説明

ポリマー組成物、ポリマー組成物から製造された物品及びポリマー組成物の成形方法

ポリマー組成物は、熱可塑性ポリマーと、成核剤、清澄剤及びこれらの組合せからなる群より選択されるポリマー添加剤と、フルオロポリマーとを含んでいる。成形品は、少なくとも1つの空洞を含んでいる。壁は、熱可塑性ポリマーと、成核剤、清澄剤及びこれらの組合せからなる群より選択されるポリマー添加剤と、フルオロポリマーと含んだポリマー組成物を含んでいる。ポリマー組成物の成形方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー組成物、前記ポリマー組成物から製造された物品及び前記組成物の成形方法に関する。
【発明の概要】
【0002】
上述の通り、本発明は、一般には、ポリマー組成物、前記ポリマー組成物から製造された物品(例えば成形品)及び前記ポリマー組成物の成形方法を対象とする。成形品、例えば、押出吹込成形品の形成に使用される場合、本発明のポリマー組成物は、ポリマー添加剤とフルオロポリマーとの相乗的な配合物を含み、望ましい光学的性質(例えば、ヘーズ及び光沢)を示す成形品の製造に特に適切であると考えられている。特に、本発明のポリマー組成物を使用して製造された成形品は、他のポリマー組成物を使用して製造された物品と比較して、低いヘーズ及び高い光沢の望ましい組合せを示すと考えられている。これらの光学的性質に鑑みて、本発明のポリマー組成物と当該組成物から形成された成形品は、包装及び食品容器における使用に特に望ましいと考えられている。
【0003】
いずれかの特定の理論に束縛されることを望まないが、成核剤又は清澄剤は、ポリマーの嵩高いか又は内側の部分に、望ましい光学的性質(例えば、低いヘーズ)を提供するよう作用し、一方で、フルオロポリマーは、成核剤又は清澄剤と共同して働き、例えば、高光沢のような望ましい表面性質を有する成形品を提供する機能を有していると考えられている。より詳細には、フルオロポリマーは、ポリマー組成物を処理するために使用される機械の作用面を被覆する役割を果たし、そして、ポリマー組成物がこれらの面上で加工される場合、この被覆によって形成された比較的滑らかな表面を複製すると考えられている。更に、成核剤又は清澄剤の含有は、ポリマーが可塑化(溶融された)状態から冷却されたときに形成される結晶のサイズを減少させ、且つこのより小さな結晶サイズは、ポリマー表面において、より目立たない、より小さな障害を形成すると考えられている。
【0004】
第1の実施形態において、本発明は、熱可塑性ポリマーと、成核剤、清澄剤及びこれらの組み合わせからなる群より選択されるポリマー添加剤と、フルオロポリマーとを含んだポリマー組成物を提供する。ある可能性のある好ましい実施形態において、ポリマー添加剤は、多価アルコールと芳香族アルデヒドとの縮合産物であるアセタール化合物を含んだ清澄剤である。
【0005】
第2の実施形態において、本発明は、空洞を定める少なくとも1つの壁を含んだ成形された熱可塑性物品を提供し、当該壁は、そこにおいて当該空洞へのアクセスを可能にする開口を有し、当該壁は、熱可塑性ポリマーと、成核剤、清澄剤及びこれらの組み合わせからなる群より選択されるポリマー添加剤と、フルオロポリマーとを含んだポリマー組成物を含んでいる。
【0006】
第3の実施形態において、本発明は、ポリマー組成物の成形方法を提供する。当該方法は、ダイと金型キャビティとを含んだ装置を提供する工程と、ポリマー組成物を提供する工程と、ポリマー組成物を、ポリマー組成物がダイから押出され得るようにポリマー組成物を可塑化(溶融)するのに十分な温度まで加熱する工程と、可塑化(溶融)させたポリマー組成物をダイから押出してパリソンを形成する工程と、金型キャビティにパリソンをとらえる工程と、パリソンが金型キャビティの内面に沿い且つ成形品を生じるようにパリソンを膨張させるのに十分な圧力の下、パリソンに加圧流体を吹き込む工程と、成形品を、成形品がその形状を保持するように、ポリマー組成物が少なくとも部分的に凝固する温度まで冷ます工程と、成形品を金型キャビティから取り除く工程とを含んでいる。ポリマー組成物は、熱可塑性ポリマーと、成核剤、清澄剤及びこれらの組み合わせからなる群より選択されるポリマー添加剤と、フルオロポリマーとを含んでいる。ある可能性のある好ましい実施形態において、ポリマー添加剤は、多価アルコールと芳香族アルデヒドとの縮合産物であるアセタール化合物を含んだ清澄剤である。
【発明の詳細な説明】
【0007】
第1の実施形態において、本発明は、熱可塑性ポリマーと、成核剤、清澄剤及びこれらの組み合わせからなる群より選択されるポリマー添加剤と、フルオロポリマーとを含んだポリマー組成物を提供する。
【0008】
ポリマー組成物は、いずれかの適切なポリマーを含み得る。例えば、ポリマー組成物は、ポリオレフィンなどの熱可塑性ポリマーを含み得る。適切なポリオレフィンは、これらに限られないが、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンコポリマー(例えば、ポリプロピレンランダムコポリマー)、ポリプロピレン耐衝撃コポリマー及びこれらの組み合わせを含んでいる。適切なポリプロピレンコポリマーは、これらに限られないが、エチレン、ブト−1−エン(即ち、1−ブテン)及びヘキサ−1−エン(即ち、1−ヘキセン)からなる群より選択されるコモノマーの存在下で、プロピレンのポリマー化により製造されたランダムコポリマーを含んでいる。前記ポリプロピレンランダムコポリマーにおいて、コモノマーは、いずれかの適切な量で存在し得るが、典型的には、約10重量%(例えば、約1乃至約7重量%)未満の量で存在する。適切なポリプロピレン耐衝撃コポリマーは、これらに限られないが、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレンプロピレン−ジエンモノマー(EPDM)、ポリエチレン及びプラストマーからなる群より選択されるコポリマーの、ポリプロピレンホモポリマー又はポリプロピレンランダムコポリマーへの添加によって製造されるものを含む。前記ポリプロピレン耐衝撃コポリマーにおいて、コポリマーは、いずれかの適切な量で存在し得るが、典型的には、約5乃至25重量%の量で存在する。ある可能性のある好ましい実施形態において、ポリマーは、約1乃至約7重量%のエチレン量で、プロピレンとエチレンとの共重合により作られるポリプロピレンランダムコポリマーである。
【0009】
上記の通り、ポリマー添加剤は、成核剤、清澄剤及びこれらの組み合わせからなる群より選択される。ここで使用される通り、「成核剤」は、溶融状態から凝固するポリマーにおいて、核を形成するか又は結晶の形成及び/又は成長のためのサイトを提供する添加物をいう。ポリマー組成物における成核剤は、存在する場合、いずれかの適切な成核剤であり得る。適切な成核剤は、これらに限られないが、2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)リン酸塩(例えば、2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)リン酸ナトリウム又は2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)リン酸アルミニウム)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸塩(例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸二ナトリウム及びビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸カルシウム)、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸塩(例えば、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸カルシウム、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸一塩基性アルミニウム、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸二リチウム、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ストロンチウム)並びにこれらの組み合わせを含んでいる。ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸塩及びシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸塩については、カルボン酸部分は、シス又はトランス配置のいずれかに配置されていてもよく、シス配置が好ましい。
【0010】
成核剤は、ポリマー組成物中に存在する場合、いずれかの適切な量で存在し得る。当業者によって理解される通り、ポリマー組成物における使用に適切な成核剤の量は、成核剤の組成及びポリマー組成物の望まれる性質等、様々な要因によって決まるであろう。例えば、成核剤は、ポリマー組成物の総重量に基づき、約0.01重量%以上、約0.05重量%以上、約0.075重量%以上又は約0.1重量%以上の量でポリマー組成物中に存在し得る。成核剤は、約1重量%以下、約0.5重量%以下、約0.4重量%以下又は約0.3重量%以下の量でポリマー組成物中に存在し得る。ある可能性のある好ましい実施形態において、成核剤は、ポリマー組成物の総重量に基づき、約0.01乃至約1重量%、約0.05重量%乃至0.5重量%、約0.075乃至0.4重量%又は約0.1乃至約0.3重量%の量でポリマー組成物中に存在し得る。
【0011】
清澄剤は、組成物中に存在する場合、いずれかの適切な清澄剤であってよい。ある可能性のある好ましい実施形態において、清澄剤は、トリスアミド及び多価アルコールと芳香族アルデヒドとの縮合産物であるアセタール化合物からなる群より選択される。適切なトリスアミドの清澄剤は、これらに限られないが、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸の誘導体、N−(3,5−ビス−ホルミルアミノ−フェニル)−ホルムアミドの誘導体(例えば、N−[3,5−ビス−(2,2−ジメチル−プロピオニルアミノ)−フェニル]−2,2−ジメチル−プロピオンアミド)、2−カルバモイル−マロンアミドの誘導体(例えば、N,N’−ビス−(2−メチル−シクロヘキシル)−2−(2−メチル−シクロヘキシルカルバモイル)−マロンアミド)及びこれらの組み合わせを含んでいる。ある可能性のある好ましい実施形態において、清澄剤は、多価アルコールと芳香族アルデヒドとの縮合産物であるアセタール化合物を含んでいる。適切な多価アルコールは、キシリトール及びソルビトールなどの非環式ポリオール並びに非環式デオキシポリオール(例えば、1,2,3−トリデオキシノニトール又は1,2,3−トリデオキシノン−1−エニトール)などを含んでいる。適切な芳香族アルデヒドは、典型的には、ベンゼン環上の5つの残りの位置が置換されていないか又は置換されている単一のアルデヒド基を含んでいる。従って、適切な芳香族アルデヒドは、ベンズアルデヒド及び置換されたベンズアルデヒド(例えば、3,4−ジメチル−ベンズアルデヒド又は4−プロピル−ベンズアルデヒド)を含んでいる。上述の反応によって製造されるアセタール化合物は、モノ−アセタール、ジ−アセタール又はトリ−アセタール(即ち、それぞれ、1つ、2つ又は3つのアセタール基を含んだ化合物)であってよい。
【0012】
ある可能性のある好ましい実施形態において、清澄剤は、以下式(I)の構造に一致するアセタール化合物を含んでいる。
【化1】

