説明

ポリマー組成物

開示される本発明は、(A)少なくとも1種の無ハロゲンポリマーであって、このポリマーは、熱重量分析に供される場合に、370℃の温度で少なくとも7重量%の全質量損失を示す、無ハロゲンポリマー;(B)少なくとも1種の酸供給源;(C)少なくとも1種の炭素供与源;および(D)少なくとも1種の発泡剤を含有する、組成物に関する。この組成物は、少なくとも1つの実施形態において、増強された防火特性を示す。これらの組成物は、ラテックス組成物の形態であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、2004年11月15日に出願された、仮出願番号60/628,008に基づいて出願される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、ポリマー組成物に関し、そしてより特定すると、無ハロゲンポリマーを含有するポリマー組成物に関する。これらのポリマー組成物は、増強された防火特性によって特徴付けられ得る。これらの組成物は、ラテックス組成物の形態であり得る。
【背景技術】
【0003】
(背景)
ラテックス組成物は、装飾コーティングまたは保護コーティングを提供する際に、ならびに織構造体および不織構造体ならびに紙基材のための結合剤または飽和剤を提供する際に、広範に使用されている。ラテックス組成物に難燃特性を提供する目的で、ハロゲン含有モノマー(例えば、塩化ビニル)をこのラテックス樹脂に組み込むことは、通常の実施である。しかし、この実施に付随する問題は、この樹脂が燃焼すると、塩酸が放出されることである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、少なくとも1つの実施形態において、上記問題に対する解決策を提供する。
【0005】
(要旨)
本発明は、(A)少なくとも1種の無ハロゲンポリマーであって、このポリマーは、熱重量分析に供される場合に、370℃温度で、少なくとも約7重量%の全質量損失を示す、無ハロゲンポリマー;(B)少なくとも1種の酸供給源;(C)少なくとも1種の炭素供与源;および(D)少なくとも1種の発泡剤を含有する、組成物に関する。この組成物は、少なくとも1つの実施形態において、増強された防火特性を示す。これらの組成物は、ラテックス組成物の形態であり得、そして結合剤、コーティングなどとして使用され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(詳細な説明)
用語「ポリマー」は、本明細書中で、1つ以上のモノマーの分子が一緒に連結して大きい分子を形成しており、この大きい分子の分子量が、この1つ以上のモノマーの分子量の倍数である、重合反応の生成物をいうように使用される。これらのポリマーは、ホモポリマーであってもコポリマーであってもよい。これらのポリマーは、線状ポリマーであっても、分枝ポリマーであっても、架橋ポリマーであっても、これらの2つ以上の混合物であってもよい。
【0007】
用語「ホモポリマー」は、本明細書中で、1種のモノマーの重合から生じるポリマーをいうように使用される。
【0008】
用語「コポリマー」は、本明細書中で、2種以上の化学的に異なるモノマーの重合から生じるポリマーをいうように使用される。
【0009】
用語「線状ポリマー」とは、分子が分枝も架橋構造もなしで長い鎖を形成するポリマーをいう。
【0010】
用語「分枝ポリマー」とは、分子が、主鎖またはポリマー骨格を形成し、そして1つ以上の比較的短いさらなる鎖が、この主鎖またはポリマー骨格に付着している、ポリマーをいう。
【0011】
用語「架橋ポリマー」とは、ポリマー分子が、それらの構造の、ポリマー鎖の末端以外の地点で互いに連結している、ポリマーをいう。
【0012】
用語「無ハロゲン」ポリマーとは、いかなるハロゲン原子も付着していないポリマーをいう。1つの実施形態において、無ハロゲンポリマーは、無塩素ポリマーである。用語「無ハロゲン」は、汚染レベル(例えば、約5重量%まで、1つの実施形態において、約2重量%まで、1つの実施形態において、約1重量%まで、1つの実施形態において、約0.5重量%まで、1つの実施形態において、約0.2重量%まで、そして1つの実施形態において、約0.1重量%まで)で存在し得るハロゲンを排除しない。
【0013】
用語「ラテックス組成物」とは、水性媒体中へのポリマーの粒子の分散物をいう。
【0014】
用語「ラテックス樹脂」とは、ラテックス組成物中のポリマーをいう。
【0015】
用語「ニュートンコポリマー」とは、せん断力に正比例するせん断速度によって特徴付けられるコポリマーをいう。
【0016】
用語「網目状コポリマー」とは、コポリマー分子が、それらの構造のコポリマー鎖の末端以外の地点において、互いに連結しているコポリマーをいう。これらのコポリマーは、三次元網目構造の形態であり得る。
【0017】
無ハロゲンポリマー(A)は、ハロゲン含有モノマー以外の1種以上のモノマーから誘導され得る。ポリマー(A)は、ホモポリマーであってもコポリマーであってもよい。ポリマー(A)は、線状ポリマーの形態であっても、分枝ポリマーの形態であっても、架橋ポリマーの形態であっても、それらの2つ以上の混合物であってもよい。ポリマー(A)は、熱可塑性ポリマーであり得る。ポリマー(A)は、ラテックス樹脂であり得る。1つの実施形態において、ポリマー(A)は、ニュートンコポリマーと網目状コポリマーとのブレンド以外のものである。ポリマー(A)を形成するために使用され得るモノマーとしては、1種以上のアクリルエステル、ジエン、スチレン、ビニルエステル、ニトリル、オレフィンなどが挙げられる。
【0018】
回避されるべきハロゲン含有モノマーとしては、塩化ビニルおよび塩化ビニリデンが挙げられる。
