説明

ポリマー溶融物から中空体を直接的におよび連続的に製造する方法

【解決手段】 本発明は、高度に縮合されたポリエステル溶融物から成形体を製造する方法および装置において、溶融物を重縮合反応器と賦形装置の間で決して硬化させず、かつ、最終反応器と賦形装置との間に脱気装置を存在させないことを特徴とする、上記方法および装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高縮合ポリエステル溶融物から成形体を直接的に製造する連続法に関する。
【0002】
以下で、成形体の代わりに中空体と称する。しかしながら本発明は上述の中空体に匹敵し得る要求を満足しなければならないシートおよびフィルムの製造にも使用可能である。
【背景技術】
【0003】
中空体製造のための出発原料として使用される、既知の芳香族ポリエステルまたはコポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート、およびそれとわずかな割合の例えばイソフタル酸またはシクロヘキサンジメタノール、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよびそれらのコポリエステルとのそのコポリマーは、溶融重縮合後に、例えばポリエチレンテレフタレートおよびその相応する低変性コポリエステルで0.65〜0.90dl/gの範囲にある一定の固有粘度(I.V.)において射出成形装置で中空体に加工される。
【0004】
食品の包装、特にボトルとして利用するためのPETを製造するための従来の標準的方法は次の通りである:
テレフタル酸またはそれのエステルは、1個またはまたそれ以上の連結された反応器よりなるエステル化段階においてエチレングリコールとエステル化されるかまたはエステル交換される。
【0005】
このエステルは、さらなる温度上昇および圧低下の下で、溶融物状態にてIV=0.55〜0.65dl/gの平均粘度のPETに重縮合し、そしてその生成物を冷却しそして顆粒化する。この重縮合は通常、いわゆる初期縮合反応器および後続の最終反応器で少なくとも2段階で実施される(これら反応器を以下で一般に縮合反応器とも称する)。更に多い数の連続して配置された縮合反応器も、装置能力およびその他の条件次第で可能である。
【0006】
最終反応器から流出する溶融物は顆粒化されそしてこのPET顆粒は、次いで固相重縮合(いわゆる固体重縮合、SSP)のための反応器中で不活性ガス下で180〜230℃の温度で0.75〜0.85dl/gの平均粘度にされる。この顆粒は通常、最終生成物と呼ばれそして販売される。この顆粒の加工業者は主として賦形装置を利用する中空体の製造業者である。当業者には種々のタイプの賦形装置、例えば射出成形およびブロー成形装置が知られている。射出成形方法に従って加工する予備成形機においては、予備成形物、すなわちプレフォーム(Preform)がしばしば製造され、それらから再度、別の段階で別の加工業者のもとで、一般に他の場所でポリエステルボトルがブロー成形法で製造される。例えばシートおよびフィルム製造装置においてポリエステル顆粒を賦形することも、ここに紹介する本発明の方法を用いて可能である。
【0007】
SSPは主として以下の2つの理由から利用される。すなわち、完成したボトルに十分な機械的安定性を得るためには、粘度を繊維用途のポリエステルの慣例の水準より上に上げなければならない。さらに、完成したPETボトル中の包装品の風味への悪影響を可な限り小さくするために、最終反応器から流出するポリマー溶融物中のアセトアルデヒド含有量を、固相重縮合の終了後に約30〜70ppmから<1ppmまで低下させなければならない。
【0008】
アセトアルデヒド(AA)はPET製造の際に通例のおよび不可避の副生成物として生じる。中でも風味に関する理由から、完成したボトルのAA含有量は相当して少なく保たれなければならない。それの割合は、重縮合および続いての固相重縮合の工学的条件によりある程度まで制御可能である。ポリマー溶融物の前処理(“熱履歴”)、固相重縮合および予備成形機の稼働の条件に依存して、顆粒の溶融段階の間に再びアセトアルデヒドが生じる。ブロー成形装置でのボトル製造の間に、アセトアルデヒド濃度は境界値程度に変化する。
【0009】
甘味飲料の充填のための完成ボトルでは、AA値は8ppmをそして水を充填する場合には4ppmを超えてはならない。
【0010】
SSPの実施は相当の装置費用を必要とする。すなわち、SSPを実施し得る以前には、続く固相重縮合において付着し会うのを避けるために、非晶質のチップを費用のかかる結晶化段階で結晶化させなければならない。双方の段階において、工程に再度戻すことができるように使用後に追加的に精製しなければならない相当量の不活性ガスを必要とする。
【0011】
このところポリエステルボトルの需要も著しく増加しているため、予備成形物を製造するための装置は、今や、予備成形物製造の用意のために専ら独自のポリエステル合成装置を使用することが経済上意義があると思われる程にまで達している。この場合、完成ポリエステル溶融物を直接に予備成形機に導く可能性すら存在する。
【0012】
それ故に、重縮合溶融物から直接に繊維を製造するのと同様に、SSPにおいて非常に費用と時間の掛かる段階を回避する試みが尽くされて来た。
【0013】
例えば特許文献1には、重縮合反応器から流出する溶融物をスタテックミキサー要素を装備した区間において不活性ガスおよびAA還元性で難揮発性のアミド化合物と混合しそしてできるだけ短時間の真空脱気およびできるだけ僅かな剪断のもとでこの溶融物を予備成形物の製造のための賦形装置に供給する方法が記述される。
