説明

ポリマー組成物

【課題】 撥水性、撥油性、耐摩擦性及び表面非接着性に優れ、シリコーン系溶剤に溶解又は均一に分散し、化粧持続性が高い柔軟性のある皮膜形成性ポリマー組成物及びそれを含有する化粧料の提供。
【解決手段】 下記成分(A)及び成分(B)を含有するポリマー組成物、並びにこのポリマー組成物、及びシリコーン系溶剤を含有する化粧料。
成分(A):イオン性基を有するフッ素含有ポリマー
成分(B):成分(A)と逆電荷のイオン性基を有するシリコーン

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料に用いられるポリマー組成物、並びに該ポリマー組成物を含有する化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、顔料や有効成分等の化粧成分の効果が消失することを化粧崩れと呼ぶ。化粧崩れには、皮膚の動きによるよれや、手、衣類、水等との接触による脱落等の外的要因と、皮脂、汗、涙等の人体分泌物により、べたつき、テカリ、油浮き、色くすみ、よれ等が発生する内的要因がある。このような問題を解決するため、化粧料に、撥水性、撥油性、耐摩擦性、表面非接着性及び柔軟性等に優れた皮膜形成剤を配合する方法が採られてきた。
【0003】
例えば、特許文献1には、ワックス状フッ素含有ポリマーを含む化粧料が提案されている。このワックス状フッ素含有ポリマーとして例示されている、長鎖アルキル(メタ)アクリレートと、少なくとも1つの水素原子がフッ素で置換されているアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体は、撥水性、撥油性、耐摩擦性、表面非接着性及び柔軟性に優れ、化粧持続性は高いが、シリコーン系溶剤に溶解しないため、炭化水素系溶剤を使用する必要があり、使用感や化粧持続性を低下させてしまう。
【0004】
特許文献2には、皮膜形成性含フッ素高分子物質として含フッ素重合性モノマーを構成モノマーとして含むホモポリマー又はコポリマーを含有する化粧料が提案されている。該文献には、(1)フルオロアルキル基含有重合性モノマーと、分子鎖の末端に重合性基を有するジメチルポリシロキサン化合物とを構成モノマーとして含む共重合体、(2)フルオロアルキル基含有重合性モノマーとメルカプト変性ジメチルポリシロキサンとを構成モノマーとして含む共重合体、及び(3)分子内にアゾ基を有するジメチルポリシロキサン化合物を開始剤として、フルオロアルキル基含有重合性モノマー等を重合した重合体等が例示されている。しかしながら、これらの皮膜形成性含フッ素高分子物質は、ポリマー分子中にシリコーン鎖を有するため、シリコーン系溶剤には溶解するが、撥油性、表面非接着性が十分でないため、化粧持続性が低下する傾向にあった。
【特許文献1】特開平10−175817号公報
【特許文献2】特開平11−322543号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、撥水性、撥油性、耐摩擦性及び表面非接着性に優れ、シリコーン系溶剤に溶解又は均一に分散し、化粧持続性が高い柔軟性のある皮膜形成性ポリマー組成物及びそれを含有する化粧料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記成分(A)及び成分(B)を含有するポリマー組成物、並びにこのポリマー組成物、及びシリコーン系溶剤(以下成分(C)という)を含有する化粧料を提供する。
成分(A):イオン性基を有するフッ素含有ポリマー
成分(B):成分(A)と逆電荷のイオン性基を有するシリコーン
【発明の効果】
【0007】
本発明のポリマー組成物は、シリコーン系溶剤に溶解又は均一分散するため良好な使用感を有し、撥水性、撥油性、耐摩擦性及び表面非接着性に優れた皮膜を形成する。このポリマー組成物を化粧料に用いると、化粧持続性が高い柔軟性のある化粧皮膜となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
[成分(A):イオン性基を有するフッ素含有ポリマー]
本発明のイオン性基を有するフッ素含有ポリマーとは、分子中にフッ素原子を含み、且つ、イオン性基を有する水不溶性ポリマーであれば特に制限はされない。ここでいう水不溶性とは、25℃でpH3〜11の水への溶解性が0.1重量%以下であり、水中で均一分散しないことを指す。
【0009】
成分(A)のフッ素原子は、フルオロアルキル基として存在することが好ましい。フルオロアルキル基としては、ポリフルオロアルキル基やパーフルオロアルキル基等が例示されるが、撥油性、表面非接着性等の観点から、炭素数4〜22のパーフルオロアルキル基が特に好ましい。これらのフルオロアルキル基は、例えば、フルオロアルキル(メタ)アクリレート、フルオロアルキル(メタ)アクリルアミド、フルオロアルキルビニルエーテル、α−フルオロオレフィン等の重合性モノマーを共重合することでポリマーに導入することが好ましい。これらのモノマーの中でも、フルオロアルキル(メタ)アクリレートが特に好ましい。具体的には、特開平11−322543号公報第3頁右欄第7行目〜15行目に記載のモノマーが例示され、2−パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロデシルエチル(メタ)アクリレート等の(パーフルオロアルキル)アルキル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0010】
