説明

ポリマーメルト中への添加剤の添加方法

a.ポリマーメルトを反応器から抜出して、抜出ポリマーメルト流を形成し;そしてb.前記抜出ポリマーメルト流を固化させ;そしてc.固化の前に、前記抜出ポリマーメルト流の一部をスリップ流に供給して、スリップ流ポリマーメルトを形成し;そしてd.前記スリップ流ポリマーメルト中に添加剤を供給して、添加剤含有スリップ流を形成し;そしてe.前記の添加剤含有スリップ流を、前記スリップ流を形成する供給位置から上流の位置に供給することを含んでなる、ポリマーメルト、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)のようなポリエステルポリマー中に添加剤を添加する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマーメルト流中への添加剤の添加、更に詳細には、ポリエステルポリマーのようなポリマーメルト中にスリップ流(slipstream)を介して添加剤を添加することに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマーの目的最終用途によっては、1種又はそれ以上の添加剤を含むポリマー、詳細にはポリエステルポリマーがよく製造される。例えば、ポリエステルポリマーの場合には、1種又はそれ以上の紫外線阻害剤、ポリエステルポリマーから製造されるボトルプレフォームの再加熱を改良するための粒子、トナー若しくは顔料又は着色粒子、アセトアルデヒド掃去剤又は阻害剤、触媒失活剤又は安定化剤、酸素遮断材、減摩助剤、結晶化助剤、耐衝撃性改良剤などを混和するのが普通である。場合によっては、これらの添加剤はポリマーに不溶性であり、充分な混合が必要である。更に、一部の添加剤は、重縮合法において典型的に見られるように、高温への長時間の暴露によって影響されやすい可能性がある。別の場合には、一部の添加剤は触媒の活性を阻害するおそれがある。
【0003】
従って、少なくとも高温への暴露時間を最小限に抑える、若しくは触媒の活性を阻害しない、若しくは充分な混合を提供する、又は前記の組合せである方法で、ポリマーメルト流に添加剤を添加する方法を提供することが望まれる。
【0004】
エチレングリコールのような低分子量キャリア又はポリオキシアルキレンポリオールのようなより高分子量の反応性キャリア中の添加剤分散液又は溶液を、エステル化後の溶融相反応に及び重縮合に加える方法も知られている。しかし、これらの方法は、オリゴマー混合物中又はポリマーメルト中に余分のグリコールを添加する結果となり、それは、場合によっては、重縮合反応の終了に向かって反応を更に進めるに際には特に望ましくない。キャリアを用いない、純粋なままの(稀釈されていない)添加剤の添加は通常は難しいので、所望の量を計量供給及び添加することができない。
【発明の開示】
【0005】
a.ポリマーメルトを反応器から抜出して、抜出ポリマーメルト流を形成し;そして
b.前記抜出ポリマーメルト流を固化させ;そして
c.固化の前に、前記抜出ポリマーメルト流の一部をスリップ流に供給して、スリップ流ポリマーメルトを形成し;そして
d.前記スリップ流ポリマーメルト中に添加剤を供給して、添加剤含有スリップ流を形成し;そして
e.前記の添加剤含有スリップ流を、前記スリップ流を形成する供給位置から上流の位置に供給する
ことを含んでなるポリマーメルト、好ましくはポリエステルポリマーメルト中への添加剤の添加方法が提供される。
【0006】
この添加剤は液体又は固体であり、純粋なまま(稀釈せずに)又は最小量のキャリア流体を用いて添加でき、スリップ流ポリマー中にポンプで送り込むこともできるし、或いは押出機を経てスリップ流ポリマー中に供給することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、添加剤をポリマーメルト流中に添加するためのスリップ流法を説明するフロー図である。
【0008】
図2は、ポリマーメルト流中に添加剤及びポリマー又は第2の添加剤を添加するためのスリップ流法を説明する別の実施態様である。
【0009】
明細書及び添付した「特許請求の範囲」において使用する単数形の用語は、前後関係からそうでないことが明白に示されない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。例えば、1種の「ポリマー」、1つの「プレフォーム」、1つの「物品」、1つの「容器」又は1つの「ボトル」の加工又は製造への言及は、複数の種類のポリマー、複数のプレフォーム、複数の物品、複数の容器又は複数のボトルの加工又は製造を含むものとする。「1つの」成分又は「1種の」ポリマーを含む組成物への言及は、名前を挙げたものに加えて、他の複数の成分又は他の複数の種類のポリマーをそれぞれ含むものとする。
【0010】
「含んでなる(comprising)」又は「含む」又は「有する」は、少なくとも名前を挙げた化合物、要素、粒子又は方法工程が組成物又は物品又は方法に存在しなければならないが、他の化合物、材料、粒子、方法工程などが名前を挙げたものと同じ機能を有するならば、「特許請求の範囲」において明白に排除されなければ、他のこのような化合物、触媒、材料、粒子、方法工程などの存在を排除しないことを意味する。
【0011】
また、1つ又はそれ以上の方法工程への言及は、列挙された工程の組合せの前又は後の追加の方法工程又ははっきりと特定されたこれらの工程の間に介在する方法工程の存在を除外しないことを理解すべきである。更に、プロセス工程の文字は、別個の作業又は工程を特定するための簡便な手段であり、特に断らない限り、列挙したプロセス工程は任意の順序で配列することができる。
【0012】
範囲の表現は、その範囲内の全ての整数及び分数を含む。プロセスにおける、又は反応混合物の、又はメルトの若しくはメルトに適用される、又はポリマーの若しくはポリマーに適用される温度又は温度範囲の表現は、全ての場合において、適用温度、メルト若しくはポリマーの実際温度又はその両者が指定された温度であるか又は指定された範囲内にあるならば、その制限を満たすことを意味する。
【0013】
用語「組成物」は、列挙した各成分が組成物中に存在することを意味し、組成物中の成分が未結合であるか未反応であるという意味は含まない。組成物は、固体又は液体であることができる。組成物中の表示成分は結合していても、未結合でも、反応されていても、未反応でもよく、特に断らない限り、任意の酸化状態であることができる。
【0014】
「完成」ポリマー組成物又はポリマーメルト流は、組成を更に変化させずにポリマーメルトの溶融相重縮合から得られたポリマー組成物を意味する。溶融相重縮合プロセスから固化後の完成ポリマー組成物には変更及び組成の修正を行うことができる。
【0015】
本明細書の全体を通して記載したIt.V.値は、60重量%のフェノール及び40重量%の1,1,2,2−テトラクロロエタンからなる溶媒中で25℃において測定したインヘレント粘度から計算して、dL/gの単位で示してある。ポリマーサンプルは前記溶媒中に0.25g/50mLの濃度で溶解させる。ポリマー溶液の粘度は、Viscotek Modified Differential Viscometerを用いて測定する。示差粘度計(differential viscometer)の操作原理はASTM D 5225に記載されている。インヘレント粘度は、測定した溶液粘度から計算する。以下の式は、このような溶液粘度測定値とその後の、Ih.V.までの計算及びIh.V.からIt.V.までの計算を記載している:
【0016】
ηinh=[ln(ts/t0)]/C
[式中、ηinh=フェノール60重量%及び1,1,2,2−テトラクロロエタン40重量%の溶媒100mL当たり0.5gのポリマー濃度で25℃において測定したインヘレント粘度
ln=自然対数
s=毛細管を通るサンプルの流下時間
0=毛細管を通る溶媒ブランクの流下時間
C=溶媒100mL当たりのポリマー(g)の濃度(0.50%)]。
【0017】
極限粘度数(intrinsic viscosity)は、ポリマーの比粘度(specific viscosity)の無限稀釈における極限値である。これは以下の式によって定義される:
ηint=lim(ηsp/C)=lim (lnηr)/C
C→0 C→0
(式中、ηint=極限粘度数
ηr=相対粘度(relative viscosity)=ts/t0
ηsp=比粘度=ηr−1)。
【0018】
計測器の較正は、標準対照材料を三重反復試験し、次いで適当な数式を適用して「許容」Ih.V.値を得ることを含む。較正のために用いた3つの値は、0.010の範囲内とし;そうでなければ、この範囲内の3つの連続した結果が得られるまで、問題を解決し、標準の試験を繰り返すものとする。
【0019】
較正係数=対照材料の許容IV/三重反復測定値の平均
各サンプルの未修正インヘレント粘度(ηinh)を、以下の式:
ηinh=[ln(P2/KP1)]/C
(式中、P2=毛細管P2中の圧力
1=毛細管P1中の圧力
ln=自然対数
K=ベースラインの読み取り値から得られる粘度定数
C=ポリマーの濃度(溶媒100mL当たりのg))
を用いて、Viscotek Model Y501 Relative Viscometerから計算する。
【0020】
標準対照材料を用いた較正に基づく修正Ih.V.は以下のように計算する:
修正Ih.V.=計算Ih.V.×較正係数
極限粘度数(It.V.又はηint)は、Billmeyer式を用いて以下のように概算できる:
ηint=0.5[e0.5×修正Ih.V.−1]+(0.75×修正Ih.V.)。
【0021】
極限粘度数の評価に関する参考文献(Billmeyer関連)は、J.Polymer Sci.,,83−86頁(1949)である。
【0022】
遷移金属と共に使用する「原子」は、遷移金属原子が、ポリマー又は物質組成に添加されたものであるにしてもポリマー又は物質組成中に存在するものであるにしても、任意の酸化状態、任意の形態的状態、任意の構造状態及び任意の化学的状態をとる遷移金属原子を意味する。
【0023】
ポリマーメルト流は、液体状態であって且つ添加剤を受け入れるのに適当な任意のポリマーである。このようなポリマーメルト流の例は、熱可塑性ポリマー、より好ましくはポリエステルポリマー、より詳細には、テレフタレート又はナフタレートの反復単位を含むポリエステルポリマーである。
【0024】
「ポリエステルポリマー」は、任意の熱可塑性ポリエステルポリマーである。本発明のポリエステル熱可塑性ポリマーと、液晶ポリマー及び熱硬化性ポリマーとは、熱可塑性ポリマーは液相(溶融相)においては認められるほどの規則的構造をもたず且つ熱可塑性ポリマーは再溶融させて成形品に再造形できるが、液晶ポリマー及び熱硬化性ポリマーは包装又は容器を製造するための金型中における延伸のような用途には適さない点で、区別できる。
【0025】
ポリエステルポリマーは、ポリマー鎖中にアルキレンテレフタレート又はアルキレンナフタレート反復単位のような反復アルキレンアリーレート単位を含む。これらの反復単位のより具体的な例としては、エチレンテレフタレート、エチレンナフタレート及びトリメチレンテレフタレートが挙げられる。より好ましいのは、
(i)ポリエステルポリマー中のカルボン酸成分残基100モル%に基づき、少なくとも80モル%のテレフタル酸、テレフタル酸誘導体、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸誘導体又はそれらの混合物の残基を含むカルボン酸成分、及び
(ii)ポリエステルポリマー中のヒドロキル成分残基100モル%に基づき、少なくとも40モル%、又は少なくとも60モル%、又は少なくとも80モル%のエチレングリコール若しくはプロパンジオール又はシクロヘキサンジメタノール、好ましくはエチレングリコールの残基を含むヒドロキシル成分
を含むポリエステルポリマーである。
【0026】
典型的には、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステルは、エチレングリコールのようなジオールと遊離酸又はそのC1〜C4ジアルキルエステルとしてのジカルボン酸とを反応させることによってエステルモノマー及び/又はオリゴマーを生成し、次いで重縮合させてポリエステルを生成することによって製造する。カルボン酸酸基又はその誘導体を含む1種より多くの化合物をこのプロセスの間に反応させることができる。前記ポリエステル生成物の一部となるカルボン酸基又はその誘導体を含む、このプロセスに入る全ての化合物が、「カルボン酸成分」を構成する。生成物中に存在するカルボン酸基又はその誘導体を含む全ての化合物のモル%は合計100になる。前記ポリエステル生成物中に存在するカルボン酸基又はその誘導体を含む化合物の「残基(residue)」は、前記化合物をヒドロキシル基を含む化合物と縮合させ且つ更に重縮合させて種々の長さのポリエステルポリマー鎖を形成した後に前記ポリエステル生成物中に残る前記化合物の部分を意味する。
【0027】
