説明

マイクロアンテナ装置

本発明は、圧電材料でできている非常に小さなアンテナに対するものである。圧電材料を介して伝搬する無線シグナルの波長は、その高い誘電率および無線シグナル間の共振のため、短くなり、種々の周波数におけるその力学的な波のモードにより、送受信モードにおいて高振幅シグナルを生じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、主に無線遠距離通信適用のための圧電材料を使用した装置に、特に、しかし排他的でなく、20kHzを超える周波数にて作動する圧電材料を使用した非常に小さなアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
アンテナは、時間変化する電流を電磁波に、およびその逆に変換する装置である。これらは、通信システムの必須な側面であり、無線通信リンクのトランシーバ回路に接続される。アンテナは、大きさまたは体積に関して過去の百年以上にわたって変わっていない。金属構造物は、電気共振下で様々な形態で電波を送信し、または受信する。
【0003】
アンテナに関連した主要な問題の1つは、これらの特性が、これらが送信し、または受信する電磁波の波長と同等でなければならないということである。通信システムに使用される電磁波の波長は、テレビジョン適用のためのメートルの分数から振幅調整されたラジオ放送のための数キロメートルで変化する。これは、アンテナを従来の技術を使用して小型化することができないことを暗示しており、電子チップ上へのこれらの組込みは、電気工学で最も大きなチャレンジの1つある。
【0004】
典型的な移動送受器において、アンテナは、全空間の約15〜25パーセントに及ぶ。TVにおいて、アンテナは、サイズに関してテレビと同程度に大きくなり得る。
【0005】
以前には、研究者は、アンテナを減少させる唯一の方法は、通信の波長を減少させることであろうと考えていた。
【0006】
無線通信のための輻射の波長を減少させることは、減衰が非常に高いテラヘルツ輻射を使用することを意味するので、これは不可能である。
【0007】
小型化されたアンテナの分野における開発は、集積回路の発明によって革命が起こり、電子産業に追いつくことができず、より小さな、より安価な、そしてより速い装置を製造する傾向を見せ始めた。
【0008】
圧電共振子は、電界下で力学的共振に励起することができる圧電性結晶材料からなる弾性固体である。結晶振動として、周期的変形により、それに連結された金属電極に周期的な圧電電荷を生じさせる。
【0009】
圧電材料に基づいたアンテナが、Politekhnicesky(1499033A GB)によって開示された。同様の開示は、Duan(中国特許CN 1107618)およびYifang(中国特許CN 1564374A)によってもなされた。しかし、全てのこれらの特許出願は、「大きさ」または「弾性表面波」を記述する。「音波」の用語は、具体的には、周波数が20Hz〜20kHzまでの範囲内に入る音波を意味する。そして、技術的展望から、上述した特許出願は、20Hz〜20kHzの音波周波数範囲で機能することができる圧電材料において音波について論議するだけである。
【0010】
通常の通信システムは、主に音波範囲よりもずっと上の周波数を使用する。たとえば、超短波(VHF)範囲は、30〜300MHzで変化し、TVおよび移動通信に使用される極超短波(UHF)範囲は、300MHz〜3GHzで変化する。これらの周波数に対応する力学的な波は、薄膜圧電材料を介して伝播することができ、通常レーリー-ラム波と称される。バルク圧電材料の場合、これらの波は、単にバルク力学的な波と呼ばれている。
【0011】
市販の組織は、弾性表面波(SAW)の用語を力学的な波またはレーリー-ラム波で作動する装置を意味するために適応し、科学文献、すなわち研究論文および特許出願は、このような種類の波動に関連した正確な科学的用語法を明確に述べている。それは、電波の受信および送信について論議する従来技術のSAW装置が音波周波数の範囲においてのみ作動することであり、通信リンクにおいて広く使用されている20kHzを上回る通常の電波でない。従来技術は、送信または受信モードにおける遠距離場領域では通常のことであるこれらの波動の起源について論議していない。
【発明の概要】
【0012】
本発明の重要な目的は、圧電材料に付随する無線のラジオ周波数効果に基づいたマイクロアンテナ装置を提供することであり、これは、従来技術の上述の問題のいくつかを解決し、または少なくとも減少させる。
【0013】
音波周波数よりも高い無線シグナルの遠距離場領域への送信には、かなりの量の電源が必要である。同様に、遠距離場領域からのシグナルの受信には、環境のノイズフロアからシグナルを捕捉することができる圧電材料が必要であろう。これらは、送受信のソースが長距離によって分離されている実用的な通信システムの重要な側面である。アンテナの電磁界パターンは、距離に依存する。
【0014】
本発明は、圧電材料に取り付けられ、開発され、または結合された自立型のマイクロ構造を使用したラジオ周波数磁場の検出の新規方法に関するものある。ラジオ周波数磁場は、圧電材料においてラジオ周波電圧の誘導を生じ、これは、機械振動において起こる。圧電材料内の機械振動は、その後それに取り付けられたマイクロ構造に移って、共振下で高振幅振動を生じ、これは、光検出または電気系統によって測定される。自立型のマイクロ構造の振動に関連した高品質要素は、納得のいくミクロアンテナを開発する方法を示し、これは、場合によっては電子チップ上の電子部品と潜在的に組み込むことができるであろう。
【0015】
従って、第一の側面において、本発明は、送信アンテナとして無線電気通信網に使用するための装置であって、該装置は、圧電材料を含み、20kHzを超える周波数にて時間変化する電気励起が圧電材料に適用されるときに、これが前記周波数にて自由空間への電波の放出を生じる、装置を提供する。
【0016】
第2の側面に従って、本発明は、受信アンテナとして無線電気通信網に使用するための装置であって、該装置は、薄膜またはバルク形態の圧電材料を含み、20kHzを超えるが周波数にて自由空間の電波が材料に適用されるときに、これが前記周波数にて材料において電気励起を生じる、装置を提供する。
【0017】
第三の側面に従って、本発明は、電磁波の受信の方法であって、空間および圧電インピーダンスの積が直列(または並列)のコンデンサと並列(または直列)のインダクタのインピーダンスの積と一致するような様式で、並列(または直列)のインダクタのセットと直列(または並列)のコンデンサのセットとを備えたインピーダンス整合回路を使用して、圧電材料のインピーダンスが自由空間のものに一致されている、方法を提供する。
【0018】
第四の側面に従って、本発明は、送信したか、または受信した電磁波にフィルタを適用する方法であって、フィルタリングは、周波数がアンテナの共振振動数に近い電磁波の通過を実質的に制限するアンテナの共振振動数によって達成される、方法を提供する。
【0019】
第五の側面に従って、本発明は、核磁気共振分光法または磁気共振イメージング装置であって、静磁場が直流を有する金属コイルによって発生され、かつ無線周波は、圧電材料を使用することにより発生され、圧電材料に適用された有線の時間変化する電気励起は、材料内の荷電の加速を生じて無線周波の放射を引き起こし;前記磁気共振分光法または磁気共振イメージング装置のためのレシーバは、圧電材料をヒットする無線周波が材料内の荷電を加速して前記圧電材料において電圧を誘導する変位電流を生じるような様式で、特定の試料によって放射される無線周波を圧電材料によって受け取る、核磁気共振分光法または磁気共振イメージング装置を提供する。
【0020】
第六の側面に従って、本発明は、核四極子共振検出装置であって、無線周波が圧電材料使用することにより発生され、圧電材料に適用された有線の時間変化する電気励起は、材料内の荷電の加速を生じて無線周波の放射を引き起こし;前記核四極子共振検出装置のためにレシーバは、圧電材料をヒットする無線周波が材料内の荷電を加速して前記圧電材料において電圧を誘導する変位電流を生じるような様式で、特定の試料によって放射される無線周波を圧電材料によって受け取る、核四極子共振検出装置を提供する。
