説明

ポリマー抽出法

【課題】ポリマーを含むバイオマスからポリマーを分離するための方法の提供。
【解決手段】バイオマスを溶媒系に接触させて残渣バイオマスおよび溶液を提供する。溶媒系にはポリマー用溶媒およびポリマー用沈殿剤が含まれ、溶液にはポリマー、ポリマー用溶媒およびポリマー用沈殿剤が含まれる。溶液及び残渣バイオマスに遠心力を加えて、残渣バイオマスから溶液の少なくとも一部を分離する。あるいは、バイオマスを溶媒系に接触させて、残渣バイオマスとポリマーおよび溶媒系を含む溶液に対し、溶液にポリマー向け沈殿剤を加えることと、ポリマー向け沈殿剤を加えた後、残渣バイオマスから溶液の少なくとも一部を分離する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマーの抽出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリヒドロキシアルカノエート(「PHA」)は、PHAを含む細胞を有するバイオマスから抽出することができる。一般的には、この工程は、バイオマスとPHA用溶媒とを混合し、その後、加熱撹拌することを伴う。通常、この工程によって2相からなる系が生じ、うち1相は、溶媒およびPHAを含む溶液であり、もう1相には、PHA量の低下した細胞を含む残渣バイオマスが含まれる。通例、この2相を分離し、その後、溶媒からPHAを除去する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般的には、本発明は、ポリマーの抽出方法に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一の態様において、本発明は、ポリマーを含むバイオマスからポリマーを分離するための方法を特徴とする。本方法には、バイオマスを溶媒系に接触させて残渣バイオマスおよび溶液を提供することが含まれる。溶媒系にはポリマー用溶媒およびポリマー用沈殿剤が含まれ、溶液にはポリマー、ポリマー用溶媒およびポリマー用沈殿剤が含まれる。また、本方法には、溶液および残渣バイオマスに対して遠心力を加えて、残渣バイオマスから溶液の少なくとも一部を分離することも含まれる。
【0005】
別の態様において、本発明は、ポリマーを含むバイオマスからポリマーを分離するための方法を特徴とする。本方法には、バイオマスを溶媒系に接触させて、残渣バイオマスとポリマーおよび溶媒系を含む溶液とを提供することと、残渣バイオマスから溶液の少なくとも一部を分離することとが含まれる。また、本方法には、溶液にポリマー用沈殿剤を加えて、溶媒系からポリマーの少なくとも一部を除去することも含まれる。
【0006】
さらに別の態様において、本発明は、ポリマーを含むバイオマスからポリマーを分離するための方法を特徴とする。本方法には、バイオマスを溶媒系に接触させて、残渣バイオマスとポリマーおよび溶媒系を含む溶液とを提供することが含まれる。溶液は、少なくとも約2パーセントのポリマー濃度と最大で約100センチポアズの粘度とを有する。また、本方法には、残渣バイオマスから溶液の少なくとも一部を分離することも含まれる。
【0007】
一の態様において、本発明は、ポリマーを含むバイオマスからポリマーを分離するための方法を特徴とする。本方法には、バイオマスを溶媒系に接触させて残渣バイオマスおよび溶液を提供することが含まれる。溶媒系にはポリマー用溶媒が含まれ、溶液にはポリマーおよびポリマー用溶媒が含まれる。ポリマー用溶媒は、沸点が100℃より高くなることもある。また、本方法には、残渣バイオマスからポリマーを分離することも含まれる。
【0008】
別の態様において、本発明は、ポリマーを含むバイオマスからポリマーを分離するための方法を特徴とする。本方法には、バイオマスを一定量の溶媒系に接触させて、残渣バイオマスとポリマーおよびポリマー用溶媒を含む溶液とを提供することと、残渣バイオマスから溶液の少なくとも一部を分離することとが含まれる。また、本方法には、分離された溶液に一定量のポリマー用沈殿剤を加えて、溶液からポリマーの少なくとも一部を除去することも含まれる。加えられる沈殿剤の容量は、溶媒系の容量と比較して約2倍未満である。
【0009】
さらに別の態様において、本発明は、ポリマーおよびバイオマス不純物を含むバイオマスからポリマーを分離するための方法を特徴とする。本方法には、バイオマスをポリマー用沈殿剤に接触させて、ポリマーおよびバイオマス不純物を含むバイオマスからバイオマス不純物の少なくとも一部を除去し、それによって、ポリマーを含む精製バイオマスを提供することが含まれる。また、本方法には、精製バイオマスを溶媒系に接触させて、残渣バイオマスとポリマーおよびポリマー用溶媒を含む溶液とを提供することも含まれる。
【0010】
別の形態において、本発明は、ポリマーおよびバイオマス不純物を含むバイオマスからポリマーを分離するための方法を特徴とする。本方法には、バイオマスを化学的に前処理して、バイオマスおよび不純物を含むバイオマスからバイオマス不純物の少なくとも一部を除去し、それによって、ポリマーを含む精製バイオマスを提供することが含まれる。化学的処理には、バイオマス不純物の除去を助けることのできる界面活性剤、洗浄剤、酵素または類似物質のような追加化学物質の存在下または不在下での、pH、温度および接触時間の操作が含まれる。また、本方法には、精製バイオマスを溶媒系に接触させて、残渣バイオマスとポリマーおよびポリマー用溶媒を含む溶液とを提供することも含まれる。
【0011】
一の態様において、本発明は、ポリマーを含むバイオマスからポリマーを分離するための方法を特徴とする。本方法には、バイオマスを逆流フロー条件下で溶媒系に接触させることが含まれる。
【0012】
別の態様において、本発明は、ポリマーを含むバイオマスからポリマーを分離するための方法を特徴とする。本方法には、PHA相および残渣バイオマス相を形成する1段階工程を用いてバイオマスを溶媒系に接触させることが含まれる。PHA相に存在する溶媒系の容量の、バイオマスと接触した溶媒系の容量に対する比は、少なくとも約0.8である。
【0013】
さらに別の態様において、本発明は、ポリマーを含むバイオマスからポリマーを分離するための方法を特徴とする。本方法には、PHA相および残渣バイオマス相を形成する1段階工程を用いてバイオマスを溶媒系に接触させることが含まれる。残渣バイオマス相に存在する溶媒系の容量の、バイオマスと接触した溶媒系の容量に対する比は、最大で約0.2である。
【0014】
ある種の実施例では、本方法によって、バイオマスから比較的高収率でポリマー(例えばPHA)を抽出することができる。一部の実施例では、複数段階を用いずに(例えば1段階工程を用いて)バイオマスから比較的高収率のポリマー(たとえば、PHA)を抽出することができる。
【0015】
一部の実施例では、本方法によって、比較的高純度のポリマー(たとえば、PHA)を抽出することができる。
【0016】
ある種の実施例では、本方法によって、溶媒および/または沈殿剤を比較的効率的に使用することができる。たとえば、本方法で使用される溶媒および/または沈殿剤の比較的高割合を回収することができる(たとえば、再利用のために)。
【0017】
一部の実施例では、本方法によって、環境に対する影響を緩和することができる。
【0018】
ある種の実施例では、本方法によって、比較的高い空間速度でポリマーを抽出することができる(たとえば、処理装置内での全滞留時間が短いことによる高処理量で)。
【0019】
ある種の実施例では、本方法の結果として、好ましくない反応副生成物(たとえば、有機酸)を比較的少量に抑えることができる。このことによって、たとえば、本方法で使用されるシステムの腐食またはその他の好ましくない損傷の見込みを減らし、および/または、かかるシステムの耐用年数を延ばすことができる。
【0020】
一部の実施例では、本方法は、比較的高い容積測定処理量を提供することができる(たとえば、1段階工程を用いることによって)。
【0021】
ある種の実施例では、本方法は、比較的高い溶媒回収率を提供することができる。
【0022】
ある種の実施例では、1段階機器(例えば逆流遠心抽出機)を用いて工程を実行することができる。
【0023】
一部の実施例では、比較的低粘度の残渣バイオマスを形成し(たとえば、逆流条件を用いて)、それによって、残留溶媒のストリッピングおよび固形分の濃縮(たとえば、蒸発、濾過または乾燥による)のような、その後の処理を高めることができる。
【0024】
本発明の特徴、目的および利点は、本願明細書の説明、図面および請求項中に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、PHAを含む細胞を持つバイオマスからPHAを抽出するための方法の実施例の工程系統図である。
【図2】図2は、PHAを含む細胞を持つバイオマスからPHAを抽出するための方法の実施例の一部の工程系統図である。
【図3】図3は、例3における粘度およびポリマー含有率を示すグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は、PHAを含む細胞を持つバイオマスからPHAを抽出するための工程の実施例の工程系統図である。バイオマスおよび水を含むスラリーを用意する。スラリーに溶媒系を加えて、スラリーおよび溶媒系を含む混合物を形成する。混合物を撹拌して(たとえば、かき回して)2相を含む化合物にする。第1の相は、PHAおよび溶媒系を含む溶液と微量のバイオマスとから形成される(「PHA相」)。第2の相は、ポリマー含有率の低下した細胞を持つ残渣バイオマス、水、および溶媒系のキャリーオーバー部分から形成される(「残渣バイオマス相」)。遠心力を利用して分離を促進する適切な機器(たとえば、ディスク遠心分離機、ボール遠心分離機、デカンター遠心分離機、ハイドロクローン、逆流遠心抽出機)を用いて、化合物に含まれる2相を分離する。遠心力を利用して分離を促進する機器に、任意に、1種類以上の溶媒を加えることができる。PHA相にPHA用沈殿剤を加えて、PHA相および沈殿剤を含む混合物を形成する。混合物を撹拌して(たとえば、かき回して)、沈殿PHA、溶媒系および沈殿剤を含む化合物を形成する。ある種の実施例では、溶媒系と沈殿剤とは混和可能で、その結果、化合物(沈殿PHA、溶媒系および沈殿剤)は2相(例えば、沈殿PHAを含む相と溶媒系および沈殿剤を含む相)になる。化合物(沈殿PHA、溶媒系および沈殿剤)を分離して(たとえば、濾過または遠心力利用によって)単離抽出PHAにする。
図1の工程は、1段階工程と呼ぶことができる。一般的には、1段階工程とは、バイオマスからポリマー(たとえば、PHA)を分離する際に遠心分離手順を1回のみ用いる工程である。一般的には、複数段階工程とは、バイオマスからポリマー(たとえばPHA)を分離する際に遠心分離手順を複数回用いる工程を指す(下記追加考察を参照)。たとえば、図1の工程で形成された残渣バイオマスを処理して最終的に遠心分離することができ、それによって、2段階工程となる(たとえば、図2および下記考察を参照)。
【0027】
一部の実施例では、工程の結果として、比較的高収率のPHAが得られる。たとえば、一部の実施例では、抽出PHAの乾燥重量の、バイオマス中に当初含まれていたPHAの乾燥重量に対する比は、少なくとも約0.9(たとえば、少なくとも0.95、少なくとも約0.97、少なくとも約0.98)である。ある種の実施例では、複数段階工程を用いずに(たとえば、1段階工程を用いて)、比較的高収率のPHAを得ることができる。
【0028】
ある種の実施例では、PHA相に比較的大量の溶媒を移すことによって工程を実行することができる。例えば、一部の実施例では、PHA相中に回収される溶媒の容量の、バイオマスと接触した溶媒の容量に対する比は、少なくとも約0.8(たとえば、0.85、少なくとも約0.9、少なくとも約0.95、少なくとも約0.98、少なくとも約0.99)である。一部の実施例では、バイオマスからポリマー(たとえば、PHA)を分離する際に比較的大量の溶媒を、たとえば、逆流条件を用いて、PHA相に移すことができる。
【0029】
ある種の実施例では、残渣バイオマス相に比較的少量の溶媒を移すことによって工程を実行することができる。たとえば、一部の実施例では、残渣バイオマス相中に回収される溶媒の容量の、バイオマスと接触した溶媒の容量に対する比は、最大で約0.2(たとえば、最大で約0.15、最大で約0.1、最大で約0.05、最大で約0.02、最大で約0.01)である。一部の実施例では、バイオマスからポリマー(たとえば、PHA)を分離する際に比較的少量の溶媒を、例えば逆流条件を用いて、本残渣バイオマス相に移す。
