説明

ポリ乳酸樹脂組成物

【課題】靭性が向上したポリ乳酸樹脂組成物の提供。
【解決手段】ポリ乳酸樹脂と、下記一般式(1)で表される有機アミン及び/又は下記一般式(2)で表される有機アンモニウムで有機化された層状粘土鉱物とを含有するポリ乳酸樹脂組成物。


[式(1)及び(2)中、R1及びR5は炭素数が5〜23のアルキル基を示し、R2及びR6は炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキレン鎖を示し、R3、R4、R7、R8、及びR9は同一又は異なり水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基を示す。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機化された層状粘土鉱物を含むポリ乳酸樹脂組成物、及び有機化された層状粘土鉱物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどの石油を原料とする汎用樹脂は、良好な加工性及び耐久性等の性質から、日用雑貨、家電製品、自動車部品、建築材料あるいは食品包装などの様々な分野に使用されている。しかしながら、これらの樹脂製品は、役目を終えて廃棄する段階で良好な耐久性が欠点となり、自然界における分解性に劣るため、生態系に影響を及ぼす可能性がある。
【0003】
このような問題を解決するために、熱可塑性樹脂で生分解性を有する生分解性樹脂組成物が開発されている。生分解性樹脂組成物としては、ポリ乳酸、及び乳酸と他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸とのコポリマーなどのポリ乳酸系樹脂、並びに、脂肪族多価アルコールと脂肪族多価カルボン酸から誘導される脂肪族ポリエステルなどがある。これらの生分解性樹脂組成物の中でもポリ乳酸系樹脂は、石油を原料とする汎用樹脂の代替として期待されている。なぜなら、ポリ乳酸系樹脂の原料となるL−乳酸は、トウモロコシ、芋等から抽出した糖分を用いて発酵法により生産されるため安価であり、自然農作物なので総二酸化炭素排出量が極めて少ないからである。
【0004】
生分解性樹脂組成物の生分解速度、剛性、結晶化速度といった特性の向上を目的として、有機化剤で有機化された層状粘土鉱物をポリ乳酸に添加したポリ乳酸樹脂組成物が提案されている。特許文献1は、層状ケイ酸塩を有機カチオンで処理して得られる有機粘土複合体を含有し、引裂強度に優れる脂肪族ポリエステル組成物を開示する。特許文献2は、有機オニウム化合物で有機化された層状粘土鉱物を含有し、剛性に優れる生分解性樹脂組成物を開示する。特許文献3は、有機オニウム化合物で有機化された層状粘土鉱物を含有し、結晶速度、耐熱性、成形性、及び離型性に優れるポリ乳酸複合材料を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−17157号公報
【特許文献2】特開2001−89646号公報
【特許文献3】特開2003−226801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、加工性の向上及び使用用途の拡大のため、ポリ乳酸樹脂組成物には靭性(じん性)の向上が期待されている。
【0007】
本発明は、靭性の向上したポリ乳酸樹脂組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ポリ乳酸樹脂と下記一般式(1)で表される有機アミン及び/又は下記一般式(2)で表される有機アンモニウムで有機化された層状粘土鉱物とを含有するポリ乳酸樹脂組成物に関する。
【0009】
【化1】

[式(1)及び(2)中、R1及びR5は炭素数が5〜23のアルキル基を示し、R2及びR6は炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキレン鎖を示し、R3、R4、R7、R8、及びR9は同一又は異なり水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基を示す。]
【0010】
