説明

マイクロカプセル化された染料前駆体を使用する漏れ検出法

閉鎖系から環境への漏れを検出し、且つ/又は漏れの場所を明らかにする方法を提供する。本発明方法は、次の工程:すなわち、閉鎖系における漏れが疑われる部位に近接させて又は直接接触させて試験片を配置する工程、該試験片は、支持材と、該支持材上に配置された発色組成物とを含み、該発色組成物は、マイクロカプセル中にカプセル化された染料前駆体と、顕色剤と及び任意に充填材とを含む;及びマイクロカプセルと化学物質との接触に応答した試験片上での色の発色を検出し、それによって、漏れの存在を示し且つ/又は漏れの位置を明らかにする工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、一般的に、閉鎖システムから環境への漏れを検出し、且つ/又は漏れの場所を明らかにする方法に関する。更に詳しくは、本発明は、閉鎖システムにおける漏れを検出し、且つ/又は漏れの場所を明らかにする方法に関する。
【0002】
2.従来技術の説明
液体及び圧縮ガスを含む揮発性化合物の漏れ検出は、例えば健康及び安全性、環境保全、システムメンテナンス、及び化合物自体の保存などの様々な理由から行われる。
【0003】
この分野の漏れ検出の従来法は、携帯及び卓上の電子漏れ検出器の使用を含む。これらのデバイスは、定期的な較正、保守、及び電源装置を必要とする。特に多くの潜在的漏れ部位を検査する必要がある場合、前記デバイスを、運んだり又は正しい位置に配置することが難しいときがある。
【0004】
干渉化合物が同じ領域で検出される場合、電子漏れ検出デバイスは、誤った陽性信号を出すときがある。漏れが計測器の検出限界を充分に下回っている場合、漏れは検出されない。更に、人は、計測器の応答を解釈するために、漏れ検出デバイスとコンタクトし続けていなければならない。
【0005】
超音波漏れ検出器は、他の化合物の存在が原因で偽陽性信号を出すという問題は抱えていないかもしれないが、ユニットが存在しているのと同じ音場に入って来て影響を及ぼす他の音によって妨害されることがある。市販の漏れ検出石鹸液は、典型的には、大きな漏れの検出に使用される。而して、小さい漏れを検出でき、そしてその漏れを限定的な場所と関連づけできる漏れ検出媒体は有用であると考えられる。また、人による恒常的なモニタリングを必要としない検出デバイスを使用することも有用であると考えられる。従来の意味での較正を必要としない又は電源を必要としない漏れ検出デバイスも同様に有利であると考えられる。
【0006】
閉鎖機械システム、貯蔵容器、又は移送/供給配管からの揮発性化合物の小さな漏れは、互いに近接している、例えば配管の継ぎ目のようないくつかの潜在的な漏れ部位が存在するので、しばしば特定するのが難しい。気流は、空気中の化合物の混合を促進することがあるので、化合物が拡散して特定できなくなる。同様に、気流は、漏れ材料を置換することができるので、漏れが実際の場所とは異なる場所で起こっているように見えてしまう。このために、電子漏れ検出器、すなわち「探知器」は、しばしば、遅い漏れがどこから放射しているかについて特定することができない。
【0007】
電子デバイスの感度が小さな漏れを検出するほどには充分に高くないことも有り得る。
市販の漏れ検出発泡液は、しばしば、小さい漏れの検出には適切ではない。このような漏れは、例えば、冷凍システム、溶媒蒸気脱脂システム、及び揮発性有機化合物を運ぶ工業プロセスで起こる。同様に、漏れは、天然ガスの供給及び送出し配管において、またそれらの配管が供給する燃焼装置において起こる。
【0008】
本発明によって提供されるレベルにおける漏れ検出によって、環境を害するかもしれない放出(その漏れ化合物は、発火した場合に人及び特性に脅威をもたらすと考えられる特性、例えば引火性を有する)の検出及び制御を容易に行うことができる。
【0009】
閉鎖システム、例えば冷凍及び空調のために使用される閉鎖システムは、例えば、化学プロセス運転、従業員の安全性、食品と生物学的製剤の保存、及びデータシステムの信頼性にとって重要である場合がある。そのような場合、揮発性有機化合物(VOC)の遅い漏れを含む揮発性有機化合物の漏れを検出するための手段が利用可能であるならば、漏れの早期検出によってシステムのダウンタイムを回避できる。
【0010】