【0030】
所期のいずれのやり方でも、スラリーを得ることができる。通常、水およびバイオマスを含む発酵培養液を形成し、かつ、発酵培養液から水部分を除去することによってスラリーにする。水の除去は、たとえば、濾過(例えば精密濾過、薄膜濾過)によっておよび/またはデカンテーションによっておよび/または遠心力を利用することによって行うことができる。ある種の実施例では、スラリーにする工程中に、細胞壁および細胞膜不純物のようなバイオマス不純物を除去することができる。かかる不純物には、蛋白質、脂質(例えばトリグリセリド、リン脂質およびリポ蛋白)およびポリ多糖類が含まれ得る。
【0031】
バイオマスのPHA含有率(例えば、ポリマー含有率を含め、重量パーセント・ベースでの乾燥バイオマスのPHA含有率)は、任意に変更することができる。1例として、バイオマスが微生物起源である実施例では、バイオマスは、少なくとも約50重量パーセント(たとえば、少なくとも約60重量パーセント、少なくとも約70重量パーセント、少なくとも約80重量パーセント)のPHA含有率を持つことができる。別の例として、バイオマスが植物起源である実施例では、バイオマスは、約50重量パーセント未満(たとえば、約40重量パーセント未満、約30重量パーセント未満、約20重量パーセント未満)のPHAの含有率を有することができる。
【0032】
一部の実施例では、スラリーは、約25重量パーセントから約40重量パーセントまで(たとえば、約25重量パーセントから約35重量パーセントまで)の固形分(たとえば、PHA含有率を含め、スラリーの全湿潤重量との比較重量による乾燥バイオマス)を持つ。
【0033】
バイオマスは、1種類以上の様々な存在物から形成することができる。かかる存在物には、例えば、PHA生成用の微生物菌株(たとえば、アルカリゲネス・ユートロファス(トルエン資化性細菌に改称)、アルカリゲネス・レータス、アゾトバクター属、アエロモナス属、コマモナス、シュードモナス)、PHA生成用の遺伝子組み換え生物(たとえば、シュードモナス、ラルストニア、大腸菌、莢膜桿菌)、PHA生成用の酵母菌およびPHA生成用の植物系が含まれる。かかる実在物は、たとえば、リー、『バイオテクノロジーおよびバイオエンジニアリング』49:1-14(1996年)、Brauneggら(1998年)、『機関誌バイオテクノロジー』65:127-161、マジソンおよびユイスマン、1999年並びにスネルおよびピープルズ、2002年、『代謝工学』4:29-40において開示され、かかる文献は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0034】
バイオマスが微生物細胞を含む実施例では、バイオマスに含まれる微生物細胞のサイズもまた、任意に変更することができる。一般的には、微生物細胞(例えば細菌細胞)のサイズは、少なくとも1寸法が、少なくとも約0.2ミクロン(たとえば、少なくとも約0.5ミクロン、少なくとも約1ミクロン、少なくとも約2ミクロン、少なくとも約3ミクロン、少なくとも約4ミクロン、少なくとも約5ミクロン)である。ある種の実施例では、比較的大きな微生物細胞(例えば比較的大きな細菌細胞)の、バイオマス中での使用は、それによってバイオマスの分離が促進されてバイオマス・スラリーが形成できるので、好都合と言える。
【0035】
一般的には、1個以上のモノマーの重合(例えば酵素重合)によってPHAを形成する。かかるモノマー単位の例には、たとえば、3−ヒドロキシ酪酸塩、3−ヒドロキシプロピオン酸塩、3−ヒドロキシ吉草酸塩、3−ヒドロキシヘキサン酸塩、3−ヒドロキシヘプタン酸塩、3−ヒドロキシオクタン酸塩、3−ヒドロキシノナン酸塩、3−ヒドロキシデカン酸塩、3−ヒドロキシドデカン酸塩、3−ヒドロキシドデセン酸塩、3−ヒドロキシテトラデカン酸塩、3−ヒドロキシヘキサデカン酸塩、3−ヒドロキシオクタデカン酸塩、4−ヒドロキシ酪酸塩、4−ヒドロキシ吉草酸塩、5−ヒドロキシ吉草酸塩および6−ヒドロキシヘキサン酸塩が含まれる。
【0036】
一部の実施例では、PHAは1個以上のモノマー単位を持ち、その化学式は-OCR1R2(CR3R4)nCO-で、nは0または整数(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15など)である。R1、R2、R3およびR4はそれぞれ、水素原子、飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基、置換基(例えば置換炭化水素基)または不飽和基(例えば不飽和炭化水素基)である。置換基の例には、ハロ置換基(例えばハロ置換炭化水素基)、ヒドロキシ置換基(例えばヒドロキシ置換炭化水素基)、ハロゲン基、窒素置換基(例えば窒素置換炭化水素基)および酸素置換基(例えば酸素置換炭化水素基)が含まれる。置換基には、例えば置換飽和炭化水素基および置換不飽和炭化水素基が含まれる。R1は、R2、R3およびR4のそれぞれと同一かまたは異なる。R2は、R1、R3およびR4のそれぞれと同一かまたは異なる。R3は、R2、R1およびR4のそれぞれと同一かまたは異なり、R4は、R2、R3およびR1のそれぞれと同一かまたは異なる。
【0037】
一部の実施例では、PHAは、2個以上の異なるモノマー単位を含むコポリマーである。かかるコポリマーの例には、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸塩−コ−3−ヒドロキシプロピオン酸塩、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸塩−コ−3−ヒドロキシ吉草酸塩、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸塩−コ−3−ヒドロキシヘキサン酸塩、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸塩−コ−4−ヒドロキシ酪酸塩、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸塩−コ−4−ヒドロキシ吉草酸塩、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸塩−コ−6−ヒドロキシヘキサン酸塩、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸塩−コ−3−ヒドロキシヘプタン酸塩、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸塩−コ−3−ヒドロキシオクタン酸塩、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸塩−コ−3−ヒドロキシデカン酸塩、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸塩−コ−3−ヒドロキシドデカン酸塩、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸塩−コ−3−ヒドロキシオクタン酸塩−コ−3−ヒドロキシデカン酸塩、ポリ−3−ヒドロキシデカン酸塩−コ−3−ヒドロキシオクタン酸塩およびポリ−3−ヒドロキシ酪酸塩−コ−3−ヒドロキシオクタデカン酸塩が含まれる。
【0038】
ある種の実施例では、PHAはホモポリマーである。かかるホモポリマーの例には、ポリ−4−ヒドロキシ酪酸塩、ポリ−3−ヒドロキシプロピオン酸塩、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸塩、ポリ−3−ヒドロキシヘキサン酸塩、ポリ−3−ヒドロキシヘプタン酸塩、ポリ−3−ヒドロキシオクタン酸塩、ポリ−3−ヒドロキシデカン酸塩およびポリ−3−ヒドロキシドデカン酸塩が含まれる。
【0039】
PHAは、少なくとも約500(例えば少なくとも約10,000、少なくとも約50,000)および/または約2,000,000未満(例えば約1,000,000未満、約800,000未満)のポリスチレン当量平均分子量を持つことができる。
【0040】
一般的には、スラリーに加えられる溶媒系の量は、任意に変更することができる。ある種の実施例では、スラリーに一定量の溶媒系を加えて遠心分離した後、PHA相が約10重量パーセント未満(例えば約8重量パーセント未満、約6重量パーセント未満、約5重量パーセント未満、約4重量パーセント未満、約3重量パーセント未満)のPHA固形分を持つようにすることができる。
【0041】
溶媒系は、1種類以上のPHA用溶媒を含み、かつ、任意に、1種類以上のPHA用沈殿剤を含むことができる。理論に縛られるわけではないが、溶媒系中にPHA用沈殿剤が含まれることによって、ポリマーおよび溶媒系を含む溶液の粘度が低下し、および/または、所期PHAを抽出する際の工程選択性が高まると考えられている。
【0042】
一般的には、所定ポリマー向けの溶媒は、同ポリマーを溶解して、分子またはイオンサイズレベルでおおむね均一の溶液を形成する能力を持つ。一般的には、所定ポリマー向けの沈殿剤は、同ポリマーの沈殿を誘発し、および/または、同ポリマー向け溶媒の溶媒力を弱める能力を持つ。
【0043】
一般的には、溶媒および/または沈殿剤の選択の幅は、精製するべき所定のPHAによって左右される。理論に縛られるわけではないが、所定ポリマー向けの適切な溶媒は、所定のポリマーおよび溶媒の適切な溶媒和パラメータ(たとえば、分散力、水素結合力および/または極性)におおむね一致するということによって選択できると考えられている。かかる溶媒和パラメータは、たとえば、ハンセン、「溶解度パラメーター利用便覧」CRCプレス、ニューヨーク州ニューヨーク(2000年)において開示されている。
【0044】
ある種の実施例では、PHAはポリ−3−ヒドロキシ酪酸塩コポリマー(例えばポリ−3−ヒドロキシ酪酸塩−コ−3−ヒドロキシプロピオン酸塩、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸塩−コ−3−ヒドロキシ吉草酸塩、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸塩−コ−3−ヒドロキシヘキサン酸塩および/またはポリ−3−ヒドロキシ酪酸塩−コ−4−ヒドロキシ酪酸塩、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸塩−コ−3−ヒドロキシオクタン酸塩−コ−3−ヒドロキシデカン酸塩−コ−3−ヒドロキシドデカン酸塩であり、そのモノマー単位の大半は3−ヒドロキシ酪酸塩である(たとえば、モノマー単位の少なくとも約50%が3−ヒドロキシ酪酸塩である、モノマー単位の少なくとも約60%が3−ヒドロキシ酪酸塩である)が、かかる実施例では、溶媒は、ケトン、エステルおよび/または4個以上の炭素原子を持つアルコールから選択することができ、沈殿剤は、アルカン、メタノールおよびエタノールから選択することができる。
【0045】
PHAがポリ−3−ヒドロキシオクタン酸塩である一部の実施例では、溶媒は、ケトン、エステル、4個以上の炭素原子を持つアルコールまたはアルカン(たとえば、ヘキサン)から選択することができる。
【0046】
一般的には、ケトンは、環式または非環式、直鎖または分岐鎖および/または置換または非置換であることができる。非環式ケトンおよび環式ケトンの例には、メチルイソブチルケトン(「MIBK」)、3−メチル−2−ペンタノン(ブチルメチルケトン)、4−メチル−2−ペンタノン(メチルイソブチルケトン)、3−メチル−2−ブタノン(メチルイソプロピルケトン)、2−ペンタノン(メチルnプロピルケトン)、ジイソブチルケトン、2−ヘキサノン(メチル n-ブチルケトン)、3−ペンタノン(ジエチルケトン)、2−メチル-3-ヘプタノン(ブチルイソプロピルケトン)、3−ヘプタノン(エチルn−ブチルケトン)、2-オクタノン(メチルnヘキシルケトン)、5−メチル−3−ヘプタノン(エチルアミルケトン)、5−メチル−2−ヘキサノン(メチルイソアミルケトン)、ヘプタノン(ペンチルメチルケトン)、シクロペンタノン、シクロヘキサノンが含まれる。
【0047】
