説明

ポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法、及びポリ(ジアシルヒドラジン)

【課題】毒性、爆発性等の問題がなく計量が容易なモノマーを使用でき、単一のモノマーを用いて高収率で重合度の高いポリマーを製造可能である、ポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法を提供すること、及び、種々の物性を有する新規なポリ(ジアシルヒドラジン)を提供すること。
【解決手段】ジカルボン酸ジヒドラジド化合物を、過硫酸水素カリウム、硫酸水素カリウム、及び硫酸カリウムの複塩、ジアセトキシヨードベンゼン、ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨードベンゼン、並びにヨードソベンゼンからなる群より選択される1種以上の酸化剤を用いて酸化重合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジカルボン酸ジヒドラジド化合物の酸化重合によるポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法、及び、新規なポリ(ジアシルヒドラジン)に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境保護の観点等から、廃棄しても自然に分解されるような、生分解性高分子や光分解性高分子に代表される分解性高分子材料の開発が盛んに行われている。しかし、生分解性高分子や光分解性高分子は、通常の使用環境において経時的な劣化を伴うことが問題となっている。
【0003】
このため、使用時に経時的に劣化することなく、廃棄時に速やかに分解可能なポリマーが求められており、廃棄時に酸化剤により容易に分解可能なポリマーとして、ジカルボン酸、又はその反応性誘導体(酸クロライドや活性エステル誘導体)と、ヒドラジン又ジカルボン酸のジヒドラジドとを重縮合させて得られるポリ(ジアシルヒドラジン)が数例提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−022315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示されるポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法は、複数のモノマーを使用する方法であるため、複数のモノマーの使用量のバランスを正確に調整する必要がある。このため、モノマーの計量作業が煩雑であることや、複数のモノマーの使用量のバランスが合っていない場合には重合度の高いポリマーを得にくいという問題がある。
【0006】
また、ヒドラジンをポリ(ジアシルヒドラジン)の原料として用いる場合、以下の(1)〜(3)に記す問題がある。
(1)ヒドラジンは毒性と腐食性があること。
(2)無水ヒドラジンは爆発性を有し取り扱いが難しいこと。
(3)ヒドラジンは低沸点であり吸水性が高いため、ジカルボン酸、又はその反応性誘導体に対して等モルとなる量を正確に計量することが難しいこと。
【0007】
そして、ポリ(ジアシルヒドラジン)の原料として、ジカルボン酸のジヒドラジドを用いる場合、以下の(4)〜(6)に記す問題がある。
(4)ジカルボン酸のジヒドラジとともに重縮合するモノマーとして、ジカルボン酸を用いた場合には、反応性が低く、重縮合反応が進行しない。
(5)ジカルボン酸のジヒドラジドとともに重縮合するモノマーとして、ジカルボン酸の酸クロリドを用いた場合には、酸クロリドの反応性が高すぎるため、激しい副反応が起こり、ポリマーは重合度が上がらず、ポリマーの収率も低い。
(6)ジカルボン酸のジヒドラジドとともに重縮合するモノマーとして、ジカルボン酸の活性エステル誘導体を用いる場合には、活性エステル誘導体の合成工程が必要となり、作業が煩雑となるとともに製造コストの点で問題がある。
【0008】
さらに、一般に高分子材料は、用途に応じて種々の特性が要求されるため多くの材料の中から選択して使用されるが、特許文献1に開示されるポリ(ジアシルヒドラジン)の合成例は僅かであるため、材料の選択肢の幅は非常に狭い。このため、種々の物性を有する新たなポリ(ジアシルヒドラジン)の開発が望まれている。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、毒性、爆発性等の問題がなく計量が容易なモノマーを使用でき、単一のモノマーを用いて高収率で重合度の高いポリマーを製造可能であるポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、種々の物性を有する新規なポリ(ジアシルヒドラジン)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、ジカルボン酸ジヒドラジド化合物を、過硫酸水素カリウム、硫酸水素カリウム、及び硫酸カリウムの複塩、ジアセトキシヨードベンゼン、ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨードベンゼン、並びにヨードソベンゼンからなる群より選択される1種以上の酸化剤を用いて酸化重合することにより、単一のモノマーから、高収率で重合度の高いポリ(ジアシルヒドラジン)を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
【0011】
(1) ジカルボン酸ジヒドラジド化合物を、過硫酸水素カリウム、硫酸水素カリウム、及び硫酸カリウムの複塩、ジアセトキシヨードベンゼン、ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨードベンゼン、並びにヨードソベンゼンからなる群より選択される1種以上の酸化剤を用いて酸化重合するポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法。
【0012】
(2) 前記酸化重合を0〜50℃で行う、(1)記載のポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法。
【0013】
(3) 非プロトン性極性溶媒を含む溶媒を用いる、(1)又は(2)記載のポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法。
【0014】
(4) 前記酸化剤が、過硫酸水素カリウム、硫酸水素カリウム、及び硫酸カリウムの複塩である、(1)から(3)何れか記載のポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法。
【0015】
(5) 前記、過硫酸水素カリウム、硫酸水素カリウム、及び硫酸カリウムの複塩の使用量が、前記ジカルボン酸ジヒドラジド化合物1モルに対する、前記過硫酸水素カリウムの量が2〜10モルとなる量である、(4)記載のポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法。
【0016】
(6) 水、及び、非プロトン性極性溶媒を含む溶媒を用いる、(4)又は(5)記載のポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法。
【0017】
(7) (a)水、(b)アセトニトリル及び/又はN,N−ジメチルアセトアミド、及び(c)アセトニトリルとN,N−ジメチルアセトアミドとを除く非プロトン性極性溶媒を含む溶媒を用いる、(6)記載のポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法。
【0018】
(8) 前記、(c)アセトニトリルとN,N−ジメチルアセトアミドとを除く非プロトン性極性溶媒が、ホルムアミド、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチル−2−ピロリドン、及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンからなる群より選択される1種以上である、(7)記載のポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法。
【0019】
(9) 前記、(c)アセトニトリルとN,N−ジメチルアセトアミドとを除く非プロトン性極性溶媒が、N−メチル−2−ピロリドンである、(8)記載のポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法。
【0020】
(10) 前記、(a)水、(b)アセトニトリル及び/又はN,N−ジメチルアセトアミド、及び(c)アセトニトリルとN,N−ジメチルアセトアミドとを除く非プロトン性極性溶媒の、それぞれの使用量が、ジカルボン酸ジヒドラジド化合物1質量部に対して0.5〜20質量部である、(7)〜(9)何れか記載のポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法。
【0021】
(11) 前記ジカルボン酸ジヒドラジド化合物が下式(1)で表される化合物であり、前記ポリ(ジアシルヒドラジン)が下式(3)で表される繰り返し単位からなるものである、(1)から(10)何れか記載のポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法。
【化1】

