説明

ポータブルナビゲーション装置

【課題】ナビゲーション装置が備える加速度センサを撮像処理に活用することによって、ナビゲーション装置に安価に撮像機能を付与することを可能にしたポータブルナビゲーション装置を実現する。
【解決手段】ポータブルナビゲーション装置1がナビゲーション機能用に備える加速度センサ51によって検出されたポータブルナビゲーション装置1に作用する加速度に基づいて、カメラ機能用に備える撮像部8により被写体を撮像する際に手振れに関する補正処理を実行することと、ポータブルナビゲーション装置1に作用する加速度が所定の加速度以上である場合に、ポータブルナビゲーション装置1の電源をオフに切り替えることを可能にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポータブルナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走行中の車両の揺れや加速度を加速度センサによって検出するとともに、その車両の走行方向前方をカメラで撮像して、その撮像した映像を、車両が右左折することや加減速することが視認可能となる表示形態で表示装置に表示することによって、車中の乗員が車両の走行状況を認識し、予め車両の揺れなどの挙動を把握することを可能にして、その車両に対する乗員の乗り心地を向上させる乗り心地向上装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、走行中の車両の振動を加速度センサによって検出したり、カメラで撮像した路面の凹凸状態を判断したりすることにより、その車両に振動や衝撃が作用しないタイミングに記録媒体であるHDDにアクセスし、データの読み出しや書き込みを行うように制御することによって、HDDや磁気ヘッドの損傷を防止するナビゲーション装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
また、走行中の車両の振動を加速度センサで検出し、その振動の検出結果に基づいて、表示部への画像の表示を制御することによって、振動による画像の視認性の劣化を低減するナビゲーション装置が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
【特許文献1】特開2006−35980号公報
【特許文献2】特開2005−331331号公報
【特許文献3】特開2005−148503号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の場合、撮像された映像は車両の走行に合わせてリアルタイムに表示するためのものであるので、乗り心地向上装置が撮像した映像や画像を記録媒体などに記録して後日に再生することはなかった。
【0006】
また、特許文献2の場合、撮像された映像は車両が走行する路面の凹凸状態を判断するためのものであるので、ナビゲーション装置が撮像した映像や画像を記録媒体などに記録して後日に再生することはなかった。
また、このナビゲーション装置が備えるカメラは、車両前方の路面状況を検出するためのものであるため、ナビゲーション装置を車外に持ち出して、任意の撮影を行うことはできなかった。
【0007】
また、上記特許文献3の場合、ナビゲーション装置の表示部に画像を好適に表示することはできるが、ナビゲーション装置が映像や画像を撮像することはなかった。
【0008】
本発明の目的は、ナビゲーション装置が備える加速度センサを撮像処理に活用することによって、ナビゲーション装置に安価に撮像機能を付与することを可能にしたポータブルナビゲーション装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
道路地図と各種画像が表示される表示手段と、車両の現在位置の特定に利用する加速度を検出する加速度センサと、を備え、前記車両に着脱可能に設置されるポータブルナビゲーション装置であって、
前記加速度センサによって検出された前記ポータブルナビゲーション装置に作用する加速度に基づき、そのポータブルナビゲーション装置が設置された前記車両の現在位置を特定する車両位置特定制御手段と、
任意の被写体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段による撮像の際に、前記加速度センサによって検出された前記ポータブルナビゲーション装置に作用する加速度に基づき、手振れに関する補正処理を実行する手振れ補正制御手段と、
