説明

ポンプ

【課題】流体をポンピング(圧送)するポンプに関し、特に、ヒートポンプなどとして使用するため適した圧電型の軸ポンプを提供する。
【解決手段】管軸を画成する管状胴体1と胴体1の周囲に間隔をあけて設けられた多数の素子とを有する駆動部を備える流体ポンプに関する。各素子は信号に応答して胴体1の対応する部分を管軸と実質的に平行な方向へ膨張又は収縮させる。ポンプは、流れ経路に配置され、胴体1の選択的な膨張及び/又は収縮が押進部材3を回転させ、それによって、経路に沿って流体を押進させるように駆動部に連結された押進部材3をさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、流体をポンピング(圧送)するポンプに関し、特に、ヒートポンプなどとして使用するため適した圧電型の軸ポンプに関する。
【関連出願の参照】
【0002】
2002年10月2日に出願された、発明の名称が「Pump」である米国仮特許出願第60/415855号と、その仮特許出願第60/415855号に関して優先権を主張する2003年7月1日に出願された、「Pump」についての基礎となる米国実用新案出願第10/611306号とを参照する。
【関連技術の説明】
【0003】
本明細書における従来技術の参照は、従来技術が一般的知識の一部を形成することについての承認又は何らかの示唆ではなく、かつ、そのように解釈されるべきでない。
【0004】
現在、何万人もの患者が世界中で心不全に苦しんでいる。例えば、米国のある患者は、彼女の成人後の人生の大半に亘って心不全に苦しんでいる。25歳のときの診断で、医者は彼女の心不全の原因が遺伝的な条件であると考えた。彼女の父親は同じ病気を患い、20年以上も前に32歳で死亡した。体内に埋め込み可能であり、心臓が血液を送り出す手助けをする心臓補助装置の開発は、このような状態にある患者を助ける際に必要である。
【0005】
従来、心臓ポンプは電磁ポンプの形式で実施されている。しかし、この形式のポンプには、機器の重量がかなり重い、機器のサイズが大きい、かつ、外部磁場による影響を受ける可能性があるなどの多数の問題がある。さらに、ポンプの動作は血液に渦を発生させる可能性がある。
【0006】
したがって、心不全時に心臓が血液を体全体へ送り出す助けとなる心臓ポンプを開発することが必要である。特に、望ましくは、このポンプは、小型、軽量であり、低消費電力であり、送り出される血液中に渦を発生させることがなく、しかも、磁場のような外部要因による影響が最小限に抑えられる。
【0007】
圧電式ローテーターの一例は米国特許第6388364号に記載されている。この例では、ローテーターは、リングを回転させるために所定の方法で膨張と圧縮をするように動作する圧電部材を使用する。しかし、このような構造の性能は限られている。特に、圧電部材はリングを越えて膨張し、それによって、流体ポンピングアプリケーションにおけるこの形式のモーターの実用性を制限する。さらに、この形式のローテーターは回転トルクを発生する傾向があるので、一般的に流体ポンピングアプリケーションに不適当である。
【発明の概要】
【0008】
第1の広義の形態において、本発明は、流れ経路と、胴体軸を画成する実質的に管状である胴体及び胴体の周囲に間隔をあけて設けられ、各素子が信号に応答して胴体の対応する部分を胴体軸と実質的に平行な方向へ膨張又は収縮させる多数の素子を有する駆動部と、流れ経路に配置され、胴体の選択的な膨張及び/又は収縮が押進部材を回転させるように駆動部に連結され、それによって、使用されている流れ経路に沿って流体を押進させる押進部材と、を含む流体をポンピングする流体ポンプを提供する。
【0009】
典型的に素子は圧電素子である。素子は、典型的に、実質的に胴体の長さに沿って延びる。管状胴体は一般的に0.1m未満の直径と1m未満の長さを有する。
【0010】
胴体は、好ましくは、圧電材料から形成され、各圧電素子は管状胴体の内面に取り付けられた共通電極と、管状胴体の外面に取り付けられた個々の電極とから形成される。
【0011】
あるいは、胴体は、各圧電素子が層間に配置された共通電極と、胴体の内面に取り付けられた個々の電極の第1セット、胴体の外面に取り付けられた個々の電極の第2セットとから形成された複層の圧電材料を含めて多層圧電材料から形成される。
【0012】
各電極は0.001m未満の厚さを有する薄い金属膜から形成される。
【0013】
ポンプは一般的に、素子に連結され、電気信号を発生するようになっており、それによって、素子の選択的な膨張及び収縮を生じさせるコントローラをさらに含む。
【0014】
素子は一般的にペアとして並べられ、各ペアは円周上に対向して配置され、コントローラは、素子の一方が膨張し、もう一方の素子が収縮するように素子ペアを選択的に作動させるため信号を発生するようになっている。
【0015】
コントローラは典型的に素子ペアを順番に作動させ、それによって、円周方向の順番に素子を膨張及び収縮させるようになっている。
【0016】
ポンプは選択された周波数を有する信号を発生するようになっており、信号は180°の位相差を有する素子ペア内の各素子に供給される。
【0017】
この場合、コントローラは最大1000Vまでの入力信号を受け取るためDC電源に接続され、コントローラは1〜10000Vp−pの信号及び最大40MHzの選択された周波数を発生するようになっている。
【0018】