而して、本発明は、揮発性有機化合物の漏れ、遅い漏れ、及び他の方法又は装置ではしばしば検出できない分野における漏れを検出する方法を提供する。本発明の漏れ検出法の利点は、以下の本発明の詳細な説明から明らかとなる。特に、本発明は、漏れ検出媒体として新しい感圧性若しくは感熱性の印刷用紙か、又はヒドロフルオロカーボン若しくはヒドロクロロフルオロカーボンの漏れを検出するためのマイクロカプセル化漏れ検出媒体を使用する。
【0011】
発明の概要
本発明は、閉鎖システムから環境への漏れを検出し、且つ/又は漏れの場所を明らかにする方法を提供する。本発明の方法は、次の工程:すなわち、閉鎖システムにおける漏れが疑われる部位に近接させて又は直接接触させて試験片を配置する工程、該試験片は、支持材と、該支持材上に配置された発色組成物とを含み、該発色組成物は、マイクロカプセル中にカプセル化された染料前駆体と、顕色剤と及び任意に充填材とを含む;及びマイクロカプセルと化学物質との接触に応答した試験片上での色の発現を検出し、それによって、漏れの存在を示し且つ/又は漏れの位置を明らかにする工程を含む。
【0012】
本発明によって提供されるレベルにおける漏れ検出によって、環境を害するかもしれない放出(その漏れ化合物は、発火した場合に人及び特性に脅威をもたらすと考えられる特性、例えば引火性を有する)の検出及び制御を容易に行うことができる。
【0013】
更に、閉鎖システム、例えば冷凍及び空調のために使用される閉鎖システムは、例えば、化学プロセス運転、従業員の安全性、食品と生物学的製剤の保存、及びデータシステムの信頼性にとって重要である場合がある。そのような場合、漏れの早期検出によってシステムのダウンタイムを回避できる。
【0014】
この漏れ検出法のこれらの及び他の利点は、以下の本発明の詳細な説明から明らかとなる。
【0015】
発明の詳細な説明
本発明は、疑わしい漏れ部位又は複数の部位に又は部位上に配置できる漏れ検出のテープ、紙、パッチ又はフィルムを提供する。漏れ検出媒体に対する化合物の暴露が充分である場合、漏れ検出媒体は発色し、漏れがあることを示す。
【0016】
テープ、紙、パッチ又はフィルムであることができる本明細書で説明される漏れ検出試験片の機能の基礎は、マイクロカプセル中に含まれる染料前駆体が揮発性有機化合物に曝露されると発色するというコンセプトにある。
【0017】
本発明による試験片は:支持材;支持体表面上に塗布されたカプセル化染料前駆体を含む発色組成物;顕色剤;及び任意に充填材を含む。
【0018】
支持材
支持材は、好ましくは可撓性支持体、例えば薄いシートの紙、プラスチック、金属又はそれらの組み合わせである。しかしながら、他の材料又は当業者にとって公知の材料の組み合わせを使用することもできる。
【0019】
適当な支持体としては;紙;アルファ−オレフィンポリマーで、例えばポリエチレンで片側又は両側を被覆された紙;アセテートフィルム、例えばポリビニルアセテート及びセルロースアセテートのフィルム;ポリビニルアセタールフィルム;ポリスチレンフィルム;ポリプロピレンフィルム;ポリエステルフィルム、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム;ポリアミドフィルム;ポリイミドフィルム;ニトロセルロースフィルム;ポリカーボネートフィルム;ポリ塩化ビニルフィルム;複合フィルム、例えばポリエチレンフィルムで被覆されたポリエステル、ポリプロピレン又はポリスチレンのフィルム;金属化紙又は金属化フィルム;金属/紙ラミネート及びPerlonガーゼを含む、試験片を調製するために従来使用されている任意のシート材料が挙げられるが、それらに限定されない。
【0020】
発色組成物
発色組成物は、マイクロカプセル中にカプセル化された染料前駆体、顕色剤及び任意に充填材を含む。
【0021】
本発明では、染料前駆体、例えばロイコ又はカルビノールの中間体、及び顕色剤、例えば酸性顕色剤を使用して、本発明の検出媒体、例えば試験片を調製できる。
【0022】
染料前駆体
カプセル化染料前駆体は、ロイコ色素、カルビノールベースの染料、カップリング剤とカップリングできるジアゾニウム塩、又はそれらの組み合わせであることができる。
【0023】
ロイコ染料前駆体
ロイコ染料は、以下のタイプの染料:すなわち、
