説明

ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬の製造方法

本発明は、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)の低分子阻害薬、たとえば8-フルオロ-2-{4-[(メチルアミノ)メチル]フェニル}-1,3,4,5-テトラヒドロ-6H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オンを、鍵となるソノガシラ結合反応およびCuI-促進インドール形成により得るための新規な集中経路に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、米国仮特許出願No. 60/612,457(2204年9月22日出願)に基づく優先権を主張し、その全体を本明細書に援用する。
発明の分野
本発明は一般に、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼを阻害することによりDNA鎖に対する損傷の修復を遅延させる化合物の製造方法に関する。本発明方法は、抗癌療法を増強するのに有用な化合物の製造に特に有用である。
【0002】
発明の背景
次式により表わされる化合物8-フルオロ-2-{4-[(メチルアミノ)メチル]フェニル}-1,3,4,5-テトラヒドロ-6H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オン
【0003】
【化1】

【0004】
は、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)の低分子阻害薬である。8-フルオロ-2-{4-[(メチルアミノ)メチル]フェニル}-1,3,4,5-テトラヒドロ-6H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オンおよびその塩類は、U.S.P. No. 6,495,541およびPCT出願No. PCT/ IB2004/ 000915、国際特許出願公開WO 2004/087713に開示されており、それらの開示内容全体を本明細書に援用する。米国仮特許出願No. 60/612,459および60/679,296、表題”8-フルオロ-2-{4-[(メチルアミノ)メチル]フェニル}-1,3,4,5-テトラヒドロ-6H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オンのリン酸塩の多形”(それらの開示内容全体を本明細書に援用する)には、8-フルオロ-2-{4-[(メチルアミノ)メチル]フェニル}-1,3,4,5-テトラヒドロ-6H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オンのリン酸塩の新規な多形、およびそれらの製造方法が記載されている。米国仮特許出願No. 60/612,458および60/683,006、表題”ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ阻害薬を含む組合わせ療法薬”(それらの開示内容全体を本明細書に援用する)には、8-フルオロ-2-{4-[(メチルアミノ)メチル]フェニル}-1,3,4,5-テトラヒドロ-6H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オンの組合わせ医薬が記載されている。
【0005】
現在までにPARPファミリー中に18種類の酵素がDNA配列相同性により同定され、7種類の生化学的特性および酵素特性が調べられた:PARP-1およびPARP-2はDNA鎖破断によって刺激され、PARP-3はPARP-1および中心体と相互作用し、PARP-4はヴォールト(vault)PARP (VPARP)としても知られ、最大PARPであって、細胞質ヴォールトと会合し、タンキラーゼ(tankyrase)1および2 (PARP-5aおよび5b)はテロメアタンパク質と会合し、PARP-7 (TiPARP)の機能は現在では明らかではないが、T-細胞機能に関与していると思われ、ポリ(ADP-リボーシラート)ヒストンの可能性がある(Ame JC, Splenlehauer C and de Murcia G, The PARP Superfamily. Bioessays 26 882-893 (2004))。薬理学的研究により、式の化合物はPARP-1 (Ki = 1.4 nM)およびPARP-2 (Ki = 0.17 nM)の阻害薬であることが示された。PARP酵素間のアミノ酸配列における構造類似性に基づいて、式の化合物はこのファミリーの他のメンバーとも高い親和性で結合すると思われる。
【0006】
DNAの一本鎖または二本鎖破断の酵素仲介による修復は、その機序がDNA損傷に依存する放射線療法または細胞毒薬に対する潜在的な耐性の機序である。したがってDNA修復酵素の阻害は、これらの薬剤を増強するための方策である。PARPファミリーのうち最も良く特性が解明されているPARP-1は核酵素であり、DNA損傷によって活性化されると、NAD+からのADP-リボースフラグメントを多数の受容体タンパク質へ伝達するのを仲介する。発生したDNA損傷の程度に応じて、PARP-1の活性化およびそれに続くポリ(ADP-リボシル)化は損傷を受けたDNAの修復を仲介し、あるいは細胞死を誘発する。DNA損傷が中等度である場合、PARP-1はDNA修復プロセスにおいて重要な役割を果たす。逆に、多大なDNA損傷の場合、PARP-1の過度の活性化によりATPプールが枯渇し(NAD+を再貯留するために)、これにより最終的には壊死による細胞死に至る(Tentori L, Portarena I, Graziani G, ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害薬投与の可能性. Pharmacol Res 2002; 45: 73-85)。
【0007】
PARP-1がもつ二重の役割の結果として、この酵素の阻害薬、たとえば8-フルオロ-2-{4-[(メチルアミノ)メチル]フェニル}-1,3,4,5-テトラヒドロ-6H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オンは、化学増感薬としての役割(たとえば抗癌療法後のDNA修復の阻害による)、または酸化的ストレスもしくは一酸化窒素誘発性ストレスに続いてPARP過剰活性化を伴う多様な疾患状態および中毒状態の処置薬としての役割をもつ可能性がある。そのような状態には、下記のものが含まれる:神経障害および神経変性性神経(たとえばパーキンソン病、アルツハイマー病)(Love S, Barber R, Wilcock GK, アルツハイマー病における核タンパク質のポリ(ADP-リボシル)化の増強. Brain 1999; 122: 247-53; Mandir AS, Przedborski S, Jackson-Lewis V, et al., ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ活性化は1-メチル-4-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン(MPTP)-誘発性パーキンソン症候群を仲介する. Proc Natl Acad Sci USA 1999; 96: 5774-9)、心血管障害(たとえば心筋梗塞、虚血-再潅流傷害)(Pieper AA, Walles T, Wei G, et al., 虚血後心筋傷害はポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ-1遺伝子破壊によって軽減する. J Mol Med 2000; 6: 271-82; Szabo G, Baehrle S, Stumpf N, et al., ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ阻害は心臓移植後の再潅流傷害を軽減する. Circ Res 2002; 90: 100-6; U.S.P. 6,423,705)、炎症性疾患(Szabo C, Dawson V, 炎症および虚血-再潅流におけるポリ(ADP-リボース)シンセターゼの役割. TIPS 1998; 19: 287-98)、糖尿病性血管機能障害(Soriano FG, Virag L, Szabo C., 糖尿病性内皮機能障害:反応性酸素種および窒素種産生ならびにポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ活性化の役割. J Mol Med 2001;79:437-48)、関節炎(Szabo C, Virag L, Cuzzocrea S, et al., ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ阻害による、ペルオキシナイトライト誘発性の線維芽細胞傷害および関節炎の発症に対する防御. Proc Natl Acad Sci USA 1998; 95: 3867-72)、ならびにシスプラチン誘発性腎毒性(Racz I, Tory K, Gallyas F, et al., 新規なポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ阻害薬BGP-15は、シスプラチンの抗腫瘍活性を損なうことなくその腎毒性に対して防御する. Biochem Pharmacol 2002; 63: 1099-111)。さらに、BRCA2欠損腫瘍細胞はPARP-1阻害薬に対して著しく感受性であることが示された(Bryant et al., ”ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ阻害薬によるBRCA2欠損腫瘍の特異的死滅”、発表のために提出)。PARP阻害薬は、β細胞のReg遺伝子発現およびHGF遺伝子発現の誘導の増強にも関与し、したがって膵ランゲルハンス島β細胞の増殖を促進し、細胞のアポトーシスを抑制する(米国特許出願公開2004/ 0091453; PCT公開No. WO 02/00665)。さらに、PARP阻害薬は化粧品、特に日焼け後ローションにも用いられる(PCT公開No. WO 01/82877)。現在市販されているPARP阻害薬はない。
【0008】
8-フルオロ-2-{4-[(メチルアミノ)メチル]フェニル}-1,3,4,5-テトラヒドロ-6H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オンを合成するための1方法が前記のU.S.P. No. 6,495,541に開示されている。この方法は直線的な10工程の合成であり、鍵となるライムグルバー-バッチョ(Leimgruber-Batcho)インドール形成工程およびスズキ(Suzuki)結合反応を伴う。現在のこの経路は、8-フルオロ-2-{4-[(メチルアミノ)メチル]フェニル}-1,3,4,5-テトラヒドロ-6H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オンの中毒学および臨床用のバッチを合成する際に用いられる有効な合成経路であるが、最終的な商業生産のための他の集中経路を得ることが望ましいであろう。本発明は、8-フルオロ-2-{4-[(メチルアミノ)メチル]フェニル}-1,3,4,5-テトラヒドロ-6H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オンを合成するための新規な集中経路を提供する。この経路は、鍵となるソノガシラ(Sonogashira)結合反応およびCuI-促進インドール形成により開発された。
【0009】
発明の概要
本発明は、式Iの化合物:
【0010】
【化2】

