説明

マイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法

【課題】目的試料およびプローブ間のハイブリダイゼーション程度を測定するマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法を提供することである。
【解決手段】マイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法は、複数のプローブが形成されたマイクロアレイを提供して、複数のプローブに目的試料(target sample)とランダムな配列から成るランダムプライマーをハイブリダイゼーションして、各プローブの遊離末端(free terminal)および前記ランダムプライマーの前記各プローブ側の一端を連結して、前記各プローブとハイブリダイゼーションされた前記目的試料を除去して、残存する前記ランダムプライマーの強度を測定することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法に関するものであって、より詳細には、アッセイ効率が向上したマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、ゲノムプロジェクトの発展につれ、多様な生物のゲノムヌクレオチド配列が明らかになったことによってマイクロアレイに対する関心が高まっている。マイクロアレイは支持体である基板上に複数のプローブを整列したものであり、目的試料がマイクロアレイ上のプローブとハイブリダイゼーションされたのかどうかを観察することで目的試料が所定の塩基配列を含むのかを確認することができる。
【0003】
一般的に目的試料およびプローブのハイブリダイゼーションの可否をアッセイする時には、目的試料の末端に蛍光物質を連結して、ハイブリダイゼーションされた目的試料の蛍光物質を観察した。しかし、目的試料の非特異的な結合によるアッセイ効率減少が問題となり、目的試料の末端に検出配列(detection sequence)を形成して、前記検出配列に相補的な配列を含むプライマーを結合して、前記プライマーとプローブをアニリングすることで目的試料の非特異的結合によるアッセイ効率減少を防止しようとする研究が進んでいた。
【0004】
しかし、目的試料の長さがプローブの長さに比べて相対的に長いため、一本鎖(single strand)である目的試料が安定した立体構造を形成する場合が多かった。このためプライマーが目的試料の末端からプローブとハイブリダイゼーションされた位置まで伸張(extension)できず、マイクロアレイのハイブリダイゼーションアッセイのアッセイ効率が減少する困難があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国公開特許2004−180362号公報(第29−34ページ、図4A、4B)
【特許文献2】国際公開第00/21967号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、アッセイ効率が向上したマイクロアレイのハイブリダイゼーションアッセイ方法を提供しようとすることにある。
【0007】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は次の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための本発明の一実施形態によるマイクロアレイのハイブリダイゼーションアッセイ方法は、複数のプローブが形成されたマイクロアレイを提供して、前記複数のプローブに目的試料(target sample)とランダムな配列から成るランダムプライマーをハイブリダイゼーションして、前記各プローブの遊離末端(free terminal)および前記ランダムプライマーの前記各プローブ側の一端を連結して、前記各プローブとハイブリダイゼーションされた前記目的試料を除去して、残存する前記ランダムプライマーの強度を測定することを含む。
【0009】
前記課題を解決するための本発明の他の実施形態によるマイクロアレイのハイブリダイゼーションアッセイ方法は、目的試料およびランダムな配列から成るランダムプライマーをハイブリダイゼーションされた複数のプローブを含むマイクロアレイを提供して、リガーゼ(ligase)を含むライゲーション溶液で前記マイクロアレイを処理して、前記マイクロアレイを洗浄して、前記マイクロアレイのハイブリダイゼーション程度を測定することを含む。
【0010】
その他実施形態の具体的な事項は詳細な説明および図に含まれている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法によれば、マーカーと連結されたランダムプライマーを使用してランダムプライマーがプローブに近接した位置で目的試料と結合するようにすることで、ランダムプライマーの伸張領域の長さを減らすことができる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明のいくつかの実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法の中間構造物の断面図である。
【図2】本発明のいくつかの実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法の中間構造物の断面図である。
【図3】本発明の一実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法の中間構造物の断面図である。
【図4】本発明の一実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法の中間構造物の断面図である。
【図5】本発明の一実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法の中間構造物の断面図である。
【図6】本発明の一実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法の中間構造物の断面図である。
【図7】本発明の一実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法の中間構造物の断面図である。
