説明

ポータブル音楽機器、電源制御方法、および、プログラム

【課題】 電源制御装置、ポータブル音楽機器、電源制御方法、および、プログラムを提供する。
【解決手段】
ポータブル音楽機器100が、音楽データの再生中に、ポータブル音楽機器100に接続された外部機器の電源がオフにされた場合において、ポータブル音楽機器100の再生を所定の期間一時停止する。さらに、ポータブル音楽機器100は、所定の期間経過後、ポータブル音楽機器100の電源316もオフにすることができる。これにより、ポータブル音楽機器100の充電電池305の無駄な消費を防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポータブル音楽機器、電源制御方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクドライブ(以下、HDDという)は、大容量のデータを記憶することが可能であり、また、記憶されたデータへの高速アクセスが可能である。このため、パーソナルコンピュータ等の外部機器では、HDDが外部記憶装置として重要な役割を果たしている。また、最近では、このようなHDDの利点を生かして、AV機器等の分野においても、HDDが映像データや音楽データ等を記憶する大容量記憶装置として利用され始めている。
【0003】
また、最近では、パーソナルコンピュータ等の外部機器のモバイル化に伴って、自由に持ち運びができる携帯型のHDDも提案されている。さらに、この携帯型のHDDをAV機器等の分野に適応して、例えば、HDD内蔵のポータブルオーディオプレイヤー等の、自由に持ち運びが出来る携帯型のポータブル音楽機器が、特許文献1に開示されている。
【0004】
この特許文献1に開示されているポータブル音楽機器によれば、ポータブル音楽機器を本体電子機器(外部機器)等に接続でき、ユーザは、この外部機器からポータブル音楽機器に内蔵されるHDDに記憶された音楽データの再生や一時停止等の指示を出すことができる。
【特許文献1】特開平11−120681号公報
【0005】
しかし、上記ポータブル音楽機器では、例えば、外部機器に接続した状態で音楽データを再生中に、この外部機器の電源をオフにしても、ポータブル音楽機器は充電電池等から電力を供給して、再生を続ける。よって、ポータブル音楽機器の充電電池の充電は無くなり、いざ、ユーザが屋外で使用したい時に、使用できないといった状況等が起こり不便であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、ポータブル音楽機器を外部機器に接続した状態で音楽データを再生中または一時停止の時に、外部機器の状態により、ポータブル音楽機器の電源のオフを制御できるようにし、充電電池を無駄に消費しないポータブル音楽機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るポータブル音楽機器は、
外部機器に接続され、音楽信号を該外部機器に供給するポータブル音楽機器であって、
楽曲データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された楽曲データを再生する再生手段と、
前記外部機器から供給される制御信号の状態を検出する制御信号検出手段と、
前記再生手段が楽曲データを再生中に、前記制御信号検出手段が前記制御信号の所定の状態を検出したときに、前記再生手段による再生を停止させる停止手段と、
動作電源の供給を停止する電源停止手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
また、上記ポータブル音楽機器において、
前記制御信号の所定の状態は、再生と停止をサイクリックに切り替えることを示す信号の状態である、
ようにしてもよい。
【0009】
さらに、上記ポータブル音楽機器において、
前記停止手段は、前記制御信号検出手段が前記制御信号が所定の状態にあることを所定時間連続して検出したとき、前記再生手段による再生を停止させる、
ようにしてもよい。
【0010】
また、上記ポータブル音楽機器において、
前記所定の制御信号の状態は、制御信号の供給が停止された状態である、
ようにしてもよい。
【0011】
さらに、上記ポータブル音楽機器において、
前記制御信号の供給が停止された状態は、前記外部機器の電源オフ若しくは外部機器における当該ポータブル音楽機器の選択状態の解除によってなる状態である、
ようにしてもよい。
【0012】
また、上記ポータブル音楽機器において、
前記停止手段による停止動作の継続時間を計時する計時手段と、
前記計時手段が所定の時間を計時すると、前記電源停止手段により動作電源の供給を停止する、
ようにしてもよい。
【0013】
さらに、上記ポータブル音楽機器において、