【0011】
[式中:
R1は、下記のものであり:
H;
シアノ;
置換されていなくてもよく、置換されていてもよい、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基;あるいは
-C(O)-R5(R5は、Hであるか、または置換されていなくてもよく、置換されていてもよい、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリール基である);またはOR6もしくはNR6R7(R6およびR7はそれぞれ独立して、Hであるか、または置換されていなくてもよく、置換されていてもよい、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリール基である);
R2は、Hまたはアルキルであり;
R3は、Hまたはアルキルであり;
R4は、H、ハロゲンまたはアルキルである]
の製造方法であって、
a)式IIの化合物(式中、XはハロゲンまたはCF3SO2-O-である):
【0012】
【化3】

【0013】
を式IIIの化合物:
【0014】
【化4】

【0015】
とソノガシラ結合させて、式IVの化合物:
【0016】
【化5】

【0017】
を形成し;
b)式IVの化合物を還元して式Vの化合物:
【0018】
【化6】

【0019】
を生成させ;
c)式Vの化合物を式VIの化合物:
【0020】
【化7】

【0021】
に変換し;そして
d)式VIの化合物を式Iの化合物に変換する
ことを含む方法を提供する。
【0022】
他の態様において本発明は、8-フルオロ-2-{4-[(メチルアミノ)メチル]フェニル}-1,3,4,5-テトラヒドロ-6H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オンの製造方法であって、式VIIの化合物(式中、XはハロゲンまたはCF3SO2 -O-である):
【0023】
【化8】

【0024】
を(4-エチニル-ベンジル)-メチル-カルバミン酸メチルエステルとソノガシラ結合させて、5-フルオロ-2-{4-[(メトキシカルボニル-メチル-アミノ)-メチル]-フェニルエチニル}-3-ニトロ-安息香酸メチルエステルを形成することを含む方法を提供する。
【0025】
他の態様において本発明は、8-フルオロ-2-{4-[(メチルアミノ)メチル]フェニル}-1,3,4,5-テトラヒドロ-6H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オンを製造するための下記を含む方法を提供する:
式VIIの化合物(式中、XはハロゲンまたはCF3SO2 -O-である):
【0026】
【化9】

