説明

ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼの三環系阻害剤の塩

以下の式(I)の化合物の薬学的に許容される塩は、ポリ(ADP-リボース)トランスフェラーゼ(PARP)阻害剤であり、癌の治療、及び卒中、脳損傷及び神経変性疾患の軽減における治療法として有用である。癌療法としては、本発明の化合物は、例えば細胞毒性剤及び/又は放射線照射と組み合わせて用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd] インドール-6-オンの塩、すなわちポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼを阻害し、それによってDNAストランドに対するダメージの修復を抑制する化合物、及びかかる化合物の製造方法に関する。本発明はまた、抗-癌療法の増強及び卒中、脳損傷及び神経変性疾患を招く神経毒症状の阻害に有用な医薬組成物及び治療上の処置におけるかかる化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)は、ほとんど全ての真核細胞に見られる核酵素であり、ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(NAD+)から核受容体タンパク質までのADP-リボース単位の転移を触媒し、及びタンパク質-結合直鎖及び分岐鎖ホモ-ADP-リボースポリマーの形成を担う。PARPの活性化及びポリ(ADP-リボース)の結果的形成は、化学療法、イオン化照射、酸素フリーラジカル又は一酸化窒素(NO)への暴露後に、DNAストランド開裂によって誘起され得る。
【0003】
この細胞性ADP-リボース転移過程は放射線療法又は化学療法によって引き起こされるDNA損傷に起因するDNAストランド開裂の修復に関連するので、様々な種類の癌療法にしばしば発展する抵抗性の原因となる。結果的に、PARPの阻害は細胞内DNA修復を遅らせ、癌療法の抗腫瘍効果を亢進することができる。実際に、in vitro及びin vivoのデータは、多くのPARP阻害剤が電離照射線又はDNAメチル化剤等の細胞毒性剤の効果を増強する、ことを示している。従って、PARP酵素の阻害剤は、癌化学療法として有用である。
【0004】
加えて、PARPの阻害は、卒中後の脳損傷に対する抵抗性を促進することが判明した(Endresら,「虚血性脳損傷は、Mediated by the Activation of ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼの活性化によって仲介される」,J. Cerebral Blood Flow Metab. 17: 1143-1151 (1997); Zhang, 「脳虚血症の実質的保護におけるPARP阻害結果」,急性神経損傷に関するCambridge Healthtech Institute's Conference:新しい治療機会, Sept. 18-24, 1998, Las Vegas, Nevada)。DNA損傷によるPARP活性化は、卒中、脳損傷又は神経変性疾患を招く細胞死に役割を果たしていると考えられている。NOシンターゼ酵素が脱分極神経末端から神経伝達物質グルタミン酸塩の放出によって開始される一連の事象の結果として活性化される場合には、DNAは、生成したNOの過剰量によって損傷を受ける(Cosiら,「再度取り上げられたポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ:古い酵素に関する新しい役割:神経変性におけるPARPの関係及び可能な神経保護剤としてのPARP阻害剤」,Ann. N. Y. Acad. Sci., 366-379)。細胞死は、NAD+が酵素触媒化PARP反応によって消費されるようなエネルギー枯渇の結果として起こると考えられる。従って、PARP酵素の阻害剤は、卒中、脳損傷及び神経変性疾患を招く有用な神経毒症の阻害剤である。
【0005】
更に、PARP阻害は、DNA損傷のシグナル中のPARPの役割によって、皮膚老化等の細胞老化に関連する症状又は疾患の治療のための有用な方法である。例えば、PARP活性が阻害されるような条件下での細胞に対するPARP阻害剤の治療上有効量を投与することを含む細胞の寿命及び増殖能を伸ばす方法を記載する米国特許第5,589,483号を参照されたい。従って、PARP酵素阻害剤は皮膚老化の有用な治療法である。
【0006】
更なる適用においては、PARP阻害は、敏感な個体におけるインシュリン-依存型糖尿病の罹患を避けるために臨床レベルで検討されている(Saldeenら, 「ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼの開裂に関連する、インシュリン産生細胞におけるニコチンアミド-誘起アポトーシス」,Mol. Cellular Endocrinol. (1998), 139: 99-107)。PARP阻害剤は、糖尿病-抑制療法として有用である。
【0007】
PARP阻害は、関節炎等の炎症性症状を治療するための方法でもある(Szaboら,「コラーゲン-誘起関節炎におけるポリ(ADP-リボース)シンターゼの阻害剤の保護効果」,Portland Press Proc. (1998), 15: 280-281; Szabo,「炎症におけるポリ(ADP-リボース)シンターゼの役割」,Eur. J. Biochem. (1998), 350(1): 1-19; Szaboら,「ペルオキシ亜硝酸塩-誘起繊維芽細胞損傷に対する保護及びポリ(ADP-リボース)シンターゼの阻害による関節炎発症」,「Proc. MaN. Acad. Sci. USA (1998), 95 (7) :3867-72」。従って、PARP阻害剤は、炎症性症状の治療に有用である。
【0008】
PARP阻害は、心筋虚血及び再潅流傷害に対する保護のために有用である(Zingarelliら,「3-アミノベンズアミドすなわちポリ(ADP-リボース)シンターゼの阻害剤による心筋虚血及び再再潅流傷害に対する保護」,Cardiovascular Research (1997), 36: 205-215)。従って、PARP阻害剤は、心循環器疾患の治療に有用である。
【0009】
酵素のPARPファミリーは広範囲である。テロメア長維持の負の調節因子であるテロマー型タンパク質TRF-1に結合するタンキラーゼがPARPに著しく均質である触媒ドメインを有していることが最近判明し、in vitroでPARP活性を示すことが判った。ヒト細胞のテロメア機能がポリ(ADP-リボシル)作用によって調節される、ことが提案されている。PARP阻害剤はこの機能を研究するためのツールとして有用である。更に、テロメア長が細胞老化と関連すると考えられるので、タンキラーゼによるテロメラーゼ活性の調節の結果として、PARP阻害剤は、細胞寿命の調節剤、例えば不死の腫瘍細胞の寿命を短くするための癌療法での使用として、又は抗-老化療法として有用である。
【0010】
競争的PARP阻害剤は周知である。例えば、Banasikら,「ポリ(ADP-リボース)シンターゼ及びモノ(ADP-リボシル)トランスフェラーゼの特異的阻害剤」,J. Biol. Chem. (1992) 267: 1569-1575)は、132化合物のPARP-阻害活性を試験し、最も阻害活性が高かったのは、4-アミノ-1,8-ナフタルイミド、6(5H)-フェナンスリドン、2-ニトロ-6(5H)-フェナンスリドン及び1,5-ジヒドロキシイソキノリンであった。Griffinらは、一連のベンズアミド化合物(米国特許第5,756,510号;「DNA修復酵素ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)の新規強力阻害剤」,Anti-Cancer Drug Design (1995), 10 : 507-514も参照されたい)及びキナロジノン化合物(国際出願WO 98/33802号)のPARP-阻害活性を報告した。Sutoらは、一連のジヒドロイソキノリン化合物(「ジヒドロイソキノリン:ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼの新規強力阻害剤シリーズの設計及び合成」,Anti-Cancer Drug Design (1991), 7: 107-117)を報告した。Griffinらは、キナゾリン類の他のPARP阻害剤を報告した「抵抗性-変性剤 5. DNA修復酵素ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)のキナゾリン阻害剤の合成及び生物学的性質」,J. Med. Chem., ASAP Article 10.1021/jm980273t S0022-2623 (98) 00273-8; Web公表日時: 1998年12月1日)。
【発明の開示】
【0011】
それにも関らず、強力なPARP阻害剤である水溶性の小-分子化合物、特に医薬適用に望ましい物理的及び化学的性質を有するものがなお望まれている。
【0012】
発明の概要
本発明は、強力なポリ(ADP-リボシル)トランスフェラーゼ(PARP)阻害剤として機能し、かなりの水溶性を有し、治療法特に癌の治療及び卒中、脳損傷及び神経変性疾患の効果改善において有用である8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オンの塩に関する。癌治療として、本発明の化合物はDNA-損傷細胞毒性剤、例えばトポテカン、イリノテカン又はテモゾロミド及び/又は放射線と組み合わせて使用することができる。
【0013】
特に、本発明は、式(I)で表わされる8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オンのリン酸塩に関する。
【0014】
【化1】