【0021】
第7の側面に従って、本発明は、無線シグナルの検出のための装置であって、シグナルがパルサーのような宇宙空間の物体によって放射される、装置を提供する。
【0022】
本発明の態様を、例えば、図面を参照して、ここでより詳細に記述してある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一つの態様に従った、シグナル発生器に接続された圧電スタックを示す。
【図2】本発明の技術分野で周知のとおりの典型的な圧電材料の分子レイアウトを示す。
【図3a】本発明の技術分野で周知のとおりの圧電スタックを多層にした内部構造細部を示す。
【図3b】本発明の第2の態様に従った、先細の層をもつ多層圧電スタックを示す。
【図3c】本発明の第3の態様に従った、それ上にマイクロカンチレバーを取り付けた多層圧電スタックを示す。
【図4】本発明の第4の態様に従った、圧電材料を使用して無線周波数シグナルを検出するための実験準備を示す。
【図5a】梁で支えた形態の圧電材料を示す。
【図5b】カンチレバーの形態の圧電材料を示す。
【図6a】レシーバとしての圧電材料の典型的な積を示す。
【図6b】トランスミッタとしての圧電材料の典型的な積を示す。
【図7】反射器のアレイをもつバルク圧電材料を示す。
【図8a】電圧源によって励起されたバルク圧電共振子を示す。
【図8b】電圧源によって励起されたバルク圧電共振子のアレイを示す。
【図8c】その中に電極が打ち込まれたバルク圧電共振子を示す。
【図9a】異なる位置にて電極によって励起される円筒形にした圧電共振子を示す。
【図9b】異なる位置にて電極によって励起される円筒形にした圧電共振子を示す。
【図9c】異なる位置にて電極によって励起される円筒形にした圧電共振子を示す。
【図9d】異なる位置にて電極によって励起される円筒形にした圧電共振子を示す。
【図10】ディスク形の圧電材料を示す。
【図11a】異なるパッチセクションおよび電極をもつ平面圧電共振子を示す。
【図11b】異なるパッチセクションおよび電極をもつ平面圧電共振子を示す。
【図11c】異なるパッチセクションおよび電極をもつ平面圧電共振子を示す。
【図11d】異なるパッチセクションおよび電極をもつ平面圧電共振子を示す。
【図12】異なる平面パッチセクションおよび電極をもつ三次元圧電共振子を示す。
【図13a】トランスミッタとしての薄膜圧電共振子を示す。
【図13b】レシーバとしての薄膜圧電共振子を示す。
【図14a】レシーバとしての薄膜圧電共振子の典型的な積を示す。
【図14b】トランスミッタとして薄膜圧電共振子の典型的な積を示す。
【図14c】トランスミッタおよびレシーバとしてのマルチターンコイルの典型的な積を示す。
【図14d】周波数掃引上でのレシーバとしての圧電共振子を示す。
【図15a】複数の電極フィンガをもつ薄膜圧電共振子を示す。
【図15b】複数の電極フィンガをもつ薄膜圧電共振子を示す。
【図15c】反射器をもつ薄膜圧電共振子を示す。
【図16a】ラダー配置の薄膜圧電共振子を示す。
【図16b】平行して接続された薄膜圧電共振子を示す。
【図16c】垂直並びに水平配置に沿った電極フィンガを有する薄膜圧電共振子を示す。
【図17】金属細長片に接続された2つの薄膜圧電共振子を示す。
【図18】Z形のチャンネルをもつ薄膜圧電共振子を示す。
【図19】ジグザグ形の電極フィンガをもつ薄膜圧電共振子を示す。
【図20】円形電極をもつ薄膜圧電共振子を示す。
【図21】傾斜した電極フィンガをもつ薄膜圧電共振子を示す。
【図22】電極フィンガに接続されたカンチレバーをもつ薄膜圧電共振子を示す。
【図23】インピーダンス整合回路に接続された圧電共振子を示す
【図24】長さ750μm、幅100μmおよび厚み2μmのシリコンマイクロカンチレバーのアレイを示す。
【図25】圧電スタック上に取り付けられたマイクロカンチレバーの振動の測定のための光検出系を示す。
【図26】シグナル源に接続された無線周波数コイルおよび圧電スタック上に載置された一組のカンチレバーを示す。
【図27】圧電マイクロカンチレバーシステムに適用された有線のラジオ周波数励起の反応を示す。
【図28】圧電マイクロカンチレバーシステムに適用された無線のラジオ周波数励起の反応を示す。
【図29】有線および無線RF励起の重合せによる、うなり形成のプロセスを示す。
【図30】時間領域における有線および無線RF励起の重合せによる、うなり形成のプロセスを示す。
【図31】時間変化する磁場の領域内で誘導される電界を示す。クロス徴候は、一定の時点にて紙に入っている磁気分野を示す。
【図32】圧電スタックの領域上のRFコイルの磁束密度を示す。
【図33】ループを形成するように圧電スタックに接続されたワイヤをもつ圧電スタック上に取り付けられたマイクロカンチレバーが形態にことを示す。
【図34】p-n接合ダイオード上に取り付けられたマイクロカンチレバーを示す。
【図35】pnpバイポーラ接合トランジスタ上に取り付けられたマイクロカンチレバーを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
詳細な説明
本発明は、圧電材料を使用した非常に小さなアンテナに関する。圧電材料の薄膜またはバルク形態は、適用された無線シグナルの波長が、それがそれを介して広がるために、短くなる媒体を提供する。時間変化する有線の電気励起は、材料内の電荷の加速を生じ、最終的には材料からの電磁放射を生じる。自由空間を介して伝播した電磁波が圧電材料をヒットするときに、材料内の電荷が加速されて、材料において電流の流れおよび電圧の発生を生じ、これが受信アンテナとして働く。圧電結晶の共振モードに関連する高いQ値は、これらが遠距離通信および関連した適用のために電磁波の送受信装置として通常のアンテナの代わりに使用することができることを暗示する。マイクロ構造の振動に関連した高いQ値は、ノイズの多い環境における低パワーシグナルの選択的なフィルタリングを生じる。
【0025】
圧電材料は、静電気電界の適用下で、電気的に極性を与える。これが、材料内の機械的偏向およびストレスを引き起こす。交番電界が圧電材料に適用されると、電気的な分極の方向およびそれに関連した機械的応力の方向の変化により、バルクおよび表面の力学的な波(または弾性波)が材料に生じる。これらの波は、レーリー-ラム波とまた呼ばれている。これらの波は、何十GHzまでの周波数を有し得る。時間変化する電気的励起に関連した材料における電荷の加速は、空間における電磁波の放射を引き起こす。表面およびバルクの力学的な波は、材料内の電荷の加速を増強して、電気的および力学的な力の間の相互作用のため、自由空間における電磁放射の放出の増強を引き起こす。
【0026】
圧電材料内の弾性波または力学的な波は、レーリー-ラム波とは異なる形態を有し得る。これらは、またラブ波または水平偏極せん断波であり得る。励起に応じて、これらの弾性波は、一次波(P波)または二次波または剪断波(s波)という形もとり得る。圧電材料の振幅および送信された電磁波は、その表面またはバルク機械のモードとそれに適用された有線または無線の時間変化する電気励起モードとの間の共振下で高くなる。
【0027】
圧電結晶のQ値は、非常に高いので、非常に効率的な送信アンテナを、このような結晶を使用して開発することができる。
【0028】
本発明の第一の態様の簡単な概要において、圧電系を図1に示してある。圧電系100は、有線電気励起のために電圧源4に接続された電極2および3とともに圧電材料1の小片を含む。電極2および3に対する時間変化する電圧の適用により、材料1全体に電界を生じるであろうし、これにより圧電材料1内に力学的な波の生成を引き起こすであろう。低周波電界(<10kHz)については、圧電材料1内の電荷が加速されて、電極間に変位電流がある。これが電磁波の生成を引き起こす。励起の周波数が比較的高い値に増えると、系100の物理学は、いくらかの変化を受ける。
【0029】
圧電材料1における機械的応力による電気的分極の変異は、装置の圧電歪み定数として定義することができる。次のとおりである、
【0030】
【数1】