【0027】
を(4-エチニル-ベンジル)-メチル-カルバミン酸メチルエステルとソノガシラ結合させて、5-フルオロ-2-{4-[(メトキシカルボニル-メチル-アミノ)-メチル]-フェニルエチニル}-3-ニトロ-安息香酸メチルエステルを形成し;
5-フルオロ-2-{4-[(メトキシカルボニル-メチル-アミノ)-メチル]-フェニルエチニル}-3-ニトロ-安息香酸メチルエステルを、3-アミノ-5-フルオロ-2-{4-[(メトキシカルボニル-メチル-アミノ)-メチル]-フェニルエチニル}-安息香酸メチルエステルに還元し;
3-アミノ-5-フルオロ-2-{4-[(メトキシカルボニル-メチル-アミノ)-メチル]-フェニルエチニル}-安息香酸メチルエステルを、6-フルオロ-2-{4-[(メトキシカルボニル-メチル-アミノ)-メチル]-フェニル}-1H-インドール-4-カルボン酸メチルエステルに変換し(CuI-促進インドール形成);
6-フルオロ-2-{4-[(メトキシカルボニル-メチル-アミノ)-メチル]-フェニル}-1H-インドール-4-カルボン酸メチルエステルをN,N-ジメチル-2-ニトロエチレンアミンで処理して、6-フルオロ-2-{4-[(メトキシカルボニル-メチル-アミノ)-メチル]-フェニル}-3-((E)-2-ニトロ-ビニル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチルエステルを生成させ;
6-フルオロ-2-{4-[(メトキシカルボニル-メチル-アミノ)-メチル]-フェニル}-3-((E)-2-ニトロ-ビニル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチルエステルを、6-フルオロ-2-{4-[(メトキシカルボニル-メチル-アミノ)-メチル]-フェニル}-3-(2-ニトロ-エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチルエステルに還元し;
6-フルオロ-2-{4-[(メトキシカルボニル-メチル-アミノ)-メチル]-フェニル}-3-(2-ニトロ-エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチルエステルを水素化して、[4-(8-フルオロ-6-オキソ-3,4,5,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-2-イル)-ベンジル]-メチル-カルバミン酸メチルエステルを製造し;そして
[4-(8-フルオロ-6-オキソ-3,4,5,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-2-イル)-ベンジル]-メチル-カルバミン酸メチルエステルを脱保護して、8-フルオロ-2-{4-[(メチルアミノ)メチル]フェニル}-1,3,4,5-テトラヒドロ-6H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オンを製造する。
【0028】
定義および略号
本明細書中で用いる用語”アルキル”は、その鎖中に1〜10個の炭素原子をもつ分枝鎖または直鎖(線状)パラフィン系炭化水素基(飽和脂肪族基)を意味し、一般に式CkH2k+1で表わされ、式中のkは1〜10の整数である。アルキル基の例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ならびにヘキシルおよびその単純な脂肪族異性体が含まれる。”低級アルキル”は、その鎖中に1〜4個の炭素原子をもつアルキル基を意味するものとする。
【0029】
用語”アルケニル”は、その鎖中に2〜10個の炭素を含む分枝鎖または直鎖オレフィン系炭化水素基(1以上の二重結合をもつ不飽和脂肪族基)を意味する。アルケニルの例には、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、イソブテニル、ならびに各種の異性体ペンテニル類およびヘキセニル類(シスおよびトランス両方の異性体を含む)が含まれる。
【0030】
用語”アルキニル”は、1以上の炭素-炭素三重結合をもち、その鎖中に2〜10個の炭素原子をもつ、分枝鎖または直鎖炭化水素基を意味する。アルキニルの例には、エチニル、1-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、および1-メチル-2-ブチニルが含まれる。
【0031】
用語”カルボサイクル(炭素環)”は、炭素環原子のみをもつ(ヘテロ原子を含まない、すなわち炭素以外の環原子を含まない)飽和、部分飽和、不飽和または芳香族の単環式または縮合もしくは非縮合多環式環構造を表わす。カルボサイクルの例には、シクロアルキル、アリールおよびシクロアルキル-アリール基が含まれる。
【0032】
用語”ヘテロサイクル”は、N、OおよびSから選択される1個以上のヘテロ原子をもつ、飽和、部分飽和、不飽和または芳香族の単環式または縮合もしくは非縮合多環式環構造を表わす。ヘテロサイクルの例には、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキル-ヘテロアリール基が含まれる。
【0033】
”シクロアルキル基”は、合計3〜18個の炭素環原子をもつ(ただしヘテロ原子を含まない)、非芳香族一価の単環式または縮合多環式環構造を意味するものとする。シクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、フェナントレニルなどの基が含まれる。
【0034】
”ヘテロシクロアルキル基”は、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜5個のヘテロ原子を含めた合計3〜18個の環原子をもつ、非芳香族一価の単環式または縮合多環式環構造を意味するものとする。ヘテロシクロアルキル基の具体例には、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、アジリジニルなどの基が含まれる。
【0035】
用語”アリール”は、合計4〜18個、好ましくは6〜18個の環炭素原子をもつ(ヘテロ原子を含まない)、芳香族一価の単環式または縮合多環式環構造を意味する。アリール基の例には、フェニル、ナフチル、アントラニルなどが含まれる。
【0036】
”ヘテロアリール基”は、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜5個のヘテロ原子を含めた合計4〜18個、好ましくは5〜18個の環原子をもつ、芳香族一価の単環式または縮合多環式環構造を意味するものとする。ヘテロアリール基の具体例には、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、フリル、ピリジニル、ピラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、インドリル、キノリニル、キノキサリニルなどが含まれる。
【0037】
用語”置換されていてもよい”は、その特定した基が置換されていないか、または任意置換基が明確に特定されていない場合は1個以上の適切な置換基で置換されていることを示すものとする。任意置換基が明確に特定されている場合、この用語はその基が置換されていないか、または特定された基で置換されていることを示す。別途指摘しない限り(たとえばその基が置換されていないと指摘することにより)、前記に定めた各種の基は一般に、置換されていないか、または1個以上の適切な置換基で置換されている(すなわち、それらは置換されていてもよい)。
【0038】
用語”置換基”または”適切な置換基”は、当業者がルーティン試験などによってある基について医薬的に適切であると容易に認識できるいずれかの置換基を意味するものとする。適切な置換基の具体例には、ヒドロキシ、ハロゲン(F、Cl、I、またはBr)、オキソ、アルキル、アシル、スルホニル、メルカプト、ニトロ、アルキルチオ、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、カルボキシ、アミノ(第一級、第二級または第三級)、カルバモイル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、およびこれらに類するもの(たとえば本明細書に記載する例示化合物により示されるもの)が含まれる。適切な置換基は、後記の例示化合物から分かる。
【0039】
本発明化合物においてアルキルおよびアリール基に好ましい任意置換基には、ハロゲンおよびアリール基が含まれる。置換アルキル基について特に好ましいものは、ペルフルオロ置換アルキルである。アリール部分に特に好ましい任意置換基には、ハロゲン、低級アルキル、-OH、-NO2、-CN、-CO2H、O-低級アルキル、アリール、-O-アリール、アリール-低級アルキル、-CO2CH3、-CONH2、-OCH2CONH2、-NH2、-SO2NH2、-OCHF2、-CF3、-OCF3などが含まれる。アリール部分は、橋を形成する2個の置換基、たとえば-O-(CH2)z-O-で置換されていてもよく、ここでzは整数1、2、または3である。
【0040】
本発明において用いる”Et”はエチルを意味し、”Ac”はアセチルを意味し、”Me”はメチルを意味し、”Ms”はメチルスルホニル(CH3SO2)を意味し、”iPr”はイソプロピルを意味し、”HATU”は2-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートを意味し、”Ph”はフェニルを意味し、”Boc”はt-ブトキシカルボニルを意味し、”EtOAc”は酢酸エチルを意味し、”HOAc”は酢酸を意味し、”NEt3”または”Et3N”はトリエチルアミンを意味し、”Tf”はトリフルオロメタンスルホニルを意味し、”THF”はテトラヒドロフランを意味し、”DIC”はジイソプロピルカルボジイミドを意味し、”HOBt”はヒドロキシベンゾトリアゾールを意味し、”MeOH”はメタノールを意味し、”i-PrOAc”は酢酸イソプロピルを意味し、”KOAc”は酢酸カリウムを意味し、”DMSO”はジメチルスルホキシドを意味し、”AcCl”は塩化アセチルを意味し、”CDCl3”はジュウテリウム化クロロホルムを意味し、”MTBE”はメチルt-ブチルエーテルを意味し、”DMF”はジメチルホルムアミドを意味し、”Ac2O”は無水酢酸を意味し、”Me3SOI”はヨウ化トリメチルスルホキソニウムを意味し、”DMAP”は4-ジメチルアミノピリジンを意味し、”dppf”はジフェニルホスフィノフェロセンを意味し、”DME”はエチレングリコールジメチルエーテル(1,2-ジメトキシエタン)を意味し、HOBTは1-ヒドロキシベンゾトリアゾールを意味し、EDCは1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミドを意味する。
【0041】
発明の詳細な記述
本発明は、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)の三環式阻害薬への新規な集中経路を提供する。この阻害薬は前記のU.S.P. No. 6,495,541に開示されている。説明のためにすぎないが、本発明方法を8-フルオロ-2-{4-[(メチルアミノ)メチル]フェニル}-1,3,4,5-テトラヒドロ-6H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オンの製造方法によって示す。本明細書に記載する反応の試薬および条件は、当業者に認識されるように、本発明に適切に使用できる多様な出発物質、それらの量および条件を説明するためのものにすぎず、決して限定とみなすべきではない。
【0042】
本発明は、スキーム1に従ったソノガシラ結合反応およびCuI-促進インドール形成による8-フルオロ-2-{4-[(メチルアミノ)メチル]フェニル}-1,3,4,5-テトラヒドロ-6H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オン(化合物15)の製造を含む。
【0043】
【化10】

