ポリマー及び該ポリマーを含んだ有機発光素子
【課題】ポリマー及び該ポリマーを含んだ有機発光素子を提供する。
【解決手段】m個の反復単位を含み、m個の反復単位のうちn番目反復単位が、下記化学式1で表示される第1反復単位であり、n番目の反復単位のA1環と、n−1番目の反復単位の第1芳香族環との間の第1上反角、及びn番目の反復単位のA2環と、n+1番目の反復単位の第2芳香族環との間の第2上反角のうちの一つ以上が、下記数式1のχ50%以上の角度を有するポリマー:
【解決手段】m個の反復単位を含み、m個の反復単位のうちn番目反復単位が、下記化学式1で表示される第1反復単位であり、n番目の反復単位のA1環と、n−1番目の反復単位の第1芳香族環との間の第1上反角、及びn番目の反復単位のA2環と、n+1番目の反復単位の第2芳香族環との間の第2上反角のうちの一つ以上が、下記数式1のχ50%以上の角度を有するポリマー:
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー及び該ポリマーを含んだ有機発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
能動発光型素子である有機発光素子(light emitting device)は、軽量であり、部品が簡素であり、製作工程が簡単な構造を有しており、高画質であって広視野角を有することができる。また、高色純度を有し、動映像を完壁に具現でき、低消費電力及び低電圧駆動が可能であり、各種電子製品に適した電気的特性を有している。
【0003】
例えば、前記有機発光素子は、基板上部にアノードが形成されており、前記アノード上部に、第1層として、正孔輸送層、発光層、電子輸送層などが備わっており、その上部にカソードが順次に形成されている構造を有することができる。
【0004】
前記アノード及びカソードに電流を印加すれば、アノードから注入された正孔は、正孔輸送層を経由して発光層に移動し、カソードから注入された電子は、電子輸送層を経由して発光層に移動する。このように移動した正孔及び電子は、発光層領域で再結合して励起子(exiton)を生成する。この励起子が放射減衰(radiative decay)されつつ、当該物質のバンドギャップ(bandgap)に該当する波長の光が放出される。
【0005】
前記第1層に使われる物質は、第1層の製造方法によって、真空蒸着性物質と溶液塗布性物質とに分けることができる。前記溶液塗布性物質は、溶媒と混和され、基板上に塗布可能な組成物を提供できなければならず、前記組成物は、インクジェット・プリンティング、スクリーン・プリンティング、スピンコーティングのような公知の溶液塗布法を利用して基板などに提供される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、新規構造を有するポリマーを提供するものである。
【0007】
本発明はまた、前記ポリマーを含んだ有機発光素子を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
m個の反復単位を含み、
m個の反復単位のうちn番目(nth)の反復単位が、下記化学式1で表示される第1反復単位であり、
前記n番目の反復単位のA1環と、(n−1)番目(n−1th)の反復単位の第1芳香族環との間の第1上反角(第1ねじれ角ないし第1の2面角;first dihedral angle)、及び前記n番目の反復単位のA2環と、(n+1)番目(n+1th)の反復単位の第2芳香族環との間の第2上反角(第2ねじれ角ないし第2の2面角;second dihedral angle)のうち一つ以上が、下記数式1のχ50%以上の角度を有するポリマーが提供される:
【0009】
【化1】
【0010】
【数1】
【0011】
ここで、
前記第1芳香族環は、前記A1環と単一結合で結合されている環であり、
前記第2芳香族環は、前記A2環と単一結合で結合されている環であり、
前記化学式1で、R1ないしR7は互いに独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換または非置換のC1−C60アルキル基、置換または非置換のC2−C60アルケニル基、置換または非置換のC2−C60アルキニル基、置換または非置換のC1−C60アルコキシ基、置換または非置換のC3−C60シクロアルキル基、置換または非置換のC3−C60シクロアルケニル基、置換または非置換のC6−C60アリール基、置換または非置換のC6−C60アリールオキシ基、置換または非置換のC6−C60アリールチオ基、置換または非置換のC2−C60ヘテロアリール基、−N(Q1)(Q2)、及び−Si(Q3)(Q4)(Q5)のうちの一つであり、
前記Q1ないしQ5は互いに独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、C1−C60アルキル基、C2−C60アルケニル基、C2−C60アルキニル基、C3−C60シクロアルキル基、C6−C60アリール基またはC2−C60ヘテロアリール基であり、
前記化学式1でXは、単一結合、または炭素または16族元素を含んだ連結基であり、
前記mは、2ないし1,000の範囲で選択される整数であり、
前記nは、2ないし(m−1)の範囲で選択される任意の変数であり、
前記数式1でAは、26.03°であり、Bは、0.0445であり、
前記数式1でφは、下記化学式1−1のように、前記化学式1のA1環とA2環との間の角度(°)であり、
前記数式1でθは、下記化学式1−2のように、前記化学式1のA1環とA3環との結合を、A3環の窒素方向に延長させた仮想の第1線(第1仮想線)と、A2環とA3環との結合を、A3環の窒素方向に延長させた仮想の第2線(第2仮想線)とが出合って形成された角の角度(°)である:
【0012】
【化2】
【0013】
【化3】
【0014】
前記ポリマーは、有機発光素子の発光層において、リン光ホストとして使われもする。
【0015】
また、基板;第1電極;第2電極;及び前記第1電極と前記第2電極との間に介在され、前記ポリマーを含んだ第1層;を含んだ有機発光素子が提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、前記化学式1で表示される反復単位を含んだポリマーは、高い三重項エネルギー準位を有するが、これを採用した有機発光素子は、高電流密度、高輝度などの特性を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態(一具現例)による有機発光素子の概略的な断面図である。
【図2】ポリマーAのPL(フォトルミネセンス)スペクトルデータである。
【図3】実施例1及び2のOLEDのEL(エレクトロルミネセンス)スペクトルデータである。
【図4】実施例1の有機発光素子の電圧−電流密度グラフ(4回測定)である。
【図5】実施例1の有機発光素子の電圧−電流効率グラフ(4回測定)である。
【図6】実施例1の有機発光素子の電圧−輝度グラフ(4回測定)である。
【図7】実施例2の有機発光素子の電圧−電流密度グラフ(2回測定)である。
【図8】実施例2の有機発光素子の電圧−電流効率グラフ(2回測定)である。
【図9】実施例2の有機発光素子の電圧−輝度グラフ(2回測定)である。
【図10】実施例3の有機発光素子の電界(EL)スペクトルである。
【図11】実施例3の有機発光素子の電圧−電流密度グラフ及び電圧−輝度グラフである。
【図12】実施例3の有機発光素子の電流密度−電流効率グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のポリマーは、m個の反復単位を含むが、m個の反復単位のうちn番目(nth)の反復単位が、下記化学式1で表示される第1反復単位である:
【0019】
【化4】
【0020】
前記mは、前記ポリマーの反復単位の個数であり、2ないし1,000、例えば、10ないし200の範囲で選択される整数であってもよい。
【0021】
前記nは、2ないし(m−1)の範囲で選択される任意の変数である。
【0022】
前記化学式1でXは、単一結合、または炭素または16族元素を含んだ連結基であってもよい。
【0023】
例えば、前記化学式1でXは、炭素を含んだ連結基、単一結合、−O−を含んだ連結基、−S−を含んだ連結基及び−Se−を含んだ連結基のうちから選択されもするが、それらに限定されるものではない。
【0024】
前記ポリマーにおいて、前記n番目の反復単位のA1環と、(n−1)番目(n−1th)反復単位の第1芳香族環との間の第1上反角(第1ねじれ角ないし第1の2面角;first dihedral angle)、及び前記n番目の反復単位のA2環と、(n+1)番目(n+1th)反復単位の第2芳香族環との間の第2上反角(第2ねじれ角ないし第2の2面角;second dihedral angle)のうち一つ以上は、下記数式1の以上の角度を有することができる:
【0025】
【数2】
【0026】
前記数式1でAは、26.03であり、Bは、0.0445である。
【0027】
前記数式1でφは、下記化学式1−1のように、前記化学式1のA1環とA2環との間の角度であり、θは、下記化学式1−2のように、前記化学式1のA1環とA3環との結合を、A3環の窒素方向に延長させた仮想の第1線(第1仮想線)と、A2環とA3環との結合を、A3環の窒素方向に延長させた仮想の第2線(第2仮想線)とが出合って形成された角の角度である(但し、マイナス(−)値を有するθの絶対値は、下記の化学式1−2のうちA1環とA3環との結合を、A3環のX方向に延長した仮想の第3線と、A2環とA3環との結合を、A3環のX方向に延長した仮想の第4線とが出合って形成された角の角度であり、これは本明細書のうちθに対する定義を参照して容易に認識できるものである):
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】
前記化学式1−1及び化学式1−2は、前記化学式1でφ及びθについて説明するための仮想の線(第1線及び第2線)及び平面(化学式1−1で、環A1及びA2をそれぞれ含んだ平面)が追加された化学式である。
【0031】
前記(n−1)番目の反復単位に含まれた第1芳香族環は、前記n番目の反復単位に含まれたA1環と、単一結合で結合されている環であり、前記(n+1)番目の反復単位に含まれた第2芳香族環は、前記n番目の反復単位に含まれたA2環と単一結合で結合されている環である。
【0032】
前記化学式1でφ及びθは、化学式1で、Xによって変わりうる。
【0033】
例えば、前記Xは、炭素を含んだ連結基であるが、下記化学式2で表示される連結基であってもよい:
【0034】
【化7】
【0035】
前記化学式2で、R11ないしR14は互いに独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換または非置換のC1−C60アルキル基、置換または非置換のC2−C60アルケニル基、置換または非置換のC2−C60アルキニル基、置換または非置換のC1−C60アルコキシ基、置換または非置換のC3−C60シクロアルキル基、置換または非置換のC3−C60シクロアルケニル基、置換または非置換のC6−C60アリール基、置換または非置換のC6−C60アリールオキシ基、置換または非置換のC6−C60アリールチオ基、または置換または非置換のC2−C60ヘテロアリール基である。
【0036】
例えば、前記化学式2で、R11ないしR14は互いに独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換または非置換のC1−C20アルキル基、または置換または非置換のC1−C20アルコキシ基であるが、それらに限定されるものではない。
【0037】
例えば、前記化学式2で、前記R11ないしR14は互いに独立して、水素原子;重水素原子;F;Cl;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;カルボキシル基;メチル基;エチル基;プロピル基;i−プロピル基;ブチル基;i−ブチル基;t−ブチル基;ペンチル基;ヘキシル基;ヘプチル基;オクチル基;2−エチルヘキシル基;ノニル基;デシル基;3,7−ジメチルオクチル基;
重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうち一つ以上で置換された、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基及び3,7−ジメチルオクチル基;
メトキシ基;エトキシ基;プロピルオキシ基;i−プロピルオキシ基;ブトキシ基;i−ブトキシ基;t−ブトキシ基;ペンチルオキシ基;ヘキシルオキシ基;ヘプチルオキシ基;オクチルオキシ基;2−エチルヘキシルオキシ基;ノニルオキシ基;デシルオキシ基;3,7−ジメチルオクチルオキシ基;
重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうち一つ以上で置換された、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基及び3,7−ジメチルオクチルオキシ基;のうちの一つであってもよい。
【0038】
例えば、前記化学式2で、前記R11ないしR14は、いずれも水素原子であるが、それに限定されるものではない。
【0039】
前記化学式1でXが、前記化学式2で表示される連結基である場合、158.37°≦φ≦160.37°(例えば、158.87°≦φ≦159.87°)であり、32.52°≦θ≦34.52°(例えば、33.02°≦θ≦34.02°)であり、38.00°≦χ50%≦40.00°(例えば、38.50°≦χ50%≦39.50°)であってもよい。一実施形態(一具現例)によれば、前記Xが、前記化学式2で表示される連結基であり、159.17°≦φ≦159.57°であり、33.32°≦θ≦33.72°であり、38.80°≦χ50%≦39.20°である。
【0040】
前記化学式1で、Xが単一結合である場合、φ=180.00°であり、−34.45°≦θ≦−32.45°(例えば、−33.95°≦θ≦−32.95°)であり、27.00°≦χ50%≦29.00°(例えば、27.50°≦χ50%≦28.50°)である。一実施形態(一具現例)によれば、前記化学式1で、Xが単一結合であり、φ=180.00°であり、−33.65°≦θ≦−33.25°であり、27.80°≦χ50%≦28.20°である。
【0041】
前記化学式1で、Xが−O−で表示される連結基である場合、167.18°≦φ≦169.18°(例えば、167.68°≦φ≦168.68°)であり、−2.81°≦θ≦−0.81°(例えば、−2.31°≦θ≦−1.31°)であり、32.00°≦χ50%≦34.00°(例えば、32.50°≦χ50%≦33.50°)である。一実施形態(一具現例)によれば、前記化学式1で、Xが−O−で表示される連結基であり、167.98°≦φ≦168.38°であり、−2.01°≦θ≦−1.61°であり、32.80°≦χ50%≦33.20°である。
【0042】
前記化学式1で、Xが−S−で表示される連結基である場合、149.27°≦φ≦151.27°(例えば、149.77°≦φ≦150.77°)であり、10.01°≦θ≦12.01°(例えば、10.51°≦θ≦11.51°)であり、34.00°≦χ50%≦36.00°(例えば、34.50°≦χ50%≦35.50°)である。一実施形態(一具現例)によれば、前記化学式1で、Xが−S−で表示される連結基であり、150.07°≦φ≦150.47°であり、10.81°≦θ≦11.21°であり、34.80°≦χ50%≦35.20°である。
【0043】
前記化学式1で、Xが−Se−で表示される連結基である場合、145.94°≦φ≦147.94°(例えば、146.44°≦φ≦147.44°)であり、14.46°≦θ≦16.46°(例えば、14.96°≦θ≦15.96°)であり、34.00°≦χ50%≦36.00°(例えば、34.50°≦χ50%≦35.50°)である。一実施形態(一具現例)によれば、前記化学式1で、Xが−Se−で表示される連結基であり、146.74°≦φ≦147.14°であり、15.26°≦θ≦15.66°であり、34.80°≦χ50%≦35.20°である。
【0044】
例えば、前記化学式1でXによって、数式1のφ、θ及びχ50%は、下記表1に記載されたような値を有することができるが、それらに限定されるものではない:
【0045】
【表1】
【0046】
前記数式1でφ及びθは、R1ないしR7がいずれも水素原子であり、結合線もない化合物(すなわち、
【0047】
【化8】
【0048】
)について、B3LYP/6−31+G(D)を利用したDFT(密度汎関数理論;density functional theory)を適用して計算することができ、χ50%は、TDDFT(時間依存密度汎関数理論;time−dependent density functional theory)を利用して計算することができる。TDDFTは、電界または磁界(electric or magnetic fields)のような時間従属電位(time−dependent potentials)存在下で、構造体の特性及び役割(dynamics)を予測する量子力学理論であり、量子計算理論において、代表的な方法のうちの一つである密度汎関数理論(DFT)では、説明できない時間従属的な現象について説明するために提示され、時間従属的に与えられる電場や磁場の効果を記述するのに使われもする。前記TDDEFは、線形応答理論(linear response theory)を基に、分析対象である構造体の励起状態の量子状態(エネルギー、構造)などを計算し、吸収/放出スペクトルを得たり、励起状態の情報を解釈するのに使われもする。
【0049】
前記化学式1で表示される第1反復単位を含んだポリマーの前記第1上反角及び第2上反角のうち一つ以上が、当該化学式1について、前記数式1で定義されるχ50%以上の角度を有する場合、当該ポリマーは、優れた三重項エネルギー、例えば、有機発光素子のリン光ホストとして使用するのに適した優れた三重項エネルギーを有することができる。従って、前記ポリマーは、有機発光素子のリン光ホストとして有効に使われもする。
【0050】
有機半導体として使われもするポリマーは、共役長を増大させることによって、電荷移動度を上昇させることができるが、これと同時に、前記ポリマーの励起状態のエネルギーが低減し、リン光ホスト物質として適さなくなる。従って、リン光ホストとして応用されるように、リン光ホストとして有用な範囲の励起状態エネルギーは有するが、電荷移動度が低下しない共役構造を有するポリマーをデザインする必要がある。
【0051】
しかし、リン光ホストとして有用な共役構造を有するポリマーデザインに必須な手段及び基準は、明らかになっていない。このために、本発明者らは、前記化学式1で表示される第1反復単位を含んだポリマーの第1上反角(第1ねじれ角ないし第1の2面角)及び第2上反角(第1ねじれ角ないし第1の2面角)のうち、一つ以上が前記数式1で定義されるχ50%以上の角度を有するようにデザインされたポリマーは、前記ポリマー固有の共役長自体は維持しつつも、(n−1)番目の反復単位とn番目の反復単位とが互いにねじれたり、かつ/またはn番目の反復単位と(n+1)番目の反復単位とが互いにねじれることにより、前記ポリマーの一部区間で、ポリマーの共役構造が途切れる効果を有することになり、ポリマーの電荷移動度及び励起状態エネルギーいずれも高いレベルに維持することができることを発見した。従って、前記ポリマーは、高い三重項エネルギーを有することができ、有機発光素子のリン光ホストとして有効に使われもする。
【0052】
従って、当該ポリマーの上反角(本明細書において、上反角(ねじれ角ないし2面角)の定義は、前述のところを参照する)の最小値が、数式1で定義されるχ50%を有するモノマーを利用し、有効な三重項エネルギーを有するポリマーを容易にデザインすることができる。のみならず、任意のポリマーのχ50%及び上反角を分析することによって、前記任意のポリマーが有効な三重項エネルギーを提供することができるか否か(すなわち、有機発光素子のリン光ホストとして、有効に使用可能であるか否か)をあらかじめ予測することができるなど、多様な応用が可能である。
【0053】
前記ポリマーの第1上反角及び第2上反角は、多様な電子構造計算シミュレーションを介して評価することができる。例えば、B3LYP/6−31+G(D)というxc−functional(交換相関ポテンシャル汎関数)とbasis set(基底集合ないし基底関数)とを使用した密度汎関数理論(DFT:density functional theory)を利用し、当該ポリマーの第1上反角及び第2上反角を予測することができる。
【0054】
一方、実験的には、X線回折法(x−ray diffraction analysis)を利用し、上反角を測定することができる。例えば、下記実施例で後述するポリマーAの第1上反角は、下記化学式A(1)のように、−OC8H17が置換されたフェニル基が結合されたカルバゾールを準備し、これをX線回折法で分析することによって、第1上反角を実測することができる。
【0055】
<ポリマーA:下記反復単位からなるポリマー>
【0056】
【化9】
【0057】
【化10】
【0058】
前記ポリマーの三重項エネルギーは、当該ポリマーをトルエンと混合した混合物を石英セル(quartz cell)に入れて測定したフォトルミネセンス(PL)スペクトルのピークを分析することによって測定することができる。
【0059】
