説明

ポンプ設備

【課題】サイホンを形成するサイホン配管をポンプ吐出側に接続したポンプ設備において、制御性(操作性)、維持管理性、経済性及び信頼性を向上させたポンプ設備を提供する。
【解決手段】サイホンを形成するサイホン配管20をポンプ吐出側に接続したポンプ設備において、サイホン配管20の開口端の周囲及び端面の下方を覆う位置に、吐出水槽24より容量が小さく、且つ吐出水を開口端端面より上方からオーバフローさせる受水枠50を配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプの吐出側に接続されるサイホン配管内にサイホンを形成させて運転を行うポンプ設備に関する。
【背景技術】
【0002】
ポンプ主配管に吐出弁等の弁類を設置する必要をなくして、簡素化を図ったポンプ設備として、ポンプの吐出側に接続されるサイホン配管内にサイホンを形成させて運転を行うポンプ設備(サイホン型ポンプ設備)が知られている。
【0003】
図1は、この種の従来の一般的なポンプ設備を示す。図1に示すように、ポンプ設備は、駆動機10の駆動に伴うインペラ12の回転で吸込水槽14内の水16の揚水を行うポンプ18を備えている。ポンプ18の吐出口には、サイホン配管20の一端が接続され、サイホン配管20の開口端22は、吐出水槽24の内部に位置して、吐出水槽24内に溜められた水26の中に没するようになっている。
【0004】
サイホン配管20は、垂直に立上る立上り配管28、頂部で水平に延びる頂部配管30、及び垂直に垂下する垂下配管32を有しており、頂部配管30の頂部に、停止時にサイホン配管20の内部に空気を導入してサイホンを破壊することで、吸込水槽14側への逆流を防止するサイホンブレーカ(弁)34が設けられている。
【0005】
なお、この例では、設備を簡素化するため、ポンプ18の自己サイホン運転(一時的に実揚程がサイホン配管の略頂部となる運転)によってサイホンを形成するようにしているが、真空ポンプによりサイホン配管20内に水を満たして運転する方法も行われている。また、垂下配管32の下に下方に向けて徐々に拡がる末広管36を連結し、これによって、放流損失を少なくして、損失水頭が少なくなるようにしているが、末広管の代わりに直管を使用する場合もある。
【0006】
このポンプ設備にあっては、吸込水槽14が所定の水位に達した時等に、駆動機10を駆動することでポンプ18のインペラ12を回転させ、吸込水槽14内の水16を、サイホン配管20を通して、吐出水槽24内に揚水する。サイホン配管20におけるサイホン形成時は、サイホン形成部分の実揚程はなくなるので、その時の実揚程Haは、吐出水位と吸込水位との差になる。また、サイホン配管20におけるサイホン非形成時(形成過程時)は、サイホン配管20の上部までポンプ18によって押し上げられた水が越流していくので、その時の実揚程Hbは、サイホン配管20の頂部越流水面と吸込水位との差となる。
【0007】
また、図2に示すように、垂下配管32に曲管38の一端を連結してサイホン配管20を構成し、曲管38の他端を吐出水槽24の側壁に連結することも広く行われている。この場合、ポンプ運転時にサイホンを形成させるため、サイホン配管20の開口端22の上端レベル(▽PL)を吐出水槽24の運転時最低水位(▽LWL)より低い位置に設置して該開口端22を没水状態とする必要がある。
【0008】
従来のサイホンを形成させて運転を行うポンプ設備にあっては、主配管に弁が設けられていないため、弁によるポンプの吐出流量の制御を行うことができない。なお、回転速度制御や翼角制御を用いることで、ポンプの吐出流量を制御することができるが、このような制御手段を備えると、高価となって経済性が劣ってしまう。
【0009】
しかも、サイホン配管の開口端を吐出水槽内に没水させる必要があり、このため、配管長が長くなり、配管損失が増大して、配管費用のコストアップとともに配管損失増大に伴う駆動機の出力アップなど設備費が高価になる。また、管理運転等で、吐出水槽内の水位が低く、吐出配管が吐出水槽内に没水しない場合は、サイホン配管頂部の越流水位を吐水位とした実揚程の高い状態(サイホン配管頂部を実揚程とする)での運転となり、満足な管理運転が行えない場合がある。つまり、実揚程が高い小水量での運転となり、(1)振動が大きくなる、(2)軸流ポンプ特性では必要動力が上り燃料または電力の消費量が増える等の問題が生じる。また、振動が大きい場合には、連続運転時間にも制約が生じる(適正な連続運転による管理運転ができなくなる)。
【0010】
