説明

マイクロエレクトロニクスの用途のための現像液に可溶なアルコキシド金属塗布膜

【課題】反射防止組成物およびこの組成物を用いて回路を形成する方法を提供する。
【解決手段】溶媒中に拡散または溶解されたポリマーを含む。好適実施形態において、組成物のポリマーは、有機化合物と高分子アルコキシド金属とが反応することにより生成され、前記高分子アルコキシド金属は、下記式を有する連鎖ユニットを含む。


ここで、Mは、各々、チタン、ジルコニウム、シリコン、およびアルミニウムからなる群から選択される金属、各Lは、各々、ジケトおよびアルコキシド配位子とからなる群から選択され、前記有機化合物は、前記高分子アルコキシド金属のMに配位する官能基を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
発明の分野
本発明は、マイクロエレクトロニクス・デバイスの製造に用いる新規な反射防止組成物に関する。本発明の組成物は、高分子アルコキシド金属を含み、且つ、ウェットのフォトレジスト現像液において現像可能である。
【背景技術】
【0002】
従来技術の説明
集積回路の製造業者は、歩留りの向上、ユニットケースの小型化、およびオンチップの計算能力の増加のために、基板ウェハサイズを大口径化し、かつデバイスの構造寸法(feature dimension)を最小化することを絶えず求めている。シリコンまたは他のチップ上のデバイス構造寸法(feature size)は、現在、高性能な遠紫外光(DUV)のマイクロリソグラフィック・プロセスの出現によりサブミクロンのサイズである。
【0003】
しかしながら、半導体デバイスの製造工程において、フォトレジストによって頻繁に引き起こされる問題は、活性化された放射線が、フォトレジストを支持している基板によってフォトレジスト中に反射されることである。そのような反射は、フォトレジストの解像度を劣化させるパターンぼけを引き起こす傾向がある。基板が、非平坦および/または高反射率である場合、処理されたフォトレジストの画像劣化が特に問題化する。この問題を解決するための1つの取り組みは、フォトレジスト層下の基板に適用される反射防止膜を使用することである。反射防止膜は、反射を防止又は最小化するために効果的である一方、これを用いると、工程内に、反射防止膜を除去するために追加の除去ステップが必要となる。その結果、プロセスコストの増加を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この問題に対する1つの解決策は、ウェット現像が可能な反射防止膜を用いることである。この種の反射防止膜は、フォトレジスト材料の露光領域と共に除去することができる。つまり、フォトレジスト層がパターニングされたマスクを通して露光された後、フォトレジストの露光領域は、ウェット現像することが可能であり、次いで、所望のトレンチやホール・パターンを残すために、ウェット現像液を用いて除去される。ウェット現像が可能な反射防止膜は、この現像ステップ中に除去される。従って、付加の除去ステップの必要がなくなる。残念なことに、ウェット現像が可能な反射防止膜は、反射防止膜として有用な良いスピンボウル安定性や優れた光学特性を示すに違いないという事実をもってしても普及しているとは見えない。従って、優れた被覆性と光学特性を同時に示しながら、従来のフォトレジスト現像液で現像することのできる反射防止膜の組成物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
本発明は、マイクロエレクトロニクス・デバイスの製造において有用な新規なマイクロリソグラフィ組成物を広く含む。
【0006】
より詳しくは、本発明の組成物は、溶媒中に分散又は溶解されたポリマーを含む。好適なポリマーは、次式を有する連鎖ユニットからなる。
【0007】
【化1】

【0008】
ここで、Xは光減衰部位、Mは金属、各Rは、各々、水素、アルキル基(好ましくは、C〜C)、アリル基、アルコキシ基およびフェノキシ基からなる群から選択される。最適なR基は、‐CHおよび‐OCである。
【0009】
好適には、ポリマーは、さらに次式を有する連鎖ユニットを含む。
【0010】
【化2】

