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ポリマー修飾無機粒子、ポリマー修飾無機粒子を含む塗料組成物、およびポリマー修飾無機粒子の製造方法
説明

ポリマー修飾無機粒子、ポリマー修飾無機粒子を含む塗料組成物、およびポリマー修飾無機粒子の製造方法

【課題】表面移行性を維持しつつ塗膜形成時の面状欠陥が少なく、また層間の密着性が良好な塗料組成物、および前記塗料組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも下記の原料(a)〜(e)を含む分散液を、下記条件1,2を共に満たす反応温度の下で原料(b)の残存率が20%以下、原料(c)の残存率が50%以下となるまで反応させるポリマー修飾無機粒子の製造方法。原料(a)被修飾無機粒子、原料(b)下記式(I)で表されるシリコーン化合物、X−R−SiR(OR3−n・・・(I)、原料(c)少なくとも1つのフルオロ化合物含有基と反応性二重結合とを有するフッ素化合物、原料(d)加水分解触媒、原料(e)ラジカル重合開始剤。条件1:原料(b)の残存率が50%となる時間が10〜80分、条件2:原料(c)の反応率が50%に達する時間が15〜60分。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の塗料組成物は、ハードコート部材、導電性部材、反射防止部材、屈折率調整部材、耐指紋性部材、赤外線吸収部材などに適用可能である。
【背景技術】
【0002】
従来、有機基材上にハードコート材料、導電性材料、反射防止材料、屈折率調整材料、耐指紋性部材、赤外線吸収材料などの複数の機能性層からなる積層膜を設け、これらの機能を有する積層体を製造することが広く行われている。たとえば反射防止材料としては、光学干渉の原理を用いて反射率を低減するよう、屈折率の高い物質からなる高屈折率層と屈折率の低い物質からなる低屈折率層との多層の被膜をフィルムなどの支持基材の表面に作製する、いわゆるマルチコーティングが知られている(特許文献1)。しかしながら、前述の方法では複数回の塗工を必要とするため、製造工程の簡略化が求められており、製造工程を簡略化する方法として、微粒子または無機粒子を含むコーティング組成物を用いて1回の塗工によって2つの層を形成する技術が提案されている(特許文献2,3)。
【0003】
特許文献2は、反射防止層を形成する低屈折率層と高屈折率層の界面が明瞭ではなく渾然一体となっているため、透明性が低い問題がある。特許文献3では、反射防止層を形成する低屈折率層と高屈折率層の界面は明瞭であったが、反射防止層の最表面の面状欠陥が多く、品質が不十分なものであった。
【0004】
このような問題に対して、コーティング組成物に用いる無機粒子の表面修飾組成物が提案されている(特許文献4,5)。特許文献4には、シランカップリング剤とラジカル重合性モノマーを重合させた後、無機粒子を反応させる方法、あるいはシランカップリング剤と無機粒子を反応させた後、ラジカル重合性モノマーを重合させる方法の記載がある。特許文献5には、シランカップリング剤と中空シリカ粒子を反応させた後、フッ素樹脂と混合させる方法の記載がある。
【0005】
特許文献4では、反応を2段階に分けて進行させることにより、ポリマー成分が大きく成長し、硬度は得られたが表面移行性が得られるものではなかった。特許文献5では、粒子とフッ素樹脂との結合がなく、シランカップリング剤のみで表面修飾された無機粒子では表面移行性が得られるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−5452号公報
【特許文献2】特開2007−272132号公報
【特許文献3】特開2008−070414号公報
【特許文献4】特開2005−336255号公報
【特許文献5】特許第4614813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、1回の塗工工程にて複数の層からなる積層膜を形成する方法において、塗膜表面への移行性に優れ、塗膜の品位が良好(面状欠陥が少ない)で、かつ層間の密着性が良好なポリマー修飾無機粒子、およびポリマー修飾無機粒子を含む塗料組成物、前記ポリマー修飾無機粒子の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、以下の発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の通りである。
【0009】
少なくとも下記の原料(a)〜(e)を含む分散液を、下記条件1,2を共に満たす反応温度の下で(b)シリコーン化合物の残存率が20%以下(c)フッ素化合物の残存率が50%以下となるまで反応させて得られるポリマー修飾無機粒子。
原料(a)被修飾無機粒子
原料(b)下記式(1)で表されるシリコーン化合物
X−R−SiR(OR3−n・・・(1)
(上記式中のXは反応性二重結合を含む基示し、Rは炭素数1から3のアルキレン基及びそれらを含むエステル結合基を示し、Rは水素又は炭素数が1から4のアルキル基を示し、Rは水素又は炭素数が1から5のアルキル基を示し、それぞれ側鎖を構造中に持っても良い。nは0から2の整数を示す。)
原料(c)フルオロアルキル基、フルオロオキシアルキル基、フルオロアルケニル基、フルオロアルカンジイル基およびフルオロオキシアルカンジイル基からなる群より選ばれる少なくとも1つと反応性二重結合とを有するフッ素化合物
原料(d)加水分解触媒
原料(e)ラジカル重合開始剤
条件1:原料(b)の残存率が50%となる時間が10〜80分
条件2:原料(c)の反応率が50%に達する時間が15〜60分
【発明の効果】
【0010】
本発明のポリマー修飾無機粒子は、塗膜形成時の表面移行性に優れ、面状欠陥が少なくかつ塗膜中に形成された各層の層間の密着性が良好な塗膜を得ることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】従来のポリマー修飾無機粒子の製造方法の1例にかかる反応を示す。
【図2】従来のポリマー修飾無機粒子の製造方法の別の例にかかる反応を示す。
【図3】従来のポリマー修飾無機粒子の製造方法の別の例にかかる反応を示す。
【図4】本発明のポリマー修飾無機粒子の製造方法にかかる反応を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について具体的に述べる。
【0013】
本発明において、ポリマー修飾無機粒子とは、高分子化合物(ポリマー)が被修飾無機粒子の表面と化学結合(共有結合、水素結合、イオン結合、ファンデルワールス結合、疎水結合等を含む)したものや高分子化合物(ポリマー)が被修飾無機粒子の表面に吸着(物理吸着、化学吸着を含む)されたものを指す。
【0014】
本発明のポリマー修飾無機粒子の製造方法は、少なくとも下記の原料(a)〜(e)を含む分散液を、下記条件1,2を共に満たす反応温度の下で原料(b)の残存率が20%以下、原料(c)の残存率が50%以下となるまで反応(以降、これを表面処理という)する製造方法である。
原料(a)被修飾無機粒子
原料(b)下記式(I)で表されるシリコーン化合物
X−R−SiR(OR3−n・・・(I)
(上記式中のXは反応性二重結合を含む基示し、Rは炭素数1から3のアルキレン基及びそれらを含むエステル結合基を示し、Rは水素又は炭素数が1から4のアルキル基を示し、Rは水素又は炭素数が1から5のアルキル基を示し、それぞれ側鎖を構造中に持っても良い。nは0から2の整数を示す。)
原料(c)フルオロアルキル基、フルオロオキシアルキル基、フルオロアルケニル基、フルオロアルカンジイル基およびフルオロオキシアルカンジイル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基と反応性二重結合とを有するフッ素化合物
原料(d)加水分解触媒
原料(e)ラジカル重合開始剤
条件1:原料(b)の残存率が50%となる時間が10〜80分
条件2:原料(c)の反応率が50%に達する時間が15〜60分
このようにして得られたポリマー修飾無機粒子は本発明の効果を奏するが、中でも、高分子化合物(ポリマー)が被修飾無機粒子の表面と化学結合したものが好ましく、化学結合が共有結合および/またはイオン結合であることがより好ましい。
【0015】
本発明のポリマー修飾無機粒子は、それを含む塗料組成物を塗工、乾燥する際、容易に空気側へ移動(表面移行)して、層を形成し、面状欠陥が少なくかつ塗膜中に形成された各層の層間の密着性が良好な塗膜を形成する。
【0016】
この様なポリマー修飾無機粒子を製造する表面処理工程の詳細、および原料である(a)被修飾無機粒子、(b)シリコーン化合物、(c)フッ素化合物、(d)加水分解触媒、(e)ラジカル重合開始剤の詳細については後述する。
【0017】
本発明において、表面処理の過程でシリコーン化合物は下記(2)式に示される加水分解反応により、減少する。
【0018】
【化1】

【0019】
ここで、原料(b)の残存率とは、X−R−SiR(OR3−nの初濃度(X)に対する反応時間tにおける濃度(X)の比、すなわちX/Xを百分率であらわしたものを指す。