本発明は、その他の態様において、一般式(1)で表される有機アミン及び/又は一般式(2)で表される有機アンモニウムで有機化された層状粘土鉱物に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、優れた靭性を発揮しうるポリ乳酸樹脂組成物を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、ポリ乳酸樹脂と、一般式(1)で表される有機アミン及び/又は一般式(2)で表される有機アンモニウムで有機化された層状粘土鉱物とを複合化して得られうるナノハイブリッド材料(ポリ乳酸樹脂組成物)が、予想を超えて靭性向上を示すという知見に基く。そのようなポリ乳酸樹脂組成物において靭性が向上するメカニズムの詳細は不明であるが、以下の様に推定される。ポリ乳酸のカルボン酸エステル基とカルボン酸アミド基は水素結合により強固に相互作用をすることが知られているが、さらにカルボン酸エステル基とカルボン酸アミド基の複分解が起こることも知られている。複分解による部分的なポリ乳酸の分子量の低下が靭性向上に寄与するものと推定される。一方、ポリ乳酸にアミノ基及び/又はアンモニウム基が導入されることによりポリ乳酸が層状粘土鉱物と直接相互作用すると考えられている。このことがナノハイブリッド材料の強度向上に寄与するため、部分的なポリ乳酸の分子量の低下による強度の低下を相殺している可能性がある。
【0013】
すなわち、本発明は、一つの態様において、ポリ乳酸樹脂と一般式(1)で表される有機アミン及び/又は一般式(2)で表される有機アンモニウムで有機化された層状粘土鉱物とを含有するポリ乳酸樹脂組成物(以下、本発明のポリ乳酸樹脂組成物ともいう。)に関する。本発明のポリ乳酸樹脂組成物によれば、靭性が向上したポリ乳酸樹脂の成形品を製造できるという効果が奏される。
【0014】
[靭性]
本明細書において、靭性(じんせい)とは、材料のねばり強さ、すなわち外力に抗して破壊しにくい性質をいい、特に言及のない場合は、ポリ乳酸樹脂における靭性をいう。靭性が向上することにより、成型時の外力による破壊が起こりにくいという利点がある。靭性は、引っ張り試験(JIS K7127:1999)で評価でき、具体的には実施例の方法で評価できる。
【0015】
[ポリ乳酸樹脂]
本明細書において、ポリ乳酸樹脂とは、ポリ乳酸、及び/又は、乳酸とヒドロキシカルボン酸とのコポリマーをいう。本発明で使用されるポリ乳酸樹脂は、自然界において微生物が関与して低分子化合物に分解される生分解性を有していればよく、特に限定されるものではない。
【0016】
乳酸とヒドロキシカルボン酸とのコポリマーにおいて、ヒドロキシカルボン酸としては、靭性向上の観点から、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸等が好ましく、グリコール酸、ヒドロキシカプロン酸がより好ましい。
【0017】
ポリ乳酸の分子構造は、靭性向上の観点から、L−乳酸又はD−乳酸いずれかの単位80〜100モル%とそれぞれの対掌体の乳酸単位0〜20モル%からなることが好ましく、90〜100モル%とそれぞれの対掌体の乳酸単位0〜10モル%からなることがより好ましく、98〜100モル%とそれぞれの対掌体の乳酸単位0〜2モル%からなることがさらに好ましい。また、乳酸とヒドロキシカルボン酸とのコポリマーの分子構造は、靭性向上の観点から、L−乳酸又はD−乳酸いずれかの単位85〜100モル%とヒドロキシカルボン酸単位0〜15モル%からなるものが好ましい。
【0018】
ポリ乳酸樹脂は、L−乳酸、D−乳酸及びヒドロキシカルボン酸の中から必要とする構造のものを選んで原料とし、脱水重縮合することにより得ることができる。好ましくは、乳酸の環状二量体であるラクチド、グリコール酸の環状二量体であるグリコリド及びカプロラクトン等から必要とする構造のものを選んで開環重合することにより得ることができる。ラクチドにはL−乳酸の環状二量体であるL−ラクチド、D−乳酸の環状二量体であるD−ラクチド、D−乳酸とL−乳酸とが環状二量化したメソ−ラクチド及びD−ラクチドとL−ラクチドとのラセミ混合物であるDL−ラクチドがある。本発明ではラクチドとしては特に限定されないが、靭性向上の観点から、L−ラクチドが好ましい。
【0019】
ポリ乳酸樹脂の重量平均分子量は、成形体の機械的強度の観点から、50,000以上であることが好ましく、成形時の流動性の観点から400,000以下であることが好ましい。また、ポリ乳酸樹脂の重量平均分子量は、さらに靭性向上の観点から、50,000〜400,000が好ましく、より好ましくは100,000〜200,000である。なお、本明細書において、ポリ乳酸樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用い、下記条件で測定できる。
溶媒:クロロホルム
カラム:高温SECカラム(GMHHR−Hシリーズ、東ソー社製)
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出器:示差屈折率検出器(RI)
リファレンス:既知の分子量を有するスチレン
【0020】