【0014】
特許文献2では、IV=0.5〜0.75dl/gの重縮合溶融物に不活性ガスを添加し、後縮合反応器中で真空下に0.75〜0.95dl/gの粘度まで重縮合し、そしてその後で溶融物を即座に射出成形装置に導いている。
【0015】
特許文献3はSSPの回避のための他の可能性を挙げている。そこでは、溶融重縮合を0.65〜0.85dl/gの粘度まで実施し、そのポリエステルを冷却しかつ顆粒化し、再度溶融しそしてその後に大きな表面の形成下に適当な装置中でAAのような揮発性物質を適切な洗浄剤で洗浄することによって除去している。
【0016】
特許文献4には、重縮合溶融物を、ポリマー圧縮領域をもつ脱気式押出成形機に移送し、同時に適当な洗浄剤を供給排出し、そしてこうして処理した溶融物を賦形装置に直接に移送する方法が提案されている。
【0017】
特許文献5は、混合区域および分配機を経て射出成形装置中に重縮合溶融物を送る装置態様に関するものであるが、この方法についての詳細に言及されていない。
【0018】
特許文献6は、重縮合溶融物を賦形装置に直接移送する方法を開示している。この方法は、重縮合のための触媒がコバルトを含まず、アセトアルデヒド還元性化合物が添加され、そして溶融物を賦形装置への供給前に25mmHgの上方でほぼ常圧までの圧力で脱気し、その際に脱気装置は例えば脱気式押出成形機または他の適切な慣習的装置で構成されていてもよい。AA還元性物質としては、主としてポリアミド、ポリエステルアミドおよびポリエチレンイソフタレートが挙げられる。
【0019】
特許文献7は、重縮合溶融物からの低いAA含有量の成形されたポリエステル物品の製造のための、ポリエステルの硬化を伴わない装置および連続的方法を説明している。その際に、重縮合溶融物を押出成形機中で加圧下に不活性ガスと混合し、この溶融物を真空下に脱気し、そして、その後即座に射出成形装置に供給するために混合領域でAA還元性の化合物と反応させている。AA還元性の化合物としては、原則として、前に引用さられた米国特許出願にて挙げられた化合物が挙げられる。
【0020】
特許文献8に類似の方法が記述されている。重縮合溶融物はそこでスタテックミキサー、ギアポンプまたは押出成形機で構成され得る混合装置に供給される。その中には窒素または二酸化炭素のようなストリッピング剤およびポリアミドまたはポリエステルアミドのようなAA還元剤が供給される。溶融物を混合装置から1つまたは複数のノズルを介して急速蒸発器に送る。そこにおいてそれを5〜50mmHgの減圧下に脱気しそして賦形装置に供給し、その際に再度AA還元剤を添加してもよい。
【0021】
2003年2月25/26日の講演で、Inventa−Fischerは、重縮合溶融物から直接的に予備成形物を製造する別の方法を紹介した。それによると、高粘度反応器を一列に据付け、PETプレポリマーを生産し、そして0.85dl/gより上に粘度を上昇させている。その後、AA還元剤および場合によっては他の添加物を溶融物に供給し、そしてその混合物はミキサーを介して射出成形装置中に搬送される。
【0022】
特許文献9では、最終反応器後に重縮合溶融物の一部分を分割し、そしてこの部分流に、二軸スクリュウー式押出成形機中でポリカルボン酸と多価アミンとのアミドのようなAA還元剤、ならびに例えばトリエチルホスフェートのようなポリエステル安定剤を添加する方法が提案されている。同じ押出成形機中で、気体状の反応生成物が脱気用管により除去される。この部分流は引き続いて再び主流と一緒にされる。この方法は、費用のかかる脱気式押出成形機を重縮合溶融物の部分流のためだけに設置すればよく且つ相応して安上がりであるという利点を有する。しかしながら脱気が原則的に依然として必要とされている。
【0023】
SSPの利用をもはや必要としない、別の可能なAA還元剤として、特許文献10に、少なくとも2つの水素が置換された、炭素に結合したヘテロ原子を有しそしてポリエステル中のAAとの反応の際に、ブリッジのない5員環または6員環中に少なくとも2つの ヘテロ原子を有する有機化合物が生じる化合物が提案されている。この可能な化合物群としてはアントラニルアミドが挙げられる。この添加物は懸濁物として、例えば、ポリエステル顆粒の上に散布し、ポリエステル顆粒にマスターバッチ顆粒の状態でまたは顆粒の溶融後に溶融物に混入することができる。
【0024】
従って、上述の方法は、溶融物脱気のための高価なキャリアーガスおよび追加の脱気装置を使用する必要があり、従って多大でかつ同時に高価な装置費用をかけなければならず、そして最後には、アセトアルデヒド・スカベンジャーの添加の時点に依存して、再度のAAの発生をいずれの場合にも防止できないという欠点を有する。
【特許文献1】独国特許第 195 03 053号明細書
【特許文献2】独国特許第 195 05 680号明細書
【特許文献3】欧州特許第 0 842 210号明細書
【特許文献4】欧州特許第 0 842 211号明細書
【特許文献5】欧州特許第 0 836 548号明細書
【特許文献6】米国特許第 6,099,778号明細書
【特許文献7】国際特許出願第 98/41381号明細書
【特許文献8】欧州特許第 0 968 243号明細書
【特許文献9】独国特許第 100 45 719号明細書
【特許文献10】米国特許第6,274,212号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