更に、主ポンプの吐出流によりサイホンを形成させる自己サイホン方式または真空ポンプによるサイホン配管の満水による、サイホンを形成するまでの時間が、5〜10分程度と長く、また、急激な流入を伴う排水機場においては、サイホン非形成時(形成過程時)の小水量運転時間(始動時間)により、排水が間に合わず、浸水被害を及ぼす危険性がある。更に、ポンプの故障の大半は、始動時に発生しており、信頼性の観点で好ましくない状態となっている。しかも、前述のように、ポンプの吐出流量の制御ができないため、吸込水位の低下・上昇に伴い、ポンプの停止・運転を行う必要があり、始動・停止を頻繁に行わなければならない構成となっており、信頼性を更に低下させている。
【0011】
また、自己サイホンを行うポンプ設備の場合、始動時に一時的に実揚程の高い状態での運転が要求されるため、実揚程の高い状態(小水量の状態)でストール域を有する軸流ポンプを使用できない場合がある。また、たとえ使用できたとしても、軸流ポンプの特性上、揚程の高い運転点のほうが必要軸動力が大きくなるため、駆動機の所用動力を始動時の必要動力で求めるなど、定常の排水運転以上の出力、つまり計画実揚程時におけるポンプ運転に必要な動力以上の出力を駆動機に持たせる必要がある。
【0012】
上記サイホン型ポンプ設備の有する問題点を解決するため、サイホンブレーカの全開・全閉を制御して、サイホン運転と管頂レベルを実揚程とした低水量運転の2つの運転点を制御することにより、低水量運転を行えるように構成したもの(特許文献1,2参照)が提案されている。しかし、この場合、連続的な流量制御が行えず、吸込水槽の水位一定制御等、厳密な制御への対応が難しく、現実的な運用が出来ない。また、管頂を実揚程とする運転の場合、軸流ポンプなどの高比速度ポンプにおいては、不安定な運転領域となり、通常運転に比べ振動等が大きくなる等の問題も発生する。また、高比速度ポンプにおいては、必要軸動力が大きくなる特性があり、不経済な運転となる。
【0013】
また、吐出水槽の水位に合わせ、サイホン配管の開口端を伸縮させることにより、サイホン形成を補助するようにしたもの(特許文献3参照)も提案されている。しかし、この場合、サイホン配管の開口端に複雑な機構が必要となり、弁を省略したことによる簡素化の効果が出ない構成となる。しかも、吐出水槽内は、一般にメンテナンスが行い難い部分であり、維持管理性に難がある。
【0014】
更に、ポンプを直列に接続し、サイホン形成の始動時のみ、直列運転で運転して必要な高実揚程(管頂までの実揚程)に対応させ、低揚程ポンプ(高比速度ポンプ)を採用できるように構成したもの(特許文献4参照)も提案されている。この場合、ポンプを直列に接続しているため、平常運転時に、始動用のポンプ部分(運転していないポンプ)が吸込又はサイホン配管路として構成されている。しかし、ポンプ内部は、一般に複雑な構造であるため、大きな水頭損失が発生し、従来のポンプに比べ、常用排水(サイホン形成時)において必要な全揚程が大きくなり、不経済なポンプ設備となる。また、ポンプを直列に接続し、運転を行わないポンプにおいては、運転をしていなくても回転してしまうため、運転を行うポンプと同様の維持管理が必要となり、維持管理性も悪くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平8−296579号公報
【特許文献2】特開2004−339970号公報
【特許文献3】特開2004−270474号公報
【特許文献4】特開2006−233865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、サイホンを形成するサイホン配管をポンプ吐出側に接続したポンプ設備において、制御性(操作性)、維持管理性、経済性及び信頼性を向上させたポンプ設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
請求項1に記載の発明は、サイホンを形成するサイホン配管をポンプ吐出側に接続したポンプ設備において、前記サイホン配管の開口端の周囲及び端面の下方を覆う位置に、吐出水槽より容量が小さく、且つ吐出水を前記開口端端面より上方からオーバフローさせる受水枠を配置したことを特徴とするポンプ設備である。
【0018】
これにより、吐出水槽の水位に関係なく、吐出水槽の水位がサイホン配管の開口端より下にあっても、サイホン配管内にサイホンを形成することができ、これにより、外水位が低い状態でも容易にサイホン状態での管理運転が行えるようになり、維持管理性が向上する。しかも、下向き流を上向きのオーバフロー流に変換させることにより、吐出水槽下部の洗掘を防止することができる。
【0019】
前記受水枠からオーバフローする吐出水の水位レベルを計測してポンプの吐出流量を演算する水位計を備えてもよい。
これにより、堰による越流量を計測できるため、精度良くポンプ吐出量を把握することが可能となる(堰による水量計測は、ポンプ工場試験時の吐水量計測方法として広く用いられており、JISにも規定されている精度の良い方法である)。
【0020】
請求項2に記載の発明は、前記受水枠の底面に、吐出水の流向を変化させる曲線状の流路形成面または傾斜面を設けたことを特徴とする請求項1記載のポンプ設備である。
