説明

ポリマーナノコンポジットの製造方法

本発明は、一般的に、水の存在下で有機クレイとポリマーのメルトとを配合することによるポリマーナノコンポジットの製造方法を提供する。本発明は前記方法によって製造されたポリマーナノコンポジットも提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2008年7月18日に出願された米国仮特許出願第61/081,909号に基づく優先権を主張する。この仮特許出願を引用することによってその全体を本明細書中に組み入れる。
【0002】
発明の分野
本発明は、ポリマーナノコンポジット、より具体的には有機クレイ(organoclay)又は有機塩(organosalt)及びポリマーからのポリマーナノコンポジットの製造方法並びにこの方法によって製造されたポリマーナノコンポジットに関する。
【背景技術】
【0003】
従来の充填ポリマーコンポジットは、通常はポリマーの物理的又は機械的性質を改善することなく経済的な充填剤として本質的に作用する無機充填剤(例えばタルク及び炭酸カルシウム)が充填されたポリマーである。ポリマーとクレイ(例えば天然クレイ又は合成有機クレイ)を含むナノコンポジットが研究されているが、これらの従来のクレイナノコンポジットは、典型的には、ポリマーと乾燥クレイ粉末又は有機溶媒湿潤クレイとを接触させることによって製造される。ポリマーが疎水性である従来のクレイナノコンポジットは通常は、凝集していることが多い、剥離の不十分なクレイ(即ち100ナノメーター未満の寸法を欠くクレイ)を含む。このようなコンポジットの機械的性質は、典型的には、従来の充填ポリマーの機械的性質に比べて改善が全くないか、あってもごくわずかである。更に、有機溶媒湿潤クレイを用いる方法によるこのようなナノコンポジットの製造は、有機溶媒に付随する可燃性、爆発性、毒性及び廃棄物処理の問題のため、十分な安全性及び環境保全上の利点がない。
【0004】
Hasegawa Nらは、ナトリウムモンモリロナイト(NaMMT)の水スラリーとナイロン−6のメルトとを押出機中で配合することによる、無機クレイ、NaMMT及びポリマー、ナイロン−6からのポリマーナノコンポジットの製造を記載している(非特許文献1)。
【0005】
異なる方法を用いて、Zhong−Zhen Y.らは、水が下流注入される押出機中でNaMMTの粉末をナイロン−6のメルトと配合することによる、NaMMT及びナイロン−6からの別のポリマーナノコンポジットの製造を記載している(非特許文献2)。Zhong−Zhen Y.らは、水が下流注入される押出機中におけるナイロン−6のメルトと有機クレイOMMT(ジオクタデシルジメチルアンモニウムカチオンによるNaMMTのイオン交換によって得られる)の粉末からのコンポジットの製造も記載しているが、この製造が有機クレイの剥離及び分散に有利でなかったとも記載している。Zhong−Zhen Y.らは、溶融配合時の水の添加は、水の注入がない類似した方法によって製造されたナイロン−6/OMMTポリマーナノコンポジットの機械的性質に比べて、得られるナイロン−6/OMMTポリマーナノコンポジットの機械的性質に対して、ほとんど影響がなかったとも記載している。
【0006】
特許文献1は押出機中でナイロン−6を分散媒及び水湿潤有機クレイ12MMTと混練することを記載している。12MMTは、NaMMTのイオン交換能の100%超を過剰の水性12−アンモニウムドデカン酸カチオンと交換することによって得られた。特許文献1の方法では分散媒が必要とされる。例えば実施例5は12MMT:水の1:9混合物の使用を記載している。特許文献1は最少量の分散媒が必要なことを更に教示している。例えば実施例1は12MMT:水:ε−カプロラクタムの1:9:9混合物を使用して成果が得られることを記載している。比較例5は、より少ない分散媒を用いると、詳細には12MMT:水:ε−カプロラクタムの1:0.25:0.25混合物(即ち、この分散媒は水:ε−カプロラクタム1:1の分散媒を0.5部含む)を用いると生成物を生成できないと記載している。
【0007】
非特許文献3は、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンで硬化されたD.E.R.332エポキシ樹脂(The Dow Chemical Company)とα−リン酸ジルコニウムを含む有機塩を含むエポキシポリマーナノコンポジットを記載している。このエポキシポリマーナノコンポジットは、有機塩とアセトンの混合物をD.E.R.332エポキシモノマーと合し、超音波処理し、アセトンを除去して有機塩のモノマー中分散体を生成し、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンを加え、得られた混合物を硬化させることによって製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許(EP)第0398551B1号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Hasegawa N.et al.,Polymer,2003;44(10):2933-2937
【非特許文献2】Zhong-Zhen Y.,et al.,Journal of Polymer Sci.Part B: Polymer Physics,2005;43(9):1100-1112)
【非特許文献3】Sun L.,et al.,Preparation of Exfoliated Epoxy/α-Zirconium Phosphate Nanocomposites Containing High Aspect Ratio Nanoplatelets,Chem.Mater.,2007;19:1749-1754
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
高度剥離有機クレイ又は有機塩(即ち粒子の少なくとも50%において、少なくとも1つの寸法が100ナノメーター未満であるように、部分的に又は完全に層間剥離された有機クレイ又は有機塩)を含むポリマーナノコンポジット及びこのようなポリマーナノコンポジットの製造方法が必要とされている。従来の充填ポリマーコンポジット及び従来の有機クレイ又は有機塩ナノコンポジットに比べて、このようなポリマーナノコンポジットは1つ又はそれ以上の改善された機械的性質、例えば増大した弾性率(例えば曲げ弾性率)、より低い密度、改善された光学的明澄度、より低い熱膨張率、場合によっては、増大した衝撃靭性又はそれらの組合せを提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、一般的に、ポリマーナノコンポジット及び前記ポリマーナノコンポジットの製造方法(本発明方法)を提供する。好ましくは、本発明のポリマーナノコンポジットは、有機溶媒ウェットクレイを用いて製造された同等のポリマーナノコンポジットに比べて実質的に同等の又はより良好な機械的性質を有するか、或いは分散媒又は乾燥有機クレイを用いる方法によって製造された同等のポリマーナノコンポジットに比べて改善された少なくとも1つの機械的性質を有する。
【0012】