それ故に本発明は、装置的に簡素化され、添加化学物質の費用を可能な限り少なくしそしてその際に同時に中空体、特に食品充填のための容器、および特に飲料用ボトルのためのポリエステルについての特に高い品質要求、例えば粘度、色およびアセトアルデヒドへの要求を失わず、それどころか改良さえし得る、芳香族ポリエステルおよびそのコポリマーよりなる中空体を連続的に且つ直接的に製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
驚くべきことに本発明者は、この課題が、高度に縮合されたポリエステル溶融物から成形体を製造する方法において、溶融物を重縮合反応器と賦形装置の間で決して硬化させず、かつ、最終反応器と賦形装置との間に脱気装置を存在させないことを特徴とする、上記方法によって解決されることを見出した。
【0027】
かゝる方法は、顆粒化装置、結晶化およびガス処理装置ならびに多大なガス費用を伴う追加的なSSP段階も、費用のかかる脱気式押出成形装置の設計、製造および保守も必要としないという利点を有する。従来技術には、このような方法は知られていない。
【0028】
本発明の方法は、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタリンジカルボン酸および/または4,4−ビスフェニルジカルボン酸のような1種類以上のジカルボン酸またはそれらのメチルエステルとエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコールおよび/またはジエチレングリコールのような1種類以上のジオールとから得られる芳香族ポリエステルまたはコポリエステルよりなる高粘度溶融物からの成形体を製造するのに適する。
【0029】
これらの出発化合物は、それ自身既知の方法で、既知の触媒の利用下での連続的なエステル化またはエステル交換法に従い、次いで、真空下に、改良された重縮合反応器中で溶融重縮合して高粘度ポリエステル溶融物に加工できる。ポリエチレンテレフタレート−ホモポリマーまたは10質量%未満のコモノマー含有量のそのコポリマーを用いるのが有利である。
【0030】
ポリマー溶融物は、最終反応器から、それの分配のため、定義された配管系を経由して賦形装置中に直接的に導かれる。好ましくは、溶融物は、最終反応器から流し出す際に0.74〜0.85dl/gの間の固有粘度(I.V.)を有する。保守または故障のために1つ以上の賦形装置を短時間停止した際に最終反応器の生産能力は、変化した減少量に即座に適応することができないので、本発明の方法の好ましい一つの実施形態においては、生成物制御弁を経て溶融物流の50%まで、好ましくは20%まで、特に好ましくは最大10%をエステル化段階に戻す。溶融物のこの部分の放出は通常、溶融物を最終反応器から運搬する生成物用ポンプの後で行う。エステル化段階への経路上で、高粘度溶融物は必要な場合には最大10%のエチレングリコールの添加によりグリコール分解しそしてより低い粘性の溶融物をエステル化段階に再び供給する。
【0031】
あるいは、主溶融物流の一部分は顆粒化装置に供給してもよい。こうして製造されるポリエステル顆粒は、例えば製造者自身によって予備成形機で予備成形物の生産のために加工してもまたは販売してもよい。こうして製造された顆粒をボトル製造用の予備成形物に加工する前に、結晶化が僅かだけのチップが付着し合うのを防止するために、調整乾燥だけを行わなければならない。
【0032】
溶融物の一部のたった今述べた放出は、最終反応器の実際の生産効率に無関係に賦形装置のための供給圧の調節もまた可能にする。これにより、特に、賦形装置による溶融物減少量の変動を賦形装置によって相殺することができる。
【0033】
溶融物用導管中の圧の制御は賦形装置の直前で行いそしてその圧力は、溶融物流放出量の調節により1〜20barの間、好ましくは10±1barの間で調節する。
【0034】
本発明において、最終反応器と賦形装置との間の経路上の溶融物流を主溶融物流と称する。放出後にエステル化および/または顆粒化装置に供給される溶融物流は主溶融物流に属しない。
【0035】
最終反応器として、例えば、欧州特許第0320586号明細書に記述されるもののような高い固有粘度を生成するための重縮合反応器を使用することができる。特に、例えば米国特許第3,617,225号明細書に記述されるいわゆる二重駆動式反応器(製造元:Zimmer AG)もまた最終反応器として適する。このものは、貫通軸の代わりに、攪拌要素を有した分割軸を有している。2つの半回転軸はときに自身の動力により駆動される。それにより、反応条件、特にポリマー溶融物の粘度に回転数を適応させることが無制限に可能である。
【0036】
装置の柔軟性を高めるため、中間生成物を初期縮合反応器からす少なくとも2つの並列に接続した最終反応器に供給できる。この最終反応器には種々の賦形装置が準備されている。このことは、例えば、最終粘度が本質的に異なる生成物を生産するべき場合に、意義がある。その場合に、両方の最終反応器を異なる工程条件で稼働させることができ、そして、大容量の設備の経済的利点が保持され、しかも十分に得られる。以下の実施形態は、初期縮合反応器にただ1つだけのまたは複数の最終反応器が用意されているかどうかに無関係に、最終反応器の後ろの区分に関する。
【0037】
最終反応器からの溶融物は少なくとも2つの賦形装置に供給するのが有利である。賦形装置への連続的な溶融物流を保証するために、溶融物流の第一の分配の以前に、全部の溶融物搬送系の圧力損失に依存して、必要な場合には最終反応器の放出用ポンプに追加して別の圧力上昇ポンプを設ける。
【0038】