これにより、受水枠内で水の流れが乱れることをなくし、受水枠に無理な力がかかることをなくして、振動等の悪影響を防止することができる。また、流れの向きを変え、吐出された気泡をサイホン配管の鉛直下方に停滞しないようにして、吐出された気泡を浮力により管内に戻ることなく吐出水槽内より大気にほぼ全て開放させることで、サイホンの形成時間を従来に比べ短くでき、操作性・信頼性(早期の定格排水量確保)を向上させることができる。
【0021】
請求項3に記載の発明は、前記受水枠を該受水枠のオーバフロー端が吐出側最高水位より高い位置となるように配置したことを特徴とする請求項1記載のポンプ設備である。
これにより、ポンプ停止時に受水枠内の水のみが逆流し、受水枠内の水が逆流し終わると、サイホン配管の開口端より自然に空気が入り、サイホン配管内を定常(通常のポンプ停止状態)のドライ状態にすることができるので、弁等のサイホンブレーカを不要とし、サイホンブレーク用弁の故障等による逆流・浸水の危険を回避して、信頼性を向上できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、サイホンを形成するサイホン配管をポンプ吐出側に接続したポンプ設備において、制御性(操作性)、維持管理性、経済性及び信頼性を向上させたポンプ設備を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】従来のポンプ設備を示す概要図である。
【図2】従来の他のポンプ設備の要部を示す概要図である。
【図3】他のポンプ設備の概要図である。
【図4】図3に示すポンプ設備の流量制御基本ロジックを示すフローチャートである。
【図5】図3に示すポンプ設備の更に他の流量制御基本ロジックを示すフローチャートである。
【図6】従来例における流量制御の説明に付するグラフである。
【図7】図5に示す流量制御基本ロジックにおける流量制御の説明に付するグラフである。
【図8】更に他のポンプ設備の概要図である。
【図9】図8のD方向矢視図である。
【図10】図8に示すポンプ設備の変形例を示す図9相当図である。
【図11】本発明の実施の形態のポンプ設備の概要図である。
【図12】図11に示すポンプ設備の受水枠の斜視図である。
【図13】受水枠のそれぞれ異なる例を示す斜視図である。
【図14】受水枠の更に異なる例をサイホン配管の開口部と共に示す断面図である。
【図15】図14に示す受水枠と気泡との関係を示す図である。
【図16】受水枠の更に異なる例をサイホン配管の開口部と共に示す断面図である。
【図17】本発明の他の実施の形態のポンプ設備の概要図である。
【図18】図17に示すポンプ設備の他の使用例を示す概要図である。
【図19】図17に示すポンプ設備の更に他の使用例を示す概要図である。
【図20】図19に示すポンプ設備の受水枠を示す斜視図である。
【図21】更に他のポンプ設備の概要図である。
【図22】従来のポンプ設備の要部概要図である。
【図23】更に他のポンプ設備の要部概要図である
【図24】従来の他のポンプ設備の要部概要図である。
【図25】ポンプ設備の更に他の要部概要図である。
【図26】更に他のポンプ設備の概要図である。
【図27】更に他のポンプ設備の概要図である。
【図28】起動直後からサイホン配管内の水位が上昇してゆく状態を示す図である。
【図29】更に他のポンプ設備の概要図である。
【図30】ポンプ設備の起動方法における軸動力とポンプ吐出量との関係を示すグラフである。
【図31】ポンプ設備の他の起動方法における全揚程とポンプ吐出量との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、以下の各例において、図1及び図2に示す従来例と同一または相当する部材には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0025】
図3は、更に他のポンプ設備を示す。この図3に示す例の図1に示す例と異なる点は、サイホン配管20の頂部配管30に、開閉弁からなり、開閉操作によってサイホン配管20内に空気を流入させ、サイホン配管20の頂部内に形成される空気溜り部の圧力及び容積を連続的または断続的に制御してポンプ18の吐出量を連続的に制御する流量制御弁40を設け、更に、サイホン配管20の入口付近に、ポンプ18の吐出圧力を計測する圧力計42を設けた点にある。
なお、図3に示す例においては、流量制御弁を1台で構成しているが、制御性を考慮して、流量制御弁を複数台としてもよい。
【0026】
図3に示すポンプ設備の流量制御基本ロジックを図4に示す。図4に示すように、ポンプ18を始動してサイホン形成運転を開始し、圧力計42により、ポンプ吐出圧力を計測して、サイホン配管20内にサイホンが形成されたか否かを検知する。そして、サイホン配管20内にサイホンが形成されたことを検知した後、流量制御モードをONにする。この流量制御モードONの状態において、流量または吐出圧力における現状値と目標値を比較し、流量“減”指令により、流量制御弁40を“開”にして、サイホン配管20の頂部内に形成される空気溜り部の圧力及び容積を制御し、流量“増”指令により、流量を増加させる。
