説明

ポリマー組成物及びそれから製造される接着剤、コーティング、及びシーラント

【課題】接着剤、コーティング、及びシーラントを製造するための新規ポリマー組成物が求められている。
【解決手段】
シーラント、接着剤、及びコーティングを製造するためのポリマー組成物を提供する。ポリマー組成物は、1〜99重量%の機能性シラン基を含む有機ポリマー、1〜45重量%(ポリマーの総重量に基づく)の少なくとも一種の反応性又は非反応性オルガノポリシロキサンポリマー、及び0〜98重量%(ポリマーの総重量に基づく)の機能性シラン基を含まない有機ポリマーを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高性能接着剤、コーティング、押し出し品、及びシーラントを製造するための新規ポリマー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
高性能接着剤、コーティング、押し出し品、及びシーラントは、典型的には有機ポリマー組成物、又はシリコーンポリマーを含む組成物をベースとしてきた。有機ポリマーをベースとする製品は、シリコーンポリマーをベースとする製品よりも耐候性が低い傾向がある。シリコーンポリマーをベースとする製品は、有機ポリマーをベースとする製品よりも通常吸塵性が高く汚れやすい。有機ポリマーをベースとする製品はまた、特定の物質への付着力が弱い傾向があり、塗布が難しい。有機ポリマー及びシリコーンポリマーは非混合性であり、その結果、これら2種類のポリマーを混ぜ合わせた混合物は相分離をおこす。
【0003】
【特許文献1】米国特許第3,627,722号明細書
【特許文献2】米国特許第3,632,557号明細書
【特許文献3】米国特許第3,979,344号明細書
【特許文献4】米国特許第4,222,925号明細書
【特許文献5】米国特許第6,403,711B1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
接着剤、コーティング、及びシーラントを製造するための新規ポリマー組成物が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、改善された耐候性及び/又は性能を有するシーラント、コーティング、接着剤、及び押し出し品を製造するためのポリマー組成物を提供する。本発明のポリマー組成物は、(ポリマー重量に対して)1〜99重量%のシラン基を含む有機ポリマー(以下「相溶化剤」とする)、(ポリマー重量に対して)1〜45重量%の反応性又は非反応性オルガノポリシロキサンポリマー、及び(ポリマー重量に対して)0〜98重量%のシラン基を含まない有機ポリマーを含む。特定の実施形態では、相溶化剤は部分的又は完全にシラン基によりエンドキャップされている有機ポリマーである。本発明のポリマー組成物は、シリコーンポリマー及びシラン基を包含する有機ポリマーの両方を含むポリマー組成物をベースとするシーラントは、本発明の相溶剤を含まない組成物に比べて簡単に相分離しない、という本発明者らの発見に(少なくとも一部において)基づいている。
【0006】
硬化した後、本発明のポリマー組成物は、コーティング、シーラント、又は接着剤として使用することが可能である。本発明のポリマー組成物は、かかるコーティング、シーラント、及び接着剤の特性を改質するための他の添加剤をさらに含んでもよい。
【0007】
本発明のシーラント、接着剤、及びコーティング組成物は、単成分硬化性組成物又は二成分の硬化性組成物である。本発明のシーラント、接着剤、及びコーティング組成物は、熱硬化系又は室温硬化系のいずれかであってよい。本発明のシーラント組成物は、押出硬化システム又は現場硬化システムであってよい。
【0008】
本発明のさらなる目的と利点の一部が以下の記述の中で説明されており、それらは記述から明白であり、或いは本発明を実践することにより明らかになるであろう。本発明の目的と利点は、添付請求項に具体的に記載されている要素及び組み合わせによって実現、達成されるであろう。
【0009】
なお、上述の一般的な説明と、以下に述べる詳細な説明は具体例であって、例示だけを目的としており、特許請求されている本発明の範囲の限定を意図するものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明をより詳細な実施形態を参照しながら説明する。しかしながら、本発明は多くの異なる形態で具体化してもよく、ここで記述している実施形態に限定されるように解釈すべきではない。むしろ、この開示が完全となり、本発明を当業者に完全に伝えるように、これらの実施形態は提供されている。
【0011】
特に定義されない限り、本明細書で用いられている技術的及び科学的な用語は、本発明の属する技術分野の当業者が共通して理解しているのと同じ意味を有する。本発明の記載において本明細書中で使用される専門用語は、特定の実施例のみを説明するためのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本発明及び添付請求項の記載に使用されるとき、単数形の「a」「an」、及び「the」は、文脈において別途明確に示されない限り複数形も含むことを意図している。本明細書で引用した出版物、特許出願、及び特許をはじめとする全ての参考文献は、それら全体を参照することにより明示的に援用される。
【0012】
特に示されない限り、本明細書及び請求項で使用されている、成分の分量、反応条件等を表す全ての数字は、全ての場合において「約」という用語によって修飾されていると理解されるべきである。したがって、反対に示されない限り、以下の明細書及び添付請求項に記載の数値パラメータは近似値であり、本発明によって得ようとする望ましい特性によって変化する。均等論の本特許請求の範囲への適用を制限する試みとしてではなく、数値パラメータは有効数字及び通常の四捨五入の観点から解釈されるべきである。