一般的には、エステルは、環式または非環式、直鎖または分岐鎖および/または置換または非置換であることができる。非環式エステルおよび環式エステルの例には、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、イソ酪酸ブチル、n-酪酸メチル、プロピオン酸ブチル、酪酸ブチル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、カプロン酸メチル、酪酸エチル、酢酸エチル、γブチロラクトン、γバレロラクトンが含まれる。
【0048】
一般的には、4個以上の炭素原子を持つアルコールは、環式または非環式、直鎖または分岐鎖および/または置換または非置換であることができる。かかる環式アルコールおよび非環式アルコールの例には、メチル−1−ブタノール、エチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール(アミルアルコール)、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール(アミルアルコール)、3−メチル−2−ペンタノール(メチルイソブチルカルビノール)、メチル−2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノールおよびフーゼル油(高級アルコール混合物で、しばしばアルコール蒸留副産物であり、通常、大部分はアミルアルコール(メチルブタノール)である)が含まれる。
【0049】
一般的には、アルカンは、環式または非環式、直鎖または分岐鎖および/または置換または非置換であることができる。一部の実施例では、アルカンは直鎖アルカンを含み、5個以上の炭素原子を持つ(例えばヘプタン、ヘキサン、オクタン、ノナン、ドデカン)。ある実施例では、アルカンは、イソアルカン(例えばメチルペプタン、メチルオクタン、ジメチルヘプタン)を含む。ある実施例では、ソルトロール(登録商標)100(C9-C11イソアルカン混合物で、テキサス州ヒューストンにあるシュブロン・フィリップス・ケミカル・カンパニーから商業的に入手可能)を使用することができる。
【0050】
一般的には、溶媒系中に存在する溶媒の量は、任意に変更することができる。ある実施例では、溶媒系は、PHA1につき溶媒、少なくとも約5(たとえば、少なくとも約10、少なくとも約15)および/またはPHA1につき溶媒、約50未満(たとえば、約30未満、約25未満)を含む。
【0051】
一部の実施例では、PHA向け溶媒は非ハロゲン化物である。非ハロゲン化溶媒の使用は、これによって溶媒の環境に対する悪影響を減らし、溶媒使用に関連する健康上のリスクが下げ、および/または、溶媒の貯蔵、取り扱いおよび/または処分に関連する費用が削減することができるので、好都合と言える。
【0052】
ある種の実施例では、PHA用溶媒は、比較的低密度を持つことができる。たとえば、PHA用溶媒は、20℃で、1リットルあたり約00.95キログラム未満(たとえば、1リットルあたり約0.9キログラム未満、1リットルあたり約0.8キログラム未満、1リットルあたり約00.7キログラム未満)の密度を持つことができる。理論に縛られるわけではないが、比較的低密度の溶媒を使用することによって、残渣バイオマス相からのPHA相分離の質を高めることができると考えられている。
【0053】
一部の実施例では、PHA用溶媒は、比較的低い水溶性を持つ。たとえば、PHA用溶媒は、20℃で、約1パーセント未満(たとえば、約0.5パーセント未満、約0.2パーセント未満)の水溶性を持つことができる。比較的低い水溶性を持つ溶媒は、かかる溶媒が水とあまり混ざりそうにないので、好ましいと言える。これによって、工程中に2分離相にするための容易さが増し、それによって工程の費用および/または複雑さを軽減することができる。
【0054】
ある種の実施例では、PHA向け溶媒は、おおむね加水分解不能である。例えば、溶媒は、酢酸エチルと同程度以下の加水分解性を持つことができる。おおむね加水分解不能な溶媒を使用することによって、好ましくない副生成物(例えば、有機酸のような化学反応性種)が形成される見込みを減らすことができる。これによって、例えばPHA抽出を行うシステム部分(例えば配管)の腐食の、量および/または速度を低減することができる。
【0055】
一部の実施例では、PHA用溶媒は、水から比較的容易にストリッピングすることができる。例えば、溶媒は、参照によって本明細書に組み込まれるウォンら、『Ind. Eng. Chem. Res.』第31巻第7号1753-1767ページ(1992年)に従って測定された通り、100℃の水に対して、少なくとも約1.5(たとえば、少なくとも約1.8、少なくとも約2、少なくとも約2.2)の対数K値を持つことができる。水から容易にストリッピングされる溶媒の使用は、水から容易にはストリッピングされない他溶媒と比較してかかる溶媒の方が容易に回収再利用できるので、好ましいと言える。
【0056】
ある種の実施例では、PHA用溶媒は、100℃より高い沸点を持つ。
【0057】
ある種の実施例では、適切な溶媒は、非ハロゲン化物であり、比較的低い(例えば酢酸エチル未満の)水溶性と、加水分解の見地および/またはポリマーに対する反応性の見地から比較的低い反応性とを持つ。
【0058】
一部の実施例では、PHAの沈殿剤溶解度は、20℃で、PHAの約0.2パーセント未満(たとえな、約0.1パーセント未満)である。
【0059】
ある種の実施例では、スラリーに加えられる溶媒系の容量と比較して比較的少量の沈殿剤をPHA相に加える。例えば、PHA相に加えられる沈殿剤の容量の、スラリーに加えられる溶媒系の容量に対する比は、約00.2未満(たとえば、約0.1未満、約0.07未満、約0.05未満)である。
【0060】
溶媒系が1種類以上のPHA用溶媒と1種類以上のPHA用沈殿剤とを含む実施例では、溶媒および沈殿剤は、溶媒と沈殿剤との常圧等モル泡立ち点において少なくとも約2(たとえば、少なくとも約3、少なくとも約4)の相対揮発度を持つことができる。
【0061】
溶媒系が1種類以上のPHA用溶媒と1種類以上のPHA用沈殿剤とを含む一部の実施例では、溶媒および沈殿剤は、共沸混合物を形成しない。共沸混合物を形成しない溶媒および沈殿剤の使用は、共沸混合物を形成する溶媒および沈殿剤と比較してかかる溶媒および沈殿剤を分離回収して再利用することがより容易となり得るので、好ましいと言える。
【0062】
溶媒系がPHA用溶媒およびPHA用沈殿剤を含むある種の実施例では、PHAおよび溶媒系から形成される溶液は、約25容量パーセント未満(たとえば、約20容量パーセント未満、約15容量パーセント未満、約10容量パーセント未満)の沈殿剤を含む。
【0063】
一般的には、溶媒系およびスラリーを含む混合物を加熱して、溶媒系とPHAとの相互作用を高め、それによってPHAのバイオマスからの除去を可能にする。
【0064】
一般的には、溶媒系およびスラリー混合物の撹拌中の温度は、任意に変更することができる。一部の実施例では、温度は、約160℃未満(たとえば、約125℃未満、約95℃未満、約65℃未満)および/または約20℃以上である。ある種の実施例では、温度は、周囲温度から約95℃まで(たとえば、約40℃から約80℃まで、約60℃から約70℃まで)である。ある種の実施例では、圧力を常圧より高く調整して高温での抽出を促進することができる(たとえば、1気圧を超え20気圧までの圧力)。
【0065】
一般的には、溶媒系およびスラリー混合物の撹拌時に用いられる剪断力は、任意に変更することができる。ある種の実施例では、溶媒系およびスラリー混合物をかき回しによって撹拌して、溶解時間を短縮するようにする。一部の実施例では、溶解を助けるために、高剪断インペラ撹拌機(例えば、6枚刃ラシュトン・タービンのような平刃インペラ)を、例えば約5メーター毎秒以上(たとえば、約10メーター毎秒まで)の速度で使用することができる。ある種の実施例では、低背刃付き高速分散機を、たとえば、約10メーター毎秒以上(たとえば、約15メーター毎秒以上、約20メーター毎秒から約25メーター毎秒まで)の、先端速度で使用することができる。通常、高速分散機は、低背刃または鋸歯状エッジの刃を持ち、高先端速度での高剪断を実現する。ある種の実施例では、ローター/ステーターを使用して、溝穴付きステーターとその内部で回転する高速ローターとの間の間隙で比較的高い剪断を実現する(たとえば、約50メーター毎秒までの先端速度で)。一般的には、ローターおよびステーターの形状寸法は、特定用途に合うように様々であることができ、多数の設計が商業的に利用できる。
【0066】
一般的には、遠心分離された混合物試料が、所期PHA固形分を含むPHA相を持つようになるまで、溶媒系およびスラリー混合物を撹拌する。一部の実施例では、約3時間未満(たとえば、約2時間未満)および/または少なくとも約1分間(たとえば、少なくとも約10分間、少なくとも約30分間)、溶媒系およびスラリー混合物を撹拌する。
【0067】
ある種の実施例では、PHA相は、PHA相中に溶在するPHA量と比較して、約0.5重量パーセント未満(たとえば、約0.25重量パーセント未満、約0.1重量パーセント未満)のバイオマスを含む。
【0068】
一部の実施例では、バイオマス相は、溶媒系中に当初存在していた溶媒の約25重量パーセント未満(たとえば、約20重量パーセント未満、約15重量パーセント未満)、および/または、溶媒系中に当初存在していた溶媒の少なくとも約1重量パーセント(たとえば、少なくとも約5重量パーセント、少なくとも約10重量パーセント)を含む。
【0069】
一部の実施例では、PHA相は、比較的低い粘度を持つ。例えば、PHA相は、約100センチポアズ未満(たとえば、約75センチポアズ未満、約50センチポアズ未満、約40センチポアズ未満、約30センチポアズ未満)の粘度を持つことができる。理論に縛られるわけではないが、比較的低粘度を持つようにPHA相を調製することによって、その結果、PHA相を残渣バイオマス相から比較的良好に分離することができると考えられている。特に、遠心分離時の相分離速度はPHA相の粘度に反比例し、そのため、所定の遠心分離時間では、PHA相の粘度を下げることによって、その結果、PHA相粘度のより高い系と比較して相分離が改善されると考えられている。
【0070】
ある種の実施例では、PHA相は比較的高いポリマー濃度を持つ。例えば、PHA相は、少なくとも約2パーセント(たとえば、少なくとも約2.5パーセント、少なくとも約3パーセント、少なくとも約3.5パーセント、少なくとも約4パーセント、少なくとも約4・5パーセント、少なくとも約5パーセント)のポリマー濃度を持つことができる。
【0071】
遠心力を利用する様々な種類の機器を使用することができる。1例として、一部の実施例では、ディスク・スタック(例えば型式番号SC-6、ニュージャージー州ノースベイルにあるウェストファリア・セパレータUS Inc.から入手可能)を用いて遠心分離を行う。ある種の実施例では、デカンター(例えば型式番号CA-220、ニュージャージー州ノースベイルにあるウェストファリア・セパレータUS Inc.社から入手可能)を用いて遠心分離を行う。一部の実施例では、ハイドロクローンを使用することができる。
【0072】
ある種の実施例では、逆流遠心接触機(たとえば、ポドビールニアク遠心接触機、Luwesta遠心接触機、テーラー・クエット遠心接触機)を使用することができる。一般的には、2つ(ことによると3つ以上)の流体ストリームを互いに接触させるというやり方で逆流遠心接触機を使用する。1つのストリーム(溶媒ストリーム)は、相対的に溶媒が豊富な流体ストリームとして始まる。もう1つのストリーム(バイオマス・ストリーム)は、相対的にPHAが豊富な流体の流れとして始まる。2つのストリームは逆流条件下で互いに接触し、そのため、溶媒の最も豊富な溶媒ストリーム部分が、PHAの最も少ないバイオマス・ストリーム部分に接触して、バイオマス・ストリームからのPHA回収率を高め、たとえば、最適化)し、および/または、PHAの最も豊富なバイオマス・ストリーム部分が、PHAを最も含んだ溶媒ストリーム部分に接触して、溶媒ストリーム中のPHA濃度を高め、たとえば、最適化する。ある種の実施例では、これは、溶媒ストリームをバイオマス・ストリームと逆方向に流すこと(逆流条件)によって達成される。逆流遠心接触機は、例えばB&Pプロセス・エクイプメント(ミシガン州サギノー)およびクアドロニクスから入手できる。商業的に入手可能な逆流遠心接触機の例には、ポドビールニアクA-1逆流遠心接触機(B&Pプロセス・エクイプメント)およびポドビールニアクB-10逆流遠心接触機(B&Pプロセス・エクイプメント)が含まれる。