第一の圧力上昇装置と賦形装置の間の溶融物の戻り経路は、配管系の形態および賦形装置までの距離が常に同一でありかつ従って全部の溶融物が可能な限り等しい熱処理に付されるように設計する。これは、溶融物用導管を必要に応じて対称に分けることにより達成される。各導管内部でおよび各分割の前で、溶融物中に外から内部に向かって生じる温度傾斜を再度、スタテックミキサー要素によって均一かするのが有利である。この混合要素は、その際、理想的には、各分岐場所の前で且つ可能な限り近くにあるべきである。このスタテックミキサーの長さは、導管の内径の最大1〜6倍、好ましくは最大1〜3倍である。
【0039】
溶融物導管を最適に対称にするためには、最終反応器からの主溶融物流を合目的的には偶数の賦形装置に供給する。特に好ましくは、賦形装置は4台ずつのセットの形で配置されているのが特に好ましい。これは、主溶融物流の最後の分配が常に1つの賦形装置に直接的に至る4本の導管に行われことを意味する。対称の理由から、先行する溶融物分配は常に2本の導管で実施される。このことから、各最終反応器について4個または8個または16個等の賦形装置を配備することがわかる。溶融物の分配数は、装置の全性能および使用される賦形装置の個別の性能に従う。互いに繋がる分配の数は、有利には1〜4の間にある。
【0040】
予備成形物のアセトアルデヒド含有量を少なく保つためには、賦形装置の入口の前で主溶融物流に、AA−還元作用物質またはAA−還元作用物質混合物を1回または最大2回添加する。これらの物質または物質混合物を、判り易くするために以下では総括して添加物と称する。この添加物は、導管中に交互に設置されるスタテックミキサー、場合によっては冷却されたスタテックミキサー・アセンブリによって、ポリマー溶融物に均質に分配され、次いでポリエステルのビニルエステル基および/または存在するアセトアルデヒドとの反応が開始される。この添加物は、固体、固体混合物として、または添加物スラリーの形態で、すなわち分散助剤中に懸濁した懸濁物として溶融物流に供給される。
【0041】
この添加物は、単独でまたはそれらの全体としてポリマー溶融物のAA含有量を低下させる個別の化合物または化合物の混合物を含有していてもよい。こうした化合物は記述の従来技術から公知である。
【0042】
この添加物は、ポリエステルの鎖開裂反応を可能な限り妨害しかつこの方法でAAの生成を最初から低下させ得る化合物も含有していてもよい。この種の化合物も従来技術において公知である。リン含有化合物を使用するのが有利である。例えば独国特許第196 31 068号明細書(該独国特許明細書に記載された内容をこの明細書に記載したものとする)に記述されているようなカルボキシホスホン酸化合物を使用することもできる。別の適するリン含有安定剤化合物は独国特許第DE 103 37 522号明細書に挙げられている。これら両方の分類の物質を同時に添加することが予備成形物のAA含有量を特に少なくすることも判った。
【0043】
添加物を工程中にスラリーとして導入する場合には、分散助剤として、好ましくは、重縮合反応にも関与する化合物、例えばポリエチレンフタレート法の場合にはエチレングリコールを使用する。この添加物スラリーは、例えば着色剤、UV吸収剤、酸素および二酸化炭素スカベンジャーのような別の所望の物質を含有していてもよい。この添加物は、従来技術で既知の添加物供給装置によってポリエステル溶融物に導入される。適する装置は例えば独国特許第198 41 376号、同第198 51 948号および同第100 49 617号明細書に記述されているが、これらの目的に適する他の装置も使用できる。本発明の効果的な応用のためには、各場合で、最終反応器と賦形装置との間の溶融物の短い滞留時間ならびに溶融物中の添加物の均一な分布が重要であり、その際、特にデッドスペースを避けなければならない。
【0044】
溶融物用導管の第一の添加物供給装置を最終反応器の生成物放出ポンプの後で第一の溶融物分配手段の前に配置することが合目的的である。
【0045】
この場所での添加物の添加で、アセトアルデヒド含有量は予備成形物中に最大25ppm、好ましくは8ppmおよび特に好ましくは4ppm未満に低下される。必要な場合には、賦形装置の直前でのさらなる添加物の添加によりこの濃度を達成できる。それ故に、本発明の好ましい一つの実施形態は、最後の溶融物分配機の後でかつ各賦形装置の前に追加的なの添加物供給装置を有している。従って、主溶融物流に相前後した2箇所の位置で添加物を添加してもよい。それによって添加物の添加される量は、例えば溶融物搬送の間に新たに生じるアセトアルデヒドの量に適合させるという要求に適合させることができる。ここで、追加的に、着色剤、UV安定剤、バリア−性の改良のためのまたは熱安定性等の向上のための添加物を添加してもよい。これらの物質の混入および均一な分配はスタテックミキサー要素によっても賦形装置中の混合区間によっても行われる。これらの装置は、例えば様々な要求のボトルのための予備成形物の製造を可能にする。
【0046】
本発明の方法の別の一つ好ましい態様においては、第一の添加物供給装置によって、安定剤もAA還元性物質も含有していてもよい添加物が添加される。安定剤の添加により、窒素を含有するAA還元性物質の利用によりあるいは生じるポリエステルの変色が少なくされる。その際にカルボキシホスホン酸の群から選択される安定剤を選択するのが特に好ましい。
【0047】
成形体中のAA含有量を効果的に制御し得るために、最後の添加物供給装置と賦形装置の入口との間の溶融物の滞留時間は可能な限り短くしなければならない。平均滞留時間が6分より短く、好ましくは2分より短くなるようにこの区間を構成することが有利であることが判っている。
【0048】