[式(1)中、Rは、単結合、置換基を有してもよいフェニレン基、置換基を有してもよいビフェニレン基、置換基を有してもよいナフタレンジイル基、下式(2)で表される基、及び、分岐を有してもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基からなる群より選択される基であり、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレンジイル基が有してもよい置換基は、分岐を有してもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、分岐を有してもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、フェニル基、ハロゲン、シアノ基、アミノ基、及びニトロ基からなる群より選択される基である。
【化2】

式(2)中、Rは、−O−、−CO−、−SO−、−NH−、−O−R−O−、及び、分岐を有してもよい炭素原子数1〜6のアルキレン基からなる群より選択される基であり、Rは分岐を有してもよい炭素原子数1〜6のアルキレン基である。]
【化3】

[式(3)中、Rは式(1)におけるRの定義と同意である。]
【0022】
(12) 下式(A)又は(B)で表される繰り返し単位からなるポリ(ジアシルヒドラジン)。
【化4】

[式(A)中Arは下式(4)又は(5)で表される基である。
【化5】

【化6】

式(4)中、Rは、分岐を有してもよい炭素原子1〜20のアルコキシ基、又はフェニル基である。]
【化7】

[式(B)中、nは1〜8の整数である。]
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、毒性、爆発性等の問題がなく計量が容易なジカルボン酸ジヒドラジド化合物を単一のモノマーとして使用して、高収率で重合度の高いポリ(ジアシルヒドラジン)を製造する方法を提供することができる。また、本発明によれば、種々の物性を有する新規なポリ(ジアシルヒドラジン)を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施例6で得られたポリ(ジアシルヒドラジン)のFT−IRスペクトルである。
【図2】実施例7で得られたポリ(ジアシルヒドラジン)のFT−IRスペクトルである。
【図3】実施例8で得られたポリ(ジアシルヒドラジン)のFT−IRスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明のポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法は、ジカルボン酸ジヒドラジド化合物を、過硫酸水素カリウム、硫酸水素カリウム、及び硫酸カリウムの複塩、ジアセトキシヨードベンゼン、ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨードベンゼン、並びにヨードソベンゼンからなる群より選択される1種以上の酸化剤を用いて酸化重合するものである。ジカルボン酸ジヒドラジド化合物は下式(I)で表される化合物であり、ポリ(ジアシルヒドラジン)は下式(II)で表される繰り返し単位により構成されるポリマーである。
【化8】

【化9】

[式(I)及び(II)中、Rは単結合、又は2価の有機基である。]
【0026】
以下、ジカルボン酸ジヒドラジド化合物、酸化剤、溶媒、反応条件、ポリ(ジアシルヒドラジン)の回収、及びポリ(ジアシルヒドラジン)について説明する。
【0027】
<ジカルボン酸ジヒドラジド化合物>
本発明において、ポリ(ジアシルヒドラジン)の原料として用いるジカルボン酸ジヒドラジド化合物は、2価の有機基に2つのヒドラジノカルボニル基が結合した化合物、又は、シュウ酸のジヒドラジドであって、酸化重合に用いる酸化剤によって2価の有機基が酸化されないものであれば特に制限されず、種々の化合物を使用することができる。また、本発明においてジカルボン酸ジヒドラジド化合物は、塩酸塩、硫酸塩等の塩の形態でも使用することができる。
【0028】
本発明において用いる、ジカルボン酸ジヒドラジド化合物を製造する方法は特に制限されず、従来知られる方法により製造されたものを用いることができる。ジカルボン酸ジヒドラジド化合物は、例えばジカルボン酸化合物のジエステルや、ジカルボン酸化合物のジ酸クロライド等と、エステル基やクロロカルボニル基の量に対して過剰量のヒドラジン、ヒドラジン塩、ヒドラジン水和物等を反応させることにより製造することができる。
【0029】
ジカルボン酸ジヒドラジド化合物に含まれる2価の有機基は、炭化水素基に限定されず、炭素及び水素に加え、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、硼素原子、リン原子、珪素原子等のヘテロ原子を含む有機基であってもよい。
【0030】
ジカルボン酸ジヒドラジド化合物に含まれる2価の有機基の例としては、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、脂環族基、芳香族基、複素環基等が挙げられる。これらの2価の有機基は、互いに結合してもよく縮合環を形成してもよい。また、これらの基は、−O−、−NH−、−SO−、−CO−、−COO−、−CONH−等の連結基を介して互いに結合してもよい。
【0031】
2価の有機基として好適な基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、1,5−ペンチレン基、1,6−ヘキシレン基、1,7−ヘプチレン基、1,8−オクチレン基、1,9−ノニレン基、1,10−デシレン基、1,11−ウンデシレン基、1,12−ドデシレン基、1,13−トリデシレン基、1,14−テトラデシレン基、1,15−ペンタデシレン基、1,16−ヘキサデシレン基、1,17−ヘプタデシレン基、1,18−オクタデシレン基、1,19−ノナデシレン基、1,20−イコシレン基等の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基;ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族基;シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン、アダマンタン等の脂環族基;チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアゾール、テトラゾール、インドール、1H−インダゾール、プリン、4H−キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、ベンゾフラン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイミダゾール、ベンズイミダゾロン、フタルイミド等の複素環基等が挙げられる。
【0032】
ジカルボン酸ジヒドラジド化合物に含まれる2価の有機基は置換基を有してもよい。2価の有機基が有してもよい置換基の種類はジカルボン酸ジヒドラジド化合物の酸化重合反応が良好に進行する限り特に制限されない。2価の有機基が有してもよい好適な置換基の例としては、分岐を有してもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、分岐を有してもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、分岐を有してもよい炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、分岐を有してもよい炭素原子数1〜20のハロゲン化アルコキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数2〜20のアシル基、フェニル基、ナフチル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、分岐を有してもよい炭素原子数1〜20のアルキル基で置換されたモノアルキルアミノ基、分岐を有してもよい炭素原子数1〜20のアルキル基で置換されたジアルキルアミノ基、炭素原子数2〜20のアシル基で置換されたモノアシルアミノ基、炭素原子数2〜20のアシル基で置換されたジアシルアミノ基、カルバモイル基、分岐を有してもよい炭素原子数1〜20のアルキル基で置換されたアルキルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、ナフチルカルバモイル基等が挙げられる。これらの置換基が芳香族基を含む場合、置換基中の芳香族基はさらにこれらの置換基で置換されてもよい。なお、これらの置換基中に含まれるハロゲンは、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素から選択される。
【0033】
本発明において用いるジカルボン酸ジヒドラジド化合物の分子量は、酸化重合反応が良好に進行する限り特に制限されない。原料化合物及び酸化重合の途中で生成するオリゴマーの溶媒への溶解性を考慮し、ジカルボン酸ジヒドラジド化合物の分子量は、1000以下であるのが好ましく、分子量800以下であるのがより好ましく、分子量500以下であるのが特に好ましい。
【0034】
以上説明した、ジカルボン酸ジヒドラジド化合物の中では、下式(1)で表される化合物が特に好適に用いられる
【化10】

