説明

マイクロカプセル分散体及びマイクロカプセル分散体の製造方法

【課題】 吐出安定性に優れるマイクロカプセル分散体及び係る分散体の製造方法の提供
【解決手段】 本発明は、色材と、酸性官能基を有する化合物と、疎水性モノマーを重合してなる重合体と、界面活性剤とを有するマイクロカプセル及び水を含むマイクロカプセル分散体において、前記疎水性モノマーを重合してなる重合体の重量平均分子量が30万〜250万であり、前記マイクロカプセルの表面酸価が1〜100mgKOH/gであり、前記表面酸価が前記マイクロカプセル全体の酸価の50〜90%であり、前記マイクロカプセル1g中に含まれる疎水性モノマーの量が1000ppm以下であることを特徴とするマイクロカプセル分散体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロカプセル分散体及び係る分散体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット用インク(以下、単にインクともいう)に、色材がコアで、樹脂がシェルである微粒子(以下、マイクロカプセルともいう)を添加することによって、耐水性や耐擦過性の向上を図ることが提案されている。かかるマイクロカプセルの製造方法の1つとして、乳化重合が挙げられる。
【0003】
特許文献1には、アルキレンオキサイド基を含むモノマーと顔料とを用い、乳化重合を行うことでマイクロカプセルを得る方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−155818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術について本発明者等が検討したところ、吐出安定性を一定のレベルで得ることができた。しかしながら、近年の更なる高画質化に伴い、吐出安定性のより高いインクが求められている。
【0006】
よって、本発明は上述した従来技術の課題を鑑み、吐出安定性に優れるマイクロカプセル分散体及び係る分散体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、以下の発明によって達成される。即ち、本発明は、色材と、酸性官能基を有する化合物と、疎水性モノマーを重合してなる重合体と、界面活性剤とを有するマイクロカプセル及び水を含むマイクロカプセル分散体において、前記疎水性モノマーを重合してなる重合体の重量平均分子量が30万〜250万であり、前記マイクロカプセルの表面酸価が1〜100mgKOH/gであり、前記表面酸価が前記マイクロカプセル全体の酸価の50〜90%であり、前記マイクロカプセル1g中に含まれる疎水性モノマーの量が1000ppm以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、インクジェット用インクに用いた際に吐出安定性に優れるマイクロカプセル分散体及び係る分散体の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
【0010】
<マイクロカプセル>
本発明のマイクロカプセルは、色材と、酸性官能基を有する化合物と、疎水性モノマーを重合してなる重合体と、界面活性剤とを有する。
【0011】
また、発明のマイクロカプセルに含まれる疎水性モノマーを重合してなる重合体は、重量平均分子量が30万〜250万である。重量平均分子量は40万以上100万以下であることが好ましい。マイクロカプセルの重量平均分子量を測定する方法としては、特に限定されないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を用いて測定することが好ましい。
【0012】
本発明のマイクロカプセルは、表面の酸価(表面酸価)が1〜100mgKOH/gであり、表面酸価がマイクロカプセル全体の酸価の50〜90%である。即ち、本発明のマイクロカプセルにおいては、酸価を有する官能基の多くが、マイクロカプセルの表面に局在化している。マイクロカプセルの表面酸価は5〜30mgKOH/gであることが好ましく、マイクロカプセル全体の酸価に対する表面酸価の割合は60〜80%であることが好ましい。
【0013】
マイクロカプセルの表面酸価は、具体的には、以下の方法により測定することができる。まず、マイクロカプセル分散体に酸を加えることで、マイクロカプセルに酸価を与える官能基を電離していない状態にする。例えば、マイクロカプセルが−COOを有している場合、酸を加えることで−COOHにする。その後、遠心分離を行い、沈殿物を回収する。得られた沈殿物を乾燥した後、一定量の炭酸水素ナトリウムを加え、撹拌する。撹拌後、遠心分離によって沈殿物を除去し、上澄み液を回収する。回収した上澄み液中に残存している炭酸水素ナトリウムの量を、酸で滴定して算出することで、マイクロカプセルの表面酸価を算出する。
【0014】