添加されるべき添加物の量は、重縮合反応からのAA基本負荷量、溶融物用導管中の滞留時間および温度、ならびに成形体中の所望の最終濃度に依存する。溶融物用導管中の溶融物の滞留時間が長くなればなるほど、必要とされる添加物の量はますます多くなる。
【0049】
この場合、最終反応器と賦形装置の入口との間の溶融物の平均滞留時間は任意であってはならない。しかしながらそれは最終反応器の容積を増した場合には、溶融物は沢山の数の賦形装置に分配され、このことがより多数の分岐段階ならびに全体的により長い溶融物用導管を必要とするので、増加する容量とともに不可避的により大きくなる。
【0050】
いずれの場合においても、最終反応器と賦形装置の入口との間の溶融物の平均滞留時間が最大30分、好ましくは最大15分、特に好ましくは最大12分である場合が有利である。
【0051】
温度勾配の発生および溶融物の顕著な局所的な分解を避けるために、縁部を移動するポリマー溶融物と中心部の溶融物と反循環混合を抑制する作用をするスタテックミキサーを、交互に配置し使用する。
【0052】
最終反応器と賦形装置との間の溶融物の可能な限り短い滞留時間を到達するために、このスタテックミキサーは可能な限り短く作用する。特に、それの長さは、それが据付けられている導管の内径の最大6倍、好ましくは最大3倍である。
【0053】
現在一般的な予備成形成形機は、溶融物が進入する装置部分が、清掃および保守のため頻繁に、例えば少なくとも1日1回それらの運転位置から保守位置に動かされなければならないように構成されている。これは、予備成形機がポリマー顆粒を供給されそして溶融押出成形機を包含する場合に問題なく可能である。しかしながら本発明の方法においては、賦形装置の固定二重マントル管に高粘度のポリマー溶融物が供給される。最後の添加物供給装置と移動可能な機械との間で適切な接続を確立するために、本発明では、固定の溶融物用導管と移動可能な装置との間の持続的接続部として柔軟性のある導管、例えば柔軟性スイベル継手(Rohrgelenkschere)を使用する。この柔軟性スイベル継手により、最大100cm、好ましくは最大50cmおよび特に好ましくは最大30cmの水平移動が調節される。その際、この管状継手の配置は、垂直の回転軸を有して水平に横たわるかまたは水平の回転軸を有して垂直に配置されて形成されていてもよい。
【0054】
予備成形機への移行に際して一定の圧が利用できる。装置へ一定の溶融物供給を保証するために、1〜20barの間、好ましくは10±1barの圧力に調節する。この圧力調節は本発明によればエステル化段階および/または顆粒化装置に戻す過剰の溶融物の排出量の制御により行われる。圧力測定は予備成形機の直前で行う。好ましい溶融物温度は280〜285℃の間にある。
【0055】
図は、本発明の方法および本発明の装置の一つの実施例を図示している。しかし本発明はこの実施例に限定されない。
【0056】
初期縮合反応器からのプレポリマーが、例えばHSVRまたは二重駆動型の最終反応器1中で所望の粘度に高縮合され、そして放出ポンプ2を用いて放出される。3×3Dのスタテックミキサー要素により搬送後に、溶融物流に第一の添加物供給装置により所望の量の添加物および場合によっては別の物質を添加し、そして続いての15Dスタテックミキサー要素によりその中で均一に分散させる。予備成形機までの溶融物分配における圧力損失量に依存して、圧力上昇のためにブースターポンプ5を使用してもよい。予備成形機の前の供給圧の調節は、圧力センサーPCを用いる測定、および制御された放出ポンプ6を経由する顆粒化装置7への主溶融物流の一部分の放出により行う。類似の方法において、図示してない第二の放出ポンプによって、放出された溶融物の一部分を、同様に図示してないエステル化段階に戻してもよい。主溶融物流は、数個の溶融物分配手段により予備成形機に導かれ、その際、各分配手段の前にスタテックミキサー8がある。最後の分配手段の後に、第二の添加物供給装置A2によって再度、添加物および場合によっては他の物質をポリマー溶融物に添加し、下流の混合区域8中で均質化し、そして、図示していない柔軟性スイベル継手を経て予備成形機に導く。
【0057】
実施例:
本発明を制限するものではない実施例によって本発明を更に詳細に説明する。記載した物性値は以下の通りに測定した:
固有粘度(I.V.)は、フェノールおよび1,2−ジクロルベンゾール(3:2重量部分)からなる100mlの混合物中500mgのポリエステルを溶解した溶液で25℃で測定した。
【0058】
COOH末端基濃度は、o−クレゾールおよびクロロホルム(70:30重量部分)からなる混合物にポリエステルを溶解した溶液について、ブロムチモールブルーを用いて、0.05mエタノール性苛性カリでの光度測定滴定法によって測定した。
【0059】
Lおよびbカラー値の測定はHUNTERに従って行った。ポリエステルチップを最初に乾燥棚で135±5℃で1時間の間結晶化させた。その後でカラー値を、3領域色測定器中で、それぞれ赤、緑および青色フィルタが直列接続された3個の光電セルを用いてポリエステルサンプルの色調を測定することにより測定した(X、YおよびZ値)。すなわち、評価はHUNTERの式に従って行った。その際に
L=10√Y
および
b=_____7.0_____
√Y(Y−0.8467Z)である。
【0060】
アセトアルデヒドは、閉じた容器中で加熱することによりポリエステルから放出させ、そして、容器の気体空間のアセトアルデヒドを、ヘッドスペース注入システム H540、Perkin Elmer;キャリアーガス:窒素;カラム:1.5m特殊鋼;充填剤:Poropack Q、80〜100メッシュ;サンプル量:2g;加熱温度:150℃。加熱時間:90分を用いてガスクロマトグラフィーで測定した。
