。
【0004】
第三アミノ基を有する芳香族ケトン、アルデヒドまたは炭酸エステルとリチオ化されたポリマーを反応させながら、第三アミノ基をポリマー中に導入することができる(Kerres, J.; Ullrich, H.; Haering, Th.: N−塩基性基およびイオン交換基を側鎖中に持つエンジニアリングポリマーの修飾、1998年8 月12日付けのドイツ国特許出願第198 36 514.4 号明細書)。
【0005】
現在の技術水準によれば、第二アミノ基を意図的にポリマー中へ導入することのできる反応は知られておらず、さらに第一アミノ基を有するポリマーから第二アミノ基を有するポリマーを作り、更にこれに基づき第三アミノ基を有するポリマーを作る反応は現在の技術水準では知られていない。
【0006】
4.本発明の効果
本発明によって、第二アミノ基および/または第三アミノ基および/または第四級アンモニウム基を有するポリマーを得ることが可能となり、これらは第一アミノ基で修飾したポリマーから段階的に得ることができる。また、本発明によれば、第一および第二アミノ基の段階的なアルキル化により得られた第三アミノ基以外に、さらに第三アミノ基の生成後、一つのもしくは複数の他の段階の反応において導入されたその他の官能基を有するポリマーを得ることができる。さらに本発明では、上記のポリマーおよび添加して混合可能な他のポリマーからなる膜を得ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
5.本発明により解決される課題(発明の詳細な説明)
本発明の詳細な説明を、分かりやすくするために3つの部分に区分する。即ち、
a ポリマーの第一アミノ基の第二および第三アミノ基、さらには第四級アンモニウム塩までの段階的アルキル化、
b 第二および/または第三アミノ基を有するポリマー中への他の官能基の導入、
c スルホン酸、ホスホン酸またはカルボキシル基を含有するポリマーを有する、第二および/または第三アミノ基を有する塩基性ポリマーからなる酸−塩基混合物、
である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
a ポリマーの第一アミノ基の第二および第三アミノ基、さらには第四級アンモニウム塩までの段階的アルキル化
驚くべきことに、(Guiver, M. D.; Robertson, G. P.; Foley, S.: ポリスルホンIIの化学的修飾法:芳香族鎖へ第一級アミン基を導入する効果的な方法、Macromolecules 28、7612-7621(1995年))により製造可能なアミノ化ポリスルホンPSUであって、テトラヒドロフラン(THF)に溶解しているアミノ化ポリスルホンPSUを、 n−ブチルリチウムにより選択的にアミノ基を塩PSU−NH−Liまで脱プロトンできることが分かった。この塩PSU−NH−Liを等モル量のヨウ化メチレンで置換すると、第二ポリマーアミンPSU−NH−CHが生じる。この第二ポリマーアミンは、驚くべきことにTHF−溶液中で再度n−ブチルリチウムを用いて塩
【化1】

に脱プロトンできる。この塩をヨウ化メチレンにより第三級PSU−アミンPSU−N(CHに置換することができる。例えば必ずしも全てのNH−基が脱プロトンされてNH−Li基とならない(n−ブチルリチウムの脱プロトン化収量がほぼ100%である)n−ブチルリチウムのモル数の不足を用いて第一ポリマーアミンから第二ポリマーアミンを作る際、ヨウ化メチレンを添加後に、アルキル化基NHCH以外に第一アミノ基NHも有するポリマーを、所望のNHCH:NH比で得ることができる。例えば必ずしも全てのNHCH−基が脱プロトンされてNH−Li基とならないn−ブチルリチウムn−部散るリチウムのモル数の不足を用いて第二ポリマーアミンから第三ポリマーアミンを製造する際、ヨウ化メチレンを添加後に、第三基N(CH以外に第二アミノ基NHCHを有するポリマーを、所望のN(CH:NHCH比で得ることができる。
【0009】
この第三PSU−アミンを通常の方法によりさらに第四級アンモニウム塩まで置換することができる(Goerdeler, J.: 第四級アンモニウム化合物の製造、Houben-Weyl、有機化学の方法、第11巻/ 2 窒素化合物II、ゲオルク ティーメ出版、シュトゥットガルト、591頁と次頁(1958年))。図1に、アミノ化されたPSUの第三PSU−アミンまでの段階的なアルキル化を示し、図2にその第三PSU−アミンの第四級化を示す。
【0010】
