説明

ポリマー組成物に含まれるナノクレイ

【課題】ポリマー組成物に含まれるナノクレイ、それを含む製品、それの製造プロセス、およびそれを含むシステムを提供する。
【解決手段】ナノクレイが混合されたビスマレイミドトリアジン(BT)化合物を含む組成物を提供する。実装基板用のコアを形成する、ナノクレイと混合されたポリマー化合物を含む実装基板を提供する。BTなどのポリマーとナノクレイとを溶融混合することとコアを形成することとを含むプロセスを提供する。BTなどのモノマーとナノクレイとを溶解することとコアを形成することとを含むプロセスを提供する。ポリマーマトリックス内に分散されたナノクレイと、ポリマーマトリックス内に分散されたナノクレイを含む実装基板上に実装されたマイクロエレクトロニクスデバイスとを含むシステムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、米国特許出願第11/395,728号(出願日2006年3月31日)に基づき優先権を主張する。当該米国特許出願に記載の内容は参照により本願に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明の実施形態は概して、ボードレベルの構造およびボード上におけるデバイスの集積に関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロエレクトロニクス産業では安全のため難燃剤を利用している。マザーボードおよび拡張カード等以外にも実装基板では、コア材料の難燃剤として臭化物ベースまたはリンベースの化合物を利用している。政府機関からハロゲン化合物を排除するよう命令を受けたことによって、ハロゲン化合物以外に利用可能な材料および難燃剤としての特性を有する新しい化合物が求められている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本発明の実施形態を説明することを目的として、添付図面に図示した実施形態例を参照しつつ、上記で簡潔に言及した実施形態をより詳細に説明する。添付図面は典型的な実施形態を示したものに過ぎず、図示された実施形態は必ずしも実寸に即してはおらず、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではないと理解されたい。本発明の実施形態を、以下の添付図面に基づき詳細に記載および説明する。
【0005】
【図1】本発明の実施形態に係る実装基板を示す立面断面図である。
【0006】
【図2】本発明の実施形態に係る、図1の一部を詳細に示す断面図である。
【0007】
【図3】本発明の実施形態に係る、図1の一部を詳細に示す断面図である。
【0008】
【図4】本発明の実施形態に係る、図1の一部を詳細に示す断面図である。
【0009】
【図5】本発明の実施形態に係る、図1の一部を詳細に示す断面図である。
【0010】
【図6】本発明の実施形態に係るプロセスおよび方法を示すフローチャートである。
【0011】
【図7】本発明の実施形態に係るプロセスおよび方法を示すフローチャートである。
【0012】
【図8】本発明の実施形態に係るコンピュータシステムを示す切り欠き立面図である。
【0013】
【図9】本発明の実施形態に係る電子システムを示す概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施形態は、ポリマーマトリックス中に分散されたナノクレイ粒子を含む組成物に関する。一実施形態によると、当該ポリマーマトリックスはビスマレイミドトリアジン(BT)基材を含む。
【0015】
以下の説明では、上方、下方、第1、第2等の用語を使用するが、これらの用語は説明を目的として利用されるに過ぎず、限定的に解釈されるべきではない。本明細書に記載する装置または製品の実施形態は、製造時、使用時または出荷時において、数多くの位置および配向を取り得る。「ダイ」および「チップ」という用語は一般的に、様々な処理工程を経て所望の集積回路デバイスとなる被加工物である物体を意味する。ダイは通常ウェハから分離されたものを指し、ウェハは半導体材料、非半導体材料または両者の組み合わせから構成されるとしてもよい。ボードは通常、ダイ用実装基板として機能する樹脂含侵ファイバーガラス構造である。
【0016】
本明細書で使用される次の用語は、以下に説明する意味を持つものとする。
【0017】
「クレイ材料」、「層状クレイ」、または「層状クレイ材料」は、互いに隣接する、結合された複数の層から成る、有機材料、無機材料または両者の混合物を意味する。層状クレイはプレートレット粒子を含む。
【0018】
「プレートレット粒子」、「プレートレット」、「粒子」または「共面集合状態」は、層状クレイ材料が有する複数の非結合層の各層または集合体を意味する。このような層は、個別のプレートレット粒子の状態にあるとしてもよいし、タクトイド(tactoid)として知られている複数のプレートレット粒子から成る小さい規則的または不規則的な集合体であってもよいし、タクトイドの集合体であってもよい。
【0019】
「分散」または「分散した」という用語は一般的なもので、プレートレット粒子の分離状態の様々なレベルまたは程度を表すものである。分散のレベルには、これらに限定されないが、「プレートレット粒子」、「インターカレート状態」および「剥離状態」がある。
【0020】
「インターカレート状態」または「インターカレート体」は、互いに隣接するプレートレット粒子または層集合体であるタクトイドの間に任意の構造が配設された、層状クレイ材料を意味する。このような構成とすることによって、隣接し合うプレートレットおよび/またはタクトイドの間の層間間隙が大きくなる。本開示によると、インターカレートされる構造は有機カチオンであってもよいし、マトリックスポリマーであってもよい。
【0021】
「剥離体」または「剥離状態」は、マトリックスポリマーなどのキャリア材料全体においてプレートレットが主に個別の状態で分散していることを意味する。通常、「剥離状態」はプレートレット粒子の分離状態に関しては最も程度が高いことを指し、「インターカレート状態」はプレートレットの分離状態が中程度であることを指し、「共面集合状態」は分離状態が最も低いことを指す。プレートレットの分離度は「剥離状態」と「共面集合状態」の間で実質的に連続しているので、説明を明確にすることを目的として分離度には数字の範囲を割り当てるが、開示される実施形態の範囲は説明内容よりも広いと理解されたい。
【0022】
「剥離」は、インターカレート体またはより分散状態が低い層状クレイ材料から、剥離体を形成するプロセスを意味する。
