説明

ポリマー粒子および放射線不透過性材料からなる塞栓組成物

塞栓組成物および同組成物を搬送する方法が開示される。いくつかの実施例において、塞栓組成物は形状記憶材料を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塞栓組成物およびこれら組成物の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
塞栓組成物は体内の特定の症状を予防または治療するために使用することができる。例えば、治療のために血管を閉塞させる場合(「塞栓術」と呼ばれることがある)において、粒子状の塞栓組成物を使用して、体内の血管を遮断または閉鎖することが可能である。塞栓組成物は、腫瘍へ血液を供給する微小血管を閉鎖する(その結果、腫瘍から成長源を排除する)ために使用でき、あるいは、体内の出血症状を阻止する(その結果、出血を減少または止める)ために使用できる。塞栓組成物は、血管内に挿入されているカテーテルを使用して目的部位へ搬送することも可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、上記した塞栓組成物をより向上させた塞栓組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様において、本発明は、形状記憶材料を含む塞栓粒子からなる組成物を特徴とする。
【0005】
実施例は以下の特徴の1つまたは複数を含んでいてもよい。形状記憶材料はポリマーおよび/または合金を含む。粒子は体内で吸収されない。粒子は治療薬を含み、例えば、粒子は空洞部を形成し、治療薬はその空洞部内に配置される。粒子は放射線不透過性材料を含む。粒子は体内で分解できる部分を有する。粒子は、形状記憶材料を含まない第2の材料をさらに有する。
【0006】
組成物の実施例は、以下の特徴の1つまたは複数を含んでいてもよい。組成物は、複数の塞栓粒子を含み、これらの塞栓粒子の少なくとも1個は形状記憶材料を含む。また、組成物は第2の複数の塞栓粒子を含み、第2の複数の塞栓粒子の粒子は先の複数の塞栓粒子の粒子とは異なる形状を有する。例えば、組成物は球形粒子および非球形粒子を含む。さらに、組成物は、第2の複数の塞栓粒子を含み、第2の複数の塞栓粒子の粒子は先の複数の塞栓粒子の粒子とは異なる寸法を有する。組成物は、第2の複数の塞栓粒子をさらに含み、第2の複数の塞栓粒子の粒子は先の複数の塞栓粒子の粒子とは異なる硬度を有する。組成物は、液状、ゲル状、または泡状などの、第2の非固形状の塞栓粒子をさらに含む。粒子は、所定の刺激を受けると体積が増加するヒドロゲルなどの材料を含む。
【0007】
実施例は、以下の形状の1つまたは複数を含んでいてもよい。粒子は、非球形、例えば、偏球形である。粒子は長尺状をなし、長さと幅の比率が1よりも大きい。粒子はほぼ円筒形状をなす。粒子は長手方向に沿って延びる溝を有する。粒子は、第1の幅を有する第1断面と、第1断面と平行に延び、かつ第1の幅とは異なる第2の幅とを有する。粒子は溝を有する。粒子は、長手方向に沿って延びる外面上に複数の隆起を有する。粒子は、複数の対称をなす頂点を有する断面を有する。粒子は三角断面を有する。
【0008】
他の態様において、本発明は、形状記憶材料を含む塞栓粒子を有する組成物と、その組成物を体内へ搬送するために寸法が設定されたカテーテルとを備えるキットを特徴とする。キットには造影剤を含むことも可能である。組成物は複数の粒子を含んでいてもよい。
【0009】
他の態様において、本発明は、対称要素を有する非球形の塞栓粒子を含む組成物を特徴とする。
実施例は、以下の特徴の1つまたは複数を含んでいてもよい。対称要素は対称軸および/または対称面である。粒子は円筒形状を有し、対称軸はその円筒形状に沿って長手方向に延びる。粒子は溝を有する。円筒体は異なる径を有する少なくとも2つの放射断面を有する。円筒体は長手方向に沿って延びる外面上に複数の隆起を有する。粒子は、複数の対称をなす頂点を含む断面を有する。粒子は長さと幅の比率が1よりも大きい。粒子は三角断面を有する。粒子は形状記憶材料を含む。粒子は治療薬および/または放射線不透過性材料を含む。
【0010】
他の態様において、本発明は、塞栓組成物を体内へ注入する方法を特徴とし、その組成物は第1の形状の粒子を有し、体内で第1の形状から第2の形状へ変化し、第2の形状の組成物により体内の部位を閉塞させる。
【0011】
そのような方法は、粒子を温度などのエネルギーの変化に晒す工程をさらに含む。また、方法には、第2の塞栓組成物を体内へ搬送する工程を含めることも可能である。
本発明の他の態様および特徴は、好ましい実施例に関する記載および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1Aおよび1Bに関して、塞栓組成物22は、粒子28の一群を含む。粒子28は、使用に先立って、生理食塩水などの好適な担体25と共に血管23内に収容されてもよい。特に図1Aに関しては、粒子28は、圧縮されたほぼ球形などの共通の形状を有する第1の状態にある。図1Bに関しては、粒子28は、さほど圧縮されていない形状を有する第2の状態にある。このような粒子の状態の変化や形状の変化を選択的に起こすことにより、塞栓術などの治療を円滑に行うことができる。
【0013】
組成物22は、カテーテル30を使用して血管26内の目的部位へ搬送可能である。図2A〜2Cに関して、カテーテル30を介して搬送する際に、粒子28は、第1の状態にあり、カテーテル30内で詰まったり凝集しないで流動性を保つように圧縮された形状を有している。粒子28がカテーテル30から放出されると、粒子28は、拡大された非圧縮形状などの第2の形状を形成するために第2の状態へ移行する。第2の形状において、粒子28は、血管26内へ流れて凝集して血管を遮断し、腫瘍を取り除いたり、出血を抑制したりする。
【0014】
粒子28は形状記憶材料を含むことも可能であり、形状記憶材料は、所定の形態や形状へ変化することを記憶するように形成することができる。形状記憶材料は、温度、pH、電磁放射などのエネルギー入力などの環境条件に晒されることにより、状態間や形状間での移行が可能である。形状記憶材料により永久的に閉鎖することも可能であり、閉鎖部は実質的に生体に吸収されず、および/または、体内から取り除かれることはない。粒子28は、少なくとも一部が形状記憶材料から形成されてもよい。
【0015】
形状記憶材料は、例えば、ポリマーまたは合金であってもよい。適切な形状記憶ポリマーには、体温より高い温度、例えば約40°C〜50°Cで溶融またはガラス転移を示し、体内で安全に使用できるエラストマーが含まれる。ポリマーの例には、形状記憶ポリウレタン(三菱(Mitsubishi)から入手可能)、ポリノルボーネン(例えば、Norsorex(商標)、三菱(Mitsubishi))、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ(塩化ビニル)、ポリエチレン(例えば、結晶ポリエチレン)、ポリイソプレン(例えば、トランスポリイソプレン)、スチレン−ブタジエンコポリマー、ゴム、またはアゾ染料やツヴィッターイオンや他のフォトクロミック材料などの光架橋型ポリマー(オオツカおよびウェイマン著(Otsuka and Wayman)、「形状記憶材料」(Shape Memory Materials),ケンブリッジ大学出版、1998年発行(Cambridge University Press,1998)に記載)がある。他の形状記憶ポリマーには、ニーモサイエンス社(MnemoScience Gmbh)[ドイツ、アーヘンD−52074、パウエル通り19(Pauwelsstrasse 19,D−52074 Aachen)所在]から入手可能な形状記憶プラスチックが含まれる。ポリマー形状記憶材料の混合物を使用することもできる。
【0016】
いくつかの実施形態では、形状記憶ポリマーは架橋型および/または結晶性である。架橋度および/または結晶化度は、例えばポリマーが加熱された後の過剰なクリープまたは応力緩和を阻止するのに十分である。また、架橋は、溶融すなわちガラス転移温度および転移温度範囲を調整するために制御することもできる。例えば10°C、5°C、またはそれ未満の狭い転移範囲が望ましい場合もある。架橋は、e−ビーム、紫外線、ガンマ線、X線放射などの放射線の照射により、または加熱により活性化される化学架橋法により(例えば、過酸化物と共に)、行うことができる。いくつかの放射線架橋法では、ポリマーは架橋を行うためにほとんど加熱する必要がない。
