説明

ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒、その調製方法およびその使用

ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒、とりわけ、第1のポリマーおよび無機ナノ粒子から形成された第1のコンポジットナノ顆粒、第1のコンポジットナノ顆粒に第2のポリマーを形成することによって得られる第2のコンポジットナノ顆粒、第2のコンポジットナノ顆粒に第3のポリマーを形成することによって得られる第3のコンポジットナノ顆粒、および、同様の方法を用いて(N−1)番目のコンポジットナノ顆粒にN番目のポリマーを形成することによって得られるN番目のコンポジットナノ顆粒を開示する。前記したコンポジットナノ顆粒のいずれか1を含む組成物を開示する。その調製方法およびその使用も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒に関し、特に、第1のポリマーおよび無機ナノ粒子から形成された第1のコンポジットナノ顆粒、第1のコンポジットナノ顆粒に第2のポリマーを形成することによって得られる第2のコンポジットナノ顆粒、第2のコンポジットナノ顆粒に第3のポリマーを形成することによって得られる第3のコンポジットナノ顆粒、および同様にして(N−1)番目のコンポジットナノ顆粒にN番目のポリマーを形成することによって得られるN番目のコンポジットナノ顆粒に関する。さらに、本発明は、前記したコンポジットナノ顆粒のいずれか1を含む組成物に関する。いまだ、本発明は、前記したコンポジットナノ顆粒のいずれか1を含むコーティング材料に関する。また、本発明は、前記した種々のナノ顆粒の調製、修飾および使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒は、その優れた機械的、熱的、光学的、電気的および磁気的特性によって、ナノ技術の分野において熱心に研究が行われているものの一つであり、プラスチック、ゴム、コーティング材料、電子部品、触媒、薬品、農薬などの分野のような種々の分野において広く適用されることが有望視されている。
【0003】
中国特許出願公開第1530397Aには、複数のヒドロキシル基および複数のカルボキシル基を含み、医薬化合物をナノ−カプセル化し、漢方薬抽出物をカプセル化または可溶化し、食品および化粧品の有効成分を可溶化および分散し、農薬の成分を可溶化して農薬の水性処方を調製するために使用し得る。また、それには、ポリマーを、TiO2、ZnO、Fe3O4、Fe2O3、CaCO3などのような無機ナノ粒子を調製するのに使用し得ることも開示されている。
【0004】
中国特許出願公開第1530327Aには、カルボン酸およびアルコールを重合することによって得たポリマーキレート剤からTiCl4アルカリ中和法によって生成した酸化チタンのコンポジットナノ顆粒の調製方法が開示されている。そのナノ顆粒にはヒドロキシル、カルボキシルおよびヒドロカルビルのような修飾基が含まれ、水中によく分散する。
【0005】
中国特許出願公開第1583575Aには、超常磁性コンポジットナノ顆粒の調製方法が開示されており、そこでは、カルボン酸およびアルコールを重合することによって得た重合キレート剤と鉄イオンとを混合し、ついでアルカリを添加することによって超常磁性コンポジットナノ顆粒を生成している。得られたナノ顆粒はヒドロキシル、カルボキシルおよびアルキルのような修飾基を有し、したがってさらに修飾して、薬物を保持するのに使用し得る官能化された超常磁性ナノ顆粒を得ることができる。
【0006】
Franca Tiarksら(Silica Nanoparticles as surfactants and fillers for latexes made by microemulsion polymerization,Langmuir,2001 (17): 5775-5789)は、マイクロエマルジョン重合によって種々のモノマーから調製したポリマー分散液を報告しており、そこでは、異なる形状を有する分散液が共モノマー、シリカナノ顆粒および疎水性成分をカップリングすることによって生成されている。ある場合では、シリカナノ顆粒をポリマーラテックスの粒子に結合して、いわゆる「ヘッジホッグ(hedgehog)」形を有する分散液を形成し;一方で、他の場合では、シリカナノ顆粒をポリマー粒子に完全に包んで、いわゆる「ラズベリー(raspberry)形を有する分散液を形成している。得られた分散液は広範囲の適用を有し、例えば、水性コーティング中の抗−スクラッチ剤(anti-scratching agent)の適用を有する。
【0007】
QI Dong−mingら(Anchoring of polyacrylate onto silica and formation of polyacrylate/silica nanocomposite particles via in situ emulsion polymerization,Colloid Polym. Sci., 2008 (286): 233-241)は、シリカナノ顆粒に吸着させたアクリレートモノマーの定置(in place)乳化重合によって形成したポリアクリレート/シリカコンポジットラテックスナノ顆粒を開示しており、そこで、ポリアクリレートは物理的吸着および化学グラフトによってシリカナノ顆粒に結合しており、「ラズベリー」形を有するポリアクリレート/シリカコンポジットラテックスナノ顆粒を形成する。
【0008】
多くの研究が行われているが、種々の要求を満たすためには、異なる構造および性質を有するポリマー/無機ナノ粒子のより多くのコンポジットナノ顆粒がまだ必要である。
【発明の概要】
【0009】
第1の態様において、本発明は、少なくとも1の無機ナノ粒子および第1のポリマーを含む、ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒を提供し、ここに、第1のポリマーはナノ顆粒形で提示されており、少なくとも1の無機ナノ粒子は第1のポリマーにカプセル化されており、ここに、少なくとも1の無機ナノ粒子はドーピング元素、例えば酸化ケイ素、酸化チタン、アルミナ酸化物、酸化亜鉛、酸化鉄、セレン化カドミウムおよび酸化ジルコニウムを含む無機ナノ粒子であり、ここに、ドーピング元素は鉄、アルミニウム、ケイ素、リチウム、ナトリウム、カリウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、ガリウム、インジウム、ゲルマニウム、セレン、鉛、窒素、リン、ヒ素、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、バナジウム、チタン、マンガンおよびそれらのいずれかの組合せから選択される。
【0010】
1の形態において、ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒は、1−1000nm、例えば1−10nm、10−50nm、50−100nm、100−200nm、200−500nm、500−1000nmなどの平均粒径を有する。
【0011】
1の形態において、第1のポリマーは、親水性基、例えばカルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、アミノ基またはそれらの組合せを含む。
【0012】
1の形態において、第1のポリマーは、少なくとも部分的に分枝または架橋したポリ乳酸、または乳酸とC2−27脂肪酸、C2−27と脂肪アルコール、糖質および/またはアミノ酸とのコポリマーである。
【0013】
1の形態において、糖質にはスクロース、ラクトース、トレハロース、キトサン、マンノース、グルコース、ガラクトース、マルトースが含まれ;アミノ酸にはグリシン、リシン、ロイシン、アルギニン、シスチン、システイン、ヒスチジン、トリプトファン、イソロイシン、アラニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、メチオニン、バリン、チロシン、アスパラギン酸、およびそれらのいずれかの組合せが含まれる。
【0014】
1の形態において、第1のポリマーは、1−50重量%の線状ポリマー、5−60重量%の分枝型ポリマーおよび5−60重量%の架橋型ポリマーを含む。
【0015】
第2の態様において、本発明は、少なくとも1の無機ナノ粒子、第1のポリマー、第2のポリマー、および所望により第3のないしN番目のポリマーを含む、ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒を提供し、ここにNは3ないし20の整数であり、ここに少なくとも1の無機ナノ粒子は第1のポリマーにカプセル化され、および/または、結合して一次コンポジットナノ顆粒を形成し、第2のポリマーは一次コンポジットナノ顆粒の中に位置して、および/または、顆粒に結合して二次コンポジットナノ顆粒を形成し、第3のポリマーは二次コンポジットナノ顆粒の中に位置して、および/または、顆粒に結合して三次コンポジットナノ顆粒を形成し、同様にして、N番目のポリマーは(N−1)番目のコンポジットナノ顆粒の中に位置して、および/または、顆粒に結合してN番目のコンポジットナノ顆粒を形成する。
【0016】
1の形態において、ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒は、1−1000nm、例えば、1−10nm、10−50nm、50−100nm、100−200nm、200−500nm、500−1000nm、1000−5000nm、5000−10000nmなどの平均粒径を有する。
【0017】
1の形態において、第1のポリマーはカルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、アミノ基またはそれらの組合せのような親水性基を含む。
【0018】
1の形態において、第1のポリマーは少なくとも部分的に分枝しているかまたは架橋したポリ乳酸、または乳酸とC2−27脂肪酸、C2−27脂肪族アルコール、糖質、および/またはアミノ酸とのコポリマーである。
【0019】