押進部材は一般的に、流れ経路に沿って延在するシャフト軸を画成するシャフトと、シャフトから放射状に延在するブレードとを含み、ブレードは、シャフトの回転がブレードにシャフト軸と実質的に平行な方向へ流体を押進させるように、シャフトの周りにシャフト軸に沿って延在する。ブレードは典型的にネジ山を画成するようにシャフトに沿って延在し、そのネジ山のピッチはシャフトの長さに沿って変化する。
【0019】
シャフトは実質的に管状であり、ブレードはシャフト軸へ向かって放射内方へ延在する。あるいは、シャフトは実質的に円筒状でもよく、ブレードはシャフトから放射外方へ延在する。シャフトはテーパー付きでもよい。
【0020】
押進部材は一般にシャフトを駆動部に連結するエンドキャップを含む。
【0021】
各エンドキャップは一般に実質的に円錐台状であり、60°〜70°の円錐角を有する。エンドキャップは典型的にエンドキャップが圧電素子の端部に押し付けられるようにシャフトに連結される。典型的に、少なくともエンドキャップの一方は弾性部材によってシャフトに連結され、この弾性部材はエンドキャップを圧電素子のそれぞれの端部へ押し付けるようになっている。
【0022】
この場合、弾性部材は0.005〜0.02kg/mmのバネ定数を有するスプリングでもよい。
【0023】
ポンプは血液などを送り出すため循環系に連結される。
【0024】
第2の広義の形態において、本発明は、流れ経路と、胴体軸を画成する実質的に管状である胴体、及び胴体の周囲に間隔をあけて設けられ、各素子が信号に応答して胴体の対応する部分を管軸と実質的に平行な方向へ膨張又は収縮させる多数の素子を有し、胴体の選択的な膨張及び/又は収縮が使用されている流れ経路に沿って流体を押進させるように流れ経路に設置された駆動部と、を含む流体をポンピングする流体ポンプを提供する。
【0025】
この駆動部が本発明の第1の広義の形態に関する上記の駆動部と類似していることは明らかである。
【0026】
あるいは、素子は胴体の周囲に延在するようになっていてもよく、多数の素子が胴体に沿って設けられる。
【0027】
典型的に、駆動部の内面は輪郭が設けられ、それによって、流体の押進を助けることが可能である。
【0028】
以下、発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0029】
本発明によるポンプの一実施形態がここで図1を参照して説明される。
【0030】
特に、ポンプは、2個のエンドキャップ2を介してインデューサ3に連結された管状トランスデューサ1から形成される。エンドキャップは、図示されるように、留めナット4及びスプリング5による張力を受けて保持される。
【0031】
使用中に、励起信号がトランスデューサに供給され、トランスデューサの選択的な収縮及び/又は膨張を引き起こす。トランスデューサの膨張又は収縮は、インデューサを供給された信号の制御下で回転させる振動運動をトランスデューサ端部に誘発するため使用される。インデューサは、このインデューサの回転が流体を流れ経路に沿って押進させ、それによって、ポンピング作用を提供するように構成される。
【0032】
これが実現される様態はここではトランスデューサが圧電トランスデューサである実施形態に関してより詳細に説明される。
【0033】
特に、圧電トランスデューサの一実施形態は図2により詳細に示されている。図示されるように、圧電トランスデューサ1は、内側電極1bで被われた内面及び外側電極1aで被われた外面を有する圧電管1iから形成される。外側電極1aは、管1iの外面の周囲に間隔をあけて設けられ、ギャップ1eによって分離された4個の部分に分割される。各電極部分は、図示されるように、管1iの長さに沿って延在する。
【0034】
圧電管の寸法は実際のアプリケーションに応じて選択され最適化される。しかし、典型的に、寸法は以下の範囲に収まる。外径1hは1mm〜25mmであり、内径1gは0.1mm〜24mmであり、長さ1fは5mm〜250mmである。
【0035】
所要の圧電効果を与えるために、管1iは、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、変性PZTなどのような圧電材料から形成される。好ましくは、管は、高い圧電定数d31と機械的Q値Qmを有する機械的に硬い材料から形成される。発明の名称が「Piezoelectric Tubes」である同一発明人による同時係属中の出願(2002年10月3日に出願された出願番号第60/416505号、代理人書類番号DAVI192.001PRF)に記載されたこのようなデバイスの製造方法の一例をここで説明する。
【0036】
特に、この技術は、溶剤中のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ドープトチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、BaTiO3などのような圧電セラミック粒子の懸濁の形成を伴う。典型的に、エタノール及びアセトンのような有機溶媒が使用されるが、適切であるならば、水のような代替的な溶媒を使用してもよい。ロッドが流体媒体に配置され、粒子が電気泳動を使用してロッド上に堆積される。
【0037】
堆積層は次に500℃〜1200℃の炉内で加熱することにより熱処理され、それによって、粒子層を凝固させ、ロッドを焼き払い、無傷の粒子層から形成された管が得られる。管は次に850℃〜1300℃の温度で焼結して高密度セラミック管を形成する。
【0038】
当業者によって理解されるように、管は次に冷却してから閉鎖端部が除去され、それによって、両端部が開いた中空管を形成する。