式中、Pは、分極であり、Sは、機械的応力である。δの単位は、メートル/ボルトであり、これは、センサーベースの適用のための圧電材料の選択に関する関心対象の一次物理量である。各タイプのp-材料1は、独特の圧電歪み定数を有し、電位の適用により物理的歪みを算出することができる。圧電歪み定数の標準値は、1nm/ボルトであることができる。このような圧電材料の何百もの層により、正味の変位を増大することができる。このような積層された構造の総変位は、以下として定義することができる:
d=nδV
式中、dは、偏向であり、nは、層の数であり、δVは、圧電スタックの最上層と最下層の間に印加された電位である。偏向は、印加電圧の極性によりその方向を変える。これは、図3に示すように圧電材料の分子構造において対称の中心が欠如しているためであり、この場合、水平方向の圧縮力の適用は、角度θの減少および下方向に沿った分極の発生を生じる。水平方向に沿った張力により、角度の増大および上方向に沿った分極の発生を生じる。
【0031】
図2は、当技術分野において公知のとおり圧電結晶を介した1面の試料配置を示す。図2の破線は、圧電現象の起源である電荷の非対称配置を示す。
【0032】
無線シグナルの送受信のために使用することができる圧電材料は、水晶、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸鉛(PbTiO3)、PZT(Pb[ZrTi]O3またはPZT)、ニオブ酸カリウム(KNbO3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、窒化アルミニウム、リチウムタンタライト(LiTaO3)酸化亜鉛(ZnO)、シリコン、ゲルマニウムおよびシリコン-ゲルマニウム(Si-Ge)である。装置の寸法は、数ナノメートルから数ミリメートルであることができ、これらは、薄膜析出技術によって作り出すことができる。
【0033】
無線シグナル送受信のための圧電材料の使用の1つの主要な利点は、材料内の力学的な波の波長が無線シグナルの波長よりも非常に小さいということである。したがって、非常に小さなアンテナを開発することができる。装置の動作周波数は、10MHz〜10GHzの範囲であることができる。材料におけるいくらかの改変により、周波数を100GHzまで増やすことができる。10MHz以下では、装置は、乏しい効率で作動し得る。
【0034】
システムによって送受信される無線周波数シグナルのセットに応じて、圧電材料の共振振動数は、製造の間に事前に決定することができる。圧電材料内の力学的な波の波長は、λ=c/fであり、式中cは、力学的な波の速度であり、fは、波の周波数である。圧電材料内の波長λの算出後、電極フィンガ間の間隔は、境界条件に応じて、方程式L=(2n+1)λ/4またはL=n/2(nは、整数である)によって決定することができる。電極間隔は、より優れた効率のために対応して構成することができる。
【0035】
図3aは、当該技術分野において公知であり、特にそのひずみ電圧比を上げるようにデザインされた多層圧電スタック14の内部構造を示す。その構築は、米国特許第6462464号に詳述されている。これは、各々、全てが共に接着された数ミクロンの厚さを有し、緻密な圧電スタックを形成した多数の圧電層5を有する。それぞれの層は、両側に堆積された数ミクロンの厚みを有する金属層6および7を有する。それぞれの層が厚さ2ミクロン金属層によってカバーされた、それぞれが20ミクロン厚さの18mmの高さのスタック上に合計624のこのような層があることができる。圧電スタックの側面上に側面金属層8があり、外部のワイヤと内部の圧電材料との間のインターフェースとして形成する。側面金属層8の厚みは、約10ミクロンであり、共に全ての層9を励起するために使用される。側面の金属層8は、内部層に接続されており、金属層になんら応力を生じさせずに機械的に偏向することができる金属樹脂である。
【0036】
圧電スタックの側面上の金属鉛および圧電材料の上面および底面上の複数の金属層は、図3aに示すように、多数のコンデンサ10として働く。
【0037】
図3bは、本発明の第2の態様:末端にて先細りした薄層を有する圧電スタック14を示す。これは、共振振動数の帯域幅を上げるためになされる。一定の厚みを有する層のそれぞれのサブセクションは、特定の層における電極間の間隔に対応して一定の共振振動数を有し、捕捉された区分9を有することによって、密接に間隔を置いた共振モードの連続物を達成することができる。
【0038】
圧電スタック14が受けるシグナルは、図3cに示した本発明の第3の態様と同様に、圧電スタックの上面にマイクロカンチレバー11を載せることによって増幅することができる。圧電スタック14およびマイクロカンチレバー11の共振振動数は、異なる値であることができ、相対的に近いか、または同じであるように調整してもよい。カンチレバーの振動は、いくつかの接地面に関して、その容量変化を測定することによって測定することができる。あるいは、圧電材料の別の薄膜11'をカンチレバー上に作り出すことができ、これを、カンチレバーの振動により、さらなる電圧があるように、電極の1つに連結することができる。カンチレバーは、同様の自立構造に置き換えることができる。
【0039】
レシーバとしての圧電材料は、図4に示した本発明の第3の態様である。シグナル発生器13によって励起されるRFコイル12は、圧電スタック14によって拾われたRF磁場を発生する。シグナルは、スペクトルアナライザー15で観察することができる。低振動では、系は、磁場を発生することができるだけでなく、周波数が増大し、電磁波の電界を容易に検出することができる。
【0040】
入って来る電磁波は、圧電材料の拘束電荷と相互作用する。これにより、電荷の加速および材料の電気的分極の周期的変化が生じる。これにより、材料内の力学的な波(レーリー-ラム波)の生成を生じて、電気的および力学的な力の間の相互作用のために、材料内の電荷の加速の増強を引き起こし、変位電流の増強を生じて、圧電材料において比較的高い程度の電圧を誘導するさ。
【0041】
これらの周波数が自由空間における無線電磁波伝搬の周波数に合致するときに、機械的モードおよび電磁的モードの振幅が上昇され得る。したがって、本系は、非常に優れた電磁波レシーバまたは受信アンテナとして機能することができる。到来波の周波数が一定の周波数を上回っている場合、拘束電荷の加速により、材料内に伝導電流を引き起こし、放射の強化を引き起こすであろう。
【0042】
本発明の関連した側面は、図5aに示したように、2つの電極にはさまれた自立型圧電材料の使用である。16は、自立型ビーム17が電極18とともに作り出された半導体基板である。構造全体が、基材16の端によって支持される。電界の印加の下では、ビーム17内に振動が生じる。これには、エアーギャップの発生を必要とし、最初に支持物質の領域を堆積させて、パターン化し、続いて電極に沿って圧電材料を沈着し、およびパターニングして、最後に犠牲材料にエッチングすることで達成される。ウェットエッチングおよびプラズマエッチングは、共振器の開発のために優れていることが分かる。このような装置は、Film Bulk Mechanical Wave(FBAW)共振器と呼ばれている。図5aの態様は、カンチレバー、ブリッジおよび曲げ様式またはねじれ様式の振動を有する関連した独立した構造のようなその他の構造を包含するように改変することができる。図5bは、カンチレバーがあり、圧電材料17が空間に掛かっており、自由に振動する、本発明のさらなる態様を示す。
【0043】
図4の実験的な準備を使用して、シグナル発生器13によって励起される、半径2cmの5ターンの銅コイルで構成されるRFアンテナ12から2cm離れたところに置いた寸法2mm×5mm×5mmの圧電スタック14における誘導電圧を測定した。コイルは、48MHzおよび1Vにて励起させ、36.72mAの電流を生じて、コイルの軸に沿って2cm離れたところに2.09μTの磁場を発生した。図6aは、圧電スタックによって受けた振幅79.71mVのシグナルを示す。ファラデーの電磁誘導の法則を使用して、所与の磁場および周波数の値について、このような寸法のコイルの逆の末端に沿って測定される電圧は、3.2mVであるだろう。(コイルにおいて誘導される総電圧は、その二倍、すなわち6.4mVであるだろう)。PZTスタックにおいて誘導される電圧の大きい値は、48MHzのその共振振動数にて、20のQ値のためである。
