説明

ポリ塩化ビニリデン系二軸延伸フィルム、その積層体及び容器

【課題】成型性と耐衝撃性に優れたポリ塩化ビニリデン系二軸延伸フィルムを提供すること。
【解決手段】フィルムのエッジ方向からの透過2次元広角X線散乱測定による(100)面の回折ピーク強度を方位角に対してプロットした際に現れるピークの半値全幅μ(°)から、下記式1によって規定される結晶配向度Fが、70%〜89.5%であり、かつ、MD方向及びTD方向における23℃での引張破断伸度が共に80%以上である、
ポリ塩化ビニリデン系二軸延伸フィルム。
(式1) F=100×(180−μ)/180

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリ塩化ビニリデン系二軸延伸フィルム、その積層体及び容器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ポリ塩化ビニリデン系フィルムは、酸素、水蒸気、二酸化炭素等の気体に対するガスバリア性に優れるため、単層フィルム、共押フィルム、或いはラミネート用フィルムとして、食品、工業品、医薬品等の各種包装用途に使用されている。その中でも、包装形態の一つとして、絞り包装がある。これは、軟質のフィルム或いは硬質のシートを加熱した後に真空圧空、或いはプラグアシスト等の方法で容器状に成型した後に内容物を充填し、トップシール等で包装体にする方法である。
【0003】
特許文献1には、絞り成型時にフィルムを切断しにくくするためにフィルムの結晶配向度をコントロールする自動車内装材用ポリエステルフィルムに関する技術が開示されている。特許文献2には、成型用途のポリ塩化ビニリデン系の未延伸共押フィルムに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−030358号公報
【特許文献2】特開昭59−049970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ポリ塩化ビニリデン系フィルムを絞り包装用途に用いる場合、二軸延伸フィルムの場合は成型性が悪く、また未延伸フィルムの場合はフィルム中の結晶が配向していないために衝撃強度が弱く、成型性が良かったとしても衝撃強度に劣るという問題がある。
【0006】
特許文献1に記載のフィルムはポリエステルからなり、ポリ塩化ビニリデンを用いることについての開示はない。特許文献2に記載のフィルムは、未延伸フィルムであるが故に、フィルム中のポリ塩化ビニリデン層が衝撃に弱く、内容物を充填した後の包装体を落下させた場合等にポリ塩化ビニリデン層にクラックが発生する等の問題があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、成型性と衝撃強度に優れたポリ塩化ビニリデン系二軸延伸フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、結晶配向度と引張破断伸度を特定の範囲にコントロールすることによって、成型性と衝撃強度に優れたポリ塩化ビニリデン系の二軸延伸フィルムが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち本発明は、下記のとおりである。
〔1〕
フィルムのエッジ方向からの透過2次元広角X線散乱測定による(100)面の回折ピーク強度を方位角に対してプロットした際に現れるピークの半値全幅μ(°)から、下記式1によって規定される結晶配向度Fが、70%〜89.5%であり、かつ、
MD方向及びTD方向における23℃での引張破断伸度が共に80%以上である、
ポリ塩化ビニリデン系二軸延伸フィルム。

(式1) F=100×(180−μ)/180

〔2〕
前記ポリ塩化ビニリデン系二軸延伸フィルムが、塩化ビニリデン90〜98質量%と、アクリル酸メチル10〜2質量%とからなる共重合体を含むフィルムであり、
前記ポリ塩化ビニリデン系二軸延伸フィルムの重量平均分子量が、6万〜13万である、〔1〕記載のポリ塩化ビニリデン系二軸延伸フィルム。
〔3〕
〔1〕又は〔2〕記載のポリ塩化ビニリデン系二軸延伸フィルムと、
前記ポリ塩化ビニリデン系二軸延伸フィルムに積層された、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエステル、環状オレフィン共重合体、環状ポリオレフィン、フッ素系樹脂及びポリスチレンからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むフィルムと、
を含む積層体。
〔4〕
MD方向及びTD方向における120℃での収縮率が、共に7%以下である〔3〕記載の積層体。
〔5〕
〔3〕又は〔4〕記載の積層体を含む容器。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、成型性と耐衝撃性に優れたポリ塩化ビニリデン系二軸延伸フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態のポリ塩化ビニリデン系二軸延伸フィルムを押出製膜する装置の一例を示す概念図である。