【図8】本発明の他の実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法の中間構造物の断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法の中間構造物の断面図である。
【図10】本発明のまた他の実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法の中間構造物の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の利点、特徴、およびそれらを達成する方法は、添付される図面と共に詳細に後述される実施形態を参照すれば明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現されることが可能である。本実施形態は、単に本発明の開示が完全になるように、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に対して発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範囲によってのみ定義される。なお、明細書全体にかけて、同一の参照符号は同一の構成要素を指すものとする。
【0014】
本発明の利点および特徴、並びにそれらを達成する方法は、添付される図面と共に、詳細に後述する実施形態を参照すれば明確になる。しかし、本発明の目的は、以下で開示される実施形態に限定されず、互いに異なる多様な形態によって達成可能である。したがって、以下の実施形態は単に、本発明の開示が完全になるように、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に対して発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものでる。すなわち、本発明の範囲はあくまで、請求項に記載された発明によってのみ規定される。
【0015】
なお、いくつかの実施形態において、公知の工程、段階、構造および技術は、本発明が不明瞭に解釈されるのを避けるために説明を省略する。
【0016】
本明細書で使用された用語は、実施形態を説明するためであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において単数形は、文言で特別に言及しない限り複数形も含む。明細書で使用される、「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は、言及した構成要素、段階、動作および/または素子は、一つ以上の他の構成要素、段階、動作および/または素子の存在または追加を排除しない。そして、「および/または」は、言及されたアイテムのそれぞれおよび一つ以上のすべての組合せを含む。
【0017】
また、本明細書で記述する実施形態は本発明の理想的な例示図である断面図および/または概略図を参照して説明する。製造技術および/または許容誤差などによって例示図の形態が変形されうる。したがって、本発明の実施形態は図示された特定形態に制限されず、製造工程によって生成される形態の変化も含むものである。また、本発明に図示された各図面において各構成要素は、説明の便宜を考慮して多少拡大または縮小して図示されたものである。明細書全体にかけて、同一の参照符号は同一の構成要素を指称する。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態によるマイクロアレイのハイブリダイゼーションアッセイ方法は、生体試料に含まれている生体分子(biomolecule)を分析することで、遺伝子発現分析(gene expression profiling)、遺伝子型分析(genotyping)、SNP(Single Nucleotide Polymorphism)のような突然変異(mutation)および多型(polymorphism)の検出、蛋白質およびペプチド分析、潜在的な薬のスクリーニング、新薬開発と製造などに用いられうる。また、本発明のいくつかの実施形態に適用可能なマイクロアレイは分析しようとする生体試料の対象に応じてそれに合うプローブを採用することができる。マイクロアレイに採用されうるプローブの例としては、DNAプローブ、酵素や抗体/抗原、バクテリオロドプシン(bacteriorhodopsin)などのような蛋白質プローブ、微生物プローブ、神経細胞プローブなどを含む。それぞれ採用されるプローブの種類によってマイクロアレイはDNAチップ、蛋白質チップ、細胞チップ、ニューロンチップなど指称されうる。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態によるマイクロアレイはプローブとしてオリゴマープローブを含み得る。前記オリゴマープローブは、採用されるプローブのモノマー数がオリゴマー水準であることを暗示する。ここで、オリゴマーは共有結合された2つ以上のモノマー(monomer)から成るポリマー(polymer)のうち分子量が概ね10000以下のものを示す意味で使用され得る。具体的に約2〜500個のモノマー、好ましくは10〜80個のモノマーを含むものでありうる。しかし、オリゴマープローブの意味が前記数値に制限されるものではない。
【0020】
オリゴマープローブを構成するモノマーは分析対象になる生体試料の種類によって変形が可能であり、例えば、ヌクレオシド、ヌクレオチド、アミノ酸、ペプチドなどでありうる。
【0021】
ヌクレオシドおよびヌクレオチドは、公知のプリンおよびピリミジン塩基を含むだけでなく、メチル化されたプリンまたはピリミジン、アシル化されたプリンまたはピリミジンなどを含み得る。また、ヌクレオシドおよびヌクレオチドは、従来のリボースおよびデオキシリボース糖を含むだけではなく、一つ以上のヒドロキシル基がハロゲン原子または脂肪族に置換されたり、エーテル、アミンなどの官能基が結合した変形された糖を含み得る。
【0022】
アミノ酸は自然から発見されるアミノ酸のL−、D−、および非キラル(nonchiral)型アミノ酸だけでなく修飾アミノ酸(modified amino acid)、またはアミノ酸類似体(analog)などでありうる。