【0039】
電極1a、1bは、銀、ニッケル又は金のような様々な良導電性材料で作られる。電極1a、1bは典型的に、ブラシペイント、スクリーンプリンティング、スプレイ、スパッタ、又はその他の方法のようなコーティングプロセスによって形成される。電極1a、1bは、作業中に剥離しないように十分な粘着性が必要である。一般にこれは、好ましくは、電極1a、1bを圧電管1iと合燃焼することによって実現されるが、その他の技術を使用してもよい。
【0040】
好ましくは、電極1a、1bはできる限り薄くすべきであり、最大厚は200μmを超えない。同様に、ギャップ1eはできる限り狭くすべきであり、好ましくは、0.5mm以下である。
【0041】
当業者によって理解されるように、電極1a、1bを管1iの表面にコーティングした後、圧電トランスデューサは電場を受けて厚さ方向に沿って分極されるべきである。PZT材料又は変性PZT材料では、典型的な分極条件は、20〜120分の持続時間、及び100〜150℃の温度での2〜4kV/mmの電場の印加を含む。これはシリコーンオイル中で行われる。
【0042】
使用中に、(後で詳述される)制御システムによって発生された電気信号はワイヤー1cを使用して外側電極1aに供給される。ワイヤー1cは、分極後に導電性エポキシ樹脂などを使用して、又は分極前にワイヤーを外側電極1aに半田付けすることによって、トランスデューサに接続される。
【0043】
グランド接続ワイヤー(図示せず)はさらに同様の方法で内側電極1bに付けられる。この場合、グランドワイヤーが接続される位置は重要ではない。
【0044】
ワイヤー1cは、好ましくは、図示されるように、管1iの長さの0.23倍(すなわち、0.23×1f)に位置している結節位置1dで外側電極1aに接続される。なぜならば、後で詳述されるように、管は使用中に収縮し振動するように動作するからである。結節位置1dにおいて、収縮手順中の正味の変位、したがって、歪みは実質的に零である。よって、ワイヤーは、結節位置に配置されるならば、変位及び歪みが最小になり、ワイヤーと外側電極1aとの間の接続が過度の歪みによって破損しないことを保証する役に立つ。
【0045】
多種多様のインデューサの設計が、実施及びポンプを使用する目的のような要因に依存して、上記のトランスデューサと共に使用されることが認められる。
【0046】
オス型設計として既知であるインデューサの第1の実施形態は図3A〜3Cに表されている。本実施形態では、インデューサはシャフト3bに連結されたブレード3aから形成される。図示されるように、ブレードは、ネジ山を画成するように、シャフトから放射外方へ延在し、シャフトの円周上に、シャフトに沿って延在する。
【0047】
使用中に、シャフト3bの各端部はそれぞれのエンドキャップ2に連結され、その一実施形態が図3Bに示されている。エンドキャップ2は、例えば図3Cに示されるように、トランスデューサ胴体1i内の所定の位置にシャフトを連結、保持するために使用される。本実施形態では、留めナット4及びスプリング5は明瞭さのため省かれている。
【0048】
よって、インデューサの回転は、胴体1i内に収容された流体を、矢印7によって表されるようなシャフト3bと平行な方向へ押進させることが理解される。
【0049】
インデューサ3は、好ましくは、インデューサの長さに沿って流体の体積が変化し、その結果として、押進作用が生じるように構成される。特に、体積がインデューサの経路に沿って増加するとき、流体圧は減少し、それによって、高圧(小体積)領域から低圧(大体積)領域への流体流れが生じる。
【0050】
この圧力変化は、ピッチを増加させること、及び/又はシャフトにテーパーを付けることのいずれかによっても実現される。図3Cに表された実施形態では、ピッチが上から下へ増加し(図3からわかるようにインデューサの下部のピッチの方が大きい)、よって、本実施形態では、流体は矢印7の方向へ押進される。
【0051】
しかし、インデューサの長さに沿った体積勾配が非常に大きくなると、流れが乱れ不安定になる。よって、本実施形態では、ピッチの変化は、大きい体積変化を引き起こすために使用され、テーパー構造はインデューサに沿った圧力勾配を滑らかにするために使用される。
【0052】
一般に、流れはインデューサの回転の向きを反転させることによってどちらの方向にも生じさせることが可能である。しかし、逆方向では、流れはインデューサに沿った圧力の変化による利点が得られないので、流れの効率が下がる。
【0053】
ブレードは、好ましくは、ブレードの回転によって発生する回転力が流体に与える影響を低減するために、できる限り薄くなるように設計される。これは送り出される流体内の渦の発生を阻止する。一般に、ブレードの厚さは、0.5mm以下が好ましい。
【0054】
一般に、エンドキャップ、シャフト及びブレードはどんな材料から形成されてもよく、典型的に、機械加工又は成形によって準備される。構造の簡単さと耐久性のため、プラスチック、アルミニウム合金、ステンレス鋼などのような弾力性があり、低密度であり、耐久力のある材料を使用することが好ましい。あるいは、セラミックのような材料を使用してもよい。
【0055】
使用中に、エンドキャップとトランスデューサとの間の機械的係合は、後で詳述されるように、インデューサの回転運動を生じさせるために使用される。したがって、好ましくは、トランスデューサと接触するエンドキャップ面2aは、高い摩擦係数を有し、高度に研磨され、滑らかな接触を保証する。さらに、好ましくは、角度β(円錐角)は、エンドキャップとトランスデューサとの機械的係合を最適化するために60°〜70°である。