【0017】
いくつかの実施形態では、形状記憶ポリマーは、架橋中に、初期(例えば、無応力)形状に形成または設定される。例えば、塞栓粒子は最終形状で架橋されてもよい。次いで、例えばポリマーを軟化点(例えばTまたはT)まで加熱し、ポリマーを変形(例えば、圧縮化)し、ポリマーを軟化点より低温に冷やすことにより、ポリマーを一時的な形状に形成することができる。次にポリマーを軟化温度より高温に加熱すると、ポリマーは初期形状に復元可能である。
【0018】
形状記憶材料は、超弾性または擬似弾性金属合金などの合金であってもよい。超弾性金属の一例には、加熱して第1の形状から第2の形状へと変化可能なNitinol(商標)(例えば55%ニッケル、45%チタン)がある。Nitinol(商標)を冷却すると、材料は第2の形状において留まる。次に、材料を所定の転移温度に加熱すると、材料は第1の形状へ変化する。超弾性材料の他の例には、銀−カドミウム(Ag−Cd)、金−カドミウム(Au−Cd)、金−銅−亜鉛(Au−Cu−Zn)、銅−アルミニウム−ニッケル(Cu−Al−Ni)、銅−金−亜鉛(Cu−Au−Zn)、銅−亜鉛(Cu−Zn)、銅−亜鉛−アルミニウム(Cu−Zn−Al)、銅−亜鉛−錫(Cu−Zn−Sn)、銅−亜鉛−キセノン(Cu−Zn−Xe)、ベリリウム鉄(FeBe)、プラチナ鉄(FePt)、インジウム−タリウム(In−Tl)、鉄−マンガン(Fe−Mn)、ニッケル−チタン−バナジウム(Ni−Ti−V)、鉄−ニッケル−チタン−コバルト(Fe−Ni−Ti−Co)、および銅−錫(Cu−Sn)が含まれる。超弾性合金の詳しい説明については、例えば、シェツキー、エル マクドナルド(Schetsky,L.McDonald)著、「形状記憶合金」(“Shape Memory Alloys”)、工業化学百科事典第三版(Encyclopedia of Chemical Technology(3rd ed.))、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社(John Wiley&Sons)、1982,第20巻、726〜736ページ(1982,vol.20,pp.726−736)を参照のこと。形状記憶合金は、形状記憶特性を有するまたは有さないポリマーでコーティングすることも可能である。
【0019】
形状記憶材料を塞栓粒子へ形成するために様々な方法を使用することができる。適切な方法の例には、マイクロマシン(MEM)技術、マイクロ機械加工、ナノ機械加工、ナノエッチング、および/または、ナノアセンブリがある。粒子を(例えば、長尺状粒子の)押出成形、成形、および/または、(例えば、粒子の長さと等しい厚さを有する)シート状の形状記憶材料をスタンピングにより形成することもできる。
【0020】
形状記憶材料の混合物を使用して粒子を形成することも可能である。例えば、粒子は、比較的硬質のコア(例えば、Nitinol(商標)製)および比較的軟質の外面(例えば、ポリマー製)を含んでもよい。軟質の外面により粒子はわずかに変形することができ、それにより、粒子が凝集する際に充填が強化される。
【0021】
粒子は電子ビーム照射などの低温法で滅菌し、例えば、約5〜10mlの生理食塩水に約5〜10mlの粒子を充填してもよい。実施形態では、電子ビーム照射を使用して薬理的に粒子を滅菌し、生体負荷を減少させることも可能である。e−ビーム滅菌では、電子ビームを磁場および電場を使用して加速し、エネルギービームへ集束させる。電磁石を使用して、この最終的なビームをスキャンし、加速された電子の「カーテン」を生成することができる。加速された電子ビームは塞栓粒子群を貫通し、それらに細菌を破壊する電子を付与し、滅菌して塞栓粒子内の生体負荷を減らすように成形する。電子ビーム滅菌は、チタン・スキャン(Titan Scan)[オハイオ州リマ(Lima)所在]などの滅菌業者が行うことも可能である。
【0022】
上記したように、粒子は第1の状態から第2の状態へ選択的に移行できる。形状記憶材料が、その一時的な形態から最終的な形態へ移行することは、加熱器具を担持するカテーテル(カテーテルの内部に備えられた抵抗ヒータや高周波ヒータなど)を使用して行われる。これに代えて、あるいは、これに加えて、形状記憶材料は、ヒステリシス効果などの磁気効果により加熱されやすい、磁性粒子などの物質を含むように混合されてもよい。磁界は、カテーテル上や体外の供給源により粒子に付与される。好適な磁性粒子は、米国マサチューセッツ州ケムズフォードに所在のトリトンシステムズ社(Triton Systems,Inc.,Chelmsford,MA)から販売されるSmartbond(登録商標)システムとして入手可能である。磁気効果による加熱は、米国特許第6,056,844号に記載されており、同特許に開示された内容は本願においても開示されたものとする。形状記憶材料の移行を行うための他の方法は、相互に作用する、すなわち、反応性(すなわち、不活性でない)材料を注入する工程が含まれ、例えば、粒子がカテーテルから放出された後で、カテーテルを介して流体などを体内に注入する。例えば、流体は、移行温度(例えば、30°C〜60°C)まで加熱されてもよく、および/または、移行を行うために所定のpHを有してもよい。他の実施例においては、エネルギー(例えば、温度)の変化は、紫外線や赤外線などの光エネルギーを送るために、カテーテルから光ファイバを挿入して行うことも可能である。
【0023】
粒子が第2の形状へ変形した後に、粒子は血管内へ流れて凝集し血管を閉塞する。以下に述べるように、粒子28は、凝集を強化するような異なる形状に形成されてもよく、組成物22およびその搬送方法に関する多数の実施例が可能である。
【0024】
いくつかの実施形態では、塞栓粒子28は、図3Aおよび図4〜7に示す実施形態により例示されるように、長尺形状を有する粒子を含む。すなわち、粒子28の長さLは幅すなわち直径Wよりも長い。長さLは粒子28の最長寸法であり、約100マイクロメートル〜約1200マイクロメートルであってもよい。例えば、長さLは、約100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、または1100マイクロメートル以上;および/または1200、1100、1000、900、800、700、600、500、400、300、または200マイクロメートル以下であってもよい。幅すなわち直径Wは、長さLの方向に対して直交(例えば、直角に)する平面における平均寸法である。幅すなわち直径Wは、約50マイクロメートル〜約1000マイクロメートルであってもよい。例えばWは、約50、100、200、300、400、500、600、700、800、または900マイクロメートル以上;および/または約1000、900、800、700、600、500、400、300、200、または100マイクロメートル未満であってもよい。場合によっては、粒子の最大寸法は、粒子の搬送に使用される器具(例えば、マイクロカテーテル)の最小寸法以下であってもよい。
【0025】
言い換えると、塞栓粒子28の長さ(L)対幅/直径(W)のアスペクト比は1より大きい。(球形粒子の長さ対幅のアスペクト比は1である。)いくつかの実施形態では、粒子28の長さ対幅のアスペクト比は、約1.25:1〜約10:1である。例えば、アスペクト比は、約1.25:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、または9:1以上;および/または約10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、または2:1以下であってもよい。
【0026】
図3Aおよび図4〜7に示すように、長尺状粒子28は異なる形状を有することも可能である。例えば、図3A、4、および5は、ほぼ管状の長尺状粒子の様々な実施形態を示す。図3Aは、粒子の長さに沿って延びるスロットまたは溝34を有する円筒形状の塞栓粒子32を示す。後述するように、粒子32が形状記憶材料を含む実施形態では、例えば搬送のために、スロット34により粒子32はより容易に圧縮され、例えばスロット同士が互いに係合し(例えば、連結して)、粒子が自己集合することにより(図3B)、粒子間の相互作用が促進される。スロット34は、粒子32の長さ全体またはその一部のみにわたって延びていてもよい。粒子32は複数のスロット34を含むことができ、例えば、スロットを粒子に沿って同一直線状に配置し、および/または、粒子の外周上に(対称または非対称に)分布させることができる。いくつかの実施形態では、粒子32はスロット34を含まず、すなわち粒子を従来の円筒形とすることもできる。