前記化学式1で、R1ないしR7は互いに独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換または非置換のC1−C60アルキル基、置換または非置換のC2−C60アルケニル基、置換または非置換のC2−C60アルキニル基、置換または非置換のC1−C60アルコキシ基、置換または非置換のC3−C60シクロアルキル基、置換または非置換のC3−C60シクロアルケニル基、置換または非置換のC6−C60アリール基、置換または非置換のC6−C60アリールオキシ基、置換または非置換のC6−C60アリールチオ基、置換または非置換のC2−C60ヘテロアリール基、−N(Q1)(Q2)、及び−Si(Q3)(Q4)(Q5)のうちの一つであるが、前記Q1ないしQ5は互いに独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、C1−C60アルキル基、C2−C60アルケニル基、C2−C60アルキニル基、C3−C60シクロアルキル基、C6−C60アリール基またはC2−C60ヘテロアリール基である。
【0060】
例えば、前記化学式1で、R1ないしR7は互いに独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換または非置換のC1−C20アルキル基、置換または非置換のC1−C20アルコキシ基、置換または非置換のフェニル基、置換または非置換のペンタレニル基(pentalenyl)、置換または非置換のインデニル基(indenyl)、置換または非置換のナフチル基(naphthyl)、置換または非置換のアズレニル基(azulenyl)、置換または非置換のヘプタレニル基(heptalenyl)、置換または非置換のインダセニル基(indacenyl)、置換または非置換のアセナフチル基(acenaphthyl)、置換または非置換のフルオレニル基(fluorenyl)、置換または非置換のフェナレニル基(phenalenyl)、置換または非置換のフェナントリル基(phenanthryl)、置換または非置換のアントリル基(anthryl)、置換または非置換のフルオランテニル基(fluoranthenyl)、置換または非置換のトリフェニレニル基(triphenylenyl)、置換または非置換のピレニル基(pyrenyl)、置換または非置換のクリセニル基(chrysenyl)、置換または非置換のナフタセニル基(naphthacenyl)、置換または非置換のピセニル基(picenyl)、置換または非置換のペリレニル基(perylenyl)、置換または非置換のペンタフェニル基(pentaphenyl)、置換または非置換のヘキサセニル基(hexacenyl)、置換または非置換のピロリル基(pyrrolyl)、置換または非置換のピラゾリル基(pyrazolyl)、置換または非置換のイミダゾリル基(imidazolyl)、置換または非置換のイミダゾリニル基(imidazolinyl)、置換または非置換のイミダゾピリジニル基(imidazopyridinyl)、置換または非置換のイミダゾピリミジニル基(imidazopyrimidinyl)、置換または非置換のピリジニル基(pyridinyl)、置換または非置換のピラジニル基(pyrazinyl)、置換または非置換のピリミジニル基(pyrimidinyl)、置換または非置換のインドリル基(indolyl)、置換または非置換のプリニル基(purinyl)、置換または非置換のキノリニル基(quinolinyl)、置換または非置換のフタラジニル基(phthalazinyl)、置換または非置換のインドリジニル基(indolizinyl)、置換または非置換のナフチリジニル基(naphthyridinyl)、置換または非置換のキナゾリニル基(quinazolinyl)、置換または非置換のシンノリニル基(cinnolinyl)、置換または非置換のインダゾリル基(indazolyl)、置換または非置換のカルバゾリル基(carbazolyl)、置換または非置換のフェナジニル基(phenazinyl)、置換または非置換のフェナントリジニル基(phenanthridinyl)、置換または非置換のクロメニル基(chromenyl)、置換または非置換のベンゾフラニル基(benzofuranyl)、置換または非置換のチオフェニル基(thiophenyl)、置換または非置換のベンゾチオフェニル基(benzothiophenyl)、置換または非置換のイソチアゾリル基(isothiazolyl)、置換または非置換のベンゾイミダゾリル基(benzoimidazolyl)及び置換または非置換のイソキサゾリル基(isoxazolyl)のうちの一つであってもよい。
【0061】
例えば、前記化学式1で、R2ないしR7は、水素原子であり、R1が、下記化学式3Aないし3Iのうちの一つで表示されもする:
【0062】
【化11】
【0063】
【化12】
【0064】
【化13】
【0065】
【化14】
【0066】
【化15】
【0067】
【化16】
【0068】
【化17】
【0069】
【化18】
【0070】
【化19】
【0071】
前記化学式3Aないし3Iで、
Z1及びZ2は互いに独立して、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換または非置換のC1−C60アルキル基、置換または非置換のC2−C60アルケニル基、置換または非置換のC2−C60アルキニル基、置換または非置換のC1−C60アルコキシ基、置換または非置換のC3−C60シクロアルキル基、置換または非置換のC3−C60シクロアルケニル基、置換または非置換のC6−C60アリール基、置換または非置換のC6−C60アリールオキシ基、置換または非置換のC6−C60アリールチオ基、または置換または非置換のC2−C60ヘテロアリール基であり、pは、0ないし9の整数であり、qは、0ないし5の整数であってもよい。
【0072】
例えば、前記化学式3Aないし3Iで、Z1及びZ2は互いに独立して、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換または非置換のC1−C20アルキル基または置換または非置換のC1−C20アルコキシ基である。
【0073】
例えば、前記化学式3Aないし3Iで、Z1及びZ2は互いに独立して、重水素原子;F;Cl;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;カルボキシル基;メチル基;エチル基;プロピル基;i−プロピル基;ブチル基;i−ブチル基;t−ブチル基;ペンチル基;ヘキシル基;ヘプチル基;オクチル基;2−エチルヘキシル基;ノニル基;デシル基;3,7−ジメチルオクチル基;
重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうちの一つ以上で置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基及び3,7−ジメチルオクチル基;
メトキシ基;エトキシ基;プロピルオキシ基;i−プロピルオキシ基;ブトキシ基;i−ブトキシ基;t−ブトキシ基;ペンチルオキシ基;ヘキシルオキシ基;ヘプチルオキシ基;オクチルオキシ基;2−エチルヘキシルオキシ基;ノニルオキシ基;デシルオキシ基;3,7−ジメチルオクチルオキシ基;
重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうちの一つ以上で置換されたメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基及び3,7−ジメチルオクチルオキシ基;のうちの一つである。
【0074】
前記化学式3Aないし3Iにおいてpは、0ないし3、例えば、1ないし3であり、qは、0ないし2、例えば、1または2であるが、それらに限定されるものではない。
【0075】
前記化学式1で、例えば、前記化学式1で、R2ないしR7は水素原子であり、R1は、下記化学式4Aで表示されもするが、それに限定されるものではない:
【0076】
【化20】
【0077】
前記化学式4Aで、Z1についての定義は、前述のところを参照する。
【0078】
前記ポリマーの第1芳香族環及び第2芳香族環は、置換または非置換のベンゼン環であってもよい。例えば、前記第1芳香族環及び第2芳香族環は、置換または非置換の単独のベンゼン環である。または、前記第1芳香族環及び第2芳香族環は、置換または非置換のナフタレン環、または置換または非置換のフルオレン環に融合(結合ないし縮合;fused)されているベンゼン環であってもよい。
【0079】
前記ポリマーは、置換または非置換のベンゼン環、置換または非置換のナフタレン環、または置換または非置換のフルオレン環のうちの一つ以上を含んだ第2反復単位をさらに含んでもよい。
【0080】
前記第2反復単位は、当該ポリマーの第1上反角及び第2上反角のうちの一つ以上が、当該化学式1で表示される第1反復単位から得たχ50%以上の角度を有するように選択することができる。
【0081】
前記ポリマーが前記第2反復単位をさらに含む場合、前記第2反復単位は、下記化学式5A、5B、5C、5Dまたは5Eで表示されもする:
【0082】
【化21】
【0083】
【化22】
【0084】
【化23】
【0085】
【化24】
【0086】
【化25】
【0087】
前記化学式5Aないし5Eで、R21及びR22は互いに独立して、置換または非置換のC1−C60アルキル基(例えば、置換または非置換のC1−C20アルキル基)であり、Y1ないしY4は互いに独立して、水素原子、置換または非置換のC1−C60アルキル基(例えば、置換または非置換のC1−C20アルキル基)、または置換または非置換のC1−C60アルコキシ基(例えば、置換または非置換のC1−C20アルコキシ基)であってもよい。
【0088】
例えば、前記R21及びR22は互いに独立して、メチル基;エチル基;プロピル基;i−プロピル基;ブチル基;i−ブチル基;t−ブチル基;ペンチル基;ヘキシル基;ヘプチル基;オクチル基;2−エチルヘキシル基;ノニル基;デシル基;3,7−ジメチルオクチル基;及び重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうちの一つ以上で置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基及び3,7−ジメチルオクチル基;のうちの一つであるが、それらに限定されるものではない。
【0089】
例えば、前記Y1ないしY4は互いに独立して、水素原子;メチル基;エチル基;プロピル基;i−プロピル基;ブチル基;i−ブチル基;t−ブチル基;ペンチル基;ヘキシル基;ヘプチル基;オクチル基;2−エチルヘキシル基;ノニル基;デシル基;3,7−ジメチルオクチル基;
重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうちの一つ以上で置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基及び3,7−ジメチルオクチル基;
メトキシ基;エトキシ基;プロピルオキシ基;i−プロピルオキシ基;ブトキシ基;i−ブトキシ基;t−ブトキシ基;ペンチルオキシ基;ヘキシルオキシ基;ヘプチルオキシ基;オクチルオキシ基;2−エチルヘキシルオキシ基;ノニルオキシ基;デシルオキシ基;3,7−ジメチルオクチルオキシ基;
重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうちの一つ以上で置換されたメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基及び3,7−ジメチルオクチルオキシ基;のうちの一つであるが、それらに限定されるものではない。
【0090】
前記ポリマーは、前記第1反復単位及び前記第2反復単位からなるコポリマーであってもよい。前記コポリマーは、ブロックコポリマー、ランダムコポリマーまたは交互(alternating)コポリマーであってもよい。例えば、前記コポリマーは、前記第1反復単位及び前記第2反復単位からなる交互コポリマーである。
【0091】
一実施形態(一具現例)によれば、前記ポリマーは、下記化学式6Aまたは6Bで表示される反復単位からなる交互コポリマーである:
【0092】
【化26】
【0093】
【化27】
【0094】
前記化学式6A及び6Bで、Z1、R21及びR22についての詳細な説明は、前述のところを参照する。
【0095】
前記ポリマーの重量平均分子量は、ポリスチレンを基準に、2,000ないし1,000,000であり、多分散指数(PDI)は、1.5ないし5であるが、それらに限定されるものではない。前記重量平均分子量及び多分散指数(例えば、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)を利用して測定することができ、ポリスチレン換算である)は、例えば、前記ポリマーを採用した有機発光素子の構造、具現しようとする特性などを考慮して選択されもする。
【0096】
本明細書において、「置換または非置換のX(Xは、任意の基)」という用語において、「置換されたX」という用語は、「前記Xの一つ以上の水素原子が、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミジノ基、ヒドラジニル基、カルボキシル基またはその塩誘導体、スルホン酸基またはその塩誘導体、リン酸基またはその塩誘導体、置換または非置換のC1−C60アルキル基、置換または非置換のC2−C60アルケニル基、置換または非置換のC2−C60アルキニル基、置換または非置換のC1−C60アルコキシ基、置換または非置換のC3−C60シクロアルキル基、置換または非置換のC3−C60シクロアルケニル基、置換または非置換のC6−C60アリール基、置換または非置換のC6−C60アリールオキシ基、置換または非置換のC2−C60ヘテロアリール基、−N(Q101)(Q102)、及び−Si(Q103)(Q104)(Q105)のうちの一つの置換基で置換されたX」を意味する。ここで、前記Q101ないしQ105は互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC1−C60アルキル基、置換または非置換のC2−C60アルケニル基、置換または非置換のC2−C60アルキニル基、置換または非置換のC1−C60アルコキシ基、置換または非置換のC3−C60シクロアルキル基、置換または非置換のC3−C60シクロアルケニル基、置換または非置換のC6−C60アリール基、置換または非置換のC6−C60アリールオキシ基、または置換または非置換のC2−C60ヘテロアリール基である。2以上の置換基が存在する場合、それらは、互いに同一であっても異なってもよい。
【0097】
例えば、前記「置換されたX」とは、「前記Xの一つ以上の水素原子が、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC1−C10アルキル基、置換または非置換のC1−C10アルコキシ基、置換または非置換のC6−C20アリール基、置換または非置換のC2−C20ヘテロアリール基、−N(Q101)(Q102)、及び−Si(Q103)(Q104)(Q105)のうちの一つの置換基で置換されたX」を意味するが、前記Q101ないしQ105は互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC1−C10アルキル基、置換または非置換のC1−C10アルコキシ基、置換または非置換のC6−C20アリール基、または置換または非置換のC2−C20ヘテロアリール基である。
【0098】
例えば、前記「置換されたX」とは、「前記Xの一つ以上の水素原子が、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、C1−C10アルキル基、C1−C10アルコキシ基、C6−C20アリール基、C2−C20ヘテロアリール基、−N(Q101)(Q102)、及び−Si(Q103)(Q104)(Q105)のうち一つの置換基で置換されたX」を意味するが、前記Q101ないしQ105は互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、C1−C10アルキル基、C1−C10アルコキシ基、C6−C20アリール基またはC2−C20ヘテロアリール基である。
【0099】
例えば、前記「置換されたX」とは、「前記Xの一つ以上の水素原子が、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ペントキシ基、フェニル基、ナフチル基またはアントリル基で置換されたX」を意味することができる。
【0100】
本明細書において、非置換のC1−C60アルキル基は、線形及び分枝型構造を有し、その具体的な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、iso−アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基などを挙げることができる。置換されたC1−C60アルキル基の置換基は、前記「置換されたX」に係わる説明を参照する。
【0101】
本明細書において、非置換のC2−C60アルケニル基は、前記非置換のC2−C60アルキル基の中間か末端に一つ以上の炭素二重結合を含有している末端基を意味する。非置換のC2−C60アルケニル基の例としては、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、プロパジエニル基(propadienyl)、イソプレニル基(isoprenyl)、アリル基(allyl)などを挙げることができる。置換されたC2−C60アルケニル基の置換基は、前記「置換されたX」に係わる説明を参照する。
【0102】
本明細書において、非置換のC2−C60アルキニル基は、前記非置換のC2−C60アルキル基の中間か末端に一つ以上の炭素三重結合を含有している末端基を意味する。非置換のC2−C60アルキニル基の例としては、アセチレニル基(acetylenyl)などを挙げることができる。置換されたC2−C60アルキニル基の置換基は、前記「置換されたX」に係わる説明を参照する。
【0103】
本明細書において、非置換のC1−C60アルコキシ基は、−OY(ただし、Yは、前述のような非置換のC1−C60アルキル基である)の化学式を有し、その具体的な例として、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基などを挙げることができる。置換されたC1−C60アルコキシ基の置換基は、前記「置換されたX」に係わる説明を参照する。
【0104】
本明細書において、非置換のC3−C60シクロアルキル基は、環型飽和炭化水素基を指すものであり、その具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などを挙げることができる。置換されたC3−C60シクロアルキル基の置換基は、前記「置換されたX」に係わる説明を参照する。
【0105】
本明細書において、非置換のC3−C60シクロアルケニル基は、一つ以上の炭素二重結合を有するが、芳香族環ではない環型不飽和炭化水素基を指すものであり、その具体例としては、シクロプロペニル基(cyclopropenyl)、シクロブテニル基(cyclobutenyl)、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、1,3−シクロヘキサジエニル基、1,4−シクロヘキサジエニル基、2,4−シクロヘプタジエニル基、1,5−シクロオクタジエニル基などを挙げることができる。置換されたC3−C60シクロアルケニル基の置換基は、前記「置換されたX」に係わる説明を参照する。
【0106】
本明細書において、非置換のC6−C60アリール基は、C6−C60炭素環芳香族系を有する一価(monovalent)の基であり、単環(monocyclic)基または多環(polycyclic)基であってもよい。多環基である場合、これに含まれた2以上の環は、互いに融合(縮合ないし結合)されてもよい(fused)。非置換のC6−C60アリール基の例としては、フェニル基、ペンタレニル基(pentalenyl)、インデニル基(indenyl)、ナフチル基、アズレニル基(azulenyl)、ヘプタレニル(heptalenyl)、インダセニル基(indacenyl)、アセナフチル基(acenaphtyl)、フルオレニル基(fluorenyl)、スピロ−フルオレニル基、フェナレニル基(phenalenyl)、フェナントリル基(phenanthryl)、アントリル基(anthryl)、フルオランテニル基(fluoranthenyl)、トリフェニレニル基(triphenylenyl)、ピレニル基(pyrenyl)、クリセニル基(chrysenyl)、ナフタセニル基(naphthacenyl)、ピセニル基(picenyl)、ペリレニル基(perylenyl)、ペンタフェニル基(pentaphenyl)、ヘキサセニル基(hexacenyl)などを挙げることができる。置換されたC6−C60アリール基の置換基は、前記「置換されたX」に係わる説明を参照する。
【0107】
本明細書において、非置換のC6−C60アリールオキシ基は、−OAr(ただし、Arは、前述のような非置換のC6−C60アリール基である)の化学式を有し、その具体的な例として、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、アンスラニルオキシ基、などを挙げることができる。置換されたC6−C60アリールオキシ基の置換基は、前記「置換されたX」に係わる説明を参照する。
【0108】
本明細書において、非置換のC6−C60アリールチオ基は、−SAr(ただし、Arは、前述のような非置換のC6−C60アリール基である)の化学式を有し、その具体的な例として、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、アンスラニルチオ基などを挙げることができる。置換されたC6−C60アリールチオ基の置換基は、前記「置換されたX」に係わる説明を参照する。
【0109】