【0013】
広範にわたる本発明の範囲を説明する数値域及びパラメータが近似値であるにも関わらず、具体的な実施例に記載される数値は可能な限り正確に記録されている。しかしながら、あらゆる数値は、それぞれの実験測定において見られる標準偏差から必然的に生じる若干の誤差を含む。本明細書を通じて与えられる数値範囲は、かかる広い範囲の数値範囲に含まれる全ての狭い数値範囲を、かかる狭い数値範囲が本明細書に明示的に記載されているかのように含む。
【0014】
(ポリマー組成物)
本発明のポリマー組成物は、1〜99重量%のシラン基を含む少なくとも1種の有機ポリマー(すなわち相溶剤)、及び1〜45重量%の反応性又は非反応性有機ポリシロキサンポリマーの少なくとも一方、好ましくは反応性有機ポリシロキサンから成る。特定の実施形態では、シラン基がエンドキャッパーである、すなわち相溶剤は部分的又は完全にシラン基によってエンドキャップされている。別の実施形態では、シラン基は相溶剤の骨格に組み込まれている、又はペンダント基である。すなわち、シラン基は相溶剤の骨格に結合している。本発明の組成物で使用される相溶剤の分子量は1000g/moleより大きく、好ましくは10,000g/moleより大きい。本発明のポリマー組成物はまた、シラン基を含まない有機ポリマーを0〜98重量%含む。
【0015】
相溶化剤及びシラン基を含まない有機ポリマーはいずれもホモポリマー、コポリマー、マルチポリマー、又はこれらのあらゆる混合物であり得る。相溶化剤及びシラン基を含まない有機ポリマーは、芳香族及び脂肪族ウレタンポリマー、ポリエーテル、ポリエステル、アクリルポリマー、ポリスチレン、スチレンブタジエンポリマー、ポリブタジエン、及びブチル・ゴム、並びにこれらのあらゆる混合物又はブレンドのであり得る。本発明の組成物で使用される有機ポリマーは、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアクリレート、ポリブタジエン、ポリカーボネートなどの異なる骨格又はかかる骨格のあらゆる混合物を有してよい。さらに、本発明の組成物で使用される有機ポリマーは、それらに結合するアクリレート、アミド、無水マレイン酸などの他の官能基を有していてもよい。
【0016】
本発明のポリマー組成物の特定の実施形態では、少なくとも1種の相溶化剤が、シラン基によって部分的又は完全にエンドキャップされている芳香族又は脂肪族ポリウレタンポリマーである。特定の実施形態では、相溶化剤の少なくとも1種が、シラン基及び他のエンドキャッパーでエンドキャップされているポリウレタンポリマーである。他の好適なエンドキャッパーの例には、アルコール類、並びにエポキシ、ヒドロキシ、及びメルカプト官能基、又はこれらの任意の組み合わせを有するモノマー又はポリマーが挙げられるがこれらに限定されない。シランでエンドキャップされたポリウレタンポリマーは次の工程により得ることができる:a)ジイソシアネート化合物をポリオールと反応させ、イソシアネート又はヒドロキシル末端のポリウレタンポリマーから選択される中間体を形成する;及びb)中間体をシリル化する。好ましくは、中間体は1又は複数の加水分解性基を有する有機官能性シランでシリル化する。
【0017】
ポリウレタンポリマーを製造するのに好適なヒドロキシ末端のポリマー材料は、これらに限定されないが、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオールを含む2、3、4官能基を有するポリオール、及び2以上のヒドロキシ基及び直鎖状又は分岐鎖の炭化水素を有するポリオールを包含する。
【0018】
好適なポリエーテルジオール及びトリオールは、ポリエチレンエーテルジオール又はトリオール、ポリプロピレンエーテルジオール又はトリオール、ポリブチレンエーテルジオール又はトリオール、ポリテトラメチレンエーテルジオール又はトリオール、及びそのようなジオール及びトリオールのブロック共重合体を含む。
【0019】
好適なヒドロキシ末端のポリエステルは、多塩基酸又は無水物(例えば、アジピン酸及び無水フタル酸)及びポリエステルプレポリマーのヒドロキシル官能価が2より大きく、好ましくは2.3より大きいポリオールから製造されたすべてのヒドロキシ末端のポリエステルを含む。ヒドロキシル基を含むポリラクトンもまた、プレポリマー、特にポリカプロラクトンジオール及びトリオールを製造するのに好適である。
【0020】
好適なアクリルポリオールは、ヒドロキシ末端のポリアクリレートを含む。アクリレートは、これらに限定されないが、ブチルアクリレート、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、又は上記の混合物を含む。2以上のヒドロキシル基、及び直鎖状又は分岐鎖の炭化水素を包含する好適なポリオールは、ヒドロキシル官能化されたポリブタジエンを含む。他の好適なポリオールはヒドロキシル基を有するポリカーボネートを含む。
【0021】
好ましくは、ポリオールは500〜18,000の平均分子量を有する。シーラント組成物の製造に使用されるポリマーにおいては、ポリオールは2,000〜8,000の平均分子量を有するのが好ましい。コーティング又は接着剤組成物を製造するのに使用されるポリマーにおいては、ポリオールは500〜4,000の平均分子量を有するのが好ましい。
【0022】
ヒドロキシ末端のポリマー骨格と反応するイソシアネートは、1又は複数のイソシアネート基を有する有機イソシアネート又はかかる有機イソシアネートの混合物である。イソシアネートは芳香族、又は好ましくは脂肪族イソシアネートである。好適な芳香族ジイソシアネート又はトリイソシアネートの例には、p、p’、p”−トリイソシアネートトリフェニルメタン、p、p’−ジイソシアネートジフェニルメタン、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、及びこれらの混合物が含まれる。好ましい脂肪族イソシアネートの例には、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート及びこれらの混合物が含まれる。