【0044】
以前の図において論議した圧電材料のスタックは、種々の配置で取り付けることができる。図8aは、圧電材料22のこのような層が基材16に取り付けられており、電圧源13を介して電極20によって励起される本発明のさらなる態様を示す。接地面は、基材16上の数層であるか、または他に位置することができる。図8bは、さまざまな長さを有する圧電ロッドのアレイがYaggiアンテナのワイヤのような電極20に接続されたさらなる態様を示す。各々のロッドは、異なる共振振動数を持っていおり、これは、異なる共振振動数のシグナルを送受信することができる。ロッドは、アレイのようであることができ、または2つまたは3つの寸法のマトリックスに沿って配置することができる。図8cは、電極20が圧電材料23の横断面内に位置する本発明のさらなる態様を示す。圧電材料は、励起電極20が円筒状の圧電材料24の底にある図9aに示すように円筒形物体を有することができる。図9aは、ディスク形状の圧電材料24が電極20によって励起される態様を示す。ディスクは、サイズを変更することができ、これらは、マトリックスに構成することができる。ディスクに関連する利点は、帯域幅がロッド形の構造とは異なっている湾曲した構造に関連する定在波である。ディスク形の圧電材料の励起のための電極は、線図に示してあるように直鎖状か、または湾曲でありえる。ディスク型の圧電材料は、バルク形態または薄膜形態であることができる。電極は、図9bに示した本発明のさらなる態様と同様に側面に沿って、または図9に示した本発明のさらなる態様と同様に横断面に沿って接続することができる。図10は、外側および内側ディスクに接続された電極をもつディスク型の圧電材料を有する本発明のさらなる態様を示す。種々の厚みを有する異なる圧電材料を、マルチモード操作を達成するために、共に組み込むことができる。異なる形態の圧電材料により、空間において異なる放射パターンおよび有向性を生じ得る。
【0045】
異なる共振振動数を有するパッチセクションをもつ平面圧電材料は、共振振動数の選択に関して、いくつかのさらなる利点を有するだろう。ディスクに関連する利点は、帯域幅がロッド形の構造とは異なっている湾曲した構造に関連する定在波である。ディスク形の圧電材料の励起のための電極は、線図に示してあるように直鎖状か、または湾曲でありえる。ディスク型の圧電材料は、バルク形態または薄膜形態であることができる。電極は、図9bに示した本発明のさらなる態様と同様に側面に沿って、または図9に示した本発明のさらなる態様と同様に横断面に沿って接続することができる。図10は、外側および内側ディスクに接続された電極をもつディスク型の圧電材料を有する本発明のさらなる態様を示す。種々の厚みを有する異なる圧電材料を、マルチモード操作を達成するために、共に組み込むことができる。異なる形態の圧電材料により、スペースにおいて異なる放射パターンおよび有向性を生じ得る。
【0046】
異なる共振振動数を有するパッチセクションをもつ平面圧電材料は、共振振動数の選択に関して、いくつかのさらなる利点を有するだろう。図11aは、2つのパッチ25および26が平面圧電材料251の一部を形成する本発明の1つのそのような態様を示す。これらのセクションの共振振動数は、異なる。電極27および28は、送信モードにおける無線シグナルの励起および受信モードにおける無線シグナルの受信を可能にする。図11bは、セクション31および32が異なる切断を有し、同じ圧電材料251内に異なる共振モードが存在することができる別のこのような態様を示す。電極29および30は、無線シグナルの励起を可能にする。一方の電極は、グラウンドとして使用することができ他方を給電端子として使うことができる。図11cに示した態様は、パッチセクション33および34のほかに、残りの圧電材料251から完全に離れたさらなるセクション35を有する。本系は、基材16の底部に電極36、37および38および接地面39を有する。図11dは、再び、電極40および41とともに、パッチセクション42および43をもつ、平面配置の本発明のさらなる態様を示す。異なるパッチセクション42、43は、同様に異なる圧電材料から作製してもよい。
【0047】
図12は、もう一つの平面セクション46に並行してプレーナ構造47を有する圧電材料の三次元配置の本発明のさらなる態様を示す。電極44および45は、2つのセクションの励起を可能にする。このような態様は、異なる共振振動数に対する反応性に加えて、異なる放射パターンを生じるであろう。
【0048】
また、圧電材料のスタックについて得られた積は、圧電表面上で作り出したインターデジタル電極フィンガをもつ、表面力学的な波またはレーリー-ラム波に基づいた装置についても保持される。図13aは、圧電基材50が、交互配置され、かつ供与源51からの電圧の適用下で表面波を励起するフィンガを有する電極48および49を有する、そのような装置の本発明のさらなる態様を示す。
【0049】
圧電材料内の力学的な波の波長は、λ=c/fであり、式中、cは、力学的な波の速度であり、fは、波の周波数である。圧電材料内の波長λの算出後、電極フィンガ間の間隔は、境界条件に応じて、方程式L=(2n+1)λ/4またはL=n/2(nは、整数である)によって決定することができる。電極間隔は、より優れた効率のために対応して構成することができる。
【0050】
このような装置は、抵抗負荷52がSAWに基づいた装置に接続されている、図13bに示したようにレシーバとして働くことができる。入力電磁波は、圧電材料上の力学的な波を励起し、これが電極の他方の端に移動して電圧を発生する。
【0051】
図14aは、そこから2cm離れたところに置かれた、5巻数および2cmの半径の銅コイルによって発生される、寸法5mm×5mm×0.001mmの装置によって受けた電圧106.9mVのシグナルを示す。銅コイルを173MHzおよび1Vにて励起し、これによりその中で35.08mAの電流を生じて、その軸に沿って2cm離れたところに1.94μTの磁場を発生した。ファラデーの電磁誘導の法則を使用して、所与の磁場および周波数の値について、このような寸法のコイルの逆の末端に沿って測定される電圧は、26.4mVであるだろう。(ループ全体にわたって算出される電圧は、52.8mvであるだろう)。SAW装置の電極間で誘導される電圧の大きい値は、共振モードのため、173MHzであり、5のQ値である。
【0052】
また、装置は、トランスミッタとしても用いることができる。同じ装置の173MHzおよび1Vの励起下で、それから2cm離れたところに置かれた、5ターンおよび2cmの半径の銅コイルにおいて誘導される電圧は、図14bで示したように48.24mVであることが測定された。これは、これらの装置が優れた送信アンテナとして働くことができるということを証明する。
【0053】
図14cは、トランスミッタおよびレシーバとしての通常のマルチターンコイルの積を示す。コイルに関連した寄生効果は、より高い周波数にて優位を占め、反応の低下を生じる。図14dは、薄膜共振器の反応を示し、これは、高周波範囲においてさえ複数のピークを示す。
【0054】
装置は、図15aの本発明のさらなる態様に示すように、複数の生きている(48)および接地電極(49)フィンガを有することができる。しかし、電極フィンガの間隔は、以前に記述したとおりでなければならない。代わりの態様において、接地または生きている電極フィンガは、図15bに示すように単一であるか、または複数であることができる。さらなる電極フィンガの存在により、シグナル送信および受信を増強することができる。受信モードにおいて、さらなる電極フィンガにより、実質的により平滑な波形を作製することができる。電極フィンガのさまざまな長さに応じて、特定の形状を有する波形を発生することができる。隣接する電極フィンガとの間に重複を変化させることによってこのような装置の反応を改変するこの技術は、アポダイゼイションと呼ばれている。
【0055】