また、マイクロカプセル全体の酸価は、JIS K 2501−2003に記載の試験方法を用いて測定することができる。具体的には、マイクロカプセル分散体に酸を加えることで、マイクロカプセルに酸価を与える官能基を電離していない状態にする。その後60℃で1時間加熱して乾固物を得る。得られた乾固物をキシレンとジメチルホルムアミドを質量比で1:1で混合した混合物に添加することでマイクロカプセル中の樹脂を溶解した後、メンブランフィルターで色材をろ別する。ろ液を水酸化カリウムの濃度が0.1mol/Lのエタノール溶液で滴定することでマイクロカプセル全体の酸価を得る。
【0015】
本発明においては。マイクロカプセル1g中に含まれる疎水性モノマーの量、即ち、疎水性モノマーの残留量が1000ppm以下である。本発明において、マイクロカプセルは樹脂を得る際に用いた疎水性モノマーを含まないことが好ましい。マイクロカプセル1g中に含まれる疎水性モノマーの量を算出する方法としては、例えば、ヘッドスペースガスクロマトグラフィー法を用いることができる。具体的には、バイアル(ガラス容器)にマイクロカプセルを加えた後、アルミキャップでバイアルを密封する。密封後、一定温度で一定時間加温する。温度としては、150℃〜230℃であることが好ましい。また、加温時間は10〜120分であることが好ましい。加熱後、気相に追い出された揮発性成分をガスタイトシリンジで吸引し、ガスクロマトグラフィーに注入し、残留モノマーに相当するピークを分離することで、マイクロカプセルに含まれる疎水性モノマーの量を算出することができる。
【0016】
以下、本発明のマイクロカプセルを構成する各材料について、より詳細に説明する。
【0017】
(色材)
本発明において、マイクロカプセルに用いることのできる色材は特に限定されず、染料、顔料等の公知の色材をいずれも好適に用いることができる。本発明においては、顔料等の水不溶性色材を用いることが好ましい。マイクロカプセルに含まれる色材の量は、マイクロカプセル全質量を基準として10質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
【0018】
(酸性官能基を有する化合物)
本発明において、マイクロカプセルは酸性官能基を有する化合物を含む。酸性官能基を有する化合物としては、例えば、酸性官能基を有するモノマーや、酸性官能基を有する重合体が挙げられる。酸性官能基としては、具体的にはカルボキシル基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられる。
【0019】
酸性官能基を有するモノマーとしては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸(新中村化学製 NK エステル ACB−3)、2−アクリロイルオキシエチルサクシネート(新中村化学製 NK エステル A−SA)、2−メタクリロイルオキシエチルサクシネート(新中村化学製 NK エステルSA)、2−メタクリロイロキシエチルフタル酸(NK エステル CB−1)等が挙げられる。酸性官能基を有する重合体としては、上記した酸性官能基を有するモノマーを重合することにより得られる重合体や、係る酸性官能基を有するモノマーと疎水性モノマーとの共重合体が挙げられる。疎水性モノマーとしては、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。酸性官能基を有する化合物の含有量は、マイクロカプセル全質量を基準として1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。また、酸性官能基を有する化合物と共に重合体を形成する疎水性モノマーの含有量は、マイクロカプセル全質量を基準として20質量%以上80質量%以下であることが好ましい。
【0020】
(疎水性モノマーを重合してなる重合体)
本発明のマイクロカプセルは、疎水性モノマーを重合してなる重合体を含む。疎水性モノマーを重合してなる重合体に用いる疎水性モノマーとしては、特に限定されず、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート等の公知のモノマーをいずれも好適に用いることができる。疎水性モノマーを重合してなる重合体の量は、色材全質量を基準として、5質量%以上150質量%以下であることが好ましい。
【0021】
(界面活性剤)
