説明

ポリマー焼入冷却剤およびその製造方法ならびに鋼材の焼入冷却方法

【課題】冷却曲線を調整できるポリマー焼入冷却剤を提供する。
【解決手段】本発明に係るポリマー焼入冷却剤は、無機ナノ粒子、水溶性ポリマーおよび水を含み、無機ナノ粒子、水溶性ポリマーおよび水の重量比が0.05〜5:1〜5:100である。該ポリマー焼入冷却剤の成分と比率を調節することで、鋼材の焼入急冷プロセスにおける冷却速度の調整が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は焼入冷却剤に関し、より詳細には冷却曲線を調整するポリマー焼入冷却剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鋼材の焼入硬化は、鉄鋼産業において最もよく行われる熱処理工程の1つである。焼入硬化プロセスには、鋼材をオーステナイト化温度(800〜1000℃)に加熱する工程、オーステナイト化温度にて鋼材を浸漬して熱の均一化を行う工程、および、鋼材をしかるべき媒体中で焼入冷却して室温にする工程を含む。焼入冷却は、所定の高温に加熱された鋼材を、例えば空気、水、塩水、油またはポリマー溶液等、熱除去機能の高い組成物が入った急冷浴に浸漬することによって、急速に冷却させるというプロセスである。
【0003】
水および塩水浴は廃棄が容易でかつ比較的安価であるが、その冷却は極めて急速であり、これらによる焼入冷却は、反りや亀裂を生じる原因となる、ひずんだ微細構造をもつ金属をしばしば生じる。一方、油浴は一般的に比較的緩やかな冷却速度で金属を冷却するが、油は高価な材料であること、引火点が比較的低いために火災の危険性が高いこと、および焼入冷却された金属上に不必要な膜を残してしまう場合が多いこと、といった問題がある。
【0004】
油の持つ冷却速度に関する多くのメリットと、水および塩水浴の安全性と廃棄の便利さとを兼ね備えた低コストな有機ポリマー水溶液または分散体が開発されている。油は不要な分解生成物を生じ易く、浴槽の交換を行う前にそれらを槽から取り除かなければならないが、これとは異なり、有機ポリマーを含む急冷浴では、通常、システム汚染生成物が生じることはない。かくして、有機ポリマー含有組成物の開発に高い関心が持たれている。
【0005】
しかしながら、焼入冷却の効果は焼入冷却剤の冷却速度、比熱、粘度および熱伝導性によるため、鋼材の種類に応じてそれぞれ異なる焼入冷却剤が必要となる。したがって、従来のポリマー含有焼入冷却剤は、水および油からなる焼入冷却剤溶液の長所を兼ね備えてはいるものの、依然鉄鋼業界の要求を満たせるものではない。このようなことから、新規な焼入冷却剤および焼入冷却プロセスが求められる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述に鑑みて、本発明の目的は、冷却曲線を調整できるポリマー焼入冷却剤およびその製造方法ならびに鋼材の焼入冷却方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、無機ナノ粒子、水溶性ポリマーおよび水を含み、無機ナノ粒子、水溶性ポリマーおよび水の重量比が0.05〜5:1〜5:100であるポリマー焼入冷却剤(polymeric quenchant)を提供する。
【0008】
本発明はさらに、水中に分散された無機ナノ粒子を調製する工程、および、無機ナノ粒子を含有する水に水溶性ポリマーを加える工程を含み、無機ナノ粒子、水溶性ポリマーおよび水の重量比が0.05〜5:1〜5:100であるポリマー焼入冷却剤の製造方法を提供する。
【0009】
本発明はさらに、鋼材を準備する工程、鋼材を加熱する工程、および、本発明のポリマー焼入冷却剤を用いて鋼材を急冷する工程を含み、急冷のプロセス中、鋼材の最大冷却速度の温度が500℃より高く、かつ300℃における冷却速度が30℃/秒よりも遅い、鋼材の焼入冷却方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るポリマー焼入冷却剤は、その成分と成分の比率を調整することにより各種特性(例えば熱伝導性)を得ることができるものである。したがって、本発明に係るポリマー焼入冷却剤を用いて焼入冷却を行えば、鋼材の冷却速度、靭性、強度および硬度等が効果的に制御され、様々な鋼材製品が得られることとなる。さらに、従来技術と比較して、本発明のポリマー焼入冷却剤には無毒、再生利用可能である等といった多くの長所もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、添付の図面を参照しながら、本発明を実施形態により詳細に説明する。