ヒドロキシル基又はその誘導体を含む1種より多くの化合物が、ポリエステルポリマー生成物の一部となることができる。前記ポリエステル生成物の一部となる、ヒドロキシル基又はその誘導体を含む、前記プロセスに入る全ての化合物が、ヒドロキシル成分を構成する。前記ポリエステル生成物中の一部となるヒドロキシル又はその誘導体を含む全ての化合物のモル%は合計100になる。前記ポリエステル生成物の一部となるヒドロキシル官能性化合物又はその誘導体の「残基」は、前記化合物をカルボン酸基又はその誘導体を含む化合物と縮合させ且つ更に重縮合させて種々の長さのポリエステルポリマー鎖を形成した後に前記ポリエステル生成物中に残る前記化合物の部分を意味する。
【0028】
生成物中のヒドロキシル残基及びカルボン酸残基のモル%はプロトンNMRによって測定できる。
【0029】
別の好ましい実施態様において、ポリエステルポリマーは、
(a)ポリエステルポリマー中のカルボン酸成分残基100モル%に基づき、少なくとも90モル%、又は少なくとも92モル%、又は少なくとも96モル%のテレフタル酸、テレフタル酸誘導体、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸誘導体又はそれらの混合物の残基を含むカルボン酸成分、及び
(b)ポリエステルポリマー中のヒドロキシル成分残基100モル%に基づき、少なくとも90モル%、又は少なくとも92モル%、又は少なくとも96モル%のエチレングリコール又はプロパンジオール、好ましくはエチレングリコールの残基を含むヒドロキシル成分
を含む。
【0030】
ポリエステルポリマーの製造時におけるカルボン酸成分とヒドロキシル成分との反応は、使用するカルボン酸100モル%に対して、必要に応じて大過剰のヒドロキシル成分、例えば約200モル%までのヒドロキシル成分を使用できるので、記載したモル百分率に限定するものではない。しかし、この反応によって製造されるポリエステルポリマーは、記載した量の芳香族ジカルボン酸残基及びエチレングリコール残基を含むものとする。
【0031】
テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸の誘導体としては、C1〜C4ジアルキルテレフタレート及びC1〜C4ジアルキルナフタレート、例えばジメチルテレフタレート及びジメチルナフタレートが挙げられる。
【0032】
改質剤は、ポリマー中のそれぞれの成分の総モルに基づき、40モル%以下、又は20モル%以下、又は10モル%以下、又は8モル%以下、又は4モル%以下の量で存在できる。好ましくは、一官能価、三官能価及びそれより高い官能価の改質剤がわずか約8モル%以下又は4モル%以下の量で存在する。
【0033】
テレフタル酸、テレフタル酸誘導体、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸誘導体又はそれらの混合物である二酸成分の他に、本発明のカルボン酸成分は、1種又はそれ以上の追加の改質用カルボン酸化合物を含むことができる。このような追加の改質用カルボン酸化合物としてはモノカルボン酸化合物、ジカルボン酸化合物及びそれ以上のカルボン酸基を有する化合物が挙げられる。例としては、炭素数が好ましくは8〜14の芳香族ジカルボン酸、炭素数が好ましくは4〜12の脂肪族ジカルボン酸又は炭素数が好ましくは8〜12の脂環式の脂環式ジカルボン酸が挙げられる。酸成分として有用な改質用ジカルボン酸の更に具体的な例は、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、シクロヘキサン二酢酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などであり、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸及びシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸が最も好ましい。これらの酸の対応する酸無水物、エステル及び酸塩化物も、用語「カルボン酸」に含めることを理解されたい。トリカルボキシル化合物分岐剤及びそれより多くのカルボン酸基を有する化合物も、モノカルボン酸連鎖停止剤と共にポリエステルを改質できる。
【0034】
エチレングリコールを含むヒドロキシル成分の他に、本発明のポリエステルのヒドロキシル成分は追加の改質用モノオール、ジオール又はそれより多くのヒドロキシル基を有する化合物を含むことができる。改質用ヒドロキシル化合物の例としては、炭素数が好ましくは6〜20の脂環式ジオール及び/又は炭素数が好ましくは3〜20の脂肪族ジオールが挙げられる。このようなジオールのより具体的な例としては、ジエチレングリコール;トリエチレングリコール:1,4−シクロヘキサンジメタノール;プロパン−1,3−ジオール;ブタン−1,4−ジオール;ペンタン−1,5−ジオール;ヘキサン−1,6−ジオール;3−メチルペンタンジオール−(2,4);2−メチルペンタンジオール−(1,4);2,2,4−トリメチルペンタン−ジオール−(1,3);2,5−エチルヘキサンジオール−(1,3);2,2−ジエチルプロパン−ジオール−(1,3);ヘキサンジオール−(1,3);1,4−ジ−(ヒドロキシエトキシ)−ベンゼン;2,2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン;2,4−ジヒドロキシ−1,1,3,3−テトラメチル−シクロブタン;2.2−ビス−(3−ヒドロキシエトキシフェニル)−プロパン;及び2,2−ビス−(4−ヒドロキシプロポキシフェニル)−プロパンが挙げられる。改質剤として、ポリエステルポリマーは好ましくは、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジメタノール及びジエチレングリコールのようなコモノマーを含むことができる。
【0035】
ポリエステル組成物は、ポリアルキレンテレフタレート及び/又はポリアルキレンナフタレートとポリカーボネート(PC)及びポリアミドのような他の熱可塑性ポリマーとのブレンドを含むことができる。ポリエステル組成物は、大部分がポリエステルポリマーである、より好ましくは全熱可塑性ポリマー(充填剤、無機化合物若しくは粒子、繊維、耐衝撃性改良剤、又は不連続相を形成し得る他のポリマーを除外する)の重量に基づき、少なくとも80重量%、又は少なくとも95重量%、最も好ましくは100重量%の量でポリエステルポリマーを含むのが好ましい。また、ポリエステルポリマーは、充填剤、繊維若しくは耐衝撃性改良剤又は不連続相を形成する他のポリマーを含まないのが好ましい。
【0036】
一実施態様において、組成物は、スリップ流(slip stream)中に混和するための添加剤を含むコンセントレート中の溶融ポリマーであることができる、スリップ流中に添加される組成物中に存在する使用済みリサイクルポリエステルポリマー(PCR)を含む。このように、一工程で、PCRを未使用ポリエステルポリマー中に添加し且つブレンドするか又はエステル交換すると共に所望の添加剤を未使用ポリマー中に添加する簡便な方法が提供される。一実施態様において、完成ポリマー組成物は少なくとも5重量%、又は少なくとも10重量%、又は少なくとも15重量%のPCRを含む。別の実施態様において、スクラップ、廃棄物又はリグラインド未使用ポリエステルポリマーをスリップ流に添加して、完成ポリマー組成物が少なくとも0.5重量%、又は少なくとも1重量%、又は少なくとも5重量%のスクラップ、リグラインド若しくは廃棄物ポリマー又は更には規格外ポリマー含むようにすることもできる。
【0037】
ポリエステルポリマーメルトは、所望のIt.V.を有するポリエステルポリマーを生成するためのエステル化及び重縮合を行うのに充分な、当業界で知られた任意のエステル化及び重合方法によって製造できる。ポリエステル溶融相製造法は、エステル化ゾーンにおける、場合によってはエステル化触媒の存在下での、ジカルボン酸とジオールとの直接縮合と、それに続く、プレポリマー、予備仕上げ(prefinishing)及び/又は仕上げゾーン中における重縮合触媒の存在下での重縮合を含む。典型的な重縮合触媒としては、アンチモン、ゲルマニウム、チタン、アルカリ土類金属若しくはアルカリ金属、アルミニウム、マグネシウム、マンガン、亜鉛、コバルト、錫の原子及び他の既知の金属原子をベースとする触媒のような、当業界で知られた任意の触媒を挙げることができる。
【0038】
本発明においては、ポリマーメルトを反応器から抜出させて、抜出ポリマーメルト流を形成する。ポリマーメルトは、ポリエステルポリマーを製造するための溶融相プレセスにおいて製造する。溶融相プロセスは、ポリマーを製造するのに使用する反応体から得られる固体ポリマーの製造及び単離に使用される全ての装置及び方法を含む。
【0039】
反応器は、ポリエステルポリマーメルトが存在するという前提でポリエステルポリマーを製造するための溶融相プロセスにおいて使用される任意の反応器であることができる。反応器は望ましくは重縮合反応器であり、それらは、予備重合反応器、予備仕上げ反応器、第1段階反応器、第2段階反応器若しくは仕上げ反応器又はそれらの同等物を含む1つ又はそれ以上の種々の名称に該当する。メルトのIt.V.が所望の最終It.V.まで増加するまで、重縮合を典型的には1つ又はそれ以上の仕上げ容器中で継続させ、且つ必ずしもそうではないが一般的には、予備重合ゾーン中に存在するよりも高い温度まで、250〜310℃、より好ましくは270〜300℃の範囲内の温度まで昇温させる。当業界で「高重合器」、「仕上げ機」又は「重縮合器」として一般に知られる最終容器は、また、通常は、予備重合ゾーン中で使用するより低い圧力で運転して、更にジオール及び/又は他の副生成物を飛ばし且つポリマーメルトをの分子量を増大させる。仕上げゾーン中の圧力は、約0.2〜20mmHg、又は0.2〜10mmHg、又は0.2〜2mmHgの範囲内であることができる。仕上げゾーンは典型的にはプレポリマーゾーンと同じ基本的な化学反応を含むが、分子のサイズ、従って粘度が異なるという事実は、反応条件も異なることを意味する。しかし、プレポリマー反応器と同様に、仕上げ反応器のそれぞれを真空又は不活性ガス下で運転し、必ずしもそうではないが典型的には、それぞれを機械的に撹拌して、ジオール及び/又は他の副生成物の除去を促進する。いくつかの別個のIt.V.値において種々の運転条件に言及したが、記載したIt.V.値の範囲内又は範囲外において異なるプロセス条件を実行することもできるし、或いは記載した運転条件を、記載した以外のメルト中のIt.V.点において適用することもできる。更に、メルトのIt.V.を測定又は予測する代わりに、反応時間に基づいてプロセス条件を調整することもできる。プロセスはまた、直列又は並列での槽型反応器の使用にもゾーンごとに異なる容器の使用にも限定するものではない。例えば、反応器は1つ又はそれ以上の管型反応器であることができる。そしてまた、重縮合反応は、1つの重縮合反応器中で時間の経過と共に運転条件をわずかに変動し続けながら、又は直列の多数の反応器中で、又は回分、半回分若しくは連続法で行うことができるので、重縮合反応をプレポリマーゾーンと仕上げゾーンに分割する必要もない。
【0040】
ポリエステルメルトは、抜出ポリマーメルト流中で少なくとも0.2dL/g、又は少なくとも0.3dL/g、又は少なくとも0.4dL/g、又は少なくとも0.5dL/g、又は少なくとも0.60dL/g、又は少なくとも0.68dL/g、望ましくは少なくとも0.70dL/g、又は少なくとも0.72dL/g、又は少なくとも0.74dL/g、又は少なくとも0.76dL/g、又は少なくとも0.80dL/gのIt.V.を有する必要がある。好ましくは、ポリマーメルトは、溶融相プロセスにおいて使用する、典型的には仕上げ機又は最終重縮合反応器として知られる最終反応器から抜出す。より好ましくは、ポリマーメルトは、溶融相プロセスの最終反応器の底部又は最終段階から抜出す。図1に示されるように、ポリエステルポリマーメルトのようなポリマーメルト101を、重縮合が継続される最終仕上げ(又は最終重縮合)反応器102に供給し、容器102からギアポンプ104又は他の適当な動力によって抜出ポリマーメルト流103として抜出す。一実施態様において、抜出ポリエステルポリマーメルト流中のポリエステルポリマーは、少なくとも0.60dL/g、又は少なくとも0.68dL/g、又は少なくとも0.72dL/g、又は少なくとも0.74dL/g、又は少なくとも0.76dL/gのIt.V.を有する。ポリマーメルトを最終反応器102から抜出す時点で、ポリマーメルトは、スリップ流によって供給される添加剤を含んでもよいし、含まなくてもよい。図1に示されるように、抜出ポリマーメルト流103は、最終反応器102に入るライン112からのスリップ流によって供給される添加剤を含むであろう。
【0041】