【0023】
「ナノ合成物」または「ナノ合成物組成物」は、剥離状態且つ層状態のナノクレイ材料から得られる個別のナノサイズのプレートレットが複数分散している、ポリマーまたはコポリマーを意味する。
【0024】
「マトリックスポリマー」は、ナノ合成物形成用のプレートレット粒子が分散している、熱可塑性ポリマーまたは溶融加工可能なポリマーを意味する。本開示では、プレートレット粒子は、ナノ合成物形成用マトリックスポリマーにおいて「共面集合状態」、「インターカレート状態」または「剥離状態」であってもよい。
【0025】
これより先の説明では添付図面を参照するが、同様の構成要素には同様の参照符号を単語の末尾に添えて示す。様々な実施形態に係る構造を最も分かりやすい方法で示すべく、本明細書で参照する図面は集積回路構造を線図で示す。このため、製造された構造の実際の外観は、例えば顕微鏡写真で見た場合には、添付図面に示すものとは異なり得るが、図示された実施形態の不可欠な構造は含んでいる。また、添付図面は図示される実施形態を理解する上で必要な構造を示すものである。図面を分かりやすいものとするべく、関連技術分野で公知の構造については図示していない。
【0026】
図1は、実施形態に係る実装基板100を示す断面立面図である。実装基板100は、第1面112および第2面114を持つコア110を有する。一実施形態によると、コア110は、粒子サイズが50ナノメートル(nm)を約99%パスするパーティクルを有する第1クレイプレートレットを含むポリマー基材を含む。一実施形態によると、コア110は、粒子サイズが50nmを約99%パスするパーティクルを有する第1クレイプレートレットを含むビスマレイミドトリアジン(BT)ポリマー基材である。「第1クレイプレートレット」は、特に明記していない限り、第1のタイプのクレイプレートレットを意味する。
【0027】
一実施形態によると、製品はコア110とコア110の第1面112上に配設された第1金属箔116とを含む。一実施形態によると、第1金属箔116は銅を含み、配線等の電気構造を製造するべくボードに利用され得る銅が通常利用される。一実施形態によると、第1金属箔116上にハンダマスク第1膜118が設けられている。
【0028】
一実施形態によると、実装基板100は、マザーボード、拡張カード、メザニンボード、デュアルインライン実装モジュールボードまたは実装基板などのボードである。実装基板100をマイクロエレクトロニクスデバイス用の実装基板として利用する場合、ハンダマスク第1膜118はリセス120を含む。当該リセス120によって、第1金属箔116の上面122が露出する。一実施形態によると、第1金属箔116の上面122はワイヤボンディング用のボンディングパッドである。一実施形態によると、第1金属箔116の上面122は電気バンプ用のボンディングパッドである。
【0029】
一実施形態によると、第1金属箔116の上面122は、金などの金属から成るフラッシュ(flash)層を含む。一実施形態によると、第1金属箔116の上面122は、チタンなどの金属から成るフラッシュ層を含む。一実施形態によると、第1金属箔116の上面122は、金および銀のドレ(dore)合金などの金属から成るフラッシュ層を含む。
【0030】
一実施形態によると、当該製品はコア110とコア110の第2面114上に設けられた第2金属箔124とを含む。一実施形態によると、第2金属箔124は銅を含み、配線等の電気構造を製造するべくボードに利用され得る銅が通常利用される。一実施形態によると、第2金属箔124上にハンダマスク第2膜126が設けられている。
【0031】
一実施形態によると、実装基板100は、デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)または第1金属箔116および第2金属箔124の両方に対して可触性な実装基板を例とするボードである。実装基板100をマイクロエレクトロニクスデバイス用のボードとして利用する場合、ハンダマスク第2膜126はリセス128を含む。当該リセス128によって、第2金属箔124の下面130が露出する。一実施形態によると、第2金属箔124の下面130はワイヤボンディング用のボンディングパッドである。一実施形態によると、第1金属箔124の下面130は電気バンプ用のボンディングパッドである。一実施形態によると、上面122の実施形態に関して本明細書で記載されているように、下面130にもフラッシュ層が設けられる。
【0032】
図2は、一実施形態に係る、図1の一部200を詳細に示す断面図である。図1の分断ライン2−2は、図1の実装基板100から切り取られたおよその領域を示す。詳細部分200は便宜上非常に簡略化されている。
【0033】
実装基板200はコア210を含む。一実施形態によると、コア210は、粒子サイズが50ナノメートル(nm)を約99%パスするパーティクルを有する第1クレイプレートレット234を含むポリマー基材を含む。一実施形態によると、コア210は、粒子サイズが50nmを約99%パスするパーティクルを有する第1クレイプレートレット234を含むBTポリマー基材である。
【0034】
一実施形態によると、実装基板200はコア210とコア210上に配設された第1金属箔216とを含む製品である。一実施形態によると、第1金属箔216は銅を含む。一実施形態によると、第1金属箔216上にハンダマスク第1膜218が設けられている。
【0035】
一実施形態によると、実装基板200はコア210上に配設された第2金属箔224をさらに含む製品である。一実施形態によると、第2金属箔224は銅を含み、配線等の電気構造を製造するべくボードに利用され得る銅が通常利用される。一実施形態によると、第2金属箔224上にハンダマスク第2膜226が設けられている。
【0036】
一実施形態によると、モノマーまたはオリゴマーが利用される。当該モノマーまたはオリゴマーは点の集合として図示され、そのうちの1つを参照番号232で明示する。モノマーまたはオリゴマーと共に、第1クレイプレートレット234が略共面集合体として図示される。「略共面集合体」とは、実装基板200内に存在する第1クレイプレートレット234の大部分が別の第1クレイプレートレットまたは複数の第1クレイプレートレットと直接隣接していることを意味する。図2では、略共面集合体は、モノマーまたはオリゴマーのマトリックス内に設けられた4つのクレイプレートレット234として図示されている。
【0037】