(1)トリアリールメタン染料のロイコ塩基、例えばクリスタルバイオレット、Cl Basic Violet 1、Cl Basic Violet 2、Cl Basic Blue、Cl Victoria Blue、クリスタルバイオレットラクトン、N−ベンゾイルロイコメチレンブルー又はそれらの組み合わせ;
(2)フタリドロイコ染料、ビスインドフタリド、カルバゾリルメタン、フルオラン又はそれらの組み合わせ;又は
(3) カルビノールベースの染料、例えばマラカイトグリーン、Cl Acid Blue 9、Cl Food Blue 2又はそれらの組み合わせのうちの1つであることができる。
【0024】
ロイコ染料の場合、酸性材料、例えばサリチル酸、フェノール化合物、ミルオーガナイトクレー又はアタパルジャイトクレーは、顕色剤として役立つことができる。
【0025】
本発明で染料前駆体として使用できる染料の非限定的な例としては、誘導トリアリールメタン染料のロイコ塩基、例えばクリスタルバイオレット、Cl Basic Violet 1、Cl Basic Violet 2、Cl Basic Blue、Cl Victoria Blue、クリスタルバイオレットラクトン、N−ベンゾイルロイコメチレンブルー、及び染料のカルビノール塩基、例えばマラカイトグリーン、Cl Acid Blue 9、Cl Food Blue 2及びフタリドロイコ染料が挙げられるが、それらに限定されない。
【0026】
ロイコ染料顕色剤
本発明で顕色剤として使用できる酸性化合物の実例を、下記の表1に列記する。
これらの実施例は、例示であって、限定と解釈すべきではない。
【0027】
【表1】

【0028】
酸との反応時に着色化合物を生成する適当なロイコ染料としては、ロイコクリスタルバイオレット、ロイコマラカイトグリーン、クリスタルバイオレットラクトン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、及び本明細書において完全に説明されているかのようにその内容を本明細書に引用したものとする米国特許第5,084,433号及び第5,206,118号に記載されているビスインドフタリド及びカルバゾリルメタンの組に属する酸感応性ロイコ染料が挙げられる。
【0029】
例えば、公開欧州特許出願第0 155796号、ドイツ公開特許出願(DE−OS)第35 34 594号及び第43 29 133号、及び米国特許第3,957,288号及び第4,011,352号(それらの全ては本明細書に完全に引用したものとする)に記載されているフルオランの組に属するロイコ染料は、本発明による使用に特に適する。
【0030】
日本特許出願第123086/82号及び米国特許第4,751,165号、第4,842,976号及び第6,562,542号は、酸との接触によって即時発色する画像形成材料で使用できる塩基性ロイコ染料ベースのシステムを説明しており、前記特許の全ては、本明細書に完全に引用したものとする。
【0031】
一つの態様では、酸感応性ロイコ染料をカプセル化して、ロイコ染料化合物の溶液を含むマイクロカプセルを形成し、そして次に、マイクロカプセルを紙シートの表面上に塗布する。マイクロカプセルの完全性は、検出しようとする漏れガス又は漏れ液体と接触することによって変化し、それによってロイコ染料を放出し、そしてこれまた紙シートの表面上に存在する例えば酸性クレーのような酸性顕色剤と接触すると発色する。あるいは、マイクロカプセルを、1枚のペーパーシートの裏面に配置し、一方、顕色剤を下地シートの前面に配置することができる。
【0032】
別の態様では、本発明は、マイクロカプセル内に含まれる色形成成分の全てを有する1つの支持体を使用する。染料前駆体及び酸性顕色剤を、裂開可能なマイクロカプセル内に配置して、本発明による自蔵式試験片を製造できる。
【0033】
この方法では、目印形成成分の全てを含むマイクロカプセルは同じ溶液中に存在する。ロイコ染料発色剤は、酸性顕色剤、例えばフェノールと反応する。溶媒混合物は、ロイコ染料の無着色形態を有利にする極性溶媒を含む。イメージング時には、溶媒混合物の極性成分が蒸発し、その結果として、染料の着色形態を有利にする無極性環境となる。
【0034】
ジアゾニウム塩染料前駆体
カプセル化染料前駆体は、カップリング剤とカップリングできるジアゾニウム塩であることもできる。
【0035】