本明細書において、非置換のC2−C60ヘテロアリール基は、N、O、PまたはSのうちから選択された1個以上のヘテロ原子を含んだ環を一つ以上含んだ単環基または多環基であってもよい。多環基である場合、これに含まれた2以上の環は、互いに融合(縮合ないし結合)されてもよい。非置換のC2−C60ヘテロアリール基の具体例としては、ピロピル基(pyrrolyl)、イミダゾリル基(imidazolyl)、ピラゾリル基(pyrazolyl)、ピリジニル基(pyridinyl)、ピラジニル基(pyrazinyl)、ピリミジニル基(pyrimidinyl)、ピリダジニル基(pyridazinyl)、イソインドリル基(isoindolyl)、インドリル基(indolyl)、インダゾリル基(indazolyl)、プリニル基(purinyl)、キノリニル基(quinolinyl)、ベンゾキノリニル基(benzoquinolinyl)、プtラジニル基(phthalazinyl)、ナフチリジニル基(naphthyridinyl)、キノキサニル基(quinoxalinyl)、キナゾリニル基(quinazolinyl)、シンノリニル基(cinnolinyl)、カルバゾリル基(carbazolyl)、フェナントリジニル基(phenanthridinyl)、アクリジニル基(acridinyl)、フェナントロリニル基(phenanthrolinyl)、フェナジニル基(phenazinyl)、ベンゾオキサゾリル基(benzooxazolyl)、ベンゾイミダゾリル基(benzoimidazolyl)、フラニル基(furanyl)、ベンゾフラニル基(benzofuranyl)、チオフェニル基(thiophenyl)、ベンゾチオフェニル基(benzothiophenyl)、チアゾリル基(thiazolyl)、イソチアゾリル(isothiazolyl)、ベンゾチアゾリル(benzothiazolyl)、イソキサゾリル基(isoxazolyl)、オキサゾリル基(oxazolyl)、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ベンゾオキサゾリル基(benzooxazolyl)などを挙げることができる。置換されたC6−C60ヘテロアリール基の置換基は、前記「置換されたX」に係わる説明を参照する。
【0110】
本明細書(主に化学式中)において、「*」及び「*’」は、隣接するモイエティ(部分;moiety)との結合サイトを表示したものであり、当業者に容易に認識されるものである。
【0111】
前記化学式1で表示される第1反復単位を含んだポリマーは、公知の有機合成方法、例えば、鈴木カップリングまたは山本カップリングなどを利用して合成される。前記ポリマーの合成方法は、後述する実施例を参照し、当業者に容易に認識されるであろう。
【0112】
従って、前記ポリマーは、有機発光素子、例えば、有機発光素子の発光層において、リン光ドーパントと共に使われるリン光ホストとして使われもする。
【0113】
単一項エネルギー準位(一重項状態エネルギー準位;singlet state energy level)だけが発光に寄与し、最大内部量子効率が25%である蛍光物質に比べ、単一項エネルギー準位と三重項エネルギー準位との内部系交換(項間交差あるいは系間交差;intersystem crossing)が可能なリン光物質は、三重項エネルギー準位の励起子も発光に寄与するので、理論的に、100%の内部量子効率が可能である。従って、リン光物質を採用することによって、高効率の有機発光素子を具現することができるが、公知のリン光ドーパントは、一般的に高い準位の三重項エネルギーを有しているという点と、前述のような前記ポリマーの特性とを考慮すれば、前記ポリマーは、有機発光素子において、発光層のリン光ホストとして有効に使われもする。
【0114】
例えば、前記ポリマーは、有機発光素子の発光層において、赤色、緑色及び/または青色リン光ホストとして使われもする。一実施形態(一具現例)によれば、前記ポリマーは、有機発光素子の発光層において、赤色及び/または緑色のリン光ホストとして使われるが、それらに限定されるものではない。
【0115】
従って、基板と、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在され、前述のようなポリマーを含んだ第1層と、を含んだ有機発光素子が提供される。
【0116】
前記第1層は、例えば、発光層の役割を行うことができる。
【0117】
前記第1層が発光層である場合、前記第1層は、リン光ドーパントをさらに含んでもよい。前記リン光ドーパントとしては、公知の任意のリン光ドーパントを使用することができる。例えば、前記リン光ドーパントは、Ir、Pt、Os、Re、Ti、Zr、Hf、またはそれらのうち2以上の組み合わせを含んだ有機金属錯体であるが、それらに限定されるものではない。
【0118】
前記リン光ドーパントの例として、ビスチエニルピリジンアセチルアセトネートイリジウム(bisthienylpyridine acetylacetonate iridium)、ビス(ベンゾチエニルピリジン)アセチルアセトネートイリジウム(bis(benzothienylpyridine)acetylacetonate iridium)、ビス(2−フェニルベンゾチアゾール)アセチルアセトネートイリジウム(bis(2−phenylbenzothiazole)acetylacetonate iridium)、ビス(1−フェニルイソキノリン)イリジウムアセチルアセトネート(bis(1−phenylisoquinoline)iridium acetylacetonate)、トリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム(tris(1−phenylisoquinoline)iridium)、トリス(フェニルピリジン)イリジウム、トリス(2−ビフェニルピリジン)イリジウム、トリス(3−ビフェニルピリジン)イリジウム、トリス(4−ビフェニルピリジン)イリジウム、Ir(pq)2(acac)(ここで、pqは、2−フェニルキノリン(2−phenylquinoline)の略語であり、acacは、アセチルアセトンの略語である;下記化合物10参照)、Ir(ppy)3(ppyは、フェニルピリジンの略語である;下記化合物11参照)、プラチナム(II)オクタエチルポルフィリン(PtOEP:platinum(II)octaethylporphyrin;下記化学式参照)、下記化合物12、Firpic(下記化合物13参照)、Ir(piq)3(下記化学式参照)、Ir(piq)2acac(piqは、フェニルイソキノリン(phenylisoquinoline)の略語である;下記化合物14参照)、Ir(mppy)3(下記ドーパント1参照)、下記ドーパント2、Btp2Ir(acac)(下記化学式参照)、F2Irpic(下記化学式参照)、(F2ppy)2Ir(tmd)(下記化学式参照)、及びIr(dfppz)3(下記化学式参照)からなる群から選択された一つ以上であるが、それらに限定されるものではない:
【0119】
【化28】
【0120】
【化29】
【0121】
【化30】
【0122】
【化31】
【0123】
【化32】
【0124】
【化33】
【0125】
【化34】
【0126】
【化35】
【0127】
【化36】
【0128】
前記有機発光素子は、第1電極と第2電極との間に、前述のような第1層(例えば、発光層の役割を行うことができる)以外に、正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層、電子輸送層及び電子注入層のうち1層以上の層をさらに含んでもよい。
【0129】
図1は、前記有機発光素子の一実施形態(一実施例)を概略的に図示したものであり、前記有機発光素子10は、基板11、第1電極12、正孔輸送層13、第1層15、電子輸送層16、電子注入層18及び第2電極19を含む。前記第1層15は、発光層としての役割を行うことができる。前記有機発光素子10及びその製造方法について説明すれば、次の通りである。
【0130】
まず、基板11上部に、大きい仕事関数を有する第1電極用物質を、蒸着法、イオンプレーティング法、メッキ法、スパッタリング法などによって形成し、第1電極12を形成する。前記第1電極12は、正孔を注入することができるアノードまたは電子を注入することができるカソードであってもよい。ここで、基板11としては、一般的な有機発光素子で使われる基板を使用することができるが、機械的強度、熱的安定性、透明性、表面平滑性、取扱容易性及び防水性に優れるガラス基板または透明プラスチック基板を使用することができる。第1電極用物質としては、電気伝導度の高い金属酸化物、金属硫化物または金属を使用することができ、一般的に、それらを薄膜として利用する。前記第1電極用物質としては、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体である酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)のような酸化物、または金、白金、銀、銅などを利用することができる。また、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリチオフェンまたはその誘導体なども、第1電極用物質として使用することができる。前記第1電極は、1層であるか、あるいは2層以上の多層構造を有することができ、2種以上の互いに異なる物質を含んでもよい。前記第1電極の厚みは、光の透過性と電気伝導度とを考慮して適切に調整することができるが、例えば、10nmないし10μmであってもよい。
【0131】
次に、図1には図示されていないが、必要な場合、前記第1電極12がアノードである場合、前記第1電極12上に、正孔注入層をさらに形成することができる。前記正孔注入層は、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、インクジェット・プリンティング法、LB(Langmuir−Blodgett)法のような多様な方法を利用して形成される。
【0132】
真空蒸着法によって正孔注入層を形成する場合、その蒸着条件は、正孔注入層の材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造及び熱的特性などによって異なるが、例えば、蒸着温度100ないし500℃、真空度10−8ないし10−3torr、蒸着速度0.01ないし100Å/secの範囲で適切に選択することができる。
【0133】
スピンコーティング法によって正孔注入層を形成する場合、そのコーティング条件は、正孔注入層の材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造及び熱的特性によって異なるが、約2,000rpmないし5,000rpmのコーティング速度、コーティング後の溶媒除去のための熱処理温度として、約80℃ないし300℃の温度範囲で適切に選択することができる。
【0134】
前記正孔注入層物質としては、公知の正孔注入材料を使用することができるが、例えば、銅フタロシアニンなどのフタロシアニン化合物、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA);下記化学式参照)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)、4,4’,4”−トリス{N,Nジフェニルアミノ}トリフェニルアミン(TDATA)(下記化学式参照)、4,4’,4”−トリス(N−(2−ナフチル)−n−フェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(2T−NATA)(下記化学式参照)などを使用することができるが、それらに限定されるものではない。
【0135】
【化37】
【0136】
前記正孔注入層の厚みは、約100Åないし10,000Å、例えば、100Åないし1,000Åである。前記正孔注入層の厚みが前述のところを満足する場合、駆動電圧の上昇なしに、満足すべき正孔注入特性を得ることができる。
【0137】
前記第1電極12または正孔注入層の上部には、蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、インクジェット・プリンティング法、LB法のような方法を利用し、正孔輸送層13が形成される。
【0138】
真空蒸着法及びスピンコーティング法によって正孔輸送層13を形成する場合、その蒸着条件及びコーティング条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択されもする。
【0139】
正孔輸送層13の形成用物質としては、公知の正孔輸送物質を使用することができる。例えば、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)などの芳香族縮合環を有するアミン誘導体、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(Pani/DBSA;下記化学式参照)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS);下記化学式参照)、ポリアニリン/カンファースルホン酸(Pani/CSA)、またはポリアニリン/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PANI:PSS)などを使用することができるが、それらに限定されるものではない。
【0140】
【化38】
【0141】
前記正孔輸送層13の厚みは、約50Åないし1,000Å、例えば、100Åないし600Åである。前記正孔輸送層の厚みが前述範囲を満足する場合、駆動電圧の上昇なしに、満足すべきの正孔輸送特性を得ることができる。
【0142】
前記正孔輸送層13上には、発光層の役割を行う第1層15が形成される。前記第1層15は、スピンコーティング法、キャスト法、インクジェット・プリンティング法、LB法のような方法を利用して形成される。スピンコーティング法によって第1層15を形成する場合、その成膜条件は、使用するポリマー及び/または化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択される。
【0143】
前記第1層15は、前記ポリマーをホストとして含んでもよい。また、前記第1層15は、前記ポリマー以外に、リン光ドーパントをさらに含んでもよい。前記リン光ドーパントの具体例は、前述のところを参照する。
【0144】
前記第1層15が、前記ポリマー及びリン光ドーパントを含む場合、前記第1層15において、前記リン光ドーパントの含有量は、0.5質量%ないし10質量%(前記第1層15の総重量が100質量%である)であってもよい。前記範囲を満足する場合、濃度消光などの現象が実質的に防止される。
【0145】
前記第1層15は、前記ポリマーだけを単独で含むことができ、または前記ポリマー以外に、公知の蛍光ドーパントを含んでもよいなど、多様な変形例が可能である。
【0146】
前記発光層の役割を行うことができる第1層15の厚みは、約100Åないし1,000Å、例えば、200Åないし900Åであってもよい。前記第1層15の厚みが前述のような範囲を満足する場合、駆動電圧の上昇なしに、満足すべき発光特性を得ることができる。
【0147】
一方、図1には図示されていないが、必要によっては、第1層15上部には、正孔阻止層(HBL)がさらに備わってもよい。
【0148】
正孔阻止層は、発光層の役割を行う第1層15の三重項励起子または正孔が、第2電極19などに拡散する現象を防止する役割を行うことができる。前記正孔阻止層は、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような方法を利用して形成することができる。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって正孔阻止層を形成する場合、その条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択されもする。使用可能な公知の正孔阻止材料、例えば、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体(例えば、1,2,4−トリアゾール誘導体(TAZ);下記化学式参照))、フェナントロリン誘導体などを挙げることができるが、それらに限定されるものではない。
【0149】
【化39】
【0150】
前記正孔阻止層の厚みは、約50Åないし1,000Å、例えば、100Åないし300Åである。前記正孔阻止層の厚みが前述のような範囲を満足する場合、満足すべき正孔阻止特性を得ることができる。
【0151】
次に、電子輸送層(ETL)16は、第1層15または正孔阻止層の上部に、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法などの多様な方法を利用して形成することができる。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって電子輸送層を形成する場合、その条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択されもする。前記電子輸送層材料は、電子注入電極(カソード)から注入された電子を安定して輸送する機能を行うものであり、キノリン誘導体(例えば、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−(p−フェニルフェノラート)−アルミニウム(BAlq);下記化学式参照)、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)、ベリリウムビス(ベンゾキノリン−10−オレート)(Bebq2))、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(Bphen)、1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(TPBi)(下記化学式参照)のような公知の材料を使用することもできる。
【0152】
【化40】
【0153】
前記電子輸送層16の厚みは、約100Åないし1,000Å、例えば、200Åないし500Åである。前記電子輸送層16の厚みが前述のような範囲を満足する場合、駆動電圧の上昇なしに、満足すべき電子輸送特性を得ることができる。
【0154】
次に、前記電子輸送層16または第1層15の上部に、電子注入層18が形成される。電子注入層としては、LiF、NaCl、CsF、Li2O、BaO、BaF2のような電子注入層の形成材料として、公知の任意の物質を利用することができる。前記電子注入層は、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法のような方法を利用して形成することができる。前記電子注入層の蒸着条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択されもする。
【0155】
前記電子注入層18の厚みは、約1Åないし100Å、例えば、5Åないし50Åである。前記電子注入層18の厚みが前述のような範囲を満足する場合、駆動電圧の上昇なしに、満足すべきの電子注入特性を得ることができる。
【0156】
最後に、電子注入層18上部に、第2電極19を形成することができる。前記第2電極の形成方法は、第1電極12の形成方法を参照する。第2電極19は、カソードまたはアノードとして使われもする。前記第2電極19がカソードとして使われる場合、仕事関数が小さい物質が選択される。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどのアルカリ金属;ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどのアルカリ土類金属;アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユウロビウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属;それらのうち2以上の合金、またはそれらのうち1以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、スズのうち1以上との合金;及び黒鉛、黒鉛層間化合物などが利用される。合金としては、例えば、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などを挙げることができる。また、前記第2電極19は、1層であるか2層以上であってもよい。また、前記第2電極19の材料は、1種単独で利用したり、あるいは2種以上を併用することもできる。前記第2電極19は、透明電極、半透明電極または反射電極として備わるなど、多様な変形が可能である。前記第2電極19の厚みは、例えば、10nmないし10μmであるが、それらに限定されるものではない。
【実施例】
【0157】
合成例1:ポリマーAの合成
<ポリマーA:下記反復単位からなるポリマー>
【0158】
【化41】
【0159】
十分に乾燥した50mL2口フラスコに、還流コンデンサを装置し、下記化合物B 668mg(1.0mmol)、下記化合物C 568mg(1.0mmol)、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)4.49mg(0.02mmol)、そしてトリシクロヘキシルホスフィン(PCy3)22.4mg(0.08mmol)を入れた後、シュレンクラインで数回真空化、窒素還流させた。次に、窒素環境下で、無水トルエン6mLを加えて撹拌させた後、ここにアリクワット336(Aliquat 336;アルドリッチ社製、化合物名;トリオクチルメチルアンモニウムクロライド)45.7μL(0.1mmol)と2M炭酸カリウム水溶液4mLとを加えた。反応混合物を還流条件、窒素環境下で48時間撹拌した。ここに、p−トリルホウ素酸340mg(2.5mmol)を加えた後、1時間撹拌し、次に、4−ブロモトルエン308μL(2.5mmol)を加え、さらに2時間撹拌した。反応が完結すれば、前記反応混合物の温度を室温に下げた後、トルエン30mLと水30mLとを加えて希釈した後、有機層を分離して濃縮した。得られた濃縮化合物をトルエン10mLに溶解し、これをさらにメタノール300mLで沈殿させることによって、680mgのポリマーAを得た。前記ポリマーAをGPC(gel permeation chromatography)で分析した結果、重量平均分子量(Mw)は、1.82×104、数平均分子量(Mn)は、6.59×103であり、分子量分布(MWD)は、2.76であった。