【0027】
図4は拡大部分38を有する円筒形の塞栓粒子36を示す。使用時には、拡大部分38は、粒子36が互いに係合または結合することを助け、それにより、例えばより密接に充填された集合体を形成することにより凝集を強化する。拡大部分38は一般に、粒子36の他の部分の直径よりも大きい直径を有する曲線または円形の部分である。いくつかの実施形態では、拡大部分38の最大直径は約1500マイクロメートル(例えば、約1200、1000、800、600、または400マイクロメートル未満)である。粒子36は1つまたは複数の拡大部分38を含むことができる。
【0028】
図5は、粒子の長さに沿って延びる複数の隆起42を有する円筒形状の塞栓粒子40を示す。スロット34および拡大部分38と同様に、隆起42は、使用時に、粒子40が互いに係合または固定(lock)するのを助ける。隆起42は粒子40の全長またはその一部のみにわたって延びていてもよい。隆起42は、粒子40の外周に沿って対称または非対称に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、隆起42の最大高さHは、約100マイクロメートル(例えば、約100、80、60、または40マイクロメートル未満)であり、基部の幅Xは約50マイクロメートルである。隆起42は、正方形、矩形、または三角形など、異なる断面形状を有することができる。
【0029】
図3Aおよび図4〜7に示すように、塞栓粒子は様々な断面形状を有することができる。例えば、図3Aおよび4は、ほぼ円形の断面を有する粒子32,36を示す。図5はほぼ歯車状の断面を有する粒子40を示す。図6は複数(図では8個)の頂点46を有する断面を備える星形の塞栓粒子44を示す。いくつかの実施形態では、粒子44は、粒子の周囲に対称または非対称に配置された1個〜7個、またはそれより多くの頂点46を有することができる。別の例では、図7は三角断面およびスロット50を有する塞栓粒子48を示す。粒子48はさらに、塞栓粒子が均一または不均一の厚さを有し、すなわち粒子は特定の方向に沿って、例えば先細状など寸法を変化させることができることを示す。また、粒子40,44と同様に、粒子48も粒子の外面に円筒または棒状に切子面を形成できることを示す(例えば、図3A)。他の実施形態では、塞栓粒子は、例えば長円形、楕円、または3個〜8個、またはそれ以上の側面を有する正多角形や多角形など、非円形状の他の断面形状を有することも可能である。
【0030】
また、図3Aおよび図4〜7に示す塞栓粒子は、対称要素を有することを特徴とする塞栓粒子群を例示する。相対的に、不規則形状を有する集合体は、一般に対称要素を含まない。対称要素の一例は鏡面であり、鏡面の両側の対応する鏡像位置で粒子の構造は同一である。例えば、粒子32,48は、スロット34,50の中央を貫通して延びる鏡面(m)をそれぞれ有する(図3Aおよび7)。粒子36は、粒子の長さに沿って延び、断面中心Cと交差する無限数の鏡面を有する(図4)。例えば、粒子44は、粒子の長さに沿って延び、頂点46の中央とそれぞれ交差する多数の鏡面を有する(図6)。対称要素の別の例は対称軸であり、対称軸を中心に選択された(360度以外の)間隔で回転することにより同一の向きになる。例えば、粒子36は断面中心を通って延びる対称軸Rを有し、対称軸Rを中心に任意の増分で回転することにより同一の向きになる(図4)。粒子44も断面中心を通って延びる対称軸Rを有し、対称軸Rを中心に45度の増分で回転することにより同一の向きになる(図6)。粒子32,48は対称軸Rを有し、対称軸Rを中心に180度の増分で回転することにより同一の向きになる。
【0031】
さらに、上述の粒子は特定の個別の特徴(例えば、スロット、拡大部分、隆起など)を含むが、いくつかの実施形態では、塞栓粒子は複数の特徴を任意の組合せで含むこともできる。例えば、拡大部分38を備えた粒子36は、1つまたは複数のスロット、および/または、1つまたは複数の隆起をさらに含むことができる。星形粒子44は、1つまたは複数のスロット、および/または、1つまたは複数の拡大部分を含むことができる。楔形粒子48はスロットを含まなくてもよいが、例えば1つまたは複数の隆起を含むことができる。各特徴の任意の組合せを使用して、使用時に粒子間の相互作用を強化することができる。
【0032】
他の実施例においては、長尺状の粒子は、さほど長くない形状へ移行するように形成されてもよい。図8A〜8Cに関しては、粒子67は、円筒形やファイバ状などの第1のほぼ長尺形状において、カテーテル30を介して搬送される。粒子67が放出されると、粒子は形状を変化させるような刺激に晒される。例えば、粒子67は、バネ状コイル、三次元の集合体(球体など)、ねじれ部材、および/または、ジグザグ形状部材へ変化できる。変化した粒子67は、互いに絡み合って効果的な閉塞部69を提供する。粒子67は、本明細書に記載された任意の特徴(例えば、隆起、突起、および/またはスロット)を任意の組合せにおいて有することができる。粒子67は、本明細書に記載された任意の粒子と共に使用されてもよい。
【0033】
粒子はまた、図3Aおよび図4〜7に示す相対的な三次元構造に限定されない。いくつかの実施形態では、塞栓粒子は相対的な二次元構造であってもよい。すなわち、塞栓粒子の厚さは極めて薄くてもよい。図9Aおよび9Bに関して、いくつかの場合では、粒子はリボン状(粒子71)またはシート状(粒子73)である。粒子の平坦な形態により、搬送を容易にするために粒子を最初に圧縮し(例えば、折り畳み)、次いで後述するような刺激に晒された時に拡張する(例えば、広がる)ことができる。いくつかの実施形態では、粒子71,73の厚さ(T)は約50マイクロメートル未満(例えば、約40、30、または20マイクロメートル未満)である。これに代えて、あるいは、これに加えて、粒子71,73の厚さ(T)対幅(W)比は約1.25:1〜約10:1である。例えば、アスペクト比は、約1.25:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、または9:1以上;および/または約10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、または2:1以下であってもよい。粒子71,73の長さ(L)は上述の通りであってもよい。
【0034】
形状記憶材料は、上記した塞栓粒子以外の塞栓粒子を形成するために使用することも可能である。例えば、形状記憶材料は、長尺状ではない塞栓粒子を形成するために使用することもできる。形状記憶材料は、ほぼ球形(例えば、完全な球形または卵形)の塞栓粒子(例えば、以下に説明する図14および図15A〜15Fにおいて示される粒子56,58)を形成するために使用できる。搬送するためには、ほぼ球形の粒子はほぼ偏球形状へ圧縮可能である。その後、粒子は刺激に晒されて、卵形や球形へ拡大する。球形の塞栓粒子の好適な寸法は、径が約1,500〜1マイクロメートルであり、2000年3月6日付けで出願された米国特許出願第09/519,263号明細書に開示されており、同特許に開示された内容は本願においても開示されたものとする。
【0035】
他の実施形態では、形状記憶材料を使用して、赤血球のようなほぼ偏球の形状を有する粒子を形成することも可能である。図10Aおよび10Bを参照すると、偏球粒子52はほぼ円形または長円形の断面および比較的平坦な形状を有する。粒子52の表面は全体的に曲線状である。粒子は中心部が狭くなり粒子の外周部55が中心部より厚くなるように、その中心部53を陥没させることができる。その結果、粒子52は中心部53が凹状であり、外周部55が凸状である。偏球形状により粒子52は容易に撓むことができ(図10C)、粒子は例えば凝集せずにカテーテルを通って流れ、容易に搬送される。いくつかの実施形態では、粒子52の幅(W)は、約50〜約1200マイクロメートル(例えば、約50、200、400、600、800、または1000マイクロメートル以上;および/または約1200、1000、800、600、400、または200マイクロメートル以下)、最大厚さ(Tmax)は約1000〜約1200マイクロメートル(例えば、約1000または1100マイクロメートル以上;および/または約1200または1100マイクロメートル以下)、最小厚さ(Tmin)は約100〜約200マイクロメートル(例えば、約100または150マイクロメートル以上;および/または約200または150マイクロメートル以下)であってもよい。他の実施形態では中央部53は陥没しておらず、例えば偏球粒子の厚さはほぼ一定である。