前記撮像手段により撮像された画像を、前記道路地図に対応付けて記憶する画像記憶手段と、
前記加速度センサによって検出された前記ポータブルナビゲーション装置に作用する加速度が、所定の加速度以上であるか否かを判断する加速度判断手段と、
前記加速度判断手段によって、所定の加速度以上の加速度が前記ポータブルナビゲーション装置に作用すると判断された場合に、前記ポータブルナビゲーション装置の電源をオフに切り替える電源切替制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、
道路地図と各種画像が表示される表示手段と、車両の現在位置の特定に利用する加速度を検出する加速度センサと、を備え、前記車両に着脱可能に設置されるポータブルナビゲーション装置であって、
前記加速度センサによって検出された前記ポータブルナビゲーション装置に作用する加速度に基づき、そのポータブルナビゲーション装置が設置された前記車両の現在位置を特定する車両位置特定制御手段と、
任意の被写体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段による撮像の際に、前記加速度センサによって検出された前記ポータブルナビゲーション装置に作用する加速度に基づき、手振れに関する補正処理を実行する手振れ補正制御手段と、
前記加速度センサによって検出された前記ポータブルナビゲーション装置に作用する加速度が、所定の加速度以上であるか否かを判断する加速度判断手段と、
前記加速度判断手段によって、所定の加速度以上の加速度が前記ポータブルナビゲーション装置に作用すると判断された場合に、前記ポータブルナビゲーション装置の電源をオフに切り替える電源切替制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のポータブルナビゲーション装置において、
前記撮像手段により撮像された画像を、前記道路地図に対応付けて記憶する画像記憶手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、ポータブルナビゲーション装置は、加速度センサによって検出されたポータブルナビゲーション装置に作用する加速度に基づき、そのポータブルナビゲーション装置が設置された車両の現在位置を特定するナビゲーション機能を有している。
特に、ポータブルナビゲーション装置は、任意の被写体を撮像する撮像手段を備えるとともに、加速度センサによって検出されたポータブルナビゲーション装置に作用する加速度に基づき、その撮像手段による撮像の際に手振れに関する補正処理を実行することができる。
更に、ポータブルナビゲーション装置は、加速度センサによって検出されたポータブルナビゲーション装置に作用する加速度が、所定の加速度以上である場合に、ポータブルナビゲーション装置の電源をオフに切り替えることができる。
【0013】
つまり、ポータブルナビゲーション装置は、加速度センサによって検出されたポータブルナビゲーション装置に作用する加速度を利用することによって、ナビゲーション機能に加えて、撮像機能であるカメラの手振れ補正機能と、緊急時や異常時の電源オフ機能とを有することができるようになり、ポータブルナビゲーション装置の多機能化を図ることが可能になっている。
特に、加速度センサをナビゲーション機能と撮像機能に共用することによって、撮像機能用の加速度センサを新たに加える必要がなく、安価にポータブルナビゲーション装置に撮像機能を付与することができる。
また、ポータブルナビゲーション装置は、ナビゲーション装置に不可欠な構成である各種画像を表示可能な表示手段を備えており、この表示手段を撮像手段(カメラ)のファインダーやモニターとして利用することが可能なので、より安価にポータブルナビゲーション装置に撮像機能を付与することが可能になる。
【0014】
また、ポータブルナビゲーション装置は、撮像手段により撮像された画像を道路地図に対応付けて画像記憶手段に記憶することができるので、ユーザが撮像した画像と道路地図とを対応付けたオリジナルマップやパーソナルマップを作成することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、ポータブルナビゲーション装置は、加速度センサによって検出されたポータブルナビゲーション装置に作用する加速度に基づき、そのポータブルナビゲーション装置が設置された車両の現在位置を特定するナビゲーション機能を有している。