尚、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、(メタ)アクリルアミドとは、アクリルアミド又はメタクリルアミドを意味する。
【0011】
これらのフルオロアルキル基を有するモノマーは、1種又は2種以上使用することができ、全モノマー成分に対して1〜90重量%の割合で含有されていることが好ましく、10〜80重量%の割合で含有されていることが特に好ましい。
【0012】
成分(A)のイオン性基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等のアニオン性基、あるいはアミノ基、アンモニウム基等のカチオン性基が例示される。これらのイオン性基は、例えば、これらのイオン性基を有する(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、スチレン、ビニルエーテル、オレフィン等の重合性モノマーを共重合することでポリマーに導入することが好ましい。具体的には、特開2002―201123号公報第5頁右欄第8行目〜18行目及び第4頁左欄第14行目〜29行目に記載のモノマーが例示される。これらのイオン性基を有するモノマーの中でも、合成のし易さや配合性、安定性等の観点から、カルボキシル基又はアミノ基を有するモノマーであることが好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、スチレンカルボン酸等のカルボキシル基を有するモノマー;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の総炭素数2〜44のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミド;ジメチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等の総炭素数2〜44のジアルキルアミノ基を有するスチレンが例示される。これらの中でも、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、総炭素数2〜8のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルが特に好ましい。これらのイオン性基を有するモノマーは、1種又は2種以上使用することができ、モノマー全量に対して、0.01〜20重量%の割合で含有されていることが好ましく、0.1〜10重量%の割合で含有されていることが特に好ましい。
【0013】
成分(A)は、重合性モノマーをラジカル共重合することによって得ることが合成のし易さや組成の自由度の観点から好ましい。重合は、一般的なラジカル重合開始剤(ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物、又は、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ系化合物等が例示される)の存在下、溶液重合法等によって合成する。具体的には、溶液重合法の場合、有機溶媒中にモノマー及び開始剤を溶解させ、窒素等の不活性ガスによる置換等により系内の溶存酸素を除去した後、昇温して重合する方法が例示される。重合開始温度は通常30〜90℃程度であり、反応時間は1〜12時間程度である。
【0014】
成分(A)をラジカル共重合で得るとき、フルオロアルキル基を有するモノマーとイオン性基を有するモノマーの他に、これらと共重合可能なモノマーを共重合することが好ましい。具体的には、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート;t−ブチル(メタ)アクリルアミド等の炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリルアミド;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等の炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するビニルエーテル;エチレン、プロピレン、ブタジエン等のオレフィン;酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリロニトリル等が例示される。その中でも、炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが特に好ましい。これらのモノマーは、1種又は2種以上使用することができ、モノマー全量に対して、1〜90重量%の割合で共重合することが好ましい。
【0015】
