説明

ポリマー試料基板およびそれを用いた光学式分析試験装置

【課題】
新規な光学式分析試験装置等を提供する。
【解決手段】
本光学式分析試験装置のポリマー試料基板は、反応サイト側表面(24)を有すると共に、突起のあるマイクロ構造体(2)を備えた、反応サイト側表面の凹部にある少なくとも1つの反応サイト領域(5)を含み、選択された光学特性を有する追加層(31、31a、31b)により少なくとも部分的に覆われ、前記突起のあるマイクロ構造体および前記追加層が、前記基板の光学特性に寄与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、突起のあるマイクロ構造体、たとえばマイクロ柱を備えたポリマー試料基板を含む光学式分析試験装置のための改善された光学式読取装置に関する。本発明は、また、突起のあるマイクロ構造体を備えたポリマー試料基板、ならびに本発明による光学式読取装置およびポリマー試料基板を含む光学式分析試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
分析および診断測定は、試料内の分析物、たとえばポリ核酸分析物、受容体たんぱく質または抗リガンド分子の検出に基づく光学式分析試験を用いて液体の試料上で行われることができる。光学式分析試験の1つの重要な適用は、免疫学の分野であり、その中で、分析物は、特定の抗体を用いて検出されて、前記抗体は、分析物と結合することができて、蛍光標識試薬で分析物を標識することにより、または光学式検出の前に蛍光標識試薬で標識された抱合体を提供することにより、光学的に検出可能な複合体を形成する。検出は、光学式読取装置を用いて行われてもよく、前記光学式読取装置は、励起光源で分析試験支援基板を照射し、蛍光標識試薬から放出される蛍光を検出することができる。
【0003】
光学式分析試験は、試料担持基板および光学式読取装置を含む光学式分析試験装置により行われる。光学式読取装置は、光学波長領域以内(すなわち、約40nm〜1mm)の電磁波放射用の光源および検出器、ならびに集束およびフィルタリングのための好適な光誘導手段を含む。試料担体は、1つ以上の反応サイト領域を備えた、たとえばポリマー材料の基板を含み、プローブ分子の、たとえば抗体の点または線を含み、分析物の分子、すなわち試料中に存在し得る標的分子のために結合サイトを提供する。試料が担体表面上でプローブ分子と接するとき、試料中の標的分子は、基板の表面上のプローブ分子と反応して、光学的に検出可能な点または線を形成することになる。冷光は、基板が光学式読取装置の励起光源で照射されるときに、放出されることになり、それにより試料の標的分子と反応サイトのプローブ分子との間で反応が起こったことを示す。
【0004】
冷光は、蛍光もしくは燐光のいずれかとして、または化学冷光として放出される。蛍光および燐光は、吸収された励起電磁波放射に由来する電磁波放射の放出と定義されてもよく、蛍光は、励起後1×10−8秒未満しか継続せず、燐光は、励起光で露光後より長く、すなわちよりゆっくりと減衰するのに対し、化学冷光は、化学反応に由来する光の発光である。
【0005】
蛍光(および燐光)において、励起放射は、放出される放射よりも短い波長(すなわち高いエネルギー)を通常有するが、反対のことが、多光子蛍光に対して真であり得る。蛍光の性質は、定常状態または時間分解で調査されてもよく、蛍光分光法は、たとえば単一および多光子蛍光、FRET(蛍光共鳴エネルギー移動)、および蛍光高周波変換を含んでいる。蛍光分析試験において、励起放射および発光放射の波長は、蛍光標識試薬の型に依存し、前記蛍光標識試薬は、有機または無機の起源のものであってもよく、たとえばシアニン色素またはナノ結晶であってもよい。例として、一般の蛍光標識試薬Cy5は、649nmで通常励起されて、放出光は、670nmで測定される。
【0006】
光学式分析試験において、試料中の分析物の濃度が、光学式読取装置の光検出器を用いて、放出される蛍光または燐光の強度を測定することにより定められてもよく、それにより定量的な測定が可能になる。結果として、励起光を用いての反応サイト領域の照射の効率は、同様に放出光の集光の効率は、光学式分析試験の性能に影響することになる。
【0007】
さらに、基板表面上の反応サイトは、異なる標的分子と結合する、異なるプローブ分子の点または線の配列を備える。したがって、光学式読取装置は、異なる蛍光標識試薬を用いて、試料中のいくつかの分析物の存在を測定できるように設計されてもよい。
【0008】
走査型光学式読取装置は、基板上の検出サイトを照射して、放出光を検出するための従来の光学式読取装置である。走査型光学式読取装置は、好ましくは、レーザのような狭い帯域の励起光源を含み、レーザ光は、各個々の検出サイト上に集束する。各検出サイトからの放出光は、フォトダイオードまたはPMT(光電子倍増管)のような光検出器上に集束する。走査型光学式読取装置において、担持基板の全表面は、光学手段と担体との間の相対的なX−Y動作により走査される。走査型光学式読取装置の集束手段は、たとえばピンホールにより望まれない光を遮り、それにより検出されるノイズを低減する、対物レンズの焦点の深さで放出光のみを集光する共焦点光学機器をたとえば含んでもよい。
【0009】
撮像光学式読取装置は、ピクセルの2次元配列を検出することができる、別の従来の光学式読取装置である。撮像光学式読取装置は、基板の表面領域の大部分(または表面領域の全体)を照射するための励起光源、たとえばキセノンランプと、検出サイト領域全体から放出光を同時に検出することができる検出器、たとえばMOS(半導体上金属)技術を使用し、高い量子効率、感度および空間解像度を提供するCCD(電荷結合デバイス)撮像器とを含む。さらに、広帯域の光源は、単色放射を提供する波長フィルタを備えてもよい。
【0010】
液体試料用の従来技術の試料担持基板が、WO03/103835に開示されており、前記基板は、マイクロ構造化されて、基板の表面から突き出たマイクロ柱の模様を形成する、試料のための毛管流路を形成する。マイクロ柱の寸法は、マイクロメートルの範囲であり、1マイクロメートル(μm)=1×10−6mであり、間隙は、液体の毛管作用を誘導することに適している。マイクロ柱を備えた試料担持基板を含む光学式分析試験装置において、励起光および放出光の両方の光経路は、マイクロ柱よりに影響されて、それにより光学式分析試験装置の性能に影響を与える。光透過率のような基板の材料の光学特性はまた、光学式分析試験の性能に影響を与えることになる。
【0011】
従来技術の光学式読取装置は、いずれの突起のあるマイクロ構造体を有しない透明基板上の試料の光学撮像を開示する、WO01/575501に開示されている。光学式読取装置は、試料から検出可能な光の放出を誘導する励起エネルギー源を含み、基板は、放出光を検出手段内に反射するために、試料の下に配置される反射表面を備える。