【0073】
一般的には、遠心分離に用いられる条件(例えば力、時間)は、任意に変更することができる。
【0074】
ディスク・スタックを使用する一部の実施例では、少なくとも約5,000RCF(相対遠心力)少なくとも約6,000RCF、少なくとも約7,000RCF、少なくとも約8,000RCF)および/または約15,000RCF未満(例えば約12,000RCF未満、約10,000RCF未満)を用いて遠心分離を行うことができる。デカンターを使用するある種の実施例では、少なくとも約1,000RCF(たとえば、少なくとも約1,500RCF、少なくとも約2,000RCF、少なくとも約2,500RCF)および/または約5,000RCF未満(たとえば、約4,000RCF未満、約3,500RCF未満)を用いて遠心分離を行うことができる。逆流遠心接触機を使用するある種の実施例では、少なくとも約1,000RCF(たとえば、少なくとも約1,500RCF、少なくとも約2,000RCF、少なくとも約2,500RCF)および/または約5,000RCF未満(たとえば、約4,000RCF未満、約3,500RCF未満)を用いて遠心分離を行うことができる。
【0075】
ディスク・スタックを使用する一部の実施例では、約1時間未満(たとえば、約30分間未満、約10分間未満、約5分間未満、約1分間未満)および/または少なくとも約10秒間(例えば少なくとも約20秒間、少なくとも約30秒間)、遠心分離を行うことができる。デカンターを使用するある種の実施例では、約1時間未満(たとえば、約30分間未満、約10分間未満、約5分間未満、約1分間未満)および/または少なくとも約10秒間(たとえば、少なくとも約20秒間、少なくとも約30秒間)、遠心分離を行うことができる。逆流遠心接触機を使用するある種の実施例では、約1時間未満(たとえば、約30分間未満、約10分間未満、約5分間未満、約1分間未満)および/または少なくとも約10秒間(たとえば、少なくとも約20秒間、少なくとも約30秒間)、遠心分離を行うことができる。
【0076】
遠心分離後、分離PHA相にPHA用沈殿剤を加えて混合物を形成する。溶媒系が1種類以上のPHA用沈殿剤を含む実施例では、分離PHA相に加えられる沈殿剤は、溶媒系に含まれる沈殿剤と同一であってもよい。
【0077】
一般的には、分離PHA相に加えられる沈殿剤の量は、任意に変更することができる。一部の実施例では、分離PHA相に加えられる沈殿剤の量は、PHA相中の溶媒容量と比較して少なくとも約0.1倍(たとえば、少なくとも約0.25倍、少なくとも約0.5倍)の沈殿剤容量、および/または、PHA相中の溶媒容量と比較して約2倍未満(たとえば、約1.5倍未満、約1倍未満、約0.75倍未満)の沈殿剤容量である。
【0078】
PHA相/沈殿剤混合物を撹拌して、PHAとPHA用沈殿剤との相互作用を高める。これによって、混合物からのPHAの沈殿が可能となり、その結果、沈殿PHAと溶媒系および追加されたPHA用沈殿剤を含む混合物とからなる化合物が形成される。一般的には、PHA相/沈殿剤混合物の撹拌は室温で行うが、希望される場合には、その他の温度を利用することができる。一部の実施例では、高剪断インペラ(たとえば、6枚刃ラシュトン・タービン)のような高剪断機器、高速分散機およびローター/ステーター高剪断インラインまたはインタンク混合機を用いてPHA相/沈殿剤混合物を混合する。剪断速度は、様々な機器の先端速度によって測定され、たとえば、約5メーター毎秒から約50メーター毎秒まで(例えば約10メーター毎秒から約25メーター毎秒まで)の間の様々な速度であることができる。理論に縛られるわけではないが、高剪断混合は、一定の条件下で沈殿ポリマーの質を改善することができると考えられている。
【0079】
その後、沈殿PHAを残液(たとえば、溶媒系および沈殿剤)から分離する。この分離は、たとえば、濾過または遠心分離(たとえば、バスケット遠心機の使用、真空ベルト・フィルターの使用)によって行うことができる。
【0080】
通常、その後、残留溶媒および/または沈殿剤のような不要不純物の除去を助けるために、沈殿PHAを洗浄する。一部の実施例では、たとえば、PHA溶媒とPHA沈殿剤とのたとえば、0-100%の任意の比率での)混合物のような、溶媒(たとえば、比較的新鮮な調製溶媒)を用いてポリマーを洗浄することができる。通例、ポリマーの再溶解を抑え(たとえば、最小化し)および/または不純物の除去を高める(たとえば、最大化する)ように、洗浄用組成を選択する。ある種の実施例では、洗浄用組成の適切な比率は、個別のポリマー組成に左右され、および/または、標準的経験(洗浄効率)に左右され得る。一部の実施例では、不純物の洗浄除去をさらに促進するために、この洗浄手順を高温かつ適切な滞留時間で実行することができる。
【0081】
通常、洗浄済みの沈殿PHAは(たとえば、約40℃から約100℃までの温度で)乾燥される。乾燥は真空下で行うことができる(たとえば、残留溶媒の回収促進を助けるために)。ある種の実施例では、なお溶媒を含む沈殿ポリマーを、たとえば、揮発分除去押出機で、直接押し出す成形することが好ましい場合がある。このような押し出し成形は、例えばポリマーの融点に近い温度で行うことができ、溶媒を押出機から直接回収することができる。揮発分除去押出機に、任意に、水を圧入することができる(たとえば、その場で蒸気を発生させて残留溶媒痕跡の効率的ストリッピングおよび除去を促進するために)。押出機に、任意に、気体蒸気(たとえば、空気、CO2または蒸気)を注入することができる(例えば、溶媒除去を促進するために)。押し出し成形は、乾燥および生成物形成(例えばペレット化)作業を1つに統合して、例えば、資本および工程運転費用を節減することができる。
【0082】
残液(溶媒系および沈殿剤)をさらに処理して、残液(溶媒系および沈殿剤)成分を再利用できるようにすることができる。たとえば、残液を蒸留して、沈殿剤から溶媒を分離することができる。一部の実施例では、分離された溶媒および/または沈殿剤を、上記の工程に再利用することができる(たとえば、溶媒系の溶媒として、溶媒系の沈殿剤として、PHA相に加えられる沈殿剤として)。ある種の実施例では、分離された溶媒および/または沈殿剤を、図2に記載された工程に再利用することができる(下記考察を参照)(たとえば、溶媒系の溶媒として、溶媒系の沈殿剤として、PHA相に加えられる沈殿剤として)。
【0083】
ある種の実施例では、工程(または工程部分)は、連続しておよび/またはインラインで実行することができる。1例として、工程は、インライン・ローター/ステーター溶解工程および/またはインライン・ローター/ステーターPHA沈殿工程および/またはインライン揮発分除去押出機(例えばワーナー・プフライデラーZSK押出機、ニュージャージー州ラムジーのCoperion・コーポレーションによって供給される)を伴い、溶媒を除去してPHA固体(たとえば、ペレット)を形成することができる。
【0084】
一部の実施例では、工程は、溶媒を比較的効率的なやり方で使用する。例えば、溶媒中で当初使用されていた溶媒の少なくとも約90容量パーセント(たとえば、少なくとも約95容量パーセント、少なくとも約97容量パーセント、少なくとも約98容量パーセント)を回収して再利用する。
【0085】
ある種の実施例では、工程は、沈殿剤を比較的効率的なやり方で使用する。たとえば、溶媒中で当初使用されていた沈殿剤とPHA相に加えられた沈殿剤とを合わせた総沈殿剤量の少なくとも約90容量パーセント(たとえば、少なくとも約95容量パーセント、少なくとも約97容量パーセント、少なくとも約98容量パーセント)を回収して再利用する。
【0086】
図2は、残渣バイオマス相(図1)中に存在するPHAの少なくとも一部を抽出することによってPHA抽出の効率を高めるために、使用することのできる2段階工程の第2段階の実施例の工程系統図である。図2に示す通り、バイオマス相に溶媒系を加えて、バイオマス相および溶媒系を含む混合物にする。混合物を(たとえば、スラリーおよび溶媒系混合物の撹拌に関する上記条件を用いて)撹拌して、PHA相(主として溶媒系およびPHAを含む)およびバイオマス相(主としてバイオマス、水およびキャリーオーバー溶媒系を含む)を含む化合物にする。遠心分離により(たとえば、PHA相およびバイオマス相の遠心分離に関する上記条件を用いて)、PHA相とバイオマス相とを分離する。上記の通りに(たとえば、PHA用沈殿剤を加え、撹拌、分離、洗浄、乾燥することによって)PHA相を処理することができるか、または、上記のスラリーおよび溶媒混合物にPHA相を加えることができる。標準的手法を用いて、残ったバイオマス相から溶媒系成分(たとえば、溶媒および/または沈殿剤)をストリッピングすることができる。バイオマスに含まれる残留溶媒は、適合カラムでの蒸気ストリッピング、脱溶媒乾燥機(たとえば、油分抽出後の大豆ミールから残留溶媒を回収する際に広く使用される脱溶媒機)、または、溶媒回収を伴う直接乾燥(例えば真空乾燥機、不活性ガス循環付き流動床乾燥機、および溶媒凝縮)のような様々な手段を通じて回収することができる。一部の実施例では、溶媒を含むバイオマス相を、適合定格の乾燥機中で、融和性のある動物飼料材料(たとえば、グルテン・フィード、蒸留者向け乾燥穀物、脂肪種子ミール)とともに乾燥させて、残留溶媒を処理回収しおよび/または安全に排除する(例えば吸着または焼却する)ことができる。図2の工程全体のうち、第1段階は図1に示され、第2段階は図2に示される。ある種の実施例では、任意に上記通り残留溶媒を除去した後、残渣バイオマス相を発酵(たとえば、サッカロミケス属を利用するエタノール発酵)のための栄養分として使用することができる。一部の実施例では、バイオマスを加水分解して(たとえば、高温で酸性条件にさらすことによって、蛋白質分解酵素、溶菌酵素で処理することによって)、バイオマスの発酵向け栄養分特性を改善することができる。
【0087】
バイオマスからPHAを抽出するための方法について説明してきたが、その他の実施例もまた可能である。
【0088】
1例として、乾燥バイオマスを使用することができる。一部の実施例では、乾燥バイオマスを水と混合しスラリーにすることができる。
【0089】
別の例として、スラリーにPHA用沈殿剤を加えた後、溶媒系を加えることができる。一部の実施例では、加えられる沈殿剤の量は、スラリーの容量と比較して少なくとも約0.5倍(たとえば、少なくとも約0.5倍から約2倍まで)である。
【0090】
沈殿剤を加えた後で溶媒系を加えた結果として、比較的高純度の単離抽出PHAを形成することができる(たとえば、少なくとも純度約99%、少なくとも純度約99.5%、少なくとも純度約99.9%)。ポリマー試料を酸性条件下でブタン分解して、PHAモノマー単位のブチルエステルだけでなく脂質およびリン脂質脂肪酸残留物のブチルエステルもまた形成した後、ガス・クロマトグラフィー(GC)分析によって(たとえば、0.25μmフィルム付き、内径30m×0.32mmのスペルコ24044 SBPTM-1カラム搭載のヒューレット・パッカード5890シリーズII GCを用いて)ポリマー純度を測定することができる。脂肪酸およびヒドロキシ酸(たとえば、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸および3−ヒドロキシ酪酸)の適合基準を用いて、クロマトグラフィー反応の較正、標準化および定量化を行うことができる。この基準を用いて、ポリマー含有率だけでなく不純物含有率もまた、ともに定量化することができる。無機不純物は灰化によって定量化することができる。
【0091】
理論に縛られるわけではないが、スラリーにPHA用沈殿剤を加えた後、溶媒系を加えることによって、バイオマス中に存在するバイオマス不純物(たとえば、リン脂質、中性脂肪、リポ蛋白)の除去を促進することができると考えられている。このことは、バイオマス中のPHA固形分が比較的高率(たとえば、PHA固形分が少なくとも約65%、少なくとも約75%)の場合には、特に好都合と言える。
【0092】