b 第二および/または第三アミノ基を有するポリマー中への他の官能基の導入
第二および/または第三アミノ基を有するポリマーを他の官能基により修飾することができる。例えば、第二乃至第三アミノ基を有するPSUを求電子置換反応により他の官能基で修飾することができる。図3に濃硫酸による第三アミノ基を有するPSUの求電子スルホン化を示す。
【0011】
第三アミノ基を有するポリマーを有機金属剤により金属化し(metallieren)、この金属化された第三アミノ基を有するポリマーをほとんど全ての求電子物質と反応させることができる。このことは、リチオ化のみされ、アミノ化されていないPSUに関して(Guiver, M. D.; 合成および化学的修飾による官能基を含有する芳香族ポリスルホン、博士論文、Carletown 大学、カナダ国オンタリオ州オタワ(1987年);Guiver, M. D.; Kutowy, O.;Apsimon, J. W. : 芳香族ポリスルホン誘導体およびその製造法、ドイツ国公開公報第 36 36 854 A1 号(1987年))に記載されている通りである。図4に、第三PSUアミンのリチオ化と、これに続くリチオ化された第三アミノ基を有するPSUをSOClと反応させて、第三アミノ基以外にSOCl基を有するPSUに修飾させる反応を示す。このPSU−アミン−スルホクロリドを次のステップにおいて加水分解してPSU−アミン−スルホン酸に変わえることができる。
【0012】
リチオ化され、第三アミノ基を有していないPSUをSOClと反応させ、PSU−スルホクロリドに、更にはPSU−スルホン酸に変える反応が特許出願(Kerres, J.; Schnurn-berger, W.: 修飾されたポリマーおよびポリマー膜、1998年3月4日付けドイツ国特許出願第198 09 119.2 号明細書)中に記載されている。
【0013】
第三アミノ基以外に他の基、好ましくは酸基(例えば、SOY、PO、COOY基であり、Y=H、一価の金属陽イオン)を有する本発明に好適なポリマーを、下記の方法によりさらに共有的に架橋することができる。第三アミノ基および好ましくは酸基を有するポリマーを双極非プロトン溶剤(例えば、ジメチルスルホオキシド DMSO、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド DMF、N,N−ジメチルアセトアミド DMAc、N−メチルピロリジン NMP)中に塩形態(Y=Li,Na,K)で溶解する。第三アミノ基1モル当たり0.1モル乃0.5モルの濃度のジハロゲンアルカン X−(CH−X(X=Br、Iおよびn=3乃至12)がポリマー溶液として得られる。温度を高めながら溶剤を蒸発させる間に、ジハロゲンアルカンが第三アミノ基と反応して第四級アンモニウム基および共有的架橋部を同時に形成する(図5)。
【0014】
希釈された無機酸中で後処理することにより酸−塩基−ポリマー/酸−塩基−ポリマー膜を酸性に変える、即ち、X−「ミクロイオン」をポリマーの酸基の「マクロイオン」で置換すると、ポリマーの共有架橋に加えて、更に酸−塩基−ポリマーの分子内および分子間イオン架橋が形成され、これによりポリマーの機械的および熱的安定性が顕著に向上する。
【0015】
c スルホン酸、ホスホン酸またはカルボキシル基を含有するポリマーを有する、第二および/または第三アミノ基を有する塩基性ポリマーからなる酸−塩基混合物
本発明に好適な第二および第三ポリマーアミンを、SOY、POまたはCOOY基(Y=H、一価の金属陽イオンまたはNR(R=H、アルキル、アリール))を有することができる酸性ポリマーと、例えば( Kerres, J.; Cui, W.: 酸−塩基−ポリマー混合物および膜処理におけるその使用、ドイツ国特許出願第 198 17 376.8 号明細書)中に記載されているような酸−塩基混合物および酸−塩基混合物膜を入手することにより組み合わせることができる。ここで、入手した酸−塩基混合物および混合物膜を下記の方法により更に補足的に共有的に架橋することもできる。本発明に好適なまたは任意のポリマー第三アミン(ピリジン残基を有するポリマーであっても良い)を双極非プロトン溶剤(例えば、ジメチルスルホオキシド DMSO、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド DMF、N,N−ジメチルアセトアミド DMAc、N−メチルピロリジン NMP)に、SOY、POまたはCOOY基(Y=H、一価の金属陽イオンまたはNR(R=H、アルキル、アリール))を有することのできるポリマーと共に溶解する。第三アミノ基1モル当たり0.1モル乃至0.5モルの濃度のジハロゲンアルカン X−(CH−X(X=Br、Iおよびn=3乃至12)がポリマー溶液として得られる。温度を高めながら溶剤を蒸発させる間に、ジハロゲンアルカンは第三アミノ基と反応して第四級アンモニウム基および共有的架橋部を同時に形成する(P1=塩基性の、第三塩基性窒素を有するポリマーのポリマー残基)。