1の形態において、糖質にはスクロース、ラクトース、トレハロース、キトサン、マンノース、グルコース、ガラクトース、マルトースが含まれ;アミノ酸にはグリシン、リシン、ロイシン、アルギニン、シスチン、システイン、ヒスチジン、トリプトファン、イソロイシン、アラニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、メチオニン、バリン、チロシン、アスパラギン酸、およびそれらのいずれかの組合せが含まれる。
【0020】
1の形態において、第1のポリマーは、1−50重量%の線状ポリマー、5−60重量%の分枝型ポリマーおよび5−60重量%の架橋型ポリマーを含む。
【0021】
1の形態において、無機ナノ粒子は、水性媒体中で調製し得る、または、水性媒体中に分散し得るいずれの無機ナノ粒子であってもよく、例えば、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、セレン化カドミウム、酸化ジルコニウム、およびそれらのいずれかの組合せである。
【0022】
1の形態において、無機ナノ粒子はさらに、鉄、アルミニウム、ケイ素、リチウム、ナトリウム、カリウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、ガリウム、インジウム、ゲルマニウム、セレン、鉛、窒素、リン、ヒ素、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、バナジウム、チタン、マンガンおよびそれらの組合せから選択されるドーピング元素を含み、好ましくは鉄、アルミニウム、チタンおよびそれらのいずれかの組合せから選択されるドーピング元素を含む。
【0023】
1の形態において、第2のポリマーは、一次コンポジットナノ顆粒の中または上に形成し得るいずれのポリマーであってもよい。
【0024】
1の形態において、第1のポリマーおよび第2のポリマーは、グラフトコポリマー、架橋型コポリマー、海島構造、相互貫入ポリマーネットワークまたは半−相互貫入ポリマーネットワークを形成する。
【0025】
1の形態において、第3のポリマーは、第2のポリマーと同一または異なる。第3のポリマーは、二次コンポジットナノ顆粒の中または上に形成するいずれのポリマーともし得る。
【0026】
1の形態において、N番目のポリマーは、(N−1)番目のポリマーと同一または異なる。N番目のポリマーは、(N−1)番目のコンポジットナノ顆粒の中または上に形成するいずれのポリマーともし得る。第1のポリマー、第2のポリマーおよび第3のポリマーないし所望によりN番目のポリマーは、グラフトコポリマー、架橋型コポリマー、海島構造、相互貫入ポリマーネットワークまたは半−相互貫入ポリマーネットワークを形成する。
【0027】
1の形態において、無機ナノ粒子に対する第1のポリマーの重量比は100:1ないし1:100であり、無機ナノ粒子に対する第2ないしN番目のポリマーの重量比は、各々、1000:1ないし1:1000である。例えば、無機ナノ粒子に対する第1のポリマーの重量比は、100:1ないし50:1、50:1ないし1:1、1:1ないし1:50、1:50ないし1:100、0.5−5:100、1.5:100などであり;無機ナノ粒子に対する第2のポリマーの重量比は、1000:1ないし1:1000、例えば500:1ないし300:1、300:1ないし50:1、50:1ないし1:1、1:50ないし1:300、1:300ないし1:500、1:500ないし1:1000および50−300:1、100:1などである。
【0028】
第2ないしN番目のポリマーとして使用し得るポリマーの例には、ビニルモノマーから形成されるホモポリマーまたはコポリマーが含まれる。ビニルモノマーは、α−オレフィン、塩化ビニル、アクリロニトリル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、(メタ)アクリル酸のC1−20アルキルエステル(例えば、メチル(メタ)アクリレート、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸オクタデシルなど)、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン、イソシアネート化合物、スチレン、安息香酸ビニル、イソオクチルエステル、2−クロロ−2−フッ化エチレン、桂皮酸メチル、マレイン酸、2,4−ジクロロスチレン、ジメチルプロピレンエーテル、メタクリル酸、無水マレイン酸、ビニルアルキルエーテル、塩化ビニリデン、塩化アクリル酸メチル、4−N,N−ジメチルアミノ−2−クロロスチレン、4−クロロスチレン、メチルエチレングリコール、メタクリルアミドジメチルアミン、ステアリン酸ビニル、2−メチルペンチルエチレン、メチルアクリルアミドm−トルイジン、トリフルオロ−メチルエチレン、イソプロペニルメチルケトン、3−フルオロ−4−トリフルオロメチルエチレン、ジメチルプロペニルアミン、硫化ジビニル、ベンジリデン−チエニルエチルケトン、イソプロピルメチルケトン、酢酸ビニル、ジシクロペンタジエン、ベンジリデン−フェネチルケトン、フルフリルアセトン、オクチル酸ビニル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、およびそれらの組合せから選択し得る。
【0029】
1の形態において、ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒は、さらに、医薬、化粧品、食品、農薬、触媒、コーティング、プラスチック、ゴムおよびコンポジット材料、例えば、有効成分、溶媒、補助剤、添加剤などに使用されるものとなり得る低分子量有機化合物を含む。
【0030】
第3の態様において、本発明は、ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒を調製する方法を提供し、該方法は:
1)第1のポリマーを提供し;ついで
2)第1のポリマーの中または上に無機ナノ粒子を形成するか、または、第1のポリマーに、形成した無機ナノ粒子をカプセル化、堆積および/または吸着させる
ことを含む。
【0031】
第4の態様において、本発明は、ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒を調製する方法を提供し、該方法は:
1)第1のポリマーを提供し;
2)一次コンポジットナノ顆粒を形成するように、第1のポリマーの中または上に無機ナノ粒子を形成するか、または、第1のポリマーに、形成した無機ナノ粒子をカプセル化、堆積および/または吸着させ;
3)一次コンポジットナノ顆粒に第2のポリマーを形成して、二次コンポジットナノ顆粒を形成し;ついで
4)所望により、(N−1)番目のコンポジットナノ顆粒にN番目のポリマーを順次形成して、N番目のコンポジットナノ顆粒を形成する
ことを含み、ここにNは3ないし20の整数である。
【0032】
第5の態様において、本発明は、ポリマー/無機ナノ粒子からの上記のいずれかのコンポジットナノ顆粒を含む組成物を提供する。
【0033】
第6の態様において、本発明は、ポリマー/無機ナノ粒子からの上記のコンポジットナノ顆粒によって安定化された分散液を提供し、該分散液は、ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒によって安定化された疎水性分散相および水性連続相を含む。
【0034】
1の形態において、分散相は油相であり、連続相は水性相である。
【0035】
1の形態において、分散相は農薬の有効成分、医薬の有効成分、化粧品の有効成分、重合性モノマーの成分、ポリマーの成分を含む。
【0036】
もう1の態様において、本発明は、ポリマー/無機ナノ粒子からのいずれかのコンポジットナノ顆粒を含む水性コーティングを提供する。
【0037】
本発明に係る水性コーティングの1の形態において、ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒は水性コーティングの主要なフィルム形成材料である。
【0038】
本発明に係る水性コーティングの1の形態において、ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒は、分散相中に存在する。
【0039】
1の形態において、水性コーティングは他のフィルム−形成物質を含む。
【0040】
1の形態において、水性コーティングは、さらにコーティングに使用する添加剤を含む。該添加剤は水性コーティングに好適ないずれかの添加剤、例えば、フィルム形成助剤、硬化剤、フィラー、顔料、希釈剤および/または架橋剤とし得る。
【0041】
本発明に係る水性コーティングの1の形態において、水性コーティングは防水コーティング、木製品コーティングまたは抗−金属腐食コーティングとして使用する。
【0042】
本発明に係る水性コーティングの1の形態において、水性コーティングは防水コーティングとして使用し、ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒は二次コンポジットナノ顆粒であり、ここに第2のポリマーは5−20:20−70:5−25の重量比のスチレン、アクリル酸ブチルおよびメタクリル酸メチルのモノマー組成物の重合によって形成される。
【0043】
本発明に係る水性コーティングの1の形態において、水性コーティングは木製品コーティングとして使用し、ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒は三次コンポジットナノ顆粒であり、ここに第2のポリマーは20−40:20−40:20−40:1−5の重量比のスチレン、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチルおよびジアセトンアクリルアミドのモノマー組成物の重合によって形成され、第3のポリマーは20−40:20−40:30−70:1−5の重量比のスチレン、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチルおよびジアセトンアクリルアミドのモノマー組成物の重合によって形成される。
【0044】