本発明のさらなる態様において、図15cに示したような反射器電極51および52のアレイの存在は、シグナル送信および受信の増強のために必須である。電極48、49間の電磁定在波を形成するために、反射器51および52が電極48、49の各辺にて置かれる。反射器アレイ間に形成される定在波は、系内で損失を減少させ、それは系のQ値を上げる。
【0056】
図16aに示したような本発明のさらなる態様である装置の梯子様の配置は、帯域幅の増強およびより低い損失のために必須である。かなり多く、圧電材料の薄膜は、非常に狭い帯域幅を有し、これらの性能を限定し得る。更にこれらの性能を増強するために、装置を平行に用いることができる。これは、図16bに示した。平行した配置により、総表面領域の増大を生じ、シグナル送信および受信の増強を生じる。多数のこれらの装置を共に接続する代わりに、約同様の効果をもたらすために、多数の電極を同じ圧電基材上に作り出すことができる。図16cは、一対の電極48および49が水平および垂直に配置されている1つのこのような装置を示す。このような装置は、垂直、並びに水平に分極した電界にも同程度に感度である。
【0057】
また、必要スペースを減少させ、および性能を増大さえるために、装置は、これらのそれぞれの電極を相互接続するように、互いの上に積み重なることができる。
【0058】
2つ以上の装置の出力の畳み込みを含む本発明のさらなる態様を図17に示してある。このような配置には、上部電極48に接続された金属細長片53を使用してもよい。
【0059】
図18は、いくつかのニッチ適用に使用される放射パターンを変えるために、力学的な波が「z」様式で反射される異なる態様を示す。この構成では、力学的な波は、この装置のより大きい領域をカバーする。
【0060】
また、電極および関連したフィンガの長さは、圧電フィルム上に作り出される力学的な波の振幅を決定する。図19は、全長を増加させるために、電極フィンガがジグザグ形である態様を示す。図20は、螺旋状電極を特徴とする態様を示す。螺旋状電極のもう一つのセットは、第2のセットを形成するように近くに埋め込まれていてもよい。
【0061】
図21は、電極48および49のフィンガが傾斜し、幅を先細りにしてある装置のさらなる態様を示す。電この極フィンガの配置は、装置の帯域幅の拡幅を可能にする。回旋の開口部の長さおよび電極の間隔を使用して、上下のカットオフ周波数を決定することができる。詳細は、引用文献1("Design Techniques for SAW filters
using slanted finger interdigital transducer, Hiromi Yatsuda," IEEE
Transactions on Ultrasonics, Ferroelectrics and Frequency Control, 44, 2, 1997,
(453-459))に記載されており、これは、広帯域のフィルタを取扱うだけであるが、同様の方法は、無線適用のためのアンテナを開発するために使用することができる。送受信能力を上げるために、多数のこれらの装置を互いの上に積み重ねて、それぞれの生きた電極および設置電極を互いにつなげることができる。
【0062】
図22は、レシーバとしての装置の反応を増強するために、カンチレバー11が電極48および49に接続されている装置のさらなる態様を示す。カンチレバーの共振振動数は、装置の共振振動数に対応しなければならない。カンチレバーの振動は、これらのキャパシタンスの変化を測定することによって、これらの上面に圧電材料の薄膜を組み込んで、電子回路を使用して、もしくは単に圧電材料を電極に接続することによって、これらの圧電材料の物理的特性を測定することによって測定することができる。カンチレバーは、圧電材料でできていてもよい。
【0063】
圧電材料は、その共振振動数周辺の抵抗器、コンデンサおよびインダクタの合計としてモデル化することができる。装置は、共振時に純粋に抵抗性のある回路として、その共振振動数以下の直列抵抗をもつ容量素子として、および共振振動数以上のいくつらの抵抗をもつ誘導部品として動作する。この挙動についての記号的回路図を、ちょうどその共振振動数以上で、図2に示してあり、抵抗部品61および誘導部品62のエレメントは、それぞれ圧電材料を表す。外付けコンデンサ59は、連続して圧電材料に接続されており、外付けインダクタ60は、系の総インピーダンスを自由空間と合わせるために、圧電材料に並列に接続される。このインピーダンス整合は、全体の感度を上げる。回路素子の値は、この分野における従来技術に従って、適当な算出をすることによって考慮される。直列および並列のエレメントのインピーダンスの積(容量性または誘導性)は、負荷のインピーダンスおよび送信モードにおけるシグナル発生器および受信モードにおける自由空間の積と同はずである。また、非常に優れたQ値を有する共振回路を18および19の代わりに、またはそれとともに使用することができる。
【0064】
インピーダンス整合の別な方法では、長さλ/4の線路のセクションを使用することになり、式中λは、波長であり、そのインピーダンスは、負荷および電源インピーダンスの積に等しい。インピーダンス整合のさらにもう一つの方法は、スミスチャートを使用する。
【0065】
圧電材料にコイルを追加することにより、系の全面積、磁束収集能力および感度を上げるだろう。装置の感度は、Q値の改善によっても上げることができる。装置は、これを達成するために、真空中に封入することができる。別法では、共振周波数および振動周波数の相に応答して電気シグナルを適用する電気回路を組み込むことによって、振動の間の機械損に補正するだろう。
【0066】
圧電材料の共振周波数は、直流バイアスを適用することによって、または装置の機械的負荷によって変えることができる。
【0067】
図6a、6b、14aおよび14bに示した積は、アンテナの近傍領域についての送信および受信のものであるが、これらが電磁界の遠距離場領域にある場合、圧電スタックおよび薄膜装置は、シグナルを受けることができる。
【0068】
圧電素子が受ける電磁波は、テレビジョン、モバイル、ラジオ受信機およびコンピュータのような電気通信設備の電子回路に接続すること、または組み込むことができる。また、圧電素子は、遠距離通信適用におけるトランスミッタとして動作することができる。このような装置のもう一つの興味深い適用は、無線ICタグにおけるものであることができる。
【0069】
表面またはバルク力学的な波装置は、遠距離通信適用におけるフィルタとして広く使用されているので、本装置は、アンテナおよびフィルタとして同時に使用することができる。
【0070】
従来のアンテナと関連する最も大きな問題の1つは、感度が不十分なことである。無線通信リンクにおいて、無線シグナルは、物理的実体によって妨げられ、これが波面の散乱を生じさせる。これは、データ速度の減少およびエラー回数の増大を生じさせ得る。アンテナアレイの使用は、相の建設的追加によるシグナルの空間的特徴(すなわち、シグナルの方向出現)および放射パターンの構築を位置づけるために、多重通路波の伝播によって生じるトラブルを減少させること、または除去することができる。これらは、スマートアンテナ、アダプティブアレイアンテナまたはマルチインプットマルチアウトプットアンテナと呼ばれている。これらは、ソフトウェア定義無線組込みの分野においてさらなる用途を有し、チャンネルおよび利用可能帯域幅の効率的利用を可能にする。
【0071】
残念なことに、スマートアンテナは、等方性シグナル受信のためにアンテナのアレイが必要なことなどのいくつかの問題がある。大きいサイズの従来のアンテナは、スマートアンテナの使用が、一定のニッチ市場だけに限定されるであうことを暗示する。我々は、スマートアンテナの分野において有意な転換をもたらすことができる極小アンテナを必要とする。圧電素子により、極小アンテナをスマートアンテナに使用し得る。
【0072】