特に、ポータブルナビゲーション装置は、任意の被写体を撮像する撮像手段を備えるとともに、加速度センサによって検出されたポータブルナビゲーション装置に作用する加速度に基づき、その撮像手段による撮像の際に手振れに関する補正処理を実行することができる。
更に、ポータブルナビゲーション装置は、加速度センサによって検出されたポータブルナビゲーション装置に作用する加速度が、所定の加速度以上である場合に、ポータブルナビゲーション装置の電源をオフに切り替えることができる。
【0016】
つまり、ポータブルナビゲーション装置は、加速度センサによって検出されたポータブルナビゲーション装置に作用する加速度を利用することによって、ナビゲーション機能に加えて、撮像機能であるカメラの手振れ補正機能と、緊急時や異常時の電源オフ機能とを有することができるようになり、ポータブルナビゲーション装置の多機能化を図ることが可能になっている。
特に、加速度センサをナビゲーション機能と撮像機能に共用することによって、撮像機能用の加速度センサを新たに加える必要がなく、安価にポータブルナビゲーション装置に撮像機能を付与することができる。
また、ポータブルナビゲーション装置は、ナビゲーション装置に不可欠な構成である各種画像を表示可能な表示手段を備えており、この表示手段を撮像手段(カメラ)のファインダーやモニターとして利用することが可能なので、より安価にポータブルナビゲーション装置に撮像機能を付与することが可能になる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、ポータブルナビゲーション装置は、撮像手段により撮像された画像を道路地図に対応付けて画像記憶手段に記憶することができるので、ポータブルナビゲーション装置は、ユーザが撮像した画像と道路地図とを対応付けたオリジナルマップやパーソナルマップを作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明に係るポータブルナビゲーション装置について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
なお、ポータブルナビゲーション装置は、自動車などの車両に着脱可能に設置されて、このポータブルナビゲーション装置が搭載された車両の現在位置を地図上に示したり、目的地までの経路を表示したりする装置である。
【0019】
ポータブルナビゲーション装置1は、図1に示すように、道路地図や各種操作ボタンが表示される表示手段としての表示パネル2と、表示パネル2に表示される操作ボタンに対する入力を受け付ける入力手段であるタッチセンサ3と、を有するタッチパネル4と、車両の現在位置を検出する現在地検出部5と、地図データなどが記録された記録媒体であるDVDが装填されるディスクドライブ6と、表示パネル2に表示する画面データが格納されている画像メモリ7と、撮像手段としての撮像部8と、撮像部8が撮像した画像を記憶する画像記憶手段としての外部記憶装置9と、当該ポータブルナビゲーション装置1が車両に搭載されているか否かを検知する着脱センサ20と、装置の各部を統括制御する制御部10等を備えている。
【0020】
タッチパネル4は、液晶パネルなどの表示パネル2の表示画面上にタッチセンサ3が設けられてなる表示/入力デバイスである。
表示パネル2には、道路地図が表示されるとともに、その道路地図上に重ねるように各種操作ボタンが表示されるようになっている。この表示パネル2に表示された操作ボタンに対する入力や操作を受け付ける入力有効領域が、その操作ボタンに対応付けられてタッチセンサ3に割り当てられて設定されるようになっている。
そして、タッチパネル4において、表示パネル2に表示される各種操作ボタンをタッチ操作することにより、例えば、電磁誘導式、磁気歪式、感圧式等の位置読み取り原理で、タッチセンサ3がタッチ指示された位置を検出し、検出した位置(入力有効領域)に応じた操作ボタンに対する入力が行われるようになっている。その入力された操作信号をタッチパネル4が制御部10に出力する。
【0021】
また、タッチパネル4の表示パネル2には、撮像部8のファインダーが捕えた任意の被写体の画像や、撮像部8により撮像されて外部記憶装置9に記録された画像データに基づく画像が表示される。
【0022】
現在地検出部5は、車両の現在地を検出するためのセンサとして、車両の進行方位や加速度を検出する加速度センサ51と、GPS衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ52とを備えている。