本発明に係る水性コーティングの1の形態において、水性コーティングは抗−金属腐食コーティングとして使用し、ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒は三次コンポジットナノ顆粒であり、ここに第2のポリマーは30−50:30−50:10−40:1−10の重量比のスチレン、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチルおよびジアセトンアクリルアミドのモノマー組成物の重合によって形成され、第3のポリマーは30−90:30−90:10−40:1−10の重量比のスチレン、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチルおよびジアセトンアクリルアミドのモノマー組成物によって形成される。
【0045】
もう1の態様において、本発明は、さらに親水性相中に疎水性の液体および/または固体を分散させるための、ポリマー/無機ナノ粒子からのいずれかの上記コンポジットナノ顆粒の使用を提供する。
【0046】
もう1の態様において、本発明は、さらに親水性相中に疎水性の液体および/または固体の分散相を安定化させるための、ポリマー/無機ナノ粒子からのいずれかの上記コンポジットナノ顆粒の使用を提供する。
【0047】
もう1の態様において、本発明は、さらに親水性相中の分散重合用のテンプレートとしての、ポリマー/無機ナノ粒子からのいずれかの上記コンポジットナノ顆粒の使用を提供する。
【0048】
もう1の態様において、本発明は、さらに親水性相中の乳化重合用の乳化剤としての、ポリマー/無機ナノ粒子からのいずれかの上記コンポジットナノ顆粒の使用を提供する。
【0049】
もう1の態様において、本発明は、さらに、
1)水性媒体を提供し;
2)1またはそれを超える疎水性の液体および/または固体を提供し;ついで
3)該水性媒体中で、1またはそれを超える疎水性の液体および/または固体ならびにポリマー/無機ナノ粒子からのいずれかの上記コンポジットナノ顆粒を均質化する
ことを含む、水性媒体中に疎水性の水性液体および/または固体を分散させる方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は実施例2によるポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒を示すTEM(透過型電子顕微鏡)写真である。
【図2】図2は実施例13によるポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒を示すTEM(透過型電子顕微鏡)写真である。
【図3】図3は実施例17によるポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒を示すTEM(透過型電子顕微鏡)写真である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
1.第1のポリマー
本発明に係るポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒においては、第1のポリマーは適当な、少なくとも部分的に架橋したおよび/または分枝したポリマーのいずれかのものとし得る。一般的に、第1のポリマーは、液体媒体中に懸濁した乾燥粉体または分散液の形態で提供される。液体媒体は、アルコール、ケトン、エーテル、ハロゲン化炭化水素またはそれらの混合物のような水性媒体または有機溶媒とし得る。1の例において、第1のポリマーは、1−20nm、20−50nm、50−100nm、100−200nm、200−500nmなどのような1−500nmの平均粒径を有するナノ顆粒とし得る。第1のポリマーを水性媒体に懸濁する場合、平均粒径は乾燥形態のものとは異なっていてもよく、例えば、膨潤によりより大きくなってもよい。幾つかの場合においては、第1のポリマーナノ顆粒は球形とし得る。
【0052】
第1のポリマーは、光重合のような、放射線重合によって溶媒中で1またはそれを超える親水性基を含む1またはそれを超える低分子量化合物を重合することによって得ることができ、その場合、該親水性基にはヒドロキシルおよび/またはカルボキシルおよび/またはアミノおよび/またはスルホン酸基ほかが含まれ、低分子量化合物には乳酸、イタコン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アミノ酸ほかが含まれる。光重合は、塩化キセノンエキシマレーザー、キセノンランプ、水銀ランプなどによって提供される光条件下で行い得る。光重合においては、ベンゾフェノンほかのような光感受性のフリーラジカル重合開始剤を使用し得る。
【0053】
親水性基を含む他の化合物、例えば、C2−27脂肪酸、C2−27脂肪アルコール、糖アルコール、糖質および/またはアミノ酸を、低分子量化合物中に混合し得る。C2−27脂肪酸には、C2−18バイナリー(binary)脂肪酸およびヒドロキシルカルボン酸が含まれる。C2−27脂肪アルコールにはC2−18バイナリー脂肪アルコールが含まれる。糖質には、スクロース、ラクトース、トレハロース、キトサン、マンノース、グルコース、ガラクトース、マルトースほかが含まれる。アミノ酸には、グリシン、リシン、ロイシン、アルギニン、シスチン、システイン、ヒスチジン、トリプトファン、イソロイシン、アラニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、メチオニン、バリン、チロシン、アスパラギン酸などが含まれる。
【0054】
本発明に係る第1のポリマーのナノ顆粒は、例えば、出典明示して本明細書の一部とみなす中国特許出願公開第1530397Aに記載された方法のようないずれかの適当な方法によっても調製し得る。本発明に係る第1のポリマーのナノ顆粒は、中国特許出願公開第1530397Aに記載されたポリマーおよび方法以外の方法によっても得ることができる。
【0055】
2.無機ナノ粒子
本発明に係るポリマー/無機ナノ粒子からの前記コンポジットナノ顆粒においては、水性媒体中に調製したいずれの好適な無機ナノ粒子、例えば、酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、セレン化カドミウム、酸化ジルコニウムほかのいずれかとすることができる。無機ナノ粒子は、鉄、アルミニウム、ケイ素、リチウム、ナトリウム、カリウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、ガリウム、インジウム、ゲルマニウム、セレン、鉛、窒素、リン、アルソニウム、ヒ素、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、バナジウム、チタン、マンガンまたはそれらの組合せのような他の元素でドープすることもできる。無機ナノ粒子は、1−100nm、例えば1−5nm、5−10nm、10−20nm、20−50nm、50−100nmなどのような平均粒径を有し得る。
【0056】
無機ナノ粒子はテンプレートとして第1のポリマーを用いることによって水性媒体中でイン・サイチュ(in situ)で形成し得、またはゾルとして形成し、ついで、一次コンポジットナノ顆粒を形成するように、第1のポリマーの上に沈積、その中にカプセル化し、またはその上に吸着させ得る。無機ナノ粒子が上記のドーピング元素を含む場合、一次コンポジットナノ顆粒は本発明の第1の態様で提供されるポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒として使用し得る。
【0057】
3.ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒
ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジッドナノ顆粒においては、無機ナノ粒子は、第1のポリマーによって少なくとも部分的または全体的にカプセル化し得る。幾つかの場合においては、無機ナノ粒子は第1のポリマーの表面に結合することもできる。第1のポリマーの各ナノ顆粒は、1またはそれを超える無機ナノ粒子を含み得る。幾つかの場合において、第1のポリマーのナノ顆粒は、1ないし10、10ないし50、50〜100、100〜1000またはそれを超える無機ナノ粒子を含み得る。
【0058】
幾つかの場合において、ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒は、球形、「ラズベリー」形、「数珠」形および/または「ブドウの房」形ほかのものとし得る。
【0059】
本発明の第1の態様で提供したポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒およびその調製方法の具体的な形態を以下に提供するが、ここでは、ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒は、放射線重合によって乳酸から得た第1のポリマーのポリマーナノ顆粒、および第1のポリマー上にイン・サイチュで形成した無機ナノ顆粒としてのナノ−酸化ケイ素(またはドープナノ−酸化ケイ素)粒子を含む。調製方法には以下の工程が含まれる:
1)C1−10低級アルコール溶液(例えば、水溶液)に分散した第1のポリマーを提供し、ここに低級アルコールはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−アルコールほかとし得;
2)反応器中で水性ケイ素溶液(ケイ素水性分散液)および第1のポリマーを攪拌および混合して均一に分散した混合物を得、ここにケイ酸塩(またはゾル)、第1のポリマー、水およびアルコールの含量は、重量%で各々、5ないし50%、0.3ないし30%、50ないし90%および1ないし10%であり;
3)所望により、ドーピング元素供与体水溶液およびpH値を調節するための酸またはアルカリ溶液を、工程2)で得た混合溶液に添加し、ここにドーピング元素供与体はチタン酸塩、TiCl4、アルミニウム塩(ハロゲン化アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムほか)、亜鉛塩(ZnCl2、ZnSO4ほか)および鉄塩(FeCl3、FeSO4、FeCl2ほか)の少なくとも1であり;
4)工程2)または3)で得た混合溶液を、ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒の分散液が得られるように、攪拌しつつ50−110℃まで加熱し、0.5−5時間反応させ;ついで