【0023】
ペプチドとは、アミノ酸のカルボキシル基と異なるアミノ酸のアミノ基との間のアミド結合によって生成された化合物をいう。
【0024】
特別に他に言及がない限り、以下の実施形態で例示的に想定されるプローブはDNAプローブとして、約20〜30個のヌクレオチドのモノマーが共有結合されたオリゴマープローブである。しかし、本発明がそれに制限されるものではなく、前述した多様なプローブが適用されうるはもちろんである。
【0025】
以下、添付される図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0026】
図1および図2を参照して本発明のいくつかの実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法について説明する。図1および図2は、本発明のいくつかの実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法を説明するための中間構造物の断面図である。
【0027】
先ず、図1に示すように、複数のプローブ130が形成されたマイクロアレイ100を提供する。
【0028】
図面に図示しなかったが、基板110上に複数のプローブ130を固定してマイクロアレイ100を形成することができる。
【0029】
基板110は、複数のプローブセル領域(Probe Cell Region、A)および非プローブセル領域(Non Probe Cell Region、B)を含む。プローブセル領域(A)と非プローブセル領域(B)を区別する基準は固定されるプローブ130の有無による。すなわち、基板110のプローブセル領域(A)は、基板上面111に複数のプローブが固定される基板110の領域を意味し、非プローブセル領域(B)は、基板上面111にプローブが固定されていない基板110の領域を意味する。
【0030】
一つのプローブセル領域(A)の基板上面111上には同一な配列のプローブが固定されうる。しかし、互いに異なるプローブセル領域の間では基板上面111に固定されるプローブの配列が相異なることもある。
【0031】
互いに異なるプローブセル領域(A)は非プローブセル領域(B)によって分離されている。したがって、各プローブセル領域(A)は、非プローブセル領域(B)によって囲まれた形状で形成されうる。例えば、複数のプローブセル領域(A)は、マトリックス形状で配列されうる。しかし、前記マトリックス形状配列が必ず規則的なピッチ(pitch)を有しなければならないものではない。また、互いに独立的なプローブセル領域(A)とは反対に非プローブセル領域(B)は一つに連結するように形成することができる。例えば、非プローブセル領域(B)は格子(lattice)型で形成することができる。
【0032】
また、基板110は、例えば、透明基板または不透明基板でありうる。適用される不透明ウェハの例としてはナイロン、ニトロセルロースなどのメンブレインまたはプラスチックフィルムなどの可撓性基板や半導体ウェハなどのような剛性基板を挙げることができる。特に、半導体ウェハは半導体素子の製造工程においてすでに安定的に確立されて適用される多様な薄膜の製造工程および写真エッチング工程などをそのまま適用することができるという長所がある。透明ウェハの例としてはソーダ石灰ガラスから成る透明ガラスウェハを挙げることができる。
【0033】
基板110は、基板上面111を含み得、基板上面111にはリンカー120が形成されうる。リンカー120の一端は基板上面111とカップリングされて、リンカー120の他端はプローブ130とカップリングされうる。リンカー120は、例えば、ディッピング(dipping)工程によって形成されうるが、これに限定されないはもちろんである。
【0034】
基板110が例えば、ガラスなどで成された場合、一端は基板110のSiOHと反応してシロキサン(Si−O)結合を生成できるシリコーン基を含み、他端はプローブ(プローブ用モノマーを含み、以下同様)とカップリングできる官能基を含むリンカー120を使用することができる。具体的に、リンカー120の物質はN−(3−(トリエトキシシリル)−プロピル)−4−ヒドロキシブチルアミド(N−(3−(triethoxysilyl)−propyl)−4−hydroxybutyramide)、N、N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノプロピル−トリエトキシシラン(N、N−bis(hydroxyethyl) aminopropyl−triethoxysilane)、アセトキシプロピル−トリエトキシシラン(Scetoxypropyl−triethoxysilane)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(3−Glycidoxy propyltrimethoxysilane)、特許文献2で開示されたシリコーン化合物などを例に挙げられ、前記特許文献2の内容は本明細書に充分に開示されるように援用されて統合される。
【0035】
リンカー120は、目的試料との自由な相互作用が可能なように空間的マージン(margin)を提供するスペーサを含み得る。仮に、リンカー120の長さが空間的マージンを提供できるほど充分長いのであれば図面に例示されたようにスペーサを含まないこともある。
【0036】
複数のプローブ130を基板110上に形成する際に、リンカー120を介して基板上面111に形成することができる。しかし、リンカー120を介さないで基板上面111に直接形成することもできる。
【0037】
複数のプローブ130は、それぞれ3’末端および5’末端を含む。各プローブ130の一端、すなわち3’末端または5’末端のうち何れか一つは基板上面111と直接またはリンカー120を介して固定される。各プローブ130の残り一つの末端は基板110に固定されず、したがって遊離末端(free terminal)と呼ぶ。具体的に、3’末端が基板110上に固定されれば5’末端は遊離末端となり、5’末端が基板上面111に固定されれば3’末端が遊離末端になりうる。3’末端および5’末端のうち何れが基板上面111に固定されたのかによって、ポリメラーゼ(polymerase)による伸張(extension)の方向も変わり、これに関する詳細な説明は後述する。