【0019】
アクリルエステルを調製するために使用され得るアルキルアクリレートとしては、アルキル基中に1個〜約22個の炭素原子、1つの実施形態において、1個〜約12個の炭素原子、1つの実施形態において、1個〜約8個の炭素原子、1つの実施形態において、1個〜約4個の炭素原子、1つの実施形態において、1個〜約3個の炭素原子、そして1つの実施形態において、2個〜約8個の炭素原子をアルキル基中に含有する、アルキルアクリレートおよびアクリルメタクリレート(すなわち、アルキル(メタ)アクリレート)が挙げられ得る。これらとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。ジエンとしては、3個〜約6個の炭素原子を含むジエンが挙げられ得る。これらとしては、ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。スチレンとしては、スチレンおよびアルキル置換スチレン(例えば、メチルスチレン、ビニルトルエンなど)が挙げられる。ビニルエステルとしては、約4個〜約22個の炭素原子を含むカルボン酸のビニルエステル(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ギ酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニルなど)が挙げられる。ニトリルとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、および3個〜約6個の炭素原子を含むオレフィン性不飽和ニトリルが挙げられる。オレフィンとしては、2個〜約12個の炭素原子、1つの実施形態において、2個〜約6個の炭素原子、そして1つの実施形態において、2個〜約4個の炭素原子を含有する、オレフィンが挙げられる。これらとしては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどが挙げられる。オレフィンは、ブテン−1のようなα−オレフィンを包含する。
【0020】
ポリマー(A)は、上記アクリルエステル、ジエン、スチレン、ビニルエステル、ニトリルまたはオレフィンから誘導される、ホモポリマーであり得る。ポリマー(A)は、上記モノマーの2つ以上から誘導されるコポリマーであり得る。ポリマー(A)は、上記モノマーの1つ以上および/または1つ以上の適切なコモノマーから誘導されるコポリマーであり得る。適切なコモノマーとしては、3個〜約5個の炭素原子を含有する、1種以上のオレフィン性不飽和一カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、イタコン酸、シアノアクリル酸など);4個〜約22個の炭素原子を含有するビニルエーテル(例えば、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテルなど);3個〜約12個の炭素原子を含有するビニルケトン(例えば、メチルビニルケトンなど);およびアクリルアミド(例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチレン−ビス−アクリルアミドなど)が挙げられ得る。ポリマー(A)は、約20重量%まで、1つの実施形態において、約0.5重量%〜約20重量%、1つの実施形態において、約0.5重量%〜約10重量%、そして1つの実施形態において、約0.5重量%〜約5重量%の、1種以上のこれらのコモノマーを含有し得る。
【0021】
1つの実施形態において、1つ以上の官能性モノマーが、ポリマー(A)の調製におけるコモノマーとして使用され得る。これらとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、N−メチロールアクリルアミド、N−(n−ブトキシメチルアクリルアミド)、N−(イソ−ブトキシメチル)アクリルアミド、N−メチロールメチルアクリルアミドなどが挙げられる。これらのモノマーは、縮合反応を起こし得る。1つの実施形態において、この縮合反応は、ホルムアルデヒドを発生させ得る。ポリマー(A)は、約15重量%まで、1つの実施形態において、約0.5重量%〜約15重量%、1つの実施形態において、約0.5重量%〜約10重量%、1つの実施形態において、約0.5重量%〜約5重量%、そして1つの実施形態において、約0.5重量%〜約3重量%の、これらのモノマーを含有し得る。
【0022】
1つの実施形態において、ポリマー(A)は、(i)スチレン、1種以上のアルキル置換スチレン、またはこれらの混合物、および(ii)少なくとも1種のアルキルアクリレートを含有するモノマーの混合物から誘導される、少なくとも1種のコポリマーを含有し得、ここで、(i)対(ii)の重量比は、約0.5:1〜約2:1の範囲であり得、そして1つの実施形態において、約0.2:1〜約0.8:1の範囲であり得る。
【0023】
1つの実施形態において、ポリマー(A)は、スチレンとアクリル酸n−ブチルとを含有するモノマーの混合物から誘導される、少なくとも1種のコポリマーを含有し得る。スチレン対アクリル酸n−ブチルの重量比は、約0.05:1〜約2:1の範囲、1つの実施形態において、約0.2:1〜約0.8:1の範囲、1つの実施形態において、約0.3:1〜約0.7:1の範囲、そして1つの実施形態において、約0.3:1〜約0.5:1の範囲であり得る。
【0024】