【0020】
本発明において、反応の半減期とは、その反応が1次反応である場合に、初濃度の50%に到達する時間を示す。
【0021】
前記原料(b)の残存率の測定は、反応時間tにおける原料(b)の濃度(X)を定量することにより求められるが、具体的な方法については実施例の項にて説明する。
【0022】
表面処理に際しては、原料(b)の残存率は20%以下となるまで反応させる。15%以下がより好ましい。原料(b)の残存率が20%より大きいと、加水分解反応に続いて起こる原料(a)と原料(b)の反応が十分に進行できない。かかる観点から、表面処理に際して、原料(b)の残存率は15%以下となるまで反応させることが好ましい。
【0023】
本発明において、原料(c)の反応率とは、原料(c)の初濃度(X)に対する反応時間tにおける濃度(X)の比、すなわちX/Xを百分率であらわしたものを指す。
【0024】
ここで、反応性二重結合とは、熱などの外部エネルギーにより他の成分と反応する部位を指すが、詳細は後述する。
【0025】
本発明のポリマー修飾無機粒子は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法で測定した際のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が、8000以上25000以下、分子量分布(Mw/Mn)が、1.5以上4.0以下であることが好ましい。
【0026】
より好ましくは数平均分子量(Mn)が、9000以上23000以下、分子量分布(Mw/Mn)が、1.5以上3.8以下であり、特に好ましくは数平均分子量(Mn)が、10000以上22000以下、分子量分布(Mw/Mn)が、1.5以上3.6以下である。
【0027】
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法の詳細については、後述する。
【0028】
ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が8000より小さいと、無機高分子化合物(ポリマー)の反応が不十分であるため表面移行性が悪化する場合があり、25000を超えると無機高分子化合物(ポリマー)が嵩高くなるため、被修飾無機粒子との反応が不十分となり表面移行性が悪化する場合がある。数平均分子量を8000以上25000以下とすることにより、より表面移行性に優れたポリマー修飾無機粒子を得ることができる。また、分子量分布(Mw/Mn)が1.5より小さい分には特に問題ないが、現実的に分子量分布を1.5より小さい値に制御することは難しい。分子量分布(Mw/Mn)が4.0を超えると、無機高分子化合物(ポリマー)の分子量が不均一なものとなるため、被修飾無機粒子との結合が不均一になり表面移行性が悪化し、塗工時の面状欠陥が悪化する場合がある。分子量分布を1.5以上4.0以下とすることにより、より優れた表面移行性、および塗工時の面状欠陥がより少ないポリマー修飾無機粒子を得ることができる。
【0029】
本発明のポリマー修飾無機粒子の製造方法において、前記原料(a)は少なくともケイ素を含む無機粒子であって、固体Si−NMR法を用いて得られる該原料(a)表面のシラノール基数に対する、前記ポリマー修飾無機粒子の表面のシラノール基数の割合で定義されるシラノール基残存率が、60%以上90%以下であることが好ましく、シラノール基残存率が62%以上88%以下であることがより好ましく、65%以上86%以下であることがさらに好ましい。固体Si−NMR法の詳細については、後述する。
【0030】
ポリマー修飾無機粒子のシラノール基残存率が、60%より小さいと粒子表面に結合する無機高分子化合物(ポリマー)が過剰になるため凝集しやすく塗工時の面状欠陥が悪化する場合があり、シラノール基残存率が90%を超えると、粒子表面に結合する無機高分子化合物(ポリマー)が不十分となるため、表面移行性が悪化する場合がある。シラノール基残存率を60%以上90%以下にすることにより、優れた表面移行性、および塗工時の面状欠陥が少ないポリマー修飾無機粒子を得ることができる。
【0031】
前記表面処理に用いる加水分解触媒の酸解離定数pKaは、−3.8以上5.0以下であることが好ましい。酸解離定数とは、酸の強さを定量的に表すための指標の1つであり、pkaが小さいほど強い酸であることを示す。より好ましくは酸解離定数pKaが、−3.0以上4.5以下であり、特に好ましくは−2.0以上4.0以下である。
【0032】
加水分解触媒の酸解離定数pKaが−3.8より小さいと、酸性度が強いため前記表面処理の際に起こる原料(b)の加水分解反応の進行が速く反応の制御が困難となる場合があり、5.0を超えると酸性度が弱いため該加水分解反応の進行が不十分となる場合がある。前記表面処理の際に起こる原料(b)の加水分解反応が不十分となると、続いて起こる原料(a)と原料(b)の加水分解生成物との反応が十分に進行しない。
【0033】
前記表面処理に用いる原料(d)の10時間半減期温度が、28℃以上60℃以下であることが好ましい。原料(d)の10時間半減期温度とは、原料(d)が、熱分解反応によって10時間の間に半分の量になる温度を示す。原料(d)の10時間半減期温度は、より好ましくは30℃以上55℃以下であり、さらに好ましくは40℃以上53℃以下である。原料(d)の10時間半減期温度が、28℃より小さいと、低温で反応を制御することが必要となるため前記原料(b)の加水分解反応や、原料(a)と原料(b)の加水分解生成物との反応が不十分となり、60℃を超えると高温での反応となるため前記原料(b)の加水分解反応や、原料(a)と原料(b)の加水分解生成物との反応の進行が速く、反応の制御が困難となるため好ましくない。
【0034】
以下に本発明の各要件について説明する。
[被修飾無機粒子]
本発明のポリマー修飾無機粒子に好適な原料(a)被修飾無機粒子(つまりポリマー修飾前の無機粒子)は特に限定されないが、反射防止層や屈折率調整層などの干渉効果を利用する積層膜に用いる場合には、Si,Na,K,Ca,およびMgから選択される元素を含む無機粒子が好ましく挙げられ、さらに好ましくは、シリカ粒子(SiO)、アルカリ金属フッ化物(NaF,KFなど)、およびアルカリ土類金属フッ化物(CaF、MgFなど)から選ばれる化合物を含む無機粒子であり、耐久性などの点からシリカ粒子が特に好ましい。
【0035】
被修飾無機粒子の形状は特に限定されるものではないが、得られるポリマー修飾無機粒子を用いたときの塗膜形成時の表面移行性の観点から球状が好ましい。得られるポリマー修飾無機粒子を反射防止層や屈折率調整層などの干渉効果を利用する積層膜に用いる場合には、被修飾無機粒子がシリカ粒子であることが好ましい。かかる場合、該シリカ粒子は中空及び/又は多孔質の形状であっても良い(中空シリカ粒子とは、粒子の内部に空洞を有するシリカ粒子であり、多孔質シリカ粒子とは、粒子の表面及び内部に細孔を有するシリカ粒子である)。なお、中空及び/又は多孔質を有するシリカ粒子のことを、以下中空シリカと記載する。
【0036】
本発明において用いられる被修飾無機粒子の数平均粒子径は、5nm以上200nm以下が好ましく、10nm以上150nm以下がより好ましい。被修飾無機粒子の数平均粒子径が5nmよりも小さくなると表面処理の反応性の制御が難しくなる場合があり、また200nmを超えると透明性が維持できなくなる場合がある。
【0037】
また、本発明において、被修飾無機粒子としては、各種顔料、無機化合物取り扱いメーカーから粉体状態、または溶媒(分散媒とも呼ばれる)に分散された粒子分散物(粒子分散液、コロイド溶液、またはゾルとも呼ばれる)の形で入手したものを用いることができるが、粒子分散物の形で入手した被修飾無機粒子に対して表面処理を行う方が、粗大粒子の混入防止や塗料組成物の分散安定性の面で好ましい。
[ポリマー修飾無機粒子]
本発明のポリマー修飾無機粒子は、前記原料(a)〜(e)を前記条件1,2で反応させる(これを表面処理という)ことにより得られる原料(a)の表面にフッ素化合物が導入されたものである。
【0038】
被修飾無機粒子の表面にフッ素化合物を導入する従来の表面処理の方法としては、1分子中にフッ素セグメントとシリルエーテル基(シリルエーテル基が加水分解されたシラノール基を含む)との両方を持つフルオロアルコキシシラン化合物、すなわちフッ素セグメントを有するシランカップリング剤1種類以上と加水分解触媒と混合し、粒子表面にシリルエーテル基を介して、フッ素セグメントを導入する方法が知られている(図1)。しかしこの方法は反応性の制御が困難で、塗料化した後の塗工時にハジキが発生しやすくなる場合があり、また、得られた粒子の表面移行性にも支障がある。
【0039】
また、被修飾無機粒子の表面にフッ素化合物を導入する従来の表面処理の方法としては、粒子とは直接反応しない反応性のフッ素化合物と、粒子と反応しやすい化合物を組み合わせて反応させる方法が知られている。この方法の例として、1段目にシリコーン化合物の加水分解反応と、シリカや中空シリカなどの粒子とシリコーン化合物の加水分解物のシラノール縮合反応、2段目に前記反応物とフッ素化合物との重合反応を行う方法があるが(図2)、かかる方法で得られた粒子の表面移行性は良好なものの、粒子表面へのポリマー修飾状態が均一にはならず、塗工時に面状欠陥が発生するという問題があった。