一実施形態によると、第1クレイプレートレット234の略共面集合体は、サイズが50nmを約99%パスする。一実施形態によると、第1クレイプレートレット234の略共面集合体はコア210内において重量の範囲が、約1%から約15%である。一実施形態によると、第1クレイプレートレット234の略共面集合体は、サイズが50nmを約99%パスし、重量の範囲が約1%から約15%である。
【0038】
プロセスの実施形態によると、モノマーまたはオリゴマーはまず第1クレイプレートレット234と溶融混合され、続いて当該化合物を硬化させて、概略的に図示されているようにコア210を形成する。本実施形態によると、モノマーまたはオリゴマーは完全には硬化されない。本実施形態によると、モノマーまたはオリゴマーは、約30%の重合化から約99%の重合化の範囲内で架橋および/または硬化される。一実施形態によると、モノマーまたはオリゴマーは、約50%の重合化から約90%の重合化の範囲内で架橋および/または硬化される。一実施形態によると、モノマーまたはオリゴマーは、約70%の重合化から約80%の重合化の範囲内で架橋および/または硬化される。
【0039】
方法の実施形態によると、コア210は任意の重合化の程度まで硬化され、第1金属箔216といった金属箔上に設けられるポリマー膜として形成される。一実施形態によると、第1金属箔216の上に(コア210となる)ポリマー膜を形成する方法は、Bステージのポリマー/クレイプレートレット混合物上に第1金属箔216を重ねることを含む。一実施形態によると、第1金属箔216上にポリマー膜を形成する方法は、第1金属箔216上に半硬化されたポリマー/クレイプレートレット混合物を流すことを含み、続いてポリマー/クレイプレートレット混合物をさらに硬化させる。本明細書に説明する内容と共に、上記以外に関連技術分野で公知の、金属箔およびハンダマスクをボードに積層する方法を利用してもよい。
【0040】
プロセスの実施形態によると、モノマーまたはオリゴマーはまず溶剤と混合され、第1クレイプレートレット234と混ぜ合わされる。続いて、溶剤を溶液から逃がす。溶剤の大半を除去した後、モノマーまたはオリゴマーを硬化させる。本実施形態によると、モノマーまたはオリゴマーは完全には硬化されない。本実施形態によると、モノマーまたはオリゴマーは、約30%の重合化から約99%の重合化の範囲内で架橋および/または硬化される。一実施形態によると、モノマーまたはオリゴマーは、約50%の重合化から約90%の重合化の範囲内で架橋および/または硬化される。一実施形態によると、モノマーまたはオリゴマーは、約70%の重合化から約80%の重合化の範囲内で架橋および/または硬化される。
【0041】
図3は、一実施形態に係る、図1の一部300を詳細に示す断面図である。図1の分断ライン2−2は、図1の実装基板100から切り取られたおよその領域を示す。詳細部分300は便宜上非常に簡略化されている。
【0042】
実装基板300はコア310を含む。一実施形態によると、コア310は、粒子サイズが50ナノメートル(nm)を約99%パスするパーティクルを有する第1クレイプレートレット334を含むポリマー基材を含む。一実施形態によると、コア310は、粒子サイズが50nmを約99%パスするパーティクルを有する第1クレイプレートレット334を含むBTポリマー基材である。
【0043】
一実施形態によると、実装基板300はコア310とコア310上に配設された第1金属箔316とを含む製品である。一実施形態によると、第1金属箔316は銅を含む。一実施形態によると、第1金属箔316上にハンダマスク第1膜318が設けられている。
【0044】
一実施形態によると、実装基板300はコア310上に配設された第2金属箔324をさらに含む製品である。一実施形態によると、第2金属箔324は銅を含み、配線等の電気構造を製造するべくボードに利用され得る銅が通常利用される。一実施形態によると、第2金属箔324上にハンダマスク第2膜326が設けられている。
【0045】
一実施形態によると、モノマーまたはオリゴマーが利用される。当該モノマーまたはオリゴマーは結合、硬化または架橋されたポリマーとして図示され、そのうちの1つを参照番号332で明示する。結合、硬化または架橋されたポリマー332と共に、第1クレイプレートレット334が略共面集合体として図示される。図3では、略共面集合体は、結合、硬化または架橋されたポリマー332のマトリックス内に設けられた4つのクレイプレートレット334として図示されている。
【0046】
一実施形態によると、第1クレイプレートレット334の略共面集合体は、サイズが50nmを約99%パスする。一実施形態によると、第1クレイプレートレット334の略共面集合体はコア310内において重量の範囲が、約1%から約15%である。一実施形態によると、第1クレイプレートレット334の略共面集合体は、サイズが50nmを約99%パスし、重量の範囲が約1%から約15%である。
【0047】
図4は、一実施形態に係る、図1の一部400を詳細に示す断面図である。図1の分断ライン2−2は、図1の実装基板100から切り取られたおよその領域を示す。詳細部分400は便宜上非常に簡略化されている。
【0048】
実装基板400はコア410を含む。一実施形態によると、コア410は、粒子サイズが50ナノメートル(nm)を約99%パスするパーティクルを有する第1クレイプレートレット434を含むポリマー基材を含む。一実施形態によると、コア410は、粒子サイズが50nmを約99%パスするパーティクルを有する第1クレイプレートレット434を含むBTポリマー基材である。
【0049】
一実施形態によると、実装基板400はコア410とコア410上に配設された第1金属箔416とを含む製品である。一実施形態によると、第1金属箔416は銅を含む。一実施形態によると、第1金属箔416上にハンダマスク第1膜418が設けられている。
【0050】
一実施形態によると、実装基板400はコア410上に配設された第2金属箔424をさらに含む製品である。一実施形態によると、第2金属箔424は銅を含み、配線等の電気構造を製造するべくボードに利用され得る銅が通常利用される。一実施形態によると、第2金属箔424上にハンダマスク第2膜426が設けられている。
【0051】
一実施形態によると、モノマーまたはオリゴマーが利用される。当該モノマーまたはオリゴマーは結合、硬化または架橋されたポリマーとして図示され、そのうちの1つを参照番号432で明示する。結合、硬化または架橋されたポリマー432と共に、第1クレイプレートレット434が略インターカレート集合体として図示される。「略インターカレート集合体」とは、実装基板400内において第1クレイプレートレット434の大部分が別の第1クレイプレートレットまたは複数の第1クレイプレートレットに直接隣接しているが、当該集合体には結合、硬化または架橋されたポリマー432がインターカレートされていることを意味する。図4では、略インターカレート集合体は、結合、硬化または架橋されたポリマーのマトリックス内に設けられた4つのクレイプレートレット434として図示されている。
