説明

ポリマーエマルションに基づいたガスバリアコーティング

水溶性金属シリケート、クレー、およびポリマーエマルションから調製される良好なガスバリヤ特性を有する組成物であって、該シリケートは組成物中の固形物の少なくとも70重量%を構成し、該クレーおよび該ポリマーは組成物中の全固形物の少なくとも1重量%を各々構成する組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガスバリアコーティングに関し、特には酸素の通過を妨げる能力を有するガスバリアコーティングに関する。これは様々な材料にコーティングし、ガスバリア特性を付与するために使用されることができる。特には酸素への接触を排除する必要があるか制限する必要がある食品および医薬品のための包装に使用されることができる。
【0002】
合成プラスチック材料は、取り扱いからの、および水分からの保護を必要とする食品および他の材料の包装に長く使用されてきた。しかしながら、近年、さらに大気中の酸素から保護されることにより、多くの食品および他の感受性材料が利益を得ることが認識された。種々様々の強靱で柔軟な多層ラミネート構造が、包装の目的に適したバリア特性および他の性能を提供するために開発されている。これらのラミネートはプラスチック、金属またはセルロース基体の任意の組み合わせであることができ、1つ以上のコーティングまたは接着剤の層を含むことができる。フィルム上に堆積された金属または酸化珪素のような無機化合物を含むポリマーフィルムを含むラミネートは、良好な一般的なバリア特性を与えると分かっており、広く使用されている。しかしながら、たとえば包装された物質が殺菌および/または調理のためにレトルトされる場合のような高温においては、すべて酸素の進入を防ぐ能力を失うことがある。さらに、これらのタイプのラミネートの無機物層はかなり脆く、ラミネートが曲げられる場合に、クラッキングすることがあるし、壊れることがあり、ガスバリア特性の損失に帰着する。金属化されたフィルムのさらなる欠点は、それらが不透明で、顧客がパッケージの内容物を見れないということである。
【0003】
金属シリケートを使用する酸素バリヤーコーティングの生産についての先行技術は、純粋な金属シリケートコーティングが、最初にプライマー層が適用されている基体上にどのように適用され、シリケートとの接着を得るかを記載する。例えば、日本特許公開2006159801は、ポリエチレンイミンに基づいたプライマーでコーティングされたBOPP(二軸延伸ポリプロピレン)フィルムを、リチウムシリケート溶液コーティングでオーバーコートすることを報告する。90%RH、23℃で、11cc/m・日の酸素浸透度が報告された。
【0004】
米国特許6649235 B2は、ポリプロピレンと無水マレイン酸で変成されたポリプロピレンを共押出し、ついで無水マレイン酸で変成された側をコロナ処理し、ポリシリケートのバリア層でオーバーコートする、類似のシステムを報告する。WO 9747678では、PVA(ポリビニルアルコール)およびEVOH(エチレン−ビニルアルコールコポリマー)でBOPPを最初にコーティングし、ついでリチウムカリウムシリケート層を塗布した。60%RH、23℃で、61cc/m・日の酸素透過度が記録された。したがって、大多数の先行技術はプライマーを使用し、純粋なシリケートコーティングを使用する。しかしながら、その場合でも、バリア特性は所望の値よりも低く、実際には10cc/m・日未満の値はめったに達成されない。
【0005】
興味深い現象が、ポリシリケートの使用に関して、米国特許6071624に詳述された。これは、リチウムシリケートとナトリウムシリケートのコーティングは風解する傾向、すなわち環境への暴露の結果粉状の結晶によって覆われる傾向があるので、カリウムシリケートがリチウムシリケートとナトリウムシリケートのコーティングに必要であることを記述する。対照的に、純粋なカリウムシリケートシリケートコーティングは風解しないが、50%以上の相対湿度でバリヤー性能の大きな損失を示す。純粋なリチウムシリケートコーティングは、他方では、同じ相対湿度範囲でバリヤー性能の損失をほとんどまたは全く示さない。
【0006】
日本特許公開2003170522は上記の言及されたアプローチの改良を報告した。PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムは、リチウムシリケートとナトリウムシリケートの溶液でコーティングされ、PVAとLiHPOでオーバーコートされ、ついで加熱乾燥された。23℃、90%RHで、18cc/m・日の酸素透過度が報告された。類似の多層物のアプローチは、日本特許公開2002316381および日本特許公開2002283492に記載され、アルカリ金属シリケートのガスバリアコーティングを補強するアンカーコートと、PVA含有組成物のトップコートを開示する。例として、PP(ポリプロピレン)基体がイソシアネートのアンカーコートでコーティングされ、次いでアミノシランとシラン変成PVA含有リチウムシリケート組成物でコーティングされ、次いで最後にPVAとクレー組成物でコートする。10.8cc/m・日の酸素透過度が記録された。