【0015】
本発明はまた、式(I)で表わされる化合物のリン酸塩の有効PARP-阻害量及びその薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。
【0016】
本発明はまた、水溶性塩、好ましくは式(I)で表わされる化合物のリン酸塩の有効量と酵素とを接触させることを含む、in vivoでのPARP酵素活性を阻害する方法に関する。本発明のこれらの水溶性塩は、強力なPARP阻害剤であり、好ましくはPARP酵素阻害検定において100μM未満のKiに対応するPARP-阻害活性を有する。
【0017】
本発明は更に、細胞毒又は電離放射線と組み合わせて、水溶性塩、好ましくは式(I)で表わされる化合物のリン酸塩の有効量と細胞とを接触させることを含む、細胞毒の又は電離放射線の細胞毒性を増強する方法に関する。本発明の薬学的に許容される塩は、好ましくは、細胞毒性相乗検定において少なくとも1つのPF50に対応する細胞毒性相乗活性を有する。
【0018】
本発明はまた、PARP活性が患者に有害である疾患又は損傷状態に好適なインターベンション治療、すなわち式(I)で表わされるリン酸塩を投与することによって患者の関連組織におけるPARP酵素活性を阻害することを含む治療法を提供する。本発明によって提供される1つのかかるインターベンション治療において、治療的処置で哺乳動物に投与される細胞毒又は放射線療法の効用は、細胞毒又は放射線療法の投与と組み合わせて、治療を必要としている哺乳動物に式(I)で表わされるリン酸塩の有効なPARP-阻害量を投与することによって改善される。
【0019】
本発明によって提供される別のインターベンション治療法は、式(I)で表されるリン酸塩のPARP-阻害有効量を哺乳動物の繊維芽細胞に投与することを含む、当該哺乳動物における皮膚老化に関連する細胞老化の始まりを遅らせることを目的とする。本発明によって提供される更に別のインターベンション治療法は、哺乳動物に式(I)で表されるリン酸塩の有効量を投与することによって、当該哺乳動物の卒中、脳損傷及び神経変性疾患を招く神経毒症を減じることを目的とする。
【0020】
本発明の化合物は、式(I)で表されるリン酸塩の有効量を治療を必要としている哺乳動物に投与することを含む、炎症性症状の処置に対する治療的方法を提供する。
【0021】
本発明によって提供される更に別のインターベンション治療は、式(I)のリン酸塩の有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における心筋虚血及び再潅流傷害に対する保護方法を提供する。
【0022】
発明の詳細な説明及び好ましい実施態様
PARP-阻害剤:
8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オンの合成は、本明細書に参考文献として援用されている米国特許第6,495,541号に開示されている。
【0023】
本明細書で用いる用語「含むこと(comprising)」及び「含むこと(including)」は、本明細書において確定してない非-限定的意味で用いられる。
【0024】
用語「ハロゲン」は塩素、フッ素、臭素又はヨウ素を意味する。用語「ハロ」は「クロロ」、「フルオロ」、「ブロモ」又は「ヨード」を意味する。
【0025】
固体である化合物、塩又は溶媒和の場合には、本発明化合物、塩及び溶媒和物が異なった結晶形又は多形で存在し、これらの全てが本発明及び定義された式の範囲内にあることを意図することが当業者によって理解されるだろう。
【0026】
ある場合には、本発明化合物は、キラル中心を有する。キラル中心が存在する場合には、本発明化合物は単一の立体異性体、ラセミ体及び/又は鏡像異性体及び/ジアステレオマーの混合物として存在することができる。全てのかかる単一立体異性体、ラセミ体及びこれらの混合物は、(特に断らない限り)一般構造式の一般的範囲内にあることを意図する。しかしながら、好ましくは、本発明化合物は、基本的に光学的に純粋な形で用いられる(光学的に純粋な化合物が鏡像異性的に純粋である化合物であることは、一般的に当業者によって理解されるだろう)。好ましくは、本発明の化合物は所望の単一異性体の少なくとも90%(80%鏡像異性体過剰(e.e.))であり、より好ましくは少なくとも95%(90% e.e.)、更により好ましくは少なくとも97.5%(95% e.e.)及び最も好ましくは少なくとも99%(98% e.e.)である。