【0012】
さらに、従来技術の光学式分析試験装置は、マイクロ構造の高さが光学式分析試験の焦点の深さに適している、マイクロ構造化されたマイクロアレイ担体に関するWO2004/104585に開示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、基板の反応サイト領域の効率的な照射および放出光の効率的な集光と検出、ならびに検出される光学背景信号の低減を達成することにより、それにより結果として得られる信号対ノイズ比が増加されて、改善された光学式分析試験の性能を得るための、光学式読取装置と光学式分析試験装置に適したポリマー試料基板とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
これらのおよび他の目的が特許請求の範囲による、光学式読取装置、ポリマー試料基板および光学式分析試験装置により達成される。
【0015】
本発明による光学式分析試験装置のための光学式読取装置は、突起のあるマイクロ構造体を備えた少なくとも1つの反応サイト領域を含む反応サイト表面を有するポリマー試料基板を照射するための光源を含む。光学式読取装置はさらに、前記少なくとも1つの反応サイト領域から放出される光を検出するための検出器デバイスを含む。光源は、光学基板特性が励起光線を反応サイト領域の方向に誘導するように選択された、調整された入射角で、ポリマー試料基板内に励起光線を入射するように配置されて、突起のあるマイクロ構造体は、前記光学基板特性に寄与する。
【0016】
ポリマー基板は、選択された光学特性を有する追加層により、少なくとも部分的に覆われてもよく、この層は、前記光学基板特性に寄与する。
【0017】
その層は、基板内への励起光線の屈折角を増加させるように配置される光学的ぬれ層として付与されてもよい。
【0018】
追加層は、突起のあるマイクロ構造体および/または基板のキャリア表面を少なくとも部分的に覆ってもよい。
【0019】
追加層は、選択された光学波長を吸収するように配置されもよく、基板に取り付けられる好適な材料のテープから成ってもよい。
【0020】
光源は、励起光線の屈折角を調整するために配置される光誘導デバイスを通じて、ポリマー試料基板を照射することに適していてもよく、前記光誘導デバイスは、基板の表面上に設けられるプリズム、または回折もしくは屈折格子を含んでもよい。
【0021】
さらに、光源は、ポリマー試料基板の反応サイト表面、キャリア表面、または縁部壁を照射するような、ポリマー試料基板に対する位置を有する。
【0022】
光学式読取装置は、屈折角が、前記ポリマー試料基板内で起こる全内部屈折に対する臨界角を越えるように、配置されてもよい。
【0023】
光学式読取装置の検出器デバイスは、基板の反応サイト領域から放出される蛍光または燐光を集光するような、ポリマー試料基板に対する位置を有してもよく、放出光は、光学基板特性により検出器デバイスの方向に誘導されてもよい。
【0024】
検出器デバイスは、キャリア表面から、または基板の縁部壁から漏れる、放出された蛍光または燐光を受光するような、前記ポリマー試料基板に対する位置を有してもよい。
【0025】
さらに、光源は、基板の第一表面または縁部壁を照射するような、ポリマー試料基板に対する位置を有してもよく、検出器デバイスは、同じ第一表面もしくは縁部壁から、または 基板のいずれの他の表面または縁部壁から漏れる、放出された蛍光または燐光を受光するような、ポリマー試料基板に対する位置を有してもよい。
【0026】
光学式読取装置は、撮像光学式読取装置としてまたは走査型光学式読取装置として配置されてもよい。
【0027】
光学式分析試験装置ためのポリマー試料基板は、突起のあるマイクロ構造体を備えた少なくとも1つの反応サイト領域を含む反応サイト表面を有し、その基板は、選択された光学特性を有する追加層により少なくとも部分的に覆われて、光誘導デバイスは、基板を照射する光線の入射角を調整するために表面上に取り付けられる。
【0028】
追加層は、基板の突起のあるマイクロ構造体および/または基板のキャリア表面を少なくとも部分的に覆ってもよく、基板内への励起光線の屈折角を増加させるために配置される光学的ぬれ層であってもよい。
【0029】
さらに、前記追加層は、選択された光学波長を吸収するように配置されてもよく、基板に取り付けられる好適な材料のテープから成ってもよい。
【0030】
前記光誘導デバイスは、プリズムまたは回折もしくは屈折格子を含んでもよい。
【0031】
本発明の他の機構およびさらなる利点が、次の説明および図面内に開示される本発明の限定されない実施形態から、同様に付属の請求項から明らかになる。
【発明の効果】
【0032】
この発明によれば、信号対ノイズ比が増加された、改善された光学式分析試験の性能を得るための、ポリマー試料基板、そのポリマー試料基板を用いた光学式分析試験装置等が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1a】マイクロ柱を形成する突起のあるマイクロ構造体を備えたポリマー試料基板を示す図である。
【図1b】追加層により部分的に覆われるマイクロ柱を備えたポリマー試料基板を示す図である。
【図2a】マイクロ柱の例示的な断面図を示す図である。
【図2b】マイクロ柱の例示的な断面図を示す図である。
【図3】走査型光学式読取装置およびポリマー基板を含む光学式分析試験装置を示す図である。
【図4】撮像光学式読取装置およびポリマー基板を含む光学式分析試験装置を示す図である。
【図5a】ポリマー基板に入る励起光線の入射角および屈折角を示す図である。
【図5b】基板縁部壁の近傍で、ポリマー基板に入る励起光線を示す図である。
【図6】試料基板の縁部壁を照射して、基板の反応サイト表面から放出光を検出するように配置される光学式読取装置を示す図である。
【図7】試料基板の縁部壁を照射して、基板のキャリア表面から放出される光を検出するように配置される光学式読取装置を示す図である。
【図8】格子を通じて試料表面を照射するように配置される撮像光学式読取装置を示す図である。
【図9】基板の反応サイト表面上に配置されるプリズムを通じて試料基板を照射して、反応サイト表面から放出される光を検出するように配置される光学式読取装置を示す図である。
【図10】基板のキャリア表面上に配置されるプリズムを通じて試料基板を照射して、基板のキャリア表面から放出される光を検出するように配置される光学式読取装置を示す図である。
【図11】試料基板の反応サイト表面を照射して、基板の縁部壁から放出される光を検出するように配置される光学式読取装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