さらに別の例として、バイオマスおよび/またはスラリーを、たとえば、比較的弱い苛性条件(たとえば、pH、約8.5から10まで、約8.5から約9まで、約9から約9.5まで、約9.5から約10まで)で、化学的に前処理し、次いで中和した後、溶媒系を加えることができる。この結果、比較的高純度の単離抽出PHAを形成することができる(たとえば、純度、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%)。苛性条件は、たとえば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび/または水酸化アンモニウムのような、比較的基本的な物質を1種類以上用いて調製することができる。
【0093】
別の例として、化学的前処理手順中に温度を上げ(例えば、室温から約95℃までの間の任意の温度)、界面活性剤、洗浄剤および/または酵素のようなその他の化学物質を加えて、比較的高純度の単離抽出PHAの形成をさらに促進することができる(たとえば、純度、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%)。
【0094】
理論に縛られるわけではないが、溶媒系を加える前にスラリーの化学的処理(例えば比較的弱い苛性処理)を行うことによって、バイオマス中に存在するバイオマス不純物(例えば脂質、リン脂質、リポ蛋白)の除去を助けることができると考えられている。このことは、バイオマス中のPHA固形分が比較的高率たとえば、PHA固形分が少なくとも約65%、少なくとも約75%)の場合には、特に好都合と言える。
【0095】
別の例として、本方法には、残渣バイオマス相からPHA相を分離した後、ただし、PHA相にPHA用沈殿剤を加える前に、PHA相を濃縮する(たとえば、蒸発する)ことが含まれ得る。この濃縮によって溶液の容量を減らし、それによって沈殿剤を減らすことができる。
【0096】
さらに別の例として、一部の実施例では、PHA相にPHA用沈殿剤を加えずに工程を実行することができる。
【0097】
さらに、溶媒系を形成し、その後、バイオマスに接触させることができるか、または、バイオマスを、溶媒系の全成分よりは少ない成分に接触させ、続いてその後、溶媒系の残りの部分を加えることができる(例えば連続して、または1度に全部)。たとえば、溶媒系にPHA用溶媒およびPHA用沈殿剤が含まれる実施例では、スラリーを溶媒に接触させ、次いで沈殿剤を加えることができるか、または、その逆もまた同様ある。あるいは、溶媒および沈殿剤を混合して溶媒系を形成し、次いでバイオマスに接触させることができる。
【0098】
さらに、バイオマスからの1種類のPHAの抽出について説明してきたが、工程を利用してバイオマスから複数のPHAたとえば、2、3、4、5、6種類)を抽出することができる。かかる工程の場合、複数の溶媒、沈殿剤および/または溶媒系の使用を伴うことができる。
【0099】
加えて、1種類のPHA用溶媒と、任意に1種類のPHA用沈殿剤とを含む溶媒系について説明してきたが、複数のPHA用溶媒(たとえば、2、3、4、5、6種類)および/または複数のPHA用沈殿剤(たとえば、2、3、4、5、6種類)を使用することができる。
【0100】
別の例として、一部の実施例では、スラリー/溶媒系混合物を加熱せずに撹拌することができる。あるいは、スラリー/溶媒系混合物を加圧加熱して撹拌することができる。
【0101】
さらに別の例として、本方法には、形成された(たとえば、蒸留された)溶媒系/沈殿剤混合物を蒸留して成分(たとえば、PHA用溶媒、PHA用沈殿剤)を分離し、1種類以上の成分を再利用できるようにすることが含まれ得る。
【0102】
以下の例は、例示のためのものであって、限定を意図するものではない。例中において、化学物質は、オールドリッチ・ケミカルCo. Inc.(ウィスコンシン州ミルウォーキー)製であり、オーバーヘッド攪拌機は、Ika(登録商標)-werke・ユーロスター電気式粘度調整オーバーヘッド攪拌機(ノースカロライナ州ウィルミントン、イカ・ワークInc.)で、遠心分離機は、Sorvall RC 5Bプラス遠心分離機である。
【0103】
例1
25%が4−ヒドロキシ酪酸塩であるポリヒドロキシ酪酸塩−コ−4−ヒドロキシ酪酸塩という組成のポリマーを乾燥ベースで70%含む大腸菌バイオマス・スラリー培養液を、3つに分け、次の通りに処理した。
【0104】
a. 噴霧乾燥し、乾燥バイオマス30gを収集した。
b. 噴霧乾燥し、バイオマス30gを収集し、脱イオン(DI)水で再び湿らせて100gにした。
c. 乾燥バイオマス30gを含むスラリー原液100gに変更を加えなかった。
【0105】
酢酸ブチル400mLを用いて各培養液を室温で2時間、500rpmでのオーバーヘッド攪拌により抽出した。その結果生じたスラリーを5000gで20分間遠心分離し、PHA相を回収した。沈殿剤としてヘキサンを用いてPHA相からPHAを沈殿させることによってPHA含有率を測定し、次いで1ミリメーター水銀真空下で40°Cで1晩乾燥させた。回収されたポリマーは、出発ポリマーの32%の溶解(アプローチ1)、出発ポリマーの43%の溶解(アプローチ2)、出発ポリマーの97%を上回る溶解(アプローチ3)を示した。
【0106】
例2
並行比較試験で、1寸法が2ミクロンを超える細胞を含む、大腸菌発酵由来の培養液を、最大寸法0.5ミクロンの細胞を含むトルエン資化性細菌と比較した。培養液1mLを充填した1.5mL遠心分離機チューブを用いて、上澄みが得られるまでの時間をエッペンドルフ5415Cマイクロ遠心分離機で12000rpmで測定した。大腸菌培養液の場合、1分未満の遠心分離時間で上澄みが得られたが、トルエン資化性細菌は、同様の透明度になるために5分より長い遠心分離を必要とした。
【0107】
例3
25%が4−ヒドロキシ酪酸塩であるポリヒドロキシ酪酸塩−コ−4−ヒドロキシ酪酸塩という組成のポリマーを乾燥ベースで70%含む大腸菌バイオマス・スラリーを、例1cの手順を用いて酢酸ブチル(オールドリッチ・ケミカルCo. Inc.、ウィスコンシン州ミルウォーキー)中で溶解することによって、5重量%(全溶液重量との比較表示)のポリマーを含むポリマー溶液を調製した。その結果生じた溶液の粘度を、ブルックフィールドLVF粘度計(ブルックフィールド・エンジニアリング・ラボラトリーズInc.、マサチューセッツ州ストートン)を用いて365センチポアズ(cP)として測定した。100cP未満の粘度の溶液については1号スピンドルを使用し、100cPを超える粘度の溶液については2号スピンドルを使用した。酢酸ブチルを加えて溶液をさらに希釈し、全溶液中4重量%および3重量%ポリマーとした。その結果生じた粘度は、それぞれ150cPおよび40cPであることが分かった。
【0108】
その後、上記で調製された酢酸ブチル中5%ポリマー溶液の一部を、ヘキサン(オールドリッチ・ケミカルCo. Inc.、ウィスコンシン州ミルウォーキー)で希釈して、4.5重量%、4.3重量%、4.1重量%および3.9重量%の溶液を調製した。これらの溶液の粘度を、上記の通りに測定し、それぞれ215cP、37.5cP、5cPおよび27.5cPであることを確認した。
【0109】
酢酸ブチル中5%ポリマー溶液に酢酸ブチル(PHA溶媒)を追加して希釈した場合の粘度を、ヘキサン(室温でのPHA沈殿剤)で希釈した場合と比較して、図3に示す。沈殿剤による希釈は非直線的で、粘度の低減に対して好ましい効果を持つ。ヘキサン希釈により溶液中3.9重量%ポリマーとした際に観察された粘度の増大は、同ヘキサン追加レベルでの、溶液からのポリマー沈殿と一致した。
【0110】
例4
組み換え型大腸菌を使用して、主要炭素源としてブドウ糖を用いた飼育-培養液発酵により、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸塩−コ−4−ヒドロキシ酪酸塩(うち、分子ベースで30%が4−ヒドロキシ酪酸塩)を生成した。発酵完了時に大腸菌細胞を、少なくとも1寸法において2ミクロンを超えるサイズに拡張した。バイオマスは、乾燥重量ベースで70%のポリマーを蓄積した。その後、遠心分離によりバイオマスを収穫して、溶剤不純物をおおむね含まない湿潤バイオマス・ペレットを得た。
【0111】
ポリ−3−ヒドロキシ酪酸塩−コ−4−ヒドロキシ酪酸塩を乾燥ベースで70%含む湿潤バイオマス・ペレット(48%乾燥固体)100gに、酢酸エチル500mLを加え、オーバーヘッド攪拌機を用いて室温で1時間撹拌した。ポリマー組成は、分子ベースで30%が4ヒドロキシ酪酸塩であった。材料を混合する上でさらなる撹拌が有効でない程度まで粘度が増大した後、混合時間を終了させた。合計で350mLのスラリーを収集し、合計で20分間、5000gでの遠心分離を行った(Sorvall RC 5Bプラス遠心分離機、ケンドロ・ラボラトリー・プロダクツ、コネチカット州ニュータウン)。スラリー350mLから回収できるはずの酢酸エチルの理論量は、マス・バランス計算によれば300mLであった。
PHA相のPHA含有率は約5.3%であった。遠心分離後のデカンテーションによってPHA相220ミリリットルを回収したが、この量は、遠心分離前のスラリーから回収可能な酢酸エチル全体の約73容量%を構成した。
【0112】
例5
酢酸エチルではなく酢酸ブチル(オールドリッチ・ケミカルCo. Inc.、ウィスコンシン州ミルウォーキー)を使用したことを除き、前述の例を繰り返した。溶液中ポリマーは約4.3%であった。遠心分離後、界面に乳化相が現れた。遠心分離後のデカンテーションによってPHA相250ミリリットルを回収したが、この量は、遠心分離前のスラリー中に存在する回収可能な酢酸ブチル全体の約83%を構成した。
【0113】
例6
酢酸ブチルではなくMIBK(オールドリッチ・ケミカルCo. Inc.、ウィスコンシン州ミルウォーキー)を使用したことを除き、前述の例を繰り返した。溶液中ポリマーは約4.2%であった。遠心分離後のデカンテーションによってPHA相290ミリリットルを回収したが、この量は、遠心分離前のスラリー中に存在する回収可能なMIBK全体の約97%を構成した。
【0114】
例7
乾燥固体ベースで35%が4-ヒドロキシ酪酸塩であるポリ−3−ヒドロキシ酪酸塩-コ-4ヒドロキシ酪酸塩を75%含む乾燥固体28%からなる湿潤大腸菌バイオマス・ペースト100gを、ヘキサン(オールドリッチ・ケミカルCo. Inc.、ウィスコンシン州ミルウォーキー)200gに接触させ、オーバーヘッド攪拌機(Ika(登録商標)-werke・ユーロスター電気式粘度調整オーバーヘッド攪拌機、イカ・ワークInc.、ノースカロライナ州ウィルミントン)を用いて室温で2時間抽出した。3,500gで20分間遠心分離することによってヘキサン上澄みを分離し、ヘキサン上澄みのデカンテーション後、固形ペレットを回収した。その後、MIBK(オールドリッチ・ケミカルCo. Inc.、ウィスコンシン州ミルウォーキー)425gを用いて、オーバーヘッド攪拌機(Ika(登録商標)-werke・ユーロスター電気式粘度調整オーバーヘッド攪拌機、イカ・ワークInc.、ノースカロライナ州ウィルミントン)により室温で3時間、ペレットを抽出した。3,500gで20分間遠心分離することによって上澄み(ポリマー混和MIBK溶液)を分離し、ヘキサン355gを加えることによってポリマーを沈殿させた。溝付き濾紙(VWRサイエンティフィック・プロダクツ、ペンシルバニア州ウェストチェスター)を敷いた漏斗での濾過によって沈殿ポリマーを回収し、Buchi rotavap中の1mm水銀真空下45°Cで1晩乾燥させて、乾燥ポリマー13グラムを得た。乾燥ポリマーを180°Cのホット・フィルム・プレスに掛けた。シムによって分離されたPETシート2枚の間に適量のPHA(通常0.5グラム)を置き、厚さ100ミクロンのフィルムを形成した。フィルム組立部品(すなわちシート2枚、シムおよびPHA)をプレス機(カーバー油圧プレス型式番号3912、カーバーInc.、インディアナ州ウォバシュ)の加熱(180°C)ブロック間に置き、10トンの負荷を30秒間掛けた。その後、フィルムをアルミニウム・ブロック間で冷却し、その後、色と透明度を検査した。これによって、プレス・サイクル中、180°Cの実用温度でおおむね発煙または不快臭のない、かなり透明なフィルムが得られた。
【0115】
例8
ヘキサンではなくヘプタン(オールドリッチ・ケミカルCo. Inc.、ウィスコンシン州ミルウォーキー)を使用したことを除き、前述の例を繰り返した。同工程によって、おおむね発煙または不快臭のない、かなり透明なフィルムが得られた。
