説明

マイクロカプセル、それらの使用及びそれらの製造方法

A)疎水性液体又はロウを含有するコアと、B)a)i)1〜95重量%の疎水性の単官能エチレン性不飽和モノマー、ii)5〜99重量%の多官能エチレン性不飽和モノマー、iii)0〜60重量%の他の単官能モノマーを含有するモノマー混合物から形成されるポリマー及びb)疎水性液体又はロウに不溶性である更なる疎水性ポリマーを含むポリマーシェルとを含むマイクロカプセル。本発明は、粒子の製造方法、並びに布地のような物品における及び特に織物用の被覆組成物における粒子の使用を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマーシェルにより囲まれているコアを有し、コアが疎水性液体又は疎水性ロウを含有する、マイクロカプセルに関する。シェルは、疎水性単官能エチレン性不飽和モノマー、多官能エチレン性不飽和モノマー、場合により他のモノマー及び更なる疎水性モノマーから形成される。本発明において、コアは、紫外線(UV)吸収剤、難燃剤又は相変化物質などの活性成分を含むことができる。望ましくは、粒状組成物を、被覆、日焼け止めなどの多様な製品、又は多様な織物製品の中に容易に組み込むことができる。
【0002】
コア材料に囲まれているシェルを含むカプセルを提供することが望ましい場合が多く存在する。例えば、コアは、ゆっくりと放出される、例えば芳香剤、殺虫剤、薬剤などの活性成分を含むことができる。他の場合では、シェル内に封入されているコア材料が、永久に又は少なくとも適切な誘因がコアの放出を誘発するまで実質的にそのままであることが望ましい場合がある。コア材料が、カプセルから放出されないことが重要なことがある。これには、例えば日焼け止め及び衣料品に使用される、封入された紫外線吸収剤が含まれる。
【0003】
別の重要な用途には、熱エネルギー貯蔵製品として使用することができる、封入された相変化材料が含まれる。そのような製品には布地、特に衣類が含まれる。特に価値があるものは、例えば、相変化炭化水素物質を含むマイクロカプセルであり、これは、繊維紡糸ドープと組み合わされ、次に押し出されてフィラメントを形成し、硬化され、次に収集される。紡糸プロセスは、通常、押し出されたドープを、多くの場合、例えば、150又は200℃を超える温度、さらには350℃の高さ又はそれ以上の高さになることができる温度での環境の中を通すことを必要とするので、実質的に全てのコア材料がシェルの中に保持されることが望ましい。
【0004】
ナイロン及びポリエステル繊維のような繊維は、溶融紡糸法により製造され、これは一般に例えば300又は350℃を超える非常に高い温度を伴う。しかし、紡糸プロセスの際に有害な影響を与ることなく繊維に組み込むことができる、不浸透性で耐久性のあるシェル壁を提供する適切な化学的性質を見つけることは、困難である。
【0005】
カプセルを作製する多様な方法が文献で提案されてきた。例えば、疎水性液体を、メラミンホルムアルデヒド初期縮合物を含有する水性媒質に分散し、次にpHを低下して、疎水性液体を取り囲む、不浸透性のアミノプラスト樹脂シェル壁をもたらすことによって、疎水性液体を封入することが知られている。この種類のプロセスの変形が、英国特許公報第2073132号、オーストラリア特許公報第27028/88号及び英国特許公報第1507739号で記載されており、ここで、カプセルは、好ましくは感圧無カーボン複写紙に用いられる封入インクを提供するために使用される。
【0006】
しかし、メラミンホルムアルデヒド樹脂に基づくカプセルは、不浸透性でもあり耐久性もあるが、これらは高温では不透過性に乏しいので不利益を被る傾向がある。加えて、ホルムアルデヒドが発生する危険性もある。
【0007】
国際公開公報第99/24525号は、−20〜120℃で相転移する親油性潜熱貯蔵材料をコアとして含有するマイクロカプセルを記載する。カプセルは、30〜100重量%の(メタ)アクリル酸のC1−24アルキルエステル、80重量%までの二官能又は多官能モノマー及び40重量%までの他のモノマーを重合することによって、形成される。マイクロカプセルは、無機物成形品において使用されると言われている。しかし、記載されている特定のポリマー組成物は、親油性の相変化材料が非常に素早く失われるので、高温に曝されるには適していない。更に、特定のポリマー組成物のどれも高い圧力に耐えるほど十分に強くない。
【0008】
米国特許出願公開第2003/118822号は、コア材料として1つ以上の親油性物質とポリマーカプセルシェルを含むマイクロカプセルを記載する。親油性物質は、45〜100nmの平均直径を有する固体無機粒子を含む。マイクロカプセルは、30〜100重量%の、アクリル酸又はメタクリル酸のC〜C24アルキルエステルと、80重量%までの、水での可溶性が限られている二官能又は多官能モノマー及び40重量%までの他のモノマーとを水中油乳化重合することによって得られる。無機粒子は、反応の際の安定化のための保護コロイドとして作用すると言われている。
【0009】
国際公開公報第2005/002719号は、ミニ乳化重合を使用した均一の大きさ及び形状のマイクロカプセルを調製する方法を記載する。この方法は、モノマー、乳化剤、超疎水性物質、低粘性の疎水性材料及び脱イオン水を混合することによるミニエマルションの形成を用いる。超疎水性物質の存在は、浸透圧によりモノマー液滴を安定化させると言われている。C12〜C20脂肪族炭化水素、C12〜C20脂肪族アルコール、C12〜C20アルキルアクリルエステル、C12〜C20アルキルメルカプタン、有機染料、フッ素化アルカン、シリコーン油化合物、天然油、合成油、分子量1000〜500,000のオリゴマー及び分子量1000〜500,000のポリマーを含む、多くの可能な超疎水性物質が提案されている。広範囲に及ぶ例は、典型的な超疎水性物質を説明するために使用されており、全てモノマー物質である。例示された全ての超疎水性物質は、コア材料に可溶性である。
【0010】
特に高温下での、高圧(一般に200psiを超える)の条件下で疎水性材料を保持する実質的に不浸透性のシェル壁を含む粒子の必要性が、存在する。繊維の被覆及び被覆された繊維の後処理の厳しい状態で疎水性コア材料を放出しないマイクロカプセルを提供することが、望ましい。厳しい状態、例えば、繊維の紡糸の際に高い温度に曝される場合でもコア材料を放出しない代替的なマイクロカプセルを提供することも、特に必要である。適切な放出誘因、例えばpHがあるまでコア材料を放出しないマイクロカプセルの必要性も、存在する。それにもかかわらず、コア材料は、誘因が不在であると放出されない。これら全ての目的を達成することが必要であるが、ホルムアルデヒド縮合物の使用を避けることも必要である。
【0011】
国際公開公報第01/54809号は、紡糸プロセスの際に活性コア材料を失うという被害を被ることなく、繊維に容易に組み込むことができるカプセルを提供する。カプセルは、A)30〜90重量%のメタクリル酸、B)10〜70重量%の、60℃を超えるガラス転移温度のホモポリマーを形成することができる(メタ)アクリル酸のアルキルエステル及びC)0〜40重量%の他のエチレン性不飽和モノマーを含むモノマーブレンドから形成される、ポリマーシェルを含有する。
【0012】
コア保持において有意な改善が得られているが、繊維の紡糸の際の高い温度を含む厳しい状態に曝される場合でもコア材料を放出しない、代替的なマイクロカプセルを提供することが必要である。特に、マイクロカプセルが高圧に付される場合、これが達成されることが望ましい。