この現在地検出部5が、加速度センサ51、GPSセンサ52によって検出した各種検出データを制御部10に出力することにより、車両の現在位置が特定されるようになっている。
なお、ポータブルナビゲーション装置1が、その車両から取り外されて車外に持ち出されている場合には、現在地検出部5のGPSセンサ52によって検出されるGPS信号に基づき、ポータブルナビゲーション装置1の現在位置、つまり、ポータブルナビゲーション装置1を携帯しているユーザの現在位置が特定されるようになっている。
【0023】
ディスクドライブ6は、ディスクドライブ6内に装填されたDVDから、タッチパネル4(表示パネル2)に道路地図を表示するための地図データを読み出し、制御部10に出力する。
【0024】
画像メモリ7は、タッチパネル4(表示パネル2)に表示するための各種画面データを格納している。この画面データは、道路地図描画用データや各種操作ボタン描画用データなどの図形データからなり、ディスクドライブ6によって読み込まれるDVDに記憶された地図データなどと複合し所定の処理を施すことによって、道路地図や操作ボタンの画像を適宜生成するためのデータである。
【0025】
撮像部8は、例えば、レンズや絞りなどの光学部材と、その光学部材によって被写体像が結像されるCCD型イメージセンサなどの撮像素子と、その撮像素子に結像された画像の画像データを取り込むために操作するシャッターボタンなどを有している。
この撮像部8のファインダーが捕えた被写体の画像であって、撮像部8の撮像素子に結像された被写体の画像は、タッチパネル4の表示パネル2に表示されるので、表示パネル2に表示される画像をユーザが確認してシャッターボタンを押すことによって、所望する被写体を撮影し、撮像した被写体の画像を保存することが可能になっている。
【0026】
外部記憶装置9は、例えば、不揮発性のいわゆるフラッシュメモリであり、撮像部8により撮像された被写体の画像を記憶する。
特に、外部記憶装置9は、撮像部8により撮像された画像を、撮像した場所に応じた道路地図に対応付けて記憶する。具体的には、外部記憶装置9に記憶される画像の画像データに、現在地検出部5のGPSセンサ52によって検出されたGPS信号に基づく緯度/経度データが対応付けられることによって、外部記憶装置9は、その画像データを道路地図における撮像地点に対応付けて記憶する。
この外部記憶装置9が記憶した画像データに基づく被写体の画像は、タッチパネル4の表示パネル2に表示されるので、これまでに撮像して保存した画像を確認することが可能になっている。
また、この外部記憶装置9が記憶した画像データを所定のプリンタ装置に出力することによって、その画像データに基づく被写体の画像を印刷することが可能になっている。
【0027】
着脱センサ20は、ポータブルナビゲーション装置1が車両に搭載されているか否かを検知するセンサであり、例えば、接触式センサや、光センサなどの非接触センサを適用することができる。
この着脱センサ20は、車両の所定位置にポータブルナビゲーション装置1が搭載されて設置されていることを検知した搭載信号と、ポータブルナビゲーション装置1が車両の所定位置から取り外されていることを検知した取外信号を、それぞれ制御部10に出力する。
【0028】
制御部10は、各種の処理や制御を実行するCPU11と、各種の処理や制御を実行するためのプログラムや各種の処理や制御に要するデータが格納されたROM12と、各種データを格納して各種処理の作業領域となるRAM13等を備えている。
【0029】
CPU11は、タッチパネル4を介して入力される操作信号や、現在地検出部5から入力される各種検出データ等に応じて、ROM12に格納されているナビゲーション装置用の各種制御プログラムや各種データに従って装置各部の処理を集中制御し、その処理結果をRAM13内のワークエリアに格納するとともに、タッチパネル4(表示パネル2)に表示する。また、CPU11は、ROM12に格納されているカメラ用の各種制御プログラムや各種データに従って装置各部の処理を集中制御し、撮像部8によって撮像した被写体の画像を外部記憶装置9に記憶する。
ROM12には、ポータブルナビゲーション装置1の制御プログラムや制御データ、各種画面の表示や表示切替に関するデータなどが格納されて記憶されている。また、ROM12には、ポータブルナビゲーション装置1をデジタルカメラとして用いる際のカメラ用の制御プログラムや制御データが記憶されている。