【0116】
例9
ヘキサンの代わりにソルトロール(登録商標)100(C9-C11イソアルカン混合物で、テキサス州ヒューストンにあるシュブロン・フィリップス・ケミカル・カンパニーから商業的に入手可能)を使用したことを除き、前述の例を繰り返した。同工程によって、おおむね発煙または不快臭のない、かなり透明なフィルムが得られた。
【0117】
例10
乾燥固体ベースで35%が4−ヒドロキシ酪酸塩であるポリ−3−ヒドロキシ酪酸塩-コ-4ヒドロキシ酪酸塩を75%含む乾燥固体28%からなる湿潤大腸菌バイオマス・ペースト100gを、65°Cで20分間、実効0.02Nの水酸化ナトリウム(オールドリッチ・ケミカルCo. Inc.、ウィスコンシン州ミルウォーキー)で処理し、その後、5分間かけて室温まで急冷した。その結果生じたスラリーを、85%リン酸(オールドリッチ・ケミカルCo. Inc.、ウィスコンシン州ミルウォーキー)で中和してpH7にし、その後20分間遠心分離(3.500g)して、2倍の容量のDI水で洗浄した。上澄みを捨て、MIBK425gを用いて室温で3時間、ペーストをオーバーヘッド攪拌機(Ika(登録商標)-werke・ユーロスター電気式粘度調整オーバーヘッド攪拌機、イカ・ワークInc.、ノースカロライナ州ウィルミントン)により抽出した。3,500gで20分間遠心分離することによって上澄み(ポリマー混和MIBK溶液)を分離し、ヘキサン355gを加えてポリマーを沈殿させた。沈殿ポリマーを濾過によって回収し、Buchi B-171rotavap中の真空下で乾燥させて(65°C、1mm水銀で8時間)、乾燥ポリマー12グラムを得た。乾燥ポリマーを180°Cのホット・フィルム・プレスに掛けた。これによって、ごくわずかな変色/不透明性しか見られないフィルムが得られた。
【0118】
例11
前述の例を繰り返したが、65°Cで20分間水酸化ナトリウムで処理して急冷するという手順は行わなかった。このようなPHA回収によって、ホット・フィルム・プレス中、強い黄変および不透明性が見られるフィルムが得られた。また、フィルム試験圧力サイクル(180°C、かつ継続期間30秒間の10トン加圧)中の発煙によって明らかになった通り、試験中の熱劣化の証拠もあった。
【0119】
例12
以下は、逆流遠心接触機を用いた1段階工程の例である。
大腸菌乾燥固体を26%含むバイオマス・ペースト11kgを、船舶用インペラ付き攪拌機を装備した溶解タンク中で30°Cで3時間、メチルイソブチルケトン(4−メチル 2−ペンタノンまたはMIBK)38.6kgに接触させて均一混合物を維持した。バイオマスは、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸塩−コ−4−ヒドロキシ酪酸塩(分子ベースで22%が4ヒドロキシ酪酸塩)を乾燥固体ベースで71重量%含んでいた。3時間後、溶解タンクから取った試料を遠心分離することによって得られたMIBKとPHAとからなる上澄み溶液は、4.1重量%のPHAを含み、それは、91.2%の溶解を表した。
【0120】
細胞ペーストとMIBKとの混合物を、入重液(HLI)として635mL/分の速度でA-1パイロット規模ポドビールニアク抽出機(B&Pプロセス・エクイプメント、ミシガン州サギノー)に供給した。同時に、入軽液(LLI)として新鮮MIBKを供給し、ポドビールニアク抽出機内で細胞ペーストの逆流洗浄および抽出を行った。LLIを175mL/分の速度で供給し、3.6:1のHLI:LLI供給率を維持した。90分間にわたって合計でHLI49.6kgとLLI12.8kgとを供給した。90分間にわたって合計で8.9kgの残留細胞ペーストを出重液(HLO)として収集し、53.6kgのPHA混和MIBK溶液を出軽液(LLO)として収集した。LLOは、同物質試料の乾燥によって測定された通り、溶液中に3.75重量%のPHAを含んでいた。HLIの細胞ペースト供給中に含まれていたPHA2.04kgと比較して、LLO中に合計で2.0kgのPHAを回収した(総回収率98.4%)。
【0121】
マス・バランス測定によって、HLIとLLIとを合わせた中に含まれるMIBK全体の98%を上回る量が、除濁PHA混和MIBK溶液(LLO)中に回収されたことが示された。実験室での遠心分離によって、3000gでの遠心分離の1分後に非常に透明な界面が形成されたことが示された。90分間試験の継続期間中LLOが透明なままであることによって、界面蓄積の不在もまた確認された。
【0122】
ポドビールニアク抽出機によるPHA回収率(98.4%)が、1段階溶解により達成された回収率(91.2%)と比較して改善されていることによって、新鮮溶媒との逆流接触がPHA回収率を改善するという効果が確認される。逆流接触によってPHAがほぼ完全に除去される結果として、残渣バイオマス・ペーストの粘度もまた劇的に低下する。
【0123】
例13
以下は、シクロヘキサノンを用いたPHA抽出の例である。
乾燥固体ベースで12%が4ヒドロキシ酪酸塩であるポリ3−ヒドロキシ酪酸塩-コ-4ヒドロキシ酪酸塩(PHA)を80%含む乾燥固体28%からなる湿潤大腸菌バイオマス・ペースト90gを、90°Cのシクロヘキサノン(オールドリッチ・ケミカルCo. Inc.、ウィスコンシン州ミルウォーキー)400gに加えた。溶液を、単一溝穴付きローター・ステーター・コンビネーション搭載の手持ち式均質化装置(ビトリス、ニューヨーク州ガージナー)を用いて30,000rpmで5分間均質化し、その後、オーバーヘッド攪拌機(Ika(登録商標)-werke・ユーロスター電気式粘度調整オーバーヘッド攪拌機、イカ・ワークInc.、ノースカロライナ州ウィルミントン)を用いて30分間撹拌した。溶媒接触手順中、温度を90±5°Cに管理した。その後、バイオマス・ペースト/シクロヘキサノン混合物を、Sorvall RC 5Bプラス遠心分離機(ケンドロ・ラボラトリー・プロダクツ、コネチカット州ニュータウン)を用いて3000gで5分間遠心分離して、残渣バイオマス・ペースト・ペレットからのデカンテーションによって上澄み(ポリマー混和シクロヘキサノン溶液)を分離した。
【0124】
その後、上澄みをビーカー中で80±5°Cまで再加熱し、オーバーヘッド攪拌機(Ika(登録商標)-werke・ユーロスター電気式粘度調整オーバーヘッド攪拌機、イカ・ワークInc.、ノースカロライナ州ウィルミントン)で激しく混合しながら、5分間にわたってゆっくりと上澄み溶液に同量のヘプタン(室温に保ったもの)を加え、70°Cから80°Cまでの温度を維持しつつポリマーを沈殿させた。溝付き濾紙(VWRサイエンティフィック・プロダクツ、ペンシルバニア州ウェストチェスター)を敷いた漏斗での濾過によって沈殿ポリマーを回収し、化学物質蒸気フード中で1晩空気乾燥させて、白色ポリマー顆粒16gを得た(総回収率80%)。
【0125】
シムによって分離されたPETシート2枚の間に約0.5gのポリマーを置くことによってフィルムを調製して、厚さ100ミクロンのフィルムを形成した。フィルム組立部品(すなわちシート2枚、シムおよびPHA)をプレス機(カーバー油圧プレス機、型式番号3912、カーバーInc.、インディアナ州ウォバシュ)の加熱(180°C)ブロック間に置き、10トンの負荷を30秒間掛けた。その後、フィルムをアルミニウム・ブロック間で冷却し、色と透明度とを検査した。これによって、プレス・サイクル中、180°Cの実用温度でおおむね発煙または不快臭のない、かなり透明なフィルムが得られた。
【0126】
例14
以下は、PHBH抽出の例である。
(Kichiseら(1999年)、『Intl. J. Biol. Macromol.』25:69-77)に記載された通りに調製された遺伝子組み換えラルストニア菌株と、ネイラーによって米国特許第5,871,980号に記載された、炭素源として果糖およびラウリン酸を使用する発酵工程とを用いて、分子ベースで組成の5-7%がヒドロキシヘキサン酸塩であるポリ3−ヒドロキシ酪酸塩-コ-3−ヒドロキシヘキサン酸塩(PHBH)を乾燥バイオマス・ベースで約65%を含む、トルエン資化性細菌の湿潤細胞ペースト(水中重量ベースで27%がバイオマス固体)(Kichiseら(1999年)、『Intl. J. Biol. Macromol.』25:69-77)を調製した。溶媒中5%(重量/重量)PHBH溶液を目標として、このバイオマスを適量のMIBKに加えた。溶液を、単一溝穴付きローター・ステーター・コンビネーション搭載の手持ち式均質化装置(ビトリス、ニューヨーク州ガージナー)を用いて30,000rpmで5分間均質化し、その後、オーバーヘッド攪拌機(Ika(登録商標)-werke・ユーロスター電気式粘度調整オーバーヘッド攪拌機、イカ・ワークInc.、ノースカロライナ州ウィルミントン)を用いて30分間撹拌した。溶媒接触手順中、温度を80±5°Cに管理した。その結果生じたバイオマス/溶媒混合物を、Sorvall RC 5Bプラス遠心分離機(ケンドロ・ラボラトリー・プロダクツ、コネチカット州ニュータウン)を用いた遠心分離によって分離した。その後、バイオマス・ペースト/シクロヘキサノン混合物を3000gで5分間遠心分離して、残渣バイオマス・ペースト・ペレットからのデカンテーションによって上澄み(ポリマー混和シクロヘキサノン溶液)を分離した。
【0127】
上澄みをビーカーに入れ、オーバーヘッド攪拌機(Ika(登録商標)-werke・ユーロスター電気式粘度調整オーバーヘッド攪拌機、イカ・ワークInc.、ノースカロライナ州ウィルミントン)で激しく混合しながら、5分間にわたってゆっくりと上澄み溶液に同量のヘプタンを加えてポリマーを沈殿させた。化学物質蒸気フード中で1晩乾燥させた後、白色結晶性ポリマー粉末を回収した。
【0128】
例15
以下は、PHBX抽出の例である。
マツサカイら(1999年、『生体高分子』1:17-22)によって説明される通りに、分子ベースで組成の92%が3−ヒドロキシ酪酸塩、1%が3−ヒドロキシオクタン酸、3%が3−ヒドロキシデカン酸塩、3%が3−ヒドロキシドデカン酸塩で1%が3−ヒドロキシドデセン酸塩である、ポリ3−ヒドロキシ酪酸塩-コ-3−ヒドロキシオクタン酸-コ-3−ヒドロキシデカン酸塩-コ-3−ヒドロキシドデカン酸塩-コ-3−ヒドロキシドデセン酸塩(PHBX)を乾燥バイオマス・ベースで約50%含む、遺伝子組み換えシュードモナス属細菌の湿潤細胞ペーストを調製し、ブドウ糖上で培養した。溶媒中5%(重量/重量)PHBX溶液を目標として、このバイオマスを適量のMIBKに加えた。溶液を、単一溝穴付きローター・ステーター・コンビネーション搭載の手持ち式均質化装置(ビトリス、ニューヨーク州ガージナー)を用いて30,000rpmで5分間均質化し、その後、オーバーヘッド攪拌機(Ika(登録商標)-werke・ユーロスター電気式粘度調整オーバーヘッド攪拌機、イカ・ワークInc.、ノースカロライナ州ウィルミントン)を用いて30分間撹拌した。溶媒接触手順中、温度を80±5°Cに管理した。その結果生じたバイオマス/溶媒混合物を、Sorvall RC 5Bプラス遠心分離機(ケンドロ・ラボラトリー・プロダクツ、コネチカット州ニュータウン)を用いた遠心分離によって分離した。その後、バイオマス・ペースト/シクロヘキサノン混合物を3000gで5分間遠心分離して、残渣バイオマス・ペースト・ペレットからのデカンテーションによって上澄み(ポリマー混和シクロヘキサノン溶液)を分離した。
上澄みをビーカーに入れ、オーバーヘッド攪拌機(Ika(登録商標)-werke・ユーロスター電気式粘度調整オーバーヘッド攪拌機、イカ・ワークInc.、ノースカロライナ州ウィルミントン)で激しく混合しながら、5分間にわたってゆっくりと上澄み溶液に同量のヘプタンを加えてポリマーを沈殿させた。化学物質蒸気フード中で1晩乾燥させた後、白色結晶性ポリマー粉末を回収した。
【0129】
その他の実施例については、請求項に記載する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーを含むバイオマスから前記ポリマーを分離するための方法であって、
残渣バイオマスと、前記ポリマー、前記ポリマー用溶媒およびポリマー用沈殿剤を含む溶液とを提供するように、前記バイオマスを、ポリマー用溶媒および前記ポリマー用沈殿剤を含む溶媒系に接触させること、
前記残渣バイオマスから溶液の少なくとも一部を分離するように、前記溶液および残渣バイオマスに対して遠心力を加えること、
