説明

ポータブル型ナビゲーション装置

【課題】ポータブル型ナビゲーション装置の利便性を向上させる。
【解決手段】被写体の画像を撮像する静止画撮影カメラ部10で撮像された画像、静止画記録部20に記録された画像及び地図を表示可能な静止画及び地図表示部46を共用するとともに、ポータブル型ナビゲーション装置1の筐体100に、静止画撮影カメラ部10、静止画記録部20等を有するスチルカメラを格納した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はポータブル型ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に着脱可能なポータブル型ナビゲーション装置が知られている(下記特許文献参照)。
【0003】
ポータブル型ナビゲーション装置は地図情報を表示する地図表示部を有し、例えば地理不案内な地域の道路を走行する際の目的地までの経路探索に利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2697961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年デジタルカメラ(撮像手段)も普及し、ポータブル型ナビゲーション装置とは用途が異なるが、レジャー・旅行等で地理不案内な地域に出かけた際の撮影に使用されている。
【0006】
デジタルカメラにはGPSによる撮影位置の測定が可能なものもあるが、撮影した静止画に位置測定情報を関連付けて記録することができるだけであり、地図上に静止画撮影位置を表示することはできなかった。
【0007】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ポータブル型ナビゲーション装置の利便性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため請求項1記載の発明は、被写体の画像を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像された前記被写体の画像データの画像処理を行う画像処理手段と、前記画像データを記録する画像記録手段と、前記撮像手段で撮像された画像及び前記画像記録手段に記録された画像を表示可能な表示手段とを備えることを特徴とするポータブル型ナビゲーション装置である。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のポータブル型ナビゲーション装置において、現在位置を解析する位置解析手段と、前記表示手段に表示される地図情報を格納した地図情報格納手段とを備え、前記画像処理手段は、前記撮像手段で撮像された前記被写体の画像に前記位置解析手段で取得した撮影時の位置情報を付加して前記画像記録手段に記録させ、前記位置情報を前記地図情報に関連付け、前記地図上に前記被写体の画像を撮影時の位置に対応付けて前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項2記載のポータブル型ナビゲーション装置において、前記地図情報格納手段から読み出した前記地図情報と前記位置解析手段で解析された前記現在位置情報とに基づいて経路を探索する経路探索処理手段と、時刻情報を取得する時計手段と、前記経路探索処理手段で探索された経路情報と前記時計手段で取得された時刻情報と前記位置情報とを記録する経路情報及び時刻情報記録手段とを備えていることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載のポータブル型ナビゲーション装置において、近接無線送受信手段を内蔵した携帯端末を介して渋滞情報を提供する渋滞情報提供サービスに接続可能な装置側近接無線送受信手段を備えていることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項4記載のポータブル型ナビゲーション装置において、前記装置側近接無線通信送受信手段は、前記携帯端末を介して静止画データベースサービス及びインターネット静止画プリントサービスの少なくとも一方に接続可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明によればポータブル型ナビゲーション装置の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1はこの発明の実施形態に係るポータブル型ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2はポータブル型ナビゲーション装置の使用方法の一例を説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1はこの発明の第1実施形態に係るポータブル型ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【0017】
ポータブル型ナビゲーション装置1は、被写体の画像を撮像する静止画撮影カメラ部(撮像手段)10と、静止画撮影カメラ部10で撮像された被写体の画像データを記録する静止画記録部(画像記録手段)20と、被写体の画像データの画像処理を行う静止画処理部(画像処理手段)30と、静止画撮影カメラ部10で撮像した被写体の静止画(画像)、静止画記録部20に記録された静止画及び地図情報格納部60に記録された地図を表示する液晶パネル等の静止画及び地図表示部(表示手段)46と、現在地を解析する測位部(位置解析手段)50と、静止画及び地図表示部46に表示される地図情報を格納した地図情報格納部(地図情報格納手段)60と、地図情報格納部60から読み出した地図情報に基づいて経路を探索する経路探索等処理部(経路探索処理手段)70と、通過時刻等の時刻情報を取得する時計部(時計手段)80と、経路探索等処理部70で探索された経路情報と時計部80で取得された時刻情報とを記録する経路情報及び時刻情報記録部(経路情報及び時刻情報記録手段)90とを備えている。