【0023】
ポリウレタンポリマーは、ヒドロキシ末端のポリマーと有機イソシアネートを環境温度及び環境圧力下で一緒に混合することにより製造されるが、反応した混合物が高温、例えば60〜100℃まで高くなると、反応速度は非常に速くなる。科学量論的にイソシアネート又はポリオールを過剰にすることは、ポリウレタンポリマーがNCO又はOH末端基を有することを確実にするために使用される。
【0024】
特定の実施形態では、NCO末端基を有するポリマーは、その後シランのキャップ剤と反応し、50〜100%のNCO末端基が封止又はシラン基でエンドキャップされる。好適なシランのキャップ剤の例には、化1に対応するシランが含まれるが、これに限定されない。
【0025】
【化1】

式中、Rは水素、置換した脂肪族、脂環式、及び/又は芳香族炭化水素ラジカルであり、それは1〜10の炭素原子、第2の−R−Si(OR(R)、又は−CHR−CHRCOORを含み、R及びRはH又はC1〜6の有機部分であり、RはC1〜10の有機部分である。
は1〜8の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖のアルキレンラジカルを表す。
はCのアルキル基を表す。
は−CH、−CHCH、又はORである。
【0026】
化1に対応する好適なアミノシランの例には、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルトリエトキシシラン、及びアミノシラン(例えば、ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)とアクリルモノマー(例えば、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、及びグリシダルアクリレート)との反応物が挙げられる。
【0027】
別の好適なシランの例には、メルカプトシラン、メルカプロシランとモノエポキシドとの反応物、エポキシシランと第2級アミンとの反応物、及び次の構造を有するシランが挙げられる:OCN−R−Si(OR(R)、式中R、R、及びRは上述の通りである。
【0028】
ポリウレタンポリマー及びシリル化したポリウレタンポリマーの製造方法は、当該技術分野において公知である。米国特許第3,627,722号、同第3,632,557号、同第3,979,344号、及び同第4,222,925号を参照のこと。これらの文献は、参照することによって本明細書に援用される。
【0029】
特定の実施形態では、得られた部分的にシリル化したポリウレタンポリマーは、次に十分な量のノンヒンダード芳香族又は脂肪族アルコールと結合し、未反応の、すなわちシリル化していないNCO基を封止又はエンドキャップする。好適な脂肪族アルコールの例には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、脂肪族アルコールは2000より少ない分子量を有する。好適な芳香族アルコールの例には、フェノール、3−メトキシフェノール、4−メトキシフェノール、ノニルフェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、4−クロロフェノール、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、ヒドロキノン、1−ヒドロキシ−2−プロパノン、3−ヒドロキシアセトフェノン、及び4−ヒドロキシアセトフェノンが挙げられる。シラン基で部分的にエンドキャップされたポリウレタンポリマーを80℃の芳香族アルコールで90分間反応させ、シラン及び芳香族アルコールでエンドキャップされたポリウレタンプレポリマー及び過剰な芳香族アルコールを含む組成物を得る。
【0030】
選択的に、ポリマー組成物は反応後に添加されてよい湿分除去剤も含む。ポリマー組成物に混合される湿分除去剤の例には、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、p−トルエンスルホニルイソシアネート(PTSI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、及びポリマーMDIが挙げられる。ポリマー組成物の湿分含有量は、好ましくは0.1〜10%、より好ましくは0.2〜3%である。
【0031】
本発明のポリマー組成物の特定の実施形態では、相溶化剤の少なくとも1種は、アリル末端がシリル化された直鎖状又は分岐鎖のポリエーテルである。ポリエーテル骨格は、アクリレート、アミド、無水マレイン酸等の他の官能基を有していてもよい。ポリマー末端は、シラン基又はシラン基と他のエンドキャッピング基の組み合わせのいずれかで、部分的又は完全にエンドキャップされていてもよい。アリル末端がシリル化されたポリマーは、ビニルアルキル末端のポリオールを官能性シラン水酸化物と反応させることによって得る。好ましくは、官能性シラン水酸化物は、トリエトキシシラン、トリメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジメチルシラン、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0032】
別の好適な相溶化剤は反応性シリル化ポリオールである。このポリオールは、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアクリレート、ポリブタジエン、ポリカーボネート等から選択されてもよい。シリル化は上述したように行なうことができる。