【化2】

【0016】
これは、酸−塩基混合物/酸−塩基混合物膜の塩基成分はそれ自体共有的に架橋しており、かつ酸成分とイオン的に架橋していることを意味しており、この酸−塩基混合物/酸−塩基混合物膜が酸性に変わる、すなわち前記反応式においてX−「ミクロイオン」を酸−塩基混合物の酸成分(下記ではSOマクロイオン)の「マクロイオン」で置換する。
【化3】

これらの混合物/混合物膜のイオン的および共有的架橋はいずれもが非常に良好な機械的および熱的安定性をもたらす。
【0017】
6.実施例
6.1 n−ブチルリチウムおよびこれに続いてヨウ化メチルと反応して第二PSU−アミン PSU(NHCHへ変わるジアミン化PSU(NHの反応
準備:
9.44gのジアミン化PSU(0.02モル)
500mLの無水THF
4mLの10Mn−BuLi(0.04モル)
7.6mLのヨードメタン(0.12モル)
37mL(0.5モル)のトリエチルアミン
実験器具:
1リットルのガラス製反応フラスコ、機械的攪拌機、冷却装置、アルゴン取り入れ口、水銀起泡バルブ
実験規則:
ジアミン化PSUをアルゴン下でTHFに溶解する。続いてこれを−70℃まで冷却する。PSU−NH−Liイオンの深紅色が表れるまで、2.5Mのn−BuLiで溶液を滴定する。次に10Mのn−BuLi溶液をポリマー溶液中へ注入する。30分間その溶液を攪拌する。更にこの溶液中へヨウ化メチルを注入する。その溶液を脱色する。溶液を室温まで加温し、トリエチルアミンを注入して余剰のヨウ化メチルを分解する。40℃まで加温し、一時間攪拌する。その後、その反応溶液を2リットルのイソプロパノール中で沈殿させる。一時間攪拌した後、その沈殿したポリマーをろ過する。ろ過の残滓を1リットルのイソプロパノール中に懸濁させて、一日(24時間)攪拌する。その後、再びろ過し、ろ過の残滓をオーブン内の1リットルの水中に1日間70℃に保つ。これはポリマーからアミンの残滓を洗い流すためである。再びこれをろ過し、洗浄液が中性を示すまで水で洗い続ける。このポリマーを真空オーブン内で重量が一定にまるまで70℃で乾燥する。
【0018】
6.2 n−ブチルリチウムおよびこれに続いてヨウ化メチルとの反応により第三PSU−アミンPSU(NHCHに変わるジアミン化されたPSU(NHCHの反応
準備:
10.44gのジアミン化PSU PSU(NHCH(0.02モル)
500mLの無水THF
4mLの10Mn−BuLi(0.04モル)
7.6mLのヨードメタン(0.12モル)
37mL(0.5モル)のトリエチルアミン
実験器具:
1リットルのガラス製反応フラスコ、機械的攪拌機、冷却装置、アルゴン取り入れ口、水銀起泡バルブ
実験規則:
ジアミン化PSUをアルゴン下でTHFに溶解する。続いてこれを−30℃まで冷却する。PSU−NH−Liイオンの深紅色が表れるまで、2.5Mのn−BuLiで溶液を滴定する。次に10Mのn−BuLi溶液をポリマー溶液中へ注入する。30分間その溶液を攪拌する。更にこの溶液中へヨウ化メチルを注入する。その溶液を脱色する。溶液を室温まで加温し、トリエチルアミンを注入して余剰のヨウ化メチルを分解する。40℃まで加熱して一時間攪拌する。その後、その反応溶液を2リットルのイソプロパノール中で沈殿させる。一時間攪拌した後、その沈殿したポリマーをろ過する。ろ過の残滓を1リットルのイソプロパノール中に懸濁させて、一日(24時間)攪拌する。その後、再びろ過し、ろ過の残滓をオーブン内の1リットルの水中に1日間70℃に保つ、これはポリマーからアミンの残滓を洗い流すためである。改めてこれをろ過し、洗浄液が中性を示すまで水で洗い続ける。このポリマーを真空オーブン内で重量が一定にまるまで70℃で乾燥する。
【0019】
6.1および6.2により得られた反応生成物の特徴を表す結果
・元素分析
表1に、PSU(NH、PSU(NH(CHおよびPSU(N(CHの元素分析の結果を示す。計算による元素分析データと実験による元素分析データとは良好に一致している。
【0020】
【表1】

【0021】
・FTIR