[式(1)中、Rは、単結合、置換基を有してもよいフェニレン基、置換基を有してもよいビフェニレン基、置換基を有してもよいナフタレンジイル基、下式(2)で表される基、及び、分岐を有してもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基からなる群より選択される基であり、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレンジイル基が有してもよい置換基は、分岐を有してもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、分岐を有してもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、フェニル基、ハロゲン、シアノ基、アミノ基、及びニトロ基からなる群より選択される基である。
【化11】

式(2)中、Rは、−O−、−CO−、−SO−、−NH−、−O−R−O−、及び、分岐を有してもよい炭素原子数1〜6のアルキレン基からなる群より選択される基であり、Rは分岐を有してもよい炭素原子数1〜6のアルキレン基である。]
【0035】
式(1)で表されるジカルボン酸ジヒドラジド化合物中のRが置換基を有してもよいフェニレン基である場合の具体例としては、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,2−フェニレン基等の無置換のフェニレン基;2−メチル−1,4−フェニレン基、2−メチル−1,3−フェニレン基、4−メチル−1,3−フェニレン基、5−メチル−1,3−フェニレン基、3−メチル−1,2−フェニレン基、4−メチル−1,2−フェニレン基、5−メチル−1,2−フェニレン基、2−エチル−1,4−フェニレン基、3−エチル−1,2−フェニレン基、4−エチル−1,2−フェニレン基、2−n−ブチル−1,3−フェニレン基、5−tert−ブチル−1,3−フェニレン基、4−tert−ブチル−1,2−フェニレン基、2−ドデシル−1,4−フェニレン基、2−トリデシル−1,4−フェニレン基、2−テトラデシル−1,4−フェニレン基、2−ペンタデシル−1,4−フェニレン基、2−ヘキサデシル−1,4−フェニレン基、2−ヘプタデシル−1,4−フェニレン基、2−オクタデシル−1,4−フェニレン基、2−ノナデシル−1,4−フェニレン基、2−イコシル−1,4−フェニレン基、2,5−ジメチル−1,4−フェニレン基、2,6−ジメチル−1,4−フェニレン基、2,4−ジメチル−1,3−フェニレン基、4,5−ジメチル−1,3−フェニレン基、4,6−ジメチル−1,3−フェニレン基、3,5−ジメチル−1,2−フェニレン基、3,6−ジメチル−1,2−フェニレン基、4,5−ジメチル−1,2−フェニレン基、4,5−ジエチル−1,3−フェニレン基、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−フェニレン基等のアルキル置換フェニレン基;2−メトキシ−1,4−フェニレン基、2−メトキシ−1,3−フェニレン基、4−メトキシ−1,3−フェニレン基、5−メトキシ−1,3−フェニレン基、3−メトキシ−1,2−フェニレン基、2−エトキシ−1,4−フェニレン基、5−エトキシ−1,3−フェニレン基、4−メトキシ−1,2−フェニレン基、2−n−プロピルオキシ−1,4−フェニレン基、2−n−ブトキシ−1,4−フェニレン基、2−n−ペンチルオキシ−1,4−フェニレン基、2−n−ペンチルオキシ−1,3−フェニレン基、4−n−ペンチルオキシ−1,3−フェニレン基、5−n−ペンチルオキシ−1,3−フェニレン基、2−n−ヘキシルオキシ−1,4−フェニレン基、2−n−ヘプチルオキシ−1,4−フェニレン基、2−n−オクチルオキシ−1,4−フェニレン基、2−n−ノニルオキシ−1,4−フェニレン基、5−n−ノニルオキシ−1,3−フェニレン基、2−デシルオキシ−1,4−フェニレン基、5−デシルオキシ−1,3−フェニレン基、5−ドデシルオキシ−1,3−フェニレン基、5−トリデシルオキシ−1,3−フェニレン基、5−テトラデシルオキシ−1,3−フェニレン基、5−ペンタデシルオキシ−1,3−フェニレン基、5−ヘキサデシルオキシ−1,3−フェニレン基、5−ヘプタデシルオキシ−1,3−フェニレン基、5−オクタデシルオキシ−1,3−フェニレン基、5−ノナデシルオキシ−1,3−フェニレン基、5−イコシルオキシ−1,3−フェニレン基、2,3−ジメトキシ−1,4−フェニレン基、2,5−ジメトキシ−1,4−フェニレン基、2,6−ジメトキシ−1,4−フェニレン基、3,4−ジメトキシ−1,2−フェニレン基、3,5−ジメトキシ−1,2−フェニレン基、4,5−ジメトキシ−1,2−フェニレン基、4−エトキシ−5−メトキシ−1,3−フェニレン基、2,5−ビス(n−ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン基、2,5−ビス(n−ヘキシルオキシ)−1,3−フェニレン基、2,5−ビス(n−ペンチルオキシ)−1,4−フェニレン基、2,5−ビス(n−オクチルオキシ)−1,4−フェニレン基、4,6−ビス(n−オクチルオキシ)−1,3−フェニレン基、2,5−ビス(ウンデシルオキシ)−1,4−フェニレン基、2,5−ビス(ドデシルオキシ)−1,4−フェニレン基、2,5−ビス(ヘキサデシルオキシ)−1,4−フェニレン基等のアルコキシ置換フェニレン基;2−クロロ−1,4−フェニレン基、2−クロロ−1,3−フェニレン基、4−クロロ−1,3−フェニレン基、5−クロロ−1,3−フェニレン基、3−クロロ−1,2−フェニレン基、4−クロロ−1,2−フェニレン基、2−ブロモ−1,4−フェニレン基、2−ブロモ−1,3−フェニレン基、4−ブロモ−1,3−フェニレン基、5−ブロモ−1,3−フェニレン基、3−ブロモ−1,2−フェニレン基、4−ブロモ−1,2−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,3−フェニレン基、5−フルオロ−1,3−フェニレン基、3−フルオロ−1,2−フェニレン基、4−フルオロ−1,2−フェニレン基、2−ヨード−1,4−フェニレン基、5−ヨード−1,3−フェニレン基、3−ヨード−1,2−フェニレン基、4−ヨード−1,2−フェニレン基、4−フルオロ−1,2−フェニレン基、2,3−ジクロロ−1,4−フェニレン基、2,5−ジクロロ−1,4−フェニレン基、2,6−ジクロロ−1,4−フェニレン基、2,4−ジクロロ−1,3−フェニレン基、2,5−ジクロロ−1,3−フェニレン基、4,5−ジクロロ−1,3−フェニレン基、4,6−ジクロロ−1,3−フェニレン基、3,4−ジクロロ−1,2−フェニレン基、3,5−ジクロロ−1,2−フェニレン基、3,6−ジクロロ−1,2−フェニレン基、4,5−ジクロロ−1,2−フェニレン基、2,3−ジブロモ−1,4−フェニレン基、2,5−ジブロモ−1,4−フェニレン基、2,6−ジブロモ−1,4−フェニレン基、2,4−ジブロモ−1,3−フェニレン基、2,5−ジブロモ−1,3−フェニレン基、4,5−ジブロモ−1,3−フェニレン基、4,6−ジブロモ−1,3−フェニレン基、3,4−ジブロモ−1,2−フェニレン基、3,5−ジブロモ−1,2−フェニレン基、3,6−ジブロモ−1,2−フェニレン基、4,5−ジブロモ−1,2−フェニレン基、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、4,5−ジフルオロ−1,2−フェニレン基、2,5−ジヨード−1,4−フェニレン基、2,3,5−トリクロロ−1,4−フェニレン基、2,4,5−トリクロロ−1,3−フェニレン基、2,4,6−トリクロロ−1,3−フェニレン基、4,5,6−トリクロロ−1,3−フェニレン基、3,4,5−トリクロロ−1,2−フェニレン基、3,4,6−トリクロロ−1,2−フェニレン基、3,5,6−トリクロロ−1,2−フェニレン基、2,3,5−トリブロモ−1,4−フェニレン基、2,4,5−トリブロモ−1,3−フェニレン基、2,4,6−トリブロモ−1,3−フェニレン基、4,5,6−トリブロモ−1,3−フェニレン基、3,4,5−トリブロモ−1,2−フェニレン基、3,4,6−トリブロモ−1,2−フェニレン基、2,