【図2】本実施形態のポリ塩化ビニリデン系二軸延伸フィルム中の結晶配向度を調整するための熱処理装置の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。また、各図面中、上下左右等の位置関係は、特に断りがない限り、図面に示す位置関係に基づくものとし、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。さらに、本明細書において、「略」を付した用語は、当業者の技術常識の範囲内でその「略」を除いた用語の意味を示すものであり、「略」を除いた意味自体をも含むものとする。
【0013】
本実施形態のフィルムは、エッジ方向からの透過2次元広角X線散乱測定による(100)面の回折ピーク強度を方位角に対してプロットした際に現れるピークの半値全幅μ(°)から、下記式1によって規定される結晶配向度Fが、70%〜89.5%であり、かつ、MD方向及びTD方向における23℃での引張破断伸度が共に80%以上であるポリ塩化ビニリデン系二軸延伸フィルム(以下、単に「フィルム」という場合がある。)である。なお、本実施形態において、特に断りが無い限り、「フィルム」とは「シート」と呼ばれる形態も包含する。

(式1)F=100×(180―μ)/180
【0014】
本実施形態のフィルムの結晶配向度Fは、70%〜89.5%であり、好ましくは80%〜88%である。結晶配向度Fが70%以上であれば衝撃強度が十分であり、成型した容器に内容物を充填して落体テストを実施しても、フィルムにはクラックは発生しにくく、80%以上であれば、クラックはより発生しにくくなる。また、結晶配向度Fが89.5%以下であれば、成型性が良好であり、88%以下あれば成型性がより良好になる。結晶配向度Fは、後述する熱処理温度等の熱処理条件を制御することで、制御することができる。
【0015】
本実施形態のフィルムのMD方向及びTD方向における23℃での引張破断伸度の下限値は、共に80%以上であり、好ましくは100%以上である。80%以上であれば成型性が良好であり、100%以上であれば成型性はより良好になる。ここで、MD方向とはフィルムの流れ方向であり、TD方向とは流れ方向に対して垂直な方向である。引張破断伸度は、ASTM D−882に準じて測定することができる。引張破断伸度は、後述する製膜後の熱処理条件を制御することで、制御することができる。
【0016】
本実施形態のフィルムに用いるポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物とは、塩化ビニリデン単量体の単独重合体であってもよいし、塩化ビニリデン単量体とそれと共重合可能な単量体との共重合体であってもよい。ポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物は、1種のポリ塩化ビニリデン系樹脂を含むものであってもよいし、2種以上のポリ塩化ビニリデン系樹脂を含むものであってもよい。塩化ビニリデン単量体と共重合可能な単量体としては、特に限定されず、塩化ビニルや、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル、アクリルニトリル、酢酸ビニル等が挙げられる。これらの中でも、フィルムのガスバリア性と押出加工性のバランスから、アクリル酸メチルが好ましい。これらの共重合体可能な単量体は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0017】
本実施形態のポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物としては、塩化ビニリデン単量体とアクリル酸メチル単量体とからなる共重合体を含むことが好ましい。この場合、塩化ビニリデンが90〜98質量%でありアクリル酸メチルが10〜2質量%からなる共重合体であることがより好ましい。アクリル酸メチルの含有量が2質量%以上であれば、押出製膜時の溶融特性がより良好である。また、アクリル酸メチルの含有量が10質量%以下であれば、より高いガスバリア性能を発生させることができる。
【0018】
本実施形態のポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物として、上記した塩化ビニリデン単量体とアクリル酸メチル単量体とからなる共重合体を含む場合、当該共重合体のゲルパーミエ−ションクロマトグラフィー法(GPC法)で求めたポリスチレンを標準とした重量平均分子量(Mw)は、6万〜13万であることが望ましい。Mwが6万以上であれば製膜延伸に耐え得る強度が一層向上し、13万以下であれば溶融押出を一層効率よく行うことが可能である。
【0019】