【0027】
ある場合には、化合物は互変異性体であり得る。ある場合には、両互変異性体は構造式に包含されることが意図されている。
【0028】
医薬的方法及び組成物:
本発明はまた、式(I)で表される水溶性塩例えば式(I)で表されるリン酸塩、又はその水溶性塩の溶媒和物の有効量をPARP酵素と接触させることを含む、PARP酵素活性を阻害する方法に関する。例えば、式(I)で表される水溶性塩例えばリン酸塩、又はその水溶性塩の溶媒和物を投与することによって、哺乳動物組織においてPARP活性が阻害される。
【0029】
「治療すること」又は「治療」は、PARP活性の阻害、例えば抗-癌療法の増強又は卒中、脳損傷及び神経変性疾患を招く神経毒性症の阻害によって仲介される、ヒト(例えば患者)等の哺乳動物の損傷又は疾患症状を軽減又は緩和することを意味する。治療の種類は以下を含む:(a)哺乳動物における予防的使用、特に当該哺乳動物が疾患症状を発症しやすいことが認められているが未だその症状であると診断されていない場合;(b)当該疾患症状の阻害;及び/又は(c)当該疾患症状の部分的又は全体的な軽減。
【0030】
1つの治療方法は、細胞毒(例えばトポテカン又はイリノテカン)又は放射線療法の投与と組み合わせて式Iのリン酸塩の有効量を哺乳動物に投与することを含む、治療的処置において当該哺乳動物に投与される細胞毒又は放射線療法の効用を改善することを含む。式Iで表されるPARP-阻害リン酸塩はまた、式Iのリン酸塩の治療上有効量を哺乳動物に投与することによって、当該哺乳動物の卒中、脳損傷及び神経変性疾患を招く神経毒症を減ずる方法において有益に用いられる。本発明のPARP-阻害塩は、式Iのリン酸塩の有効PARP-阻害量をヒトの繊維芽細胞に投与することを含む、ヒトの皮膚老化に関連する細胞老化の始まりを遅らせる方法でも用いられる。更に、式Iのリン酸塩は、塩の治療上有効量を投与することを含む、感受性個体のインシュリン-依存型糖尿病の発症を抑制するのに役立つ方法でも用いられる。加えて、式Iのリン酸塩は、哺乳動物に塩の治療上有効量を投与することを含む、哺乳動物の炎症性症状を治療する方法でも使用される。更に、当該薬剤は、式Iのリン酸塩のPARP-阻害の治療上有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物の心疾患を治療するための方法でも用いられる。当該分野におけるPARP阻害剤進歩の治療的役割に関する知識として、本発明のPARP-阻害塩のその他の有用性は明らかであろう。
【0031】
PARP活性の阻害剤としての本発明の化合物の活性は、in vivo及びin vitro検定を含めて、当該分野で周知の又は利用できる任意の好適な方法によって測定され得る。
【0032】
活性測定の好適な検定例は、全ての目的でその全体が参考文献として本明細書に援用されている米国特許第6,495,541号に記載のPARP酵素阻害検定である。
【0033】
式Iのリン酸塩又はグルクロン酸塩の投与は、当該分野で利用可能な許容された任意の投与方式に従って実行され得る。好適な投与方式の例示は、経口、鼻内、非経口、局所、経皮的、静脈及び直腸送達を含む。経口及び静脈送達は好ましい投与経路である。
【0034】
式(I)のリン酸塩又はその薬学的に許容される溶媒和物は、好適なものとして当業者に理解される任意の医薬形態としての医薬組成物として投与され得る。好適な医薬形態は、錠剤、粉剤、カプセル剤、座剤、懸濁剤、リポソーム剤及びアエロゾル剤等の固体、半固体、液体又は凍結乾燥の製剤を含む。本発明の医薬組成物は、意図した使用に応じて、好適な賦形剤、希釈剤、媒質及び担体、並びにその他の薬学的な活性剤(他のPARP-阻害剤を含む)を含んでもよい。
【0035】
医薬組成物の好適な医薬形態を調製する許容される方法は、当業者に周知であり、又は当業者によって日常的に決定することができる。例えば、医薬調製物は、例えば、混合、顆粒化及び錠剤形態に必要であれば圧縮、又は経口、非経口、局所、膣内、鼻腔内、眼内、耳内及び/又は直腸内投与のための所望の生成物を付与するために好適な成分を混合、充填及び溶解、のステップを含む、薬化学者の通常の技術に従って調製することができる。