【0033】
相溶化剤はシリコーン官能基を有するポリエステルであってもよい。有機ポリマーがシリコーン官能基を有するポリエステルである場合、好ましくは、シリコーン官能基は加水分解性シラン基である。シリコーン官能基を有する好ましいポリエステルは、約2,000〜約50,000g/moleの分子量を有するものである。
【0034】
本発明の組成物で使用される有機ポリシロキサンは非反応性オルガノポリシロキサン、すなわち、反応性官能基を有さないポリシロキサンであってもよい。別の実施形態では、オルガノポリシロキサンは反応性官能基を有する反応性オルガノポリシロキサンであり、好ましくはポリマー鎖に2つの反応性官能基を、好ましくはその末端部に有する。すなわち、反応性官能基は好ましくは末端基である。本発明において有用な有機ポリシロキサンには、ヒドロキル基、又はケイ素結合したアルコキシ基、アシルオキシ基、ケトオキシム基、アミノ基、アミド基、アミノキシ基、アルケノキシ基等の加水分解性基であり得る縮合性官能基を有するものが挙げられるがこれらに限定されない。反応性官能基は、ヒドロキル基、アルコキシ基、シリコーンアルコキシ基、アシルオキシ基、ケトオキシム基、アミノ基、アミド基、アミノキシ基、アルケノキシ基、アルケニル基、又はエノキシ基、又はこれらの任意の組み合わせであってよい。反応性官能基は、末端基、ペンダント基、又はこれらの組み合わせである。特定の実施形態では、本発明において使用される有機ポリシロキサンは、好ましくは20,000〜100,000g/moleの分子量を有する。
【0035】
一つの実施形態では、反応性有機ポリシロキサンポリマーは次の化学式で示される。
【0036】
【化2】

式中、R及びRは、それぞれ独立に、1〜8の炭素原子を有するアルキルであり、望ましくは1〜4の炭素原子を有するメチルが好ましく、又は6〜10の炭素原子を有する芳香族基又は置換した芳香族基でありフェニルが好ましい。nは、有機ポリシロキサンの平均分量が約10,000〜約200,000g/mole、望ましくは約20,000〜約100,000g/moleとなる値をとる。上記ポリマーはまた、上述したように2以上の反応性官能基(X)をその中に含むことは理解されるであろう。官能基は、それぞれ独立に、OH、又はOR、又はN(R、エノキシ、アシルオキシ、オキシモ、又はアミノキシであることができ、これらの官能基は、置換可能な位置に置換基を有してよい。例えば、
【化3】

式中、R〜R14は、それぞれ独立に、約1〜約8の炭素原子を有するアルキル又はシクロアルキルである。
【0037】
一つの実施形態では、本発明のポリマー組成物の反応性有機ポリシロキサンは次の化学式で表される。
【0038】
【化4】

1又は複数のR基は、それぞれ独立に、1〜8の炭素原子を有するアルキル、又は6〜20の炭素原子を有する芳香族化合物又はアルキル芳香族化合物で、アミン、ヒドロキシル、アルケン、アルコキシ等の1又は複数の官能基を有していてもよい。官能基の数、すなわち、mは1、2、又は3である。
【0039】
反応性官能基(X)は、OH、又はOR’、又はN(R’)、又はエノキシ、又はアシルオキシ、又はオキシモ、又はアミノキシ、又はアミドであり、反応性官能基は置換可能なC又はNに置換基、R’、を有してもよく、約1〜約8の炭素原子を有するアルキル、6〜20の炭素原子を有する芳香族化合物又はアルキル芳香族化合物からなる群から選択され、R’はアミン、ヒドロキシル等の1又は複数の官能基を任意に含んでいてもよい。有機ポリシロキサンの流体は、さらに、2以上の異なるポリシロキサンのブレンド及び/又は分子量の異なる有機ポリシロキサンを含むことができる。ポリシロキサンは、通常、粘稠液であり、ワッカー社(Wacker Corporation)、ジェネラル・エレクトリック社(General Electric)、ダウ・コーニング社(Dow Corning)、及びローヌプーラン社(Rhone-Poulene)等のシリコーンメーカー数社から市販されている。
【0040】
別の実施形態では、本発明のポリマー組成物は、非反応性有機ポリシロキサン、すなわち官能基を有さない有機ポリシロキサンを含む。非反応性有機ポリシロキサンは次のように表され、
【0041】
【化5】

式中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、1〜8の炭素原子を有するアルキルであり、望ましくは1〜4の炭素原子を有するメチルが好ましく、又は6〜10の炭素原子を有する芳香族基又は置換した芳香族基でありフェニルが好ましい。nは、有機ポリシロキサンの平均分量が約100〜約100,000g/mole、望ましくは約3,000〜約50,000g/moleとなる値をとる。
【0042】
本発明のポリマー組成物は、相溶化剤、有機ポリシロキサンポリマー、及び任意でシラン基を含まない有機ポリマーをブレンドすることにより製造される。
【0043】
(接着剤、コーティング、及びシーラント組成物)
本発明のシーラント、接着剤、及びコーティング組成物は、本発明のポリマー組成物を含む。特定の実施形態では、シーラント、接着剤、及びコーティング組成物はさらに、シリコーン架橋剤を含む。本発明の接着剤、コーティング、及びシーラント組成物において使用されるシリコーン架橋剤は、オキシム、アルコキシシラン、エポキシアルキルアルコキシシラン、アミドシラン、アミノシラン、エノキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、メチルトリシクロヘキシルアミノシラン、メチルトリ−第二級ブチルアミノシラン、縮合硬化触媒、及びこれらの組み合わせなどの架橋剤から選択されてよい。好ましいオキシム架橋剤には、ビニルトリメチルエチルケトオキシモシラン、メチルトリメチルエチルケトオキシモシラン、及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。相溶化剤は、反応性有機ポリシロキサンに結合したシリコーン官能性架橋系と加硫反応を起こすことのできるシリル末端基を有する。あるいは、相溶化剤は有機ポリシロキサンと相互貫入網目(interpenetrating network)を形成する。本発明のシーラント、コーティング、及び接着剤組成物はまた、可塑剤、接着促進剤、補強剤、流動性改質剤、鎖伸長剤、紫外線吸収剤、触媒、水分除去剤、及び/又はワックス、ミニファイバー、ガラスビーズ、プラスチックビーズ、セラミックビーズのような表面改質剤を含んでもよい。