【0056】
しかし、インデューサの回転を確保する代替的なメカニズムを使用してもよい。そのため、例えば、エンドキャップ及びトランスデューサは、エンドキャップ面2a及びトランスデューサが輪郭によって連結されるような輪郭形状にされる。一般に、この輪郭の形状は、エンドキャップとトランスデューサとの間の係合を最適化し、それによって、エンドキャップの十分な回転を保証するために計算される。そのため、例えば、輪郭は、エンドキャップ面2a上で、又はトランスデューサ1の端部上で、鋸歯状の輪郭の形状をとり、対応する突起がトランスデューサの端部上に、又はエンドキャップ面2a上に設けられる。
【0057】
メス型設計として既知であるインデューサの第2及び第3の実施形態は図4A及び4Bに示されている。
【0058】
図4Aの実施形態では、インデューサは、円筒体3cの形状であり、ブレード3dが内部に配置されたシャフトから形成される。図示されるように、ブレード3dは、ネジ山を画成するように、円筒体から放射内方へ延在し、円筒体の周辺で、円筒体に沿って延在する。
【0059】
図4Bの実施形態では、この場合も、インデューサが、ブレード3dが内部に配置された円筒体3cを含み、ブレードは円筒体の内側に沿って螺旋を描き、ネジ山を画成する。この場合、ブレードは中心シャフト3fにも設けられ、インデューサの生産に役立つ。
【0060】
この場合も、適用される材料は、プラスチック、アルミニウム合金、ステンレス鋼、セラミックなどである。しかし、それらは、弾力性があり、低密度であり、耐久力があり、かつ、高摩擦係数であることが好ましい。すべてのコンポーネントは機械加工又は成形によって準備される。
【0061】
円筒体はテーパーを付けてもよいが、図4Bの実施形態に示されるように、このことは本質的ではない。この場合もやはり、ブレード3dは、円筒体軸と平行な方向に流体を進める圧縮力の発生に役立つように徐々に変化するピッチを有してもよい。
【0062】
図4Aに示された実施形態では、ネジ山3eは、図4Bにも示されているように、第2のエンドキャップ2がスプリング5及び留めナット4を用いて円筒体に連結されることを可能にするため設けられる。
【0063】
使用中に、スプリングは、機械的係合がエンドキャップとトランスデューサとの間でどんな時でも維持されることを保証するために使用される。一般に、0.005〜0.02kg/mmのバネ定数を有するスプリングが使用される。しかし、エンドキャップとトランスデューサとの間の係合を確保するその他の手段を使用してもよい。
【0064】
上記の実施形態において、インデューサはトランスデューサの内側に嵌め込まれる。その結果として、トランスデューサ胴体1iは流れ経路を形成するようになっており、その流れ経路に沿って流体が送り出される。しかし、あるいは、インデューサはトランスデューサの外部に設けてもよい。この実施形態は図5に示されている。
【0065】
本実施形態では、インデューサは、ブレード3hが上に取り付けられたシャフト3gから形成される。使用中に、シャフト3gはこの場合も、図示されるように、スプリング5及び留めナット4によって所定の維持に保持されたそれぞれのエンドキャップ2を使用して、トランスデューサに連結される。
【0066】
本実施形態では、トランスデューサ1及びインデューサ3は、当業者によって理解されるように、ブレード3hの回転が流体経路に沿って流体を押進させるように流れ経路6に配置される。
【0067】
次にトランスデューサの動作が図6A〜6Cを参照して詳述される。
【0068】
図6A及び6Bに示されるように、反対の電気信号が電極部分1a1、1a3に供給されるならば、これは、矢印9aによって示されるように、胴体1iを電極部分1a1の領域で膨張させる。同様に、胴体は、矢印9bによって示されるように、電極部分1a3の領域で収縮し(又は信号の極性に応じてその逆も同様であり)、図6Bに破線で示されている。同様の効果は電気信号を電極部分1a2、1a4へ供給することによって得られる。
【0069】
このことから、適切に選択された電気信号の印加は胴体1iの選択的な変形を生じさせるため使用されることが認められる。特に、4個の電極部分が設けられた本実施形態では、位相がそれぞれ90°ずれている4個の互い違いの信号を電極部分1a1、1a2、1a3、1a4に印加すると、トランスデューサに振動運動が生じ、トランスデューサの端部が実質的に円形の経路を辿る。
【0070】
よって、図6Cに示されるように、S1において、第1の正の信号が電極部分1a1に印加され、負の信号が電極部分1a3に印加され、電極部分1a2、1a4に信号は印加されない。これはトランスデューサを図6Cの右側へ曲げる。
【0071】
S2において、正の信号が電極部分1a2に印加され、負の信号が電極部分1a4に印加され、電極部分1a1、1a3に信号は印加されず、それによって、トランスデューサは紙面の方へ曲がる。
【0072】
同様にS3において、正の信号が電極部分1a3に印加され、負の信号が電極部分1a1に印加され、電極部分1a2、1a4に信号は印加されず、それによって、トランスデューサは左向きに曲がる。
【0073】
最後に、S4において、正の信号が電極部分1a4に印加され、負の信号が電極部分1a2に印加され、電極部分1a1、1a3に信号は印加されず、それによって、トランスデューサは紙面とは逆向きに曲がる。
【0074】
