説明

ポンプ付ゲートにおけるポンプの着脱機構

【課題】 ポンプのゲートへの着脱作業を簡単に行える機構にしてポンプの点検整備の容易性を実現することのできるポンプ付ゲートにおけるポンプの着脱機構を提供することにある。
【解決手段】 ポンプ付ゲート1のポンプ3の吐出口3cの側端部の周縁側にテーパー型装着板4を一体的に設け、側端4aを下端から上端に向かって連続的に拡幅し、側端部位4bの板厚を下端から上端に向かって連続的に厚くなるように形成し、係合受溝5aをポンプ取付板5の表面の両側に設け、ポンプ取付板5を上流側水路2aに臨むゲート1aの表面の一部開口されたポンプ3の取り付け位置にその開口周縁を覆って一体的に取り付けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ゲートの上流側水路の水を下流側水路に強制排出するポンプが昇降式のゲートに取り付けられたポンプ付ゲートに係り、特に、ポンプのゲートへの着脱作業を簡単に行える機構にしてポンプの点検整備の容易性を実現するポンプ付ゲートにおけるポンプの着脱機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポンプ付ゲートにおいては、ゲートに取り付けられたポンプについて定期的或いは故障した場合に点検が行われる。点検はゲートからポンプを取り外さずに行われたり、ゲートからポンプを取り外して行われることがある。また、ポンプが故障した場合には、ゲートから故障したポンプを取り外し、別のポンプを取り付けたりする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ゲートからのポンプの取り外し作業及びポンプのゲートへの取り付け作業は簡単ではなく、特にポンプのゲートへの取り付け作業は手間と時間がかかり、その分コストが高くなり、又正確に取り付けないとポンプの故障の原因となったり、水漏れの原因となったりする問題があった。
【0004】
この発明は、上記のような課題に鑑み、その課題を解決すべく創案されたものであって、その目的とするところは、ポンプのゲートへの着脱作業を簡単に行える機構にしてポンプの点検整備の容易性を実現することのできるポンプ付ゲートにおけるポンプの着脱機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の目的を達成するために、請求項1の発明は、ゲートの上流側水路の水を下流側水路に強制排出するポンプが昇降式のゲートに取り付けられたポンプ付ゲートにおいて、ポンプの吐出口側端部の周縁側に中央部に孔が形成されたテーパー型装着板を一体的に設け、テーパー型装着板の左右の側端を幅方向の上下中心線に対して下端から上端に向かって連続的に拡幅し、且つテーパー型装着板の左右の側端部位の板厚を下端から上端に向かって連続的に厚くなるように形成し、テーパー型装着板の左右の側端の板幅と側端部位の板厚の形状に係合する溝形状を有する係合受溝をポンプ取付板の表面の両側に設けると共に、ポンプの吐出口側端部の周縁側に一体的に設けられたテーパー型装着板の係合受溝への装着位置でポンプの吐出口の開口位置に一致する吐出孔をポンプ取付板に形成し、係合受溝が表面側に設けられたポンプ取付板の裏面側に、上記吐出孔を開閉し下流側水路からの逆流を防ぎ且つポンプの駆動による強制排水時には下流側水路に向けて開き上流側水路の水を下流側水路に排水させる開閉扉を一体的に設け、上記ポンプ取付板を上流側水路に臨むゲートの表面の一部開口されたポンプの取り付け位置にその開口周縁を覆って一体的に取り付けた手段よりなるものである。
【0006】
また、請求項2の発明は、ゲートの上流側水路の水を下流側水路に強制排出するポンプが昇降式のゲートに取り付けられたポンプ付ゲートにおいて、ポンプの上部側と該ポンプの吐出口側が密着するポンプ取付板の上部側とをヒンジ構造で連結し、ポンプの吐出口側の密着位置でポンプの吐出口の開口位置に一致する吐出孔をポンプ取付板に形成し、ポンプとのヒンジ構造が表面側に設けられたポンプ取付板の裏面側に、上記吐出孔を開閉し下流側水路からの逆流を防ぎ且つポンプの駆動による強制排水時には下流側水路に向けて開き上流側水路の水を下流側水路に排水させる開閉扉を一体的に設け、上記ポンプ取付板を上流側水路に臨むゲートの表面の一部開口されたポンプの取り付け位置にその開口周縁を覆って一体的に取り付けた手段よりなるものである。
【0007】
また、請求項3の発明は、ゲートの上流側水路の水を下流側水路に強制排出するポンプが昇降式のゲートに取り付けられたポンプ付ゲートにおいて、ポンプの上部側と該ポンプの先端側が密着するポンプ取付板の上部側とをヒンジ構造で連結し、ポンプの先端側の密着位置でポンプの先端口の開口位置に一致する流入孔をポンプ取付板に形成し、ポンプの吐出口側に該吐出口を開閉し下流側水路からの逆流を防ぎ且つポンプの駆動による強制排水時には下流側水路に向けて開き上流側水路の水を下流側水路に排水させる開閉扉を一体的に設け、上記ポンプ取付板を下流側水路に臨むゲートの表面の一部開口されたポンプの取り付け位置にその開口周縁を覆って一体的に取り付けた手段よりなるものである。
【発明の効果】
【0008】
以上の記載より明らかなように、請求項1の発明に係るポンプ付ゲートにおけるポンプの着脱機構によれば、幅方向及び厚み方向の2方向の芯合わせが容易にできる。扉体との固定を多数のボルトで行わないので組み立て及び分解が容易となり、ポンプのゲートへの着脱作業を簡単に行うことができ、ポンプの点検整備の容易性を実現することができる。また、ポンプのゲートへの着脱作業時に長尺のガイドレールを必要とすることなく行うことができる。
【0009】
また、請求項2の発明に係るポンプ付ゲートにおけるポンプの着脱機構によれば、ヒンジ構造のヒンジ軸を挿通するのみで、ポンプをポンプ取付板に取り付けることができ、また、ヒンジ構造のヒンジ軸を抜き取るだけで、ポンプをポンプ取付板から取り外すことができる。しかも、ポンプをこのヒンジ構造により上向きに回動することができ、この上向きの回動を利用して、通常はポンプ取付板に密着しているポンプの吐出口側からのポンプ内部の点検が可能となり、流入口からのみの点検に比べて精度の高い点検が可能となる。
【0010】
また、請求項3の発明に係るポンプ付ゲートにおけるポンプの着脱機構によれば、ヒンジ構造のヒンジ軸を挿通するのみで、ポンプをポンプ取付板に取り付けることができ、また、ヒンジ構造のヒンジ軸を抜き取るだけで、ポンプをポンプ取付板から取り外すことができる。しかも、ポンプをこのヒンジ構造により上向きに回動することができ、この上向きの回動を利用して、通常はポンプ取付板に密着しているポンプの流入口側からのポンプ内部の点検が可能となり、吐出口からのみの点検に比べて精度の高い点検が可能となる。
【0011】
また、請求項4の場合には、管理橋の上にゲートから取り外したポンプを置くことができ、管理橋を利用してポンプの点検を行うことができるので、従来のように水路内に降り実施するか所定位置まで引き上げたり作業足場を組み立てて作業する必要がなく、点検整備の容易性を実現することができる。
【0012】
また、請求項5の場合には、ポンプ点検のためにゲートよりポンプを取り外してもゲートに開閉扉が内蔵された状態であるために、ゲートを全閉すれば開閉扉で自然排水と逆流防止ができるので、点検整備の容易性を実現することができる。
【0013】