成分(A)の主鎖骨格としては、(メタ)アクリレート系、(メタ)アクリルアミド系、スチレン系、ビニルエーテル系、エチレン系等が例示され、これらの骨格が1種又は2種以上存在しても良い。中でも、(メタ)アクリレート系を主鎖骨格に有するポリマーが特に好ましい。
【0016】
成分(A)のGPCにおけるポリスチレン換算の重量平均分子量は、2000〜1000000が好ましく、5000〜200000が特に好ましい。
本発明では、成分(A)として、これらのポリマーを1種又は2種以上使用することができる。
【0017】
[成分(B):成分(A)と逆電荷のイオン性基を有するシリコーン]
本発明の成分(B)は、成分(A)がアニオン性基を有する場合はカチオン性基、カチオン性基を有する場合はアニオン性基を有するシリコーンであれば良い。
【0018】
成分(B)のアニオン性基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等が、カチオン性基としては、アミノ基、アンモニウム基等が例示される。これらのイオン性基の中でも、配合性や安定性、入手性等の観点から、アミノ基又はカルボキシル基であることが好ましい。
【0019】
成分(B)のイオン性基の量としては、100〜100000g/molが好ましく、200〜50000g/molが特に好ましい。又、イオン性基の結合部位は、側鎖型、片末端型、両末端型、両末端・側鎖型の何れでも良い。
成分(B)の粘度としては、25℃において、10〜100000mm2/sが好ましく、20〜100000mm2/sが特に好ましい。
【0020】
成分(B)としては、上記のようなイオン性基を有するジメチルポリシロキサンが好ましく、具体的には、KF−8004、KF−8005、KF−8015、KF−865、KF−867S、KF−868、KF−880、X−22−162C、X−22−3701E、X−22−3710(以上、信越化学工業(株)製)、SF8417、SF8418、SF8451C、SF8452C、SF8457C、BY16−850、BY16−872、BY16−880(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、XF42−B1989、TSF4700、TSF4701、TSF4702、TSF4703、TSF4704、TSF4705、TSF4706、TSF4707、TSF4708、TSF4709(以上、ジーイー東芝シリコーン(株)製)等が例示される。
本発明では、成分(B)として、これらのシリコーンを1種又は2種以上使用することができる。
【0021】
[成分(C):シリコーン系溶剤]
本発明の成分(C)としては、主鎖骨格がジメチルポリシロキサンである通常化粧料等に使用される一般的なシリコーンオイルが挙げられ、具体的には、ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン樹脂、シリコーングリース、メチルスチリル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、フッ素変性シリコーン等が例示される。
【0022】
これらのシリコーン系溶剤の中でも、フッ素変性シリコーン及びジメチルポリシロキサンから選ばれる少なくとも1種が好ましく、ジメチルポリシロキサンとしては、大気圧で沸点が250℃以下のジメチルポリシロキサンが皮膜物性の観点から特に好ましい。フッ素変性シリコーンとしては、具体的には、特開2000―281791号公報段落番号0018〜0020に記載のフッ素変性シリコーンや特開平6−184312号公報に記載のフッ素変性シリコーンが例示される。ジメチルポリシロキサンとしては、環状及び非環状のジメチルポリシロキサンのいずれも好ましく使用することができ、具体的には、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が例示される。
【0023】
これらのシリコーンは1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。その中でも、少なくともフッ素変性シリコーン及び大気圧で沸点が250℃以下の(環状)ジメチルポリシロキサンを両方用いることが特に好ましい。
【0024】
[ポリマー組成物]
本発明のポリマー組成物は、成分(A)と成分(B)を任意の混合比で配合することが可能であるが、本発明では、成分(A)に対して成分(B)を相互作用させることを利用しているため、成分(A)と成分(B)のイオン性基のモル比(A)/(B)が、3/7〜9/1であることが好ましく、4/6〜8/2であることが特に好ましい。また、成分(A)と成分(B)の重量比(A)/(B)は、1/9〜8/2が好ましく、2/8〜7/3が特に好ましい。
【0025】
本発明のポリマー組成物は、他の成分を含まずにそのまま使用することができるが、成分(A)及び成分(B)以外に、成分(A)及び成分(B)を溶解できる溶剤を含有することができる。この場合、ポリマー組成物の粘度を低下させることができ、混合を容易に行えるなど取り扱い上有利である。
【0026】