【0036】
固体又は液体の薬学的に許容される担体、希釈剤、媒質又は賦形剤は、医薬組成物中に使用することができる。例示的固体担体は、デンプン、ラクトース、硫酸カルシウム二水和物、石膏、ショ糖、タルク、ゼラチン、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸を含む。例示的液体担体は、シロップ、ピーナッツ油、オリーブ油、生理食塩水及び水を含む。担体又は希釈剤は、好適な持続性-放出剤、例えばモノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルを単独又はワックスと共に含んでもよい。液体担体が用いられる場合には、調製物は、シロップ剤、エリキシル剤、乳化剤、軟ゼラチンカプセル剤、殺菌注射剤(例えば溶液)又は非水溶性もしくは水溶性液体懸濁剤である。
【0037】
医薬組成物の用量は、少なくともPARP-阻害剤(すなわち、式Iのリン酸塩又はその溶媒和物)の治療上有効量を含み、及び好ましくは1つ又はそれ以上の医薬投薬単位を含む。選択された用量は、PARP阻害活性によって仲介される症状の治療を必要としている哺乳動物例えばヒト患者に、当該用量を投与する以下を含む任意の周知の又は好適な方法によって投与され得る:典型的には例えば軟膏又はクリーム;経口的に;例えば座剤として直腸的に;注射によって非経口的に;又は膣内的、鼻腔内、気管支内、耳内又は眼内注入によって連続的に。「治療上有効量」とは、薬剤を必要としている哺乳動物に投与される場合に、PARP阻害活性によって介在される損傷又は疾患症状の治療、例えば抗-癌療法の増強、及び卒中、脳損傷及び神経変性疾患を招く神経毒症の阻害、を効果的にするために十分な薬剤の量を意味する。治療上有効と考えられる本発明の所与化合物の量は、具体的化合物、疾患症状及びその重度、それを必要としている哺乳動物の個性等の因子によって変動し、それは日常的に当業者によって決定される。
【0038】
本発明の医薬組成物に用いられるPARP-阻害剤の実際の投薬量は、使用される具体的な複合体、調合される具体的組成物、投与方式及び具体的部位、及び治療される対象及び症状に応じて選択される、ことは理解されよう。所与のセットの症状のための最適投薬量は、通常の投薬-決定試験を用いて当業者によって確認することができる。経口投与のためには、例えば使用される用量は、約0.001〜約1000 mg/kg体重であり、好適な間隔で繰り返して治療される。
【0039】
合成方法:
本発明は、本発明の具体的化合物についての下記の方法等の方法によってPARP-阻害剤を合成する方法に更に関する。以下の実施例では、化合物の構造は1つ又はそれ以上の以下の方法によって確認した:プロトン核磁気共鳴スペクトル、赤外分光法、元素微量分析、質量分析法、薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー及び融点。
【0040】
元素微量分析は、Microlab Inc. (Norcross, GA)又はGalbraith Laboratories (Nashville, TN)により行い、理論値の0.4%内にある元素結果を得た。フラッシュクロマトグラフィーは、Silica Gel 60(Merck Art 9385)を用いて行った。分析薄層クロマトグラフィー(TLC)はSilica 60F254 (Merck Art 5719)の予備被覆シートを用いて実行した。融点(mp)はMelTemp器で補正せずに測定した。全ての反応は、特に断わらなければ、低正圧アルゴン下でセプタム-密閉フラスコで実行した。全ての市販の溶媒は、試薬-等級又はそれ以上の等級であり、不足分の補充として使用した。
【0041】
以下の略語を本明細書で使用する: Et20(ジエチルエーテル); DMF(N,N-ジメチルホルムアミド); DMSO(ジメチルスルホキシド) ;MeOH(メタノール) ;EtOH(エタノール); EtOAc(酢酸エチル); THF(テトラヒドロフラン); Ac(アセチル); Me(メチル); Et(エチル);及びPh(フェニル)。
【0042】
下記の一般的反応プロトコールは、本発明の化合物を調製し、及び当該塩の水溶性を試験するために使用することができる。
【0043】
【表1】

