説明

ポリ(エチレングリコール)−ポリ(ラクチド−グリコリド−カプロラクトン)相互貫入ネットワークを含むコーティング物

埋込型医療デバイス用コーティング物の作製方法が開示される。本方法は、相互貫入ネットワーク又は半相互貫入ネットワークを含む埋込型デバイス上にコーティング物を形成するステップを含む。当該相互貫入ネットワーク又は半相互貫入ネットワークは、ポリ(エチレングリコール)及び脂肪族ポリエステルコポリマーを含む。埋込型デバイス、及び埋込型デバイスを使用する方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の背景]
(発明の分野)
本発明は、薬物送達血管ステント等の薬物送達デバイス用のコーティング物、及び同コーティング物を作成、利用する方法に関する。
【0002】
(現況技術の説明)
経皮経管冠動脈形成術(PTCA)は、心臓疾患を治療するための手技である。バルーン部分を有するカテーテルアッセンブリは、上腕動脈又は大腿動脈を経由して、患者の心血管系に経皮的に導入される。当該カテーテルアッセンブリは、冠動脈血管を経由して、バルーン部分が閉塞性病変を横切る位置まで挿入される。病変を横切る位置に到達したら、当該バルーンを事前決定されたサイズまで膨張させて、管腔壁が再構成されるように病変部のアテローム動脈硬化性プラークを強く圧迫する。次に、当該バルーンは、患者の血管から当該カテーテルが抜去可能となるように、小さな形状に収縮される。
【0003】
上記手技に関連する問題として、バルーン収縮後に崩壊し、血管を閉塞させるおそれのある内膜フラップすなわち破れた動脈内膜の形成が挙げられる。更に、手技後数カ月に渡り、血栓症及び動脈の再狭窄が発症するおそれがあり、これは、更に血管形成術又はバイパス手術を必要とする可能性がある。動脈内膜の崩壊による動脈の部分的又は完全閉塞を低減させるために、また血栓症及び再狭窄の発症機会を低減させるために、血管の開通性を維持するようにステントが管腔内に埋め込まれる。
【0004】
ステントは、機械的介入の他、生物学的な治療を提供する媒体としても用いられる。機械的介入の場合、ステントは、足場として作用し、流路壁の開通性を物理的に維持し、所望であればこれを拡張するように機能する。一般的に、ステントは圧縮可能であるため、カテーテル経由で細い血管を通じて挿入可能で、次いで、所望の位置に到達したら大径に拡張することができる。ステントを開示する特許文献の例で、PTCA手技について出願されたものとして、Palmazに交付された米国特許第4,733,665号、Gianturcoの米国特許第4,800,882号、Wiktorの米国特許第4,886,062号が挙げられる。
【0005】
生物学的な治療は、ステントに薬を含ませることにより実現可能である。薬が含まれているステントは、治療物質を疾患部位に局所投与する。治療対象部位に有効濃度をもたらすためには、そのような薬剤の全身投与は、しばしば患者に対して有害な又は毒性を有する副作用を生み出す。全身投与量よりも少ない総薬剤量が投与されるものの、これが特定部位で濃縮状態にあるという点で、局所送達は好ましい治療法である。したがって、局所送達は、副作用がより少なく、より好ましい結果を実現する。ステントに薬を含ませるための1つの方法案として、ステントの表面にコーティングされたポリマー担体の使用が挙げられる。溶媒、この溶媒に溶解したポリマー、及びこの混合物中に分散した治療物質を含む溶液が、ステントに塗布される。溶媒を蒸発させて、ポリマーと、このポリマー中に取り込まれた治療物質とからなるコーティング物がステント表面に残る。
【0006】
ステントにより治療薬を局所投与すると、再狭窄の低減においていくつかの好ましい結果が明らかになった。しかし、ステントコーティング物の特性は改善の余地がある。例えば、ポリ乳酸、又はポリ(乳酸−co−グリコール酸)の薬剤送達コーティング物では、薬剤とポリマーとの相分離が観察されており、このような相分離が生ずると、薬剤放出を望むレベルで制御できない場合がある。したがって、薬剤放出を制御し、またEtO滅菌やステントの圧接等の高温処理後のコーティング物の完全性を改善するためのより良い方法を提供する材料が必要となる。
【0007】
以下に記載する本発明の実施形態は、上記で識別された問題、及び必要性に対処する。
【0008】
[概要]
本発明の態様に基づき、埋込型医療デバイス用のコーティング物を作製する方法が提供される。この方法は、デバイス上にコーティング物を形成するステップを含み、このコーティング物は相互貫入ネットワーク(interpenetrating network(IPN))又は半IPN(semi−IPN)を含み、このIPN又は半IPNは、ポリ(エチレングリコール)(PEG)及び脂肪族ポリエステルコポリマーを含む。このコーティング物は、様々な方法により形成可能である。いくつかの実施形態では、コーティング物を形成するステップは、PEG、及び/又は脂肪族ポリエステルコポリマーの架橋を含む。いくつかのその他の実施形態では、コーティング物を形成するステップは、二官能性又は多官能性架橋剤を用いた、PEG、及び/又は脂肪族ポリエステルコポリマーの架橋を含む。いくつかの実施形態では、脂肪族ポリエステルコポリマーは、電子的不飽和を含むことができ、またコーティング物を形成するステップは、当該脂肪族ポリエステルコポリマーの架橋を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、脂肪族ポリエステルコポリマーは、D,L−ラクチド、又はL−ラクチドを含みうる。いくつかの実施形態では、脂肪族ポリエステルコポリマーは、グリコリド(GA)を含みうる。いくつかの実施形態では、脂肪族ポリエステルコポリマーは、ポリ(L−ラクチド−co−グリコリド−co−カプロラクトン)(PLGACL)、又はポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド−co−カプロラクトン)(PDLA−GA−CL)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)、又はポリ(ブチレンサクシネート)を含みうる。IPN又は半IPNが、ラクチドとグリコリドの両方を含む場合には、ラクチド及びグリコリドは、異なるモル比、例えば75:25等の約50%〜約90%の範囲のラクチド対グリコリドのモル比を有しうる。
【0010】
IPN又は半IPNは、様々なレベルのPEGを含みうる。いくつかの実施形態では、IPN又は半IPNは、IPN又は半IPNの約1質量%〜約40質量%のPEGを含む。いくつかの実施形態では、IPN又は半IPNは、IPN又は半IPNの約2質量%〜約25質量%のPEGを含む。いくつかの実施形態では、IPN又は半IPNは、IPN又は半IPNの約2質量%〜約10質量%のPEGを含む。
【0011】
このコーティング物は、薬物等の生物活性薬剤を更に含みうる。生物活性薬剤及びIPN又は半IPNは、異なる薬剤:ポリマー(D:P)重量比を有しうる。生物活性薬剤対IPN又は半IPNのそのような比の例として、約1:1〜約1:5が挙げられうる。生物活性薬剤の例として、パクリタキセル、ドセタキセル、エストラジオール、17−β−エストラジオール、一酸化窒素供与体、スーパーオキシドジスムターゼ、スーパーオキシドジスムターゼ模倣体、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(4−アミノ−TEMPO)、バイオリムス、タクロリムス、デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、ラパマイシン、ラパマイシン誘導体、40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシン(エベロリムス)、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピル−ラパマイシン、40−O−[2−(2−ヒドロキシ)エトキシ]エチル−ラパマイシン、及び40−O−テトラゾール−ラパマイシン、40−エピ−(N1−テトラゾリル)−ラパマイシン(ABT−578)、ゾタロリムス、バイオリムス A9(Biosensors International、Singapore)、AP23572(Ariad Pharmaceuticals)、γ−ヒリダン、クロベタゾール、ピメクロリムス、メシル酸イマチニブ、ミドスタウリン、フェノフィブラート、これらのプロドラッグ、これらのコドラッグ、又はこれらを組み合わせたものが挙げられる。
【0012】
埋込型デバイスは、任意の埋込型デバイスでありうる。埋込型デバイスの例として、ステント、又は生体吸収性ステントが挙げられる。
【0013】
本発明の別の態様に基づけば、コーティング物を含む埋込型医療デバイスが提供される。コーティング物の実施形態は上記の通りである。
【0014】
本発明の別の態様に基づけば、方法が提供され、この方法は、埋込型デバイスを埋め込むステップを含む。埋込型デバイスの実施形態は上記の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】ポリ(エチレングリコール)−ポリ(ラクチド−co−グリコリド)相互貫入ネットワークから形成されたコーティング物の走査型電子顕微鏡(SEM)の画像を表す図である。
【図1B】ポリ(エチレングリコール)−ポリ(ラクチド−co−グリコリド)相互貫入ネットワークから形成されたコーティング物の走査型電子顕微鏡(SEM)の画像を表す図である。
【図1C】ポリ(エチレングリコール)−ポリ(ラクチド−co−グリコリド)相互貫入ネットワークから形成されたコーティング物の走査型電子顕微鏡(SEM)の画像を表す図である。
【図1D】ポリ(エチレングリコール)−ポリ(ラクチド−co−グリコリド)相互貫入ネットワークから形成されたコーティング物の走査型電子顕微鏡(SEM)の画像を表す図である。