PSU(NH、PSU(NH(CHおよびPSU(N(CHの赤外線スペクトルを図6に示す。これらには顕著な相違点がある。特に相違点が明らかなのは、3300乃至約3550cm−1の波数範囲、即ち、N−H伸縮振動の範囲内である。従って、第一PSU−アミンの場合には、隣接する対称および非対照のN−H伸縮振動が起こり、他方、第二PSU−アミンの場合には、N−H伸縮振動が一回だけ起こることは必然であり、第三PSU−アミンの場合には、これが完全に消滅してしまうと考えられる。この第三PSU−アミンのスペクトルでは、第二PSU−アミンの赤外線スペクトルでは明確に表れるのとは対照的に、第三PSU−アミンのスペクトルにおいては、N−H伸縮振動が減少する。このことは、第三PSU−アミン中に、第二PSU−アミンがわずかに存在していることを意味している。
【0022】
6.3 SOLiの形態のスルホン化PSUを有する6.1および6.2により得られた反応生成物からなる酸−塩基混合物膜
4.5gのSOLi形態のスルホン化PSU Udel(登録商標)(IEC=1.6ミリ当量SOLi/gポリマー)を25gのN−メチルピロリジノンに溶解する。続いてこの溶液に6.1/6.2の反応により得られた0.5gの反応生成物(PSU繰返し単位当たり2つの基)を添加し、溶解するまで攪拌する。更に、ろ過、脱気して、ガラス板上に一枚のフィルムを形成する。その後、120℃で溶剤を蒸発させる。更に完全に脱塩した水が入っている浴中にこのガラス板を入れ、形成されたポリマー膜をガラス板から剥離する。続いて、膜を70℃で、まず10%硫酸で後処理し、次いで脱塩水中でも後処理する。処理後の膜の特性は次の通りである(下記を参照のこと)。
特性結果:
【0023】
【表2】

図7に表2に列挙した3つの膜の熱重量分析〔TGA〕曲線を示す。
【0024】
6.4 反応生成物6.2およびSOH形態のスルホン化ポリスルホンからなるイオン架橋酸−塩基混合物膜
2.7gのSOH形態のスルホン化PSU Udel(登録商標)(IEC=1.67ミリ当量SOH/gポリマー)を15mlのN−メチルピロリジノン(NMP)に溶解する。続いてこの溶液に0.63mlのトリエチルアミンを添加して、スルホン化PSUのスルホン酸基を中和する。その後、0.3gの反応6.2から得られた反応生成物(PSU(N(CH)をこの溶液に添加する。溶解するまで攪拌する。その後、ポリマー溶液からなる膜をガラス板上に形成し、最終的には50ミリバールとなる負圧で、オーブン中で70−90−120℃の温度において溶剤を蒸発させる。溶剤が蒸発すると、ポリマー膜の付着したガラス板を冷却した後、水浴中へ入れてポリマー膜をガラス板から剥離する。その後に、膜を24時間70〜80℃において10%の硫酸の中で後処理し、更に、24時間60℃の水中でも後処理を行う。次いで、膜のプロトン抵抗を測定する。
特性結果: RspH+=83Ωcm
【0025】
6.5 反応生成物6.2およびSOH形態のスルホン化ポリスルホンからなる共有およびイオン架橋している酸−塩基混合物膜
2.7gのSOH形態のスルホン化PSU Udel(登録商標)(IEC=1.67ミリ当量SOH/gポリマー)を15mlのN−メチルピロリジノン(NMP)に溶解する。続いてこの溶液に0.63mlのトリエチルアミンを添加して、スルホン化PSUのスルホン酸基を中和する。その後、0.3gの反応6.2から得られた反応生成物(PSU(N(CH3))をこの溶液に添加する。溶解するまで攪拌する。その後、37.4μlのジヨードブタンを注入する。30分間攪拌を続ける。その後、ポリマー溶液からなる膜をガラス板上に形成し、最終的には50ミリバールとなる負圧で、オーブン中で70−90−120℃の温度において溶剤を蒸発させる。溶剤が蒸発すると、ポリマー膜の付着したガラス板を冷却した後、水浴中へ入れてポリマー膜をガラス板から剥離する。その後に、膜を24時間70〜80℃において10%の硫酸の中で後処理し、更に、24時間60℃の水中でも後処理を行う。次いで、膜のプロトン抵抗を測定する。
特性結果:RspH+=108Ωcm
【0026】
7. 発明の新規性
前記の新規な第二および第三ポリマーアミンならびにこれらを生成する方法は、これまで文献には記載されていない。また、本発明に好適な第二および第三アミノ基以外に、他の官能基、特には陽イオン交換基も有するポリマーは知られていない。更に、本発明に好適な第二および/または第三ポリマーアミンならびに陽イオン交換基(SOY、POY2もしくはCOOY−基で、Y=H、一価の金属陽イオンまたはNR(R=H、アルキル、アリール))を有するポリマーからなる酸−塩基混合物膜は全く知られていない。同様に、イオンおよび共有架橋が同時に行われている酸−塩基ポリマーおよび酸−塩基ポリマー混合物は従来の文献からは知られていない。