なお、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体の場合も、当該共重合体のゲルパーミエ−ションクロマトグラフィー法(GPC法)で求めたポリスチレンを標準とした重量平均分子量(Mw)は、6万〜13万であることが好ましい。Mwが6万以上であれば製膜延伸に耐え得る強度が一層向上し、13万以下であれば溶融押出を一層効率よく行うことが可能である。
【0020】
ポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物には、可塑剤、熱安定剤等の添加物を配合することができる。可塑剤としては特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、アセチルトリブチルサイトレート、アセチル化モノグリセライド、ジブチルセバケート等が挙げられる。熱安定剤としては特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等のエポキシ化植物油や、エポキシ系樹脂等が挙げられる。その他にも、本実施形態の効果の範囲内で、公知の着色剤、有機系滑剤、無機系滑剤、界面活性剤等の添加剤を添加することができる。
【0021】
本実施形態のフィルムの延伸方法は、特に限定されず、通常用いられる延伸方法を採用することができる。例えば、テンター法やダブルバブル法等を採用することができる。
【0022】
本実施形態のフィルムの製造方法の一例として、図1に、本実施形態の二軸延伸ポリ塩化ビニリデン系フィルムを押出製膜する装置の一例を示す概念図を示す。図1において、押出機101のホッパー部102から供給された塩化ビニリデン系樹脂組成物はスクリュー103で推進、加熱混練されて溶融し、押出機の先端に取り付けられた環状ダイ104のスリット部から押出されて筒状パリソン105となる。筒状パリソン105は冷却槽106の冷水で冷やされ、ピンチロールA,A’に導かれて温水槽107で予熱され、ピンチロールB,B’,C,C’との間で筒状フィルム内に密封入されたエアーの体積及びピンチロールB,B’,C,C’間の速度比によって、筒の周方向及び縦方向に延伸される。延伸された筒状フィルムは平坦2枚重ねに折り畳まれ、ヒートセットロール108によって70℃の熱処理がされた後に巻き取りロール109によって巻き取られる。
【0023】
図2は、本実施形態のポリ塩化ビニリデン系二軸延伸フィルム中の結晶配向度を調整するための熱処理装置の一例を示す概念図である。フィルムは、繰り出し部201から乾燥炉203に送られて熱処理された後、巻き取り部203に送られて、巻き取られる。乾燥炉203では、75℃〜80℃の乾燥温度で熱処理時間を変えることによって結晶配向度を調整することが好ましい。80℃以下の温度であれば熱処理中にフィルムの収縮を効果的に抑制することができ、75℃以上であれば結晶配向度の調整のための熱処理時間を短縮することができる。
【0024】
75℃〜80℃の乾燥温度の場合の熱処理時間については、例えば、熱処理温度が80℃の場合は2分〜4分であることが好ましい。2分以上であれば結晶配向度をより大きくすることができ、かつ成型後の容器の衝撃強度をより強くできる傾向にある。4分以下であれば結晶配向度が大きくなり過ぎてフィルムの成型性が悪化することを抑制することができる。
【0025】
引張破断伸度の調整についても熱処理により行うことができる。熱処理時間は80℃で4分以下が好ましい。80℃で4分以下の熱処理条件とすることで、80%以上の引張破断伸度を効率よく実現することができる。
【0026】
本実施形態のポリ塩化ビニリデン系二軸延伸フィルムは、他のフィルムや発泡体と積層して積層体とすることができる。他のフィルムや発泡体の材料としては、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエステル、環状オレフィン共重合体、環状ポリオレフィン、フッ素系樹脂及びポリスチレン等が好ましい。
【0027】
具体的には、本実施形態の塩化ビニリデン系二軸延伸フィルムと、前記ポリ塩化ビニリデン系二軸延伸フィルムに積層された、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエステル、環状オレフィン共重合体、環状ポリオレフィン、フッ素系樹脂及びポリスチレンからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むフィルムと、を含む積層体が好ましい。かかる構造の積層体は、包装材料として耐え得る強度を発現することができるため好ましい。なお、積層体に用いる上記フィルムとして、発泡体等を用いることもできる。かかる発泡体として好ましい材料としては、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
【0028】