ジアゾニウム塩は、当業において公知の任意のジアゾニウム塩であることができる。好ましくは、前記のジアゾニウム塩は芳香族であり、更に好ましくは、例えば4−ジアゾジフェニルアミンスルフェートを含むジフェニルアミン−4−ジアゾニウム塩の誘導体である。前記の芳香族ジアゾニウム塩としては、例えば:ジフェニル−4−ジアゾニウムスルフェート;2−4−N−(ナフチル−2−メチル)−N−プロピルアミノ)−ベンゼンジアゾニウムスルフェート;クロロ−ジフェニル−4−ジアゾニウムスルフェート;4−(3−フェニルプロピルアミノ)−ベンゼンジアゾニウムスルフェート;4−(N−エチル−N−(ベンジル)−アミノ)−ベンゼンジアゾニウムスルフェート;4−(N,N−ジメチルアミノ)−ベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボレート;4−(N−(3−フェニル−メルカプト−プロピル)−N−エチルアミノ)−2−クロロベンゼンジアゾニウムスルフェート;4−(4−メチルフェノキシ)−ベンゼンジアゾニウムスルフェート;
4−(フェニルメルカプト)−ベンゼンジアゾニウムスルフェート;4−フェノキシベンゼンジアゾニウムスルフェート;4−(ベンゾイルアミノ)−ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート;メチルカルバゾール−3−ジアゾニウムスルフェート;3−メチル−ジフェニレンオキシド−2−ジアゾニウムスルフェート、3−メチルジフェニルアミン−4−ジアゾニウムスルフェート、2,3’,5−トリメトキシジフェニル−4−ジアゾニウムスルフェート;2,4’,5−トリエトキシジフェニル−4−ジアゾニウムスルフェート;4−(3−(3−メトキシフェニル)−プロピルアミノ)−ベンゼンジアゾニウムスルフェート;4−(N−エチル−N−(4−メトキシベンジル)−アミノ)−ベンゼンジアゾニウムスルフェート;4−(N−(ナフチル−(2)−メチル)−N−n−プロピルアミノ)メトキシベンゼンジアゾニウムスルフェート;4−(N−(3−フェノキシプロピル)−N−メチルアミノ)−2,5−ジメトキシベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボレート;4−(N−(3−フェニルメルカプトプロピル)−N−エチルアミノ)−2−クロロ−5−メトキシベンゼンジアゾニウムスルフェート;4−(4−(3−メチルフェノキシ)−フェノキシ)−2,5−ジメトキシベンゼンジアゾニウムスルフェート;4−(4−メトキシ−フェニルメルカプト)−2,5−ジエトキシベンゼンジアゾニウムスルフェート;2,5−ジエトキシ−4−フェノキシベンゼン−ジアゾニウムスルフェート;4−(3,5−ジメトキシベンゾイルアミノ)−2,5−ジエトキシベンゼン−ジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート;メトキシカルバゾール−3−ジアゾニウムスルフェート;3−メトキシ−ジフェニレンオキシド−2−ジアゾニウムスルフェート及びメトキシジフェニル−アミン−4−ジアゾニウムスルフェートが挙げられる。
【0036】
次のアミン:すなわち、4−アミノ−3−メトキシジフェニルアミン、4−アミノ−2−メトキシジフェニルアミン、4’−アミノ−2−メトキシジフェニルアミン、4’−アミノ−4−メトキシジフェニルアミン、4−アミノ−3−エトキシジフェニルアミン、4−アミノ−3−ヘキシルオキシジフェニルアミン、4−アミノ−3−β−ヒドロキシエトキシ−ジフェニルアミン、4’−アミノ−2−メトキシ−5−メチルジフェニルアミン、4−アミノ−3−メトキシ−6−メチルジフェニルアミン、4’−アミノ−4−n−ブトキシジフェニルアミン、4’−アミノ−3’,4−ジメトキシジフェニルアミン、4−アミノジフェニルアミン、4−アミノ−3−メチルジフェニルアミン、4−アミノ−3−エチルジフェニルアミン、4’−アミノ−3−メチルジフェニルアミン、4’−アミノ−4−メチルジフェニルアミン、4’−アミノ−3,3’−ジメチルジフェニルアミン、3’−クロロ−4−アミノ−ジフェニルアミン、4−アミノ−ジフェニルアミン−2−スルホン酸、4−アミノジフェニルアミン−2−カルボン酸、4−アミノジフェニルアミン−2’−カルボン酸及び4’−ブロモ−4−アミノジフェニル−アミンから誘導されたジアゾニウム塩も本発明での使用に適する。好ましくは、4−アミノ−ジフェニルアミン、3−メチル−4−アミノジフェニル−アミン、アルコキシ基中に1〜3個の炭素原子を有する3−アルコキシ−4−アミノジフェニルアミン、及び3−メトキシ−4−アミノジフェニルアミンである。