前記停止手段による前記再生手段の停止中に、前記外部機器より電源の停止をキャンセルする制御信号が供給されたときに、
前記制御信号検出手段は該制御信号を検出し、前記停止手段による前記再生手段の停止を解除して、所定位置から再生させる、
ようにしてもよい。
【0014】
また、上記ポータブル音楽機器において、
さらに、操作指示部を備え、
前記停止中に、再生を指示する指示信号が前記操作指示部より供給されたときに、前記制御信号検出手段は該指示信号を検出し、前記停止手段による前記再生手段の停止を解除して、所定位置から再生させる、
ようにしてもよい。
【0015】
さらに、上記ポータブル音楽機器において、
前記所定位置は、楽曲の停止した位置又は停止した楽曲の先頭位置の一方である、
ようにしてもよい。
【0016】
また、上記ポータブル音楽機器において、
電池と該電池の電力を用いて、再生部に再生用の電力を供給する電源部とを備え、
前記再生手段は、前記電源部からの電力により動作し、電源停止部は再生部への電力の供給を停止する、
ようにしてもよい。
【0017】
また、本発明の第2の観点に係るポータブル音楽機器は、
外部機器に接続され、音楽信号を該外部機器に供給するポータブル音楽機器であって、
楽曲データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された楽曲データを再生する再生手段と、
前記外部機器から供給される再生の停止を指示する制御信号を検出する制御信号検出手段と、
前記再生手段が楽曲データを再生中に、前記制御信号検出手段が前記制御信号を検出したときに、前記再生手段による再生を停止させる停止手段と、
前記制御信号の供給継続期間を計時する計時手段と、
前記計時手段が所定の時間を計時すると、動作電源の供給を停止する電源停止手段と、
を備えることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の第3の観点に係る電源制御方法は、
外部機器に接続され、音楽信号を該外部機器に供給するポータブル音楽機器における電源制御方法であって、
楽曲データを記憶する記憶ステップと、
前記記憶ステップで記憶された楽曲データを再生する再生ステップと、
前記外部機器から供給される制御信号の状態を検出する制御信号検出ステップと、
前記再生ステップで楽曲データを再生中に、前記制御信号検出ステップにより所定の制御信号の状態を検出したときに、前記再生ステップによる再生を停止させる停止ステップと、
動作電源の供給を停止する電源停止ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の第4の観点に係るプログラムは、
外部機器に接続され、音楽信号を該外部機器に供給するポータブル音楽機器のコンピュータに、
楽曲データを記憶する記憶手順と、
前記記憶手順で記憶された楽曲データを再生する再生手順と、
前記外部機器から供給される制御信号の状態を検出する制御信号検出手順と、
前記再生手順で楽曲データを再生中に、前記制御信号検出手順により所定の制御信号の状態を検出したときに、前記再生手順による再生を停止させる停止手順と、
動作電源の供給を停止する電源停止手順と、
を実行させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のポータブル音楽機器によれば、ポータブル音楽機器を外部機器に接続した状態で音楽データを再生中または一時停止の時に、外部機器の状態により、ポータブル音楽機器の電源オフを制御できるようにし、充電電池を無駄に消費しないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の最良の実施の形態に係るポータブル音楽機器100と、このポータブル音楽機器100に接続され、ポータブル音楽機器100からの信号を増幅して出力する外部機器としての外部アンプ101とを説明する。
【0022】
ポータブル音楽機器100は、図1に示すように、制御部301と、音楽データ(例えば、MP3(MPEG1 Audio Layer-3)等の音楽データ)やデータ情報を記憶する記憶部302と、音声信号出力部309と、信号増幅器310と、A/Dコンバータ311と、機器全体の駆動源となる電源316と充電可能な充電電池305を備え、これらが筐体に内蔵されている。
【0023】
ポータブル音楽機器100の筐体には、表示部303と、複数のキーを含むキー操作部304、接続端子117が配置されている。
【0024】
音声信号出力部309は、記憶部302から読み出した音楽データをアナログ信号に変換して出力するD/Aコンバータから構成される。
【0025】