RAM13には、種々のワークメモリやカウンタなどが設けられており、入力されたり検出されたりしたデータの処理中のワークエリアとして使用される。
【0030】
そして、制御部10は、画像メモリ7に記憶さている画面データ(図形データ)と、ディスクドライブ6によって読み出されたDVDに記憶された地図データとに基づき、道路地図の画像を作成して、その道路地図をタッチパネル4(表示パネル2)に表示する制御を実行する。
【0031】
また、制御部10は、現在地検出部5によって検出された車両の現在位置に関する検出データに基づき、ナビゲーション装置1が搭載されている車両の現在地を特定する制御を実行する。
つまり、制御部10は、GPSセンサ52によって検出されたGPS信号に基づいて、そのポータブルナビゲーション装置1の現在位置や、ポータブルナビゲーション装置1が設置された車両が走行する現在位置を特定する制御を実行する。
また、制御部10は、加速度センサ51によって検出されたポータブルナビゲーション装置1に作用する加速度に基づき、そのポータブルナビゲーション装置1が設置された車両が走行する現在位置を特定する車両位置特定制御手段として機能する。
具体的には、車両位置特定制御手段としての制御部10は、加速度センサ51によって検出された加速度の大きさや方向に基づいて、ポータブルナビゲーション装置1が設置された車両が、既に検出された位置(移動前の位置)からどの方向にどの程度移動したかを判定して、その移動先である現在位置を特定するようになっている。特に、このポータブルナビゲーション装置1に作用する加速度に基づいて、ポータブルナビゲーション装置1の移動量や移動方向を推定して、その現在位置を特定する手法は、GPSセンサ52によってGPS信号を検出することができない状態において有効に機能する。
なお、通常は、GPSセンサ52と加速度センサ51のそれぞれの検出データに基づいて検出されるそれぞれの現在位置情報を互いに補完するようにして、車両の現在位置を特定するようになっている。
【0032】
また、制御部10は、特定されたポータブルナビゲーション装置1の現在位置や、そのポータブルナビゲーション装置1が設置された車両が走行する現在位置を、タッチパネル4(表示パネル2)に表示される道路地図上に表示する制御を実行する。
【0033】
また、制御部10は、着脱センサ20により搭載信号が検知されると、ポータブルナビゲーション装置1は車両に搭載されているものと判断し、ポータブルナビゲーション装置1をナビゲーションモードで動作させる制御を実行する。
また、制御部10は、着脱センサ20により取外信号が検知されると、ポータブルナビゲーション装置1は車両から取り外されているものと判断し、ポータブルナビゲーション装置1をカメラモードで動作させる制御を実行する。
【0034】
また、制御部10は、撮像部8の撮像素子に結像された被写体の画像であって、ユーザが撮像部8のシャッターボタンを押したタイミングの画像に関する画像データを外部記憶装置9に記憶して保存する制御を実行する。
特に、制御部10は、その画像データを道路地図における撮像地点に対応付けて外部記憶装置9に記憶させる制御を実行する。
【0035】
また、制御部10は、撮像部8による撮像の際に、加速度センサ51によって検出されたポータブルナビゲーション装置1に作用する加速度に基づき、手振れに関する補正処理を実行する手振れ補正制御手段として機能する。
つまり、手振れ補正制御手段としての制御部10は、カメラモードで動作するポータブルナビゲーション装置1において、加速度センサ51がポータブルナビゲーション装置1に作用する加速度を検出した場合に、撮像部8によって良好な画像、つまり手振れのない画像を撮像することができるように、手振れに関する補正処理を実行する。
この手振れに関する補正処理には、加速度センサ51によって検出した加速度に基づいて手振れの方向を検知して、撮像部8の光学部材や撮像素子を手振れとは逆方向に動かすことによって、手振れを打ち消す光学式手振れ補正と、加速度センサ51によって検出した加速度に基づいて手振れの方向を検知して、フレームや被写体の動きを分析するようにして画像補正を行う電子式手振れ補正とがある。
なお、撮像部8による撮像の際の手振れ補正に関する技術は従来公知のものと同様であるので、ここでは詳述しない。
【0036】
また、制御部10は、加速度センサ51によって検出されたポータブルナビゲーション装置1に作用する加速度が、所定の加速度以上であるか否かを判断する加速度判断手段として機能する。