上記モノマーは、水性媒体中で重合され得る。1つの実施形態において、この重合により形成される生成物は、ラテックス組成物を含有し得、そしてこのラテックス組成物中のポリマー(A)は、ラテックス樹脂を含有し得る。この彗星媒体は、1種以上の乳化剤を含有し得る。あるいは、この水性媒体は、乳化剤を含有しなくてもよい。乳化剤が使用される場合、アニオン性乳化剤または両性乳化剤が、使用され得る。アニオン性乳化剤としては、約8個〜約18個の炭素原子を含有するアルコールの硫酸エステルの、アルカリ金属塩またはアンモニウム塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホン化石油およびパラフィン油のアルカリ金属塩およびアンモニウム塩、スルホン酸、スルホン酸アリールアルキルのナトリウム塩、スルホン化二カルボン酸エステルのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩など)が挙げられ得る。これらとしては、芳香族スルホン酸、スルホン酸アルキル、スルホン酸アルキルアリール、スルホン酸アリールアルキル、硫酸アルキル、およびポリ(オキシアルキレン)スルホネートの、アルカリ金属塩およびアンモニウム塩が挙げられ得る。非イオン性乳化剤(例えば、C〜C22アルキルポリエトキシレート、C〜C22アルキルフェノールポリエトキシレートなど)が、使用され得る。乳化剤の濃度は、モノマー100重量部あたり約15重量部まで、1つの実施形態において、モノマー100重量部あたり約0.1重量部〜約15重量部、1つの実施形態において、モノマー100重量部あたり約0.1重量部〜約10重量部、1つの実施形態において、モノマー100重量部あたり約0.1重量部〜約5重量部、そして1つの実施形態において、モノマー100重量部あたり約0.5重量部〜約2重量部で、変動し得る。乳化剤は、重合前、重合中、または重合後に、添加され得る。乳化剤は、重合反応の間にわたって次第に増加させて添加され得る。
【0025】
重合は、約10℃〜約100℃の範囲、そして1つの実施形態において、約60℃〜約90℃の範囲の温度で実施され得る。重合は、1種以上の開始剤の存在下で実施され得る。これらの開始剤としては、フリーラジカル開始剤が挙げられ得る。これらとしては、過酸素(peroxygen)化合物(例えば、パースルフェート、過酸化ベンゾイル、t−ブチルヒドロペルオキシド、およびクメンヒドロペルオキシド);ならびにアゾ化合物(例えば、アゾジイソブチロニトリルおよびジメチルアゾジイソブチレート)が挙げられる。これらの開始剤としては、水溶性過酸素化合物(例えば、過酸化水素および過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムまたは過硫酸アンモニウム)が挙げられ得、これらは、単独で使用され得るか、または活性化されたレドックス系において使用され得る。代表的なレドックス系としては、還元性物質(例えば、ポリヒドロキシフェノールおよび酸化可能な硫黄化合物、還元糖、ジメチルアミノプロピオニトリル、ジアゾメルカプタン化合物、または水溶性硫酸鉄(II)化合物)と組み合わせた、アルカリ金属過硫酸塩が挙げられ得る。この開始剤は、過硫酸アルカリ金属開始剤または過硫酸アンモニウム開始剤を含有し得る。開始剤の濃度は、モノマーの重量に基づいて、約0.005重量%〜5重量%の範囲、1つの実施形態において、約0.01重量%〜約2重量%の範囲、そして1つの実施形態において、約0.1重量%〜約0.8重量%の範囲であり得る。この開始剤は、重合反応の開始の際に添加されてもよく、重合反応の間にわたる開始剤の次第に増加する添加が使用されてもよい。
【0026】
ポリマー(A)を形成するための、上記モノマーの重合は、水性媒体中で、重合反応器に適切な量の水、必要に応じて1種以上の乳化剤、および重合を開始させるために充分な量の開始剤を充填することにより、実施され得る。この重合反応気は、開始温度まで加熱され得る。乳化したモノマープレミックスが、望ましい時間(例えば、数時間)にわたって、添加され得る。このモノマープレミックスは、水、必要に応じて1種以上の乳化剤、1種以上のモノマー、および必要に応じて1種以上の重合調節剤を混合することによって、調製され得る。添加の速度は、重合温度、使用される特定の開始剤、および重合するモノマーの量に依存して、変動し得る。モノマープレミックスが重合反応器に添加された後に、さらなる開始剤が添加され得る。この重合反応器は、加熱され得、そしてこの反応器の内容物は、望ましい時間(例えば、数時間まで)攪拌されて、望ましい転換を達成し得る。得られる凝塊は、存在する場合、濾過を使用して、ポリマー分散物から分離され得る。このポリマー分散物は、ラテックス組成物と称され得る。
【0027】
このラテックス組成物は、約80重量%まで、1つの実施形態において、約20重量%〜約80重量%、1つの実施形態において、約25重量%〜約75重量%、そして1つの実施形態において、約40重量%〜約60重量%の、全固形物含有量を有し得る。粒子性固形物の粒子サイズは、約50ナノメートル(nm)〜約1000nm、そして1つの実施形態において、約100nm〜約300nmの範囲であり得る。このラテックス組成物のpHは、約1.2〜約12の範囲、そして1つの実施形態において、約3〜約7の範囲であり得る。
【0028】
このラテックス組成物は、ポリマー(A)に加えて、1種以上の乳化剤、硬化剤、充填剤、可塑剤、酸化防止剤または安定化剤、消泡剤、染色アジュバント、顔料、ならびに他の公知のラテックス添加剤または塗料添加剤を含有し得る。シックナーまたは増粘剤(bodying agent)が、このラテックス組成物に添加されて、粘度を制御し得、これによって、望ましい特定の用途のために適切な流動特性を達成する。これらの各々は、このラテックス組成物中の固形物の重量に基づいて、約15重量%までの濃度で添加され得る。
【0029】
1つの実施形態において、ポリマー(A)は、約−40℃〜約40℃の範囲、そして1つの実施形態において、約−20℃〜約10℃の範囲の、ガラス転移温度(Tg)を有し得る。1つの実施形態において、このポリマーは、具体的に定義されるガラス転移温度を有さないかもしれない。