【0040】
また、被修飾無機粒子の表面にフッ素化合物を導入する従来の表面処理の方法として、粒子とは直接反応しない反応性のフッ素化合物と、粒子と反応しやすい化合物を組み合わせて反応させる方法の別の例として、1段目にシリコーン化合物とフッ素化合物の重合反応、2段目に前記反応物中のシリコーン化合物の加水分解反応と、シリカや中空シリカなどの粒子とシリコーン化合物の加水分解物とのシラノール縮合反応を行う方法があるが(図3)、ラジカル重合を先行して行う場合、ポリマー成分の分子量が大きく成長し、その結果粒子とポリマー成分との結合が不十分となり、かかる方法で得られた粒子の表面移行性は満足できるものではなかった。
【0041】
これらの従来の方法により得られるものに対し、本発明のポリマー修飾無機粒子の製造方法はは、被修飾無機粒子に対する前記シリコーン化合物と前記フッ素化合物 表面処理工程を同時に一段階で進行させることにより(図4)、一段階で粒子とシリコーン化合物の反応、シリコーン化合物により処理された粒子とフッ素化合物の反応を行うことにより、シリコーン化合物とフッ素化合物のポリマー成分が粗大に成長することもなく、粒子の表面に均一に処理がされるため、表面移行性に優れ、塗工時の面状欠陥が少ないポリマー修飾無機粒子を得ることができたものと考える。
[シリコーン化合物]
本発明において用いられる原料(b)は、前述の式(I)で表されるシリコーン化合物である。
【0042】
本発明のポリマー修飾無機粒子は、無機粒子がシリコーン化合物を介して、フッ素化合物のポリマーと反応していることが好ましい。そのため前記原料(b)は、原料(c)と反応可能な部位と、原料(a)と反応可能な部位を少なくとも一カ所ずつ持っている化合物であることが好ましく、原料(a)と反応可能な部位として反応性の観点からシリルエーテル及び/またはシリルエーテルが加水分解した構造を有する化合物であることが好ましい。このような化合物は一般的にシランカップリング剤と呼ばれ、例としては、グリシドキシアルコキシシラン類、アミノアルコキシシラン類、アクリロイルシラン類、メタクリロイルシラン類、ビニルシラン類、メルカプトシラン類、などを用いることができる。
【0043】
かかる化合物の具体例としては、アクリロキシエチルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシブチルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシブチルトリメトキシシラン、メタクリロキシヘキシルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、及びこれら化合物中のメトキシ基、またはエトキシ基が他のアルコキシル基及び水酸基に置換された化合物などが挙げられる。
[フッ素化合物]
本発明に用いられる原料(c)は、前述のように、前記原料(c)の化合物中のフルオロアルキル基、フルオロオキシアルキル基、フルオロアルケニル基、フルオロアルカンジイル基、フルオロオキシアルカンジイル基とは、アルキル基、オキシアルキル基、アルケニル基、アルカンジイル基、オキシアルカンジイル基が持つ水素の一部、あるいは全てがフッ素に置き換わった主にフッ素原子と炭素原子から構成される置換基であり、構造中に分岐があってもよく、これらの部位が複数連結したダイマー、トリマー、オリゴマー、ポリマー構造を形成していてもよい。
【0044】
本発明に用いられる原料(c)の一例は下記一般式で表される。
f1−R−X・・・一般式(3)
(Rf1はフルオロアルキル基、フルオロオキシアルキル基、フルオロアルケニル基、フルオロアルカンジイル基、フルオロオキシアルカンジイル基を含む部位を、Rはアルカンジイル基、アルカントリイル基、およびそれらから導出されるエステル構造、ウレタン構造、エーテル構造、トリアジン構造を、Xは反応性二重結合基を示す。)
本発明において反応性二重結合基とは、熱または光などの外部エネルギーにより他の成分と反応する二重結合基をさす。このような反応性二重結合基を含有する基として、反応性の観点からアルコキシシリル基及びアルコキシシリル基が加水分解されたシラノール基や、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる、反応性、ハンドリング性の観点から、アルコキシシリル基、シリルエーテル基あるいはシラノール基や、アクリロイル(メタクリロイル)基が好ましい。
【0045】
一般式(3)の例としては2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフロオロプロピルアクリレート、2−パーフルオロブチルエチルアクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロヘキシルエチルアクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロデシルエチルアクリレート、2−パーフルオロ−3−メチルブチルエチルアクリレート、3−パーフルオロ−3−メトキシブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロ−5−メチルヘキシルエチルアクリレート、3−パーフルオロ−5−メチルヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロ−7−メチルオクチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラフルオロプロピルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、ドデカフルオロヘプチルアクリレート、ヘキサデカフルオロノニルアクリレート、ヘキサフルオロブチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、2−パーフルオロブチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロデシルエチルメタクリレート、2−パーフルオロ−3−メチルブチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−3−メチルブチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロ−5−メチルヘキシルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−5−メチルヘキシル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロ−7−メチルオクチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−7−メチルオクチルエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、ドデカフルオロヘプチルメタクリレート、ヘキサデカフルオロノニルメタクリレート、1−トリフルオロメチルトリフルオロエチルメタクリレート、ヘキサフルオロブチルメタクリレート、トリアクリロイル−ヘプタデカフルオロノネニル−ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
[原料(b)、および原料(c)の残存率、反応率]
本発明において用いられる原料(b)、および原料(c)の残存率、反応率は下式より求められる。
残存率 =(X/X)・・・(4)
反応率 =(X−X)/X)・・・(5)
式にてXは初濃度、Xは時間tにおける反応系中の濃度であり各種定量方法で求めることができる。
【0046】
また、加水分解反応における原料(b)の残存率が50%となる時間は下式より求められる。
反応速度定数k=d(X−X)/dt(X−(X−X))・・・(6)
残存率が50%となる時間t1/2 =ln2/k・・・(7)
前記定量方法は各成分が定量可能ならば特に限定されないが、ガスクロマトグラフィ(GC)法もしくは、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)法が好ましく、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)法がより好ましい。
【0047】
HPLCによる測定は、前処理としてポリマー修飾無機粒子分散物を超遠心分離器(30000rpm/30min)にて不溶物(例えば無機粒子など)と分離してから行う。
【0048】
具体的には、本発明において用いられる原料(b)、および原料(c)の残存率、反応率は、実施例においては以下の装置を用いて測定を行った。
装置:Waters社製ALC/GPC 150−C型
分離カラム:PLgel MIXED−A(7.5mm×30mm×2本)
移動相:ODCB
流速:1.0ml/min.