3,5,6−テトラクロロ−1,4−フェニレン基、2,4,5,6−テトラクロロ−1,3−フェニレン基、3,4,5,6−テトラクロロ−1,2−フェニレン基、2,3,5,6−テトラブロモ−1,4−フェニレン基、2,4,5,6−テトラブロモ−1,3−フェニレン基、3,4,5,6−テトラブロモ−1,2−フェニレン基、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレン基、2,4,5,6−テトラフルオロ−1,3−フェニレン基、3,4,5,6−テトラフルオロ−1,2−フェニレン基、2,3,5,6−テトラヨード−1,4−フェニレン基、3,4,5,6−テトラヨード−1,2−フェニレン基等のハロゲン置換フェニレン基;2−ニトロ−1,4−フェニレン基、5−ニトロ−1,3−フェニレン基、3−ニトロ−1,2−フェニレン基、4−ニトロ−1,2−フェニレン基、3,6−ジニトロ−1,2−フェニレン基等のニトロ置換フェニレン基;2−アミノ−1,4−フェニレン基、2−アミノ−1,3−フェニレン基、4−アミノ−1,3−フェニレン基、5−アミノ−1,3−フェニレン基、4−アミノ−1,2−フェニレン基、3−アミノ−1,2−フェニレン基、2,5−ジアミノ−1,4−フェニレン基等のアミノ置換フェニレン基;3−シアノ−1,2−フェニレン基、5−シアノ−1,3−フェニレン基等のシアノ置換フェニレン基;2−フェニル−1,4−フェニレン基、2−フェニル−1,3−フェニレン基、4−フェニル−1,3−フェニレン基、5−フェニル−1,3−フェニレン基、4−フェニル−1,2−フェニレン基、6−フェニル−1,2−フェニレン基、2,5−ジフェニル−1,4−フェニレン基、2,6−ジフェニル−1,4−フェニレン基、4,5−ジフェニル−1,2−フェニレン基等のフェニル置換フェニレン基等が挙げられる。
【0036】
が置換基を有してもよいビフェニレン基である場合の具体例としては、ビフェニル−4,4’−ジイル基、ビフェニル−2,2’ジイル基、ビフェニル−3.3’−ジイル基、ビフェニル−2,3’−ジイル基、ビフェニル−2,4’−ジイル基、ビフェニル−3,4’−ジイル基等の無置換のビフェニレン基;2−メチルビフェニル−4,4’−ジイル基、5−メチルビフェニル−2,4’−ジイル基、2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイル基、2,2’−ジメチルビフェニル−3,3’−ジイル基、6,6’−ジメチルビフェニル−3,3’−ジイル基、4,4’−ジメチルビフェニル−2,2’−ジイル基、5,5’−ジメチルビフェニル−2,2’−ジイル基、6,6’−ジメチルビフェニル−2,2’−ジイル基、4,4’−ジメチルビフェニル−2,3’−ジイル基、4,4’−ジ−tert−ブチルビフェニル−2,2’−ジイル基、2,2’,6,6’−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジイル基、4,4’,6,6’−テトラメチルビフェニル−2,2’−ジイル基等のアルキル置換ビフェニレン基;2−メトキシビフェニル−4,4’−ジイル基、6−メトキシビフェニル−2,2’−ジイル基、3,3’−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジイル基、6,6’−ジメトキシビフェニル−3,3’−ジイル基、4,4’−ジメトキシビフェニル−2,2’−ジイル基、5,5’−ジメトキシビフェニル−2,2’−ジイル基、6,6’−ジメトキシビフェニル−2,2’−ジイル基、3’,4−ジメチルビフェニル−3,4’−ジイル基、5,6−ジメトキシビフェニル−3,4’−ジイル基、2,2’,6,6’−テトラメトキシビフェニル−3,3’−ジイル基、4,4’,6,6’−テトラメトキシ−2,2’−ジイル基、2,2’−ジエトキシ−3,3’−ジメトキシビフェニル−5,5’−ジイル基等のアルコキシ置換ビフェニレン基;3,3’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジイル基、5,5’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジイル基、6,6’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジイル基、4,6−ジクロロビフェニル−2,2’−ジイル基、3,3’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジイル基、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジイル基、5,5’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジイル基、4,4’−ジフルオロビフェニル−3,3’−ジイル基、2,2’−ジヨードビフェニル−4,4’−ジイル基、4,4’−ジヨードビフェニル−2,2’−ジイル基等のハロゲン置換ビフェニレン基;4,4’−ジアミノビフェニル−3,3’−ジイル基、4,4’−ジアミノビフェニル−2,2’−ジイル基、6,6’−ジアミノビフェニル−2,2’−ジイル基等のアミノ置換ビフェニレン基;6−ニトロビフェニル−2,2’−ジイル基、4,4’−ジニトロビフェニル−2,2’−ジイル基、5,5’−ジニトロビフェニル−2,2’−ジイル基、6,6’−ジニトロビフェニル−2,2’−ジイル基、5,6’−ジニトロビフェニル−2,2’−ジイル基、4,4’,6,6’−テトラニトロビフェニル−2,2’−ジイル基等のニトロ置換ビフェニレン基;3−フェニルビフェニル−4,4’−ジイル基、2,2’−ジフェニルビフェニル−4,4’−ジイル基、3,3’−ジフェニルビフェニル−2,2’−ジイル基等のフェニル置換ビフェニレン基;2,2’−ジシアノビフェニル−4,4’−ジイル基等のシアノ置換ジフェニレン基等のシアノ置換ビフェニレン基等が挙げられる。
【0037】
が置換基を有してもよいナフタレンジイル基である場合の具体例としてはナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−1,2−ジイル基、ナフタレン−1,3−ジイル基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,5−ジイル基、ナフタレン−1,6−ジイル基、ナフタレン−1,7−ジイル基、ナフタレン−1,8−ジイル基、ナフタレン−2,3−ジイル基、ナフタレン−2,4−ジイル基、ナフタレン−2,7−ジイル基等の無置換のナフタレンジイル基;4−メチルナフタレン−1,2−ジイル基、2,3−ジメチルナフタレン−1,4−ジイル基、1,4−ジメチルナフタレン−2,3−ジイル基等のアルキル置換ナフタレンジイル基;3−メトキシナフタレン−1,8−ジイル基、2−メトキシナフタレン−1,6−ジイル基、5,8−ジメトキシナフタレン−1,6−ジイル基等のアルコキシ置換ナフタレンジイル基;4−クロロナフタレン−1,8−ジイル基、4−ブロモナフタレン−1,8−ジイル基、4,5−ジクロロナフタレン−1,8−ジイル基、5,8−ジブロモナフタレン−2,3−ジイル基、4,5−ジフルオロナフタレン−1,8−ジイル基、5,6,7,8−テトラブロモナフタレン−2,3−ジイル基等のハロゲン置換ナフタレンジイル基;3−ニトロナフタレン−1,8−ジイル基、4−ニトロナフタレン−1,8−ジイル基、3,6−ジニトロナフタレン−1,8−ジイル基等のニトロ置換ナフタレンジイル基;4−アミノナフタレン−1,2−ジイル基、5−アミノナフタレン−1,2−ジイル基、6−アミノナフタレン−1,2−ジイル基、7−アミノナフタレン−1,2−ジイル基、3−アミノナフタレン−1,8−ジイル基、4−アミノナフタレン−1,8−ジイル基、5−アミノナフタレン−2,3−ジイル基等のアミノ置換ナフタレンジイル基;1−フェニルナフタレン−2,6−ジイル基、2−フェニルナフタレン−1,8−ジイル基、2−フェニルナフタレン−1,4−ジイル基等のフェニル置換ナフタレンジイル基等が挙げられる。
【0038】
が式(2)で表される基である場合の具体例としては、下記の式(A−1)〜(A−20)で表される基等が挙げられる。
【0039】
【化12】