【0061】
生成物は秤量し、そして35℃の初期温度で、10K/分の加熱速度を用いて300℃に加熱し、そして引き続いて融点および完全溶融に必要とされる溶融エネルギーを測定した。
【0062】
実施例に記載した試験のための高粘度ポリエチレンテレフタレート溶融物は、例えば欧州特許第0 320 586号明細書に記述されているようなHVSR(High Viscosity Self−clearing Reactor(高粘度自己洗浄型反応器))型の連続運転式重縮合反応器中で製造した。この反応器は、回転軸および壁面に付着している高粘度溶融物を規則的に回収して工程に戻す特別に成形された加熱可能なパドルをもつ内側に横たわる回転軸および組込まれた固定子を有する。0.62dl/gのI.V.をもつ、炭酸含有果汁の充填のためのボトルの製造のために市販の顆粒から出発した。この顆粒を乾燥し、そしてHussmann社の一軸式スクリュー型押出成形機中で溶融し、連続的にHSVRに供給し、そしてそこで約20kg/hの処理量で、0.1〜0.5mbarの圧力および275℃〜280℃の温度で、0.80〜0.84dl/gの粘度、約30ppmのアセトアルデヒド値および−3〜−4のb−カラー値まで穏やかに縮合した。ギア付きポンプによって、この生成物を、Sulzer社のSMX型のスタテックミキサー要素を装備した溶融物用導管を通して、同時に2種の予備成形物を成形し得る2キャビティー型装置(2−Kavitaeten−Werkzeug)で改変された混合区間をもつ改変された予備成形機XL 160に直接的に連続供給しそして予備成形物に加工した。
【0063】
多様な要求を満足させるために、この実験では混合要素の数を変え、その際に混合要素の長さは常に配管の直径(=1D)に一致させた。周辺溶融物と中心部溶融物との間の温度傾斜を失くすために、3×3D混合要素を、導管長さにわたって交互に使用し、そして添加物を一様に分布させるために15D混合要素を、溶融物用導管への最初の添加物供給の後に使用した。垂直の回転軸を持つ水平に横にされた管状継手手段が中に設けられた可動性の柔軟性スイベル継手(Drehgelenkschere)の直前に溶融物用導管中に第二の添加物供給する場合には、3D混合要素によって添加物の予備混合を1回だけ行う。添加物の統計学的分配は、予備成形機中の改変された混合区間で初めに達した。
【0064】
この実験の間、予備成形機のための溶融物量は、予備成形機の稼働計画に合わせることにより最終反応器から来る量の90%〜72%の間で変動させた。この場合、この装置の前の圧力の調節することにより溶融物の予備成形機への供給量を確保した。圧力の制御は、ギア式ポンプにより第一の添加物供給後に主流からの溶融物放出量を調節することによって行なった。溶融物の放出された部分は顆粒化装置でチップに加工した。このチップを続いてキャリアーガスとしての窒素の雰囲気で結晶化装置中で乾燥し、結晶化しそして予備成形物に更に加工した。
【0065】
生成物の品質 の確かめるために、顆粒および(窒素雰囲気下で粉砕した)予備成形物を、記述された方法に従い、重要な品質基準について実験室で検査した。
【0066】
使用した添加物、安定剤および着色剤の添加は、ギア式ポンプと組合せたHussmann社の側流式押出成形機によって行った。液状の並びに固体状態の市販の添加物をこの実験の間に検査した。
【0067】
本質的な工程パラメータおよび品質を以下の表1〜3に記述する。この場合、Dは溶融物用導管の直径、Lは溶融物用導管の長さ、L/Dは溶融物用導管の長さと直径との比、tは第二の添加物供給装置までの溶融物用導管中での滞留時間、tは第二の添加物供給装置と予備成形機の入口との間の溶融物の滞留時間、pは溶融物用導管の終端での溶融物のプロセス圧、そしてTは柔軟性スイベル継手を離れる際の溶融物の温度を表す。供給1または供給2は、添加物供給装置1または2での添加物およびその他の物質の供給された量を記載している。ここで、AAはCoca−Cola(R)社のアセトアルデヒド・スカベンジャーを、PはRhodia社の安定剤H−MODを、そしてDはClariant社の染料のエストフィルブルー(Estofil Blue)を表す。
【0068】
ポリエステル溶融物は、HVSRの出口で以下の特性を有していた:I.V.=0.83dl/g、COOH含有量=22mmol/kg、AA−含有量=32pp、b−カラー値=−3単位。
【0069】
【表1】

【0070】
【表2】

【0071】
実験1〜7の結果から、予備成形物中での低下するI.V.、カルボキシル末端基およびb−カラー値の上昇により分解への色々な滞留時間の影響を明らかに知ることができる。追加的な分解作用が、アセトアルデヒド・スカベンジャーの使用によっても確認できるが、それはけれども第一の添加物供給装置への安定化化合物の投入でほぼ相殺できた。予備成形物中のアセトアルデヒド含有量は8ppmより下の通常市場で許容される濃度まで効果的に低下させることができた。色調を改善するのに、0.5ppmの濃度の非常に僅かな青色色素添加量で既に色の改良に寄与した。
【0072】
実験8および9においては、第二の添加物供給装置と予備成形機の入口との間の溶融物滞留時間を延ばすことが、第一の添加物供給装置中にスカベンジャーと一緒の安定化化合物も添加したにもかかわらず予備成形物の品質にほとんど悪影響を及ぼさないことが確認された。
【0073】