工程b)において、抜出ポリマーメルト流は最終的に任意の方法によって固化させる。抜出ポリマーメルト流を固化させる時点で、抜出ポリマーメルト流は以下の詳述するように、スリップ流を経て供給される添加剤を含む。溶融相プロセスからのポリエステルポリマーを固化させる方法は限定するものではない。ダイシング、ストランドペレット化及びストランド(強制運搬)ペレット化、パスティレーター(pastillator)、ウォーターリングペレタイザー、ホットカットペレタイザー(hot face pelletizer)、水中ペレタイザー(underwater pelletizer)(カッター)及び遠心ペレタイザーを含む(これらに限定するものではないが)任意の従来の高温ペレット化又はダイシング法及び装置を使用できる。例えば、溶融相からの溶融ポリエステルポリマーをダイを通して誘導するか、又は単に切断するか、又はダイを通して誘導した後に溶融ポリマーを切断することができる。ギアポンプを動力として使用して、溶融ポリエステルポリマーをダイに通すことができる。ギアポンプを用いる代わりに、溶融ポリエステルポリマーを一軸又は二軸スクリュー押出機に供給し、ダイを通して、場合によっては押出機ノズルにおいて190℃又はそれ以上の温度で押出することができる。ダイを通した後、ポリエステルポリマーを延伸してストランドにし、低温の流体と接触させ、細断してペレットにすることもできるし、或いはポリマーをダイヘッドにおいて、場合によっては水中で、ペレット化することができる。ポリエステルポリマーメルトは場合によってはフィルター104を通して濾過して、指定されたサイズを超える粒子を除去してから切断する。
【0042】
溶融相生成物は、非晶質粒子のような所望の形態に加工する。ポリエステルポリマー粒子の形状は限定するものではなく、星形、球、回転楕円体(spheroid)、球状体(globoid)、円筒形ペレット、従来型のペレット、パステル及び他の任意の形状を含む規則正しい又は不規則な形の離散粒子であることができ、それの寸法に制限はない。
【0043】
工程c)において、抜出ポリマーメルト流103の一部を、固化の前に、スリップ流に供給するか又はそらして、スリップ流メルトを形成する。そらす量は、バルブ又は流れを調整することが知られている他の適当な手段によって調整できる。スリップ流ラムバルブ106は、抜出ポリマーメルト流の一部をスリップ流105中に除去できるように図示されている。所望ならば、スリップ流溶融ポリマーを、抜出ポリマーが採取された反応器に又は抜出ポリマーが採取された反応器の上流の任意の他の反応器に強制的に戻す動力を提供する任意のポンプを使用することができる。
【0044】
工程d)において、添加剤を前記スリップ流ポリマーメルト中に供給して、添加剤含有ポリマーメルト流を形成する。例えば、図1に図示されるように、添加剤流107中の添加剤を、トート(tote)からポンプ(図示せず)を経て、又は任意の他の供給源からポンプ若しくは添加剤を添加剤注入点を経てスリップ流中に供給する動力を提供する他の装置、例えばラムバルブ108を経て、スリップ流ライン105中に供給する。使用する添加剤の量は、調整器によって調整できる。添加剤ラムバルブ108が、添加剤流の流れをスリップ流に送り出す1つの手段として図示されている。スリップ流に添加された添加剤流は、添加剤含有ポリマーメルト流109を形成する。
【0045】
ライン107からの添加剤を供給し且つライン105に入る添加剤注入ノズル(図示せず)は、目詰まりを防ぐ設計でなければならない。例えば、注入ノズルは、スリップ流管の中心線に突き出るノズル部分を有することができる。ノズル先端の開口部は、スリップ流溶融ポリマーがノズルに入らないように充分に小さい直径に制限する。この小さい制限が、スリップ流溶融ポリマー中への添加剤組成物の注入時に、先端をはさんで圧力降下を生じる。ラムバルブを閉じると、ピストンの延長部がノズル中に挿入され、ノズル先端を通って伸びて、ポリマーがノズルに入るのを防ぐ。
【0046】
スリップ流中への添加剤供給速度は、固化の準備ができている完成ポリマーメルト流120中の添加剤の目的濃度によって異なるであろう。
【0047】
添加剤は液体添加剤又は固体添加剤であることができる。液体添加剤の例は、反応器102中に存在する重縮合触媒の安定化又は失活に使用する燐系化合物である。固体添加剤の例としては、再加熱添加剤又はスリップ剤として使用する金属粉末又は分散液、又は供給前に場合によっては溶融させることができるバリア材若しくは掃去材が挙げられる。好ましくは、任意の固体添加剤を最初に、反応器中で製造したのと同様な又は同じ型のポリマー中に配合してコンセントレートを形成し、このコンセントレートを溶融された形態でスリップ流に供給する。
【0048】
例えば、少なくとも0.60dL/gのIt.V.を有するポリエステルポリマー及び添加剤を含む固体コンセントレートを溶融させて、ポンプ輸送することができる(ギアポンプを経てスリップ流ライン105中に、抜出ポリマーメルト流103又は完成ポリマー組成物120中の添加剤の所定の濃度に対応する所定の速度として、計量供給又は押出又は供給することができる)。供給速度は、コンセントレート中の添加剤の濃度、抜出ポリマーメルト流103又は完成ポリマー組成物120中の添加剤の目的濃度及びスリップ流の流速によって決定されるであろう。固体添加剤組成物を製造及び供給できる手段はさまざまであることができる。例えば、前述のように、濃縮量の添加剤を含む予め製造された固体コンセントレートペレットを一軸スクリュー押出機に供給し、溶融させ、スリップ流ライン105中に計量供給することができる。別法として、添加剤を配合し且つスリップ流中に供給することもできる。これは、一軸又は二軸スクリュー押出機中の固体ポリエステルポリマーペレットに純粋な(稀釈していない)添加剤を配合し且つ得られた溶融添加剤組成物をスリップ流中に供給することよって行うことができる。
【0049】
スリップ流が連続的に引き出され且つ抜出ポリマーメルト流がライン104を経て供給された添加剤を含むので、ライン105中のスリップ流の組成物は、ライン107を経て供給された添加剤を含むであろう。しかし、抜出ポリマーメルト流の一部だけがスリップ流に供給され且つ抜出ポリマーメルト流は連続的に抜出されるので、添加剤はライン107を経てスリップ流ポリマーメルト中に供給して、添加剤含有スリップ流を形成する。この添加剤含有スリップ流は、添加剤の添加前のスリップ流ポリマーメルト中の添加剤の濃度に比較して、ライン107を経て供給される添加剤の濃度が高い。スリップ流ポリマーメルト中の添加剤の濃度は、添加剤含有スリップ流中の添加剤の濃度よりも低い。一実施態様において、添加剤含有スリップ流中の添加剤の濃度は、スリップ流ポリマーメルト中の添加剤の濃度よりも少なくとも5%、又は少なくとも10%、又は少なくとも20%、又は少なくとも25%、又は少なくとも50%、又は少なくとも75%増加される。
【0050】
添加剤を、必要に応じて連続的又は断続的にスリップ流ポリマーメルト中に供給して、完成ポリマー組成物中の添加剤の濃度を高めることができる。好ましくは、添加剤は連続的に供給する。
【0051】
スリップ流の流速は、スリップ流105と直列のポンプ(図示せず)によって、又はギアポンプ104によって、抜出ポリマーメルト流ライン103中に引き起こされる圧力によって、又は流量調節弁によって、又は所望の圧力降下までパイプラインをサイズ変更することによって、調整できる。
【0052】
図1には、圧力駆動スリップ流ライン105が図示されている。ライン105からライン109及び112へのスリップ流の流速は、スリップ流への供給に使用する添加剤の濃度及び抜出ポリマーメルト流中の添加剤の目的濃度によって決定されることができる。一実施態様において、スリップ流の流速は、添加されている添加剤の型及び完成ポリマー組成物120又は抜出メルト流103中の添加剤の目的濃度に応じて、抜出ポリマーメルト流の生産速度の2〜50%又は5〜25%であることができる。圧力駆動スリップ流の流速においては、スリップ流105の流速は、スリップ流の流速を増大させてループ中の圧力降下を吸収することによって、自己均衡(self balance)するであろう。
【0053】
別法として、スリップ流ライン105中にポンプを取り付け、固定された又は一定の流速、場合によっては予め定められた流速を設定することができる。ギアポンプをスリップ流取り出しラインに用いる場合には、調節弁106は必要ない。スリップ流ギアポンプは、流速を制御しながら圧力降下装置(pressure let-down device)としても働くことができる。
【0054】
添加剤をスリップ流中に添加した後、添加剤とスリップ流ポリマーメルトとの、特に、粘度が劇的に異なる流体間の又は固体と液体との充分な混合を得るために、場合によっては混合装置を使用するのが望ましい場合がある。インラインミキサーを管中に用いることもできるし、或いはバッフル又は堰を用いることもできるし、或いは図1に図示するように、スタティックミキサー110を用いることもできる。使用する混合装置の型は限定するものではない。
【0055】
使用する添加剤の型が腐蝕性である場合には、配管、ミキサー、バルブ及びポンプの冶金(metallurgy)は、ハステロイ(Hastelloy)若しくはチタン又は他の適当な耐蝕性材料であることができる。
【0056】
更に別の実施態様において、第1添加剤が添加されているスリップ流溶融ポリマー流を二軸スクリュー押出機に供給し、第2添加剤組成物を同じ二軸スクリュー押出機に供給し、組成物を混合し、それを、2種又はそれ以上の添加剤を含むスリップ流溶融ポリマー流として前記二軸スクリュー押出機から抜出す方法が提供される。場合によっては、押出機の抜出部にギアポンプを設けて、スリップ流ポリマー組成物を反応器に戻すのに必要な圧力を提供することもできる。
【0057】
添加剤をスリップ流ライン105に添加して添加剤含有スリップ流を形成したら、スリップ流を工程e)において、スリップ流を形成する供給位置より上流の位置に供給する。これは、添加剤含有スリップ流を、スリップ流バルブ106の前にライン103に、ギアポンプ104の入口に、溶融ポリマーを抜出す反応器102に、又は溶融相プロセスの任意の位置にある、反応器102の上流の管又は反応器、例えば予備重合ゾーンに若しくは予備重合ゾーン中に、予備重合ゾーンと最終重縮合ゾーン又は仕上げゾーンとの間に供給することを含むであろう。図1に図示されるように、添加剤含有スリップ流は、ラムバルブ112を経て反応器102にフィードバックされる。場合によっては、添加剤含有スリップ流は、スタティックミキサー110のようなミキサーによって充分に混合されている場合もある。
【0058】
望ましくは、添加剤含有スリップ流は、反応器102の底部に供給する。このようにして、添加剤、特に触媒失活剤及び/又は安定化剤を、プロセスの終わり近くで、重縮合が実質的に完了した後に添加する。これは、以下の条件:
a)ポリマーメルトが少なくとも0.50dL/g、又は少なくとも0.60dL/g、又は少なくとも0.68dL/g、又は少なくとも0.70dL/g、又は少なくとも0.72dL/g、又は少なくとも0.74dL/g、又は少なくとも0.76dL/g、又は少なくとも0.80dL/gのIt.V.に達する;或いは
b)ポリエステルメルトに適用された真空(もしあれば)が解放又は減少される;或いは;
c)ポリエステルメルトが溶融相重合プロセスに存在する場合には、ポリエステルポリマーを製造するための最終反応器内に又は最終反応器とスリップ流を形成するための取り出し点との間に添加剤を添加する;或いは
d)ポリエステルメルトの重縮合時間の少なくとも85%の後である;或いは
e)ポリエステルメルトのIt.V.が、固化前に得られる最高It.V.の+/−0.10dL/g以内又は0.05dL/g以内である;或いは
f)ポリエステルの固化前20分以内又はそれ以下の時点である
の1つ又はそれ以上が満たされた時点かそれより後であって、ポリエステルメルトの固化前である。
【0059】
所望ならば、添加剤含有スリップ流を、最終重縮合反応器102に供給し、前記反応器102内のポリマーメルト中に分配板(distributor plate)によって又は所望の他の任意の方法で分配させることができる。分配板(図示せず)は、反応器102内に取り付けることができ、添加剤含有スリップ流を受ける入口を有する円形のデザインを有することができる。添加剤含有スリップ流は、前記分配板を横切って、前記分配板中の複数の流路によって分割且つ分配され、前記分配板の底部において前記流路の出口から出て、最終重縮合反応器102中に含まれるポリマーメルト中に入る。
【0060】
分配板は、内面と外面を有する第1の板(外面は第2の材料を受ける開口部を有し、内面は内部に複数の流路が配置され、第1の板の流路の少なくとも1つが前記開口部と連通している)と、第1の板と接続された第2の板(第2の板は内面と外面を有し、第2の板の内面は内部に複数の流路が配置されており、第2の板の複数の流路の少なくとも1つが第1の板の複数の流路と揃えられて、前記開口部と連通した閉鎖流路を形成する)を含むことができる。望ましくは、前記の第2の板の複数の流路の少なくとも1つは出口孔を有し、出口孔は第2の板の流路の少なくとも1つから第2の板の外面に伸びる。