【0052】
一実施形態によると、ポリマー基材はBTである。一実施形態によると、ナノクレイプレートレット434は、水酸化アルミニウム(Al(OH))などの水酸化物部分によって難燃特性を持つ。一実施形態によると、ナノクレイ自体の量は約1%から約15%の範囲内であってよいが、Al(OH)部分が約5%の量で含まれる場合、ナノクレイプレートレット434の量は最多で約12%である。
【0053】
一実施形態によると、第1クレイプレートレット434の略インターカレート集合体は、サイズ(各プレートレット434)が50nmを約99%パスする。一実施形態によると、第1クレイプレートレット434の略インターカレート集合体はコア410内において重量の範囲が約1%から約15%である。一実施形態によると、第1クレイプレートレット434の略インターカレート集合体は、サイズが50nmを約99%パスし、重量の範囲が約1%から約15%である。
【0054】
図5は、一実施形態に係る、図1の一部500を詳細に示す断面図である。図1の分断ライン2−2は、図1の実装基板100から切り取られたおよその領域を示す。詳細部分500は便宜上非常に簡略化されている。
【0055】
実装基板はコア510を含む。一実施形態によると、コア510は、粒子サイズが50ナノメートル(nm)を約99%パスするパーティクルを有する第1クレイプレートレット534を含むポリマー基材を含む。一実施形態によると、コア510は、粒子サイズが50nmを約99%パスするパーティクルを有する第1クレイプレートレット534を含むBTポリマー基材である。
【0056】
一実施形態によると、実装基板はコア510とコア510上に配設された第1金属箔516とを含む製品の一部である。一実施形態によると、第1金属箔516は銅を含む。一実施形態によると、第1金属箔516上にハンダマスク第1膜518が設けられている。
【0057】
一実施形態によると、実装基板はコア510上に配設された第2金属箔524をさらに含む製品の一部である。一実施形態によると、第2金属箔524は銅を含み、配線等の電気構造を製造するべくボードに利用され得る銅が通常利用される。一実施形態によると、第2金属箔524上にハンダマスク第2膜526が設けられている。
【0058】
一実施形態によると、モノマーまたはオリゴマーが利用される。当該モノマーまたはオリゴマーは結合、硬化または架橋されたポリマーとして図示され、そのうちの1つを参照番号532で明示する。結合、硬化または架橋されたポリマー532と共に、第1クレイプレートレット534が略剥離構造として図示される。「略剥離構造」とは、実装基板500内の第1クレイプレートレット534が、大半または全ての隣接する第1クレイプレートレットまたは複数の隣接する第1クレイプレートレットのすべてから分離しており、結合、硬化または架橋されたポリマー532によってプレートレット同士が互いから分離している状態を意味する。図5では、プレートレットの略剥離構造は、結合、硬化または架橋されたポリマーのマトリックス内の分離したクレイプレートレット534として図示されている。
【0059】
一実施形態によると、第1クレイプレートレット534のプレートレットの略剥離構造は、サイズが50nmを約99%パスする。一実施形態によると、第1クレイプレートレット534のプレートレットの略剥離構造はコア510内において重量の範囲が、約1%から約15%である。一実施形態によると、第1クレイプレートレット534のプレートレットの略剥離構造は、サイズが50nmを約99%パスし、重量の範囲が約1%から約15%である。
【0060】
ナノクレイプレートレットのアスペクト比は用途に応じて選択される。一実施形態によると、マトリックス内でのナノクレイの剥離は、約1:1から約200:1の範囲内にある高いアスペクト比で、分散されたナノプレートレットを用いて得ることができる。この結果得られるナノクレイ合成材料は、HAST(High Acceleration Stress Test)性能が改善され、揮発性成分の放出を遅らせ、コア材料のポンプアウト(pump−out)、ブリードアウト(bleed−out)およびドライアウト(dry−out)を低減する。また、当該ナノクレイ粒子は、コアの熱酸化安定性を高め、焼成(bake)特性および熱サイクル(TC)特性を改善する。
【0061】
ナノクレイプレートレット粒子をコア材料に加えることによって、半導体パッケージまたはマイクロエレクトロニクスパッケージの信頼性および性能が高まる。信頼性および性能が改善されたのは、熱的インターフェース材料(thermal interfaced material)について、ポンプアウトが減少し、ドライアウトが減少し、熱酸化安定性が改善したためである。ポンプアウト、ドライアウトおよび熱酸化安定性は拡散プロセスに左右される。ポリマー/ナノクレイ合成物に関する実施形態において、混合工程は様々なプロセスによって行い得る。
【0062】
本開示内容は、多岐にわたるマトリックス用有機物を用いて実施し得る。一実施形態によると、マトリックス用有機物はBTである。BTポリマー以外にも、他の有機物を追加し得る。一実施形態によると、BTが大量に含まれ、それを補完するべく、第2のポリマー等が少量含まれる。一実施形態によると、BTポリマー第1有機物に対して第2となるポリマー第2有機物として、オレフィン樹脂が含まれる。一実施形態によると、オレフィン樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、パラフィンロウ、ポリブタジエンまたはポリイソプレンなどの不飽和オレフィンゴム、エチレンプロピレンのような飽和ゴム、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、水素化ポリイソプレンなどのうち少なくとも1つである。一実施形態によると、ポリイミドコア材料もそれのみでコアマトリックスを形成するべく加えられるとしてもよいし、コアマトリックスの一成分として加えられるとしてもよい。
【0063】
一実施形態によると、ポリマー/ナノクレイ化合物は熱伝導率が約50W/mKを超える。有用なフィラーの例を挙げると、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウムなどのセラミックス、アルミニウム、銅、銀などの金属、インジウム、スズ、スズ−インジウム、銀、スズ−銀、スズ−インジウム−銀などのハンダがある。熱伝導性フィラーの量は、通常約10%から約90%の範囲内にあり、所望の全体熱伝導率およびナノクレイプレートレットの選択といった、用途ごとに求められる要素に応じて決定される。