【0040】
【化13】

【0041】
【化14】

【0042】
【化15】

【0043】
【化16】

【0044】
【化17】

【0045】
が分岐を有してもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基である場合の具体例としては、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、1,5−ペンチレン基、1,6−ヘキシレン基、1,7−ヘプチレン基、1,8−オクチレン基、1,9−ノニレン基、1,10−デシレン基、1,11−ウンデシレン基、1,12−ドデシレン基、1,13−トリデシレン基、1,14−テトラデシレン基、1,15−ペンタデシレン基、1,16−ヘキサデシレン基、1,17−ヘプタデシレン基、1,18−オクタデシレン基、1,19−ノナデシレン基、1,20−イコシレン基等が挙げられる。
【0046】
以上説明した式(1)で表されるジカルボン酸ジヒドラジドを後述する酸化剤を用いて酸化重合することにより、下式(3)で表される繰り返し単位からなるポリ(ジアシルヒドラジン)を高収率で得ることができる。
【化18】

【0047】
<酸化剤>
本発明において、ジカルボン酸ジヒドラジド化合物の酸化重合には、過硫酸水素カリウム、硫酸水素カリウム、及び硫酸カリウムの複塩、ジアセトキシヨードベンゼン、ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨードベンゼン、並びにヨードソベンゼンからなる群より選択される1種以上の酸化剤を用いる。
【0048】
これらの酸化剤を用いることにより、中間体のオリゴマーや生成物のポリマーを激しく酸化分解することなく、ジカルボン酸ジヒドラジドの酸化重合を良好に進行させることができる。
【0049】
これらの酸化剤の中では、ポリ(ジアシルヒドラジン)の収率が特に優れることから、過硫酸水素カリウム、硫酸水素カリウム、及び硫酸カリウムの複塩を用いるのがより好ましい。過硫酸水素カリウム、硫酸水素カリウム、及び硫酸カリウムの複塩は、商品名oxone(オキソン)(登録商標)として流通しているもの使用することができる。
【0050】
酸化剤の使用量は、ジカルボン酸ジヒドラジド化合物の酸化重合反応が良好に進行する限り特に限定されない。酸化剤の使用量は、ジカルボン酸ジヒドラジド化合物を完全に酸化重合させる理論量以上の量で、反応条件に応じて適宜定めればよい。
【0051】
酸化剤が、過硫酸水素カリウム、硫酸水素カリウム、及び硫酸カリウムの複塩である場合、その使用量は、ジカルボン酸ジヒドラジド化合物1モルに対して、過硫酸水素カリウムの量が2〜10モルとなる量が好ましく、2〜8モルとなる量がより好ましく、2〜6モルとなる量が特に好ましい。
【0052】
<溶媒>
本発明において酸化重合を行う際、酸化剤により酸化されない種々の溶媒を用いることができる。ジカルボン酸ジヒドラジド化合物や、酸化重合時に生成したオリゴマーの溶解性を考慮すると、溶媒としては非プロトン性極性溶媒を含むものを用いるのが好ましい。
【0053】
本発明において非プロトン性極性溶媒は、ヘキサン等の炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン等の芳香族溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル等のエーテル類等の低極性溶媒や、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、酢酸、プロピオン酸等のプロトン性極性溶媒とともに用いることができる。
【0054】
本発明において使用できる、非プロトン性極性溶媒としては、ホルムアミド、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
【0055】
本発明のポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法おける溶媒の使用量は、酸化重合反応が良好に進行する限り特に制限されない。溶媒の使用量は、ジカルボン酸ジヒドラジド化合物及び溶媒の種類や、反応温度によって変わるが、典型的には、ジカルボン酸ジヒドラジド化合物1質量部に対して1〜100質量部用いるのが好ましく、1.5〜50質量部用いるのがより好ましく、2〜30質量部用いるのが特に好ましい。
【0056】
溶媒の使用量が少なすぎれば、ジカルボン酸ジヒドラジド化合物や、生成したオリゴマーが溶媒に溶解しにくくなり十分な収率でポリ(ジアシルヒドラジン)を得にくくなる。溶媒の使用量が多すぎれば、反応終了後の溶媒の廃棄や精製にかかるコストが嵩むほか、生成したポリ(ジアシルヒドラジン)が溶媒に溶解し収率が低下する場合がある。
【0057】
酸化剤として、過硫酸水素カリウム、硫酸水素カリウム、及び硫酸カリウムの複塩を用いる場合には、水を含む溶媒を用いるのが好ましく、水及び非プロトン性極性溶媒を含む溶媒を用いるのがより好ましい。溶媒が水を含むことにより、過硫酸水素カリウム、硫酸水素カリウム、及び硫酸カリウムの複塩が溶媒に溶解しやすくなり、酸化重合反応がより進行しやすくなる。
【0058】
過硫酸水素カリウム、硫酸水素カリウム、及び硫酸カリウムの複塩は水溶液として使用することも可能である。かかる場合、水を含まない溶媒を用いてジカルボン酸ジヒドラジド化合物の溶液を調製し、この溶液に滴下等の方法により過硫酸水素カリウム、硫酸水素カリウム、及び硫酸カリウムの複塩の水溶液を添加することにより良好に酸化重合反応を進行させることができる。
【0059】
本発明において、酸化剤として過硫酸水素カリウム、硫酸水素カリウム、及び硫酸カリウムの複塩を用いる場合、(a)水、(b)アセトニトリル及び/又はN,N−ジメチルアセトアミド、及び(c)アセトニトリルとN,N−ジメチルアセトアミドとを除く非プロトン性極性溶媒を含む溶媒を用いるのが特に好ましい。