【0011】
ここで、各Rは、各々、水素、アルキル基(好適には、C〜C)、アリル基、アルコキシ基およびフェノキシ基からなる群から選択され、Mは金属である。最も好適なR基は、‐CHおよび‐OCである。
【0012】
前述の連鎖ユニットのいずれにおいても、最も好適な金属は、チタン、ジルコニウム、シリコンおよび/またはアルミニウムである。光減衰部位は、高分子金属アルコキシドの金属原子に配位する官能基を含むことが好ましい。前記官能基は、カルボニル、アルコールおよびフェノール基を含む。さらに、部位(すなわち、X)は、ポリマーの全重量を100重量%として、ポリマー中に、約5〜50重量%のレベルで存在するのが好ましく、さらに、10〜25重量%であるのが好ましい。好適な光減衰部位は、トリメチロールエトキシレート、4‐ヒドロキシベンズアルデヒド、および2‐シアノ‐3‐(4‐ヒドロキシフェニル)‐アクリル酸エチルエステルからなる群から選択される2以上を含む。組成物の感光性を避けるために、X、R、およびRは、いかる不飽和エチレン基も含むべきではない。
【0013】
別の実施形態において、ポリマーは、有機化合物と高分子アルコキシド金属とが反応することにより生成される。高分子アルコキシド金属は、次式を有する連鎖ユニットを含む。
【0014】
【化3】