明細書及び特許請求の範囲で使用される用語および表現は、当業者により通常使用される意味を有することになる。
【0035】
加えて、接頭語「マイクロ」は、マイクロメートル(μm、1×10−6m)で通常表される、長さ、幅または高さを有する少なくとも1つの機構を含むデバイスを画定するために、本明細書中で使用される。
【0036】
本発明によると、光学式分析試験装置の改善される性能、たとえば増加する信号対ノイズ比が、突起のあるマイクロ構造体と選択された光学基板特性とを備えたポリマー基板により、ならびに光源および検出器デバイスを含む光学式読取装置により達成されて、光源は、ある入射角で基板内に励起光線を入射することができて、それにより光学基板特性は、励起光線を基板の反応サイト領域の方向に伝搬するように誘導する。
【0037】
図1aは、本発明による光学式分析試験装置のためのポリマー試料基板1の第一の実施形態を概略的に示しており、試料基板1は、突起のあるマイクロ構造体2の模様を備えている。該模様は、試料のための毛管流路を形成するように配置されてもよい。基板1の寸法は、好ましくは、光学式分析試験のための1つ以上の反応サイト領域5のためのキャリアを形成することに適しており、従来技術のマイクロアレイスライドは、25mm×75mmの寸法を有する長方形である。基板1の厚さは、たとえば約1mm、幅と長さは、たとえば約1mm〜100mmであってもよく、おおよそ長方形または正方形の表面領域を形成する。反応サイト5を備えた基板1の表面は、本明細書において、以降、反応サイト表面24と呼び、他の対向する表面は、本明細書において、以降、キャリア表面26と呼ぶ。さらに、基板1は、数多くの縁部壁を有しておりそのうちの2つの縁部壁27aおよび27bを、この図に示している。長方形または正方形の基板1は、4つの直線状の縁部壁を有するが、本発明の別の実施形態によるポリマー試料基板は、代替として、いかなる他の好適な形状、たとえば曲がった縁部壁を有してもよい。基板1の材料は、好ましくは、好適な光学特性を有する熱可塑性ポリマー、たとえばシクロオレフィンポリマーまたはシクロオレフィンコポリマーであり、基板1は、マスター構造体のポリマー複製により、たとえば射出成形により作製されてもよい。
【0038】
図2a,図2bは、担持基板の突起のあるマイクロ構造体の例示的な断面を示し、そのマイクロ構造体は、マイクロ柱またはマイクロ点を形成する。マイクロ柱は、たとえば円形、楕円形、ひし形、三角形、四角形、長方形、五角形、六角形の断面、それらの組み合わせのいずれか、またはそれらの形状のいずれの部分を有してもよい。
【0039】
本発明は、光学式蛍光/燐光結合分析試験に用いることができて、突起のあるマイクロ構造体、ならびに基板材料の他の光学特性が、光学式分析試験に影響を与えることになる。ポリマー基板の材料は、好ましくは、励起光および放出光の波長範囲においてのみ高い光学透過率、他の波長の高い吸収率、改善された集束と低い煙霧散乱と低い複屈折とを提供するような高い、そして温度に安定な屈折率のような、ある所望の光学特性を得るように選択される。
【0040】
基板の突起のあるマイクロ構造体は、基板の光学特性に寄与している。マイクロ構造体は、励起光線および放出蛍光の両方に対する光学的集束特性を示す。マイクロ構造体は、表面が拡大されており、表面被覆内の光子の数の増加により、基板の励起容量を増加させることになる。標識が蛍光のとき、担体の発光容量は、光学式検出システムに到達する蛍光染料から放出される光子の数の増加により増加し、ノイズの低減が、担体の基板におよび/またはその基板から到達する光子の数を低減することにより、望まれない背景の蛍光を回避することにより達成される。したがって、突起のあるマイクロ構造体、たとえばマイクロ柱を備えたポリマー基板の光学特性は、信号対ノイズ比を増加させることにより光学式分析試験の性能に影響する。
【0041】
本発明は、突起のあるマイクロ構造体、たとえばマイクロ柱の模様を備えた、上記のポリマー試料基板を含む光学式分析試験装置に適した光学式読取装置に関する。検出される信号は、マイクロ柱により生じる担体表面領域の拡大により、より多くの結合サイトになり、そして結果としてより高い蛍光信号になり、増加する。マイクロ柱はまた、平面ポリマーと比べて構造化されたポリマーではぬれ角が高いので、基板の表面の疎水特性が増加することになり、プローブ点の高密度のマイクロアレイの印刷を容易にする。ポリマー基板の光学特性は、マイクロ構造体の構成により、たとえば形状、高さ、幅、厚さおよびマイクロ柱の間隙等により影響される。
【0042】
加えて、ポリマー試料基板は、所望の光学的な働きと基板の選択される光学的特性とを得るように選択される追加層を備える。この層は、反応サイト表面上にもしくはキャリア表面上に、または両方の上に、ならびに基板の1つ以上の縁部壁の上に付与されてもよく、縁部壁もしくは表面の全体を、または縁部壁もしくは表面の一部分のみを覆い、それは、突起のあるマイクロ構造体上に付与されてもよく、少なくとも部分的にマイクロ構造体を覆う。さらに、追加層は、任意の形状のものであってもよく、それは、均質でなくて、たとえば小さな粒子もしくはピラミッドからなっていてもよく、または均質であってもよい。それはまた、回折または屈折格子を形成する浮き彫り構造であってもよい。この層の材料、厚さおよび均質性は、好ましくは、励起光、放出光、またはその両方の所望の反射率、透明性または吸収性を提供するように選択されて、高い吸収性を得るように選択される材料と厚さとの層は、光放射のための「ビームダンプ」を生み出す。追加層は、たとえば、フィルム、テープ、塗装、流体として、またはゲルとして付与されてもよく、有機または無機材料、たとえば金属、誘電体もしくは半導体材料、ポリマーまたはセラミックを含んでもよく、顔料または染料をさらに含んでもよい。さらに、追加層は、層と表面との間に空気を含まずに付与される、光学的ぬれ層であってもよい。層の材料が空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する場合、励起光線の屈折角の増加が、基板内に得られることができる。
【0043】
図1bは、上記の追加層31a、31bを備えた、本発明によるポリマー試料基板1の第2の実施形態を示し、その追加層の第一の部分31aは、基板の反応サイト表面24の平面部全体を覆い、第二の部分31bは、マイクロ柱2の上部表面を覆っている。
【0044】
しかしながら、ポリマー基板1の上記の選択された光学特性を利用するために、本発明による光学式読取装置は、励起光をポリマー基板内に特定の入射角で入射することができる光源と併せて構成されて、前記入射角は、光学式分析試験装置のポリマー基板の光学特性が光を反応サイト領域に向かって伝搬するように誘導するように選択されて、それにより光学式分析試験の性能を改善するための、励起光を用いての反応サイトの照射が、より効率的になる。