このような方法でトランスデューサが繰り返し変形することによって、トランスデューサの端部は回転運動で効率的に揺れる。その結果として、エンドキャップとトランスデューサとの間に、特に、その時点で膨張している電極部分(すなわち、概説された実施形態では正の信号が印加された電極部分)の領域で常に単一の接点が存在する。
【0075】
上記のように信号を順々に印加することにより、トランスデューサの接点は、トランスフォーマの端部が円形の経路を辿るときにトランスデューサ端部の周りを移動する。しかし、(摩擦的又は機械的な)エンドキャップ2とトランスデューサ1との間の係合は、矢印8によって示されるようにエンドキャップの回転を生じさせる。
【0076】
したがって、90°の位相差を有する適当な互い違いの電気信号の電極部分1a1、1a2、1a3、1a4への印加は、エンドキャップ2、すなわち、インデューサ3を回転させる。さらに、信号の周波数は、回転が起こるレートを制御し、それによって、流体が送り出されるレートを調整することが可能になる。
【0077】
電源として使用するため適した回路の一実施形態は図7に示されている。当業者によって認められるように、図7に示された回路は、位相シフタ11に連結された周波数発生器10、電流増幅器12、及び電圧ステップアップ回路13を含む。
【0078】
使用中に、周波数発生器は、当業者によって理解されるように、可変抵抗器R2を調整することによって値が設定されるある周波数を有するデジタル発振信号を発生するように動作する。
【0079】
信号は、それぞれが90°だけ分離された4個の信号を出力するために3台のD型フリップフロップを使用する位相シフタ11へ出力される。特に、これは、双安定フリップフロップとして作用するように構成され、クロック信号が受信されるたびに2個の互い違いの状態を切り替える第1のフリップフロップのためのクロック信号としての機能を果たすように周波数発生器から出力されたデジタル信号を使用することによって実現される。第1のフリップフロップのQ出力及びQ’出力は、次に、同様に双安定状態で構成された残りの2台のフリップフロップにクロックを供給するために使用される。
【0080】
よって、位相シフタは、所定の周波数を有し、互いに90°だけオフセットさせられた4個のデジタル信号を出力する。
【0081】
電流増幅器は、所定の電流を有する信号をアナログ信号へ変換するように動作し、そのアナログ信号は次に電圧セットアップへ供給される。その結果として、電圧セットアップ回路は、胴体に希望の収縮/膨張を引き起こすために十分な大きさを有し、90°ずつ分離された4個の信号を出力する。信号は次に上記のように電極部分1a1、1a2、1a3、1a4に供給される。
【0082】
本実施形態では、電源への入力は8〜20VのDC電圧である。出力振幅は、グランドに対して50〜200Vp−pであり、内側電極1bに印加される。電源は10kHzから200kHzまでの範囲の周波数を提供する。当業者によって理解されるように、その他の適当な電源を使用してもよい。
【0083】
いずれにしても、このことは、ポンプが抵抗器R2の抵抗値の適当な調整によって制御可能なレートで動作することを可能にさせることが認められる。
【0084】
上記の実施形態では、4個の電極部分1a1、1a2、1a3、1a4が示されている。しかし、それ以外の個数の電極部分を設けてもよい。トランスデューサの端部の所要の揺動運動を引き起こすためには、少なくとも3個の電極部分を有することが必要であるが、一般には、より多くの電極部分が設けられるほど、より多くのトランスデューサ端部の運動が制御される。
【0085】
一般に、電極部分をペアで並べ、それぞれのペアの各電極部分は円周上に対向して設けられることが同様に好ましい。その理由は、電極部分が、管胴体1iの対向側で圧電管に膨張と収縮を生じさせることを可能に、それによって、管の変形を最大化するからである。これは揺動運動エネルギーをインデューサ3の回転エネルギーへ効率的に移すために役立つ。
【0086】
電極部分1aに印加される信号を制御する原理は、使用される電極部分1aの個数に応じて調整される。よって、例えば、(3対の対向するペアに並べられた)6個の電極部分の場合、6個の制御信号が印加され、各信号は60°の位相差で分離される(対応するペア内の各電極部分は位相が180°分離された信号を受け取る)。
【0087】
上記に関する成果はトランスデューサが多層圧電管から形成されることであり、その一実施形態が図8に表されている。本実施形態では、複層の圧電管が表され、複層のトランスデューサは、中間電極42によって分離された第1のセラミック層40及び第2のセラミック層41を含み、内側電極43及び外側電極44がさらに設けられ、図示されるように四分円に分割される。しかし、層の数は、例えば、3層、4層、5層、6層などのように2層以外でもよい。製造プロセスは単層トランスデューサに関して説明した製造プロセスと実質的に同じである。
【0088】
したがって、圧電セラミック粒子の懸濁が電気泳動を使用してロッドに堆積される。堆積層は、外面がプラチナペーストのような金属ペーストの一様な層で覆われる前に完全に乾燥される。第2の層の堆積は第2のセラミック層を生成するために実行される。
【0089】
堆積層は500℃〜1200℃の炉内で加熱することにより熱処理され、それによって、粒子層を凝固させ、ロッドを焼き払い、無傷の粒子層から管が形成される。管は次に850℃〜1300℃の温度で焼結して高密度セラミック管を形成する。
【0090】