【0015】
ここで、Mは金属、各Lは、各々、ジケトおよびアルコキシド配位子からなる群から選択される。好適なL基は、次式を有する。
【0016】
【化4】

【0017】
ここで、各Rは、各々、最も好適なR基の‐CHおよび‐OCと共に、水素、アルキル基(好適には、C〜C)、アリル基、アルコキシ基、およびフェノキシ基からなる群から選択される。エチルアセトアセテートの一部分は、もっとも好適なL基である。好適な金属原子は、前記のものと同様である。
【0018】
本実施形態において、上述の化学式(I)の構造を有する高分子アルコキシド金属は、ジケトまたはアルコキシド配位子(例えば、エチル・アセトアセテート)と高分子アルコキシド金属(例えば、ポリ(ジブチルチタネート))とが反応することにより、最初に生成することができる。また、その構造の一部としてジケトまたはアルコキシド配位子を既に有する開始モノマーを加水分解して圧縮することによって所望のポリマーに形成することができる。このタイプの開始モノマーの一例は、チタニウム・ジイソプロポキシド・ビス(エチル・アセトアセテート)である。
【0019】
上述の化学式(I)の構造を有する高分子アルコキシド金属と反応する有機化合物は、高分子アルコキシド金属の金属原子と配位結合するのに適した官能基を含むべきである。好適な官能基は、アルコール、フェノール、チオアルコール、チオフェノールおよびカルボニル基を含む。最も好適な有機化合物は、トリメチロール・エトキシレート、4‐ヒドロキシベンズアルデヒド、および2‐シアノ‐3‐(4‐ヒドロキシフェニル)‐アクリル酸エチルエステルである。
【0020】
本実施形態に係らず、反射防止組成物は、好ましくは室温の条件で、概ね均一に分散するのに十分な時間の間に、適切な溶媒中にポリマーを単に拡散または溶解することによって生成される。ポリマーは、組成物中の固体の全重量を100重量%として、組成物中に、2〜50重量%、好ましくは約5〜30重量%、さらに好ましくは約7〜15重量%のレベルで存在するのがよい。このポリマーの粘性は、好適には約2,000〜5,000cS、さらに好適には約3,200〜3,500cSである。
【0021】
好適な溶媒は、プロピレン・グリコール・メチル・エーテル・アセテート(PGMEA)、プロピレン・グリコール・メチル・エーテル(PGME)、プロピレン・グリコール・n‐プロピル・エーテル(PnP)、乳酸エチル、およびこれらの混合物からなる群から選択された溶媒を含む。溶媒は、好適には、約50〜250℃、さらに好ましくは約100〜175℃の沸点を有する。溶媒は、組成物中の固体の全重量を100重量%として、約70〜95重量%、好ましくは約80〜90重量%のレベルで用いられるのがよい。
【0022】
添加材料も、ポリマーと共に溶媒中に分散するのが好ましい。そのような好適な添加材料の1つは、エポキシノボラック樹脂(例えば、EPON 164(登録商標)、Araldite社製)、アクリル樹脂(例えば、ポリ(グリシジル・メタクリレート)、重合アミノ樹脂(例えば、Cymel(登録商標)、Cytec社製品)、グリコーラル(例えば、Powderlink(登録商標)、Cytec社製品)、ビニル・エーテルおよびこれらの混合物からなる群から選択される2以上を含む第2のポリマーまたはポリマーの結合剤である。この添加ポリマーの平均分子量は、好ましくは約1,000〜50000ドルトン、さらに好ましくは5,000〜25,000ドルトンである。添加ポリマーを用いる実施形態において、組成物は、組成物中の固体の全重量を100重量%として、この添加ポリマーを約1〜50重量%、さらに好ましくは約5〜25重量%含むのがよい。
【0023】
多くの他の任意の材料も同様に組成物中に含めることができることが認識できるであろう。典型的な任意の材料は、光吸収組成物、界面活性剤、触媒、架橋剤、および接着促進剤を含む。
【0024】
基板に充填剤または反射防止膜組成物を塗布する方法は、単に公知の塗布法(スピン‐コーティングを含む)を用いて、基板表面に一定量の上記組成物を塗布することでなる。基板は、どのようなチップ(例えば、シリコンウェハ)、イオン注入膜等であってもよい。
【0025】
所望の被覆が得られた後、得られた膜を、架橋を形成するために、約100〜250℃の温度で加熱するのがよい。これは、金属原子および酸素原子を交互に有する硬化膜を形成するための組成物の少なくとも一部分の有機成分の揮発ならびに溶媒の気化という結果になる。この硬化された反射防止層又は膜の屈折率は、約365nmの波長において、少なくとも約1.4、好ましくは約1.5〜2.0、さらに好ましくは約1.6〜1.7である。
【0026】
凹凸構造の基板上に塗布する場合には、コンタクト・ホールやビア・ホール端近傍の基板表面上の硬化膜の膜厚は、コンタクト・ホールやビア・ホールの端からおおよそ穴の直径と等しい距離離れた基板表面上の膜厚の少なくとも約60%、好ましくは少なくとも約75%、さらに好ましくは少なくとも約85%であるのがよい。
【0027】
フォトレジストは、硬化材料上に塗布され、次いで、フォトレジストの露光、現像、およびエッチングが行われる。次に示す本発明の方法は、デュアル・ダマシンおよびその他のマイクロリソグラフィック・プロセスのための、前述の所望の特性を有する前駆体構造を形成する。
【0028】
さらに、硬化された本発明の組成物は、ウェット現像可能であることが分るであろう。つまり、硬化組成物は、テトラメチル水酸化アンモニウム現像液やKOH現像液のような一般的なウェット現像液を用いて、除去することができる。これらの現像液のいくつかは、MF‐319現像液(マサツューセッツ州のShipley社製)、MF‐320現像液(Shipley社製)、およびNM3現像液(日本のTOK社製)の商品名で商品化されている。本発明の塗布膜の少なくとも約95%、好ましくは少なくとも約99%が、テトラメチル水酸化アンモニウム現像液やKOH現像液のような一般的な現像液によって除去することができる。商品化された利用可能な現像液におけるこの溶解度は、それが製造工程の短縮やコストを低減されるので、従来技術に対する重要な利点である。
【0029】
最後に、上述した多くの利点に加え、本発明の組成物は、スピンボウルへの適正を有する。これは、組成物で4インチのサンプルウェハを塗布することにより判断する。塗布後、ウェハを加熱乾燥せず、その代わり、膜が流れるのを防ぐために上方に配置する。約1200〜1300Åの膜厚の膜を製造するために、クリーンルームで、サンプルを約24時間乾燥させる。その後、最初のサンプルの膜厚の平均を決定するために、サンプルの膜厚は、5箇所で測定する。
【0030】
塗布されたウェハを、特殊なテスト溶媒(例えば、プロピレン・グリコール・メチル・エーテル・アセテート)で露光する。これは、3分間(±5秒)溶媒にサンプル表面を浸し、次いで、1,500rpm(20,000rpm ランプ)で15秒間、さらに、2500rpm(20,000rpm ランプ)で30秒間回転することにより実施される。サンプルの膜厚を、再度、5箇所で測定し、最終のサンプルの膜厚の平均を決定する。溶解度は、下記のように計算される。
【0031】
【数1】