カラム温度:140℃
ポリマー修飾無機粒子の原料(a)〜(e)を含む分散液(未反応液)を前記装置を用いて測定し、この時得られた値を初濃度(X)、次いで所定の条件にて反応を開始させ、反応時間(t)にてサンプリングした分散液の値を残存量(X)として、残存率(X/X)、および反応率((X−X)/X)を算出した。
【0049】
また、上記値から算出した反応速度定数kを用いて、加水分解反応における原料(b)の残存率が50%となる時間を算出した。
[数平均分子量、分子量分布]
本発明のポリマー修飾無機粒子の数平均分子量(Mn)、および分子量分布(Mw/Mn)とは、以下に示すゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法にて測定し、得られた値である。GPC法の測定において、ポリマー修飾無機粒子の前処理などは特に必要なく、ポリマー修飾無機粒子中の不溶物については、試料挿入後にプレカラムにて捕獲される。そのため、本発明のポリマー修飾無機粒子の数平均分子量(Mn)、および分子量分布(Mn/Mw)は、前記原料(b)、および原料(c)からなるポリマー成分の分子量を反映した値である。また、数平均分子量とは、分子量Mの分子数をNとした際に、M=ΣM/ΣNで定義されるものであるが、本発明において採る数平均分子量とは、テトラヒドロフランを溶媒にし、分子量既知の単分散ポリスチレンを標準物質として用い、GPC法により測定して求めたいわゆるポリスチレン換算のものである。
【0050】
本発明のポリマー修飾無機粒子の数平均分子量、分子量分布は、以下の装置を用いて測定を行った。
装置:島津製作所社製/LC−10
分離カラム:Shodex社製:K−804+K−805L
カラム温度:35℃
[シラノール基残存率]
本発明において、シラノール基残存率とは、ケイ素を含む被修飾無機粒子の表面のシラノール基が減少し、Si−O−Si結合が生成するとNMRピークに変化が生じるため、この時のNMRシグナルのピーク面積を用いて算出することにより得られる値である。ケイ素の固体NMRを測定することで、ケイ素を含む粒子の表面状態を定量的に評価することが可能である。Si−NMRではSiの結合する相手により化学シフトが異なるため、それぞれのピークの大きさを調べることで、固体中の結合様式が分かる。
【0051】
本発明において用いられるシリコーン化合物で表面処理することにより、ケイ素を含む無機微粒子表面のシラノ−ル基が減少しSi−O−Si結合が生成するためにNMRピークに変化が現れる。分散されたシリカ粒子を評価する場合には、溶媒を25℃で減圧して溶媒を蒸発させてシリカの粉体を得て、それを測定に用いる。本発明において用いられるNMR測定は、Si CP−MAS法で行い、以下の装置を用いて測定した値を用いた。
・Bruker社製AVANCE−300型コンソール、BL−7
・CP−MASプローブ、
・測定幅:18000Hz
・観測周波数:59.621MHz
・MAS回転速度:4000Hz
H−90°パルス幅:5.0ms
・コンタクト時間:5ms
・パルス繰り返し時間:5s
このようにして測定したNMRシグナルのピーク面積を用いて以下の値を算出する。
Z=(3Q+2Q+Q)/(Q+Q+Q+Q
(式中Q(i=1〜4)は構造Qに対するNMRシグナルのピーク面積を表す。)
Zは表面のシラノール基数に相関する値であるので、ポリマー修飾無機粒子の原料(a)〜(e)を含む未反応時の分散液のZ値に対し、所定の条件にて反応を開始させ、反応時間毎にサンプリングした分散液のZ値の割合を求めると、原料(a)の表面のシラノール基数に対する、ポリマー修飾無機粒子の表面のシラノール基数の割合で定義されるシラノール基残存率を算出することができる。
[加水分解触媒]
本発明において用いる原料(d)加水分解触媒としては、たとえば塩化水素溶液、燐酸溶液、塩酸、硝酸、硫酸、臭化水素酸などの無機酸、クエン酸、マレイン酸、酢酸およびパラトルエンスルホン酸などの有機酸、その他、アルミニウムトリアセチルアセトナートなどの金属アセチルアセトン錯体も有効であるが、酸触媒を用いることが特に好ましい。
[ラジカル重合開始剤]
本発明において用いられる原料(e)ラジカル重合開始剤としては、10時間半減期温度が前述の範囲を満たす一般にラジカル重合反応に用いられる既知の開始剤を用いることができる。
【0052】
ラジカル重合開始剤の例としては、ベンゾイルパーオキサイドおよびジ−t−ブチルパーオキシドなどの有機過酸化物、2、2−アゾビスブチロニトリル、2、2−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)、および2、2−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物が挙げられ、中でもアゾ化合物が好ましく、2、2−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)がより好ましい。
[積層体]
本発明のポリマー修飾無機粒子は溶媒に分散して塗料組成物とし、該塗料組成物を支持基材の少なくとも片面に塗布することにより、2層以上の層が形成された積層体を提供することができる。
【0053】
ここで、本発明における「層」とは、前記支持基材の少なくとも片面に塗布された塗料組成物(以下成形材料と記す)の表面から厚み方向に向かい、隣接する部位とは元素組成、含有物(粒子等)の形状、物理特性が不連続な境界面を有することにより区別でき、有限の厚さを有する部位を指す。より具体的には、前記成形材料を表面から厚み方向に各種組成/元素分析装置(IR、XPS,XRF、EDAX、SIMS等)、電子顕微鏡(透過型、走査型)または光学顕微鏡にて断面観察した際、前記物理特性が不連続な境界面により区別され、有限の厚さを有する部位を指す。本発明の製造方法にて得られる積層体を反射防止フィルム、もしくは屈折率調整フィルムとして使用する場合には、積層体を構成する各層の屈折率に差があり、第1層(空気側の層)と第2層(支持基材側の層)の間に明確な境界面があることが好ましい。この「明確な境界面」については後述する方法に従い判断することができる。
【0054】
また、本発明のポリマー修飾無機粒子を用いて得られる積層体を反射防止フィルム、もしくは屈折率調整フィルムとして使用する場合には、第1層の方が第2層よりも屈折率が低いことが好ましい。
【0055】
第1層の550nmにおける屈折率は1.45以下が好ましく、1.43以下がより好ましく、1.41以下が特に好ましい。第2層の550nmにおける屈折率は、1.58以上が好ましく、1.61以上がより好ましく、1.65以上が特に好ましい。第2層の屈折率は光の透過が確保できる範囲で高いほど好ましいが、現実的には2.4程度が上限となる。
【0056】
第1層の屈折率が1.45を超える、または第2層の屈折率が1.58より低くなる場合には、第1層上には干渉効果が不十分になり、反射防止効果、または透明導電層を積層した場合の透過光の着色低減効果や透明導電層のパターニングの視認性低下効果が得られなくなる場合がある。
【0057】
第1層、第2層の屈折率は、ポリマー修飾無機粒子の表面修飾量,塗料組成物の項にて説明する無機添加粒子の種類、各層への粒子の充填量等により調整することが可能である。
【0058】
なお、このような本発明のポリマー修飾無機粒子を用いて得られる積層体には、屈折率の異なる2層(第1層と第2層)の間には、明確な境界面があることが好ましい。
【0059】
本発明における明確な境界面とは、1つの層と他の層とが区別可能な状態をいう。区別可能な境界面とは、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて断面を観察することにより判断することができる境界面を表し、後述する方法に従い判断することができる。
【0060】
また、積層体をとして良好な性質を示すには更に透明性が高いことが望ましい。透明性が低いと画像表示装置として用いた場合、画像彩度の低下などによる画質低下が生じるために好ましくない。
【0061】
本発明のポリマー修飾無機粒子を用いて得られる積層体の透明性の評価にはヘイズ値を用いることができる。ヘイズはJIS−K 7136(2000)に規定された透明性材料の濁りの指標である。ヘイズは小さいほど透明性が高いことを示す。積層体のヘイズ値としては好ましくは1.5%以下であり、より好ましくは1.2%以下、更に好ましくは1.0%以下であり、値が小さいほど透明性の点で良好であるものの、0%とすることは困難であり、現実的な下限値は0.01%程度と思われる。ヘイズ値が2.0%以上であると、画像劣化が生じる可能性が高くなる。
[塗料組成物]
本発明の塗料組成物は、前述のポリマー修飾無機粒子とバインダー原料、溶媒、及び少なくとも1種類以上の無機添加粒子を含むことが好ましい。このほかに光重合開始剤、硬化剤、触媒などの各種添加剤を含んでも良い。
【0062】
前記塗料組成物は、積層膜を1回の塗工工程にて複数の層を形成する積層膜の形成において、バインダー原料、および無機添加粒子を含むことにより、積層膜の耐摩耗性、層間密着性が向上し、さらに溶媒を含むことにより、ポリマー修飾無機粒子の塗膜表面への移行が容易になり、かつ塗膜の品位が良好(面状欠陥が少ない)な層を形成可能である。
[バインダー原料]
前記塗料組成物中のバインダー原料は特に限定するものではないが、製造性の観点より、熱及び/または活性エネルギー線などにより、硬化可能なバインダー原料であることが好ましい。塗料組成物中のバインダー原料は、一種類であっても良いし、二種類以上を混合して用いても良い。
【0063】
また、本発明においてポリマー修飾無機粒子および無機添加粒子を層中に保持する観点より、分子中にアルコキシ基、シラノール基、反応性二重結合、および開環反応可能な官能基を有しているモノマー、オリゴマーがバインダー原料であることが好ましい。