第1の態様において、本発明はポリマーナノコンポジットの製造方法である。この方法は、ポリマーを含むメルトを有機クレイ又は有機塩及び膨潤性液体を含む混合物に剥離可能なように接触させて(前記膨潤性液体は、前記混合物の25〜95重量%を構成し且つ水90重量%超及び水混和性有機溶媒0重量%から10重量%未満を含む)、有機クレイ又は有機塩のメルト中分布物(distribution)を形成せしめ;前記分布物を冷却させて、有機クレイ又は有機塩及びポリマーを含むポリマーナノコンポジットを形成する(前記有機クレイ又は有機塩はカチオン交換性層状材料、有機カチオン及び無機カチオンを含み、前記カチオン交換性層状材料は、有機カチオンによって40〜99%交換されるカチオン交換能を有し、前記有機クレイ又は有機塩はポリマーへの分散時に剥離され、少なくとも1つの寸法が100ナノメーター(nm)未満である)工程を含んでなる。好ましくは、膨潤性液体は水が99重量%超であり、より好ましくは精製水が99重量%超であり、更に好ましくは水混和性有機溶媒(本発明において有用なポリマー又は有機クレイ若しくは有機塩の製造から移行すると考えられる残留有機溶媒は計算に入れない)を含まない。また、好ましくは、有機クレイは脱塩有機クレイ(後述)、0.05〜25重量%のポリマーナノコンポジット、又は両者である。また、好ましくは、本発明方法は、ポリマーナノコンポジットから膨潤性液体の少なくとも90%又はそれ以上、より好ましくは95%又はそれ以上、更に好ましくは98%又はそれ以上、更に好ましくは99%又はそれ以上を除去する工程を更に含む。
【0013】
第2の態様において、本発明は、第1の態様の本発明方法によって製造されたポリマーナノコンポジットである。
【0014】
本発明のナノコンポジットは、例えばバリアフィルム及びフォーム、成形品並びに押出品として有用であり、それらは全て、従来の二次加工法によって製造できる。このようなバリアフィルム及びフォーム並びに成形品及び押出品は、例えば建築材料、包装材料、自動車部品、電子機器及びコンピューター筐体の製造に使用できる。
【0015】
本発明の更なる態様は、以下の詳細な説明及び添付した特許請求の範囲に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は実施例5のポリプロピレンナノコンポジットの後方散乱走査電子顕微鏡(SEM)画像である。
【図2】図2は比較例4のポリプロピレンナノコンポジットの後方散乱SEM画像である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、本明細書中に記載したポリマーナノコンポジットを製造するための第1の態様の方法を提供する。好ましい態様において、本発明方法は、ポリマーとの配合前における有機クレイ又は有機塩の乾燥、微粉砕及び篩い分けを行わない。更に、本発明方法には有機溶媒に付随する欠点がない。本発明は、第2の態様のポリマーナノコンポジットも提供する。
【0018】
米国特許実務及び他の特許実務上、引用による内容の組み入れが可能であり、本明細書の発明の詳細な説明中で参照した各米国特許、米国特許出願、米国特許出願公開公報、PCT国際特許出願及びそれに対応するWO公開公報の全内容(特に断らない限り)を、引用することによって、特に合成方法、反応条件、具体的に名前を挙げた化合物の開示に関して本明細書中に組み入れる。本明細書中の記載と引用によって組み入れた特許、特許出願若しくは特許出願公開公報又はその一部の記載とが食い違う場合には、本明細書中の記載が優先する。
【0019】
本明細書において、特定の範囲の任意の下限又はその範囲の任意の好ましい下限をその範囲の任意の上限又はその範囲の任意の好ましい上限と組合せて、その範囲の好ましい態様を規定することができる。
【0020】
本明細書中に記載した任意の態様において、「〜を含んでなる」など(「〜を含む」、「〜を有する」及び「〜を特徴とする」と同義である)の限度を設定しない用語は、部分的に限度を設定した用語「〜から本質的になる」などの表現又は「〜から成る」などの限度を設定した表現に置き換えることができる。
【0021】
本明細書中で使用する用語「剥離された(exfoliated)」は、本明細書では、カチオン交換性層状材料が、粒子の少なくとも50%で少なくとも1つの寸法が100ナノメーター未満であるように部分的又は完全に層間剥離されている(delaminated)ことを意味する。好ましくは、カチオン交換性層状材料は、それぞれ独立して、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10層のカチオン交換性層状材料を含む第1の成分及び、場合によっては、それぞれが独立して、10層超のカチオン交換性層状材料を含む第2の成分に層間分離させ、ポリマーナノコンポジットの代表的なサンプルの透過電子顕微鏡法による検査時に全第1成分の容量%は全第2成分の容量%より大きい。即ち、カチオン交換性層状材料は単層成分に完全に剥離する必要はなく、前述のような種々の層数を有する成分の混合物として存在することができる。一部の態様においては、カチオン交換性層状材料は、それぞれが独立して、1、2、3、4又は5層を有する第3の成分並びに、場合によっては、それぞれが5層超のカチオン交換性層状材料を有する第4の成分に層間剥離させ、ポリマーナノコンポジットの代表的なサンプルの透過電子顕微鏡法による検査時に全第3成分の容量%は全第4成分の容量%より大きい。
【0022】
用語「剥離できるように接触させる」と表現「剥離条件下で」は本質的に同義であり、剥離されることができる有機クレイ又は有機塩と少なくとも1種の他の成分を、有機クレイ又は有機塩の少なくとも一部の層の機械的分離を促進する条件下で混合して、前記で定義した剥離有機クレイ若しくは有機塩の混合物、懸濁体又は分布物を生成することを意味する。前記混合物、懸濁体又は分布物は、好ましくは他の成分中への有機クレイ又は有機塩の実質的に均一な分散を特徴とする。
【0023】
用語「カチオン交換性層状材料(cation exchanging layered material)」は、負に帯電した層(シート又は小板としても知られる)を含む膨潤可能な(本発明において有用な膨潤性液体を用いて)無機固体(天然又は合成)に由来し、イオン交換能を有する(膨潤状態で実質的に交換可能である)物質を意味する。カチオンは、カチオン交換性層状材料の負電荷を相殺する(即ち、中和する)。
【0024】
無機固体は、膨潤可能な天然若しくは合成無機塩、例えば合成α−リン酸ジルコニウム[Zr(HPO42・H2O]であることができ、又は好ましくは無機固体は膨潤可能な天然若しくは合成無機クレイである。天然及び合成無機クレイの例は、層状珪酸塩(例えばマガダイト(magadite)及びケニヤアイト)、層状2:1珪酸塩(例えば天然及び合成スメクタイト、ホルマイト、バーミキュライト、イライト、マイカ及び緑泥石(chlorite))並びにセピオライト(海泡石)である。好ましくは、カチオン交換性層状材料はモンモリロナイト、マイカ、フルオロマイカ、セピオライト、ノントロナイト、ベントナイト、カオリナイト、バイデライト、ボルコンスコナイト(volkonskonite)、ヘクトライト、フルオロヘクトライト、サポナイト、ソーコナイト、スチーブンサイト、ハロイサイト、マガダイト、メドモンタイト(medmontite)、ケニヤアイト若しくはバーミュキュライト、又はそれらの2種若しくはそれ以上の混合物に由来する。一部の態様において、カチオン交換性層状材料はモンモリロナイト、フルオロマイカ又はセピオライトに由来する。より好ましくはカチオン交換性層状材料はフルオロマイカに由来する。