【0036】
さらに比較的長尺状ではない他の形状も可能である。図11Aおよび11Bは、非長尺状の塞栓粒子54を示し、粒子54の断面はほぼ星形であるが長さが短い(延びていない)。比較的短い長さは、100マイクロメートル未満(例えば、約90、80、70、60、50、40、30、20、または10マイクロメートル未満)であってもよい。粒子54の断面形状は、粒子44の断面形状と同様に変更することができる。同様に、粒子32,40,48(図3A、5、および7)は、同じ断面を有するが長さを短くして形成することも可能である。図12A、12B、および12Cは、粒子32、粒子40、および(スロットのない)粒子48の切頭形状の実施形態を示す。
【0037】
本明細書に記載の粒子は、複数の粒子を有する塞栓組成物からなり、特定の実施例においては、塞栓組成物は単一の粒子を含む。図13A〜13Cに関して、塞栓粒子120(図示されるように長尺状の円筒形粒子)が、カテーテル30を使用して血管26内の目的部位24へ搬送される。搬送中、カテーテル30内を通過する時は、粒子120は第1の状態(例えば、圧縮された状態)である。粒子120がカテーテル30から放出されると、粒子は第2の状態(例えば、拡張された状態)へ変形し、第2の状態において血管26内を移動し血管を閉塞する。いくつかの実施例においては、粒子120が他の閉塞部を形成するために搬送される前および/または後で、より小さい粒子(例えば、本明細書に記載されたような粒子)を注入することも可能である。粒子120の特定の寸法は、粒子が使用される血管に基づいて決定されてもよい。いくつかの実施例においては、粒子120は、約1〜46ミリメートルの最終的な平均断面直径を有する。粒子120の長さは約1マイクロメートル〜50ミリメートルであってもよく、例えば、約3〜25ミリメートルであってもよい。粒子120は、本明細書に記載の材料を使用して本明細書に記載の任意の形状に形成することも可能である。
【0038】
いくつかの実施例においては、粒子(例えば、図3Aおよび図4〜12Cに示される粒子)は、形状記憶性を示さない材料(「非形状記憶材料」)から全体を形成されてもよい。粒子の性能は、上記した特定の設定形状により強化することも可能である。好適な非形状記憶材料の例には、2002年8月9日付で出願された米国特許出願第10/215,594号明細書に記載されたポリビニル・アルコール(PVA)などの生体適合性ポリマーが含まれ、同特許に開示された内容は本願においても開示されたものとする。他の好適な材料には、米国特許第4,640,807号明細書および欧州特許第067459号に記載されたシリカ粒子などの生体適合性セラミックスが含まれ、これら特許に開示された内容は本願においても開示されたものとする。
【0039】
非形状記憶材料の他の種類には、吸収性ポリマーや超吸収性ポリマーがある。これらのポリマーは、体液や生体適合性剤などの他の材料を吸収できる多孔質材料であり、第1の(例えば、圧縮)形状から第2の(例えば、拡張)形状へ拡張する。そのようなポリマーの例には、ヒアルロン酸(メドトロニック・ゾーメド(商標)社より販売)(Medtronic Xomed,Inc.,MN)[ミネソタ州所在]やヒドロゲルが含まれる。
【0040】
非形状記憶材料の混合物は、粒子を形成するために使用できる。例えば、粒子は、PVAなどのポリマーから形成されたコアおよびシリカなどのセラミックからなる外面を備えることも可能である。多孔性の外面は、放射線不透過性材料やMRI可視材料などの材料を収納し、および/または、治療薬などの材料を放出するために使用される。他の実施例においては、コアはセラミックを含み、ポリマーはコアを包囲する。ポリマーは、上記したように使用中に反応する(例えば、形状を変化させる)ことも可能である。
【0041】
他の実施例においては、塞栓粒子は、形状記憶材料および非形状記憶材料の組合せから形成されてもよい。例えば、図14に関して、粒子56は、非形状記憶材料から形成されたほぼ球形の本体60と、本体60の表面から延びる形状記憶材料から形成された複数のファイバ、すなわちフィラメント62とを備える。実施例によっては、ファイバ62は露出した自由端を有するように形成され、他の実施例においては、ファイバ62の端部は、ファイバが本体60から延びるループを形成するように本体に埋め込まれる。ファイバ62は形状記憶材料から形成されるため、塞栓組成物を搬送する際に、ファイバを本体60の方へ折り曲げて圧縮し、それにより搬送を向上させることも可能である。その後、粒子56が相互に作用(絡み合う)して凝集するように、ファイバ62は本体内で広がる。他の実施例においては、本体60は形状記憶材料を含み、ファイバ62は非形状記憶材料を含む。非形状記憶材料は上記した材料であってもよく、さらに、ポリエステル、ナイロン、DACRON(登録商標)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン、Kevlar(登録商標)などの合成材料、絹やコラーゲンや毛髪などの天然材料、アルギニン酸塩、縫合基材を含んでもよい。粒子56は、全体を形状記憶材料または非形状記憶材料から形成されてもよい。
【0042】
他の例として、図15Aに関し、粒子58は、ほぼ球形の本体64と、本体から延びる複数のスパイク66(正確な縮尺では示されていない)とを有する。本体64は非形状記憶材料から形成され、スパイク66は形状記憶材料から形成されてもよい。ファイバ62のように、使用時において、スパイク66は折り畳まれ、その後広げられる。スパイク66は約100マイクロメートルの長さを有することも可能である。他の実施例において、本体64は形状記憶材料から形成され、スパイク66は非形状記憶材料から形成されてもよい。粒子58は、全体を形状記憶材料または非形状記憶材料から形成されてもよい。他の実施例において、スパイク66以外の突起が使用されてもよい。例えば、突起には、ロッド121(図15B)、円錐台123(図15C)、またはバンプ125(図15D)が含まれる。突起は、均等あるいは不均等に粒子の周囲に配置されてもよい。突起は、全体または選択された部分を本明細書に記載の粒子の任意の実施例(粒子32,36,40,44,48,120(図15E))から形成されてもよい。異なる種類の突起(例えば、ロッドやバンプ)が、任意の組合せで、粒子(例えば、図15F)上に形成されてもよい。
【0043】
いくつかの実施例において、本明細書に記載の塞栓粒子は、例えば、粒子上にコーティングを施すことにより、表面改質を行うことも可能である。例えば、粒子は、Glidex(登録商標)、Mediglide(登録商標、シリコーン系コーティング)、Hydropass(登録商標、水性コーティング)などの潤滑材料からなるコーティングを備えてもよく、これらの材料は粒子の搬送を向上させる(凝集が早まることを防止する)。粒子は、所定の条件に晒されると変化する材料からなるコーティングを含むことも可能である。例えば、コーティング材は、液体との接触、温度変化、および/またはpHの変化により膨張する、ヒドロゲルやアルギン酸塩やでんぷんを含んでもよい。軟性の膨張したコーティングにより、粒子は容易に変形して堅固な充填部を構成できる。コーティング材料は、カテーテルを介して搬送された後に体液(後述)や他の流体内で分解可能な可溶性材料であってもよい。可溶性材料は、例えば、熱バリアとして作用することにより、形状記憶材料の変化を遅らせることができる。塞栓粒子が吸収性材料を含む実施例において、可溶性材料は吸収を遅らせることができる。吸収性あるいは生体吸収性材料は、所定の割合で体液に接触すると分解される。生体吸収性材料として使用できるポリマーコーティング材料には、ゼラチン;ポリ乳酸(例えば、ポリ−L−乳酸、DL−乳酸のブレンド、またはポリ(乳酸−コ−グリコール酸));ポリグリコール酸;セルロースなどの多糖類(例えば、ヒドロキシメチルプロピルセルロース)、でんぷん、デキストラン、アルギン酸塩および誘導体;およびグルコン酸クロルヘキシジンが含まれる。生体吸収性コーティングの厚さは、吸収量を調節するために変更可能であり、生体吸収性コーティングの厚さは、吸収量を調節するために変更可能であり、生体吸収性コーティングの厚さは、血液などの特定された所定の流体を吸収するために選択可能である。また、生体吸収性材料は、細胞を塞栓血管へ成長させるマトリックスとして機能することも可能である。