【0061】
スリップ流105への取り出し点を越えて、抜出ポリエステルポリマーは固化装置(図示せず)まで供給され、場合によってはフィルター104を経て供給される。
【0062】
この方法は、定常状態の運転中においてスリップ流ポリマーメルト105が既に若干量の添加剤を含んでおり、追加量の添加剤が前記スリップ流中に注入されて、添加剤の添加点の前のスリップ流中の添加剤の濃度に比べて高濃度の添加剤を含むスリップ流を形成するような連続再循環ループである。スリップ流が連続的に引き出され且つ抜出ポリマーメルト流がライン104によって供給された添加剤を含むので、ライン105のスリップ流の組成物はライン107によって供給された添加剤を含むであろう。しかし、抜出ポリマーメルト流の一部だけがスリップ流に供給され且つ抜出ポリマーメルト流が連続的に抜出されるので、添加剤はライン107を経てスリップ流ポリマーメルト中に供給されて、添加剤含有スリップ流を形成する。添加剤含有スリップ流は、添加剤の添加前のスリップ流ポリマーメルト中の添加剤の濃度に比較して、ライン107を経て供給された添加剤の濃度が高い。スリップ流ポリマーメルト中の添加剤の濃度は、添加剤含有スリップ流中の添加剤の濃度よりも低い。一実施態様において、添加剤含有スリップ流中の添加剤の濃度は、スリップ流ポリマーメルト中の添加剤の濃度よりも、少なくとも5%、又は少なくとも10%、又は少なくとも20%、又は少なくとも25%、又は少なくとも50%、又は少なくとも75%増大される。
【0063】
添加剤を、必要に応じて、連続的又は断続的にスリップ流ポリマーメルト中に供給して、完成ポリマー組成物中の添加剤の濃度を高めることができる。好ましくは、添加剤は連続的に供給する。
【0064】
別の実施態様においては、液体又は固体添加剤組成物を、第1添加点でスリップ流中に供給すると共に、第1添加点の下流において第2添加剤組成物を、混合装置の前又は後において同様にしてライン中に供給することができる。この実施態様を図2に図示する。
【0065】
ポリエステルメルト201を、溶融相プロセス内部の反応器202、好ましくは最終重縮合反応器に供給し、反応器202の底部から抜出して、抜出ポリマーメルト流203を形成する。ギアポンプ204又は任意の他の適当な容積移送式装置(positive displacement device)が、抜出ポリマーメルト流を任意のインライン・スタティックミキサー要素205を経てポンプ輸送して、ポリマーメルトをよく混合し、その後、ポリマーメルトはライン216を経て、最終ポリマー組成物として1つ又はそれ以上の任意のフィルター217を通って進み且つライン218を通って切断装置(図示せず)又は任意の他の適当な固化装置に送られるか、又は射出成形機若しくは他の押出装置に直接送られて、物品を生成する(溶融−成形法又は直接法として知られる)。
【0066】
抜出ポリマーメルト流の一部を引き出して、スリップ流に供給して、ライン206のスリップ流ポリマーメルトを形成する。これは、添加剤含有スリップ流中の添加剤の濃度よりも低い添加剤の濃度を有する。液体添加剤を、第1添加剤供給タンク209からライン207を経てギアポンプ208又は動力を提供する他の容積移送式装置中に供給し、ライン206のスリップ流ポリマーメルトに供給して、ライン211及び/又は212の添加剤含有スリップ流を形成する。添加剤含有スリップ流を、任意のインライン・スタティックミキサー210を経て供給して、添加剤とポリマーメルトを混合することもできる。
【0067】
添加剤含有スリップ流中は、ライン211を経てインライン押出装置213(例えば一軸又は二軸スクリュー押出機)に供給することができる。押出装置213には、第2添加剤供給タンク214から第2添加剤を供給する。図示されるように、タンク214からの固体ポリマー粒子を、添加剤含有流211と共に押出装置213に供給し、溶融させ且つ配合して、ライン215を経て第1及び第2添加剤含有スリップ流を形成し、反応器202に供給する。第1及び第2添加剤含有スリップ流中の第2添加剤の濃度は、第1添加剤含有スリップ流中の第2添加剤の濃度よりも高く、望ましくは少なくとも10%高く、又は少なくとも20%高く、又は少なくとも40%高く、又は少なくとも50%高く、又は少なくとも75%高く、又は少なくとも90%高い。
【0068】
明細書全体を通して使用する濃度の増加%は、サンプル中の添加剤濃度から基準流中の添加剤濃度を差し引き、差を基準中の濃度で割り、結果に100を掛けることによって求める。
【0069】
インライン押出装置を設ける代わりに、押出装置213のアウトプットが、ライン212を経て第に1添加剤含有スリップ流に入ることもできる。この実施態様は、第2添加剤が望ましい場合には押出機をオンにし、そうでない場合にはオフにする柔軟性を提供する。この実施態様においては、第1添加剤含有供給流は、第2添加剤が必要とされない場合には押出装置を通して供給する必要がない。第2添加剤が要求される場合には、供給タンク214中の第2添加剤を押出装置213に供給し、溶融させ、次いで第1添加剤含有スリップ流中に供給して、反応器202に入るライン215中で第1及び第2添加剤含有スリップ流を生成する。
【0070】
本発明の方法によれば、分子量を更に増加させるのに固相重合を必要とすることなく、非晶質ポリエステルポリマー粒子を、場合によっては高It.V.で形成できる。この非晶質ポリエステルポリマー粒子は、添加剤の熱分解を最小限に抑えるために、重縮合触媒を失活又は安定化させるために終わりの方で添加された添加剤を含み、また、最終ポリマーメルト中に充分に混合されている。所望ならば、反応性キャリアを使用せずに済ますことができ、その結果、ポリマーの構造及び性質をより良くコントロールでき、比較的低分子量のキャリアの場合には、プロセスの早い段階で添加される場合に重縮合において見られる減圧条件下で取り出される揮発分が減少される。
【0071】
抜出ポリマーメルト流中に混和できる添加剤の例としては、それが第1添加剤又は第2添加剤のいずれとしてであっても、結晶化助剤、耐衝撃性改良剤、表面潤沢剤、嵌め外し剤(denesting agent)、化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、触媒金属失活剤、着色剤、成核剤、アセトアルデヒドを低減させる又は酸化できる化合物、再加熱速度向上用助剤、ブローボトル若しくはシート又は他の物品の間の摩擦係数を低下させる粘着性ボトル添加剤、例えばタルク添加剤、及び充填剤、酸素遮断材、添加剤含有スリップ流の導入前の反応器202中で生成されるポリエステルポリマーとは分子量又は改質において異なるポリマーなどが挙げられる。詳細には、第1添加剤として触媒安定化剤及び/又は失活剤を用い、且つ場合によっては、第2添加剤を用いることが望ましい。
【0072】
第2添加剤の実例は、前記のいずれかを含む。特に挙げることができるのは、第1添加剤含有スリップ流中に見られるポリエステルポリマー中の同じ改質剤化合物残基のモル量とは異なるモル量の改質剤化合物残基を有するか、又は第1添加剤含有スリップ流中のポリエステルポリマー中には見られない型の改質剤化合物残基を有する以外は前述と同様なポリエステルポリマーである。第2添加剤の他の例としては、ポリアミドポリマー及びポリカーボネートポリマーが挙げられる。
【0073】
一実施態様において、添加剤は、第1添加剤又は第2添加剤のいずれとしてであっても、触媒失活剤である。触媒失活剤とは、ポリマーメルト中の触媒系の活性を少なくとも一部分失活させるか又は阻害するのに有効な化合物を意味する。化合物は、所定のレベルの添加によって、また、所定のレベルにおける化合物の有効性の試験目的に限って、(a)実際の運転条件下における固相重合の速度が、失活剤を用いない(添加剤なしの場合)同じポリマーに比較して低下され且つ/又はb)より早期の添加時に、実際の運転条件下における溶融相重合速度が一定のIt.V.目標値まで低下され、即ち、添加剤なしの場合に比べてIt.V.目標値に達するのにかかる時間が長いか又は一定の時間におけるポリマーのIt.V.が低下される場合に、触媒系を少なくとも一部分失活させるのに有効である。好ましくは、触媒失活剤は、また、添加剤なしの場合に比較して、粒子の溶融時の、より好ましくは溶融相重合から得られたIt.V.が少なくとも0.72dL/gの粒子の溶融時のアセトアルデヒド(AA)発生速度を低下させて、プレフォームのような成形品中のAAレベルに対するAA発生の寄与を低下させる。
【0074】
適当な触媒失活剤は好ましくは燐含有化合物である。燐含有化合物は1個又はそれ以上の燐原子を含む。好ましいのは、燐酸トリエステル、酸性燐化合物又はそれらのエステル誘導体、及び酸性燐含有化合物のアミン塩である。酸性燐化合物は少なくとも1つのオキシ酸基、即ち、酸素に二重結合し且つ少なくとも1つのヒドロキシル又はOH基に単結合した少なくとも1つの燐原子を有する。酸性基の数は、酸素に二重結合した燐原子に結合したヒドロキシル基の数が増加するにつれて、増加する。
【0075】
燐化合物の具体例としては、燐酸、ピロ燐酸、亜燐酸、ポリ燐酸、カルボキシホスホン酸、アルキルホスホン酸、ホスホン酸誘導体、それらの酸性塩及び酸性エステル及び誘導体のそれぞれ、例えば酸性燐酸エステル、例えば燐酸モノ及びジエステル並びに非酸性燐酸エステル(例えば燐酸トリエステル)、例えば燐酸トリメチル、燐酸トリエチル、燐酸トリブチル、燐酸トリブトキシエチル、燐酸トリス(2−エチルヘキシル)、オリゴマー燐酸トリエステル、燐酸トリオクチル、燐酸トリフェニル、燐酸トリトリル、(トリス)エチレングリコールホスフェート、トリエチルホスホノアセテート、ジメチルメチルホスホネート、テトライソプロピルメチレンジホスホネート、燐酸とエチレングリコール、ジエチレングリコール若しくは2−エチルヘキサノールとのモノ、ジ及びトリエステル、又はそれぞれの混合物が挙げられる。他の例としては、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、燐酸一水素化合物及び燐酸二水素化合物、亜燐酸化合物、ポリマーメルト中に好ましくは可能なある種の無機燐化合物、ポリ(エチレン)水素ホスフェート、及び燐酸シリルが挙げられる。粒子の溶液又は成形品中のヘイズは、ポリマーメルトへの添加剤の溶解性が欠如しているか又はわずかであることの1つの指標である。可溶性添加剤の方が、触媒系を失活/安定化させる可能性が高い。
【0076】
添加できる他の燐化合物としては、酸性燐化合物のアミン塩が挙げられる。アミンは環状でも非環状でもよく、モノマー、オリゴマー又はポリマーのいずれであることもでき、ヘイズ及び溶解性が問題となる場合には、ヘイズを最小限に抑え且つ/又は溶解性を最大にするように選択すべきである。アミンの有機成分は原則として任意の有機基であることができる。アンモニア及び水酸化アンモニウムのような関連化合物が適当である。
【0077】
アミン上の適当な有機基としては、直鎖及び分岐鎖アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール、ヘテロアリールなどが挙げられる。これらの型の有機基はいずれも置換されていても非置換でもよく、即ち、ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシ、ハロなどの基で置換されていても非置換でもよい。有機基は、カーボネート、ケト、エーテル及びチオエーテル結合とアミド、エステル、スルホキシド、スルホン、エポキシなどを含むことができる。このリストは実例となるものであって、限的なものではない。
【0078】
アミンの例は、5〜7員環、好ましくは6員環を有する環状アミンである。これらの環は、単一の「モノマー」種を構成することもできるし、或いはより大きいオリゴマー又はポリマーの一部であることもできる。
【0079】
環状アミンの例は、環窒素に隣接する環位置において置換された有機基を有するヒンダードアミンである。環窒素自体も置換されることができる、即ちアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール及び他の基で置換されることができる。ヒンダードアミンはオリゴマー部分又はポリマー部分の一部を構成することもできる。
【0080】
他の型のアミンはアミノ酸である。重合温度又はそれ以上の温度に分解点を有するアミノ酸が特に好ましい。L−エナンチオマー、D−エナンチオマー又はラセミ混合物を含むそれらの任意の混合物を使用できる。アミン基及びカルボン酸基は同一炭素に結合している必要はない。アミノ酸はα、β又はγ−アミノ酸であることができる。置換アミノ酸を使用できる。水に若干の溶解性を有するアミノ酸は、塩の合成を水中で、即ちVOC(揮発性有機化合物)なしで行うことを可能にするので、特に好ましい。
【0081】
適当なアミンは、燐含有酸と塩を形成できる少なくとも1個の窒素を含む。例えば、N−アルキル化ピペリジニル部分を含むヒンダードアミンにおいては、塩形成は、以下(これらに限定するものではないが):
【0082】
【化1】