【0013】
式(I)の構造において、Rは、水素、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基及びアルキルハライド基からなる群より選択される。R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、各々、水素、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリール基及びハロゲンからなる群より、独立して選択される。R12は、−CHOH及び−CHOHCHOHからなる群より選択されるヒドロキシアルキル基である。ある実施形態において、Rは、アルキル基及びアルケニル基からなる群より選択され;R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、各々、水素であり;R12は、−CHOHCHOHであり;R及びRは、アルキル基及びアルコキシ基からなる群より選択される。より詳細なある実施形態において、Rは、アルキル基(例えば、n−プロピル)であり;R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、各々、水素であり;R12は、−CHOHCHOHであり;R及びRは、各々、アルキル基(例えば、n−プロピル)である。ある他の実施形態において、R、R、R、R、R、R及びR11は、各々、水素であり;R12は、−CHOHCHOHであり;R、R、R及びR10は、各々、アルキル基(例えば、メチル基)である。
【0014】
清澄剤は、組成物中に存在する場合、いずれかの適切な量で存在し得る。当業者によって理解される通り、ポリマー組成物における使用に適切な清澄剤の量は、清澄剤の組成及びポリマー組成物の望まれる光学的性質等、様々な要因によって決まるであろう。例えば、清澄剤は、ポリマー組成物の総重量に基づき、約0.01重量%以上、約0.05重量%以上、約0.075重量%以上又は約0.1重量%以上の量で、ポリマー組成物中に存在し得る。清澄剤は、約1重量%以下、約0.7重量%以下、約0.6重量%以下又は約0.5重量%以下の量で、ポリマー組成物中に存在し得る。ある可能性のある好ましい実施形態において、清澄剤は、ポリマー組成物の総重量に基づき、約0.01乃至約1重量%、約0.05乃至約0.7重量%、約0.075乃至約0.6重量%、又は約0.1乃至約0.5重量%の量でポリマー組成物中に存在する。従って、ある可能性のある好ましい実施形態において、例えば、清澄剤が、式(I)の構造に一致するアセタール化合物を含んでいる場合であって、そこにおいてRは、アルキル基(例えば、n−プロピル)であり、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、各々、水素であり、R12は、−CHOHCHOHであり;R及びRは、各々、アルキル基(例えば、n−プロピル)である場合、清澄剤は、約0.1重量%乃至約0.5重量%(約0.15重量%乃至約0.45重量%)の量でポリマー組成物中に存在し得る。ある他の可能性のある実施形態において、例えば、清澄剤が、式(I)の構造に一致するアセタール化合物を含んでいる場合であって、そこにおいて、R、R、R、R、R、R及びR11は、各々、水素であり;R12は、−CHOHCHOHであり;R、R、R及びR10は、各々、アルキル基(例えば、メチル基)である場合、清澄剤は、約0.1重量%乃至約0.3重量%(例えば、約0.15重量%乃至約0.25重量%)の量で、ポリマー組成物中に存在し得る。
【0015】
ポリマー組成物におけるフルオロポリマーは、適切なフルオロポリマー(例えば、フッ素樹脂又はフッ素エラストマー)であってよい。適切なフルオロポリマーは、これらに限られないが、ビニリデンフルオライド、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトルフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)及びこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから製造されるポリマーを含む。ある可能性のある好ましい実施形態において、フルオロポリマーは、(i)ビニリデンフルオライドと、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、1−ヒドロペンタフルオロプロピレン及び2−ヒドロペンタフルオエオプロピレン、1−ヒドロペンタフルオロプロピレン及び2−ヒドロペンタフルオロプロピレンからなる群より選択されるコモノマーとのコポリマー;(ii)ビニリデンフルオライドと、テトラフルオロエチレンと、ヘキサフルオロプロピレン、1−ヒドロペンタフルオロプロピレン及び2−ヒドロペンタフルオロプロピレンからなる群より選択されるコモノマーとのターポリマーと;(iii)テトラフルオロエチレンとプロピレンとのコポリマーと;(iv)テトラフルオロエチレンとプロピレンとビニリデンフルオライドとのコポリマーと;(v)(i)乃至(iv)のうちの2つ以上の組合せとからなる群より選択されるポリマーである。ある好ましいより詳細な可能性のある実施形態において、フルオロポリマーは、ビニリデンフルオライドと、テトラフルオロエチレンと、ヘキサフルオロプロピレンとのターポリマーである。
【0016】
ポリマー組成物における使用に適切なフルオロポリマーは、いずれかの適切な分子量を有していてよい。しかしながら、ある可能性のある好ましい実施形態において、フルオロポリマーは、比較的高い分子量を有している。特定の理論に束縛されることを意図しないが、比較的高い分子量を有するフルオロポリマーは、少なくとも部分的には、ポリマー組成物を処理するために使用される装置の作用面のコーティングを形成及び維持する前記フルオロポリマーの能力のため、本発明のポリマー組成物における使用にとりわけ適していると考えられている。さらに、これらの作用面に形成されるコーティングは、これらの作用面における欠陥が、成形品の表面に欠陥を生じさせることを防止するか又は少なくとも成形品において形成された欠陥の程度を低減することによって、ポリマー組成物から製造された成形品の外観を改善する(例えば、光沢を改善する)ことを促進すると考えられている。
【0017】
当業者によって理解される通り、ポリマー系におけるポリマー鎖の分子量の測定の複雑さのため、ポリマーの平均分子量と1以上の物理的性質との相関に基づく測定が通常使用されているが、例えば、本発明のポリマー組成物において使用されるようなフルオロポリマーを含んだポリマーの分子量は、多くの異なる方法で測定し且つ表現され得る。前記測定の一つは、平均分子量と溶融ポリマーの流量(例えば、メルトフトーインデックス(MFI))との相関に基づいている。別の前記測定は、平均分子量と、ポリマー中に埋め込まれた円柱状の金属ディスク又はローターの回転に抵抗するせん断トルク(即ち、ムーニー粘度)との相関に基づいている。
【0018】