5)所望により、ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒の乾燥粉体を提供するように、反応後の混合溶液から溶媒を除去する。
【0060】
上記で得たポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒、特に他の元素でドーピングした酸化ケイ素から得たものは、油物質の分散性および安定性を大きく改善し得、それによって、油物質の水溶解性および可溶の分野に有効に適用可能である。
【0061】
上述したように、無機ナノ粒子が上記のドーピング元素を含む場合、一次コンポジットナノ粒子を、本発明の第1の態様で提供したポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒として直接的に使用し得る。
【0062】
しかしながら、たとえ無機ナノ粒子が上記のドーピング元素を含んでいても含んでいなくても、二次コンポジットナノ顆粒を形成するように、第2のポリマーを一次コンポジットナノ顆粒に形成し得る。二次コンポジットナノ顆粒は、本発明の第2の態様で提供したポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒として使用し得る。
【0063】
同様にして、三次コンポジットナノ顆粒を形成するように、第3のポリマーを二次ナノ顆粒に形成し得る。三次コンポジットナノ顆粒は、本発明の第2の態様で提供したポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒としても使用し得る。
【0064】
順次、N番目のポリマーは、N番目のコンポジットナノ顆粒を形成するように(N−1)番目のコンポジットナノ顆粒に形成し得、ここにNは具体的に限定されることなく、必要に応じて選択し得る。例えば、Nは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20を含む3−20の整数とし得る。N番目のコンポジットナノ顆粒は、本発明の第2の態様で提供したポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒としても使用し得る。
【0065】
第2のポリマーからN番目のポリマーは互いに同一または異なるものとし得、通常、ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒の所望の特性に従って選択し得る。例えば、第2のポリマーからN番目のポリマーは1またはそれを超える以下のモノマーからの重合によって形成し得る:α−オレフィン、塩化ビニル、アクリロニトリル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフロエチレン、(メタ)アクリル酸のC1−20アルキルエステル(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸オクタデシルなど)、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン、イソシアネート化合物、スチレン、安息香酸ビニル、イソオクチルエステル、2−クロロ−2−フッ化エチレン、桂皮酸メチル、マレエート、2,4−ジクロロスチレン、ジメチルプロピレンエーテル、メタクリル酸、無水マレイン酸、ビニルアルキルエーテル、塩化ビニリデン、塩化アクリル酸メチル、4−N,N−ジメチルアミノ−2−クロロスチレン、4−クロロスチレン、メチルグリコール、メタクリルアミドジメチルアミン、ステアリン酸ビニル、2−メチルペンチルエチレン、メチルアクリルアミドm−トルイジン、トリフルオロメチルエチレン、イソプロペニルメチルケトン、3−フルオロ−4−トリフルオロメチルエチレン、ジメチルアリルアミン、ベンジリデンメチレン−チエニルエチルケトン、イソプロピルメチルケトン、酢酸ビニル、ジシクロペンタジエン、ベンジリデン−フェネチルケトン、フルフリルアセトン、オクチル酸ビニル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、およびそれらの組合せ。
【0066】
第2のポリマーからN番目のポリマーは、いずれかの好適な条件下で形成し得る。例えば、少なくとも一部分のモノマーを、開始剤および任意の溶媒と開始温度より低い温度で混合し、ついで一次ナノ顆粒と混合し、ついで一次顆粒に第2のポリマーを形成するように開始温度を超えて加熱し、それによって二次ナノ顆粒を得ることができ;あるいは、一次ナノ顆粒は、水、開始剤および任意の溶媒と混合し、ついでモノマーおよび任意の溶媒を滴下させながら開始温度を超えて加熱して一次顆粒に第2のポリマーを形成させ、それによって二次コンポジットナノ顆粒を得ることができる。
【0067】
第3のポリマーからN番目のポリマーは、同様の方法によって、前記モノマーから選択した同一または異なるモノマーから形成し得、それによって、三次コンポジットナノ顆粒ないしN番目のコンポジットナノ顆粒を得ることができる。
【0068】
1の具体的な形態において、一次コンポジットナノ顆粒、水、開始剤および任意の溶媒を、還流装置を備えた反応器に入れ、加熱下で攪拌する。反応温度は80℃ないし95℃に制御する。モノマーを混合物に滴下した後に、一定時間温度を保ち、濾過し、排出して最終生成物を得る。このようにして得た二次コンポジットナノ顆粒は、1−1000nm、例えば1−10nm、10−100nm、100−500nm、500−1000nmの粒径および70%までの固形分を有する。それは、保存、水中の希釈およびイオン強度の観点で安定である。
【0069】
上記の二次コンポジットナノ顆粒は、同様の方法により第3ないしN番目のポリマーに形成し得、それは1−10000nm、例えば、1−10nm、10−100nm、100−500nm、500−1000nm、1000−10000nmほかの粒径を有し得る。
【0070】
上記の第2のポリマーないしN番目のポリマーを形成するモノマーの例は、以下のモノマーの組合せから選択し得、そのパーセンテージはモノマーの合した重量に基づく重量%である。モノマーの重合を開始するために使用する開始剤は、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、ジアシルペルオキシド、tert−アルキルハイドロジェンペルオキシド、ジtert−アルキルハイドロジェンペルオキシド、ジカーボネートペルオキシド、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイルほかのような水性開始剤または油性開始剤とし得る。
【0071】
モノマー組合せ1
スチレン 15〜20%
アクリル酸ブチル 70〜80%
イソオクチルエステル 5〜7%
安息香酸ビニル 1〜2%
2,4−ジクロロスチレン 1〜2%
無水マレイン酸 0.5〜1%
【0072】
モノマー組合せ2
スチレン 15〜20%
アクリル酸ブチル 60〜70%
n−オクチルエステル 15〜20%
2−クロロ−2−フルオロエチレン 1〜2%
ビニルアルキルエーテル 1〜2%
クロロ−スチレンメチルエステル 1〜2%
【0073】
モノマー組合せ3
アクリル酸ブチル 60〜70%
メタクリル酸メチル 30〜35%
スチレン 1〜2%
メタクリル酸 0.5〜1%
2−クロロスチレン 0.5〜1%
4−クロロスチレン 0.5〜1%
メタクリルアミドジメチルアミン 0.1〜0.5%
【0074】
モノマー組合せ4
スチレン 30〜35%
アクリル酸ブチル 30〜35%
メタクリル酸メチル 30〜35%
アクリル酸 0.5〜1%
酢酸ビニル 0.5〜1%
メタクリル酸ヒドロキシエチル 0.5〜1%
3−フルオロ−4−トリフルオロメチルエチレン 0.2〜0.5%
【0075】
モノマー組合せ5
スチレン 30〜35%
アクリル酸ブチル 30〜35%
メタクリル酸メチル 30〜35%
ジメチルプロペニルアミン 0.5〜1%
エチレンステアレート 1〜5%
4−N,N−ジメチルアミノエチレン 0.5〜1%
メチルエチレングリコール 0.5〜1%
【0076】
モノマー組合せ6
スチレン 40〜45%
アクリル酸ブチル 40〜45%
メタクリル酸メチル 10〜15%
マレエート 0.5〜1%
桂皮酸メチル 0.5〜1%
硫化ジビニル 0.5〜1%
イソプロペニルメチルケトン 0.5〜1%
【0077】
モノマー組合せ7
スチレン 35〜40%
アクリル酸ブチル 45〜50%
メタクリル酸メチル 10〜25%
ビシクロペンタジエン 0.5〜1%
エチレンオクトエート 1〜2%
塩化ビニリデン 1〜5%
メタクリルアミド−メソ−トルイジン 0.5〜1%
【0078】
モノマー組合せ8
スチレン 10〜15%
アクリル酸ブチル 40〜45%
メタクリル酸メチル 40〜45%
トリフルオロ−メチルエチレン 0.5〜1%
ベンジリデン−アセトフェノン 0.5〜1%
【0079】
モノマー組合せ9
スチレン 10〜15%
アクリル酸ブチル 50〜60%
メタクリル酸メチル 30〜35%
酢酸ビニル 0.5〜1%
メタクリル酸ヒドロキシエチル 0.5〜1%
ビニルアルキルエーテル 0.1〜0.5%
【0080】
モノマー組合せ10
スチレン 5〜10%
アクリル酸ブチル 60〜65%
n−オクチル酸 25〜30%
2−メチルアミルビニル 0.1〜0.5%
フルフリルアセトン 0.2〜0.5%
ベンジリデン−チオフェンエチルケトン 0.1〜0.5%
【0081】
モノマー組合せ11
スチレン 35〜40%
アクリル酸ブチル 35〜40%
メタクリル酸メチル 20〜25%
マレエート 0.1〜1%
ジメチルプロピレンエーテル 0.5〜1%
メチルエチレングリコール 0.1〜0.5%
イソプロピルメチルケトン 0.1〜0.3%
【0082】
4.ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒の水性分散液の安定性
ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒のユニークな構造に起因して、それは水性媒体中の分散液において優れた安定性を有する。ポリマー/無機ナノ粒子からの上記コンポジットナノ顆粒について行った安定性試験の結果は以下のとおりである:
1.高温安定性:102℃にて30分間煮沸した際に異常なし