本発明において、マイクロカプセルは界面活性剤を含む。本発明において用いることのできる界面活性剤は、特に限定されず、アニオン性、カチオン性及びノニオン性の界面活性剤を何れも好適に用いることができる。本発明においては、アニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。アニオン性界面活性剤としては、具体的には、高級脂肪酸塩、高級アルキルジカルボン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ホルマリン重縮合物、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナフテン酸塩等、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、アルキルエーテル硫酸塩、第二級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等が挙げられる。本発明においては、アニオン性界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウムを用いることがより好ましい。
【0022】
マイクロカプセル中の界面活性剤の含有量は、マイクロカプセル全質量を基準として1.0質量%以上15.0質量%以下であることが好ましい。
【0023】
<インクジェット用インク>
本発明においては、このマイクロカプセル分散体をインクジェット用インクとしてそのまま用いてもよいが、マイクロカプセル分散体に後述する水溶性有機溶剤等の成分を加えてインクジェット用インクを調製することが好ましい。
【0024】
以下、本発明のインクジェット用インクに用いることのできる各成分について、詳細に説明する。
【0025】
(水溶性有機溶剤)
本発明のインクに好適に用いることのできる水溶性有機溶剤としては、特に限定されず、公知の有機溶剤をいずれも用いることができる。水溶性有機溶剤としては、具体的には、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、2−ピロリドン、グリセリン等が挙げられる。また、インク中の水溶性有機溶剤の含有量は、インク全質量を基準として5質量%以上40質量%以下であることが好ましい。また、本発明の水は、脱イオン水であることが好ましい。また、インク中の水の含有量は、インク全質量を基準として、40質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
【0026】
(界面活性剤)
本発明のインクには、界面活性剤を添加してもよい。インクに添加することのできる好適な界面活性剤としては、具体的には、アセチレノ−ルEH(川研ファインケミカル社製)等が挙げられる。インク中の界面活性剤の量は、インク全質量を基準として0.01質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上3.0質量%以下であることがより好ましい。
【0027】
<インクセット>
本発明においては、インク中のマイクロカプセルを凝集する成分を含むクリアインクを上述したインクと共に、インクセットとして用いてもよい。マイクロカプセルを凝集する成分としては、カチオン性ポリマー、pH緩衝剤、多価金属塩のいずれを用いてもよいが、多価金属塩を用いることが好ましい。多価金属塩としては、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウムを好適に用いることができる。クリアインク中のマイクロカプセルを凝集する成分の含有量は、クリアインク全質量を基準として、1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
【0028】
<マイクロカプセル分散体の製造方法>
本発明においては、マイクロカプセルを得る方法として、乳化重合を用いることが好ましい。乳化重合を用いることで、マイクロカプセルの重量平均分子量を、本発明が規定する範囲である30万〜250万に調整することができる。これは、モノマーの重合を安定した環境下で進行させることができ、他の重合方法に比べて高い重量平均分子量を有する重合体を容易に得ることができるという乳化重合の特性によるものであると推測される。
【0029】
また、本発明においては、乳化重合時における疎水性モノマーの転化率を40%〜90%とすることが好ましい。更に、本発明においては、上記した転化率で重合を終えた後に、塩基性化合物を添加することが好ましい。乳化重合時に転化率を上記した範囲に調整することと、乳化重合が終わった後に塩基性化合物を添加することとを行うことで、マイクロカプセルの表面酸価及びマイクロカプセル全体の酸価に対する表面酸価の割合を、本発明のマイクロカプセルの範囲内とすることができる。本発明者等は、この理由を以下のように推測している。疎水性モノマーの転化率を40〜90%と比較的低い値に保つことで、マイクロカプセル中の酸性官能基を有する化合物の自由度を高く保つことができる。更に、高い自由度の酸性官能基を有するマイクロカプセルに塩基性化合物を添加すると、酸性官能基がマイクロカプセルの表面近傍に局在化する。そのため、酸性の官能基同士の静電反発力がより効果的に発現し、少ない酸価でありながらもマイクロカプセル同士が凝集しにくいマイクロカプセルの分散体を得ることができる。
【0030】