実験10〜12においては、溶融物の温度上昇で起こる、溶融物供給用の導管の公称径の拡張により滞留時間延長の更なる増加を検討した。これはアセトアルデヒド基本含有量(スカベンジャー無添加でのアセトアルデヒド値)の増大により更なる品質低下をもたらした。相殺するために、第一の添加物供給の際のスカベンジャー添加量を150%にそして安定剤濃度を10ppmのリン割合だけ増加させた。ポリマーの本質的な品質特性に関しての予期される品質低下は、この対向措置で完全には除去できなかった。予備成形物中のアセトアルデヒド含有量は8.5ppmに上昇した。
【0074】
実験2〜6、8〜9および13で製造された全部の予備成形物は、SI−DEL LBO社の01型機器を用いてボトル製造用の実験用ブロー成形装置で、標準的調整のもとで0.5lの成形ボトルに問題なく加工された。このボトルの品質は市場の要求に適合した。
【0075】
これらの実験において生じる顆粒は、190〜205℃の間の温度でキャリアーガスとしての窒素の雰囲気でVibra社の流動床結晶化装置で結晶化し、そしてさらに脱アルデヒド処理し、続いて通例のチャレンジャー乾燥機(Challengertrockner)中で170℃で4時間、付着物を伴わずに乾燥し、そして、Husky社の2キャビティー要素を持つ実験室用予備成形機中で5〜6ppmの間のAA含有量を有する28gの予備成形物に加工した。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の方法および本発明の装置の一つの実施形態を図示した概略図である。
【符号の説明】
【0077】
1…最終反応器
2、6…放出ポンプ
3、8…スタテックミキサー
5…ブースターポンプ
7…顆粒化装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高度に縮合されたポリエステル溶融物から成形体を製造する方法において、溶融物を重縮合反応器と賦形装置の間で決して硬化させず、かつ、最終反応器と賦形装置との間に脱気装置を存在させないことを特徴とする、上記方法。
【請求項2】
最終反応器から流れ出る溶融物の50〜100%を賦形装置に導入することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
賦形装置のための供給圧の調節を、溶融物の一部分を放出することにより行うことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
溶融物用導管中の圧力の制御を賦形装置の直前で行いそしてその圧力が溶融物流の放出の制御により1〜20bar、好ましくは10±1barに調節することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
溶融物の放出された部分をエステル化段階に戻しそして選択的に顆粒化装置にも供給することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
最終反応器から流出する溶融物の0〜50%を、エステル化段階および顆粒化装置に戻すことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
最終反応器から流出する溶融物の最大20%、好ましくは最大10%がエステル化段階に戻されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
エステル化段階に戻された高粘度の溶融物に最大10%のエチレングリコールを供給することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
最終反応器として二重駆動式反応器を使用することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
種々の賦形装置に供給する少なくとも2つの最終反応器を並列状態で使用することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
溶融物を1つの最終反応器から少なくとも2つの賦形装置に供給することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】
第一の溶融物分配装置の前に少なくとも1つの圧力上昇ポンプを使用することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一つに記載の方法。
【請求項13】
主溶融物流を1つの最終反応器から偶数の賦形装置に導入することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一つに記載の方法。
【請求項14】
溶融物流に、賦形装置への入口の前で物質または物質混合物を固体としてまたはスラリーとして添加することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一つに記載の方法。
【請求項15】
第一の圧上昇ポンプの後に添加物供給装置があることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一つに記載の方法。
【請求項16】
溶融物用導管中に、最後の溶融物分配機の後でかつ全ての賦形装置より前に添加物供給装置が配置されることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一つに記載の方法。
【請求項17】
溶融物に、最後の溶融物分配機の後に配置された添加物供給装置によって、種々の予備成形機の前で種々の添加物および/または種々の別の物質を添加されることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一つに記載の方法。