溶剤としては、本発明の成分(C)のシリコーン系溶剤、トリフルオロトルエン等のフッ素系溶剤、クロロホルム等のハロゲン系溶剤、トルエン若しくはヘキサン等の炭化水素系溶剤、及び25℃における溶解度パラメータが6〜9.5の溶剤等が溶解性が良く、好ましく用いられる。ここで言う溶解度パラメータとは、25℃におけるモル蒸発熱とモル体積を求め、(モル蒸発熱[cal]/モル体積[cm3])1/2として求められたものをいう。シリコーン系溶剤は、溶剤を除去せずに配合物として使用する場合に好ましく用いることができる。また、溶剤を除去して用いる場合には、ヘキサン等を好ましく用いることができる。
【0027】
本発明のポリマー組成物中の成分(A)と成分(B)の合計含有量は、1〜100重量%が好ましく、溶剤を含有する場合には1〜50重量%が好ましく、5〜50重量%がより好ましく、5〜40重量%が更に好ましい。
また、本発明の効果を妨げない範囲で更に他の成分を含んでいてもよい。
【0028】
[化粧料]
本発明の化粧料は、本発明のポリマー組成物と、成分(C)を含有する。本発明の化粧料中の、本発明のポリマー組成物の含有量は、0.05〜50重量%が好ましく、0.1〜20重量%が更に好ましい。また、成分(C)の含有量は、0.1〜99重量%が好ましく、0.5〜80重量%が更に好ましい。
【0029】
本発明の化粧料中の、本発明のポリマー組成物と成分(C)は任意の混合比で配合することが可能であるが、成分(A)と成分(B)の合計重量と成分(C)の重量の比[(A)+(B)]/(C)が、0.01/9.99〜5/5であることが好ましく、0.05/9.95〜4/6であることが特に好ましい。
【0030】
本発明において、成分(A)及び成分(B)以外の成分を配合して化粧料を製造する場合、成分(A)と成分(B)を予め相互作用させておくことが好ましい。例えば、先に成分(A)と成分(B)を混合し、得られた成分(A)と成分(B)の混合物に、成分(C)及びその他の成分を混合して調製することが好ましい。また、混合の際に共溶媒を用いることが好ましい。
【0031】
本発明の化粧料には、前記成分の他に、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、油剤、固形・半固形油剤、溶剤、水、水溶性・疎水性ポリマー、無機・有機顔料、界面活性剤、防腐剤、酸化防止剤、色素、pH調整剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、殺菌剤、抗菌剤、金属キレート剤、薬剤等を、本発明の作用効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0032】
本発明に用いられる無機・有機顔料等の粉体は、化粧持続性、シリコーン系溶剤への分散性の点から、疎水性粉体、もしくは母粉体の表面を疎水化処理剤で疎水化処理した、いわゆる疎水化処理粉体が好ましい。特にその中でも疎水化処理粉体が好ましい。
【0033】
ここでいう疎水化処理剤としては、シリコーン油、脂肪酸金属塩、アルキルリン酸、アルキルリン酸のアルカリ金属塩又はアミン塩、N−モノ長鎖(炭素数8〜22)脂肪族アシル塩基性アミノ酸、パーフルオロアルキル基を有するフッ素化合物等が挙げられ、具体的には、特開平10−194912号公報段落番号0016〜0027に記載されている疎水化処理剤が例示される。粉体に対する疎水化処理剤の処理量は0.05〜20重量%が好ましく、1〜10重量%が更に好ましい。この範囲内においては充分な疎水性、分散性が得られて好ましい。
【0034】
本発明の化粧料は、常法に従って製造することができ、その剤型、種類等は特に限定されず、例えば油性化粧料、油中水型乳化化粧料、水中油型乳化化粧料、水性化粧料、固形化粧料、油性固形化粧料等が挙げられる。特にファンデーション、おしろい、口紅、頬紅、アイシャドー等のメイクアップ化粧料、スキンケアクリーム、乳液、スキンローション、サンスクリーン剤等の皮膚保護化粧料が好適である。
【実施例】
【0035】
例中の%は、特記しない限り重量%である。
【0036】
実施例1
フッ素含有モノマーとして、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート(FLUOWET MAE800;クラリアントジャパン(株)製)36.00g、共重合可能なモノマーとして、ステアリルメタクリレート(NKエステル S;新中村化学工業(株)製)22.75g、イオン性モノマーとして、メタクリル酸(アクリルエステルMAA;三菱レイヨン(株)製)1.25g、n−ヘキサン54.0gを均一に混合し、内容量300mLのガラス製セパラブルフラスコに入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながら60〜65℃付近まで昇温した。そこに重合開始剤として2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル(V−65;和光純薬工業(株)製)0.37gをn−ヘキサン6.0gに溶解した溶液を添加し、60〜65℃付近で6時間重合・熟成した。この溶液の一部を採取し、乾燥後GPCにて重量平均分子量を測定した結果、ポリスチレン換算で6000であった。
【0037】