【0032】
本発明の組成物は、少なくとも約75%、さらに好ましくは少なくとも約90%の溶解度をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1a】サイドウォールが垂直なライン構造を有する回路前駆体構造を模式的に示す。
【図1b】ライン構造が侵食されたサイドウォールを有することを示す以外は図1aと同様の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
好適な実施形態の詳細な説明
本発明の組成物は、上述のプロセスが、コンタクトまたはビア・ホールおよびトレンチのサイドウォールやボトムウォールの劣化や侵食が起こるのを防止するため、特に有効である。つまり、従来技術の組成物を用いるとサイドウォールは、反射防止膜の除去中に一般的に侵食されるので、サイドウォールは、直線でも垂直でもなくなる。これは、しばしば、回路の欠陥を招く。
【0035】
図1(a)は、製造開始時の回路構造10の一部を示す。回路構造10は、基板12とライン構造14とを有する。基板12は、上表面16を有する。ライン構造14は、反射防止膜18とフォトレジスト膜20とで構成される。図中に示すように、反射防止膜18は、略垂直なサイドウォール22a,bを好適に有する。
【0036】
図1(b)は、第2の製造開始時の構造24の一部を示す。回路構造24も基板26とライン構造28とを有する。基板26は、上表面30を有し、一方、ライン構造28は、反射防止膜32とフォトレジスト34とで構成される。反射防止膜32は、サイドウォール36a,bを有する。図1(a)中に示す回路構造10のサイドウォール22a,bとは違い、サイドウォール36a,bは、以降のプロセスステップ中(例えば、ウェット現像中)の劣化や侵食を受けている。これは、欠陥に至ることがあるため、非常に望ましくない。本発明は、この劣化や侵食を最小限にするまたは防止する特別な利点を有する。特に、本発明に従い形成したライン構造の角度aは、約83〜90°、好ましくは87〜90°である。ここで用いる角度aは、サイドウォール36aおよび上表面30、または、サイドウォール36bおよび上表面30(図1(b)参照)によって形成される最小の角度である。
【0037】
さらに、本発明に従い形成されたライン構造の侵食度は、約15%未満、好適には約10%未満、さらに好適には約7%未満である。ここで使われる侵食度は下記式で定義される。
【0038】
【数2】