【0027】
8. 発明の利点
本発明の利点は次の通りである。
・第一ポリマーアミンから適当に第二および/または第三ポリマーアミンを製造することができる。これらの反応収量は良好であり、本発明に好適なポリマーアミンが混合されているにもかかわらず、第一アミノ基と第二アミノ基の比および第二アミノ基と第三アミノ基の比を適当に調節することができる。
・このようにして得られた第三ポリマーアミンから、架橋していないか、または所望の程度まで架橋している第四級アンモニウム塩(陰イオン交換ポリマーおよび陰イオン交換膜)を適当に製造することができる。
・求電子反応により、本発明に好適な第二および/または第三ポリマーアミンに適当に他の官能基を導入することができる。
・金属化およびそれに続く所望の求電子物質を用いた反応により、本発明に好適な第三ポリマーアミン中に適当に他の官能基を導入することができる。
・陽イオン交換基を有するポリマーにより、本発明に好適なポリマーアミンを所望の通りに酸−塩基混合物に転換することができる。
・本発明に好適な酸−塩基ポリマーおよび酸−塩基ポリマー混合物は共有およびイオン架橋を同時に行うことができる。
【0028】
9. 見出し語
ポリマーアミン
アミノポリマー
アミノ化されたポリマー
アミン−アルキル化
第二ポリマーアミン
第三ポリマーアミン
有機金属化合物
ブチルリチウム
リチウム化
アリール主鎖ポリマー
陰イオン交換ポリマー
陰イオン交換ポリマー膜
陽イオン交換ポリマー
スルホン酸基
ホスホン酸基
カルボキシル基
陽イオン交換ポリマー膜
酸−塩基ポリマー
酸−塩基ポリマー混合物
酸−塩基ポリマー混合物膜
金属化アリール主鎖ポリマー
膜燃料電池

膜処理
第四化物の共有架橋
共有およびイオン架橋
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】第一PSUアミンから第三PSUアミンまでのアルキル化である。
【図2】第三PSUアミンから第四級アンモニウム塩までの第四化である。
【図3】第四アミノ基を有するPSUの濃硫酸による求電子性スルホン化(R=Hまたはアルキル、特に好適にはメチル)である。
【図4】PSUアミンのリチオ化と、これに続くリチオ化された第三アミノ基を有するPSUをSOClと反応させてPSU第三アミンスルホクロリドにとし、更に加水分解によりPSU第三アミンスルホン酸まで転換する反応である。
【図5】第四級アンモニウム塩を形成しながら行う酸−塩基ポリマーの共有的架橋である。
【図6】PSU(NH、PSU(NH(CHおよびPSU(N(CHの赤外線スペクトルである。
【図7】加熱条件:20℃/分、媒質:空気の際のM2、M3およびM4のTGA曲線である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一ポリマーアミンを溶液中または懸濁液中で段階的にアルキル化する方法であって、第一段階において第一アミノ基を有機金属基により脱プロトンした後、ハロゲン化アルキルで得られたカルボアニオンを第二アミノ基に転換し、かつ第二段階において第二アミノ基を再び有機金属基により脱プロトンした後、得られたカルボアニオンをハロゲン化アルキルにより第三アミノ基へ転換することを特徴とする方法。
【請求項2】
第一アミン/第二アミンを等モル量より少ない有機金属化合物によって転換し、その結果、金属化アミノ基をハロゲン化アルキルで転換する際に、第一アミノ基および第二アミノ基の両方、または第二アミノ基および第三アミノ基の両方を有するポリマーが発生することを更に特徴とする、第一および第二アミノ基を有するポリマーもしくは第二および第三アミノ基を有するポリマーを溶液中または懸濁液中で製造する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
他の官能基による求電子置換反応により、アルキル化されたポリマーの第二および/または第三アミンを溶液中または懸濁液中で置換することを更に特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
有機金属化合物によって脱プロトンした後求電子物質と反応することにより、前記得られた第三アミノ基を含有するポリマーを、溶液中または懸濁液中で反応させることを更に特徴とする、請求項第1または2に記載の方法。