本実施形態において積層体の積層構造は、特に限定されず、対称構造、非対称構造のどちらでもよい。また、2層、3層、或いはそれ以上の層からなる多層構造の積層体とすることができる。本実施形態の積層体の厚みは50μm〜3000μmであることが好ましい。
【0029】
積層体の製造方法については特に限定されず、共押出法、押出ラミネート法、ドライラミネート法、サーマルラミネート法等を使用することができる。下記に各方法の一例を示す。
【0030】
共押出法としては、例えば、数種類の押出機でそれぞれの樹脂を溶融し、多層ダイを通じて積層させる方法が挙げられる。その際、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層と他の樹脂層の間には接着樹脂が存在する。接着樹脂としては、エチレン−ビニルアセテート樹脂や、酸変性ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂層等が挙げられる。
【0031】
押出ラミネート法としては、例えば、二軸延伸後のポリ塩化ビニリデン系フィルムにアンカーコート剤を塗布し、乾燥させた後に、ポリエチレン系の樹脂をTダイから押出しながら重ね合わせ、直後に冷却ロールでニップしながら積層させる方法が挙げられる。
【0032】
ドライラミネート法としては、例えば、フィルムに接着剤を塗布して乾燥させた後にポリ塩化ビニリデン系フィルムと積層させる方法が挙げられる。
【0033】
サーマルラミネート法としては、例えば、既にドライラミネート法によって二軸延伸ポリ塩化ビニリデン系フィルムの両側に未延伸ポリプロピレンが積層されたフィルムに、未延伸のポリプロピレンシートを積層させ、その直後に熱ロールによって圧力をかけながら接着する方法が挙げられる。
【0034】
本実施形態の積層体では、MD方向及びTD方向における120℃での収縮率が、共に7%以下であることが好ましく、0〜5%であることがより好ましく、0〜3%であることがより好ましい。MD方向及びTD方向における収縮率が共に7%以下であれば、加熱成型時における積層体の過度な収縮を効果的に防止できるため、皺の発生を効果的に抑制することができるとともに、成型性がより一層良好となる。MD方向及びTD方向における120℃での収縮率は、フィルムを非拘束状態で120℃中のオーブンに5分間放置し、熱処理前後の寸法変化から求めることができる。
【0035】
本実施形態の積層体を成型することで各種容器とすることができる。容器の作製方法は、公知の真空圧空成型法やプラグアシスト成型法等の方法を用いることができる。
【0036】
真空圧空成型機の一例としてはFFS機が挙げられる。FFS機を使用した成型方法の一例を説明する。まず、成型用フィルムを繰り出した後に熱板によってシートを加熱し、真空圧空によってシートを所定の形状に成型した後に内容物を充填する。一方、繰り出された蓋用のフィルムは内容物を充填された成型用フィルムとトップシールされる。その後、連続的にスリットされて最終的な個々の包装体を形成する。本実施形態の成型容器は、ガスバリア性、成型性や衝撃強度に優れるため、食品、工業品や医薬品用の容器に適している。
【実施例】
【0037】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0038】
1.結晶配向度F
ポリ塩化ビニリデン系二軸延伸フィルムの結晶配向度Fは、下記の方法に従って測定される半値全幅μ(°)を用いて式1より算出した。(単位:%)

(式1) F=100×(180―μ)/180
【0039】
半値全幅μの測定方法を以下に示す。半値全幅μは、透過2次元広角X線散乱(WAXS)の測定を行った際に得られるエッジ像、即ち、膜の側面から膜面に平行にX線を入射して測定した場合に得られる2次元散乱パターン(Edge View Pattern)の1次反射ピーク強度を方位角に対してプロットしたのち、得られたピークのピーク強度とバックグラウンドレベルを求め、強度が (ピーク強度−バックグラウンド)/2+バックグラウンド となる位置におけるピーク幅とした。具体的には、ポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物の結晶の分子鎖方向がある主軸方向に配向している場合、その方位角の垂直方向(90°)に(100)面の回折ピークが現れるため、このピーク強度の方位角依存性から半値全幅μ(°)を求めた。なお、得られた2次元散乱ピークから(100)面の回折ピーク強度の方位角依存性を算出する際、回折ピーク強度を14.8°<2θ<16.3°(2θ:散乱角)の範囲で積算した。
【0040】