また、請求項6の場合には、下流側水路の水圧が高くなってヒンジ構造によりポンプを上向きに回動させる力が作用しても、ポンプ固定具により、ポンプが上向きに回動するのを確実に防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に記載の発明を実施するための最良の形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。
【0015】
〔最良の形態−1〕
ここで、図1はポンプ付ゲートの側断面図、図2(A)はポンプのポンプ取付板への装着前の正面図、図2(B)はポンプのポンプ取付板への装着前の側断面図、図2(C)はポンプのポンプ取付板への装着後の側断面図である。
【0016】
図において、ポンプ付ゲート1は、ゲート1aの上流側水路2aの水を下流側水路2bや下流側水路2bに設けられた暗渠の排水樋門又は排水樋管の調圧水槽に強制排出するもので、ポンプ3がゲート1aに取り付けられた構造からなり、水路2に対してその横断方向に水路2を遮断するようにして設置されている。ポンプ付ゲート1は扉体としてのゲート1aが昇降することにより、水路2を開閉する構造になっている。
【0017】
ポンプ付ゲート1は、自然排水時にはゲート1aを上昇させて排水、またはゲート1aを全閉のままでポンプ3の内部を通水させて排水させる。強制排水時にはゲート1aを閉じた状態でゲート1aに取り付けられたポンプ3を利用して、ゲート1aの上流側水路2aの水を下流側水路2bに強制排水する構造になっている。
【0018】
ゲート1aは、四角形で板状のスキンプレート、スキンプレートの上流側水路2aの臨む側の表面に取り付けられた縦横の補強桁などから構成されている。ゲート1aのスキンプレートはこれらの補強桁によって補強されて剛性が高められている。
【0019】
ポンプ付ゲート1が設置された水路2の左右両側面には、昇降するポンプ付ゲート1の左右側端を昇降摺動案内するガイド溝2cが上下方向にそれぞれ形成されている。ゲート1aはこのガイド溝2cに沿って昇降する構造になっている。ゲート1aの左右側端にはガイド溝2cとの摺動抵抗を少なくする水路2の横断方向に平行な水平軸回りのローラー1bが上下にそれぞれ設けられていて、ゲート1aが昇降する場合にガイド溝2cに沿ってスムーズに昇降できるようになっている。
【0020】
ポンプ付ゲート1は、図示しないゲート昇降機構によって昇降する構造になっている。ゲート昇降機構には、例えば、ワイヤロープとシリンダとの組合せ、ラック桁とピニオンとの組合せ、ワイヤロープと巻き取りドラムとの組合せなど、各種の機構がある。
【0021】
水路2の上流側水路2aに臨む側のゲート1aの下部の表面には、上流側水路2aに向けて突出した状態でポンプ3がゲート1aに取り付けられている。ポンプ3はゲート1aが閉じられた状態でゲート1aの上流側水路2aの水を下流側水路2bに向けて強制排水する機能を果たす。ポンプ3には例えば軸流ポンプが使用される。
【0022】
ポンプ3の導水管3aは、内部が円筒形に形成され、上流側水路2aに臨む先端側の吸入口3bがラッパ状に形成されている。このラッパ状の吸入口3bは前方に向けて例えば垂直或いは斜め下向きに開口している。
【0023】
ポンプ3の吐出口3c側端部の周縁側には、中央部に孔が形成されたテーパー型装着板4が一体的に設けられている。テーパー型装着板4はポンプ3の吐出口3c側端部の周縁側に例えば溶接によって一体化されている。テーパー型装着板4の中央の孔の大きさは吐出口3cと同じである。
【0024】
このテーパー型装着板4は、その左右の側端4aを幅方向の上下中心線に対して下端から上端に向かって連続的に拡幅、例えば下端から上端に向かって直線状に少し傾斜しながら拡幅している。テーパー型装着板4の側端4aは左右対称で拡幅している。
【0025】
さらに、テーパー型装着板4は拡幅する左右の側端部位4bつまり側端4aから少し内側寄りの部分の板厚が下端から上端に向かって連続的に厚くなるように形成されている。板厚の厚みは、ポンプ3が取り付けられた側の表面側が下端から上端に向かって僅かに前方傾斜しながら直線に増加する傾斜面の形状に形成され、その裏面側は垂直な平坦面状に形成されている。つまりテーパー型装着板4を垂直に立て時、裏面側は垂直面となり、表面側は上方向かって厚みが増す傾斜面に形成されている。
【0026】
ポンプ取付板5にはテーパー型装着板4を介してその表面側にポンプ3が取り付けられる。テーパー型装着板4がその表面側に装着されるポンプ取付板5には、その表面側の両側にテーパー型装着板4の左右の側端部位4bが係合して止着する係合受溝5aがそれぞれ上下向きに形成されている。
【0027】
左右の係合受溝5aは溝の開口側が互いに向き合うように取り付けられ、左右の係合受溝5aの溝底同士の間隔がテーパー型装着板4の左右の板幅と同一になるような間隔になっている。左右の各係合受溝5aは、テーパー型装着板4の左右の各側端4aの板幅と側端部位4bの板厚の形状に係合する溝形状に形成されている。
【0028】
即ち、各係合受溝5aはテーパー型装着板4の板厚側に対応する溝幅が下端から上端に向かって直線状に拡幅しており、その拡幅の傾斜角度は側端部位4bの板厚の増加する厚みの傾斜角度と同じである。同様、各係合受溝5aはテーパー型装着板4の板幅側に対応する溝深さの下端から上端に向かう傾斜角度が、側端4aの拡幅する傾斜角度と同一である。
【0029】
また、左右の各係合受溝5aは、溝の出入り口側となる上端側が板厚側に対応する溝幅及び板幅側に対応する溝深さの双方がさらに拡大しており、テーパー型装着板4の側端部位4bが挿入し易い構造に形成されている。同様に、テーパー型装着板4の下端側も係合受溝5aに挿入し易いように下端側を除く部分の傾斜角度よりも大きい傾斜角度に形成され、下端の厚みは左右の各係合受溝5aの下端の溝幅より小さく形成されている。
【0030】
ポンプ取付板5の左右の係合受溝5aの中央には吐出孔5bが形成されている。ポンプ取付板5の吐出孔5bは、ポンプ3の吐出口3c側端部の周縁側に一体的に設けられたテーパー型装着板4の係合受溝5aへの装着位置でポンプ3の吐出口3cの開口位置に一致する箇所に形成されている。
【0031】
ポンプ3が取り付けられるポンプ取付板5は、上流側水路2aに臨むゲート1aの表面の一部開口されたポンプの取り付け位置の開口孔1cにその開口周縁を覆って一体的に取り付けられる。即ち、ゲート1aに形成された正方形又は長方形の開口孔1cに対して、これよりも幅及び高さが大きい正方形又は長方形のポンプ取付板5の全周縁側が開口孔1cの全周縁側を水密状態で覆うようにして取り付けられる。つまり、開口孔1cとポンプ取付板5との隙間から水漏れが生じないようにポンプ取付板5は取り付けられる。
【0032】
ポンプ3の導水管3aの後端側には開閉扉7が取り付けられている。開閉扉7には例えばフラップゲートが使用されている。例えばフラップゲートからなる開閉扉7は、ポンプ3が表面に取り付けられたポンプ取付板5の裏面側に背中合わせに、下流側水路2bに向けて取り付けられている。例えばフラップゲートからなる開閉扉7はゲート1aのスキンプレートに形成された開口孔1cを通じて下流側水路2bや調圧水槽に臨んでいる。
【0033】
開閉扉7は、ポンプ取付板5の裏面側に取り付けられた吐出管7aの下流側水路2bや下流側水路2bに設けられた調圧水槽側に向けて臨んでいる先端側表面に開閉自在に取り付けられている。例えばフラップゲートからなる開閉扉7は、その上端部が下流側水路2bや下流側水路2bの調圧水槽に臨む吐出管7aの上方のポンプ取付板5の裏面側にヒンジ構造7bで連結されている。