【請求項5】
第三ポリマーアミンを溶液中または懸濁液中でハロゲン化アルキルまたはハロゲン化アルキル混合物により第四級アンモニウム塩に置換することを更に特徴とする、請求項1に記載の方法で作られた第三ポリマーアミンの第四化法。
【請求項6】
アルキル化されるアミノ基がポリマーの芳香族基またはヘテロ芳香族基に付着していることを更に特徴とする、請求項1乃至5に記載の方法。
【請求項7】
アミノ基を有するポリマーがアリール主鎖ポリマーであることを更に特徴とする、請求項1乃至第6に記載の方法。
【請求項8】
アリール主鎖ポリマーを次の構造から構成することのできることを更に特徴とする、請求項7に記載の方法。
【化1】

式中、R3、R4=H、メチル、トリフルオルメチル、n=1乃至20であるC2n+1、フェニル、ナフチル、ピリジルであり、本発明に好適に使用可能なアリール主鎖ポリマーの例としては、次のようないくつかの重要なエンジニアリングプラスチックである。
− ポリエーテルスルホン PSU Udel(登録商標)([R−R−R−R−R−R;R:x=1、R=H)
− ポリエーテルスルホン PES VICTREX(登録商標)([R−R−R−R;R:x=1、R=H)
− ポリフェニルスルホン RADEL R(登録商標)([(R−R−R−R−R;R:x=2、R=H)
− ポリエーテルエーテルスルホン RADEL A(登録商標)([R−R−R−R−R−[R−R−R−R;R:x=1、R=H、n/m=0.18)
− ポリフェニレンスルフィド PPS([R−R;R:x=1、R=H)
− ポリフェリレンオキシド PPO([R−R;R=CH
である。
【請求項9】
ポリマーがポリエーテルスルホン基から得られるポリマーであることを更に特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ポリマーがポリスルホン Udel (登録商標)であることを更に特徴とする、前記請求項第9中に記載の方法。
【請求項11】
有機金属化合物が有機リチウム化合物または有機ナトリウム化合物の何れかであることを更に特徴とする、請求項1、2、4、6、7、8、9、10中に記載の方法。
【請求項12】
有機金属化合物が有機リチウム化合物であることを更に特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
有機リチウム化合物がn−、sec−またはtert−ブチルリチウムであることを更に特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
脱プロトン反応とその後に行われるアルキル化反応のための溶液または懸濁剤として、エーテル溶剤(テトラヒドロフラン、グリム、ジグリム、トリグリム、ジオキサン)、芳香族物質(ベンゾール、トルオール、キシロール)、スルホラン、またはこれらの溶剤を2種類ずつ混ぜた混合物を用いることを更に特徴とする、請求項1、2、4、6、7、8、9、10に記載の方法。
【請求項15】
脱プロトン反応とその後に行われるアルキル化反応のための溶液または懸濁剤として、エーテル溶剤を用いることを更に特徴とする、請求項14中に記載の方法。
【請求項16】
脱プロトン反応とその後に行われるアルキル化反応のための溶液または懸濁剤としてテトラヒドロフランを用いることを更に特徴とする、前記請求項第15中に記載の方法。
【請求項17】
ハロゲン化アルキルC2n+1Xとしてn=1〜12およびX=Cl、Br、Iであるハロゲン化アルキルを用いることを更に特徴とする、請求項1,2,4,5,6中に記載の方法。
【請求項18】
ハロゲン化アルキルとしてヨウ化アルキルを使用することを更に特徴とする、前記請求項第17中に記載の方法。
【請求項19】
アルキル化されるアミノ化ポリマーの第一アミノ基の数がポリマーの繰返し単位当たり0.1乃至4となり得ることを更に特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項20】
求電子性置換反応により基、
【化2】

を導入することを更に特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項21】
求電子物質SO、SO、SOCl、SOCl、CO、COCl、PCl、PCl、POCl、Cl−PO(OR)、芳香族ケトン、芳香族アルデヒド、芳香族カルボン酸エステルまたは芳香族カルボン酸クロライドが脱プロトンされたポリマーと反応することを更に特徴とする、請求項4中に記載の方法。