信号増幅器310は、記憶部302から音声信号出力部309に読み出した音楽データ(アナログ信号)を、制御部301から与えられた制御信号で指示された増幅率で増幅して接続端子117に出力するアナログ回路である。
【0026】
記憶部302は、ハードディスク装置やフラッシュメモリ等の記憶装置で構成される。記憶部302は、音楽データ等に加えて、該音楽データに関連づけて曲名やアーティスト名等のデータ情報を記憶する。
【0027】
表示部303は、液晶モニタ(LCD:Liquid Crystal Display)や蛍光表示管(VFD:Vacuum Fluorescent Display)等のフラットパネルディスプレイから構成され、制御部301に制御され、操作状況等をユーザに明らかにするための文字列等を表示する。
【0028】
キー操作部304は、再生や停止を指示するためのボタンスイッチや、音楽データの再生を強制的に一時停止させるための一時停止ボタンスイッチや、押下によりこのポータブル音楽機器の電源をオンし、オン状態での長押しで、ポータブル音楽機器100の電源を直ちにオフにする電源ボタンスイッチ、等を備える。
【0029】
尚、ハードディスクを記憶媒体とする再生機器では、再生データ(音楽データ)は後述するRAM308に一旦転送され、RAM308からの読み出しで再生を行う。従って、RAM308からデータの読み出しを停止する処理は、再生停止処理と一時停止処理に共通であり、実施の形態では、一般に言う再生停止も一時停止として説明する。
【0030】
制御部301は、例えば、CPU(Central Processing Unit)306、ROM(Read Only Memory)307、RAM(Random Access Memory)308等から構成される。
CPU306はROM307に記憶される各種プログラム(一般的な再生や停止の動作を制御する動作制御プログラム315や、後述するポーズ制御プログラム312、制御信号解析プログラム314、制御信号変換テーブル313等)を適宜実行することによって、ポータブル音楽機器100全体の動作を制御する。また、CPU306は内部タイマを有する。また、RAM308は、CPU306がプログラムを実行する際、ワークメモリとして再生データのロード等に用いられるものである。
【0031】
ROM307は、読み出し専用の記憶装置である。上述した動作制御プログラム315等の書き換える必要のない情報を記憶する。
【0032】
ポーズ制御プログラム312は、CPU306が外部アンプ101から、音楽データの再生を強制的に一時停止させる制御信号を音声信号出力部309及び信号増幅器310に供給するためのプログラムである。また、ポーズ制御プログラム312は、代わりに同様の機能を持つ電子回路で構成してもよい。
【0033】
制御信号変換テーブル313は、図3に示すように、信号電圧値とそれに対応する制御信号内容を記憶しておく。
【0034】
制御信号解析プログラム314は、CPU306が外部アンプ101からの制御信号(アナログ信号)に対応する予め定めた制御信号を、ポーズ制御プログラム312や、各部を制御するプログラムに供給するためのプログラムである。具体的には、外部アンプ101からの制御信号(アナログ信号)は、A/Dコンバータ311によりディジタル信号に変換され、CPU306は、図3に示す制御信号変換テーブル313を参照して、対応する制御信号を生成する。CPU306は、生成した制御信号に従って各部を制御する。
また、制御信号解析プログラム314は、代わりに同様の機能を持つ電子回路で構成してもよい。
【0035】
次に、図1のポータブル音楽機器100に接続される外部アンプ101の構成について図2を参照して説明する。外部アンプ101は、再生音をユーザの所望する音量に調整でき、かつ、ポータブル音楽機器100に接続している場合に、所定の電圧をポータブル音楽機器100に供給することができる、例えば、システムオーディオ等の機器である。この外部アンプ101は、制御部400と、操作部401と、信号増幅器402と、電圧変換部406と、電源413とを備え、これらが筐体に内蔵される。
【0036】
外部アンプ101の筐体には、ポータブル音楽機器100の接続端子117に一端が接続されたケーブルの他端が接続される接続端子118と、操作部401とが配置されている。
【0037】
また、操作部401は、電源をオフにする電源オフキー409、データソース(コンパクトディスクプレーヤーやラジオチューナー等)を切り替えるセレクタ切替キー410、再生を一時停止する一時停止キー411、音量調節や再生指示等をするその他のキー412等から構成される。また、一時停止キー411を長押しした場合に、ポータブル音楽機器100が強制的に電源オフ制御される。ポータブル音楽機器100の強制電源オフ制御については、後述する。
【0038】