本装置は、いくつかの固定端およびいくつかの自由端を有することによって機械的に振動することができる、マイクロカンチレバー、マイクロビーム、膜または任意の関連した構造であることができる自立型マイクロ構造のアレイをさらに含んでいてもよい。振動は、縦方向、軸方向、ねじれである、または彎曲していてもよい。マイクロカンチレバーは、このような自立型マイクロ構造の代表である。深部反応イオンエッチングを使用して作り出されるマイクロカンチレバーのこのようなアレイの走査電子顕微鏡検査イメージを原理検出素子として図24に示した。マイクロカンチレバーは、圧電材料上で取り付けられており、マイクロカンチレバーの偏向は、アレイにレーザービームを照射すること、および反射光を四分区間光検出器に入れることによって測定される。これは、図25において示してあり、マイクロカンチレバー67が圧電スタック66上で取り付けら、その金属鉛66'および接続ワイヤ69を介して無線シグナル源68に接続されている。レーザーダイオード63は、マイクロカンチレバー67の先端に入るビーム64を発生し、反射ビームは、光検出器65に入るようにされる。マイクロカンチレバーは、ワイヤ68を介して圧電スタック67の金属鉛66'に接続されているシグナル源68から有線のラジオ周波数電気励起によって機械的に励起される。マイクロカンチレバー先端67のあらゆる振動が電気シグナルに変換させて、光検出器65に接続されたオシロスコープまたはスペクトルアナライザーで読み込むことができる。
【0073】
図26は、シグナル発生器72によって励起されたスタンド70上で載置された無線周波数コイル71を示す。コイルは、72による有線電気励起下で、ラジオ周波数磁場を発生し、かつそれに物理的に接続することなく圧電マイクロカンチレバー系の近くに置かれる。
【0074】
圧電スタックを介してマイクロカンチレバーに適用された有線のラジオ周波数の電気励起がマイクロカンチレバーの機械的共振周波数と整合すると、マイクロカンチレバーの高振幅振動に対応するピークがオシロスコープ上で観察される。このようなシグナルのフーリエ変換を図27において示してあり、出力電圧のrms値は、189.98kHzの周波数にて約2.794mvである。この場合は、原理共振シグナルは、189.98kHz、482.7kHzおよび596.4kHzにて見いだされた。
【0075】
スイッチを切った圧電スタック66に対する有線のラジオ周波数の電気励起により、図26のコイル71を介した無線のラジオ周波数磁気励起がシグナル発生器10を使用してそれを励起することによってスイッチが入るので、マイクロカンチレバー67の振動は、共振にて高くなる。図28は、215.3μVの平方自乗平均振幅での光検出器シグナルを示す。
【0076】
圧電性マイクロカンチレバー系は、電磁波の磁気界成分によって励起される。RFコイルの近傍領域において、磁場は、強力で、かつ電界よりも優性である。系は、いかなる形であれ電界成分と反応しない。圧電マイクロカンチレバー系が、有線および無線励起によって同時に励起されると、無線電源の無線シグナル周波数がマイクロカンチレバーの共振周波数に近づくので、圧電マイクロカンチレバー系上の有線および無線電気励起の重合せにより、うなりが形成される。うなりの周波数は、シグナル周波数がマイクロカンチレバーの共振周波数に近づくと、減少する。うなりを図29に示した。この場合、圧電材料に対する有線の無線励起は、189.88kHzおよび1mvボルトにて維持され、コイル9に接続された無線周波数シグナル供与源が290.98kHzおよび1Vにて励起された。うなりの周波数は、周波数間での相違に応じて変化した。スペクトルアナライザーは、2つの密接に間隔を置いたフーリエ成分を示した。図30は、時間領域における1つのそのようなうなりを示す。これは、圧電マイクロカンチレバー系の異なるセットに対応する。半径a、巻数N、距離rにおける電流Iのループの磁場は、
【0077】
【数2】

によって与えられ。(μ0は、媒体の透磁率である)。
【0078】
a=2cmの半径のコイルに適用された189.88kHzの周波数および1Vの振幅でのRF励起については、発生した電流は、I=36.093mAであり、r=2cmの距離における磁場は、B=2.00μTである。189.98kHzの周波数にて、寸法5mm-5mm-2mmのスタック間で発生した電圧は、23.94μVである。圧電スタックの反対側にある導線の間の総電圧降下は、その半分、すなわち11.97μVである。これは、1Vによって励起されるラジオ周波数ループが、圧電スタック間に11.97μVの適用を生じることを意味する。これにより、215.9μVの光検出器シグナルを生じる。励起シグナルと光検出器シグナルとの間の比は、1:18.03である。この比をRwirelessであると呼ぶことができる。
【0079】
189.88kHzにおける圧電スタックに対する有線RF励起についての測定値は、1Vの有線圧電励起が圧電スタック間に186.8μVを生じて、2.794mVの光検出器シグナルを生じることを示す。したがって、単位励振電圧あたりの光検出器シグナルは、1Vである。したがって、有線励起下の圧電電圧と光検出器シグナルとの間の比は1:14.95であり、ほぼ有線おとび無線RF励起についてのものと同じである。本発明者らは、Rwiredとしてこの比を名付けることができる。
【0080】
図31は、磁力線がページを貫通するときの、一定の時点における時間変化する磁場に関連した循環電界を示す。循環電界のため、誘導電圧が発生する。
【0081】
磁束密度が均一でないとき、無線励起は、より高い程度の反応をもたらす。すなわちRwirelessの値は、Rwiredよりも高い。圧電スタックの一面の寸法が18mm-5mmであるときに、2cm野距離において32mAの電流を有する半径2 cmのコイルによって発生する磁束密度は、図32に示したように、その領域にわたって一様ではない。RwirelessとRwiredとの間の比は、いくつかの周波数について、27よりも高いものとして測定された。これは、周波数の増大にともなって、より高い値を得た。この観察は、不可解なままであり、さらなる研究を必要とする。
【0082】
装置の感度は、図33に示したように、圧電スタックにおいてループを接続することによって上げることができる。ループ73は、合計面積を増加させ、系に関連する全流束の値を増やし、圧電材料内に誘導される電圧の増大を生じる。この場合、無線励起下のシグナルレベルは、コイルのサイズに応じて、10〜50倍まで高くなり得る。コイルのサイズがより大きいときは、圧電スタックの総実効面積を増加させることにより、感度に関してさらなる力を提供する。
【0083】
その他の感度の改善の技術は、真空の適正使用によってQ値を上げることによる。環状エネルギーを系に提供することによってマイクロカンチレバー振動にリンクした減衰の損失を補正することができる電気回路の使用を、Q値を上げるために、また使用することができる。
【0084】
図25に記述した光学的検出方法は、図34に示したような別の系に置き換えることができ、この場合、カンチレバー76は、n型半導体物質75に接続されたp型半導体物質74をもつダイオード上に載置される。ダイオードは、電圧源77によってバイアスがかけられる。マイクロカンチレバーの振動は、ダイオード電流の変調を生じ、これは系に接続すされたアンメータ78によって測定することができる。ダイオードは、図35に示したように、n-、p-およびn-型領域をもつバイポーラ接合トランジスタに置き換えることができ、この場合、さらなるn型領域79が、74および75の他に存在する。
【0085】
本発明の1つの詳細な態様のみを詳細に記述してあるが、、種々の改変および改善を本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者によって行うことができることはいうまでもない。










【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信アンテナとして無線電気通信網に使用するための装置であって、該装置は:
圧電材料を備え、20kHzを超える周波数にて時間変化する電気励起が圧電材料に適用されるときに、これが前記周波数にて自由空間への電波の放出を生じる、装置。
【請求項2】
受信アンテナとして無線電気通信網に使用するための装置であって、該装置は:
圧電材料を備え、20kHzを超えるが周波数にて自由空間の電波が材料に適用されるときに、これが前記周波数にて材料において電気励起を生じる、装置。
【請求項3】
前述の請求項のいずれかの装置であって、前記電波が空間の遠距離場領域から受けられ、および遠距離場領域へ送信され、かつ前記無線シグナルの波長は、圧電材料を介して伝播するときに短くなり、その寸法が前記無線シグナルの波長よりも有意に小さいアンテナにおいて生じる、装置。
【請求項4】
請求項1または2の装置であって、前記電波の周波数は、20kHz〜10MHzの範囲である、装置。
【請求項5】
請求項1または2の装置であって、前記電波の周波数は、30kHz〜10MHzの範囲である、装置。
【請求項6】
請求項1または2の装置であって、前記電波の周波数は、10kHz〜100MHzの範囲である、装置。
【請求項7】
請求項1または2の装置であって、前記電波の周波数は、20kHz〜100MHzの範囲である、装置。
【請求項8】
請求項1または2の装置であって、前記電波の周波数は、30kHz〜10MHzの範囲である、装置。
【請求項9】
前述の請求項のいずれかの装置であって、前記圧電材料の正面および下面に金属電極をさらに備え、送信モードにおける電気励起を可能にし、かつ受信モードにおける電圧の収集を可能にする、装置。
【請求項10】
請求項8の装置であって、前記金属電極フィンガは、関係L= nλ/2またはL=(2n+1)λ/4(式中nは、自然数である)により力学的な波の波長に関係した間隔Lを有する、装置。
【請求項11】
請求項8または請求項9の装置であって、前記圧電材料の共振振動数に共振する距離にて金属電極の反対側に位置する一対の反射器電極をさらに備え、このような距離は、前記反射器間および金属電極間の定在波の存在を保証するように選択される、装置。
【請求項12】
前述の請求項のいずれかの装置であって、全てが異なる電極に接続された最上層および最下層に沿った金属層と共に、全てが互いの上に積み重なった圧電材料の複数の薄層をさらに備え、時間変化する有線の電気励起下でより高い程度の電圧変位比率を可能にして、層数に比例してより高い程度の電荷の加速、機械振動および電磁放射を生じる、装置。
【請求項13】
前述の請求項のいずれかの装置であって、前記装置の圧電材料は、それらの上に載せられた、異なる共振モードで独立型構造をもつ基材上に作り出され、もしくは取り付けられた積み重なった形態または薄膜形態であり;前記独立型構造は、少なくとも1つの膜、ビームまたはブリッジまたはカンチレバーであり、それぞれのこのような独立型構造は、圧縮(あるいは、長軸方向または伸展性と呼ばれる)、ずれ(あるいは、横向きと呼ばれる)、ねじれおよび/またはたわみの振動モードで振動する、装置。
【請求項14】
前述の請求項のいずれかの装置であって、前記圧電材料は、基材上に作り出され、かつ4分の1の波長厚を有する層で構成される反射器アレイで基材から分離されている、装置。
【請求項15】
前述の請求項のいずれかの装置であって、前記圧電材料は、矩形、三角形、円筒状または球面形状であり、かつ前記電極は、その側面に沿って、またはその横断面内に接続される、装置。
【請求項16】
前述の請求項のいずれかの装置であって、前記圧電材料は、異なる共振モードを生じるために、幾何学模様に切断された種々のパッチをもつプレーナ構造であり;それぞれのセクションは、金属電極を有する、装置。
【請求項17】
前述の請求項のいずれかの装置であって、前記圧電材料は、幾何学模様に切断された平面アームをもつ三次元構造であり、このような平面アームおよび幾何学模様は、異なる共振モードを生じ;それぞれのセクションは、金属電極を有し、かつ構造全体で異なる放射パターンを生じる、装置。
【請求項18】
前述の請求項のいずれかの装置であって、前記圧電材料は、薄膜形態であり、かつそれぞれが電圧源の正端子および負端子に交互に接続されたそれぞれの電極フィンガと共に交互配置された金属電極を有し、有線の電圧励起の適用が可能であり、送信モードにおいて電子の加速および表面力学的な波(レーリー-ラム波)およびその後の電磁放射の生成を生じ、かつ受信モードにおいて入って来る電磁波から電子加速および表面力学的な波(レーリー-ラム波)の生成によって生じる誘導電圧の収集が可能である、装置。
【請求項19】
請求項18の装置であって、前記圧電材料の共振振動数は、前記圧電材料における力学的な波の半波長の整数倍または4分の1波長の奇数の整数倍として電極フィンガ間の間隔を設定することによって無線シグナルのセットに整合される、装置。
【請求項20】
請求項17または請求項19の装置であって前記生きている電極フィンがおよび接地電極フィンガは、単一または複数であり、種々の長さを有し、かつ直線状、湾曲、ジグザグまたは螺旋である、装置。
【請求項21】
請求項18〜20の装置であって、前記生きている電極フィンがおよび接地電極フィンガは、異なる形態の波形を送信し、または受信するために、アポディゼーションされる(apodized)、装置。
【請求項22】
請求項17〜21の装置であって、前記生きている電極フィンがおよび接地電極フィンガは、自立型である、装置。
【請求項23】
請求項22の装置であって、前記生きている電極フィンがおよび接地電極フィンガは、エッチングされた圧電材料の下の材料に続いている自立型である、装置。
【請求項24】
請求項17〜21のいずれか1項の装置であって、前記生きている電極フィンがおよび接地電極フィンガは、表面およびバルク波の混合を生じるために、前記圧電フィルム内に部分的に、または完全に埋設される、装置。
【請求項25】
前述の請求項のいずれかの装置であって、複数のアンテナが直列-並列またはラダー様の配置で接続される、装置。
【請求項26】
前述の請求項のいずれかの装置であって、複数のアンテナが空間において水平に間隔を置くか、または互いの上に垂直に積み重なることにより、互いに平行しても接続される、装置。
【請求項27】
前述の請求項のいずれかの装置であって、複数のアンテナがコンデンサおよび/またはインダクタを使用して共に結合されて、系のパルス応答およびその関連した帯域幅における変化をもたらす、装置。
【請求項28】
前述の請求項のいずれかの装置であって、複数のアンテナが連続して互いに接続されている、装置。
【請求項29】
請求項17〜24の装置であって、前記装置の電極フィンガは、一定の角度に傾斜し、かつ幅を先細りにしてあり、その他の共振モードの励起を可能し、かつ前記装置の帯域幅を上げる、装置。
【請求項30】
請求項1、2および13に記載の送信および受信アンテナであって、独立型構造が前記圧電材料の上に載せられており、加えて、このような独立型構造は、前記圧電材料内の振動を機械的に増幅する、送信および受信アンテナ。
【請求項31】
請求項30の装置であって、前記独立型構造は、カンチレバーであり、かつ前記カンチレバーの偏向は、マイクロカンチレバーの上に載せた別の圧電材料の物理変化によって、またはマイクロカンチレバーおよびその接地面のキャパシタンスの変化によって測定される、装置。
【請求項32】
請求項1,2、13、30および31の装置であって、独立型構造が、前記圧電材料内の振動を機械的に増幅するために、前記圧電材料の上部に、または電極に載せられている、装置。
【請求項33】
請求項30〜32の装置であって、前記独立型構造の偏向は、接地面に関して、そのキャパシタンスの変化を測定することによって測定される、装置。
【請求項34】
請求項30または31の装置であって、前記独立型構造は、圧電材料でできているか、またはその上に圧電層を有し、これは、振動の間の誘導電圧が装置へ移されるように装置の電極に接続されている、装置。
【請求項35】
前述の請求項のいずれかの装置であって、前記圧電材料の共振振動数は、それに対して静電圧を適用することによって変化される、装置。
【請求項36】
前述の請求項のいずれかの装置であって、前記圧電材料の共振振動数は、それを機械的に負荷することによって変化される、装置。
【請求項37】
前述の請求項のいずれかの装置であって、電束鎖交の全面積およびそれ故装置の感度を上げるために、前記金属ループは、前記圧電材料に接続されている、装置。
【請求項38】