【請求項22】
アルキル化ポリマーアミンが他の基、
【化3】

(Y=H、一価の金属陽イオン)
によって置換されていることを更に特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
第三ポリマーアミンが溶液中または懸濁液中でモノハロゲンアルカンとジハロゲンアルカンの混合物により第四級アンモニウム塩に置換され、その際、該ジハロゲンアルカンにより前記発生中の第四級アンモニウム塩を共有架橋することを更に特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項24】
ジハロゲンアルカンが実験式:X−(CH−Xを示し、X=Br、Iおよびn=3〜12であることを更に特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
請求項1、6、7、8、9、10に記載の方法により得られる第二アミノ基を有するポリマーおよび膜。
【請求項26】
請求項1、6、7、8、9、10に記載の方法により得られる第三アミノ基を有するポリマーおよび膜。
【請求項27】
請求項2、6、7、8、9、10に記載の方法により得られる第一アミノ基と第二アミノ基を有するポリマーおよび膜。
【請求項28】
請求項2、6、7、8、9、10に記載の方法により得られる第二アミノ基と第三アミノ基を有するポリマーおよび膜。
【請求項29】
第二アミノ基および/または第三アミノ基以外に、請求項3、6、7、8、9、10および20に記載の方法により得られる求電子的に導入された他の官能基も有するポリマーおよびポリマー膜。
【請求項30】
求電子的に導入された他の基が、SOYまたはNO基(Y=H、一価の金属陽イオン)であることを更に特徴とする、請求項第29に記載のポリマーおよびポリマー膜。
【請求項31】
第三アミノ基以外に、有機金属化合物との反応と、これに続く、請求項4、6、7、8、9、10、21、22に記載の方法により得られる求電子物質との反応を通して導入された他の基も有するポリマーおよびポリマー膜。
【請求項32】
他の官能基が陽イオン交換基であることを更に特徴とする、請求項31に記載のポリマーおよびポリマー膜。
【請求項33】
陽イオン交換基がSOY、COOYまたはPO基(Y=H、一価の金属陽イオン)であることを更に特徴とする、請求項32に記載のポリマーおよびポリマー膜。
【請求項34】
請求項5、17、18、23および24に記載の方法により得られる架橋を形成しないおよび共有的に架橋した陰イオン交換ポリマーおよび陰イオン交換ポリマー膜。
【請求項35】
架橋を形成していないか、物理的に架橋しているか、イオン架橋しているか、および/または共有架橋していることを更に特徴とする、請求項25乃至33に記載のポリマーおよびポリマー膜。
【請求項36】
塩基性ポリマーを前記酸性ポリマーと共に双極−非プロトン性溶剤に溶解し、該溶剤を蒸発してから、希釈した無機酸中で酸−塩基混合物/酸−塩基混合物膜を後処理することにより酸性の前記酸−塩基混合物/酸−塩基混合物膜を作ることを更に特徴とする、スルホン酸基、スルホン酸塩基、ホスホン酸基、ホスホン酸塩基、カルボン酸基またはカルボン酸塩基を有するポリマーと共に、請求項1、2、3、4、5、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34に記載の、塩基性の、必要に応じて他の官能基を有するポリマーからなる酸−塩基混合物/酸−塩基混合物膜の製造法。
【請求項37】
陽イオン交換基を有するポリマーのポリマー主鎖が、請求項8に列挙されている構造を有することができることを更に特徴とする、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
陽イオン交換基を有するポリマーのポリマー主鎖がアリールエーテルケトンであることを更に特徴とする、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
アリールエーテルケトンをポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンエーテルケトン(PEKEK)またはポリエーテルケトンケトン(PEKK)とすることができることを更に特徴とする、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記双極−非プロトン性溶剤をジメチルスルホキシド DMSO、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド DMF、N,N−ジメチルアセトアミド DMAcまたはN−メチルピロリジノン NMPとすることができることを更に特徴とする、請求項36乃至39に記載の方法。