【0012】
以下の記載は本発明を実施するための最良の形態である。この記載は本発明の主要な原理を説明することを目的としたものであり、限定の意味で解釈されるべきではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して判断されなくてはならない。
【0013】
本発明は、無機ナノ粒子、水溶性ポリマーおよび水を含むポリマー焼入冷却剤を提供する。本発明のポリマー焼入冷却剤は、鋼材の冷却速度、冷却曲線および硬度を調整することができる。
【0014】
本発明の無機ナノ粒子には、タルク(talc)、スメクタイト粘土(smectite clay)、バーミキュライト(vermiculite)、ハロイサイト(halloysite)、セリサイト(sericite)、サポナイト(saponite)、モンモリロナイト(montmorillonite)、バイデライト(beidellite)、ノントロナイト(nontronite)、マイカ(mica)、ヘクトライト(hectorite)またはこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定はされない。留意すべきは、異なる無機ナノ粒子はそれぞれ異なる焼入冷却効果をもたらすという点である。無機ナノ粒子の粒径は0.2〜10μm、好ましくは0.2〜5.0μmであり、かかる粒径であると、焼入冷却剤中に無機ナノ粒子が十分に分散され、焼入冷却剤の粘度が上昇すると共に、その熱伝導性が抑制されることとなる。
【0015】
本発明の水溶性ポリマーには、ポリアルキレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチルオキサゾリン、ポリアルファオレフィン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミンまたはこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定はされない。
【0016】
本発明のポリマー焼入冷却剤は、無機ナノ粒子、水溶性ポリマーおよび水を含み、無機ナノ粒子、水溶性ポリマーおよび水の重量比は0.05〜5:1〜5:100、好ましくは0.05〜3:2〜4:100であり、各種状況に応じて調整可能である。例えば、ポリマー焼入冷却剤を構成する成分の重量比は、熱伝導性等のポリマー焼入冷却剤の特性をコントロールすることを目的として調整可能である。
【0017】
一実施形態において、本発明のポリマー焼入冷却剤は、例えばトリエチルアミンまたはトリエタノールアミン等の機能性剤(functional agent)をさらに含み、これを加えることで焼入冷却剤の機能を増やすことができる。例えば、防食剤(anti-corrosion agent)を加えれば、鋼材の腐食が抑制される。なお、機能性剤の含有量は焼入冷却剤の0.5〜10重量%とする。
【0018】
本発明において、ポリマー焼入冷却剤の特性(例えば熱伝導性)は無機ナノ粒子の種類によって調整することができ、かつ無機ナノ粒子、水溶性ポリマーおよび水の比率を調整することで、様々なポリマー焼入冷却剤を得ることができる。したがって、本発明のポリマー焼入冷却剤は鋼材の冷却速度、靭性、強度および硬度を効果的に制御でき、これによって各種の鋼材製品が得られることとなる。従来の焼入冷却剤と比較して、本発明のポリマー焼入冷却剤には無毒、再生利用可能である等多くの長所がある。
【0019】
本発明はさらにポリマー焼入冷却剤の製造方法を提供する。該方法は、(a)水中に分散された無機ナノ粒子を調製する工程、および、(b)無機ナノ粒子を含有する水に水溶性ポリマーを加えてポリマー焼入冷却剤を作る工程を含む。必要であれば、工程(a)において加熱プロセスを行うことによって、水への無機ナノ粒子の分散を促すようにしてもよい。