ポリマー組成物における使用に適切なフルオロポリマーは、いずれかの適切なメルトフローインデックス(MFI)を有していてよい。ある可能性のある好ましい実施形態において、フルオロポリマーは、ASTM D1238−04cに従って、265℃で、5kg重量を使用して測定した約2g/10分以上、約3g/10分以上、約4g/10分以上又は約5g/10分以上のMFIを有している。ある可能性のある好ましい実施形態において、フルオロポリマーは、ASTM D1238−04cに従って、265℃で、5kg重量を使用して測定した約2乃至50g/10分以上、約3乃至40g/10分以上又は約4乃至30g/10分以上のMFIを有している。ある可能性のあるより好ましい実施形態において、フルオロポリマーは、ASTM D1238−04cに従って、265℃で、5kg重量を使用して測定した約5乃至25g/10分のMFIを有している。
【0019】
ポリマー組成物における使用に適切なフルオロポリマーは、いずれかの適切なムーニー粘度を有していてよい。ある可能性のある好ましい実施形態において、ASTM Standard D1646−07に従って、121℃で、ラージローターで、ML 1+10分の条件で測定されたフルロポリマーのムーニー粘度は、約25以上又は約28以上である。ある好ましい実施形態において、ASTM Standard D1646−07に従って、121℃で、ラージローターで、ML 1+10分の条件で測定されたフルオロポリマーのムーニー粘度は、約80以下、約70以下、約60以下、約50以下又は約40以下(例えば、38以下)である。従って、ある可能性のある好ましい実施形態において、ASTM Standard D1646−07に従って、121℃で、ラージローターで、ML 1+10分の条件で測定されたフルオロポリマーのムーニー粘度は、約25乃至約80、約25乃至約70、約25乃至約60、約25乃至約50又は約25乃至約40(例えば、約28乃至約38)である。
【0020】
ポリマー組成物における使用に適切なフルオロポリマーは、複合(multimodal)フルオロポリマーを含んでいる。ここで使用される通り、「複合」の語は、2つの別々の異なる分子量(例えば、別々の異なる平均分子量)の少なくとも2つの成分を有するフルオロポリマーを言及するために使用される。適切な複合ポリマーは、例えば、国際特許出願公報WO2000/69967に記載されている。前記複合フルオロポリマーにおいて、成分の各々は、アモルファスであるか又は半結晶であってよい。
【0021】
フルオロポリマーは、いずれかの適切な量で、本発明のポリマー組成物中に存在してよい。本発明のポリマー組成物を使用して製造された物品の光学的性質に対する有害な影響を回避するか又は低減するために、発明者らは、フルオロポリマーが、典型的には比較的低い量でポリマー組成物中に存在すべきであることを見出した。ある可能性のある好ましい実施形態において、フルオロポリマーは、ポリマー組成物の総重量に基づき、約1,000ppm以下、約750ppm以下、約500ppm以下又は250ppm以下(例えば、約200ppm以下)の量で、ポリマー組成物中に存在する。ある可能性のある好ましい実施形態において、フルオロポリマーは、ポリマー組成物中に存在するポリマー添加剤の量とポリマー組成物中に存在するフルオロポリマーの量の比が、ポリマー組成物中に存在するポリマー添加剤とフルオロポリマーとの総重量に基づき、約4:1乃至約100:1、約8:1乃至約100:1、約10:1乃至約100:1又は約20:1乃至約100:1となるような量で、ポリマー組成物中に存在してもよい。
【0022】
ポリマーの加工助剤として販売されている多くの市販のフルオロポリマーは、少量の少なくとも1つの界面剤、例えば、ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリ(エチレングリコール)又はポリ(エチレンオキシド))などを含んでおり、これは、ポリマーの加工助剤におけるフルオロポリマー粒子の表面を湿らせることによって、ポリマーの加工助剤の性能を改善すると考えられている。しかしながら、界面剤、例えば、ポリ(エチレングリコール)などの使用に典型的に関連した利点にも関わらず、実際には、前記界面剤は、本発明のポリマー組成物を使用して製造された成形品の有利な光学的性質を減ずると考えられている。従って、ある可能性のある好ましい実施形態において、本発明のポリマー組成物は、実質的にポリ(チレングリコール)を含んでいないか、又は実質的に界面剤を含んでいない。より詳細には、ある可能性のある好ましい実施形態において、ポリマー組成物は、100ppm未満のポリ(エチレングリコール)、50ppm未満のポリ(エチレングリコール)、25ppm未満のポリ(エチレングリコール)、10ppm未満のポリ(エチレングリコール)又は5ppm未満のポリ(エチレングリコール)を含んでいる。
【0023】
上述の通り、本発明は、更に、空洞を定める少なくとも1つの壁であって、そこにおいて空洞へのアクセスを可能にする開口を有する壁を含んだ成形された熱可塑性物品を提供する。壁は、ポリマーと、成核剤、清澄剤及びこれらの組み合わせからなる群より選択されるポリマー添加剤と、フルオロポリマーとを含んだポリマー組成物、例えば、上述のポリマー組成物などから形成される。
【0024】
上記の通り、本発明のポリマー組成物は、望ましい光学的性質、例えば、高い光沢(内側の光沢と外側の光沢の両方)及び低いヘーズなどを示す成形品の製造における使用に特に適切であると考えられている。特に、本発明のポリマー組成物を使用して製造される成形品は、ASTM Standard D523に従って、60°の角度で成形品の光沢を測定した場合、本願で記載される成分の各々を含んでいない相当するポリマー組成物を使用して製造された成形品よりも5、10、15又は20光沢単位高い光沢値を示し得ると考えられている。
【0025】
本発明の成形された熱可塑性物品は、いずれかの適切な方法によって形成されてよい。しかしながら、本発明のポリマー組成物は、押出ブロー成形プロセスにおける使用に特に適切であると考えられている。従って、第3の実施形態において、本発明は、ダイ及び金型キャビティを含んだ装置を提供する工程と、ポリマー組成物を提供する工程と、ポリマー組成物を、装置のダイから押出され得るようにポリマー組成物を可塑化(溶融)するのに十分な温度まで加熱する工程と、可塑化(溶融)されたポリマー組成物をダイから押出してパリソンを形成する工程と、金型キャビティにパリソンをとらえる工程と、金型キャビティの内面に沿い且つ成形品を生ずるようにパリソンを膨らませるのに十分な圧力の下、パリソンに加圧流体を吹き込む工程と、成形品を、成形品がその形状を保持するように、ポリマー組成物が少なくとも部分的に凝固する温度まで冷ます工程と、成形品を金型キャビティから取り除く工程とを一般に含んだ方法を提供する。方法において使用されるポリマー組成物は、ポリマーと、成核剤、清澄剤及びこれらの組み合わせからなる群より選択されるポリマー添加剤と、フルオロポリマーとを含んだポリマー組成物、例えば上述のポリマー組成物などである。
【0026】