なお、ポンプの定格水量まで増量させる場合は、前記流量制御弁40の閉動作により、圧力サイホンから完全サイホンに移行させて、定格水量による運転を行わせる。
【0027】
ここに、完全サイホンは、サイホン配管20内の空気が抜けた状態で、ポンプ18の吐出圧力が低くなり、サイホン形成時の全揚程(サイホン時実揚程+配管損失)で安定している状態を意味し、圧力サイホンは、サイホン配管20内の空気が完全には抜け切れていないが、ポンプ18の吐出圧力が、ほぼ完全サイホンに近い状態、つまり残留空気により、完全サイホン時の配管損失が若干大きくなっている状態を意味する。
【0028】
従来の吐出弁等を有さないサイホン設備においては、ポンプ流量を制御できず、ポンプ流量の制御を行う場合においても、サイホン形成前の管頂部での大気放流運転(高実揚程運転)と完全サイホン運転の2つの運転点による2段階制御のみで、吸込水槽14の水位一定制御を行う等の細かい制御ができなかった。
【0029】
この例によれば、(圧力)サイホン状態の時にサイホン配管20の頂部内に形成される空気溜り部の圧力及び容積を流量制御弁40で制御することにより、あたかも吐出弁による絞り制御と同様の効果を得ることが可能であり、弁制御同等の連続的な流量制御が可能となる。
【0030】
上記流量“減”指令及び流量“増”指令は、例えば、別途構成する吸込水槽水位一定制御機能から指令される指令等により構成される。この流量“減”指令及び流量“増”指令を、別途構成する吐出水槽水位制御機能(高水位による排水量制限による水量指令他)から指令される指令により構成しても良く、操作員による流量設定により構成してもよい。
【0031】
この例の場合、サイホン配管20内に空気を流入させて流量制御しているが、サイホン配管20内は、サイホン未形成時においては、ほぼ大気圧状態であり、サイホン配管20内の空気溜り部の圧力及び容積を流量制御弁40で制御することが難しい。このため、図4に示すように、一度、サイホン(完全サイホン又は圧力サイホン)を形成するか、または、サイホン配管20の頂部より越流して排水し、残留空気を連行排出する空気連行運転状態を形成したことを検知してから流量を制御することが好ましい。
【0032】
図5は、図3に示すポンプ設備の更に他の流量制御基本ロジックを示す。この例は、任意の流量設定値に対し、ポンプ制御設備内に組み込まれたポンプ特性またはポンプ並列運転特性による設定表より現状の吸込み水位に該当する目標ポンプ吐出圧力を算出し、この算出された圧力と現状の吐出圧力とを比較して、流量調整弁40の開閉制御を行うようにしている。
【0033】
すなわち、流量制御モードONの状態で、手入力または別途制御機構から出力された流量値及び吸込水槽14の水位と、ポンプ流量特性カーブデータにより、目標流量に相当するポンプ圧力値を算出する。そして、この算出された圧力(算出圧力)と現状の吐出圧力(現状吐出圧力)とを比較し、現状吐出圧力<算出圧力の時に、流量“減”指令を出して、流量制御弁40を“開”にする。一方、現状吐出圧力>算出圧力の時には、流量“増”指令を出して、流量制御弁40を“閉”にし、自己サイホン機能(空気排出運転)により、自己サイホンから完全サイホンへの移行運転を行う。現状吐出圧力と算出圧力とが等しくないときは、上記動作を繰返し、現状吐出圧力と算出圧力とが等しい(現状吐出圧力=算出圧力)時に、流量制御弁40を停止させる。
【0034】
このように、水位のフィードバック制御ではなく、流量設定によってポンプ18を制御することにより、操作性(機場操作員の判断による流量制御)を向上させることができる。しかも、特性の異なるポンプ(口径・型式・駆動機等)が複数台設置されるポンプ設備であっても、例えば、運転パターンの設定・指令を、前記ポンプ特性を組み込んだ制御設備を基に、別途運転制御機能より最も効率の良い各ポンプ流量の設定信号を出して行うことで、効率の良い運転パターンで運転させて、効率の良い排水機場の運用を行うことが可能となる。なお、運転制御機能をポンプ制御設備内に組み込んでもよい。
【0035】
つまり、従来例にあっては、図6に示すように、サイホン非形成時の実揚程における配管損失とポンプQ−H特性の交点Aと、サイホン形成時の実揚程における配管損失とポンプQ−H特性の交点Bのみの2段階の流量制御しかできなかった。この例によれば、空気量の調整でサイホン配管20内に形成される空気溜り部の絶対圧力及び容積を変化させることができ、これによって、図7に示すように、ポンプ実揚程を変化させて、ポンプ流量を、サイホン非形成時の実揚程における配管損失とポンプQ−H特性の交点Aからサイホン形成時の実揚程における配管損失とポンプQ−H特性の交点B(略A点〜B点)まで無段階に制御できる。なお、この場合、空気溜りの体積も変化するため、配管損失も若干変化する。