【0020】
一実施形態では、工程(b)においてポリマー焼入冷却剤に例えば防食剤である機能性剤を加えて、焼入冷却剤の機能を増加させることもできる。
【0021】
本発明はさらにまた、(a)鋼材を準備する工程、(b)鋼材を加熱する工程、および、(c)本発明のポリマー焼入冷却剤を用いて鋼材を急冷する工程、を含む鋼材の焼入冷却方法を提供する。鋼材急冷時、鋼材の最大冷却速度は60〜160℃/秒、好ましくは80〜160℃/秒であり、最大冷却速度の温度は500℃より高い温度、好ましくは600℃より高い温度であり、かつ300℃における冷却速度は30℃/秒未満、好ましくは25℃/秒未満である。
【0022】
本発明に係る鋼材の焼入冷却方法によれば、ポリマー焼入冷却剤の成分と比率を調節することで、鋼材の冷却曲線(例えば最大冷却速度、最大冷却速度の温度、沸騰開始温度、および300℃における冷却速度)の調整が可能となる。
【0023】
鋼材の冷却曲線は蒸気膜、沸騰および対流の3段階に分類される。高硬度特性を備える一方で焼き割れと変形が生じない鋼材を得るためには、Ms点よりも高い温度において鋼材を急速に冷却することで変形を防ぐとともに、Ms点よりも低い温度においては鋼材をゆっくり冷却する必要がある。Ms点は、オーステナイトからマルテンサイトへの変態が始まる温度であって、200〜300℃である。
【0024】
本発明のポリマー焼入冷却剤は上記した要求を満足できるものである。例えば、無機ナノ粒子および/または水溶性ポリマーの量を増やすと、本発明のポリマー焼入冷却剤は鋼材の300℃における冷却速度および最大冷却速度を下げるので、これによって所望の鋼材の特性が実現される。さらに、鋼材の最大冷却速度において温度が従来の焼入冷却剤よりも高い。鋼材の温度が下がるにつれて、鋼材の冷却曲線は徐々になだらかになる。
【実施例】
【0025】
ASTM D6482模擬分析
比較例1:無機ナノ粒子の冷却曲線に対する影響
PK812無機ナノ粒子(PAI KONG NANO Technology社製)を水中に十分に分散させて、PK812を1重量%(比較例1−1)、2重量%(比較例1−2)、3重量%(比較例1−3)および5重量%(比較例1−4)含む焼入冷却剤をそれぞれ得た。これら焼入冷却剤の特性を、IVF Smart Quench(IVF Industrial R&D社製)を用い、ASTM D6482冷却曲線分析法(cooling curve analysis method)により分析した。図1および表1に示されるように、無機ナノ粒子の濃度が高まるにつれて最大冷却速度とその温度は低下したが、300℃における冷却温度には大きな変化がないことがわかる。図1において、Wは水、C1〜C4は比較例1−1〜1−4におけるポリマー焼入冷却剤の、温度に対する冷却速度をプロットしたもの、W’は水、C1’〜C4’は比較例1−1〜1−4におけるポリマー焼入冷却剤の、温度に対する時間をプロットしたものを示す。
【0026】
【表1】

【0027】
比較例2:無機ナノ粒子の冷却曲線に対する影響
焼入冷却剤の成分をSQ1500ポリマー焼入冷却剤(GELIE社製)5重量%(比較例2−1)、10重量%(比較例2−2)、15重量%(比較例2−3)、20重量%(比較例2−4)、25重量%(比較例2−5)に変更したこと以外、比較例1と同じ手順で実施した。図2および表2に示されるように、SQ1500ポリマー焼入冷却剤の濃度が高まるにつれて最大冷却速度と300℃における冷却速度は低下したが、最大冷却速度の温度には大きな変化がないことがわかる。図2において、Wは水、C5〜C9は比較例2−1〜2−5におけるポリマー焼入冷却剤の、温度に対する冷却速度をプロットしたもの、W’は水、C5’〜C9’は比較例2−1〜2−5におけるポリマー焼入冷却剤の、温度に対する時間をプロットしたものを示す。
【0028】
【表2】

【0029】
実施例1:無機ナノ粒子の冷却曲線に対する影響