【0025】
用語「有機塩(organosalt)」は、有機カチオン、無機カチオン及びカチオン交換性層状材料(無機カチオン及びカチオン交換性層状材料は天然又は合成無機塩に由来する)を含む、完全には交換されていない物質を意味する。本発明において有用な有機塩は無機塩から、無機塩の無機カチオンの全てではなく一部をカチオンに交換することによって得られる。
【0026】
用語「有機クレイ(organoclay)」は、有機カチオン、無機カチオン及びカチオン交換性層材料(無機カチオン及びカチオン交換性層状材料は天然又は合成無機クレイに由来する)を含む完全には交換されていない物質を意味する。本発明において有用な有機クレイは無機クレイから、無機クレイの無機イオンの全てではなく一部をカチオンに交換することによって得られる。用語「脱塩有機クレイ(desalted organoclay)」は、交換可能なカチオン及び対アニオンを含む塩のほとんどが除去された有機クレイを意味する。
【0027】
有機塩又は有機クレイのカチオン交換性層状材料は完全には交換されない(即ち100%未満が交換される)。これは、このカチオン交換性層状材料が未使用のカチオン交換能を有すること、即ち、無機カチオンが有機カチオンによって完全には交換されない(即ち、一部の無機カチオンが有機クレイ又は有機塩中に残る)ため、有機塩又は有機クレイも前記無機イオンを含むことを意味する。好ましくは、カチオン交換能は、40〜99%が有機カチオンで交換され、それぞれ60〜1%の未使用のカチオン交換能が残される。より好ましくは、カチオン交換能の少なくとも10%、更に好ましくは少なくとも20%、更に好ましくは少なくとも25%が未使用である。一部の態様において、カチオン交換性層状材料のカチオン交換能は40%又はそれ以上、好ましくは50%又はそれ以上、より好ましくは55%又はそれ以上であり、更に好ましくは60%又はそれ以上であって、99%又はそれ以下、好ましくは90%又はそれ以下、より好ましくは80%又はそれ以下であり、更に好ましくは75%又はそれ以下、更に好ましくは70%又はそれ以下が有機カチオン材料で交換される(即ち置き換えられる)。好ましくはモンモリロナイト、フルオロマイカ又はセピオライトのカチオン交換性層状材料のカチオン交換能は独立して50〜80%がカチオン交換材料で、より好ましくは第四アンモニウムで交換される。
【0028】
カチオン交換性層状材料の「カチオン交換能」は、一組の交換可能なカチオンの量を表し、一組の交換可能なカチオンを別の一組のカチオン(無機又は好ましくは有機)で置き換える能力(典型的には、ナトリウムカチオン(Na+)、カルシウムカチオン(Ca+2)又は水素カチオン(H+)のような無機イオンを置き換える能力)を示す。有機カチオンは、以下に記載する有機カチオン交換材料に由来する。用語「交換可能なカチオン」は、一価カチオン、多価カチオン又はそれらの混合物を意味し、各カチオンは形式正電荷(formal positive charge)を有する。
【0029】
本発明の一部の態様においては、本発明において有用な有機塩又は有機クレイを製造するために無機塩又は無機クレイに加える有機カチオン交換材料のモル数を求めるために、無機塩又は無機クレイのカチオン交換能を測定する。例えば、無機クレイのカチオン交換能はいくつかの方法で測定できるが、その方法のほとんどは実際の交換反応を実施し、各交換イオンの存在について生成物を分析するものである。従って、交換の化学量論量はモル%ベースで求めることができる。或いは、市販されている無機クレイのカチオン交換能は商業的供給業者から入手できる。
【0030】
無機クレイのカチオン交換能の測定に使用する方法は本発明には重要でないが、好ましくは、無機クレイのカチオン交換能は、Composition and Properties of Oil Well Drilling Fluids,4th edition,George R.Gray and H.C.H. Darley,1980,Gulf Publish Company(Houston,Texas,USA)の155ページに記載されている方法を用いて測定できる。Gray及びDarleyの1つの方法は、無機クレイの第1のサンプルを過剰の適当な塩(例えば酢酸アンモニウム)で浸出させて第1の濾液を生成せしめ、無機クレイの第2のサンプルを水で浸出させ第2の濾液を生成することを含む。第1の濾液と第2の濾液とを別々に共通の交換カチオンについて常法で分析することによって、クレイに吸着された各カチオン種のミリ当量(mEQ,以下に定義)と総mEQ、即ち、全カチオン種のカチオン交換能が得られる。用語「ミリ当量」(mEQ)は、カチオン交換能のミリモル当量に等しく、例えば125mEQは0.125モルのイオン交換能を意味する。
【0031】
本発明において有用な無機カチオン交換性層状材料(例えば天然の状態の又は精製水で洗浄された珪酸塩クレイ若しくは2:1珪酸塩クレイ)は、表面の負電荷が材料100グラム(g)当たり、少なくとも20mEQ、より好ましくは少なくとも50mEQであって、好ましくは200mEQ又はそれ以下、より好ましくは150mEQ又はそれ以下、更に好ましくは125mEQ又はそれ以下である。
【0032】
用語「有機カチオン材料」は、有機カチオンとそれに結合した対アニオンを含む物質を意味する。用語「有機カチオン」は、カチオン官能価に共有結合した少なくとも1つのヒドロカルビル基を含むカチオンを意味する。有機カチオンは同一であっても異なってもよい。カチオン官能価は好ましくは、+1の形式電荷を有する窒素、燐、硫黄、酸素又は砒素原子を含む。より好ましくは、カチオン官能価は、+1の形式電荷を有する窒素、燐又は硫黄原子、更に好ましくは窒素原子を含む。
【0033】
用語「ヒドロカルビル」は、炭素数1〜100の一価炭化水素ラジカルを意味し、この一価炭素ラジカルは、形式的には、炭化水素から水素原子1個を除去することによって形成される。好ましくは、各炭化水素ラジカルは、独立して、芳香族若しくは非芳香族、飽和若しくは不飽和、直鎖若しくは分岐鎖、環状(単環式及び多環式、縮合及び非縮合多環式)若しくは非環式又はそれらの2つ若しくはそれ以上の組合せである。好ましくは、各ヒドロカルビルは、独立して、(C1〜C100)アルキル、(C3〜C100)シクロアルキル又は(C3〜C50)シクロアルキル−(C1〜C50)アルキレンである。用語「C1〜C100)アルキル」は、炭素数1〜100の飽和直鎖又は分岐鎖炭化水素ラジカルを意味する。用語「(C1〜C50)アルキレン」は、炭素数1〜50の飽和直鎖又は分岐鎖ジラジカルを意味する。用語「(C3〜C100)シクロアルキル」は、炭素数3〜100の飽和環状炭化水素ラジカルを意味する。より好ましくは各ヒドロカルビルは炭素数が1〜40、更に好ましくは1〜20である。2つ又はそれ以上のヒドロカルビル基が存在する場合には、好ましくは少なくとも1つのヒドロカルビルは炭素数が10又はそれ以上である。