【図1E】ポリ(エチレングリコール)−ポリ(ラクチド−co−グリコリド)相互貫入ネットワークから形成されたコーティング物の走査型電子顕微鏡(SEM)の画像を表す図である。
【図1F】ポリ(エチレングリコール)−ポリ(ラクチド−co−グリコリド)相互貫入ネットワークから形成されたコーティング物の走査型電子顕微鏡(SEM)の画像を表す図である。
【図2】様々なPEG−PLGA IPN組成物から形成されたコーティング物に由来する、エベロリムスの放出速度プロファイルを示す図である。
【0016】
[詳細な説明]
本発明の態様に基づけば、埋込型デバイス上にコーティング物が提供される。このコーティング物は、生物活性薬剤、及びポリエチレングリコール(PEG)と少なくとも1種類の脂肪族ポリエステルとを含む相互貫入ネットワーク(IPN)又は半IPNを含む。このIPN又は半IPNは、薬剤を取り込み、ポリマーマトリックスのバルク浸食を最小限に抑え、したがって、制御された浸食により薬剤の0次放出を実現する。
【0017】
いくつかの実施形態では、IPN又は半IPNは、ポリ(ラクチド−co−グリコリド−co−カプロラクトン)(PLGACL)(PEG/PLGACL−IPN)、又はPEGとPLGACLとからなる半貫入ネットワーク(PEG/PLGACL−IPN)である。そのようなIPN又は半IPNから形成されたコーティング物は、制御可能な薬物放出特性、又はコーティング特性を有しうる。例えば、ポリマー系中のPEG及びPLGACLの比、並びにグリコリド及びカプロラクトンに対するラクチドの比を変化させることにより、薬剤放出速度及び期間を制御しうる。更に、PEG及びPLGAの組成を変化させて、コーティング物の完全性が優良となるようにコーティング物に対して弾力性を付与するために、またコーティング材料の分解を制御するために、組成を調整することができる。IPN又は半IPN中のラクチドユニットも、コーティング物を、EtO滅菌やステント圧接等の高温処理に対してより強靭にする原因となる(3種類の異なるIPNサンプルの放出速度に関する図を参照)。
【0018】
いくつかの実施形態では、IPN又は半IPNは、PEG−co−ポリ(ブチレンサクシネート)及びPLGAを用いて、又はPLGAと共にPEG−co−PLGAを用いて構成可能である。
【0019】
本明細書に記載するIPN又は半IPNは、異なる濃度のPEGを有しうる。PEGは親水性で非付着性(non−fouting)のポリマーである。したがって、IPN又は半IPN中のPEGは、IPN又は半IPN中のPEGの含有量に直接関係する、一定の親水性、及び非付着性を付与する。一般的に、IPN又は半IPNは、IPN又は半IPNの総重量の約質量%〜約40質量%、好ましくは約2質量%〜約25質量%、最も好ましくは約2質量%〜約10質量%のPEG含有量をおよそ有しうる。
【0020】
ポリエステルポリマーは、IPN又は半IPNに疎水性、機械的強度、弾力性を付与する。ポリエステルポリマーは、異なる分解速度を有する。一般的に、ラクチドと比較して、グリコリドはポリエステルに対して、比較的速い分解速度を付与する。グリコリドの含有量がより高いIPN又は半IPNは、一般的により速く分解し、一方、ラクチドの含有量がより高いIPN又は半IPNは、一般的により弾力性がある。したがって、IPN又は半IPNが、グリコリドとラクチドの両方を含む場合には、ラクチド対グリコリドのモル比は、約50%〜約90%でありうる。当該ラクチドは、D−ラクチドとL−ラクチドの混合物であるラセミ体ラクチド、又はL−ラクチド若しくはD−ラクチドでありうる。
【0021】
IPN又は半IPNは、埋込型デバイス上のコーティング物の層中に、単独で、又は生物活性薬剤と共に、薬物送達マトリックス又は薬剤リザーバー層として含めうる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載するIPN又は半IPNを含むコーティング物は、当該コーティング物を有する埋込型デバイス表面への当該コーティング物の接着が改善するように非結晶性のプライマー層を含みうる。いくつかの実施形態では、当該非結晶性プライマー層は、生体吸収性又は非吸収性でありうる。いくつかの実施形態では、当該プライマー層は、ラクチド対グリコリドのモル比が約75:25のポリ(D、L−ラクチド−co−グリコリド)(PDLGA)から形成されうる。
【0022】
本明細書で用いる場合、用語IPNは、互いに共有結合していないが、分子スケールで少なくとも部分的に絡み合っており、化学結合が切断されなければ分離できない2種類以上のポリマーを含むポリマーネットワークを意味する。一般的に、IPNとしてみなされるための3条件は次の通り:(1)2種類のポリマーが合成物であること、及び/又は他方が存在した状態で架橋されていること、(2)2種類のポリマーは類似の反応速度を有すること、並びに(3)2種類のポリマーが極端に相分離しないことである。用語「半IPN」とは、少なくとも1種類のポリマーが架橋しており、少なくとも1種類のポリマーが架橋していない2種類以上のポリマーからなるポリマーネットワークを意味する。
【0023】
良く知られた方法により、IPN又は半IPNを形成することができる。一般的に、IPNを形成するには、架橋剤有り/無しで、ポリマー中の官能基を架橋することにより、IPN構造物中のポリマーを架橋する。例えば、二官能性又は多官能性の架橋剤又は連結剤を用いれば、ポリマー鎖間の架橋を実現することができる。架橋剤は、ポリマーの架橋を引き起こし、これによってIPN又は半IPNが形成される。いくつかの実施形態では、硬化可能なポリマーを含むコーティング剤を高温で硬化させることにより、架橋を生じさせることができる。本明細書で用いる場合、高温とは、周囲温度よりも高い温度を指す。
【0024】
本明細書に記載するIPN又は半IPNを形成するのに有用な連結剤は、2つ以上の官能基を有する任意の分子でありうる。そのような官能基として、ヒドロキシル、チオール、カルボン酸、スルホン酸、サルフェート、リン酸、ホスフェート、アミノ、アルデヒド類、イソシアネート、2つの不飽和を有する化合物、例えばジアクリレート、ジメタクリレート等、又は2つのビニル基若しくは2つのアリル基を有する化合物が挙げられ、但し、それらに限定されない。典型的な連結剤として、グルタルアルデヒド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(BisAAM)等が挙げられ、但し、これらに限定されない。
【0025】
(定義)
該当する場合には、本発明の記載全体を通じて用いられる、いくつかの用語に対する定義は、以下に規定する通りに適用されることとする。
【0026】
用語「生物学的に分解可能」(又は、「生分解性」)、「生物学的に侵食可能」(又は「生体侵食性」)、「生物学的に吸収可能」(又は、「生体吸収性」)、及び「生物学的に再吸収可能」(又は、「生体再吸収性」)は、ポリマー及びコーティング物に関する場合には、交換可能に用いられ、生理的条件に曝露された場合には、やがて完全に、又は実質的に完全に分解、溶解、及び/又は侵食される能力があり、かつ身体によって徐々に再吸収、吸収及び/又は排除可能であるか、又は動物(例えば、ヒト)の腎臓膜を通過できる断片、例えば、約40,000ダルトン(40kDa)以下の分子量を有する断片に分解可能なポリマー及びコーティング物を指す。ポリマー又はコーティング物が分解し、最終的に吸収、排除されるプロセスは、例えば、加水分解、代謝プロセス、酸化、酵素的プロセス、バルク侵食又は表面侵食等に原因しうる。一方、「生体安定性」ポリマー又はコーティング物とは、生分解性ではないポリマー又はコーティング物を指す。
【0027】
「生物学的に分解可能」、「生物学的に侵食可能」、「生物学的に吸収可能」、及び「生物学的に再吸収可能」なステントコーティング物、又はそのようなステントコーティング物を形成するポリマーを引用する場合は常に、分解、侵食、吸収、及び/又は再吸収するプロセスが完了し、又は実質的に完了した後には、ステント上にコーティング物が全く存在しない、又は実質的にほとんどコーティング物が残存しないと理解される。本出願において、用語「分解性」、「生分解性」、又は「生物学的に分解可能」を用いるときは常に、これらの用語は、生物学的に分解可能な、生物学的に侵食可能な、生物学的に吸収可能な、及び生物学的に再吸収可能なポリマー又はコーティング物を幅広く含むように意図されている。
【0028】
「生理的条件」とは、インプラントが、動物(例えば、ヒト)の体内において曝露される条件を指す。生理的条件には、その動物種の「正常」体温(ヒトの場合、約37℃)、並びに生理的なイオン強度、pH、及び酵素からなる水性環境が含まれるが、但し、これらに限定されない。場合によっては、特定の動物の体温は、その動物種にとって「正常」体温とみなされる温度よりも高い、又は低い可能性がある。例えば、ヒトの体温は、場合によっては、約37℃よりも高い、又は低い可能性がある。本発明の範囲には、ある動物の生理的条件(例えば、体温)が、「正常」とはみなされない場合が含まれる。血液に接触する埋込型デバイスの場合、「治癒促進性」薬物又は薬剤とは、動脈管の再内皮化を促進又は増強して、血管組織の治癒を促進する特性を有する薬物又は薬剤を指す。
【0029】
本明細書で用いる場合、「コドラッグ」とは、特定の薬理効果を実現するために、別の薬物と同時に又は連続的に投与される薬物である。効果は全身的であっても、また特異的であってもよい。コドラッグは、他の一方の薬物とは異なる効果を発揮することができ、又は他の一方の薬物の効果を促進、強化、又は増強することができる。
【0030】