更に、本発明においては、塩基性化合物を添加した後に、マイクロカプセルを水蒸気蒸留することが好ましい。マイクロカプセルを水蒸気蒸留することで、マイクロカプセル中の残留モノマーの量を低減することができる。具体的には、マイクロカプセル1g中に含まれる疎水性モノマーの量を1000ppm以下とすることができる。
【0031】
以上述べたような構成によって、本発明のマイクロカプセル分散体を得ることができる。即ち、本発明のマイクロカプセル分散体の製造方法は、マイクロカプセルを含むマイクロカプセル分散体の製造方法であって、色材と界面活性剤とが水に分散された色材分散体と、酸性官能基を有する化合物と疎水性モノマーとが水に分散されたモノマーエマルションとを混合することにより分散体を得る混合工程と、疎水性モノマーを重合することによりマイクロカプセルを含むマイクロカプセル分散体を得るマイクロカプセル化工程とを有し、前記マイクロカプセル化工程における前記疎水性モノマーの転化率は40〜90%であり、前記マイクロカプセル化工程後に、前記マイクロカプセルに塩基性化合物を加える塩基処理工程と、前記マイクロカプセルを水蒸気蒸留する水蒸気蒸留工程とをこの順に有することを特徴とするマイクロカプセル分散体の製造方法である。以下、各工程における好ましい態様を詳細に説明する。
【0032】
[混合工程]
本発明において分散工程とは、色材と界面活性剤とが水に分散された分散体(色材分散体ともいう)と、酸性官能基を有する化合物と疎水性モノマーとが水に分散された分散体(モノマーエマルションともいう)とを混合することにより、色材、酸性官能基を有する化合物、疎水性モノマー及び界面活性剤が水に分散された分散体を得る工程である。色材分散体は、特に色材として顔料を用いている場合、顔料分散体ともいう。色材分散体は、各成分を混合した後に、超音波照射を行うことが好ましい。モノマーエマルションにおいても、各成分を混合した後に、超音波照射を行うことが好ましい。
[マイクロカプセル化工程]
本発明においてマイクロカプセル化工程とは、分散工程によって得られる分散体に含まれる疎水性モノマーを重合する工程である。マイクロカプセル化工程によって、色材をコアとし、疎水性モノマーを重合することによって得られる重合体、酸性官能基を有する化合物及び界面活性剤をシェルとしたマイクロカプセルを含むマイクロカプセル分散体を得ることができる。本発明において、酸性官能基を有する化合物が、酸性官能基を有するモノマーであった場合、マイクロカプセル化工程後に得られる重合体は、疎水性モノマーと酸性官能基を有するモノマーとの共重合体である。本発明においてシェルは、コアの表面すべてを被覆する必要はなく、コアの表面(水不溶性色材表面)の少なくとも一部を被覆していればよい。
【0033】
また、本発明のマイクロカプセル化工程においては、疎水性モノマーの転化率を40%〜90%に調節する。疎水性モノマーの転化率とは、混合工程によって得られた分散体に含まれる疎水性モノマーのうち、どの程度の量の疎水性モノマーが重合に寄与したかを表すものである。具体的には、転化率とは、[{(疎水性モノマーの仕込み量)−(マイクロカプセル化工程後の分散体中の疎水性モノマーの残留量)}/(疎水性モノマーの仕込み量)]×100で表すことができる。本発明においては、疎水性モノマーの転化率を60%以上85%以下とすることがより好ましい。
【0034】
[塩基処理工程]
本発明は、上述したマイクロカプセル化工程によって得られるマイクロカプセル分散体に塩基性化合物を加える塩基処理工程を有する。塩基処理工程においては、塩基性化合物を加えることでマイクロカプセル分散体のpHを8.0以上12.0以下に調整することが好ましく、8.0以上10.0以下に調整することがより好ましい。塩基性化合物としては、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリを好適に用いることができる。
【0035】
[水蒸気蒸留工程]
本発明は、上記した塩基処理工程によって得られるマイクロカプセル分散体に含まれるマイクロカプセルを水蒸気蒸留する工程を含む。水蒸気蒸留とは、水よりも高い沸点を有する化合物を、水を蒸留することで係る化合物の沸点以下の温度で蒸留する方法である。
【0036】
本発明において、マイクロカプセル分散体は水を有しているため、マイクロカプセル分散体を水の蒸発温度以上に加熱することで、マイクロカプセル分散体中のマイクロカプセルを水蒸気蒸留することができるが、水蒸気蒸留を行う際には、系中の水分量が減少しない方法を用いることが好ましい。具体的には、マイクロカプセル分散体を含む容器に、水蒸気を供給するための供給口と、加熱された蒸気を冷却するための冷却器を取り付ける。水蒸気を供給口から連続的に供給しつつ、容器を加熱し、水を蒸発させる。マイクロカプセルは加熱された水蒸気と共に冷却器に供給され、冷却器によって冷却され、水と共に回収される。マイクロカプセル分散体を含む容器の加熱温度は、50度以上100度以下であることが好ましい。水を蒸発する際には、系中の圧力を適宜調整してもよい。水蒸気蒸留に用いる水は、脱イオン水であることが好ましい。本発明においては、水よりも高い沸点を有する化合物がマイクロカプセルに相当する。