【請求項41】
酸−塩基混合物/酸−塩基混合物膜を共有架橋する方法であって、
請求項1乃至4に記載の第一ポリマーアミンのアルキル化によって得られる第三ポリマーアミンまたは任意の第三ポリマーアミン(塩基性の第三Nを有するポリマー)を請求項36に記載の方法に従って酸性ポリマーと共に双極−非プロトン溶剤に溶解し、該ポリマー溶液にジハロゲンアルカンまたはジハロゲンアルカンとモノハロゲンアルカンの混合物を請求項23および24に従って添加し、かつ温度を上げて溶剤を蒸発する間に、共有的架橋を形成すると同時に第三アミノ基の第四化を実施することを特徴とする方法。
【請求項42】
第三ポリマーアミンをポリマーの酸と混合した溶液に、第三アミノ基1モル当たり0.05モル乃至0.5モルの量のジハロゲンアルカンを添加することを更に特徴とする、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
請求項36乃至42に記載の方法により得られる共有およびイオン架橋された酸−塩基混合物/酸−塩基混合物膜。
【請求項44】
酸−塩基ポリマー/酸−塩基ポリマー膜の共有およびイオン架橋法であって、
第三アミノ基と請求項4、21、22、30、31、32、33、35に記載のSOY、POまたは COOY基(Y=H、一価の金属陽イオン)を有するポリマーまたは任意の第三アミノ基(塩基性の第三N)とSOY、POまたはCOOY基(Y=H、一価の金属陽イオン)を有するポリマーを請求項40に記載の双極−非プロトン溶剤で溶解し、該ポリマー溶液に請求項23および24に記載のジハロゲンアルカンまたはジハロゲンアルカンとモノハロゲンアルカンとの混合物を添加し、さらに温度を上げて溶剤を蒸発する間に、共有的架橋を形成すると同時に第三アミノ基の第四化を実施することを更に特徴とする方法。
【請求項45】
ポリマーの溶液に、第三アミノ基1モル当たり0.05モル乃至0.5 モルの量のジハロゲンアルカンを添加することを更に特徴とする、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
溶剤を蒸発させた後に、希釈した無機酸中で60〜90℃において後処理することにより、ポリマーフィルム(膜)を酸性に移行し、その際、ミクロイオンX(請求項23および24)とY(請求項44)の抽出により、架橋反応によって形成された第四級アンモニウム塩と酸性陽イオンとの間にイオン架橋部を形成することを更に特徴とする、請求項41、44または45に記載の方法。
【請求項47】
前記請求項第44乃至第46に記載の方法に従って入手される共有およびイオン架橋された酸−塩基ポリマー/酸−塩基ポリマー膜。
【請求項48】
浸透気化、浸透抽出、ガス分離、透析、限外ろ過、ナノろ過または逆浸透に用いられる薄箔(膜)または中空ファイバーの形態である、請求項25乃至47に記載の親水性のポリマーおよびポリマー混合物の使用方法。
【請求項49】
請求項36乃至47に記載の酸−塩基ポリマー混合物を、膜燃焼電池(H2−ポリマー電解質燃料電池または直接メタノール燃料電池)、ポリマー電解質膜(PEM)電気分解、水を使うかまたは水を使わない電気透析または拡散透析に用いるプロトン伝導性電解質として、薄箔(膜)の形態で使用する方法。
【請求項50】
請求項5、23、24、34に記載の陰イオン交換ポリマーを、ポリマー電解質膜(PEM)電気分解、水を使うかまたは水を使わない電気透析もしくは拡散透析に用いるイオン伝導性電解質として、薄箔(膜)の形態で使用する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−26592(P2011−26592A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153501(P2010−153501)
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【分割の表示】特願2000−615131(P2000−615131)の分割
【原出願日】平成12年5月2日(2000.5.2)
【出願人】(507055877)
【Fターム(参考)】