信号増幅器402の入力端は、接続端子118、接続端子120に接続され、信号増幅器402の出力端に、スピーカ102が接続されている。
また、接続端子120には、他のソース(例えば、コンパクトディスクプレーヤー等)が接続され、ユーザによりセレクタ切替キー410が押下されることにより、CPU403は、信号増幅器402に入力するソースを、他のソースに切り替える。
【0039】
制御部400は、例えば、CPU403、ROM404、RAM405等から構成される。CPU403はROM404に記憶される各種プログラム(一般的な動作制御プログラムや、後述する接続検出プログラム407、音量制御プログラム408等)を適宜実行することによって、外部アンプ101全体の動作を制御する。また、RAM405は、CPU403がプログラムを実行する際、ワークメモリとして用いられるものである。
【0040】
操作部401のその他のキー412は、信号増幅器402の増幅率を指示する。この指示された増幅率を、CPU403は音量制御プログラム408に従って判別し、検出した情報に基づいた増幅率制御信号を信号増幅器402に供給する。信号増幅器402は、この増幅率制御信号に従った増幅率で、ポータブル音楽機器100から入力された音声信号を増幅する。これにより、スピーカ102から出力される再生音が調節される。
【0041】
また、CPU403は、ROM404に記憶された接続検出プログラム407に従って、ポータブル音楽機器100が接続されているか否かを判別する。判別した結果、ポータブル音楽機器100が接続されている場合は、所定の制御信号を電圧変換部406に供給する。
【0042】
また、CPU403は、操作部401の操作毎に異なる所定の制御信号を電圧変換部406に供給する。具体的には、図示していないが、操作コードとそれに対応する制御信号が記録された制御信号変換テーブルをROM404等に記憶しておき、CPU403は、該制御信号変換テーブルを参照して、所定の制御信号を電圧変換部406に供給する。
【0043】
電圧変換部406は、入力された制御信号に応じて発生する電圧を切り替え、制御信号(アナログ信号)を発生する。電圧変換部406が発生させる具体的な電圧値は、図3に示した制御信号変換テーブル313に記載した信号電圧値と同一である。なお、再生と一時停止に対応する電圧値は、共通の2.74[V]とし、これを検出したポータブル音楽機器100のCPU306は、再生と一時停止をサイクリックに切り替える。
また、外部アンプ101の電源がオフになった時は、電圧変換部406による制御信号の供給を停止する(換言すると、制御信号の電圧を1.6Vの状態から0Vの状態に切り替える)。
【0044】
さらに、外部アンプ101に備わるコンパクトディスクプレーヤーやチューナーから音楽データを出力するようにモードセレクタを切り替えられた場合も、電圧変換部406の制御信号の発生を停止するようにする。電圧変換部406の発生する制御信号は、ポータブル音楽機器100の制御部301に入力される。
ここで、モードセレクタを切り替えられた場合、電圧変換部406の制御信号の発生を停止するのではなく、所定の制御信号を電圧変換部406に供給するようにしてもよい。
【0045】
また、接続端子117、118は4極プラグ(L端子、R端子、GND端子、制御端子で構成される)であり、ポータブル音楽機器100と、外部アンプ101は、接続端子117、118間を4極線119で接続される。そのうちの一つの制御線に制御信号を送り、外部アンプ101からポータブル音楽機器100を制御する。また、ポータブル音楽機器100で再生される音楽データは、4極線119を介して外部アンプ101に送られる。
【0046】
次に、外部アンプ101と、ポータブル音楽機器100の動作を図4乃至図8のフローチャートを参照して説明する。
【0047】
ポータブル音楽機器100は、記憶部302に記憶された音楽データを再生するとき、CPU306は、再生を指示された記憶部302内の音楽データの全部又は一部をRAM(キャッシュメモリ)308にロードする。
【0048】
そして、CPU306は、RAM308にロードした音楽データを、以後再生する。CPU306は、RAM308に音楽データの残りの部分を順次転送する。CPU306は、RAM308に格納されている音楽データを、例えば、MP3デコーダ(図示せず)に供給して復号し、音声信号出力部309に供給して、音声データ(アナログ信号)を信号増幅器310に出力する。該音声データは信号増幅器310で増幅され、接続端子117、4極線119、接続端子118を介して、外部アンプ101内の信号増幅器402に供給される。これを指示された増幅率で増幅した音声データをスピーカ102に出力する。
【0049】