【0037】
また、塩基処理工程及び水蒸気蒸留工程後の分散体中の疎水性モノマーの残留量は、例えば、ヘッドスペースガスクロマトグラフィー法を用いて測定することができる。具体的には、バイアル(ガラス容器)にマイクロカプセルを加えた後、アルミキャップでバイアルを密封する。密封後、一定温度で一定時間加温する。温度としては、150℃〜230℃であることが好ましい。また、加温時間は10〜120分であることが好ましい。加熱後、気相に追い出された揮発性成分をガスタイトシリンジで吸引し、ガスクロマトグラフィーに注入し、残留モノマーに相当するピークを分離することで、マイクロカプセルに含まれる疎水性モノマーの量を算出することができる。
【0038】
次に、上記した本発明のマイクロカプセル分散体の製造方法において好適に用いることのできる材料について、詳細に説明する。
【0039】
[色材分散体]
(色材)
本発明において、色材分散体に用いることのできる色材は、上述したマイクロカプセルに用いることのできる色材と同様に特に限定されず、染料、顔料等の公知の色材をいずれも好適に用いることができる。混合工程において添加する色材の量は、色材分散体とモノマーエマルションとの総量を基準として、0.5質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
【0040】
(界面活性剤)
本発明において、色材分散体は水及び界面活性剤を含む。本発明に好適に用いることのできる界面活性剤としては、具体的には、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等のアニオン性界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル等のノニオン性界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤の含有量は、色材分散体全質量を基準として、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。本発明の色材分散体に用いる水としては脱イオン水が好ましい。水の含有量としては、色材分散体全質量に対して50質量%以上95質量%以下であることが好ましい。
【0041】
[モノマーエマルション]
(酸性官能基を有する化合物)
本発明において、モノマーエマルションは酸性官能基を有する化合物を含む。酸性官能基を有する化合物としては、酸性官能基を有するモノマーや酸性官能基を有する重合体が挙げられる。酸性官能基を有するモノマーとしては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸(新中村化学製 NK エステル ACB−3)、2−アクリロイルオキシエチルサクシネート(新中村化学製 NK エステル A−SA)、2−メタクリロイルオキシエチルサクシネート(新中村化学製 NK エステルSA)、2−メタクリロイロキシエチルフタル酸(NK エステル CB−1)等が挙げられる。また、酸性官能基を有する重合体としては、上記した酸性官能基を有するモノマーを重合することにより得られる重合体や、係る酸性官能基を有するモノマーと疎水性モノマーとの共重合体が挙げられる。疎水性モノマーとしては、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。酸性官能基を有する化合物の含有量は、モノマーエマルション全質量を基準として5質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
【0042】
(疎水性モノマー)
本発明において、モノマーエマルションは酸性官能基を有する化合物の他に疎水性モノマーを含む。疎水性モノマーとしては特に限定されず、公知の疎水性モノマーを用いることができる。好ましい疎水性モノマーとしては、具体的にはスチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。特には、n−ブチルメタクリレートまたはスチレンを用いることが好ましい。分散工程において添加する疎水性モノマーの量は、色材全質量を基準として、5質量%以上150質量%以下であることが好ましい。
【0043】
(ハイドロホーブ)
本発明において、モノマーエマルションはハイドロホーブを含んでもよい。本発明において、ハイドロホーブとは、水に対する溶解度(常温、常圧環境下)が、水100gに対し1g以下である疎水性の化合物を指す。ハイドロホーブとしては、具体的には、ヘキサデカン、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、クロロベンゼン、ドデシルメルカプタン更にはオリーブ油、青色染料(Blue70)、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸等が挙げられる。分散工程において添加するハイドロホーブの量は、モノマーエマルションに含まれる酸性官能基を有するモノマー全質量を基準として、1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