【0034】
一部の態様において、有機カチオンは「オニウム」イオンである。オニウム有機カチオンの例はホスホニウム、アルソニウム、スルホニウム、オキソニウム、イミダゾリウム、ベンゾイミダゾリウム、イミダゾリニウム、第四アンモニウム[例えばR1234+(R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、炭素数1〜100のヒドロカルビルであり、好ましくはR1、R2、R3及びR4の少なくとも1つは炭素数が10又はそれ以上である)]、プロトン化アミン[例えばN(H)4+、R1N(H)3+、R12N(H)2+及びR123N(H)+]、プロトン化アミンオキシド、プロトン化ベタイン、ピリジニウム、アニリニウム、ピロリウム、ピペリジニウム、ピラゾリウム、キノリニウム、イソキノリニウム、インドリウム、オキサゾリウム、ベンゾオキサゾリウム及びキヌクリジニウム並びにそれらの2種若しくはそれ以上の組合せである。オニウム有機カチオンの典型例は、式R1234+の第四アンモニウム化合物である。有機カチオンの他の例は、米国特許第6,156,835号のカラム6、第32行〜カラム7,第11行に記載されたオニウム化合物、両性界面活性剤、コリン(choline)化合物及び有機シラン化合物;米国特許第5,962,553号のカラム3,第29行〜第44行に記載された有機ホスホニウム化合物及びに同特許のカラム3,第45行〜カラム4,第23行の有機ホスホニウム化合物を用いた有機クレイの製造の部分に記載された有機ホスホニウム化合物である。米国特許第6,156,835号のカラム6、第32行〜カラム7,第11行及び米国特許第5,962,553号のカラム3,第29行〜〜カラム4,第23行のみを引用することによって本明細書中に組み入れる。一部の態様において、有機カチオンはジエトキシメチル(C1〜C100)アルキル第四アンモニウム[(C1〜C100)アルキル基は12〜18個の炭素原子を含む]から本質的になる。他の態様において、有機カチオンはジメチルジ((C1〜C100)アルキル)第四アンモニウムである。
【0035】
本発明において有用な有機クレイ又は有機塩の製造に使用する有機カチオン材料は、2種又はそれ以上の異なる有機カチオンの混合物、例えば複数種の第四アンモニウムカチオンの混合物、第四アンモニウムカチオンとプロトン化アミンとの混合物及び第四アンモニウムカチオンとアルコキシシリルアルキルアミンとの混合物を含むことができる。第四アンモニウムカチオン上の遊離アミノ基(即ち、形式的に中性のアミノ窒素原子)の存在も考えられる。プロトン化アミンは、例えばカチオン交換性層状材料を酸と接触させた後にカチオン交換性層状材料をアンモニア又は有機アミン(例えばR1N(H)2、R12NH及びR123N)と接触させてアンモニア又は有機アミンをプロトン化させることによって(これに限定するものではないが)製造できる。
【0036】
有機クレイ又は有機塩及び膨潤性液体(swelling liquid)を含む混合物において、膨潤性液体は、好ましくは少なくとも30重量%、より好ましくは少なくとも50重量%であって、好ましくは95重量%未満、より好ましくは90重量%又はそれ以下、更に好ましくは85重量%又はそれ以下を構成する。膨潤性液体は1重量%以下、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.01重量%以下、更に好ましくは本質的に0重量%の水非混和性有機溶媒を含む。好ましくは、膨潤性液体は水不混和性有機溶媒を含まない。より好ましくは、膨潤性液体は本質的に水からなる(即ち、本質的に水混和性有機溶媒は0重量%、水不混和性有機溶媒は0重量%である)。
【0037】
用語「精製水」は、無機イオン、特に無機カチオンを本質的に含まない水を意味する。精製水の例は脱イオン水(脱塩水としても知られる)及び蒸留水である。除塩は、例えば洗浄時間、洗浄水の使用量又は洗浄水液体の電導度測定値によって確認できる。
【0038】
用語「水混和性有機溶媒」は、25℃において脱イオン水中に任意の割合で溶解して均質混合物を形成できる溶媒を意味する。好ましい水混和性有機溶媒はメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、蟻酸及び酢酸である。これに対して、用語「水非混和性有機溶媒」は、25℃において脱イオン水中に少しも溶解できない(即ち、少なくともある割合で不均一混合物を形成する)溶媒を意味する。水非混和性有機溶媒の例はテトラヒドロフラン、酢酸エチル、ε−カプロラクタム及びジエチルベンゼン類である。
【0039】
一部の態様においては、本発明のポリマーナノコンポジットからの膨潤性液体の除去に脱揮装置(例えば脱揮押出機)を使用するのが有利な場合がある。
【0040】
前述のように、好ましくは有機クレイ又は有機塩はポリマーナノコンポジットの0.05〜25重量%である。より好ましくは有機クレイ又は有機塩は、ポリマーナノコンポジットの少なくとも0.5重量%、更に好ましくは少なくとも1.0重量%であって、好ましくは6重量%未満である。
【0041】
本発明の好ましい態様において、第1の態様の本発明方法は更に、本発明のポリマーナノコンポジットを成形若しくは押出してそれぞれ成形品若しくは押出品を生成するか、又は本発明のポリマーナノコンポジットをフォーム又はフィルムの形態にする工程を含む。前記成形品若しくは押出品、フォーム又はフィルムはポリマーナノコンポジットを含む。従って、本発明の第1の態様の方法は、好ましくは第1の単位操作で有機クレイ又は有機塩と膨潤性液体との混合物をポリマーのメルト中で予備混合し、得られた有機クレイ又は有機塩のメルト中分布物を第2の単位操作で付形し、次いで得られた付形物を冷却する。一部の態様においては、能動冷却(例えば付形物を冷蔵し、付形物を冷却された液体又は気体(例えばその流れ)と接触させるなどによる)を含む第3の単位操作を使用できる。
【0042】
一部の態様においては、本発明方法は、一定量の1種又はそれ以上の水混和性有機溶媒を更に使用するのが有利な場合がある。水混和性有機溶媒の前記一定量は、水と水混和性有機溶媒の総合重量の10重量%又はそれ以下、より好ましくは5重量%未満、更に好ましくは2重量%未満、更に好ましくは1重量%未満である。水混和性有機溶媒は150℃又はそれ以下の沸点を有するのが好ましい。水混和性有機溶媒の例はアセトン、メタノール、エタノール及びテトラヒドロフランである。
【0043】
好ましくは、第1の態様の本発明方法は有機溶媒を使用しない(本発明において有用なポリマー又は有機クレイ若しくは有機塩の製造から移行すると考えられる残留有機溶媒は計算に入れない)。即ち、好ましくは、膨潤性液体は本質的に水からなるか又は水のみからなり、有機溶媒を全く添加しない。溶融加工可能なポリマーが後述のように疎水性と特徴付けられ得る場合であっても、本質的に水からなるか又は水のみからなる膨潤性液体を使用する本発明方法を用いて、本明細書中に記載した本発明のポリマーナノコンポジットを製造できる。
【0044】
