説明

ポリ乳酸複合成形体、ポリ乳酸複合成形体の製造方法及び自動車内装材用表面部材

【課題】ポリ乳酸を使用した成形体でありながらも曲げ強度および耐湿熱分解性に優れた自動車内装材用表面部材などを提供する。
【解決手段】カルボジイミド化合物を添加した複数のポリ乳酸成形体を組合せて熱圧着した複合成形体であって、これら複数のポリ乳酸成形体が異なるカルボジイミド化合物量を含有することを特徴とするポリ乳酸複合成形体および該成形体の製造法。更に、鉄材を組み合わせて圧熱着した複合成形体であってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一体成形が困難なポリ乳酸を複合化することによって曲げ強度に優れ、大型成形物化が可能なポリ乳酸複合成形体及びその製造方法に関する。
【0002】
また、本発明は自動車内装材用表面部材に関し、自動車の内装として用いられる天井、床カーペット、床マット、ドアトリム、シートカバー、パッケージトレイ表装、トランク内装などの表面部材として好適な自動車内装材用表面部材に関する。
【背景技術】
【0003】
ポリ乳酸樹脂は、一般的に分子鎖中のエステル結合が加水分解することにより、その分子量が経時的に低下するという問題がある。分子量が低下したポリ乳酸樹脂は、曲げ強度などの力学特性等が低下して使用に耐えられなくなるなど、多くの問題が顕在化する。
【0004】
このため、生分解性であるポリ乳酸樹脂を長期耐久製品に適用しようとする場合、その加水分解性の制御が大きな課題となる。ポリ乳酸樹脂の加水分解抑制には、下記のような手法がとられている。
(1)酸点であるポリ乳酸樹脂の末端COOH基を、イミド基(=NH)を有するモノカルボジイミド類、またはこれの高分子体であるポリカルボジイミド類によって封止する方法
(2)酸点であるポリ乳酸樹脂の末端COOH基をメチル基などの他の官能基で修飾する手法
(3)酸点であるポリ乳酸樹脂の末端COOH基をイソシアネート基(=NCO)を有する水性イソシアネート類によって封止する方法
(4)他の樹脂を混合させることにより、樹脂中のCOOH基濃度そのものを低減させる方法
【0005】
(2)の手法は、そもそも樹脂の重合段階から制御する必要があり、汎用性に欠ける。また、現在の樹脂の製造工程自体を見直す必要があり、すぐの実現は難しい。(3)の方法は、ポリ乳酸を有機溶剤中に分散後、水中に分散し、さらにエチルメチルケトンオキシムによってブロックされた水性イソシアネートを用いる方法であり、製法が煩雑な上、水中に分散されたイソシアネートが揮発し、人体に影響を及ぼすことが考えられ、工業化は困難である。(4)の方法は、樹脂全体の酸点は減るが、ポリ乳酸の使用率が下がる。すなわち樹脂中の植物割合が低下し、そもそもの植物由来のコンセプトを否定する。そもそも酸点量の割合を低下させただけなので、根本的な解決ではない。
【0006】
以上の点から(1)の手法が、製造工程を変化させることなく、一番汎用性があると考えられる。下記特許文献1には、生分解性プラスチック組成物の耐加水分解性、耐熱性、透明性等の向上の為、脂肪族系ポリエステルに対し、分子中に1個以上のカルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物を特定量配合することの開示がある。しかしながら、カルボジイミド化合物は、添加量が多いとゲル化しやすく、添加量を増やすと成形性を悪化させてしまう問題がある。
【0007】
一方、自動車内の天井、カーペット、トリム類、シートカバー等の自動車内装材には、石油系プラスチック短繊維を使用した不織布が使用されていたが、石油系プラスチックは難分解性であるため、ゴミ処理問題等、循環型社会を実践する上で大きな障害となっている。また、焼却時に発生する二酸化炭素は地球温暖化の原因となっている。加えて、原料が石油由来であるため化石資源の枯渇の問題が懸念されている。そのような状況の中、自動車内装材に使用される石油系プラスチック短繊維不織布においても、その代替、使用量低減が検討されている。