【0045】
本発明による光学式読取装置のさらなる実施形態によると、光学式分析試験の性能は、ポリマー基板の光学特性により検出デバイスの方向に誘導された放出光を検出することができる光学式読取装置の検出デバイスにより改善される。
【0046】
(光学式分析試験装置の例)
図3は、走査型光学式読取装置3と、マイクロ構造化された反応サイト領域5を備えたポリマー試料基板1とを含む光学式分析試験装置の例示的な設置を示す。試料基板1は、試料基板1の反応サイト領域5の全体が走査されるように、光学式読取装置3に対して移動可能であるように配置される。走査型光学式読取装置3は、基板のキャリア表面26を照射するように配置される励起光源6と、基板の反応サイト表面24から放出される光を集光するように配置される検出器デバイス7、たとえばPMTとを含んでいる。光学式読取装置3は、励起光を基板1上に集束させ、放出光を検出器および光学フィルタ10上に集束させるためのレンズ8および9をさらに含んでいる。
【0047】
図4は、撮像光学式読取装置13と、突起のあるマイクロ構造体2を有する反応サイト領域5を備えたポリマー試料基板1とを含む光学式分析試験装置の例示的な設置を示す。撮像光学式読取装置13は、基板のキャリア表面26の全体を照射するように配置される励起光源11と、反応サイト領域5の全体からの放出光を同時に検出するように配置される検出器デバイス12、たとえばCCDとを含んでいる。撮像光学式読取装置13は、検出器12ならびに光学フィルタ14上に放出光を集光して集束させるためのレンズ15をさらに備えている。
【0048】
光学式分析試験装置の改善された性能を得るために、本発明による光学式読取装置は、基板の光学特性が励起光線を反応サイトの方向に誘導するように選択された、調整された入射角で前記基板内に励起光線を入射するように、ポリマー試料基板に対して配置されることができる。
【0049】
光学式読取装置の1つの実施形態によると、基板は、反応サイト表面上、キャリア表面上、または基板の縁部壁上に配置されるプリズムまたは格子のような、所望の入射角を得るための光誘導デバイスを通じて照射される。
【0050】
本発明による光学式読取装置のさらなる実施形態によると、検出デバイスは、前記基板の光学特性により検出デバイスの方向に誘導された放出光を検出するために、ポリマー試料基板に対して配置されることができる。
【0051】
本発明の概念を説明するために、図5aは、ポリマー試料基板1内に入射される光線28を示し、光線28は、基板表面24に対する垂線25に対する入射角29を形成しており、該入射角29は、基板に対する光源(図示されず)の位置に依存する。入射された光は、垂直線25に対して、基板内に屈折角30を形成するように、ポリマー基板により屈折されることになり、基板材料の屈折率に依存する。基板内で屈折された光線の屈折角30が、全内部反射が基板内で起こる臨界角に一致するか、または光学条件により可能な場合前記臨界角を越えるように、入射角29が選択されるとき、励起光線は、矢印で示されるように全内部反射により基板内を伝搬する。
【0052】
図5bは、基板の縁部壁27a、27bの近傍で基板1a、1b内に励起光線を入射するように配置される光源6a、6bを用いて、本発明の概念をさらに説明するために2つの例示的な構成を示す。
【0053】
第一の光源6aは、第一の基板1aの縁部壁27a内に直接、光線を入射するように配置されて、光線のその入射角のために、励起光線の全内部反射が、基板内で起こる。
【0054】
第二の光源6bは、第二の基板1bの上部表面24b内に光線を入射するように配置される。光線は、第二の基板1bに、基板の縁部壁27bの近くの点で、光線の入射角を調整するために表面24b上に配置されるプリズム22を通じて入射されて、励起光線の全内部反射が、基板1b内で起こる。
【0055】
基板1aおよび1b内で起こる全内部反射は、反応サイト(図示されず)の蛍光標識試薬の効率的な励起を可能にする、空気中に約300〜400nm延びる、ポリマー基板と空気との間の境界でのエバネセント場を生み出し、前記エバネセント場は、基板上に提供され得る。
【0056】
しかしながら、本発明の他の実施形態によると、入射角は、全内部反射に対する臨界角に一致しないように、または前記臨界角を越えないように選択されて、入射角は、たとえば、垂線に対してゼロになるように、すなわちその突き当たる光線が、垂線25に平行であるように、選択されてもよい。
【0057】
図6は、本発明による光学式読取装置33の第一の実施形態を示し、マイクロ構造化された反応サイト領域5を備えた反応サイト表面24を有するポリマー試料基板1と縁部壁27とを示す。光学式読取装置33は、レンズ8、9およびフィルタ10を含み、光源6は、基板の縁部壁27内に励起光線を入射するように配置されて、光線は、レンズ8により縁部上に集束する。光源6の構成、基板1の屈折率およびレンズ8の光誘導特性は、光線に影響し、調整された入射角で基板に入射される光線を得る。入射された光は、たとえば基板の内部壁に対する反射により、反応サイト領域5に向かって伝搬するように、基板内に誘導されて、反応サイトの蛍光標識試薬を励起することになる。反応サイト領域から放出された光は、レンズ9により集束し、フィルタデバイス10により選別されて、たとえばPMTであってもよい光検出デバイス7により集光されることになる。
【0058】
図7は、本発明による光学式読取装置43の第二の実施形態を示し、図6に示される光学式読取装置33のような類似の設定を示す。しかしながら、この第二の実施形態によると、検出デバイス7は、反応サイト表面24からではなく、前記基板1のキャリア表面26から漏れる放出光を検出するような、ポリマー試料基板1に対する位置を有する。この第二の実施形態によると、入射された光は、反応サイト領域5に向かって伝搬し、反応サイトの蛍光標識試薬を励起することになり、蛍光標識試薬から放出される光は、基板1を通じた透過の後、レンズ9、フィルタデバイス10、および光検出デバイス7たとえばPMTにより集光される。基板を通じて透過されて、キャリア表面25から漏れる放出光を検出するように配置される検出器を用いて、増加される蛍光の信号が、検出されることができて、それにより信号対ノイズ比が増加する。これは、ある場合には、蛍光標識試薬からの大部分の蛍光が、空気中よりも基板の内部で放出されることになる事実により達成される。
【0059】