【0083】
のような種を生じるピペリジニル窒素を含むことができる。
【0084】
塩を形成できるアミン化合物中に窒素が1個存在する場合には、アミン化合物モル当たり1モルの燐含有酸を用いる。塩を形成できるアミン化合物中に2個又はそれ以上の窒素原子が存在する場合には、中和可能な窒素が残っていない塩を生じる酸の量まで又はこの量をわずかに上回る量で、アミン化合物モル当たり2モル又はそれ以上の酸を使用できる。
【0085】
アミノ酸のカルボン酸基は、塩のアミン部分がポリエステル鎖中に反応する可能性を広げる。ポリマー鎖中への反応は揮発性及び抽出性を低くするはずである。ポリエステル鎖中への反応は、塩のアミン部分がヒドロキシル及び/又はカルボキシル基を含む場合にも達成できる。カルボキシル基又はヒドロキシル基が1個だけ存在する場合には、塩は末端キャッパーの役割を果たすことができるであろう。合計2個又はそれ以上の反応性基(カルボキシル又はヒドロキシル)が存在する場合には、塩は必ずしも鎖の末端に存在しないかもしれない。ポリエステル鎖中への反応は、塩の燐含有部分についても可能である。例えば、燐酸はヒドロキシル化合物と反応して、燐酸エステルを形成できる。ポリエステルの鎖末端はヒドロキシエチル末端基であることが多い。燐酸はポリエステル鎖の真ん中で反応することもできる。
【0086】
燐塩の燐部分の前駆体は、燐の任意のオキシ酸、例えば、次亜燐酸、亜燐酸、燐酸、ポリ燐酸、ポリ亜燐酸、ピロ燐酸、ホスフィン酸、ホスホン酸、燐酸モノエステル、燐酸ジエステル、ホスホン酸モノエステル、ピロ燐酸モノエステル、ピロ燐酸ジエステル、ピロ燐酸トリエステル又は少なくとも1つの酸性水素を依然として有する塩若しくは化合物など(これらに限定するものではないが)であることができる。P=O基に直接結合した任意のOH基の水素は酸性である。1つより多くの酸性水素を有する化合物は、ポリエーテルオリゴマー、ポリエステルオリゴマーなどによって、アルキル、アリール、アラルキル、アルカリールなどのような有機基で置換された1個又はそれ以上の酸性水素を有することができる。しかし、少なくとも1個の塩形成酸性水素が残らなければならない。P=O基に直接結合した1個又はそれ以上の水素を有する燐のオキシ酸は、アルキル、アリール、アラルキル、アルカリールなどのような有機基で置換されたこれらの水素を1個又はそれ以上有することができる。これらの化合物の例としては、アルキルホスホン酸、アルキルホスフィン酸及びジアルキルホスフィン酸が挙げられるが、これらに限定するものではない。アミンと同様に、有機基も置換されていることができる。
【0087】
一実施態様において、塩は、1種又はそれ以上の酸性燐含有化合物と1種又はそれ以上の窒素含有塩基性有機化合物との反応によって製造され、前記燐含有化合物は好ましくは、式:
【0088】
【化2】