測定は、X線構造評価装置(リガク社製、「NanoViewer」)にて、0.4mm径の第一スリット、0.3mm径の第二スリットを用いて平行化した波長0.154nmのX線を用い、検出器にイメージングプレート(富士フィルム社製、「BAS−IP SR127」)を用いて行った。空気由来の散乱を防ぐため、第二スリット以降から検出器までの間を真空とした。得られた散乱に対しては空セル散乱補正を施した。1ピクセルの分解能(サイズ)は、50μm×50μmであった。フィルム側面(エッジ方向)からX線を入射するため、試料フィルムを積み重ねて厚み1mmとしたものを用意し、これをフィルム法線方向から切断することで、幅0.1mmの試料を切り出し、測定に供した。フィルムを積み重ねる際、フィルム間は散乱に影響のない最小限の量のエポキシ接着剤(セメダイン社製、「ハイスーパー5」)で接着した。
【0041】
2.引張破断伸度
ASTM D−882に準拠して測定した。測定は23℃、50%RHの雰囲気中で行った。引張測定機(ORIENTEC社製、「テンシロンRTC−1210」)を用いて、MD方向とTD方向の引張破断伸度を測定した。試料フィルムの幅は10mm、チャック間距離は50mm、引張速度は50mm/minである。
【0042】
3.酸素透過率(OTR)
ASTM D−3985に準拠して測定した。測定は、厚み25μmの試料フィルムをサンプルとして用い、酸素透過率測定装置「Mocon OX―TRAN 2/20」を用いて23℃、65%RHの雰囲気中で行った。
【0043】
4.ラミネート構成
後述する実施例、比較例において、ポリプロピレンフィルム(PPフィルム、実施例4:厚み600μm)と発泡スチレンフィルム(PSPフィルム、実施例8:厚み2000μm)以外のフィルムを用いたラミネートについては、後述するウレタン系の二液接着剤を用いたドライラミネート法で行った。PPフィルムとPSPフィルムの少なくともいずれかを用いたラミネートについては加熱ロールで圧着させるサーマルラミネート法で行った。
【0044】
5.ラミネート後フィルムの収縮率
120℃のオーブン中にてフィルムを非拘束状態で5分間放置し、ラミネートフィルムのMD方向及びTD方向における熱処理前後の寸法変化から収縮率を求めた。
【0045】
6.ポリ塩化ビニリデン単層フィルムの成型性
脇坂エンジニアリング社製の単発成型機(「FVS−500」)にて真空・圧空成型を行った。全て、間口が100mm角の正方形で深さが45mmの金型と50mmの金型を用いて成型を実施した。成型温度はフィルム温度が120℃になるように調整した。そして、以下の基準に基づき成型性を評価した。
評価結果
◎:深さ45mm及び50mmのいずれにおいてもフィルムの破断なく成型できた。
○:深さ45mmではフィルムの破断なく成型できたが、深さ50mmではフィルムの破断が起こった。
×:深さ45mm及び50mmのいずれにおいてもフィルムの破断が起こった。
【0046】
7.ポリ塩化ビニリデン単層フィルムの衝撃強度
ASTM−D3420に準拠して測定を行った。ポリ塩化ビニリデン単層フィルムを100mm×100mmの大きさに切り出し、雰囲気温度23℃にて測定装置フィルムインパクトテスター(テスター産業社製)を使用して測定を行った。そして、以下の基準に基づき衝撃強度を評価した。
評価結果
◎:1.2J以上
○:0.6〜1.2J
×:0.6J未満
【0047】
8.積層フィルムの成型性
脇坂エンジニアリング社製の単発成型機(「FVS−500」)にて実施例4と実施例8以外は真空・圧空成型を行った。実施例4と実施例8については同様の単発成型機にてプラグアシスト法で成型を行った。全て、間口が100mm角の正方形で深さが45mmのものと50mmの金型で成型を実施した。成型温度はフィルム温度が120℃になるように調整した。そして、以下の基準に基づき成型性を評価した。
評価結果
◎:深さ45mm及び50mmのいずれにおいてもフィルムの破断なく成型できた。
○:深さ45mmではフィルムの破断なく成型できたが、深さ50mmではフィルムの破断が起こった。
×:深さ45mm及び50mmのいずれにおいてもフィルムの破断が起こった。
【0048】
9.積層フィルムの衝撃強度
後述する各実施例及び各比較例のうち、上記にて得られた積層フィルムを用いて深さ45mmの成型容器が作製できたものについて、その成型容器に水を350cc充填して、蓋材を使用して脱気シールを行った。
実施例1、2、3、4、6、7、9及び比較例1、2については、蓋材として、二軸延伸ナイロンフィルム(ONyフィルム、ユニチカ社製、商品名「エンブレム」)15μm//ポリ塩化ビニリデン系フィルム(旭化成ケミカルズ社製、商品名「サランUB」)15μm//無延伸ポリプロピレンフィルム(CPPフィルム、東レフィルム加工社製、商品名「トレファン ZK93KM」)50μmのドライラミネートフィルムを使用した。
実施例5については、蓋材として、ONyフィルム(15μm)//サランUB(15μm)//無延伸直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(LLフィルム:東セロ社製、商品名「HZR−2」)60μmのドライラミネートフィルムを使用した。