【0038】
続いて、図2を参照して複数のプローブ130に目的試料(target sample:140)をハイブリダイゼーションする。
【0039】
具体的に、複数のプローブ130が形成されたマイクロアレイ100に目的試料140を処理することで、目的試料140を相補的な塩基配列を有するプローブ131とハイブリダイゼーションすることができる。この時、目的試料140は、目的試料140に相補的な配列を含むプローブ131とのみハイブリダイゼーションし、相補的な配列を含まないプローブ132とはハイブリダイゼーションしない。したがって、互いに異なる配列を有するプローブ131、132が固定された互いに異なるプローブセル領域(A:例えば、AおよびA)の間にハイブリダイゼーションの可否の差異が発生し得る。また、マイクロアレイ100上には複数のプローブセル領域が形成され、目的試料140も複数のプローブ130が含む多様な塩基配列に相補的な塩基配列を重複して含めるため、互いに異なる配列を有する二以上のプローブセル領域(A)上のプローブ130とハイブリダイゼーションすることもある。
【0040】
目的試料140は、マイクロアレイ100上に形成されたプローブ130、またはマイクロアレイ100の用途に応じて多様な物質でありうる。例えば、DNA、RNA、抗体/抗原、蛋白質などであり得、これに限定されないはもちろんである。
【0041】
また、目的試料140の長さは後述する目的試料140およびランダムプライマーのアニリング(annealing)が可能なようにする長さでありうる。例えば、目的試料140はプローブ130とハイブリダイゼーションされた部分以外の余分の長さが少なくとも約9マー(mers)以上、好ましくは15マー以上の長さを有しうる。最も好ましくは80から100マーの長さを有しうる。
【0042】
複数のプローブ130および目的試料140をハイブリダイゼーションするための条件、例えば、温度、処理時間などのハイブリダイゼーション条件は、プローブ130および目的試料140の性質に応じて多様に調節されうる。例えば、温度のパラメータと関連して、一本鎖オリゴヌクレオチド(oligonucleotide)は相対的にさらに低い温度で、また他の一本鎖オリゴヌクレオチドとさらに高い結合の可能性を有しうる。
【0043】
以下、図3から図7を参照して本発明の一実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法に対して説明する。図3から図7は、本発明の一実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法を説明するための中間構造物の断面図である。本発明の一実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法は、前述した本発明のいくつかの実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法に従う工程を説明したものであり、図面に図示するように以下では目的試料とハイブリダイゼーションされたプローブを中心に説明する。
【0044】
図3を参照して目的試料140にランダムプライマー150をアニリング(annealing)する。
【0045】
具体的に、ランダムプライマー150を含むアニリング溶液(annealing solution)で基板上面111に目的試料140とハイブリダイゼーションされたプローブ131を処理することで、ランダムプライマー150を目的試料140にアニリングすることができる。目的試料140に対するランダムプライマー150のアニリング度を向上させるために、例えば45℃ の条件で1時間の間、アニリング工程を行うことができる。
【0046】
図面に図示していないが、前記アニリング溶液の処理を行う前にプローブ131とハイブリダイゼーションされていない目的試料を除去する洗浄工程を経ることができる。洗浄工程は、例えば、PBSTバッファ溶液(buffer solution、2X PBS (phosphate buffered saline)、0.1% Tween−20)などを利用することができる。
【0047】
ランダムプライマー(random primer、150)はランダムな配列から成るショートセグメント(short segment)を意味し得、例えば、オリゴヌクレオチドともいう一本鎖DNA(single strand DNA:ssDNA)を意味しうる。ランダムプライマー150は、複数のヌクレオチドを含み、これらはすべての可能な塩基の組合せを形成することができる。例えば、ランダムプライマー150が8ヌクレオチド(nucleotides)、すなわち8マー(mers)のヌクレオチドからなる場合、4 = 65,536種類の多様な組合せのプライマーを形成することができる。
【0048】
ランダムプライマー150が65,536種類の多様な配列を有することができるため、ランダムプライマー150は目的試料140の任意の位置(site)にアニリング(annealing)することができる。さらに具体的に、ランダムプライマー150はプローブ131に近接した位置で目的試料140と結合することができる。ランダムプライマー150がプローブ131の遊離末端131_aに近接した位置に結合するほど、目的試料140は安定した立体構造を形成できる空間的マージンが不足しうる。これによって、ランダムプライマー150およびプローブ131がアニリングする可能性が高まり、目的試料140とハイブリダイゼーションされたプローブ131の存在の可否をさらに正確に検出することができる。すなわち、目的試料140がプローブ131とハイブリダイゼーションされたがプライマーとアニリングされず、ハイブリダイゼーションアッセイで脱落する場合を減すことができ、目的試料140に含まれたランダムな配列が存在するかどうかをさらに正確に検出することができる。したがって、マイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイのアッセイ効率をさらに向上させることができる。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法において、プローブ131および目的試料140との相互関係を始め、ハイブリダイゼーションアッセイの迅速性、正確性などを考慮する時、ランダムプライマー150は約4ヌクレオチド以上10ヌクレオチド以下であり得、さらに具体的には、約8ヌクレオチドでありうる。これに対する詳細な説明は実験例で説明する。