【0044】
水溶性試験
約1.Omgの8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オン(遊離塩基)をシンチレーションバイアルに秤り、次いで2.0mlのミリQ水を加えた。
【0045】
試料懸濁液を室温で3時間攪拌した。懸濁液をエッペンドルフバイアルに移し、14,000rpmで8分間遠心した。次いで、上清溶液をHPLCによって検定した。
【0046】
約5.0mgの8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オン リン酸塩又は式Iで表される任意のその他の塩をシンチレーションバイアルに秤り、次いで1.0 mlのミリQ水を加えた。懸濁液を室温で3時間攪拌した後、14,000/分で8分間遠心した。上清をミリQ水で10回希釈した。次いで、最終溶液をHPLCによって検定した。
【0047】
標準的調製:
2.5〜3.0 mgのAG014447の参照標準を10 ml容量フラスコに正確に秤取り、次いでメタノールで体積を合わせた。完全に混合した。
【0048】
HPLC条件:
緩衝液: 25 mMリン酸アンモニウム緩衝液(pH 2.5)
有機調整剤: アセトニトリル(ACN)
5波長: 210 nm
カラム: Waters Symmetry C18, 4.6×150 mm, 5μm
流速: 1.0mL/分
注入体積: 5μL
実行時間: 24分
カラム温度: 室温
【0049】
【表2】