本明細書で用いる場合、「プロドラッグ」とは、化学的な部分又は生物学的な部分により、活性が低減された薬剤を指し、当該薬剤は代謝され、又はin vivoで加水分解を受けて薬物又は活性成分を形成する。用語「プロドラッグ」は、「プロエージェント(proagent)」、「潜在化薬物(latentiated drugs)」、「生可逆的誘導体(bioreversible derivertives)」、及び「同族体(congeners)」等の用語と交換可能に使用することができる。N.J.Harper、Drug latentiation、Prog Drug Res.、第4巻:221〜294ページ(1962);E.B.Roche、Design of Biopharmaceutical Properties through Prodrugs and Analogs、Washington,DC:American Pharmaceutical Association(1977);A.A.Sinkula及びS.H.Yalkowsky、Rationale for design of biologically reversible drug derivatives:prodrugs、J.Pharm.Sci.、第64巻:181〜210ページ(1975)。用語「プロドラッグ」を使用する場合、活性薬物分子のいくつかの塩の形態を特徴付けるために、この用語を用いる著者もいるが、通常は、薬物と化学的な部分との間の共有結合を意味する。プロドラッグそのものについて、厳密で普遍的な定義は存在せず、定義は著者によって異なるが、プロドラッグは、一般的に、薬理学的により低活性な化学誘導体であって、治療、予防、又は診断上の効果を発揮する活性な、又はより活性な薬物分子に、in vivoで酵素的又は非酵素的に変換されうる化学誘導体として定義されうる。Sinkula及びYalkowsky、前出;V.J.Stellaら、Prodrugs:Do they have advantages in clinical practice?、Drugs、第29巻:455〜473ページ(1985)。
【0031】
用語「ポリマー」、及び「重合物」とは、重合反応生成物である化合物を指す。これらの用語には、ホモポリマー(すなわち、1種類のモノマーを、重合することにより得られるポリマーであって、鎖状ポリマー又は濃縮ポリマーのいずれかによりなる)、コポリマー(すなわち、異なる2種類以上のモノマーを重合させることにより得られるポリマーであって、鎖状ポリマー又は濃縮ポリマーのいずれかによりなる)、濃縮ポリマー(濃縮重合から作製されるポリマー)、ランダム状を含むターポリマー等(鎖状ポリマー又は濃縮ポリマーのいずれかによりなる)、交互型(鎖状ポリマー又は濃縮ポリマーのいずれかによりなる)、ブロック型(鎖状ポリマー又は濃縮ポリマーのいずれかによりなる)、グラフト型、樹枝状、架橋型、及びこれらのその他のあらゆる変形物が含まれる。
【0032】
本明細書で用いる場合、用語「埋込型」とは、哺乳動物(例えば、ヒト又は患者)に埋込み可能な特性であって、デバイスが指示する通りにこれを使用するとき、前記デバイスが安全かつ有効であるように、法律、及び政府当局(例えば、米国FDA)の規則により規定される、デバイスの機械的、物理的、化学的、生物学的、及び薬理学的要求事項を満たす特性を指す。本明細書で用いる場合、「埋込型デバイス」は、ヒト又はヒトではない動物に埋め込まれうる、あらゆる適した基材でありうる。埋込型デバイスの例として、自己拡張型ステント、バルーン拡張型ステント、冠動脈ステント、末梢血管ステント、ステント−グラフト、カテーテル、様々な体内の管腔、又は腔孔用のその他の拡張型管状デバイス、グラフト、血管グラフト、動脈−静脈グラフト、バイパスグラフト、ペースメーカー及び除細動器、前出デバイス用のリード線と電極、人工心臓弁、吻合クリップ、動脈閉鎖デバイス、卵円孔開存閉鎖デバイス、髄液シャント、及び粒子(例えば、薬物溶出粒子、微粒子、及びナノ粒子)が挙げられるが、但し、これらに限定されない。ステントは、体内の任意の管腔を対象とすることができ、これには、神経、頸動脈、静脈移植血管、冠動脈、大動脈、腎臓、腸骨、大腿骨、膝窩血管系、及び尿道に関する流路が含まれる。埋込型デバイスは、治療薬の局所送達用として設計可能である。薬物処理された埋込型デバイスは、部分的に、例えば、治療薬を含むコーティング材料でデバイスをコーティングすることにより、構築可能である。デバイス本体も、治療薬を含むことができる。
【0033】
埋込型デバイスは、生分解性/生体吸収性/生体侵食性ポリマー、生体安定性ポリマー、又はこれらを組み合わせたものを部分的に、又は全体的に含むコーティング物を用いて作製可能である。埋込型デバイスそのものも、生分解性/生体吸収性/生体侵食性ポリマー、生体安定性ポリマー、又はこれらを組み合わせたものから、部分的に又は全体的に作製可能である。
【0034】
本明細書で用いる場合、表示の基材(例えば、埋込型デバイス)「上に配置される」層、又はフィルム、(例えば、コーティング物)として記載される材料とは、例えば、前記基材の表面上の少なくとも一部分上に直接的又は間接的に配置される材料のコーティング物を指す。直接的に配置するとは、コーティング物を、基材の露出表面に直接塗布することを意味する。間接的に配置するとは、コーティング物を、基材上に直接的又は間接的に配置された中間層に塗布することを意味する。いくつかの実施形態では、用語「層」又は「フィルム」からは、非埋込型デバイス上に形成されたフィルム、又は層が除外される。
【0035】
ステントの場合、「送達」とは、ステントを、身体の管腔経由で治療を必要とする管内の部位、例えば病変部などに導入及び輸送することを指す。「留置」とは、管腔内の治療部位でステントを拡張させることに関連する。ステントの送達及び留置は、カテーテルの一端近傍にステントを配置し、皮膚を経由して当該カテーテルの一端を身体管腔内に挿入し、身体管腔内において当該カテーテルを所望の治療部位まで前進させ、前記治療部位で当該ステントを拡張させ、及び当該カテーテルを管腔から抜去することにより達成される。
【0036】
一般的に、ポリマーの疎水性は、ヒルデブランド(Hildebrand)溶解パラメーターδを用いて評価することができる。用語「ヒルデブランド溶解パラメーター」とは、物質の凝集を表すパラメーターを指す。δパラメーターは次式より求められる。
δ=(ΔE/V)1/2
ここで、δは溶解パラメーター、(cal/cm1/2であり、
ΔEは、蒸発エネルギー、cal/moleであり、
また、Vはモル体積、cm/moleである。
【0037】
ポリマーブレンド中のポリマーが、当該ブレンド中の別のポリマーのδ値よりも低いδ値を有する場合はいずれも、疎水性ポリマーとして規定され、より高いδ値を有するポリマーは、親水性と規定される。ブレンド中に3種類以上のポリマーが用いられる場合には、それぞれのポリマーはδ値の順番でランク付けされる。本発明を実践する場合、以下に記載するように、2種類のポリマーのδ値の差異が十分であって、親水性ポリマーが表面に移動又は被覆するのを可能にする限り、ポリマーを疎水性又は親水性と分類するための、特定のポリマーのδ値は重要ではない。1つの典型的な実施形態では、ポリマーブレンドの疎水性成分と親水性成分との境界を規定するδ値は、約11(cal/cm1/2でありうる。
【0038】
(生物活性薬剤)
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する埋込型デバイスは、少なくとも1種類の生物学的に活性な(生物活性)薬剤を任意選択的に含みうる。少なくとも1種類の生物活性薬剤には、治療上、予防上、又は診断上の効果を患者に対して発揮することができる任意の物質が含まれうる。
【0039】
適する生物活性薬剤の例として、治療、予防、又は診断活性を有する、合成無機化合物及び合成有機化合物、タンパク質及びペプチド、多糖類及びその他の糖類、脂質、並びにDNA及びRNA核酸配列が挙げられ、但し、これに限定されない。核酸配列としては、遺伝子、転写を阻害するように相補的DNAに結合するアンチセンス分子、及びリボザイムが挙げられる。他の生物活性薬剤のその他のいくつかの例として、抗体、受容体リガンド、酵素、接着性ペプチド、血液凝固因子、ストレプトキナーゼ及び組織プラスミノゲン活性化因子等の阻害剤又は血栓溶解剤、予防接種用抗原、ホルモン及び成長因子、アンチセンスオリゴヌクレオチド等のオリゴヌクレオチド、及びリボザイム、及び遺伝子療法に用いられるレトロウィルスベクターが挙げられる。生物活性薬剤は、例えば、血管平滑筋細胞の活性を阻害するように設計することも可能である。この生物活性薬剤は、再狭窄を阻害するように平滑筋細胞の異常又は不適切な移動及び/又は増殖を阻害することを目標としうる。
【0040】
特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ又は複数の他の実施形態と任意選択的に組み合わせて、埋込型デバイスは、抗増殖性、抗新生物性、抗有糸分裂性、坑炎症性、抗血小板性、抗凝固性、抗フィブリン性、抗トロンビン性、抗生性、抗アレルギー性、及び抗酸化性の物質から選択される少なくとも1種類の生物学的に活性な薬剤を含みうる。
【0041】