【0050】
ランダムプライマー150は、プローブ131側に向かう一端150_aおよびそれの反対側の他端150_bを含む。ランダムプライマー150の一端150_aは後の工程でプローブ131の遊離末端131_aと連結される。
【0051】
ランダムプライマー150の他端150_bにはマーカー160を連結することができる。マーカー160はハイブリダイゼーションアッセイを容易にする物質であって、検出方法に応じて多様な物質を使用することができる。検出方法は、例えば、蛍光検出法、電気化学的検出法、質量変化を利用した検出法、電荷量変化を利用した検出法、または光学的性質の差異を利用した検出法などを含み得る。蛍光検出法を利用する場合、マーカー160は、例えば蛍光物質でありうる。蛍光物質は、例えば、フルオレセイン(fluorescein)、FITC、FAM、TAMRA、Cy3、Cy5、またはユウロピウム(europium)などでありうる。しかし、ランダムプライマー150にマーカー160を連結するのは一つの例示に過ぎず、この他にも本発明の技術分野で広く知られた様々な方法を利用できることはもちろんである。
【0052】
この時、基板110上に形成されたプローブ131の3’末端は基板110上にカップリングされた固定末端131_bであり、5’末端は基板110に固定されない遊離末端131_aである。
【0053】
続いて、図4を参照してランダムプライマー150の一端150_aをプローブ131の遊離末端131_a方向に伸張(extension:210)させる。
【0054】
例えば、ポリメラーゼ(polymerase)を含むライゲーション溶液(ligation solution)でマイクロアレイを処理して、ランダムプライマー150の一端150_aから目的試料140に相補的な塩基を形成することができる。したがって、連結溶液には目的試料140に相補的な塩基を形成する塩基材料、例えばdATP、dCTP、dGTP、およびdTTPを含むデオキシヌクレオチド三リン酸(dNTPs:deoxiNucleotide TriPhosohate mixture)を含み得る。
【0055】
さらに、前記ライゲーション溶液に含まれる物質、例えば、ポリメラーゼ酵素、デオキシヌクレオチド三リン酸などを前述したアニリング溶液(図3の説明参照)に含めて使うこともできる。この場合、前述したアニリング(annealing)および伸張(extension)の工程がいくつかのプローブ−目的試料ハイブリダイゼーション構造(probe−target sample hybridized structure)で同時多発的に行われうる。
【0056】
続いて、図5を参照してランダムプライマーの伸張領域170の一端170_aとプローブ131の遊離末端131_aを連結する。
【0057】
前述したように、ポリメラーゼによってランダムプライマー150から伸張した塩基はランダムプライマーの伸張領域170を形成する。これと共に、ランダムプライマーの伸張領域170の一端170_aをプローブ131の遊離末端131_aと直接ライゲーションする。ここで、「直接ライゲーションする」ということは追加的な塩基を合成せず、両末端を化学結合、例えば、リン酸エステル結合に連結することを意味しうる。
【0058】
ランダムプライマーの伸張領域170の一端170_aおよびプローブ131の遊離末端131_aを連結するものは例えば、リガーゼ(ligase)を使用することができる。リガーゼはエネルギーを利用して二つの分子を結合させる酵素として、さらに具体的にはリン酸エステル結合を生成するDNAリガーゼを使用することができる。しかし、リガーゼの種類はプローブ131および目的試料140の種類や目的によって多様でありうるため、前記例に限定されないものであろう。
【0059】
ランダムプライマーの伸張領域170の一端およびプローブ131の遊離末端131_aを連結するためには、適切な条件、例えば、約37℃の温度、および約1時間の処理時間などの条件下で連結反応を誘導することができる。
【0060】
続いて、図6を参照してプローブ131とハイブリダイゼーションされた目的試料140を除去して残存するランダムプライマー150の強度を測定する。
【0061】
プローブ131とハイブリダイゼーションされた目的試料140を除去することはプローブ131と目的試料140との間の水素結合を除去することを含み得る。
【0062】
前述したように、互いに異なる配列を有するプローブ131、132が固定された相異なるプローブセル領域(A:例えば、A1およびA2)の間にはハイブリダイゼーションの可否の差異が生じうるため、任意のプローブセル領域(A1)上のプローブ131とのみ目的試料がハイブリダイゼーションされる(図2参照)。したがって、前記の工程、具体的にアニリング(annealing)、伸張(extension)、およびライゲーション(ligation)工程を経た後、目的試料140に含まれた配列と相補的な配列を有するプローブ131だけがランダムプライマーの伸張領域170、およびランダムプライマー150と連結されることができる。
【0063】
これに反して、目的試料がハイブリダイゼーションされないプローブ132、言い換えれば目的試料140に含まれた配列と相補的な配列を有しないプローブ132は目的試料を処理する前である基板上面111に固定されたプローブ(図1の130参照)状態をそのまま維持する。
【0064】
続いて、ランダムプライマー150と連結されたプローブ131の強度を測定することはランダムプライマー150の他端150_bと連結されたマーカー160の強度を測定することを含み得る。その他にもランダムプライマー150と連結されたプローブ131の強度を測定する多様な方法があって、例えば、蛍光検出法ではマーカー160は蛍光物質を含みそれぞれのプローブ131と連結された蛍光物質から測定された蛍光強度によって目的試料がランダムな配列を含むかどうかを確認することができる。
【0065】