ポリ乳酸樹脂は、市販されているポリ乳酸樹脂も使用できる。例えば、デュポン社製、商品名バイオマックス;BASF社製、商品名Ecoflex;EastmanChemicals社製、商品名EasterBio;昭和高分子社製、商品名ビオノーレ;日本合成化学工業社製、商品名マタービー;トヨタ自動車社製、商品名エコプラスチックU’z;三井化学社製、商品名レイシア;日本触媒社製、商品名ルナーレ;チッソ社製、商品名ノボン;ネイチャーワークス社製、商品名Nature works等が挙げられる。これらの中も、靭性向上の観点から、三井化学社製、商品名レイシア;トヨタ自動車社製、商品名エコプラスチックU’z;ネイチャーワークス社製、商品名Nature worksが好ましい。
【0021】
[有機化された層状粘土鉱物]
本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、靭性向上の観点から、有機化された層状粘土鉱物を含有する。有機化された層状粘土鉱物における層状粘土鉱物としては、一般式(1)で表される有機アミン及び/又は一般式(2)で表される有機アンモニウムが結合できるものを使用できる。
【0022】
有機化された層状粘土鉱物に使用できる層状粘土鉱物としては、具体的には、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト族;カオリナイト、ハロサイト等のカオリナイト族;ジオクタヘドラルバーミキュライト、トリオクタヘドラルバーミキュライト等のバーミキュライト族;テニオライト、テトラシリシックマイカ、マスコバイト、イライト、セリサイト、フロゴバイト、バイオタイト等のマイカ等が挙げられる。これらの層状粘土鉱物は、天然鉱物であってもよく、水熱合成、溶融法、固相法等による合成鉱物であってもよい。また、層状粘土鉱物は、単独で用いてもよく或いは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0023】
有機化された層状粘土鉱物に使用できる層状粘土鉱物は、有機アミン及び/又は有機アンモニウムが吸着しやすいことから、陽イオン交換容量が30meq/100g以上であることが好ましい。さらに靭性向上の観点から、層状粘土鉱物は、陽イオン交換容量が30〜300meq/100gであることが好ましく、50〜300meq/100gであることがより好ましい。なお、層状粘土鉱物の陽イオン交換容量は日本ベントナイト工業界標準試験方法のJBAS―106−77として制定されている方法にて測定される。
【0024】
本発明のポリ乳酸樹脂組成物における有機化された層状粘土鉱物は、上述した粘土鉱物を、一般式(1)で表される有機アミン及び/又は一般式(2)で表される有機アンモニウムで有機化したものである。なお、本明細書において有機化とは、有機物を層状粘土鉱物の層間及び/又は表面に物理的及び/又は化学的方法(好ましくは化学的方法)により吸着及び/又は結合させることを意味する。
【0025】
【化2】

[式(1)及び(2)中、R1及びR5は炭素数が5〜23のアルキル基を示し、R2及びR6は炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキレン鎖を示し、R3、R4、R7、R8、及びR9は同一又は異なり水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基を示す。]
【0026】
一般式(1)及び(2)におけるカルボン酸アミド基は、樹脂のエステル基と相互作用し、有機化された層状粘土鉱物の分散を促進すると共に、ポリ乳酸樹脂組成物等の樹脂の靭性の向上に寄与すると考えられる。また、これらの有機アミン及び/又は有機アンモニウムは、層状粘土鉱物を有機化してその層間距離を広げ、これにより、靭性の向上とともに、樹脂及び層状粘土鉱物の分散均一性の向上に寄与すると考えられる。
【0027】
層状粘土鉱物の有機化に使用される一般式(1)で表される有機アミンは1種類であってもよく或いは2種以上の組み合わせであってもよい。2種類以上の組み合わせとしては、R1の炭素数が異なる該有機アミンの組み合わせが挙げられる。また、層状粘土鉱物の有機化に使用される一般式(2)で表される有機アンモニウムは1種類であってもよく或いは2種以上の組み合わせであってもよい。2種類以上の組み合わせとしては、R5の炭素数が異なる該有機アンモニウムの組み合わせが挙げられる。さらに、有機化には、これらの有機アミン及び有機アンモニウムを組み合わせて用いても良い。
【0028】
上記一般式(1)及び(2)中、R1及びR5はアルキル基であって、その炭素数は、靭性向上の観点から、5〜23であって、好ましくは7〜21である。
【0029】