図8は、本発明による光学式読取装置53の第三の実施形態を示し、光学式分析試験装置の撮像光学式読取装置であり、反応サイト表面24とキャリア表面26とを有する、本発明の第三の実施形態によるポリマー試料基板1を含む。反応サイト表面は、マイクロ柱2を備えた反応サイト領域5を含み、キャリア表面26は、励起光線の入射角を調整するための格子21a、21bを備える。格子の構造体は、回折性のまたは屈折性のものであり得る、表面の浮き彫りである。光源11は、縁部壁27aおよび27bの隣接に設けられる前記格子21aおよび21を通じて、基板のキャリア表面26の領域の全体を実質的に照射するように配置されて、格子の光学特性は、前記格子21a、21bを通じて透過される光線の入射角に影響する。したがって、格子は、光線を屈折させるか、または回折させて、突き当たる光線が基板の内部で反応サイト領域5に向かって誘導されることになるような、光線の調整された入射角を得る。しかしながら、反応サイト領域5に隣接する、前記格子間の表面26上に突き当たる光線は、垂直面に実質的に平行であることになり、基板を通じて反応サイト領域に直接透過されることになる。それにより、反応サイト領域の極めて効果的な照射が、達成されることになる。
【0060】
図9は、反応サイト表面24、キャリア表面26および縁部壁27を有するポリマー試料基板1の第四の実施形態を含む光学式分析試験装置内の、本発明による光学式読取装置63の第四の実施形態を示し、基板1は、反応サイト表面24上にマイクロ構造化された反応サイト領域5を備えて、追加層31は、キャリア表面26の一部分上に設けられる。光源6は、表面24上に配置されて、縁部壁27に隣接する光誘導プリズム22を通じて基板の反応サイト表面24を照射するような、ポリマー試料基板に対する位置を有する。光源6の構成およびプリズムの屈折特性は、基板および追加層31により反応サイト領域5の方向に誘導される、調整された入射角で入射される光線を提供することになる。反応サイトから放出される光は、レンズ9、フィルタ10および検出器7により集光されて、検出されることになる。
【0061】
図10は、本発明による光学式読取装置73の第五の実施形態を示し、図9に示される、第四の実施形態による光学式読取装置63内のような類似の設置を有する光学式分析試験装置を開示する。しかしながら、第五の実施形態によると、検出デバイス7は、反応サイト表面24からではなく、前記基板1のキャリア表面26からの放出光を検出するような、ポリマー試料基板1に対する位置を有し、基板は、いずれの半反射層も備えていない。さらに、光源6は、基板26上に配置されて、縁部壁27に隣接する光誘導プリズム22を通じて、(反応サイト表面24ではなく)基板のキャリア表面26を照射するような、ポリマー試料基板1に対する位置を有する。光源6の構成およびプリズムの屈折特性は、基板により反応サイト領域5に向けて伝搬するように誘導される、調整された入射角で入射される光線を提供することになり、反応サイト上に設けられる蛍光標識試薬を励起する。ほとんどの蛍光が、空気中ではなく基板内に放出されるので、蛍光標識試薬から放出される大部分の光は、基板1を通じて透過され、レンズ9、フィルタデバイス10および光検出デバイス7、たとえばPMTにより集光される。
【0062】
図11は、本発明の光学式読取装置83の第六の実施形態を示し、ポリマー試料基板1の第五の実施形態が、マイクロ構造化された反応サイト領域5を備えた反応サイト表面24を有し、キャリア表面26の全体が、追加層31で覆われる。光学式読取装置83は、反応サイト領域5内に直接励起光線を入射するように、ポリマー試料基板1に対して配置される光源6を含み、検出デバイス7は、縁部壁27から漏れる放出蛍光を受光するように、ポリマー試料基板1に対して配置される。光源からの励起光線は、表面24上に突き当たり、表面24の垂線にほぼ対応する方向で、すなわち、たとえば10°未満のような、比較的小さな入射角で、レンズ8により誘導される。光線は、反応サイト内の蛍光標識試薬を励起することになり、大部分の放出された蛍光は、基板内の様々な異なる方向に透過されることになる。放射光は、基板の内部表面から、および基板のキャリア表面26上に設けられた追加の半反射層31の内部表面から反射されることになり、一部分の放射された蛍光が、縁部壁27の方向に誘導されて、検出デバイス7により集光されて、前記検出デバイスは、縁部壁27から漏れる光をレンズ9およびフィルタ10を通じて受光するように配置される。
【0063】
本発明によるポリマー試料基板の第六の実施形態において、光誘導プリズム22は、基板の表面上に取り付けられる。
【0064】
図6〜11に示される、本発明による光学式読取装置の六つの実施形態は、ポリマー試料基板1の位置に対する、光源6および検出デバイス7の位置の例示的な構成を示す。しかしながら、本発明の他の実施形態によると、光源6は、2つの表面24、26のいずれかの内部か、または基板のいずれの縁部壁27内に励起光線を入射するように、配置されることができる。同様に、本発明のさらなる実施形態によると、検出デバイス6は、2つの表面24または26のいずれかからか、または縁部壁27のいずれかから漏れる蛍光または燐光を検出するように、配置されることができる。
【0065】
加えて、光源6および検出デバイス7は、励起光線を入射して、同じ表面もしくは縁部壁からか、または縁部壁の異なる表面からの放射光を検出するように、配置されることができる。
【0066】
したがって、本発明は、図面内に記載された実施形態に制限されず、特許請求の範囲内で自由に変えてもよい。
【0067】
本発明の好ましい実施態様は以下の通りである。
【0068】
(1) 光学式分析試験装置のためのポリマー試料基板において、
前記ポリマー試料基板が、反応サイト側表面(24)を有すると共に、突起のあるマイクロ構造体(2)を備えた、前記反応サイト側表面の凹部にある少なくとも1つの反応サイト領域(5)を含み、選択された光学特性を有する追加層(31、31a、31b)により少なくとも部分的に覆われ、前記突起のあるマイクロ構造体および前記追加層が、前記基板の光学特性に寄与する、
ポリマー試料基板。
(2) 実施態様1に記載のポリマー試料基板において、
光誘導デバイス(21、22)が、前記基板(1)を照射する光線の前記入射角(29)を調整するために表面(24、26)上に取り付けられることを特徴とする、
ポリマー試料基板。
(3) 実施態様1または2に記載のポリマー試料基板において、前記追加層(31b)が、前記基板(1)の前記突起のあるマイクロ構造体(2)を少なくとも部分的に覆うことを特徴とする、ポリマー試料基板。
(4) 実施態様1〜3のいずれか1項に記載のポリマー試料基板において、前記追加層(31)が、前記基板(1)のキャリア表面(26)を少なくとも部分的に覆うことを特徴とする、ポリマー試料基板。