当業者によって理解されるように、管は次に冷却してから閉鎖端部が除去され、それによって、両端部が開いた中空管を形成する。
【0091】
使用中に、中間電極42はグランドとして使用され、正の信号と負の信号が内側電極43と外側電極44のそれぞれの四分円に供給される。したがって、これは付加的な制御信号を必要とする。しかし、これはトランスデューサによって得られる曲げ変位を増加させ、インデューサの回転速度を増加させることが認められる。
【0092】
これらの技術は、N(ここで、N≧2)層の多層を有する多層管にさらに適用される。この場合、管は上記の方法と同様の方法で製造され、当業者によって認められるように、付加的な各層はそれぞれの中間電極に堆積され、N層を有する管に対して、N−1個の中間電極が存在し、付加的な内側電極及び外側電極が設けられる。以下で説明するこのような管の製造は、(2002年10月3日に第60/416505号、代理人書類番号DAVI192.001PRFとして出願された)「Piezoelectric Tubes」という名称である本発明人の同時係属中の出願に記載されている。
【0093】
多層管は、トランスデューサによって得られる曲げ変位をさらに増加させるために使用され、インデューサの回転速度をさらに増加させることが認められる。
【0094】
さらなる成果は、図2に示されたトランスデューサ管がエンドキャップ2、インデューサ3、留めナット4、及びスプリング5を用いることなく使用できることである。この場合、管胴体1iの揺動運動だけが内部に設けられた流体の運動を引き起こすために使用される。特に、トランスデューサ胴体1iの選択的な収縮及び/又は膨張を生じさせるため供給された励起信号の印加は流体運動を引き起こす。
【0095】
流体の運動の方向は、一般に、管端部の回転的な振動の周波数、収縮及び圧縮の形などの要因に依存する。
【0096】
これを補助するために、管胴体1iの内面は、流体の運動の誘発を助けるように輪郭が形成される。よって、例えば、管胴体i1の内面は、表面から放射内方へ延在し、螺旋状に管の長さに沿って延在する(図4Aのインデューサに設けられたブレード3dに類似した)ブレードが設けられる。
【0097】
最後に、電極部分は円周方向に並べられ、蠕動に類似した方法で管の長さに沿って管の直径が一連の収縮又は膨張を行うことによって流体流れが誘発されることを可能にする。
【0098】
使用中に、上記のポンプ組立体は、送り出される流体を含む流れ経路に連結される。これは典型的には、例えば、図9に表されるように、トランスデューサ1及びインデューサ3を含むポンプ組立体17の全体を、送り出されるべき流体16を収容するパイプ15に配置することによって実現される。
【0099】
適当な電場の印加は、そのとき、パイプ内を流れるように流体を進めるために使用される。流体は、回転中の軸流インデューサによって発生される引力又は押力が原因となって管状トランスデューサの内側を通過する。
【0100】
当業者によって認められるように、多数のポンプが、例えば、図10に示されるようにポンプを並列に並べることによって、又は例えば、図11に示されるように、ポンプを直列に並べることによって単一の流れ経路に設けられる。
【0101】
したがって、上記のシステムは、強誘電性材料の圧電効果を使用して流体を軸方向に送り出す軸流ポンプを提供する。このシステムは、非常に簡単な構造に流体の送出のための優れたトルクと回転速度を提供する。その上、このシステムは、流体を進めるための比較的緩やかな圧力変化を有するので、生体医用アプリケーションのための優れた選択肢である。
【0102】
特に、アプリケーションのうちの一つは、心室、すなわち、心臓のポンピングチャンバのポンピング性能を補助するために使用される心臓補助装置である血液ポンプとして使用される。
【0103】
この点に関して、上記のポンプは、ポンプが血液に最小限の渦しか生じさせないので多数の利点がある。このポンプはさらに圧電式に駆動されるので、磁場は発生せず、消費電力が少ない。したがって、このポンプは外部磁場による影響が最小限に抑えられ、外部要因による故障の危険性を大部分除去する。
【0104】
ポンプの寸法は実用上の要件に応じて拡大縮小される。注意すべき点は、ポンプの寸法が従来の電磁ポンプより著しく縮小されることである。
【0105】
よって、上記の本発明の実施形態は、簡単であり、軽量であり、かつ、容易に製造することができる軸流ポンプを提供する。
【0106】
しかし、上記の技術は、圧電効果を使用しない代替的なトランスデューサを使用して実施することも可能であることが認められる。特に、適当な信号の印加の下で膨張又は収縮を誘発され得る材料はどれでも概説された振動運動を実行する能力を備えた管状トランスデューサを作り、それによって、インデューサに回転運動を生じさせるために使用される。
【0107】
よって、例えば、管は、弾力性があるが、しかし、可撓性のある材料であって、円周方向に間隔があけられた領域で管の長さに沿って延在するマッスルワイヤーが設けられた材料から形成される。この場合、マッスルワイヤーへの電流の印加はワイヤーを収縮させ、それによって、管の所要の変形を生じさせる。この場合、膨張が可能ではないため、この技術は上記の技術より少し効率が悪い。しかし、同時に電流を印加する領域は一つだけでよく、制御システムの実施の際に役立つ。
【0108】
上記のポンプは医用分野以外に多数のアプリケーションが認められる。よって、水中ポンプを必要とする一般的な産業上のアプリケーションはこの形式のポンプの使用によって著しい利益を得る。
【0109】