【0064】
このような塗料組成物中のバインダー原料は、具体的には多官能アクリレートモノマー、オリゴマー、アルコキシシラン、アルコキシシラン加水分解物、アルコキシシランオリゴマー等が好ましく、多官能アクリレートモノマー、オリゴマーがより好ましい。
【0065】
多官能アクリレートモノマーの例としては、1分子中に3(より好ましくは4または5)個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能アクリレートおよびその変性ポリマー、具体的な例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサンメチレンジイソシアネートウレタンポリマーなどを用いることができる。これらの単量体は、1種または2種以上を混合して使用することができる。なお、(メタ)アクリロイルオキシ基は、メタクリロイルオキシ基とアクリロイルオキシ基を便宜上総称したもの、(メタ)アクリレートは、メタクリレートとアクリレートを便宜上総称したものである(以降、同様の総称を適用する)。
【0066】
また、市販されている多官能アクリル系組成物としては三菱レイヨン株式会社;(商品名“ダイヤビーム(登録商標)”シリーズなど)、長瀬産業株式会社;(商品名“デナコール(登録商標)”シリーズなど)、新中村化学株式会社;(商品名“NKエステル”シリーズなど)、DIC株式会社;(商品名“UNIDIC(登録商標)”など)、東亞合成化学工業株式会社;(“アロニックス(登録商標)”シリーズなど)、日本油脂株式会社;(“ブレンマー(登録商標)”シリーズなど)、日本化薬株式会社;(商品名“KAYARAD(登録商標)”シリーズなど)、共栄社化学株式会社;(商品名“ライトエステル”シリーズなど)などを挙げることができ、これらの製品を利用することができる。
[溶媒]
本発明の塗料組成物は、前述の無機添加粒子、バインダー原料に加えて、溶媒として有機溶媒を含むことが好ましい。有機溶媒を含むことにより、塗布時に適度な流動性を与え、また粒子の運動性を確保できるためポリマー修飾無機粒子の表面移行が容易となり、良好な特性を発現できるため好ましい。ここで「有機溶媒」とは、塗工後の乾燥工程にてほぼ全量を蒸発させることが可能な常温、常圧で液体である有機物質を指す。
【0067】
有機溶媒は、特に限定されるものではないが、常圧での沸点が250℃以下の溶媒が好ましい。具体的には、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、炭化水素類、アミド類、含フッ素化合物類等が用いられる。これらは、1種、または2種以上を組み合わせて用いることができる。ここで、溶媒の種類とは溶媒を構成する分子構造によって決まる。すなわち、同一の元素組成で、かつ官能基の種類と数が同一であっても結合関係が異なるもの(構造異性体)、前記構造異性体ではないが、3次元空間内ではどのような配座をとらせてもぴったりとは重ならないもの(立体異性体)は、種類の異なる溶媒として取り扱う。例えば、2−プロパノールと、n−プロパノールは異なる溶媒として取り扱う。塗料組成物に含有させる溶媒の種類の数としては1種類以上20種類以下が好ましく、より好ましくは1種類以上10種類以下、さらに好ましくは1種類以上6種類以下である。
【0068】
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、エトキシエタノール、ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等を挙げることができる。ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等を挙げることができる。エーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどを挙げることができる。エステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等を挙げることができる。芳香族類としては、例えば、トルエン、キシレン等を挙げることができる。アミド類としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。
[無機添加粒子]
本発明の塗料組成物は、無機添加粒子を含むことが好ましい。無機添加粒子は特に限定されないが、金属や半金属の酸化物、窒化物、ホウ素化物、塩化物、炭酸塩、硫酸塩であることが好ましく、2種類の金属、半金属を含む複合酸化物や、格子間に異元素が導入されたり、格子点が異種元素で置換されたり、格子欠陥が導入されていても良い。
【0069】
無機添加粒子はSi、Al、Ca、Zn、Ga、Mg、Zr、Ti、In、Sb、Sn、BaおよびCeよりなる群から選ばれる少なくとも一つの金属や半金属が酸化された酸化物粒子であることがさらに好ましい。
【0070】
具体的にはシリカ(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化チタン(TiO)、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化アンチモン(Sb)およびインジウムスズ酸化物(In)からなる群より選ばれる少なくとも一つの金属酸化物や半金属酸化物である。特に好ましくは酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化チタン(TiO)である。
【0071】
無機添加粒子の数平均粒子径は5nm以上250nm以下が好ましい。無機粒子の数平均粒子径が5nmよりも小さくなると、塗料の安定性が不十分になる場合があり、250nmよりも大きくなると透明性が低下する場合がある。
[その他の添加剤]
本発明の塗料組成物としては、更に光重合開始剤や硬化剤や硬化触媒を含むことが好ましい。
【0072】
光重合開始剤及び硬化触媒は、ポリマー修飾無機粒子間、バインダー原料間、ポリマー修飾無機粒子とバインダー原料間の反応を促進するために用いられる。該光重合開始剤としては、光線によりラジカル等の活性種を生成し、塗料組成物をラジカル反応等による重合および/またはシラノール縮合および/または架橋反応を開始あるいは促進できるものが好ましい。該光重合開始剤及び該硬化剤の含有割合は、塗料組成物中のバインダー原料の合計100質量部に対して0.001質量部から30質量部が好ましく、より好ましくは0.05質量部から20質量部であり更に好ましくは0.1質量部から10質量部である。
【0073】
該光重合開始剤、該硬化剤、及び硬化触媒は、種々のものを使用できる。また、複数の開始剤を同時に用いても良いし、単独で用いても良い。光重合開始剤の例としては、アルキルフェノン系化合物、含硫黄系化合物、アシルホスフィンオキシド系化合物、アミン系化合物などが挙げられるがこれらに限定されるものではないが、硬化性の点から、アルキルフェノン系化合物が好ましく、具体例としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−フェニル)−1−ブタン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−(4−フェニル)−1−ブタン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタン、1−シクロヒキシル−フェニルケトン、2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−エトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、などが挙げられる。
さらに、酸性触媒や、熱重合開始剤を併用しても良い。酸性触媒の例としては、塩酸水溶液、蟻酸、酢酸などが挙げられる。熱重合開始剤の例としては、過酸化物、アゾ化合物が挙げられる。
【0074】
本発明の塗料組成物には更に、界面活性剤、増粘剤、レベリング剤などの添加剤を必要に応じて適宜含有させても良い。
[ポリマー修飾無機粒子の製造方法]
本発明において用いられる原料(a)に表面処理を行う方法としては、前記原料(a)または前記原料(a)の分散物に対して前述した原料(b)、および前記原料(c)、前記原料(d)、前記原料(e)、および、溶媒と、必要に応じて、反応停止剤、重合禁止剤、凝集防止剤、分散剤等を添加し、混合、攪拌しながら、加熱または冷却状態で反応させる方法が挙げられるが、加えてエバポレーターや逆浸透膜による脱アルコール処理、モレキュレーシーブによる脱水処理、イオン交換樹脂、イオン交換膜によるイオン交換処理などをおこなってもよい。
【0075】
表面処理時の分散液の固形分濃度は、可能な範囲で低い濃度であることが好ましく、1質量%以上60質量%以下、より好ましくは5質量%以上50質量%以下であり、これよりも固形分濃度が低すぎると反応を十分に進めることができない場合があり、これよりも高すぎると、無機粒子の凝集による異物の発生、さらにはゲル化、凝集、沈降を起こす場合がある。また、表面処理の後に、安定性を付与するため溶媒による希釈や、反応停止剤、重合禁止剤、凝集防止剤を添加してもよい。
[塗料組成物の製造方法]
本発明のポリマー修飾無機粒子を用いた塗料組成物の調整方法を説明する。
【0076】
本発明の塗料組成物は、ポリマー修飾無機粒子とバインダー原料、溶媒および無機添加粒子を含むが、その他必要に応じて、レベリング剤、開始剤、硬化剤、及び触媒を添加することができる。添加する順序は特に限定されないが、含まれるポリマー修飾無機粒子の凝集を防止するために攪拌した状態で添加することが好ましい。またレベリング剤は粒子同士の凝集を抑制し、積層体を平滑に形成することができるため好ましい。