【0034】
例えばフラップゲートからなる開閉扉7は、上端のヒンジ構造7bを回転中心として、ゲート1aの下流側水路2bや調圧水槽側に向けて開き、ゲート1aの上流側水路2aに向けて閉じる、所謂逆止弁の構造になっている。開閉扉7は、下流側水路2bや調圧水槽の水圧が高い場合には閉じて下流側水路2bや調圧水槽からの逆流を防ぎ、ポンプ3の駆動による強制排水時には、ポンプ3からの吐出排水の水圧によって開いてゲート1aの上流側水路2aの水を下流側水路2bや調圧水槽側に排水できるようになっている。
【0035】
吐出管7a及び閉じた状態の開閉扉7は、ゲート1aの内部側つまりゲート1aの厚み側となるポンプ取付板5とスキンプレートとの間内に収容されている。ゲート1aの内部側に取り付けられた吐出管7a及び閉じた状態の開閉扉7は上下に昇降するゲート1aの厚み内に収まっていて、ゲート1aが昇降する際に吐出管7a及び開閉扉7が昇降の妨げとなることはない。
【0036】
管理橋8は、ポンプ付ゲート1を管理する場合に利用される通路で、ポンプ付ゲート1の上流側水路2aの上部間に水路2を横断して設置されている。管理橋8は金属製の方形状の平面型の床盤8aと床盤8aの幅片側の側端に設けられた安全用の手摺り8bから構成されている。
【0037】
上流側水路2aに横断方向に設置された管理橋8は、その床盤8aの幅方向の片方側つまり手摺り8bが取り付けられた側はその下方のポンプ3の導水管3aの吸入口3bよりも更に上流側水路2a側に延びている。また、床盤8aの幅方向の他方側は上流側水路2aのゲート1aの正面近くまで延びているが、ゲート1aの正面との間に隙間があり、床盤8aは昇降するゲート1aに接触しないように設置されている。
【0038】
ポンプ3の導水管3aの昇降進路上となる管理橋8の床盤8aの下流側寄り部分は、自然排水を行うときやポンプ3の点検の際にゲート1aを引き上げる場合に管理橋8の床盤8aが邪魔にならないように上向き回りに開いて、ゲート1aと一体となって上昇するポンプ3の導水管3aの通過を妨げない構造になっている。
【0039】
即ち、管理橋8の床盤8aのポンプ3の真上側となる下流側寄り部分には例えば金属製の開閉蓋8cが一部取り付けられている。開閉蓋8cは、水路2の中央の両側にそれぞれ取り付けられ、両側にそれぞれ取り付けられた開閉蓋8cは水路2の幅端部が例えばヒンジ構造によって床盤8aに連結されていて、このヒンジ構造を回動中心として上向きに開動して開く構造になっている。
【0040】
点検などによりポンプ付ゲート1を引き上げる場合には、管理橋8の床盤8aの開閉蓋8cを事前に開いておくことによって、ゲート1aと一体となって上昇するポンプ3の導水管3aの進路の邪魔になるのを回避するようになっている。管理橋8の床盤8a上に引き上げられたポンプ3は、管理橋8の上にあるため作業員は別途に足場を作ることなく、この管理橋8を利用して容易にポンプ3の点検作業を行うことが可能となる。
【0041】
次に、上記発明を実施するための最良の形態の構成に基づく作用について以下説明する。
ゲート1aの開口孔1cには、上流側水路2aに臨む側にポンプ取付板5が取り付けられている。ポンプ取付板5は開口孔1cから水漏れが生じないように水密状態で取り付けられている。またポンプ取付板5の裏面側には逆止弁として機能する開閉扉7が一体的に取り付けられている。開閉扉7は下流側水路2bに臨む側に取り付けられている。開閉扉7はゲート1aの開口孔1c内部に取り付けられている。
【0042】
このゲート1aの開口孔1cに予め一体的に取り付けられたポンプ取付板5の表面側つまり上流側水路2aに臨む側にポンプ3を取り付ける。ポンプ3の吐出口3c側の端部周縁側にはテーパー型装着板4が一体的に設けられている。
【0043】
一方、ポンプ3に一体的に設けられたテーパー型装着板4が装着されるポンプ取付板5の表面側には、テーパー型装着板4と係合して止着する係合受溝5aがそれぞれ形成されている。この係合受溝5aを利用してポンプ6のテーパー型装着板4を装着して止着する。
【0044】
即ち、ポンプ3のテーパー型装着板4をポンプ取付板5の表面側に形成された左右の係合受溝5aの間に上方から挿入する。テーパー型装着板4の左右の側端部位4bの下端を左右の係合受溝5aの上端に挿入する。このとき、左右の係合受溝5aはその上端が拡開しており、一方、左右の側端部位4bはその下端の厚みが小さく形成されているため、テーパー型装着板4の左右の側端部位4bの下端を左右の係合受溝5aの上端にスムーズに挿入することができる。
【0045】
挿入した後、ポンプ3が一体的に取り付けられたテーパー型装着板4を左右の係合受溝5aに沿って下ろして行き、テーパー型装着板4の左右の側端部位4bの厚み側の前面及び後面が左右の係合受溝5aの両溝幅側面に密着し、また、テーパー型装着板4の左右の側端4aが左右の係合受溝5aの溝奥面に密着することにより、ポンプ3のポンプ取付板5への取り付けは完了する。このとき、取り付けたポンプ3の吐出口3cとポンプ取付板5の吐出孔5bの位置は一致する。
【0046】
テーパー型装着板4とポンプ取付板5の係合受溝5aとは所謂下向きに楔状に係合し、左右の係合受溝5aに係合したテーパー型装着板4には常に自身及びポンプ3による自重により常に下向きの力が作用することになり、つまり左右の係合受溝5aから抜けない方向に力が作用するため、ポンプ3はテーパー型装着板4を通じてポンプ取付板5に止着されることになる。
【0047】
これに対して、点検のためにポンプ3をポンプ取付板5から取り外したい場合には、上記の逆、つまりポンプ3を上向きに持ち上げる。ポンプ3を上向きに持ち上げると、左右の係合受溝5aの両溝幅側面に密着していたテーパー型装着板4の左右の側端部位4bの厚み側の前面及び後面は係合受溝5aの両溝幅側面との間に隙間が生じて徐々に離れ始める。同様に、左右の係合受溝5aの溝奥面に密着していたテーパー型装着板4の左右の側端4aは係合受溝5aの溝奥面との間に隙間が生じて徐々に離れ始める。
【0048】
ポンプ3をさらに持ち上げると、ポンプ取付板5の左右の係合受溝5a内に挿入されていたポンプ3のテーパー型装着板4の左右の側端部位4bは、左右の係合受溝5a内を上向きに移動し、テーパー型装着板4の左右の側端部位4bの下端が左右の係合受溝5aの上端から抜け出ることにより、ポンプ3をポンプ取付板5から取り外すことができる。
【0049】
このように、ポンプ3のポンプ取付板5への取り付け及びポンプ取付板5から取り外しは、テーパー型装着板4が取り付けられたポンプ3を昇降させるだけで簡単に行うことが可能となり、作業の容易化が実現される。また、ポンプ3を点検のためゲート1aから取り外しても開閉扉7はゲート1aに内蔵されている。このため、ゲート1aを全閉にすれば、開閉扉7の動作により上流水の自然排水、下流側からの逆流防止の機能をゲート1aは確保することができる。
【0050】
このポンプ3のポンプ取付板5への取り付け作業及びポンプ取付板5からのポンプ3の取り外し作業は、ゲート1aの近くに横架された管理橋8を利用することにより、さらに、作業は容易化される。ポンプ3の点検などのために、管理橋8の床盤8aの上側に引き上げたい場合には、上昇するゲート1aに取り付けられたポンプ3がその真上側の管理橋8の床盤8aに当たらないように、ポンプ3の昇降進路上に位置する開閉蓋8cを事前に開けておく。
【0051】