【0007】
したがって、ガスバリアのためのこれらの金属シリケートコーティングに関する先行技術は、主に金属シリケートの純粋なコーティング、および改良のための付加的な上または下のコーティングに注目していた。ポリマー溶液(例えばポリビニルアルコールおよび水溶性アクリル溶液)を使用した、ポリマーバインダーと金属シリケートの単一コートが数例で報告されているが、均質なフィルムを形成する際の蓋然的な妨害に起因する、金属シリケートと同じフレームワーク中のポリマーエマルションの使用はそれほど成功していない。
【0008】
金属シリケートと組み合わされたクレーの使用も日本特許2001260264中で報告された。二軸延伸されたポリプロピレン基体は、アミノエチル化された樹脂でコーティングされ、次いでリチウムシリケートおよびNa+モンモリロナイトの50:50混合物でコーティングされ、約0.8ミクロンの厚さの乾燥フィルムとされた。これは熱処理され、表面クラッキングに対する良好な抵抗性を有するバリヤーフィルム提供する。コーティング中でのポリマーとモンモリロナイトクレイの使用は、酸素バリア特性を低下することが広く報告されていた。しかし、ポリマーエマルションを含有するシステムのついて報告された時、透過度はまだ非常に高かった。WO06115729A1は、微晶アルミノシリケートを有するポリマーエマルションのコーティングについての酸素透過を報告する。しかしながら、酸素透過は、高い充填材量(全固形分の35%)でさえ著しく低減されなかった。同様に、米国特許7119138は、非常に厚いコーティングおよび高い充填材量(全固形分の50%)が使用された時でさえ、かなり高い透過度を有していた。
【0009】
使用できる材料の範囲を相当に増加させるので、ポリマー溶液の代わりにポリマーエマルションを使用できることは望ましい。多くのポリマーが溶液ではなくエマルションにできる。また、多くの場合、溶液はpH変化に対してエマルションほど安定していない。しかしながら、我々は先行技術において、金属シリケート、ポリマーエマルションおよびアルミノシリケートクレイの組み合わせの、成功した使用を知らない。実際、我々が成功した組成物中のポリマー溶液を、ポリマーエマルションに置き換えて使用することを試みた場合、生じる組成物は例外なく貧弱な酸素バリア特性を有している。我々は、驚くべきことに、組成物のそれぞれの成分の比率が、ある特定の範囲であれば、ポリマーエマルションが使用されてもよいことを見出した。
【0010】
すなわち、本発明は水溶性金属シリケート、クレー、およびポリマーエマルションを含む酸素バリヤーコーティングを調製するための組成物に関し、
該シリケートは組成物中の固形物の少なくとも70重量%を構成し、クレーおよびポリマーは、それぞれ組成物中の全固形分の少なくとも1重量%を各々構成する組成物に関する。
【0011】
より好ましくは、シリケートの量は全固形分の少なくとも80%であり、最も好ましくは全固形分の約90%である。対応して、クレーとポリマーの量は、それぞれ好ましくは全固形分の15%までである。さらにより好ましくは、クレーとポリマーの量は全固形分の各々10%までであり、最も好ましくは全固形分の各々約5%である。シリケートが全固形分の88〜92%、クレーが全固形分の4から6%、およびポリマーが全固形分4から6%までを構成することが特に好ましい。組成物の全体の固形分は、好ましくは1から20重量%、より好ましくは7から15重量%、および最も好ましくは約10重量%である。
【0012】
使用される金属シリケートは、好ましくは水溶性のシリケートであり、例えばリチウムシリケート、ナトリウムシリケートまたはカリウムシリケートのようなアルカリ金属シリケートまたはポリシリケートである。商業的に利用可能なシリケートは、一般に化学量論量から、いくつかの例では大きく変化するアルカリ金属酸化物:二酸化ケイ素のモル比を有している。このモル比は、シリケートの特性に大きく影響する場合があり、したがって本発明のガスバリアコーティングの特性にも影響することがある。任意の特定の組成物のための最適のモル比は簡単な実験により当業者によって見出されることができるが、一般に、アルカリ金属酸化物:二酸化ケイ素のモル比は、0.1:1から0.4:1まで、より好ましくは0.2:1から0.3:1まで、および最も好ましくはほぼ0.25:1であるべきである。
【0013】