上述したように、ポータブル音楽機器100が音楽データを再生している期間中、外部アンプ101は、接続検出プログラム407の判別結果に従って、所定の制御信号(例えば、図3に示す1.6[V]の電圧信号)をポータブル音楽機器100に供給している。
【0050】
この状態のときの、外部アンプ101の動作について説明する。
電源オフキー409の押下による操作部401からのCPU403への割り込み入力があった時に、図4のフローチャートに示すように、CPU403は、ポータブル音楽機器100に供給していた前記所定の制御信号を供給するのを停止する(換言すれば、制御信号の電圧を0[V]の状態とする)(ステップS101)。また、外部アンプ101への電力供給を停止する。これにより、外部アンプ101の動作は停止する。
【0051】
また、セレクタ切替キー410の押下によるCPU403への割り込み入力があった時に、図5に示すように、CPU403は、データソースをポータブル音楽機器100から、他のソースに切り替える(ステップS201)。
【0052】
そして、CPU403は、ポータブル音楽機器100に供給していた前記所定の制御信号を供給するのを停止する(換言すれば、制御信号の電圧レベルを0Vの状態とする)(ステップS202)。これにより、外部アンプ101の動作の処理は終了する。
【0053】
さらに、一時停止キー411或いはその他のキー412の押下による操作部401からのCPU403への割り込み入力があった時に、ポータブル音楽機器100に供給していた前記所定の制御信号を供給するのを停止し、押下されたキーに対応づけられた所定の制御信号をポータブル音楽機器100に供給し(ステップS301)する。これにより、外部アンプ101の動作の処理は終了する。
【0054】
以上の外部アンプ101の動作によって、制御信号はポータブル音楽機器100に供給される。
次に、この制御信号がポータブル音楽機器100に供給されたときの、ポータブル音楽機器100の動作について、図7、図8のフローチャートを参照して説明する。
【0055】
ポータブル音楽機器100の動作処理は、図7のフローチャートに示すように、CPU306は内部タイマを有し、例えば、20ms毎の、タイマ割り込み入力によりポータブル音楽機器100の動作処理は開始する。このとき、CPU306は、A/Dコンバータ311から供給される信号を検出する(ステップS401)。
【0056】
このとき、供給される制御信号は、上述した外部アンプ101から供給される制御信号であり、キー操作毎に異なる電圧値が割り振られたアナログ信号である。なお、外部アンプ101がパワーオフして、制御信号がCPU306に供給されなくなった場合は、0[V]の制御信号が供給されているといえる。
CPU306は、制御信号解析プログラム314を起動し、この制御信号を、一度、A/Dコンバータ311を介してディジタル信号に変換し、図3に示す制御信号変換テーブル313を参照して、制御信号に対応した制御処理を特定する(ステップS402)。
【0057】
ここで、CPU306は、特定した制御処理を実行する(ステップS403)。実行する制御処理は、種々あるが(例えば、パワーオフ、再生、ポーズ、トラックアップ(次の曲)/トラックダウン(前の曲)等)、まず、外部アンプ101がパワーオフした場合におけるCPU306の実行処理について、図8のフローチャートを参照して説明する。なお、外部アンプ101においてデータソースが切り替えられた場合も、外部アンプ101がパワーオフした場合と同様の動作になるので、説明を省略する。
【0058】
上述したように、外部アンプ101がパワーオフした場合(ステップS501;Yes)、ポータブル音楽機器100に制御信号は供給されなくなり、CPU306は、制御信号解析プログラム314を起動して、外部アンプ接続なしと特定する。
このとき、CPU306は、ポーズ制御プログラム312を起動する。CPU306は、ポーズ制御プログラム312に従って、記憶部302に記憶された音楽データの再生動作を中断し、音声信号出力部309への音楽データの供給を一時停止する(ステップS502)。このとき、音楽データの一時停止された位置等といったステータスを記憶しておく。また、ノイズが音声信号として出力されないように、ミュート制御信号を信号増幅器310へ供給して、音声信号の増幅率を0にする。
また、ステップS501で特定した制御信号が「外部アンプ接続なし」でなかった場合は(ステップS501;No)、他の処理を実行して終了する。
【0059】
次に、所定の期間(例えば、3分間)一時停止の状態が維持されたときに、ポータブル音楽機器100をパワーオフにするために、CPU306の有する内部タイマを初期化(起動)する(ステップS503)。
【0060】