また、駆動機の許容出力やポンプのストール域での運転を防止するため、制御するポンプの吐出最低水量に制限(下限)を加える制御としてもよい。
【0036】
図8及び図9は、更に他のポンプ設備を示す。この例の図3に示す例と異なる点は、サイホン配管20として矩形管を使用し、このサイホン配管(矩形管)20の内部に複数(図示では3枚)の仕切り板44を縦方向に配置して、サイホン配管20の内部を複数の縦方向の流路20a〜20dに分割し、分割した各流路20a〜20dに、該各流路20a〜20dの頂部内に形成される空気溜り内の圧力及び容積を制御してポンプ18の吐出量を連続的に制御する流量制御弁40a〜40dをそれぞれ設けた点にある。
【0037】
この例によれば、サイホン配管20の内部を複数の流路20a〜20dに分割することにより、サイホン配管20内の空気溜り量を精度良く制御して、ポンプ18の流量を精度良く調整制御することができる。
【0038】
なお、図10に示すように、サイホン配管20の頂部配管30の内部のみに複数(図示では3枚)の仕切り板46を縦方向に配置して、頂部配管30の内部のみを複数の縦方向の流路30a〜30dに分割するようにしてもよい。これにより、吐出配管を安価に構成することができる。また、前記流量制御弁40にサイホンブレーク機能を持たせ、サイホンブレーカ34を省略するようにしてもよい。
【0039】
図11及び図12は、本発明の実施の形態のポンプ設備を示す。この例は、垂下配管32の下端をサイホン配管20の開口端22となし、この開口端22の周囲及び端面の下方を覆う位置に、吐出水槽24より容量が小さく、且つ吐出水を開口端22の端面より上方からオーバフローさせる受水枠50を配置し、更に、受水枠50の上方に、受水枠50からオーバフローする吐出水の水位レベルを計測してポンプ18の吐出流量を演算する水位計52を配置している。
【0040】
この例では、受水枠50として、図12に示すように、上方に開口した方形状のものを使用しているが、図13(a)に示すように、上方に開口した円形状のものを使用しても、図13(b)に示すように、上方に開口した上方に拡がる截頭四角錐状のものを使用したりしてもよく、受水枠50の形状は、任意に選択できる。
【0041】
この例によれば、吐出水槽24の水位に関係なく、つまり吐出水槽24の水位がサイホン配管20の開口端22より下でも、サイホン配管20内にサイホンを形成することができる。これにより、管理運転時など外水位が低い状態でも、容易にサイホン状態を形成することが可能となり、維持管理性が向上する。しかも、受水枠50を介して、下向き流を上向きのオーバフロー流に変換させることにより、吐出水槽24の下部の洗掘を防止することができ、特に、吐出水槽を設けることなく、吐出河川や堤防法面に直接排水する場合は、洗掘防止を特に考慮する必要があり、この例は有効である。
【0042】
この例では、受水枠50からオーバフローする吐出水の水位レベルを水位計52で計測し、この水位レベルよりオーバフロー水の越流水深hを算出し、この算出した越流水深hより、ポンプ18の吐出流量を演算するようにしている。
【0043】
ポンプの性能曲線(流量−全揚程曲線)より、吐出圧、吸込水位等からポンプの吐出流量を推測することができるが、ポンプ性能は、工場試験場のピット構造が実際の現地設置状況と同一でないため、工場試験での性能と実際の現地における性能は若干異なることが知られている。従って、性能曲線からの吐出量推測は、その推測値の精度が通常の計測器による精度に比べ悪くなる。
【0044】
この例によれば、堰による越流量を計測できるため、精度良くポンプ吐出量を把握することが可能となる(堰による水量計測は、ポンプ工場試験時の吐水量計測方法として広く用いられており、JISにも規定されている精度の良い方法である)。例えば、ポンプ吐出量Qは、四角堰の越流水量の下記の式より算出できる。
Q=C×B×h (1)
ここに、C:流量係数(受水枠等の諸構造より決まる係数)、B:越流幅、h:越流水深
【0045】
なお、図14及び図15に示すように、受水枠50の底面に、吐出水の流向を変化させる曲線状の流路形成面54aを設けるようにしてもよい。これにより、受水枠50内で水の流れが乱れることをなくし、受水枠50に無理な力がかかることをなくして、振動等の悪影響を防止することができる。なお、図16に示すように、受水枠50の底面に、吐出水の流向を変化させる傾斜面54bを設けるようにしてもよい。このような傾斜面54bは、板材によって容易に形成することができる。
【0046】