または、図7に示すようにランダムプライマー150にマーカー(図5の160参照)を連結せず、前述したランダムプライマー150の伸張工程で使用された連結溶液に蛍光物質を含む塩基材料を含むことで、ランダムプライマー150の伸張と共にランダムプライマー蛍光伸張領域172を形成することができる。したがって、ランダムプライマー蛍光伸張領域172の強度を測定して目的試料140およびプローブ131のハイブリダイゼーション強度を測定する方法も可能である。その他にも多様なアッセイ方法によってハイブリダイゼーション強度を測定することができる。
【0066】
本発明の一実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法によれば、マーカーと連結されたランダムプライマーを使用しランダムプライマーがプローブに近接した位置で目的試料と結合するようにすることで、ランダムプライマーの伸張領域の長さを減らせることができる長所がある。すなわち、ランダムプライマーが結合した位置およびプローブの遊離末端の間の長さが短くなり、目的試料の安定した2次構造形成を防止することができる。したがって、ランダムプライマーからプローブまでの伸張が円滑に進行されて目的試料とハイブリダイゼーションされたプローブおよびランダムプライマーの連結が漏れる可能性が低くなるため、マイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイのアッセイ効率がさらに向上されることができる。
【0067】
以下、図8および図9を参照して本発明の他の実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法を説明する。図8および図9は、本発明の他の実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法の断面図である。本発明の他の実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法は、ランダムプライマーの結合位置において本発明の一実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法と差異がある。
【0068】
したがって、以下では本発明の他の実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法を、前記差異点を中心に図3以後の工程について説明する。同一な図面符号は実質的に同一な構成要素を指称し、その説明を省略または簡略化する。
【0069】
先ず、図8を参照して目的試料140にランダムプライマー150を結合するものの、プローブ131の遊離末端131_aと隣接した位置に結合する。
【0070】
ここで、隣接した位置とは、ランダムプライマー150の一端150_aおよびプローブ131の遊離末端131_aとの間に追加的な塩基が形成される空間がないが、化学的に連結していない状態を意味し得る。例えば、目的試料140の配列が(3’)……G−T−C−A−T−T−C−G−A−T−C−C−G−T−A……(5’)であると仮定すれば、ランダムプライマー150およびプローブ131の関係は次のようでありうる。
【数1】

【0071】
前記の上段は、目的試料140であり、下段左側の青色ボックスはランダムプライマー150であり、下段右側の赤色ボックスはプローブ131である。上段と下段を連結する灰色線は相補的な塩基に対する水素結合を示し、ハイフン(−)は化学的に連結された状態を示す。下段中央の緑色ボックスで示すように、ランダムプライマー150の一端150_aの’C’とプローブ131の遊離末端131_aである’T’との間に追加的に形成される塩基が存在しないが、化学的に’C’と’T’連結されていない。
【0072】
続いて、図9を参照してランダムプライマー150の一端150_aとプローブ131の遊離末端131_aを直接連結して、プローブ131とハイブリダイゼーションされた目的試料140を除去する。
【0073】
ランダムプライマー150の一端150_aとプローブ131の遊離末端131_aを直接連結することは本発明の一実施形態によるマイクロアレイのハイブリダイゼーションアッセイ方法とは異なり、ポリメラーゼによるランダムプライマー150の伸張工程が省略されて、さらに効率的でありうる。また、両者の連結反応においてはリガーゼを使用することができる。ランダムプライマー150の一端150_aおよびプローブ131の遊離末端131_aを連結するために、適切な温度および時間の条件下で、例えば37度から30分の間反応させて連結反応を誘導することができる。
【0074】
この後、プローブ131とハイブリダイゼーションされた目的試料140を除去し、マーカー160の強度を測定することは本発明の一実施形態によるマイクロアレイのハイブリダイゼーションアッセイ方法と実質的に同一であるといえる。
【0075】
本発明の他の実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法によれば、プローブと隣接した位置でランダムプライマーが目的試料とアニリング(annealing)してランダムプライマーの伸張工程が省略される。これで、目的試料の長さが長い場合でもプローブとランダムプライマーが直接ライゲーション(ligation)されうる。したがって、目的試料にプローブとランダムプライマーがそれぞれ結合する位置の間で目的試料の安定した2次構造が形成できる空間的マージンが不足され、ランダムプライマーおよび目的試料とハイブリダイゼーションされたプローブがさらに容易に連結されうる。結局、目的試料の配列がランダムな配列を含んでいるのかをさらに正確に検出することができる。すなわち、マイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイのアッセイ効率がさらに向上される長所がある。
【0076】