上記一般式(1)及び(2)中、R1CO−及びR5CO−はアシル基を示すが、靭性向上の観点から、炭素数8〜18の飽和又は不飽和アシル基が好ましい。具体的には、該アシル基は、靭性向上の観点から、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、ドコサン酸、リノール酸、2−エチルヘキサン酸、2−オクチルウンデカン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、パームステアリン脂肪酸、牛脂脂肪酸等から誘導されるアシル基が好ましく、より好ましくは、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、パームステアリン脂肪酸、牛脂脂肪酸から誘導されるアシル基である。
【0030】
層状粘土鉱物を有機化してその層間距離を拡げる観点で、該アシル基のアルキル鎖長は長いことが好ましい一方で、ポリ乳酸のカルボン酸エステル基と有機アミン及び/又は有機アンモニウムのカルボン酸アミド基の相互作用の観点では、該アシル基のアルキル鎖長は短いことが好ましい。アルキル鎖長が長い有機アミン及び/又は有機アンモニウムとアルキル鎖長が短い有機アミン及び/又は有機アンモニウムの好ましい点を併せ持つ点で、層状粘土鉱物の有機化には、アシル基のアルキル鎖長が異なる一般式(1)で表される有機アミン及び/又はアシル基のアルキル鎖長が異なる一般式(2)で表される有機アンモニウムの混合物が用いられることが好ましい。このような有機アミン及び/又は有機アンモニウムのアシル基として、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、パームステアリン脂肪酸、牛脂脂肪酸等から誘導されるアシル基が好ましく、より好ましくはヤシ油脂肪酸から誘導されるアシル基である。これらの脂肪酸のアシル基の炭素結合に2重結合がある場合は、水素で硬化してから誘導してもよい。
【0031】
上記一般式(1)及び(2)中、R2及びR6は直鎖もしくは分岐のアルキレン鎖を示し、その炭素数は、靭性向上の観点から、1〜6であって、好ましくは2〜3である。
【0032】
上記一般式(1)及び(2)中、R3、R4、R7、R8、及びR9は、同一又は異なり、水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基を示す。該アルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基)、直鎖又は分岐鎖状のペンチル基、直鎖又は分岐鎖状のヘキシル基、直鎖又は分岐鎖状のヘプチル基、直鎖又は分岐鎖状のオクチル基、直鎖又は分岐鎖状のノニル基、直鎖又は分岐鎖状のデシル基、直鎖又は分岐鎖状のウンデシル基、直鎖又は分岐鎖状のドデシル基、直鎖又は分岐鎖状のトリデシル基、直鎖又は分岐鎖状のテトラデシル基、直鎖又は分岐鎖状のペンタデシル基、直鎖又は分岐鎖状のオクタデシル基等が挙げられる。該アルキル基は、靭性向上の観点から、当該アルキル基の炭素数は1〜4であることが好ましい。
【0033】
有機化された層状粘土鉱物における一般式(1)で表される有機アミン及び/又は一般式(2)で表される有機アンモニウムの含有量は、層状粘土鉱物の層間距離が十分に広がって分散均一性が向上する観点から、層状粘土鉱物100重量部に対して10重量部以上であることが好ましい。また、物理吸着によって導入される有機アミン塩又は有機アンモニウム塩が与えるポリ乳酸樹脂組成物の物性への不要な影響が少なくなる観点から、層状粘土鉱物100重量部に対して150重量部以下であることが好ましい。さらに、靭性向上の観点から、層状粘土鉱物100重量部に対して10〜150重量部であることが好ましく、20〜100重量部であることがより好ましい。
【0034】
有機化された層状粘土鉱物の層間距離は、分散均一性向上の観点、並びに、靭性向上の観点から、各層の重心間の平均距離を基準として2.9nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。該層間距離はX線回折装置による、有機化された層状粘土鉱物の回折ピークより算出することができる。
【0035】
本発明のポリ乳酸樹脂組成物において、ポリ乳酸樹脂と有機化された層状粘土鉱物との含有比率は、機械的特性向上の観点から前者100重量部に対して後者が0.01重量部以上であることが好ましく、ポリ乳酸樹脂組成物の脆化防止の観点から20重量部以下が好ましい。さらに、靭性向上の観点から、前者100重量部に対して後者が0.01〜20重量部が好ましく、より好ましくは0.05〜10重量部である。
【0036】
[可塑剤]