【0060】
溶媒の成分として、水、及び非プロトン性極性溶媒に加えて、アセトニトリル及び/又はN,N−ジメチルアセトアミドを用いることにより、ポリ(ジアシルヒドラジン)の収率をより向上させることができる。
【0061】
(c)アセトニトリルとN,N−ジメチルアセトアミドとを除く非プロトン性極性溶媒としては、ジカルボン酸ジヒドラジド化合物の溶解性に優れることから、ホルムアミド、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチル−2−ピロリドン、及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンからなる群より選択される1種以上を用いるのが好ましく、N−メチル−2−ピロリドンを用いるのがより好ましい。
【0062】
(a)水、(b)アセトニトリル及び/又はN,N−ジメチルアセトアミド、及び(c)アセトニトリルとN,N−ジメチルアセトアミドとを除く非プロトン性極性溶媒の使用量は、酸化重合反応が良好に進行する限り制限されないが、それぞれ、ジカルボン酸ヒドラジド化合物1質量部に対して、0.5〜20質量部用いるのが好ましく、1〜15質量部用いるのがより好ましく、2〜10質量部用いるのが特に好ましい。
【0063】
<反応条件>
本発明のポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法において、酸化重合時の温度はジカルボン酸ジヒドラジド化合物の酸化重合反応が良好に進行する限り特に制限されない。酸化重合時の温度は0〜50℃が好ましく、5〜45℃がより好ましく、10〜40℃が特に好ましい。反応温度が高すぎると、酸化剤による生成物の酸化分解等の副反応が生じやすく十分な収率でポリ(ジアシルヒドラジン)を得にくく、反応温度が低すぎると、酸化重合反応の速度が極端に低下する場合がある。
【0064】
本発明において、酸化重合反応を行う際の雰囲気は特に制限されないが、酸化による副反応を抑制するために、不活性ガス雰囲気下で酸化重合反応を行うのが好ましい。不活性ガスとしては窒素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。
【0065】
本発明において酸化重合反応を行う時間は、十分な収率でポリ(ジアシルヒドラジン)が得られ、ポリ(ジアシルヒドラジン)の分解等の副反応が生じない限り特に制限されない。反応時間は、使用するジカルボン酸ジヒドラジド化合物、酸化剤、及び溶媒の種類や、反応温度によっても異なるが、典型的には、5〜50時間、より好ましくは10〜30時間である。酸化重合反応の進行は、例えば、反応液から試料を分取し、反応液中のポリ(ジアシルヒドラジン)の分子量を高速液体クロマトグラフ等により測定する方法等により知ることができる。
【0066】
<ポリ(ジアシルヒドラジン)の回収>
以上のようにして、酸化重合により生成したポリ(ジアシルヒドラジン)は、固液分離操作により反応液から回収される。固液分離操作は、通常化学工業プロセスで一般的に使用されるフィルタープレスや遠心分離機等の装置を用いて行えばよい。固液分離操作は、通常、反応液と、水、メタノール、エタノール、メタノール水溶液、エタノール水溶液等の貧溶媒とを混合して、十分にポリ(ジアシルヒドラジン)を析出させた後に行われる。析出するポリ(ジアシルヒドラジン)のろ過が容易であることから、貧溶媒としては、メタノール、エタノール、メタノール水溶液、エタノール水溶液等の有機溶媒を含む溶媒を用いるのが好ましい。反応液と貧溶媒とを混合して析出したポリ(ジアシルヒドラジン)は、固液分離装置により回収された後、不純物として含まれる酸化剤に由来する化合物を除去するために、水、メタノール水溶液等を用いて洗浄される。
【0067】
また、ポリ(ジアシルヒドラジン)は、反応液を濃縮して得た濃縮液から、析出物を個液分離して得ることもできる。この場合、析出物には酸化剤に由来する化合物が多量に含まれるので、酸化剤に由来する化合物を除去するために、回収した析出物を、水、メタノール水溶液等を用いて十分に洗浄する必要がある。
【0068】
反応液を濃縮してポリ(ジアシルヒドラジン)を回収する場合、加熱により生成したポリ(ジアシルヒドラジン)が酸化される恐れがあるため、減圧条件下で50℃以下の温度で溶媒を濃縮するのが好ましい。
【0069】
以上のようにして反応液から分離されたポリ(ジアシルヒドラジン)は、所望により、水、メタノール、エタノール等の溶媒により洗浄した後、乾燥して製品とされる。
【0070】
ポリ(ジアシルヒドラジン)の乾燥には、従来使用される棚段型乾燥機、気流乾燥機、流動床式乾燥機、減圧乾燥機等の種々の乾燥機を使用することができる。乾燥時のポリ(ジアシルヒドラジン)の酸化を抑制するためには、減圧乾燥機を用いるか、窒素等の不活性ガス雰囲気下で、棚段型乾燥機気、流乾燥機、流動床式乾燥機等を用いてポリ(ジアシルヒドラジン)を乾燥するのが好ましい。
【0071】
<ポリ(ジアシルヒドラジン)>
以上のようにして得られた、ポリ(ジアシルヒドラジン)は、次亜塩素酸ナトリウム等の安価で取り扱いやすい酸化剤により良好に分解される。この為、使用中は必要な物性を保持し、廃棄時には燃焼することなく、酸化剤に容易に分解処理することができる。
【0072】
本発明の方法により製造されるポリ(ジアシルヒドラジン)のうち下式(A)で表される繰り返し単位からなるものは、有機溶媒に可溶であるため、キャストフィルム等の種々の用途に利用可能である。また、下式(B)で表される繰り返し単位からなるポリ(ジアシルヒドラジン)は有機溶媒に難溶であるため、有機溶媒への耐性が望まれる種々の用途に利用することができる。
【化19】