【0050】
計算:
試料の溶解度を下記方程式によって計算した:
S = A/As × Cs × D
[式中、Aは試料のピーク面積であり;Asは標準のピーク面積であり;Csは標準溶液の濃度であり;Dは希釈因子である。]。
【0051】
一般的合成スキーム 1:
【0052】
【化2】

【0053】
スキーム1において、アミン1をメタノール中、様々なアミンで処理した。得られた塩を凍結乾燥し、更に必要ならば再結晶によって精製した。
【実施例】
【0054】
実施例A:8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オン メシラート
【0055】
【化3】

【0056】
8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オン(259 mg, 0.801 mmol)を部分的にメタノール(5 mL)に溶解し、次いでメタンスルホン酸(1.0 M メタノール溶液, 0.801 mL)で処理した。当該溶液を穏やかに加熱することによって及び追加の少量のメタノール(10 mL)を用いることによって、アミンを完全に溶解した。溶液を綿で濾過し、任意の粒子を分離した。溶液を一部分、減圧濃縮した。1 mLの脱イオン水を加え、メタノールを完全に減圧濃縮した。生成物を凍結乾燥し、326 mg(97%)を明るい黄色固体として得た:元素分析(C20H22FN304・2H20) C, H, N。
【0057】
実施例B:8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オン 塩酸塩
【0058】
【化4】

【0059】
実施例Aに記載の方法と同様の方法で、8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オン(30 mg, 0.093 mmol)及びHCl(0.10 M 水溶液, 0.90 mL)を用い、8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オン 塩酸塩 33 mg(99%)を明るい黄色固体として得た:元素分析(C19H19FN3OCl・0.3H2O) C, H, N。
【0060】
実施例C:8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オン 酢酸塩
【0061】
【化5】

【0062】
実施例Aに記載の方法と同様の方法で、8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オン(30.8 mg, 0.0952 mmol)及び酢酸(1.0 Mメタノール溶液, 0.952 mL)を用い、8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オン 酢酸塩 36.1 mg(99%)を明るい黄色固体として得た:元素分析(C21H22FN3O3・1.5H2O) C. H, N。
【0063】
実施例D: 8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オン グルコン酸塩
【0064】
【化6】

【0065】
8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オン(30.2 mg, 0.0934 mmol)及びグルコン酸(2.55 M水溶液, 0.0366 mL)を用い、8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オン グルコン酸塩 47.5 mg (98%)を明るい黄色固体として得た:元素分析(C25H30FN308・1.9H2O) C, H, N。
【0066】
実施例E: 8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オン 酒石酸塩
【0067】
【化7】