本発明には、水非混和性ポリマー及び水溶性ポリマーを含む任意の型の溶融加工可能なポリマーを使用できる。ポリマーが熱可塑性ポリマーである場合には、配合は押出機を用いて行うことができる。ポリマーが熱硬化性ポリマーである場合には、配合は熱硬化性ポリマー成分(例えばエポキシポリマーの樹脂又は硬化剤)を用いて又は未硬化熱硬化性ポリマーを用いて行うことができる。
【0045】
溶融加工可能なポリマーは、剥離条件下でポリマーのガラス転移温度(Tg)又は溶融温度(Tm)より高い温度で、好ましくはいずれか高い方の温度より高い温度で、本発明において有用な有機クレイ又は有機塩と配合し、例えば分散可能なように合し、冷却時に本発明のポリマーナノコンポジットを形成できる。溶融加工可能なポリマーは、ポリマーのTg又はTm(もしあれば)よりも好ましくは少なくとも20℃、より好ましくは少なくとも30℃高い温度で有機クレイ又は有機塩と合するものとする。また、この温度は本発明のポリマーナノコンポジットのTg又はTm(いずれか適当な方)よりも好ましくは少なくとも20℃、より好ましくは少なくとも30℃高くする。この目的で、Tg及びTmを、それぞれASTM規格E1356−91又はE794−85に従って示差走査熱量測定法を用いて測定する。
【0046】
一部の態様において、ポリマーと有機クレイ又は有機塩は、30℃又はそれ以上で且つ350℃又はそれ以下の温度(但し、この温度はポリマーのガラス転移温度(Tg)又は溶融温度(Tm)のいずれか高い方の温度よりも高い)で配合する。一部の態様において、ポリマーと有機クレイ又は有機塩は、0.1気圧(ATM)〜1000ATMの圧力において配合する。
【0047】
本発明において有用なポリマーの具体的な種類はポリ(フェニレンエーテルケトン)、ポリアミド、脂肪族ポリケトン、ポリエステル(例えばポリ(エチレンテレフタレート)、即ちPET)、ポリカーボネート、フルオロプラスチック、ハロゲン化ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリオレフィン(例えばポリプロピレン及び他のポリ(α−オレフィン)、ポリエチレン並びにそれらのインターポリマー)及びそれらの混合物である。好ましい態様において、本発明において有用なポリマーはポリ(フェニレンエーテルケトン)、脂肪族ポリケトン、ポリエステル(例えばポリ(エチレンテレフタレート)、即ちPET)、ポリカーボネート、フルオロプラスチック、ハロゲン化ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエチレン、それらのインターポリマー又はそれらの混合物である。より好ましい態様において、本発明において有用なポリマーは疎水性(例えばフルオロプラスチック、ポリオレフィン、ポリスチレン、ハロゲン化ポリオレフィン(例えばポリ塩化ビニル及びポリ塩化ビニリデン)又はそれらの混合物)である。
【0048】
ポリマーを含むメルトは、1種のポリマー又は2種若しくはそれ以上の異なるポリマーの混合物を含むことができ、ポリマー又はポリマーの混合物は、任意的に更に、以下の任意成分:紫外性安定剤、架橋剤、耐衝撃性改良剤、相溶化剤、別のポリマー、樹脂、粘着付与剤、充填剤、油、難燃剤、酸化防止剤、加工助剤、顔料及び染料の1種又はそれ以上から本質的になることができる。好ましい耐衝撃性改良剤及び相溶化剤は、それぞれ、米国特許第6,423,768B1号のカラム5,第56行〜カラム6,第14行及びカラム6,第15行〜第59行に記載されている。米国特許第6,423,768B1号のカラム5,第56行〜カラム6,第59行のみを引用することによって本明細書中に組み入れる。耐衝撃性改良剤の例はKRATON(Shell Chemicals)ゴム耐衝撃性改良剤である。相溶化剤の例はマレイン化相溶化剤(例えば、Fusabond(登録商標)MB226DE(Maleated Compatibilizer 1)(E.I.duPont de Nemours and Company)及びPolybond 3150(Crompton Corp.))である。
【0049】
第1の態様の本発明方法において、本発明のポリマーナノコンポジットは最初は、冷却、水のような揮発分の蒸発又はその組合せが行われた場合に、凝固するメルトとして製造できる。
【0050】
好ましくは、本発明のポリマーナノコンポジットは、混合物が水を、0〜3重量%、より好ましくは0〜2重量%、更に好ましくは0〜1.0重量%、更に好ましくは0〜0.2重量%を含む以外は第1の態様の本発明の方法と同等の方法で製造された比較ポリマーコンポジットの同一の性質に比較して、改善された弾性率、特に曲げ弾性率、ヤング率、靭性(Izod)性能、耐熱性、耐薬品性、耐着火性、極性液体又は気体の耐拡散性、降伏強さ又は寸法安定性の少なくとも1つを有する。より好ましくは、本発明のポリマーナノコンポジットは改善された曲げ弾性率と等しい又は改善された靭性(Izod)性能を有する。
【0051】
更に別の面において、第1の態様の本発明方法は有機クレイ及び膨潤性液体を含む混合物の製造方法を更に含む。一部の態様において、有機クレイ及び膨潤性液体を含む混合物の製造方法は、(a)カチオン交換性層状材料及び交換可能な無機カチオンを含み且つカチオン交換能を有する膨潤可能な無機クレイを、水を含む前駆体液体中で混合して、膨潤無機クレイの水性混合物を生成し(前記前駆体液体と膨潤性液体の組成は同一でも異なっていてもよい);(b)有機カチオン及び対アニオンを含む有機カチオン材料を膨潤無機クレイに接触させて、前駆体液体、交換可能なカチオンと対アニオンを含む塩及びカチオン交換性層状材料と有機カチオンを含む有機クレイを含む予備混合物を生成し(前記の膨潤可能な無機クレイのカチオン交換能は前記有機カチオンで40〜99%交換される);(c1)前駆体液体と膨潤性液体が異なる場合には、有機クレイを、90重量%超の精製水及び0重量%〜10重量%未満の水混和性有機溶媒を含む膨潤性液体で洗浄して、有機クレイ及び膨潤性液体を含む混合物を生成し(前記有機クレイは脱塩有機クレイであり、前記膨潤性液体は前記混合物の25重量%から95重量%未満を構成し、且つ前記膨潤性液体は90重量%超の水及び0重量%から10重量%未満の水混和性有機溶媒を含む)、或いは(c2)前駆体液体と膨潤性液体が同じである場合には、前記予備混合物から前駆体液体の一部を除去して、有機クレイ及び水を含む混合物を生成せしめる(水は前記混合物の25重量%から95重量%未満を構成する)工程を含む。好ましくは、除去工程(c2)は、有機クレイを90重量%超の精製水及び0重量%から10重量%未満の水混和性有機溶媒を含む膨潤性液体で洗浄して、有機クレイ及び膨潤性液体を含む混合物を生成せしめる(前記有機クレイは脱塩され、前記膨潤性液体は前記混合物の25重量%〜95重量%未満を構成し且つ前記膨潤性液体は90重量%超の水及び0重量%〜10重量%未満の水混和性有機溶媒を含む)ことを含む。例えば前駆体液体が90重量%未満の水を含み且つ残りが水混和性溶媒であるか又は前駆体液体が90重量%超の水を含み且つ残りが水非混和性溶媒である場合には、前駆体液体と膨潤性液体は異なる。
【0052】