n−ヘキサン120.0gを加えて希釈した後、60℃付近で撹拌しながら逆電荷のイオン性基を有するシリコーンとしてアミノ変性シリコーンKF−865(信越化学工業(株)製)63.80gを滴下し、1時間熟成した。反応溶液をメタノール2000.0g中に滴下して再沈殿精製し、沈殿物を乾燥して、ポリマー組成物1を得た。
【0038】
実施例2
実施例1において、ステアリルメタクリレートを20.55g、メタクリル酸を4.00g、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルを0.42gに変更し、実施例1と同法で重合を行い、更にアミノ変性シリコーンをXF42−B1989(ジーイー東芝シリコーン(株)製)64.10gに変更して、実施例1と同法で調製し、ポリマー組成物2を得た。重合終了時点での重量平均分子量は77000であった。
【0039】
実施例3
実施例1において、ステアリルメタクリレートを23.10g、メタクリル酸を0.90g、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルを0.36gに変更し、実施例1と同法で重合を行った。更にアミノ変性シリコーンをSF8452C(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)67.20gに変更して、実施例1と同法で調製し、ポリマー組成物3を得た。重合終了時点での重量平均分子量は62000であった。
【0040】
実施例4
実施例1において、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレートを39.50g、ステアリルメタクリレートを19.75g、メタクリル酸を1.50g、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルを0.36g、KF−865を38.75gに変更して、実施例1と同法で調製し、ポリマー組成物4を得た。重合終了時点での重量平均分子量は47000であった。
【0041】
実施例5
実施例1において、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレートを34.80g、ステアリルメタクリレートを22.80g、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルを0.37gに変更し、イオン性モノマーとして、メタクリル酸の代わりに2−ジメチルアミノエチルメタクリレート(和光純薬工業(株)製)2.50gを用いて、実施例1と同法で重合を行った。更に、逆電荷のイオン性基を有するシリコーンとしてアミノ変性シリコーンの代わりにカルボキシル変性シリコーンX−22−3701E(信越化学工業(株)製)60.20gを用いて、実施例1と同法で調製し、ポリマー組成物5を得た。重合終了時点での重量平均分子量は58000であった。
【0042】
比較例1
実施例1において、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレートを24.00g、ステアリルメタクリレートを12.00g、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルを0.21gに変更し、イオン性モノマーであるメタクリル酸の代わりにイオン性を有しないモノマーであるジメチルポリシロキシプロピルメタクリレート(サイラプレーンFM−0721(平均分子量5000);チッソ(株)製)24.00gを用いて、実施例1と同法で重合を行った。その後、アミノ変性シリコーンを添加する操作を行わないで、実施例1と同法で調製し、溶媒精製後、ポリマー組成物6を得た。重合終了時点での重量平均分子量は87000であった。
【0043】
比較例2
比較例1において、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレートを36.00g、ステアリルメタクリレートを使用せず、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルを0.23gに変更し、イオン性を有しないモノマーとしてサイラプレーンFM−0721の代わりにサイラプレーンFM−0711(ジメチルポリシロキシプロピルメタクリレート、平均分子量1000;チッソ(株)製)24.00gを用いて、比較例1と同法で調製し、溶媒精製後、ポリマー組成物7を得た。重合終了時点での重量平均分子量は129000であった。
【0044】
比較例3
実施例1において、フッ素含有モノマーである2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレートを使用せず、ステアリルメタクリレートを59.00g、メタクリル酸を1.00g、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルを0.46g、KF−865を38.80gに変更して、実施例1と同法で調製し、溶媒精製後、ポリマー組成物8を得た。重合終了時点での重量平均分子量は103000であった。
【0045】