2.低温安定性:−20℃で冷凍後解凍した際に異常なし
3.塩基安定性:乳化液に強塩基を添加した際に異常なし
4.イオン安定性:高濃度の塩を添加した際に異常なし
5.溶媒安定性:乳化液とエタノールとをいずれの比で混合した際にもエマルジョン破壊なし
6.酸安定性:2%酢酸を添加した際に異常なし
【0083】
5.ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒の粒径分布
本発明に係るポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒は、一般的に、狭い粒径分布を有する。ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒の幾つかのSEM像に対する統計によれば、90%よりも大きな粒径分布を一般的に有する粒子の粒径は粒径の平均値±10%内に分布していることが見出された。したがって、上記のポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒は単分散粒子系であると考えることができ、したがって狭い粒径分布を有する粒子系が必要とされる場合に広く使用し得る。
【0084】
6.ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒の化学表面修飾
本発明に係るポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒の表面はカルボキシル基、ヒドロキシル基および/またはアミノ基のような種々の基を有し、したがって種々の所望の官能基、例えば、コーティングに使用可能な感光性架橋基、生物学的な医薬において使用可能な医薬上活性な基ほかと化学反応によって容易にグラフト化し得る。
【0085】
7.ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒による水不溶性または難溶性物質の分散/安定化
本発明に係るポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒は、アルコールまたは水に不溶性または難溶性である油物質を水およびアルコールに有効に分散して安定な分散液を形成し得る。水不溶性または難溶性の油物質は、農薬の有効成分、医薬の有効成分、化粧品の有効成分、重合性モノマーほかとし得、それには、例えば、農薬の殺虫剤/除草剤として供されるトリアゾフォス、ダイアジノン、クロルピリホス、シペルメトリン、アセトクロル、フィプロニル;植物から抽出され、生物学的な有効成分として供されるタキソール、アストラガロシドA、オリドニンほかが含まれる。
【0086】
油物質の分散性および安定性を改善することにおける本発明に係るポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒の特性は、オリーブ油に対する油負荷率(oil-loading rate)のパラメータによって特徴付けし得る。
【0087】
油負荷率の測定方法を以下に記載する:単位質量(m)のコンポジットナノ顆粒を10ml水溶液に分散し、それに種々の量のオリーブ油(o)を添加し、高速で均一にホモジネートして24時間放置する。1mlの分散液を50mlの脱イオン水に添加し、裸眼で観察を行う。溶液の表面に油滴が全く浮いていなければ、乳化液が安定であることを示している。油負荷率は最高の安定な油量(精度、1g):油負荷率=o/mに基づいて計算する。
【0088】
例えば、ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒の10ml水性分散液(2gのコンポジット顆粒を含む)に10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22gのオリーブ油を添加し、ついでこれを高速で均一にホモジナイズし、24時間放置した。1mlの分散液を50mlの脱イオン水に添加した。観察結果は、20g以下のオリーブ油を含む試料は安定であり、21gおよび22gのオリーブ油を含む試料の表面には少量のオリーブ油が浮遊していることを示した。したがって、油負荷率は20/2=10である。
【0089】
8.ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒を含むコーティングおよび/またはバインダー
本発明に係るポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒は、その特性を改善する助剤として種々のコーティングおよび/またはバインダーに添加し得、あるいはコーティングおよび/またはバインダー中の主要なフィルム形成物質として供し得る。優れた水分散性および安定性に起因して、本発明に係るポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒は、水性コーティングおよびバインダーに特に好適である。
【実施例】
【0090】
以下の実施例1−7では、ポリマー/SiO2ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒およびポリマー/ドープSiO2ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒を調製し、ここで使用した第1のポリマーは中国特許出願公開第1530397A中の実施例1による方法によって調製したものである。詳細には、第1のポリマーの調製法には:20%の乳酸および0.1%のベンゾフェノンを酢酸エチルの溶媒に添加し、室温にて光源としてのエキシマレーザ(308nmの波長を有する)を照射し、30分間攪拌してポリマーを生成し、それを第1のポリマーとして供する。第1のポリマーは凍結乾燥して乾燥粉体を生成し、それを乾燥環境で保存した。
【0091】
実施例1:ポリマー/SiO2ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒
第1のポリマーの乾燥粉体10gを水100mlに分散し、それに30%ケイ酸カリウム水溶液800mlを添加し、均一に攪拌した。その混合物に10%希塩酸を滴下して3.5のpH値とし、ついでそれを100℃に加熱し40分間攪拌して、ポリマー/SiO2ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒を生成した。凍結乾燥時のコンポジットナノ顆粒1gは、水10ml中に最大でオリーブ油2gを安定化し得、すなわち2の油負荷率を有する。
【0092】
実施例2:ポリマー/SiO2−Tiナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒
第1のポリマーの乾燥粉体10gをエタノール/水(1:1の体積比)100mlに分散し、それに30%ケイ酸カリウム水溶液800mlを添加し、50℃にて1時間均一に攪拌し、それによって第1のポリマーによって修飾された安定なシリケートヒドロゾル系を得た。5%TiCl4水溶液(50ml)を添加し、10%希塩酸を3−4のpH値の混合溶液に滴下し、ついでそれを約100℃に加熱し40分間攪拌して、18nmの粒径を有するポリマー/SiO2−Tiナノ粒子からの最終コンポジットナノ顆粒を生成した(図1参照)。凍結乾燥時のコンポジットナノ顆粒1gは、水10ml中に10gまでのオリーブ油を安定化し得、すなわち10の油負荷率を有する。
【0093】
実施例3:ポリマー/SiO2−Znナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒
実施例3は、5%TiCl4水溶液50mlを5%ZnCl2水溶液50mlに変更した以外は実施例2と同一条件下で行った。最終的に、ポリマー/SiO2一Znナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒を得た。凍結乾燥時のコンポジットナノ顆粒1gは、水10ml中に5gのオリーブ油を安定化し得、すなわち5の油負荷率を有する。
【0094】
実施例4:ポリマー/SiO2−Tiナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒
実施例4は、実施例2で用いた第1のポリマー10gを100gまで増加させた以外は実施例2と同一条件下で行った。最終的に、ポリマー/SiO2一Tiナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒を得た。凍結乾燥時のコンポジットナノ顆粒1gは、水10ml中に30gのオリーブ油を安定化し得、すなわち30の油負荷率を有する。
【0095】
実施例5:ポリマー/SiO2−FeZnナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒
実施例5は、5%TiCl4水溶液50mlを4%Fe2(SO4)3水溶液25mlおよび1%ZnCl2水溶液25mlに変更した以外は実施例2と同一条件下で行った。最終的に、ポリマー/SiO2−FeZnナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒を得た。凍結乾燥時のコンポジットナノ顆粒1gは、水10ml中に6gのオリーブ油を安定化し得、すなわち6の油負荷率を有する。
【0096】
実施例6:ポリマー/SiO2−TiAlナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒
実施例6は、5%TiCl4水溶液50mlを5%TiCl4水溶液25mlおよび1%AlCl3水溶液25mlに変更した以外は実施例2と同一条件下で行った。最終的に、ポリマー/SiO2一TiAlナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒を得た。凍結乾燥時のコンポジットナノ顆粒1gは、水10ml中に15gのオリーブ油を安定化し得、すなわち15の油負荷率を有する。
【0097】
実施例7:ポリマー/SiO2−Tiナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒
実施例7は、実施例2で用いた30%ケイ酸カリウム水溶液800mlを30%シリカゾル800mlに変更し、10%KOH溶液を用いてpH値を3−4に調整した以外は実施例2と同一条件下で行った。最終的に、ポリマー/SiO2一Tiナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒を得た。凍結乾燥時のコンポジットナノ顆粒1gは、水10ml中に8gのオリーブ油を安定化し得、すなわち8の油負荷率を有する。
【0098】
実施例8:二次コンポジットナノ顆粒
実施例1で調製した一次ナノ顆粒100gを水100gに分散し、それに、10%過硫酸アンモニウム15g、酢酸ビニル30g、アクリル酸エチル30gおよびヒドロキシブチルメタクリレート30gを順次添加し、高速で攪拌した。得られた溶液を水浴中、90℃まで加熱して1時間反応させ、それによって20%の固形分を有する二次コンポジットナノ顆粒の最終生成物を得た。
【0099】
実施例9:二次コンポジットナノ顆粒
実施例3で調製した一次ナノ顆粒20gを水100gに分散し、それに、過酸化ベンゾイル1g、メタクリル酸5g、酢酸ビニル30g、メタクリル酸メチル20gおよびアクリル酸イソオクチル10gを順次添加し、高速で攪拌した。得られた溶液を水浴中、90℃まで加熱して1時間反応させ、それによって30%の固形分を有する二次コンポジットナノ顆粒の最終生成物を得た。
【0100】
実施例10:二次コンポジットナノ顆粒
実施例2で調製した一次ナノ顆粒20gを水100gに分散し、それに、10%過硫酸アンモニウム13gを添加した。得られた溶液を500ml四穴煮沸フラスコに注ぎ、90℃の水浴中で攪拌し、その間に以下のモノマーの混合物を添加した:アクリル酸ブチル40g、メタクリル酸メチル40gおよびメタクリル酸。反応を90℃にて1時間行い、40%の固形分および20nmの粒径を有する二次コンポジットナノ顆粒の最終生成物を得た。
【0101】
実施例11:二次コンポジットナノ顆粒
実施例2で調製した一次ナノ顆粒12gを水100gに分散し、それに、10%過硫酸アンモニウム(開始剤)13gを添加した。得られた溶液を500ml四穴煮沸フラスコに注ぎ、90℃の水浴中で攪拌し、その間、溶液の温度が86℃を超えて上昇した場合に溶液に以下のモノマーの混合物を滴下し始めた:スチレン50g、アクリル酸ブチル120g、メタクリル酸メチル120gおよびヒドロキシエチル メタクリレート10g。滴下を約90℃の温度にて2時間行い、その後、溶液の温度を1時間維持し、55%の固形分を有する二次コンポジットナノ顆粒の最終生成物を得た。
【0102】
実施例12:二次コンポジットナノ顆粒
実施例5で調製した一次ナノ顆粒12gを水100gに分散し、それに、10%過硫酸アンモニウム13gを添加した。得られた溶液を500ml四穴煮沸フラスコに注ぎ、90℃の水浴中で攪拌し、その間、溶液の温度が86℃を超えて上昇した場合に溶液に以下のモノマーの混合物を滴下し始めた:スチレン50g、アクリル酸ブチル120g、メタクリル酸メチル120gおよびメタクリル酸ヒドロキシエチル10g。滴下を約90℃の温度にて約2時間行い、その後、溶液の温度を1時間維持し、69%の固形分を有する二次コンポジットナノ顆粒の最終生成物を得た。
【0103】
実施例13:三次コンポジットナノ顆粒
実施例5で調製した一次ナノ顆粒20gを水200gに分散し、それに、10%過硫酸アンモニウム12gを添加した。得られた溶液を500ml四穴煮沸フラスコに注ぎ、90℃の水浴中で攪拌し、その間、溶液の温度が86℃を超えて上昇した場合に溶液に以下のモノマーの混合物を滴下し始めた:スチレン50g、アクリル酸ブチル80gおよびメタクリル酸メチル20g。滴下を1時間で完了し、その後、20分間攪拌し、水浴中で90℃に再加熱し、以下のモノマーの混合物を混合溶液に滴下した:スチレン50g、アクリル酸ブチル20gおよびメタクリル酸メチル20g。滴下を約40分で完了し、その後、温度を2時間維持し、冷却し、それによって50%の固形分および92nmの平均粒径を有する三次コンポジットナノ顆粒の最終生成物を得た(図2参照)。
【0104】
実施例14:四次コンポジットナノ顆粒
実施例2で調製した一次ナノ顆粒20gを水100gに分散し、それに、10%過硫酸アンモニウム8gを添加した。得られた溶液を500ml四穴煮沸フラスコに注ぎ、90℃の水浴中で攪拌し、その間、溶液の温度が86℃を超えて上昇した場合に溶液に以下のモノマーの混合物を滴下し始めた:シス−ブタジエン5g、メタクリル酸メチル20g、アクリル酸ブチル50gおよび酢酸ビニル20g。滴下を1時間で完了し、その後、さらに20分間攪拌し、水100gおよび10%過硫酸アンモニウム5gを補充し、水浴中で90℃に再加熱し、以下のモノマーの混合物を混合溶液に滴下した:ジビニルベンゼン5g、スチレン20g、メタクリル酸ブチル50g、メタクリル酸メチル20g。滴下を1時間で完了し、その後、攪拌下で温度を20分間維持し、水100gおよび10%過硫酸アンモニウム5gを補充し、水浴中で90℃に再加熱し、以下のモノマーの混合物を混合溶液に滴下した:スチレン50g、メタクリル酸メチル20gおよびアクリル酸エチル20g。滴下を1時間で完了し、その後、温度を1時間維持し、冷却し、それによって60%の固形分および5μmの平均粒径を有する四次コンポジットナノ顆粒の最終生成物を得た。
【0105】
実施例15:
主要なフィルム形成物質として本発明の実施例11で得たポリマー/無機ナノ粒子からの二次コンポジットナノ顆粒を用いることによって以下の処方からコーティング生成物を得た。
【0106】
処方:コンポジットナノ顆粒100g、二酸化チタン粉体60g、ケイ素微粉体20g、マイカ粉体10g、エタノール30gおよび適量の顔料。
【0107】
このコーティング生成物は、セメントの基材と一緒に、河岸およびダム用の防水コーティング処理に適用し得る。短時間の漸次的下降でダムまたは河岸に迅速にコーティングする必要があるため、コーティングは短時間のうちに乾燥し、潮汐の間の20時間にのぼる浸漬および水流を耐えることができる極めて高い防水性を有しなければならない。試験の際、コーティング生成物は以下の技術的仕様を有していた:
(1)適用し易さ
(2)迅速な乾燥 70%湿度下で、それは5℃〜15℃にて40分未満の表面乾燥時間を有し;15℃〜30℃にて25分未満の表面乾燥時間を有し;および30℃を超えては20分未満の表面乾燥時間を有する。
(3)極めて高い防水性 コーティング剤は表面乾燥直後に極めて高い防水性を有する。それは、退色、クラック、バブリング、剥離、削剥ほかのような欠陥なしに、100kg高圧水ジェットによる2分の水流、30日の浸漬および水流に耐えることができる。それはセメントに対して強力な固着を有し、04番サンドペーパーによって研磨しても取り除くことができない。水中で15分間煮沸した場合にはコーティングは作用しないであろう。
【0108】
実施例16:木材塗装における適用
主要なフィルム形成物質として本発明の実施例13で得たポリマー/無機ナノ粒子からの四次コンポジットナノ顆粒を用いることによって、以下の処方から水性木材塗料生成物を得た。
【0109】
処方:コンポジットナノ顆粒100g、湿潤剤1g、DEEフィルム形成助剤4g、39235Sワックス3g、51AD抗スクラッチ剤0.5g、少量の消泡剤および410艶消し剤0.1g。
【0110】
水性木材塗料は、強力な固着、強力な顔料濡れ性、高い粉体負荷率、高い彩度、高い光沢、黄色染み(yellow-stain)耐性ほかの利点を有する。
【0111】
実施例17:医薬分散剤
実施例10で調製した二次コンポジットナノ顆粒0.3gを水1mlに分散し、それにアストラガロシドA(植物抽出物)の粉体40mgおよびダイズ油1mlを添加し、均一に攪拌した。合計体積10mlまで得られた溶液に純水を添加し、その溶液を30分間高圧ホモジナイザーで分散させてアストラガロシドAの分散液を得た(図3参照)。
【0112】
得られたアストラガロシドAの分散液をマウスに胃内投与し、投与後に異なる時間に採取した血液を用いてアストラガロシドAの血液濃度を測定し、経口投与による医薬のバイオアベイラビリティーを最終的に計算した。驚くべきことに、分散液調製物のバイオアベイラビリティーは、同一の医薬の粉体懸濁液のものの9倍であった。
【0113】
実施例18:防水性を有する水性アクリル酸系樹脂コーティング
フィルム形成マトリクスの乳化物の調製物:実施例2で調製した一次ナノ顆粒120kgおよび過硫酸アンモニウム5.3kgを水800kgに添加し、ついでその溶液を85℃に加熱し、それに攪拌しつつモノマーの混合物900kgを添加した。10分後に、一次コンポジットナノ顆粒40kgおよびアクリル酸15kgの水溶液を同時に2時間にわたって滴下し、その後に温度を1時間維持してフィルム−形成マトリクスの乳化物として作用する二次コンポジットナノ顆粒を得た。モノマーの混合物は以下の組成を有する:
スチレン 15%
アクリル酸ブチル 67%
メタクリル酸メチル 17%
ジアセトンアクリルアミド 1%
【0114】
フィルム形成マトリクスの得られた乳化物を、以下の処方の他の成分と混合し、1時間攪拌して防水コーティングを得た:
フィルム形成マトリクスの乳化物 100重量部
アンモニア pH≒8.5とするのに適量
DEE(Rhodia社からのフィルム形成助剤) 1.5重量部
R996ルチル型二酸化チタン粉体 35重量部
沈殿硫酸バリウム(1250メッシュ) 12重量部
ケイ素微粉体(1500メッシュ) 10重量部
【0115】
中国国家標準(Chinese National Standard)GB/T 9755−2001によれば、1392時間の防水試験(かかる標準に従えば、ハイクラスの防水コーティングの標準防水は92時間試験した後に異常がない)に付した後に得られた防水コーティングによって形成したフィルムに異常は全く認められず、2435時間の耐候試験(標準に従えば、600時間の耐候に付した後にハイクラス防水コーティングの標準的な耐候はバブリング、剥離、クラック、チョーキングまたは退色が認められない)に付した後にフィルムに異常は全く認められなかった。従来の水性アクリル樹脂乳化コーティングと比較して、本発明の防水コーティングは大量の界面活性剤を必要とせず、それによって、高湿または水浸透環境下の界面活性剤の消失によって引き起こされる表面欠陥を回避し、優れた防水特性および耐候性を有する。
【0116】
実施例19:水性アクリル酸系樹脂木材コーティング