【0008】
短繊維不織布に使用する繊維の代替材料として、トウモロコシなどの植物資源を原料とするポリ乳酸成形体の使用が検討されている。ところで、自動車部材は安全上の観点から所定の強度および耐久性を必要とするが、ポリ乳酸単体にて形成された成形体は、その強度や耐久性が従来の合成樹脂製成形体よりも劣っている。このため、従来のポリ乳酸単体にて形成された成形体は、強度および耐久性が要求される自動車内装材用表面部材での使用は限定されているのが現状である。
【0009】
又、ポリ乳酸は結晶性樹脂であるが、その結晶化速度は遅く、実際には非晶性樹脂に近い挙動を示す。すなわち、ガラス転移温度付近で急激に且つ極度に軟化するため(通常、弾性率1/100未満)、耐熱性、成形性、離型性、耐衝撃性などの点で十分な特性を得ることが困難であった。特に、大型成形品を得ることが困難であった。
【0010】
下記特許文献2には、カルボジイミド化合物を添加したポリ乳酸系樹脂をバインダとした天然繊維による繊維系ボード及びその製造方法が開示されている。特許文献2には、この繊維系ボードは、高温高湿下での曲げ強度保持率が高いこと、見かけ密度が0.2g/cm以上、カルボキシル末端量は10当量以下、残留ポリマー量が500ppm以下であることも開示されている。
【0011】
特許文献2のように、天然繊維にバインダとしてカルボジイミド化合物を添加したポリ乳酸系樹脂を使用した繊維系ボードでは、加水による天然繊維とバインダの膨潤率の違い(カルボジイミド添加量により変化)から、繊維系ボード表面に微小の亀裂が発生し、天然繊維とバインダの界面から水が浸入して、バインダとなるポリ乳酸系樹脂が加水分解し、曲げ強度低下が加速する可能性がある。又、天然繊維は水分を吸収し易いため、バインダであるカルボジイミド化合物を添加したポリ乳酸系樹脂の加水分解を促進させてしまい、高価なカルボジイミドを余分に消費してしまう可能性がある。これは、バインダであるカルボジイミド化合物を添加したポリ乳酸系樹脂の劣化モードが、カルボジイミドの添加量により変化することを考慮したボード構造として設計していないためであり、又、ボード表面側に天然繊維が露出しているため、ボード表面とボード内部にわたって存在する天然繊維は、水分を表面側から内部に輸送するネットワーク(経路)を形成してしまうからである。
【0012】
【特許文献1】特開2003−313436号公報
【特許文献2】特開2004−130796号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記の問題点を解決し、ポリ乳酸を使用した成形体でありながらも曲げ強度および耐湿熱分解性に優れ、このため自動車内装材に好適に使用することが可能な自動車内装材用表面部材を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者は、カルボジイミド化合物の添加量を変えた2種以上の材料を複合化することによって、上記の課題が解決されることを見出し、本発明に到達した。
【0015】
即ち、第1に、本発明は、カルボジイミド化合物を添加した複数のポリ乳酸成形体を組合せて熱圧着した複合成形体の発明であって、これら複数のポリ乳酸成形体が異なるカルボジイミド化合物量を含有することを特徴とする。
【0016】
本発明のポリ乳酸複合成形体は、湿熱条件などの加水分解が生じやすい場合でも、曲げ強度などの力学物性に優れた耐加水分解性に優れる上に、一体成形が困難な複雑構造や大型構造に対しても、ブロック化した本発明のポリ乳酸複合成形体を組み合わせることで対応できる。
【0017】
本発明のポリ乳酸複合成形体では、初期の曲げ強度の60%以上を確保するためには、カルボジイミド化合物を多量に添加したポリ乳酸成形体が、(1)ATRによる表面の結晶化度が0.1以下である、及び/又は(2)GPCによる重量平均分子量が125000以上であり数平均分子量が60000以上であるように、カルボジイミド化合物量を含有することが好ましい。ここで、結晶化度=(924cm−1にあるピーク強度)÷(955cm−1にあるピーク強度)で算出される。