比較例4
実施例1において、アミノ変性シリコーンを添加する操作を行わない以外は、実施例1と同法で調製し、溶媒精製後、ポリマー組成物9を得た。重合終了時点での重量平均分子量は60000であった。
【0046】
試験例
実施例1〜5及び比較例1〜4で得られたポリマー組成物1〜9について、以下の方法でシリコーンへの溶解性及び撥油性を評価した。結果を表1に示す。
【0047】
<シリコーンへの溶解性>
オクタメチルシクロテトラシロキサン(SH244;東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)9.0g中に、ポリマー組成物1.0gを添加し、撹拌・加熱により良く混合して、25℃での溶解性を目視により下記基準で評価した。
【0048】
なお、成分(A)と成分(B)の混合物(ポリマー組成物)の重量と、成分(C)(オクタメチルシクロテトラシロキサン)の重量比は1/9である。
○:透明で均一な溶液
△:白濁した均一な溶液
×:固形物が沈殿・析出した溶液
ここで、均一な液体を形成したものを合格と判断した。
【0049】
<撥油性>
シリコーンへの溶解性の評価に用いたポリマー組成物のシリコーン溶液を、低密度ポリエチレンフィルム(厚さ0.1μm)上にポリマー分が1mg/cm2となるように塗布し、溶媒を完全に乾燥させてポリマー皮膜を得た。この皮膜上にスクワレン(和光純薬工業(株)製)を1滴滴下し、1分後に接触角を測定した。この測定を3回行い、その平均値を接触角とした。ここで、接触角は40°以上であるものを合格とした。
【0050】
【表1】

【0051】
実施例6〜10及び比較例5〜9(油中水型乳液状ファンデーション)
下記方法で表2に示す組成の油中水型乳液状ファンデーションを製造し、下記方法で使用感、化粧持続性、耐色移り性、耐摩擦色移り性を評価した。結果を表2に示す。
【0052】
<製法>
粉体成分を混合粉砕した。油相成分を70〜80℃で溶解/分散したのち、粉砕した粉体成分を添加し、ディスパーで分散させた。次に20〜30℃に降温したのち、水相成分を攪拌しながら添加して乳化させ、油中水型乳液状ファンデーションを得た。
【0053】
<評価方法>
(1) 使用感及び化粧持続性
12名の専門パネラーにより、各ファンデーションを使用したときの使用感及び化粧持続性を次の基準で官能評価した。
5;10〜12人が良いと判断した
4;8〜9人が良いと判断した
3;6〜7人が良いと判断した
2;4〜5人が良いと判断した
1;3人以下が良いと判断した。
【0054】
(2)耐色移り性
各ファンデーションの一定量を人工皮革に均一に塗布し、ティッシュを押し当てた部分を300gf/cm2の圧力を10秒間加えた。そのときティッシュへ移行したファンデーションによる着色度合いにより、以下の基準で評価した。
◎;ほとんど着色していない
○;やや着色している
△;着色している
×;かなり着色している。
【0055】
(3)耐摩擦色移り性
各ファンデーションの一定量を人工皮革に均一に塗布し、木綿布で塗布した部分を30gf/cm2の圧力下、表面性試験器を用いて3000mm/minの速度で3往復させた。そのとき移行したファンデーションによる色移りの着色度合いにより、以下の基準で評価した。
◎;ほとんど着色していない
○;やや着色している
△;着色している
×;かなり着色している
【0056】
【表2】

【0057】
実施例11(クリーム状ファンデーション)
下記成分(6)〜(9)を混合粉砕した。成分(1)〜(5)を70〜80℃で溶解/分散したのち、上記粉砕した成分(6)〜(9)を添加し、ディスパーで分散させた。次に20〜30℃に降温したのち、成分(10)〜(14)の水相成分を攪拌しながら添加して乳化させ、ホモミキサーで粘度調整してクリーム状ファンデーションを得た。
【0058】
<組成>
(1)アルキルグリセリルエーテル変性シリコーン 4.0%
(特開平4−108795号実施例11に従って製造したシリコーン誘導体、m=60、n=4)
(2)デカメチルシクロペンタシロキサン(信越化学工業社製、KF−995)20.0%
(3)ジメチルポリシロキサン(信越化学工業社製、KF−96A 10c) 7.5%
(4)フッ素変性シリコーン(特開平7−277914 製造例3) 7.5%
(5)ポリマー組成物1 0.5%
(6)5%フッ素処理酸化チタン 6.0%
(7)5%フッ素処理ベンガラ七宝 0.9%
(8)5%フッ素処理黄酸化鉄 1.1%
(9)5%フッ素処理マイカ 4.0%
(10)グリセリン 3.0%
(11)硫酸マグネシウム 0.8%
(12)防腐剤 適量
(13)香料 微量
(14)精製水 残量。
【0059】
実施例12(乳液)
下記成分(1)〜(5)を70〜80℃で溶解/分散したのち、成分(6)を添加し、ディスパーで分散させた。次に20〜30℃に降温したのち、成分(7)〜(11)を攪拌しながら添加して乳化させて乳液を得た。
【0060】
<組成>
(1)ジメチルポリシロキサンポリオキシアルキレン共重合体 2.0%
(東レ・ダウコーニングシリコーン社製 SH3772M)
(2)オクタメチルシクロテトラシロキサン 15.0%