さらに、このポンプの高信頼性は、例えば、宇宙アプリケーション又は深海アプリケーションにおいて、保守が問題となる環境での使用にポンプを理想的なものにする。最後に、このポンプは、低コストであるので、例えば、飲料産業における流体のポンピングのような簡単なアプリケーションに使用できる。
【0110】
当業者は、種々の変形及び変更が明白になることを認める。当業者に明白になるこのような変形及び変更のすべては、上述された本発明が広い意味で現れる精神と範囲に含まれることが考慮されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明によるポンプの概略図である。
【図2】圧電トランスデューサの一実施形態の概略図である。
【図3A】オス型軸インデューサの一実施形態の断面図である。
【図3B】図3Aのインデューサと共に使用するエンドキャップの断面図である。
【図3C】図2のトランスデューサに連結された図3Aのインデューサの断面図である。
【図4A】メス型軸インデューサの第1の実施形態の断面図である。
【図4B】図2のトランスデューサに連結されたメス型軸インデューサの第2の実施形態の断面図である。
【図5】図2のトランスデューサに連結された外部インデューサの一実施形態の断面図である。
【図6A】図2のトランスデューサの電極の平面図である。
【図6B】図2のトランスデューサの変形の概略図である。
【図6C】図2のトランスデューサの変形を表すシーケンス図である。
【図7】図2のトランスデューサの動作を制御するコントローラの回路図である。
【図8】トランスデューサが多層圧電管から形成される実施形態を示す図である。
【図9】使用中の図1のポンプの一実施形態の概略図である。
【図10】並列に使用されている図1の2台のポンプの概略図である。
【図11】直列に使用されている図1の2台のポンプの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体をポンピングする流体ポンプであって、
(a)流れ経路と、
(b)駆動部と、を含み、前記駆動部が、
(i)胴体軸を画成する実質的に管状である胴体と、
(ii)胴体の周囲に間隔をあけて設けられ、各素子が信号に応答して前記胴体の対応する部分を前記胴体軸と実質的に平行な方向へ膨張又は収縮させる多数の素子と、
(iii)前記流れ経路に配置された押進部材であって、前記胴体の選択的な膨張及び/又は収縮がこの押進部材を回転させるように前記駆動部に連結され、それによって、使用されている前記流れ経路に沿って流体を押進させる押進部材と、を有する、流体ポンプ。
【請求項2】
前記素子が圧電素子である、請求項1に記載の流体ポンプ。
【請求項3】
前記胴体が単層、多層、及び複層からなる群より選択された圧電材料から形成される、請求項1又は2に記載の流体ポンプ。
【請求項4】
各圧電素子が、(a)前記胴体の内面に取り付けられた共通電極と、(b)前記胴体の外面に取り付けられた個々の電極と、から形成される、請求項2又は請求項2に従属するときの請求項3に記載のポンプ。
【請求項5】
前記胴体が多層と複層の一方であり、
各圧電素子が、(a)前記層間に配置された共通電極と、(b)前記胴体の内面に取り付けられた個々の電極の第1セットと、(c)前記胴体の外面に取り付けられた個々の電極の第2セットと、から形成される、請求項2に従属するときの請求項3に記載のポンプ。
【請求項6】
各電極が0.001m未満の厚さを有する薄い金属膜から形成される、請求項4又は5に記載のポンプ。
【請求項7】
前記素子が実質的に前記胴体の長さに沿って延在する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項8】
前記胴体が0.1m未満の直径と1m未満の長さを有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項9】
前記素子に連結されたコントローラをさらに含み、前記コントローラが電気信号を発生するようになっており、それによって、前記素子の選択的な膨張及び収縮を生じさせる、請求項1〜8のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項10】
前記素子がペアとして並べられ、各ペアが円周上に対向して配置され、前記コントローラが、前記素子の一方が膨張し、もう一方の素子が収縮するように素子ペアを選択的に作動させるため電気信号を発生するようになっている、請求項9に記載のポンプ。
【請求項11】
前記コントローラが各素子ペアを順番に作動させ、それによって、前記素子を円周方向の順番に膨張及び収縮させるようになっている、請求項10に記載のポンプ。
【請求項12】
前記コントローラが選択された周波数を有する信号を発生するようになっており、前記信号が180°の位相差を有する前記素子ペア内の各素子に供給される、請求項10に記載のポンプ。
【請求項13】
前記コントローラが最大1000Vまでの入力信号を受け取るためDC電源に接続され、前記コントローラが1〜10000Vp−pの信号及び最大40MHzの選択された周波数を発生するようになっている、請求項12に記載のポンプ。
【請求項14】
前記押進部材が、(a)前記流れ経路に沿って延在するシャフト軸を画成するシャフトと、(b)前記シャフトから放射状に延在するブレードであって、前記シャフトの回転がこのブレードに前記シャフト軸と実質的に平行な方向へ流体を押進させるように、前記シャフトの周りで前記シャフト軸に沿って延在するブレードと、を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項15】