【0013】
適切な放出誘因、例えばpHがあるまでコア材料を放出しないマイクロカプセルの必要性も、存在する。それにもかかわらず、コア材料は、誘因が不在であると放出されない。
【0014】
これら全ての目的を達成することが必要であるが、ホルムアルデヒド縮合物の使用を避けることも必要である。
【0015】
国際公開公報第2005/105291号は、ポリマーシェル内にコア材料を含む粒子を含み、コア材料が疎水性物質を含む組成物を記載する。前記の目的は、ポリマーシェルが、粒子の総重量の少なくとも8%を形成しなければならないこと、ポリマーシェルが、5〜90重量%のエチレン性不飽和水溶性モノマー、5〜90重量%の多官能モノマー及び0〜55重量%の他のモノマーを含むモノマーブレンドから形成されること、並びにこれらのモノマーの比率が、粒子が少なくとも350℃で半分の高さを示すように選択されること、という特徴の特別の組み合わせを使用することによって達成される。
【0016】
しかし、特に高温下及び特に高圧下でコア材料の改善された保持も示すマイクロカプセルを提供することが、望ましい。本発明の目的は、また、より多くのモノマーの選択肢を使用してこのことを達成することである。
【0017】
したがって、本発明によると、
A)疎水性液体又はロウを含有するコアと、
B)
a)下記:
i)1〜95重量%の少なくとも1つの疎水性の単官能エチレン性不飽和モノマー、
ii)5〜99%重量%の少なくとも1つの多官能エチレン性不飽和モノマー及び
iii)0〜60重量%の他の単官能モノマー
を含有し、
構成要素(i)、(ii)及び(iii)の合計が100%になる
モノマー混合物から形成されるポリマー並びに
b)疎水性液体又はロウに不溶性である更なる疎水性ポリマー
を含むポリマーシェルと
を含むマイクロカプセルが提供される。
【0018】
更なる疎水性ポリマーの存在は、マイクロカプセルの強度を改善し、更に、シェルの不透過性を改善する傾向があり、したがって、コア材料のより良好な保持をもたらすことが見出されている。この疎水性ポリマーは、ポリマーシェルの中に埋め込まれていることができる、及び/又はシェルの内面に位置していることができる。したがって、シェルは、モノマー混合物から形成されるポリマー材料の外層を含有することができ、場合より、更なる疎水性ポリマー及び更なる疎水性ポリマーから形成される内層を含有することもできる。加えて、疎水性ポリマーの小さな部分がコア材料の全体にわたって位置していることができる。一般に、これは、更なる疎水性ポリマーの5%未満である。通常、実質的にはコア材料に全体にわたって存在する疎水性ポリマーはない。好ましくは、疎水性ポリマーの少なくとも一部が、シェル壁の内面に存在するであろう。疎水性ポリマーが、モノマー混合物からもたらされるシェル構成要素の内面を少なくとも部分的に被覆することも好ましい。この疎水性ポリマーは、シェルの内面に実質的に密着性の層を形成することができ、好ましくは、これはシェルの内面を覆う完全な層である。
【0019】
疎水性液には、25℃で液体である疎水性物質が含まれる。
【0020】
本発明のマイクロカプセルは、疎水性ポリマーが不在のマイクロカプセルと比較して、予想外に強度があるカプセルシェルであることが見出された。そのようなシェルの弾力性は、例えば、マイクロカプセルの加工における圧縮又は物品の形成における適用に耐えること、また、形成された物品のあらゆる激しい処理に耐えることに関して有利である。
【0021】
また、本発明に含まれるものは、
A)疎水性液体又はロウを含有するコアと、
B)下記:
a)モノマーブレンド(混合物)から形成されるポリマー及び
b)疎水性液体又はロウに不溶性である疎水性ポリマー
を含むポリマーシェルと
を含むマイクロカプセルを製造する方法であって、
1)下記:
i)1〜95重量%の疎水性の単官能エチレン性不飽和モノマー、
ii)5〜99%重量%の多官能エチレン性不飽和モノマー及び
iii)0〜60重量%の他の単官能モノマー
を含むモノマーブレンドを準備する工程、
2)疎水性ポリマーをモノマーブレンドに溶解して、モノマー混合物を形成する工程、
3)モノマー混合物を疎水性液体又は溶融疎水性ロウと合わせて、モノマー溶液を形成する工程、
4)モノマー溶液を水相中に均質化して、エマルションを形成する工程、
5)エマルションを重合性条件に付す工程及び
6)モノマーの重合が、水相中にマイクロカプセルの分散体を生じる工程
を含む。
【0022】
疎水性ポリマーをモノマーブレンドに溶解し、次に疎水性液体又はロウと合わせてモノマー溶液を形成するが、重合が進行し、モノマーブレンドが重合すると、疎水性液体又はロウからモノマーブレンドが涸渇し、疎水性ポリマーは不溶性になり、沈殿する。疎水性ポリマーは、シェルが形成されるときにその内面に蓄積するか又はポリマーシェルの中に埋め込まれる場合がある。疎水性液体又はロウに不溶性であるとは、疎水性ポリマーが、シェルを形成するモノマーが実質的に不在である疎水性液体又はロウに実質的に不溶性であることを意味する。一般に、疎水性ポリマーは、未希釈の疎水性液体又はロウに25℃で実質的に不溶性であるべきである。通常は、溶解度は、2g/100cm未満の疎水性液体又はロウである。好ましくは、溶解度は、1g/100cm未満、より好ましくは0.1g/100cm未満である。
【0023】
方法は、乳化系、例えば乳化剤、他の界面活性剤及び/又は重合安定剤を用いることができる。したがって、本発明の好ましい形態において、高HLBを有することができる乳化剤は、モノマー溶液の乳化の前に、水に溶解される。あるいは、モノマー溶液は、溶解されている重合安定剤により水中で乳化されてもよい。安定化ポリマーは、例えば、両親媒性ポリマー安定剤であることができる。重合安定剤は、親水性ポリマー、好ましくは水溶性ヒドロキシ含有ポリマー、例えば、ポリビニルアルコール又はヒドロキシエチルセルロースであることができる。一般に、85〜95%、好ましくは88〜90%の酢酸ビニル基がビニルアルコール単位に加水分解されている、ポリ酢酸ビニルから誘導されたポリビニルアルコールを使用することが好ましい。
【0024】
好ましくは安定化ポリマーに加えて方法に使用することができる他の安定化物質には、イオン性モノマーが含まれる。典型的なカチオン性モノマーには、第四級アンモニウム又は酸付加塩を含むジアルキルアミノアルキルアクリレート又はメタクリレート、及び第四級アンモニウム又は酸付加塩を含むジアルキルアミノアルキルアクリルアミド又はメタクリルアミドが含まれる。典型的なアニオン性モノマーには、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、特にアルカリ金属又はアンモニウム塩のような、エチレン性不飽和カルボン酸又はスルホン酸モノマーが含まれる。特に好ましいアニオン性モノマーは、エチレン性不飽和スルホン酸及びその塩、特に2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びその塩である。
【0025】
重合工程は、モノマー水溶液をあらゆる従来の重合条件に付すことによって、実施することができる。一般に重合は適切な開始剤化合物の使用によって実施される。望ましくは、これはレドックス開始剤及び/又は熱開始剤の使用によって達成することができる。典型的には、レドックス開始剤には、亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄のような還元剤、及び過硫酸アンモニウムのような酸化化合物、又は第三級ブチルヒドロペルオキシドのような適切なペルオキシ化合物などが含まれる。レドックス開始剤は、1000ppmまで、典型的には1〜100ppmの範囲、通常4〜50ppmの範囲で用いることができる。