【0077】
次に、ポリマー修飾無機粒子の調整方法を説明する。ポリマー修飾無機粒子は、上述の[ポリマー修飾無機粒子]に記載の方法で得られ、有機溶媒により適宜希釈されたものを用いる。有機溶媒は、前述の通り、常圧での沸点が200℃以下の溶媒が好ましく、特に無機粒子の安定性の点からイソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが特に好ましい。
【0078】
本発明の塗料組成物は、上記ポリマー修飾無機粒子に、バインダー原料、無機添加粒子、必要に応じて、開始剤、硬化剤、及び触媒を添加することで得られる。添加する順序は特に限定されないが、含まれる無機粒子の凝集を防止するために攪拌した状態で添加することが好ましい。
[積層体の製造方法]
本発明の塗料組成物は積層体の製造に用いられる。本発明の塗料組成物を用いると、支持基材の面に、塗料組成物を1回のみ塗布することにより、屈折率の異なる2層からなる積層膜を形成することができることから、経済性の面で好ましい。
【0079】
ここで、支持基材の面に塗料組成物を1回のみ塗布するとは、支持基材に対して1回の塗布工程にて1種類の塗料組成物からなる1層の液膜を形成することを指し、1回の塗布工程にて複数層からなる液膜を同時に1回塗布する多層同時塗布や、1回の塗布時に1層の液膜を複数回の塗布、乾燥工程を有する連続逐次塗布、1回の塗布時に1層の液膜を複数回塗布し、次いで乾燥する、ウェットオンウェット塗布などを行わないことを示すものとする。
【0080】
本発明の塗料組成物を用いた積層体の製造方法は、まず、塗料組成物を、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やダイコート法(米国特許2681294号明細書参照)などにより支持基材上に塗布する塗布工程と、次いで、支持基材上に塗布された液膜を乾燥する乾燥工程から構成される。乾燥工程においては、得られる積層体中から完全に溶媒を除去する事に加え、明確な境界面を持つ層構造を形成させるために液膜中での粒子の運動を促進するという観点からも、液膜の加熱を伴うことが好ましい。乾燥工程の初期においては0.1g/(m.s)以上1.4g/(m.s)以下の範囲の乾燥速度が得られるならば、特に風速、温度は限定されない。
【0081】
塗布工程に用いられる塗布方法のうち、グラビアコート法または、ダイコート法が塗布方法として好ましい。グラビアコート法は本発明の塗料組成物を用いて得られる積層膜のような塗布量の少ない塗料組成物を均一な膜厚で塗布することに優れており、グラビアコート法の中でもダイレクトグラビア法で、グラビアロール直径の小さい小径グラビアロールを用いることが、メニスカス部の安定性確保の面からより好ましい。またダイコート法は、屈折率調整層のような塗布量の少ない場合には、ビード背圧の印加など工夫を要するが、前計量方式のためコーティングダイへの供給液量にて膜厚の制御が可能であり、また、原理的に塗料組成物の滞留部、蒸発部がないため、塗料組成物の安定性の面からも優れている。
【0082】
乾燥工程に用いられる乾燥方法としては、伝熱乾燥(高熱物体への密着)、対流伝熱(熱風)、輻射伝熱(赤外線)、その他(マイクロ波、誘導加熱)などが挙げられる。この中でも、精密に幅方向で乾燥速度を均一にする観点から、対流伝熱、または輻射伝熱を使用した方式が好ましく、さらに恒率乾燥期間においては、幅方向で均一な乾燥速度を達成するため、対流伝熱による乾燥の場合には、制御可能な風速を維持しつつ、乾燥時の総括物質移動係数を下げることが可能な方法として、支持基材に対して平行で、基材の搬送方向に対して平行、あるいは垂直な方向に熱風を送風する方式が望ましい。
【0083】
さらに、乾燥工程後に形成された支持基材上の積層膜に対して、熱またはエネルギー線を照射する事により、さらに硬化を進める硬化工程を適用してもよい。硬化工程において、熱により硬化を進める場合には、室温から200℃の雰囲気下で加熱を行うことが好ましく、硬化反応の活性化エネルギーの観点から、100℃以上200℃以下の雰囲気下で加熱を行うことがより好ましく、130℃以上200℃以下の雰囲気下で加熱を行うことがさらに好ましい。エネルギー線により硬化を進める場合には汎用性の点から電子線(EB線)及び/又は紫外線(UV線)を用いることが好ましい。紫外線により硬化を進める場合は、酸素阻害を防ぐことができることから酸素濃度ができるだけ低い方が好ましく、窒素雰囲気下(窒素パージ)で硬化を進めることがより好ましい。酸素濃度が高い場合には、最表面の硬化が阻害され、硬化が不十分となり、耐擦傷性が不十分となる場合がある。また、紫外線を照射する際に用いる紫外線ランプの方式としては、例えば、放電ランプ方式、フラッシュ方式、レーザー方式、無電極ランプ方式等が挙げられる。放電ランプ方式である高圧水銀灯を用いて紫外線硬化させる場合、紫外線の照度が100〜3000mW/cm、好ましくは200〜2000mW/cm、さらに好ましくは300〜1500mW/cmとなる条件で紫外線照射を行うことが好ましく、紫外線の積算光量が100〜3000mJ/cm、好ましく200〜2000mJ/cm、さらに好ましくは300〜1500mJ/cmとなる条件で紫外線照射を行うことがより好ましい。ここで、紫外線照度とは、単位面積当たりに受ける照射強度で、ランプ出力、発光スペクトル効率、発光バルブの直径、反射鏡の設計及び被照射物との光源距離によって変化する。しかし、搬送スピードによって照度は変化しない。また、紫外線積算光量とは単位面積当たりに受ける照射エネルギーで、その表面に到達するフォトンの総量である。積算光量は、光源下を通過する照射速度に反比例し、照射回数とランプ灯数に比例する。
【0084】
硬化を熱により行う場合、乾燥工程と硬化工程とを同時におこなってもよい。
【実施例】
【0085】
次に、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0086】
(実施例1)
[ポリマー修飾無機粒子(A−1)]
コロイダルシリカであるELCOM TO−1023(日揮触媒化成株式会社製シリカ:固形分濃度20質量%、数平均粒子径 25nm)10gに、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.38gと、HC=CH−COO−C−(CFCF 1.38gを添加して撹拌し、ついで、10質量%蟻酸水溶液0.17g、2、2−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)を0.88g混合し、80℃にて2時間撹拌した。その後、イソプロピルアルコールを加え希釈し、固形分14質量%のポリマー修飾無機粒子(A−1)を調製した。
[塗料組成物1]
下記材料を下記の配合で混合し調製した。
ポリマー修飾無機粒子(A−1) 0.56質量部
無機添加粒子(二酸化チタン粒子分散物 1.36質量部
(ELCOM 日揮触媒化成株式会社製: 固形分30質量%、数平均粒子径 8nm)
バインダー原料(DPHA) 0.58質量部
(EBCRYL4858: ダイセルサイテック株式会社 固形分100質量%)
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン 0.15質量部
イソプロピルアルコール 44.7質量部
エチレングリコールモノブチルエーテル 10.0質量部
[積層膜1の作製]
支持基材としてPET樹脂フィルム上に易接着性塗料が塗工されている“ルミラー”U46(東レ(株)製)をもちいた。この支持基材の易接着塗料が塗工されている面上に、以下に示すハードコート塗工液をバーコーター(#16)を用いて塗工後、下記に示す第一段階の乾燥を行い、次いで第二段階の乾燥を行った。
・ハードコート塗工液
下記材料を下記比率で混合し、ハードコート塗工液を調製した。
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETIA) 30.0質量部
イルガキュア907(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 1.5質量部
メチルイソブチルケトン 73.5質量部
第一段階の乾燥 熱風温度 70℃
熱風風速 2m/s
風向 塗工面に対して平行
乾燥時間 1.5分間
第二段階の乾燥 熱風温度 130℃
熱風風速 5m/s
風向 塗工面に対して垂直
乾燥時間 2分間
乾燥後、160W/cmの高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600W/cm、積算光量800mJ/cmの紫外線を、酸素濃度0.1体積%の下で照射して硬化させた。
【0087】
次いで、このハードコート塗工液が塗工、乾燥、硬化されている面上に、塗料組成物1をバーコーター(#7)を用いて塗工後、液膜厚み測定用のセンサーと膜面温測定用のセンサーを取り付けた乾燥装置にて、下記に示す第一段階の乾燥を行い、次いで第二段階の乾燥を行った。
第一段階 熱風温度 25℃
熱風風速 0.5m/s
風向 塗工面に対して平行
乾燥時間 2分間
第二段階 熱風温度 100℃
熱風風速 5m/s
風向 塗工面に対して垂直
乾燥時間 2分間
乾燥後、160W/cmの高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600W/cm、積算光量800mJ/cmの紫外線を、酸素濃度0.1体積%の下で照射して硬化させ積層体を作成した。
【0088】
(実施例2)
[ポリマー修飾無機粒子(A−2)]