(5) 実施態様1〜4のいずれか1項に記載のポリマー試料基板において、前記追加層(31)が、前記励起光線の屈折角(30)を増加させるために配置される光学的ぬれ層として付与されることを特徴とする、ポリマー試料基板。
(6) 実施態様1〜4のいずれか1項に記載のポリマー試料基板において、前記追加層(31、31b)が、選択された光学波長を吸収するように配置されることを特徴とする、ポリマー試料基板。
(7) 実施態様1〜6のいずれか1項に記載のポリマー試料基板において、前記追加層(31a、31b、31)が、前記基板(1)に取り付けられる好適な材料のテープから成ることを特徴とする、ポリマー試料基板。
(8) 実施態様2〜7のいずれか1項に記載のポリマー試料基板において、前記光誘導デバイスが、プリズム(22)を含むことを特徴とする、ポリマー試料基板。
(9) 実施態様2〜7のいずれか1項に記載のポリマー試料基板において、前記光誘導デバイスが、回折性または屈折性の表面の浮き彫り(21)を含むことを特徴とする、ポリマー試料基板。
(10) 光学式読取装置(33、43、53、63、73、83)とポリマー試料基板(1)とを含む光学式分析試験装置において、
前記ポリマー試料基板が、反応サイト側表面(24)を有し、突起のあるマイクロ構造体(2)を備えた、前記反応サイト側表面の凹部にある少なくとも1つの反応サイト領域(5)を含み、選択された光学特性を有する追加層(31、31a、31b)により少なくとも部分的に覆われ、前記突起のあるマイクロ構造体および前記追加層が、前記基板の光学特性に寄与し、
前記光学式読取装置が、前記ポリマー試料基板(1)を照射するための光源(6、11)を含むと共に、前記少なくとも1つの反応サイト領域から放出される光を検出するための検出器デバイス(7、12)を含み、前記光源(6、11)は、励起光線を反応サイト領域(5)の方向に誘導するように選択された、調整された入射角度(29)で、ポリマー試料基板(1)内に励起光線(28)を入射するように配置され、前記検出器デバイスが、前記少なくとも1つの反応サイト領域から放出される光を検出することを特徴とする、
光学式分析試験装置。
(11) 実施態様10に記載の光学式分析試験装置において、
光誘導デバイス(21、22)が、前記基板(1)を照射する光線の前記入射角(29)を調整するために表面(24、26)上に取り付けられることを特徴とする、
光学式分析試験装置。
(12) 実施態様10または11に記載の光学式分析試験装置において、前記追加層(31)が、前記励起光線の屈折角(30)を増加させるように配置される光学的ぬれ層として付与されることを特徴とする、光学式分析試験装置。
(13) 実施態様10〜12のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記追加層(31b)が、前記突起のあるマイクロ構造体(2)を少なくとも部分的に覆うことを特徴とする、光学式分析試験装置。
(14) 実施態様10〜13のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記追加層(31)が、前記基板(1)のキャリア表面(26)を少なくとも部分的に覆うことを特徴とする、光学式分析試験装置。
(15) 実施態様10〜14のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記追加層(31a、31b、31)が、選択された光学波長を吸収するように配置されることを特徴とする、光学式分析試験装置。
(16) 実施態様10〜15のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記追加層(31a、31b、31)が、前記基板(1)に取り付けられる好適な材料のテープから成ることを特徴とする、光学式分析試験装置。
(17) 実施態様1〜16のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記光源(6)が、前記基板内への励起光線の屈折角(30)を調整するために配置される光誘導デバイス(21、22)を通してポリマー試料基板(1)を照射することに適していることを特徴とする、光学式分析試験装置。
(18) 実施態様17に記載の光学式分析試験装置において、前記光誘導デバイスが、前記基板の表面(24、26)上に配置されるプリズム(22)を含むことを特徴とする、光学式分析試験装置。
(19) 実施態様17に記載の光学式分析試験装置において、前記光誘導デバイスが、前記基板の表面(24、26)上に設けられる回折性または屈折性の表面の浮き彫り(21)を含むことを特徴とする、光学式分析試験装置。
(20) 実施態様10〜19のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記光源(6、11)が、前記ポリマー試料基板(1)について、前記基板の前記反応サイト側表面(24)を照射する位置を有することを特徴とする、光学式分析試験装置。
(21) 実施態様10〜19のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記光源(6、11)が、前記ポリマー試料基板(1)について、前記基板のキャリア表面(26)を照射する位置を有することを特徴とする、光学式分析試験装置。
(22) 実施態様10〜19のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記光源(6)が、前記ポリマー試料基板(1)について、前記基板の縁部壁(27)を照射する位置を有することを特徴とする、光学式分析試験装置。
(23) 実施態様10〜21のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記反応サイト側表面(24)またはキャリア表面(26)を照射する光線の屈折角(30)が臨界角を越える配置が、前記ポリマー試料基板(1)内で起こることを特徴とする、光学式分析試験装置。
(24) 実施態様10〜23のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記検出器デバイス(7、12)が、前記ポリマー試料基板(1)について、前記基板(1)の反応サイト領域(5)から放出される蛍光または燐光を集光する位置を有し、前記放出光が、前記光学基板特性により前記検出器デバイスの方向に誘導されることを特徴とする、光学式分析試験装置。
(25) 実施態様10〜23のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記検出器デバイス(7、12)が、前記ポリマー試料基板(1)について、前記基板の前記キャリア表面(26)から漏れる、放出された蛍光または燐光を受光する位置を有することを特徴とする、光学式分析試験装置。