抗増殖薬は、細胞毒素等の天然のタンパク質系薬剤であっても、また合成分子であってもよい。抗増殖物質の例として、アクチノマイシンD、又はその誘導体及び類似体(Sigma−Aldrich製、又はMerckより入手可能なコスメゲン(COSMEGEN))(アクチノマイシンDの同義語として、ダクチノマイシン、アクチノマイシンIV、アクチノマイシンI、アクチノマイシンX、及びアクチノマイシンCが挙げられる);全てのタキソイド類、例えばタキソール、ドセタキセル、及びパクリタキセルとその誘導体等、全てのオリムス薬、例えばマクロライド系抗生物質、ラパマイシン、エベロリムス、ラパマイシンの構造的誘導体及び機能的類似体、エベロリムスの構造的誘導体及び機能的類似体、FKBP−12媒介mTOR阻害剤、バイオリムス、パーフェニドン、これらのプロドラッグ、これらのコドラッグ、及びこれらを組み合わせたものが含まれ、但し、これらに限定されない。ラパマイシン誘導体の例としては、40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシン(Novartisより市販されている登録商標エベロリムス(everolimus))、40−O−(2−エトキシ)エチル−ラパマイシン(バイオリムス)、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピル−ラパマイシン、40−O−[2−(2−ヒドロキシ)エトキシ]エチル−ラパマイシン、40−O−テトラゾール−ラパマイシン、40−エピ−(N1−テトラゾリル)−ラパマイシン(Abbott Labs製のゾタロリムス(zotarolimus))、これらのプロドラッグ、これらのコドラッグ、及びこれらを組み合わせたものが挙げられ、但し、これらに限定されない。抗炎症薬は、ステロイド系抗炎症薬、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)であっても、またこれらを組み合わせたものであってもよい。抗炎症薬の例としては、アルクロフェナク、ジプロピオン酸アルクロメタゾン、アルゲストンアセトニド、α−アミラーゼ、アムシナファル、アムシナフィド、アンフェナクナトリウム、塩酸アミプリロース、アナキンラ、アニロラク、アニトラザフェン、アパゾン、バルサラジド二ナトリウム、ベンダザク、ベノキサプロフェン、塩酸ベンジダミン、ブロメラインス、ブロペラモール、ブデソニド、カルプロフェン、シクロプロフェン、シンタゾン、クリプロフェン、クロベタゾール、プロピオン酸クロベタゾール、酪酸クロベタゾン、クロピラク、プロピオン酸クロチカゾン、酢酸コルメタゾン、コルトドキソン、デフラザコルト、デソニド、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、ジプロピオン酸デキサメタゾン、ジクロフェナクカリウム、ジクロフェナクナトリウム、二酢酸ジフロラゾン、ジフルミドンナトリウム、ジフルニサル、ジフルプレドナート、ジフタロン、ジメチルスルホキシド、ドロシノニド、エンドリゾン、エンリモマブ、エノリカムナトリウム、エピリゾール、エトドラク、エトフェナメート、フェルビナク、フェナモール、フェンブフェン、フェンクロフェナク、フェンクロラク、フェンドサル、フェンピパロン、フェンチアザク、フラザロン、フルアザコルト、フルフェナム酸、フルミゾール、酢酸フルニゾリド、フルニキシン、フルニキシンメグルミン、フルオコルチンブチル、酢酸フルオロメトロン、フルキアゾン、フルルビプロフェン、フルレトフェン、プロピオン酸フルチカゾン、フラプロフェン、フロブフェン、ハルシノニド、プロピオン酸ハロベタゾール、酢酸ハロプレドン、イブフェナク、イブプロフェン、イブプロフェンアルミニウム、イブプロフェンピコノール、イロニダプ、インドメタシン、インドメタシンナトリウム、インドプロフェン、インドキソール、イントラゾール、酢酸イソフルプレドン、イソキセパク、イソキシカム、ケトプロフェン、塩酸ロフェミゾール、ロモキシカム、エタボン酸ロテプレドノール、メクロフェナム酸ナトリウム、メクロフェナム酸、二酪酸メクロリゾン、メフェナム酸、メサラミン、メセクラゾン、スレプタン酸メチルプレドニゾロン、モミフルメート、ナブメトン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、ナプロキソール、ニマゾン、オルサラジンナトリウム、オルゴテイン、オルパノキシン、オキサプロジン、オキシフェンブタゾン、塩酸パラニリン、ペントサン多硫酸ナトリウム、グリセリン酸フェンブタゾンナトリウム、パーフェニドン、ピロキシカム、桂皮酸ピロキシカム、ピロキシカムオラミン、ピルプロフェン、プレドナゼート、プリフェロン、プロドール酸、プロカゾン、プロキサゾール、クエン酸プロキサゾール、リメキソロン、ロマザリット、サルコレックス、サルナセジン、サルサレート、塩化サンギナリウム、セクラゾン、セルメタシン、スドキシカム、スリンダク、スプロフェン、タルメタシン、タルニフルメート、タロサレート、テブフェロン、テニダップ、テニダップナトリウム、テノキシカム、テシカム、テシミド、テトリダミン、チオピナク、ピバル酸チキソコルトール、トルメチン、トルメチンナトリウム、トリクロニド、トリフルミデート、ジドメタシン、ゾメピラクナトリウム、アスピリン(アセチルサリチル酸)、サリチル酸、コルチコステロイド、グルココルチコイド、タクロリムス、ピメコルリムス、これらのプロドラッグ、これらのコドラッグ、及びこれらを組み合わせたものが挙げられ、但し、これらに限定されない。
【0042】
あるいは、抗炎症薬は、炎症促進性シグナル分子の生物学的阻害剤であってもよい。抗炎症性生物薬として、生物学的炎症シグナル分子等に対する抗体が挙げられる。
【0043】
更に、生物活性薬剤は、抗増殖薬、又は抗炎症薬以外のものであってもよい。生物活性薬剤は、治療薬、予防薬、又は診断薬である任意の薬剤であってもよい。いくつかの実施形態では、そのような薬剤は、抗増殖薬、又は抗炎症薬と併用して用いることができる。そのような生物活性薬剤は、抗増殖特性、及び/又は抗炎症特性も有することができ、又は抗新生物性、抗有糸分裂性、細胞増殖抑制性、抗血小板性、抗凝固性、抗フィブリン性、抗トロンビン性、抗生性、抗アレルギー性、及び/又は抗酸化性の諸特性等、その他の特性を有しうる。
【0044】
抗新生物薬及び/又は抗有糸分裂薬の例として、パクリタキセル(例えば、Bristol−Myers Squibbから入手可能なタキソール(TAXOL)(登録商標))、ドセタキセル(例えば、Aventisから入手可能なタキソテール(Taxotere)(登録商標))、メトトレキサート、アザチオプリン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、フルオロウラシル、塩酸ドキソルビシン(例えば、Pfizerから市販されているアドリアマイシン(Adriamycin)(登録商標))、及びマイトマイシン(Bristol−Myers Squibbから市販されているムタマイシン(Mutamycin)(登録商標))が挙げられ、但し、これらに限定されない。
【0045】
細胞増殖抑制特性、又は抗増殖特性も有しうる抗血小板薬、抗凝固薬、抗フィブリン薬、及び抗トロンビン薬の例としてヘパリンナトリウム、低分子量ヘパリン、ヘパリノイド、ヒルジン、アルガトロバン、フォルスコリン、バピプロスト、プロスタサイクリン、及びプロスタサイクリン類似体、デキストラン、D−phe−pro−arg−クロロメチルケトン(合成抗トロンビン)、ジピリダモール、糖タンパク質IIb/IIIa血小板膜受容体拮抗薬抗体、組換えヒルジン、アンジオマックス(ANGIOMAX)(Biogenから)等のトロンビン阻害剤、カルシウムチャネル遮断薬(例えば、ニフェジピン)、コルヒチン、線維芽細胞増殖因子(FGF)拮抗薬、魚油(例えば、ω3−脂肪酸)、ヒスタミン拮抗薬、ロバスタチン(HMG−CoAリダクターゼを阻害するコレステロール低下薬、Merckから市販されているブランド名メバコール(Mevacor)(登録商標))、モノクローナル抗体(例えば、血小板由来増殖因子(PDGF)受容体に特異的なもの)、ニトロプルシド、ホスホジエステラーゼ阻害剤、プロスタグランジン阻害剤、スラミン、セロトニン遮断薬、ステロイド類、チオプロテアーゼ阻害剤、トリアゾロピリミジン(PDGF拮抗薬)、一酸化窒素又は一酸化窒素供与体、スーパーオキシドジスムターゼ、スーパーオキシドジスムターゼ模倣体、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(4−アミノ−TEMPO)、エストラジオール、抗がん剤、種々のビタミン等の栄養補助食品、及びこれらを組み合わせたものが挙げられ、但し、これらに限定されない。
【0046】
細胞増殖抑制物質の例として、アンジオペプチン、カプトプリル等のアンジオテンシン転換酵素阻害剤(例えば、Bristol−Myers Squibbから市販されているカポテン(Capoten)(登録商標)及びカポジド(Capozide)(登録商標))、シラザプリル及びリシノプリル(例えば、Merckから市販されているプリニビル(Prinivil)(登録商標)及びプリンジド(Prinzide)(登録商標))が挙げられ、但し、これらに限定されない。
【0047】
抗アレルギー薬の例として、ペルミロラストカリウムが挙げられ、但し、これに限定されない。抗酸化物質の例としては、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(4−アミノ−TEMPO)が、これに限定されずに挙げられる。その他の生物活性薬剤として、抗ウィルス薬等の抗感染症薬;鎮痛剤及び鎮痛合剤;食欲減退薬;駆虫薬(antihelmintics)、抗関節炎薬;抗ぜんそく薬;抗痙攣薬(anticonvulsants);抗うつ剤;抗利尿薬;下痢止め薬;抗ヒスタミン薬;抗偏頭痛製剤;制嘔吐剤;抗パーキンソン薬;かゆみ止め薬;抗精神病薬;解熱剤;鎮痙剤(antispasmodics);抗コリン作用薬;交感神経興奮剤;キサンチン誘導体;カルシウムチャネル遮断薬、及びβ−遮断薬、例えば、ピンドロール、及び抗不整脈薬等を含む心臓血管製剤;降圧剤;利尿薬;一般的なの冠状動脈血管拡張薬を含む血管拡張薬;末梢血管、及び脳血管拡張薬;中枢神経系刺激剤;充血除去剤を含む鎮咳薬及び感冒薬:睡眠薬;免疫抑制剤;筋肉弛緩剤;副交感神経遮断薬;精神刺激薬;鎮静薬;精神安定剤;天然由来の、又は遺伝子工学で作成されたリポタンパク;及び再狭窄低減薬が挙げられる。
【0048】
使用可能なその他の生物学的に活性な薬剤として、α−インターフェロン、遺伝子工学による上皮細胞、タクロリムス、及びデキサメタゾンが挙げられる。
【0049】