【0039】
ここで、dおよびDは、図1(b)中に示されている通りである。
【0040】
実施例
以下の例により、本発明に従う好適な方法を説明する。ただし、これらの例は、説明のために用意されたもので、本発明のすべての範囲を限定すべきものではないことを理解するべきである。
【実施例1】
【0041】
本実施例においては、15.0gのプロピレン・グリコール・モノメチル・エーテル(PGME)に15.0gのポリ(ジブチルチタネート)を溶解させて、調合剤を準備した。次に、15.0gのPGMEに19.52gのエチル・アセトアセテートが溶解された溶液を反応混合物に加えて4時間攪拌した。トリメチロールエトキシレート溶液を混合物に加え、混合物を1時間攪拌した。その後、得られた調合剤を、使用する前に0.1μmのPTFEフィルターを通して濾過した。組成物を、シリコンウェハ上に3000rpmでスピン‐コートし、130℃で30秒間、次いで、168℃または205℃で60秒間の二段階で加熱処理した。両方の例とも、一般的な現像液において、溶解性を示した。
【実施例2】
【0042】
本実施例においては、20.0gのPnPに5.0gのポリ(ジブチルチタネート)を溶解させて、調合剤を準備した。次に、18.5gのPGMEに6.5gのエチル・アセトアセテートが溶解された溶液を反応混合物に加えて、4時間攪拌した。Cymel(登録商標)(Cytec社製のアミノ樹脂の架橋剤試薬)および2‐シアノ‐3‐(4‐ヒドロキシフェニル)‐アクリル酸エチルエステル(CHAE)を混合物に加え、混合物を1時間攪拌した。調合剤を47.5gのPnPで希釈し、使う前に0.1μmのPTFEフィルターを通して濾過した。組成物を、シリコンウェハ上に3000rpmでスピン‐コートし、130℃で30秒間、次いで、168℃〜205℃にわたって60秒間の二段階で加熱処理した。全ての例は、一般的な現像液において、溶解性を示した。
【実施例3】
【0043】
99.59gのPnPに16.67gのジルコニウム・ジ‐n‐ブトキシド(ビス‐2,4‐ペンタンジオネート)(ブタノール中に60%濃度)を溶解させ、マザーリカーを準備した。次に、溶液に0.41gの水を加え、次いで、マザーリカーを生成するために24時間攪拌した。
【0044】
0.25gのCHAEと11.67gのマザーリカーとを混合し、1時間攪拌させて反射防止調合剤を準備した。その後、調合剤を、0.1μmのPTFEフィルターを通して濾過し、組成物を、シリコンウェハ上に3000rpmでスピン‐コートし、168℃で60秒間加熱した。本サンプルは、一般的な現像液において、溶解性を示した。
【実施例4】
【0045】
112.30gのPnPに、10.00gのチタニウム・ジイソプロプロキシド・ビス(エチルアセトセテート)と1.23gのテトラオルソシリケートとを溶解させて、マザーリカーを準備した。次に、溶液に、0.64gの水を加えて、マザーリカーを生成するために24時間攪拌した。
【0046】
0.25gのバニリンと20.0gのマザーリカーとを混合し、1時間攪拌して反射防止調合剤を準備した。その後、調合剤を、0.1μmのPTFEフィルターを通して濾過し、組成物を、シリコンウェハ上に3000rpmでスピン‐コートし、168℃で60秒間加熱した。本サンプルは、一般的な現像液において、溶解性を示した。
【実施例5】
【0047】
特性の判断
1.光学特性
実施例2〜4の調合剤の各々の屈折率を表Aに示す。
【0048】
【表1】

【0049】
2.スピンボウル安定性
実施例2の組成物からなる膜を、上記に示す手順に従ってスピンボウル安定性についてテストした。組成物が少なくとも約90%の溶解度を有する場合には、スピンボウル安定性を有すると見なした。これらのテストの結果を表Bに示す。
【0050】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトリソグラフィック・プロセスにおけるバリヤー膜または反射防止膜に使用するための組成物であって、該組成物は、溶媒と、前記溶媒中に拡散または溶解されたポリマーとを含み、該ポリマーは、下記式を有する連鎖ユニットを含むことを特徴とする組成物。
【化1】

ここで、Xは光減衰部位、Mは金属、各Rは、各々、水素、アルキル基、アリル基、アルコキシ基およびフェノキシ基からなる群から選択される。
【請求項2】
前記ポリマーは、更に、下記式を有する連鎖ユニットを含む請求項1に記載の組成物。
【化2】