【0044】
他の材料を使用することも可能である。適切な材料には、例えば、ポリカルボキシル酸、アセチルセルロースおよびニトロセルロースを含むセルロース・ポリマー、ポリビニルピロリドン、架橋ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸ポリマーを含むポリ無水物、ポリアミド、ポリビニル・アルコール、EVAなどのビニル・モノマーのコポリマー、ポリビニル・エーテル、ポリビニル芳香族、ポリエチレン酸化物、グリコサミノグリカン、ポリエチレン・テレフタレートを含むポリエステル、ポリアクリルアミド、ポリエーテル、ポリエーテル・スルホン、ポリカーボネート、ポリプロピレンやポリエチレンや高分子量ポリエチレンを含むポリアルキレン、ポリテトラフルオロエチレンを含むハロゲン化ポリアルキレン、ポリウレタン、ポリオルソエステル、タンパク質、ポリペプチド、シリコーン、シロキサン・ポリマー、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート、吉草酸ポリヒドロキシブチレートおよびそのブレンドならびにそのコポリマー、他の生分解性や生体吸収性や生体内安定性ポリマーおよびコポリマーが含まれる。また、ポリウレタン分散(BAYHDROL(登録商標)など)およびアクリル・ラテックス分散などのポリマー分散によるコーティングも、本発明の範囲内に含まれる。ポリマーはタンパク質ポリマー、フィブリン、コラーゲン、およびそれらの誘導体、細胞外マトリックス成分、ヒアルロン酸、キトサン、または他の生物因子、あるいはこれらのうちの任意の好適な混合物であってもよい。他の例には、ボストン・サイエンティフィック社からHYDROPLUS(登録商標)として入手可能であり、米国特許第5,091,205号に記載されているポリアクリル酸;ポリイソシアネート(例えば、粒子が体液に晒されると瞬時に潤滑性になることができるもの、米国特許第5,091,205号を参照);ポリカプロラクトン(例えば、ポリ乳酸およびポリカプロラクトンのコポリマー、またはポリカプロラクトンおよびブチルアクリレートのコポリマー);チロシン誘導ポリカーボネートおよびアリレート;ポリホスファゼン;ポリイミノカーボネート;ポリジメチルトリメチルカーボネート;生分解性カルシウムリン酸塩(例えば、亜鉛カルシウムリン酸塩);シアノアクリレート;ポリジオキサノン;ポリプロピレンフマル酸塩;ポリデプシペプチド;無水マレイン酸コポリマー;および無水のポリ無水物(anhydrous polyanhydrides)がある。
【0045】
いくつかの実施例において、粒子は、その表面に塗布される1つまたは複数の治療薬を含んでいてもよい。治療薬は、体液に接触すると放出される。上記の可溶性材料は、治療薬の放出を制御するために使用されてもよい。治療薬は、負帯電、陽イオン帯電、両性、または中性であってもよい。治療薬は、粒子の塊として形成されてもよく、あるいは、粒子の表面に塗布されてもよい。
【0046】
治療薬のいくつかの例は、2002年8月30日に出願された米国特許出願第10/232,265号に記載されており、同特許に開示された内容は本願においても開示されたものとする。他の治療薬の例には、これらに限定はされないが、ヘパリン、ヘパリン誘導体、ウロキナーゼ、およびPPack(デキストロフェニルアラニン・プロリン・アルギニン・クロロメチルケトン)などの抗血栓剤;エノキサプリン、アンジオペプチン、平滑筋細胞の増殖を阻害するモノクローナル抗体、ヒルジン、アセチルサリチル酸などの増殖抑制剤;デキサメタゾン、プレドニゾロン、コルチコステロン、ブデゾニド、エストロゲン、サルファサラジン、メサラミンなどの抗炎症剤;パクリタキセル、5−フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、クラドリビン、エポシロン類、エンドスタチン、アンジオスタチン、およびチミジンキナーゼ阻害剤などの抗癌剤または抗腫瘍剤/増殖抑制剤/抗有糸分裂剤;リドカイン、ブピバカイン、ロピバカインなどの麻酔薬;D−Phe−Pro−Argクロロメチルケトン、RGDペプチド含有化合物、ヘパリン、アンチトロンビン化合物、血小板受容体拮抗剤、アンチトロンビン抗体、血小板受容体抗体、アスピリン、プロスタグランジン阻害剤、血小板阻害剤、ダニ由来の抗血小板ペプチドなどの抗血液凝固剤;成長因子阻害剤、成長因子受容体拮抗剤、転写活性化因子、翻訳促進因子などの血管細胞増殖促進剤、成長因子阻害剤、成長因子受容体拮抗剤、転写抑制剤、翻訳抑制剤、複製阻害剤、阻害抗体、成長因子に対する抗体、成長因子および細胞毒素で構成される二官能性分子、抗体および細胞毒素で構成される二官能性分子などの血管細胞増殖阻害剤;コレステロール低下薬;血管拡張剤;体内における血管作用機構を阻害する薬剤などがある。
【0047】
これに代えて、あるいは、これに加えて、粒子の表面に、粗面化などのテクスチャード加工を施してもよい。テクスチャード加工された面は、粒子の表面積が増加するため、表面に塗布される治療薬などの材料をより多く含むことができる。テクスチャード加工された面は、コーティング材料を配置できる穴や窪みを提供することも可能である。テクスチャード加工された面を形成する技術には、マイクログレージング(micrograzing)、低温粉砕法(cryogenic pulverization)、および/または、マイクロクラッキング(microcracking)が含まれる。
【0048】
表面改質の代わりに、または表面改質に加えて、塞栓粒子の内部構造を改質することができる。塞栓粒子は、放射線不透過性材料、磁気共鳴画像(MRI)により可視化される材料、および/または、超音波造影剤を含む集合体を取り囲む(例えば、被包する)ことができる。材料または薬剤により粒子を、例えばX線透視法、MRI、または超音波画像により、追跡し監視することも可能である。放射線不透過性材料(例えば粉末)、MRI可視材料、および/または、超音波可視材料を、例えば形状記憶ポリマーなど塞栓粒子の材料と混合し、粒子に成形することができる。場合によっては、放射線不透過性材料、MRI可視材料、および/または、超音波可視材料を、例えば1つまたは複数の上述のコーティング材料と化合することにより粒子の表面に塗布してもよい。これに代えて、あるいは、これに加えて、放射線不透過性材料の集合体を粒子内に収容することもできる。放射線不透過性材料の例には、タンタル、タングステン、プラチナ、パラジウム、または金などの高密度金属がある。
【0049】
MRI可視材料の例には、テルビウム−ジスプロシウム、ジスプロシウム、およびガドリニウムなどの常磁性元素(例えば、ジスプロシウムまたはガドリニウム)を含む非鉄金属合金;ジスプロシウムまたはガドリニウムの酸化物または炭化物層(例えば、DyまたはGd)で覆われた非鉄金属帯;ナノ結晶Fe、CoFe、MnFe、またはMgFeなどの超常磁性材料の層でコーティングされた非鉄金属(例えば、銅、銀、プラチナ、または金);および遷移金属酸化物(例えば、鉄、コバルト、ニッケルの酸化物)のナノ結晶粒子が含まれる。MRI可視材料の粉末を、例えば形状記憶ポリマーなど塞栓粒子の材料と混合することも可能である。
【0050】
超音波造影剤は、超音波撮像の際の可視性を高める任意の材料であってもよい。超音波造影剤には、音波を屈折させるのに十分な大きさの気泡を閉じ込めた懸濁液を含むことができる。
【0051】