前記ブレードがネジ山を画成するように前記シャフトに沿って延在し、前記ネジ山のピッチが前記シャフトの長さに沿って変化する、請求項14に記載のポンプ。
【請求項16】
前記ブレードが前記シャフト軸へ向かって放射内方へ延在し、前記シャフトが、実質的に管状と実質的に円筒状のうちの一方である、請求項14又は15に記載のポンプ。
【請求項17】
前記シャフトがテーパー付きである、請求項16に記載のポンプ。
【請求項18】
前記押進部材が前記シャフトを前記駆動部に連結するエンドキャップをさらに含む、請求項14に記載のポンプ。
【請求項19】
各エンドキャップが60°〜70°の円錐角を有する実質的に円錐台状である、請求項18に記載のポンプ。
【請求項20】
前記エンドキャップが、前記エンドキャップが前記圧電素子の端部に押し付けられるように前記シャフトに連結される、請求項18又は19に記載のポンプ。
【請求項21】
前記エンドキャップの少なくとも一方が弾性部材によって前記シャフトに連結され、前記弾性部材が前記エンドキャップを前記圧電素子のそれぞれの端部へ押し付けるようになっている、請求項18又は19に記載のポンプ。
【請求項22】
前記弾性部材が0.005〜0.02kg/mmのバネ定数を有するスプリングである、請求項21に記載のポンプ。
【請求項23】
血液を送り出すため循環系に連結されるようになっている請求項1〜22のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項24】
流体をポンピングする流体ポンプであって、
(a)流れ経路と、
(b)駆動部と、を含み、前記駆動部が、
(i)胴体軸を画成する実質的に管状である胴体と、
(ii)前記胴体の周囲に間隔をあけて設けられ、各素子が信号に応答して前記胴体の対応する部分を管軸と実質的に平行な方向へ膨張又は収縮させる多数の素子とを有し、前記胴体の選択的な膨張及び/又は収縮が使用されている前記流れ経路に沿って流体を押進させるように前記流れ経路に設置される、流体ポンプ。
【請求項25】
前記素子が圧電素子である、請求項24に記載の流体ポンプ。
【請求項26】
前記胴体が単層、多層、及び複層からなる群より選択された圧電材料から形成される、請求項24又は25に記載の流体ポンプ。
【請求項27】
前記圧電素子が多層と複層の一方であり、
各圧電素子が、(a)前記層間に配置された共通電極と、(b)前記胴体の内面に取り付けられた個々の電極の第1セットと、(c)前記胴体の外面に取り付けられた個々の電極の第2セットと、から形成される、請求項25に従属するときの請求項26に記載のポンプ。
【請求項28】
各圧電素子が、(a)前記胴体の内面に取り付けられた共通電極と、(b)前記胴体の外面に取り付けられた個々の電極と、から形成される、請求項25に従属するときの請求項26若しくは27、又は請求項25に記載のポンプ。
【請求項29】
各電極が0.001m未満の厚さを有する薄い金属膜から形成される、請求項27又は28に記載のポンプ。
【請求項30】
前記素子が実質的に前記胴体の長さに沿って延在する、請求項24〜29のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項31】
前記胴体が0.1m未満の直径と1m未満の長さを有する、請求項24〜30のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項32】
前記素子に連結されたコントローラをさらに含み、前記コントローラが電気信号を発生するようになっており、それによって、前記素子の選択的な膨張及び収縮を生じさせる、請求項24〜31のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項33】
前記素子がペアとして並べられ、各ペアが円周上に対向して配置され、前記コントローラが、前記素子の一方が膨張し、もう一方の素子が収縮するように素子ペアを選択的に作動させるため電気信号を発生するようになっている、請求項32に記載のポンプ。
【請求項34】
前記コントローラが各素子ペアを順番に作動させ、それによって、前記素子を円周方向の順番に膨張及び収縮させるようになっている、請求項33に記載のポンプ。
【請求項35】
前記コントローラが選択された周波数を有する信号を発生するようになっており、前記信号が180°の位相差を有する前記素子ペア内の各素子に供給される、請求項33に記載のポンプ。
【請求項36】
前記コントローラが最大1000Vまでの入力信号を受け取るためDC電源に接続され、前記コントローラが1〜10000Vp−pの信号及び最大40MHzの選択された周波数を発生するようになっている、請求項35に記載のポンプ。


【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−21607(P2011−21607A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−181421(P2010−181421)
【出願日】平成22年8月13日(2010.8.13)
【分割の表示】特願2006−518598(P2006−518598)の分割
【原出願日】平成16年2月12日(2004.2.12)
【出願人】(506076891)ナンヤン テクノロジカル ユニヴァーシティー (14)
【Fターム(参考)】