ここで、各Rは、各々、水素、アルキル基、アリル基、アルコキシ基およびフェノキシ基からなる群から選択され、Mは金属である。
【請求項3】
各連鎖ユニット中のMは、各々、チタン、ジルコニウム、シリコン、およびアルミニウムからなる群から選択される金属である請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物は、更に、ポリマーの結合剤を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリマーの結合剤は、エポキシノボラック樹脂、アクリル樹脂、重合アミノ樹脂、グリコーラル、ビニルエーテルおよびこれらの混合物からなる群から選択される請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記ポリマーの結合剤は、1,000から50,000までの分子量を有する請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
Xは、Mに配位する官能基を有する請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記官能基は、カルボニル基、アルコールおよびフェノールからなる群から選択される請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
Xは、トリメチロールエトキシレート、4‐ヒドロキシベンズアルデヒドおよび2‐シアノ‐3‐(4‐ヒドロキシフェニル)‐アクリル酸エチルエステルの機能部分からなる群から選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
各XおよびRは、不飽和エチレン基を含まない請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
一方のRは、‐CHであり、もう一方のRは、‐OCである請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
フォトリソグラフィック・プロセスにおけるバリヤー膜または反射防止膜に使用するための組成物であって、該組成物は、溶媒と、前記溶媒中に拡散または溶解されたポリマーとを含み、該ポリマーは、有機化合物と高分子アルコキシド金属とが反応することにより生成され、前記高分子アルコキシド金属は、下記式を有する連鎖ユニットを含むことを特徴とする組成物。
【化3】

ここで、Mは、各々、チタン、ジルコニウム、シリコン、およびアルミニウムからなる群から選択される金属、各Lは、各々、ジケトおよびアルコキシド配位子とからなる群から選択され、前記有機化合物は、前記高分子アルコキシド金属のMに配位する官能基を含む。
【請求項13】
前記組成物は、更に、ポリマーの結合剤を含む請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記ポリマーの結合剤は、エポキシノボラック樹脂、アクリル樹脂、重合アミノ樹脂、グリコーラル、ビニルエーテルおよびこれらの混合物からなる群から選択される請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記ポリマーの結合剤は、1,000から50,000までの分子量を有する請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
各Lは、各々、下記式を有する請求項12に記載の組成物。
【化4】

ここで、各Rは、各々、水素、アルキル基、アリル基、アルコキシ基およびフェノキシ基からなる群から選択される。
【請求項17】
少なくとも一つのLは、エチルアセトアセテートの一部分である請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
一方のRは、‐CHであり、もう一方のRは、‐OCである請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
前記官能基は、アルコール、フェノール、およびカルボニル基からなる群から選択される請求項12に記載の組成物。
【請求項20】
前記有機化合物は、トリメチロールエトキシレート、4‐ヒドロキシベンズアルデヒドおよび2‐シアノ‐3‐(4‐ヒドロキシフェニル)‐アクリル酸エチルエステルからなる群から選択される請求項12に記載の組成物。
【請求項21】
表面を有する基板と、フォトリソグラフィック・プロセスにおいて、バリヤー膜または反射防止膜として用いる硬化膜とを含み、該硬化膜は、前記表面に隣接し、交互に結合する金属原子と酸素原子とを含み、365nmの波長における少なくとも1.4の屈折率を有し、ウェット現像が可能であることを特徴とする組合物。
【請求項22】
前記硬化膜は、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートが溶媒である場合、少なくとも75%の溶解度を有する請求項21に記載の組合物。
【請求項23】
前記基板は、シリコンウェハおよびイオン注入膜からなる群から選択される請求項21に記載の組合物。
【請求項24】
該組合物は、さらに、前記硬化膜に隣接するフォトレジスト膜を有する請求項21に記載の組合物。
【請求項25】
前記金属原子は、チタン、ジルコニウム、シリコン、およびアルミニウムからなる群から選択される請求項21に記載の組合物。
【請求項26】
前記硬化膜は、溶媒と、前記溶媒中に拡散または溶解され、下記式を有する連鎖ユニットを含むポリマーとを含む組成物により形成される請求項21に記載の組合物。
【化5】

ここで、Xは光減衰部位、Mは金属、各Rは、各々、水素、アルキル基、アリル基、アルコキシ基およびフェノキシ基からなる群から選択される。
【請求項27】
前記硬化膜は、溶媒と、前記溶媒中に拡散または溶解され、有機化合物と下記式を有する連鎖ユニットを含む高分子アルコキシド金属とが反応することより生成されるポリマーとを含む請求項21に記載の組合物。
【化6】