【0030】
本発明の組成物が有効な防火特性を示すためには、ポリマーが、特定の熱安定性特徴を示すことが望ましい。これらの特徴は、そのポリマーが燃焼される場合に受ける質量損失に関連し得る。質量損失は、熱重量分析(TGA)を使用して測定され得る。TGAを用いて、高感度の天秤が使用されて、サンプルの重量を、温度の関数として追跡する。ポリマー(A)は、TGAに供されると、350℃の温度において、少なくとも約5重量%、1つの実施形態において、約5重量%〜約30重量%、そして1つの実施形態において、約5重量%〜約60重量%の、全質量損失を示し得る。1つの実施形態において、ポリマー(A)は、TGAに供されると、360℃の温度において、少なくとも約6重量%、1つの実施形態において、約6重量%〜約35重量%、そして1つの実施形態において、約6重量%〜約70重量%の、全質量損失を示し得る。1つの実施形態において、ポリマー(A)は、TGAに供されると、370℃の温度において、少なくとも約7重量%、1つの実施形態において、約7重量%〜約40重量%、そして1つの実施形態において、約7重量%〜約80重量%の、全質量損失を示し得る。1つの実施形態において、ポリマー(A)は、TGAに供されると、390℃の温度において、少なくとも約14重量%、1つの実施形態において、約14重量%〜約60重量%、そして1つの実施形態において、約14重量%〜約90重量%の、全質量損失を示し得る。1つの実施形態において、ポリマー(A)は、TGAに供されると、400℃の温度において、少なくとも約25重量%、1つの実施形態において、約25重量%〜約60重量%、そして1つの実施形態において、約25重量%〜約90重量%の、全質量損失を示し得る。1つの実施形態において、ポリマー(A)は、TGAに供されると、410℃の温度において、少なくとも約44重量%、1つの実施形態において、約44重量%〜約80重量%、そして1つの実施形態において、約44重量%〜約95重量%の、全質量損失を示し得る。1つの実施形態において、ポリマー(A)は、これらの特徴は、本発明の組成物が燃焼させられる場合に、安定な木炭の形成に寄与し得る。
【実施例】
【0031】
以下の実施例1は、本発明の範囲内であるポリマー(A)に対応するコポリマーの調製を開示し、そして以下の実施例C−1は、本発明の範囲外であるが比較の目的で提供されるコポリマーを開示する。
【0032】
(実施例1)
モノマープレミックスを調製する。このモノマープレミックスは、水(270g)、30%ラウリル硫酸ナトリウム溶液(30g)およびモノマーの混合物(180スチレン、418.2gのアクリル酸n−ブチル、3.6gのメチレン−ビス−アクリルアミド)を、プレミックス容器に添加することにより、形成される。このプレミックス容器の内容物を攪拌する。水(324g)および30%ラウリル硫酸ナトリウム溶液(1.1g)を、重合反応器に添加する。この重合反応器内での攪拌を、窒素パージ下で開始する。この重合反応器の温度を、開始温度である80℃まで上昇させる。開始剤(3gの過硫酸ナトリウム)を、この重合反応器に添加する。上記モノマープレミックスを、この重合反応器に、4.3g/分の速度で添加する。さらなる量の開始剤(50gの水中0.18gの過硫酸ナトリウム)を、150分間にわたって量り入れる。この反応混合物を、攪拌しながら、87℃の温度で285分間、この重合反応器内に維持して、反応を進行させる。さらなる量のレドックス開始剤を添加して、これらのモノマーの重合を完了させ得、そしてこの反応混合物を、攪拌しながら、さらなる時間にわたってこの重合反応器内に維持し得る。この重合反応器を冷却し、そしてこの重合反応器の内容物を濾過し、そして貯蔵コンテナ内に注ぐ。
【0033】
(実施例C−1)
モノマープレミックスを形成する。このモノマープレミックスは、水(100g)、30%ラウリル硫酸ナトリウム溶液(6g)、イタコン酸(12g)、48% N−メチロールアクリルアミド(25g)、スチレン(306g)、アクリル酸n−ブチル(264g)およびアクリル酸(6g)を、プレミックス容器に添加することにより、形成される。このプレミックス容器の内容物を、攪拌する。水(200g)を、重合反応器に添加する。この重合反応器内での攪拌を、窒素パージ下で開始する。この重合反応器の温度を、開始温度である87℃まで上昇させる。開始剤(2.4gの過硫酸ナトリウム)を、この重合反応器に添加する。上記モノマープレミックスを、この重合反応器に、4.3g/分の速度で添加する。さらなる量の開始剤(53gの水中0.24gの過硫酸ナトリウム)を添加する。この反応混合物を、攪拌しながら、87℃の温度で210分間、この重合反応器内に維持して、この反応を進行させる。さらなる量の開始剤(50gの水中0.18gの過流酸ナトリウム)を添加し、そしてこの反応混合物を、さらに75分間攪拌する。この重合反応器を冷却し、そしてこの重合反応器の内容物を濾過し、そして貯蔵コンテナ内に注ぐ。
【0034】
実施例1および実施例C−1において生成したポリマーについてのTGAを、以下の手順を使用して決定する。熱重量分析のためのサンプルを、TA機器Model 2950HR(高分解能)Thermogravimetric Analyzerで試験する。約10mg〜230mgの各サンプルを、タールを塗ったアルミニウム製TGAパンに量り入れる。温度を、1分間あたり10℃の速度で、550℃の最大温度まで上昇させる。これらのサンプルを、窒素雰囲気中で加熱する。データを、Thermal Advantage Softwareを使用して記録し、そしてUniversal Analysis 2000ソフトウェアを用いて分析する。この試験を、ASTM E1131−98に従って実行する。これらのポリマーについてのTGAの結果を、図1に示し、そして表1において以下に再現する。表1において、数値は、示される温度においての質量損失についての、重量%での値である。