【0044】
I.ソノガシラ結合に用いるアルキン5およびトリフラート前駆物質8の製造
アルキン5の製造をスキーム2に示す。アルデヒド2はAldrichから入手できるが、高価であるので、比較的安価な4-ブロモベンズアルデヒド1からThorand, S. and Krause, N., J. Org. Chem. 1998, 63, 8551に記載の文献法によって製造するほうが経済的である可能性がある。次いで、アルデヒド2をメチルアミンで還元アミノ化すると、アミン3を得ることができ、続いてこれを保護してメチルカルバメート4を得ることができる。塩基性条件下でトリメチルシリル基(TMS)を除去すると、5を90%の収率で得ることができる。
【0045】
【化11】

【0046】
トリフラート前駆物質8は、5-フルオロサリチル酸6を、硝酸テトラメチルアモニウムおよび無水トリフルオロ酢酸により、標準条件を用いてニトロ化することにより製造できる(スキーム3)。CH3CN/H2Oから結晶化した後、目的生成物8をレギオ特異的に黄色固体として63%の収率で得ることができる。
【0047】
【化12】

【0048】
II.インドール中間体11の合成
トリフラート16を単離することはできるが、スキーム4に示すように、それをその場で製造するほうが有利である。
【0049】
【化13】

【0050】
トリフラート16の形成およびそれとアルキン5の結合をワンポット様式で実施して、中間体9を得ることができる。この結合反応に好ましい条件は下記のとおりである:アルキン5および予め形成したトリフラート16を含有するCH3CN溶液を、CH3CN中に2% PdCl2(PPh3)2を含有する溶液に60℃で添加する。これらの条件下では、二量体17が主な副生物であると判定されている。さらに、助触媒CuIは二量体の形成をより促進するので、その添加は有害であることが見いだされた。仕上げ処理の後、粗生成物9を鉄粉で還元することができる。数滴の濃HClの添加は、鉄粉の活性化にきわめて有益である。続いて粗製化合物10からインドール11への環化は、DMF中の触媒量のCuIにより実施できる。副生物17を除去するために塩化メチレン/ヘキサンで摩砕処理した後、インドール11を3工程での収率51%で得ることができる。
【0051】
【化14】

【0052】
III.中間体11から目標化合物15への変換
インドール11をN,N-ジメチル-2-ニトロエチレンアミンにより(Mahboobi, S.; Elbler, E.; Roller, M.; Kumar, S.; Popp, A., J. Org. Chem. 1999, 64; 4697)TFA/CH2Cl2中で処理すると、ニトロアルケン12が得られる(スキーム4)。次いでニトロアルケン12を水素化ホウ素ナトリウムにより9:1 EtOH/MeOH混合物中で還元すると、ニトロアルカン13が84%の収率で得られる。12および13はEtOH中での溶解度が低いので、完全に変換するためには多量の溶媒が必要である。Pd/CまたはPt/Cを用いて中性条件下で13を水素化してラクタム14にすると、N-ヒドロキシラクタム18が主な副生物として生成する。しかし、Pd/CまたはPt/Cを用いて酸性条件下で水素化を実施した場合、18の形成は抑制される。ただし、それは13中のC-N結合の開裂を誘導して、他の主な副生物としての19を生成する。ラネー-NiはC-N結合の開裂を促進しないので、ラネー-Ni仲介条件下での水素化反応を選択すべきである。意外にも、ラネー-Niを用いた13の水素化は中性または酸性のいずれの条件下でも良好に行われることが見いだされた。したがって、ニトロアルカン13を酢酸中でラネー-Niにより還元すると対応するアミンアセテートが得られ、これを塩基で処理すると環化して、副生物なしに96%の収率、20 g規模で14になる。
【0053】
【化15】

【0054】
最後に、14中のカルバメート基は容易にHBr/酢酸により周囲温度で脱保護されて、15が得られる。たとえばEtOH 中の8 N KOHにより80℃でのアルカリ加水分解でカルバメート基を除去する最初の試みでは、15中の目的外のラクタム環開裂が起きた。メチルカルバメートをヨウ化トリメチルシリルにより開裂することもできるが、ヨウ化メチル副生物の形成によって安全性の問題が生じ、この方法は魅力の少ないものとなる。他方、HBr/酢酸による開裂に際して生成する有毒な臭化メチルは、Hettenbach, K.; Am Ende, D. J.; Leeman, K.; Dias, E.; Kasthurikrishnan, N.; Brenek, S. J.; Ahlijanian, P., Organic Process Research & Development, 2002, 6, 407に記載されるように、エタノールアミンスクラバーシステムで効果的に捕獲することができる。この方法で20 gロットの目標化合物15を製造することができ、これは従来の経路で合成された基準試料と一致する。
【0055】
引用したすべての参考文献の全体を本明細書に援用する。
実施例
以下に示す実施例および製造例により本発明方法をさらに説明および例示する。以下の例の範囲により本発明の範囲が限定されないことを理解すべきである。
【0056】
実施例1.4-トリメチルシラニルエチニル-ベンズアルデヒド(2)の合成
【0057】
【化16】