本発明の方法の実施において使用される装置は、いずれかの適切な押出ブロー成形装置でありってよい。適切な押出ブロー成形装置は、連続的な押出ブロー成形装置、例えば、ロータリー型旋回押出ブロー成形装置及びシャトル押出ブロー成形装置など、並びに断続的押出ブロー成形装置、例えば、往復式スクリュー押出ブロー成形装置及び蓄積ヘッド押出ブロー成形装置などを含んでいる。上記の通り、装置は、可塑化(溶融)されたポリマー組成物が押出されてパリソンを形成するダイを含んでいる。装置は、また、金型キャビティを有する金型も含んでいる。金型キャビティ又は金型キャビティの内面は、装置により製造される成形品の形状を定める。より詳細には、金型キャビティの内面は、装置によって製造される成形品の外面を定める。
【0027】
ある可能性のある好ましい実施形態において、方法の実施に使用される装置は、まず、フルオロポリマーを含んだポリマー組成物(例えば、フルオロポリマーを含んだマスターバッチ)を、装置の作用面、例えば、ダイ及び金型などに流すことによって成形品製造のために準備されてもよい。より詳細には、マスターバッチが使用される場合、マスターバッチは、キャリアポリマー中へと落とされ、混合され、得られた混合物は装置に流される。典型的には、マスターバッチは、成形品を製造するために使用されるポリマー組成物中に存在するフルオロポリマーの量よりも多い量のフルオロポリマーを含んだ混合物を生成する割合又は比率で、キャリアポリマー中へと落とされる。いずれかの特定の理論に束縛されることは意図しないが、比較的高い量のフルオロポリマーを含んだこの混合物を装置に流すことは、装置の作用面を、フルオロポリマーによって完全に被覆することを促進すると考えられている。このコーティングは、少なくとも部分的には、装置の作用面(例えば、ダイ及び金型キャビティ)における欠陥又は凹凸によって生じる成形品における欠陥を消滅させるか、又は少なくとも低減することによって、成形品の光学的性質を改善することを促進すると考えられている。上述の手順において使用されるフルオロポリマー及びキャリアポリマーは、いずれかの適切なフルオロポリマー及びキャリアポリマー、例えば、上述のフルオロポリマー及びキャリアポリマーなどであってよい。さらに、フルオロポリマー及びキャリアポリマーは、成形品を製造するために使用されるポリマー組成物中に含まれるものと同じであってよいか、或いはフルオロポリマー及び/又はキャリアポリマーは、成形品を製造するために使用されるポリマー組成物中に含まれるものと異なっていてもよい。
【0028】
本発明の方法に従って成形品の製造に先立って使用される場合、前記ポリマー組成物(例えば、マスターバッチ組成物)は、いずれかの適切な時間で装置に流されてよい。典型的には、組成物(例えば、マスターバッチ組成物)は、装置の内側部分(例えば、押出スクリュー)を介して組成物(例えば、マスターバッチ組成物)が作用し、装置の作用面を被覆し始めるのに十分な時間(例えば、約5分以上、約10分以上又は約15分以上)、装置に流される。組成物(例えば、マスターバッチ組成物)が、望ましい時間、装置に流された後、装置は、いずれかのチャー(char)及び/又は溶融したポリマーが装置(例えば、ダイ)の作用面から除去され得るように分解される。これらの面が洗浄された後、必要な場合、装置は再び組み立てられ、組成物(例えば、マスターバッチ及びキャリアポリマー混合物)は、さらなる時間、装置に流されてもよい(例えば、更に60分以上)。一旦。望ましい量の組成物(例えば、マスターバッチ及びキャリアポリマー混合物)が装置に流されると、装置は、マスターバッチ及びキャリアポリマー混合物を装置から除去するのに十分な時間(例えば、約15分以上)、キャリアポリマー(即ち、マスターバッチを含まないキャリアポリマー)を装置に流すことによってパージされてもよい。このパージ工程において典型的に使用されるキャリアポリマーは、マスターバッチ組成物と混合されたキャリアポリマーと同じであるが、それらが同じであることは必要ないか、或いは要求されない。
【0029】
上述の調製手順に従う場合、一旦装置が望まれる時間パージされると、ポリマー添加剤及びフルオロポリマーを含んだポリマー組成物が装置に供給される。当業者によって理解される通り、ポリマー組成物を、組成物が典型的に可塑化(溶融)するのに十分な温度まで加熱する工程は、少なくとも部分的には、装置のダイにポリマー組成物を供給するために使用される押出スクリューにより発生した摩擦によって達成される。この摩擦性の加熱は、典型的には、ヒータを使用して補われ、これは、ポリマー組成物が、より制御された条件下で、ポリマー組成物がより容易にダイから押出される温度まで加熱されることを可能にする。
【0030】
一旦、ポリマー組成物が、当該温度まで加熱されると、ポリマー組成物は、装置のダイから押し出され、パリソンを形成する。得られたパリソンは、次に装置の金型キャビティにとらえられる。金型は、典型的には、金型キャビティにアクセスすることを可能にする一つの開口を有する。パリソンは、金型の中に、パリソンの開口端が、金型における開口に整列するような方法でとらえられる。一旦、パリソンが金型にとらえられると、それが金型キャビティの内面に沿い且つ望まれる成形品を形成するようにパリソンを膨ませるのに十分な圧力の下、加圧流体(例えば、空気)が、パリソンに吹き込まれる。一旦パリソンが膨らまされ、望まれる成形品を形成すると、物品は、物品が金型から除去された場合にその形状を保持するような程度までポリマーが凝固するのに十分な時間、金型に保持される。装置の金型は、典型的には、この冷却がより迅速に達成され、サイクル時間が少なくなるように冷却される。
【0031】
以下の例は、上述の主題を更に説明するが、当然ながら、いずれの方法によってもその範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0032】
例1
この例は、本発明に従って熱可塑性物品を製造する方法について説明する。ポリプロピレンランダムコポリマー組成物14キログラムのバッチ9つ(試料1A−1I)が、以下の表1及び表2に示す配合に従って調合された。試料1は、R、R及びRが、各々、n−プロピル基であり、R、R、R、R、R、R、R10及びR11が、各々、水素であり、R12が、−CHOHCHOHである式(I)の構造に一致するアセタール化合物であるMillad(登録商標)NX800清澄剤及び/又はフルオロポリマー加工助剤を使用して作製された。20キログラムのフルオロポリマーマスターバッチは、表3に示される配合に従って作製された。
【0033】
この例において使用されるフルオロポリマーは、3MのDynamar(商標)FX5911ポリマー加工助剤である。フルオロポリマーは、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン及びヘキサフルオロプロピレンのターポリマーであり、これはASTM D1238−04cに従って、5kg重量を使用して265℃で測定されるメルトフローインデックスが約10.8g/10分を示すと考えられている。Dynamar(商標)FX5911もまた、実質的に、界面剤を含まないと考えられている。
【表1】