【0026】
好ましくは重合工程は、熱開始剤を単独で、又は他の開始剤系、例えばレドックス開始剤と組み合わせて用いることによって実施される。熱開始剤には、高温でラジカルを放出する任意の適切な開始剤化合物、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AZDN)、4,4′−アゾビス−(4−シアノ吉草酸)(ACVA)のようなアゾ化合物又はLuperox LP(Dilauroyl Peroxide)(旧Elf Atochem, France)のようなt−ブチルペルピバレート若しくはペルオキシドが含まれる。典型的には、熱開始剤は、モノマーの重量に基づいて50,000ppmまでの量で使用される。しかし、ほとんどの場合、熱開始剤は、5,000〜15,000ppmの範囲、好ましくは約10,000ppmで使用される。好ましくは、適切な熱開始剤を、乳化の前にモノマーと合わせ、重合は、エマルションを適切な温度、例えば50又は60℃以上に加熱することによって実施される。
【0027】
本発明のマイクロカプセルは、望ましくは、10ミクロン未満の重量平均粒径を有することができる。一般に平均粒径は、より小さくなる傾向があり、多くの場合には4ミクロン未満であり、幾つかの場合には平均粒径は200nm〜4ミクロンである。好ましくは、平均粒径は、1ミクロンを超え、多くの場合、1ミクロン超から3ミクロンまで、通常、1ミクロン超から2ミクロンまでである。平均粒径は、文献で十分に説明されている標準的手順に従ってSympatec HELOS粒度分析機により決定される。
【0028】
一般に、モノマー混合物又はブレンドからもたらされるポリマーシェル構成要素は、マイクロカプセルの総重量に基づいて少なくとも5重量%を形成するべきである。加えて、好ましくは、モノマー混合物又はブレンドからもたらされるマイクロカプセルポリマーシェルの全体にわたって分布されているもの全てに接触している疎水性ポリマーは、典型的には、マイクロカプセルの少なくとも0.05重量%、通常、少なくとも0.1重量%の量で存在する。通常、疎水性液体又はロウは、マイクロカプセル全体の少なくとも40重量%、多くの場合、少なくとも45重量%の量で存在する。好ましくは、マイクロカプセルは、疎水性油又はロウ形態を45〜94重量%の量、疎水性液体又はロウに不溶性である疎水性ポリマーを0.05〜10重量%の量、シェルを5〜50重量%の量で含み、ここで、構成要素は合計で100%となり、全ての百分率はマイクロカプセルの総重量に基づいている。
【0029】
より好ましくは、疎水性液体又はロウの量は、マイクロカプセルの60〜92重量%、特に好ましくは、70〜92重量%、とりわけ、80〜90重量%の量で存在する。
マイクロカプセルに含有されている前記の疎水性ポリマーの量は、より好ましくは、マイクロカプセルの0.1〜5重量%、特に0.1〜1重量%であろう。
【0030】
更なる疎水性ポリマーの量は、一般に、疎水性液体又はロウ及び疎水性ポリマーの総重量の0.05〜20重量%の量でマイクロカプセルに存在することができる。好ましくは、これは、疎水性液体又はロウの0.1〜10重量%、より好ましくは0.2〜2重量%であろう。
【0031】
あるいは、更なる疎水性ポリマーの量は、モノマー混合物又はブレンドからもたらされるポリマーシェル構成要素の量によって確定することができる。更なる疎水性ポリマーは、シェルの強度を改善するのに有効な量で存在することができる。好ましくは、マイクロカプセルにおける更なる疎水性ポリマーの量は、モノマー混合物又はブレンドからもたらされるシェル構成要素の少なくとも0.2重量%、好ましくはシェル構成要素の1〜40重量%の量である。とりわけ、これは、望ましくは、モノマー混合物又はブレンドからもたらされるシェル構成要素の重量に基づいて1〜10重量%、特に1.5〜5重量%であろう。
【0032】
好ましくは、シェルは、マイクロカプセルの8又は10〜20重量%、特に10〜15重量%を形成するであろう。
【0033】
少なくとも1つの多官能エチレン性不飽和モノマーの存在を考慮すると、マイクロカプセルのシェルは、架橋されているべきである。一般にそのような架橋は、ポリマーシェルを不溶性にするが、ポリマーシェルは、ポリマーシェルが溶解しないのであれば、特定の溶媒液体を吸収することができる場合もある。
【0034】
好ましくは、疎水性の単官能エチレン性不飽和モノマーは、モノマー混合物の30〜70重量%、特に40〜65重量%の量でモノマー混合物に存在するであろう。好ましくは、多官能エチレン性不飽和モノマーは、モノマー混合物の30〜70重量%、特に35〜60重量%の量で存在するであろう。その他の任意の単官能モノマーが存在することは必須ではないが、存在する場合は、モノマー混合物の40重量%まで、より好ましくは5〜20重量%の量で存在する。幾つかの場合において、それぞれの構成要素が2つ以上のモノマーを含むことが望ましい場合がある。例えば、2つ以上の疎水性の単官能エチレン性不飽和モノマー及び/又は2つ以上の多官能エチレン性不飽和モノマー及び/又は2つ以上の他の単官能モノマーを含むことが望ましい場合がある。
【0035】
疎水性の単官能エチレン性不飽和モノマーは、1つのエチレン性基を有し、25℃で水100mlあたり5g未満であるが、通常は2又は1g/100cm未満の水中での溶解度を有する任意の適切なモノマーであることができる。望ましくは、疎水性モノマーには、1つ以上のスチレン又はスチレンの誘導体、単官能エチレン性不飽和カルボン酸のエステルが含まれるであろう。好ましくは、疎水性モノマーには、メタクリル酸又はアクリル酸のアルキルエステルが含まれるであろう。より好ましくは、疎水性モノマーは、アクリル酸又はメタクリル酸のC〜C12アルキルエステルである。そのような疎水性モノマーには、例えば、少なくとも60℃、好ましくは少なくとも80℃のガラス移転温度(Tg)を有するホモポリマーを形成することができる、アクリル酸又はメタクリル酸エステルが含まれうる。これらのモノマーの特定の例には、スチレン、メチルメタクリレート、第三級ブチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート及びイソボルニルメタクリレートが挙げられる。
【0036】
ポリマーのガラス移転温度(Tg)は、Encyclopedia of Chemical Technology, Volume 19, fourth edition, page 891において、(1)分子全体の転移運動と(2)鎖の40〜50個の炭素原子セグメントの巻き込み及び巻き戻しの両方が凍結するよりも低い温度として定義される。したがって、ポリマーは、そのTgよりも低いと流動性又はゴム弾性を示さない。ポリマーのTgは、示差走査熱量測定(DSC)を使用して決定することができる。
【0037】