【0160】
【化42】
【0161】
合成例2:ポリマーDの合成
<ポリマーD:下記反復単位からなるポリマー>
【0162】
【化43】
【0163】
化合物Bの代わりに、下記化合物Eを使用したという点を除いては、前記合成例1と同じ方法を利用してポリマーDを合成した。前記ポリマーDをGPCで分析した結果、重量平均分子量(Mw)は、7.34×103、数平均分子量(Mn)は、3.50×103であり、分子量分布(MWD)は、2.10であった。
【0164】
【化44】
【0165】
合成例3:ポリマーFの合成(比較合成例)
<ポリマーF:下記反復単位からなるポリマー>
【0166】
【化45】
【0167】
化合物Bの代わりに、下記化合物Gを使用したという点を除いては、前記合成例1と同じ方法を利用してポリマーFを合成した。前記ポリマーFをGPCで分析した結果、重量平均分子量(Mw)は、6.60×103、数平均分子量(Mn)は、3.46×103であり、分子量分布(MWD)は、1.91であった。
【0168】
【化46】
【0169】
合成例4:ポリマーHの合成
<ポリマーH:下記反復単位からなるポリマー>
【0170】
【化47】
【0171】
化合物Bの代わりに、下記化合物Iを使用したという点を除いては、前記合成例1と同じ方法を利用してポリマーHを合成した。前記ポリマーHをGPCで分析した結果、重量平均分子量(Mw)は、8.05×103、数平均分子量(Mn)は、4.33×103であり、分子量分布(MWD)は、1.86であった。
【0172】
【化48】
【0173】
合成例5:ポリマーJの合成
<ポリマーJ:下記反復単位からなるポリマー>
【0174】
【化49】
【0175】
化合物Bの代わりに、下記化合物Kを使用したという点を除いては、前記合成例1と同じ方法を利用してポリマーJを合成した。前記ポリマーJをGPCで分析した結果、重量平均分子量(Mw)は、2.34×104、数平均分子量(Mn)は、1.09×104であり、分子量分布(MWD)は、2.15であった。
【0176】
【化50】
【0177】
合成例6:ポリマーLの合成
<ポリマーL:下記反復単位からなるポリマー>
【0178】
【化51】
【0179】
化合物Bの代わりに、下記化合物Mを使用したという点を除いては、前記合成例1と同じ方法を利用してポリマーLを合成した。前記ポリマーLをGPCで分析した結果、重量平均分子量(Mw)は、8.66×103、数平均分子量(Mn)は、4.37×103であり、分子量分布(MWD)は、1.98であった。
【0180】
【化52】
【0181】
評価例1:ポリマーのχ50%、上反角及び三重項エネルギー(ET1)の評価
ポリマーA,D及びFの主鎖(main chain)において、連続する任意の4個の反復単位を表記すれば、下記化学式A,D及びFの通りである:
【0182】
【化53】
【0183】
【化54】
【0184】
【化55】
【0185】
化学式A,D及びFにおいて、n番目の反復単位のφ及びθ、ポリマーA,D及びFの第1上反角及び第2上反角、並びに三重項エネルギー(ET1)を下記表2に記載された方法によって評価し、その結果を表3に整理した。表3においてχ50%は、前記数式1によって計算したものである。
【0186】
【表2】
【0187】
【表3】
【0188】
前記表3から、ポリマーA及びDの第1上反角及び第2上反角は、ポリマーA及びDのχ50%よりそれぞれ大きく、高い三重項エネルギーを有するということを確認することができる。一方、ポリマーFの第1上反角及び第2上反角は、ポリマーFのχ50%より小さく、低い三重項エネルギーを有するということを確認することができる。
【0189】
評価例2:ポリマーの発光特性評価(溶液状態)
前記ポリマーAのPL(photoluminescence)スペクトルを評価することによって、ポリマーの発光特性を評価した。まず、ポリマーAをトルエンに、10mM濃度で希釈させ、キセノンランプが装着されているISC PC1スペクトロフルオロメータ(spectrofluorometer)を利用し、PL(photoluminecscence)スペクトルを測定し、その結果を図2に示した。
【0190】
図2から、溶液中ポリマーAは、優秀な発光特性を示すということを確認した。
【0191】
実施例1
酸化インジウムスズ(ITO)(厚さ150nm)をガラス基板上にコーティングした透明電極基板をきれいに洗浄した後、ITOを感光性樹脂とエッチャントとを利用し、所望の形態にパターニングし、再びきれいに洗浄した。前記ITO上部に、ポリエチレンジヒドロキシチオフェン(PEDOT)を含んだ正孔輸送層形成用の組成物(Bayer社のBatron P 4083;PEDOT:PSS(下記化学式参照))をスピンコーティングした後、200℃で約0.5時間ベーキング(baking)し、正孔輸送層を形成した。前記正孔輸送層上部に、クロロベンゼンに前記ポリマーA及びドーパント1(下記化学式参照)(得られる発光層の総重量100質量%に対するドーパント1の含有量が0.7質量%となる量)を含んだ発光層形成用組成物を2,000rpmでスピンコーティングし、120℃の温度で30分間ベーキング処理し、ポリマーA及びドーパント1を含んだ発光層を形成した。前記正孔輸送層形成用の組成物及び発光層形成用の組成物は、スピンコーティング前に、0.2mmフィルタで濾過した。前記正孔輸送層及び発光層の厚みは、各組成物の濃度とスピンコーティング速度とを調節することによって、それぞれ55nm及び40nmになるようにした。前記発光層上部で、真空度を4×10−6torr以下に維持しつつ、1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(TPBi)(下記化学式参照)を真空蒸着し、厚さ30nmの電子輸送層を形成した後、前記電子輸送層上部に、LiF及びAlを順次に蒸着し、電子注入層(厚さ0.5nm)と第2電極(厚さ100nm)とを順次に形成し、有機発光素子を製作した。蒸着時の膜厚及び膜の成長速度は、クリスタルセンサ(crystal sensor)を利用して調節した。
【0192】
【化56】
【0193】
【化57】
【0194】
実施例2
発光層の形成時、ドーパント1の代わりに、ドーパント2(下記化学式参照)を使用したという点を除いては、前記実施例1と同じ方法で有機発光素子を製作した。
【0195】
【化58】
【0196】
実施例3
発光層の形成時、ポリマーAの代わりに、ポリマーDを使用したという点を除いては、前記実施例1と同じ方法で有機発光素子を製作した。
【0197】
前記実施例1ないし3から製作された有機発光素子の構造を整理すれば、下記表4の通りである:
【0198】
【表4】
【0199】
評価例3:有機発光素子特性評価
前記実施例1ないし3の有機発光素子に対して、PR650 Spectroscan Source Measurement Unit.(PhotoResearch社)を利用し、エレクトロルミネセンス・スペクトル、電流密度、電流効率及び輝度を評価し、その結果を図3ないし図12に示した。
【0200】
図3ないし図12によれば、ポリマーA及びポリマーDを採用した実施例1ないし3の有機発光素子は、優れた電流密度及び輝度特性を有するということを確認することができる。
【産業上の利用可能性】
【0201】
本発明のポリマー及び該ポリマーを含んだ有機発光素子は、ディスプレイ関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0202】
10 有機発光素子、
11 基板、
12 第1電極、
13 正孔輸送層、
15 第1層、
16 電子輸送層、
18 電子注入層、
19 第2電極。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー及び該ポリマーを含んだ有機発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
能動発光型素子である有機発光素子(light emitting device)は、軽量であり、部品が簡素であり、製作工程が簡単な構造を有しており、高画質であって広視野角を有することができる。また、高色純度を有し、動映像を完壁に具現でき、低消費電力及び低電圧駆動が可能であり、各種電子製品に適した電気的特性を有している。
【0003】
例えば、前記有機発光素子は、基板上部にアノードが形成されており、前記アノード上部に、第1層として、正孔輸送層、発光層、電子輸送層などが備わっており、その上部にカソードが順次に形成されている構造を有することができる。
【0004】
前記アノード及びカソードに電流を印加すれば、アノードから注入された正孔は、正孔輸送層を経由して発光層に移動し、カソードから注入された電子は、電子輸送層を経由して発光層に移動する。このように移動した正孔及び電子は、発光層領域で再結合して励起子(exiton)を生成する。この励起子が放射減衰(radiative decay)されつつ、当該物質のバンドギャップ(bandgap)に該当する波長の光が放出される。
【0005】
前記第1層に使われる物質は、第1層の製造方法によって、真空蒸着性物質と溶液塗布性物質とに分けることができる。前記溶液塗布性物質は、溶媒と混和され、基板上に塗布可能な組成物を提供できなければならず、前記組成物は、インクジェット・プリンティング、スクリーン・プリンティング、スピンコーティングのような公知の溶液塗布法を利用して基板などに提供される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、新規構造を有するポリマーを提供するものである。
【0007】
本発明はまた、前記ポリマーを含んだ有機発光素子を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
m個の反復単位を含み、
m個の反復単位のうちn番目(nth)の反復単位が、下記化学式1で表示される第1反復単位であり、
前記n番目の反復単位のA1環と、(n−1)番目(n−1th)の反復単位の第1芳香族環との間の第1上反角(第1ねじれ角ないし第1の2面角;first dihedral angle)、及び前記n番目の反復単位のA2環と、(n+1)番目(n+1th)の反復単位の第2芳香族環との間の第2上反角(第2ねじれ角ないし第2の2面角;second dihedral angle)のうち一つ以上が、下記数式1のχ50%以上の角度を有するポリマーが提供される:
【0009】
【化1】
【0010】
【数1】
【0011】
ここで、
前記第1芳香族環は、前記A1環と単一結合で結合されている環であり、
前記第2芳香族環は、前記A2環と単一結合で結合されている環であり、
前記化学式1で、R1ないしR7は互いに独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換または非置換のC1−C60アルキル基、置換または非置換のC2−C60アルケニル基、置換または非置換のC2−C60アルキニル基、置換または非置換のC1−C60アルコキシ基、置換または非置換のC3−C60シクロアルキル基、置換または非置換のC3−C60シクロアルケニル基、置換または非置換のC6−C60アリール基、置換または非置換のC6−C60アリールオキシ基、置換または非置換のC6−C60アリールチオ基、置換または非置換のC2−C60ヘテロアリール基、−N(Q1)(Q2)、及び−Si(Q3)(Q4)(Q5)のうちの一つであり、
前記Q1ないしQ5は互いに独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、C1−C60アルキル基、C2−C60アルケニル基、C2−C60アルキニル基、C3−C60シクロアルキル基、C6−C60アリール基またはC2−C60ヘテロアリール基であり、
前記化学式1でXは、単一結合、または炭素または16族元素を含んだ連結基であり、
前記mは、2ないし1,000の範囲で選択される整数であり、
前記nは、2ないし(m−1)の範囲で選択される任意の変数であり、
前記数式1でAは、26.03°であり、Bは、0.0445であり、
前記数式1でφは、下記化学式1−1のように、前記化学式1のA1環とA2環との間の角度(°)であり、
前記数式1でθは、下記化学式1−2のように、前記化学式1のA1環とA3環との結合を、A3環の窒素方向に延長させた仮想の第1線(第1仮想線)と、A2環とA3環との結合を、A3環の窒素方向に延長させた仮想の第2線(第2仮想線)とが出合って形成された角の角度(°)である:
【0012】
【化2】
【0013】
【化3】
【0014】
前記ポリマーは、有機発光素子の発光層において、リン光ホストとして使われもする。
【0015】
また、基板;第1電極;第2電極;及び前記第1電極と前記第2電極との間に介在され、前記ポリマーを含んだ第1層;を含んだ有機発光素子が提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、前記化学式1で表示される反復単位を含んだポリマーは、高い三重項エネルギー準位を有するが、これを採用した有機発光素子は、高電流密度、高輝度などの特性を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態(一具現例)による有機発光素子の概略的な断面図である。
【図2】ポリマーAのPL(フォトルミネセンス)スペクトルデータである。
【図3】実施例1及び2のOLEDのEL(エレクトロルミネセンス)スペクトルデータである。
【図4】実施例1の有機発光素子の電圧−電流密度グラフ(4回測定)である。
【図5】実施例1の有機発光素子の電圧−電流効率グラフ(4回測定)である。
【図6】実施例1の有機発光素子の電圧−輝度グラフ(4回測定)である。
【図7】実施例2の有機発光素子の電圧−電流密度グラフ(2回測定)である。
【図8】実施例2の有機発光素子の電圧−電流効率グラフ(2回測定)である。
【図9】実施例2の有機発光素子の電圧−輝度グラフ(2回測定)である。
【図10】実施例3の有機発光素子の電界(EL)スペクトルである。
【図11】実施例3の有機発光素子の電圧−電流密度グラフ及び電圧−輝度グラフである。
【図12】実施例3の有機発光素子の電流密度−電流効率グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のポリマーは、m個の反復単位を含むが、m個の反復単位のうちn番目(nth)の反復単位が、下記化学式1で表示される第1反復単位である:
【0019】
【化4】
【0020】
前記mは、前記ポリマーの反復単位の個数であり、2ないし1,000、例えば、10ないし200の範囲で選択される整数であってもよい。
【0021】
前記nは、2ないし(m−1)の範囲で選択される任意の変数である。
【0022】
前記化学式1でXは、単一結合、または炭素または16族元素を含んだ連結基であってもよい。
【0023】
例えば、前記化学式1でXは、炭素を含んだ連結基、単一結合、−O−を含んだ連結基、−S−を含んだ連結基及び−Se−を含んだ連結基のうちから選択されもするが、それらに限定されるものではない。
【0024】
前記ポリマーにおいて、前記n番目の反復単位のA1環と、(n−1)番目(n−1th)反復単位の第1芳香族環との間の第1上反角(第1ねじれ角ないし第1の2面角;first dihedral angle)、及び前記n番目の反復単位のA2環と、(n+1)番目(n+1th)反復単位の第2芳香族環との間の第2上反角(第2ねじれ角ないし第2の2面角;second dihedral angle)のうち一つ以上は、下記数式1の以上の角度を有することができる:
【0025】
【数2】
【0026】
前記数式1でAは、26.03であり、Bは、0.0445である。
【0027】
前記数式1でφは、下記化学式1−1のように、前記化学式1のA1環とA2環との間の角度であり、θは、下記化学式1−2のように、前記化学式1のA1環とA3環との結合を、A3環の窒素方向に延長させた仮想の第1線(第1仮想線)と、A2環とA3環との結合を、A3環の窒素方向に延長させた仮想の第2線(第2仮想線)とが出合って形成された角の角度である(但し、マイナス(−)値を有するθの絶対値は、下記の化学式1−2のうちA1環とA3環との結合を、A3環のX方向に延長した仮想の第3線と、A2環とA3環との結合を、A3環のX方向に延長した仮想の第4線とが出合って形成された角の角度であり、これは本明細書のうちθに対する定義を参照して容易に認識できるものである):
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】
前記化学式1−1及び化学式1−2は、前記化学式1でφ及びθについて説明するための仮想の線(第1線及び第2線)及び平面(化学式1−1で、環A1及びA2をそれぞれ含んだ平面)が追加された化学式である。
【0031】
前記(n−1)番目の反復単位に含まれた第1芳香族環は、前記n番目の反復単位に含まれたA1環と、単一結合で結合されている環であり、前記(n+1)番目の反復単位に含まれた第2芳香族環は、前記n番目の反復単位に含まれたA2環と単一結合で結合されている環である。
【0032】
前記化学式1でφ及びθは、化学式1で、Xによって変わりうる。
【0033】
例えば、前記Xは、炭素を含んだ連結基であるが、下記化学式2で表示される連結基であってもよい:
【0034】
【化7】
【0035】
前記化学式2で、R11ないしR14は互いに独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換または非置換のC1−C60アルキル基、置換または非置換のC2−C60アルケニル基、置換または非置換のC2−C60アルキニル基、置換または非置換のC1−C60アルコキシ基、置換または非置換のC3−C60シクロアルキル基、置換または非置換のC3−C60シクロアルケニル基、置換または非置換のC6−C60アリール基、置換または非置換のC6−C60アリールオキシ基、置換または非置換のC6−C60アリールチオ基、または置換または非置換のC2−C60ヘテロアリール基である。
【0036】
例えば、前記化学式2で、R11ないしR14は互いに独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換または非置換のC1−C20アルキル基、または置換または非置換のC1−C20アルコキシ基であるが、それらに限定されるものではない。
【0037】
例えば、前記化学式2で、前記R11ないしR14は互いに独立して、水素原子;重水素原子;F;Cl;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;カルボキシル基;メチル基;エチル基;プロピル基;i−プロピル基;ブチル基;i−ブチル基;t−ブチル基;ペンチル基;ヘキシル基;ヘプチル基;オクチル基;2−エチルヘキシル基;ノニル基;デシル基;3,7−ジメチルオクチル基;
重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうち一つ以上で置換された、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基及び3,7−ジメチルオクチル基;
メトキシ基;エトキシ基;プロピルオキシ基;i−プロピルオキシ基;ブトキシ基;i−ブトキシ基;t−ブトキシ基;ペンチルオキシ基;ヘキシルオキシ基;ヘプチルオキシ基;オクチルオキシ基;2−エチルヘキシルオキシ基;ノニルオキシ基;デシルオキシ基;3,7−ジメチルオクチルオキシ基;
重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうち一つ以上で置換された、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基及び3,7−ジメチルオクチルオキシ基;のうちの一つであってもよい。
【0038】
例えば、前記化学式2で、前記R11ないしR14は、いずれも水素原子であるが、それに限定されるものではない。
【0039】
前記化学式1でXが、前記化学式2で表示される連結基である場合、158.37°≦φ≦160.37°(例えば、158.87°≦φ≦159.87°)であり、32.52°≦θ≦34.52°(例えば、33.02°≦θ≦34.02°)であり、38.00°≦χ50%≦40.00°(例えば、38.50°≦χ50%≦39.50°)であってもよい。一実施形態(一具現例)によれば、前記Xが、前記化学式2で表示される連結基であり、159.17°≦φ≦159.57°であり、33.32°≦θ≦33.72°であり、38.80°≦χ50%≦39.20°である。
【0040】
前記化学式1で、Xが単一結合である場合、φ=180.00°であり、−34.45°≦θ≦−32.45°(例えば、−33.95°≦θ≦−32.95°)であり、27.00°≦χ50%≦29.00°(例えば、27.50°≦χ50%≦28.50°)である。一実施形態(一具現例)によれば、前記化学式1で、Xが単一結合であり、φ=180.00°であり、−33.65°≦θ≦−33.25°であり、27.80°≦χ50%≦28.20°である。
【0041】
前記化学式1で、Xが−O−で表示される連結基である場合、167.18°≦φ≦169.18°(例えば、167.68°≦φ≦168.68°)であり、−2.81°≦θ≦−0.81°(例えば、−2.31°≦θ≦−1.31°)であり、32.00°≦χ50%≦34.00°(例えば、32.50°≦χ50%≦33.50°)である。一実施形態(一具現例)によれば、前記化学式1で、Xが−O−で表示される連結基であり、167.98°≦φ≦168.38°であり、−2.01°≦θ≦−1.61°であり、32.80°≦χ50%≦33.20°である。
【0042】