【0044】
本発明の接着剤、コーティング、及びシーラント組成物は一般に、それらを加熱しながら又は加熱せずに水分又は硬化剤に付されることによって硬化する。単成分又は二成分硬化系を利用することができる。従来の単成分硬化では、有機ポリシロキサンは、アルコキシ、オキシム、エノキシ、アミド、アミノ、又はアセトキシブロック基を有する化合物に当該技術分野及び文献において公知の方法で変換される。有機スズ、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジメチルスズジ−2−エチルヘキサノエート、又はジメチルヒドロキシスズオレエート、などの従来の縮合触媒を利用することができる。
【0045】
任意に、ブロック単成分硬化系は、本明細書に記載される架橋剤を含有することができる。二成分硬化系では、多官能性アルコキシシラン又はそのオリゴマーなどの架橋剤と触媒は反応まで有機ポリシロキサンから離されたままである。二成分系用触媒の量は、通常、単成分系触媒の量より多い。かかる硬化システムは当業者にはよく知られている。例えば、ゴム技術、第3版、P.406〜407、1987年、モーリスモートンら著(Maurice Morton, et al., Rubber Technology, 3rd ED., pp. 406-407, (1987))を参照のこと。文献は参照することによって本明細書に援用される。二段階硬化させる場合には、二段階目の硬化は、硬化可能な室温又は熱硬化物質のいずれかで行ってよい。
【0046】
さまざまな慣用の架橋剤が好適であるが、例えば、ビニルトリ−メチルエチルケトオキシモシラン及びメチルトリ−メチルエチルケトオキシモシラン、並びにメチルトリメトキシシラン及びビニルトリメトキシシランなどのアルコキシシランなどのオキシム架橋剤及びアルコキシ架橋剤が好ましい。メチルトリメトキシシランは、例えば、商標名A−1630として、及びビニルトリメトキシシランは、例えば、商標名A−171としてジェネラル・エレクトリック社−OSIスペシャルティ(OSI specialities)から入手可能である。メチルトリ−メチルエチルケトオキシモシラン(MOS)は、例えば、商標名OS−1000として、ビニルトリ−メチルケトオキシモシランは、例えば、商標名OS−2000としてハニウエル社(Honeywell Corp.)から入手可能である。他の架橋剤もまた好適であり、例としては、アルコキシシラン、エポキシアルキルアルコキシシラン、アミドシラン、アミノシラン、エノキシシラン等、及びテトラエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリ−イソプロペノキシシラン、メチルトリ−イソプロペノキシシラン、メチルトリ−シクロヘキシルアミノシラン、及びメチルトリ−第二級ブチルアミノシランが挙げられる。複数の架橋剤の混合物もまた使用可能である。架橋剤の量は、上記有機ポリシロキサンコポリマー100重量部あたり通常約0.2〜約20重量部、望ましくは約1〜約10重量部、好ましくは約1.5〜約6.5重量部である。アルケニル官能性有機ポリシロキサンポリマーと併用して別の硬化架橋剤もまた使用可能である。これらの架橋剤はポリ有機シランポリマーと前反応させてもよい。
【0047】
架橋剤は、硬化シリコーンエラストマー組成物を製造するために従来用いられる量で使用する。当業者は、室温で硬化可能な及び熱により硬化可能な架橋剤の適正量を決定することが可能であろう。使用する量は、選択した個々の架橋剤及び望ましい硬化エラストマーの特性によって異なり、当業者は容易に決定することができるであろう。
【0048】
有機ポリシロキサンと架橋剤との混合は、通常湿気に触れると室温で硬化するが、硬化速度を速める、すなわち組成物を硬化する時間を削減することが望ましいこともある。そのような状況においては触媒を用いてもよい。好ましい触媒には:ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルスズビス(アセチルアセトネート)、及びジメチルチンジ−2−エチルヘキサノエートなどのカルボン酸類の金属塩;テトラブチルチタネート、テトラ−n−プロピルチタネート、ジイソプロポキシジ(エトキシアセトアセチル)チタネート、及びビス(アセチルアセトニル)ジイソプロピルチタネートなどの有機チタネートが挙げられる。また、熱硬化物質を室温硬化システムに加えて又は室温硬化システムの代わりに使用することもできる。
【0049】