【0035】
【表1】

ポリマー(A)を含有するラテックス組成物を、(B)少なくとも1種の酸供給源、(C)少なくとも1種の炭素供与源、および(D)少なくとも1種の発泡剤と混合して、防火組成物を形成し得る。成分(B)、(C)および(D)は、ラテックス組成物との混合前に、互いに混合され得る。成分(B)、(C)および(D)の混合物は、泡沸組成物と称され得る。この泡沸組成物は、得られるラテックス組成物、および得られるラテックス組成物が塗布され得る基材に、増強された防火特徴を提供するために充分な重量比で、ラテックス組成物と混合され得る。この組成物は、水性分散物を混合するために適切な任意の混合技術を使用して、混合され得る。ポリマー(A)対泡沸組成物(すなわち、成分(B)、(C)および(D)の組み合わせ)の、固形物対固形物に基づく重量比は、約1:25〜25:1の範囲、1つの実施形態において、約1:20〜約4:1、1つの実施形態において、約1:20〜約3:1、1つの実施形態において、約1:20〜約2:1、そして1つの実施形態において、約1:10〜約3:2の範囲であり得る。
【0036】
酸供給源(B)は、約175℃〜約300℃、そして1つの実施形態において、約200℃〜約250℃の範囲の温度で、酸を供与する任意の材料(例えば、無機酸)を含有し得る。この酸供給源は、式(PO・NHによって表される反復単位を有する、ポリリン酸アンモニウムを含有し得る。この式において、xは、1〜約3500の範囲、1つの実施形態において、約150〜約2500の範囲、そして1つの実施形態において、約600〜約1200の範囲の数である。この酸供給源は、メラミン(ポリ)ホスフェートを含有し得る。この酸供給源は、オルトリン酸一アンモニウム、オルトリン酸二アンモニウム、縮合リン酸、オルトリン酸などのうちの1種以上を含有し得る。これらは、アンモニウム化剤および縮合剤(例えば、尿素;炭酸アンモニウム;ビウレット;スルファミド;スルファミン酸;スルファミン酸アンモニウム;グアニル尿素;メチルウレアホルムアミド;アミノ尿素;1,3−ジアミノ尿素;ビ尿素など)と、熱縮合し得る。例えば、オルトリン酸一アンモニウムおよび尿素は、実質的に当モル量から形成された溶融物を約250℃の温度で、約3時間にわたって熱処理することにより、熱縮合して、実質的に水に不溶性のポリリン酸アンモニウムを調製し得る。この酸供給源は、泡沸組成物(すなわち、(B)、(C)および(D)の組み合わせ)において、この泡沸組成物の固形物の総重量に基づいて、約2重量%〜約90重量%、1つの実施形態において、約5重量%〜約90重量%、1つの実施形態において、約10重量%〜約90重量%、1つの実施形態において、約20重量%〜約85重量%、そして1つの実施形態において、約40重量%〜約80重量%の範囲の濃度で使用され得る。
【0037】
炭素供与源(C)は、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、トリペンタエリトリトール、炭水化物化修飾糖、炭水化物化修飾澱粉、水分散性タンパク質、ゼラチン、カゼイン、上記のものの任意の誘導体、およびこれらの2つ以上の混合物を含有し得る。この炭素供与源は、石炭化供給源または木炭供与源と称され得る。炭素供与源は、上記泡沸組成物において、この泡沸組成物の全固形物に基づいて、約1重量%〜約60重量%、1つの実施形態において、約5重量%〜約60重量%、そして1つの実施形態において、約10重量%〜約40重量%の濃度で使用され得る。
【0038】
発泡剤(D)は、約100℃〜約500℃、1つの実施形態において、約150℃〜約500℃、そして1つの実施形態において、約230℃〜約400℃の温度まで加熱されると、不活性ガスを発生させる、任意の材料を含有し得る。発泡剤は、有機アミンまたは有機アミドを含有し得る。発泡剤は、メラミン、メラミン塩、尿素、ジシアンジアミド、またはこれらの2つ以上の混合物を含有し得る。発泡剤は、泡沸組成物の総固形物の重量に基づいて、約1重量%〜約60重量%、1つの実施形態において、約5重量%〜約60重量%、そして1つの実施形態において、約10重量%〜約40重量%の濃度で使用され得る。
【0039】
1つの実施形態において、ポリマー(A)の軟化温度範囲は、泡沸組成物(すなわち、成分(B)、(C)および(D)の組み合わせ)が分解し、非燃焼性気体を放出し、そして発泡する温度と同調し得、これによって、ポリマー(A)は、泡沸組成物と一緒になって、非燃焼性気体を捕捉するためのマトリックス、ならびに炎および熱に対する障壁を提供するための泡沸層を、形成し得る。
【0040】
以下の実施例2は、本発明の範囲内である泡沸組成物を開示する。
【0041】
(実施例2)
泡沸組成物を、以下の処方物から調製する。この組成物は、71重量%の固形物含有量を有する。
【0042】
【表2】

以下の実施例3は、実施例1および実施例C−1から得られたポリマーと、実施例2から得られた泡沸組成物とを混合して、ラテックスサンプルIおよびラテックスサンプルC−Iを形成することを開示する。
【0043】
(実施例3)
実施例2から得られた泡沸組成物を、1:1の固形物対固形物の重量比で、実施例1および実施例C−1から得られた組成物とブレンドし、ラテックスサンプルIおよびラテックスサンプルC−Iを作製する。サンプルIおよびサンプルC−Iの各々は、45重量%の固形物含有量を有する。サンプルIおよびサンプルC−Iの各々について、これらのサンプルを攪拌しながら、実施例3から得られた泡沸組成物を添加する。ラウリル硫酸ナトリウム(1重量%)を、界面活性剤として添加し、得られる混合物を安定化させる。水を、これらの混合物の各々に添加して、各混合物について50重量%の固形物含有量を提供する。