【表2】

【表3】

【0034】
ポリプロピレンランダムコポリマー組成物の各々は、ヘンシェル強力ミキサーにおいて、ブレード速度約2100rpmで、見積時間2分、成分を混ぜることにより混合された。次に、試料は、40nmのスクリュー直径及び24:1の長さ/直径比を有するMPM単一スクリュー混合押出機で溶融混合された。押出機のバレル温度は、約400F乃至約455Fであり、スクリュー速度は、約15%のモーター負荷に設定された。各々の試料の(ストランド形態の)押出物は、水浴で冷却され、次いで、ペレット化された。
【0035】
フルオロポリマーマスターバッチ(マスターバッチ1)は、成分を、ブレード速度約2100rpで、見積時間2分、ヘンシェル強力ミキサーで混ぜることにより混合された。次に、試料は、25nmのスクリュー直径及び30:1の長さ/直径比を有するDeltaplast単一スクリュー混合押出機で溶融された。押出機のバレル温度は、約400F乃至約455Fであり、スクリュー速度は、約100rpmに設定された。マスターバッチ用の(ストランド形態の)押出物は、水浴で冷却され、次いで、ペレット化された。
【0036】
試料1A、1C、1D、1E、1F、1G、1H及び1Iを使用して製造されたボトルについて、ボトルの製造に先立って、フルオロポリマーコーティングがブロー成形装置に適用された。フルオロポリマーコーティングは、マスターバッチ1とランダムコポリマーとの配合物を、Bekum H−121Sシングルステーション押出ブロー成形機に供給することによって適用され、約10分間押出された。配合物は、Macquire W−140Rm1配合システムを使用して、使用率15%でマスターバッチ1をタンダムコポリマーポリプロピレンに添加することによって作製された。マシンヘッドツーリングが除去され、溶融したポリマー及びチャーが除去された。マシンヘッドツーリングは、ヘッドに再び組み立てられた。押出ダイギャップは、閉じた位置に対して5%で設定され、押出機のrpmは約60rpmに設定された。次いで、マスターバッチ1とポリプロピレンランダムコポリマーとの配合物が、上記の条件で、更に約1時間押出された。次に、押出機は、約15分間、30%のダイギャップの設定及び約30rpmのスクリュー速度で、純粋なポリプロピレンランダムコポリマーによってパージされた。
【0037】
上記の準備手順に従い、ポリプロピレンランダムコポリマー組成物の各々が使用され、Bekum H−121Sシングルステーション押出ブロー成形機で500mLボトルを製造した。ブロー成形機は、50mmのスクリュー直径、24:1の長さ/直径比及びスムースバレルを有していた。バレル温度は、ほぼ360Fで開始し、380Fで終了し、押出ヘッドは約380Fの温度に維持されていた。溶融したポリマーパリソンは、400Fの溶融温度で、約65Fの金型温度に維持されたブロー金型に押出された。最終的なポリプロピレンボトルは、重さが約32グラムであり、厚さは33ミルと測定された。次に、製造されたボトルは、以下に記載する通り試験された。
【0038】
ボトルの側壁のヘーズパーセントは、ASTM Standard D1103−92に従って、BYK−Gardner Haze−Guard Plusを使用して、測定された。ボトルの側壁の内側と外側の両方の光沢は、ASTM Standard D523に従って、BYK−Gardner micro−TRI−gloss 4520を使用して、角度60°で測定された。ボトルについて測定されたヘーズパーセント及び光沢度は、以下の表4に示される。
【表4】

【0039】
表4に示されたデータからわかるように、本発明に従うポリプロピレンランダムコポリマー組成物(例えば、試料1C及び1D)は、異なるポリマー組成物、例えば、試料1A(清澄剤を含まないフルオロポリマー)及び試料1B(フルオロポリマーを含まない清澄剤)などを使用して製造されたブロー成形ボトルよりも高い光沢と低いヘーズとのより良好で相乗的な組合せを示す押出ブロー成形されたボトルを製造する。さらに、試料1Aと比較して、フルオロポリマーと清澄剤との組合せを含んだポリマー組成物の全て(即ち、試料1C〜1I)について、ヘーズと光沢における改善が見られたが、結果は、フルオロポリマーの濃度が300ppm未満(例えば、200ppm未満)の場合、ヘーズと光沢の両方における最も顕著な改善が達成されることを示唆している。
【0040】
例2
この例は、本発明に従う熱可塑性物品を製造する方法について説明する。ポリプロピレンランダムコポリマー組成物の21キログラムバッチ4つ(試料2A〜2D)が、表5に示す配合に従って調合された。試料2は、NA−21成核剤、Millas(登録商標)3988i清澄剤、Millad(登録商標NX8000清澄剤及びHyperform(登録商標)HPN−20E成核剤を使用して作製された。フルオロポリマーは、(例1の)マスターバッチ1を添加することにより、混合されたポリプロピレンランダムコポリマー組成物の各々に、添加された。
【表5】