本発明の組成物の他の本質的な成分はポリマーエマルション、好ましくは水性エマルションである。ポリマーはフィルム形成性ポリマーであるべきである。好適なポリマーの例としては以下があげられる:アクリルポリマー(すなわちアクリレートまたはメタアクリレートのポリマー、たとえばポリメチルアクリレート、ポリメチルメタアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリエチルメタアクリレート、ポリプロピルアクリレート、、ポリプロピルメタアクリレート)、2以上のアクリレートおよび/またはメタアクリレートのコポリマー(たとえばエチルヘキシルアクリレート−コ−メチルメタアクリレート)、1以上のエチレン性不飽和炭化水素のコポリマー、たとえばスチレンと、1以上の炭化水素、たとえばアルキル、アクリレートとのコポリマー(たとえばスチレン−コ−メチルメタアクリレート、スチレン−コ−ブチルアクリレート、スチレン−コ−メチルアクリレートおよびスチレン−コ−エチルヘキシルアクリレート)、ポリエチレンワックス、ポリエチレンパラフィンワックス、ポリウレタン、ポリウレタン尿素ハイブリッド、ポリウレタンアクリルハイブリッド、酢酸ビニル−コ−ビニルバーサテートおよびスチレン−コ−ブタジエンハイブリッド。
【0014】
使用されるクレーは好ましくはナノ微粒子である。好ましくは、クレー鉱物の一部分は分散プロセスの間にインターカレート(intercalated)されるかまたは剥離される。水性媒体中に十分に分散可能であり、分散の間にインターカレートされるかまたは剥離されることができれば、本発明で使用されるクレーのタイプに制限はない。剥離された形式では、クレーのアスペクト比(つまり単一のクレー「シート」の長さおよび厚さの間の比率)が、達成される酸素バリヤーのレベルへの影響を有する。アスペクト比が大きいほど、乾燥コーティングとラミネートを通る酸素拡散の速度が、より低減される。20から10,000の間のアスペクト比を備えたクレー鉱物が好ましくは使用される。特に、100を越えるアスペクト比を有する鉱物が好ましい。好適なクレーの例としては、アルミノシリケートクレー、特にカオリナイト、モンモリロナイト、アタプルガイト(atapulgite)、イライト、ベントナイト、ハロイサイト、カオリン、雲母、ケイソウ土およびフラー土、焼成アルミニウムシリケート、水和されたアルミニウムシリケート、マグネシウムアルミニウムシリケート、ナトリウムシリケートおよびマグネシウムシリケートがあげられる。好適な材料の商品の例は、Cloisite Na+(サウザンクレーから利用可能)、Bentone ND(Elementisから利用可能)があげられる。これらの中で、クレーが好ましく、ナノ微粒子クレーが最も好ましい。所望の場合、他のポリマーまたは樹脂が最終の組成物に相溶性があることを条件とし、他のポリマーまたは樹脂を含むことができる。そのようなポリマーおよび樹脂の例としてはアクリル樹脂溶液、アクリルエマルション、ポリエステル、アルキド樹脂、スルホポリエステル、ポリウレタン、酢酸ビニルエマルション、ポリ(ビニルブチラール)、ポリビニルピロリドン、ポリ(エチレンイミン)、ポリアミド、多糖類、蛋白質、エポキシ樹脂などがあげられる。さらに、これらの組成物にゾル・ゲル前駆物質(例えばテトラエチルオルトシリケートの水解物)を含むことも可能である。
【0015】
本発明のコーティング組成物は、通常好ましくは、好適な溶剤中のシリケート、クレーおよびポリマーエマルションの混合物の形で適用される。溶剤は好ましくは水性で、より好ましくは水であり、単独または任意に少量の混和性共溶剤、たとえばアルコール(例えばエタノール、n−プロパノールまたはイソプロパノール)またはケトン(たとえばアセトン)を含むことができる。共溶剤が存在する場合、好ましく全組成物の高々10重量%、さらに好ましくは高々5%で存在する。好ましい共溶剤はアルコール、好ましくはエタノールである。
【0016】
シリケート、クレー、ポリマーエマルション、および溶剤または分散剤を含む本発明のコーティング組成物は、任意の公知の手段によって基体に適用されることができる。溶剤または分散剤はその後たとえば加熱により除去されることができ、基体上にポリマー中に分散したシリケートを含むフィルムを残すことができる。
【0017】
基体の性質については特段の限定はなく、固いかまたは柔軟なプラスチックであることができ、実際意図した用途にふさわしい他の物質であることもできる。しかしながら、包装されている物質が食品または医薬品である場合、プラスチックフィルムまたは他の基体は食品グレードであるべきことが通常好ましい。好適な材料の例としては以下があげられる;ポリエチレンまたはポリプロピレンのようなポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフテネートのようなポリエステル;ナイロン−6またはナイロン−66のようなポリアミド;およびポリ塩化ビニル、ポリイミド、アクリルポリマー、ポリスチレン類、セルロース類またはポリ塩化ビニリデンのような他のポリマー。さらに、これらのポリマーを作るために使用される任意の相溶性の2以上のモノマーのコポリマーを使用することも可能である。