【0044】
本発明のラテックス組成物(これは、水ならびに成分(A)、(B)、(C)および(D)を含有する)は、結合剤、コーティングなどとして有用であり得る。この組成物は、増強された防火特性により特徴付けられ得る。このラテックス組成物の固形物濃度は、約20重量%〜約80重量%、そして1つの実施形態において、約25重量%〜約75重量%の範囲であり得る。このラテックス組成物は、任意の基材に、任意の技術(ブラッシング、噴霧、浸漬、ロール、ロール転写、フォームコーティング、フィルムコーティングなどが挙げられる)を使用して塗布され得る。基材としては、木材、プラスチック、金属、プラスターボード(drywall)、石材(masonry)、織繊維のウェブまたはマット、不織繊維のウェブまたはマットなどが挙げられ得る。ラテックス組成物の基材への塗布は、最終用途に一致する任意の温度でなされ得る。1つの実施形態において、ラテックス組成物は、室温で基材に塗布され得る。
【0045】
1つの実施形態において、本発明のラテックス組成物は、織繊維のウェブもしくはマット、不織繊維のウェブもしくはマットなどのための、結合剤として使用され得る。これらの繊維は、部分的に配向していても完全に配向していてもよく、または無作為に分配されていてもよい。このウェブまたはマットは、これらの繊維が、長さおよび可撓性に起因して、すき(carding)操作に耐えられるような特徴を有する場合、すきによって形成され得る。これらの繊維は、天然布繊維(例えば、セルロース、ジュート、サイザル麻、ラミー、麻および綿)、ならびに多くの合成有機布繊維(ナイロン、セルロールエステルの繊維(例えば、酢酸セルロース)、ビニル樹脂繊維(例えば、ポリ塩化ビニルおよびそのコポリマーの繊維)、ポリアクリロニトリルおよびそのコポリマー、ポリエステル(例えば、ポリ(エチレンテレフタレート))、オレフィン(例えば、エチレンおよびプロピレン)のポリマーおよびコポリマー、縮合ポリマー(例えば、ポリイミド系またはナイロン系)などが挙げられる)を含有し得る。使用され得る繊維は、与えられるウェブにおいて、単一組成の繊維または繊維の混合物であり得る。本発明のラテックス組成物は、セルロース性材料またはセルロース性材料のブレンドと組み合わせられ得る。これらとしては、セルロース繊維から作製される紙;天然繊維、合成繊維、またはこのような天然繊維および合成繊維の混合物を結合させることにより作製される不織布;ならびに織布が挙げられる。紙基材の場合、ラテックス組成物は、この紙の強度に寄与し得る。織られていない、無作為に配向した構造を有するペーパークロス製品の場合、ラテックス組成物は、この構造を一緒に保持して強度を提供するための結合剤として、働き得る。ペーパークロス製品の例としては、高強度の高吸収性の材料(例えば、使い捨て物品(例えば、消費者および産業用のワイパーまたはタオル、おむつ、医療用の袋および手術着、産業用の作業服ならびに女性用の衛生製品))が挙げられる。本発明のラテックス組成物は、耐久製品(例えば、絨毯および敷物の裏材、衣服の芯、自動車の部品および家庭の備品)のため、ならびに土木工学材料(例えば、道路の下敷き)の結合剤として、使用され得る。不織基材は、ガラス繊維、ポリエステル、レーヨン、炭素などの繊維から形成され得る。これらの不織基材は、湿式積層(wet−laid)プロセスまたは乾式積層プロセスもしくは空気積層プロセスによって、作製され得る。各場合において、ラテックス組成物は、これらの繊維を一緒に結合させるために働き得る。
【0046】
繊維に塗布され得るラテックス組成物の割合は、ポリマー(A)対繊維の総重量に基づいて、約0.1重量%〜約200重量%、そして1つの実施形態において、約3重量%〜約50重量%の、ポリマー(A)を提供するために充分であり得る。このラテックス組成物を基材に塗布した後に、得られるコーティングされた基材、含浸された基材、または飽和された基材は、室温または高温のいずれかで、乾燥させられ得る。この基材は、乾燥の完了後、または乾燥工程の最終工程として、焼成工程または硬化工程に供され得る。1つの実施形態において、この焼成工程または硬化工程は、約110℃〜約170℃の範囲の温度で、約0.5分間〜約10分間の間、実施され得る。
【0047】
本発明のラテックス組成物が塗布された繊維のウェブまたはマットが熱または燃焼に曝露されると、本発明の少なくとも1つの実施形態において、生じる燃焼の初期段階の間に広がる火炎、およびこの燃焼の後期段階の間に形成する木炭が、減少する。このことは、このラテックス組成物、およびこのラテックス組成物が塗布されたウェブまたはマットに、増強された防火特徴を提供する。
【0048】
本発明のラテックス組成物は、保護コーティング組成物および/または装飾コーティング組成物として有用であり得、そして基材に塗布される場合に、この基材に、難燃特性を提供し得る。これらのコーティング組成物は、基材に、任意の技術(例えば、噴霧、ブラッシング、ロール、浸漬、流動など)を使用して塗布され得る。この基材は、難燃コーティング組成物でのコーティングを必要とする、任意の基材であり得る。これらとしては、木材、プラスチック、金属、プラスターボード、石材などから作製される基材が挙げられる。本発明のラテックス組成物は、この基材に、1平方メートルあたり約0.1グラム〜約1000グラム、そして1つの実施形態において、1平方メートルあたり約1グラム〜約200グラムの範囲のコート重量で、塗布され得る。本発明のラテックス組成物のコーティングは、この基材に、少なくとも1つの実施形態において、このコーティングが熱および/または燃焼に曝露される場合に、増強された防火特性を示す保護的な炭素質の木炭層を提供する。