上昇するゲート1aに取り付けられたポンプ3は開閉蓋8cが開けられた管理橋8の床盤8aの開口部から床盤8aに当たることなく床盤8aの上側に移動することができる。そして、床盤8aの上側に移動したポンプ3は、管理橋8を利用して点検などを行うことが可能となり、点検用のための足場作りを不要にでき点検作業の効率化がさらに図られる。

【0052】
〔最良の形態−2〕
ここで、図3はポンプ付ゲートの側断面図、図4(A)はゲートに装着されたポンプの部分平面図、図4(B)はゲートに装着されたポンプの部分側断面図である。
【0053】
図において、ポンプ付ゲート11は、ゲート11aの上流側水路12aの水を下流側水路12bや下流側水路12bに設けられた暗渠の排水樋門又は排水樋管の調圧水槽に強制排出するもので、ポンプ13がゲート11aに取り付けられた構造からなり、水路12に対してその横断方向に水路12を遮断するようにして設置されている。ポンプ付ゲート11は扉体としてのゲート11aが昇降することにより、水路12を開閉する構造になっている。
【0054】
ポンプ付ゲート11は、自然排水時にはゲート11aを上昇させて排水、またはゲート11aを全閉のままでポンプ13の内部を通水させて排水させる。強制排水時にはゲート11aを閉じた状態でゲート11aに取り付けられたポンプ13を利用して、ゲート11aの上流側水路12aの水を下流側水路12bに強制排水する構造になっている。
【0055】
ゲート11aは、四角形で板状のスキンプレート、スキンプレートの上流側水路12aの臨む側の表面に取り付けられた縦横の補強桁などから構成されている。ゲート11aのスキンプレートはこれらの補強桁によって補強されて剛性が高められている。
【0056】
ポンプ付ゲート11が設置された水路12の左右両側面には、昇降するポンプ付ゲート11の左右側端を昇降摺動案内するガイド溝12cが上下方向にそれぞれ形成されている。ゲート11aはこのガイド溝12cに沿って昇降する構造になっている。ゲート11aの左右側端にはガイド溝12cとの摺動抵抗を少なくする水路12の横断方向に平行な水平軸回りのローラー11bが上下にそれぞれ設けられていて、ゲート11aが昇降する場合にガイド溝12cに沿ってスムーズに昇降できるようになっている。
【0057】
ポンプ付ゲート11は、図示しないゲート昇降機構によって昇降する構造になっている。ゲート昇降機構には、例えば、ワイヤロープとシリンダとの組合せ、ラック桁とピニオンとの組合せ、ワイヤロープと巻き取りドラムとの組合せなど、各種の機構がある。
【0058】
水路12の上流側水路12aに臨む側のゲート11aの下部の表面には、上流側水路12aに向けて突出した状態でポンプ13がゲート11aに取り付けられている。ポンプ13はゲート11aが閉じられた状態でゲート11aの上流側水路12aの水を下流側水路12bに向けて強制排水する機能を果たす。ポンプ13には例えば軸流ポンプが使用される。
【0059】
ポンプ13の導水管13aは、内部が円筒形に形成され、上流側水路12aに臨む先端側の吸入口13bがラッパ状に形成されている。このラッパ状の吸入口13bは前方に向けて例えば斜め下向きに開口している。なお、ラッパ状の吸入口13bは前方に向けて例えば水平向きに取り付けることも可能である。
【0060】
ポンプ13はヒンジ構造14により上流側水路12aに臨むポンプ取付板15に連結されて取り付けられている。ポンプ13はこのヒンジ構造14により上向きに回動することができ、この上向きの回動を利用して、ポンプ13の吐出口13c側からのポンプ13内部の点検が可能となり、流入口13bからのみの点検に比べて精度の高い点検が可能となる。
【0061】
ポンプ13の上流側水路12aに臨む上部側の両側には一対のヒンジ片14aが平行に取り付けられている。ヒンジ片14aはポンプ13の長さ方向に取り付けられている。ポンプ13の上面と接する一対のヒンジ片14aの下辺はポンプ13の上面に一体的にそれぞれ取り付けられている。
【0062】
一方、ポンプ取付板15の上部側の両側の上流側水路12aに臨む表面側には一対のヒンジ受片14bが前方に向けて突出した状態で平行に取り付けられている。ポンプ取付板15の表面側と接する一対のヒンジ受片14bはポンプ取付板15の表面に一体的にそれぞれ取り付けられている。
【0063】
ポンプ取付板15側の一対のヒンジ受片14bはポンプ13のポンプ取付板15への装着位置でポンプ13側の一対のヒンジ片14aと平行となる。また、図面では一対のヒンジ受片14bは一対のヒンジ片14aの内側でその側面同士が略密接するようにポンプ取付板15に取り付けられている。
【0064】
一対のヒンジ片14a及びヒンジ受片14bには、ポンプ13のポンプ取付板15への装着位置で一致する軸孔がそれぞれ形成されている。左右の軸孔を結ぶ線はポンプ取付板15の表面に平行になっている。そして、一対のヒンジ片14a及びヒンジ受片14bの合計4つの軸孔を1本のヒンジ軸14cが挿通して取り付けられている。
【0065】
ポンプ13をポンプ取付板15から取り外す場合には、このヒンジ軸14cを軸孔から抜くのみで簡単に取り外すことができる。また、ポンプ13のポンプ取付板15への装着して使用中に、ポンプ13がポンプ取付板15から外れないように、挿通したヒンジ軸14cの両端には、このヒンジ軸14cがヒンジ片14aやヒンジ受片14bの軸孔から外れないように、図示しないナットなどが外装されている。
【0066】
ポンプ取付板15の一対のヒンジ受片14bが取り付けられた下側の中央には吐出孔15aが形成されている。ポンプ取付板15の吐出孔15aは、ヒンジ構造14によるポンプ13のポンプ取付板15への装着位置でポンプ13の吐出口13cの開口位置に一致する箇所に形成されている。
【0067】
ポンプ13が取り付けられるポンプ取付板15は、上流側水路12aに臨むゲート11aの表面の一部開口されたポンプの取り付け位置の開口孔11cにその開口周縁を覆って一体的に取り付けられる。即ち、ゲート11aに形成された正方形又は長方形の開口孔11cに対して、これよりも幅及び高さが大きい正方形又は長方形のポンプ取付板15の全周縁側が開口孔11cの全周縁側を水密状態で覆うようにして取り付けられる。つまり、開口孔11cとポンプ取付板15との隙間から水漏れが生じないようにポンプ取付板15は取り付けられる。
【0068】
ポンプ13はヒンジ構造14により上向きに回動するが、通常の使用中においてはポンプ13の自重によりポンプ13にはポンプ取付板15に向けて常時回転モーメントが作用しており、この回転モーメントによってポンプ13の吐出口13cはポンプ取付板15の表面の吐出孔15aに密着して水漏れの心配はない。
【0069】
しかし、下流側水路12bや調圧水槽の水圧が上流側水路12aよりも高くなる場合には、その水圧によってポンプ13がヒンジ構造14により上向きに回動するおそれがある。これを防ぐために、ポンプ固定具16が必要に応じて設けられる。ポンプ固定具16はポンプ13の両側に取り付けられる。
【0070】
ポンプ固定具16は例えば金属棒16aとその中間に設けられた長さ調整具16bから構成される。各ポンプ固定具16を構成する金属棒16aの一端をポンプ13の左右の側部にそれぞれ連結し、金属棒16aの他端をポンプ取付板15の表面側の両側にそれぞれ連結し、長さ調整具16bを回して金属棒16aを張った状態にすることで簡単に取り付けられる。ポンプ13の両側に設けられるポンプ固定具16により、ポンプ13は上向きの回動が防がれる。
【0071】