【0089】
【化3】

【0090】
(式中、R1及びR2は独立に水素、C1〜C22−アルキル、置換C1〜C22−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、置換C3〜C8−シクロアルキル、ヘテロアリール及びアリールから選ばれ;
nは2〜500であり;そして
Xは、水素及びヒドロキシから選ばれる)
を有する化合物から選ばれ、前記の窒素含有塩基性有機化合物は望ましくは式:
【0091】
【化4】

【0092】
【化5】

【0093】
【化6】

【0094】
【化7】

【0095】
【化8】

【0096】
【化9】

【0097】
(式中、R1及びR2は独立に水素、C1〜C22−アルキル、置換C1〜C22−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、置換C3〜C8−シクロアルキル、ヘテロアリール及びアリールから選ばれ;
以下の型の有機基のそれぞれは、置換されていても非置換でもよく、即ちヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシ、ハロ及び/又は同様な基並びにそれらの任意の組合せで置換されていても非置換でもよく;有機基はまた、カーボネート、ケト、エーテル及びチオエーテル結合並びにアミド、エステル、スルホキシド、スルホン、エポキシなどを含むことができ;このリストは実例となるものであって、限定的なものではなく;
3、R4及びR5は独立に水素、C1〜C22−アルキル、置換C1〜C22−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル及び置換C3〜C8−シクロアルキルから選ばれ;好ましくは、R3、R4及びR5の少なくとも1つが水素以外の置換基であり;しかし、R3、R4及びR5が全て水素である場合には、水酸化アンモニウムが好ましい形態であり;R3とR4又はR4とR5は共同で、それらが結合している窒素原子と共に環、例えばモルホリノ、ピペリジノなどを形成する二価基を表すことができ;
6、R7、R8及びR9は独立に水素、C1〜C22−アルキル、置換C1〜C22−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、置換C3〜C8−シクロアルキル、ヘテロアリール及びアリールから選ばれ;
10は水素、−OR6、C1〜C22−アルキル、置換C1〜C22−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル及び置換C3〜C8−シクロアルキルから選ばれ;
11は水素、C1〜C22−アルキル、置換C1〜C22−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、置換C3〜C8−シクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、−Y1−R3又は式:
【0098】
【化10】

【0099】
のスクシンイミド基から選ばれ;
12は水素、C1〜C22−アルキル、置換C1〜C22−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、置換C3〜C8−シクロアルキル、ヘテロアリール及びアリールから選ばれ、且つ芳香環の3、4又は5位に位置することができ;
−N(R3)(R4)基は窒素化合物(5)のピリジン環の3、4又は5位に位置することができ;
−CO23及びR1基は窒素化合物(6)のピリジン環の2、3、4、5及び6位のいずれかに位置することができ;
1はC2〜C22−アルキレン;−(CH2CH2−Y11-3−CH2CH2−;C3〜C8−シクロアルキレン;アリーレン;又は−CO−L2−OC−から選ばれた二価連結基であり;
2はC1〜C22−アルキレン、アリーレン、−(CH2CH2−Y11-3−CH2CH2−及びC3〜C8−シクロアルキレンから選ばれ;
1は−O(CO)−、NHC(O)−、−O−、−S−、−N(R1)−から選ばれ;
2は−O−又は−N(R1)−から選ばれ;
13及びR14は独立に−O−R2及び−N(R22から選ばれ;
Zは約20以下、好ましくは約6以下の正の整数であり;
m1は0〜約10から選ばれ;
n1は2〜約12から選ばれた正の整数であり;
15及びR16は独立に水素、C1〜C22−アルキル、置換C1〜C22−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、置換C3〜C8−シクロアルキル、ヘテロアリール、アリール及び基A(基Aは下記構造:
【0100】
【化11】