自己サイホンにおいては、サイホン配管内の空気を主ポンプの吐出水流により連行し、管外に出すことによりサイホン形成を行うことになるが、連行された気泡は浮力の影響により上向きの浮上力を有している。このため、従来例にあっては、サイホン配管の開口端から吐出された水流が鉛直下方に流れる場合、気泡は、浮力により、再びサイホン配管内に戻ろうとし、これにより、サイホンを形成するまでに必要な時間が多くかかる。
【0047】
この例によれば、吐出された水流の向きを変え、水流により連行された気泡をサイホン配管20の鉛直下方に停滞しないようにして、吐出された気泡が浮力によりサイホン配管20内に戻ることなく、受水枠50内より大気にほぼ全て開放させることで、サイホンの形成時間を従来に比べ短くして、操作性・信頼性(早期の定格排水量確保)を向上させることができる。
【0048】
なお、上記曲線状の流路形成面54aや傾斜面54b等の水流制御機構は、受水枠を有さないポンプ吐出配管開口端の下流側の吐出水槽24の内部に設けて、気泡を吐出水槽24内より効率よく大気開放するように構成してもよい。また、開口端を吐出水槽の中央部よりずらして設置し、水槽端部のハンチを利用して水流方向を変えるように構成してもよい。
【0049】
図17は、本発明の他の実施の形態のポンプ設備を示す。このポンプ設備の図11及び図12に示す例と異なる点は、サイホンブレーカ及び水位計を省略している点にある。そして、受水枠50を該受水枠50のオーバフロー端が吐出側最高水位より高い位置にとなるように配置している。
【0050】
この例は、例えば図18に概要を示すように、吐出水槽がポンプ場の近くに無く、堤防水管橋56を越えて吐出河川水58に排出する時に、大きな効果をもたらす。この例の場合、図18に示す高さh分だけ実揚程を低減できる。
【0051】
従来のサイホン設備においては、ポンプ停止時にサイホンを破壊しないと、吐出水槽や吐出河川水がサイホン配管を通してポンプ吸込水槽に(無限に)逆流してしまう。このため、ポンプ停止時にサイホン配管内に空気を流入させサイホンを破壊(サイホンブレーク)して、逆流を防止している。この例によれば、ポンプ18を停止した時の逆流は、受水枠50内の水量分のみであり、受水枠50内の水が逆流し終わると、サイホン配管20の開口端20より、自然に空気が入り、サイホン配管20内は、定常(通常のポンプ停止状態)のドライ状態になる。これによって、サイホンブレーク用の弁等を不要にできるとともに、サイホンブレーク用弁の故障等による逆流・浸水の危険を回避して、信頼性を向上できる。
【0052】
なお、図19及び図20に示すように、受水枠50を法面に設置する場合は、法面保護のため、受水枠50からの越流方向を全面ではなく、一方向のみとしても良い。また、図18及び図19に示すように、サイホン配管20は、鉛直配管だけではなく、堤防の法面に沿って傾斜する斜め配管を応用しても良い。また、サイホン配管の材質は、鋼管,鋳鉄管だけでなく、救急用の排水ポンプ車などに採用される、ホースや樹脂製のチューブでもよい。
【0053】
近年、局地的な集中豪雨により、排水を行うポンプ場に急に雨水が流入する状況が発生しており、迅速なポンプの始動(計画水量での排水)が強く求められている。サイホン型ポンプ設備においては、サイホンが形成されるまでは、計画実用ほどより揚程の高い運転状態となり、ポンプの吐出量は、計画吐出水量以下の運転になってしまう。このため、サイホンを如何に早く形成し、定格吐出水量を排水する(迅速な始動をする)ことが、排水遅れに伴う浸水被害の防止につながり、信頼性を大きく向上させることが出来る。
【0054】
図21は、更に他のポンプ設備を示す。この例は、垂下配管32の下端に曲管60を接続して、サイホン配管20の開口端、つまり曲管60の開口端から略水平に吐出水が吐出水槽24内に吐出されるようにサイホン配管20を構成し、更に水平に延びる曲管60の上面に下流側へ向けて上方に傾斜する傾斜部62を形成している。
【0055】
なお、図21においては、平面を有する板材で傾斜部62を構成しているが、湾曲面を有する部材で傾斜部62を構成してもよい。また、曲管60は略円形状の配管としてもよく、矩形管としてもよい。特に、矩形管を採用する場合は、長方形状として設計開口面積を保持したまま、開口部の上端レベルを低く設定することが可能となり、吐出側の水位が低い場合でも開口端が没水状態となり、容易にサイホンを形成することが可能となる。
【0056】
サイホン配管においては、サイホン配管の頂部で主ポンプの吐出水流に巻き込まれた空気が気泡となり吐出水槽へ連行されるが、図22に示すように、垂下配管32の下端に曲管60を接続して、略水平に吐出水が吐出水槽内に吐出されるようにサイホン配管20を構成した従来例にあっては、開口端22の近傍において、気泡が曲管60の上面に停滞し、完全にサイホンが形成するまでに時間を要してしまう。これは、開口端22の上部の流れに淀みが生じ、気泡の浮上速度に対し、連行する水流速度が十分で無いために生じている現象である。
【0057】