【0058】
4-ブロモベンズアルデヒド(1) (185 g, 1.0 mole)をTHF (1 L)に溶解し、続いてヨウ化銅(I) (7.6 g, 0.04 mol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II) (14.02 g, 0.02 mol)およびトリエチルアミン(151.5 g, 1.5 mol)を添加した。エチニルトリメチルシラン(109.1 g, 1.11 mol)を滴下ろうとからTHF (0.2 L)中の溶液として添加した。反応物を30℃で30分間、次いで25℃で20時間、撹拌した。HPLCによる分析は反応が完了したことを示した。THFを除去し、残留物をヘキサン(1.8 L)で処理した。固体を濾別し、フィルターケークをヘキサン(0.3 L)で洗浄した。ヘキサン溶液を合わせて水(2回,0.5 L)で洗浄した。ヘキサンを回転式蒸発器で除去した。残留物をEtOH (0.5 L)に50℃で溶解した。次いでこの溶液を徐々に16℃に冷却し、30分間撹拌した。生成物が結晶化し始めた。混合物をさらに5℃に冷却した。1:1のEtOH/H2O (0.24 L)を徐々に添加した。混合物を5℃で30分間撹拌した。固体を濾過により採集し、4:1のEtOH/H2O (0.2 L)で洗浄し、乾燥させて、137.0 gの生成物を得た。母液を濃縮乾固した。残留物をヘキサン(0.5 L)とブライン(0.25 L)の間で分配した。ヘキサン層を分離し、濃縮乾固した。残留物をヘキサン(40 ml)から結晶化し、さらに4:1のEtOH/H2O (0.1 L)から再結晶して、2回目のアルデヒド2 (27.0 g)を得た。アルデヒド2の収率は合わせて81%であった。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.081(s, 9H), 7.41(d, 2H, J= 8.1 Hz), 7.63(d, 2H, J= 8.4 Hz), 9.81(s, 1H)。
【0059】
実施例2.メチル-(4-トリメチルシラニルエチニル-ベンジル)-アミン(3)の合成
【0060】
【化17】

【0061】
メチルアミン(MeOH 中8 M, 135 ml)およびメチルアミン塩酸塩(44.0 g, 0.65 mol)をメタノール(900 ml)に溶解した。アルデヒド2 (44.0 g, 0.22 mol)を添加し、室温で30分間撹拌した。次いでナトリウムシアノボロヒドリド(17.42 g, 0.28 mol)を添加した。添加の完了後、塩酸メタノール溶液を添加してpHを5に調整し、その間、温度を約30℃に維持した。反応物を2時間撹拌した。塩酸メタノール溶液の添加により、反応混合物のpHを4〜6に維持した。反応溶媒を除去した。残留物を水(400 ml)およびブライン(50 ml)で溶解した。混合物を塩化メチレン(2回,300 ml)で抽出した。有機溶液を合わせて濃縮乾固すると粗生成物(40.6 g, 約85%の収率)が得られ、これをさらに精製せずにそのまま次の工程に使用した。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.254(s, 9H), 2.434(s, 3H), 3.736(s, 2H), 7.25(d, 2H, J= 9 Hz), 7.43(d, 2H, J= 9 Hz)。C13H20NSiについて計算した正確な質量: 218.1365. 実測値: 218.1357。
【0062】
実施例3.メチル-(4-トリメチルシラニルエチニル-ベンジル)-カルバミン酸メチルエステル(4)の合成
【0063】
【化18】

【0064】
アミン3 (90.0 g, 約0.41 mol)を塩化メチレン(810 ml)に溶解した。トリエチルアミン(66.6 g, 0.66 mol)を添加し、溶液を5℃に冷却した。次いで塩化メチレン(100 ml)中のクロロギ酸メチル(47.0 g, 0.50 mol)を徐々に添加し、反応温度を10〜14℃に維持した。添加の完了後、反応溶液を室温で12時間撹拌した。水(540 ml)を添加した。水相を分離した。有機相を濃縮乾固して粗製化合物4を得た。この粗生成物をさらに精製せずに次の工程に使用した。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.279(s, 9H), 2.86(d, br, 3H), 3.774(s, 3H), 4.484(s, br, 2H), 7.190(s, br, 2H), 7.46(d, 2H, J= 8.10 Hz)。
【0065】
実施例4.(4-エチニル-ベンジル)-メチル-カルバミン酸メチルエステル(5)の合成
【0066】
【化19】

【0067】
工程3からのカルバミン酸エステルをメタノール(630 ml)に溶解した。炭酸カリウム(10.5 g, 0.08 mol)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。TLC分析は反応が完了したことを示した。白色固体を濾去した。メタノールを減圧下で留去して、黄色の油を得た。この油をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, ヘキサン/EtOAc)によりさらに精製して、50.2 gの化合物 5(アミン3からの2工程で約60%の収率)を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.85(d, br, 3H), 3.068(s, 1H), 3.744(s, 3H), 4.468(s, br, 2H), 7.195(s, br, 2H), 7.46(d, 2H, J= 8.1 Hz)。C12H14NO2について計算した正確な質量: 204.1025. 実測値: 204.1022。
【0068】
実施例5.5-フルオロサリチル酸メチルエステル(7)の合成
【0069】
【化20】

【0070】
5-フルオロサリチル酸(272.6 g, 1.74 mol)をメタノール(1.3 L)に溶解すると、透明な溶液が生成した。濃硫酸(50 ml)を、このメタノール溶液に激しく撹拌しながら徐々に添加した。溶液を4時間、加熱還流した。オルトギ酸トリメチル(200 ml)を反応液に徐々に添加した。300 mlの溶媒(ギ酸メチルとメタノール)を留去した。残りの反応液を66℃(還流温度)に16時間加熱した。HPLC分析は反応が完了したことを示した。反応液を周囲温度に冷却した。溶媒を減圧下で除去した。残留物を水(140 ml)と塩化メチレン(220 ml)の間で分配した。有機層を分離した。水層を塩化メチレン(3回,220 ml)で抽出した。有機層を合わせて水(270 ml)、ブライン(270 ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥させた。有機溶液を濃縮乾固して粗生成物(293.8 g)を得た。この粗製物質をさらに精製せずに次の工程に使用した。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 3.96(s, 3H), 6.94(dd, 1H, J= 4.5 HzおよびJ= 9.0 Hz), 7.19(m, 1H), 7.50(dd, 1H, J= 3.3 HzおよびJ= 8.7 Hz), 10.508(s, 1H)。
【0071】
実施例6.5-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-ニトロ-安息香酸メチルエステル(8)の合成
【0072】
【化21】