[式(A)中Arは下式(4)又は(5)で表される基である。
【化20】

【化21】

式(4)中、Rは、分岐を有してもよい炭素原子1〜20のアルコキシ基、又はフェニル基である。]
【化22】

[式(B)中、nは1〜8の整数である。]
【0073】
式(A)で表される繰り返し単位からなるポリマー、及び式(B)で表される繰り返し単位からなるポリマーの製造方法は特に制限されないが、式(A)及び式(B)で表される繰り返し単位に対応するジカルボン酸ジヒドラジド化合物をモノマーとして用い、過硫酸水素カリウム、硫酸水素カリウム、及び硫酸カリウムの複塩、ジアセトキシヨードベンゼン、ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨードベンゼン、並びにヨードソベンゼンからなる群より選択される1種以上の酸化剤を用いて酸化重合を行い製造するのが好ましい。
【0074】
かかる方法により式(A)で表される繰り返し単位からなるポリマー、及び式(B)で表される繰り返し単位からなるポリマーを製造する場合、高収率で高重合度のポリマーを製造できるため、高品質のポリ(ジアシルヒドラジン)を安価に提供することができる。
【実施例】
【0075】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0076】
<実施例1>
下式(i)で表される、ジカルボン酸ジヒドラジド化合物0.25g(1.0mmol)、過硫酸水素カリウム、硫酸水素カリウム、及び硫酸カリウムの複塩1.23g(過硫酸カリウムとして4.0mmol)を、水1g、アセトニトリル1g、及びN−メチル−2−ピロリドン1gからなる混合溶媒に加え、25℃にて24時間、酸化重合反応を行った。
【化23】