本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、ポリ乳酸樹脂組成物の成形性向上の観点から、可塑剤を含有することが好ましい。可塑剤は、ポリ乳酸樹脂組成物の成形性及び耐衝撃性に優れる観点から、酢酸とグリセリンのエチレンオキサイド平均3〜9モル付加物とのエステル、酢酸とジグリセリンのプロピレンオキサイド平均4〜12モル付加物とのエステル、酢酸とエチレンオキサイドの平均付加モル数が4〜9のポリエチレングリコールとのエステル等の多価アルコールのアルキルエーテルエステル; コハク酸とエチレンオキサイドの平均付加モル数が2〜4のポリエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステル、アジピン酸とエチレンオキサイドの平均付加モル数が2〜3のポリエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステル、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸とエチレンオキサイドの平均付加モル数が2〜3のポリエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステル等の多価カルボン酸とポリエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステルがより好ましい。また、可塑剤は、ポリ乳酸樹脂組成物の成形性、耐衝撃性及び可塑剤の耐ブリード性に優れる観点から、酢酸とグリセリンのエチレンオキサイド平均3〜6モル付加物とのエステル、酢酸とエチレンオキサイドの平均付加モル数が4〜6のポリエチレングリコールとのエステル、コハク酸とエチレンオキサイドの平均付加モル数が2〜3のポリエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステル、アジピン酸とジエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステル、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸とジエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステルがさらに好ましい。可塑剤は、ポリ乳酸樹脂組成物の成形性、耐衝撃性及び可塑剤の耐ブリード性、耐揮発性及び耐刺激臭の観点から、コハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステルがさらにより好ましい。なお、可塑剤におけるエステルは、可塑剤としての機能を十分発揮させる観点から、全てエステル化された飽和エステルであることが好ましい。
【0037】
本発明のポリ乳酸樹脂組成物において、可塑剤の含有量は、可塑剤としての機能を十分に発揮させる観点から、ポリ乳酸樹脂100重量部に対して1〜30重量部が好ましく、より好ましくは10〜15重量部である。
【0038】
[その他の添加剤]
本発明のポリ乳酸樹脂組成物においては、その効果を阻害しない範囲で、各種無機又は有機充填剤(特に好ましくはタルク、シリカ、炭酸カルシウムなど)、酸化防止剤、光安定剤、耐熱・耐温安定剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤等のその他の添加剤を添加してもよい。本発明のポリ乳酸樹脂組成物において、その他の添加剤の含有量は、ポリ乳酸樹脂100重量部に対して0.01〜20重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量部である。
【0039】
[有機化された層状粘土鉱物の製造方法]
有機化された層状粘土鉱物の製造方法は、従来公知の有機化方法を採用して行うことができる。例えば、特許文献1に開示されている方法を採用してもよい。製造方法の一実施形態として、層状粘土鉱物中の無機イオンを、有機アミン又は有機アンモニウム塩から生じる有機アミンイオン又は有機アンモニウムイオン(例えば有機アンモニウム塩においては有機アンモニウムイオン)によりイオン交換することによって、層状粘土鉱物の有機化を行う方法が挙げられる。これらのイオンのカウンターイオンとしては、例えばCl-、Br-などのハロゲンイオン又はPO43-、HPO42-、H2PO4-などのリン酸イオンが挙げられ、靭性向上の観点から、好ましくはPO43-、HPO42-、H2PO4-などのリン酸イオンである。
【0040】
より具体的には、例えば、有機アミンを用いる場合には、次のような方法により有機化を行うことができる。すなわち、塊状の層状粘土鉱物を用いる場合は、この粉体を水中に分散させ層状粘土鉱物の水分散物を得る。これとは別に、有機アミン及びリン酸等の酸を水に加えて、有機アミン塩の水溶液を調製する。この水溶液を上記層状粘土鉱物の水分散物に加え混合することにより、層状粘土鉱物中の無機イオンが有機アミン塩から生じた有機アンモニウムイオンによりイオン交換される。この混合物から水を除去することにより有機化された層状粘土鉱物を得ることができる。
【0041】