タイマ初期化後、キー操作部304からの割込入力や外部アンプ101からのケーブル119を介した制御信号の供給による割り込み入力等が為されずに(ステップS504;No)、特段の反する指示がなく、一時停止の状態が維持されれば、例えば、20msec毎にカウントを一つインクリメントする(ステップS505)。
【0061】
そして、所定のカウント(例えば、3分後にパワーオフしたければ、9000カウント)をオーバーしたか否かを判別し(ステップS506)、オーバーしていない場合で(ステップS506;No)、割り込み入力等の特段の反する指示が無い場合は(ステップS504;No)、カウントをインクリメントし続ける(ステップS505)。所定のカウントをオーバーした場合は(ステップS506;Yes)、CPU306は、電源316に制御信号を送り、ポータブル音楽機器100全体に電力を供給するのを停止させる(ステップS507)。これにより、ポータブル音楽機器100の動作の処理は終了する。
【0062】
一方、ステップS504で、割り込み入力等で一時停止に反する指示が為された場合(ステップS504;Yes)、CPU306は、その指示が再生の指示か否かを判別する(ステップS508)。再生以外の指示である場合(ステップS508;No)。指示に対応する処理動作に移行する。これにより、ポータブル音楽機器100の動作の処理は終了する。
また、ステップS508で、再生の指示であると判別した場合(ステップS508;Yes)、ステップS502で記憶したステータスに基づいて再生処理を再開する(ステップS509)。これにより、ポータブル音楽機器100の動作の処理は終了する。
【0063】
以上のポータブル音楽機器100の動作により、音楽データの再生又は一時停止中に、外部アンプ101の電源がオフにされた場合、ポータブル音楽機器100の再生を所定の期間一時停止し、所定の期間経過後、ポータブル音楽機器100の電源もオフにする。これにより、ポータブル音楽機器100の充電電池305の無駄な消費を防ぐことができる。しかも、外部アンプ101の電源がオフされてから、一時停止期間を配置しているので、再操作を受け付けることが可能となる。一方、ポータブル音楽機器100の電源のオフがキー操作部304から直接指示されたときには、使用者の意図が明確であるので、一時停止期間を設けず、直ちに電源をオフする。
【0064】
なお、ポータブル音楽機器100のキー操作部304が操作されて電源のオフが指示された場合(例えば、電源キーが長押しされた場合)、図9に示すように、一時停止状態にして再操作を待機することはせずに、ポータブル音楽機器100の電源をただちにオフにする(ステップS601)。
【0065】
また、図7に示すステップS401で検出した制御信号が、一時停止キー411の長押しによる強制電源オフ指示である場合における、ポータブル音楽機器100の動作について説明する。
ここで、強制電源オフ信号の発生は、一時停止キー411の長押しによる必要はなく、他のキーであってもよい。例えば、データソースをポータブル音楽機器100に切り替えるセレクタキーの長押しであってもよい。また、再生/一時停止キーとセレクタキーを共通のキーとしてもよい。
【0066】
CPU306が、音楽データの再生時であっても、一時停止時であっても、外部アンプ101から供給される所定の電圧値(一時停止信号とする(図3では、2.74[V]としてある))を検出した場合は、一時停止するようにする(ステップS501)。
そこで、ポータブル音楽機器100は、一時停止信号が所定期間(例えば、3秒間)続けて供給されているか否かを判断する。所定期間一時停止信号が供給されたときは、強制電源オフ制御を行う。
【0067】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形、応用が可能である。
【0068】
例えば、上記実施形態においては、記憶部302はハードディスク、フラッシュメモリ等から構成されたが、他の記憶媒体や、今後開発される種々の大容量記憶媒体から構成されてもよい。
【0069】
また、上記実施形態において、CPU306、CPU403が実行するプログラムは、予めROM等に記憶されていた。しかしながら、本発明は、これに限定されず、上述の処理を実行させるためのプログラムを、既存のポータブル音楽機器、外部アンプに適用することで、上記実施形態にかかるポータブル音楽機器100、外部アンプ101として機能させるようにしてもよい。
【0070】
このようなプログラムの提供方法は任意であり、例えば、インターネットなどの通信媒体を介して提供可能である他、例えば、メモリカードなどの記録媒体に格納して配布してもよい。
【0071】
さらに、上記実施形態において、外部アンプ101は、システムオーディオ等の機器としていた。しかしながら、これに限定されず、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置としてもよい。