血液に接触する埋込型デバイスの場合、「治癒促進性」薬物又は薬剤とは、動脈管の再内皮化を促進又は増強して、血管組織の治癒を促進する特性を有する薬物又は薬剤を指す。治癒促進性薬物又は薬剤を含む埋込型デバイス(例えば、ステント)の(1つ又は複数の)部分は、内皮細胞(例えば、内皮前駆細胞)を引き付け、これと結合し、最終的には内皮細胞によって包埋されうる。当該細胞を引き付け、これと結合し、またこれにより包埋されると、ステントが十分に包埋されなかった場合に生ずる可能性のある、機械的特性の喪失に起因した塞栓形成又は血栓形成が低減又は防止される。再内皮化を強化することにより、ステントの機械特性が失われる速度よりも速い速度で、内皮化を促進することができる。
【0050】
治癒促進性薬物又は薬剤を、生体吸収性ポリマー基材又は足場の本体内に分散させることができる。治癒促進性薬物又は薬剤を、埋込型デバイス(例えば、ステント)表面上の生体吸収性ポリマーコーティング物内に分散させることも可能である。
【0051】
「内皮前駆細胞」とは、血流に侵入し、血管損傷部位に到達して損傷部の修復を支援することができる、骨髄内で生み出される原始細胞を指す。内皮前駆細胞は、成人ヒト末梢血において循環し、サイトカイン、増殖因子、及び虚血状態により、骨髄から導入される。血管の損傷は、血管新生機構、及び脈管形成機構の両方により修復される。循環性内皮前駆細胞は、主に脈管形成機構により、損傷血管を修復するのに寄与する。
【0052】
いくつかの実施形態では、治癒促進性薬物又は薬剤は、内皮細胞(EDC)結合剤でありうる。特定の実施形態では、EDC−結合剤は、タンパク質、ペプチド、又は抗体でありえ、これらは、例えばコラーゲン1型、単鎖Fv断片(scFv A5)として公知の23ペプチド断片、結合膜タンパク質血管内皮(VE)カドヘリンのうちの1つ、及びこれらを組み合わせたものでありうる。コラーゲン1型は、オステオポンチンに結合すると、内皮細胞の接着を促進し、アポトーシス経路を下方制御することにより、内皮細胞の生存を制御していることが明らかにされた。S.M.Martinら、J.Biomed.Mater.Res.,第70A巻:10〜19ページ(2004)。scFv A5を用いれば、内皮細胞を選択的に標的とすることができる(イムノリポソームの標的送達により)。T.Volkelら、Biochimica et Biophysica Acta、第1663巻:158〜166ページ(2004)。結合膜タンパク質血管内皮(VE)−カドヘリンは、内皮細胞に結合し、内皮細胞のアポトーシスを下方制御することが明らかにされた。R.Spagnuoloら、Blood、第103巻:3005〜3012ページ(2004)。
【0053】
ある特定の実施形態では、EDC−結合剤は、オステオポンチンの活性断片、(Asp−Val−Asp−Val−Pro−Asp−Gly−Asp−Ser−Leu−Ala−Try−Gly)でありうる。その他のEDC−結合剤として、EPC(上皮細胞)抗体、RGDペプチド配列、RGD模倣体、及びこれらを組み合わせたものが挙げられ、但し、これらに限定されない。
【0054】
更なる実施形態では、治癒促進性薬物又は薬剤は、内皮前駆細胞を引き付け、これに結合する物質又は薬剤でありうる。内皮前駆細胞を引き付け、これに結合する代表的な物質又は薬剤として、CD−34、CD−133、及びvegfタイプ2受容体が挙げられる。内皮前駆細胞を引き付け、これに結合する薬剤として、一酸化窒素供与基を有するポリマーを挙げることができる。
【0055】
上記の生物学的に活性な薬剤は、事例手段として掲載しており、限定を意味しない。現在入手可能な、又は将来開発されうるその他の生物学的に活性な薬剤も、等しく適用可能である。
【0056】
より具体的な実施形態では、本明細書に記載する1つ又は複数のその他の実施形態と任意選択的に併用して、本発明の埋込型デバイスは、パクリタキセル、ドセタキセル、エストラジオール、一酸化窒素供与体、スーパーオキシドジスムターゼ、スーパーオキシドジスムターゼ模倣体、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(4−アミノ−TEMPO)、タクロリムス、デキサメタゾン、ラパマイシン、ラパマイシン誘導体、40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシン(エベロリムス)、40−O−(2−エトキシ)エチル−ラパマイシン(バイオリムス)、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピル−ラパマイシン、40−O−[2−(2−ヒドロキシ)エトキシ]エチル−ラパマイシン、40−O−テトラゾール−ラパマイシン、40−エピ−(N1−テトラゾリル)−ラパマイシン(ゾタロリムス)、ピメクロリムス、メシル酸イマチニブ、ミドスタウリン、クロベタゾール、前駆細胞捕捉抗体、治癒促進性薬剤、これらのプロドラッグ、これらのコドラッグ、及びこれらを組み合わせたものから選択される、少なくとも1種類の生物学的に活性な薬剤を含む。具体的な実施形態では、生物活性薬剤は、エベロリムスである。別の具体的な実施形態では、生物活性薬剤はクロベタゾールである。
【0057】
別のクラスの薬剤は、増加脂質輸送に関するp−パラ−α−作動薬で、例としてフェノフィブラートが挙げられる。
【0058】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ又は複数のその他の実施形態と任意選択的に組み合わせる際に、少なくとも1種類の生物学的に活性な薬剤は、本明細書に記載する生物活性薬物又は薬剤のうちの任意の1つ又は複数に、特に該当しなくてもよい。
【0059】
(コーティング物の構成)
本発明のいくつかの実施形態によれば、本明細書に記載する1つ又は複数の実施形態と任意選択的に組み合わせて、埋込型デバイス(例えば、ステント)上に配置されたコーティング物は、コーティング物の任意の設計に基づき、層中に本明細書に記載の半結晶性ポリマーを含みうる。このコーティング物は、下記の層(2)である少なくとも1つのリザーバー層を含む多層構造でありえ、また、下記(1)、(3)、(4)、及び(5)の層のいずれか、又はこれらを組み合わせたものを含みうる:
(1)プライマー層;(任意選択的)
(2)リザーバー層(「マトリックス層」又は「薬剤マトリックス」とも呼ばれる)。これは、少なくとも1種類のポリマーを含む薬剤−ポリマー層(薬剤−ポリマー層)、あるいはポリマーフリーの薬剤層でありうる。
(3)放出制御層(「速度制御層」とも呼ばれる)(任意選択的);
(4)トップコート層;及び/又は(任意選択的);
(5)上塗りコート層。(任意選択的)。
【0060】
いくつかの実施形態では、本発明のコーティング層は、上記リザーバー層を2つ以上含むことができ、それぞれの層は、本明細書に記載する生物活性薬剤を含みうる。
【0061】
ステントコーティング物の各層は、半結晶性ポリマーを、任意選択的に1種類又は複数種類のその他のポリマーと共に、溶媒又は溶媒混合物中に溶解するステップ、及び得られたコーティング溶液をステント上にスプレーする、又は当該溶液中にステントを浸漬することにより配置するステップを経て埋込型デバイス(例えば、ステント)上に配置可能である。当該溶液が、当該ステント上に配置された後、当該コーティング物は、溶媒を蒸発させることにより乾燥される。乾燥プロセスは、乾燥を高い温度で実施すれば促進可能である。完成したステントコーティング物を、約40℃〜約150℃の温度、例えば約80℃で、約5分〜約60分の時間、任意選択的にアニーリングすることができ、所望であれば、ポリマーコーティング物の結晶化を可能にし、及び/又はコーティング物の熱力学的安定性を改善する。
【0062】
生物活性薬剤(例えば、薬物)をリザーバー層に組み込むために、薬物を、上記のように埋込型デバイス上に配置されるポリマー溶液と混合することがでる。あるいは、所望であれば、ポリマーフリーのリザーバーを形成することもできる。ポリマーフリーのリザーバーを形成するために、薬物を適当な溶媒又は溶媒混合物に溶解することができ、得られた薬物溶液は、ステントにスプレーする、又はこれを薬物含有溶液中に浸漬することにより埋込型デバイス(例えば、ステント)上に配置可能である。
【0063】
溶液経由で薬物を導入する代わりに、薬物は、コロイド系、例えば適当な溶媒相中の懸濁液等として導入可能である。懸濁液を作成するために、薬物は、コロイド化学で利用される従来技術を用いて、溶媒相中に分散可能である。様々な要因、例えば薬物の性質に応じて、当技術分野において通常の技量を有する者は、懸濁液の溶媒相を形成するための溶媒、並びに当該溶媒相中に分散される薬物の量を選択することができる。懸濁液を安定化させるために、界面活性剤を任意選択的に添加することができる。懸濁液は、ポリマー溶液と混合可能で、当該混合物は、上記のようにステント上に配置可能である。あるいは、薬物懸濁液は、ポリマー溶液と混合せずにステント上に配置可能である。
【0064】
薬物−ポリマー層は、リザーバー層中に組み込まれる、少なくとも1種類の生物活性薬剤(例えば、薬物)のためのリザーバーとして機能するように、ステント表面の少なくとも一部分上に、直接的又は間接的に塗布可能である。任意選択的なプライマー層を、ステントとリザーバー層との間に、薬物−ポリマー層とステントとの接着性が改善するように塗布可能である。任意選択的なトップコート層を、リザーバー層の少なくとも一部分上に塗布することができ、これは薬物の放出速度を制御するのに役立つ速度制御膜として機能する。1つの実施形態では、トップコート層は、実質的に、生物活性薬剤又は薬物を、全く含まなくてもよい。トップコート層を用いる場合には、任意選択的な上塗り層を、薬物放出速度を更に制御するため、及びコーティング物の生体適合性を改善するために、トップコート層の少なくとも一部分上に塗布することができる。トップコート層がなければ、上塗り層をリザーバー層上に直接配置することができる。
【0065】