他の実施形態においては、図16に示すように、治療薬を収容して密封することのできる空洞部72を形成するように、塞栓粒子70を形成することができる。空洞部72は、体液との接触、pHの変化、またはエネルギー(例えば、温度)の変化など、所定の条件に晒されると分解し溶解する材料で密封することができる。封止剤が分解または溶解すると、治療薬を体内に放出することができる。空洞部72を密封するための適切な材料には、(例えば、7.4より高い選択されたpHを有する溶液で溶解する)ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリ酢酸ビニル、ビニルまたはコラーゲンベースの接着剤やゼラチン、ならびにブセミ他(Buscemi et al.)に付与された米国特許第5,443,495号に記載された他の分解性材料が含まれ、同特許に開示された内容は本願においても開示されたものとする。
【0052】
使用時に、塞栓粒子は、例えば、目的部位付近に配置されたカテーテル内を通過して、目的部位まで搬送される。粒子が形状記憶材料を含む実施例においては、通常、粒子は、形状記憶材料が移行するのを防止するために、移行温度よりも低い温度を有する生体適合性溶液により運ばれる。
【0053】
異なる塞栓粒子の混合物または組合せは、粒子が相乗的に作用するように、塞栓術の処置中に(同時または順次)注入されてもよい。異なる形状の粒子が共に使用されてもよい。例えば、図17Aに関して、球状および/または円筒状などの三次元粒子41が、長尺のリボン状粒子や平坦状粒子などの二次元粒子と共に(前後または同時に)注入されてもよい。粒子が相互に作用して凝集すると、リボン状粒子や平坦状粒子は、複数の球状の粒子の間の空隙を埋めるため、より効果的に閉塞部を形成できる。他の例としては、図17Bに関して、リボン状粒子43は、スロットを有する粒子と共に搬送されてもよい。リボン状粒子はスロットと相互に作用して(例えば、係合または連結して)、自己集合してより堅固な構造を形成する。
【0054】
これに代えて、あるいは、これに加えて、異なる寸法の粒子を共に(例えば、順次または同時に)使用することも可能である。図18に関して、比較的大きい粒子47を使用して閉塞部の全体的な構造を形成し、より小さい粒子49が、複数の大きい粒子47の間の空間を塞ぐことも可能である。大小の粒子が同時または順次搬送されてもよい。例えば、比較的大きい粒子が最初に搬送されて、閉塞部の全体的な構造を形成し、その後で比較的小さい粒子が搬送されて、大きい粒子の間の空間を塞いでもよい。
【0055】
相補的な(例えば、連結)形状を有する粒子を含む他の組合せも可能である。例えば、図19に関して、球形の粒子41は、球形の粒子の一部を受容する凹状部分を有する粒子51(例えば、後述の偏球形粒子52)と共に搬送されてもよい。粒子51は、複数の球形の粒子41の間の空隙を埋めることができる。連結可能な他の相補的な粒子には、開口部を有する粒子53、その開口部を貫通可能な部分59(例えば、突起)を有する粒子57が含まれる。他の相補的粒子61には、比較的大きな部分へ曲線状に延びる比較的小さい部分を有する、涙滴形状をなす粒子(図21A,21B)が含まれる。これらの粒子は、比較的平坦な二次元構造や三次元構造を形成する(例えば、2つの粒子が係合して球体を形成する)。他の実施例においては、相補的な粒子は、比較的平坦すなわち平面状の1つまたは複数の面を有する。例えば、そのような粒子は、立方体や20面体であってもよい。図22A〜22Cに関して、複数の平面を有する粒子は、平面が互いに接触してブロック状に積み重なって閉塞部を形成する。粒子は、類似または同寸法(例えば、図22B,22C)からなってもよく、異なる寸法(例えば、図22A)であってもよい。
【0056】
異なる物理的性質および/または化学的性質を有する粒子を共に使用することも可能である。例えば、異なる硬度(例えば、デュロメータ硬度)を有する粒子を共に使用することもできる。異なる表面特性を有する粒子を共に搬送することも可能である。例えば、疎水性粒子を可溶性のある親水性コーティングで表面改質させて、改質されていない疎水性粒子と共に注入することも可能である。改質された粒子および改質されていない粒子が、異なる疎水性/親水性を有するため、粒子は凝集しにくい。親水性コーティングが体内で溶解して疎水性の表面を露出させると、粒子は凝集して閉塞部を形成できる。
【0057】
塞栓粒子は、異なる物理的状態の物質と共に搬送することができる。例えば、粒子の搬送を追跡できるように、造影剤(Omnipaque(商標)、Renocal(登録商標))または放射線不透過剤を使用して塞栓粒子を搬送することができる。粒子が液体を吸収することができる実施形態では、造影剤を吸収することにより、(例えば、閉塞後に)粒子を監視することができる。塞栓粒子を液体塞栓材料(n−ブチル・シアノアクリレート(NBCA)など)、発泡塞栓材料(Ivalon(登録商標)(PVA発泡体)など)、および/またはゲル塞栓材料(ヒドロゲルなど)と共に搬送することができる。NBCAは、血液、生理食塩水、イオン造影剤、および血管上皮などのイオン物質と接触すると重合することができる。様々な量の氷酢酸および/またはエチオドルやパントパークなどの油性造影剤を加えることにより、重合時間を変える(例えば、長くする)ことができる。液体として体内に注入され、液体から固体を沈殿させることができる他の組成物は、米国特許第6,575,896号に記載されており、Enteryx(登録商標)(ボストン・サイエンティフィック社から入手可能)により例示されている。組成物の例には、生体適合性溶剤(例えば、DMSO)、生体適合性ポリマー(例えば、アセチルセルロース)、および造影剤(例えば、硫酸バリウム)がある。生体内で凝固可能な他の材料には、例えば、米国特許第6,443,941号に記載されている、ポリマー腔内充填密封(PEPS)で使用される材料が挙げられる。さらに他の例には、無機ゲルおよび米国特許第6,296,632号に記載されている他の材料が挙げられる。
【0058】
塞栓粒子は止血剤と共に使用することができる。止血剤には、Gelfoam(登録商標)(アップジョン社(Upjohn Co.)[ミシガン州カラマンズー(Kalamazoo)所在]から入手可能なゼラチンスポンジ)、およびAvitene(登録商標)(アヴィコン社(Avicon Inc.)[テキサス州フォートワース(Fort Worth)所在]から入手可能な超微小繊維コラーゲン(例えば40〜60マイクロメートル粒子))がある。他の例には、フィブリン、フィブリン接着剤、血液凝固前駆体、他のコラーゲンベースの薬剤(例えば、Collastat(商標)、Superstat(商標)、およびInstat(商標))、セルロース(例えば、Oxycel(商標)、およびSurgicel(商標))、アルギン酸カルシウム、ヒアルロン酸、血小板、血栓、および寒冷沈降物がある。場合によっては、塞栓粒子の表面などを帯電させることにより、凝固を促進することができる。他の例には、絹縫合糸およびマイクロコイル(これを使用して枠組みまたは網目を構成し、その上に粒子を蓄積させて閉塞することができる);ファイバ・ステンレス鋼(例えば、ジアンタルコ(Gianturco)による);Dacron(登録商標)ファイバを備えた、または備えていないプラチナ・マイクロコイル(イー・アイ・デュポン・ド・ヌムール社(E.I.du Pont de Nemours and Co.)およびターゲット・セラピューティクス・ボストン・サイエンティフィック社(Target Therapeutics Boston Scientific)から入手可能);グリエルミ(Guglielmi)離脱型コイル(長い非ファイバ性プラチナ・マイクロコイル)(ターゲット・セラピューティクス・ボストン・サイエンティフィック社から入手可能);および連動脱着式コイルがある。これに代えて、あるいは、これに加えて、塞栓療法には、血管を局所的に収縮させたり、局所閉塞および/または血栓を起こすために、血管攣縮剤(セロトニンおよびオキシヘモグロビンなど)を追加することも可能である。
【0059】
塞栓粒子の混合物は、同時または所定の順序で搬送されてもよい。例えば、比較的大きい粒子が最初に搬送されて、閉塞部の全体的な構造を形成し、比較的小さい粒子が次に搬送されて、大きい粒子の間の空間を満たしてもよい。同様に、三次元形状の粒子が最初に搬送されて、二次元形状の粒子が続いて搬送されてもよい。
【0060】