【0064】
一実施形態によると、複数の特性のナノクレイプレートレットが使用される。有用なナノクレイ材料を挙げると、天然の層状ケイ酸塩、合成の層状ケイ酸塩および修飾された層状ケイ酸塩がある。天然のクレイには、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、雲母、バーミキュライト、ベントナイト、ノントロナイト、バイデル石、ヴォルコンスキー石(volkonskoite)、マガダイト(magadite)、ケニヤイト(kenyaite)などのスメクタイトクレイがある。合成のクレイには、合成雲母、合成サポナイト、合成ヘクトライトなどがある。
【0065】
一実施形態によると、少なくとも2種類の異なるナノクレイが含まれる。例えばナノクレイは、第1の量だけヘクトライトを含み、当該第1の量よりも少ない第2の量だけモンモロロナイト(montmorollonite)を含む。
【0066】
一実施形態によると、ナノクレイには実質的にハロゲンが無い。「実質的にハロゲンが無い」というのは、ナノクレイおよびポリマー基材を得るための原材料および/または供給材料にハロゲンが使用されておらず、検出可能な不純物以外は通常の分析技術でハロゲンが検出されない、という意味である。
【0067】
一実施形態によると、インターカレート層状クレイ材料は、膨潤性層状クレイと1以上の有機カチオンを反応させることによって得られる。この時、部分的または完全なカチオン交換を行うべくアンモニウム化合物を利用するのが好ましい。層状クレイを有機カチオンで修飾するための方法は数多くあり、実施形態ではどの方法を用いてもよい。一実施形態によると、層状ナノクレイを有機カチオン塩(非ハロゲン化合物)で以下のプロセスに従って有機修飾する。層状クレイまたは複数のクレイの混合物を温水(摂氏50度から摂氏80度)内で分散させ、攪拌しながら有機カチオン塩(水またはアルコール内で加熱または溶解されたもの)を加え、1または複数のクレイ材料の層の間にある金属カチオンの大半を有機カチオンで交換するために十分な時間だけ混ぜ合わせる。続いて、有機修飾された層状クレイ材料は、関連技術分野で公知の方法を用いて分離される。公知の方法には、ろ過、遠心分離、噴霧乾燥およびこれらの方法の組み合わせなどがある。
【0068】
一実施形態によると、合成物内での剥離を促進すること、および/または、ポリマー/クレイ界面の強度を改善することを目的として、ナノクレイにはさらなる処理が施される。上記の目的を達成するのであればどのような処理を行うとしてもよい。有用な処理の例を挙げると、水溶性または不水溶性ポリマー、有機試薬またはモノマー、シラン化合物、金属または有機金属、および/またはそれらの組み合わせを用いたインターカレートがある。
【0069】
一実施形態によると、ナノクレイ材料の大半が、約20nm未満の寸法で、個別のプレートレット粒子(剥離状態)、小さなタクトイド(インターカレート状態)およびタクトイドの小さい集合体(プレートレット集合体)として存在するように、ナノクレイはポリマーマトリックス内で分散される。個別の状態にあるプレートレット粒子の割合がより高く、タクトイドまたはタクトイドの集合体の割合がより低い合成物を用いるとしてもよい。
【0070】
図6は、実施形態に係るプロセスおよび方法を説明するためのフローチャート600である。行程610において、ポリマーとナノクレイとを溶融混合して化合物を生成する。本実施形態によると、当該化合物は、ポリマーマトリックス内に、共面集合状態、インターカレート状態、または剥離状態で存在するナノクレイを含む。ナノクレイプレートレットの分離度は、溶融混合装置の機械的せん断によって溶融混合行程中に大きくすることができる。従って溶融混合工程は、ポリマーマトリックス内において例えば略剥離状態のナノクレイプレートレットを得るべく、延長することができる。
【0071】
行程620において、当該化合物を金属箔に塗布して実装基板を形成する。本開示においては、図2乃至図5のサポートとなる記載を含め、様々な実施形態に係る実装基板を示している。一実施形態によると、当該プロセスは行程610で始まり、工程620で終了する。
【0072】
工程630において、マイクロエレクトロニクスデバイスを実装基板にアセンブルする。実装基板にアセンブルされたマイクロエレクトロニクスデバイスを図8に図示する。一実施形態によると、当該プロセスは行程610で始まり、工程630で終了する。
【0073】
工程640は工程610に続いて行われ、ポリマーを硬化させてコアを形成する。本開示においては、図1乃至図5のサポートとなる記載を含め、様々な実施形態に係る実装基板を示している。一実施形態によると、当該プロセスは行程610で始まり、工程640で終了する。一実施形態によると、当該プロセスは行程610で始まり、工程620に進み、工程640で終了する。
【0074】
工程642において、コアを金属箔に塗布して実装基板を形成する。一実施形態によると、当該プロセスは工程610で始まり、工程640で終了する。一実施形態によると、当該プロセスは工程610で始まり、工程640および642に進み、工程630で終了する。
【0075】
図7は、実施形態に係るプロセスおよび方法を説明するためのフローチャート700である。工程710において、モノマーまたはオリゴマー、もしくは両者を溶解して溶剤−ナノクレイ分散を得る。有機物等を溶解して溶液を得るプロセスは、混合装置の機械的せん断によってナノクレイプレートレットの分離を実現することを含み得る。
【0076】
工程720において、溶剤を蒸発させてモノマー(またはオリゴマー等)とナノクレイの合成物を得る。一実施形態によると、当該プロセスは工程710で始まり工程720で終了する。
【0077】
工程730において、当該合成物を金属箔に塗布して実装基板を得る。本開示においては、図2乃至図5のサポートとなる記載を含め、様々な実施形態に係る実装基板を示している。一実施形態によると、当該プロセスは行程710で始まり、工程730で終了する。
【0078】
工程740において、マイクロエレクトロニクスデバイスを実装基板にアセンブルする。実装基板にアセンブルされたマイクロエレクトロニクスデバイスを図8に図示する。一実施形態によると、当該プロセスは行程710で始まり、工程740で終了する。
【0079】