【0044】
(重合開始剤)
本発明においては、マイクロカプセル化工程時に疎水性モノマーを重合するために、モノマーエマルションは重合開始剤を含んでもよい。重合開始剤としては、特に限定されず、公知の水溶性、油溶性の重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としては、具体的には、過硫酸カリウム、2、2’アゾビス(2−イソブチロニトリル)、2、2’アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等が挙げられる。分散工程において添加する重合開始剤の量は、酸性官能基を有する化合物全質量を基準として、1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
【0045】
(界面活性剤)
本発明において、モノマーエマルションは界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤としては、特に限定されず、上述した色材分散体に用いることのできる界面活性剤を、いずれも好適に用いることができる。本発明においては、色材分散体に含まれる界面活性剤の種類と、モノマーエマルションに含まれる界面活性剤の種類とは同一であっても、異なっていてもよい。モノマーエマルション中の界面活性剤と、色材分散体中の界面活性剤との総量は、水色材分散体とモノマーエマルションの全質量を基準として、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
【実施例】
【0046】
次に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、下記実施例によって限定されるものではない。尚、文中「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
【0047】
[酸性官能基を有する化合物A]
n−ブチルメタクリレート(BMA)18部とメタクリル酸(MAA)0.5部とをメチルエチルケトン120部に溶解した。得られた溶液に2、2’アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.5部を添加し、70℃で8時間加熱することで重合反応を行った。重合反応後に得られた溶液を蒸発乾燥し、BMAおよびMAAの重合体である酸性官能基を有する化合物Aを得た。酸性官能基を有する化合物Aの重量平均分子量は15000であり、酸価は17mgKOH/gであった。
【0048】
[顔料分散体]
カーボンブラックFW18(エボニック デグサ ジャパン社製)10部、ドデシル硫酸ナトリウム3部を110部の水に加えた後、15分間超音波照射を行い顔料分散液を得た。
【0049】
(実施例1)
n−ブチルメタクリレート9部、酸性官能基を有する化合物A1部、ヘキサデカン1部、2、2’アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.5部を70部の水に加えた後、1分間超音波照射を行って混合物を乳化し、モノマーエマルションAを得た。その後、顔料分散体分散体50部とモノマーエマルションA40部とを混合し、超音波照射機で4分間乳化した後、窒素雰囲気下で70℃、8時間重合し、マイクロカプセル分散液1を得た。
【0050】
得られたマイクロカプセル分散液を用い、疎水性モノマー、即ち、n−ブチルメタクリレートの転化率を算出した。具体的には、[{疎水性モノマーの仕込み量)−(マイクロカプセル化工程後の分散体中の疎水性モノマーの残留量)}/(疎水性モノマーの仕込み量)]×100で表す式を用いることで、転化率を算出した。係る測定方法によって得られた疎水性モノマーの転化率は84%であった。また、得られたマイクロカプセル分散液1中のマイクロカプセルのD50粒径を、粒度分布測定機(日機装製 マイクロトラック UPA EX−150)を用いて測定したところ、180nmであった。また、マイクロカプセル分散液1のpHは7.4であった。
【0051】
次に、マイクロカプセル分散液1のpHを水酸化ナトリウムを加え8.5に調整し、100部分取し、フラスコに加えた。マイクロカプセル分散液を102度に加熱しながら水蒸気蒸留を1時間行い、回収したマイクロカプセルと水との混合物にグリセリン5部、2−ピロリドン5部、ポリエチレングリコール5部及び水を加え、混合物を2時間攪拌した後、ろ過することでインク1を得た。水の添加量は混合物の総量が100部となるように調整した。また、水蒸気蒸留においては、ブラスコ内にスチームを供給することで、フラスコ内の水分の量が蒸留操作に伴って減少しないよう調整した。