【0041】
ポリプロピレンランダムコポリマー組成物の各々は、ブレード速度約2100rpmで、ヘンシェル強力ミキサーで、見積時間2分、成分を混ぜることによって混合された。次に、試料は、40nmのスクリュー直径及び24:1の長さ/直径比を有するMPM単一スクリュー混合押出機で溶融混合された。押出機のバレル温度は、約400F乃至約455Fであり、スクリュー速度は、約15%のモーター負荷で設定された。各々のポリプロピレンランダムコポリマーの(ストランド形態の)押出物は、水浴で冷却され、続いてペレット化された。
【0042】
ポリプロピレンランダムコポリマー組成物の各々が使用され、Bekum H−121S単一ステーション押出ブロー成形装置で、はじめにフルオロポリマーによってブロー成形装置を被覆することなく500mLボトルを製造した。ブロー成形機は、50nmのスクリュー直径、24:1の長さ/直径比及びスムースバレルを有していた。バレル温度は、ほぼ360Fから開始し、380Fで終了し、押出ヘッドは、約380Fに維持された。溶融したポリマーパリソンは、400Fの溶融温度で、約65Fの成形温度に維持されたブロー金型に押出された。最終的なポリプロピレンボトルの重さは、約32グラムであり、厚さ33ミルと測定された。次に、製造されたボトルについては、以下に記載する通り試験された。
【0043】
その後の成形工程については、PPAコーティングは、Macquire W−140Rm1配合システムを使用して、ランダムコポリマーポリプロピレンにおいて使用率15%でマスターバッチ1(例1からの)を使用して、機械に適用された。PPAとランダムコポリマーとの配合物は、Bekum H−121S単一ステーション押出ブロー成形機に供給され、約10分間押出された。機械のヘッドツーリングは、取り外され、溶融したポリマーとチャーとを除去した。機械のヘッドツーリングは、ヘッドに再び組み立てられた。押出ダイギャップを、閉じた位置に対して5%で設置し、押出機のrpmは、約60rpmに設定された。PPAとポリプロピレンランダムコポリマーとの配合物は、上記の条件で、更に約1時間、押出された。次に、押出機は、約15分間純粋なポリプロピレンによってパージされた。
【0044】
上記フルオロポリマーの適用後、ポリプロピレンランダムコポリマー組成物の各々が使用され、Bekum H−121S単一ステーション押出ブロー成形機で500mLボトルを製造した。マスターバッチ1は、Macquire W−140Rm1配合システムを使用して、ポリマー組成物において200ppmのフルオロポリマー配合を達成するのに十分な割合で、各々のポリプロピレンランダムコポリマー組成物の各々に添加された。ブロー成形機は、50nmのスクリュー直径、24:1の長さ/直径比及びスムースバレルを有していた。バレル温度は、ほぼ360Fで開始し、380Fで終了し、押出ヘッドは、約380Fの温度で維持された。溶融したポリマーパリソンは、400Fの溶融温度で、約65Fの金型温度に維持されたブロー金型に押出された。最終的なポリプロピレンボトルは、約32グラムの重さであり、厚さ33ミルと測定された。次に、製造されたボトルについて、以下に記載する通り試験された。
【0045】
ボトルの側壁のヘーズパーセントは、ASTM Standard D1103−92に従って、BYK−Gardner Haze−Guard Plusを使用して測定された。ボトルの側壁の内側と外側の両方の光沢が、ASTM Standard D523に従って、BYK−Gardner micro−TRI−gloss4520を使用して60°の角度で測定された。ボトルについて測定されたパーセントヘーズ及び光沢値は、以下の表7及び表8に示される。
【表6】

【表7】

【0046】
表7及び8に示されたデータの比較から分かるように、ボトルの製造に先立ってブロー成形装置をフルオロポリマーによって被覆することは、ボトルの内側及び外側の両方の光沢を著しく改善する。これらの結果は、コントロール(即ち、試料1A)に比較して、種々の成核剤及び/又は清澄剤を使用して、ヘーズ及び光沢においてどれだけの改善が達成できるかを示している。
【0047】
例3
この例は、本発明に従って熱可塑性物品を製造する方法を説明する。ポリプロピレンランダムコポリマー組成物における1.5キログラムのフルオロポリマーポリマー加工助剤(PPA)のマスターバッチ3つ(試料3A〜3C)を、表9に示す配合に従って混合した。試料3Aは、DuPont Viton Z100フルオロポリマーポリマー加工助剤を使用して作成され、これは、ASTM D1238−04cに従って、5kg重量を使用して265℃で測定されるメルトフローインデックスが約1.2g/10分を示すフルオロポリマーを含むと考えられている。試料3Bは、DuPont Viton Z110フルオロポリマーポリマー加工助剤を使用して作成され、試料3Cは、Dynamar(商標)FX5929フルオロポリマーポリマー加工助剤を使用して作製された。これらのフルオロポリマーポリマー加工助剤の各々は、フルオロポリマーと、界面剤としての約50重量%のポリ(エチレンオキシド)とを含んでいる。
【表8】

【0048】
PPAマスターバッチの各々は、ヘンシェル強力ミキサーにおいて見積時間2分、ブレード速度約2100rpmで成分を混ぜることにより、混合された。次に、試料を、25nmのスクリュー直径及び30:1の長さ/直径比を有するDeltaplast single screw混合押出機で溶融混合された。押出機のバレル温度は、約440°F乃至約455°Fであり、スクリュー速度は約100rpmに設定された。各々のポリプロピレンランダムコポリマーの(ストランド形態の)押出物は、水浴で冷却され、続いて、ペレット化された。
【0049】
ブロー成形物品の製造における各々のマスターバッチの使用に先立って、Macquire W−140Rm1混合システムを使用して、各々のPPAマスターバッチを使用し、マスターバッチを使用率12%でランダムコポリマーポリプロピレンに添加することによってブロー成形装置を準備した。マスターバッチとランダムコポリマーとの混合物は、Bekum H−121Sシングルステーション押出ブロー成形機に供給され、約10分間押出された。機械ヘッドツーリングは取り外され、溶融したポリマーとチャーは取り除かれた。機械ヘッドツーリングは、ヘッドに再び組み立てられた。押出ダイギャップは、閉じられた位置に対して5%に設定され、押出rpmは、約60rpmに設定された。PPAとポリプロピレンランダムコポリマーとの混合物は、上記条件で、更に約1時間、押出された。押出機は、次に、約15分間、純粋なポリプロピレンによってパージされた。
【0050】
上記コーティング手順の後、マスターバッチ(試料3A〜3C)は、市販のMillad(登録商標) NX8000清澄剤によって清澄にされ、使用された2MFRランダムコポリマーポリプロピレンに降下され、押出ブロー成形機で500mLボトルを製造した。ブロー成形機は、50mmのスキュリュー直径及び24:1の長さ/直径比並びにスムースバレルを有していた。ばれる温度は、ほぼ360°Fで開始し、380°Fで終了し、押出ヘッドは、約380°Fに維持された。溶融したポリマーパリソンは、400Fの溶融温度で、約65Fの金型温度に維持されたブロー金型に押出された。最終的なポリプロピレンボトルは、重さが約32グラムであり、厚さは33ミルと測定された。次に、製造されたボトルは、以下に記載する通り試験された。
【0051】
ボトルの側壁のヘーズパーセントは、ASTM Standard D1103−92に従って、BYK−Gardner Haze−Guard Plusを使用して測定された。ボトルの側壁の内側と外側の両方の光沢は、ASTM Standard D523に従って、BYK−Gardner micro−TRI−gloss 4520を使用して、角度60°で測定された。ボトルについて測定されたヘーズパーセント及び光沢度は、以下の表10に示される。
【表9】