多官能エチレン性不飽和モノマーは、任意のモノマーであることができ、重合の際に架橋を誘導する。好ましくは、ジエチレン性不飽和又はポリエチレン性不飽和モノマー、すなわち、2つ以上のエチレン性不飽和基を有するものである。あるいは、多官能エチレン性不飽和モノマーは、少なくとも1つのエチレン性不飽和基及びモノマー構成要素のいずれかにおいて他の官能基と反応することができる少なくとも1つの反応性基を含有することができる。好ましくは、多官能モノマーは、水に不溶性であるか、又は少なくとも低い水溶性を有し、例えば25℃で5g/100cm未満であるが、通常は2又は1g/100cm未満である。加えて、多官能モノマーは、コア材料の炭化水素物質に可溶性であるか、又は少なくともそれと混和性であるべきである。適切な多官能モノマーには、ジビニルベンゼン、エトキシル化ビスフェノールAジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、及びアルカンジオールジアクリレート、例えば1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、しかし好ましくは1,4−ブタンジオールジアクリレート、が含まれる。
【0038】
他の単官能モノマーは、単一の重合性基を有する任意のモノマーであることができる。好ましくは、任意のエチレン性不飽和モノマーであろう。典型的には、これらの他のモノマーには、エチレン性不飽和カルボン酸及びその塩、エチレン性不飽和カルボン酸及びその塩のアミノアルキルエステル、アクリルアミド又はメタクリルアミド又はその塩のN−(アミノアルキル)誘導体、アクリルアミドを含む他の水溶性アクリルモノマー、エチレン性不飽和カルボン酸のエステル、水溶性スチレン誘導体、メタクリル酸又は塩、アクリル酸又は塩、ビニルスルホン酸又は塩、アリルスルホン酸又は塩、イタコン酸又は塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又は塩、アクリルアミド及び酢酸ビニルからなる群より選択されるエステルが含まれる。
【0039】
モノマー混合物からもたらされるポリマーシェル構成要素と接触する更なる疎水性ポリマーは、架橋されているべきではないが、適切な溶媒に、例えばそれが形成されるモノマーに可溶性である限り、分岐鎖、そうでなければ構造化されていることができる。好ましくは、疎水性モノマーは直鎖である。
【0040】
典型的には、更なる疎水性ポリマーは、少なくとも1つの疎水性のエチレン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物から形成される。典型的には、モノマー混合物は、1つのエチレン性不飽和基を有し、25℃で水100cmあたり5g未満であるが、通常は2又は1g/100cm未満の水中での溶解度を有する、任意の適切なモノマーを含むであろう。望ましくは、疎水性モノマーには、1つ以上のスチレン又はスチレンの誘導体、単官能エチレン性不飽和カルボン酸のエステルが含まれるであろう。好ましくは、疎水性モノマーには、メタクリル酸又はアクリル酸のアルキルエステルが含まれるであろう。より好ましくは、疎水性モノマーは、アクリル酸又はメタクリル酸のC〜C12アルキルエステルである。これらのモノマーの典型的な例には、スチレン、メチルメタクリレート、第三級ブチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート及びイソボルニルメタクリレートが挙げられる。モノマー混合物が、スチレン及びメチルメタクリレート又は他のアクリル酸エステルのようなこれらの疎水性モノマーの2つ以上を含むことも望ましい。
【0041】
更なる疎水性ポリマーが、構造化されているが溶媒に可溶性である場合、少量の、ポリマーシェルの形成に関して上記で定義された多官能エチレン性不飽和モノマーを含めることによって調製することができる。一般に、そのようなモノマーは、モノマー混合物の1重量%未満の量、一般に、500ppm未満、多くの場合、100ppm未満、例えば、0.5〜10ppmの量で含まれる。多官能モノマーの正確な量及び重合条件は、得られるポリマーが適切な溶媒に可溶性であるように選択されるべきである。好ましくは、実質的に多官能モノマーはモノマー混合物に含まれない。疎水性ポリマーは、ポリマーシェルを形成するモノマーブレンドに使用されるのと同じ疎水性の単官能エチレン性不飽和モノマー(i)及び任意の他の単官能モノマー(iii)から形成されることが好ましい。より好ましくは、疎水性ポリマーは、構成要素(i)及び(iii)から形成されるが、あらゆる多官能エチレン性不飽和モノマーが不在である。さらにより好ましくは、疎水性ポリマーは、完全に、1つ以上の疎水性の単官能エチレン性不飽和モノマー(i)から形成され、他の単官能又は多官能モノマーが不在である。シェルを形成するモノマーブレンドに使用される単官能エチレン性不飽和モノマー(i)と同じ疎水性の単官能エチレン性不飽和モノマーであり、構成要素(ii)及び(iii)が不在であることが特に好ましい。特に好ましい疎水性ポリマーは、スチレンのポリマー、好ましくはスチレンのホモポリマーである。
【0042】
疎水性ポリマーは、Vogel(Third Edition, published by Longmans (1962))においてポリ(スチレン)の調製について概説されているような従来の技術により調製することができる。重量平均分子量は、通常、少なくとも200であろう。百万の大きさであるが、通常、500,000以下であることができる。一般に、重量平均分子量は、500〜100,000、通常、500〜50,000、特に600〜5,000の範囲内である。
【0043】
マイクロカプセルは、望ましい場合、他の構成要素を含有することができる。とりわけ、安定化ポリマーを含むことが多くの場合に望ましいであろう。そのような安定化ポリマーは、一般に、マイクロカプセルシェルの外面に位置するであろう。安定化ポリマーは、上記で定義されたとおりのものであることができる。含むことができ、マイクロカプセルの外面に位置することができる他の安定化ポリマーは、上記に記載された1つ以上の水溶性アニオン及び水溶性カチオンモノマーを含む。
【0044】
本発明のマイクロカプセルは、ポリマーシェル内にコアを含み、コアは、疎水性液体又はロウを含み、コア材料の一部又は全てを含む。他の材料がコアに含まれてもよく、例えば疎水性液体又はロウの性質を変える添加剤である。コア材料に存在する他の材料は、親水性であり、疎水性液体又はロウに懸濁していてもよく、例えば無機塩水和物である。あるいは、他の添加剤は、疎水性液体又はロウに混和性又は可溶性である高分子添加剤であってもよい。一般に、コアに含まれる場合には、これらの他の材料はコア材料全体の10重量%以下を形成するであろう。多くの場合、他の材料は、コアの5%未満、通常2%未満、例えば0.5〜1.5%を形成する。したがって、コアは一般に疎水性液体又はロウを少なくとも90%含むであろう。好ましくは、コアに含まれる疎水性液体又はロウの量は、95重量%超、より好ましくは98重量%超、特に98.5〜99.5重量%であろう。
【0045】
コア材料は、UV吸収剤、UV反射剤、難燃剤、活性染料トレーサー材料、顔料、染料、着色剤、酵素、洗剤ビルダー及び芳香剤からなる群より選択される活性成分を含むことができる。一般に本発明の文脈内において、活性成分が放出されることは必要ではない。例えば、封入された顔料をセラミックのような顔料着色物品で使用することができ、ここでは顔料が放出されないことが重要である。また、その他の多くの適用における、例えば織物製品の調製における封入された着色剤、すなわち染料及び顔料の適用が存在する。したがって、顔料又は染料を含むマイクロカプセルは、繊維又は織物物品に組み込むことができるか、それに付着することができる。色はマイクロカプセルによって保持され、色浸出の危険性がない。あるいは封入された着色剤を包装材料、例えば食品包装に適用することができる。したがって、食品包装で使用される色合いを付けた紙又は厚紙は、封入された顔料又は染料を製紙プロセルに含むことによって、調製することができる。典型的には、着色剤は、国際公開公報第00/61689号に記載されている、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントレッド177であることができる。