【0068】
実施例Aに記載の方法と同様の方法で、8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オン(30.0 mg, 0.0928 mmol)及びL-酒石酸(1.0 Mメタノール溶液, 0.0928 mL)を用い、8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オン 酒石酸塩 42.7 mg(97%)を明るい黄色固体として得た:元素分析(C23H24FN307・1.8H20) C, H, N。
【0069】
実施例F: 8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オン グルクロン酸塩
【0070】
【化8】

【0071】
実施例Aに記載の方法と同様の方法で、8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オン(30.0 mg, 0.0928 mmol)及びグルクロン酸(0.5 M水溶液, 0.186 mL)を用い、8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オン グルクロン酸塩 47.9 mg (100%)明るい黄色固体として得た:元素分析(C25H28FN308・1.9H20) C, H, N。
【0072】
実施例G: 8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オン リン酸塩
【0073】
【化9】

【0074】
実施例Aに記載の方法と同様の方法で、8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オン(42.0 mg, 0.130 mmol)及びリン酸(0.5 M水溶液, 0.260 mL)を用い、凍結乾燥及び0.5:6.5:3の割合のH2O:メタノール:CH2Cl2で再結晶した後、8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オン リン酸塩を明るい黄色固体として得た:元素分析(C19H21FN3O5P・1.9H2O) C, H, N。
【0075】
PARP酵素阻害検定:
本発明の化合物のPARP酵素-阻害活性は、Simoninら(J. Biol. Chem. (1993), 268: 8529-8535)及び以下の軽微な変更を施したMarsischkyら(J.Biol. Chem. (1995), 270: 3247-3254)に記載のようにして検定した。20 nMの精製PARPタンパク質、10μg/mL DNアーゼ l-活性化子牛胸腺DNA(sigma)、500μM NAD+、0.5μCi[32P]NAD+、2% DMSO及び様々な濃度の試験化合物を含む試料(50 L)を試験緩衝液(50 mM Tris pH 8.0, 10 mM MgCl2, 1 mM トリス(カルボキシエチル)ホスフィン HCl)中で25℃で5分間インキュベートした。これらの条件下、反応速度は、10分間の時間が経過するまで直線状であった。反応は、同体積の氷-冷40%のトリクロロ酢酸を試料に添加することによって停止し、次いで15分間氷上でインキュベートした。次いで、試料をBio-Dot精密濾過器(BioRad)に移し、Whatman GF/Cガラス-繊維濾紙で濾過し、150μLの洗浄緩衝液(5%トリクロロ酢酸, 1%無機ピロリン酸塩)で3回洗浄し、乾燥した。酸-不溶性原料への[32P]ADP-リボース取り込みをPhosphorlmager(Molecular Dynamics)及びImageQuantソフトウェアを用いて定量した。阻害定数(Ki)を競争的阻害の速度式を用いて非-直線回帰分析によって計算した(Segel, 「酵素反応速度論: 急速平衡及び定常状態酵素系の作用及び分析」, John Wiley & Sons, Inc., New York (1975), 100-125)。強-結合阻害剤の場合には、5nMの酵素を用い、反応を25℃で25分間インキュベートした。強-結合阻害剤のKi値は、Sculleyら(Biochem. Biophys. Acta (1986), 874:44-53)によって記載された式を用いて計算した。
【0076】
細胞毒性増強検定:
実験前に、A549細胞(ATCC,Rockville,MD)を96-ウェル細胞培養プレート(Falcon brand, Fisher Scientific, Pittsburgh, PA)に16〜24時間蒔いた。その後、細胞を試験化合物(又は指摘した試験化合物の組み合わせ)で3日間又は5日間のいずれか、0.4μmの濃度で処理した。処理の最後に、相対細胞数をMTT検定又はSRB検定のいずれかによって測定した。MTT検定については、0.2μg/μlのMTT(臭化3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウム,Sigma Chemical Co., St. Louis,MO)をプレートの各ウェルに加え、プレートを細胞-培養インキュベーターで4時間インキュベートした。各ウェルの代謝MTTを150μlのDMSO(Sigma Chemical Co.)で振盪しながら可溶化し、Wallac 1420Victorプレートリーダー(EG&G Wallac, Gaithersburg, MD)で540nmにて定量した。SRB検定については、細胞を10%トリフルオロ酢酸(Sigma Chemical Co.)で1時間4℃で固定化した。十分に洗浄後、固定細胞を0.4%スルホローダミンB(SRB,Sigma Chemical Co.)の1%酢酸溶液(Sigma Chemical Co.)で30分間染色した。非結合SRBを1%酢酸で洗浄した。その後、培養物を空気-乾燥し、結合色素を10 mM非緩衝Tris塩基(Sigma Chemical Co.)で振盪しながら可溶化した。結合色素をWallac Victorプレートリーダーで515nmにて光度測定した。化合物-処理培養物のOD(光学密度)値の模擬-処理培養物のOD値に対する比は、パーセンテージで表し、化合物の毒性を定量化するのに使用した。化合物が50%毒性を引き起こす濃度をIC50とした。試験化合物によるトポテカン又はテモゾロミドの細胞毒性の増強を定量するためには、無限パラメーターPF50を用い、トポテカン又はテモゾロミドのみのIC50に対する試験化合物と組み合わせたトポテカン又はテモゾロミドのIC50の比として定義した。本発明の化合物に関し、PF50値をトポテカンで試験することによって測定した。
【0077】
本発明の具体的化合物について測定された阻害定数(Ki値)及び細胞毒性増強パラメーター(PF50値)を以下の表1に示した。単一の化合物について2つの値が存在する場合には、化合物のKiを2回試験したことを示す。
【0078】
【表3】