特定の実施形態では、シーラント、コーティング、及び接着剤組成物は可塑剤を含む。可塑剤は一般的に、約100〜約800、望ましくは約200〜約400の平均分子量を有する。可塑剤が1大気圧において約100℃よりも高い沸点を有することが好ましい。好適な可塑剤は、シリコーン・エクステンダ、フタレートエステル、ジベネゾエートエステル、ホスフェートエステル、及びアジペートエステルとして使用されるオーガニック・オイルである。シリコーン・エクステンダとして用いられるオーガニック・オイルの例には、脂肪族炭化水素オイル及びアルキルベンゼンなどの芳香族炭化水素オイルが挙げられる。フタレートエステルの例には、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジメチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、テキサノールベンジルフタレート、C7ベンジルフタレート、及びC9ベンジルフタレートが挙げられる。ジベンゾエートエステルの例は、ジプロピレングリコールジベンゾエート、ポリプロピレングリコールジベンゾエート、ジエチレングリコール、及びトリエチレングリコールベンゾエートである。アジペートエステルの例としては、ジオクチルアジペート、ジトリデシルアジペート、及びジアルキルアジペートが挙げられる。ホスフェートエステルの例としては、トリクレジルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、及びt−ブチルフェニルジフェニルホスフェートが挙げられる。他の好適な可塑剤は、例えば1,4−ベンゼンジカルボキシレートのようなテレフタレート、及び1,2,4−ベンゼンジカルボキシレートのようなトリメリアティクスが挙げられる。好適なブチルベンジルフタレート、すなわちブチルアルコールとベンジルアルコールのフタレートエステルは、サンチサイザー160(Santicizer 160)として市販されている。任意で接着促進剤を本発明のシーラント、コーティング、及び接着剤組成物に添加してもよい。当業者は、接着促進剤の量を容易に決定することができるであろう。シーラントの中の接着促進剤の量は、一般に有機シリコーンポリマー100重量部に対して0〜約10重量部、望ましくは約1〜約8重量部、好ましくは約2〜約6重量部、及びさらに好ましくは約1.5〜約3重量部である。
【0050】
接着促進剤の好適な種類は、アミノアルキル、メルカプトアルキル、ウレイドアルキル、カルボキシ、アクリレート、及びイソシアヌレート官能性シランである。好適な接着促進剤の例には、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトリメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ウレイドプロピルトリメチルオキシシラン、ビズ−γ−トリメトキシシリルプロピル尿素、1,3,5−トリ−γ−トリメチルオキシシリルプロプリソシアンウレエート、ビズ−γ−トリメトキシシリルプロピルマレエート及びフマレート、並びにγ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
【0051】
本発明のシーラント及び接着組成物には補強剤を添加してもよい。補強剤の量は、ポリマー100重量部に対して通常0〜約250重量部、望ましくは約30〜約200重量部である。
【0052】
補強剤は硬化したシーラントの引張強度を増し、硬化していないシーラントの垂れ下がり(sag)を低減する。補強剤はまたチキソトロープとして機能する。かかる補強剤は微粒子状であり、一般に、粒径が約10ミクロン、好ましくは約5ミクロン以下、さらに好ましくは約0.1ミクロン以下の慣用で公知の補強剤及び半補強剤の両方を包含する。好適な補強剤としては、キャボット社(Cabot Corp.)のTS720又はデグッサ社(Degussa Corp.)のR−972のような疎水処理されたヒュームドシリカ、疎水沈降炭酸カルシウム、タルク、ケイ酸アルミニウム、酸化亜鉛、ポリ塩化ビニル粉末、及び参照することによって本明細書に援用される米国特許第6,403,711B1号に記載されているようなソフトアクリレートが挙げられる。他の成分も、コポリマー及び有機ポリシロキサン100重量部あたり最大約20重量部、望ましくは約0.01〜約15重量部の量でシーリング剤の製造に利用することができる。かかる成分には殺真菌剤が包含される。さらに、粉砕炭酸カルシウムや珪藻土のような増量充填剤が任意に使用される。かかる増量剤の補強効果/又はチキソトロピー効果は極小であるか皆無である。
【0053】
紫外線安定剤もまた、本発明のシーラント及び接着剤組成物に任意に添加することができる。二酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラックのような顔料又は着色料を任意に用いてシーリング剤を着色する及び/又は紫外線安定剤として作用させてもよい。LTV抑制剤やオゾン劣化防止剤も任意に添加することができる。
【0054】
未硬化状態のシーリング剤は、粘度を下げる目的で有機溶剤のような溶剤を任意に含有してもよい。
【0055】
(シーラント及び接着剤組成物の用途)
シーラント及び接着剤組成物はビルディング、幹線道路、橋、トラック、トレーラー、バス、RV車、一般車両、公共施設、窓の設置等におけるシールや接着に使用可能である。本発明のシーラント組成物でシール又は接着される物質はさまざまであり、例えば、セメント含有製品、金属類、プラスチック類、ガラス類、外断熱仕上げシステム材(EIFS material)、ビニール製品類、塗装金属、塗装ガラス、カイナー(フッ化ビニリデン)、大理石、花崗岩、れんがが含まれる。シーラント組成物はコーキングガン又はポンプ等の標準的器具を使って使用され得る。
【0056】
コーティング組成物は表面にスプレーし又は広げ、その表面をローラーや他の同様な器具で延ばすことにより利用され得る。
【実施例1】
【0057】
以下の組成物は、2軸押し出し機又はチェンジカンミキサーなどの混合器を使用して混ぜ合わせることが可能である。
【0058】

【0059】
本実施例では、約26重量%(ポリマーの総重量に基づく)のシリコーンポリマーを用いて中モジュラスのシーラントを製造した。有機ポリマーは、シラン及び芳香族アルコールでエンドキャップされているポリウレタンポリマーを包含した。硬化した組成物は、不粘着時間180分、ツーリング時間60分、ショアA硬度約20であった。シーラントは、キセノンアーク耐候性試験機で10,000時間以上の耐候性試験を受けたが、目に見える表面の変化は起きなかった。