有機アミン塩や層状粘土鉱物の分散媒体としては、水以外にもメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール及びこれらの混合物、並びにこれらと水との混合物を使用することができる。
【0042】
したがって、本発明は、その他の態様において、一般式(1)で表される有機アミン及び/又は一般式(2)で表される有機アンモニウムで有機化された層状粘土鉱物(以下、本発明の有機化層状粘土鉱物ともいう。)に関する。一般式(1)で表される有機アミン及び/又は一般式(2)で表される有機アンモニウム、並びに層状粘土化合物については上述のとおりである。本発明の有機化層状粘土鉱物によれば、好ましくはエステル基を有する樹脂と組み合わせて樹脂組成物とすることで樹脂の改質が行え、より好ましくはポリ乳酸樹脂と組み合わせてポリ乳酸樹脂組成物とすることでポリ乳酸樹脂の靭性を向上できる。
【0043】
[ポリ乳酸樹脂組成物の製造方法]
本発明のポリ乳酸樹脂組成物の第1の製造方法としては、一般式(1)で表される有機アミン及び/又は一般式(2)で表される有機アンモニウムで層状粘土鉱物を有機化する有機化工程と、有機化工程で得られる有機化層状粘土鉱物とポリ乳酸とを溶融混練する溶融混練工程とを含むものが挙げられる。これにより、ポリ乳酸及び有機化層状粘土鉱物が十分に均一に混合されるので、靭性が向上した本発明のポリ乳酸樹脂組成物を得ることができる。
【0044】
有機化工程は、本発明の有機化層状粘土鉱物の製造する工程であって、前述のとおり行うことができる。次に、溶融混練工程において、有機化工程で得られる層状粘土鉱物とポリ乳酸とを溶融混練することによって、本発明のポリ乳酸樹脂組成物が得られる。
【0045】
混練工程における温度は特に制限されないが、ポリ乳酸の溶融を十分に行い有機化された層状粘土鉱物をポリ乳酸樹脂中に均一に分散する観点から、好ましくは150℃以上である。ポリ乳酸樹脂の分子量低下及びポリ乳酸樹脂の物性の劣化(例えば脆化)を抑制する観点から、好ましくは250℃以下である。
【0046】
このようにして得られるポリ乳酸樹脂組成物は、有機化層状粘土鉱物の層間のカルボン酸アミド基とポリ乳酸樹脂の末端エステル基とが反応して、ポリ乳酸が層状粘土鉱物の層間により安定的に保持されるので、靭性が向上すると考えられる。
【0047】
本発明のポリ乳酸樹脂組成物の第2の製造方法としては、一般式(1)で表される有機アミン及び/又は一般式(2)で表される有機アンモニウムで層状粘土鉱物を有機化する有機化工程と、有機化工程で得られる有機化層状粘土鉱物と、L−乳酸、D−乳酸、L−ラクチド、D−ラクチド、及びメソ−ラクチドからなる群より選ばれる少なくとも1種の重合性単量体とを混合し、当該重合性単量体を重合させてポリ乳酸を生成させる重合工程とを含むものである。これにより、生成したポリ乳酸中に有機化された層状粘土鉱物が十分に均一に分散し、本発明のポリ乳酸樹脂組成物を得ることができる。
【0048】
第2の製造方法の有機化工程は、上記した第1の製造方法の有機化工程と同様にして行うことができる。次に、重合工程において、有機化工程で得られる層状粘土鉱物と、L−乳酸、D−乳酸、L−ラクチド、D−ラクチド、及びメソ−ラクチドからなる群より選ばれる少なくとも1種の重合性単量体とを混合し、重合性単量体を重合させることによって、ポリ乳酸が生成する。ここで、L−乳酸及び/又はD−乳酸を用いる場合にはこれらの直接重縮合によりポリ乳酸が生成し、他方、L−ラクチド及び/又はD−ラクチドを用いる場合にはこれらの開環重合によりポリ乳酸が生成する。
【0049】
重合工程は、所定の触媒を用いて行ってもよく、無触媒下で行ってもよい。触媒としては、具体的には、オクチル酸スズ、塩化スズ、塩化亜鉛、酸化鉛、炭酸鉛、塩化チタン、アルコキシチタン、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウムなどが挙げられ、その使用量は重合性単量体100重量部に対して0.001〜1重量部であることが好ましい。また、重合工程における反応温度は100〜200℃であることが好ましい。
【0050】
[ポリ乳酸樹脂成形体]
本発明のポリ乳酸樹脂組成物を用いて得られうる成形体としては、形状、厚みなどは特に制限されず、射出成形品、押出成形品、圧縮成形品、ブロー成形品、シート、フィルム、糸、ファブリックなどが挙げられる。具体的には、バンパー、ラジエーターグリル、サイドモール、ガーニッシュ、ホイールカバー、エアロパーツ、インストルメントパネル、ドアトリム、シートファブリック、ドアハンドル、フロアマットなどの自動車部品、家電製品のハウジング、製品包装用フィルム、防水シート、各種容器、ボトルなどが挙げられる。また、成形体をシートとして使用する場合には、紙又は他のポリマーシートと積層し、多層構造の積層体として使用してもよい。したがって、本発明は、その他の態様としてポリ乳酸樹脂の成形体であって、本発明のポリ乳酸樹脂組成物を使用して製造され得るポリ乳酸樹脂成形体(以下、本発明の成形体ともいう。)に関する。さらに本発明は、その他の態様として樹脂成形体であって、本発明の有機化層状粘土鉱物を含有する樹脂成形体に関する。