【0018】
柔軟な基体がガスバリアコーティングでコーティングされる場合、それは単一層フィルムとして単独で使用されてもよい。あるいは、それは1つ以上の追加の基体、接着剤コーティング、インキの層およびワニスなどの当業者に公知のものを含むことができるより複雑なラミネート構造の一部を形成してもよい。
【0019】
本発明のコーティングの厚さは、シリケートの連続的なコヒーレントなコーティング層を成形する能力に一部依存する。しかしながら、一般にコーティングは50nmから3000nmの厚さ、より好ましくは200から2000nmの厚さである。
【0020】
本発明は、さらに溶剤中または分散媒中の金属シリケート、クレーおよびフィルム形成性ポリマーエマルションを含む組成物を基体に適用し、溶剤または分散媒を除去することを含む、ガスバリア構造の形成方法を提供する。
【0021】
本発明は、さらに包装された大気に感受性を有する食品、医薬品または他の物質であって、包装材が本発明のガスバリアコーティングを含むものを提供する。
【0022】
本発明は、以下の非制限的な実施例によってさらに例証される。実施例において使用されるエマルションは水性である。
【0023】
実施例1から13 [(a)−(c)]
以下の配合の、全固形分10重量%のコーティングを、2KバーでPET基体上に塗布し、(50%RHおよび23℃で測定された)コーティングの酸素透過度(cc/m・日)を測定した:エマルション/クレー、リチウムシリケート/エマルションおよびリチウムシリケート/クレー/エマルションは、互いに比較のために並べて示される。
【0024】
使用されたクレーは、Cloisite Na+の商品名の下でサウザンクレーから販売される精製されたアルミノシリケートモンモリロナイトだった。それは、880マイクロ当量/gの陽イオン交換容量を有していて、完全に剥離された際に高いアスペクト比を有する。
【0025】
カラム中の成分の重量比率は最適値を表わす。カラム(a)は、9:1のエマルションのクレー固形物重量への比率を備えた配合物を表示する。さらにクレーの量を増加させることは、透過特性に影響がなかった。カラム(b)は、9:1の金属シリケートのエマルション重量への比率を備えた配合物を表示する。配合物で10%からエマルションの量を増加させることは、透過特性を低下させた。カラム(c)の配合物は、9:0.5:0.5の金属シリケート、エマルションおよびクレーの重量比率を有している。これらの重量比率の配合物は最良のバリヤー性能を提供した(実施例25−30を参照)。
結果は表1中に示される。
【0026】
【表1】

【0027】
注:
(1) Joncryl DFC 3040E、Joncryl 1665およびJoncryl SCX 1630は、ジョンソンポリマー社からのアクリルコポリマーエマルションである。
(2) Joncryl 617およびJoncryl 74はジョンソンポリマー社からのアクリルのポリマーエマルションである。
(3) Jonwax 120はジョンソンポリマー社からのポリエチレンパラフィンワックスエマルションである。Jonwax 35はジョンソンポリマー社からのポリエチレンワックスエマルションである。
(4) Joncryl U4188およびJoncryl U6333は、ジョンソンポリマー社からそれぞれ得られるポリウレタンおよびポリウレタン/アクリルハイブリッドエマルションである。
(5) Synthomer Emultex 523(「Synthomer Emu−523”)およびSynthomer Revacryl 211(「Synthomer Rev 211”)は、酢酸ビニル−コ−ビニルバーサテートおよび2−エチルヘキシルアクリレート−コ−メチルメタクリレートディスパージョンであり、Synthomer社から得られた。
(6) Noveon Stycar 0738はNoveon社から得られたスチレンブタジエンエマルションである。
(7) DSM Neocryl2092はDSM Neoresins社から得られたスチレンアクリルコポリマーエマルションである。
【0028】
実施例14から24[(a)−(c)]
PET基体上、2Kバーで塗布された全固形分の10重量%の以下の組成のコーティングを使用し、50%RHおよび23℃で酸素透過度(cc/m・日)が測定された:エマルション/クレー、ナトリウムシリケート/エマルションおよびナトリウムシリケート/クレー/エマルション。それぞれ比較のために並べて示された。
結果は表2に示される。
【0029】
【表2】

【0030】
実施例25から30[(a)−(b)]
これらの実施例では、リチウムシリケート/エマルション/クレーの重量分率の関数としてコーティングを通る酸素透過度(cc/m・日)を比較した。結果は表3に示される。