(東レ・ダウコーニングシリコーン社製 SH344)
(3)ジメチルポリシロキサン 10.0%
(東レ・ダウコーニングシリコーン社製 SH200C6c)
(4)フッ素変性シリコーン(特開平7−277914 製造例6) 5.0%
(5)ポリマー組成物1 3.0%
(6)2%シリコーン処理微粒子酸化亜鉛 1.0%
(7)エデト酸四ナトリウム 0.1%
(8)L−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩 3.0%
(9)クエン酸ナトリウム 1.0%
(10)香料 微量
(11)精製水 残量。
【0061】
実施例13(水中油型乳液状ファンデーション)
下記成分(7)〜(11)を混合粉砕した。成分(2)〜(6)を70〜80℃で溶解/分散したのち、粉砕した成分(7)〜(11)を添加し、ディスパーで分散させた。次に20〜30℃に降温したのち、成分(1)、(12)〜(13)を攪拌しながら添加して乳化させ、水中油型乳液状ファンデーションを得た。
【0062】
<組成>
(1)水溶性アルキル変性多糖誘導体 0.5%
(NATROSOL Plus339 アクアロン・カンパニー社製)
(2)イソステアリルグリセリルエーテル(HLB1.8) 0.5%
(3)オクタメチルシクロテトラシロキサン 15.0%
(東レ・ダウコーニングシリコーン社製 SH244)
(4)ジメチルポリシロキサン(特開平7−277914 製造例7) 12.0%
(5)フッ素変性シリコーン(旭硝子社製 FSL−300) 3.0%
(6)ポリマー組成物1 0.7%
(7)3%シリコーン処理酸化チタン 3.0%
(8)3%シリコーン処理ベンガラ七宝 0.3%
(9)3%シリコーン処理黄酸化鉄 1.0%
(10)3%シリコーン処理ナイロンパウダー 3.0%
(11)3%シリコーン処理マイカ 4.0%
(12)エタノール 5.0%
(13)精製水 残量。
【0063】
実施例14(保湿クリーム)
下記成分(1)〜(8)を70〜80℃で溶解/分散したのち、20〜30℃に降温し、成分(9)〜(15)を攪拌しながら添加して乳化させ、ホモミキーで粘度調整し、保湿クリームを得た。
【0064】
<組成>
(1)イソステアリルグリセリルエーテル(HLB1.8) 1.0%
(2)モノオレイン酸ソルビタン(日光ケミカルズ社製 SO−10R) 2.0%
(3)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(日光ケミカルズ社製 HCO10) 2.0%
(4)ジメチルポリシロキサンポリオキシアルキレン共重合体 1.5%
(東レ・ダウコーニングシリコーン社製 SH3775M)
(5)デカメチルシクロテトラシロキサン 15.0%
(東レ・ダウコーングシリコーン社製 SH245)
(6)メチルフェニルポリシロキサン 7.0%
(東レ・ダウコーニングシリコーン社製 SH556)
(7)フッ素変性シリコーン(信越化学工業社製 X−22−820) 3.5%
(8)ポリマー組成物2 3.0%
(9)グリセリン 3.0%
(10)カミツレスクワラン抽出エキス 0.5%
(11)硫酸マグネシウム 1.0%
(12)クエン酸 0.6%
(13)クエン酸三ナトリウム 0.4%
(14)防腐剤 適量
(15)精製水 残量。
【0065】
実施例15(サンスクリーン乳液)
下記成分(6)と(7)を混合粉砕した。成分(1)〜(5)を70〜80℃で溶解/分散したのち、上記粉砕した成分(6)と(7)を添加し、ディスパーで分散させた。次に20〜30℃に降温したのち、成分(8)〜(11)を攪拌しながら添加して乳化させてサンスクリーン乳液を得た。
【0066】
<組成>
(1)ジメチルポリシロキサンポリオキシアルキレン共重合体 0.7%
(東レ・ダウコーニングシリコーン社製 SH3773M)
(2)オクタメチルシクロテトラシロキサン 25.0%
(東レ・ダウコーニングシリコーン社製 SH244)
(3)フッ素変性シリコーン 10.0%
(東レ・ダウコーニングシリコーン社製 FS−1265)
(4)ポリマー組成物3 10.0%
(5)メトキシ桂皮酸オクチル 4.0%
(6)2%シリコーン処理微粒子酸化チタン 7.0%
(7)2%シリコーン微細酸化亜鉛華 5.0%
(8)グリセリン 1.5%
(9)エタノール 9.5%
(10)精製水 残量
(11)香料 微量。
【0067】
実施例16(パウダーファンデーション)
下記成分(1)〜(8)を混合粉砕した。これを高速ブレンダーへ移し、更に成分(9)〜(13)を80℃で混合溶解したものを加えて均一混合した後、再び粉砕し、ふるいを通した。これを金皿に圧縮成形した。
【0068】
<組成>
(1)5%シリコーン処理酸化チタン 20.0%
(2)5%シリコーン処理セリサイト 25.0%
(3)5%シリコーン処理タルク 30.0%
(4)5%シリコーン処理ベンガラ 3.0%
(5)5%シリコーン処理黄酸化鉄 6.0%
(6)5%シリコーン処理黒酸化鉄 0.5%
(7)5%シリコーン処理シリカ 5.0%
(8)5%シリコーン処理ナイロンパウダー 5.0%
(9)ジメチルポリシロキサン(信越化学工業社製、KF−96A 6cs) 2.0%