コーティングされた医療デバイスの滅菌処理には、微細病原菌を不活性化するプロセスが、一般的に含まれる。そのようなプロセスは、当技術分野において周知されている。いくつかの例として、e−ビーム、ETO滅菌、及び放射線照射が挙げられる。必ずしもそうではないが、ほとんどの上記プロセスには、高温処理が含まれうる。例えば、コーティングされたステントのETO滅菌には、100%に至るまでの湿度において、数時間〜24時間、50℃を超えて加熱するステップが一般的に含まれる。典型的なEtOサイクルは、最初の3〜4時間内では、密閉室内で約50℃を超える高温度となり、次いで、サイクルの変動時間帯では、17〜18時間、40℃〜50℃の間を変動し、その際湿度は100%でピークに達し、かつ約80%よりも高く保たれる。
【0066】
トップコート層及び上塗り層の両方を有するコーティング物から薬物が放出されるプロセスには、少なくとも3つのステップが含まれる。第1番目に、薬物は、薬物−ポリマー層/トップコート層界面において、トップコート層のポリマーに吸収される。次に、薬物は、トップコート層ポリマーの巨大分子間に存在する空隙容積を移動経路として利用しながら、トップコート層を通って拡散する。次に、薬物は、トップコート層/上塗り層界面に到達する。最終的に、薬物は、同様に上塗り層を通って拡散し、上塗り層の外表面に到達し、そして外表面から遊離する。このとき、薬物は血管内、又は周囲組織内に放出される。したがって、トップコート層、及び上塗り層を用いる場合にはこれと組み合わせたものは、速度制御バリアとしての役目を果たすことができる。薬物は、コーティング物を形成する(1つ又は複数の)層が分解、溶解、及び/又は侵食される特長により、あるいは薬物が、(1つ又は複数の)半結晶性ポリマー層を経由して、血管中又は組織内に移動することにより、放出可能となる。
【0067】
1つの実施形態では、ステントコーティング物のいずれか、又は全ての層は、生物学的に分解可能/浸食可能/吸収可能/再吸収可能、若しくは非分解性/生体安定性ポリマーである特性、又はこれらを組み合わせた特性を任意選択的に有する、本明細書に記載の半結晶性ポリマーから作製可能である。別の実施形態では、コーティング物の最外層は、上記の半結晶性ポリマーに限定可能である。
【0068】
より詳細に例示すると、上記の全4層(すなわち、プライマー層、リザーバー層、トップコート層、及び上塗り層)を有するステントコーティング物において、最外層は上塗り層であり、これは、生分解性若しくは生体安定性である特性、又は非結晶性ポリマーと混合される特性を任意選択的に有する、本明細書に記載の半結晶性ポリマーから作製可能である。残りの層(すなわち、プライマー層、リザーバー層、及びトップコート層)も、生分解性若しくは生体安定性である特性、又は非結晶性ポリマーと混合される特性を任意選択的に有する。ある特定の層内の(1つ又は複数の)ポリマーは、他のいずれかの層内に存在するポリマーと同一であっても、異なってもよいが、但し、好ましくは、一方の生体吸収性の層の外側にある層もまた、生体吸収性であり、内側の層と同じ又はこれよりも速く分解する必要がある。別の説明として、コーティング物は、本明細書に記載するポリマー及び薬剤を含む単一のマトリックス層を含みうる。
【0069】
上塗り層を使用しない場合には、トップコート層が最外層でありえ、これは、生分解性若しくは生体安定性である特性、又は非結晶性ポリマーと混合される特性を任意選択的に有する、本明細書に記載の半結晶性ポリマーから作製される必要がある。この場合、残りの層(すなわち、プライマー層、及びリザーバー層)も、生分解性若しくは生体安定性である特性、又は非結晶性ポリマーと混合される特性を任意選択的に有する、本明細書に記載の半結晶性ポリマーから作製可能である。ある特定の層内の(1つ又は複数の)ポリマーは、他のいずれかの層内に存在するポリマーと同一であっても、異なってもよいが、但し、好ましくは、一方の生体吸収性の層の外側にある層もまた、生体吸収性であり、内側の層と同じ又はこれよりも速く分解する必要がある。
【0070】
上塗り層も、トップコート層も使用しない場合には、ステントコーティング物は2つの層−プライマー層及びリザーバー層−のみを有しうる。このような場合、リザーバー層がステントコーティング物の最外層であり、これは、生分解性若しくは生体安定性である特性、又は非結晶性ポリマーと混合される特性を任意選択的に有する本明細書に記載の半結晶性ポリマーから作製される必要がある。プライマー層も、本明細書に記載する半結晶性のポリマー、及び任意選択的に1つ又は複数の生分解性のポリマー、(1つ又は複数の)生体安定性ポリマー、又はこれらを組み合わせたものから任意選択的に作製することができる。これら2層は、同一の、又は異なるポリマーから作製されうるが、但し、好ましくは、一方の生体吸収性の層の外側にある層もまた、生体吸収性であり、内側の層と同じ又はこれよりも速く分解する必要がある。
【0071】
コーティング物の任意の層は、生分解性又は生体安定性である特性、又は非結晶性ポリマーと混合されたる特性を任意選択的に有する、本明細書に記載の半結晶性ポリマーの任意の量を含みうる。生体吸収性ポリマー、及び生体適合性ポリマーの限定されない例として、ポリ(N−ビニルピロリドン);ポリジオキサノン;ポリオルトエステル;ポリアンヒドリド;ポリ(グリコール酸);ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカーボネート);ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリ(アミノ酸);ポリ(トリメチレンカーボネート);ポリ(イミノカーボネート);co−ポリ(エーテル−エステル);ポリアルキレンオキサレート;ポリホスファゼン;生体分子、例えば、フィブリン、フィブリノゲン、セルロース、セロファン、デンプン、コラーゲン、ヒアルロン酸、及びこれらの誘導体(例えば、酢酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、プロピオン酸セルロース、セルロースエーテル、及びカルボキシメチルセルロース)、ポリウレタン;ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン類、ポリ(L−乳酸−co−カプロラクトン)(PLLA−CL)、ポリ(D−乳酸−co−カプロラクトン)(PDLA−CL)、ポリ(DL−乳酸−co−カプロラクトン)(PDLLA−CL)、ポリ(D−乳酸−グリコール酸)(PDLA−GA)、ポリ(L−乳酸−グリコール酸)(PLLA−GA)、ポリ(DL−乳酸−グリコール酸)(PDLLA−GA)、ポリ(D−乳酸−co−グリコリド−co−カプロラクトン)(PDLA−GA−CL)、ポリ(L−乳酸−co−グリコリド−co−カプロラクトン)(PLLA−GA−CL)、ポリ(DL−乳酸−co−グリコリド−co−カプロラクトン)(PDLLA−GA−CL)、ポリ(L−乳酸−co−カプロラクトン)(PLLA−CL)、ポリ(D−乳酸−co−カプロラクトン)(PDLA−CL)、ポリ(DL−乳酸−co−カプロラクトン)(PDLLA−CL)、ポリ(グリコリド−co−カプロラクトン)(PGA−CL)、又はこれらの任意のコポリマーが挙げられる。
【0072】
ステントコーティング物の任意の層は、これが生体吸収性ポリマーと混合しない、又は非分解性層の下にある任意の層が生体吸収性ポリマーを含む限り、任意の量の非分解性ポリマー、又はそのようなポリマーの2種類以上の混合物も含むことができる。非分解性ポリマーの限定されない例として、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ヒドロキシルエチルメタクリレート、ポリエチレングリコール(PEG)アクリレート、PEGメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)、及びn−ビニルピロリドン、メタクリル酸、アクリル酸、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリルアミド、3−トリメチルシリルプロピルメタクリレート、及びこれらのコポリマーが挙げられる。
【0073】
(埋込型デバイスの作製方法)
本発明の別の実施形態は、本明細書に記載する1つ又は複数のその他の実施形態と任意選択的に組み合わせて、埋込型デバイスを作製する方法に応用される。1つの実施形態では、本方法は、生分解性又は生体安定性のポリマー又はコポリマーを含む材料からなる埋込型デバイスを形成するステップを含む。
【0074】
この方法に基づき、埋込型デバイスの一部又はデバイスそのもの全体を、生分解性又は生体安定性のポリマー又はコポリマーを含む材料から形成可能である。本方法は、埋込型デバイス上に、ある範囲の厚みを有するコーティング物を配置することができる。特定の実施形態では、本方法は、埋込型デバイスの少なくとも一部分の上に、約30ミクロン以下、又は約20ミクロン以下、又は約10ミクロン以下、又は約5ミクロン以下の厚みを有するコーティング物を配置する。
【0075】
特定の実施形態では、本方法は、ステント、グラフト、ステント−グラフト、カテーテル、リード線と電極、クリップ、シャント、閉鎖用器具、弁、及び粒子から選択される埋込型デバイスを作製するのに用いられる。具体的な実施形態では、本方法は、ステントを作製するために用いられる。
【0076】
いくつかの実施形態では、あるポリマーからなる埋込型デバイスを形成するために、本明細書に記載する少なくとも1種類の生物活性薬剤を任意選択的に含むポリマー又はコポリマーを、チューブなどの構築物を形成するように丸められ、又は接合されうるチューブやシート等のポリマー構築物に組み込むことができる。このように埋込型デバイスは、当該構築物から作製可能である。例えば、ステントは、チューブにパターンをレーザー加工することにより、チューブから作製可能である。別の実施形態では、ポリマー構築物は、射出成形金型を用いて、本発明の高分子材料から形成されうる。