ポンプ13の導水管13aの後端側には開閉扉17が取り付けられている。開閉扉17には例えばフラップゲートが使用されている。例えばフラップゲートからなる開閉扉17は、ポンプ13が表面に取り付けられたポンプ取付板15の裏面側に背中合わせに、下流側水路12bに向けて取り付けられている。例えばフラップゲートからなる開閉扉17はゲート11aのスキンプレートに形成された開口孔11cを通じて下流側水路12bや調圧水槽に臨んでいる。
【0072】
開閉扉17は、ポンプ取付板15の裏面側に取り付けられた吐出管17aの下流側水路12bや下流側水路12bに設けられた調圧水槽側に向けて臨んでいる先端側表面に開閉自在に取り付けられている。例えばフラップゲートからなる開閉扉17は、その上端部が下流側水路12bや下流側水路12bの調圧水槽に臨む吐出管17aの上方のポンプ取付板15の裏面側にヒンジ構造17bで連結されている。
【0073】
例えばフラップゲートからなる開閉扉17は、上端のヒンジ構造17bを回転中心として、ゲート11aの下流側水路12bや調圧水槽側に向けて開き、ゲート11aの上流側水路12aに向けて閉じる、所謂逆止弁の構造になっている。開閉扉17は、下流側水路12bや調圧水槽の水圧が高い場合には閉じて下流側水路12bや調圧水槽からの逆流を防ぎ、ポンプ13の駆動による強制排水時には、ポンプ13からの吐出排水の水圧によって開いてゲート11aの上流側水路12aの水を下流側水路12bや調圧水槽側に排水できるようになっている。
【0074】
吐出管17a及び閉じた状態の開閉扉17は、ゲート11aの内部側つまりゲート11aの厚み側となるポンプ取付板15とスキンプレートとの間内に収容されている。ゲート11aの内部側に取り付けられた吐出管17a及び閉じた状態の開閉扉17は上下に昇降するゲート11aの厚み内に収まっていて、ゲート11aが昇降する際に吐出管17a及び開閉扉17が昇降の妨げとなることはない。
【0075】
管理橋18は、ポンプ付ゲート11を管理する場合に利用される通路で、ポンプ付ゲート11の上流側水路12aの上部間に水路12を横断して設置されている。管理橋18は金属製の方形状の平面型の床盤18aと床盤18aの幅片側の側端に設けられた安全用の手摺り18bから構成されている。
【0076】
上流側水路12aに横断方向に設置された管理橋18は、その床盤18aの幅方向の片方側つまり手摺り18bが取り付けられた側はその下方のポンプ13の導水管13aの吸入口13bよりも更に上流側水路12a側に延びている。また、床盤18aの幅方向の他方側は上流側水路12aのゲート11aの正面近くまで延びているが、ゲート11aの正面との間に隙間があり、床盤18aは昇降するゲート11aに接触しないように設置されている。
【0077】
ポンプ13の導水管13aの昇降進路上となる管理橋18の床盤18aの下流側寄り部分は、自然排水を行うときやポンプ13の点検の際にゲート11aを引き上げる場合に管理橋18の床盤18aが邪魔にならないように上向き回りに開いて、ゲート11aと一体となって上昇するポンプ13の導水管13aの通過を妨げない構造になっている。
【0078】
即ち、管理橋18の床盤18aのポンプ13の真上側となる下流側寄り部分には例えば金属製の開閉蓋18cが一部取り付けられている。開閉蓋18cは、水路12の中央の両側にそれぞれ取り付けられ、両側にそれぞれ取り付けられた開閉蓋18cは水路12の幅端部が例えばヒンジ構造によって床盤18aに連結されていて、このヒンジ構造を回動中心として上向きに開動して開く構造になっている。
【0079】
点検などによりポンプ付ゲート11を引き上げる場合には、管理橋18の床盤18aの開閉蓋18cを事前に開いておくことによって、ゲート11aと一体となって上昇するポンプ13の導水管13aの進路の邪魔になるのを回避するようになっている。管理橋18の床盤18a上に引き上げられたポンプ13は、管理橋18の上にあるため作業員は別途に足場を作ることなく、この管理橋18を利用して容易にポンプ13の点検作業を行うことが可能となる。
【0080】
次に、上記発明を実施するための最良の形態の構成に基づく作用について以下説明する。
ゲート11aの開口孔11cには、上流側水路12aに臨む側にポンプ取付板15が取り付けられている。ポンプ取付板15は開口孔11cから水漏れが生じないように水密状態で取り付けられている。またポンプ取付板15の裏面側には逆止弁として機能する開閉扉17が一体的に取り付けられている。開閉扉17は下流側水路12bに臨む側に取り付けられている。開閉扉17はゲート11aの開口孔11c内部に取り付けられている。
【0081】
このゲート11aの開口孔11cに予め一体的に取り付けられたポンプ取付板15の表面側つまり上流側水路12aに臨む側にポンプ13を取り付ける。ポンプ13の上部側には一対のヒンジ片14aが一体的に取り付けられている。この一対のヒンジ片14aには軸孔がそれぞれ形成されている。
【0082】
一方、ポンプ取付板15の表面側の上部側には、一対のヒンジ受片14bがそれぞれ前方に向けて突出する状態で一体的に取り付けられている。この一対のヒンジ片14aには軸孔がそれぞれ形成されている。この一対のヒンジ片14a及びヒンジ受片14bの軸孔に1本のヒンジ軸14cを挿通するのみで、ポンプ13をポンプ取付板15に取り付けることができる。
【0083】
即ち、ポンプ13を持ち上げて、ポンプ13の上部の一対のヒンジ片14aをポンプ取付板15の表面に突出された一対のヒンジ受片14bの両外側を挟む位置まで移動し、一対のヒンジ片14a及びヒンジ受片14bの軸孔を一致させた後、これらの軸孔に1本のヒンジ軸14cを挿通し、ヒンジ軸14cの両端に外れ止め用のナットなどを外装するのみで、ポンプ13のポンプ取付板15への取り付け作業は完了する。このとき、取り付けたポンプ13の吐出口13cとポンプ取付板15の吐出孔15aの位置は一致する。
【0084】
ポンプ13はヒンジ構造14により上向きに回動するが、通常の使用中においてはポンプ13の自重によりポンプ13にはポンプ取付板15に向けて常時回転モーメントが作用しており、この回転モーメントによってポンプ13の吐出口13cはポンプ取付板15の表面の吐出孔15aに密着して水漏れの心配はない。
【0085】
また、下流側水路12bや調圧水槽の水圧が上流側水路12aよりも高くなって、その水圧によってポンプ13がヒンジ構造14により上向きに回動するおそれがある場合には、ポンプ13の両側にポンプ固定具16を取り付ける。
【0086】
各ポンプ固定具16を構成する金属棒16aの一端をポンプ13の左右の側部にそれぞれ連結し、金属棒16aの他端をポンプ取付板15の表面側の両側にそれぞれ連結し、長さ調整具16bを回して金属棒16aを張った状態にする。ポンプ13の両側に設けられるポンプ固定具16により、ポンプ13は上向きの回動が防がれる。
【0087】
これに対して、点検のためにポンプ13をポンプ取付板15から取り外したい場合には、上記の逆、つまりヒンジ軸14cを抜き取るのみで取り外すことができる。即ち、ポンプ13を持ち上げて支持した状態で、ヒンジ軸14cの両端のナットを外し、ヒンジ軸14cを抜き取る。これでポンプ13はポンプ取付板15から取り外すことができる。なお、ポンプ固定具16が取り付けられている場合にはこれを取り外す。
【0088】
また、ポンプ13を取り外さずに点検したい場合で、特にポンプ13の吐出口13c側からポンプ13の内部を点検したいときには、ポンプ13を上向きに持ち上げると、ポンプ13はヒンジ構造14によりヒンジ軸14cを回転中心として上向きに回動し、通常は点検が困難なポンプ13の吐出口13c側からの点検が可能となる。