【0052】
(実施例2)
水蒸気蒸留を行う温度を99度とした以外は実施例1と同様の操作を行い、インク2を得た。
【0053】
(実施例3)
水蒸気蒸留を行う温度を105度とした以外は実施例1と同様の操作を行い、インク3を得た。
【0054】
(実施例4)
水蒸気蒸留を行う際に、スチームによる水分の供給を行わなかった以外は実施例1と同様の操作を行い、インク4を得た。
【0055】
(比較例1)
顔料分散体分散体50部とモノマーエマルションA40部とを混合し、超音波照射機で4分間乳化した後、窒素雰囲気下で70℃、24時間重合した以外は実施例1と同様の操作を行い、マイクロカプセル分散液2を得た。得られたマイクロカプセル分散液2から疎水性モノマーの転化率を測定したところ、92%であった。また、得られたマイクロカプセル分散液のpHは7.4であった。また、得られたマイクロカプセル分散液2のpH調整及び水蒸気蒸留を行わなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行いインク5を得た。
【0056】
(比較例2)
顔料分散体分散体50部とモノマーエマルションA40部とを混合し、超音波照射機で4分間乳化した後、窒素雰囲気下で70℃、24時間重合した以外は実施例1と同様の操作を行い、マイクロカプセル分散液3を得た。得られたマイクロカプセル分散液3から疎水性モノマーの転化率を測定したところ、92%であった。また、得られたマイクロカプセル分散液3のpHは7.4であった。また、pH調整を行わなかった以外は実施例1と同様の操作を行い、インク6を得た。
【0057】
(比較例3)
顔料分散体分散体50部とモノマーエマルションA40部とを混合し、超音波照射機で4分間乳化した後、窒素雰囲気下で70℃、24時間重合した以外は実施例1と同様の操作を行い、マイクロカプセル分散液4及びインク7を得た。得られたマイクロカプセル分散液4から疎水性モノマーの転化率を測定したところ、92%であった。
【0058】
(表面酸価の測定)
得られたマイクロカプセル分散体に酸を加えた後、遠心分離を行い、沈殿物を回収した。得られた沈殿物を乾燥した後、一定量の炭酸水素ナトリウムを加え、撹拌した。撹拌後、遠心分離によって沈殿物を除去し、上澄み液を回収した。回収した上澄み液中に残存している炭酸水素ナトリウムの量を、酸で滴定して算出することで、マイクロカプセルの表面酸価を算出した。
【0059】
(マイクロカプセル全体の酸価の測定)
マイクロカプセル全体の酸価は、JIS K 2501−2003に記載の試験方法を用いて測定した。具体的には、マイクロカプセル分散体に酸を加えた後、60℃で1時間加熱して乾固物を得た。得られた乾固物をキシレンとジメチルホルムアミドを質量比で1:1で混合した混合物に添加することでマイクロカプセル中の樹脂を溶解した後、メンブランフィルターで色材をろ別した。ろ液を水酸化カリウムの濃度が0.1mol/Lのエタノール溶液で滴定することでマイクロカプセル全体の酸価を得た。
【0060】
(疎水性モノマーの重合体の重量平均分子量の測定)
実施例及び比較例のインクを遠心分離することでインク中のマイクロカプセルのみを取り出し、マイクロカプセル単体をTHFに溶解した。その後、遠心分離機で更にマイクロカプセルのコアである顔料とシェルである重合体とを分離し、上澄み液をろ過し、ろ液をポリスチレン換算のGPC(カラム 昭和電工製 Shodex GPC KF−806,K−806L)で測定することで、マイクロカプセルのシェルを構成する、疎水性モノマーの重合体の重量平均分子量を算出した。本発明においては、疎水性モノマー単独のピークや、酸性化合物のピークと重ならないよう、50000以下の分子量ピークをノイズとして除去した。結果を表1に示す。
【0061】
(マイクロカプセル中の残留モノマーの量)
マイクロカプセル分散体からマイクロカプセル1gを分取し、バイアルに加えた後、アルミキャップでバイアルを密封した。密封後、210℃で60分加熱した。加熱後、気相に追い出された揮発性成分をガスタイトシリンジで吸引し、ガスクロマトグラフィーに注入し、疎水性モノマーに相当するピークを分離することで、マイクロカプセル1gに含まれる疎水性モノマーの量、即ち、残留モノマーの量を算出した。結果を表1に示す。
【0062】
【表1】

【0063】
<インクジェット用インクの評価>
[吐出安定性の評価]
インクジェットプリンタPIXUS iP4300(キヤノン(株)製)を用い、インクジェットプリンタのインクカートリッジに実施例及び比較例のインクをそれぞれ搭載し、印字を行った。
【0064】