【0049】
以下の実施例4は、ラテックスサンプルC−Iと比較される場合の、ラテックスサンプルIについての改善された防火特性を示す試験結果を開示する。
【0050】
(実施例4)
実施例3から得られたラテックスサンプルIおよびラテックスサンプルC−Iの各々を、Mylarシート上に25ミルの厚さを有するフィルムの形態で注型し、室温で一晩乾燥させ、そして50℃の温度で作動しているオーブンに1時間入れる。これらのフィルムをこのオーブンから取り出し、ドライアイス上に10分間置き、次いで、Mylarシートを剥がす。各フィルムを、50℃の温度および1平方インチ当たり100ポンド(100psi)の圧力で2時間、100%綿シートに押し付ける。得られた布サンプルを、300°F(148.9℃)で3分間硬化させ、正方形(3インチ×3インチ)に切断し、そして650℃の表面温度を有するセラミック放射ヒータの上方1インチの位置のホルダ上に置く。各布サンプルのフィルム面が、放射ヒータに面する。各布サンプルのフィルムではない方の面の温度を、IR銃を用いて、180秒間にわたって測定する。各サンプルについての結果を、図2にプロットする。これらの結果は、サンプルC−Iと比較して、サンプルIの繊維の温度が約90℃低いことを示す。
【0051】
本発明は、その好ましい実施形態に関連して説明されたが、本発明の種々の改変が、本明細書を読む際に、当業者に明らかになることが理解されるべきである。従って、本明細書中に開示される本発明は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入るような改変を網羅することが意図されることが、理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、実施例3に開示される熱重量分析試験についての、質量損失対温度のプロットである。
【図2】図2は、実施例6に報告される試験についての、温度対時間のプロットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、
(A)少なくとも1種の無ハロゲンポリマーであって、該ポリマーは、熱重量分析に供される場合に、370℃の温度で、少なくとも約7重量%の全質量損失を示す、無ハロゲンポリマー;
(B)少なくとも1種の酸供給源;
(C)少なくとも1種の炭素供与源;および
(D)少なくとも1種の発泡剤、
を含有する、組成物。
【請求項2】
前記ポリマー(A)が、少なくとも1種のアクリルエステル、ジエン、スチレン、ビニルエステル、ニトリル、オレフィン、またはこれらの2つ以上の混合物が挙げられる1種以上のモノマーから誘導される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ポリマー(A)が、少なくとも1種のアクリルエステル、ジエン、スチレン、ビニルエステル、ニトリル、オレフィン、またはこれらの2つ以上の混合物が挙げられる1種以上のモノマー、および少なくとも1種のオレフィン性不飽和モノカルボン酸、ビニルエーテル、ビニルケトン、アクリルアミド、またはこれらの2つ以上の混合物が挙げられる1種以上のコモノマーから誘導される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリマー(A)が、少なくとも1種のホモポリマーを含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリマー(A)が、少なくとも1種のコポリマーを含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記ポリマー(A)が、少なくとも1種の線状ポリマーを含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記ポリマー(A)が、少なくとも1種の分枝ポリマーを含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記ポリマー(A)が、少なくとも1種の架橋ポリマーを含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記ポリマー(A)が、少なくとも1種の線状ポリマー、少なくとも1種の分枝ポリマー、少なくとも1種の架橋ポリマー、またはこれらの2つ以上の混合物を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記ポリマー(A)が、熱重量分析に供される場合に、360℃の温度で、少なくとも約6重量%の全質量損失を示す、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記ポリマー(A)が、熱重量分析に供される場合に、390℃の温度で、少なくとも約14重量%の全質量損失を示す、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記ポリマー(A)が、熱重量分析に供される場合に、400℃の温度で、少なくとも約25重量%の全質量損失を示す、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記ポリマー(A)が、熱重量分析に供される場合に、410℃の温度で、少なくとも約44重量%の全質量損失を示す、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記ポリマー(A)が、(i)スチレン、1種以上のアルキル置換スチレン、またはこれらの混合物、および(ii)少なくとも1種のアクリル酸