を含む方法。
【請求項2】
前記ポリマー用溶媒は、1リットルあたり約0.95キログラム未満の密度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポリマー用溶媒は、非ハロゲン化物である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ポリマー用溶媒は、約1パーセント未満の水に対する溶解性を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ポリマー用溶媒は、実質的には加水分解不能である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリマー用溶媒は、100℃の水に対して、約1.5以上の対数K値を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記溶媒は、100℃より高い沸点を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリマー用溶媒は、ケトン類、エステル類およびアルコール類からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ポリマー用溶媒は、MIBK、酢酸ブチル、シクロヘキサノンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ポリマー用沈殿剤は、室温でポリマーの約0.2%未満を溶解する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ポリマー用溶媒およびポリマー用沈殿剤は、前記ポリマー用溶媒とポリマー用沈殿剤との等モル泡立ち点において、少なくとも約2以上の相対揮発度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ポリマー用溶媒およびポリマー用沈殿剤は、共沸混合物を形成しない、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記沈殿剤が少なくとも1種類のアルカンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記溶液は、最大で約25容量%の前記ポリマー用沈殿剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記溶液は、少なくとも約2パーセントのポリマー濃度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記溶液は、最大で約100センチポアズの粘度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記ポリマーを含む前記バイオマスは、微生物起源であり、少なくとも約50重量パーセントのポリマー含有率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記ポリマーを含む前記バイオマスは、植物起源であり、約50重量パーセント未満のポリマー含有率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記ポリマーを含む前記バイオマスは、前記ポリマーを含有する細胞を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
さらに、前記溶液から前記ポリマーの少なくとも一部を除去することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
さらに、除去されたポリマーを押し出し成形して、ポリマーを乾燥ペレット化することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記溶液からの前記ポリマー除去において、前記溶液を熱水にさらすことを含まない、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記溶液からのポリマー除去において、前記溶液に第2のポリマー用沈殿剤を加えることを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
第1および第2のポリマー用沈殿剤は、同一のものである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
さらに、前記溶液から前記ポリマーを少なくとも一部を除去する前に、前記溶液の一部を蒸発させることを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
さらに、前記溶液に前記遠心力を加えた後で、第2のポリマー用沈殿剤を一定量加えて
前記溶液からポリマーの少なくとも一部を除去することを含み、
前記第2の沈殿剤の一定量は、溶媒系の容量と対して約2倍未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記ポリマーはPHAを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
ポリマーを含むバイオマスから前記ポリマーを分離するための方法であって、
残渣バイオマスと、前記ポリマーおよび前記溶媒系を含む溶液とを提供するように、バイオマスを溶媒系に接触させること、
前記溶液にポリマー用沈殿剤を加えること、
前記ポリマー用沈殿剤を加えた後、前記残渣バイオマスから前記溶液の少なくとも一部を分離すること、
を含む方法。
【請求項29】
前記溶媒系は、1リットルあたり約0.95キログラム未満の密度を有するポリマー用溶媒を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記溶媒系は、前記ポリマー用非ハロゲン化溶媒を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記溶媒系は、少なくとも約1パーセント未満の水に対する溶解性を有する前記ポリマー用溶媒を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記溶媒系は、実質的に加水分解不能な前記ポリマー用溶媒を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記溶媒系は、100℃の水と対して少なくとも約1.5の対数K値を有する前記ポリマー用溶媒を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
前記溶媒系は、100℃より高い沸点を有する前記ポリマー用溶媒を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項35】
前記溶媒系は、ケトン類、エステル類およびアルコール類からなる群から選択される少なくとも1種類の溶媒を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項36】
前記溶媒系は、MIBK、酢酸ブチル、シクロヘキサノンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種類の溶媒を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項37】
前記溶媒系は、室温でポリマーの約00.2%未満を溶解する前記ポリマー用沈殿剤を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項38】
前記溶媒系は、前記ポリマー用溶媒および前記ポリマー用沈殿剤を含み、かつ、前記ポリマー用溶媒および前記ポリマー用沈殿剤は、前記ポリマー用溶媒と前記ポリマー用沈殿剤との等モル泡立ち点において少なくとも約2の相対揮発度を有する、請求項28に記載の方法。
【請求項39】
前記溶媒系は、前記ポリマー用溶媒および前記ポリマー用沈殿剤を含み、かつ、前記ポリマー用溶媒および前記ポリマー用沈殿剤は共沸混合物を形成しない、請求項28に記載の方法。
【請求項40】
前記溶媒系は、アルカンを含む前記ポリマー用沈殿剤を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項41】
前記溶液は、少なくとも約2パーセントのポリマー濃度を有する、請求項28に記載の方法。
【請求項42】
前記溶液は、最大で約100センチポアズの粘度を有する、請求項28に記載の方法。
【請求項43】
前記ポリマーを含む前記バイオマスは、微生物起源であり、少なくとも約50重量パーセントのポリマー含有率を有する、請求項28に記載の方法。
【請求項44】
前記ポリマーを含む前記バイオマスは、植物起源であり、約50重量パーセント未満のポリマー含有率を有する、請求項28に記載の方法。
【請求項45】
前記ポリマーを含む前記バイオマスは、前記ポリマーを含有する細胞を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項46】
前記溶液から前記ポリマーの少なくとも一部を除去することをさらに含み、前記ポリマー除去において、前記溶液を熱水にさらすことを含まない、請求項28に記載の方法。
【請求項47】
前記残渣バイオマスから前記溶液の少なくとも一部を分離するは、前記溶液および前記残渣バイオマスに対して遠心力を加えることを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項48】
前記溶媒系から前記ポリマーの少なくとも一部を除去するために、前記ポリマー用沈殿剤を加える前に、前記溶液の一部を蒸発させたことをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項49】
分離後、前記溶液から前記ポリマーの少なくとも一部を除去するため、第2のポリマー用沈殿剤を一定量を加えることをさらに含み、
前記第2の沈殿剤の前記一定量は、溶媒系の容量と対して約2倍未満である、請求項28に記載の方法。
【請求項50】
前記溶液から前記ポリマーの少なくとも一部を除去すること、
除去されたポリマーを押し出し成形してポリマーを乾燥ペレット化すること、
をさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項51】
前記ポリマーは、PHAを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項52】
ポリマーを含むバイオマスから前記ポリマーを分離するための方法であって、
前記バイオマスを溶媒系に接触させて、残渣バイオマスと、前記ポリマーおよび前記溶媒系を含む溶液とを提供すること(前記溶液は、少なくとも約2パーセントのポリマー濃度と最大で約100センチポアズの粘度とを有する)、
前記残渣バイオマスから前記溶液の少なくとも一部を分離すること、
を含む方法。
【請求項53】
前記溶媒系が、1リットルあたり約0.95キログラム未満の密度を有する前記ポリマー用溶媒を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記溶媒系は、前記ポリマー用非ハロゲン化溶媒を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記溶媒系は、約1パーセント未満の水に対する溶解性を有する前記ポリマー用溶媒を含む、請求項52の方法。
【請求項56】
前記溶媒系は、実質的に加水分解不能な前記ポリマー用溶媒を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項57】
前記溶媒系は、100℃の水に対して少なくとも約1.5の対数K値を有する前記ポリマー用溶媒を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項58】
前記溶媒系は、100℃より高い沸点を有する前記ポリマー用溶媒を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項59】
前記溶媒系は、ケトン類、エステル類およびアルコール類からなる群から選択される少なくとも1種類の溶媒を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項60】