実施例8については、蓋材として、ONyフィルム15μm//サランUB(15μm)//無延伸ポリスチレンフィルム(CPSフィルム:東和化工社製、商品名「スチロン」50μmのドライラミネートフィルムを使用した。
以下、特に断りがない限り、「//」は、接着剤層を意味する。
【0049】
そして、23℃雰囲気下で0.7mと1mの高さからそれぞれ1回落下させた。その後、成型容器を分解して成型容器のPVDC層に亀裂があるか否かを顕微鏡にて観察した。そして、以下の基準に基づき衝撃強度を評価した。
評価結果
◎:0.7m及び1mの高さのいずれの場合も、PVDC層に亀裂はなかった。
○:0.7mの高さから落下させた場合はPVDC層に亀裂はなかった、1mの高さから落下させた場合はPVDC層に亀裂が発生した。
×:0.7m及び1mのいずれの場合も、PVDC層に亀裂が発生した。
【0050】
[実施例1]
特開2008−074908号公報の記載に準じて、重量平均分子量が12万の塩化ビニリデン(VDC)/塩化ビニル(VC)=90/10(重量比)の共重合体を合成した。これに対して、熱安定剤としてエポキシ化大豆油(日油社製、商品名「ニューサイザー510」)を2wt%、可塑剤としてジブチルセバケートを4wt%混合したポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物(PVDC)を図1の装置で製膜し、厚さ25μmの単層フィルム1を得た。このときの延伸倍率は、MD/TD=2.5倍/2.5倍であった。
次に図2の装置により設定温度が80℃で3分間の熱処理を行った。また、このフィルムをドライラミネート法で他のフィルムと積層した(ドライラミネート条件等を下記に示す)。単層フィルム1(PVDC層;25μm厚)を芯材として、無延伸ナイロン6フィルム(CNyフィルム;25μm厚:東レフィルム加工社製、商品名「レイファンNO1401」)と無延伸ポリプロピレンフィルム(CPPフィルム;50μm厚:東レフィルム加工社製、商品名「トレファン 3301」)をラミネート加工した。得られたラミネートフィルムを40℃で4日間エージングして接着剤を硬化させて、CPP50μm//PVDC25μm//CNy25μmの積層フィルム1を得た。
【0051】
(ドライラミネート条件等)
引き出し速度;100m/min
繰り出しフィルムテンション;7kg/m幅
巻き取りフィルムテンション;10kg/m幅
ニップロール;60℃
乾燥;70℃×20秒
塗工方式;グラビアコート
接着剤;ウレタン系2液タイプ(三井化学(株)製、商品名「A520」と商品名「A50」を10:1の割合で混合したもの。)を、溶剤として接着剤量の3倍重量の酢酸エチルに溶かしたものを使用した。
塗布量:4g/m2・day (dry)
【0052】
[実施例2]
実施例1と同様にして、重量平均分子量が10万の塩化ビニリデン(VDC)/アクリル酸メチル(MA)=99/1(重量比)の共重合体を合成した。これに熱安定剤としてエポキシ化大豆油を2wt%混合したポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物(PVDC)を図1の装置で製膜し、厚さ25μmの単層フィルム2を得た。このときの延伸倍率はMD/TD=2.5倍/2.5倍であった。
次に図2の装置により設定温度が80℃で3.6分間の熱処理を行った。そして、実施例1と同様にして、ドライラミネート法でCPPフィルム50μm//単層フィルム2(PVDC)25μm//CNyフィルム25μmの積層フィルム2を得た。
【0053】
[実施例3]
実施例1と同様にして、重量平均分子量が10万の塩化ビニリデン(VDC)/アクリル酸メチル(MA)=91/9(重量比)の共重合体を合成した。これに熱安定剤としてエポキシ化大豆油を2wt%混合したポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物(PVDC)を図1の装置で製膜し、厚さ25μmの単層フィルム3を得た。このときの延伸倍率はMD/TD=3.0倍/3.1倍であった。次に図2の装置により設定温度が80℃で2分間の熱処理を行った。そして、実施例1と同様にして、ドライラミネート法でCPPフィルム50μm//単層フィルム3(PVDC)25μm//CNyフィルム25μmの積層フィルム3を得た。
【0054】
[実施例4]
実施例1と同様にして、重量平均分子量が7万の塩化ビニリデン(VDC)/アクリル酸メチル(MA)=92/8(重量比)の共重合体を合成した。これに熱安定剤としてエポキシ化大豆油を2wt%混合したポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物(PVDC)を図1の装置で製膜し、厚さ25μmの単層フィルム4を得た。このときの延伸倍率はMD/TD=3.0倍/2.9倍であった。