アルキルを含有するモノマーの混合物から誘導される少なくとも1種のコポリマーを含有し、(i)対(ii)の重量比が、約0.05:1〜約2:1の範囲である、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記ポリマー(A)が、スチレンとアクリル酸n−ブチルとを含有するモノマーの混合物から誘導される少なくとも1種のコポリマーを含有し、スチレン対アクリル酸n−ブチルの重量比が、約0.05:1〜約2:1の範囲である、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記ポリマー(A)が、約−40℃〜約40℃の範囲のガラス転移温度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記ポリマー(A)が、具体的に定義されるガラス転移温度を有さない、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記酸供給源が、約175℃〜約300℃の範囲の温度で酸を供与する少なくとも1種の材料を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記酸供給源(B)が、ポリリン酸アンモニウム、オルトリン酸一アンモニウム、オルトリン酸二アンモニウム、縮合リン酸、オルトリン酸、またはこれらの2つ以上の混合物を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記酸供給源(B)が、オルトリン酸一アンモニウム、オルトリン酸二アンモニウム、縮合リン酸、オルトリン酸、またはこれらの2つ以上の混合物を含有し、該酸供給源が、尿素、炭酸アンモニウム、ビウレット、スルファミド、スルファミン酸、スルファミン酸アンモニウム、グアニル尿素、メチル尿素ホルムアミド、アミノ尿素、1,3−ジアミノ尿素、ビ尿素、またはこれらの2つ以上の混合物と熱縮合している、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
前記炭素供与源(C)が、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、トリペンタエリトリトール、またはこれらの2つ以上の混合物を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
前記炭素供与源(C)が、炭化水素化修飾糖、炭化水素修飾澱粉、水分散性タンパク質、ゼラチン、カゼイン、またはこれらの2つ以上の混合物を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
前記発泡財(D)が、約100℃〜約500℃の範囲の温度で不活性ガスを発生させる少なくとも1種の材料を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
前記発泡剤(D)が、メラミン、メラミン塩、尿素、ジシアンジアミド、またはこれらの2つ以上の混合物を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
前記(B)、(C)、および(D)が、泡沸組成物を構成し、該酸供給源(B)が、該泡沸組成物中の固形物の総重量に基づいて、該泡沸組成物の約90重量%を構成し、該炭素供与源(C)が、該泡沸組成物中の固形物の総重量に基づいて、該泡沸組成物の約1重量%〜約60重量%を構成し、そして該発泡剤(D)が、該泡沸組成物の固形物の総重量に基づいて、該泡沸組成物の約1重量%〜約60重量%を構成する、請求項1に記載の組成物。
【請求項26】
(B)、(C)および(D)が、泡沸組成物を構成し、前記ポリマー(A)対該泡沸組成物の重量比が、固形物対固形物に基づいて、約1:25〜約25:1の範囲である、請求項1に記載の組成物。
【請求項27】
組成物であって、
(A)スチレンおよびn−ブチルアクリレートから誘導される少なくとも1種の無ハロゲンコポリマーであって、該ポリマーが、熱重量分析に供される場合に、370℃温度で、少なくとも約7重量%の全質量損失を示し、該ポリマー(A)は、ニュートンコポリマーと網目状コポリマーとのブレンドではない、無ハロゲンコポリマー;
(B)ポリリン酸アンモニウム;
(C)ペンタエリトリトール;および
(D)メラミン、
を含有する、組成物。
【請求項28】
水および請求項1に記載の組成物を含有する、ラテックス組成物。
【請求項29】
繊維のウェブまたはマットおよび請求項1に記載の組成物を含有する、基材。
【請求項30】
コーティングされた基材であって、基材および該基材上にコーティングされた請求項1に記載の組成物の層を備える、コーティングされた基材。
【請求項31】
基材であって、木材、金属、プラスチック、プラスターボード、石材、織繊維、不織繊維、またはこれらの2つ以上の組み合わせ、および該基材上に塗布された請求項1に記載の組成物を備える、基材。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−520762(P2008−520762A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541304(P2007−541304)
【出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/040676
【国際公開番号】WO2006/055377
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(506347528)ルブリゾル アドバンスド マテリアルズ, インコーポレイテッド (74)
【Fターム(参考)】