【0079】
本発明は、言及した実施態様及び特定の実施例を参考に記載されてきたが、当業者であれば、本発明の本質及び範囲から逸脱することなく様々な変更及び修正がなされることを理解するだろう。従って、本発明は、前の詳細な記載によって限定されると理解するべきではなく、添付の請求の範囲及びそれらの均等物によって画定されると理解するべきである。
【0080】
全ての米国特許及び先の特許、公開特許出願及び本明細書に引用した他の参考文献は、本明細書にその全体が参考文献として援用されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オンのリン酸塩。
【請求項2】
請求項1記載の化合物及びその薬学的に許容される担体の薬学的有効用量を含む、経口投与に好適な請求項1記載の化合物の医薬組成物。
【請求項3】
請求項1記載の化合物及びその薬学的に許容される担体の薬学的有効用量を含む、注射投与に好適な請求項1記載の化合物の医薬組成物。
【請求項4】
8-フルオロ-2-(4-メチルアミノメチル-フェニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-一リン酸の薬学的有効用量、及びイリノテカン、テモゾラミド及びダカルバジンから選ばれる化学療法剤の併用化学療法。
【請求項5】
前記化学療法剤がイリノテカンである、請求項4の併用化学療法。
【請求項6】
前記化学療法剤がテモゾラミドである、請求項4の併用化学療法。
【請求項7】
前記化学療法剤がダカルバジンである、請求項4記載の併用化学慮法。
【請求項8】
細胞毒又は放射線療法の投与と組み合わせて請求項1記載の化合物の有効PARP-阻害量を哺乳動物に投与することを含む、治療的処置において当該哺乳動物に投与される当該細胞毒又は放射線療法の効能を改善する方法。
【請求項9】
請求項1記載の化合物の有効量を哺乳動物に投与することを含む、当該哺乳動物における心筋虚血又は再潅流を招く傷害に対して保護する方法。
【請求項10】
請求項1記載の化合物の有効量を哺乳動物に投与することを含む、当該哺乳動物の卒中、脳損傷又は神経変性疾患を招く神経毒症を減ずる方法。
【請求項11】
請求項1記載の化合物の有効PARP-阻害量を哺乳動物の繊維芽細胞に投与することを含む、当該哺乳動物の皮膚老化に関連する細胞老化の始まりを遅らせる方法。
【請求項12】
請求項1記載の化合物を哺乳動物に投与することを含む、当該哺乳動物のインシュリン-依存型糖尿病の始まりを抑制する方法。

【公表番号】特表2006−522088(P2006−522088A)
【公表日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506393(P2006−506393)
【出願日】平成16年3月19日(2004.3.19)
【国際出願番号】PCT/IB2004/000915
【国際公開番号】WO2004/087713
【国際公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【出願人】(505345200)キャンサー リサーチ テクノロジー リミティド (2)
【Fターム(参考)】