【0031】
【表3】

【0032】
実施例31から34
リチウムシリケート/クレー/エマルション(重量比率9:0.5:0.5)の全固形分の10重量%の配合物について、PPおよびPLA(ポリ乳酸)基体上に、2Kバーで塗布されたコーティングを使用し、50%RHおよび23℃で酸素透過度(cc/m・日)が測定された。結果は表4に示される。
【0033】
【表4】

【0034】
実施例35から44
以下の規格で調製されたラミネートの酸素透過度および結合強さが測定された:リチウムシリケート:Joncryl DFC 3040E:クレー=9:0.5:0.5、固形分10重量%、2Kバー。結果は表5に示される。
【0035】
【表5】

【0036】
注:
* ラミネート構造39−41は、ラミネート構造35−37と同様の方法で調製された。しかしラミネートへの透過および結合強さに対する貯蔵の影響を分析するために、一か月の間エージングされた配合物が使用された。
注:
()内の酸素透過度はバリヤー層のない、ブランクのラミネートのものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性金属シリケート;
クレー;および
ポリマーエマルション;
を含む酸素バリヤーコーティングを調製するための組成物であって、該シリケートは組成物中の固形物の少なくとも70重量%を構成し、該クレーおよび該ポリマーは組成物中の全固形物の少なくとも1重量%を各々構成する組成物。
【請求項2】
シリケートの量は全固形物の少なくとも80%、好ましくは約90%である、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
クレーとポリマーの量はそれぞれ全固形物の15重量%以下である、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
クレーとポリマーの量はそれぞれ全固形物の10重量%以下、好ましくはそれぞれ約5%である、請求項3記載の組成物。
【請求項5】
該シリケートは組成物中の全固形物の88から92%、該クレーは全固形物の4から6%、および該ポリマーは全固形物の4から6%を構成する、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
組成物の全固形分は1から20重量%である、請求項1から5のいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
組成物の全固形分は約10重量%である、請求項6記載の組成物。
【請求項8】
金属シリケートはアルカリ金属シリケートである、請求項1から7のいずれか1項記載の組成物。
【請求項9】
金属シリケートはナトリウムシリケート、カリウムシリケートまたはリチウムシリケートである、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
アルカリ金属酸化物と二酸化ケイ素のモル比は0.1:1から0.4:1までである、請求項8または9記載の組成物。
【請求項11】
該モル比は0.2:1から0.3:1まで、好ましくはほぼ0.25:1である、請求項10記載の組成物。
【請求項12】
該ポリマーは、
アクリルポリマー;
2種以上のアクリレートおよび/またはメタアクリレートのコポリマー;
1種以上のエチレン性不飽和炭化水素と、1種以上のアルキルアクリレートとのコポリマー;
ポリエチレンワックス;
ポリエチレン−パラフィンワックス;
ポリウレタン;
ポリウレタン尿素ハイブリッド;
ポリウレタンアクリルハイブリッド;
酢酸ビニル−コ−ビニルバーサテート;または
スチレン−コ−ブタジエンハイブリッドである、
請求項1から11のいずれか1項記載の組成物。
【請求項13】
溶剤中または分散媒中の、請求項1から12のいずれか1項記載の組成物を基体に適用し、溶剤または分散媒を除去することを含む、ガスバリアフィルムの形成方法。
【請求項14】
包装された食品、医薬品または大気に敏感な物質であり、該包装が基体上の請求項1から12のいずれか1項記載ガスバリアコーティングを含む、包装された食品、医薬品または大気に敏感な物質。

【公表番号】特表2010−539251(P2010−539251A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−523592(P2010−523592)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際出願番号】PCT/GB2008/003091
【国際公開番号】WO2009/034333
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(506397202)サン ケミカル ビー.ブイ. (11)
【Fターム(参考)】