【0018】
静止画及び地図表示部46は、静止画処理部30からの画像データと経路探索等処理部70からの地図情報とを記憶し、地図上に経路に静止画を組み合わせて表示させるための表示処理部45を有する。
【0019】
静止画撮影カメラ部10は、図示しないが、例えばレンズや絞り等の光学部材と、光学部材によって被写体像が結像されるCCD型イメージセンサ等の撮像素子と、撮像素子に結像された静止画の画像データを取り込むためのシャッタボタン等とで構成される。
【0020】
静止画記録部20は例えば不揮発性のフラッシュメモリである。静止画処理部30が測位部50のGPSセンサによって検出されたGPS信号に基づいて静止画撮影カメラ部10で撮像された静止画と、この静止画を撮像したときの位置データ(緯度・経度データ)とを対応付け、静止画記録部20にその画像データを記録させる。
【0021】
静止画撮影カメラ部10と静止画記録部20と静止画処理部30と静止画及び地図表示部46とでデジタルスチルカメラが構成される。
【0022】
測位部50は例えば進行方向や加速度を検出する加速度センサとGPS衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサとで構成される。加速度センサ、GPSセンサによって検出されたデータを静止画処理部30、経路探索等処理部70に出力することにより現在位置を特定することができる。
【0023】
静止画撮影カメラ部10、静止画記録部20、静止画処理部30、静止画及び地図表示部46、測位部50、地図情報格納部60、経路探索等処理部70、時計部80及び経路情報及び時刻情報記録部90は筐体100内に収容されている。
【0024】
静止画処理部30は静止画撮影カメラ部10で撮像された被写体の画像データの補間、圧縮処理等を行い、静止画記録部20に記録された被写体の画像データの伸張処理等を行う。
【0025】
ポータブル型ナビゲーション装置1は、上記のような構成であり、例えば以下のように使用される。
【0026】
例えば車両で移動中、ポータブル型ナビゲーション装置1を車両に装着し、ナビゲーション機能を使用して目的地までの経路を探索する。目的地に到着後(又は車両が走行できない場所まで来たとき)、車両からポータブル型ナビゲーション装置1を取り外して携帯する。そして、希少な風景が展開されるような場所等でデジタルスチルカメラ機能を使用して静止画を取得する。静止画撮影カメラ部10のファインダ(図示せず)が捕らえた被写体の静止画であって、静止画撮影カメラ部10の撮像素子に結像された被写体の静止画は静止画及び地図表示部46に表示されるので、静止画及び地図表示部46に表示される静止画をユーザが見てシャッタボタン(図示せず)を押すことによって、所望の被写体を撮影し、撮影した被写体を静止画記録部20に記録することができる。
【0027】
なお、ポータブル型ナビゲーション装置1が車両から取り外されて車外に持ち出された場合、測位部50のGPSセンサによって検出されるGPS信号に基づいて、ポータブル型ナビゲーション装置1の現在位置、すなわちポータブル型ナビゲーション装置1を携帯しているユーザの現在位置が特定される。
【0028】
ユーザは静止画記録部20に記録された静止画を、静止画及び地図表示部46に表示させることができるので、記録されたすべての静止画を確認することができる。また、静止画記録部20に記録された画像データを図示しないプリンタ装置に出力したり、静止画記録部20に記録された画像データを図示しないパソコンを使用して画像データをインターネット静止画プリントサービス500(図2参照)に送信したりすることによって、その画像データに基づく被写体の静止画を印刷することができる。
【0029】
また、静止画及び地図表示部46に表示された地図上に撮影地に対応して被写体の静止画を同時に表示させることができる。
【0030】
この実施形態によれば、ポータブル型ナビゲーション装置1の筐体100にスチルカメラが格納されているので、ポータブル型ナビゲーション装置の利便性を向上させることができる。また、ポータブル型ナビゲーション装置とデジタルカメラとの両方を携帯しなくてよいので、旅行等に行ったときに休憩等の際にいずれかを置き忘れてしまうおそれもない。更に、ナビゲーション装置に不可欠な構成である各種画像や地図を表示する静止画及び地図表示部46を備えており、この静止画及び地図表示部46をスチルカメラのファインダや表示パネルとして利用することが可能であるので、単にスチルカメラをポータブルナビゲーション装置に組み込んだ場合に比べて製造コストを低減することができる。また、静止画及び地図表示部46に表示される地図上に撮影時の位置に対応付けて被写体の静止画が表示されるので、ユーザが撮像した静止画と道路地図とが組み合わされたオリジナルの地図を作成することができる。
【0031】
図2はポータブル型ナビゲーション装置1の使用方法の一例を説明するための概念図である。なお、第1実施形態と共通する部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0032】
この実施形態はポータブル型ナビゲーション装置1の筐体100内に近接無線通信送受信部(装置側近接無線通信送受信手段)101が格納され、画像データ等のデータを他の装置(インターネット静止画プリントサービス500等)と通信できるようにした点で第1実施形態と相違する。
【0033】