(26) 実施態様10〜23のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記検出器デバイス(7、12)が、前記ポリマー試料基板(1)について、前記基板の縁部壁(27)から漏れる、放出された蛍光または燐光を受光する位置を有することを特徴とする、光学式分析試験装置。
(27) 実施態様10〜26のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記光源(6)が、前記ポリマー試料基板(1)について、第一表面(24、26)または縁部壁(27)を照射する位置を有しており、前記検出器デバイス(7、12)が、前記ポリマー試料基板(1)について、前記同じ第一表面(24、26)または縁部壁(27)から漏れる、放出された蛍光または燐光を受光する位置を有することを特徴とする、光学式分析試験装置。
(28) 実施態様10〜26のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記光源(6)が、前記ポリマー試料基板(1)について、第一表面(24、26)または縁部壁(27)を照射する位置を有し、前記検出器デバイス(7、12)が、前記ポリマー試料基板(1)について、前記第1の表面の反対側のもう一つの表面または前記第1の縁部の反対側のもう一つの縁部壁(27)から漏れる、放出された蛍光または燐光を受光する位置を有することを特徴とする、光学式分析試験装置。
(29) 実施態様10〜28のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記光学式読取装置が、撮像光学式読取装置として配置されることを特徴とする、光学式分析試験装置。
(30) 実施態様10〜28のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記光学式読取装置が、走査型光学式読取装置として配置されることを特徴とする、光学式分析試験装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学式分析試験装置のためのポリマー試料基板において、
前記ポリマー試料基板が、反応サイト側表面(24)を有すると共に、突起のあるマイクロ構造体(2)を備えた、前記反応サイト側表面の凹部にある少なくとも1つの反応サイト領域(5)を含み、選択された光学特性を有する追加層(31、31a、31b)により少なくとも部分的に覆われ、前記突起のあるマイクロ構造体および前記追加層が、前記基板の光学特性に寄与する、
ポリマー試料基板。
【請求項2】
請求項1に記載のポリマー試料基板において、
光誘導デバイス(21、22)が、前記基板(1)を照射する光線の前記入射角(29)を調整するために表面(24、26)上に取り付けられることを特徴とする、
ポリマー試料基板。
【請求項3】
請求項1または2に記載のポリマー試料基板において、前記追加層(31b)が、前記基板(1)の前記突起のあるマイクロ構造体(2)を少なくとも部分的に覆うことを特徴とする、ポリマー試料基板。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリマー試料基板において、前記追加層(31)が、前記基板(1)のキャリア表面(26)を少なくとも部分的に覆うことを特徴とする、ポリマー試料基板。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリマー試料基板において、前記追加層(31)が、前記励起光線の屈折角(30)を増加させるために配置される光学的ぬれ層として付与されることを特徴とする、ポリマー試料基板。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリマー試料基板において、前記追加層(31、31b)が、選択された光学波長を吸収するように配置されることを特徴とする、ポリマー試料基板。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリマー試料基板において、前記追加層(31a、31b、31)が、前記基板(1)に取り付けられる好適な材料のテープから成ることを特徴とする、ポリマー試料基板。
【請求項8】
請求項2〜7のいずれか1項に記載のポリマー試料基板において、前記光誘導デバイスが、プリズム(22)を含むことを特徴とする、ポリマー試料基板。
【請求項9】
請求項2〜7のいずれか1項に記載のポリマー試料基板において、前記光誘導デバイスが、回折性または屈折性の表面の浮き彫り(21)を含むことを特徴とする、ポリマー試料基板。
【請求項10】
光学式読取装置(33、43、53、63、73、83)とポリマー試料基板(1)とを含む光学式分析試験装置において、
前記ポリマー試料基板が、反応サイト側表面(24)を有し、突起のあるマイクロ構造体(2)を備えた、前記反応サイト側表面の凹部にある少なくとも1つの反応サイト領域(5)を含み、選択された光学特性を有する追加層(31、31a、31b)により少なくとも部分的に覆われ、前記突起のあるマイクロ構造体および前記追加層が、前記基板の光学特性に寄与し、
前記光学式読取装置が、前記ポリマー試料基板(1)を照射するための光源(6、11)を含むと共に、前記少なくとも1つの反応サイト領域から放出される光を検出するための検出器デバイス(7、12)を含み、前記光源(6、11)は、励起光線を反応サイト領域(5)の方向に誘導するように選択された、調整された入射角度(29)で、ポリマー試料基板(1)内に励起光線(28)を入射するように配置され、前記検出器デバイスが、前記少なくとも1つの反応サイト領域から放出される光を検出することを特徴とする、
光学式分析試験装置。
【請求項11】
請求項10に記載の光学式分析試験装置において、
光誘導デバイス(21、22)が、前記基板(1)を照射する光線の前記入射角(29)を調整するために表面(24、26)上に取り付けられることを特徴とする、
光学式分析試験装置。
【請求項12】
請求項10または11に記載の光学式分析試験装置において、前記追加層(31)が、前記励起光線の屈折角(30)を増加させるように配置される光学的ぬれ層として付与されることを特徴とする、光学式分析試験装置。
【請求項13】
請求項10〜12のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記追加層(31b)が、前記突起のあるマイクロ構造体(2)を少なくとも部分的に覆うことを特徴とする、光学式分析試験装置。
【請求項14】
請求項10〜13のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記追加層(31)が、前記基板(1)のキャリア表面(26)を少なくとも部分的に覆うことを特徴とする、光学式分析試験装置。