前述の請求項のいずれかの装置であって、前記圧電材料のインピーダンスは、インピーダンス整合回路を使用して、有線の電気励起発生器に整合される、装置。
【請求項39】
請求項36の装置であっって、前記インピーダンス整合回路は、有線電気励起発生器のインピーダンスおよび圧電材料の積が、直列(または並列)のコンデンサおよび並列(または直列)のインダクタのインピーダンスの積を整合するように配置された、並列(または直列)インダクタのセットおよび直列(または並列)コンデンサのセットを備える、装置。
【請求項40】
前述の請求項のいずれかの装置であって、前記圧電材料のインピーダンスは、自由空間または長さλ/4(式中λは、波長である)の線路のセクションを使用することによるシグナル発生器のものに整合され、その積、前記線路のインピーダンスは、前記圧電材料インピーダンスおよび前記シグナル発生器または自由空間のインピーダンスの積の平方根に等しい、装置。
【請求項41】
前述の請求項のいずれかの装置であって、前記圧電材料のインピーダンスは、直列の容量性もしくは反応性のエレメントまたは並列の反応性もしくは容量性のエレメントを使用することにより自由空間またはシグナル発生器のものに整合され、その値および位置は、スミスチャートに由来する、装置。
【請求項42】
前述の請求項のいずれかの装置であって、前記装置が実質的に真空の空間の容量に封入される、装置。
【請求項43】
前述の請求項のいずれかの装置であって、前記圧電材料は、フィードバックループの電子回路に接続され、このようなフィードバックループは、前記圧電材料に対して電気エネルギーを供給し、このようなエネルギーは、前記圧電材料の振動に関連した減衰の損失を補正するために、前記圧電材料の相および周波数に整合される、装置。
【請求項44】
前述の請求項のいずれかの装置であって、送信または受信のためのアンテナとして、前記装置は、通信装置の電子部品に接続され、またはで組み込込まれる、装置。
【請求項45】
前述の請求項のいずれかの装置であって、使用される圧電材料は、水晶、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸鉛(PbTiO3)、PZT(Pb[ZrTi]O3またはPZT)、ニオブ酸カリウム(KNbO3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、窒化アルミニウム(AlN)、リチウムタンタル石(LiTaO3)、酸化亜鉛(ZnO)、砒化ガリウム(GaAs)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)またはシリコン-ゲルマニウム(Si-Ge)である、装置。
【請求項46】
前述の請求項のいずれかの装置であって、前記圧電材料は、数ナノメートル〜数センチメートルの範囲の寸法(長さ、幅および厚み)を有する、装置。
【請求項47】
前述の請求項のいずれかの装置であって、複数の圧電材料は、アンテナがアレイに配置されるように、複数のアンテナを形成する、装置。
【請求項48】
請求項47の装置であって、前記複数のアンテナは、相の建設的追加によるシグナルの空間的特徴(すなわち、シグナルの方向出現)および放射パターンの構築を位置づける、装置。
【請求項49】
請求項1および2に記載の電磁波の受信の方法であって、空間および圧電インピーダンスの積が直列(または並列)のコンデンサと並列(または直列)のインダクタのインピーダンスの積と一致するような様式で、並列(または直列)のインダクタのセットと直列(または並列)のコンデンサのセットとを備えたインピーダンス整合回路を使用して、前記圧電材料のインピーダンスが自由空間のものに一致されている、方法。
【請求項50】
送信したか、または受信した電磁波にフィルタを適用する方法であって、前記フィルタリングは、周波数がアンテナの共振振動数に近い電磁波の通過を実質的に制限するアンテナの共振振動数によって達成される、方法。
【請求項51】
核磁気共振分光法または磁気共振イメージング装置であって、静磁場が直流を有する金属コイルによって発生され、かつ無線周波は、圧電材料を使用することにより発生され、圧電材料に適用された有線の時間変化する電気励起は、材料内の荷電の加速を生じて無線周波の放射を引き起こし;前記磁気共振分光法または磁気共振イメージング装置のためのレシーバは、圧電材料をヒットする無線周波が材料内の荷電を加速して前記圧電材料において電圧を誘導する変位電流を生じるような様式で、特定の試料によって放射される無線周波を圧電材料によって受け取る、核磁気共振分光法または磁気共振イメージング装置。
【請求項52】
核四極子共振検出装置であって、無線周波が圧電材料使用することにより発生され、圧電材料に適用された有線の時間変化する電気励起は、材料内の荷電の加速を生じて無線周波の放射を引き起こし;前記核四極子共振検出装置のためにレシーバは、圧電材料をヒットする無線周波が材料内の荷電を加速して前記圧電材料において電圧を誘導する変位電流を生じるような様式で、特定の試料によって放射される無線周波を圧電材料によって受け取る、核四極子共振検出装置。
【請求項53】
無線シグナルの検出のための装置であって、シグナルがパルサーのような宇宙空間の物体によって放射される、装置。
【請求項54】
添付図面のうちの図1、3b、3cおよび4〜35に先に記載され、および/またはに関する、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図9d】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図11d】
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【図12】
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【図13a】
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【図13b】
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【図14a】
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【図14b】
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【図14c】
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【図14d】
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【図15a】
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【図15b】
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【図15c】
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【図16a】
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【図16b】
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【図16c】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公表番号】特表2011−511498(P2011−511498A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538881(P2010−538881)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【国際出願番号】PCT/GB2008/003800
【国際公開番号】WO2009/081089
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(510173269)
【氏名又は名称原語表記】SINHA,Dhiraj
【Fターム(参考)】