ここで、Mは金属、各Lは、各々、ジケトおよびアルコキシド配位子とからなる群から選択され、前記有機化合物は、前記高分子アルコキシド金属のMに配位する官能基を含む。
【請求項28】
前記硬化膜は、ウェット現像液に少なくとも95%が溶解するものである請求項21に記載の組合物。
【請求項29】
フォトリソグラフィック・プロセスにおけるバリヤー膜用または反射防止膜用組成物の使用方法であって、基板に一定量の組成物を塗布して該基板上に塗布膜を形成する工程を含み、前記組成物が、溶媒と、前記溶媒中に拡散または溶解され、下記式を有する連鎖ユニットを含むポリマーとを含むことを特徴とする方法。
【化7】

ここで、Xは光減衰部位、Mは金属、各Rは、各々、水素、アルキル基、アリル基、アルコキシ基およびフェノキシ基からなる群から選択される。
【請求項30】
前記塗布工程は、前記基板表面上に前記組成物をスピン‐コートすることを含む請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記基板は、その内部に形成された、ボトムウォールおよびサイドウォールにより規定される穴を有し、前記塗布工程は、前記ボトムウォールおよびサイドウォールの少なくとも一部分に前記組成物を塗布することを含む請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記塗布工程の後に、更に、100〜250℃の温度で前記膜を加熱して硬化膜を形成する工程を有する請求項29に記載の方法。
【請求項33】
更に、前記加熱された膜上にフォトレジストを塗布する工程を有する請求項32に記載の方法。
【請求項34】
更に、前記フォトレジストの少なくとも一部分を活性化放射線で露光する工程と、前記露光されたフォトレジストを現像する工程とを有する請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記現像工程の結果、前記露光されたフォトレジストの隣接部分から前記組成物が除去される請求項34に記載の方法。
【請求項36】
フォトリソグラフィック・プロセスにおけるバリヤー膜用または反射防止膜用組成物の使用方法であって、基板に一定量の組成物を塗布して該基板上に塗布膜を形成する工程を含み、前記組成物が、溶媒と、前記溶媒中に拡散または溶解され、有機化合物と下記式を有する連鎖ユニットを含む高分子アルコキシド金属とが反応することにより生成されるポリマーとを含み、前記塗布工程は、前記基板表面上に前記組成物をスピン‐コートすることを含むことを特徴とする方法。
【化8】

ここで、Mは金属、各Lは、各々、ジケトおよびアルコキシド配位子とからなる群から選択され、前記有機化合物は、前記高分子アルコキシド金属のMに配位する官能基を含む。
【請求項37】
前記基板は、その内部に形成された、ボトムウォールおよびサイドウォールにより規定される穴を有し、前記塗布工程は、前記ボトムウォールおよびサイドウォールの少なくとも一部分に前記組成物を塗布することを含む請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記塗布工程の後に、更に、100〜250℃の温度で前記膜を加熱して硬化膜を形成する工程を有する請求項36に記載の方法。
【請求項39】
更に、前記加熱された膜上にフォトレジストを塗布する工程を有する請求項38に記載の方法。
【請求項40】
更に、前記フォトレジストの少なくとも一部分を活性化放射線で露光する工程と、前記露光されたフォトレジストを現像する工程とを有する請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記現像工程の結果、前記露光されたフォトレジストの隣接部分から前記組成物が除去される請求項40に記載の方法。
【請求項42】
集積回路の前駆構造を形成する方法であって、基板上に組成物の塗布膜を形成する工程と、前記塗布膜にフォトレジストを塗布して該塗布膜上にフォトレジスト膜を形成する工程と、前記フォトレジスト膜および前記塗布膜の一部分を選択的に除去して前記基板上に83〜90度の角度“a”を有するライン構造を形成する工程とを有し、前記基板は、シリコンウェハおよびイオン注入膜からなる群から選択され、前記組成物は、溶媒と、前記溶媒中に拡散または溶解され、有機化合物と下記式を有する連鎖ユニットを含む高分子アルコキシド金属とが反応することより生成されるポリマーとを含むことを特徴とする方法。
【化9】