(10)フッ素変性シリコーン(信越化学工業社製 X−22−820) 1.0%
(11)ポリマー組成物3 1.0%
(12)防腐剤 適量
(13)香料 微量。
【0069】
実施例17(頬紅)
下記成分(1)〜(9)を混合粉砕した。これを高速ブレンダーへ移し、更に成分(10)〜(14)を80℃で混合溶解したものを加えて均一混合した後、再び粉砕し、ふるいを通した。これを金皿に圧縮成形した。
【0070】
<組成>
(1)3%フッ素処理カオリン 40.0%
(2)3%フッ処理マイカ 15.0%
(3)3%フッ素処理酸化チタン 18.0%
(4)3%フッ素処理黄酸化鉄 4.0%
(5)3%フッ素処理ベンガラ七宝 1.0%
(6)3%フッ素処理黒酸化鉄 0.1%
(7)3%フッ処理酸化亜鉛 0.5%
(8)3%フッ素処理赤色226号 4.5%
(9)3%フッ素処理雲母チタン 14.0%
(10)ジメチルポリシロキサン(信越化学工業社製、KF−96A 10cs)1.0%
(11)フッ素変性シリコーン(旭硝子社製 FSL−300) 0.5%
(12)ポリマー組成物3 0.2%
(13)防腐剤 適量
(14)香料 微量。
【0071】
実施例18(パウダーアイシャドー)
下記成分(1)〜(9)を混合粉砕した。これを高速ブレンダーへ移し、更に成分(10)〜(14)を80℃で混合溶解したものを加えて均一混合した後、再び粉砕し、ふるいを通した。これを金皿に圧縮成形した。
【0072】
<組成>
(1)5%フッ素処理雲母チタン 18.0%
(2)5%フッ素処理セリサイト 22.0%
(3)5%フッ素処理マイカ 24.0%
(4)5%フッ素処理ベンガラ 4.5%
(5)5%フッ素処理黄酸化鉄 1.0%
(6)5%フッ素処理黒酸化鉄 0.5%
(7)5%フッ素処理郡青 10.0%
(8)5%フッ素処理紺青 6.0%
(9)5%フッ素処理ナイロンパウダー 7.0%
(10)ジメチルポリシロキサン(信越化学工業社製、KF−96A6c) 2.0%
(11)フッ素変性シリコーン(特開平7−277914 製造例7) 2.0%
(12)ポリマー組成物3 2.0%
(13)防腐剤 適量
(14)香料 微量。
【0073】
実施例19(口紅)
下記成分(1)〜(6)を加熱溶解し、均一に混合した。これに成分(7)〜(12)を加え、ロールミルで練り均一分散させた後、再溶解して脱泡後、金型に流し込み急冷して固めた。固まったものを金型から取り出し、容器に充填した。次にスティックを炎の中を通し、表面を均一にした。
【0074】
<組成>
(1)キャンデリラワックス 14.0%
(2)マイクロクリスタリンワックス 11.9%
(マルチワックスW−445、Wicco社製)
(3)アルキル変性シリコーンワックス 8.0%
(東レ・ダウコーニングシリコーン社製 AMS−C30)
(4)フッ素変性シリコーン(旭硝子社製 FSL−300) 12.0%
(5)ジメチルポリシロキサン(信越化学工業社製、KF−96A6c) 20.0%
(6)ポリマー組成物3 8.0%
(7)5%シリコーン処理酸化チタン 9.0%
(8)5%シリコーン処理赤色226号 1.0%
(9)5%シリコーン処理雲母チタン 15.0%
(10)酸化防止剤 0.1%
(11)防腐剤 適量
(12)香料 微量。
【0075】
実施例11〜19で得られた化粧料は、いずれも、耐摩擦性及び表面非接着性に優れ、高い化粧持続性を有していた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)及び成分(B)を含有するポリマー組成物。
成分(A):イオン性基を有するフッ素含有ポリマー
成分(B):成分(A)と逆電荷のイオン性基を有するシリコーン
【請求項2】
成分(A)と成分(B)のイオン性基のモル比、(A)/(B)が3/7〜9/1である、請求項1記載のポリマー組成物。
【請求項3】
成分(A)がフルオロアルキル基を含有する、請求項1又は2記載のポリマー組成物。
【請求項4】
成分(A)のイオン性基がカルボキシル基又はアミノ基である、請求項1〜3いずれかに記載のポリマー組成物。
【請求項5】
成分(A)の主鎖骨格が(メタ)アクリレート系である、請求項1〜4いずれかに記載のポリマー組成物。
【請求項6】
成分(B)のイオン性基がアミノ基又はカルボキシル基である、請求項1〜5いずれかに記載のポリマー組成物。
【請求項7】
請求項1〜6いずれかに記載のポリマー組成物、及びシリコーン系溶剤(以下成分(C)という)を含有する化粧料。
【請求項8】
先に成分(A)と成分(B)を混合し、得られた混合物と成分(C)とを混合して得られる、請求項7記載の化粧料。
【請求項9】
成分(C)がフッ素変性シリコーン及びジメチルポリシロキサンから選ばれる少なくとも1種である請求項7又は8記載の化粧料。

【公開番号】特開2006−8554(P2006−8554A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−185887(P2004−185887)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】