前記化学式1で、Xが−S−で表示される連結基である場合、149.27°≦φ≦151.27°(例えば、149.77°≦φ≦150.77°)であり、10.01°≦θ≦12.01°(例えば、10.51°≦θ≦11.51°)であり、34.00°≦χ50%≦36.00°(例えば、34.50°≦χ50%≦35.50°)である。一実施形態(一具現例)によれば、前記化学式1で、Xが−S−で表示される連結基であり、150.07°≦φ≦150.47°であり、10.81°≦θ≦11.21°であり、34.80°≦χ50%≦35.20°である。
【0043】
前記化学式1で、Xが−Se−で表示される連結基である場合、145.94°≦φ≦147.94°(例えば、146.44°≦φ≦147.44°)であり、14.46°≦θ≦16.46°(例えば、14.96°≦θ≦15.96°)であり、34.00°≦χ50%≦36.00°(例えば、34.50°≦χ50%≦35.50°)である。一実施形態(一具現例)によれば、前記化学式1で、Xが−Se−で表示される連結基であり、146.74°≦φ≦147.14°であり、15.26°≦θ≦15.66°であり、34.80°≦χ50%≦35.20°である。
【0044】
例えば、前記化学式1でXによって、数式1のφ、θ及びχ50%は、下記表1に記載されたような値を有することができるが、それらに限定されるものではない:
【0045】
【表1】
【0046】
前記数式1でφ及びθは、R1ないしR7がいずれも水素原子であり、結合線もない化合物(すなわち、
【0047】
【化8】
【0048】
)について、B3LYP/6−31+G(D)を利用したDFT(密度汎関数理論;density functional theory)を適用して計算することができ、χ50%は、TDDFT(時間依存密度汎関数理論;time−dependent density functional theory)を利用して計算することができる。TDDFTは、電界または磁界(electric or magnetic fields)のような時間従属電位(time−dependent potentials)存在下で、構造体の特性及び役割(dynamics)を予測する量子力学理論であり、量子計算理論において、代表的な方法のうちの一つである密度汎関数理論(DFT)では、説明できない時間従属的な現象について説明するために提示され、時間従属的に与えられる電場や磁場の効果を記述するのに使われもする。前記TDDEFは、線形応答理論(linear response theory)を基に、分析対象である構造体の励起状態の量子状態(エネルギー、構造)などを計算し、吸収/放出スペクトルを得たり、励起状態の情報を解釈するのに使われもする。
【0049】
前記化学式1で表示される第1反復単位を含んだポリマーの前記第1上反角及び第2上反角のうち一つ以上が、当該化学式1について、前記数式1で定義されるχ50%以上の角度を有する場合、当該ポリマーは、優れた三重項エネルギー、例えば、有機発光素子のリン光ホストとして使用するのに適した優れた三重項エネルギーを有することができる。従って、前記ポリマーは、有機発光素子のリン光ホストとして有効に使われもする。
【0050】
有機半導体として使われもするポリマーは、共役長を増大させることによって、電荷移動度を上昇させることができるが、これと同時に、前記ポリマーの励起状態のエネルギーが低減し、リン光ホスト物質として適さなくなる。従って、リン光ホストとして応用されるように、リン光ホストとして有用な範囲の励起状態エネルギーは有するが、電荷移動度が低下しない共役構造を有するポリマーをデザインする必要がある。
【0051】
しかし、リン光ホストとして有用な共役構造を有するポリマーデザインに必須な手段及び基準は、明らかになっていない。このために、本発明者らは、前記化学式1で表示される第1反復単位を含んだポリマーの第1上反角(第1ねじれ角ないし第1の2面角)及び第2上反角(第1ねじれ角ないし第1の2面角)のうち、一つ以上が前記数式1で定義されるχ50%以上の角度を有するようにデザインされたポリマーは、前記ポリマー固有の共役長自体は維持しつつも、(n−1)番目の反復単位とn番目の反復単位とが互いにねじれたり、かつ/またはn番目の反復単位と(n+1)番目の反復単位とが互いにねじれることにより、前記ポリマーの一部区間で、ポリマーの共役構造が途切れる効果を有することになり、ポリマーの電荷移動度及び励起状態エネルギーいずれも高いレベルに維持することができることを発見した。従って、前記ポリマーは、高い三重項エネルギーを有することができ、有機発光素子のリン光ホストとして有効に使われもする。
【0052】
従って、当該ポリマーの上反角(本明細書において、上反角(ねじれ角ないし2面角)の定義は、前述のところを参照する)の最小値が、数式1で定義されるχ50%を有するモノマーを利用し、有効な三重項エネルギーを有するポリマーを容易にデザインすることができる。のみならず、任意のポリマーのχ50%及び上反角を分析することによって、前記任意のポリマーが有効な三重項エネルギーを提供することができるか否か(すなわち、有機発光素子のリン光ホストとして、有効に使用可能であるか否か)をあらかじめ予測することができるなど、多様な応用が可能である。
【0053】
前記ポリマーの第1上反角及び第2上反角は、多様な電子構造計算シミュレーションを介して評価することができる。例えば、B3LYP/6−31+G(D)というxc−functional(交換相関ポテンシャル汎関数)とbasis set(基底集合ないし基底関数)とを使用した密度汎関数理論(DFT:density functional theory)を利用し、当該ポリマーの第1上反角及び第2上反角を予測することができる。
【0054】
一方、実験的には、X線回折法(x−ray diffraction analysis)を利用し、上反角を測定することができる。例えば、下記実施例で後述するポリマーAの第1上反角は、下記化学式A(1)のように、−OC8H17が置換されたフェニル基が結合されたカルバゾールを準備し、これをX線回折法で分析することによって、第1上反角を実測することができる。
【0055】
<ポリマーA:下記反復単位からなるポリマー>
【0056】
【化9】
【0057】
【化10】
【0058】
前記ポリマーの三重項エネルギーは、当該ポリマーをトルエンと混合した混合物を石英セル(quartz cell)に入れて測定したフォトルミネセンス(PL)スペクトルのピークを分析することによって測定することができる。
【0059】
前記化学式1で、R1ないしR7は互いに独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換または非置換のC1−C60アルキル基、置換または非置換のC2−C60アルケニル基、置換または非置換のC2−C60アルキニル基、置換または非置換のC1−C60アルコキシ基、置換または非置換のC3−C60シクロアルキル基、置換または非置換のC3−C60シクロアルケニル基、置換または非置換のC6−C60アリール基、置換または非置換のC6−C60アリールオキシ基、置換または非置換のC6−C60アリールチオ基、置換または非置換のC2−C60ヘテロアリール基、−N(Q1)(Q2)、及び−Si(Q3)(Q4)(Q5)のうちの一つであるが、前記Q1ないしQ5は互いに独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、C1−C60アルキル基、C2−C60アルケニル基、C2−C60アルキニル基、C3−C60シクロアルキル基、C6−C60アリール基またはC2−C60ヘテロアリール基である。
【0060】
例えば、前記化学式1で、R1ないしR7は互いに独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換または非置換のC1−C20アルキル基、置換または非置換のC1−C20アルコキシ基、置換または非置換のフェニル基、置換または非置換のペンタレニル基(pentalenyl)、置換または非置換のインデニル基(indenyl)、置換または非置換のナフチル基(naphthyl)、置換または非置換のアズレニル基(azulenyl)、置換または非置換のヘプタレニル基(heptalenyl)、置換または非置換のインダセニル基(indacenyl)、置換または非置換のアセナフチル基(acenaphthyl)、置換または非置換のフルオレニル基(fluorenyl)、置換または非置換のフェナレニル基(phenalenyl)、置換または非置換のフェナントリル基(phenanthryl)、置換または非置換のアントリル基(anthryl)、置換または非置換のフルオランテニル基(fluoranthenyl)、置換または非置換のトリフェニレニル基(triphenylenyl)、置換または非置換のピレニル基(pyrenyl)、置換または非置換のクリセニル基(chrysenyl)、置換または非置換のナフタセニル基(naphthacenyl)、置換または非置換のピセニル基(picenyl)、置換または非置換のペリレニル基(perylenyl)、置換または非置換のペンタフェニル基(pentaphenyl)、置換または非置換のヘキサセニル基(hexacenyl)、置換または非置換のピロリル基(pyrrolyl)、置換または非置換のピラゾリル基(pyrazolyl)、置換または非置換のイミダゾリル基(imidazolyl)、置換または非置換のイミダゾリニル基(imidazolinyl)、置換または非置換のイミダゾピリジニル基(imidazopyridinyl)、置換または非置換のイミダゾピリミジニル基(imidazopyrimidinyl)、置換または非置換のピリジニル基(pyridinyl)、置換または非置換のピラジニル基(pyrazinyl)、置換または非置換のピリミジニル基(pyrimidinyl)、置換または非置換のインドリル基(indolyl)、置換または非置換のプリニル基(purinyl)、置換または非置換のキノリニル基(quinolinyl)、置換または非置換のフタラジニル基(phthalazinyl)、置換または非置換のインドリジニル基(indolizinyl)、置換または非置換のナフチリジニル基(naphthyridinyl)、置換または非置換のキナゾリニル基(quinazolinyl)、置換または非置換のシンノリニル基(cinnolinyl)、置換または非置換のインダゾリル基(indazolyl)、置換または非置換のカルバゾリル基(carbazolyl)、置換または非置換のフェナジニル基(phenazinyl)、置換または非置換のフェナントリジニル基(phenanthridinyl)、置換または非置換のクロメニル基(chromenyl)、置換または非置換のベンゾフラニル基(benzofuranyl)、置換または非置換のチオフェニル基(thiophenyl)、置換または非置換のベンゾチオフェニル基(benzothiophenyl)、置換または非置換のイソチアゾリル基(isothiazolyl)、置換または非置換のベンゾイミダゾリル基(benzoimidazolyl)及び置換または非置換のイソキサゾリル基(isoxazolyl)のうちの一つであってもよい。
【0061】
例えば、前記化学式1で、R2ないしR7は、水素原子であり、R1が、下記化学式3Aないし3Iのうちの一つで表示されもする:
【0062】
【化11】
【0063】
【化12】
【0064】
【化13】
【0065】
【化14】
【0066】
【化15】
【0067】
【化16】
【0068】
【化17】
【0069】
【化18】
【0070】
【化19】
【0071】
前記化学式3Aないし3Iで、
Z1及びZ2は互いに独立して、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換または非置換のC1−C60アルキル基、置換または非置換のC2−C60アルケニル基、置換または非置換のC2−C60アルキニル基、置換または非置換のC1−C60アルコキシ基、置換または非置換のC3−C60シクロアルキル基、置換または非置換のC3−C60シクロアルケニル基、置換または非置換のC6−C60アリール基、置換または非置換のC6−C60アリールオキシ基、置換または非置換のC6−C60アリールチオ基、または置換または非置換のC2−C60ヘテロアリール基であり、pは、0ないし9の整数であり、qは、0ないし5の整数であってもよい。
【0072】
例えば、前記化学式3Aないし3Iで、Z1及びZ2は互いに独立して、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換または非置換のC1−C20アルキル基または置換または非置換のC1−C20アルコキシ基である。
【0073】
例えば、前記化学式3Aないし3Iで、Z1及びZ2は互いに独立して、重水素原子;F;Cl;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;カルボキシル基;メチル基;エチル基;プロピル基;i−プロピル基;ブチル基;i−ブチル基;t−ブチル基;ペンチル基;ヘキシル基;ヘプチル基;オクチル基;2−エチルヘキシル基;ノニル基;デシル基;3,7−ジメチルオクチル基;
重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうちの一つ以上で置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基及び3,7−ジメチルオクチル基;
メトキシ基;エトキシ基;プロピルオキシ基;i−プロピルオキシ基;ブトキシ基;i−ブトキシ基;t−ブトキシ基;ペンチルオキシ基;ヘキシルオキシ基;ヘプチルオキシ基;オクチルオキシ基;2−エチルヘキシルオキシ基;ノニルオキシ基;デシルオキシ基;3,7−ジメチルオクチルオキシ基;
重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうちの一つ以上で置換されたメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基及び3,7−ジメチルオクチルオキシ基;のうちの一つである。
【0074】
前記化学式3Aないし3Iにおいてpは、0ないし3、例えば、1ないし3であり、qは、0ないし2、例えば、1または2であるが、それらに限定されるものではない。
【0075】
前記化学式1で、例えば、前記化学式1で、R2ないしR7は水素原子であり、R1は、下記化学式4Aで表示されもするが、それに限定されるものではない:
【0076】
【化20】
【0077】
前記化学式4Aで、Z1についての定義は、前述のところを参照する。
【0078】
前記ポリマーの第1芳香族環及び第2芳香族環は、置換または非置換のベンゼン環であってもよい。例えば、前記第1芳香族環及び第2芳香族環は、置換または非置換の単独のベンゼン環である。または、前記第1芳香族環及び第2芳香族環は、置換または非置換のナフタレン環、または置換または非置換のフルオレン環に融合(結合ないし縮合;fused)されているベンゼン環であってもよい。
【0079】
前記ポリマーは、置換または非置換のベンゼン環、置換または非置換のナフタレン環、または置換または非置換のフルオレン環のうちの一つ以上を含んだ第2反復単位をさらに含んでもよい。
【0080】
前記第2反復単位は、当該ポリマーの第1上反角及び第2上反角のうちの一つ以上が、当該化学式1で表示される第1反復単位から得たχ50%以上の角度を有するように選択することができる。
【0081】
前記ポリマーが前記第2反復単位をさらに含む場合、前記第2反復単位は、下記化学式5A、5B、5C、5Dまたは5Eで表示されもする:
【0082】
【化21】
【0083】
【化22】
【0084】
【化23】
【0085】
【化24】
【0086】
【化25】
【0087】
前記化学式5Aないし5Eで、R21及びR22は互いに独立して、置換または非置換のC1−C60アルキル基(例えば、置換または非置換のC1−C20アルキル基)であり、Y1ないしY4は互いに独立して、水素原子、置換または非置換のC1−C60アルキル基(例えば、置換または非置換のC1−C20アルキル基)、または置換または非置換のC1−C60アルコキシ基(例えば、置換または非置換のC1−C20アルコキシ基)であってもよい。
【0088】
例えば、前記R21及びR22は互いに独立して、メチル基;エチル基;プロピル基;i−プロピル基;ブチル基;i−ブチル基;t−ブチル基;ペンチル基;ヘキシル基;ヘプチル基;オクチル基;2−エチルヘキシル基;ノニル基;デシル基;3,7−ジメチルオクチル基;及び重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうちの一つ以上で置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基及び3,7−ジメチルオクチル基;のうちの一つであるが、それらに限定されるものではない。
【0089】
例えば、前記Y1ないしY4は互いに独立して、水素原子;メチル基;エチル基;プロピル基;i−プロピル基;ブチル基;i−ブチル基;t−ブチル基;ペンチル基;ヘキシル基;ヘプチル基;オクチル基;2−エチルヘキシル基;ノニル基;デシル基;3,7−ジメチルオクチル基;
重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうちの一つ以上で置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基及び3,7−ジメチルオクチル基;
メトキシ基;エトキシ基;プロピルオキシ基;i−プロピルオキシ基;ブトキシ基;i−ブトキシ基;t−ブトキシ基;ペンチルオキシ基;ヘキシルオキシ基;ヘプチルオキシ基;オクチルオキシ基;2−エチルヘキシルオキシ基;ノニルオキシ基;デシルオキシ基;3,7−ジメチルオクチルオキシ基;
重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうちの一つ以上で置換されたメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基及び3,7−ジメチルオクチルオキシ基;のうちの一つであるが、それらに限定されるものではない。
【0090】
前記ポリマーは、前記第1反復単位及び前記第2反復単位からなるコポリマーであってもよい。前記コポリマーは、ブロックコポリマー、ランダムコポリマーまたは交互(alternating)コポリマーであってもよい。例えば、前記コポリマーは、前記第1反復単位及び前記第2反復単位からなる交互コポリマーである。
【0091】
一実施形態(一具現例)によれば、前記ポリマーは、下記化学式6Aまたは6Bで表示される反復単位からなる交互コポリマーである:
【0092】
【化26】
【0093】
【化27】
【0094】
前記化学式6A及び6Bで、Z1、R21及びR22についての詳細な説明は、前述のところを参照する。
【0095】
前記ポリマーの重量平均分子量は、ポリスチレンを基準に、2,000ないし1,000,000であり、多分散指数(PDI)は、1.5ないし5であるが、それらに限定されるものではない。前記重量平均分子量及び多分散指数(例えば、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)を利用して測定することができ、ポリスチレン換算である)は、例えば、前記ポリマーを採用した有機発光素子の構造、具現しようとする特性などを考慮して選択されもする。
【0096】
本明細書において、「置換または非置換のX(Xは、任意の基)」という用語において、「置換されたX」という用語は、「前記Xの一つ以上の水素原子が、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミジノ基、ヒドラジニル基、カルボキシル基またはその塩誘導体、スルホン酸基またはその塩誘導体、リン酸基またはその塩誘導体、置換または非置換のC1−C60アルキル基、置換または非置換のC2−C60アルケニル基、置換または非置換のC2−C60アルキニル基、置換または非置換のC1−C60アルコキシ基、置換または非置換のC3−C60シクロアルキル基、置換または非置換のC3−C60シクロアルケニル基、置換または非置換のC6−C60アリール基、置換または非置換のC6−C60アリールオキシ基、置換または非置換のC2−C60ヘテロアリール基、−N(Q101)(Q102)、及び−Si(Q103)(Q104)(Q105)のうちの一つの置換基で置換されたX」を意味する。ここで、前記Q101ないしQ105は互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC1−C60アルキル基、置換または非置換のC2−C60アルケニル基、置換または非置換のC2−C60アルキニル基、置換または非置換のC1−C60アルコキシ基、置換または非置換のC3−C60シクロアルキル基、置換または非置換のC3−C60シクロアルケニル基、置換または非置換のC6−C60アリール基、置換または非置換のC6−C60アリールオキシ基、または置換または非置換のC2−C60ヘテロアリール基である。2以上の置換基が存在する場合、それらは、互いに同一であっても異なってもよい。
【0097】
例えば、前記「置換されたX」とは、「前記Xの一つ以上の水素原子が、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC1−C10アルキル基、置換または非置換のC1−C10アルコキシ基、置換または非置換のC6−C20アリール基、置換または非置換のC2−C20ヘテロアリール基、−N(Q101)(Q102)、及び−Si(Q103)(Q104)(Q105)のうちの一つの置換基で置換されたX」を意味するが、前記Q101ないしQ105は互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC1−C10アルキル基、置換または非置換のC1−C10アルコキシ基、置換または非置換のC6−C20アリール基、または置換または非置換のC2−C20ヘテロアリール基である。