【0072】
また、上記実施形態のポータブル音楽機器100に限定されず、ポータブル音楽機器は、携帯型の小型装置であり、外部機器と接続でき、外部機器の状態に応じて電源をオフにする機能を備える電源制御装置であれば、任意の構造、名称でよい。
【0073】
また、ポーズ制御プログラム312と、制御信号解析プログラム314は、図1に示したROM307等に格納されるソフトウェアとして構成してもよいし、同様の機能を持つハードウェアとして構成してもよい。さらに、接続検出プログラム407と、音量制御プログラム408は、図2に示したROM404等に格納されるソフトウェアとして構成してもよいし、同様の機能を持つハードウェアとして構成してもよい。
【0074】
本発明において、「電源のオフ」とは、システムの電力消費を完全に0にすることを意味せず、実効的な消費電力をほぼ0にする場合を含む概念である。例えば、電子機器においては、電源オフ時であっても、スリープ状態のCPUに待機電力を供給しておき、キー操作部304に何らかの或いは所定のキー操作があると、CPUに割込信号が入り、通常モードに復帰し、各部に電力の供給を開始するといったタイプの電子機器が存在する。このような装置の場合には、CPUに供給する電力を動作用の電力(比較的大容量)から待機用電力(小容量)に切り替えることも、電源のオフに相当するものである。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施の形態に係るポータブル音楽機器の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る外部アンプの構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る制御信号変換テーブルの一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る外部アンプにおける、電源オフキーが押下された場合の動作処理を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係る外部アンプにおける、セレクタ切替キーが押下された場合の動作処理を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態に係る外部アンプにおける、一時停止キー或いはその他のキーが押下された場合の動作処理を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態に係るポータブル音楽機器における、供給された制御信号に対応する制御処理を特定する動作処理を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態に係るポータブル音楽機器における、外部アンプがパワーオフした場合の動作処理を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態に係るポータブル音楽機器の電源キーが操作されて、電源オフが指示されたときの動作処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0076】
100 ポータブル音楽機器
101 外部アンプ
302 記憶部
305 充電電池
306 CPU(ポータブル音楽機器)
309 音楽信号出力部
310 信号増幅器
312 ポーズ制御プログラム
313 制御信号変換テーブル
314 制御信号解析プログラム
316 電源
403 CPU(外部アンプ)
406 電圧変換部
407 接続検出プログラム
409 電源オフキー
410 セレクタ切替キー
411 一時停止キー
412 その他のキー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器に接続され、音楽信号を該外部機器に供給するポータブル音楽機器であって、
楽曲データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された楽曲データを再生する再生手段と、
前記外部機器から供給される制御信号の状態を検出する制御信号検出手段と、
前記再生手段が楽曲データを再生中に、前記制御信号検出手段が前記制御信号の所定の状態を検出したときに、前記再生手段による再生を停止させる停止手段と、
動作電源の供給を停止する電源停止手段と、
を備えることを特徴とするポータブル音楽機器。
【請求項2】
前記制御信号の所定の状態は、再生と停止をサイクリックに切り替えることを示す信号の状態である、ことを特徴とする請求項1に記載のポータブル音楽機器。
【請求項3】