【0089】
このように、ポンプ13のポンプ取付板15への取り付け及びポンプ取付板15から取り外しは、ヒンジ構造14のヒンジ軸14cの挿通及び抜き取りだけで簡単に行うことが可能となり、作業の容易化が実現される。また、ポンプ13を点検のためゲート11aから取り外しても開閉扉17はゲート1aに内蔵されている。このため、ゲート11aを全閉にすれば、開閉扉17の動作により上流水の自然排水、下流側からの逆流防止の機能をゲート11aは確保することができる。
【0090】
このポンプ13のポンプ取付板15への取り付け作業及びポンプ取付板15からのポンプ13の取り外し作業は、ゲート11aの近くに横架された管理橋18を利用することにより、さらに、作業は容易化される。ポンプ13の点検などのために、管理橋18の床盤18aの上側に引き上げたい場合には、上昇するゲート11aに取り付けられたポンプ13がその真上側の管理橋18の床盤18aに当たらないように、ポンプ13の昇降進路上に位置する開閉蓋18cを事前に開けておく。
【0091】
上昇するゲート11aに取り付けられたポンプ13は開閉蓋18cが開けられた管理橋18の床盤18aの開口部から床盤18aに当たることなく床盤18aの上側に移動することができる。そして、床盤18aの上側に移動したポンプ13は、管理橋18を利用して点検などを行うことが可能となり、点検用のための足場作りを不要にでき点検作業の効率化がさらに図られる。

【0092】
〔最良の形態−3〕
ここで、図5はポンプ付ゲートの側断面図、図6(A)は装着前のポンプの側面図、図6(B)はポンプのポンプ取付板への装着後の側断面図、図6(C)は同図(B)の部分正面図である。
【0093】
図において、ポンプ付ゲート21は、ゲート21aの上流側水路22aの水を下流側水路22bや下流側水路22bに設けられた暗渠の排水樋門又は排水樋管の調圧水槽に強制排出するもので、ポンプ23がゲート21aに取り付けられた構造からなり、水路22に対してその横断方向に水路22を遮断するようにして設置されている。ポンプ付ゲート21は扉体としてのゲート21aが昇降することにより、水路22を開閉する構造になっている。
【0094】
ポンプ付ゲート21は、自然排水時にはゲート21aを上昇させて排水、またはゲート21aを全閉のままでポンプ23の内部を通水させて排水させる。強制排水時にはゲート21aを閉じた状態でゲート21aに取り付けられたポンプ23を利用して、ゲート21aの上流側水路22aの水を下流側水路22bに強制排水する構造になっている。
【0095】
ゲート21aは、四角形で板状のスキンプレート、スキンプレートの上流側水路22aの臨む側の表面に取り付けられた縦横の補強桁などから構成されている。ゲート21aのスキンプレートはこれらの補強桁によって補強されて剛性が高められている。
【0096】
ポンプ付ゲート21が設置された水路22の左右両側面には、昇降するポンプ付ゲート21の左右側端を昇降摺動案内するガイド溝22cが上下方向にそれぞれ形成されている。ゲート21aはこのガイド溝22cに沿って昇降する構造になっている。ゲート21aの左右側端にはガイド溝22cとの摺動抵抗を少なくする水路22の横断方向に平行な水平軸回りのローラー21bが上下にそれぞれ設けられていて、ゲート21aが昇降する場合にガイド溝22cに沿ってスムーズに昇降できるようになっている。
【0097】
ポンプ付ゲート21は、図示しないゲート昇降機構によって昇降する構造になっている。ゲート昇降機構には、例えば、ワイヤロープとシリンダとの組合せ、ラック桁とピニオンとの組合せ、ワイヤロープと巻き取りドラムとの組合せなど、各種の機構がある。
【0098】
水路22の下流側水路22bに臨む側のゲート21aの下部の表面には、下流側水路22bに向けて突出した状態でポンプ23がゲート21aに取り付けられている。ポンプ23はゲート21aが閉じられた状態でゲート21aの上流側水路22aの水を下流側水路22bに向けて強制排水する機能を果たす。ポンプ23には例えば軸流ポンプが使用される。
【0099】
ポンプ23の導水管23aは、内部が円筒形に形成され、ゲート21aの下流側水路22b側に設置され、先端側の吸入口23bがゲート21a側となる。この吸入口23bは下流側水路22bに臨むポンプ取付板5の表面側に密着して取り付けられている。
【0100】
ポンプ23はゲート21aの上流側水路22aに突出しない状態で、しかもヒンジ構造24によりポンプ取付板25の下流側水路22bに突出する状態で連結されて取り付けられている。ポンプ23はこのヒンジ構造24によりその下流側水路22bに突出する吐出口3c側が上向きに回動することができる。
【0101】
ポンプ23の下流側水路22bに臨む上部側の両側には一対のヒンジ片24aが平行に取り付けられている。ヒンジ片24aはポンプ23の長さ方向に取り付けられている。ポンプ23の上面と接する一対のヒンジ片24aはポンプ23の上面に一体的にそれぞれ取り付けられている。
【0102】
一方、ポンプ取付板25の上部側の両側の下流側水路22bに臨む表面側には一対のヒンジ受片24bが前方に向けて突出した状態で平行に取り付けられている。ポンプ取付板25の表面側と接する一対のヒンジ受片24bの後端は溶接によって下流側水路22bに臨むポンプ取付板25の表面に一体的にそれぞれ取り付けられている。
【0103】
ポンプ取付板25側の一対のヒンジ受片24bはポンプ23のポンプ取付板25への装着位置でポンプ23側の一対のヒンジ片24aと平行となる。また、一対のヒンジ受片24bは例えば一対のヒンジ片24aの内側でその側面同士が略密接するようにポンプ取付板25に取り付けられている。
【0104】
一対のヒンジ片24a及びヒンジ受片24bには、ポンプ23のポンプ取付板25への装着位置で一致する軸孔がそれぞれ形成されている。左右の軸孔を結ぶ線はポンプ取付板25の表面に平行になっている。そして、一対のヒンジ片24a及びヒンジ受片24bの合計4つの軸孔を1本のヒンジ軸24cが挿通して取り付けられている。
【0105】
ポンプ23をポンプ取付板25から取り外す場合には、このヒンジ軸24cを軸孔から抜くのみで簡単に取り外すことができる。また、ポンプ23のポンプ取付板25への装着して使用中に、ポンプ23がポンプ取付板25から外れないように、挿通したヒンジ軸24cの両端には、このヒンジ軸24cがヒンジ片24aやヒンジ受片24bの軸孔から外れないように、図示しないナットなどが外装されている。
【0106】
ポンプ取付板25の一対のヒンジ受片24bが取り付けられた下側の中央には導入孔25aが形成されている。ポンプ取付板25の導入孔25aは、ヒンジ構造24によるポンプ23のポンプ取付板25への装着位置でポンプ23の流入口23bの開口位置に一致する箇所に形成されている。ポンプ取付板25の下流側水路22bに臨む表面側と反対側となる裏面側には、上流側水路22aに臨む先端側がラッパ状に形成された導入口25bが取り付けられている。この導入口25bはゲート21aに開口された開口孔21c内に位置している。
【0107】
ポンプ23が取り付けられるポンプ取付板25は、下流側水路22bに臨むゲート21aの表面の一部開口されたポンプの取り付け位置の開口孔21cにその開口周縁を覆って一体的に取り付けられる。即ち、ゲート21aに形成された正方形又は長方形の開口孔21cに対して、これよりも幅及び高さが大きい正方形又は長方形のポンプ取付板25の全周縁側が開口孔21cの全周縁側を水密状態で覆うようにして取り付けられる。つまり、開口孔21cとポンプ取付板25との隙間から水漏れが生じないようにポンプ取付板25は取り付けられる。