具体的には、加速度判断手段としての制御部10は、例えば、加速度センサ51によって検出されたポータブルナビゲーション装置1に作用する加速度が、所定の加速度である衝突時加速度や落下時加速度以上であるか否かを判断する制御を実行する。
なお、衝突時加速度とは、ポータブルナビゲーション装置1が搭載された車両が事故などに関わり、その車両が他車や壁などの障害物に衝突した際に作用する加速度の判断基準となる値であって、予め設定された値でROM12に記憶されている。
また、落下時加速度とは、車両から取り外して持ち運んでいるポータブルナビゲーション装置1を落としてしまった際に作用する加速度の判断基準となる値であって、予め設定された値でROM12に記憶されている。
【0037】
また、制御部10は、加速度判断手段としての制御部10によって、所定の加速度以上の加速度がポータブルナビゲーション装置1に作用すると判断された場合に、ポータブルナビゲーション装置1の電源をオフに切り替える電源切替制御手段として機能する。
具体的には、加速度判断手段としての制御部10が、ナビゲーションモードのポータブルナビゲーション装置1に衝突時加速度が作用したと判断すると、ポータブルナビゲーション装置1の電源をオフに切り替える制御を実行する。
また、加速度判断手段としての制御部10が、カメラモードのポータブルナビゲーション装置1に落下時加速度が作用したと判断すると、ポータブルナビゲーション装置1の電源をオフに切り替える制御を実行する。
【0038】
なお、ポータブルナビゲーション装置1のナビゲーション装置としての詳細な構成や、一般的な処理や動作(例えば、現在地から目的地までのルート探索や、探索されたルートの表示など)は、従来公知のものと同様であるので、ここでは詳述しない。
【0039】
次に、ポータブルナビゲーション装置1において、加速度センサ51によって検出されたポータブルナビゲーション装置1に作用する加速度が異常な値である場合に、ポータブルナビゲーション装置1の電源をオフに切り替える処理について、図2に示すフローチャートに基づき説明する。
【0040】
まず、ポータブルナビゲーション装置1の制御部10は、ポータブルナビゲーション装置1が車両の所定位置に搭載されているか否かを判断する(ステップS101)。
制御部10が、着脱センサ20により検知された搭載信号に基づき、ポータブルナビゲーション装置1が車両の所定位置に搭載されて設置されていると判断すると(ステップS101;Yes)、ステップS102に移行して、ポータブルナビゲーション装置1をナビゲーションモードで動作させる。
一方、制御部10が、着脱センサ20により検知された取外信号に基づき、ポータブルナビゲーション装置1が車両から取り外されていると判断すると(ステップS101;No)、ステップS106に移行して、ポータブルナビゲーション装置1をカメラモードで動作させる。
【0041】
ステップS102において、ナビゲーションモードで動作するポータブルナビゲーション装置1は、加速度センサ51によってポータブルナビゲーション装置1に作用する加速度を検出する(ステップS102)。
次いで、制御部10は、検出された加速度が衝突時加速度以上であるか否かを判断する(ステップS103)。
【0042】
制御部10が、加速度センサ51によって検出された加速度が衝突時加速度以上でないと判断すると(ステップS103;No)、制御部10は、その検出された加速度に基づき、そのポータブルナビゲーション装置1が設置された車両が走行する車両位置を検出して、その車両の現在位置を特定する(ステップS104)。なお、ポータブルナビゲーション装置1は、GPSセンサ52により検出されるGPS信号も利用して、より正確に車両の現在位置を特定するようになっている。
そして、ステップS104において、制御部10が特定した車両の現在位置をタッチパネル4の表示パネル2に表示させるなどポータブルナビゲーション装置1に反映させて、ステップS101に戻る。
【0043】
一方、制御部10が、加速度センサ51によって検出された加速度が衝突時加速度以上であると判断すると(ステップS103;Yes)、制御部10は、ポータブルナビゲーション装置1が破損する可能性のある衝撃が作用するものと判断し、ポータブルナビゲーション装置1の電源をオフに切り替えて(ステップS105)、ポータブルナビゲーション装置1の動作を終了させる。
【0044】
また、ステップS106において、カメラモードで動作するポータブルナビゲーション装置1は、加速度センサ51によってポータブルナビゲーション装置1に作用する加速度を検出する(ステップS106)。