焼入冷却剤の成分を、SQ1500ポリマー15重量%と、PK812無機ナノ粒子0重量%(実施例1−1)、0.05重量%(実施例1−2)、0.1重量%(実施例1−3)、0.2重量%(実施例1−4)、0.5重量%(実施例1−5)、1.0重量%(実施例1−6)および1.5重量%(実施例1−7)とに変更したこと以外、比較例1と同じ手順で実施した。図3Aおよび3B、ならびに表3に示されるように、PK812無機ナノ粒子の濃度が高まるにつれて最大冷却速度と300℃における冷却速度は下がり、一方、対流開始温度は420℃〜670℃以上まで上がっていることがわかる。さらに、PK812無機ナノ粒子の量の増加に伴って、最大冷却速度の温度が上がっている。図3Aおよび図3Bにおいて、Wは水、E1〜E7は実施例1−1〜1−7におけるポリマー焼入冷却剤の、温度に対する冷却速度をプロットしたもの、W’は水、E1’〜E7’は実施例1−1〜1−7におけるポリマー焼入冷却剤の、温度に対する時間をプロットしたものを示す。
【0030】
【表3】

【0031】
実施例2:無機ナノ粒子とポリマーの冷却曲線に対する影響
焼入冷却剤の成分を、SQ1500ポリマー15重量%(実施例2−1〜2−3)、20重量%(実施例2−4)および25重量%(実施例2−5)と、PK812無機ナノ粒子0重量%(実施例2−1、2−4および2−5)、0.5重量%(実施例2−2)および1.0重量%(実施例2−3)とに変更したこと以外、比較例1と同じ手順で実施した。図4および表4に示されるように、PK812無機ナノ粒子の量の増加に伴って最大冷却速度と300℃における冷却速度は低下し、かつ、PK812無機ナノ粒子の量の増加に伴い対流開始温度が上昇したことがわかる。図4において、Wは水、E8〜E12は実施例2−1〜2−5におけるポリマー焼入冷却剤の、温度に対する冷却速度をプロットしたもの、W’は水、E8’〜E12’は実施例2−1〜2−5におけるポリマー焼入冷却剤の、温度に対する時間をプロットしたものを示す。
【0032】
【表4】

【0033】
50CrMo4鋼材の分析
実施例3:無機ナノ粒子の冷却曲線に対する影響
50CrMo4鋼材(直径10mm、長さ100mm)を実施例3の焼入冷却剤で処理し、IVF Smart Quench(IVF Industrial R&D社製)で50CrMo4鋼材の冷却速度を調べた。実施例3の焼入冷却剤は、表5に示されるように、FQ2000(Petrofer社製)2重量%と、PK812無機ナノ粒子(PAI KONG NANO Technology社製)1.0重量%(実施例3−1)、0.75重量%(実施例3−2)、0.5重量%(実施例3−3)、0.25重量%(実施例3−4)、0.1重量%(実施例3−5)、および0重量%(実施例3−6)とを含むものである。PK812無機ナノ粒子の濃度が上がるにつれて、焼入冷却剤の粘度が高まった。図5に示されるように、PK812無機ナノ粒子の量の増加に伴って、300℃における冷却速度が下がっている(鋼材の冷却曲線が徐々になだらかになっている)ことがわかる。
【0034】
【表5】

【0035】
実施例4:無機ナノ粒子の冷却曲線に対する影響
PK812無機ナノ粒子を、表6に示されるように、PK811A(PAI KONG NANO Technology社製)0.75重量%(実施例4−1)、0.5重量%(実施例4−2)、0.25重量%(実施例4−3)、0.1重量%(実施例4−4)、0.05重量%(実施例4−5)および0重量%(実施例4−6)に変更したこと以外、実施例3と同じ手順で実施した。PK811A無機ナノ粒子の濃度が上がるにつれて、焼入冷却剤の粘度が高まった。図6に示されるように、PK811A無機ナノ粒子の量の増加に伴って、300℃における冷却速度が下がっている(鋼材の冷却曲線が徐々になだらかになっている)ことがわかる。
【0036】
【表6】

【0037】
実施例5:無機ナノ粒子の冷却曲線に対する影響
無機ナノ粒子を変更したこと以外、実施例3と同じ手順で実施した。無機ナノ粒子の濃度と種類は表7に示すとおりである。図7に示すように、無機ナノ粒子の量の増加に伴って、300℃における冷却速度が下がっている(鋼材の冷却曲線が徐々になだらかになっている)ことがわかる。
【0038】
【表7】

【0039】