本明細書中に記載した方法によって製造された有機クレイ又は有機塩と膨潤性液体の混合物は乾燥させて膨潤性液体の一部又は全てを除去し(例えば輸送のために混合物の重量を減少させるために)且つ得られる乾燥有機クレイ又は有機塩を本発明において有用な膨潤性液体と接触させて混合物を再構成することができるが、本明細書中に記載した方法によって製造された混合物を第1の態様の本発明方法に直接(即ち、乾燥と再構成を行わずに)使用するのが好ましい。
【0053】
液体及び固体を含む混合物からの液体の除去は、任意の適当な操作によって実施でき、一般には当業界で知られている。例えば、このような液体除去は、遠心分離後に液体をデカントすることによって、脱揮装置を用いて液体を蒸発させることによって、1つの液体を別の液体を用いて洗い流すことによって、又は固体を濾過することによって行うことができる。
【0054】
他の態様において、本発明において有用な有機クレイ又は有機塩と水との混合物は、それが形成されるまでの間、乾燥状態の又は水和の不十分な有機クレイ又は有機塩(例えば3重量%又はそれ以下の水を含む有機クレイ)を水(好ましくは液体の水)に接触させることによってこの乾燥状態の又は水和の不十分な有機クレイ又は有機塩を水和させることによって製造できる。
【実施例】
【0055】
機械的検査のプロトコール
プロトコール1:サンプルの調製
試験材料を含む射出成形バーを、Hermes Table Shearを用いて半分にカットして、ゲート付き端部(gated end)と他端を有する試験片を作成する。バーの他端を用いて、各サンプルのアイゾッド衝撃強さを測定する。
【0056】
プロトコール2:曲げ弾性率試験
試験材料の曲げ弾性率を、ASTM D790−03(Procedure B,CONTINUUM(登録商標)DGDA−2490NTの標準試験法(The Dow Chemical Company;”DGDA−2490NT”))に従ってInstron 55R4507を用いて測定する。2インチ(5.1cm)のスパンを用いて3点試験を行う。0.02ポンド(9g)の初期荷重を適用し、荷重(クロスヘッド速度)を増加させて、0.5インチ/分(0.13cm/分)で最大歪2.1%までサンプルを撓ませる。データはキロポンド/インチ(ksi)で報告する。1.0ksiは68気圧に等しい。
【0057】
プロトコール3:アイゾッド衝撃強さ試験
サンプルの室温(76°F,23℃)アイゾッド衝撃強さを、ASTM D256に従ってBaldwin衝撃試験機を用いて測定する。ノッチ半径は0.01インチ(0.03cm)であり、ノッチ後方の試験片の幅は0.40インチである。4ポンド(1.8kg)のハンマーを用い、摩擦及びウィンデージ(windage)を0.035及び0.015に設定する。データはフィート−ポンド/インチ(ft−lb/in)で報告する。1.00ft−lb/inは0.534ジュール/センチメーター(J/cm)に等しい。
【0058】
調製
調製1:水湿潤有機濾過ケークの調製
容器中でナトリウムフルオロマイカクレイ(Somasif ME−100)の2重量%水溶液を、適当量の乾燥フルオロマイカ粉末を80℃の高温脱イオン水中に入れて強力に混合することによって調製する。得られた混合物を冷まし、2日間そのまま放置して、不純物と大きな粒子を全て容器底部に沈降させる。混合物の透明な上部を分離して、ナトリウムフルオロマイカクレイの2重量%水溶液を得る。
【0059】
これとは別に、ARQUAD(登録商標)2HT(quat;ジメチルジ(C16〜C19)アルキル第四アンモニウムクロリド,Akzo Nobel Chemicals B.V.)のエタノール中3重量%溶液を調製する。フルオロマイカクレイの2重量%水溶液とARQUAD(登録商標)2HT/エタノール溶液を別々に70℃まで予熱し、加熱した材料をOakes反応器中で適当な流速で合して、クレイ対quatモル比(式量によって求めたフルオロマイカのモル数対quatイオンのモル数に基づく)1:0.7のフルオロマイカ/ARQUAD(登録商標)2HT有機クレイの懸濁液を得る。分離液体及び洗液の電導度を測定することによって監視した場合にNaClがほとんど除去されるまで、有機クレイを真空濾過によって液体から分離し且つ得られた濾過ケークを新鮮な脱イオン水で洗浄して、表題の水湿潤有機クレイ濾過ケークを得る。得られた水湿潤有機クレイ濾過ケークを各85gに5等分する。
【0060】
調製2:ジエチルベンゼン類湿潤有機クレイ濾過ケークの調製
前記調製1の水湿潤有機クレイ濾過ケークの2つを各回アセトン150mLで3回、次いでジエチルベンゼン類で1回洗浄して、表題のジエチルベンゼン類湿潤有機クレイ濾過ケークを2つ得る。(ジメチルベンゼン類は、ジエチルベンゼンの1,2−、1,3−及び1,4−位置異性体の混合物を意味する。)
【0061】
調製3:乾燥有機クレイの調製
前記調製1の水湿潤フルオロマイカ/ARQUAD(登録商標)2HT有機クレイの1つを一定重量まで乾燥させて、乾燥フルオロマイカ/ARQUAD(登録商標)2HT有機クレイを得る。
【0062】
調製4:合成α−リン酸ジルコニウム[Zr(HPO42・H2O]の合成
この調製は、Sun L.,et al.(前記)の方法に従う。テフロン(登録商標)凝縮器が連結されたテフロン(登録商標)フラスコ中でオキシ塩化ジルコニウム八水和物(ZrOCl2・8H2O;Aldrich Chemical Company)、リン酸(EM Science)及びフッ化水素酸(EMD Chemicals)を還流させて、α−リン酸ジルコニウム[Zr(HPO42・H2O]を粒子状固体として得る。
【0063】
調製5:α−リン酸ジルコニウムを含む有機塩の調製
前記調製4のα−リン酸ジルコニウムを、加水分解を最小限に抑えるために氷浴中で約0℃に保持された水中でテトラ(1−ブチル)アンモニウムヒドロキシド(TBA+O(H)-,Aldrich Chemical Company)に接触させることによって、剥離させる。水性分散液中のα−リン酸ジルコニウムの濃度を低モル濃度(;好ましくはモル濃度は分散液リットル当たりα−リン酸ジルコニウム約0.0050モル、即ち5.0×10-3である)に制御することによって、分散α−リン酸ジルコニウムをTBA+O(H)-と完全に反応させて、α−リン酸ジルコニウムを含む有機塩を得る。α−リン酸ジルコニウムを含む前記有機塩はTBA+O(H)-がインターカレートされ、剥離されている。この有機塩は、第1の態様の本発明方法に直接使用できる。所望ならば、この有機塩は、乾燥サンプル状態(シリコン・ウェハー上に流延し、室温で一晩中乾燥された状態)と湿潤サンプル状態(水性分散液中)下でX線回折(XRD)によって特性決定できる。湿潤サンプルの特定決定は、平らな液面を保持し且つXRD試験中の蒸発を最小限に抑えるために、シリコン・ウェハー上に液体フィルムの薄層を形成してから、前記フィルムにMylarフィルム(Complex Industries,Inc.,Palm City,FL)を被覆することによって実施できる。
【0064】
比較例
比較例1:DGDA−2490NT 97.8重量%及び有機クレイ2.2重量%を含むポリエチレンナノコンポジットの製造