次いで、制御部10は、検出された加速度が落下時加速度以上であるか否かを判断する(ステップS107)。
【0045】
制御部10が、加速度センサ51によって検出された加速度が落下時加速度以上でないと判断すると(ステップS107;No)、制御部10は、その検出された加速度に基づき、そのポータブルナビゲーション装置1の撮像部8によって被写体を撮像する際の手振れ補正処理を実行し(ステップS108)、ステップS101に戻る。
【0046】
一方、制御部10が、加速度センサ51によって検出された加速度が落下時加速度以上であると判断すると(ステップS107;Yes)、制御部10は、ポータブルナビゲーション装置1が破損する可能性のある衝撃が作用するものと判断し、ポータブルナビゲーション装置1の電源をオフに切り替えて(ステップS105)、ポータブルナビゲーション装置1の動作を終了させる。
【0047】
このように、本発明に係るポータブルナビゲーション装置1は、車両の現在位置を特定するためにその車両の加速度を検出する加速度センサ51を備えているので、この加速度センサ51が検出したポータブルナビゲーション装置1に作用する加速度を、カメラの手振れ補正機能の一部として利用することによって、このポータブルナビゲーション装置1に安価に撮像機能を付与することができる。
つまり、ポータブルナビゲーション装置1は、ナビゲーション機能に不可欠な構成である加速度センサ51を備えているため、このポータブルナビゲーション装置1に撮像機能を付与する場合に、光学部材や撮像素子からなる撮像部8を構成に加えて、カメラ用の制御プログラムを組み込むことにより加速度センサ51によって検出した加速度をカメラの手振れ補正機能の一部として利用することを可能にすることで、加速度センサ51をナビゲーション機能とカメラ機能に共用することができるので、カメラ機能用の加速度センサを新たに加える必要がなく、安価にポータブルナビゲーション装置1に撮像機能を付与することができる。
また、ポータブルナビゲーション装置1は、ナビゲーション装置に不可欠な構成である各種画像を表示可能な表示パネル2(タッチパネル4)を備えており、この表示パネル2をカメラのファインダーやモニターとして利用することができるので、より安価にポータブルナビゲーション装置1に撮像機能を付与することが可能になる。
【0048】
また、このポータブルナビゲーション装置1は、加速度センサ51が検出したポータブルナビゲーション装置1に作用する加速度が所定の加速度(衝突時加速度、落下時加速度)以上である場合に、ポータブルナビゲーション装置1が破損する可能性のある衝撃が作用するものと判断し、ポータブルナビゲーション装置1の電源をオフに切り替えて、ポータブルナビゲーション装置1の動作を終了させることができるので、その衝撃によってポータブルナビゲーション装置1が破損してしまうダメージを最小限にすることが可能になる。
これは、ポータブルナビゲーション装置1が通電中であって装置の各部が動作中に、そのポータブルナビゲーション装置1に衝撃が作用して破損が生じる場合に比べて、ポータブルナビゲーション装置1の電源がオフに切り替えられて装置の各部が動作停止中に、そのポータブルナビゲーション装置1に衝撃が作用して破損が生じる場合の方が、その装置の各部に作用するダメージを少なくして、その破損の程度を抑えることができるためである。
【0049】
このように、ポータブルナビゲーション装置1が備える加速度センサ51によって検出された加速度を利用することによって、ポータブルナビゲーション装置1はナビゲーション機能に加えて、撮像機能(カメラ機能における手振れ補正機能)と、緊急時の電源オフによる装置保護機能とを有することができるようになり、ポータブルナビゲーション装置1の多機能化を図ることができる。
【0050】
また、ポータブルナビゲーション装置1は、撮像部8で撮像した画像の画像データを道路地図における撮像地点に対応付けて外部記憶装置9に記憶させることができるので、ユーザが撮像した画像と道路地図とを対応付けたオリジナルマップやパーソナルマップを作成することができる。
【0051】
なお、以上の実施の形態においては、加速度センサ51によって検出したポータブルナビゲーション装置1に作用する加速度に基づき、車両の位置検出、手振れ補正処理、緊急時電源オフ、の3つの機能をポータブルナビゲーション装置1に付与することについて説明したが、加速度センサ51によって検出した加速度を利用する技術はこれに限定されるものではなく、例えば、車両に搭載されたポータブルナビゲーション装置1がユーザの意に反して取り外される際の振動などを、加速度センサ51が検出した際に警告音を発するセキュリティ機能をポータブルナビゲーション装置1に付与し、盗難防止に役立てるようにしてもよい。