【実施例2】
【0060】

【0061】
本実施例では、約42重量%(ポリマーの総重量に基づく)のシリコーンポリマーを用いて速乾タイプのシーラントを製造した。有機ポリマーは、シラン及び芳香族アルコールでエンドキャップされているポリウレタンポリマーを包含した。硬化した組成物は、不粘着時間100分、ツーリング時間30分であった。シーラントは、キセノンアーク耐候性試験機で10,000時間以上の耐候性試験を受けたが、目に見える表面の変化は起きなかった。
【実施例3】
【0062】

【0063】
本実施例では、約6重量%(ポリマーの総重量に基づく)の非反応シリコーンポリマーを用いてシーラントを製造した。有機ポリマーは、シラン及び芳香族アルコールでエンドキャップされているポリウレタンポリマーを包含した。硬化した組成物は、不粘着時間120分、ツーリング時間40分であった。シーラントが大理石を汚した様子は見られなかった。
【実施例4】
【0064】

【0065】
本実施例では、約8.9重量%(ポリマーの総重量に基づく)のシリコーンポリマー、8.9重量%(ポリマーの総重量に基づく)のシラン及び芳香族アルコールでエンドキャップされているポリウレタンポリマー、及び82.3重量%のNCO末端封止ウレタンプレポリマーを用いてシーラントを製造したが、シーラントには相分離は見られなかった。
【0066】
本明細書に挙げられている実施例は説明を目的としたものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記a)、b)、及びc)を含むポリマー組成物:
a)1〜99重量%(ポリマーの総重量に基づく)の、シラン基を含む有機ポリマーの少なくとも1種で、分子量が1000g/moleより大きい上記有機ポリマー;
b)1〜45重量%(ポリマーの総重量に基づく)の有機ポリシロキサンポリマーの少なくとも1種;及び
c)0〜98重量%(ポリマーの総重量に基づく)の、シラン基を含まない有機ポリマーで、分子量が1000g/moleより大きい上記有機ポリマー。
【請求項2】
シラン基を含む有機ポリマーの少なくとも1種がシラン基によって部分的又は完全にエンドキャップされている、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項3】
シラン基を含む有機ポリマーが、ウレタンポリマー、ポリエーテル、ポリエステル、アクリルポリマー、スチレンポリマー、スチレンブタジエンポリマー、ブタジエンポリマー、及びブチル・ゴム、又はこれらのいずれかの混合物又はブレンドから選択される、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項4】
シラン基を含む有機ポリマーの少なくとも1種がシラン基によって部分的又は完全にエンドキャップされているポリウレタンポリマーである、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項5】
シラン基を含む有機ポリマーの少なくとも1種がシラン基によって部分的又は完全にエンドキャップされ、及びアルコール基によって部分的にエンドキャップされているポリウレタンポリマーである、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項6】
有機ポリシロキサンポリマーがポリマー鎖に少なくとも2つの反応性官能基を有する、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項7】
反応性官能基が、ヒドロキル、アルコキシ、シリコーンアルコキシ、アシルオキシ、ケトオキシモ、アミノ、アミド、アミノキシ、アルケノキシ、アルケニル、エノキシ、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項6に記載のポリマー組成物。
【請求項8】
反応性官能基が末端基又はペンダント基、或いはその両方である、請求項7に記載のポリマー組成物。
【請求項9】
有機ポリシロキサンが10,000〜200,000g/moleの分子量を有する、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項10】
有機ポリシロキサンが非反応性有機ポリシロキサンである、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項11】
非反応性有機ポリシロキサンが下記化学式
【化1】

(式中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、1〜8の炭素原子を有するアルキルであり、6〜10の炭素原子を有する芳香族基又は置換した芳香族基であり、nは、有機ポリシロキサンの平均分量が約100〜約100,000g/moleとなる値をとる。)を有する、請求項10に記載のポリマー組成物。
【請求項12】
シラン基を含まない有機ポリマーが、ウレタンポリマー、ポリエーテル、ポリエステル、アクリルポリマー、スチレンポリマー、スチレンブタジエンポリマー、ブタジエンポリマー、及びブチル・ゴム、又はこれらのいずれかの混合物又はブレンドから選択される、請求項10に記載のポリマー組成物。
【請求項13】
組成物がシリコーン官能性架橋剤をさらに含む、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項14】
組成物中の架橋剤の量が、有機ポリシロキサンに基づいて0.2〜4重量%である、請求項13に記載のポリマー組成物。
【請求項15】