工程750は工程720に続いて行われ、モノマーまたはオリゴマーを硬化させてコアを得る。本開示においては、図1乃至図5のサポートとなる記載を含め、様々な実施形態に係る実装基板を示している。一実施形態によると、当該プロセスは行程710で始まり、工程750で終了する。一実施形態によると、当該プロセスは行程710で始まり、工程730に進み、工程750で終了する。
【0080】
工程752において、コアを金属箔に塗布して実装基板を形成する。一実施形態によると、当該プロセスは工程710で始まり、工程752で終了する。一実施形態によると、当該プロセスは工程710で始まり、工程750および752に進み、工程740で終了する。
【0081】
図8は、本発明の実施形態に係るコンピュータシステム800を示す切り欠き立面図である。上述した実施形態のうち1以上に係るナノクレイ含有ポリマーマトリックスによって構成されるコアを、図8に示すコンピュータシステム800のようなコンピュータシステムに利用するとしてもよい。以下では、任意の単一または複数の実施形態に係るナノクレイ含有ポリマーマトリックスから構成されるコアを、実施形態に係る構成と呼ぶ。
【0082】
コンピュータシステム800は例えば、ICチップパッケージ810内に封止されている少なくとも1つのプロセッサ(不図示)、データストレージシステム812、キーボード814などの少なくとも1つの入力デバイス、およびモニタ816などの少なくとも1つの出力デバイスを備える。一実施形態によると、データストレージシステム812は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)などのランダムアクセスメモリ、ポリマーメモリ、フラッシュメモリ、または相変化メモリである。コンピュータシステム800は、データ信号を処理するプロセッサを含む。コンピュータシステム800は例えば、インテル・コーポレーション社製のマイクロプロセッサを含み得る。コンピュータシステム800は、キーボード814以外にも、例えばマウス818といった別のユーザ入力デバイスを含み得る。コンピュータシステム800は、図1、3、4および5に図示した実施形態のうち任意の実施形態に係るナノクレイ含有ポリマーマトリックスから構成されるコアのように処理された構造を含み得る。一実施形態によると、コンピュータシステム800は、デスクトップコンピュータ用のボックスのような筐体822を含む。
【0083】
本開示の目的を鑑みて、請求項の主題に応じた構成要素を実現するコンピュータシステム800は、例えば、DRAM、ポリマーメモリ、フラッシュメモリ、または相変化メモリなどのデータストレージに接続されている、少なくとも1つの実施形態に係るナノクレイ含有ポリマーマトリックスによって構成されるコアを含み得るマイクロエレクトロニクスデバイスシステムを利用するシステムであればどのようなシステムを含むとしてもよい。本実施形態によると、1または複数の実施形態に係るコアは、プロセッサに接続されることによってこれらの機能の任意の組み合わせに接続される。しかし一実施形態によると、本開示において説明されている実施形態に係る構成は、これらの機能のいずれかに接続されている。実施形態の一例を挙げると、データストレージはダイ上に設けられた埋め込みDRAMキャッシュを含む。さらに一実施形態によると、プロセッサ(不図示)に接続される実施形態に係る構成は、DRAMキャッシュであるデータストレージに接続された実施形態に係る構成を持つシステムの一部である。さらに一実施形態によると、実施形態に係る構成はデータストレージ812に接続されている。
【0084】
一実施形態によると、コンピュータシステム800はさらに、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはマイクロプロセッサを備えるダイを含み得る。本実施形態によると、実施形態に係る構成は、プロセッサに接続されることによってこれらの機能の任意の組み合わせに接続される。実施形態例によると、DSPはチップセットの一部であり、該チップセットは、スタンドアロンプロセッサを含み、且つ、実施形態に係るナノクレイ含有ポリマーマトリックスから構成されるコアである、ボード820上の該チップセットの別の部分として該DSPを含み得る。本実施形態によると、ある実施形態に係る構成はDSPに接続され、別の実施形態に係る構成はICチップパッケージ810内のプロセッサに接続され得る。さらに一実施形態によると、実施形態に係る構成は、ICチップパッケージ810と同じボード820に実装されているDSPに接続される。以上の記載より明らかであるが、実施形態に係る構成は、本開示に記載された様々な実施形態に係るナノクレイ含有ポリマーマトリックスから構成されるコアおよびその均等物によって説明される実施形態に係る構成と組み合わせされて、コンピュータシステム800に対して上述したように組み合わされ得る。
【0085】
以上より明らかであるが、本開示に記載する実施形態は従来のコンピュータ以外のデバイスおよび装置に応用することができる。例えば、ダイを実施形態に係る構成でパッケージングして、ワイヤレス通信器などの携帯用デバイスまたは携帯情報端末(PDA)などの手持ちデバイス内にパッケージングされたダイを載置するとしてもよい。本実施形態によると、システムの筐体がワイヤレス電話等のシェルとなり得る。別の例を挙げると、ダイを実施形態に係る構成でパッケージングして、自動車、機関車、船舶、航空機または宇宙船などの車両内にパッケージングしたダイを載置する。
【0086】
図9は、一実施形態に係る電子システム900を示す概略図である。図示された電子システム900は、図8に示したコンピュータシステム800を実施したものとしてもよいが、図9に示す当該電子システムはより一般的な例を示すとする。電子システム900には、集積回路(IC)ダイ910などの電子アセンブリと共に、例えば図8に示したボード820である実装基板が少なくとも1つ組み込まれている。一実施形態によると、電子システム900は、該電子システム900の様々な構成要素を電気的に接続するシステムバス920を有するコンピュータシステムである。実施形態によっては、システムバス920は1つのバスとしてもよいし、複数のバスを組み合わせたものとしてもよい。電子システム900は、集積回路910に電力を供給する電圧源930を有する。実施形態によっては、電圧源930はシステムバス920を介して集積回路910へと電流を供給する。
【0087】