インクジェットプリンタPIXUS iP4300(キヤノン(株)製)を用い、まず1ドットの縦線を記録用紙に印字した。その後、インクカートリッジ中のインクをノズルから吐出することでインクを消費し、インクがなくなる直前に、再び1ドットの縦線を使い始めに縦線を印字した記録用紙とは別の記録用紙に印字した。尚、記録用紙としては、プロフェッショナルフォトペーパー(キヤノン製)を用いた。その後、使い始めに縦線を印字した記録用紙と、インクを使い終わる直前に縦線を印字した記録用紙とを並べ、25cm離れた距離から目視にて観察し、下記基準によって印字物を評価することで、吐出安定性の評価を行った。本発明においては、下記評価基準においてAであれば、十分な吐出安定性を有するとした。結果を表2に示す。
【0065】
A:使い始めに記録された縦線と使い終わり直前に記録された縦線にほとんど差異がない
B:使い終わり直前に記録された縦線の一部が使い始めに記録された縦線からずれている(ドット着弾ズレが認められる)ものの、直線として認識できる
C:使い終わり直前に記録された縦線が使い始めに記録された縦線から明らかにずれており(ドット着弾ズレがはっきりと認められ)、直線として認識できない。
【0066】
[保存安定性の評価]
実施例及び比較例のインク中のマイクロカプセル及び色材の平均粒子径(以下、保存前の平均粒子径ともいう)を、上記した平均粒子径の測定方法と同様の方法を用いて測定した。その後、各インクを60℃で7日間保存し、保存後のインク中のマイクロカプセル及び色材の平均粒子径を測定した。保存後のインク中のマイクロカプセル及び色材の平均粒子径(以下、単に保存後の平均粒子径ともいう)は、保存前の平均粒子径の測定方法と同様の方法を用いて測定した。各インクについて保存後の平均粒子径に保存前の平均粒子径を割り、100倍することで、平均粒子径の変化率を算出した。
【0067】
本発明においては、上記した平均粒子径の変化率がAまたはBであれば、十分な保存安定性を有するとした。結果を表2に示す。
A:保持の前後で平均粒子径の変化率が10%未満
B:保持の前後で平均粒子径の変化率が10%以上20%未満
C:保持の前後で平均粒子径の変化率が20%以上
【0068】
[発色性の評価]
実施例及び比較例のインクをそれぞれ搭載したインクカートリッジを用いて、記録媒体の縁から20mmを除いた領域にベタ画像を形成した。尚、記録媒体にはあらかじめバーコーターにて下記組成のクリアインクを2.4g/m塗布したものを用いた。
クリアインクの組成
硝酸マグネシウム6水和物 10質量%
1,2,6−ヘキサントリオール 30質量%
トリメチロールプロパン 5質量%
アセチレノール100 1質量%
イオン交換水 54質量%
【0069】
インクジェット記録装置としては、PIXUS iP4300(キヤノン(株)製)を用い、記録媒体としては、PPC用紙(オフィスプランナー キヤノン(株)製)を用いた。得られた印字物の光学濃度を反射濃度計RD−19I(Gretag Macbeth製)を用いて測定し、下記評価基準によって印字物を評価することで、発色性の評価を行った。本発明においては、下記評価基準における評価結果がAであれば、十分な発色性を有するとした。結果を表2に示す。
A:光学濃度>1.6
B:1.6≧光学濃度>1.5
C:1.5≧光学濃度
【0070】
【表2】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
色材と、酸性官能基を有する化合物と、疎水性モノマーを重合してなる重合体と、界面活性剤とを有するマイクロカプセル及び水を含むマイクロカプセル分散体において、
前記疎水性モノマーを重合してなる重合体の重量平均分子量が30万〜250万であり、
前記マイクロカプセルの表面酸価が1〜100mgKOH/gであり、
前記表面酸価が前記マイクロカプセル全体の酸価の50〜90%であり、
前記マイクロカプセル1g中に含まれる疎水性モノマーの量が1000ppm以下であることを特徴とする
マイクロカプセル分散体。
【請求項2】
マイクロカプセルを含むマイクロカプセル分散体の製造方法であって、
色材と界面活性剤とが水に分散された色材分散体と、酸性官能基を有する化合物と、疎水性モノマーとが水に分散されたモノマーエマルションとを混合することにより分散体を得る混合工程と、
前記分散体中の前記疎水性モノマーを重合することによりマイクロカプセルを含むマイクロカプセル分散体を得るマイクロカプセル化工程とを有し、
前記マイクロカプセル化工程における前記疎水性モノマーの転化率は40〜90%であり、
前記マイクロカプセル化工程後に、前記マイクロカプセルに塩基性化合物を加える塩基処理工程と、前記マイクロカプセルを水蒸気蒸留する水蒸気蒸留工程とをこの順に有することを特徴とするマイクロカプセル分散体の製造方法。

【公開番号】特開2012−193241(P2012−193241A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56765(P2011−56765)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】