【0101】
から選ばれ、*は結合位置を示す)から選ばれる)
を有する化合物から選ばれる。
【0102】
15及びR16の少なくとも一方は望ましくはA基であり;(酸性燐含有化合物中の燐原子の数)対(塩基性有機化合物中の塩基性窒素原子の数)の比は約0.05〜約2、好ましくは約0.25〜約1.1である。
【0103】
用語「C1〜C22−アルキル」は1〜22個の炭素を含み且つ直鎖又は分岐鎖であることができる飽和炭化水素基を意味する。このようなC1〜C22アルキル基はメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、2−エチルヘプチル、2−エチルヘキシルなどであることができる。用語「置換C1〜C22−アルキル」はヒドロキシ、カルボキシ、ハロゲン、シアノ、アリール、ヘテロアリール、C3〜C8−シクロアルキル、置換C3〜C8−シクロアルキル、C1〜C6−アルコキシ、C2〜C6−アルカノイルオキシなどから選ばれた1個又はそれ以上の置換基で置換されることができる、前記C1〜C22−アルキル基を意味する。
【0104】
用語「C3〜C8−シクロアルキル」は3〜8個の炭素原子を含む脂環式炭化水素基を意味するのに用いる。用語「置換C3〜C8−シクロアルキル」は、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、ハロゲンなどから選ばれた少なくとも1つの基を含む前に詳述したC3〜C8−シクロアルキル基を記載するのに用いる。
【0105】
用語「アリール」は共役芳香環構造中に6、10又は14個の炭素原子を含む芳香族基を意味するのに用い、これらの基は、場合によっては、C1〜C6−アルキル;C1〜C6−アルコキシ;フェニル及びC1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、C3〜C8−シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチルなどで置換されたフェニルから選ばれた1つ又はそれ以上の基で置換される。典型的なアリール基としては、フェニル、ナフチル、フェニルナフチル、アントリル(アントラセニル)などが挙げられる。用語「ヘテロアリール」は硫黄、酸素、窒素又はそれらの組合せから選ばれた少なくとも1個のヘテロ原子を2〜約10個の炭素原子と共に含む共役環状基;及びアリール基上において可能な置換基として前述した基で置換されたこれらのヘテロアリール基を記載するのに用いる。典型的なヘテロアリール基としては、2−及び3−フリル、2−及び3−チエニル、2−及び3−ピロリル、2−、3−及び4−ピリジル、ベンゾチオフェン−2−イル、ベンゾチアゾル−2−イル、ベンゾオキサゾル−2−イル、ベンゾイミダゾル−2−イル、1,3,4−オキサジアゾル−2−イル、1,3,4−チアジアゾル−2−イル、1,2,4−チアジアゾル−5−イル、イソチアゾル−5−イル、イミダゾル−2−イル、キノリルなどが挙げられる。
【0106】
用語「C1〜C6−アルコキシ」及び「C2〜C6−アルカノイルオキシ」は、それぞれ、基−O−C1〜C6−アルキル及び−OCOC1〜C6−アルキルを表すのに用い、「C1〜C6−アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含み、直鎖又は分岐鎖であることができ且つハロゲン、メトキシ、エトキシ、フェニル、ヒドロキシ、カルボキシ、アセチルオキシ及びプロピオニルオキシから選ばれた1個又はそれ以上の基で更に置換されることができる飽和炭化水素を意味する。用語「ハロゲン」はフッ素、塩素、臭素及びヨウ素を表すのに用いるが、塩素及び臭素が好ましい。
【0107】
用語「C2〜C22−アルキレン」は、2〜22個の炭素を含み、直鎖又は分岐鎖であることができ且つヒドロキシ、カルボキシ、ハロゲン、C1〜C6−アルコキシ、C2〜C6−アルカノイルオキシ及びアリールから選ばれた1個又はそれ以上の置換基で置換されることができる二価炭化水素基を意味するのに用いる。用語「C3〜C8−シクロアルキレン」は3〜8個の炭素原子を含む二価脂環式基を意味するのに用い、これらは場合によっては1個又はそれ以上のC1〜C6−アルキルで置換される。用語「アリーレン」は1,2−、1,3−及び1,4−フェニレン基並びにC1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及びハロゲンで場合によっては置換されたこれらの基を意味するのに用いる。
【0108】
ヒンダードアミンの例は、アルキル置換ピペリジニル部分及び/又はトリアジン部分を含み、より好ましくは少なくとも1個のアミン基がトリアジン部分及びアルキル置換ピペリジン部分の両者で置換されたヒンダードアミンである。最も好ましいヒンダードアミンにおいて、アミノ基含有部分はアルキレン基、好ましくは(−CH2−)n基(nは
2〜12、好ましくは4〜10、最も好ましくは6又は8である)によって結合される。最も好ましいヒンダードアミンは、式:
【0109】
【化12】

【0110】
の反復単位を含むCyasorb(登録商標)UV−3529である。
【0111】
アミン成分の塩は酸性燐含有化合物と塩基性窒素含有有機化合物又は水酸化アンモニウムとを適当な方法で一緒にすることによって製造できる。適当な方法は酸性燐含有酸を塩基性有機化合物又は水酸化アンモニウムと接触させることを含む任意の方法である。例えば酸性燐含有化合物及び塩基性窒素含有有機化合物又は水酸化アンモニウムを適当な溶媒に溶解させ、それらの溶液を混合した後に、反応生成物を沈殿させることができ;溶媒を用いずに燐含有酸と塩基性有機化合物又は水酸化アンモニウムを混合することなども可能である。
【0112】
本発明において使用する触媒系は少なくとも一部分は非常に容易に失活させることができるので、燐酸トリエステルのような酸性燐化合物の全エステルのような、アンチモン触媒系でそれほど有効でないことが予めわかっている燐化合物を本発明のポリマーメルト及び方法に使用できる。更に、亜燐酸のような、アンチモン触媒系でヘイズの増加を引き起こすことがわかっている燐化合物を、アンチモン触媒系の場合にポリエステルを灰色又は黒色にする金属が減少するためにヘイズを増加させるように働くことなく、本発明の触媒系に失活剤として使用できる。
【0113】
(燐原子)対(触媒系中の金属原子の累計)の比(P:M)は望ましくは、AA発生の低減又は触媒の部分的な若しくは完全な失活のような目的を達成するのに充分な比である。一例として、P:Mモル比は少なくとも0.1:1、又は少なくとも0.3:1、又は少なくとも0.5:1、又は少なくとも0.7:1、又は少なくとも1:1であって、約5:1以下、又はより好ましくは約3:1以下、又は2:1以下、又は1.8:1以下、又は1.5:1以下である。スリップ流ポリマーメルトへの燐化合物の添加時におけるポリマーIt.V.の低下を最小限に抑えるために、過度に多量の酸性燐化合物は回避すべきである。
【0114】
再加熱速度向上用添加剤の例は活性炭、カーボンブラック、アンチモン金属、錫、銅、銀、金、パラジウム、白金、黒色酸化鉄、鉄化合物及び合金並びにチタン化合物、金属及び合金;好ましくはグラファイト及びチタン、チタン化合物、窒化チタン、硼化チタン又は炭化チタン及びチタン合金が挙げられる。また、米国特許第6,197,851号(引用することによって本明細書中に組み入れる)に開示されたもの(これらに限定するものではないが)を含む近紫外線吸収染料も例として挙げられる。
【0115】
UV吸収化合物の例は、コモノマーとして、側基として又は末端基としてポリエステル分子に共有結合するか又はしないものである。適当なUV吸収化合物は、ポリエステル加工温度において熱安定性であり、約320〜約380nmの範囲に吸収を示し、前記ポリマーから抽出が困難であるか又は抽出され得ない。UV吸収化合物は、厚さ12mil(305ミクロン)のボトル壁を通る波長370nmのUV光の透過率を好ましくは約20%未満、より好ましくは約10%未満とする。適当な化学反応性UV吸収化合物としては、式:
【0116】
【化13】

【0117】
(式中、Rは水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル若しくはアルケニル又はポリオキシアルキレン鎖、例えばポリオキシエチレン若しくはポリオキシプロピレンポリマー(いずれも場合によっては、ポリマー鎖中にブロック又はランダムコポリマーとしていくつかのオキシプロピレン又はオキシエチレン単位を有し、前記ポリオキシアルキレン鎖は500〜10,000の範囲の数平均分子量を有する)であり;
1は水素、又はアルキル、アリール若しくはシクロアルキルのような基であり、これらの基は全て置換されることができ;
2はポリエステルとの縮合を妨げない任意の基、例えば水素、アルキル、置換アルキル、アリル、シクロアルキル又はアリールであり;
3は水素、又はアルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ及びハロゲンから選ばれた1〜3個の置換基であり;
Pはシアノ、又はカルバミル、アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、複素環、アルカノイル、アロイルのような基であり、これらの基は全て置換されることができる)
の置換メチン化合物が挙げられる。
【0118】
好ましいメチン化合物は、前記式において、R2が水素、アルキル、アラルキル、シクロアルキル、シアノアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル又はアリールであり;Rが水素;シクロアルキル;1個又は2個のアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されたシクロアルキル;フェニル;アルキル、アルコキシ、ハロゲン、アルカノイルアミノ又はシアノから選ばれた1〜3個の置換基で置換されたフェニル;直鎖又は分岐鎖低級アルケニル;直鎖又は分岐鎖アルキル及び1〜3個の置換基で置換されたこのようなアルキル{このようなアルキルの置換基は以下から選ばれる:ハロゲン、シアノ、スクシンイミド、グルタルイミド、フタルイミド、フタルイミジノ、2−ピロリジノ、シクロヘキシル、フェニル、置換フェニル(即ち、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、シアノ又はアルキルスルファモイルで置換されたフェニル)、ビニル−スルホニル、アクリルアミド、スルファミル、ベンゾイルスルホンイシミド(benzoylsulfonicimido)、アルキルスルホンアミド、フェニルスルホンアミド、アルケニルカルボニルアミド、式:
【0119】
【化14】