【0051】
また、本発明の成形体を製造するに際し、その成形方法は特に制限されず、射出成形、押出成形、ブロー成形、インフレーション成形、異形押出成形、射出ブロー成形、真空圧空成形、紡糸などのいずれにも好適に使用することができる。
【0052】
本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、剛性、柔軟性、耐熱性、耐久性等の物性向上の観点から、その他の樹脂を含んでもよい。その他の樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエステル、ポリアセタール、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリエーテルイミドなど、あるいはエチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、エチレン/プロピレンターポリマー、エチレン/ブテン−1共重合体などの軟質熱可塑性樹脂などの熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げられる。これらの中でもポリ乳酸樹脂との相溶性の観点からアミド結合、エステル結合、カーボネート結合等のカルボニル基を含む結合を有する樹脂が、構造的にポリ乳酸樹脂と親和性が高い傾向があるため好ましい。
【0053】
また、本発明においては、ポリ乳酸樹脂組成物の成形性、可撓性及び剛性の両立、耐熱性、耐摩耗性の観点から、ポリ乳酸樹脂と前記ポリ乳酸樹脂以外の樹脂とのブレンドによるポリマーアロイを使用してもよい。具体的には、ポリ乳酸樹脂と前記ポリ乳酸樹脂以外の樹脂を予め溶融混練し、その溶融混練物と他の原料を溶融混練すれば良い。なお、ポリ乳酸樹脂と前記ポリ乳酸樹脂以外の樹脂を、別途溶融混練して調製したものを用いてもよいが、ポリ乳酸樹脂、前記ポリ乳酸樹脂以外の樹脂、及びその他の原料を併せて同時に溶融混練してもよい。
【実施例】
【0054】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を更に具体的に説明する。
【0055】
実施例1
[層状粘土鉱物の有機化工程]
ナトリウム型モンモリロナイト(クニミネ鉱業製クニピアF、陽イオン交換容量:105meq/100g)10gを80℃の水500mlに分散させた後、1Nリン酸水溶液(和光純薬工業製)にてpH7に調整した。一方、(ヤシ油脂肪酸アミドプロピル)ジメチルアミン(平均分子量=315、ヤシ油脂肪酸部分のアルキル組成は、C12:C14:C16:その他=57:22:10:11)4.3gを水200mlに分散させた後、1Nリン酸水溶液(和光純薬工業製)にてpH7に調整した。次いで、(ヤシ油脂肪酸アミドプロピル)ジメチルアミン溶液を80℃のモンモリロナイト分散液に滴下し、滴下終了後、液温を80℃に保ち24時間撹拌し有機化モンモリロナイトを得た。得られた有機化モンモリロナイトを80℃の水で3回洗浄し、凍結乾燥した後、これを粉砕した。乾燥減量(常圧空気中120℃で2時間加熱後の重量減少率)は1%、灼残法(常圧空気中で800℃で2時間加熱)により求めた有機化モンモリロナイトの無機分の残量は62%であった。モンモリロナイトの面間隔をX線回折装置(RINT−2000(リガク社製))にて測定したところ、1.76nmであった。
【0056】
[溶融混練工程]
ラボプラストミル(東洋精機社製)を用い、ポリ乳酸樹脂(ネイチャーワークス社製 NM3001D(重量平均分子量=171,000、L体含有量=98.5%))に上記の有機化モンモリロナイトを樹脂100重量部に対して5.0重量部、コハク酸とトリエチレングリコールとのジエステルを樹脂100重量部に対して12.0重量部添加した混合物を、温度を180℃に設定し10分間溶融混練し、ポリ乳酸樹脂組成物を得た。
【0057】
[成形工程]
得られたポリ乳酸樹脂組成物を厚さ0.4mmの型枠とともに金属板2枚に挟み、200℃で1分間5kg/cm2で予圧した後、200kg/cm2でさらに2分間プレスし、試料成形体を作成した。
【0058】
[力学的特性の評価]
上記の試料を用い、テンシロンUTC−100(Orientic Corporation社製)を用いて引張速度50mm/minで引張試験を行い、破断点伸度と収縮率(100%モジュラス)を評価し、動的粘弾性測定装置 DVA−200(アイティー計測制御社製)を用いて弾性率の測定を行った。得られた結果を表1に示す。
【0059】
実施例2