マルチルーメン・カテーテルおよび/またはシリンジを使用して、塞栓粒子の混合物を搬送することも可能である。例えば、図23Aおよび23Bに示すように、カテーテル101は、壁107により隔てられた2つのルーメン103,105を含む。壁107はカテーテル101の先端109の基端側で終端し、そのためカテーテルは先端において混合チャンバ111を有する。使用時には、ルーメン103を介して一方の種類の塞栓粒子を搬送することができ、ルーメン105を介して他方の種類の塞栓粒子を搬送することができる。ルーメン103,105は、例えば、カテーテル101の内部で早期に相互作用(例えば、凝集または閉塞)しないように、粒子を別々のまま保持する。次いで、体内に注入する前にチャンバ111内で粒子を混合することができる。他の実施形態では、壁107は先端109で終端し、すなわちカテーテルは混合チャンバを含まない。ルーメン103,105は、同軸上(図24Aおよび24B)、向かい合わせ、隣り合わせ、混合チャンバを有して、または有さずに形成することができる。マルチルーメン・カテーテルまたはシリンジは、例えば搬送される塞栓粒子の種類数に応じて、2つより多いルーメンを含むことができる。
【0061】
塞栓粒子を使用して、例えば、過剰な術中失血に関連する術後罹患率および/または死亡率を低減するための術前処置として、血管の奇形または腫瘍を塞栓することができる。このような場合、体血管の閉塞は、通常、一時的なものである。他の場合では、患者が手術を受けるのに適していると思われない(例えば、健康状態が悪い、過去の手術による試みが不成功である、手術部位に届かない、外傷による出血症状がある、および/または、手術リスクが高い)時などに、塞栓術を最終的な治療法として使用する。このような場合には、血管の閉塞は、通常、永久的なものである。例えば、腹部大動脈瘤の血管内治療において、タイプ2のエンドリークを治療するために、内乳房動脈および腰動脈の塞栓術を使用することができる。
【0062】
さらに他の実施形態では、例えば、類線維腫、腫瘍、内出血、AVM、血管過剰増生による腫瘍(hypervascular tumors)の治療において薬理学的に受け入れ可能な組成物、動脈瘤嚢の充填剤、エンドリークの密封剤、動脈密封剤、穿孔密封剤、およびファロピウス管など他の管腔の閉塞部として塞栓組成物を使用することができる。類線維腫には、子宮壁の内部で成長する(壁内型)、子宮外部で成長する(漿膜下型)、子宮腔内部で成長する(粘膜下型)、子宮を支える広靱帯層の間で成長する(靱帯間型)、または別の器官に付着する(寄生型)、またはマッシュルーム状の茎上にある(有茎型)、子宮類線維腫が含まれる。内出血には、胃腸、泌尿器、腎臓、静脈瘤の出血を含む。AVMは、例えば、脳などにおける血管の異常な集中であり、血圧の高い動脈から血圧の低い静脈へ血液が短絡し、それによって、血液が迂回する部分で低酸素症および栄養不良を引き起こす。
【0063】
塞栓組成物の治療的投与の重要性は、治療する病態の性質、場所、および重症度および投与経路により変化する。病態、疾患、異常を治療する医師は塞栓組成物の有効量を決定することができる。塞栓組成物の有効量は、症状の改善または患者の生存延長をもたらすのに十分な量のことをいう。塞栓組成物は、経静脈的、皮下的、経皮的、気管内的、筋肉内的、粘膜内的、皮内的、関節内的、経口的、または非経口的に、薬理学的に受け入れ可能な組成物として、患者に治療上受け入れ可能な任意の投与量を投与することができる。
【0064】
塞栓粒子を含有する組成物は、医師が搬送しやすいように、較正された塞栓粒子濃度で調製することができる。組成物の密度は、生理食塩水内で約1.1〜1.4g/cm、または約1.2〜1.3g/cmであってもよい。投与期間にわたって安定した懸濁液を形成するために、生理食塩水において塞栓粒子の懸濁液を調製することができる。塞栓粒子の懸濁液は、1〜10分、2〜7分、または3〜6分にわたって安定している。医師は、生理溶液に対する塞栓粒子の重量比を調節することにより、塞栓粒子の濃度を決定することができる。塞栓粒子の重量比が小さすぎる場合は、血管に注入する液体が多すぎ、塞栓粒子が側方血管内へそれる可能性がある。実施形態では、生理溶液に対する塞栓粒子の重量比は、約0.01〜15重量%である。
【0065】
他の実施形態では、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を治療するためなどに、塞栓粒子を使用して肺容量を減少させることができる。例えば、縮小(collapse)すべき肺の一部と連通する気道を閉鎖することにより、肺の一部を縮小できる。塞栓粒子を気道内に入れることにより、気道を閉鎖することができる。粒子は、空気が肺の一部に吸い込まれ、またはそこから吐き出されることを防ぐ。気道を密閉すると、肺内部の残りの空気が長時間にわたって吸収されて、肺の一部が縮小させられる。他の実施形態では、肺の一部と連通する気道内に導管を挿入し、肺の一部を縮小させるために導管を通して肺の一部を真空にし、気道を塞栓粒子で封止して肺の一部を縮小した状態に維持することにより、肺の一部を縮小できる。肺の一部を効率よく真空にして縮小させるために、真空時に導管の外面と気道の内面との間の空間を封止してもよい。肺の一部を収縮する間に気道を封止することもできる。
【0066】
いくつかの実施形態では、上述の塞栓粒子を使用して組織を大きくすることができる。例えば、粒子を使用して、内因性括約筋不全(ISD)、膀胱尿管逆流、胃食道逆流障害(GERD)、麻痺による発声障害の場合には声門の応答能の修復などの声帯麻痺を治療することができる。例えば、手術による再建や美容的用途のために、軟組織の欠損を充填および/または平滑化するための移植材料や充填材として、粒子を使用することができる。適用例には、口蓋裂;水疱瘡痕やざ瘡痕による陥没した瘢痕などの瘢痕の再建;脂肪吸引により生じた窪み:眉間に寄った皺などの皺;薄い唇の軟組織の補強がある。他の適用例は、2002年8月30日に出願された米国特許出願第10/231,664号に記載されており、同特許に開示された内容は本願においても開示されたものとする。
【0067】
本出願で引用されたすべての出版物、適用例、参照文献、および特許は、本願においても開示されたものとする。
他の実施例もまた、特許請求の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1A】第1の状態における塞栓組成物の一実施例を示す図。
【図1B】第2の状態における塞栓組成物の一実施例を示す図。
【図2A】塞栓組成物を搬送する方法の一実施例を示す図。
【図2B】図2Aの実施例を示す他の図。
【図2C】図2Aの実施例を示す他の図。
【図3A】スロットを有する塞栓粒子の一実施例を示す斜視図。
【図3B】連結している図3Aの2つの塞栓粒子を示す斜視図。
【図4】拡大部分を有する塞栓粒子の一実施例を示す斜視図。
【図5】隆起を有する塞栓粒子の一実施例を示す斜視図。
【図6】頂点を備えた断面を有する塞栓粒子の一実施例を示す斜視図。
【図7】スロットを有する塞栓粒子の他の実施例を示す斜視図。
【図8A】塞栓組成物を搬送する方法の他の実施例を示す図。
【図8B】図8Aの方法を示す他の図。
【図8C】図8Aの方法を示す他の図。
【図9A】リボン状の塞栓粒子の一実施例を示す斜視図。
【図9B】シート状の塞栓粒子の一実施例を示す斜視図。
【図10A】偏球形状の塞栓粒子の一実施例を示す上面図。
【図10B】図10Aの粒子を示す側面図。
【図10C】屈曲した姿勢における図10Aの粒子を示す図。
【図11A】星形の塞栓粒子の一実施例を示す斜視図。
【図11B】図11Aの実施例を示す側面図。
【図12A】スロットを有する塞栓粒子の他の実施例を示す斜視図。
【図12B】歯車状の塞栓粒子の一実施例を示す斜視図。
【図12C】楔形の塞栓粒子の一実施例を示す斜視図。
【図13A】塞栓組成物を搬送する方法の他の実施例を示す図。
【図13B】塞栓組成物を搬送する方法の実施例を示す他の図。
【図13C】塞栓組成物を搬送する方法の実施例を示す別の図。
【図14】ファイバを有する塞栓粒子の一実施例を示す斜視図。
【図15A】異なる突起を有する塞栓粒子の一実施例を示す斜視図。
【図15B】異なる突起を有する塞栓粒子の他の実施例を示す図。
【図15C】異なる突起を有する塞栓粒子の他の実施例を示す図。
【図15D】異なる突起を有する塞栓粒子の他の実施例を示す図。
【図15E】異なる突起を有する塞栓粒子の他の実施例を示す斜視図。
【図15F】異なる突起を有する塞栓粒子の他の実施例を示す図。
【図16】空洞部を有する塞栓粒子の一実施例を示す図。
【図17A】閉塞部の一実施例を示す図。