一実施形態に係る集積回路910は、システムバス920に電気的に接続され、単一の回路または複数の回路の組み合わせを含む。一実施形態によると、集積回路910は任意の種類のプロセッサ912を有する。本明細書で言及される場合、プロセッサ912はどのような種類の回路を意味してもよく、例えば以下に限定されないが、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、グラフィクスプロセッサ、デジタル・シグナル・プロセッサなどのプロセッサであってもよい。このほかに集積回路910に組み込まれ得る回路の種類としては、カスタム回路もしくはASICがあり、一例を挙げると、携帯電話、ポケットベル、携帯用コンピュータ、送受信可能ラジオなどの電子システムである無線デバイスで利用される通信回路914を組み込むとしてもよい。一実施形態によると、プロセッサ910はSRAMなどのオンダイメモリ916を有する。一実施形態によると、プロセッサ910はeDRAMなどのオンダイメモリ916を含む。
【0088】
一実施形態によると、電子システム900はさらに外部メモリ94を含む。外部メモリ940は、特定のアプリケーションに適したメモリ素子を1以上含むとしてもよい。該メモリ素子の例を挙げると、RAMであるメインメモリ942、1以上のハードドライブ944、および/または取外し可能な媒体946を取り扱う1以上のドライブがある。取外し可能な媒体946は、ディスケット、コンパクト・ディスク(CD)、デジタル・ビデオ・ディスク(DVD)、フラッシュ・メモリ・キーなどの公知の取外し可能媒体である。
【0089】
一実施形態によると、電子システム900はさらに表示デバイス950および音声出力部960を備える。一実施形態によると、電子システム900は入力デバイス970を有する。入力デバイス970は、キーボード、マウス、トラックボール、ゲームコントローラ、マイクロフォン、音声認識装置などの電子システム900に情報を入力するデバイスである。
【0090】
本明細書に記載するように、集積回路910は複数の異なる実施形態において実装されるとしてもよい。実施形態の例を挙げると、電子パッケージ、電子システム、コンピュータシステム、1以上の集積回路製造方法、1以上の電子アセンブリ製造方法などがあり、電子アセンブリは、ボードに実装された集積回路、および本明細書に記載した様々な実施形態に係るナノクレイ含有ポリマーマトリックスから構成されるコアおよびその均等物を有する。素子、材料、形状、寸法、および動作順序は特定のパッケージングの要件を満たすべく変更されるとしてもよい。
【0091】
米国特許法施行規則§1.72(b)は技術内容の本質および要点を簡潔に伝えることを目的として要約を記載するよう求めており、その要件を遵守するべく要約を記載する。要約は特許請求の範囲の意味を解釈または限定するべく利用されないという理解の下、要約を記載する。
【0092】
上述した「発明を実施するための最良の形態」では、記載を簡潔にすることを目的として、複数の様々な特徴を1つの実施形態にまとめている。このような開示方法は、保護を請求する本発明の実施形態は各請求項に明示されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものと解釈されるべきではない。むしろ本明細書に添付の請求の範囲が反映しているのは、開示された1つの実施形態が有するすべての特徴よりも少ない特徴に、発明の主題は存在するという理解である。このため、本明細書に添付の請求の範囲は「発明を実施するための最良の形態」に組み込まれ、請求項はそれぞれが別々の好ましい実施形態として独立している。
【0093】
本発明の本質を説明するべく記載および図示されている構成要素および方法の工程の詳細な内容、材料および配置は、本明細書に添付する請求項に記載される発明の原理および範囲を超えることなく、上記以外の方法でも変更され得ることは当業者には明らかであると理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビスマレイミドトリアジン(BT)基材を含むポリマーと、
粒子サイズが約99%50ナノメートルをパスするクレイプレートレットと
を含む組成物。
【請求項2】
前記クレイプレートレットは約1%から約15%の範囲内で含まれる
請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物は実質的にハロゲンが無い
請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記クレイプレートレットは、ベイナイト、バイデル石、ベントナイト、ヘクトライト、ケニヤイト、雲母、マガダイト、モンモリロナイト、モンモロロナイト、ノントロナイト、サポナイト、スメクタイト、バーミキュライト、ヴォルコンスキー石およびこれらのうちの少なくとも2つの組み合わせの中から選択される
請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記クレイプレートレットは、第1量のヘクトライトを含み、前記第1量未満の第2量のモンモロロナイトを含む
請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
シリカ、アルミナ、窒化シリコン、グラファイト、ダイヤモンド、およびそれらの組み合わせの中から選択される無機粒子
をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記BT基材に分散される無機粒子フィラー
をさらに含み、
前記フィラーは約10%から約90%の範囲内にある
請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記BT基材は少なくとも1つの第2ポリマーによって補完される
請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記クレイプレートレットは、略共面集合状態、略インターカレート状態および略剥離状態の中から選択される状態で、前記BT基材内で分散している
請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記クレイプレートレットは、粒子サイズが約99%マイナス−20ナノメートルをパスし、濃度が約2%から約10%の範囲内にある
請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物は実質的にハロゲンが無く、
前記第1プレートレットは、ベイナイト、バイデル石、ベントナイト、ヘクトライト、ケニヤイト、雲母、マガダイト、モンモリロナイト、モンモロロナイト、ノントロナイト、サポナイト、スメクタイト、バーミキュライト、ヴォルコンスキー石およびこれらのうちの少なくとも2つの組み合わせの中から選択され、