【0073】
硝酸テトラメチルアンモニウム(98.4 g, 0.72 mol)を塩化メチレン(800 ml)に懸濁した。無水トリフルオロ酢酸(180.3 g, 0.857 mol)を混合物に撹拌しながら添加した。混合物を8℃に冷却した。次いで、エステル7 (106 g, 0.624 mol)の、CH2Cl2(150 ml)中における溶液を、25分間かけて徐々に反応フラスコに添加し、その間、温度を5〜10℃に維持した。添加の完了後、反応混合物を8℃でさらに40分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(500 ml)を徐々に添加して、反応を停止した。有機層を分離し、水(2回,500 ml)で洗浄し、濃縮乾固して、粗製固体を得た。この固体をアセトニトリル(300 ml)に55℃で溶解した。水(100 ml)をアセトニトリル溶液に撹拌しながら徐々に添加すると、固体が析出した。この懸濁液を18℃に冷却し、この温度で30分間撹拌した。次いでこれを3℃に冷却し、この温度で30分間撹拌した。固体を濾過により採集した。フィルターケークを冷溶媒CH3CN/H2O (2/1, 100 ml)で洗浄し、乾燥させて、78.49 gの淡黄色生成物(2工程で57%の収率)を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 4.035(s, 3H), 7.88(dd, 1H, J= 3.6 HzおよびJ= 9.0 Hz), 7.94(dd, 1H, J= 3.3 HzおよびJ= 7.5 Hz), 11.71(s, 1H). C8H5FNO5について計算した正確な質量: 214.0152. 実測値: 214.0141。
【0074】
実施例7.5-フルオロ-2-{4-[(メトキシカルボニル-メチル-アミノ)-メチル]-フェニルエチニル}-3-ニトロ-安息香酸メチルエステル(9)の合成
【0075】
【化22】

【0076】
ニトロ化合物8 (47.87 g, 0.223 mol)をアセトニトリル(240 ml)に溶解し、-8℃に冷却した。トリエチルアミン(33.8 g, 0.334 mol)を添加した。透明な濃色溶液が生成した。無水トリフル酸(69.17 g, 0.245 mol)を徐々に添加し、反応温度を-10℃に維持した。10分後に添加が完了した。TLC分析はトリフラート形成反応が完了したことを示した。冷却浴を取り除いた。アルキン5 (47.46 g, 0.234 mol)を添加した。フラスコの排気および窒素の再充填により、溶液を3回脱泡した。次いでこの溶液を添加ろうとに移した。別の反応フラスコにアセトニトリル(240 ml)およびトリエチルアミン(22.5 g, 0.223 mol)を添加した。フラスコを真空と窒素に交互曝露することにより、溶液を3回脱泡した。ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II) (3.13 g, 0.0045 mol)を溶液に添加し、溶液を再び3回脱泡した。この溶液を窒素保護下で65℃に加熱した。温度が65℃に達した時点で、添加ろうと内のアルキン5およびトリフラートの溶液の1/4を反応フラスコに速やかに添加した。添加ろうと内の残りの溶液を65℃で30分間かけて添加した。添加の完了後、反応液を65℃で2時間撹拌した。HPLC分析は反応が完了したことを示した。反応混合物を室温に冷却した。溶媒を減圧下で除去した。残留物を酢酸エチル(500 ml)に溶解し、水(300 ml)で洗浄した。水相を分離し、酢酸エチル(200 ml)で逆抽出した。有機溶液を合わせて水(200 ml)で洗浄した。次いでこれを濃縮乾固して、濃色の残留油(140 g)を得た。この粗生成物をさらに精製せずに次の工程に使用した。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.87(d, br, 3H), 3.755(s, 3H), 4.011(s, 3H), 4.50(s, br, 2H), 7.21(s, br, 2H), 7.55(d, 2H, J= 9 Hz), 7.80(dd, 1H, J= 2.7 HzおよびJ= 7.2 Hz), 7.86(dd, 1H, J= 2.7 HzおよびJ= 8.1 Hz)。
【0077】
実施例8.3-アミノ-5-フルオロ-2-{4-[(メトキシカルボニル-メチル-アミノ)-メチル]-フェニルエチニル}-3-ニトロ-安息香酸メチルエステル(10)の合成
【0078】
【化23】

【0079】
粗製化合物9 (140 g)をメタノール(1.05 L)に溶解した。鉄粉(325メッシュ, 76.2 g, 1.36 mol)を添加し、続いて飽和塩化アンモニウム水溶液(210 ml)を添加した。溶液を65℃に加熱した。塩酸水溶液(16重量%, 32 ml)を添加した。反応物を65℃に2時間加熱した。HPLC分析は反応が完了したことを示した。反応混合物を室温に冷却した。固体を濾別した。フィルターケークをメタノール(2 L)で洗浄した。メタノール溶液を合わせて濃縮乾固した。残留物を酢酸エチル(800 ml)と希塩酸水溶液(0.5 M, 300 ml)の間で分配した。有機層を分離した。水層を酢酸エチル(3回,200 ml)で抽出した。有機溶液を合わせてブライン(200 ml)で洗浄した。次いで溶液を濃縮乾固して、122.8 gの粗生成物を濃色の油として得た。この粗生成物をさらに精製せずに次の工程に使用した。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.87(d, br, 3H), 3.491(s, 3H), 3.932(s, 3H), 4.486(s, br, 2H), 6.60(dd, 1H, J= 2.7 HzおよびJ= 9.9 Hz), 7.04(dd, 1H, J= 2.4 HzおよびJ= 9.0 Hz), 7.237(s, br, 2H), 7.52(d, 2H, J= 8.1 Hz)。
【0080】
実施例9.6-フルオロ-2-{4-[(メトキシカルボニル-メチル-アミノ)-メチル]-フェニル}-1H-インドール-4-カルボン酸メチルエステル(11)の合成
【0081】
【化24】