次に図2の装置により設定温度が80℃で2.5分間の熱処理を行った。そして、実施例1と同様にして、ドライラミネート法でCPPフィルム50μm//単層フィルム4(PVDC)25μm//CPPフィルム20μmの積層フィルム4を得た後に、この積層フィルムとポリプロピレンフィルム600μm(PPフィルム、積水成型工業社製、商品名「P−2127」)をサーマルラミネーション法で接着させた。サーマルラミネーション時のニップロール温度は150℃である。このようにしてCPP50μm//PVDC25μm//CPP20μm//PP600μmの積層フィルム4を得た。
【0055】
[実施例5]
実施例1と同様にして、重量平均分子量が7.5万の塩化ビニリデン(VDC)/アクリル酸メチル(MA)=95/5(重量比)の共重合体を合成した。これに熱安定剤としてエポキシ化大豆油を2wt%混合したポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物(PVDC)を図1の装置で製膜し、厚さ25μmの単層フィルム5を得た。このときの延伸倍率は、MD/TD=2.7倍/2.7倍であった。
次に図2の装置により設定温度が80℃で2.8分間の熱処理を行った。そして、実施例1と同様にして、ドライラミネート法で無延伸直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(LLフィルム:東セロ社製、商品名「HZR−2」)60μm//単層フィルム5(PVDC)25μm//CNyフィルム25μmの積層フィルム5を得た。
【0056】
[実施例6]
実施例1と同様にして、重量平均分子量が7.6万の塩化ビニリデン(VDC)/アクリル酸メチル(MA)=93/7(重量比)の共重合体を合成した。これに熱安定剤としてエポキシ化大豆油を2wt%混合したポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物(PVDC)を図1の装置で製膜し、厚さ25μmの単層フィルム6を得た。このときの延伸倍率はMD/TD=2.9倍/2.8倍であった。
次に図2の装置により設定温度が80℃で2.8分間の熱処理を行った。そして、実施例1と同様にして、ドライラミネート法でCPPフィルム50μm//単層フィルム6(PVDC)25μm//CNyフィルム25μmの積層フィルム6を得た。
【0057】
[実施例7]
実施例1と同様にして、重量平均分子量が8万の塩化ビニリデン(VDC)/アクリル酸メチル(MA)=96/4(重量比)の共重合体を合成した。これに熱安定剤としてエポキシ化大豆油を2wt%混合したポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物(PVDC)を図1の装置で製膜し、厚さ25μmの単層フィルム7を得た。このときの延伸倍率はMD/TD=2.6倍/2.6倍であった。
次に図2の装置により設定温度が80℃で3分間の熱処理を行った。そして、実施例1と同様にして、ドライラミネート法でCPPフィルム50μm//単層フィルム3(PVDC)25μm//ポリ塩化ビニルフィルム(PVCフィルム、又永化工社製、商品名「C−MSF−N−F」)200μmの積層フィルム7を得た。
【0058】
[実施例8]
実施例1と同様にして、重量平均分子量が9万の塩化ビニリデン(VDC)/アクリル酸メチル(MA)=98/2(重量比)の共重合体を合成した。これに熱安定剤としてエポキシ化大豆油を2wt%混合したポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物(PVDC)を図1の装置で製膜し、厚さ25μmの単層フィルム8を得た。このときの延伸倍率はMD/TD=2.6倍/2.5倍であった。
次に図2の装置により設定温度が80℃で3.4分間の熱処理を行った。そして、実施例1と同様にして、ドライラミネート法で二軸延伸ポリスチレンフィルム(OPSフィルム、旭化成ケミカルズ社製、商品名「GM」)14μm//単層フィルム8(PVDC)25μm//OPSフィルム14μmの積層フィルムを得た。後にこの積層フィルム8を発泡スチレンフィルム(PSPフィルム、厚さ2000μm、JSP社製)とサーマルラミネーション法によって接着させた。
【0059】
[比較例1]
実施例1と同様にして、重量平均分子量が10万の塩化ビニリデン(VDC)/アクリル酸メチル(MA)=94/6(重量比)の共重合体を合成した。これに熱安定剤としてエポキシ化大豆油を2wt%混合したポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物(PVDC)を図1の装置で製膜し、厚さ25μmの単層フィルムaを得た。このときの延伸倍率は、MD/TD=2.0倍/2.0倍に調整した。このフィルムでは、図2の装置による熱処理は行わなかった。そして、実施例1と同様にして、ドライラミネート法でCPPフィルム50μm//単層フィルムa(PVDC)25μm//CNyフィルム25μmの積層フィルムaを得た。
【0060】
[比較例2]