前記BT基材は少なくとも1つの第2ポリマーによって補完される
請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
ポリマー基材第1面とポリマー基材第2面とを有するポリマー基材と、
前記ポリマー基材内で分散しており、粒子サイズは約99%マイナス−50ナノメートルをパスし、濃度が約1%から約15%の範囲内にある、クレイプレートレットと、
第1金属箔第1面と第1金属箔第2面とを有し、前記ポリマー基材第1面上に設けられる第1金属箔と
を備える製品。
【請求項13】
前記ポリマー基材は、ビスマレイミドトリアジン(BT)を主成分として含む
請求項12に記載の製品。
【請求項14】
前記ポリマー基材は、前記第1金属箔を露出させるリセスを少なくとも1つ有する
請求項12に記載の製品。
【請求項15】
前記第1金属箔は主成分が銅である
請求項12に記載の製品。
【請求項16】
前記ポリマー基材は実質的にハロゲンが無い
請求項12に記載の製品。
【請求項17】
前記第1金属箔に対して上方に来るように前記第1金属箔上に配設されるハンダマスク第1膜
をさらに含む、請求項12に記載の製品。
【請求項18】
前記ポリマー基材第2面上に配設される、第2金属箔第1面と第2金属箔第2面とを有する第2金属箔
をさらに含む、請求項12に記載の製品。
【請求項19】
前記ポリマー基材第2面上に配設される、第2金属箔第1面と第2金属箔第2面とを有する第2金属箔と、
前記第2金属箔に対し下方に来るように前記第2金属箔上に配設されるハンダマスク第2膜と
をさらに含む、請求項12に記載の製品。
【請求項20】
第1ポリマーとクレイプレートレットとを溶融混合して前記クレイプレートレットを前記第1ポリマー内で分散させることと
前記第1ポリマーおよび前記クレイプレートレットから、金属箔上にポリマー膜を形成することと
を含み、
前記クレイプレートレットは、粒子サイズが約99%マイナス−50ナノメートルをパスし、濃度が約1%から約15%の範囲内である
プロセス。
【請求項21】
溶融混合することは、前記クレイプレートレットを前記第1ポリマー内で分散させて、略共面集合状態、略インターカレート状態および略剥離状態の中から選択された状態の分散を実現することを含む
請求項20に記載のプロセス。
【請求項22】
溶融混合することは、主成分がビスマレイミドトリアジン(BT)ポリマーである前記第1ポリマーを溶融することを含む
請求項20に記載のプロセス。
【請求項23】
溶融混合することは、主成分がビスマレイミドトリアジン(BT)ポリマーである前記第1ポリマーを溶融することを含み、
前記第1ポリマーは、エポキシおよびポリイミドのうち少なくとも1つと溶融混合される
請求項20に記載のプロセス。
【請求項24】
溶融混合することは、粒子サイズが約99%マイナス−20ナノメートルをパスする前記クレイプレートレットを分散させることを含み、
前記クレイプレートレットは濃度が約2%から約10%の範囲内にある
請求項20に記載のプロセス。
【請求項25】
モノマー、オリゴマーおよび両者の組み合わせの中から選択される第1化合物を溶解することと、
前記第1化合物とクレイプレートレットとを混合して前記第1化合物内で前記クレイプレートレットを分散させることと、
前記第1化合物を重合化して第1ポリマーを得ることと、
前記第1ポリマーおよび前記クレイプレートレットから、金属箔上にポリマー膜を形成することと
を含み、
前記クレイプレートレットは、粒子サイズが約99%マイナス−50ナノメートルをパスし、濃度が約1%から約15%の範囲内にある
プロセス。
【請求項26】
重合化することは、熱硬化、架橋および両者の組み合わせの中から選択されるプロセスを含む
請求項25に記載のプロセス。
【請求項27】
重合化することは、約30%の重合化から約100%の重合化の範囲内で前記第1化合物を重合化することを含む
請求項25に記載のプロセス。
【請求項28】
溶融時において、前記クレイプレートレットは、略共面集合状態、略インターカレート状態および略剥離状態の中から選択された状態の分散を実現するべく、前記第1化合物内で分散される
請求項25に記載のプロセス。
【請求項29】
溶解することは、主成分がビスマレイミドトリアジン(BT)モノマーまたはオリゴマーである前記第1化合物を溶解することを含む
請求項25に記載のプロセス。
【請求項30】
溶解することは、粒子サイズが約99%マイナス−20ナノメートルをパスする前記クレイプレートレットを分散させることを含み、
前記クレイプレートレットは濃度が約2%から約10%の範囲内にある
請求項25に記載のプロセス。
【請求項31】
ダイと、
実装基板と
前記ダイに結合されるダイナミックランダムアクセスメモリと
を備えるシステムであって、
前記実装基板は、
ポリマー基材第1面とポリマー基材第2面とを有するポリマー基材と、
前記ポリマー基材内で分散しており、粒子サイズは約99%マイナス−50ナノメートルをパスし、濃度が約1%から約15%の範囲内にあるクレイプレートレットと、
第1金属箔第1面と第1金属箔第2面とを有し、前記ポリマー基材第1面上に設けられる第1金属箔と
を有するシステム。
【請求項32】
前記ポリマー基材第2面上に配設される、第2金属箔第1面と第2金属箔第2面とを有する第2金属箔
をさらに含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記システムは、コンピュータ、無線通信器、手持ちデバイス、自動車、機関車、航空機、船舶および宇宙船のうちのいずれかに配設される
請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
前記ダイは、データストレージデバイス、デジタルシグナルプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路およびマイクロプロセッサの中から選択される
請求項31に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−49871(P2013−49871A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−264554(P2012−264554)
【出願日】平成24年12月3日(2012.12.3)
【分割の表示】特願2008−552517(P2008−552517)の分割
【原出願日】平成19年3月31日(2007.3.31)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】