温度を85℃に変えた以外は前記ポリマー修飾無機粒子(A−1)と同様にして、調製した。
[塗料組成物2]
ポリマー修飾無機粒子を(A−2)に変えた以外は塗料組成物1と同様に調製した。
[積層膜2の作製]
塗料組成物2を用いた以外は積層膜1と同様に作製した。
【0089】
(実施例3)
[ポリマー修飾無機粒子(A−3)]
コロイダルシリカをPL−2L(扶桑化学工業株式会社製シリカ:固形分濃度20質量%、数平均粒子径 17nm)変えた以外は前記ポリマー修飾無機粒子(A−1)と同様にして、調製した。
[塗料組成物3]
ポリマー修飾無機粒子を(A−3)に変えた以外は塗料組成物1と同様に調製した。
[積層膜3の作製]
塗料組成物3を用いた以外は積層膜1と同様に作製した。
【0090】
(実施例4)
[ポリマー修飾無機粒子(A−4)]
コロイダルシリカをスルーリア(日揮触媒化成株式会社製中空シリカ:固形分濃度20質量%、数平均粒子径 40nm)に変えた以外は前記ポリマー修飾無機粒子(A−1)と同様にして、調製した。
[積層膜4の作製]
塗料組成物4を用いた以外は積層膜1と同様に作製した。
[塗料組成物4]
ポリマー修飾無機粒子を(A−4)に変えた以外は塗料組成物1と同様に調製した。
【0091】
(実施例5)
[ポリマー修飾無機粒子(A−5)]
コロイダルシリカをスルーリア(日揮触媒化成株式会社製中空シリカ:固形分濃度20質量%、数平均粒子径 60nm)に変えた以外は前記ポリマー修飾無機粒子(A−1)と同様にして、調製した。
[塗料組成物5]
ポリマー修飾無機粒子を(A−5)に変えた以外は塗料組成物1と同様に調製した。
[積層膜5の作製]
塗料組成物5を用いた以外は積層膜1と同様に作製した。
【0092】
(実施例6)
[ポリマー修飾無機粒子(A−6)]
コロイダルシリカをIPA−ST(日産化学工業株式会社製シリカ:固形分濃度20質量%、数平均粒子径 12nm)に変えた以外は前記ポリマー修飾無機粒子(A−1)と同様にして、調製した。
[塗料組成物6]
ポリマー修飾無機粒子を(A−6)に変えた以外は塗料組成物1と同様に調製した。
[積層膜6の作製]
塗料組成物6を用いた以外は積層膜1と同様に作製した。
【0093】
(実施例7)
[ポリマー修飾無機粒子(B−1)]
重合開始剤を2、2−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)に変えた以外は前記ポリマー修飾無機粒子(A−1)と同様にして、調製した。
[塗料組成物7]
ポリマー修飾無機粒子を(B−1)に変えた以外は塗料組成物1と同様に調製した。
[積層膜7の作製]
塗料組成物7を用いた以外は積層膜1と同様に作製した。
【0094】
(実施例8)
[ポリマー修飾無機粒子(B−2)]
前記ポリマー修飾無機粒子(A−1)に対し、重合開始剤を2,2−アゾビスイソブチロニトリルに変えた以外は前記ポリマー修飾無機粒子(A−1)と同様にして、調製した。
[塗料組成物8]
ポリマー修飾無機粒子を(B−2)に変えた以外は塗料組成物1と同様に調製した。
[積層膜8の作製]
塗料組成物8を用いた以外は積層膜1と同様に作製した。
【0095】
(実施例9)
[ポリマー修飾無機粒子(C−1)]
加水分解触媒を10質量%臭化水素酸に変えた以外は前記ポリマー修飾無機粒子(A−1)と同様にして、調製した。
[塗料組成物9]
ポリマー修飾無機粒子を(C−1)に変えた以外は塗料組成物1と同様に調製した。
[積層膜9の作製]
塗料組成物9を用いた以外は積層膜1と同様に作製した。
【0096】
(実施例10)
[ポリマー修飾無機粒子(C−2)]
加水分解触媒を10質量%酢酸に変えた以外は前記ポリマー修飾無機粒子(A−1)と同様にして、調製した。
[塗料組成物10]
ポリマー修飾無機粒子を(C−2)に変えた以外は塗料組成物1と同様に調製した。
[積層膜10の作製]
塗料組成物10を用いた以外は積層膜1と同様に作製した。
【0097】
(実施例11)
[ポリマー修飾無機粒子(D−1)]
フッ素化合物をHC=CH−COO−C−(CFCF に変えた以外は前記ポリマー修飾無機粒子(A−1)と同様にして、調製した。
[塗料組成物11]
ポリマー修飾無機粒子を(D−1)に変えた以外は塗料組成物1と同様に調製した。
[積層膜11の作製]
塗料組成物11を用いた以外は積層膜1と同様に作製した。
【0098】
(実施例12)
[ポリマー修飾無機粒子(D−2)]
シリコーン化合物をメタクリロキシプロピルトリエトキシシランに、フッ素化合物をHC=C(CH)−COO−C−(CFCF に変えた以外は前記ポリマー修飾無機粒子(A−1)と同様にして、調製した。
[塗料組成物12]
ポリマー修飾無機粒子を(D−2)に変えた以外は塗料組成物1と同様に調製した。
[積層膜12の作製]
塗料組成物12を用いた以外は積層膜1と同様に作製した。
【0099】
(実施例13)
[ポリマー修飾無機粒子(D−3)]
シリコーン化合物をアクリロイルキシプロピルトリメトキシシランに変えた以外は前記ポリマー修飾無機粒子(D−1)と同様にして、調製した。
[塗料組成物13]
ポリマー修飾無機粒子を(D−3)に変えた以外は塗料組成物1と同様に調製した。
[積層膜13の作製]
塗料組成物13を用いた以外は積層膜1と同様に作製した。
【0100】
(実施例14)
[ポリマー修飾無機粒子(D−4)]
フッ素化合物をHC=CH−COO−C−(CFCF に変えた以外は前記ポリマー修飾無機粒子(D−3)と同様にして、調製した。
[塗料組成物14]
ポリマー修飾無機粒子を(D−4)に変えた以外は塗料組成物1と同様に調製した。
[積層膜14の作製]
塗料組成物14を用いた以外は積層膜1と同様に作製した。
【0101】
(実施例15)
[ポリマー修飾無機粒子(D−5)]
シリコーン化合物をメタクリロキシプロピルジメトキシシランに変えた以外は前記ポリマー修飾無機粒子(D−2)と同様にして、調製した。
[塗料組成物15]
ポリマー修飾無機粒子を(D−5)に変えた以外は塗料組成物1と同様に調製した。
[積層膜15の作製]
塗料組成物15を用いた以外は積層膜1と同様に作製した。
【0102】
(実施例16)
[ポリマー修飾無機粒子(D−6)]
フッ素化合物をHC=C(CH)−COO−C−(CFCF に変えた以外は前記ポリマー修飾無機粒子(D−1)と同様にして、調製した。
[塗料組成物16]
ポリマー修飾無機粒子を(D−6)に変えた以外は塗料組成物1と同様に調製した。
[積層膜16の作製]
塗料組成物16を用いた以外は積層膜1と同様に作製した。
【0103】
(実施例17)
[塗料組成物17]
無機添加粒子を二酸化ジルコニウム粒子分散物(F75 CIKナノテック(株)社製:固形分30質量%、数平均粒子径 15nm)に変えた以外は塗料組成物1と同様に調製した。
[積層膜17の作製]
塗料組成物17を用いた以外は積層膜1と同様に作製した。
【0104】
(実施例18)
[塗料組成物18]
無機添加粒子をコロイダルシリカ粒子分散物ST−ZL(日産化学工業(株)社製:固形分30質量%、数平均粒子径 100nm)に変えた以外は塗料組成物1と同様に調製した。
[積層膜18の作製]
塗料組成物18を用いた以外は積層膜1と同様に作製した。
【0105】
(比較例1)
[ポリマー修飾無機粒子(F−1)]
コロイダルシリカであるELCOM TO−1023(日揮触媒化成株式会社製シリカ:固形分濃度20質量%、数平均粒子径 25nm)10gに、HC=CH−COO−C−(CFCF 1.38gを添加して撹拌し、ついで、2、2−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)を0.88g混合し、80℃にて2時間撹拌した。その後、イソプロピルアルコールを加え希釈し、固形分14質量%のポリマー修飾無機粒子(F−1)とした。
[塗料組成物19]
ポリマー修飾無機粒子を(F−1)に変えた以外は塗料組成物1と同様に調製した。
[積層膜19の作製]
塗料組成物19を用いた以外は積層膜1と同様に作製した。
【0106】
(比較例2)
[ポリマー修飾無機粒子(F−2)]
シリコーン化合物をビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シランに変えた以外は前記ポリマー修飾無機粒子(A−1)と同様にして、調製した。
[塗料組成物20]
ポリマー修飾無機粒子を(F−2)に変えた以外は塗料組成物1と同様に調製した。
[積層膜20の作製]
塗料組成物20を用いた以外は積層膜1と同様に作製した。
【0107】
(比較例3)
[ポリマー修飾無機粒子(F−3)]
コロイダルシリカであるELCOM TO−1023(日揮触媒化成株式会社製シリカ:固形分濃度20質量%、数平均粒子径 25nm)10gに、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.38gを添加して撹拌し、ついで、10質量%蟻酸水溶液0.17gを混合し、80℃にて2時間撹拌した。その後、イソプロピルアルコールを加え希釈し、固形分14質量%のポリマー修飾無機粒子(F−3)とした。
[塗料組成物21]
ポリマー修飾無機粒子を(F−3)に変えた以外は塗料組成物1と同様に調製した。
[積層膜21の作製]
塗料組成物21を用いた以外は積層膜1と同様に作製した。
【0108】
(比較例4)[ポリマー修飾無機粒子(F−4)]
フッ素化合物を3−ペルフルオロヘキシル1,2−エポキシプロパンに変えた以外は前記ポリマー修飾無機粒子(A−1)と同様にして、調製した。
[塗料組成物22]
ポリマー修飾無機粒子を(F−4)に変えた以外は塗料組成物1と同様に調製した。
[積層膜22の作製]
塗料組成物22を用いた以外は積層膜1と同様に作製した。
【0109】
(比較例5)
[ポリマー修飾無機粒子(F−5)]