【0120】
(式中、Yは−NH−、−N−アルキル、−O−、−S−又は−CH2O−、−S−R14、SO2CH2CH2SR14(式中、R14はアルキル、フェニル、置換フェニル(即ちハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルカノイルアミノ若しくはシアノで置換されたフェニル)、ピリジル、ピリミジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、又は式:
【0121】
【化15】

【0122】
、―NHXR16、−CONR1515及び−SO2NR1515の基(式中、R15はH、アリール、アルキル及び置換アルキル(即ち、ハロゲン、フェノキシ、アリール、−CN、シクロアルキル、アルキルスルホニル、アルキルチオ又はアルコキシで置換されたアルキル)から選ばれ;Xは−CO−、−COO−又は−SO2−であり;且つR16はアルキル及び置換アルキル(即ちハロゲン、フェノキシ、アリール、シアノ、シクロアルキル、アルキルスルホニル、アルキルチオ又はアルコキシで置換されたアルキル)から選ばれ;Xが−CO−である場合には、R16は水素、アミノ、アルケニル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アリール、若しくはフリル;アルコキシ;シアノ若しくはアルコキシで置換されたアルコキシ;フェノキシ;又はアルキル、アルコキシ若しくはハロゲン置換基から選ばれた1〜3個の置換基で置換されたフェノキシであることができる)である)
の基)から選ばれ;Pがシアノ、カルバミル、N−アルキルカルバミル、N−アルキル−N−アリールカルバミル、N,N−ジアルキルカルバミル、N,N−アルキルアリールカルバミル、N−アリールカルバミル、N−シクロヘキシルカルバミル、アリール、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、1,3,4−チアジアゾル−2−イル、1,3,4−オキサジアゾル−2−イル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル又はアシルであるものである。
【0123】
前記定義に全てにおいて、種々の基のアルキル又は二価脂肪族部分は炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖を含む。好ましいUV吸収化合物としては、R及びR1が水素であり、R3が水素又はアルコキシであり、R2がアルキル又は置換アルキルであり且つPがシアノであるものが挙げられる。この実施態様において、好ましい種類の置換アルキルはヒドロキシ置換アルキルである。最も好ましいポリエステル組成物は、化合物:
【0124】
【化16】

【0125】
の反応残基を約10〜約700ppm含む。
【0126】
これらの化合物、それらの製造方法及びそれらのポリエステル中への組み込み方法については、米国特許第4,617,374号(引用することによって本明細書中に組み入れる)に更に開示されている。UV吸収化合物は約1〜約5,000重量ppm、好ましくは約2〜約1,500重量ppm、より好ましくは約10〜約500重量ppmの量で存在できる。UV吸収化合物の二量体も使用できる。2種又はそれ以上のUV吸収化合物の混合物も使用できる。更に、UV吸収化合物はポリマーの主鎖と反応するか又はポリマーの主鎖中に共重合されるので、得られるポリマーはプレートアウト及び/又は揮発などによるUV吸収化合物の損失の低減を含む改善された加工性を示す。
【0127】
本発明のポリエステルポリマー組成物は延伸ブロー成形ボトル、押出ブロー成形ボトル、ボトルプレフォーム、カーペット若しくは衣料又はスタッフィング用の繊維、シート、フィルム、トレイ、化粧品用ボトル及びトレイ又は医薬品用ボトル及びトレイの製造に特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】添加剤をポリマーメルト流中に添加するためのスリップ流法を説明する流れ図である。
【図2】ポリマーメルト流中に添加剤及びポリマー又は第2の添加剤を添加するためのスリップ流法を説明する別の実施態様である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.ポリマーメルトを反応器から抜出して、抜出ポリマーメルト流を形成し;そして
b.前記抜出ポリマーメルト流を固化させ;そして
c.固化の前に、前記抜出ポリマーメルト流の一部をスリップ流に供給して、スリップ流ポリマーメルトを形成し;そして
d.前記スリップ流ポリマーメルト中に添加剤を供給して、添加剤含有スリップ流を形成し;そして
e.前記の添加剤含有スリップ流を、前記スリップ流を形成する供給位置から上流の位置に供給する
ことを含んでなるポリマーメルト中への添加剤の添加方法。
【請求項2】
前記ポリマーメルトが、反復アルキレンアリーレート単位を有するポリエステルポリマーを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポリマーメルトが、
(i)ポリエステルポリマー中のカルボン酸成分残基100モル%に基づき、少なくとも80モル%のテレフタル酸、テレフタル酸誘導体、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸誘導体又はそれらの混合物の残基を含むカルボン酸成分及び
(ii)ポリエステルポリマー中のヒドロキシル成分残基100モル%に基づき、少なくとも40モル%のエチレングリコール若しくはプロパンジオール又はシクロヘキサンジメタノールの残基を含むヒドロキシル成分
を含むポリエステルポリマーを含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ポリマーメルトが、
(i)ポリエステルポリマー中のカルボン酸成分残基100モル%に基づき、少なくとも90モル%のテレフタル酸、テレフタル酸誘導体、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸誘導体又はそれらの混合物の残基を含むカルボン酸成分及び
(ii)ポリエステルポリマー中のヒドロキシル成分残基100モル%に基づき、少なくとも92モル%のエチレングリコールの残基を含むヒドロキシル成分
を含むポリエステルポリマーを含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ポリマーメルトを連続的に抜出す請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記抜出ポリマーメルトのIt.V.が少なくとも0.72dL/gである請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記It.V.が少なくとも0.76dL/gである請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリマーメルトを最終重縮合反応器から抜出す請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記抜出ポリマーメルト流が前記添加剤を含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記抜出ポリマーメルト流を水中ペレタイザーによって固化させる請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記水中ペレタイザーによって固化された粒子の形状が回転楕円体である請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記スリップ流ポリマーメルトの流速を、ポンプ若しくはバルブによって、又は配管寸法によって、調節する請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記スリップ流ポリマーメルトの流速が自己平衡性(self-balancing)である請求項1に記載の方法。
【請求項14】
添加剤流中の前記添加剤を、添加剤供給タンクから注入ノズルを通して、前記スリップ流ポリマーメルトに供給する請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記添加剤を、ラムバルブを通して、前記スリップ流ポリマーメルトに添加する請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記注入ノズルの先端が、前記スリップ流ポリマーメルトが先端の開口部に入るのを防止するのに充分に小さい開口部を有する請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記添加剤を添加剤タンクから供給し且つ前記添加剤タンク中の添加剤が液体である請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記添加剤が燐化合物を含む請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記燐化合物が酸性である請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記燐化合物が燐酸を含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記添加剤が固体で、前記スリップ流ポリマーメルトへの添加剤の供給前に溶融される請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記添加剤が紫外線吸収剤を含む請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記添加剤が着色剤を含む請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記添加剤含有スリップ流中の添加剤の濃度が前記スリップ流ポリマーメルト中の添加剤の濃度よりも少なくとも20%大きい請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記スリップ流メルトが或る濃度(a concentration)の前記添加剤を含む請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記スリップ流ポリマーメルトが、前記抜出ポリマーメルト流の流速の2%〜50%に変動する流速を有する請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記スリップ流メルトの流速をポンプによって制御する請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記ポンプが、前記スリップ流メルトの流速を制御しながら、圧力降下装置として作用する請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記添加剤含有スリップ流中にインライン混合装置を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記添加剤含有スリップ流に、添加剤含有スリップ流中のインライン押出装置を通して、又は添加剤含有スリップ流を供給する押出装置のアウトプットによって、第2の添加剤を添加する請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記第2の添加剤が溶融ポリマーを含む請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記ポリマーメルトがポリエステルメルトを含み、且つ前記添加剤含有スリップ流を、
a)ポリマーメルトが少なくとも0.72dL/gのIt.V.に達した時点で、又はその後に;或いは
b)ポリエステルメルトに適用された真空(もしあれば)が解放又は減少された時点で、又はその後に;或いは;
c)ポリエステルメルトの重縮合時間の少なくとも85%の後に;或いは
e)ポリエステルメルトのIt.V.が、固化前に得られる最高It.V.の±0.10dL/g以内となった時点又はその後に;或いは
f)ポリエステルの固化の前20分又はそれ以下以内の時点で
前記反応器に供給する請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記反応器が最終重縮合反応器であり、前記添加剤含有スリップ流を、添加剤含有スリップ流が中を流れ且つ前記反応器中に出る複数の流路を有する分配板を通して、前記反応器に供給し且つ前記反応器中に放流する請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記添加剤を前記スリップ流ポリマーメルト中に連続的に供給する請求項1に記載の方法。
【請求項35】
前記添加剤が酸化防止剤、紫外線吸収剤、触媒金属失活剤、着色剤、アセトアルデヒドを低減する又はアセトアルデヒドを酸化できる化合物、再加熱速度向上用助剤、粘着性ボトル添加剤若しくは酸素遮断材又はそれらの組合せを含む請求項1に記載の方法。
【請求項36】
前記添加剤が燐化合物を含み、前記ポリマーメルトが触媒金属原子を含み、且つ(燐原子)対(触媒金属原子の累計)の比(P:M)が0.3:1〜5:1の範囲である請求項1に記載の方法。
【請求項37】
前記P:M比が0.7:1〜2:1の範囲である請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記添加剤が、押出機を通してメルトとして前記スリップ流ポリマーメルトに供給される固体である請求項1に記載の方法。
【請求項39】
前記添加剤含有スリップ流を、前記反応器中の液面より上方で、前記反応器に供給する請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−508987(P2009−508987A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−531175(P2008−531175)
【出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【国際出願番号】PCT/US2006/034524
【国際公開番号】WO2007/035249
【国際公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(594055158)イーストマン ケミカル カンパニー (391)
【Fターム(参考)】