【0098】
例えば、前記「置換されたX」とは、「前記Xの一つ以上の水素原子が、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、C1−C10アルキル基、C1−C10アルコキシ基、C6−C20アリール基、C2−C20ヘテロアリール基、−N(Q101)(Q102)、及び−Si(Q103)(Q104)(Q105)のうち一つの置換基で置換されたX」を意味するが、前記Q101ないしQ105は互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、C1−C10アルキル基、C1−C10アルコキシ基、C6−C20アリール基またはC2−C20ヘテロアリール基である。
【0099】
例えば、前記「置換されたX」とは、「前記Xの一つ以上の水素原子が、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ペントキシ基、フェニル基、ナフチル基またはアントリル基で置換されたX」を意味することができる。
【0100】
本明細書において、非置換のC1−C60アルキル基は、線形及び分枝型構造を有し、その具体的な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、iso−アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基などを挙げることができる。置換されたC1−C60アルキル基の置換基は、前記「置換されたX」に係わる説明を参照する。
【0101】
本明細書において、非置換のC2−C60アルケニル基は、前記非置換のC2−C60アルキル基の中間か末端に一つ以上の炭素二重結合を含有している末端基を意味する。非置換のC2−C60アルケニル基の例としては、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、プロパジエニル基(propadienyl)、イソプレニル基(isoprenyl)、アリル基(allyl)などを挙げることができる。置換されたC2−C60アルケニル基の置換基は、前記「置換されたX」に係わる説明を参照する。
【0102】
本明細書において、非置換のC2−C60アルキニル基は、前記非置換のC2−C60アルキル基の中間か末端に一つ以上の炭素三重結合を含有している末端基を意味する。非置換のC2−C60アルキニル基の例としては、アセチレニル基(acetylenyl)などを挙げることができる。置換されたC2−C60アルキニル基の置換基は、前記「置換されたX」に係わる説明を参照する。
【0103】
本明細書において、非置換のC1−C60アルコキシ基は、−OY(ただし、Yは、前述のような非置換のC1−C60アルキル基である)の化学式を有し、その具体的な例として、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基などを挙げることができる。置換されたC1−C60アルコキシ基の置換基は、前記「置換されたX」に係わる説明を参照する。
【0104】
本明細書において、非置換のC3−C60シクロアルキル基は、環型飽和炭化水素基を指すものであり、その具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などを挙げることができる。置換されたC3−C60シクロアルキル基の置換基は、前記「置換されたX」に係わる説明を参照する。
【0105】
本明細書において、非置換のC3−C60シクロアルケニル基は、一つ以上の炭素二重結合を有するが、芳香族環ではない環型不飽和炭化水素基を指すものであり、その具体例としては、シクロプロペニル基(cyclopropenyl)、シクロブテニル基(cyclobutenyl)、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、1,3−シクロヘキサジエニル基、1,4−シクロヘキサジエニル基、2,4−シクロヘプタジエニル基、1,5−シクロオクタジエニル基などを挙げることができる。置換されたC3−C60シクロアルケニル基の置換基は、前記「置換されたX」に係わる説明を参照する。
【0106】
本明細書において、非置換のC6−C60アリール基は、C6−C60炭素環芳香族系を有する一価(monovalent)の基であり、単環(monocyclic)基または多環(polycyclic)基であってもよい。多環基である場合、これに含まれた2以上の環は、互いに融合(縮合ないし結合)されてもよい(fused)。非置換のC6−C60アリール基の例としては、フェニル基、ペンタレニル基(pentalenyl)、インデニル基(indenyl)、ナフチル基、アズレニル基(azulenyl)、ヘプタレニル(heptalenyl)、インダセニル基(indacenyl)、アセナフチル基(acenaphtyl)、フルオレニル基(fluorenyl)、スピロ−フルオレニル基、フェナレニル基(phenalenyl)、フェナントリル基(phenanthryl)、アントリル基(anthryl)、フルオランテニル基(fluoranthenyl)、トリフェニレニル基(triphenylenyl)、ピレニル基(pyrenyl)、クリセニル基(chrysenyl)、ナフタセニル基(naphthacenyl)、ピセニル基(picenyl)、ペリレニル基(perylenyl)、ペンタフェニル基(pentaphenyl)、ヘキサセニル基(hexacenyl)などを挙げることができる。置換されたC6−C60アリール基の置換基は、前記「置換されたX」に係わる説明を参照する。
【0107】
本明細書において、非置換のC6−C60アリールオキシ基は、−OAr(ただし、Arは、前述のような非置換のC6−C60アリール基である)の化学式を有し、その具体的な例として、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、アンスラニルオキシ基、などを挙げることができる。置換されたC6−C60アリールオキシ基の置換基は、前記「置換されたX」に係わる説明を参照する。
【0108】
本明細書において、非置換のC6−C60アリールチオ基は、−SAr(ただし、Arは、前述のような非置換のC6−C60アリール基である)の化学式を有し、その具体的な例として、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、アンスラニルチオ基などを挙げることができる。置換されたC6−C60アリールチオ基の置換基は、前記「置換されたX」に係わる説明を参照する。
【0109】
本明細書において、非置換のC2−C60ヘテロアリール基は、N、O、PまたはSのうちから選択された1個以上のヘテロ原子を含んだ環を一つ以上含んだ単環基または多環基であってもよい。多環基である場合、これに含まれた2以上の環は、互いに融合(縮合ないし結合)されてもよい。非置換のC2−C60ヘテロアリール基の具体例としては、ピロピル基(pyrrolyl)、イミダゾリル基(imidazolyl)、ピラゾリル基(pyrazolyl)、ピリジニル基(pyridinyl)、ピラジニル基(pyrazinyl)、ピリミジニル基(pyrimidinyl)、ピリダジニル基(pyridazinyl)、イソインドリル基(isoindolyl)、インドリル基(indolyl)、インダゾリル基(indazolyl)、プリニル基(purinyl)、キノリニル基(quinolinyl)、ベンゾキノリニル基(benzoquinolinyl)、プtラジニル基(phthalazinyl)、ナフチリジニル基(naphthyridinyl)、キノキサニル基(quinoxalinyl)、キナゾリニル基(quinazolinyl)、シンノリニル基(cinnolinyl)、カルバゾリル基(carbazolyl)、フェナントリジニル基(phenanthridinyl)、アクリジニル基(acridinyl)、フェナントロリニル基(phenanthrolinyl)、フェナジニル基(phenazinyl)、ベンゾオキサゾリル基(benzooxazolyl)、ベンゾイミダゾリル基(benzoimidazolyl)、フラニル基(furanyl)、ベンゾフラニル基(benzofuranyl)、チオフェニル基(thiophenyl)、ベンゾチオフェニル基(benzothiophenyl)、チアゾリル基(thiazolyl)、イソチアゾリル(isothiazolyl)、ベンゾチアゾリル(benzothiazolyl)、イソキサゾリル基(isoxazolyl)、オキサゾリル基(oxazolyl)、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ベンゾオキサゾリル基(benzooxazolyl)などを挙げることができる。置換されたC6−C60ヘテロアリール基の置換基は、前記「置換されたX」に係わる説明を参照する。
【0110】
本明細書(主に化学式中)において、「*」及び「*’」は、隣接するモイエティ(部分;moiety)との結合サイトを表示したものであり、当業者に容易に認識されるものである。
【0111】
前記化学式1で表示される第1反復単位を含んだポリマーは、公知の有機合成方法、例えば、鈴木カップリングまたは山本カップリングなどを利用して合成される。前記ポリマーの合成方法は、後述する実施例を参照し、当業者に容易に認識されるであろう。
【0112】
従って、前記ポリマーは、有機発光素子、例えば、有機発光素子の発光層において、リン光ドーパントと共に使われるリン光ホストとして使われもする。
【0113】
単一項エネルギー準位(一重項状態エネルギー準位;singlet state energy level)だけが発光に寄与し、最大内部量子効率が25%である蛍光物質に比べ、単一項エネルギー準位と三重項エネルギー準位との内部系交換(項間交差あるいは系間交差;intersystem crossing)が可能なリン光物質は、三重項エネルギー準位の励起子も発光に寄与するので、理論的に、100%の内部量子効率が可能である。従って、リン光物質を採用することによって、高効率の有機発光素子を具現することができるが、公知のリン光ドーパントは、一般的に高い準位の三重項エネルギーを有しているという点と、前述のような前記ポリマーの特性とを考慮すれば、前記ポリマーは、有機発光素子において、発光層のリン光ホストとして有効に使われもする。
【0114】
例えば、前記ポリマーは、有機発光素子の発光層において、赤色、緑色及び/または青色リン光ホストとして使われもする。一実施形態(一具現例)によれば、前記ポリマーは、有機発光素子の発光層において、赤色及び/または緑色のリン光ホストとして使われるが、それらに限定されるものではない。
【0115】
従って、基板と、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在され、前述のようなポリマーを含んだ第1層と、を含んだ有機発光素子が提供される。
【0116】
前記第1層は、例えば、発光層の役割を行うことができる。
【0117】
前記第1層が発光層である場合、前記第1層は、リン光ドーパントをさらに含んでもよい。前記リン光ドーパントとしては、公知の任意のリン光ドーパントを使用することができる。例えば、前記リン光ドーパントは、Ir、Pt、Os、Re、Ti、Zr、Hf、またはそれらのうち2以上の組み合わせを含んだ有機金属錯体であるが、それらに限定されるものではない。
【0118】
前記リン光ドーパントの例として、ビスチエニルピリジンアセチルアセトネートイリジウム(bisthienylpyridine acetylacetonate iridium)、ビス(ベンゾチエニルピリジン)アセチルアセトネートイリジウム(bis(benzothienylpyridine)acetylacetonate iridium)、ビス(2−フェニルベンゾチアゾール)アセチルアセトネートイリジウム(bis(2−phenylbenzothiazole)acetylacetonate iridium)、ビス(1−フェニルイソキノリン)イリジウムアセチルアセトネート(bis(1−phenylisoquinoline)iridium acetylacetonate)、トリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム(tris(1−phenylisoquinoline)iridium)、トリス(フェニルピリジン)イリジウム、トリス(2−ビフェニルピリジン)イリジウム、トリス(3−ビフェニルピリジン)イリジウム、トリス(4−ビフェニルピリジン)イリジウム、Ir(pq)2(acac)(ここで、pqは、2−フェニルキノリン(2−phenylquinoline)の略語であり、acacは、アセチルアセトンの略語である;下記化合物10参照)、Ir(ppy)3(ppyは、フェニルピリジンの略語である;下記化合物11参照)、プラチナム(II)オクタエチルポルフィリン(PtOEP:platinum(II)octaethylporphyrin;下記化学式参照)、下記化合物12、Firpic(下記化合物13参照)、Ir(piq)3(下記化学式参照)、Ir(piq)2acac(piqは、フェニルイソキノリン(phenylisoquinoline)の略語である;下記化合物14参照)、Ir(mppy)3(下記ドーパント1参照)、下記ドーパント2、Btp2Ir(acac)(下記化学式参照)、F2Irpic(下記化学式参照)、(F2ppy)2Ir(tmd)(下記化学式参照)、及びIr(dfppz)3(下記化学式参照)からなる群から選択された一つ以上であるが、それらに限定されるものではない:
【0119】
【化28】
【0120】
【化29】
【0121】
【化30】
【0122】
【化31】
【0123】
【化32】
【0124】
【化33】
【0125】
【化34】
【0126】
【化35】
【0127】
【化36】
【0128】
前記有機発光素子は、第1電極と第2電極との間に、前述のような第1層(例えば、発光層の役割を行うことができる)以外に、正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層、電子輸送層及び電子注入層のうち1層以上の層をさらに含んでもよい。
【0129】
図1は、前記有機発光素子の一実施形態(一実施例)を概略的に図示したものであり、前記有機発光素子10は、基板11、第1電極12、正孔輸送層13、第1層15、電子輸送層16、電子注入層18及び第2電極19を含む。前記第1層15は、発光層としての役割を行うことができる。前記有機発光素子10及びその製造方法について説明すれば、次の通りである。
【0130】
まず、基板11上部に、大きい仕事関数を有する第1電極用物質を、蒸着法、イオンプレーティング法、メッキ法、スパッタリング法などによって形成し、第1電極12を形成する。前記第1電極12は、正孔を注入することができるアノードまたは電子を注入することができるカソードであってもよい。ここで、基板11としては、一般的な有機発光素子で使われる基板を使用することができるが、機械的強度、熱的安定性、透明性、表面平滑性、取扱容易性及び防水性に優れるガラス基板または透明プラスチック基板を使用することができる。第1電極用物質としては、電気伝導度の高い金属酸化物、金属硫化物または金属を使用することができ、一般的に、それらを薄膜として利用する。前記第1電極用物質としては、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体である酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)のような酸化物、または金、白金、銀、銅などを利用することができる。また、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリチオフェンまたはその誘導体なども、第1電極用物質として使用することができる。前記第1電極は、1層であるか、あるいは2層以上の多層構造を有することができ、2種以上の互いに異なる物質を含んでもよい。前記第1電極の厚みは、光の透過性と電気伝導度とを考慮して適切に調整することができるが、例えば、10nmないし10μmであってもよい。
【0131】
次に、図1には図示されていないが、必要な場合、前記第1電極12がアノードである場合、前記第1電極12上に、正孔注入層をさらに形成することができる。前記正孔注入層は、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、インクジェット・プリンティング法、LB(Langmuir−Blodgett)法のような多様な方法を利用して形成される。
【0132】
真空蒸着法によって正孔注入層を形成する場合、その蒸着条件は、正孔注入層の材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造及び熱的特性などによって異なるが、例えば、蒸着温度100ないし500℃、真空度10−8ないし10−3torr、蒸着速度0.01ないし100Å/secの範囲で適切に選択することができる。
【0133】
スピンコーティング法によって正孔注入層を形成する場合、そのコーティング条件は、正孔注入層の材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造及び熱的特性によって異なるが、約2,000rpmないし5,000rpmのコーティング速度、コーティング後の溶媒除去のための熱処理温度として、約80℃ないし300℃の温度範囲で適切に選択することができる。
【0134】
前記正孔注入層物質としては、公知の正孔注入材料を使用することができるが、例えば、銅フタロシアニンなどのフタロシアニン化合物、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA);下記化学式参照)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)、4,4’,4”−トリス{N,Nジフェニルアミノ}トリフェニルアミン(TDATA)(下記化学式参照)、4,4’,4”−トリス(N−(2−ナフチル)−n−フェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(2T−NATA)(下記化学式参照)などを使用することができるが、それらに限定されるものではない。
【0135】
【化37】
【0136】
前記正孔注入層の厚みは、約100Åないし10,000Å、例えば、100Åないし1,000Åである。前記正孔注入層の厚みが前述のところを満足する場合、駆動電圧の上昇なしに、満足すべき正孔注入特性を得ることができる。
【0137】
前記第1電極12または正孔注入層の上部には、蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、インクジェット・プリンティング法、LB法のような方法を利用し、正孔輸送層13が形成される。
【0138】
真空蒸着法及びスピンコーティング法によって正孔輸送層13を形成する場合、その蒸着条件及びコーティング条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択されもする。
【0139】
正孔輸送層13の形成用物質としては、公知の正孔輸送物質を使用することができる。例えば、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)などの芳香族縮合環を有するアミン誘導体、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(Pani/DBSA;下記化学式参照)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS);下記化学式参照)、ポリアニリン/カンファースルホン酸(Pani/CSA)、またはポリアニリン/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PANI:PSS)などを使用することができるが、それらに限定されるものではない。
【0140】
【化38】
【0141】
前記正孔輸送層13の厚みは、約50Åないし1,000Å、例えば、100Åないし600Åである。前記正孔輸送層の厚みが前述範囲を満足する場合、駆動電圧の上昇なしに、満足すべきの正孔輸送特性を得ることができる。
【0142】
前記正孔輸送層13上には、発光層の役割を行う第1層15が形成される。前記第1層15は、スピンコーティング法、キャスト法、インクジェット・プリンティング法、LB法のような方法を利用して形成される。スピンコーティング法によって第1層15を形成する場合、その成膜条件は、使用するポリマー及び/または化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択される。
【0143】
前記第1層15は、前記ポリマーをホストとして含んでもよい。また、前記第1層15は、前記ポリマー以外に、リン光ドーパントをさらに含んでもよい。前記リン光ドーパントの具体例は、前述のところを参照する。
【0144】
前記第1層15が、前記ポリマー及びリン光ドーパントを含む場合、前記第1層15において、前記リン光ドーパントの含有量は、0.5質量%ないし10質量%(前記第1層15の総重量が100質量%である)であってもよい。前記範囲を満足する場合、濃度消光などの現象が実質的に防止される。
【0145】
前記第1層15は、前記ポリマーだけを単独で含むことができ、または前記ポリマー以外に、公知の蛍光ドーパントを含んでもよいなど、多様な変形例が可能である。
【0146】
前記発光層の役割を行うことができる第1層15の厚みは、約100Åないし1,000Å、例えば、200Åないし900Åであってもよい。前記第1層15の厚みが前述のような範囲を満足する場合、駆動電圧の上昇なしに、満足すべき発光特性を得ることができる。
【0147】