【0018】
本発明のポリ乳酸複合成形体は、熱圧着する前のポリ乳酸成形体の枚数、形状、組合せなどにより、多数の変形が可能となる。その中には、更に、鉄材を組合せて熱圧着した複合成形体も含まれる。
【0019】
第2に、本発明は、カルボジイミド化合物を添加した複数のポリ乳酸成形体を組合せ、これらの接合部を溶媒により溶融させた後、熱圧着をする複合成形体の製造方法の発明であって、これら複数のポリ乳酸成形体が異なるカルボジイミド化合物量を含有することを特徴とする。
【0020】
ポリ乳酸複合成形体の強度を確保するために、カルボジイミド化合物を多量に添加したポリ乳酸成形体が、(1)ATRによる表面の結晶化度が0.1以下である、及び/又は(2)GPCによる重量平均分子量が125000以上であり数平均分子量が60000以上であるように、カルボジイミド化合物量を含有することが好ましいこと、更に、鉄材を組合せて熱圧着した複合成形体とすることは上述の通りである。
【0021】
本発明のポリ乳酸複合成形体の製造方法に用いる溶媒としては、ポリ乳酸樹脂の表面を溶融させるものであれば特に制限されない。これらの溶媒の中で、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールが好ましく例示される。
【0022】
第3に、本発明は、上記のポリ乳酸複合成形体の用途に関するもので、カルボジイミド化合物を添加した複数のポリ乳酸成形体を組合せて熱圧着した複合成形体からなる自動車内装材用表面部材であって、これら複数のポリ乳酸成形体が異なるカルボジイミド化合物量を含有することを特徴とする。
【0023】
本発明の自動車内装材用表面部材は、自動車の内装として、天井、床カーペット、床マット、ドアトリム、シートカバー、パッケージトレイ表装、トランク内装などの表面部材として好適である。
【発明の効果】
【0024】
本発明のポリ乳酸複合成形体は、曲げ強度などの力学物性に優れ、耐加水分解性に優れる上に、一体成形が困難な複雑構造や大型構造に対しても対応できる。特に、用途に応じて、曲げ強度半減期を調節することが可能であり、自動車内装材用表面部材などの種々の用途に適用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1に、本発明のポリ乳酸複合成形体の概念と原理を示す。カルボジイミド化合物を少量添加したポリ乳酸(PLA)成形体は曲げ強度半減期が短い。これに対して、カルボジイミド化合物を多量に添加したポリ乳酸(PLA)成形体は曲げ強度半減期が長い。図1に示すように、カルボジイミド化合物を少量添加したポリ乳酸(PLA)成形体の両側にカルボジイミド化合物を多量に添加したポリ乳酸(PLA)成形体をはさみ、その接合面を溶媒で溶解して熱圧着すると、曲げ強度半減期が所望の値に調節されたポリ乳酸複合成形体が得られる。
【0026】
[ポリ乳酸(PLA)成形体の曲げ強度]
ポリ乳酸樹脂にカルボジイミドを添加した樹脂組成物の曲げ強度変化を確認するため、下記の材料を用いて湿熱老化加速試験を実施した。
【0027】
本データで、ポリ乳酸(PLA)成形体単体の曲げ強度の経年変化が分かるため、単体を組合せた場合の曲げ強度を材料カ学から予測することが可能になる。
【0028】
使用材料として、(1)重量平均分子量が16万のポリ乳酸樹脂、(2)重量平均分子量が16万のポリ乳酸樹脂にカルボジイミドを各々0.5、1.0、5.0、10.0重量部配合した樹脂組成物を用意した。
【0029】
図2に、曲げ強度を測定する試験手順を示す。(1)ISO・A型試験片を1軸射出成形器で成形する。(2)成形品を耐候試験槽に整置する。(3)80%、95RH雰囲気下(耐候試験槽内)で成形品を処理する。(4)成形品を取り出す。(5)曲げ強度を測定する。