以下、図10を参照して本発明のまた他の実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法を説明する。図10は、本発明のまた他の実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法の断面図である。本発明のまた他の実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法はプローブの遊離末端が5’という点から本発明の一実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法と差異がある。したがって、以下では本発明のまた他の実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法を、前記差異点を中心に図3以後の工程について説明する。
【0077】
図10を参照してプローブ131の遊離末端131_aをランダムプライマー150の一端150_a方向に伸張220させる。
【0078】
図4で説明したように、例えば、ポリメラーゼを含むライゲーション溶液でマイクロアレイを処理してプローブ131を伸張220させることができる。本発明のまた他の実施形態によるマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法において、プローブ131の遊離末端131_aが3’であるため、ポリメラーゼによる伸張220方向は遊離末端131_aからランダムプライマー150の一端150_a方向になる。
【0079】
別途の図面で図示しなかったが、前述したように蛍光物質を含む塩基を塩基材料に用いて、ランダムプライマー150の他端150_bをマーカー160と結合しないこともある。また、図面に図示しなかったが、図8で説明したようにプローブ131の遊離末端131_aが3’末端でありつつ、ランダムプライマー150が隣接して形成されれば、ポリメラーゼによる伸張なしでランダムプライマー150およびプローブ131の直接ライゲーションする実施形態も可能であろう。
【0080】
以上、添付された図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明のその技術的思想や必須の特徴を変更しない範囲で他の具体的な形態で実施され得るということを理解することができる。したがって、以上で記述した実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的でないものと理解しなければならない。
<実施例>
実験対象になったSNPは9個の人間遺伝子で総11個のSNP位置を含むSNPナンバー(number) 1から11、総22 sequenceであった。前記人間遺伝子の塩基配列は次のようである。
【0081】
【表1】

【0082】
目的試料(100μl(0.1 ng/μl))を含んだ目的試料溶液でマイクロアレイを処理して、45度で1時間の間処理して、目的試料がプローブにハイブリダイゼーションされるようにした。この時、実験1ではCombimatrix社の特許文献US 20060240443に開示された方法によって、5’にCy5表示されたオリゴヌクレオチド検出プライマー(Oligonucleotide detection primer)(最終濃度2μM、5’/Cy5/GCATCCTAATACGACTCACTATAGG)を、実験2から4ではそれぞれ4、6、8 nucleotidesの5’にCy3表示されたランダムプライマー(最終濃度2μM)をハイブリダイゼーション溶液に混ぜてハイブリダイゼーションさせた。続いて、PBST bufferで1分間2回、PBS bufferで1分間2回、ligase bufferで1分間1回洗浄してマイクロアレイを洗いおとした。
【0083】
洗浄されたマイクロアレイは37度で30分間100μlの重合および連結溶液(Nuclease−free water 84 μl、 10X DNA ligase buffer 10 μl、 10mM dNTP 2 μl、 AmpliTaq(登録商標) DNA polymerase、 Stoffel Fragment 2 μl、 DNA ligase (E. coli) 2 μl)でそれぞれマイクロアレイを処理してランダムプライマーと目的試料の結合(annealing)、伸張(extension)、連結(ligation)を誘導した。
【0084】
続いて、実験1から4の方法で処理されたそれぞれのマイクロアレイのSNPの塩基を調べ、その結果を次の表1に示した。
【0085】
前記実験1から4ではチップ当たり4個の試料を処理できるカスタマイズマイクロアレイ(combimatrix、USA)を使用した。このマイクロアレイは11個のSNP位置に対してそれぞれA(Adenine、アデニン)、C(Cytosine、シトシン)、G(Guanine、グアニン)、T(Thymine、チミン)の四個のスポット(spot)をワンセットとし、このようなセットはマイクロアレイ上に互いに異なる位置に23個ずつ反復的に配置され存在する。そして、遺伝子型の決定は23個の同一プローブで検出された蛍光信号の中間値と標準偏差を有し統計処理によって一つのSNP位置に属するA、C、G、Tスポットを相対比較して計算した。
【0086】
【表2】

【0087】
前記表2で塩基配列分析結果列(column)は、標準的な遺伝子塩基配列分析法によって知らされた遺伝子型を示すものであって、実験1から実験4までの列は各マイクロアレイ実験結果による遺伝子型を示すものであり、赤い文字は遺伝子型検出に失敗または(no call)誤った遺伝子型を検出した場合を示すものである。
前記表2を調べれば、実験1が6/11(55%)、実験2が0/11(0%)、実験3が6/11(55%)、および実験4が8/11(73%)で、それぞれの正確度を示した。ここから、6マーのランダムプライマーを使用する場合には少なくとも既存方法と同等な正確度を示すことができ、さらに8ヌクレオチドnucleotides長さのランダムプライマーを使用すれば既存方法より正確度を高めることができるということが分かった。
【符号の説明】
【0088】
110 基板
111 基板上面
120 リンカー
130、131、132 プローブ
140 目的試料
150 ランダムプライマー
160 マーカー
170 ランダムプライマーの伸張領域
171 プローブ伸張領域
172 ランダムプライマー蛍光伸張領域
210、220 伸張(extension)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプローブが形成されたマイクロアレイを提供する工程;