ポリエチレンポリマー、DGDA−2490NTと前記調製2のジエチルベンゼン類湿潤有機クレイ濾過ケークの一部をHaake押出機中で合して、DGDA−2490NT 97.8重量%及び有機クレイ2.2重量%を含む比較例1のポリマーナノコンポジットを生成する。このナノコンポジットから射出成形バーを作成し、曲げ弾性率及びアイゾッド衝撃強さについて試験する。結果を下記表Iに示す。
【0065】
比較例2:ポリマー97.8重量%及び有機クレイ2.2重量%を含むポリエチレンナノコンポジットの製造
DGDA−2490NT 92重量%及びマレイン化相溶化剤1(前記参照)8重量%を含むポリマーをHaake押出機中で前記調製2のジエチルベンゼン類湿潤有機クレイ濾過ケークのもう1つの部分と合して、ポリマー97.8重量%及び有機クレイ2.2重量%を含む比較例2のポリマーナノコンポジットを生成する。比較例2のナノコンポジットから射出成形バーを作成して、曲げ弾性率及びアイゾッド衝撃強さについて試験する。結果を表Iに示す。
【0066】
比較例1及び2のナノコンポジット並びに元のDGDA−2490NTポリエチレンの曲げ弾性率及びアイゾッド衝撃強さの相対%改善率(+%)又は悪化率(−%)の結果もまた、表Iに示す。
【0067】
【表1】

【0068】
比較例3:DGDA−2490NT 95重量%及び有機クレイ5重量%を含むポリエチレンナノコンポジットの製造
DGDA−2490NT 95重量%と前記調製3のフルオロマイカクレイ及びARQUAD(登録商標)2HTを含む乾燥有機クレイの一部5重量%を合して、DGDA−2490NT 95重量%及び乾燥有機クレイ5重量%を含む比較例3のポリマーナノコンポジットを得る。比較例3のナノコンポジットから圧縮成形バーを作成し、曲げ弾性率及びアイゾッド衝撃強さについて試験する。元のDGDA−2490NTポリエチレンから作成した圧縮成形バーのベースラインの曲げ弾性率及びアイゾッド衝撃強さに比較した、比較例3のナノコンポジットの曲げ弾性率及びアイゾッド衝撃強さの相対%改善率(+%)又は悪化率(−%)の結果を下記表IIに示す。
【0069】
【表2】

【0070】
比較例4:ポリプロピレンポリマーINSPIRE(登録商標)112(The Dow Chemical Company)95重量%及び有機クレイ5重量%を含むポリプロピレンナノコンポジットの製造
ポリプロピレンポリマーINSPIRE(登録商標)112と調製3の乾燥有機クレイの一部をHaake押出機中で混合して、ポリプロピレンポリマーINSPIRE(登録商標)112 95重量%及び有機クレイ5重量%を含む比較例4のポリマーナノコンポジットを得る。比較例4のナノコンポジットから射出成形バーを作成し、それを壊して、新たに壊された表面を得る。新たに壊された表面の後方散乱SEM画像を撮影する。このSEM画像を図2に示す。
【0071】
本発明の実施例
実施例1及び2:ポリオレフィンナノコンポジット用の有機クレイの製造
調製1の水湿潤濾過ケークの2つの部分を別々に、表Iに示した量のポリエチレンポリマーDGDA−2490 NT及びマレイン化相溶化剤1と合して、ナノコンポジットを得る。実施例1及び2においては、水から分離されたままのクレイ濾過ケークを使用する。これらの有機クレイを別々にポリマー粉末と予備混合し、次いで得られた混合物をHaake押出機中に供給する。実施例1及び2のポリオレフィンナノコンポジットの射出成形バーを作成し、それらを曲げ弾性率及びアイゾッド衝撃強さについて試験する。結果を表IIIに示す。
【0072】
実施例3及び4:ポリオレフィンナノコンポジット用の有機クレイの製造
前記調製1の水湿潤濾過ケークの異なるバッチを用いて、表IIIに示した修正を加えて実施例1及び2の実験を繰り返して、実施例3及び4のポリオレフィンナノコンポジットを得る。実施例3及び4のポリオレフィンナノコンポジットの射出成形バーを作成し、それらを曲げ弾性率及びアイゾッド衝撃強さについて試験する。結果を表IIIに示す。
【0073】
【表3】

【0074】
表I及びIIIの結果の比較から、本発明に従って水湿潤有機クレイを用いて製造したポリマーナノコンポジットの機械的性質(曲げ弾性率及びアイゾット衝撃強さ)は、従来の有機溶媒湿潤有機クレイを用いて製造されたポリマーナノコンポジットのそれらの機械的性質にほぼ等しいと考えられることがわかる。更に、本発明の方法に従って水湿潤有機クレイを用いてポリマーナノコンボジットを製造する場合には、ポリマーナノコンポジット中に良好なクレイ分布を得る(ひいては曲げ弾性率の改善を達成する)のに相溶化剤の存在は必要ない。
【0075】
また、水湿潤又はジビニルベンゼン類湿潤有機クレイを用いて製造された実施例1〜4のナノコンポジットの機械的性質(曲げ弾性率及び衝撃靭性)も、乾燥有機クレイを用いて製造された比較例3のナノコンポジットの機械的性質より著しく優れている。
【0076】
実施例5:ポリプロピレンポリマーINSPIRE(登録商標)112(The Dow Chemical Company)95重量%及び有機クレイ5重量%を含むポリプロピレンナノコンポジットの製造
ポリプロピレンポリマーINSPIRE(登録商標)112と前記調製1の水湿潤有機クレイの一部をHaake押出機中で合して、ポリプロピレンポリマーINSPIRE(登録商標)112 95重量%及び有機クレイ5重量%を含む実施例5のポリマーナノコンポジットを得る。実施例5のナノコンポジットから射出成形バーを作成し、それを壊して新たに壊された表面を得る。新たに壊された表面の後方散乱SEM画像を撮影する。このSEM画像を図1に示す。
【0077】
図1及び2の比較から、乾燥有機クレイを用いて製造された比較例4のポリプロピレンナノコンポジット(図2)は大きいクレイ凝集塊(即ち1000nm又はそれ以上の寸法を有する粒子)を含むのに対して、実施例5のポリプロピレンナノコンポジット(図1)は大きいクレイ凝集塊を含まないことが明白である。
【0078】
本発明をその好ましい態様並びにその工程及び要素の実施例に従って前述したが、本発明はこの開示の精神及び範囲内で修正が可能である。従って、本出願は、本明細書中に開示した一般原則を用いた本発明の全ての変形形態、使用又は改変を網羅するものとする。更に、本出願は、本発明が関係する技術分野における周知の又は慣例的な実施の範囲に含まれ且つ添付した「特許請求の範囲」の範囲内に含まれる、本発明の開示からのこのような逸脱も網羅するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーナノコンポジットの製造方法であって、
当該製造方法が、ポリマーを含むメルトを、有機クレイ又は有機塩及び膨潤性液体を含む混合物に、剥離可能なように接触させて(ここで前記膨潤性液体は前記混合物の25重量%から95重量%未満を構成し、水90重量%超及び水混和性有機溶媒0重量%から10重量%未満を含む)、有機クレイ又は有機塩のメルト中分布物を生成せしめ;そして
前記分布物を冷却させて、有機クレイ又は有機塩及びポリマーを含むポリマーナノコンポジットを生成せしめ(ここで前記有機クレイ又は有機塩はカチオン交換性層状材料、有機カチオン及び無機カチオンを含み、前記カチオン交換性層状材料が、有機カチオンによって40〜99%交換されるカチオン交換能を有し、前記有機クレイ又は有機塩が、ポリマー中への分布時に剥離され、少なくとも1つの寸法が100ナノメーター(nm)未満である)