以上、好適な実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定はされないと解されるべきであり、つまり本発明は、(当業者であれば明らかであるように)添付の特許請求の範囲は、かかる各種変更および同様の変形がすべて包含されるように、最も広い意味に解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の比較例1におけるポリマー焼入冷却剤の、温度に対する時間と冷却速度をプロットしたグラフである。
【図2】本発明の比較例2におけるポリマー焼入冷却剤の、温度に対する時間と冷却速度をプロットしたグラフである。
【図3A】本発明のポリマー焼入冷却剤の一実施形態(実施例1−1〜1−4)におけるポリマー焼入冷却剤の、温度に対する時間と冷却速度をプロットしたグラフである。
【図3B】本発明のポリマー焼入冷却剤の一実施形態(実施例1−1および1−5〜1−7)におけるポリマー焼入冷却剤の、温度に対する時間と冷却速度をプロットしたグラフである。
【図4】本発明のポリマー焼入冷却剤の一実施形態(実施例2)におけるポリマー焼入冷却剤の、温度に対する時間をプロットしたグラフである。
【図5】本発明のポリマー焼入冷却剤の一実施形態(実施例3)におけるポリマー焼入冷却剤の、温度に対する時間をプロットしたグラフである。
【図6】本発明のポリマー焼入冷却剤の一実施形態(実施例4)におけるポリマー焼入冷却剤の、温度に対する時間をプロットしたグラフである。
【図7】本発明のポリマー焼入冷却剤の一実施形態(実施例5)におけるポリマー焼入冷却剤の、温度に対する時間をプロットしたグラフである。
【符号の説明】
【0041】
W ポリマー焼入冷却剤として水を用いた場合の、温度に対する冷却速度のプロット
W’ ポリマー焼入冷却剤として水を用いた場合の、温度に対する時間のプロット
C1 比較例1−1の温度に対する冷却速度のプロット
C1’ 比較例1−1の温度に対する時間のプロット
C2 比較例1−2の温度に対する冷却速度のプロット
C2’ 比較例1−2の温度に対する時間のプロット
C3 比較例1−3の温度に対する冷却速度のプロット
C3’ 比較例1−3の温度に対する時間のプロット
C4 比較例1−4の温度に対する冷却速度のプロット
C4’ 比較例1−4の温度に対する時間のプロット
C5 比較例2−1の温度に対する冷却速度のプロット
C5’ 比較例2−1の温度に対する時間のプロット
C6 比較例2−2の温度に対する冷却速度のプロット
C6’ 比較例2−2の温度に対する時間のプロット
C7 比較例2−3の温度に対する冷却速度のプロット
C7’ 比較例2−3の温度に対する時間のプロット
C8 比較例2−4の温度に対する冷却速度のプロット
C8’ 比較例2−4の温度に対する時間のプロット
C9 比較例2−5の温度に対する冷却速度のプロット
C9’ 比較例2−5の温度に対する時間のプロット
E1 実施例1−1の温度に対する冷却速度のプロット
E1’ 実施例1−1の温度に対する時間のプロット
E2 実施例1−2の温度に対する冷却速度のプロット
E2’ 実施例1−2の温度に対する時間のプロット
E3 実施例1−3の温度に対する冷却速度のプロット
E3’ 実施例1−3の温度に対する時間のプロット
E4 実施例1−4の温度に対する冷却速度のプロット
E4’ 実施例1−4の温度に対する時間のプロット
E5 実施例1−5の温度に対する冷却速度のプロット
E5’ 実施例1−5の温度に対する時間のプロット
E6 実施例1−6の温度に対する冷却速度のプロット
E6’ 実施例1−6の温度に対する時間のプロット
E7 実施例1−7の温度に対する冷却速度のプロット
E7’ 実施例1−7の温度に対する時間のプロット
E8 実施例2−1の温度に対する冷却速度のプロット
E8’ 実施例2−1の温度に対する時間のプロット
E9 実施例2−2の温度に対する冷却速度のプロット
E9’ 実施例2−2の温度に対する時間のプロット
E10 実施例2−3の温度に対する冷却速度のプロット
E10’ 実施例2−3の温度に対する時間のプロット
E11 実施例2−4の温度に対する冷却速度のプロット
E11’ 実施例2−4の温度に対する時間のプロット
E12 実施例2−5の温度に対する冷却速度のプロット
E12’ 実施例2−5の温度に対する時間のプロット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機ナノ粒子、水溶性ポリマーおよび水を含み、該無機ナノ粒子、水溶性ポリマーおよび水の重量比が0.05〜5:1〜5:100であるポリマー焼入冷却剤。