【0046】
封入された顔料の代替的な用途には、例えば、米国特許第5,382,433号、米国特許第5,320,835号又は国際公開公報第98/50002号に記載されている化粧品が含まれる。典型的には、着色剤は、雲母、タルク、D&C赤色7号カルシウムレーキ、D&C赤色6号バリウムレーキ、ベンガラ、鉄黄、D&C赤色6号バリウムレーキ、Timiron MP-1001、Mineral(カーネーションホワイト)、へリンドンピンク、赤色218号、ジャパンブルー1号アルミニウムレーキ、ポリシロキサン処理チタン雲母であることができる。
【0047】
本発明の更なる態様において、コア材料及び/又は活性成分を適切な誘因機構が生じるまで放出しないマイクロカプセルが提供される。この場合、誘因は、pH10を超えるpHの上昇である。
【0048】
したがってそのようなアルカリ放出性マイクロカプセルは、高いpHの使用を放出機構として使用することができる多様な用途において、適用することができる。活性成分は、また、水性環境中に放出される物質であることができる。これは、通常アルカリ性条件下で操作される、冷却水系のような再循環水であることができる。水性系への放出に適切な活性物質には、スケール防止剤、腐蝕抑制剤、殺生剤、分散剤及び酸化防止剤が含まれる。
【0049】
一般に、コアに含まれる疎水性液体又はロウは有機材料であることができる。例えば、疎水性液体は、油又は溶融ロウであることができる。好ましくは、疎水性液体又はロウは非ポリマー材料である。好ましくは、疎水性液体又はロウは炭化水素である。油又はロウは、その中に分散又は溶解されている、UV吸収剤、UV反射剤又は難燃剤のような活性材料を含有することができる。したがって、コア材料は、均質であることができるか、あるいは疎水性液体又はロウの連続コア媒質の全体にわたって分散されている固体活性材料の分散体を含むことができる。コア材料が相変化材料を含む場合、一般に、相変化材料は−30℃〜150℃の温度で液体である油又はロウである。
【0050】
本発明に適切な難燃剤の典型的な例には、米国特許第5,728,760号に記載されているブロモベンゾエート及び米国特許第3,912,792号に提示されているハロゲン化ホスフェート、チオホスフェート又は塩化チオホスホリルが挙げられる。
【0051】
本発明の適切な紫外線吸収剤には、例えば、米国特許第5,508,025号に記述されているナフタレン−メチレンマロン酸ジエステル、又は米国特許第5,498,345号において特許請求されているベンゾトリアゾールと2−ヒドロキシベンゾフェノンとの混合物を含む組成物が含まれる。
【0052】
コア材料が相変化物質である場合、これは、例えば、−30℃〜150℃の温度で溶融するあらゆる既知の炭化水素であることができる。一般に、物質はロウ又は油であり、好ましくは20〜80℃、多くの場合は約40℃の融点を有する。望ましくは、相変化物質は、C8−40アルカンであってもよいか又はシクロアルカンであってもよい。適切な相変化材料には、アルカン又はシクロアルカンの全ての異性体が含まれる。加えて、これらのアルカン又はシクロアルカンの混合物を使用することが望ましい場合もある。相変化材料は、例えば、n−オクタデカン、n−テトラデカン、n−ペンタデカン、n−ヘプタデカン、n−オクタデカン、n−ノナデカン、n−ドソサン、n−トリコサン、n−ペンタコサン、n−ヘキサコサン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、また、これらの異性体及び/又は混合物から選択されるいずれかの化合物であることができる。
【0053】
本発明の好ましい形態において、コアは、実質的に、例えば少なくとも90%の疎水性液体又はロウから構成され、これは、非ポリマー材料、例えば油又はロウ、特に相変化材料である。好ましい疎水性液体又はロウは、実質的に非ポリマーである相変化材料であるが、少量の高分子添加剤が相変化非ポリマー材料内に含まれることも本発明の範囲内である。通常、これはコアの総重量の10重量%未満の量であり、多くの場合5重量%未満、例えば0.5〜1.5又は2重量%であろう。特に望ましい高分子添加剤は、相変化材料の性質を変える物質である。例えば、相変化材料が熱を吸収して溶融する温度は、熱を失って凝固する温度と有意に異なりうることが知られている。したがって、特に望ましい高分子添加剤は、溶融温度と凝固温度を近づける物質である。相変化材料の融点/凝固点のシフトを最小限にすることは、多様な家庭用の用途又は衣類において重要である場合がある。
【0054】
あるいは、コアに含まれる相変化材料は、炭化水素以外の物質であることができる。
【0055】
相変化材料は、液化及び凝固相転移の間に潜熱を吸収及び脱着する無機物質であることができる。無機物質は、溶解/結晶転移の間に熱を放出又は吸収する化合物であってもよい。そのような無機化合物には、例えば、硫酸ナトリウム十水和物又は塩化カルシウム六水和物が含まれる。したがって、無機相変化材料は、特定の温度での転移の際に熱エネルギーを吸収又は脱着できる任意の無機物質であることができる。無機相変化材料は、疎水性液体又はロウを含むコアマトリックスの全体にわたって分散されている、微細分散結晶の形態であることができる。一つの形態において、無機相変化材料は、ロウのような固体疎水性物質の全体にわたって分散されている。
【0056】
あるいは、コアに含まれる疎水性液体又はロウは、実質的に液体のままであり、液体の全体にわたって分散されている無機相変化材料の結晶を含有する。好ましくは、疎水性液体は炭化水素である。相変化の際に、結晶は、液体の全体にわたって分散される液滴になる。分散された液滴の融合を防ぐため、油中水型乳化剤のような適切な界面活性剤を疎水性液体中に含めることが有益である場合がある。好ましくは、無機相変化材料は、ロウ又は油である炭化水素相変化材料のマトリックスの全体にわたって分散している。この好ましい実施態様において、炭化水素及び無機材料は、両方とも熱を吸収又は脱着することができる。あるいは、炭化水素相は、必ずしも相変化材料である必要がない担体油であってもよい。この場合では、担体油は加工助剤であってもよい。
【0057】
疎水性液体又はロウが熱貯蔵に使用される相変化材料である場合、例えば米国特許第5,456,852号又は例えば本出願の出願時には未公開であった国際特許出願PCT/EP2006/066934(内部代理人整理番号22375)に記載されているように、適切な核剤と一緒に使用して、過冷却を防止することができる。
【0058】
本発明のマイクロカプセルは、織物(例えば、繊維の本体の内部、あるいは繊維又は織物を被覆する)、自動車用途(循環冷却液又は室内設計における冷却剤)、建築産業(例えば、間接換気又は強制換気系)又は伝熱液(改質伝熱液中のカプセルとして)を含む多様な用途に使用することができる。本発明のマイクロカプセルを任意の適切な物品、例えば、繊維、織物製品、セラミック、被覆などに組み込むことが可能である。したがって、本発明の更なる態様において、マイクロカプセルを含む物品が提供される。したがって、本発明によると、封入された難燃剤、UV吸収剤、活性染料トレーサー材料又は相変化材料を含む物品を提供することが可能である。封入された難燃剤の場合では、難燃剤が、繊維形成のような任意の加工工程の際に保持されることが望ましい。