【0108】
ポンプ23はヒンジ構造24により上向きに回動するが、通常の使用中においてはポンプ23の自重によりポンプ23にはポンプ取付板25に向けて常時回転モーメントが作用しており、この回転モーメントによってポンプ23の流入口23bはポンプ取付板25の表面の導入孔25aに密着して水漏れの心配はない。
【0109】
ポンプ23の導水管23aの後端側には開閉扉27が取り付けられている。開閉扉27には例えばフラップゲートが使用されている。例えばフラップゲートからなる開閉扉27は、ポンプ23の吐出口3c側に、下流側水路22bに向けて取り付けられている。例えばフラップゲートからなる開閉扉27はゲート21aのスキンプレートに形成された開口孔21cを通じて下流側水路22bや調圧水槽に臨んでいる。
【0110】
開閉扉27は、ポンプ3の吐出口3c側に取り付けられた吐出管27aの下流側水路22bや下流側水路22bに設けられた調圧水槽側に向けて臨んでいる先端側表面に開閉自在に取り付けられている。例えばフラップゲートからなる開閉扉27は、その上端部が下流側水路22bや下流側水路22bの調圧水槽に臨む吐出管27aの上方にヒンジ構造27bで連結されている。
【0111】
例えばフラップゲートからなる開閉扉27は、上端のヒンジ構造27bを回転中心として、ゲート21aの下流側水路22bや調圧水槽側に向けて開き、ゲート21aの上流側水路22aに向けて閉じる、所謂逆止弁の構造になっている。開閉扉27は、下流側水路22bや調圧水槽の水圧が高い場合には閉じて下流側水路22bや調圧水槽からの逆流を防ぎ、ポンプ23の駆動による強制排水時には、ポンプ23からの吐出排水の水圧によって開いてゲート21aの上流側水路22aの水を下流側水路22bや調圧水槽側に排水できるようになっている。
【0112】
管理橋28は、ポンプ付ゲート21を管理する場合に利用される通路で、ポンプ付ゲート21の下流側水路22bや下流側水路22b側となる調圧水槽の内部の上部間に水路22を横断して設置されている。また、管理橋28は、ゲート21aの上流側水路22aの上部間に水路22を横断して設置されている。
【0113】
ゲート21aの下流側水路22bや調圧水槽の内部に設置された管理橋28は、金属製の方形状の平面型の床盤28aからなり、又床盤28aの幅片側の側端に設けられた安全用の手摺り28bから構成されている。
【0114】
ゲート21aの下流側水路22bや調圧水槽の内部に横断方向に設置された管理橋28は、その床盤28aの幅方向の片方側は上流側のゲート21aの近くまで延びているが、ゲート21aとの間に隙間があり、床盤28aは昇降するゲート21aに接触しないように設置されている。
【0115】
ポンプ23の導水管26aの昇降進路上となる管理橋28の床盤28aの上流側寄り部分は、自然排水を行うときやポンプ26の点検の際にゲート21aを引き上げる場合に管理橋28の床盤28aが邪魔にならないように上向き回りに開いて、ゲート21aと一体となって上昇するポンプ23の導水管23a及び開閉扉27の通過を妨げない構造になっている。
【0116】
即ち、管理橋28の床盤28aのポンプ23及び開閉扉27の真上側となる上流側寄り部分には例えば金属製の開閉蓋28cが一部取り付けられている。開閉蓋28cは、水路22の中央の両側にそれぞれ取り付けられ、両側にそれぞれ取り付けられた開閉蓋28cは水路22の幅端部が例えばヒンジ構造によって床盤28aに連結されていて、このヒンジ構造を回動中心として上向きに開動して開く構造になっている。
【0117】
点検などによりポンプ付ゲート21を引き上げる場合には、管理橋28の床盤28aの開閉蓋28cを事前に開いておくことによって、ゲート21aと一体となって上昇するポンプ23の導水管23a及び開閉扉27の進路の邪魔になるのを回避するようになっている。管理橋28の床盤28a上に引き上げられたポンプ23は、管理橋28の上にあるため作業員は別途に足場を作ることなく、この管理橋28を利用して容易にポンプ23の点検作業を行うことが可能となる。
【0118】
次に、上記発明を実施するための最良の形態の構成に基づく作用について以下説明する。
ゲート21aの開口孔21cには、下流側水路22bに臨む側にポンプ取付板25が取り付けられている。ポンプ取付板25は開口孔21cから水漏れが生じないように水密状態で取り付けられている。
【0119】
このゲート21aの開口孔21cに予め一体的に取り付けられたポンプ取付板25の表面側つまり下流側水路22bに臨む側にポンプ23を取り付ける。ポンプ23の上部側には一対のヒンジ片24aが一体的に取り付けられている。この一対のヒンジ片24aには軸孔がそれぞれ形成されている。
【0120】
一方、ポンプ取付板25の表面側の上部側には、一対のヒンジ受片24bがそれぞれ前方に向けて突出する状態で一体的に取り付けられている。この一対のヒンジ片24aには軸孔がそれぞれ形成されている。この一対のヒンジ片24a及びヒンジ受片24bの軸孔に1本のヒンジ軸24cを挿通するのみで、ポンプ23をポンプ取付板25に取り付けることができる。
【0121】
即ち、ポンプ23を持ち上げて、ポンプ23の上部の一対のヒンジ片24aをポンプ取付板25の表面に突出された一対のヒンジ受片24bの両外側を挟む位置まで移動し、一対のヒンジ片24a及びヒンジ受片24bの軸孔を一致させた後、これらの軸孔に1本のヒンジ軸24cを挿通し、ヒンジ軸24cの両端に外れ止め用のナットなどを外装するのみで、ポンプ23のポンプ取付板25への取り付け作業は完了する。このとき、取り付けたポンプ23の流入口23bとポンプ取付板25の導入孔25aの位置は一致する。
【0122】
これに対して、点検のためにポンプ23をポンプ取付板25から取り外したい場合には、上記の逆、つまりヒンジ軸24cを抜き取るのみで取り外すことができる。即ち、ポンプ23を持ち上げて支持した状態で、ヒンジ軸24cの両端のナットを外し、ヒンジ軸24cを抜き取る。これでポンプ23はポンプ取付板25から取り外すことができる。
【0123】
また、ポンプ23を取り外さずに点検したい場合で、特にポンプ23の流入口23b側からポンプ23の内部を点検したいときには、ポンプ23を上向きに持ち上げると、ポンプ23はヒンジ構造24によりヒンジ軸24cを回転中心として上向きに回動し、通常は点検が困難なポンプ23の流入口23b側からの点検が可能となる。
【0124】
このように、ポンプ23のポンプ取付板25への取り付け及びポンプ取付板25から取り外しは、ヒンジ構造24のヒンジ軸24cの挿通及び抜き取りだけで簡単に行うことが可能となり、作業の容易化が実現される。
【0125】
このポンプ23のポンプ取付板25への取り付け作業及びポンプ取付板25からのポンプ23の取り外し作業は、ゲート21aの近くに横架された管理橋28を利用することにより、さらに、作業は容易化される。ポンプ23の点検などのために、管理橋28の床盤28aの上側に引き上げたい場合には、上昇するゲート21aに取り付けられたポンプ23及び開閉扉27がその真上側の管理橋28の床盤28aに当たらないように、ポンプ23及び開閉扉27の昇降進路上に位置する開閉蓋28cを事前に開けておく。
【0126】