実施例1と同様にして、重量平均分子量が10万の塩化ビニリデン(VDC)/アクリル酸メチル(MA)=94/6(重量比)の共重合体を合成した。これに熱安定剤としてエポキシ化大豆油を2wt%混合したポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物(PVDC)を図1の装置で製膜し、厚さ25μmの単層フィルムbを得た。このときの延伸倍率はMD/TD=2.8倍/2.7倍であった。
次に図2の装置により80℃で5分間の熱処理を行った。そして、実施例1と同様にして、ドライラミネート法でCPPフィルム50μm//単層フィルムb(PVDC)25μm//CNyフィルム25μmの積層フィルムbを得た。なお、積層フィルムbの成型において破断が発生したために、衝撃強度評価のための落下テストは実施できなかった。
【0061】
[実施例9]
実施例1と同様にして、重量平均分子量が10万の塩化ビニリデン(VDC)/アクリル酸メチル(MA)=94/6(重量比)の共重合体を合成した。これに熱安定剤としてエポキシ化大豆油を2wt%混合したポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物(PVDC)を図1の装置で製膜し厚さ25μmの単層フィルム9を得た。このときの延伸倍率はMD/TD=2.8倍/2.7倍であった。
次に図2の装置により設定温度が80℃で3.2分間の熱処理を行った。そして、ドライラミネートする際に繰り出しフィルムテンションを15kg/m幅に変更する以外は実施例1と同様にして、CPPフィルム50μm//単層フィルム9(PVDC)25μm//CNyフィルム25μmの積層フィルム9を得た。ラミネート後の積層フィルム9の成型時に熱収縮による皺が若干入ったが実用上問題ないレベルであった。
【0062】
表1に各実施例及び各比較例の結果を示す。
【0063】
【表1】

【0064】
表1に示すように、各実施例では単層フィルム及び積層フィルムの成型性及び衝撃強度は、優れていることが確認された。一方、比較例では、単層フィルムの成型性及び衝撃強度の少なくともいずれかが悪く、かつ積層フィルムの成型性及び衝撃強度の少なくともいずれかが悪いことが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明のポリ塩化ビニリデン系二軸延伸フィルムは成型性に優れており、成型後の容器については耐衝撃性に優れるため、各種食品、工業品、医薬品等の収納する容器等として幅広い用途に用いることができる。
【符号の説明】
【0066】
101・・・押出機、102・・・ホッパー部、103・・・スクリュー、104・・・環状ダイ、105・・・筒状パリソン、106・・・冷却槽、107・・・温水槽、108・・・ヒートセットロール、109・・・巻き取りロール、A,A’,B,B’,C,C’・・・ピンチロール、201・・・繰り出し部、202・・・乾燥炉、203・・・巻き取り部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムのエッジ方向からの透過2次元広角X線散乱測定による(100)面の回折ピーク強度を方位角に対してプロットした際に現れるピークの半値全幅μ(°)から、下記式1によって規定される結晶配向度Fが、70%〜89.5%であり、かつ、
MD方向及びTD方向における23℃での引張破断伸度が共に80%以上である、
ポリ塩化ビニリデン系二軸延伸フィルム。

(式1) F=100×(180−μ)/180
【請求項2】
前記ポリ塩化ビニリデン系二軸延伸フィルムが、塩化ビニリデン90〜98質量%と、アクリル酸メチル10〜2質量%とからなる共重合体を含むフィルムであり、
前記ポリ塩化ビニリデン系二軸延伸フィルムの重量平均分子量が、6万〜13万である、請求項1記載のポリ塩化ビニリデン系二軸延伸フィルム。
【請求項3】
請求項1又は2記載のポリ塩化ビニリデン系二軸延伸フィルムと、
前記ポリ塩化ビニリデン系二軸延伸フィルムに積層された、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエステル、環状オレフィン共重合体、環状ポリオレフィン、フッ素系樹脂及びポリスチレンからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むフィルムと、
を含む積層体。
【請求項4】
MD方向及びTD方向における120℃での収縮率が、共に7%以下である請求項3記載の積層体。
【請求項5】
請求項3又は4記載の積層体を含む容器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−40226(P2013−40226A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175975(P2011−175975)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】