【0030】
図3に、各試料の処理時間と曲げ強度の関係を示す。図3の結果より、カルボジイミドの添加量が多いほど、曲げ強度の低下率が小さいことが分かる。
【0031】
[結晶化度と曲げ強度の関係]
各試料表面のATR(全反射(吸収)分光法)スペクトルを求め、結晶化度と曲げ強度の関係、及び、試験時間と曲げ強度の関係を求めた。その結果、初期の曲げ強度の60%以上を得るためには、結晶化度(924cm‐1にあるピーク強度/955‐1cmにあるピーク強度。アルファ型を反映)が0.10以下であることが必要なことが分かった。また、試験時間が長いほど、結晶化度が大きくなることが分かった。
【0032】
[分子量と曲げ強度の関係]
各試料の表面と内部のGPC(ゲル浸透クロマトグラフ法)により重量平均分子量と数平均分子量を求め、重量平均分子量と曲げ強度の関係、及び、数平均分子量と曲げ強度の関係を求めた。実験条件は、
溶媒:クロロホルム
サンプル濃度:約0.4wt%
注入量:20μL
カラム:TSKgel GMHHR‐M(排除限界4000000)
流量:1.0mL/min
オーブン温度:40℃
検出器(IR)温度:40℃
であった、検出部位は、表面部位が表面から深さ0〜0.5mmの範囲、内部部位が深さ0.5mm以上である。
【0033】
その結果、重量平均分子量と曲げ強度には正の相関が、数平均分子量と曲げ強度にも正の相関があることが分かった。初期の曲げ強度の60%以上を得るためには、重量平均分子量が125000以上、数平均分子量が60000以上の樹脂組成物であればよいことが分かった。
【0034】
図4に、推定されるポリ乳酸が劣化するメカニズムを示す。ポリ乳酸樹脂のCOOH基による劣化には、(1)初期段階で既に存在するポリ乳酸末端基COOH基による分子鎖切断、(2)劣化(=分子鎖切断)によって生じるCOOH基による分子鎖切断の2つのモードがあるが、高温高湿初期では、カルボジイミドを添加することにより、COOH基を封鎖する反応と水を吸水する反応が進むため、ポリ乳酸の加水分解反応を抑制することが可能である。しかし、高温高湿条件が長くなると、脱水触媒としても作用するカルボジイミドが減少し、封鎖されたCOOH基も加水分解反応して、樹脂組成物の劣化が進む。この際、劣化は表面側からバルク側への水拡散に伴う化学反応に依存するため、高温高湿条件でカルボジイミド量が少ないと、加水分解反応速度が大きくなり、急激な曲げ強度変化となってしまう。本発明により、表面側からバルク側への水拡散に伴う化学反応を制御することが可能であるため、曲げ強度半減期を制御(急激に減少させない等)することが可能である。
【0035】
又、カルボジイミド化合物は、(1)高価、(2)添加量が多いとゲル化して成形性を悪化、(3)人体に皮膚炎症などの悪影響を及ぼす。本発明では、余分なカルボジイミド化合物の添加量を減らすことにより、(1)〜(3)を改善することができる。
【実施例】
【0036】
ポリ乳酸にカルボジイミドを0.5wt%添加した材料、ポリ乳酸にカルボジイミドを5wt%添加した材料、ポリ乳酸にカルボジイミドを0.5wt%添加した材料の両側にポリ乳酸にカルボジイミドを5wt%添加した材料を挟んだ試料を用意し、それぞれJIS K7171(1994、ISO 178)に基づき、10×4mmの試料を作製した。
【0037】
各試料を80℃、95%で96時間の耐久試験を行った後、曲げ強度を測定した。その結果、ポリ乳酸にカルボジイミドを0.5wt%添加した材料は14.49MPa、ポリ乳酸にカルボジイミドを5wt%添加した材料は72.05MPa、ポリ乳酸にカルボジイミドを0.5wt%添加した材料の両側にポリ乳酸にカルボジイミドを5wt%添加した材料を挟んだ試料は47.57MPaであった。
【0038】
これにより、カルボジイミド化合物の添加量が異なる材料を組み合わせることで曲げ応力の制御が可能であることが分かる。
<実施例:適用例>
【0039】