上昇するゲート21aに取り付けられたポンプ23及び開閉扉27は開閉蓋28cが開けられた管理橋28の床盤28aの開口部から床盤28aに当たることなく床盤28aの上側に移動することができる。そして、床盤28aの上側に移動したポンプ23は、管理橋28を利用して点検などを行うことが可能となり、点検用のための足場作りを不要にでき点検作業の効率化がさらに図られる。
【0127】
なお、この発明は上記発明を実施するための最良の形態に限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。例えば上記の最良の形態−1においては、テーパー装置としてテーパー型装着板4で一体的に構成しているが、個別のテーパーとして分けて配置することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】この発明を実施するための最良の形態−1を示すポンプ付ゲートの側断面図である。
【図2】(A)はこの発明を実施するための最良の形態−1を示すポンプのポンプ取付板への装着前の正面図である。 (B)はこの発明を実施するための最良の形態−1を示すポンプのポンプ取付板への装着前の側断面図である。 (C)はこの発明を実施するための最良の形態−1を示すポンプのポンプ取付板への装着後の側断面図である。
【図3】この発明を実施するための最良の形態−2を示すポンプ付ゲートの側断面図である。
【図4】(A)はこの発明を実施するための最良の形態−2を示すゲートに装着されたポンプの部分平面図である。 (B)はこの発明を実施するための最良の形態−2を示すゲートに装着されたポンプの部分側断面図である。
【図5】この発明を実施するための最良の形態−3を示すポンプ付ゲートの側断面図である。
【図6】(A)はこの発明を実施するための最良の形態−3を示す装着前のポンプの側面図である。 (B)はこの発明を実施するための最良の形態−3を示すポンプのポンプ取付板への装着後の側断面図である。 (C)は同図(B)の部分正面図である。
【符号の説明】
【0129】
1 ポンプ付ゲート
1a ゲート
1b ローラー
1c 開口孔
2 水路
2a 上流側水路
2b 下流側水路
2c ガイド溝
3 ポンプ
3a 導水管
3b 吸入口
3c 吐出口
4 テーパー型装着板
4a 側端
4b 側端部位
5 ポンプ取付板
5a 係合受溝
5b 吐出孔
7 開閉扉
7a 吐出管
7b ヒンジ構造
8 管理橋
8a 床盤
8b 手摺り
8c 開閉蓋
11 ポンプ付ゲート
11a ゲート
11b ローラー
11c 開口孔
12 水路
12a 上流側水路
12b 下流側水路
12c ガイド溝
13 ポンプ
13a 導水管
13b 吸入口
13c 吐出口
14 ヒンジ構造
14a ヒンジ片
14b ヒンジ受片
14c ヒンジ軸
15 ポンプ取付板
15a 吐出孔
16 ポンプ固定具
16a 金属棒
16b 長さ調整具
17 開閉扉
17a 吐出管
17b ヒンジ構造
18 管理橋
18a 床盤
18b 手摺り
18c 開閉蓋
21 ポンプ付ゲート
21a ゲート
21b ローラー
21c 開口孔
22 水路
22a 上流側水路
22b 下流側水路
22c ガイド溝
23 ポンプ
23a 導水管
23b 吸入口
23c 吐出口
24 ヒンジ構造
24a ヒンジ片
24b ヒンジ受片
24c ヒンジ軸
25 ポンプ取付板
25a 吐出孔
25b 導入口
27 開閉扉
27a 吐出管
27b ヒンジ構造
28 管理橋
28a 床盤
28b 手摺り
28c 開閉蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲートの上流側水路の水を下流側水路に強制排出するポンプが昇降式のゲートに取り付けられたポンプ付ゲートにおいて、ポンプの吐出口側端部の周縁側に中央部に孔が形成されたテーパー型装着板を一体的に設け、テーパー型装着板の左右の側端を幅方向の上下中心線に対して下端から上端に向かって連続的に拡幅し、且つテーパー型装着板の左右の側端部位の板厚を下端から上端に向かって連続的に厚くなるように形成し、テーパー型装着板の左右の側端の板幅と側端部位の板厚の形状に係合する溝形状を有する係合受溝をポンプ取付板の表面の両側に設けると共に、ポンプの吐出口側端部の周縁側に一体的に設けられたテーパー型装着板の係合受溝への装着位置でポンプの吐出口の開口位置に一致する吐出孔をポンプ取付板に形成し、係合受溝が表面側に設けられたポンプ取付板の裏面側に、上記吐出孔を開閉し下流側水路からの逆流を防ぎ且つポンプの駆動による強制排水時には下流側水路に向けて開き上流側水路の水を下流側水路に排水させる開閉扉を一体的に設け、上記ポンプ取付板を上流側水路に臨むゲートの表面の一部開口されたポンプの取り付け位置にその開口周縁を覆って一体的に取り付けたことを特徴とするポンプ付ゲートにおけるポンプの着脱機構。
【請求項2】
ゲートの上流側水路の水を下流側水路に強制排出するポンプが昇降式のゲートに取り付けられたポンプ付ゲートにおいて、ポンプの上部側と該ポンプの吐出口側が密着するポンプ取付板の上部側とをヒンジ構造で連結し、ポンプの吐出口側の密着位置でポンプの吐出口の開口位置に一致する吐出孔をポンプ取付板に形成し、ポンプとのヒンジ構造が表面側に設けられたポンプ取付板の裏面側に、上記吐出孔を開閉し下流側水路からの逆流を防ぎ且つポンプの駆動による強制排水時には下流側水路に向けて開き上流側水路の水を下流側水路に排水させる開閉扉を一体的に設け、上記ポンプ取付板を上流側水路に臨むゲートの表面の一部開口されたポンプの取り付け位置にその開口周縁を覆って一体的に取り付けたことを特徴とするポンプ付ゲートにおけるポンプの着脱機構。
【請求項3】
ゲートの上流側水路の水を下流側水路に強制排出するポンプが昇降式のゲートに取り付けられたポンプ付ゲートにおいて、ポンプの上部側と該ポンプの先端側が密着するポンプ取付板の上部側とをヒンジ構造で連結し、ポンプの先端側の密着位置でポンプの先端口の開口位置に一致する流入孔をポンプ取付板に形成し、ポンプの吐出口側に該吐出口を開閉し下流側水路からの逆流を防ぎ且つポンプの駆動による強制排水時には下流側水路に向けて開き上流側水路の水を下流側水路に排水させる開閉扉を一体的に設け、上記ポンプ取付板を下流側水路に臨むゲートの表面の一部開口されたポンプの取り付け位置にその開口周縁を覆って一体的に取り付けたことを特徴とするポンプ付ゲートにおけるポンプの着脱機構。
【請求項4】
ポンプ付ゲートのポンプの昇降進路上側に管理橋を横架すると共にポンプの昇降進路上に位置する管理橋の一部を開閉自在に設けた請求項1〜請求項3に記載のポンプ付ゲートにおけるポンプの着脱機構。
【請求項5】
吐出孔を開閉し下流側水路からの逆流を防ぎ且つポンプの駆動による強制排水時には下流側水路に向けて開き上流側水路の水を下流側水路に排水させる開閉扉をゲートに内蔵したままポンプを取り外すことができる請求項1又は請求項2に記載のポンプ付ゲートにおけるポンプの着脱機構。
【請求項6】
一端がポンプに連結され、他端がポンプ取付板に連結されたポンプ固定具が設けられた請求項2に記載のポンプ付ゲートにおけるポンプの着脱機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−316646(P2006−316646A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−137929(P2005−137929)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【出願人】(000196473)西田鉄工株式会社 (9)
【Fターム(参考)】