一方、図1には図示されていないが、必要によっては、第1層15上部には、正孔阻止層(HBL)がさらに備わってもよい。
【0148】
正孔阻止層は、発光層の役割を行う第1層15の三重項励起子または正孔が、第2電極19などに拡散する現象を防止する役割を行うことができる。前記正孔阻止層は、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような方法を利用して形成することができる。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって正孔阻止層を形成する場合、その条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択されもする。使用可能な公知の正孔阻止材料、例えば、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体(例えば、1,2,4−トリアゾール誘導体(TAZ);下記化学式参照))、フェナントロリン誘導体などを挙げることができるが、それらに限定されるものではない。
【0149】
【化39】
【0150】
前記正孔阻止層の厚みは、約50Åないし1,000Å、例えば、100Åないし300Åである。前記正孔阻止層の厚みが前述のような範囲を満足する場合、満足すべき正孔阻止特性を得ることができる。
【0151】
次に、電子輸送層(ETL)16は、第1層15または正孔阻止層の上部に、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法などの多様な方法を利用して形成することができる。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって電子輸送層を形成する場合、その条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択されもする。前記電子輸送層材料は、電子注入電極(カソード)から注入された電子を安定して輸送する機能を行うものであり、キノリン誘導体(例えば、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−(p−フェニルフェノラート)−アルミニウム(BAlq);下記化学式参照)、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)、ベリリウムビス(ベンゾキノリン−10−オレート)(Bebq2))、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(Bphen)、1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(TPBi)(下記化学式参照)のような公知の材料を使用することもできる。
【0152】
【化40】
【0153】
前記電子輸送層16の厚みは、約100Åないし1,000Å、例えば、200Åないし500Åである。前記電子輸送層16の厚みが前述のような範囲を満足する場合、駆動電圧の上昇なしに、満足すべき電子輸送特性を得ることができる。
【0154】
次に、前記電子輸送層16または第1層15の上部に、電子注入層18が形成される。電子注入層としては、LiF、NaCl、CsF、Li2O、BaO、BaF2のような電子注入層の形成材料として、公知の任意の物質を利用することができる。前記電子注入層は、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法のような方法を利用して形成することができる。前記電子注入層の蒸着条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択されもする。
【0155】
前記電子注入層18の厚みは、約1Åないし100Å、例えば、5Åないし50Åである。前記電子注入層18の厚みが前述のような範囲を満足する場合、駆動電圧の上昇なしに、満足すべきの電子注入特性を得ることができる。
【0156】
最後に、電子注入層18上部に、第2電極19を形成することができる。前記第2電極の形成方法は、第1電極12の形成方法を参照する。第2電極19は、カソードまたはアノードとして使われもする。前記第2電極19がカソードとして使われる場合、仕事関数が小さい物質が選択される。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどのアルカリ金属;ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどのアルカリ土類金属;アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユウロビウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属;それらのうち2以上の合金、またはそれらのうち1以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、スズのうち1以上との合金;及び黒鉛、黒鉛層間化合物などが利用される。合金としては、例えば、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などを挙げることができる。また、前記第2電極19は、1層であるか2層以上であってもよい。また、前記第2電極19の材料は、1種単独で利用したり、あるいは2種以上を併用することもできる。前記第2電極19は、透明電極、半透明電極または反射電極として備わるなど、多様な変形が可能である。前記第2電極19の厚みは、例えば、10nmないし10μmであるが、それらに限定されるものではない。
【実施例】
【0157】
合成例1:ポリマーAの合成
<ポリマーA:下記反復単位からなるポリマー>
【0158】
【化41】
【0159】
十分に乾燥した50mL2口フラスコに、還流コンデンサを装置し、下記化合物B 668mg(1.0mmol)、下記化合物C 568mg(1.0mmol)、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)4.49mg(0.02mmol)、そしてトリシクロヘキシルホスフィン(PCy3)22.4mg(0.08mmol)を入れた後、シュレンクラインで数回真空化、窒素還流させた。次に、窒素環境下で、無水トルエン6mLを加えて撹拌させた後、ここにアリクワット336(Aliquat 336;アルドリッチ社製、化合物名;トリオクチルメチルアンモニウムクロライド)45.7μL(0.1mmol)と2M炭酸カリウム水溶液4mLとを加えた。反応混合物を還流条件、窒素環境下で48時間撹拌した。ここに、p−トリルホウ素酸340mg(2.5mmol)を加えた後、1時間撹拌し、次に、4−ブロモトルエン308μL(2.5mmol)を加え、さらに2時間撹拌した。反応が完結すれば、前記反応混合物の温度を室温に下げた後、トルエン30mLと水30mLとを加えて希釈した後、有機層を分離して濃縮した。得られた濃縮化合物をトルエン10mLに溶解し、これをさらにメタノール300mLで沈殿させることによって、680mgのポリマーAを得た。前記ポリマーAをGPC(gel permeation chromatography)で分析した結果、重量平均分子量(Mw)は、1.82×104、数平均分子量(Mn)は、6.59×103であり、分子量分布(MWD)は、2.76であった。
【0160】
【化42】
【0161】
合成例2:ポリマーDの合成
<ポリマーD:下記反復単位からなるポリマー>
【0162】
【化43】
【0163】
化合物Bの代わりに、下記化合物Eを使用したという点を除いては、前記合成例1と同じ方法を利用してポリマーDを合成した。前記ポリマーDをGPCで分析した結果、重量平均分子量(Mw)は、7.34×103、数平均分子量(Mn)は、3.50×103であり、分子量分布(MWD)は、2.10であった。
【0164】
【化44】
【0165】
合成例3:ポリマーFの合成(比較合成例)
<ポリマーF:下記反復単位からなるポリマー>
【0166】
【化45】
【0167】
化合物Bの代わりに、下記化合物Gを使用したという点を除いては、前記合成例1と同じ方法を利用してポリマーFを合成した。前記ポリマーFをGPCで分析した結果、重量平均分子量(Mw)は、6.60×103、数平均分子量(Mn)は、3.46×103であり、分子量分布(MWD)は、1.91であった。
【0168】
【化46】
【0169】
合成例4:ポリマーHの合成
<ポリマーH:下記反復単位からなるポリマー>
【0170】
【化47】
【0171】
化合物Bの代わりに、下記化合物Iを使用したという点を除いては、前記合成例1と同じ方法を利用してポリマーHを合成した。前記ポリマーHをGPCで分析した結果、重量平均分子量(Mw)は、8.05×103、数平均分子量(Mn)は、4.33×103であり、分子量分布(MWD)は、1.86であった。
【0172】
【化48】
【0173】
合成例5:ポリマーJの合成
<ポリマーJ:下記反復単位からなるポリマー>
【0174】
【化49】
【0175】
化合物Bの代わりに、下記化合物Kを使用したという点を除いては、前記合成例1と同じ方法を利用してポリマーJを合成した。前記ポリマーJをGPCで分析した結果、重量平均分子量(Mw)は、2.34×104、数平均分子量(Mn)は、1.09×104であり、分子量分布(MWD)は、2.15であった。
【0176】
【化50】
【0177】
合成例6:ポリマーLの合成
<ポリマーL:下記反復単位からなるポリマー>
【0178】
【化51】
【0179】
化合物Bの代わりに、下記化合物Mを使用したという点を除いては、前記合成例1と同じ方法を利用してポリマーLを合成した。前記ポリマーLをGPCで分析した結果、重量平均分子量(Mw)は、8.66×103、数平均分子量(Mn)は、4.37×103であり、分子量分布(MWD)は、1.98であった。
【0180】
【化52】
【0181】
評価例1:ポリマーのχ50%、上反角及び三重項エネルギー(ET1)の評価
ポリマーA,D及びFの主鎖(main chain)において、連続する任意の4個の反復単位を表記すれば、下記化学式A,D及びFの通りである:
【0182】
【化53】
【0183】
【化54】
【0184】
【化55】
【0185】
化学式A,D及びFにおいて、n番目の反復単位のφ及びθ、ポリマーA,D及びFの第1上反角及び第2上反角、並びに三重項エネルギー(ET1)を下記表2に記載された方法によって評価し、その結果を表3に整理した。表3においてχ50%は、前記数式1によって計算したものである。
【0186】
【表2】
【0187】
【表3】
【0188】
前記表3から、ポリマーA及びDの第1上反角及び第2上反角は、ポリマーA及びDのχ50%よりそれぞれ大きく、高い三重項エネルギーを有するということを確認することができる。一方、ポリマーFの第1上反角及び第2上反角は、ポリマーFのχ50%より小さく、低い三重項エネルギーを有するということを確認することができる。
【0189】
評価例2:ポリマーの発光特性評価(溶液状態)
前記ポリマーAのPL(photoluminescence)スペクトルを評価することによって、ポリマーの発光特性を評価した。まず、ポリマーAをトルエンに、10mM濃度で希釈させ、キセノンランプが装着されているISC PC1スペクトロフルオロメータ(spectrofluorometer)を利用し、PL(photoluminecscence)スペクトルを測定し、その結果を図2に示した。
【0190】
図2から、溶液中ポリマーAは、優秀な発光特性を示すということを確認した。
【0191】
実施例1
酸化インジウムスズ(ITO)(厚さ150nm)をガラス基板上にコーティングした透明電極基板をきれいに洗浄した後、ITOを感光性樹脂とエッチャントとを利用し、所望の形態にパターニングし、再びきれいに洗浄した。前記ITO上部に、ポリエチレンジヒドロキシチオフェン(PEDOT)を含んだ正孔輸送層形成用の組成物(Bayer社のBatron P 4083;PEDOT:PSS(下記化学式参照))をスピンコーティングした後、200℃で約0.5時間ベーキング(baking)し、正孔輸送層を形成した。前記正孔輸送層上部に、クロロベンゼンに前記ポリマーA及びドーパント1(下記化学式参照)(得られる発光層の総重量100質量%に対するドーパント1の含有量が0.7質量%となる量)を含んだ発光層形成用組成物を2,000rpmでスピンコーティングし、120℃の温度で30分間ベーキング処理し、ポリマーA及びドーパント1を含んだ発光層を形成した。前記正孔輸送層形成用の組成物及び発光層形成用の組成物は、スピンコーティング前に、0.2mmフィルタで濾過した。前記正孔輸送層及び発光層の厚みは、各組成物の濃度とスピンコーティング速度とを調節することによって、それぞれ55nm及び40nmになるようにした。前記発光層上部で、真空度を4×10−6torr以下に維持しつつ、1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(TPBi)(下記化学式参照)を真空蒸着し、厚さ30nmの電子輸送層を形成した後、前記電子輸送層上部に、LiF及びAlを順次に蒸着し、電子注入層(厚さ0.5nm)と第2電極(厚さ100nm)とを順次に形成し、有機発光素子を製作した。蒸着時の膜厚及び膜の成長速度は、クリスタルセンサ(crystal sensor)を利用して調節した。
【0192】
【化56】
【0193】
【化57】
【0194】
実施例2
発光層の形成時、ドーパント1の代わりに、ドーパント2(下記化学式参照)を使用したという点を除いては、前記実施例1と同じ方法で有機発光素子を製作した。
【0195】
【化58】
【0196】
実施例3
発光層の形成時、ポリマーAの代わりに、ポリマーDを使用したという点を除いては、前記実施例1と同じ方法で有機発光素子を製作した。
【0197】
前記実施例1ないし3から製作された有機発光素子の構造を整理すれば、下記表4の通りである:
【0198】
【表4】
【0199】
評価例3:有機発光素子特性評価
前記実施例1ないし3の有機発光素子に対して、PR650 Spectroscan Source Measurement Unit.(PhotoResearch社)を利用し、エレクトロルミネセンス・スペクトル、電流密度、電流効率及び輝度を評価し、その結果を図3ないし図12に示した。
【0200】
図3ないし図12によれば、ポリマーA及びポリマーDを採用した実施例1ないし3の有機発光素子は、優れた電流密度及び輝度特性を有するということを確認することができる。
【産業上の利用可能性】
【0201】
本発明のポリマー及び該ポリマーを含んだ有機発光素子は、ディスプレイ関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0202】
10 有機発光素子、
11 基板、
12 第1電極、
13 正孔輸送層、
15 第1層、
16 電子輸送層、
18 電子注入層、
19 第2電極。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
m個の反復単位を含み、
m個の反復単位のうちn番目(n番目の)反復単位が、下記化学式1で表示される第1反復単位であり、
前記n番目の反復単位のA1環と、(n−1)番目(n−1th)反復単位の第1芳香族環との間の第1上反角、及び前記n番目の反復単位のA2環と、(n+1)番目(n+1th)反復単位の第2芳香族環との間の第2上反角のうちの一つ以上が、下記数式1のχ50%以上の角度を有するポリマー:
【化1】
【数1】
ここで、
前記第1芳香族環は、前記A1環と単一結合で結合されている環であり、
前記第2芳香族環は、前記A2環と単一結合で結合されている環であり、
前記化学式1で、R1ないしR7は互いに独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換または非置換のC1−C60アルキル基、置換または非置換のC2−C60アルケニル基、置換または非置換のC2−C60アルキニル基、置換または非置換のC1−C60アルコキシ基、置換または非置換のC3−C60シクロアルキル基、置換または非置換のC3−C60シクロアルケニル基、置換または非置換のC6−C60アリール基、置換または非置換のC6−C60アリールオキシ基、置換または非置換のC6−C60アリールチオ基、置換または非置換のC2−C60ヘテロアリール基、−N(Q1)(Q2)、及び−Si(Q3)(Q4)(Q5)のうちの一つであり、
前記Q1ないしQ5は互いに独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、C1−C60アルキル基、C2−C60アルケニル基、C2−C60アルキニル基、C3−C60シクロアルキル基、C6−C60アリール基またはC2−C60ヘテロアリール基であり、
前記化学式1でXは、単一結合、または炭素または16族元素を含んだ連結基であり、
前記mは、2ないし1,000の範囲で選択される整数であり、
前記nは、2ないし(m−1)の範囲で選択される任意の変数であり、
前記数式1でAは、26.03であり、Bは、0.0445であり、
前記数式1でφは、下記化学式1−1のように、前記化学式1のA1環とA2環との間の角度であり、
前記数式1でθは、下記化学式1−2のように、前記化学式1のA1環とA3環との結合を、A3環の窒素方向に延長させた仮想の第1線と、A2環とA3環との結合を、A3環の窒素方向に延長させた仮想の第2線とが出合って形成された角の角度である:
【化2】
【化3】
【請求項2】
前記Xが、下記化学式2で表示される連結基であり、158.37°≦φ≦160.37°であり、32.52°≦θ≦34.52°であり、38.00°≦χ50%≦40.00°であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー:
【化4】
前記化学式2で、R11ないしR14は互いに独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換または非置換のC1−C60アルキル基、置換または非置換のC2−C60アルケニル基、置換または非置換のC2−C60アルキニル基、置換または非置換のC1−C60アルコキシ基、置換または非置換のC3−C60シクロアルキル基、置換または非置換のC3−C60シクロアルケニル基、置換または非置換のC6−C60アリール基、置換または非置換のC6−C60アリールオキシ基、置換または非置換のC6−C60アリールチオ基、または置換または非置換のC2−C60ヘテロアリール基である。
【請求項3】
前記R11ないしR14は互いに独立して、水素原子;重水素原子;F;Cl;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;カルボキシル基;メチル基;エチル基;プロピル基;i−プロピル基;ブチル基;i−ブチル基;t−ブチル基;ペンチル基;ヘキシル基;ヘプチル基;オクチル基;2−エチルヘキシル基;ノニル基;デシル基;3,7−ジメチルオクチル基;
重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうちの一つ以上で置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基及び3,7−ジメチルオクチル基;
メトキシ基;エトキシ基;プロピルオキシ基;i−プロピルオキシ基;ブトキシ基;i−ブトキシ基;t−ブトキシ基;ペンチルオキシ基;ヘキシルオキシ基;ヘプチルオキシ基;オクチルオキシ基;2−エチルヘキシルオキシ基;ノニルオキシ基;デシルオキシ基;3,7−ジメチルオクチルオキシ基;
重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうちの一つ以上で置換されたメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基及び3,7−ジメチルオクチルオキシ基;のうちの一つであることを特徴とする請求項2に記載のポリマー。
【請求項4】
前記Xが単一結合であり、φ=180.00°であり、−34.45°≦θ≦−32.45°であり、27.00°≦χ50%≦29.00°であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー。
【請求項5】
前記Xが−O−で表示される連結基であり、167.18°≦φ≦169.18°であり、−2.81°≦θ≦−0.81°であり、32.00°≦χ50≦34.00°であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー。
【請求項6】
前記Xが−S−で表示される連結基であり、149.27°≦φ≦151.27°であり、10.01°≦θ≦12.01°であり、34.00°≦χ50≦36.00°であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー。
【請求項7】
前記Xが−Se−で表示される連結基であり、145.94°≦φ≦147.94°であり、14.46°≦θ≦16.46°であり、34.00°≦χ50≦36.00°であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー。
【請求項8】
前記化学式1で、R2ないしR7が水素原子であり、R1が、下記化学式3Aないし3Iのうち一つで表示されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリマー:
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
前記化学式3Aないし3Iで、