シリコーン架橋剤が、オキシム、アルコキシシラン、エポキシアルキルアルコキシシラン、アミドシラン、アミノシラン、エノキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリ−イソプロペノキシシラン、メチルトリ−イソプロペノキシシラン、メチルトリ−シクロヘキシルアミノシラン、メチルトリ−第二級ブチルアミノシラン、縮合硬化触媒、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項13に記載のポリマー組成物。
【請求項16】
架橋剤がオキシム架橋剤である、請求項15に記載のポリマー組成物。
【請求項17】
オキシム架橋剤が、ビニルトリ−メチルエチルケトオキシモシラン、メチルトリ−メチルエチルケトオキシモシラン、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項15に記載のポリマー組成物。
【請求項18】
ポリマー組成物が単成分硬化性組成物、二成分硬化性組成物、又はこれらの組み合わせである、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項19】
有機ポリシロキサンが熱硬化系及び室温硬化系から成る群から選択される、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項20】
(全重量の)0.01%〜2%の触媒をさらに含む、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項21】
触媒が、カルボン酸類の金属塩、有機チタネート、白金錯体、過酸化物、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項20に記載のポリマー組成物。
【請求項22】
触媒が、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルスズビス(アセチルアセトネート)、及びジメチルチンジ−2−エチルヘキサノエート、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されるカルボン酸類の金属塩を含む、請求項20に記載のポリマー組成物。
【請求項23】
触媒が、テトラブチルチタネート、テトラ−n−プロピルチタネート、ジイソプロポキシジ(エトキシアセトアセチル)チタネート、及びビス(アセチルアセトニル)ジイソプロピルチタネートから成る群から選択される有機チタネートを含む、請求項20に記載のポリマー組成物。
【請求項24】
可塑剤をさらに含む、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項25】
可塑剤の平均分子量が100〜1,000である、請求項24に記載のポリマー組成物。
【請求項26】
可塑剤が脂肪族炭化水素オイル又は芳香族炭化水素オイルである、請求項24に記載のポリマー組成物。
【請求項27】
(全重量の)3〜60%の補強剤、半補強剤、又はこれらの組み合わせをさらに含む、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項28】
補強剤が、疎水処理されたヒュームドシリカ、処理されていないヒュームドシリカ、疎水沈降炭酸カルシウム、粉砕炭酸カルシウム、タルク、酸化亜鉛、ポリ塩化ビニル粉末、ソフトアクリル系ポリマー、ケイ酸アルミニウム、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項27に記載のポリマー組成物。
【請求項29】
下記a)、b)、c)、d)、e)、f)及びg)を含むシーラント、コーティング、又は接着剤組成物:
a)1〜99重量%(ポリマーの総重量に基づく)のシラン基を含む有機ポリマーの少なくとも1種であって、上記有機ポリマーがポリエーテルポリマー又はポリアクリレートポリマーである、
b)1〜45重量%(ポリマーの総重量に基づく)の有機ポリシロキサンポリマーの少なくとも1種;
c)0〜98重量%(ポリマーの総重量に基づく)の、シラン基を含まない有機ポリマーであって、分子量が1,000g/moleより大きい上記有機ポリマー;及び任意で
d)可塑剤;
e)接着促進剤;
f)架橋剤;及び
g)触媒。
【請求項30】
下記a)、b)、c)、d)、e)、f)及びg)を含むシーラント、コーティング、又は接着剤組成物:
a)1〜99重量%(ポリマーの総重量に基づく)のシラン基を含む有機ポリマーの少なくとも1種であって、上記有機ポリマーがウレタンポリマー、ポリエーテル、ポリエステル、アクリルポリマー、スチレンポリマー、スチレンブタジエンポリマー、ブタジエンポリマー、及びブチル・ゴム、又はこれらのいずれかの混合物又はブレンドから選択される;
b)1〜45重量%(ポリマーの総重量に基づく)の有機ポリシロキサンポリマーの少なくとも1種;
c)0〜98重量%(ポリマーの総重量に基づく)の、シラン基を含まない有機ポリマーであって、分子量が1,000g/moleより大きい上記有機ポリマー;及び
d)シリコーン・エクステンダとして作用する脂肪族又は芳香族炭化水素;及び任意で
e)接着促進剤;
f)架橋剤;及び
g)触媒。

【公表番号】特表2008−542476(P2008−542476A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−513765(P2008−513765)
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/020492
【国際公開番号】WO2006/128015
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(592119188)トレムコ インコーポレイティド (3)
【Fターム(参考)】