携帯電話(携帯端末)200は、ポータブル型ナビゲーション装置1の近接無線通信送受信部101と相互に無線通信可能な近接無線通信送受信部(近接無線通信送受信手段)201とを備えている。携帯電話200は、渋滞情報サーバーサービス300に接続されている。そのため、ポータブル型ナビゲーション装置1のユーザは無線で最新の渋滞情報を得ることができる。なお、ポータブル型ナビゲーション装置1と無線通信できる携帯電話200を限定し、不正利用やデータ漏洩を防ぐため、例えばポータブル型ナビゲーション装置1から送信されるユーザ情報から登録ユーザであるか否かを認証する機能を携帯電話200に持たせるのが好ましい。
【0034】
また、ポータブル型ナビゲーション装置1に近接無線通信送受信機101を設けることによって、静止画記録部20に記録した画像データを携帯電話200を介して静止画データベースサービス400、インターネット静止画プリントサービス500に送信することができる。そのため、撮影枚数が多く、スチルカメラ側で静止画記録部20の容量上の制約から画像データの記録が困難になった場合であっても、携帯電話200経由で静止画データベースサービス400に画像データを蓄積させることによって静止画記録部20の容量不足を解消することができる。また、外出先で撮影した画像データを、例えば外出先から自宅に戻る途中にあるインターネット静止画プリントサービス500を提供する店舗に予め送信しておけば、ユーザは外出先からの帰りにその店舗に立ち寄って写真(画像データをプリント処理したもの)を受け取ることができるため、改めてインターネット静止画プリントサービス500に出かけたりする等の時間や手間を省くことができる。
【0035】
また、ポータブル型ナビゲーション装置1による経路案内中に地図情報格納部60から測位部50で測定された位置に関する地図情報を呼び出すとともに、目的地に近づくに伴って地図情報だけでなく時計部80から読み出した通過時刻情報を通過情報として経路情報及び時刻情報記録部90に記録する。そのため、区間平均時間や立ち寄り地での休憩時間を把握できるようになり、後から旅行を振り返ったときの感動を一層高めることができる。
【0036】
この実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、ポータブル型ナビゲーション装置1に近接無線通信送受信部101を設け、携帯電話200と通信可能としたので、ポータブル型ナビゲーション装置1の使い勝手がより向上する。
【0037】
なお、旅行等に出かけた際にポータブル型ナビゲーション装置1で渋滞情報を得るとき、通信契約と費用とが二重になったり、ポータブル型ナビゲーション装置1と携帯電話等の外部通信機とを有線接続する必要がない。
【符号の説明】
【0038】
1: ポータブル型ナビゲーション装置、10:静止画撮影カメラ部(撮像手段)、20:静止画記録部(画像記録手段)、30:静止画処理部(画像処理手段)、46:静止画及び地図表示部(表示手段)、50:測位部(位置解析手段)、60:地図情報格納部(地図情報格納手段)、70:経路探索等処理部(経路探索処理手段)、80:時計部(時計手段)、90:経路情報及び時刻情報記録部(経路情報及び時刻情報記録手段)、100:筐体、101:近接無線通信送受信部(装置側近接無線通信送受信手段)、200:携帯電話(携帯端末)、201:近接無線送受信手段部(近接無線送受信手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段で撮像された前記被写体の画像データの画像処理を行う画像処理手段と、
前記画像データを記録する画像記録手段と、
前記撮像手段で撮像された画像及び前記画像記録手段に記録された画像を表示可能な表示手段と
を備えることを特徴とするポータブル型ナビゲーション装置。
【請求項2】
現在位置を解析する位置解析手段と、前記表示手段に表示される地図情報を格納した地図情報格納手段とを備え、
前記画像処理手段は、前記撮像手段で撮像された前記被写体の画像に前記位置解析手段で取得した撮影時の位置情報を付加して前記画像記録手段に記録させ、前記位置情報を前記地図情報に関連付け、前記地図上に前記被写体の画像を撮影時の位置に対応付けて前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1記載のポータブル型ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記地図情報格納手段から読み出した前記地図情報と前記位置解析手段で解析された前記現在位置情報とに基づいて経路を探索する経路探索処理手段と、
時刻情報を取得する時計手段と、
前記経路探索処理手段で探索された経路情報と前記時計手段で取得された時刻情報と前記位置情報とを記録する経路情報及び時刻情報記録手段と
を備えていることを特徴とする請求項2記載のポータブル型ナビゲーション装置。
【請求項4】
近接無線送受信手段を内蔵した携帯端末を介して渋滞情報を提供する渋滞情報提供サービスに接続可能な装置側近接無線送受信手段を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のポータブル型ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記装置側近接無線通信送受信手段は、前記携帯端末を介して静止画データベースサービス及びインターネット静止画プリントサービスの少なくとも一方に接続可能であることを特徴とする請求項4記載のポータブル型ナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−286294(P2010−286294A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−138855(P2009−138855)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】