【請求項2】
機能性剤をさらに含む請求項1記載のポリマー焼入冷却剤。
【請求項3】
前記機能性剤がトリエチルアミンまたはトリエタノールアミンを含む請求項2記載のポリマー焼入冷却剤。
【請求項4】
前記無機ナノ粒子が複数種の無機ナノ粒子を含む請求項1記載の高分子量焼入冷却剤。
【請求項5】
前記無機ナノ粒子が、タルク、スメクタイト粘土、バーミキュライト、ハロイサイト、セリサイト、サポナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、マイカ、ヘクトライトまたはこれらの組み合わせを含む請求項1記載のポリマー焼入冷却剤。
【請求項6】
前記水溶性ポリマーが、ポリアルキレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチルオキサゾリン、ポリアルファオレフィン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミンまたはこれらの組み合わせを含む請求項1記載のポリマー焼入冷却剤。
【請求項7】
水中に分散された無機ナノ粒子を調製する工程、および、
該無機ナノ粒子を含有する該水に水溶性ポリマーを加える工程、を含み、
前記無機ナノ粒子、水溶性ポリマーおよび水の重量比が0.05〜5:1〜5:100であるポリマー焼入冷却剤の製造方法。
【請求項8】
前記ポリマー焼入冷却剤が機能性剤をさらに含む請求項7記載の製造方法。
【請求項9】
前記機能性剤がトリエチルアミンまたはトリエタノールアミンを含む請求項8記載の製造方法。
【請求項10】
前記無機ナノ粒子が複数種の無機ナノ粒子を含む請求項7記載の製造方法。
【請求項11】
前記無機ナノ粒子が、タルク、スメクタイト粘土、バーミキュライト、ハロイサイト、セリサイト、サポナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、マイカ、ヘクトライトまたはこれらの組み合わせを含む請求項7記載の製造方法。
【請求項12】
前記水溶性ポリマーが、ポリアルキレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチルオキサゾリン、ポリアルファオレフィン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミンまたはこれらの組み合わせを含む請求項7記載の製造方法。
【請求項13】
鋼材を準備する工程、
該鋼材を加熱する工程、および、
請求項1の前記ポリマー焼入冷却剤を用いて前記鋼材を急冷する工程を含み、
前記急冷のプロセス中、前記鋼材の最大冷却速度の温度が500℃より高く、かつ300℃における冷却速度が30℃/秒よりも遅い鋼材の焼入冷却方法。
【請求項14】
前記急冷のプロセス中、前記鋼材の最大冷却速度が60〜160℃/秒、最大冷却速度の温度が500℃より高く、かつ300℃における冷却速度が30℃/秒よりも遅い請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記ポリマー焼入冷却剤が機能性剤をさらに含む請求項13記載の方法。
【請求項16】
前記機能性剤がトリエチルアミンまたはトリエタノールアミンを含む請求項15記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−62612(P2009−62612A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−104838(P2008−104838)
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【出願人】(390023582)財団法人工業技術研究院 (524)
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】195 Chung Hsing Rd.,Sec.4,Chutung,Hsin−Chu,Taiwan R.O.C
【出願人】(508114384)基立化学股▲ふん▼有限公司 (1)
【Fターム(参考)】