フィルム形成マトリクスの乳化物の調製:実施例2で調製した一次コンポジットナノ顆粒27kgおよび過硫酸アンモニウム1kgを水140kgに添加し、それを86℃まで加熱し、攪拌下、モノマーの混合物(1)90kgを滴下した。ついで、モノマーの混合物(2)130kgを、攪拌下、90分以内に溶液に滴下し、つづいて50℃に冷却し、10%アジピン酸ジヒドラジド16gを添加し、さらに冷却し、濾過して、フィルム形成マトリクスの乳化物として作用する三次コンポジットナノ顆粒を得た。
【0117】
モノマーの混合物(1)は以下の組成を有する:
スチレン 30%
アクリル酸ブチル 33%
メタクリル酸メチル 32%
ジアセトンアクリルアミド 5%
【0118】
モノマーの混合物(2)は以下の組成を有する:
スチレン 26%
アクリル酸ブチル 23%
メタクリル酸メチル 47%
ジアセトンアクリルアミド 4%
【0119】
室内水性木材コーティング(Bクラス)のHG/T3828−2006の試験標準によれば、得られたコーティングは30分未満の表面乾燥時間、6時間未満のハード乾燥時間、87にのぼる光沢、Fの硬度、70°以上に対する乾燥高温耐性、および75°を超える抗−固着温度を有していた。
【0120】
それに対して、アクリル酸系樹脂、ポリウレタン修飾アクリル酸樹脂、ポリウレタンほかのような市場において現在入手可能な水性木材コーティング樹脂は、コーティングの機械的強度、硬さおよび抗−固着性の観点から理想的でない。さらに、それらは、艶、防水、および界面活性剤の存在に起因するコーティングの腐食耐性に良好でない。
【0121】
実施例20:優れた防錆効果を有する水性アクリル酸系樹脂金属コーティング
フィルム形成マトリクスの乳化物の調製:実施例3で調製した一次コンポジットナノ顆粒7kg、2,2,4一トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノ−イソブチレート 5kgおよび過硫酸アンモニウム1.2を水140kgに添加し、それを85℃まで加熱し、攪拌下、60分以内に、モノマーの混合物(1)170kgを滴下した。ついで、攪拌下、90分以内に、溶液にモノマーの混合物(2)200kgを滴下し、つづいて90℃に1時間維持し、冷却して、フィルム形成マトリクスの乳化物として供する三次コンポジットナノ顆粒を得た。
【0122】
モノマーの混合物(1)は
スチレン 40%
アクリル酸ブチル 38%
メタクリル酸メチル 19%
ジアセトンアクリルアミド 3%
の組成を有する。
【0123】
モノマーの混合物(2)は
スチレン 35%
アクリル酸ブチル 42%
メタクリル酸メチル 18%
ジアセトンアクリルアミド 5%
の組成を有する。
【0124】
特性評価:
1.各時間について10分間隔で6回、上記乳化物プライマーでスチールプレートの表面をコートし;
2.乳化物および二酸化チタン粉体を4:1の比で混合し、各層12時間間隔で3層を乳化物プライマー上にコートし、7日間維持し;
3.耐腐食浸漬実験の結果:
1)ブリスタリングまたは錆が観察されることなく、スチールプレートを強アルカリ溶液(5%NaOH溶液)に7日間浸漬し;
2)ブリスタリングまたは錆が観察されることなく、スチールプレートを強酸性溶液(5%硫酸)に7日間浸漬し;
3)ブリスタリングまたは錆が観察されることなく、スチールプレートを高塩溶液(3%NaCl)に7日間浸漬し;
4)スチールプレートを有機溶媒に48時間浸漬し(石油/トルエン:8/2)、コーティングはブリスタリングまたは錆が観察されることなく無傷であった。
【0125】
従来の水性防錆コーティング材料は水性エポキシド樹脂、水性アクリル酸系樹脂、水性ポリペプチドアニリン樹脂ほかを含み、そのうちでアクリル酸系ポリマーがその高密度、可撓性、耐腐食性、耐−UV照射における優れた特性に起因して防錆コーティング基材樹脂の研究において焦点が当てられている。しかしながら、耐腐食性を改善する目的のため、コーティングとスチール基材との間の導電性および遮蔽特性が保証されるように使用の間に大量の亜鉛粉体が添加され、カソード保護として供していた。したがって、それに含まれる金属亜鉛および重金属からの無視し得ない環境汚染が存在する。それに対して、アクリル酸系樹脂の上記乳化物は、空気を単離することによって極めて高い防水効果を達成しながら、いずれの金属物質を添加することなく、優れた防錆効果を達成し得る。さらに、乳化物によって形成されたコーティングフィルムは、金属物質に対する高い固着性、防水性および酸、アルカリ、有機溶媒、腐食、UV照射に対する耐性の優れた特性を有する。
【0126】
本発明は例示によって記載している。しかしながら、本発明がこれらの形態に限定されるものでないことは理解される。本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者により種々の修飾または変化を作製することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1の無機ナノ粒子および第1のポリマーを含む、ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒であって、ここに少なくとも1の無機ナノ粒子は第1のポリマーにカプセル化および/または結合されており、ここに少なくとも1の無機ナノ粒子はドーピング元素を含む二酸化ケイ素のナノ粒子であり、ここに該ドーピング元素は鉄、アルミニウム、ケイ素、リチウム、ナトリウム、カリウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、ガリリウム、インジウム、ゲルマニウム、セレン、鉛、窒素、リン、ヒ素、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、バナジウム、チタン、マンガンおよびそれらのいずれかの組合せ、好ましくは鉄、アルミニウム、チタンおよびそれらのいずれかの組合せから選択される該コンポジットナノ顆粒。
【請求項2】
ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒が1−1000nmの平均粒径を有する請求項1記載のポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒。
【請求項3】
第1のポリマーが、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基およびアミノ基から選択される1またはそれを超える親水性基を含む請求項1または2記載のポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒。
【請求項4】
第1のポリマーが、少なくとも部分的に分枝または架橋したポリ乳酸または乳酸とC2−27脂肪酸、C2−27脂肪アルコール、糖質および/またはアミノ酸とのコポリマーである請求項1ないし3のいずれか1項に記載のポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒。
【請求項5】
糖質がスクロース、ラクトース、トレハロース、キトサン、マンノース、グルコース、ガラクトース、マルトースから選択され;アミノ酸がグリシン、リシン、ロイシン、アルギニン、シスチン、システイン、ヒスチジン、トリプトファン、イソロイシン、アラニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、メチオニン、バリン、チロシン、アスパラギン酸、およびそれらのいずれかの組合せから選択される請求項1ないし4のいずれか1項に記載のポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒。
【請求項6】
第1のポリマーが1−50重量%の線状ポリマー、5−60重量%の分枝型ポリマーおよび5−60重量%の架橋型ポリマーを含む請求項1ないし5のいずれか1項に記載のポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒。
【請求項7】
少なくとも1の無機ナノ粒子、第1のポリマー、第2のポリマーおよび所望により第3のポリマーないしN番目のポリマーを含むポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒であって、ここにNは3ないし20の整数であり、少なくとも1の無機ナノ粒子は第1のポリマーにカプセル化および/または結合して一次コンポジットナノ顆粒を形成し、第2のポリマーは一次コンポジットナノ顆粒に位置および/または結合して二次コンポジットナノ顆粒を形成し、第3のポリマーは二次コンポジットナノ顆粒に位置および/または結合して三次ナノ顆粒を形成し、同様にして、N番目のポリマーは(N−1)番目のコンポジットナノ顆粒に位置および/または結合してN番目のコンポジットナノ顆粒を形成する該コンポジットナノ顆粒。
【請求項8】
ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒が1−1000nmの平均粒径を有する請求項7記載のポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒。
【請求項9】
第1のポリマーが、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、アミノ基およびそれらの組合せから選択される親水性基を含むポリマーから選択される請求項7または8記載のポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒。
【請求項10】
第1のポリマーが、少なくとも部分的に分枝または架橋したポリ乳酸または乳酸とC2−27脂肪酸、C2−27脂肪アルコール、糖質および/またはアミノ酸とのコポリマーである請求項7ないし9のいずれか1項に記載のポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒。
【請求項11】
糖質がスクロース、ラクトース、トレハロース、キトサン、マンノース、グルコース、ガラクトース、マルトースから選択され;アミノ酸がグリシン、リシン、ロイシン、アルギニン、シスチン、システイン、ヒスチジン、トリプトファン、イソロイシン、アラニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、メチオニン、バリン、チロシン、アスパラギン酸、およびそれらのいずれかの組合せから選択される請求項7ないし10のいずれか1項に記載のポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒。