【請求項18】
最後の添加物供給装置と賦形装置の入口との間の溶融物の平均滞留時間が最大6分、好ましくは最大2分であることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一つに記載の方法。
【請求項19】
第一の添加物供給装置の後で、最小長さ15Dのスタテックミキサー要素が溶融物用導管中で使用されることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一つに記載の方法。
【請求項20】
第二の添加物供給装置の後の溶融物用導管中に、垂直回転軸をもつ水平に横にされた管状継手手段が設けられた可動性の柔軟性スイベル継手(Drehgelenkschere)の直前で、3Dの最少長さをもつスタテックミキサー要素を溶融物用導管中で使用することを特徴とする、請求項1〜19のいずれか一つに記載の方法。
【請求項21】
添加物が少なくとも1種類のリン含有化合物を含有することを特徴とする、請求項1〜20のいずれか一つに記載の方法。
【請求項22】
添加物が少なくとも1種類のアセトアルデヒド還元性物質を含有することを特徴とする、請求項1〜21のいずれか一つに記載の方法。
【請求項23】
最終反応器と賦形装置の入口との間の溶融物の平均滞留時間が最大30分、好ましくは最大15分、特に好ましくは12分であることを特徴とする、請求項1〜22のいずれか一つに記載の方法。
【請求項24】
最後の添加物供給装置と賦形装置の入口との間の溶融物用導管が、賦形装置の水平運動を少なくとも100cm、好ましくは少なくとも50cm、特に好ましくは最大30cmだけ行うことができることを特徴とする、請求項1〜23のいずれか一つに記載の方法。
【請求項25】
溶融物用導管が、最大200barの稼働圧および最大320℃、好ましくは280〜285℃に対応して設計されていることを特徴とする、請求項1〜24のいずれか一つに記載の方法。
【請求項26】
高縮合ポリエステル溶融物から成形体を製造する方法において、
−最終反応器から流出する溶融物の50〜100%を賦形装置に導入し、
−溶融物の放出された一部をエステル化段階に戻しそしてあるいは顆粒化装置にも供給し、−主溶融物流を偶数の賦形装置に導き、
−最後の溶融物分配機の後で各賦形装置の前の溶融物用導管に添加物供給装置を配置し、
−賦形装置の入口の前で主溶融物流に、少なくとも1種類のアルデヒド還元性物質または
少なくとも1種類のアセトアルデヒド還元性物質混合物を固体としてまたは分散物として添加しそして
−溶融物を一つまたは複数の重縮合反応器と賦形装置との間で決して硬化させず、かつ、最終反応器と賦形装置との間に脱気装置を存在させない
ことを特徴とする、上記方法。
【請求項27】
溶融物を重縮合反応器と賦形装置との間で決して硬化させず、かつ、最終反応器と賦形装置との間に脱気装置を存在させない、高縮合ポリエステル溶融物から成形体を製造する装置において、重縮合反応器と賦形装置との間の溶融物用ライン中に少なくとも2つの添加物供給装置を配置することを特徴とする、上記装置。
【請求項28】
賦形装置への主溶融物流の搬送のために、並列に配置された配管が常に同じデザインを有していることを特徴とする、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
溶融物を均質化するために、長さが配管の内径の最大1〜6倍、好ましくは最大1〜3倍であるスタテックミキサーが、互い違いに、しかし少なくとも各導管分配部の前で使用されることを特徴とする、請求項27または28に記載の装置。
【請求項30】
最後の添加物供給装置と賦形装置との間の配管が、この賦形装置の水平運動を可能にするように柔軟性を有することを特徴とする、請求項27〜29のいずれか一つに記載の装置。
【請求項31】
この柔軟性のある配管が、それの継手が垂直のみまたは水平のみいずれかの回転軸を有する柔軟性スイベル継手(Rohrgelenkschere)を持ち、固定溶融物用導管と賦形装置との間の持続的連結に使用することを特徴とする、請求項27〜30のいずれか一つに記載の装置。
【請求項32】
最後の添加物供給装置と賦形装置との間の溶融物用導管が、賦形装置の水平運動を最大100cm、好ましくは最大50cm、特に好ましくは最大30cmだけ可能とすることを特徴とする、請求項27〜31のいずれか一つに記載の装置。
【請求項33】
溶融物を重縮合反応器と賦形装置との間で決して硬化させず、かつ、最終反応器と賦形装置との間に脱気装置を存在させない、高縮合ポリエステル溶融物から成形体を製造する装置において、最後の添加物供給装置と賦形装置の間の導管が、賦形装置の水平運動を可能にする柔軟性スイベル継手(Rohrdrehgelenkschere)を有することを特徴とする、上記装置。

【図1】
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【公表番号】特表2007−512399(P2007−512399A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540188(P2006−540188)
【出願日】平成16年5月28日(2004.5.28)
【国際出願番号】PCT/EP2004/005769
【国際公開番号】WO2005/061581
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(505395652)ツィンマー・アクチエンゲゼルシャフト (2)
【Fターム(参考)】