【0082】
粗製化合物10 (114.37 g, 約0.309 mol)をDMF (1.5 L)に溶解した。ヨウ化銅(I) (純度99.9999 %, 5.8 g, 0.0309 mol)を添加した。反応フラスコを真空と窒素に交互曝露することにより、反応混合物を4回脱泡した。次いで反応混合物を窒素の保護下で100℃に44時間加熱した。HPLC分析は出発物質が消失したことを示した。反応混合物を周囲温度に冷却した。減圧下(9ミリバール)に35℃で溶媒を除去した。黒色残留物をCH2Cl2(0.15 L)に溶解した。混合物をセライト(Celite)パッドに通した。次いで有機溶液をシリカゲルパッド(300 gのシリカゲル)に通した。CH2Cl2(2.3 L)を用いて化合物をシリカゲルパッドから溶離した。有機溶液を濃縮乾固した。残留物をCH2Cl2(0.15 L)に溶解した。ヘキサン(1 L)を、溶液に撹拌しながら徐々に添加した。沈殿した生成物を濾過により採集し、EtOAc (0.2 L)で洗浄し、乾燥させて、31.34 gの生成物を得た。EtOAc洗液を母液と合わせた。この溶液を濃縮乾固した。残留物をCH2Cl2 (0.15 L)に溶解した。次いで溶液をシリカゲル(300 g)のパッドに通した。シリカゲルパッドをCH2Cl2で洗浄して化合物を析出させた。有機溶液を濃縮乾固した。残留物をCH2Cl2(0.07 L)に溶解した。ヘプタン(0.22 L)を析出生成物に添加した。固体を採集し、1:3のCH2Cl2/ヘプタン(0.06 L)で洗浄し、乾燥させて、さらに27.51 gの生成物を得た。生成物重量は合わせて58.85 gであり、これは化合物8から3工程で51%の収率に換算された。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.896(s, 3H), 3.779(s, 3H), 4.006(s, 3H), 4.516(s, 2H), 7.31(dd, 2H, J= 1.5 HzおよびJ= 8.7 Hz), 7.429 (s, 1H), 7.65(m, 3H), 9.17(d, br, 1H). C20H20FN2O4について計算した正確な質量: 371.1407. 実測値: 371.1418。
【0083】
実施例10.6-フルオロ-2-{4-[(メトキシカルボニル-メチル-アミノ)-メチル]-フェニル}-3-((E)-2-ニトロ-ビニル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチルエステル(12)の合成
【0084】
【化25】

【0085】
トリフルオロ酢酸(0.14 L)を5℃に冷却した。1-N,N-ジメチルアミノ-2-ニトロエチレン(15.0 g, 0.129 mol)を少量ずつ、TFAに5〜8℃で添加した。透明な溶液が生成した。インドール11を数回に分けて添加した。次いでCH2Cl2(0.02 L)を添加した。反応液を周囲温度で44時間撹拌した。TLC分析は反応が完了したことを示した。溶媒を23℃で減圧下に(47ミリバール)除去した。CH2Cl2(0.4 L)および飽和NaHCO3水溶液(0.5 L)を入れたフラスコに残留物を徐々に注入した。水溶液の最終pHは5.0であった。有機相を分離した。水相をCH2Cl2(2回,100 ml)で抽出した。有機溶液を合わせて、固体が出現する(crushed out)まで回転式蒸発器で濃縮した。ヘプタン(0.2 L)をCH2Cl2懸濁液に添加し、混合物を30分間撹拌した。固体を採集し、1:4のCH2Cl2/ヘプタン(100 ml)で洗浄し、風乾して、49.18 gの生成物(95%の収率)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.88(s, 3H), 3.661(s, 3H), 3.920(s, 3H), 4.554(s, 2H), 6.86(d, 1H, J= 13.5 Hz), 7.46(d, 2H, J= 7.5 Hz), 7.52(d, 2H, J= 9.3 Hz), 7.65(d, 2H, J= 8.1 Hz), 8.69(d, 1H, J= 13.5 Hz), 12.895(s, br, 1H). C22H21FN3O6について計算した正確な質量: 442.1414. 実測値: 442.1420。
【0086】
実施例11.6-フルオロ-2-{4-[(メトキシカルボニル-メチル-アミノ)-メチル]-フェニル}-3-(2-ニトロ-エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチルエステル(13)の合成
【0087】
【化26】

【0088】
EtOH (900 ml)およびMeOH (90 ml)を2Lのフラスコに添加した。次いで粉末水素化ホウ素ナトリウム(20.5 g, 0.55 mol)を添加した。この懸濁液を15℃に冷却した。ニトロアルケン12 (49.0 g, 0.11 mol)を少量ずつ45分間かけて添加し、その間、温度を約15℃に維持した。添加の完了後、さらにEtOH (800 ml)を添加した。反応混合物を15分間撹拌した。TLC分析は反応が完了したことを示した。酢酸(40 ml)と水(40 ml)の混合物を徐々に添加して、過剰の水素化ホウ素ナトリウムを消失させた。赤味を帯びた懸濁液が得られた。溶媒を回転式蒸発器で除去した。残留物をEtOAc (600 ml)と水(300 ml)の間で分配した。水相を分離した。有機層中の固体を濾過により採集し、乾燥させて、21.94 gの生成物13 (45%の収率)を得た。有機濾液を濃縮乾固した。次いで残留物をEtOAC (70 ml) /ヘプタン(200 ml)で再懸濁した。固体を濾過により採集し、乾燥させて、2回目の生成物(21.74 g, 44%の収率)を得た。この工程の収率は合わせて89%である。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.87(s, 3H), 3.584(t, 2H, J= 7.8 Hz), 3.661(s, 3H), 3.903(s, 3H), 4.519(s, 2H), 4.607(t, 2H, J= 7.8 Hz), 7.41(m, 4H), 7.58(d, 2H, J= 8.10 Hz), 12.0(s, br, 1H). C22H23FN3O6について計算した正確な質量: 444.1571. 実測値: 444.1559。
【0089】
実施例12.[4-(8-フルオロ-6-オキソ-3,4,5,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-2-イル)-ベンジル]-メチル-カルバミン酸メチルエステル(14)の合成
【0090】
【化27】

【0091】
ラネーニッケル(30 ml, A-5000, Active Metalsから)を、水(2回,50 ml)、MeOH (2回,50 ml)およびHOAc (50 ml)で洗浄した。次いでこれをHOAc (400 ml)と混合し、2 Lの水素化装置に移した。ニトロ化合物13 (19.33 g, 0.044 mol)を添加した。この懸濁液を150 psi、周囲温度で20時間、水素化した。HPLC分析は出発物質13が消失したことを示した。触媒を濾別し、フィルターケークをEtOH (200 ml)で洗浄した(注意:ラネーニッケルは空気中で発火する場合がある。フィルターケークを乾燥させてはならない)。EtOH洗液を濾液と合わせた。この溶液を回転式蒸発器で濃縮乾固して、緑色残留物を得た。この緑色残留物をMeOH (200 ml)に溶解した。水酸化アンモニウム(40 ml)を添加して、溶液のpHを約10に調整した。次いで溶液を45℃に8時間加熱して、アミン中間体をラクタム14に環化した。環化反応中に白色固体が析出した。HPLC分析は反応が完了したことを示した。懸濁液を室温に冷却した。白色固体を濾過により採集し、MeOH (20 ml)で洗浄し、風乾して、8.9 gの生成物(98%の収率)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.85(s, 3H), 3.05(m, 2H), 3.39(m, 2H), 3.66(s, 3H), 4.486(s, 2H), 7.39(m, 4H), 7.76(d, 2H, J= 8.10 Hz), 8.24(t, 1H, J= 5.7 Hz), 11.66(s, 1H). C21H21FN3O3について計算した正確な質量: 382.1567. 実測値: 382.1552。
【0092】
実施例13.8-フルオロ-2-{4-[(メチルアミノ)メチル]フェニル}-1,3,4,5-テトラヒドロ-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オン(15)の合成
【0093】
【化28】