【0059】
したがって、本発明の更なる態様において、それぞれ、
A)疎水性液体又はロウを含有するコアと、
B)
a)下記:
i)1〜95重量%の疎水性の単官能エチレン性不飽和モノマー、
ii)5〜99%重量%の多官能エチレン性不飽和モノマー及び
iii)0〜60重量%の他の単官能モノマー
を含有するモノマー混合物から形成されるポリマー並びに
b)疎水性液体又はロウに不溶性である更なる疎水性ポリマー
を含むポリマーシェルと
を含むマイクロカプセルを含む物品が提供される。
【0060】
物品は、織物製品又は紙若しくは厚紙包装材料又は無機物造形品であることができる。更に、封入された難燃剤、UV吸収剤、活性染料トレーサー材料又は相変化材料を含む物品を提供することが可能である。封入された難燃剤の場合では、難燃剤は、例えば150℃〜約350℃の温度を伴う繊維形成のような任意の加工工程の間に保持されるが、例えば400又は500℃超を超える過剰な温度に曝される場合に放出されることが望ましい。本発明の好ましい実施態様において、マイクロカプセルは、ロウ又は油である相変化材料と、それに分散又は溶解されている難燃物質の両方を含有するコア材料を含む。したがって、本発明の一つの好ましい形態において、カプセル中の難燃剤の存在は、相変化材料が過剰な温度下で放出された場合に発火する危険性を防止又は低下する。
【0061】
本発明の更なる態様において、それぞれ、
A)疎水性液体又はロウを含有するコアと、
B)
a)下記:
i)1〜95重量%の疎水性の単官能エチレン性不飽和モノマー、
ii)5〜99%重量%の多官能エチレン性不飽和モノマー及び
iii)0〜60重量%の他の単官能モノマー
を含有するモノマー混合物から形成されるポリマー並びに
b)疎水性液体又はロウに不溶性である更なる疎水性ポリマー
を含むポリマーシェルと
を含むマイクロカプセルを含む被覆組成物が提供される。
【0062】
被覆組成物は、紙、木材、金属、プラスチック、セラミックなどのよう任意の適切な基材に使用することができる。好ましくは、組成物は織物を被覆するためであり、例えば、ポリウレタン又はポリアクリル織物被覆組成物であることができる。典型的には、本発明の被覆組成物は、本発明の粒状組成物を、従来の量で使用される従来の成分を含む従来の被覆組成物(例えば、アクリル又はポリウレタン織物被覆組成物)と組み合わせることによって、調製される。被覆組成物は、望ましくは、30〜90重量%の本発明の乾燥粒状マイクロカプセルと、10〜70重量%の従来のポリウレタン又はポリアクリル織物被覆組成物とを混合して調製される、配合物である。好ましくは、被覆配合物は、60〜80重量%の乾燥マイクロカプセル及び20〜40重量%の従来のポリウレタン又はポリアクリル織物被覆組成物を含む。特に好ましい被覆配合物は、70%の乾燥カプセル及び30%のポリウレタン又はポリアクリル織物被覆を含有するように調製される。
【0063】
また、布地を被覆する方法であって、
1)織物被覆組成物を準備する工程、
2)被覆組成物を布地の表面に適用する工程及び
3)被覆を乾燥して被覆布地を提供する工程
を含み、
被覆組成物が、マイクロカプセルを含む粒状組成物を含み、マイクロカプセルが、
A)疎水性液体又はロウを含有するコアと、
B)
a)下記:
i)1〜95重量%の疎水性の単官能エチレン性不飽和モノマー、
ii)5〜99%重量%の多官能エチレン性不飽和モノマー及び
iii)0〜60重量%の他の単官能モノマー
を含有するモノマー混合物から形成されるポリマー並びに
b)疎水性液体又はロウに不溶性である更なる疎水性ポリマー
を含むポリマーシェルと
を含む、方法が提供される。
【0064】
典型的には、例えば上記で記載されたような、本発明の乾燥マイクロカプセル及び従来の織物被覆を含む組成物を調製し、必要であれば、マイクロカプセルが被覆組成物の全体にわたって分布するに十分な時間、例えば10分間撹拌し、次に実質的にその直後に布地に被覆する。布地は織布であってもよく、あるいは不織布であることができる。通常、布地に適用される被覆は、少なくとも50g/m2であり、180g/m2ほどであってもよい。一般に、被覆重量の80〜120g/m2、特に約100g/m2が通常望ましい。典型的には、実験室において、被覆は産業界で使用される多く異なる周知の技術を使用して適用することができる。被覆はk−バーを使用して適用することができる。次に被覆を乾燥及び硬化するために、被覆布地を適切な乾燥装置により例えば100℃〜200℃の温度で10分間まで乾燥することができる。一般に、200psi(例えば250psi)を超える圧力を使用して、被覆布地にカレンダー仕上げをすることができる。
【0065】
活性材料が被覆布地中のマイクロカプセル内に保持されていることを示すために、カプセルを織物被覆配合物に組み込み、布地に被覆し、次に200psi(例えば250psi)を超える圧力を使用してカレンダー仕上げし、次にロウの溶融温度を超えて及びそれより低く、連続加熱及び冷却(熱循環)に付すことができ、例えばオクタデカンでは、これは10℃〜60℃を50回であることができる。次に被覆布地は、炭化水素溶液、例えばヘキサンを使用して洗浄することができ、被覆マイクロカプセルのエンタルピーは、示差走査熱量測定を使用して測定する。これを、カレンダー仕上げ、並びに連続加熱及び冷却を実施する前に、元の被覆カプセルのエンタルピーと比較する。
【0066】
本発明の更なる物品には、繊維及び前記繊維から形成される布地が含まれ、繊維はマイクロカプセルを含み、マイクロカプセルは、
A)疎水性液体又はロウを含有するコアと、
B)
a)下記:
i)1〜95重量%の疎水性の単官能エチレン性不飽和モノマー、
ii)5〜99%重量%の多官能エチレン性不飽和モノマー及び
iii)0〜60重量%の他の単官能モノマー
を含有するモノマー混合物から形成されるポリマー並びに
b)疎水性液体又はロウに不溶性である更なる疎水性ポリマー
を含むポリマーシェルと
を含む。
【0067】
本発明のこの態様において、繊維は、繊維のマトリックス内に分布される前記マイクロカプセルを含む。一般に、マイクロカプセルの直径は、繊維の断面直径の半分よりも小さいべきである。一般に、マイクロカプセルがより大きい場合、繊維中のそのような大きいカプセルの存在は、マイクロカプセルの位置で破断する傾向のある繊維をもたらすかもしれない危険性がある。典型的には、マイクロカプセルは、繊維の直径の30%未満、好ましくは10%未満の粒径を有するであろう。
【0068】
本発明のマイクロカプセルを含む繊維は、マイクロカプセルを紡糸ドープに組み込むことによって作製することができる。次に紡糸ドープを、例えば欧州特許公報第269393号に記載されている標準的紡糸技術に従って紡糸することができる。一般に、次に紡糸ドープをオリフィスの中を通して加熱雰囲気の中に入れ、そこで押し出されたドープを硬化して繊維を形成し、次に収集する。
【0069】
本発明の組成物に含まれるマイクロカプセルは、あらゆる繊維、例えばアクリル、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレンに組み込むのに適している。
【0070】
本発明のこの態様によると、マイクロカプセルを含有する繊維を形成する方法であって、
1)前記マイクロカプセルと液体紡糸ドープを合わせる工程、
2)紡糸ドープを押し出す工程、
3)押し出されたドープを少なくとも150℃の温度で雰囲気の中を通す工程、及び
4)形成された繊維を収集する工程