【0077】
埋込型デバイスを作製するために用いることができる、上記で定義したような半結晶性ポリマーであってもなくてもよいポリマーの限定されない例として、ポリ(N−アセチルグルコサミン)(キチン)、キトサン、ポリ(ヒドロキシバレレート)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(ヒドロキシブチレート−co−バレレート)、ポリオルトエステル、ポリアンヒドリド、ポリ(L−乳酸−co−カプロラクトン)(PLLA−CL)、ポリ(D−乳酸−co−カプロラクトン)(PDLA−CL)、ポリ(DL−乳酸−co−カプロラクトン)(PDLLA−CL)、ポリ(D−乳酸−グリコール酸)(PDLA−GA)、ポリ(L−乳酸−グリコール酸)(PLLA−GA)、ポリ(DL−乳酸−グリコール酸)(PDLLA−GA)、ポリ(D−乳酸−co−グリコリド−co−カプロラクトン)(PDLA−GA−CL)、ポリ(L−乳酸−co−グリコリド−co−カプロラクトン)(PLLA−GA−CL)、ポリ(DL−乳酸−co−グリコリド−co−カプロラクトン)(PDLLA−GA−CL)、ポリ(L−乳酸−co−カプロラクトン)(PLLA−CL)、ポリ(D−乳酸−co−カプロラクトン)(PDLA−CL)、ポリ(DL−乳酸−co−カプロラクトン)(PDLLA−CL)、ポリ(グリコリド−co−カプロラクトン)(PGA−CL)、ポリ(チオエステル)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリエチレンアミド、ポリエチレンアクリレート、ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカーボネート)、co−ポリ(エーテル−エステル)(例えば、PEO/PLA)、ポリホスファゼン、生体分子(例えば、フィブリン、フィブリノゲン、セルロース、デンプン、コラーゲン、及びヒアルロン酸)、ポリウレタン類、シリコーン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリイソブチレン、及びエチレン−α−オレフィンコポリマー、ポリアクリレート以外のアクリル酸ポリマー及びコポリマー、ハロゲン化ビニルポリマー及びコポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル)、ポリビニルエーテル(例えば、ポリビニルメチルエーテル)、ハロゲン化ポリビニリデン(例えば、ポリ塩化ビニリデン)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルケトン、ポリビニル芳香族化合物(例えば、ポリスチレン)、ポリビニルエステル(例えば、ポリビニルアセテート)、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、ABS樹脂、ポリアミド(例えば、ナイロン66、及びポリカプロラクタム)、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリエーテル、ポリウレタン類、レーヨン、レーヨン−トリアセテート、セルロース及びその誘導体(例えば、酢酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、セロファン、硝酸セルロース、プロピオン酸セルロース、セルロースエーテル、及びカルボキシメチルセルロース)、及びこれらのコポリマーが挙げられる。
【0078】
埋込型デバイスの作製に適しうるポリマーの更なる代表例として、エチレンビニルアルコールコポリマー(一般名EVOH、又は商標名エバール(EVAL)として公知)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(ビニリデンフルオリド−co−ヘキサフルオロポロピレン)(例えば、SOLEF 21508、New Jersey、ThorofareのSolvay Solexis PVDFより入手可能)、ポリビニリデンフルオリド(別名KYNARとして知られており、Pennsylvania、PhiladelphiaのATOFINA Chemicalsより入手可能)、ポリ(テトラフルオロエチレン−co−ヘキサフルオロプロピレン−co−ビニリデンフルオリド)、エチレン−ビニルアセテートコポリマー、及びポリエチレングリコールが挙げられる。
【0079】
(疾患を治療又は予防する方法)
本発明に基づく埋込型デバイスは、様々な健康状態又は疾患を治療、予防、又は診断するために利用可能である。そのような健康状態又は疾患の例として、アテローム性動脈硬化症、血栓症、再狭窄、出血、血管剥離、血管穿孔、動脈瘤、不安定プラーク、慢性完全閉塞、卵円孔開存症、跛行、血管及び人工グラフトにおける吻合部増殖、動静脈吻合、胆管障害、尿管閉鎖、及び腫瘍性閉塞が挙げられるが、但し、これらに限定されない。埋込型デバイスの一部、又はデバイスそのもの全体を、本明細書に記載する材料で形成可能である。例えば、当該材料は、当該デバイスの少なくとも一部の上に配置されたコーティング物でありうる。
【0080】
特定の実施形態では、本明細書に記載する1つ又は複数のその他の実施形態と任意選択的に組み合わせて、本発明の方法は、アテローム性動脈硬化症、血栓症、再狭窄、出血、血管剥離、血管穿孔、動脈瘤、不安定プラーク、慢性完全閉塞、卵円孔開存症、跛行、血管及び人工グラフトにおける吻合部増殖、動静脈吻合、胆管障害、尿管閉鎖、及び腫瘍性閉塞から選択される健康状態又は疾患を治療、予防、又は診断する。具体的な実施形態では、当該健康状態又は疾患は、アテローム性動脈硬化症、血栓症、再狭窄、又は不安定プラークである。
【0081】
本方法の1つの実施形態では、本明細書に記載する1つ又は複数のその他の実施形態と任意選択的に組み合わせて、埋込型デバイスはある材料から形成され、又はパクリタキセル、ドセタキセル、エストラジオール、一酸化窒素供与体、スーパーオキシドジスムターゼ、スーパーオキシドジスムターゼ模倣体、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(4−アミノ−TEMPO)、タクロリムス、デキサメタゾン、ラパマイシン、ラパマイシン誘導体、40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシン(エベロリムス)、40−O−(2−エトキシ)エチル−ラパマイシン(バイオリムス)、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピル−ラパマイシン、40−O−[2−(2−ヒドロキシ)エトキシ]エチル−ラパマイシン、40−O−テトラゾール−ラパマイシン、40−エピ−(N1−テトラゾリル)−ラパマイシン(ゾタロリムス)、ピメクロリムス、メシル酸イマチニブ、ミドスタウリン、クロベタゾール、前駆細胞−捕捉抗体、治癒促進性薬剤、フェノフィブラート、これらのプロドラッグ、これらのコドラッグ、及びこれらを組み合わせたものから選択される、少なくとも1つの生物学的に活性な薬剤を含むコーティング物を含む。
【0082】
特定の実施形態では、本明細書に記載する1つ又は複数のその他の実施形態と任意選択的に組み合わせて、本方法で用いられる埋込型デバイスは、ステント、グラフト、ステント−グラフト、カテーテル、リード線と電極、クリップ、シャント、閉鎖用器具、弁、及び粒子から選択される。具体的な実施形態では、埋込型デバイスはステントである。
【実施例】
【0083】
(実施例1)
平均分子量(Mw)が約34KDaのPEG−PLGA IPNを含むコーティング物を、下記処方でVisionステント(3mm×12mm、California、Santa ClaraのAbbott Vascularより入手可能)上に形成した。このコーティング物は、E−ビーム後もコーティング物の完全性が許容されること(走査型電子顕微鏡(SEM)の画像は示されていない)、及びエベロリムスの放出が合理的に制御されていることを立証した(表1)。
【0084】
サンプルの処方:
薬物:ポリマー(D:P)=1:3;
溶媒:100%アセトン;
用量:100μg/cm用量;
滅菌:E−ビーム
【0085】
【表1】

【0086】
(実施例2)
平均分子量(Mw)が約34KDaのPEG−PLGA IPNに様々な組成のPEGを含むコーティング物を、下記処方でVisionステント(3mm×12mm、California、Santa ClaraのAbbott Vascularより入手可能)上に形成した。このコーティング物は、E−ビーム後もコーティング物の完全性が許容されること(図1A〜1F)、及び放出速度が、IPN中のPEGの組成に依存することを立証した(図2)。
【0087】
サンプルの処方:
薬物:ポリマー(D:P)=1:2;
溶媒:100%アセトン;
用量:100μg/cm用量;
滅菌:E−ビーム
図2A〜B:PEG−IPN #1のコーティング物の完全性
2C〜D:PEG−IPN #2のコーティング物の完全性
2E〜F:PEG−IPN #3のコーティング物の完全性
【0088】
本発明について具体的な実施形態を示し、記載してきたが、本発明から逸脱することなく、本発明のより広い態様において、諸変更、諸修正を加えることが可能であることは、当技術分野に熟練した者には明白であろう。したがって、添付の特許請求範囲には、全てのそのような諸変更、諸修正が、本発明の真の精神及び範囲内に収まるように、含まれるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋込型医療デバイス用コーティング物を作製する方法であって、デバイス上にコーティング物を形成するステップを含み、前記コーティング物が、相互貫入ネットワーク(IPN)又は半IPNを含み、前記IPN又は半IPNが、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、及び脂肪族ポリエステルコポリマーを含む方法。