この例によれば、曲管60の上面に下流側へ向けて上方に傾斜する傾斜部62を形成することにより、該傾斜部62の起端を通過した気泡は、水流に関係なく、自らが持つ浮上能力により、吐出水槽24内に流出して大気に開放される。つまり、気泡が停滞することが無いため、短時間で全ての空気をサイホン配管20から排出して、始動時間を短縮することができる。
【0058】
図23は、更に他のポンプ設備の要部を示す。この例では、サイホン配管20の垂下配管32の下端に連結されて鉛直方向に配置される末広配管36の内部に旋回流発生板64を設け、この末広配管36に沿って流れる鉛直下方に向けて流れる吐出水流に、旋回流発生板64によって、遠心方向の速度成分を与えている。なお、この例では、末広配管36の内周面に板材からなる旋回流発生板64を斜めに設置して旋回流を起こすようにしているが、旋回流発生板64として、三次元板を使用して、旋回流を起こすようにしても良い。
【0059】
垂下配管32の下端に末広配管36を鉛直に連結した従来のサイホン配管20にあっては、図24に示すように、サイホン配管20の開口端22から一旦排出される気泡が、再び浮上してサイホン配管20内に残る現象が生じる。
【0060】
この例によれば、鉛直下方に向けて流れる水流に遠心方向成分を与えることにより、サイホン配管20の開口端22より排出された気泡が再び浮上してサイホン配管20内に戻る現象を無くし、気泡をスムーズにサイホン配管20から気泡を排出させて、サイホンの形成時間を短くすることができる。
【0061】
なお、図25(a)に示すように、サイホン配管20の開口端22に連なる配管として傾斜配管66を使用し、吐出水流を鉛直下方向きとしないよう構成しても良い。この場合、傾斜配管66を略鉛直方向に切断して開口端22を形成することで、下部水流の流速を保ったまま吐出水槽24に気泡を導くことが可能となり、より効果的に気泡を排出することが可能となる。つまり、図25(b)に示すように、傾斜配管66を直角に切断して開口端22aを形成した場合、開口端22aの直後(放流直後)における流速が遅くなり、開口端22aの上部に気泡が停滞しやすくなる。
【0062】
図26は、更に他のポンプ設備を示す。この例では、サイホン配管20の頂部配管30の略頂部と該頂部配管30の下流側に設置した曲管曲部の二次側、つまり垂下配管32の背面側とを連通管70で連通させ、更に垂下配管32の下端に曲管60を接続して、この曲管60の開口端がサイホン配管20の開口端22となるようにしている。
【0063】
サイホン形成過程時に越流部となる曲管の二次側は、流れが剥離する状態にあり、その部分は負圧になる。サイホンの形成時間を短くするには、如何にサイホン配管20内の空気をポンプ吐出水流とともに連行するかが大きな要因となる。この例によれば、サイホン配管20の空気が溜る頂部配管30の略頂部と、該略頂部配管30より下流側に設置された曲管曲部の二次側の負圧部となる垂下配管32の背面側とを連通管70で連通させることにより、サイホン配管20の管頂部の空気は、圧力差により自然に負圧部となる垂下配管32に取り込まれ、その後、水流に連行され、吐出水槽24から大気に開放される。これにより、従来に比べ、より効果的にサイホン配管20内の空気を連行させ、サイホンの形成時間を短くし、始動遅れの防止して、排水機場としての信頼性を向上させることができる。
【0064】
なお、例えば上記各実施の形態における各ポンプ設備に、この例の連通管70を組合せるようにしてもよいことは勿論である。
【0065】
図27は、更に他のポンプ設備を示す。この例は、ポンプ18の始動時に始動し、補助配管72を通して、吐出水をサイホン配管20の頂部配管30の略頂部より吐出させる補助ポンプ74を備えている。
【0066】
ポンプ18を起動した直後においては、サイホン配管20内の水流は、図28(a)に示すように、サイホン配管20の頂部配管30から滝状となり、サイホン配管20内の空気を、気泡としてサイホン配管20外に連行する状態となる。そして、ある程度、管内空気が排出されると、図28(b)に示すように、サイホン配管20内の水位が上昇し、図28(c)に示すように、サイホン配管20の頂部配管30の底面レベル(▽PTL)以上となると、水流(表面流)が安定し、サイホン配管20内の空気を効果的に連行できない状態となる。
【0067】
この例によれば、図28(c)に示すように、サイホン配管20内の水位がサイホン配管20の上部になった状態において、補助ポンプ74により、補助配管72を通して、サイホン配管20の頂部に吐出水を吐出させて、サイホン配管20の上部の水面を乱し、残留空気を水流に巻き込ませることにより、サイホン配管20の上部に溜っている空気を強制的にポンプ18の吐出水流に取込ませて連行させ、サイホン形成時間を短縮し、信頼性を向上させることが可能となる。
【0068】