図5に、本発明のポリ乳酸複合成形体を自動車内装部材に適用した例を示す。図5中、接合部とは、カルボジイミド化合物を少量添加したポリ乳酸成形体とカルボジイミド化合物を多量に添加したポリ乳酸成形体とを熱圧着した際に生成した両者が溶融混合した部分である。本発明の自動車内装部材は、車内側にカルボジイミド化合物を多量に添加したポリ乳酸成形体を備え、車外側にカルボジイミド化合物を少量添加したポリ乳酸成形体を備えている。
【産業上の利用可能性】
【0040】
生分解性であるポリ乳酸樹脂をその用途に応じて、曲げ強度半減期を調節することを可能とし、一体成形が困難な複雑構造や大型構造に対しても対応できる。これにより、ポリ乳酸樹脂を自動車内装材用表面部材などの種々の用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明のポリ乳酸複合成形体の概念と原理を示す。
【図2】曲げ強度を測定する試験手順を示す。
【図3】各試料の処理時間と曲げ強度の関係を示す。
【図4】推定されるポリ乳酸が劣化するメカニズムを示す。
【図5】本発明のポリ乳酸複合成形体を自動車内装部材に適用した例を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボジイミド化合物を添加した複数のポリ乳酸成形体を組合せて熱圧着した複合成形体であって、これら複数のポリ乳酸成形体が異なるカルボジイミド化合物量を含有することを特徴とするポリ乳酸複合成形体。
【請求項2】
カルボジイミド化合物を多量に添加したポリ乳酸成形体が、(1)ATRによる表面の結晶化度が0.1以下である、及び/又は(2)GPCによる重量平均分子量が125000以上であり数平均分子量が60000以上であるように、カルボジイミド化合物量を含有することを特徴とする請求項1に記載のポリ乳酸複合成形体。
【請求項3】
更に、鉄材を組合せて熱圧着した複合成形体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリ乳酸複合成形体。
【請求項4】
カルボジイミド化合物を添加した複数のポリ乳酸成形体を組合せ、これらの接合部を溶媒により溶融させた後、熱圧着をする複合成形体の製造方法であって、これら複数のポリ乳酸成形体が異なるカルボジイミド化合物量を含有することを特徴とするポリ乳酸複合成形体の製造方法。
【請求項5】
カルボジイミド化合物を多量に添加したポリ乳酸成形体が、(1)ATRによる表面の結晶化度が0.1以下である、及び/又は(2)GPCによる重量平均分子量が125000以上であり数平均分子量が60000以上であるように、カルボジイミド化合物量を含有することを特徴とする請求項4に記載のポリ乳酸複合成形体の製造方法。
【請求項6】
更に、鉄材を組合せて熱圧着した複合成形体であることを特徴とする請求項4又は5に記載のポリ乳酸複合成形体の製造方法。
【請求項7】
前記溶媒が、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールであることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載のポリ乳酸複合成形体の製造方法。
【請求項8】
カルボジイミド化合物を添加した複数のポリ乳酸成形体を組合せて熱圧着した複合成形体からなる自動車内装材用表面部材であって、これら複数のポリ乳酸成形体が異なるカルボジイミド化合物量を含有することを特徴とする自動車内装材用表面部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−235365(P2009−235365A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−86993(P2008−86993)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】