を含み、
マイクロカプセルが、
A)疎水性液体又はロウを含有するコアと、
B)
a)下記:
i)1〜95重量%の疎水性の単官能エチレン性不飽和モノマー、
ii)5〜99%重量%の多官能エチレン性不飽和モノマー及び
iii)0〜60重量%の他の単官能モノマー
を含有するモノマー混合物から形成されるポリマー並びに
b)疎水性液体又はロウに不溶性である更なる疎水性ポリマー
を含むポリマーシェルと
を含む、方法が提供される。
【0071】
望ましくは、ポリマーマイクロカプセルは、繊維の形成の際に高温状態が疎水性液体又はロウの著しい損失をもたらすことのないように、コアに含有される疎水性液体又はロウに対して十分に不透過性である。驚くべきことに、ポリマーマイクロカプセルが150℃を超える紡糸温度に曝される場合でも、コア材料はコア材料のほとんど又は全てを保持できることが見出された。紡糸温度が例えば200℃を超えるもっと高い場合でさえも、そうであることが見出された。したがって、マイクロカプセルは、紡糸プロセスを経る疎水性液体又はロウ物質の少なくとも98重量%、好ましくは99重量%を保持することが見出されている。
【0072】
本発明の特に重要な用途は、カプセルを繊維に組み込むことに関し、ここでマイクロカプセルは、コア材料として相変化物質を含有する。相変化材料に対するポリマーシェルの耐久性及び不透過性は、マイクロカプセルを、相変化材料の著しい損失なしに繊維中に組み込むことを可能にする。次に相変化材料を含有する含浸繊維を織って、織物製品にすることができる。織物製品には、衣服の物品及び他の布地を含むことができる。
【0073】
以下は実施例である。
【0074】
実施例
調製方法
疎水性ポリマーとしてのポリ(スチレン)溶液
ポリ(スチレン)溶液は、ポリ(スチレン)10g(Dajacから:分子量約1000)10gをスチレンモノマー90gに溶解することによって調製した。この混合物をポリマーが完全に溶解するまで撹拌した。
【0075】
実施例1:
疎水性油(添加ポリマーを含有)のマイクロカプセル化
油相は、スチレン4.94g、メタクリル酸2.3g、ポリ(スチレン)溶液4.76g(上記と同様に調製)及びブタンジオールジアクリレート7.89gを混合することによって調製した。Alperox LP 1.4g(旧ELF Atochem)を加え、続いて疎水性液体152gを加えた。
【0076】
水相は、ポリ(ビニルアルコール)5.4g(Gohsenol GH20R、旧Nippon Gohseii)、水169g及びSodium AMPS 0.64g(50%活性、旧Lubrizol, France)を混合することによって調製した。
【0077】
水相及び油相を40℃に温め、Silverson L4R実験室用ホモジナイザーを使用して一緒に乳化した。10分後、安定したエマルションを得た。
【0078】
得られたエマルションを、重合の装備を備え、75℃の水浴中に設置されている反応容器に注いだ。この温度を3時間維持し、過硫酸アンモニウム水溶液(水10g中0.6g)を加えた。重合塊を80℃に加熱し、この温度で2時間撹拌した後、室温に冷却して、最終生成物を得た。最終生成物は、3ミクロンの平均粒径を持つ、ロウのコアを有するポリマーシェルのマイクロカプセルの水中分散体であった。
【0079】
実施例2(比較):疎水性油(添加ポリマーの含有なし)のマイクロカプセル化
油相は、スチレン4.94g、メタクリル酸2.3g及びブタンジオールジアクリレート7.89gを混合することによって調製した。Alperox LP 1.4g(旧ELF Atochem)を加え、続いて疎水性液体152gを加えた。
【0080】
水相は、ポリ(ビニルアルコール)5.4g(Gohsenol GH20R、旧Nippon Gohseii)、水169g及びSodium AMPS 0.64g(50%活性、旧Lubrizol, France)を混合することによって調製した。
【0081】
水相及び油相を40℃に温め、Silverson L4R実験室用ホモジナイザーを使用して一緒に乳化した。10分後、安定したエマルションを得た。
【0082】
得られたエマルションを、重合の装備を備え、75℃の水浴中に設置されている反応容器に注いだ。この温度を3時間維持し、過硫酸アンモニウム水溶液(水10g中0.6g)を加えた。重合塊を80℃に加熱し、この温度で2時間撹拌した後、室温に冷却して、最終生成物を得た。最終生成物は、2.5ミクロンの平均粒径を持つ、ロウのコアを有するポリマーシェルのマイクロカプセルの水中分散体であった。
【0083】
分析
粒径
粒径分析は、Quixcel分散システム及びR4レンズを備えたSympatec Analyser(旧Sympatec GmbH)を使用して実施した。
【0084】
熱重量分析(TGA)
熱重量分析は、110℃〜500℃の温度範囲でPerkin Elmer TGAを使用して実施した。
【0085】
結果
1:不溶性ポリマーの添加の効果
【0086】
【表1】


半分の高さ:これは減衰曲線の半分の高さである。
300℃での質量損失:これは、出発条件の110℃と300℃での試料からの材料の損失(百分率で表す)の量である。
ポリマーシェルの総重量(モノマー+疎水性ポリマー)に基づく。
【0087】
炭化水素不溶性ポリマー導入の効果は、表における半分の高さの値の比較によって見ることができ、半分の高さが高いほど、内圧の増大による破裂に対してマイクロカプセルの抵抗性が高くなる、すなわち、壁がより頑丈になる。
【0088】
2:可溶性ポリマーの添加の効果
【0089】
【表2】


ポリマーは、ポリ(ステアリルメタクリレート−コ−Bisomer MPEG350A)90:10wt:wtの炭化水素中40%溶液である。
【0090】
この結果から、炭化水素可溶性ポリマーを含めることは、炭化水素不溶性ポリマーの組み込みの肯定的な効果と比較して、(質量損失の効果の測定によると)マイクロカプセルの特性に劣化を引き起こす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)疎水性液体又はロウを含有するコアと、
B)
a)下記:
i)1〜95重量%の疎水性の単官能エチレン性不飽和モノマー、
ii)5〜99%重量%の多官能エチレン性不飽和モノマー及び
iii)0〜60重量%の他の単官能モノマー
を含有し、
構成要素(i)、(ii)及び(iii)の合計が100%になる
モノマー混合物から形成されるポリマー並びに
b)疎水性液体又はロウに不溶性である更なる疎水性ポリマー
を含むポリマーシェルと
を含む、マイクロカプセル。
【請求項2】
A)45〜94重量%の疎水性油又はロウと、
Ba)0.05〜10重量%の、疎水性油又はロウに不溶性である疎水性ポリマー及び
Bb)5〜50重量%の、モノマー混合物から形成されるポリマー
のシェル構成成分と
を含み、
構成要素の合計が100%になる
請求項1記載のマイクロカプセル。
【請求項3】
単官能エチレン性不飽和モノマーが、アクリル酸のC〜C12アルキルエステル及びメタクリル酸のC〜C12アルキルエステルから選択される、請求項1又は請求項2記載のマイクロカプセル。
【請求項4】
多官能エチレン性不飽和モノマーが、アルカンジオールジアクリレート、好ましくは1,4−ブタンジオールジアクリレートである、請求項1〜3のいずれか1項記載のマイクロカプセル。
【請求項5】
油不溶性の疎水性ポリマーが、スチレンのポリマー、好ましくはスチレンのホモポリマーである、請求項1〜4のいずれか1項記載のマイクロカプセル。
【請求項6】