中空シリカであるスルーリアTR−113(日揮触媒化成工業株式会社製:固形分20質量%)20gにメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン4.4gと5質量%蟻酸水溶液1.8gを混合し70℃にて1時間撹拌した。ついで、2−ペルフルオロオクチルエチルアクリレート4.6g及び2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.2gを加えた後、30分間70℃にて加熱撹拌した。その後、イソプロピルアルコールを加え希釈し、固形分14質量%のポリマー修飾無機粒子(F−5)とした。
[塗料組成物23]
ポリマー修飾無機粒子を(F−5)に変えた以外は塗料組成物1と同様に調製した。
[積層膜23の作製]
塗料組成物23を用いた以外は積層膜1と同様に作製した。
【0110】
(比較例6)
[ポリマー修飾無機粒子(F−6)]
中空シリカであるスルーリアTR−113(日揮触媒化成工業株式会社製:固形分20質量%)100gにフッ素系シランカップリング剤(TSL−8233:商品名、東芝シリコーン社製)1gを添加し、溶媒としてイソプロピルアルコールを4g加えた。得られた混合物に対して、更に、水を添加した。該水の添加量はフッ素系シランカップリング剤1molに対し3molとした。また、HCl水溶液にて全体の溶液をpH=4に調節した後、80℃、2.5時間過熱撹拌を行った。その後、イソプロピルアルコールを加え希釈し、固形分14質量%のポリマー修飾無機粒子(F−6)とした。
[塗料組成物24]
ポリマー修飾無機粒子を(F−6)に変えた以外は塗料組成物1と同様に調製した。
[積層膜24の作製]
塗料組成物24を用いた以外は積層膜1と同様に作製した。
【0111】
(比較例7)
[ポリマー修飾無機粒子(F−7)]
グリシジルメタクリレート97g、メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、KBM803)3g、MEK200gを混合した後、内温を窒素気流下約60℃まで昇温した。その後、V65(和光純薬工業製、品番:011−11082)を2回に分けて合計で1.5g添加し、65℃で6時間撹拌を続けた。その後、内温を80℃まで上げ、V65を完全に失活させた後、内容混合物を室温に戻し、MEK−ST(日産化学工業(株)、MEK分散シリカ:固形分濃度30%)111g、アルミニウムアセチルアセトナート0.025gを加え、均一になるまで撹拌の後、純水0.99gを加え、室温で3時間、50〜70℃で約4時間反応を行った。その後、MEKを加え希釈し、固形分14質量%のポリマー修飾無機粒子(F−7)とした。
[塗料組成物25]
ポリマー修飾無機粒子を(F−7)に変えた以外は塗料組成物1と同様に調製した。
[積層膜25の作製]
塗料組成物25を用いた以外は積層膜1と同様に作製した。
【0112】
(比較例8)
[ポリマー修飾無機粒子(F−8)]
前記ポリマー修飾無機粒子(F−2)に対し、シリコーン化合物をメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン20質量%および正珪酸エチル10質量%に変えた以外は同様にして、ポリマー修飾無機粒子(F−8)を得た。
[塗料組成物26]
ポリマー修飾無機粒子を(F−8)に変えた以外は塗料組成物1と同様に調製した。
[積層膜26の作製]
塗料組成物26を用いた以外は積層膜1と同様に作製した。

上記各実施例、比較例について、以下の評価を行った。
[積層膜の評価]
作製した積層膜について次に示す性能評価を実施し、得られた結果を表1〜表3に示す。特に断りのない場合を除き、測定は各実施例・比較例において1つのサンプルについて場所を変えて3回測定を行い、その平均値を用いた。
[表面移行性]
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて断面を観察し、支持基材上の2層の境界面の有無を判断することで表面移行性の評価を行った。境界面の有無の判断は以下の方法に従い判断した。TEMにより20万倍の倍率で撮影した画像を、スキャナーを用いてプレゼンテーションソフトウェア(Microsoft Power Point2003)に貼付した。次いで貼付した写真のイメージコントロール処理(コントラストを90%とする)を行い、コントラストを強調した。この際に、1つの層と他の層との境界面に明確な境界を引くことができる場合を、明確な境界面があるとみなした(明確な境界を引くことができる場合を境界面有りとして「○」で示し、明確な境界を引くことができない場合を境界面無しとして「×」で示した。)。
[面状欠陥]
A4サイズの積層膜各20枚について目視で確認を行い、欠陥部の外接円の直径が0.5mm以上の欠陥を面状欠陥としてカウントし、1枚あたりの欠陥の個数を求め、下記のクラス分けを行い、3点以上を合格とした。
5点 面状欠陥の数 1個未満
4点 面状欠陥の数 1個以上3個未満
3点 面状欠陥の数 3個以上5個未満
2点 面状欠陥の数 5個以上10個未満
1点 面状欠陥の数 10個以上
[密着性]
常態下(23℃、相対湿度65%)で、積層膜を有する面に1cmのクロスカットを100個入れ、ニチバン株式会社製セロハンテープをその上に貼り付け、ゴムローラーを用いて、荷重19.6Nで3往復させ、押し付けた後、90度方向に剥離し、透明導電層の残存した個数により3段階評価(○:81個〜100個、△:61個〜80個、×:0個〜60個)した。○と△を密着性合格とした。
[透明性]
透明性はヘイズ値を測定することにより判定した。測定はJIS K 7136(2000)に基づき、日本電色工業(株)製 ヘイズメーターを用いて、積層膜の支持基材とは反対側(コーティング面側)から光を透過するように装置に置いて測定を行い、ヘイズ値が2%未満を合格とした。
[耐摩耗性]
本光製作所製消しゴム摩耗試験機の先端(先端部面積 1cm)に、白ネル〔興和(株)製〕を取り付け、500gの荷重をかけて積層膜上を5cm、5000回往復摩擦し、下記のクラス分けを行い3点以上を合格とした。
5点 傷なし
4点 1〜10本の傷
3点 11〜20本の傷
2点 21本以上の傷
1点 試験部分の積層膜が全面剥離
上記各実施例、比較例の内容およ評価結果を以下の表に示す。
【0113】
【表1】

【0114】
【表2】

【0115】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも下記の原料(a)〜(e)を含む分散液を、下記条件1,2を共に満たす反応温度の下で原料(b)の残存率が20%以下、原料(c)の残存率が50%以下となるまで反応させるポリマー修飾無機粒子の製造方法。
原料(a)被修飾無機粒子
原料(b)下記式(I)で表されるシリコーン化合物
X−R−SiR(OR3−n・・・(I)
(上記式中のXは反応性二重結合を含む基を示し、Rは炭素数1から3のアルキレン基及びそれらを含むエステル結合基を示し、Rは水素又は炭素数が1から4のアルキル基を示し、Rは水素又は炭素数が1から5のアルキル基を示し、それぞれ側鎖を構造中に持っても良い。nは0から2の整数を示す。)
原料(c)フルオロアルキル基、フルオロオキシアルキル基、フルオロアルケニル基、フルオロアルカンジイル基およびフルオロオキシアルカンジイル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基と反応性二重結合とを有するフッ素化合物
原料(d)加水分解触媒
原料(e)ラジカル重合開始剤
条件1:原料(b)の残存率が50%となる時間が10〜80分
条件2:原料(c)の反応率が50%に達する時間が15〜60分
【請求項2】
前記原料(a)は少なくともケイ素を含む無機粒子であって、固体Si−NMR法を用いて得られる該原料(a)の表面のシラノール基数に対する、前記ポリマー修飾無機粒子の表面のシラノール基数の割合で定義されるシラノール基残存率が、60%以上90%以下であることを特徴とする、請求項1に記載のポリマー修飾無機粒子の製造方法。
【請求項3】
前記原料(d)の酸解離定数pKaが、−3.8以上5.0以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリマー修飾無機粒子の製造方法。
【請求項4】
前記原料(e)の10時間半減期温度が、28℃以上60℃以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のポリマー修飾無機粒子の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により得られるポリマー修飾無機粒子。
【請求項6】
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法で測定した際のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が、8000以上25000以下、分子量分布(Mw/Mn)が、1.5以上4.0以下であることを特徴とする、請求項5に記載のポリマー修飾無機粒子。
【請求項7】
請求項5または6に記載のポリマー修飾無機粒子、バインダー原料、溶媒、及び無機添加粒子を含むことを特徴とする、塗料組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−72065(P2013−72065A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214217(P2011−214217)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】