【請求項2】
コーティング物を形成するステップが、前記PEG、及び/又は前記脂肪族ポリエステルコポリマーの架橋を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
コーティング物を形成するステップが、二官能性又は多官能性架橋剤を用いた前記PEG、及び/又は前記脂肪族ポリエステルコポリマーの架橋を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記脂肪族ポリエステルコポリマーが、電子的不飽和を含み、コーティング物を形成するステップが、前記脂肪族ポリエステルコポリマーの架橋を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記脂肪族ポリエステルコポリマーが、D,L−ラクチド又はL−ラクチドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記脂肪族ポリエステルコポリマーが、グリコリド(GA)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記脂肪族ポリエステルコポリマーが、ポリ(ラクチド−co−グリコリド−co−カプロラクトン)(PLGACL)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)又はポリ(ブチレンサクシネート)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記IPN又は半IPNが、前記IPN又は半IPNの約1質量%〜約40質量%のPEGを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記IPN又は半IPNが、前記IPN又は半IPNの約2質量%〜約25質量%のPEGを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記IPN又は半IPNが、前記IPN又は半IPNの約2質量%〜約10質量%のPEGを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記脂肪族ポリエステルコポリマーが、ラクチド対グリコリドのモル比が、約50:50〜約90:10の範囲であるように、ラクチド及びグリコリドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記脂肪族ポリエステルコポリマーが、ラクチド対グリコリドのモル比が約75:25であるように、ラクチド及びグリコリドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
コーティング物が、生物活性薬剤を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
コーティング物が生物活性薬剤を更に含み、前記生物活性薬剤、及び前記IPN又は半IPNが、前記生物活性薬剤対前記IPN又は半IPNの重量比が約1:1〜約1:5であるような、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記コーティング物が、パクリタキセル、ドセタキセル、エストラジオール、17−β−エストラジオール、一酸化窒素供与体、スーパーオキシドジスムターゼ、スーパーオキシドジスムターゼ模倣体、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(4−アミノ−TEMPO)、バイオリムス、タクロリムス、デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、ラパマイシン、ラパマイシン誘導体、40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシン(エベロリムス)、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピル−ラパマイシン、40−O−[2−(2−ヒドロキシ)エトキシ]エチル−ラパマイシン、及び40−O−テトラゾール−ラパマイシン、40−エピ−(N1−テトラゾリル)−ラパマイシン(ABT−578)、ゾタロリムス、バイオリムス A9(Biosensors International、Singapore)、AP23572(Ariad Pharmaceuticals)、γ−ヒリダン、クロベタゾール、ピメクロリムス、メシル酸イマチニブ、ミドスタウリン、フェノフィブラート、これらのプロドラッグ、これらのコドラッグ、及びこれらを組み合わせたものからなる群より選択される生物活性薬剤を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
埋込型デバイスがステントである、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
コーティング物を備える埋込型医療デバイスであって、前記コーティング物が相互貫入ネットワーク(IPN)又は半IPNを含み、前記IPN又は半IPNが、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、及び脂肪族ポリエステルコポリマーを含む、埋込型医療デバイス。
【請求項18】
前記脂肪族ポリエステルコポリマーが、D,L−ラクチド又はL−ラクチドを含む、請求項17に記載の埋込型デバイス。
【請求項19】
前記脂肪族ポリエステルコポリマーが、グリコリド(GA)を含む、請求項17に記載の埋込型デバイス。
【請求項20】
前記脂肪族ポリエステルコポリマーが、ポリ(ラクチド−co−グリコリド−co−カプロラクトン)(PLGACL)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)又はポリ(ブチレンサクシネート)を含む、請求項17に記載の埋込型デバイス。
【請求項21】
前記IPN又は半IPNが、前記IPN又は半IPNの約1質量%〜約40質量%のPEGを含む、請求項17に記載の埋込型デバイス。
【請求項22】
前記IPN又は半IPNが、前記IPN又は半IPNの約2質量%〜約25質量%のPEGを含む、請求項17に記載の埋込型デバイス。
【請求項23】
前記IPN又は半IPNが、前記IPN又は半IPNの約2質量%〜約10質量%のPEGを含む、請求項17に記載の埋込型デバイス。
【請求項24】
前記脂肪族ポリエステルコポリマーが、ラクチド対グリコリドのモル比が約50:50〜約90:10の範囲であるように、ラクチド及びグリコリドを含む、請求項17に記載の埋込型デバイス。
【請求項25】
前記脂肪族ポリエステルコポリマーが、ラクチド対グリコリドのモル比が約75:25であるように、ラクチド及びグリコリドを含む、請求項17に記載の埋込型デバイス。
【請求項26】
コーティング物が、生物活性薬剤を更に含む、請求項17に記載の埋込型デバイス。
【請求項27】
コーティング物が生物活性薬剤を更に含み、前記生物活性薬剤、及び前記IPN又は半IPNが、前記生物活性薬剤対前記IPN又は半IPNの重量比が約1:1〜約1:5であるような、請求項17に記載の埋込型デバイス。
【請求項28】
前記コーティング物が、パクリタキセル、ドセタキセル、エストラジオール、17−β−エストラジオール、一酸化窒素供与体、スーパーオキシドジスムターゼ、スーパーオキシドジスムターゼ模倣体、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(4−アミノ−TEMPO)、バイオリムス、タクロリムス、デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、ラパマイシン、ラパマイシン誘導体、40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシン(エベロリムス)、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピル−ラパマイシン、40−O−[2−(2−ヒドロキシ)エトキシ]エチル−ラパマイシン、及び40−O−テトラゾール−ラパマイシン、40−エピ−(N1−テトラゾリル)−ラパマイシン(ABT−578)、ゾタロリムス、バイオリムス A9(Biosensors International、Singapore)、AP23572(Ariad Pharmaceuticals)、γ−ヒリダン、クロベタゾール、ピメクロリムス、メシル酸イマチニブ、ミドスタウリン、フェノフィブラート、これらのプロドラッグ、これらのコドラッグ、及びこれらを組み合わせたものからなる群より選択される生物活性薬剤を更に含む、請求項17に記載の埋込型デバイス。
【請求項29】
ステントである、請求項17に記載の埋込型デバイス。
【請求項30】
請求項17に記載の埋込型デバイスを患者に埋め込むステップを含む方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−516208(P2011−516208A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504116(P2011−504116)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【国際出願番号】PCT/US2009/039691
【国際公開番号】WO2009/126590
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(507135788)アボット カーディオヴァスキュラー システムズ インコーポレイテッド (92)
【Fターム(参考)】