【0077】
反応混合物を大量のメタノールに注ぎ、生成したポリ(ジアシルヒドラジン)を析出させ、析出物を吸引ろ過により回収した。回収した析出物を、メタノールで洗浄した後、水で洗浄し、真空乾燥してポリ(ジアシルヒドラジン)を得た。ポリ(ジアシルヒドラジン)の収量から算出した、ポリ(ジアシルヒドラジン)の収率を表1に記す。また、得られたポリ(ジアシルヒドラジン)の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を下記の方法に従い測定した。得られたポリ(ジアシルヒドラジン)の数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)との比率(Mn/Mw)を表1に記す。
【0078】
<数平均分子量、及び重量平均分子量の測定方法>
ポリ(ジアシルヒドラジン)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、GPC(LC−10AT(株式会社島津製作所)、PolyPoreカラム(ポリマーラボラトリー社))を用い、DMFを展開溶媒として使用し、標準ポリスチレンで校正して分子量を測定した。
【0079】
<実施例2〜5>
ジカルボン酸ジヒドラジド化合物として、表1に記載のジカルボン酸ジヒドラジド化合物を1.0mmol用いることの他は、実施例1と同様にして、酸化重合を行いポリ(ジアシルヒドラジン)を合成した。得られたポリ(ジアシルヒドラジン)の数平均分子量及び重量平均分子量を実施例1と同様にして測定した。ポリ(ジアシルヒドラジン)の収率、数平均分子量(Mn)、及び、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)との比率(Mn/Mw)を表1に記す。
【0080】
【表1】

【0081】
表1より、実施例1〜5では、何れも高収率でポリ(ジアシルヒドラジン)が得られたことがわかる。また、表1より、実施例1〜5で得られたポリ(ジアシルヒドラジン)は何れも数平均分子量が5000以上と重合度が高いものであることが分かる。さらに、実施例1〜5で得られたポリマーは、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒や、濃硫酸、トリフルオロ酢酸等の酸に可溶であり、キャストフィルム等の溶液加工方に使用できることが分かる。
【0082】
<実施例6〜8>
ジカルボン酸ジヒドラジド化合物として、マロン酸ジヒドラジド(実施例6)、アゼライン酸ジヒドラジド(実施例7)、及び、セバシン酸ジヒドラジド(実施例8)を1.0mmol用いることの他は、実施例1と同様にして、酸化重合を行いポリ(ジアシルヒドラジン)を合成した。ポリ(ジアシルヒドラジン)の収率は、実施例6で59%、実施例7で78%、実施例8で71%であり、何れも高収率であった。
【0083】
実施例6〜8で得られたポリ(ジアシルヒドラジン)は溶媒に不溶であり、数平均分子量及び重量平均分子量を測定できなかった。また、実施例6〜8で得られたポリ(ジアシルヒドラジン)は、溶媒に不溶であることから、耐溶剤性が要求される種々の用途に利用可能であることが分かる。実施例6〜8で得られたポリ(ジアシルヒドラジン)のKBr法によるFT−IRスペクトルを図1〜3にそれぞれ示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジカルボン酸ジヒドラジド化合物を、過硫酸水素カリウム、硫酸水素カリウム、及び硫酸カリウムの複塩、ジアセトキシヨードベンゼン、ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨードベンゼン、並びにヨードソベンゼンからなる群より選択される1種以上の酸化剤を用いて酸化重合するポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法。
【請求項2】
前記酸化重合を0〜50℃で行う、請求項1記載のポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法。
【請求項3】
非プロトン性極性溶媒を含む溶媒を用いる、請求項1又は2記載のポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法。
【請求項4】
前記酸化剤が、過硫酸水素カリウム、硫酸水素カリウム、及び硫酸カリウムの複塩である、請求項1から3何れか記載のポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法。
【請求項5】
前記、過硫酸水素カリウム、硫酸水素カリウム、及び硫酸カリウムの複塩の使用量が、前記ジカルボン酸ジヒドラジド化合物1モルに対する、前記過硫酸水素カリウムの量が2〜10モルとなる量である、請求項4記載のポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法。
【請求項6】
水、及び、非プロトン性極性溶媒を含む溶媒を用いる、請求項4又は5記載のポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法。
【請求項7】
(a)水、(b)アセトニトリル及び/又はN,N−ジメチルアセトアミド、及び(c)アセトニトリルとN,N−ジメチルアセトアミドとを除く非プロトン性極性溶媒を含む溶媒を用いる、請求項6記載のポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法。
【請求項8】
前記、(c)アセトニトリルとN,N−ジメチルアセトアミドとを除く非プロトン性極性溶媒が、ホルムアミド、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチル−2−ピロリドン、及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンからなる群より選択される1種以上である、請求項7記載のポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法。
【請求項9】
前記、(c)アセトニトリルとN,N−ジメチルアセトアミドとを除く非プロトン性極性溶媒が、N−メチル−2−ピロリドンである、請求項8記載のポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法。
【請求項10】
前記、(a)水、(b)アセトニトリル及び/又はN,N−ジメチルアセトアミド、及び(c)アセトニトリルとN,N−ジメチルアセトアミドとを除く非プロトン性極性溶媒の、それぞれの使用量が、ジカルボン酸ジヒドラジド化合物1質量部に対して0.5〜20質量部である、請求項7〜9何れか記載のポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法。
【請求項11】
前記ジカルボン酸ジヒドラジド化合物が下式(1)で表される化合物であり、前記ポリ(ジアシルヒドラジン)が下式(3)で表される繰り返し単位からなるものである、請求項1から10何れか記載のポリ(ジアシルヒドラジン)の製造方法。
【化1】

[式(1)中、Rは、単結合、置換基を有してもよいフェニレン基、置換基を有してもよいビフェニレン基、置換基を有してもよいナフタレンジイル基、下式(2)で表される基、及び、分岐を有してもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基からなる群より選択される基であり、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレンジイル基が有してもよい置換基は、分岐を有してもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、分岐を有してもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、フェニル基、ハロゲン、シアノ基、アミノ基、及びニトロ基からなる群より選択される基である。
【化2】

式(2)中、Rは、−O−、−CO−、−SO−、−NH−、−O−R−O−、及び、分岐を有してもよい炭素原子数1〜6のアルキレン基からなる群より選択される基であり、Rは分岐を有してもよい炭素原子数1〜6のアルキレン基である。]
【化3】

[式(3)中、Rは式(1)におけるRの定義と同意である。]
【請求項12】
下式(A)又は(B)で表される繰り返し単位からなるポリ(ジアシルヒドラジン)。
【化4】

[式(A)中Arは下式(4)又は(5)で表される基である。
【化5】

【化6】

式(4)中、Rは、分岐を有してもよい炭素原子1〜20のアルコキシ基、又はフェニル基である。]
【化7】

[式(B)中、nは1〜8の整数である。]

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2011−52075(P2011−52075A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−200826(P2009−200826)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(592218300)学校法人神奈川大学 (243)
【Fターム(参考)】