図29は、更に他のポンプ設備を示す。この例は、ポンプ停止時にサイホンを破壊するために頂部配管30に設置されるサイホンブレーカ34の空気取入れ用配管76の開放端78を、ポンプ18を内部に設置するポンプ棟80内に位置させている。
【0069】
サイホンブレーク時は、吸入口の空気の切裂音が大きく、近隣住居に対し、悪影響を及ぼす。従来は、サイホンブレーク用のサイレンサを設けるなど対策を行っているが、非常に大きな音であるため、サイレンサ設備が非常に過大なものとなっていた。
【0070】
この例によれば、音源となる空気取入れ用配管76の開放端78をポンプ棟80内に設けることで、建屋の防音効果(壁等による減音)を利用して、サイレンサ設備を省略(又は簡素化)することが可能となり、これによって、経済性・環境性の良い設備が構成できる。
【0071】
ポンプ設備における起動方法を図30及び図31に示す。つまり、この例では、ポンプ18の起動時(自己サイホン形成運転時)に、駆動機10の過負荷耐力(許容時間内での定格出力以上の運転)内で、且つ、定格出力以上で運転を行い、サイホン形成後に定格出力で運転を行うようにしている。
【0072】
軸流ポンプ等の軸動力が右下がり特性のポンプで、自己サイホンを形成するポンプ設備では、自己サイホン形成時に必要な動力が通常運転時(計画実揚程時における運転)の必要動力より大きくなるため、この時の動力で駆動機の定格出力が決定されている。しかしながら、運転のほぼ大半であるポンプの定格水量時(通常運転時)に、そのような高出力は必要なく、設備としては非常に過大な設備で設計され、経済性の悪い設備となっている。なお、始動は、1回あたり数分単位であり、通常の運転は年間数百時間である。
【0073】
また、内燃機関や電動機などの駆動機は、定格出力以上の過負荷状態においても、有る許容時間内であれば、故障することなく運転が可能な設計となっている。この許容時間内で自己サイホン運転を完了することにより、電動機の定格を定格運転時の必要動力で設定することが可能となり、設備全体の経済性を向上することが可能となる。つまり、駆動機の出力が下がると、それに付随する電気設備や補機設備の仕様も過大なものにする必要が無く、全体的なコストダウンが図れる。
【0074】
なお、前述の始動時間短縮方法と組合せることにより、駆動機の負担を軽減することが可能となり、より効果的な設備構成とすることが可能である。
また、前述の各ポンプ設備の起動に際し、駆動機10の過負荷耐力以内で、且つ、定格回転速度以上で運転を行い、サイホン形成後に定格回転速度速度での運転を行うようにしてもよい。
【0075】
内燃機関や電動機などの駆動機は、定格回転速度以上の過負荷状態においても、有る許容時間内であれば、故障することなく運転が可能な設計となっている。サイホン形成時に、この許容時間内で、回転速度を定格回転速度以上にすることにより、自己サイホン時の吐出水量をアップさせ、空気の連行量を増大させて、始動時間を短縮することが可能となる。
【符号の説明】
【0076】
10 駆動機
12 インペラ
14 吸水水槽
18 ポンプ
20 サイホン配管
20a〜20d 流路
22 開口端
24 吐出水槽
28 立上り配管
30 頂部配管
30a〜30d 流路
32 垂下配管
34 サイホンブレーカ
36 末広管
40 流量制御弁
42 圧力計
44,46 仕切り板
50 受水枠
52 水位計
54 流路形成面
60 曲管
62 傾斜部
64 旋回流発生板
70 連通管
72 補助配管
74 補助ポンプ
76 空気取入れ用配管
78 開放端
80 ポンプ棟

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイホンを形成するサイホン配管をポンプ吐出側に接続したポンプ設備において、
前記サイホン配管の開口端の周囲及び端面の下方を覆う位置に、吐出水槽より容量が小さく、且つ吐出水を前記開口端端面より上方からオーバフローさせる受水枠を配置したことを特徴とするポンプ設備。
【請求項2】
前記受水枠の底面に、吐出水の流向を変化させる曲線状の流路形成面または傾斜面を設けたことを特徴とする請求項1記載のポンプ設備。
【請求項3】
前記受水枠を該受水枠のオーバフロー端が吐出側最高水位より高い位置となるように配置したことを特徴とする請求項1記載のポンプ設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2013−79648(P2013−79648A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−274358(P2012−274358)
【出願日】平成24年12月17日(2012.12.17)
【分割の表示】特願2008−2854(P2008−2854)の分割
【原出願日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】