Z1及びZ2は互いに独立して、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換または非置換のC1−C60アルキル基、置換または非置換のC2−C60アルケニル基、置換または非置換のC2−C60アルキニル基、置換または非置換のC1−C60アルコキシ基、置換または非置換のC3−C60シクロアルキル基、置換または非置換のC3−C60シクロアルケニル基、置換または非置換のC6−C60アリール基、置換または非置換のC6−C60アリールオキシ基、置換または非置換のC6−C60アリールチオ基、または置換または非置換のC2−C60ヘテロアリール基であり、
pは、0ないし9の整数であり、
qは、0ないし4の整数である。
【請求項9】
前記化学式1のR1が、下記化学式4Aで表示されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリマー:
【化14】
前記化学式4AでZ1は、重水素原子;F;Cl;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;カルボキシル基;メチル基;エチル基;プロピル基;i−プロピル基;ブチル基;i−ブチル基;t−ブチル基;ペンチル基;ヘキシル基;ヘプチル基;オクチル基;2−エチルヘキシル基;ノニル基;デシル基;3,7−ジメチルオクチル基;重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうちの一つ以上で置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基及び3,7−ジメチルオクチル基;メトキシ基;エトキシ基;プロピルオキシ基;i−プロピルオキシ基;ブトキシ基;i−ブトキシ基;t−ブトキシ基;ペンチルオキシ基;ヘキシルオキシ基;ヘプチルオキシ基;オクチルオキシ基;2−エチルヘキシルオキシ基;ノニルオキシ基;デシルオキシ基;3,7−ジメチルオクチルオキシ基;重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうちの一つ以上で置換されたメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基及び3,7−ジメチルオクチルオキシ基;のうちの一つである。
【請求項10】
置換または非置換のベンゼン環、置換または非置換のナフタレン環、及び置換または非置換のフルオレン環のうちの一つ以上を含んだ第2反復単位をさらに含んだことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項11】
前記第2反復単位が、下記化学式5A,5B,5C,5Dまたは5Eで表示されることを特徴とする請求項10に記載のポリマー:
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
前記化学式5Aないし5Eで、
R21及びR22は互いに独立して、置換または非置換のC1−C60アルキル基であり、
Y1ないしY4は互いに独立して、水素原子、置換または非置換のC1−C60アルキル基、または置換または非置換のC1−C60アルコキシ基である。
【請求項12】
前記R21及びR22は互いに独立して、メチル基;エチル基;プロピル基;i−プロピル基;ブチル基;i−ブチル基;t−ブチル基;ペンチル基;ヘキシル基;ヘプチル基;オクチル基;2−エチルヘキシル基;ノニル基;デシル基;3,7−ジメチルオクチル基;及び重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうちの一つ以上で置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基及び3,7−ジメチルオクチル基;のうちの一つであることを特徴とする請求項11に記載のポリマー。
【請求項13】
前記第1反復単位及び前記第2反復単位からなる交互コポリマーであることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項14】
下記化学式6Aまたは6Bで表示される反復単位からなる交互コポリマーであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のポリマー:
【化20】
【化21】
前記化学式6A及び6Bで、
R21及びR22は互いに独立して、メチル基;エチル基;プロピル基;i−プロピル基;ブチル基;i−ブチル基;t−ブチル基;ペンチル基;ヘキシル基;ヘプチル基;オクチル基;2−エチルヘキシル基;ノニル基;デシル基;3,7−ジメチルオクチル基;及び重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうちの一つ以上で置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基及び3,7−ジメチルオクチル基;のうちの一つであり、
Z1は、水素原子;重水素原子;F;Cl;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;カルボキシル基;メチル基;エチル基;プロピル基;i−プロピル基;ブチル基;i−ブチル基;t−ブチル基;ペンチル基;ヘキシル基;ヘプチル基;オクチル基;2−エチルヘキシル基;ノニル基;デシル基;3,7−ジメチルオクチル基;重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうちの一つ以上で置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基及び3,7−ジメチルオクチル基;メトキシ基;エトキシ基;プロピルオキシ基;i−プロピルオキシ基;ブトキシ基;i−ブトキシ基;t−ブトキシ基;ペンチルオキシ基;ヘキシルオキシ基;ヘプチルオキシ基;オクチルオキシ基;2−エチルヘキシルオキシ基;ノニルオキシ基;デシルオキシ基;3,7−ジメチルオクチルオキシ基;重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうちの一つ以上で置換されたメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基及び3,7−ジメチルオクチルオキシ基;のうちの一つである。
【請求項15】
2,000ないし100,000の範囲の重量平均分子量を有することを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項16】
リン光ホストとして使われることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項17】
基板と、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在され、請求項1ないし請求項16のうち、いずれか1項に記載のポリマーを含んだ有機層と、を含んだ有機発光素子。
【請求項18】
前記有機層が発光層であり、前記有機層がリン光ドーパントをさらに含んだことを特徴とする請求項17に記載の有機発光素子。
【請求項19】
前記リン光ドーパントが、Ir、Pt、Os、Re、Ti、Zr、Hf、またはそれらのうち2以上の組み合わせを含んだ有機金属錯体であることを特徴とする請求項18に記載の有機発光素子。
【請求項20】
前記有機層において、リン光ドーパントの含有量が、有機層の総重量100質量%を基準にして0.5質量%ないし10質量%であることを特徴とする請求項18または19に記載の有機発光素子。
【請求項1】
m個の反復単位を含み、
m個の反復単位のうちn番目(n番目の)反復単位が、下記化学式1で表示される第1反復単位であり、
前記n番目の反復単位のA1環と、(n−1)番目(n−1th)反復単位の第1芳香族環との間の第1上反角、及び前記n番目の反復単位のA2環と、(n+1)番目(n+1th)反復単位の第2芳香族環との間の第2上反角のうちの一つ以上が、下記数式1のχ50%以上の角度を有するポリマー:
【化1】
【数1】
ここで、
前記第1芳香族環は、前記A1環と単一結合で結合されている環であり、
前記第2芳香族環は、前記A2環と単一結合で結合されている環であり、
前記化学式1で、R1ないしR7は互いに独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換または非置換のC1−C60アルキル基、置換または非置換のC2−C60アルケニル基、置換または非置換のC2−C60アルキニル基、置換または非置換のC1−C60アルコキシ基、置換または非置換のC3−C60シクロアルキル基、置換または非置換のC3−C60シクロアルケニル基、置換または非置換のC6−C60アリール基、置換または非置換のC6−C60アリールオキシ基、置換または非置換のC6−C60アリールチオ基、置換または非置換のC2−C60ヘテロアリール基、−N(Q1)(Q2)、及び−Si(Q3)(Q4)(Q5)のうちの一つであり、
前記Q1ないしQ5は互いに独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、C1−C60アルキル基、C2−C60アルケニル基、C2−C60アルキニル基、C3−C60シクロアルキル基、C6−C60アリール基またはC2−C60ヘテロアリール基であり、
前記化学式1でXは、単一結合、または炭素または16族元素を含んだ連結基であり、
前記mは、2ないし1,000の範囲で選択される整数であり、
前記nは、2ないし(m−1)の範囲で選択される任意の変数であり、
前記数式1でAは、26.03であり、Bは、0.0445であり、
前記数式1でφは、下記化学式1−1のように、前記化学式1のA1環とA2環との間の角度であり、
前記数式1でθは、下記化学式1−2のように、前記化学式1のA1環とA3環との結合を、A3環の窒素方向に延長させた仮想の第1線と、A2環とA3環との結合を、A3環の窒素方向に延長させた仮想の第2線とが出合って形成された角の角度である:
【化2】
【化3】
【請求項2】
前記Xが、下記化学式2で表示される連結基であり、158.37°≦φ≦160.37°であり、32.52°≦θ≦34.52°であり、38.00°≦χ50%≦40.00°であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー:
【化4】
前記化学式2で、R11ないしR14は互いに独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換または非置換のC1−C60アルキル基、置換または非置換のC2−C60アルケニル基、置換または非置換のC2−C60アルキニル基、置換または非置換のC1−C60アルコキシ基、置換または非置換のC3−C60シクロアルキル基、置換または非置換のC3−C60シクロアルケニル基、置換または非置換のC6−C60アリール基、置換または非置換のC6−C60アリールオキシ基、置換または非置換のC6−C60アリールチオ基、または置換または非置換のC2−C60ヘテロアリール基である。
【請求項3】
前記R11ないしR14は互いに独立して、水素原子;重水素原子;F;Cl;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;カルボキシル基;メチル基;エチル基;プロピル基;i−プロピル基;ブチル基;i−ブチル基;t−ブチル基;ペンチル基;ヘキシル基;ヘプチル基;オクチル基;2−エチルヘキシル基;ノニル基;デシル基;3,7−ジメチルオクチル基;
重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうちの一つ以上で置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基及び3,7−ジメチルオクチル基;
メトキシ基;エトキシ基;プロピルオキシ基;i−プロピルオキシ基;ブトキシ基;i−ブトキシ基;t−ブトキシ基;ペンチルオキシ基;ヘキシルオキシ基;ヘプチルオキシ基;オクチルオキシ基;2−エチルヘキシルオキシ基;ノニルオキシ基;デシルオキシ基;3,7−ジメチルオクチルオキシ基;
重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうちの一つ以上で置換されたメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基及び3,7−ジメチルオクチルオキシ基;のうちの一つであることを特徴とする請求項2に記載のポリマー。
【請求項4】
前記Xが単一結合であり、φ=180.00°であり、−34.45°≦θ≦−32.45°であり、27.00°≦χ50%≦29.00°であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー。
【請求項5】
前記Xが−O−で表示される連結基であり、167.18°≦φ≦169.18°であり、−2.81°≦θ≦−0.81°であり、32.00°≦χ50≦34.00°であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー。
【請求項6】
前記Xが−S−で表示される連結基であり、149.27°≦φ≦151.27°であり、10.01°≦θ≦12.01°であり、34.00°≦χ50≦36.00°であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー。
【請求項7】
前記Xが−Se−で表示される連結基であり、145.94°≦φ≦147.94°であり、14.46°≦θ≦16.46°であり、34.00°≦χ50≦36.00°であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー。
【請求項8】
前記化学式1で、R2ないしR7が水素原子であり、R1が、下記化学式3Aないし3Iのうち一つで表示されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリマー:
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
前記化学式3Aないし3Iで、
Z1及びZ2は互いに独立して、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換または非置換のC1−C60アルキル基、置換または非置換のC2−C60アルケニル基、置換または非置換のC2−C60アルキニル基、置換または非置換のC1−C60アルコキシ基、置換または非置換のC3−C60シクロアルキル基、置換または非置換のC3−C60シクロアルケニル基、置換または非置換のC6−C60アリール基、置換または非置換のC6−C60アリールオキシ基、置換または非置換のC6−C60アリールチオ基、または置換または非置換のC2−C60ヘテロアリール基であり、
pは、0ないし9の整数であり、
qは、0ないし4の整数である。
【請求項9】
前記化学式1のR1が、下記化学式4Aで表示されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリマー:
【化14】
前記化学式4AでZ1は、重水素原子;F;Cl;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;カルボキシル基;メチル基;エチル基;プロピル基;i−プロピル基;ブチル基;i−ブチル基;t−ブチル基;ペンチル基;ヘキシル基;ヘプチル基;オクチル基;2−エチルヘキシル基;ノニル基;デシル基;3,7−ジメチルオクチル基;重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうちの一つ以上で置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基及び3,7−ジメチルオクチル基;メトキシ基;エトキシ基;プロピルオキシ基;i−プロピルオキシ基;ブトキシ基;i−ブトキシ基;t−ブトキシ基;ペンチルオキシ基;ヘキシルオキシ基;ヘプチルオキシ基;オクチルオキシ基;2−エチルヘキシルオキシ基;ノニルオキシ基;デシルオキシ基;3,7−ジメチルオクチルオキシ基;重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうちの一つ以上で置換されたメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基及び3,7−ジメチルオクチルオキシ基;のうちの一つである。
【請求項10】
置換または非置換のベンゼン環、置換または非置換のナフタレン環、及び置換または非置換のフルオレン環のうちの一つ以上を含んだ第2反復単位をさらに含んだことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項11】
前記第2反復単位が、下記化学式5A,5B,5C,5Dまたは5Eで表示されることを特徴とする請求項10に記載のポリマー:
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
前記化学式5Aないし5Eで、
R21及びR22は互いに独立して、置換または非置換のC1−C60アルキル基であり、
Y1ないしY4は互いに独立して、水素原子、置換または非置換のC1−C60アルキル基、または置換または非置換のC1−C60アルコキシ基である。
【請求項12】
前記R21及びR22は互いに独立して、メチル基;エチル基;プロピル基;i−プロピル基;ブチル基;i−ブチル基;t−ブチル基;ペンチル基;ヘキシル基;ヘプチル基;オクチル基;2−エチルヘキシル基;ノニル基;デシル基;3,7−ジメチルオクチル基;及び重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうちの一つ以上で置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基及び3,7−ジメチルオクチル基;のうちの一つであることを特徴とする請求項11に記載のポリマー。
【請求項13】
前記第1反復単位及び前記第2反復単位からなる交互コポリマーであることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項14】
下記化学式6Aまたは6Bで表示される反復単位からなる交互コポリマーであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のポリマー:
【化20】
【化21】
前記化学式6A及び6Bで、
R21及びR22は互いに独立して、メチル基;エチル基;プロピル基;i−プロピル基;ブチル基;i−ブチル基;t−ブチル基;ペンチル基;ヘキシル基;ヘプチル基;オクチル基;2−エチルヘキシル基;ノニル基;デシル基;3,7−ジメチルオクチル基;及び重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうちの一つ以上で置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基及び3,7−ジメチルオクチル基;のうちの一つであり、
Z1は、水素原子;重水素原子;F;Cl;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;カルボキシル基;メチル基;エチル基;プロピル基;i−プロピル基;ブチル基;i−ブチル基;t−ブチル基;ペンチル基;ヘキシル基;ヘプチル基;オクチル基;2−エチルヘキシル基;ノニル基;デシル基;3,7−ジメチルオクチル基;重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうちの一つ以上で置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基及び3,7−ジメチルオクチル基;メトキシ基;エトキシ基;プロピルオキシ基;i−プロピルオキシ基;ブトキシ基;i−ブトキシ基;t−ブトキシ基;ペンチルオキシ基;ヘキシルオキシ基;ヘプチルオキシ基;オクチルオキシ基;2−エチルヘキシルオキシ基;ノニルオキシ基;デシルオキシ基;3,7−ジメチルオクチルオキシ基;重水素原子、F、Cl、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基及びカルボキシル基のうちの一つ以上で置換されたメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基及び3,7−ジメチルオクチルオキシ基;のうちの一つである。
【請求項15】
2,000ないし100,000の範囲の重量平均分子量を有することを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項16】
リン光ホストとして使われることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項17】
基板と、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在され、請求項1ないし請求項16のうち、いずれか1項に記載のポリマーを含んだ有機層と、を含んだ有機発光素子。
【請求項18】
前記有機層が発光層であり、前記有機層がリン光ドーパントをさらに含んだことを特徴とする請求項17に記載の有機発光素子。
【請求項19】
前記リン光ドーパントが、Ir、Pt、Os、Re、Ti、Zr、Hf、またはそれらのうち2以上の組み合わせを含んだ有機金属錯体であることを特徴とする請求項18に記載の有機発光素子。
【請求項20】
前記有機層において、リン光ドーパントの含有量が、有機層の総重量100質量%を基準にして0.5質量%ないし10質量%であることを特徴とする請求項18または19に記載の有機発光素子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−60595(P2013−60595A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−198583(P2012−198583)
【出願日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
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