前記停止手段は、前記制御信号検出手段が前記制御信号が所定の状態にあることを所定時間連続して検出したとき、前記再生手段による再生を停止させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のポータブル音楽機器。
【請求項4】
前記制御信号の所定の状態は、制御信号の供給が停止された状態である、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポータブル音楽機器。
【請求項5】
前記制御信号の供給が停止された状態は、前記外部機器の電源オフ若しくは外部機器における当該ポータブル音楽機器の選択状態の解除によってなる状態である、
ことを特徴とする請求項4に記載のポータブル音楽機器。
【請求項6】
前記停止手段による停止動作の継続時間を計時する計時手段と、
前記計時手段が所定の時間を計時すると、前記電源停止手段により動作電源の供給を停止する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のポータブル音楽機器。
【請求項7】
前記停止手段による前記再生手段の停止中に、前記外部機器より電源の停止をキャンセルする制御信号が供給されたときに、前記制御信号検出手段は該制御信号を検出し、前記停止手段による前記再生手段の停止を解除して、所定位置から再生させる、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のポータブル音楽機器。
【請求項8】
さらに、操作指示部を備え、
前記停止中に、再生を指示する指示信号が前記操作指示部より供給されたときに、
前記制御信号検出手段は該指示信号を検出し、前記停止手段による前記再生手段の停止を解除して、所定位置から再生させる、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のポータブル音楽機器。
【請求項9】
前記所定位置は、楽曲の停止した位置又は停止した楽曲の先頭位置の一方である、
ことを特徴とする請求項7又は8に記載のポータブル音楽機器。
【請求項10】
電池と該電池の電力を用いて、再生部に再生用の電力を供給する電源部とを備え、
前記再生手段は、前記電源部からの電力により動作し、電源停止部は再生部への電力の供給を停止する、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のポータブル音楽機器。
【請求項11】
外部機器に接続され、音楽信号を該外部機器に供給するポータブル音楽機器であって、
楽曲データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された楽曲データを再生する再生手段と、
前記外部機器から供給される再生の停止を指示する制御信号を検出する制御信号検出手段と、
前記再生手段が楽曲データを再生中に、前記制御信号検出手段が前記制御信号を検出したときに、前記再生手段による再生を停止させる停止手段と、
前記制御信号の供給継続期間を計時する計時手段と、
前記計時手段が所定の時間を計時すると、動作電源の供給を停止する電源停止手段と、
を備えることを特徴とするポータブル音楽機器。
【請求項12】
外部機器に接続され、音楽信号を該外部機器に供給するポータブル音楽機器における電源制御方法であって、
楽曲データを記憶する記憶ステップと、
前記記憶ステップで記憶された楽曲データを再生する再生ステップと、
前記外部機器から供給される制御信号の状態を検出する制御信号検出ステップと、
前記再生ステップで楽曲データを再生中に、前記制御信号検出ステップで前記制御信号の所定の状態を検出したときに、前記再生ステップによる再生を停止させる停止ステップと、
動作電源の供給を停止する電源停止ステップと、
を備えることを特徴とする電源制御方法。
【請求項13】
外部機器に接続され、音楽信号を該外部機器に供給するポータブル音楽機器のコンピュータに、
楽曲データを記憶する記憶手順と、
前記記憶手順で記憶された楽曲データを再生する再生手順と、
前記外部機器から供給される制御信号の状態を検出する制御信号検出手順と、
前記再生手順で楽曲データを再生中に、前記制御信号検出手順で前記制御信号の所定の状態を検出したときに、前記再生手順による再生を停止させる停止手順と、
動作電源の供給を停止する電源停止手順と、
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−25988(P2007−25988A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−205943(P2005−205943)
【出願日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】