【図17B】2つの塞栓粒子が連結している状態を示す斜視図。
【図18】閉塞部の他の実施例を示す図。
【図19】閉塞部の他の実施例を示す図。
【図20】相補的特徴を有する2つの塞栓粒子を示す図。
【図21A】涙滴形状を有する塞栓粒子の一実施例を示す図。
【図21B】涙滴形状を有する塞栓粒子の他の実施例を示す図。
【図22A】閉塞部の一実施例を示す斜視図。
【図22B】閉塞部の他の実施例を示す斜視図。
【図22C】閉塞部の他の実施例を示す斜視図。
【図23A】カテーテルの一実施例を示す図。
【図23B】23B−23B線における図23Aのカテーテルの断面図。
【図24A】カテーテルの他の実施例を示す図。
【図24B】24B−24B線における図24Aのカテーテルの断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
形状記憶材料を含む塞栓粒子からなる組成物。
【請求項2】
前記形状記憶材料はポリマーからなる請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ポリマーは、ポリウレタン、ポリノルボルネン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンコポリマー、ゴム、光架橋性ポリマーから選択された材料からなる請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記形状記憶材料は合金からなる請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記合金はニッケルチタン合金を含む一群から選択された材料からなる請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記粒子は体内において生体吸収性を有しない請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記粒子は治療薬を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記粒子は空洞部を形成し、前記治療薬は該空洞部に収容される請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記粒子は放射線不透過性材料を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記放射線不透過性材料は、金、タンタル、プラチナ、およびタングステンから選択される請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記粒子は非球形である請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記粒子は偏球形である請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記粒子は、長尺状をなし、長さと幅の比率が1よりも大きい請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記粒子はほぼ円筒形をなす請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記粒子は長手方向に沿って延びる溝を備える請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記粒子は、第1の幅を有する第1断面と、該第1断面と平行に延び、かつ、該第1の幅とは異なる第2の幅を有する第2断面とを備える請求項14に記載の組成物。
【請求項17】
前記粒子は溝を有する請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記粒子は長手方向に沿って延びる外面上に1本の隆起を有する請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記粒子はほぼ円筒形をなす請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記粒子は長手方向に沿って延びる外面上に複数の隆起を有する請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
前記粒子はほぼ円筒形をなす請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記粒子は複数の対称をなす頂点を有する断面を備える請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
前記粒子は三角断面を有する請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
前記粒子は溝を有する請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
前記粒子は体内において溶解可能な部分を備える請求項23に記載の組成物。
【請求項26】
前記粒子は、形状記憶材料を含まない第2の材料をさらに有する請求項1に記載の組成物。
【請求項27】
前記第2の材料は、ポリエステル、ナイロン、DACRON(登録商標)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、Kevlar(登録商標)、絹、コラーゲン、毛髪、アルギニン酸塩、から選択される請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
前記第2の材料は、前記粒子の各々から延びる長尺状の構造をなす請求項26に記載の組成物。
【請求項29】
複数の塞栓粒子からなり、該複数の塞栓粒子の少なくとも1つが形状記憶材料からなる請求項1に記載の組成物。
【請求項30】
第2の複数の塞栓粒子をさらに含み、該第2の複数の塞栓粒子の粒子は、前記複数の塞栓粒子の粒子とは異なる形状を有する請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
球形粒子および非球形粒子を有する請求項29に記載の組成物。
【請求項32】
第2の複数の塞栓粒子をさらに含み、該第2の複数の塞栓粒子の粒子は、前記複数の塞栓粒子の粒子とは異なる寸法を有する請求項29に記載の組成物。
【請求項33】
第2の複数の塞栓粒子をさらに含み、該第2の複数の塞栓粒子の粒子は、前記複数の塞栓粒子の粒子とは異なる硬度を有する請求項29に記載の組成物。
【請求項34】
第2の非固体の塞栓材料をさらに含む請求項1に記載の組成物。
【請求項35】
前記第2の塞栓材料は、液状、ゲル状、または泡状である請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
前記粒子は、所定の刺激に晒されると体積が増加する材料からなる請求項1に記載の組成物。
【請求項37】
前記材料はヒドロゲルからなる請求項36に記載の組成物。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図15E】
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【図15F】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24A】
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【図24B】
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【公表番号】特表2007−510650(P2007−510650A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538373(P2006−538373)
【出願日】平成16年11月1日(2004.11.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/036195
【国際公開番号】WO2005/044310
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(500332814)ボストン サイエンティフィック リミテッド (627)
【Fターム(参考)】