【0052】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係るポータブルナビゲーション装置を示すブロック図である。
【図2】ポータブルナビゲーション装置において電源がオフに切り替えられる処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
1 ポータブルナビゲーション装置
2 表示パネル(表示手段)
3 タッチセンサ
4 タッチパネル
5 現在地検出部
51 加速度センサ
52 GPSセンサ
6 ディスクドライブ
7 画像メモリ
8 撮像部(撮像手段)
9 外部記憶装置(画像記憶手段)
10 制御部(車両位置特定制御手段、補正制御手段、加速度判断手段、電源切替制御手段)
11 CPU
12 ROM
13 RAM
20 着脱センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路地図と各種画像が表示される表示手段と、車両の現在位置の特定に利用する加速度を検出する加速度センサと、を備え、前記車両に着脱可能に設置されるポータブルナビゲーション装置であって、
前記加速度センサによって検出された前記ポータブルナビゲーション装置に作用する加速度に基づき、そのポータブルナビゲーション装置が設置された前記車両の現在位置を特定する車両位置特定制御手段と、
任意の被写体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段による撮像の際に、前記加速度センサによって検出された前記ポータブルナビゲーション装置に作用する加速度に基づき、手振れに関する補正処理を実行する手振れ補正制御手段と、
前記撮像手段により撮像された画像を、前記道路地図に対応付けて記憶する画像記憶手段と、
前記加速度センサによって検出された前記ポータブルナビゲーション装置に作用する加速度が、所定の加速度以上であるか否かを判断する加速度判断手段と、
前記加速度判断手段によって、所定の加速度以上の加速度が前記ポータブルナビゲーション装置に作用すると判断された場合に、前記ポータブルナビゲーション装置の電源をオフに切り替える電源切替制御手段と、
を備えることを特徴とするポータブルナビゲーション装置。
【請求項2】
道路地図と各種画像が表示される表示手段と、車両の現在位置の特定に利用する加速度を検出する加速度センサと、を備え、前記車両に着脱可能に設置されるポータブルナビゲーション装置であって、
前記加速度センサによって検出された前記ポータブルナビゲーション装置に作用する加速度に基づき、そのポータブルナビゲーション装置が設置された前記車両の現在位置を特定する車両位置特定制御手段と、
任意の被写体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段による撮像の際に、前記加速度センサによって検出された前記ポータブルナビゲーション装置に作用する加速度に基づき、手振れに関する補正処理を実行する手振れ補正制御手段と、
前記加速度センサによって検出された前記ポータブルナビゲーション装置に作用する加速度が、所定の加速度以上であるか否かを判断する加速度判断手段と、
前記加速度判断手段によって、所定の加速度以上の加速度が前記ポータブルナビゲーション装置に作用すると判断された場合に、前記ポータブルナビゲーション装置の電源をオフに切り替える電源切替制御手段と、
を備えることを特徴とするポータブルナビゲーション装置。
【請求項3】
前記撮像手段により撮像された画像を、前記道路地図に対応付けて記憶する画像記憶手段を備えることを特徴とする請求項2に記載のポータブルナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−49951(P2008−49951A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−230476(P2006−230476)
【出願日】平成18年8月28日(2006.8.28)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】