【0052】
表10に示されたデータからわかるように、例3に記載されるポリマー組成物から作成された押出ブロー成形したボトルは、フルオロポリマーのみを含んだ試料1Aと比較してヘーズ及び内側の光沢において改善を示した。しかしながら、これらの改善は、界面剤を含まない組成物(試料1A〜1I)について観察された改善ほど顕著なものではなかった。さらに、比較的低いメルトフローインデックスを有するフルオロポリマーを含んだ組成物(例えば、試料3A)もまた、比較的より高いメルトフローインデックスを有するフルオロポリマーを含んだ組成物(例えば、試料1A〜1I)について観察された改善ほど毛顕著な改善を示さなかった。
【0053】
例4
この例は、本発明に従う熱可塑性物品の製造方法について説明する。
【0054】
ポリプロピレンランダムコポリマー組成物におけるフルオロポリマーPPAの1キログラムのマスターバッチ1つ(試料4A及び4B)は、表11に示される配合に従って混合された。試料4Aは、Daikin 810Xフルオロポリマー加工助剤を使用して作製され、試料4Bは、Dynamar(商標)FX5920Aフルオロポリマー加工助剤を使用して作製された。これらのフルオロポリマー加工助剤の各々は、フルオロポリマーと、界面剤として約65重量%のポリ(エチレンオキシド)を含んでいる。ポリプロピレンランダムコポリマーの14キログラムのバッチ2つは、表12に示す配合に従って混合された。
【表10】

【表11】

【0055】
各々のフルオロポリマーPPAマスターバッチは、ヘンシェル強力ミキサーで、ブレード速度2100rpm、見積時間2分で混ぜることによって混合された。これらの試料は、25nmのスクリュー直径及び30:1の長さ/直径比を有するDeltaplast 単一スクリュー混合押出機で溶融混練された。押出機のバレル温度は、約400°F乃至約455°Fであり、スクリュー速度は、約100rpmに設定された。各々のマスターバッチの(ストランド形態の)押出物を、水浴で冷却し、続いてペレット化した。
【0056】
ボトルの製造に先立って、ブロー成形機は、Macquire W−140Rm1 配合システムを使用して、各々のフルオロポリマーPPAマスターバッチを使用率30%でランダムコポリマーポリプロピレンに添加することによって準備された。得られたマスターバッチ1とランダムコポリマーとの配合物は、Bekum H−121Sシングルステーション押出ブロー成形機に供給され、妬く10分間押出された。マシンヘッドツーリングが除去され、溶融したポリマー及びチャーが除去された。マシンヘッドツーリングは、ヘッドに再び組み立てられた。押出ダイギャップは、閉じた位置に対して5%で設定され、押出機のrpmは約60rpmに設定された。PPAとポリプロピレンランダムコポリマーとの配合物は、上記の条件で、更に約1時間押出された。次に、押出機は、約15分間、純粋なポリプロピレンランダムコポリマーによってパージされた。
【0057】
上述の通り、ブロー成形機が準備された後、各々のPPAマスターバッチは、表12のポリプロピレンランダムコポリマー組成物と組合せられ、これを使用して、Bekum H−121Sシングルステーション押出ブロー成形機で500mLボトルを製造した。フルオロポリマーPPAマスターバッチを、Macquire W−140Rm1配合システムを使用して、ポリマー組成物における200ppmの配合を達成するのに十分な使用率でポリプロピレンランダムコポリマーに添加した。ブロー成形機は、50mmのスクリュー直径、24:1の長さ/直径比及びスムースバレルを有していた。バレル温度は、ほぼ360Fで開始し、380Fで終了し、押出ヘッドは約380Fの温度に維持されていた。溶融したポリマーパリソンは、400Fの溶融温度で、約65Fの金型温度に維持されたブロー金型に押出された。最終的なポリプロピレンボトルは、重さが約32グラムであり、厚さは33ミルと測定された。次に、製造されたボトルは、以下に記載する通り試験された。
【0058】
ボトルの側壁のヘーズパーセントは、ASTM Standard D1103−92に従って、BYK−Gardner Haze−Guard Plusを使用して測定された。ボトルの側壁の内側と外側の両方の光沢は、ASTM Standard D523に従って、BYK−Gardner micro−TRI−gloss 4520を使用して、角度60°で測定された。ボトルについて測定されたヘーズパーセント及び光沢度は、以下の表13に示される。
【表12】

【0059】
表13に示されたデータからわかるように、この例で記載されたポリマー組成物から作成された押出ブロー成形されたボトルは、フルオロポリマーのみを含んだポリマー組成物(例えば、試料1A)から作製されたボトルと比較して、ヘーズ及び光沢の両方において改善を示した。しかしながら、これらの改善は、界面剤を含んでいない組成物(例えば、試料1A〜1I)について観察された改善ほど顕著なものではなかった。
【0060】
ここで引用される刊行物、特許公報及び特許を含む全ての引例は、これにより、引用によって、各々の引例が個別に且つ特異的に引用によって組み込まれ且つここにおいてその全体において示された場合と同じ程度ここに組み込まれる。
【0061】
本出願の主題を記載する内容において、用語「a」、「an」及び「the」並びに同様の指示対象の使用は、ここで特に示すか又は明確に内容によって矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を包含すると解釈されるべきである。「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」及び「含む(containing)」の語は、特に断りのない限り、制限のない語として解釈されるべきである(即ち、「含むが、それらに限られない」ことを意味する)。
【0062】
ここにおける値の範囲の列挙は、単に、範囲に入る別々の値の各々について個々に言及する簡略な方法としての役割を果たすと解釈されるべきであり、別々の値は各々、それがここにおいて個々に列挙されるように、明細書に組み込まれる。ここで、記載された全ての方法は、特に断りのない限り又は内容によって明確に矛盾しない限り、いずれかの適切な順番で行われてよい。ここで提供されるいずれかの且つ全ての例の使用、又は例示的な言い回し(例えば、「など」は、単に、本願の主題をより明らかにすると解釈され、特許請求の範囲に記載されない限り主題の範囲に制限を課さない。明細書の言い回しは、特許請求の範囲に記載されないいずれかの要素を、ここに記載される主題の実施に不可欠なものとして示すと解釈されるべきでない。
【0063】
本願の主題の好ましい態様は、ここにおいて記載され、これは特許請求の範囲に記載された主題を実施するために、発明者に知られるベストモードを含む。好ましい態様のバリエーションは、先述の記載を読むと当業者に明らかとなるであろう。発明者らは、前記バリエーションを当業者が適切に使用することを予想し、発明者らは、ここに記載される主題が、ここに明確に記載されるのとは別な方法で実施されることを意図する。従ってこの開示は、適用法により許容される通り、ここに添付された特許請求の範囲に記載される主題の全ての変更及び同等物を含む。さらに、その可能な全てのバリエーションにおける上記要素のいずれかの組合せは、ここにおいて特に断りのない限り又は内容によって明確に矛盾しない限り、本願の開示により包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)熱可塑性ポリマーと、
(b)成核剤、清澄剤及びこれらの組合せからなる群より選択されるポリマー添加剤と、
(c)ASTM D1238−04cに従って、265℃で、5kg重量を使用して測定されるメルトフローインデックスが約4乃至30g/10分のフルオロポリマーと
を含んだポリマー組成物。
【請求項2】
当該熱可塑性ポリマーは、ポリオレフィンである請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項3】
当該熱可塑性ポリマーは、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンコポリマー及びこれらの組合せからなる群より選択される請求項2に記載のポリマー組成物。
【請求項4】
当該熱可塑性ポリマーは、ポリプロピレンランダムコポリマーである請求項3に記載のポリマー組成物。
【請求項5】
当該ポリマー添加剤は、以下の式(I)の構造に一致するアセタール化合物を含んだ清澄剤である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のポリマー組成物:
【化1】