【請求項12】
第1のポリマーが1−50重量%の線状ポリマー、5−60重量%の分枝型ポリマーおよび5−60重量%の架橋型ポリマーを含む請求項7ないし11のいずれか1項に記載のポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒。
【請求項13】
無機ナノ粒子が、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、セレン化カドミウム、酸化ジルコニウムおよびそれらのいずれかの組合せから選択される請求項7ないし12のいずれか1項に記載のポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒。
【請求項14】
無機ナノ粒子が、さらに、鉄、アルミニウム、ケイ素、リチウム、ナトリウム、カリウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、ガリウム、インジウム、ゲルマニウム、セレン、鉛、窒素、リン、ヒ素、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、バナジウム、チタン、マンガンおよびそれらの組合せから、および好ましくは鉄、アルミニウム、チタンおよびそれらの組合せから選択されるドーピング元素を含む請求項7ないし13のいずれか1項に記載のポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒。
【請求項15】
第2ないしN番目のポリマーが互いに同一または異なり、独立してビニルモノマーのホモポリマーまたはコポリマーである請求項7ないし14のいずれか1項に記載のポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒。
【請求項16】
ビニルモノマーが、α−オレフィン、塩化ビニル、アクリロニトリル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、(メタ)アクリル酸のC1−20アルキルエステル(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸オクタデシルなど)、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン、イソシアネート化合物、スチレン、安息香酸ビニル、イソオクチルエステル、2−クロロ−2−フッ化エチレン、桂皮酸メチル、マレイン酸、2,4−ジクロロスチレン、ジメチルプロピレンエーテル、メタクリル酸、無水マレイン酸、ビニルアルキルエーテル、塩化ビニリデン、塩化アクリル酸メチル、4−N,N−ジメチルアミノ−2−クロロスチレン、4−クロロスチレン、メチルエチレングリコール、メタクリルアミドジメチルアミン、ステアリン酸ビニル、2−メチルペンチルエチレン、メチルアクリルアミドm−トルイジン、トリフルオロ−メチルエチレン、イソプロペニルメチルケトン、3−フルオロ−4−トリフルオロメチルエチレン、ジメチルプロペニルアミン、硫化ジビニル、ベンジリデン−チエニルエチルケトン、イソプロピルメチルケトン、酢酸ビニル、ジシクロペンタジエン、ベンジリデン−フェネチルケトン、フルフリルアセトン、オクチル酸ビニル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、およびそれらの組合せから選択される請求項15記載のポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒。
【請求項17】
第1のポリマーおよび第2のポリマーが、グラフトコポリマー、架橋型コポリマー、海島構造、相互貫入ポリマーネットワークまたは半−相互貫入ポリマーネットワークを形成する請求項7ないし16のいずれか1項に記載のポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒。
【請求項18】
第1のポリマー、第2のポリマーおよび第3のポリマーないし所望によりN番目のポリマーが、グラフトコポリマー、架橋型コポリマー、海島構造、相互貫入ポリマーネットワークまたは半−相互貫入ポリマーネットワークを形成する請求項7ないし17のいずれか1項に記載のポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒。
【請求項19】
無機ナノ粒子に対する第1のポリマーの重量比が100:1ないし1:100であって、無機ナノ粒子に対する第2ないしN番目のポリマーの重量比が、各々、1000:1ないし1:1000である請求項7ないし18のいずれか1項に記載のポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒。
【請求項20】
1)第1のポリマーを提供し;ついで
2)第1のポリマーに無機ナノ粒子を形成するか、または、第1のポリマーに、形成した無機ナノ粒子をカプセル化、堆積および/または吸着させる
ことを含む請求項1ないし6のいずれか1項に記載のポリマー/無機ナノ粒子からコンポジットナノ顆粒を調製する方法。
【請求項21】
1)第1のポリマーを提供し;
2)一次コンポジットナノ顆粒を形成するように、第1のポリマーに無機ナノ粒子を形成するか、または、第1のポリマーに、形成した無機ナノ粒子をカプセル化、堆積および/または吸着させ;
3)一次コンポジットナノ顆粒に第2のポリマーを形成して、二次コンポジットナノ顆粒を形成し;ついで
4)所望により、(N−1)番目のコンポジットナノ顆粒にN番目のポリマーを順次形成して、N番目のコンポジットナノ顆粒を形成することを含み、ここにNは3ないし20の整数である請求項7ないし19のいずれか1項に記載のポリマー/無機ナノ粒子からコンポジットナノ顆粒を調製する方法。
【請求項22】
請求項1ないし19のいずれか1項に記載のポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒を含む組成物。
【請求項23】
ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒によって安定化された疎水性分散相および水性連続相を含む請求項1ないし19のいずれか1項に記載のポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒によって安定化された分散液。
【請求項24】
分散相が農薬の有効成分、医薬の有効成分、化粧品の有効成分、重合性モノマーの成分、ポリマーの成分、またはそれらの組合せを含む請求項23記載の分散液。
【請求項25】
農薬の有効成分が、トリアゾフォス、ダイアジノン、クロルピリホス、シペルメトリン、アセトクロルおよびフィプロニルから選択される請求項24記載の分散液。
【請求項26】
医薬の有効成分がタキソール、アストラガロシドAおよびrebescensine Aから選択される請求項24記載の分散液。
【請求項27】
請求項1ないし19のいずれか1項に記載のポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒を含む水性コーティング。
【請求項28】
ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒が、水性コーティングの主要なフィルム形成材料である請求項27記載の水性コーティング。
【請求項29】
ポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒が分散相に存在する請求項27または28記載の水性コーティング。
【請求項30】
水性コーティングを防水コーティング、木製品コーティングまたは抗−金属腐食コーティングとして使用する請求項27ないし29のいずれか1項に記載の水性コーティング。
【請求項31】
疎水性の液体および/または固体を親水性相に分散させるための、請求項1ないし19のいずれか1項に記載のポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒の使用。
【請求項32】
親水性相中の疎水性の液体および/または固体の分散した相を安定化させるための、請求項1ないし19のいずれか1項に記載のポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒の使用。
【請求項33】
親水性相中の分散重合用のテンプレートとしての、請求項1ないし19のいずれか1項に記載のポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒の使用。
【請求項34】
親水性相中の乳化重合用の乳化剤としての、請求項1ないし19のいずれか1項に記載のポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒の使用。
【請求項35】
1)水性媒体を提供し;
2)1またはそれを超える疎水性の液体および/または固体を提供し;ついで
3)該水性媒体中で、1またはそれを超える疎水性の液体および/または固体ならびに請求項1ないし19のいずれか1項に記載のポリマー/無機ナノ粒子からのコンポジットナノ顆粒を均質化する
ことを含む、水性媒体中に疎水性の液体および/または固体を分散させる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−526863(P2012−526863A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510100(P2012−510100)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【国際出願番号】PCT/CN2010/072657
【国際公開番号】WO2010/130206
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(511274868)無錫納奥新材料科技有限公司 (1)
【Fターム(参考)】