前記溶媒系は、MIBK、酢酸ブチル、シクロヘキサノンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種類の溶媒を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項61】
前記溶媒系は、室温で前記ポリマーの約0.2%未満を溶解する前記ポリマー用沈殿剤を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項62】
前記溶媒系は、前記ポリマー溶媒および前記ポリマー沈殿剤を含み、かつ、前記ポリマー用溶媒および前記ポリマー用沈殿剤は、前記ポリマー用溶媒と前記ポリマー用沈殿剤との等モル泡立ち点において少なくとも約2の相対揮発度を有する、請求項52に記載の方法。
【請求項63】
前記溶媒系は、前記ポリマー用溶媒および前記ポリマー用沈殿剤を含み、かつ、前記ポリマー用溶媒および前記ポリマー用沈殿剤は、共沸混合物を形成しない、請求項52に記載の方法。
【請求項64】
前記溶媒系は、アルカンを含む前記ポリマー用沈殿剤を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項65】
前記ポリマーを含む前記バイオマスは、微生物起源であり、少なくとも約50重量パーセントのポリマー含有率を有する、請求項52に記載の方法。
【請求項66】
前記ポリマーを含む前記バイオマスは、植物起源であり、約50重量パーセント未満のポリマー含有率を有する、請求項52に記載の方法。
【請求項67】
前記ポリマーを含む前記バイオマスは、ポリマーを含有する細胞を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項68】
前記溶液から前記ポリマーの少なくとも一部を除去することをさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項69】
除去されたポリマーを押し出し成形してポリマーを乾燥ペレット化することをさらに含む、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記溶液からの前記ポリマー除去は、前記溶液を熱水にさらすことを含まない、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記溶液からの前記ポリマー除去は、前記溶液に前記ポリマー沈殿剤を加えることを含む、請求項68に記載の方法。
【請求項72】
さらに、前記溶液から前記ポリマーの少なくとも一部を除去する前に、前記溶液の一部を蒸発させることをさらに含む、請求項68に記載の方法。
【請求項73】
前記残渣バイオマスから前記溶液の少なくとも一部を分離することは、前記溶液および前記残渣バイオマスに対して遠心力を加えることを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項74】
前記ポリマーは、PHAを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項75】
ポリマーおよびバイオマス不純物を含むバイオマスからポリマーを分離するための方法であって、
前記バイオマスを少なくとも1種類のアルカンに接触させて、前記ポリマーおよびバイオマス不純物を含むバイオマスから前記バイオマス不純物の少なくとも一部を除去し、それによって、前記ポリマーを含む精製バイオマスを提供すること、
前記精製バイオマスを溶媒系に接触させて、残渣バイオマスと、ポリマーおよびポリマー用溶媒を含む溶液とを提供すること、
を含む方法。
【請求項76】
前記残渣バイオマスから前記溶液の少なくとも一部を分離すること、溶媒系からポリマーの少なくとも一部を除去するように、前記溶液に前記ポリマー用沈殿剤を加えること、をさらに含む、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記溶媒系は、1リットルあたり約0.95キログラム未満の密度を有する前記ポリマー用溶媒を含む、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
前記溶媒系は、前記ポリマー用非ハロゲン化溶媒を含む、請求項75に記載の方法。
【請求項79】
前記溶媒系は、約1パーセント未満の水に対する溶解性を有する前記ポリマー用溶媒を含む、請求項75に記載の方法。
【請求項80】
前記溶媒系は、実質的に加水分解不能な前記ポリマー用溶媒を含む、請求項75に記載の方法。
【請求項81】
前記溶媒系は、100℃の水に対して少なくとも約1.5の対数K値を有する前記ポリマー用溶媒を含む、請求項75に記載の方法。
【請求項82】
前記溶媒系は、100℃より高い沸点を持つ前記ポリマー用溶媒を含む、請求項75に記載の方法。
【請求項83】
前記溶媒系は、ケトン類、エステル類およびアルコール類からなる群から選択される少なくとも1種類の溶媒を含む、請求項75に記載の方法。
【請求項84】
前記溶媒系は、MIBK、酢酸ブチル、シクロヘキサノンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種類の溶媒を含む、請求項75に記載の方法。
【請求項85】
前記溶媒系は、室温でポリマーの約0.2%未満を溶解する前記ポリマー用沈殿剤を含む、請求項75に記載の方法。
【請求項86】
前記溶媒系は、前記ポリマー用溶媒および前記ポリマー用沈殿剤を含み、かつ、前記ポリマー用溶媒および前記ポリマー用沈殿剤は、前記ポリマー用溶媒と前記ポリマー沈殿剤との等モル泡立ち点において少なくとも約2の相対揮発度を有する、請求項75に記載の方法。
【請求項87】
前記溶媒系は、前記ポリマー用溶媒および前記ポリマー用沈殿剤を含み、かつ、前記ポリマー用溶媒および前記ポリマー用沈殿剤は、共沸混合物を形成しない、請求項75に記載の方法。
【請求項88】
前記アルカンは、ヘキサン、ヘプタンまたはイソアルカンである、請求項75に記載の方法。
【請求項89】
前記溶液は、少なくとも約2パーセントのポリマー濃度を有する、請求項75に記載の方法。
【請求項90】
前記溶液は、最大で約100センチポアズの粘度を有する、請求項75に記載の方法。
【請求項91】
前記ポリマーを含む前記バイオマスは、微生物起源であり、少なくとも約50重量パーセントのポリマー含有率を有する、請求項75に記載の方法。
【請求項92】
前記ポリマーを含む前記バイオマスは、植物起源であり、約50重量パーセント未満のポリマー含有率を有する、請求項75に記載の方法。
【請求項93】
前記ポリマーを含む前記バイオマスは、ポリマーを含有する細胞を含む、請求項75に記載の方法。
【請求項94】
前記溶液から前記ポリマーの少なくとも一部を除去することは、ポリマー除去において、前記溶液を熱水にさらすことを含まない、請求項75に記載の方法。
【請求項95】
前記残渣バイオマスから前記溶液の少なくとも一部を分離することは、前記溶液および前記残渣バイオマスに対して遠心力を加えることを含む、請求項75に記載の方法。
【請求項96】
前記溶媒系から前記溶液の少なくとも一部を除去するため、前記溶液に前記ポリマー用沈殿剤を加える前に、前記溶液の一部を蒸発させることをさらに含む、請求項75に記載の方法。
【請求項97】
前記溶液から前記ポリマーの少なくとも一部を除去すること、
除去されたポリマーを押し出し成形してポリマーを乾燥ペレット化すること、
をさらに含む、請求項75に記載の方法。
【請求項98】
前記ポリマーは、PHAを含む、請求項75に記載の方法。
【請求項99】
ポリマーを含むバイオマスからポリマーを分離するための方法であって、
バイオマスを逆流フロー条件下で溶媒系に接触させることを含む方法。
【請求項100】
PHA相および残渣バイオマス相を形成することをさらに含み、
PHA相に存在する溶媒系の容量の、バイオマスに接触した溶媒系の容量に対する比が少なくとも約0.8である、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
PHA相および残渣バイオマス相を形成することをさらに含み、
残渣バイオマス相に存在する溶媒系の容量の、バイオマスに接触した溶媒系の容量に対する比が最大で約0.2である、請求項99に記載の方法。
【請求項102】
前記方法は、1段階の方法である、請求項99に記載の方法。
【請求項103】
前記方法は、複数段階の方法である、請求項99に記載の方法。
【請求項104】
逆流フロー条件は、少なくとも約65psiの圧力を含む、請求項99に記載の方法。
【請求項105】
ポリマーを含むバイオマスからポリマーを分離するための方法であって、
PHA相および残渣バイオマス相を形成する1段階工程を用いて、前記バイオマスを溶媒系に接触させることを含み、
PHA相に存在する溶媒系の容量の、バイオマスに接触した溶媒系の容量に対する比が少なくとも約0.8である、方法。
【請求項106】
前記残渣バイオマス相に存在する溶媒系の容量の、バイオマスに接触した溶媒系の容量に対する比が最大で約0.2である、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
ポリマーを含むバイオマスからポリマーを分離するための方法であって、
PHA相および残渣バイオマス相を形成する1段階工程を用いて、バイオマスを溶媒系に接触させることを含み、
前記残渣バイオマス相に存在する溶媒系の容量の、バイオマスに接触した溶媒系の容量に対する比が最大で約0.2である、方法。
【請求項108】
前記溶媒系は、逆流フロー条件下でバイオマスに接触する、請求項1に記載の方法。
【請求項109】
前記方法は、1段階の方法である、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記方法は、複数段階の方法である、請求項108に記載の方法。
【請求項111】
逆流フロー条件は、少なくとも約65psigの圧力を含む、請求項108に記載の方法。
【請求項112】
前記溶媒系は、逆流フロー条件下で前記バイオマスに接触する、請求項28に記載の方法。
【請求項113】
前記方法は、1段階の方法である、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
前記方法は、複数段階の方法である、請求項112に記載の方法。
【請求項115】
逆流フロー条件は、少なくとも約65psigの圧力を含む、請求項112に記載の方法。
【請求項116】
前記溶媒系は、逆流フロー条件下で前記バイオマスに接触する、請求項52に記載の方法。
【請求項117】
前記方法は、1段階の方法である、請求項116に記載の方法。
【請求項118】
前記方法は、複数段階の方法である、請求項116に記載の方法。
【請求項119】
逆流フロー条件は、少なくとも約65psigの圧力を含む、請求項116に記載の方法。
【請求項120】
少なくとも1種類のアルカンは、逆流フロー条件下で前記バイオマスに接触する、請求項75に記載の方法。
【請求項121】
前記方法は、1段階の方法である、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
前記方法は、複数段階の方法である、請求項120に記載の方法。
【請求項123】
逆流フロー条件は、少なくとも約65psigの圧力を含む、請求項120に記載の方法。
【請求項124】
少なくとも1種類のアルカンは、逆流フロー条件下で前記バイオマスに接触する、請求項99に記載の方法。
【請求項125】
前記方法は、1段階の方法である、請求項124に記載の方法。
【請求項126】
前記方法は、複数段階の方法である、請求項124に記載の方法。
【請求項127】
逆流フロー条件は、少なくとも約65psigの圧力を含む、請求項124に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−161328(P2012−161328A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−92927(P2012−92927)
【出願日】平成24年4月16日(2012.4.16)
【分割の表示】特願2009−282063(P2009−282063)の分割
【原出願日】平成15年7月23日(2003.7.23)
【出願人】(505045469)メタボリックス インコーポレイティッド (7)
【Fターム(参考)】