ここで、Mは金属、各Lは、各々、ジケトおよびアルコキシド配位子とからなる群から選択され、前記有機化合物は、前記高分子アルコキシド金属のMに配位する官能基を含む。
【請求項43】
前記除去工程は、ウェット現像液を用いて前記一部分を除去することを含む請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記ウェット現像液は、テトラメチル水酸化アルミニウム現像液およびKOH現像液からなる群から選択される請求項43に記載の方法。
【請求項45】
集積回路の前駆構造を形成する方法であって、基板上に組成物の塗布膜を形成する工程と、前記塗布膜にフォトレジストを塗布して該塗布膜上にフォトレジスト膜を形成する工程と、前記フォトレジスト膜および前記塗布膜の一部分を選択的に除去して前記基板上に83〜90度の角度“a”を有するライン構造を形成する工程とを有し、前記組成物に含まれるポリマーは、下記式を有する連鎖ユニットを含むことを特徴とする方法。
【化10】

式中、Xは光減衰部位、Mは金属、各Rは、各々、水素、アルキル基、アリル基、アルコキシ基およびフェノキシ基からなる群から選択される。
【請求項46】
前記基板は、シリコンウェハおよびイオン注入膜からなる群から選択される請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記除去工程は、ウェット現像液を用いて前記一部分を除去することを含む請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記ウェット現像液は、テトラメチル水酸化アルミニウム現像液およびKOH現像液からなる群から選択される請求項47に記載の方法。
【請求項49】
集積回路の前駆構造を形成する方法であって、基板上に組成物の塗布膜を形成する工程と、前記塗布膜にフォトレジストを塗布して該塗布膜上にフォトレジスト膜を形成する工程と、前記フォトレジストおよび前記塗布膜の一部分を選択的に除去して前記基板上に15%未満の浸食度のライン構造を形成する工程とを有し、前記組成物は、溶媒と、前記溶媒中に拡散または溶解され、有機化合物と下記式を有する連鎖ユニットを含む高分子アルコキシド金属とが反応することより生成されるポリマーとを含むことを特徴とする方法。
【化11】

ここで、Mは金属、各Lは、各々、ジケトおよびアルコキシド配位子とからなる群から選択され、前記有機化合物は、前記高分子アルコキシド金属のMに配位する官能基を含む。
【請求項50】
前記基板は、シリコンウェハおよびイオン注入膜からなる群から選択される請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記除去工程は、ウェット現像液を用いて前記一部分を除去することを含む請求項49に記載の方法。
【請求項52】
前記ウェット現像液は、テトラメチル水酸化アルミニウム現像液およびKOH現像液からなる群から選択される請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記ライン構造は、83〜90度の角度“a”を有する請求項49に記載の方法。
【請求項54】
集積回路の前駆構造を形成する方法であって、基板上に前記組成物の塗布膜を形成する工程と、前記塗布膜にフォトレジストを塗布して該塗布膜上にフォトレジスト膜を形成する工程と、前記フォトレジストおよび前記塗布膜の一部分を選択的に除去して前記基板上に15%未満の侵食度のライン構造を形成する工程とを有し、前記組成物に含まれるポリマーは、下記式を有する連鎖ユニットを含むことを特徴とする方法。
【化12】

式中、Xは光減衰部位、Mは金属、各Rは、各々、水素、アルキル基、アリル基、アルコキシ基およびフェノキシ基からなる群から選択される。
【請求項55】
前記基板は、シリコンウェハおよびイオン注入膜からなる群から選択される請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記除去工程は、ウェット現像液を用いて前記一部分を除去することを含む請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記ウェット現像液は、テトラメチル水酸化アルミニウム現像液およびKOH現像液からなる群から選択される請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記ライン構造は、83〜90度の角度“a”を有する請求項54に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【公開番号】特開2010−224554(P2010−224554A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−106668(P2010−106668)
【出願日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【分割の表示】特願2004−516000(P2004−516000)の分割
【原出願日】平成15年6月18日(2003.6.18)
【出願人】(500499508)ブルーワー サイエンス アイ エヌ シー. (45)
【Fターム(参考)】