は、水素、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基及びアルキルハライド基からなる群より選択され;R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、各々、独立して、水素、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリール基及びハロゲンからなる群より選択され;R12は、−CHOH及び−CHOHCHOHからなる群より選択されるヒドロキシアルキル基。
【請求項6】
は、アルキル基及びアルケニル基からなる群より選択され;R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、各々、独立して、水素であり;R12は、−CHOHCHOHであり;R及びRは、アルキル基及びアルコキシ基からなる群より選択される請求項5に記載のポリマー組成物。
【請求項7】
、R及びRは、n−プロピル基である請求項6に記載のポリマー組成物。
【請求項8】
当該フルオロポリマーは、ビニリデンフルオライド、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)及びこれらの組合せからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから作製されたポリマーである請求項1乃至7のいずれか1項に記載のポリマー組成物。
【請求項9】
当該フルオロポリマーは、(i)ビニリデンフルオライドと、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、1−ヒドロペンタフルオロプロピレン及び2−ヒドロペンタフルオロプロピレンからなる群より選択されるコモノマーとのコポリマー;(ii)ビニリデンフルオライドと、テトラフルオロエチレンと、ヘキサフルオロプロピレン、1−ヒドロペンタフルオロプロピレン及び2−ヒドロペンタフルオロプロピレンからなる群より選択されるコモノマーとのターポリマー;(iii)テトラフルオロエチレンとプロピレンとのコポリマー;(iv)テトラフルオロエチレンとプロピレンとビニリデンフルオライドとのコポリマー;並びに(v)(i)乃至(iv)のうちの2つ以上の組合せからなる群より選択されるポリマーである請求項1乃至8のいずれか1項に記載のポリマー組成物。
【請求項10】
当該フルオロポリマーは、ビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとのターポリマーである請求項9に記載のポリマー組成物。
【請求項11】
当該フルオロポリマーは、当該ポリマー組成物の総重量に基づき、約200ppm以下の量で当該ポリマー組成物中に存在する請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項12】
当該ポリマー組成物は、実質的に界面剤を含んでいない請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項13】
(a)ダイと、成形品の形状を定める内面を有する金型キャビティとを含んだ装置を提供する工程と;
(b)(i)熱可塑性ポリマーと、(ii)成核剤、清澄剤及びこれらの組合せからなる群より選択されるポリマー添加剤と、(iii)ASTM D1238−04cに従って、265℃で、5kg重量を使用して測定されるメルトフローインデックスが約4乃至約30g/10分のフルオロポリマーとを含んだポリマー組成物を提供する工程と;
(c)当該ダイから押出され得るように当該ポリマー組成物を溶融するのに十分な温度まで当該ポリマー組成物を加熱する工程と;
(d)当該溶融されたポリマー組成物を当該ダイから押出して、パリソンを形成する工程と;
(e)当該金型キャビティに当該パリソンをとらえる工程と;
(f)当該パリソンが、当該金型キャビティの内面に沿い且つ成形品を生ずるように当該パリソンを膨らませるのに十分な圧力の下、当該パリソンに加圧流体を吹き込む工程と;
(g)当該成形品を、当該成形品がその形状を保持するように、当該ポリマー組成物が少なくとも部分的に凝固する温度まで冷ます工程と;
(h)当該成形品を当該金型キャビティから取り除く工程と
を含んだポリマー組成物の成形方法。
【請求項14】
当該熱可塑性ポリマーは、ポリオレフィンである請求項13に記載の方法。
【請求項15】
当該熱可塑性ポリマーは、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンコポリマー及びこれらの組合せからなる群より選択される請求項14に記載の方法。
【請求項16】
当該熱可塑性ポリマーは、ポリプロピレンランダムコポリマーである請求項15に記載の方法。
【請求項17】
当該ポリマー添加剤は、以下の式(I)の構造に一致するアセタール化合物を含んだ清澄剤である請求項13乃至16のいずれか1項に記載の方法:
【化2】

は、水素、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基及びアルキルハライド基からなる群より選択され;R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、各々、独立して、水素、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリール基及びハロゲンからなる群より選択され;R12は、−CHOH及び−CHOHCHOHからなる群より選択されるヒドロキシアルキル基である。
【請求項18】
は、アルキル基及びアルケニル基からなる群より選択され;R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、各々、独立して、水素であり;R12は、−CHOHCHOHであり;R及びRは、アルキル基及びアルコキシ基からなる群より選択される請求項17に記載の方法。
【請求項19】
、R及びRは、n−プロピル基である請求項18に記載の方法。
【請求項20】
当該フルオロポリマーは、ビニリデンフルオライド、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)及びこれらの組合せから選択される少なくとも1つのモノマーから作製されたポリマーである請求項13乃至19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
当該フルオロポリマーは、(i)ビニリデンフルオライドと、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、1−ヒドロペンタフルオロプロピレン及び2−ヒドロペンタフルオロプロピレンからなる群より選択されるコモノマーとのコポリマー;(ii)ビニリデンフルオライドと、テトラフルオロエチレンと、ヘキサフルオロプロピレン、1−ヒドロペンタフルオロプロピレン及び2−ヒドロペンタフルオロプロピレンからなる群より選択されるコモノマーとのターポリマー;(iii)テトラフルオロエチレンとプロピレンとのコポリマー;(iv)テトラフルオロエチレンとプロピレンとビニリデンフルオライドとのターポリマー並びに;(v)(i)乃至(iv)のうちの2つ以上の組合せからなる群より選択されるポリマーである請求項13乃至20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
当該フルオロポリマーは、ビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとのターポリマーである請求項21に記載の方法。
【請求項23】
当該フルオロポリマーは、当該ポリマー組成物の総重量に基づいて、約200ppm以下の量で当該ポリマー組成物中に存在する請求項13に記載の方法。
【請求項24】
当該ポリマー組成物は、実質的に界面剤を含んでいない請求項13に記載の方法。

【公表番号】特表2012−528230(P2012−528230A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513040(P2012−513040)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/001529
【国際公開番号】WO2010/138172
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(599060788)ミリケン・アンド・カンパニー (65)
【氏名又は名称原語表記】Milliken & Company
【Fターム(参考)】