安定化ポリマーがカプセルシェルの外面に位置し、安定化ポリマーが水溶性ヒドロキシ含有ポリマーである、請求項1〜5のいずれか1項記載のマイクロカプセル。
【請求項7】
安定化ポリマーがポリビニルアルコールである、請求項6記載のマイクロカプセル。
【請求項8】
疎水性液体又はロウが好ましくは炭化水素である、請求項1〜7のいずれか1項記載のマイクロカプセル。
【請求項9】
疎水性液体又はロウが、−30℃〜150℃の温度の融点を有する油又はロウである、請求項1〜8のいずれか1項記載のマイクロカプセル。
【請求項10】
コアが、UV吸収剤、UV反射剤、難燃剤、活性染料トレーサー材料、顔料、染料、着色剤、スケール抑制剤、腐蝕抑制剤、酸化防止剤、流動点降下剤、ロウ付着抑制剤、分散剤、殺生剤、酵素、洗剤ビルダー、芳香剤、相変化材料及びシリコーン油からなる群より選択される活性成分を含有する、請求項1〜9のいずれか1項記載のマイクロカプセル。
【請求項11】
疎水性液体又はロウに不溶性である疎水性ポリマーが、マイクロカプセルに存在し、疎水性液体又はロウ及び疎水性ポリマーの総重量の0.05〜20重量%の量で存在する、請求項1〜10のいずれか1項記載のマイクロカプセル。
【請求項12】
疎水性液体又はロウに不溶性である疎水性ポリマーが、モノマー混合物から形成されるポリマーシェル構成要素の内面を少なくとも部分的に被覆する、請求項1〜11のいずれか1項記載のマイクロカプセル。
【請求項13】
疎水性液体又はロウに不溶性である疎水性ポリマーが、モノマー混合物から形成されるポリマーシェル構成要素の内面に密着性の層を形成する、請求項1〜12のいずれか1項記載のマイクロカプセル。
【請求項14】
疎水性ポリマーが、モノマー混合物から形成されるポリマーシェル構成要素の内面を覆って完全な層を形成する、請求項13記載のマイクロカプセル。
【請求項15】
シェルが、マイクロカプセルの総重量の10〜20重量%を形成する、請求項1〜14のいずれか1項記載のマイクロカプセル。
【請求項16】
重量平均粒径が、1ミクロン超から4ミクロンまでである、請求項1〜15のいずれか1項記載のマイクロカプセル。
【請求項17】
A)疎水性液体又はロウを含有するコアと、
B)下記:
a)モノマー混合物から形成されるポリマー及び
b)疎水性液体又はロウに不溶性である疎水性ポリマー
を含むポリマーシェルと
を含むマイクロカプセルを製造する方法であって、
1)下記:
i)1〜95重量%の疎水性の単官能エチレン性不飽和モノマー、
ii)5〜99%重量%の多官能エチレン性不飽和モノマー及び
iii)0〜60重量%の他の単官能モノマー
を含み、
構成要素(i)、(ii)及び(iii)の合計が100%になる
モノマーブレンドを準備する工程、
2)疎水性ポリマーをモノマーブレンドに溶解して、モノマー混合物を形成する工程、
3)モノマー混合物を疎水性液体又は溶融疎水性ロウと合わせて、モノマー溶液を形成する工程、
4)モノマー溶液を水相中に均質化して、エマルションを形成する工程、
5)エマルションを重合性条件に付す工程及び
6)モノマーの重合が、水相中にマイクロカプセルの分散体を生じる工程
を含む、方法。
【請求項18】
請求項2〜16のいずれか1項で定義されたいずれかの特徴を含む、請求項17記載の方法。
【請求項19】
モノマーがフリーラジカル重合に付される、請求項17又は請求項18記載の方法。
【請求項20】
熱開始剤が、モノマーと組み合わされ、エマルションが、少なくとも50℃の温度で、重合を実施するのに十分な時間加熱される、請求項17〜19のいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
安定化ポリマーが水相に含まれる、請求項17〜20のいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
安定化ポリマーが、水溶性ヒドロキシ含有ポリマー、好ましくはポリビニルアルコールである、請求項17〜21のいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
エマルションが、50〜80℃の温度で90〜150分間維持され、次に少なくとも80℃の温度に少なくとも30分間付される、請求項22記載の方法。
【請求項24】
それぞれ、
A)疎水性液体又はロウを含有するコアと、
B)
a)下記:
i)1〜95重量%の疎水性の単官能エチレン性不飽和モノマー、
ii)5〜99%重量%の多官能エチレン性不飽和モノマー及び
iii)0〜60重量%の他の単官能モノマー
を含有し、
構成要素(i)、(ii)及び(iii)の合計が100%になる
モノマー混合物から形成されるポリマー並びに
b)疎水性液体又はロウに不溶性である更なる疎水性ポリマー
を含むポリマーシェルと
を含むマイクロカプセルを含む、物品。
【請求項25】
それぞれ、
A)疎水性液体又はロウを含有するコアと、
B)
a)下記:
i)1〜95重量%の疎水性の単官能エチレン性不飽和モノマー、
ii)5〜99%重量%の多官能エチレン性不飽和モノマー及び
iii)0〜60重量%の他の単官能モノマー
を含有し、
構成要素(i)、(ii)及び(iii)の合計が100%になる
モノマー混合物から形成されるポリマー並びに
b)疎水性液体又はロウに不溶性である更なる疎水性ポリマー
を含有するモノマー混合物を含むポリマーシェルと
を含むマイクロカプセルを含む、被覆組成物。
【請求項26】
布地を被覆する方法であって、
1)織物被覆組成物を準備する工程、
2)被覆組成物を布地の表面に適用する工程及び
3)被覆を乾燥して被覆布地を提供する工程
を含み、
被覆組成物がマイクロカプセルを含み、マイクロカプセルが、
A)疎水性液体又はロウを含有するコアと、
B)
a)下記:
i)1〜95重量%の疎水性の単官能エチレン性不飽和モノマー、
ii)5〜99%重量%の多官能エチレン性不飽和モノマー及び
iii)0〜60重量%の他の単官能モノマー
を含有し、
構成要素(i)、(ii)及び(iii)の合計が100%になる
モノマー混合物から形成されるポリマー並びに
b)疎水性液体又はロウに不溶性である更なる疎水性ポリマー
を含むポリマーシェルと
を含む、方法。
【請求項27】
マイクロカプセルを含む繊維であって、マイクロカプセルが、
A)疎水性液体又はロウを含有するコアと、
B)
a)下記:
i)1〜95重量%の疎水性の単官能エチレン性不飽和モノマー、
ii)5〜99%重量%の多官能エチレン性不飽和モノマー及び
iii)0〜60重量%の他の単官能モノマー
を含有し、
構成要素(i)、(ii)及び(iii)の合計が100%になる
モノマー混合物から形成されるポリマー並びに
b)疎水性液体又はロウに不溶性である更なる疎水性ポリマー
を含むポリマーシェルと
を含む、繊維。

【公表番号】特表2010−510337(P2010−510337A)
【公表日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−536702(P2009−536702)
【出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【国際出願番号】PCT/EP2007/061933
【国際公開番号】WO2008/058868
【国際公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(508120547)チバ ホールディング インコーポレーテッド (81)
【氏名又は名称原語表記】CIBA HOLDING INC.
【Fターム(参考)】