【請求項15】
請求項10〜14のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記追加層(31a、31b、31)が、選択された光学波長を吸収するように配置されることを特徴とする、光学式分析試験装置。
【請求項16】
請求項10〜15のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記追加層(31a、31b、31)が、前記基板(1)に取り付けられる好適な材料のテープから成ることを特徴とする、光学式分析試験装置。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記光源(6)が、前記基板内への励起光線の屈折角(30)を調整するために配置される光誘導デバイス(21、22)を通してポリマー試料基板(1)を照射することに適していることを特徴とする、光学式分析試験装置。
【請求項18】
請求項17に記載の光学式分析試験装置において、前記光誘導デバイスが、前記基板の表面(24、26)上に配置されるプリズム(22)を含むことを特徴とする、光学式分析試験装置。
【請求項19】
請求項17に記載の光学式分析試験装置において、前記光誘導デバイスが、前記基板の表面(24、26)上に設けられる回折性または屈折性の表面の浮き彫り(21)を含むことを特徴とする、光学式分析試験装置。
【請求項20】
請求項10〜19のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記光源(6、11)が、前記ポリマー試料基板(1)について、前記基板の前記反応サイト側表面(24)を照射する位置を有することを特徴とする、光学式分析試験装置。
【請求項21】
請求項10〜19のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記光源(6、11)が、前記ポリマー試料基板(1)について、前記基板のキャリア表面(26)を照射する位置を有することを特徴とする、光学式分析試験装置。
【請求項22】
請求項10〜19のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記光源(6)が、前記ポリマー試料基板(1)について、前記基板の縁部壁(27)を照射する位置を有することを特徴とする、光学式分析試験装置。
【請求項23】
請求項10〜21のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記反応サイト側表面(24)またはキャリア表面(26)を照射する光線の屈折角(30)が臨界角を越える配置が、前記ポリマー試料基板(1)内で起こることを特徴とする、光学式分析試験装置。
【請求項24】
請求項10〜23のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記検出器デバイス(7、12)が、前記ポリマー試料基板(1)について、前記基板(1)の反応サイト領域(5)から放出される蛍光または燐光を集光する位置を有し、前記放出光が、前記光学基板特性により前記検出器デバイスの方向に誘導されることを特徴とする、光学式分析試験装置。
【請求項25】
請求項10〜23のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記検出器デバイス(7、12)が、前記ポリマー試料基板(1)について、前記基板の前記キャリア表面(26)から漏れる、放出された蛍光または燐光を受光する位置を有することを特徴とする、光学式分析試験装置。
【請求項26】
請求項10〜23のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記検出器デバイス(7、12)が、前記ポリマー試料基板(1)について、前記基板の縁部壁(27)から漏れる、放出された蛍光または燐光を受光する位置を有することを特徴とする、光学式分析試験装置。
【請求項27】
請求項10〜26のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記光源(6)が、前記ポリマー試料基板(1)について、第一表面(24、26)または縁部壁(27)を照射する位置を有しており、前記検出器デバイス(7、12)が、前記ポリマー試料基板(1)について、前記同じ第一表面(24、26)または縁部壁(27)から漏れる、放出された蛍光または燐光を受光する位置を有することを特徴とする、光学式分析試験装置。
【請求項28】
請求項10〜26のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記光源(6)が、前記ポリマー試料基板(1)について、第一表面(24、26)または縁部壁(27)を照射する位置を有し、前記検出器デバイス(7、12)が、前記ポリマー試料基板(1)について、前記第1の表面の反対側のもう一つの表面または前記第1の縁部の反対側のもう一つの縁部壁(27)から漏れる、放出された蛍光または燐光を受光する位置を有することを特徴とする、光学式分析試験装置。
【請求項29】
請求項10〜28のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記光学式読取装置が、撮像光学式読取装置として配置されることを特徴とする、光学式分析試験装置。
【請求項30】
請求項10〜28のいずれか1項に記載の光学式分析試験装置において、前記光学式読取装置が、走査型光学式読取装置として配置されることを特徴とする、光学式分析試験装置。

【図1a】
image rotate

【図1b】
image rotate

【図2a】
image rotate

【図2b】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5a】
image rotate

【図5b】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2013−19907(P2013−19907A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−197071(P2012−197071)
【出願日】平成24年9月7日(2012.9.7)
【分割の表示】特願2008−516783(P2008−516783)の分割
【原出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(501154297)オーミック・アクチボラゲット (13)
【氏名又は名称原語表記】Åmic AB
【Fターム(参考)】