工程を含んでなる、ポリマーナノコンポジットの製造方法。
【請求項2】
前記方法が前記ポリマーナノコンポジットから前記膨潤性液体の少なくとも90%を除去する工程を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法が前記ポリマーナノコンポジットを成形若しくは押出して、それぞれ、成形品若しくは押出品を形成するか、又は前記ポリマーナノコンポジットをフォーム若しくはフィルムの形態にする工程を更に含んでなり、前記成形品若しくは押出品、フォーム又はフィルムが前記ポリマーナノコンポジットを含む請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が更に
(a)カチオン交換性層状材料及び交換可能な無機カチオンを含み且つカチオン交換能を有する無機クレイを、水を含む前駆体液体中で混合して、膨潤無機クレイの水性混合物を生成せしめ(ここで前記前駆体液体と膨潤性液体の組成は同一である);
(b)有機カチオン及び対アニオンを含む有機カチオン材料を膨潤無機クレイに接触させて、前駆体液体、交換可能なカチオンと対アニオンを含む塩及びカチオン交換性層状材料と有機カチオンを含む有機クレイを含む予備混合物を生成せしめ(ここで前記無機クレイのカチオン交換能は前記有機カチオンで40〜99%交換されている);
(c1)前記予備混合物から前記前駆体液体の一部を除去して、有機クレイ及び水を含む混合物を生成せしめる(ここで水は前記混合物の25重量%から95重量%未満を構成する)
予備工程を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記工程(c1)が、工程(c1)の有機クレイを、精製水90重量%超及び水混和性有機溶媒0重量%から10重量%未満を含む膨潤性液体で洗浄して、有機クレイ及び膨潤性液体を含む混合物を生成せしめることを含み、前記有機クレイが脱塩され、前記膨潤性液体が前記混合物の25重量%から95重量%未満を構成し且つ膨潤性液体が水90重量%超及び水混和性有機溶媒0重量%から10重量%未満を含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記方法が
(a)カチオン交換性層状材料及び交換可能な無機カチオンを含み且つカチオン交換能を有する無機クレイを、水を含む前駆体液体中で混合して、膨潤無機クレイの水性混合物を生成せしめ(ここで前記前駆体液体と膨潤性液体の組成は異なる);(b)有機カチオン及び対アニオンを含む有機カチオン材料を膨潤無機クレイに接触させて、前駆体液体、交換可能なカチオンと対アニオンを含む塩及びカチオン交換性層状材料と有機カチオンを含む有機クレイを含む予備混合物を生成し(ここで前記無機クレイのカチオン交換能は前記有機カチオンで40〜99%交換される);(c2)有機クレイを、90重量%超の精製水及び0重量%〜10重量%未満の水混和性有機溶媒を含む膨潤性液体で洗浄して、有機クレイ及び膨潤性液体を含む混合物を生成する(ここで前記膨潤性液体は前記混合物の25重量%から95重量%未満を構成し、前記膨潤性液体は水90重量%超及び水混和性有機溶媒0重量%から10重量%未満を含み、そして前記有機クレイは、交換可能なカチオン及び対アニオンを含む塩のほとんどが除去された脱塩有機クレイである)
予備工程を更に含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記有機カチオンがオニウムイオンを含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記オニウムイオンがホスホニウム、アルセニウム、スルホニウム、オキソニウム、イミダゾリウム、ベンゾイミダゾリウム、イミダゾリニウム、第四アンモニウム、プロトン化アミン、プロトン化アミンオキシド、プロトン化ベタイン、ピリジニウム、アニリニウム、ピロリウム、ピペリジニウム、ピラゾリウム、キノリニウム、イソキノリニウム、インドリウム、オキサゾリウム、ベンゾオキサゾリウム若しくはキヌクリジニウムイオン又はそれらの2種若しくはそれ以上の組合せを含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記カチオン交換性層状材料がモンモリロナイト、マイカ、フルオロマイカ、セピオライト、ノントロナイト、ベントナイト、カオリナイト、バイデライト、ボルコンスコナイト、ヘクトライト、フルオロヘクトライト、サポナイト、ソーコナイト、スチーブンサイト、ハロイサイト、マガダイト、メドモンタイト、ケニヤアイト若しくはバーミュキュライト又はそれらの2種若しくはそれ以上の混合物に由来する請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記カチオン交換性層状材料がフルオロマイカに由来する請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ポリマーが熱可塑性ポリマーである請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記ポリマーがフルオロプラスチック、ポリ(フェニレンエーテルケトン)、脂肪族ポリケトン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン又はポリオレフィンである請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記ポリマーがポリオレフィン、ポリスチレン、フルオロプラスチック、ハロゲン化ポリビニルポリマー又はそれらの混合物である請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記カチオン交換能が前記カチオンで50〜80%交換される請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記膨潤性液体が99重量%超の水を含む請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法によって製造されたポリマーナノコンポジット。
【請求項17】
前記有機クレイが脱塩有機クレイ、0.05〜25重量%のポリマーナノコンポジット又は両者である請求項16に記載のポリマーナノコンポジット。
【請求項18】
前記有機クレイが0.5〜6重量%の前記ポリマーナノコンポジットである請求項17に記載のポリマーナノコンポジット。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−528729(P2011−528729A)
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−518908(P2011−518908)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際出願番号】PCT/US2009/050829
【国際公開番号】WO2010/009306
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】