【0094】
ラクタム14 (14.42 g, 0.038 mol)を、酢酸中の臭化水素酸(30〜32%, 140 ml)に溶解した。反応液を室温で46時間、エタノールアミンスクラバーシステムに接続した500mlのフラスコ内で撹拌した。HPLC分析は反応が完了したことを示した。氷(30 g)を反応液に添加し、続いてNaOH水溶液(327 ml, 10 M, 3.27 mol)を添加し、その間、温度を25〜35℃に維持した。NaOHの添加が完了した後、pHは10であった。生成した固体を濾過により採集し、水(2回,50 ml)で洗浄した。次いでフィルターケークを水(125 ml)に懸濁し、2時間撹拌した。固体を濾過により採集し、水(2回,25 ml)で洗浄し、乾燥させて、10.76 gの生成物(88%の収率)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.577(s, 3H), 3.053(m, 2H), 3.406(m, 2H), 4.159(s, 2H), 7.36(dd, 1H, J= 2.4 HzおよびJ= 9.3 Hz), 7.44(dd, 1H, J= 2.4 HzおよびJ= 11.1 Hz), 7.63(d, 2H, J=8.1 Hz), 7.70(d, 2H, J= 8.1 Hz), 8.265(t, 1H, J= 5.7 Hz), 11.77(s, 1H). C19H19FN3Oについて計算した正確な質量: 324.1512. 実測値: 324.1497。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物:
【化1】

[式中:
R1は、下記のものであり:
H;
シアノ;
置換されていなくてもよく、置換されていてもよい、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基;あるいは
-C(O)-R5(R5は、Hであるか、または置換されていなくてもよく、置換されていてもよい、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリール基である);またはOR6もしくはNR6R7(R6およびR7はそれぞれ独立して、Hであるか、または置換されていなくてもよく、置換されていてもよい、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリール基である);
R2は、Hまたはアルキルであり;
R3は、Hまたはアルキルであり;
R4は、H、ハロゲンまたはアルキルである]
の製造方法であって、
a)式IIの化合物(式中、XはハロゲンまたはCF3SO2-O-である):
【化2】

を式IIIの化合物:
【化3】

とソノガシラ結合させて、式IVの化合物:
【化4】

を形成し;
b)式IVの化合物を還元して式Vの化合物:
【化5】

を生成させ;
c)式Vの化合物を式VIの化合物:
【化6】

に変換し;そして
d)式VIの化合物を式Iの化合物に変換する
ことを含む方法。
【請求項2】
工程c)がCuI-促進インドール形成を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
8-フルオロ-2-{4-[(メチルアミノ)メチル]フェニル}-1,3,4,5-テトラヒドロ-6H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オンの製造方法であって、式VIIの化合物(式中、XはCF3SO2 -O-またはハロゲンである):
【化7】

を(4-エチニル-ベンジル)-メチル-カルバミン酸メチルエステルとソノガシラ結合させて、5-フルオロ-2-{4-[(メトキシカルボニル-メチル-アミノ)-メチル]-フェニルエチニル}-3-ニトロ-安息香酸メチルエステルを形成することを含む方法。
【請求項4】
XはCF3SO2-O-である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
Xは臭素である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
さらに下記を含む、請求項3に記載の方法:
a)5-フルオロ-2-{4-[(メトキシカルボニル-メチル-アミノ)-メチル]-フェニルエチニル}-3-ニトロ-安息香酸メチルエステルを、3-アミノ-5-フルオロ-2-{4-[(メトキシカルボニル-メチル-アミノ)-メチル]-フェニルエチニル}-安息香酸メチルエステルに還元し;
b)3-アミノ-5-フルオロ-2-{4-[(メトキシカルボニル-メチル-アミノ)-メチル]-フェニルエチニル}-安息香酸メチルエステルを、6-フルオロ-2-{4-[(メトキシカルボニル-メチル-アミノ)-メチル]-フェニル}-1H-インドール-4-カルボン酸メチルエステルに変換し;
c)6-フルオロ-2-{4-[(メトキシカルボニル-メチル-アミノ)-メチル]-フェニル}-1H-インドール-4-カルボン酸メチルエステルをN,N-ジメチル-2-ニトロエチレンアミンで処理して、6-フルオロ-2-{4-[(メトキシカルボニル-メチル-アミノ)-メチル]-フェニル}-3-((E)-2-ニトロ-ビニル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチルエステルを生成させ;
d)6-フルオロ-2-{4-[(メトキシカルボニル-メチル-アミノ)-メチル]-フェニル}-3-((E)-2-ニトロ-ビニル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチルエステルを、6-フルオロ-2-{4-[(メトキシカルボニル-メチル-アミノ)-メチル]-フェニル}-3-(2-ニトロ-エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチルエステルに還元し;
e)6-フルオロ-2-{4-[(メトキシカルボニル-メチル-アミノ)-メチル]-フェニル}-3-(2-ニトロ-エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチルエステルを、[4-(8-フルオロ-6-オキソ-3,4,5,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-2-イル)-ベンジル]-メチル-カルバミン酸メチルエステルに変換し;そして
f)[4-(8-フルオロ-6-オキソ-3,4,5,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-2-イル)-ベンジル]-メチル-カルバミン酸メチルエステルを脱保護して、8-フルオロ-2-{4-[(メチルアミノ)メチル]フェニル}-1,3,4,5-テトラヒドロ-6H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-6-オンを製造する。
【請求項7】
工程b)がCuI-促進インドール形成を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
工程e)が水素化を含む、請求項6に記載の方法。

【公表番号】特表2008−513538(P2008−513538A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532991(P2007−532991)
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【国際出願番号】PCT/IB2005/002881
【国際公開番号】WO2006/033003
【国際公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【出願人】(598176569)キャンサー・リサーチ・テクノロジー・リミテッド (57)
【氏名又は名称原語表記】CANCER RESEARCH TECHNOLOGY LIMITED
【Fターム(参考)】