前記複数のプローブに目的試料(target sample)とランダムな配列から成るランダムプライマーをハイブリダイゼーションする工程:、
前記各プローブの遊離末端(free terminal)および前記ランダムプライマーの前記各プローブ側の一端をライゲーションする工程;
前記各プローブとハイブリダイゼーションされた前記目的試料を除去する工程;及び
残存する前記ランダムプライマーの強度を測定する工程を含む、マイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法。
【請求項2】
前記ランダムプライマーは、4ヌクレオチド(nucleotides)以上10ヌクレオチド長さ以下である、請求項1に記載のマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法。
【請求項3】
前記ランダムプライマーは、8ヌクレオチド長さである、請求項2に記載のマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法。
【請求項4】
前記ランダムプライマーの他端はマーカーと連結された、請求項1に記載のマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法。
【請求項5】
前記マーカーは、蛍光物質である、請求項4に記載のマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法。
【請求項6】
前記各プローブの遊離末端および前記ランダムプライマーの前記各プローブ側の一端を連結する工程が、
リガーゼ(ligase)を利用して前記各プローブの前記遊離末端に前記ランダムプライマーの一端を直接ライゲーションする工程である、請求項1に記載のマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法。
【請求項7】
前記各プローブの前記遊離末端は5’末端である、請求項1に記載のマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法。
【請求項8】
ハイブリダイゼーションされた前記各プローブの遊離末端および前記ランダムプライマーの前記各プローブ側の一端を連結する工程が、
前記ランダムプライマーの一端から前記ランダムプライマーを伸張して、前記目的試料に相補的なランダムプライマーの伸張領域を形成する工程;及び
リガーゼを利用して前記各プローブの遊離末端と前記ランダムプライマーの伸張領域の一端を連結する工程を含む、請求項7に記載のマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法。
【請求項9】
前記各プローブの前記遊離末端は、3’末端である、請求項1に記載のマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法。
【請求項10】
ハイブリダイゼーションされた前記各プローブの遊離末端および前記ランダムプライマーの前記各プローブ側の一端を連結する工程が、
前記各プローブの遊離末端から前記各プローブを伸張して、前記目的試料に相補的なプローブ伸張領域を形成する工程;及び
リガーゼを利用して前記ランダムプライマーの一端と前記プローブ伸張領域を連結する工程を含む、請求項9に記載のマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法。
【請求項11】
前記目的試料は、プローブとハイブリダイゼーションされた部分を除いた余分の長さが9マー(mers)以上である、請求項1に記載のマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法。
【請求項12】
目的試料およびランダムな配列から成るランダムプライマーをハイブリダイゼーションされた複数のプローブを含むマイクロアレイに提供する工程;
リガーゼ(ligase)を含む連結溶液で前記マイクロアレイを処理する工程;
前記マイクロアレイを洗浄する工程;
前記マイクロアレイのハイブリダイゼーション程度を測定する工程を含む、マイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法。
【請求項13】
前記ランダムプライマーは、4ヌクレオチド以上10ヌクレオチド長さ以下である、請求項12に記載のマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法。
【請求項14】
前記ランダムプライマーは、8ヌクレオチド長さである、請求項13に記載のマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法。
【請求項15】
前記ランダムプライマーは一端が蛍光物質と連結したものを含み、
前記蛍光物質と連結された前記ランダムプライマーおよびリガーゼを含むライゲーション溶液で前記マイクロアレイを処理することを含む、請求項12に記載のマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法。
【請求項16】
前記連結溶液はポリメラーゼ(polymerase)をさらに含む、請求項15に記載のマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法。
【請求項17】
前記連結溶液は、ポリメラーゼおよび蛍光表示された塩基を含む、請求項12に記載のマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法。
【請求項18】
前記目的試料は、プローブとハイブリダイゼーションされた部分を除いた余分の長さが9マー以上である、請求項12に記載のマイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−171969(P2009−171969A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−12251(P2009−12251)
【出願日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】