実施例1の(ヤシ油脂肪酸アミドプロピル)−N,N−ジメチルアミンの代わりに(カプリルアミドプロピル)−N,N−ジメチルアミン3.5gを用いた以外は実施例1と同様にして樹脂組成物の成形、力学的特性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0060】
実施例3
実施例1の(ヤシ油脂肪酸アミドプロピル)−N,N−ジメチルアミンの代わりに(ステアリルアミドプロピル)−N,N−ジメチルアミン(平均分子量=366)5.1gを用いた以外は実施例1と同様にして樹脂組成物の成形、力学的特性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0061】
比較例1
実施例1の(ヤシ油脂肪酸アミドプロピル)−N,N−ジメチルアミンの代わりにヤシ油アルキルアミン(平均分子量=185)2.6gを用いた以外は実施例1と同様にして樹脂組成物の成形、力学的特性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0062】
比較例2
実施例1の(ヤシ油脂肪酸アミドプロピル)−N,N−ジメチルアミンの代わりにジヒドロキシエチルメチル−ヤシ油−アンモニウムクロリド(平均分子量=324)のイソプロピルアルコール溶液(固形分濃度=70%)5.9gを用いた以外は実施例1と同様にして樹脂組成物の成形、力学的特性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0063】
比較例3
実施例1の有機化モンモリロナイトの代わりにナトリウム型モンモリロナイトを用いた以外は実施例1と同様にして樹脂組成物の成形、力学的特性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0064】
【表1】

【0065】
上記表1における120℃2時間加熱による乾燥減量は、例えば、粘土に吸着していた水、二酸化炭素等の低沸点の揮発性化合物に起因するものと考えられ、又、強熱減量(加熱による総減量)と乾燥減量の差分は、有機化された粘土に含まれる有機化合物に起因するものと考えられる。
【0066】
上記表1に示すとおり、実施例1〜3のポリ乳酸樹脂組成物は、比較例に比べて破断点伸度が高く、靭性に優れていた。比較例の組成物は、弾性率は高いが、破断点伸度が低く、脆かった。よってカルボン酸アミド基を有するアミンで有機化した粘土はポリ乳酸複合材料に混練すると該複合材料の靭性が向上することが示された。
【産業上の利用可能性】
【0067】
以上説明したとおり、本発明は、例えば、ポリ乳酸の複合材料分野に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリ乳酸樹脂と下記一般式(1)で表される有機アミン及び/又は下記一般式(2)で表される有機アンモニウムで有機化された層状粘土鉱物とを含有するポリ乳酸樹脂組成物。
【化1】

[式(1)及び(2)中、R1及びR5は炭素数が5〜23のアルキル基を示し、R2及びR6は炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキレン鎖を示し、R3、R4、R7、R8、及びR9は同一又は異なり水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基を示す。]
【請求項2】
前記層状粘土鉱物が、R1の炭素数が異なる一般式(1)で表される有機アミンの混合物及び/又はR5の炭素数が異なる一般式(2)で表される有機アンモニウムの混合物で有機化された層状粘土鉱物である、請求項1記載のポリ乳酸樹脂組成物。
【請求項3】
下記一般式(1)で表される有機アミン及び/又は下記一般式(2)で表される有機アンモニウムで有機化された層状粘土鉱物。
【化2】

[式(1)及び(2)中、R1及びR5は炭素数が5〜23のアルキル基を示し、R2及びR6は炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキレン鎖を示し、R3、R4、R7、R8、及びR9は同一又は異なり水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基を示す。]
【請求項4】
1の炭素数が異なる一般式(1)で表される有機アミンの混合物及び/又はR5の炭素数が異なる一般式(2)で表される有機アンモニウムの混合物で有機化された、請求項3記載の層状粘土鉱物。

【公開番号】特開2011−190323(P2011−190323A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−56345(P2010−56345)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】