【0037】
芳香族ジアゾニウム塩の対アニオンは、ハロゲン化物、例えば塩化物、臭化物又は弗化物;硫酸塩;硫酸水素塩;燐酸塩;燐酸水素;燐酸ニ水素;スルホン酸塩、例えばメタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、トルエンスルホネート、ナフタレンスルホネート及びメシチレンスルホネート;ヘキサフルオロホスフェート及びテトラフルオロボレートであることができる。
【0038】
特に好ましいモノマー芳香族ジアゾニウム塩としては、例えば、下式
【0039】
【化2】

【0040】
によって表される2−メトキシ−4−フェニルアミノベンゼンジアゾニウム−ヘキサフルオロホスフェート(ジアゾMSPF6):下式
【0041】
【化3】

【0042】
によって表される2−メトキシ−4−フェニルアミノベンゼンジアゾニウムp−トルエンスルホネート:及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0043】
特に好ましいオリゴマー芳香族ジアゾニウム塩としては、下式:
【0044】
【化4】

【0045】
によって表される化合物;そしてその化合物は、カナダケベック州にあるSt.Jean Photochemicalsによって製造されている下式;
【0046】
【化5】

【0047】
(式中、nは1〜11である)によって表されるDTS−18(商品名)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。前記ジアゾニウム塩のいずれかから成る混合物も適する。
【0048】
ジアゾニウム塩顕色剤
ジアゾニウム塩のための顕色剤システム(例えば場合によってはカップリング剤及び塩基又は酸)と組み合わせた染料前駆体、例えばジアゾニウム塩を、本発明で使用して、本発明の検出媒体、例えば試験片を調製できる。
【0049】
記録材料で使用されて無色又は実質的に無色の電子供与材料から有色イメージを生成させるジアゾニウム塩のための顕色剤システムは、米国特許第4,842,979号;第6,348,432号;第6,432,876号;第6,403,528号;第2,712,507号;第2,730,456号;第2,730,457号;第3,418,250号;第3,432,327号;第3,981,821号;第3,993,831号;第3,996,156号;第3,996,405号;第4,000,087号及び第6,340,550号に記載されている。前記記録材料の具体例としては、感圧ノーカーボン複写紙、感熱記録紙、電子サーモグラフ記録紙、Cycolo(商標)写真材料などが挙げられる。これらの引例は、顕色剤シートの表面へと移送されるロイコ染料と反応して、その上にイメージを形成する電子受容体で被覆された支持体を含む顕色剤シート(CF被覆フロントシートとも呼ばれる)を含む。
【0050】
カップリング剤
カップリング剤は、ジアゾニウム塩と結合させて色を発現させるために必要である。
【0051】
適当なカップリング剤としては、芳香族アミン、芳香族ヒドロキシ化合物、例えばフェノール及びナフトール、複素環式化合物、例えばピロール、ピリジン、ピリミジン、インドール及び類似の環構造が挙げられるが、それらに限定されない。構造X−CH−C(二重結合酸素)−Y[式中、Xは−COOH、−CN、CORであり、そしてRはアルキル又はアリールであることができ、そしてYはアミノ基(未置換又は置換された)である]のエノール化可能な脂肪族ケトンセグメント(例えば活性メチレン基)を有する化合物。エノールの例としては、アセトアセトアニリド及び3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロンが挙げられる。カップリング剤の更なる例としては、2,4−ジヒドロキノリン、N,N−ジメチルアニリン、3−ヒドロキシ−2−ナフタニリド、ナフチルアミン、8−アミノ−1−ナフトール−3,6−二スルホン酸、7−アミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸、ベンゾリ酢酸−2’−[2−(2−ヒドロキシ−3−ナフトイルアミノ)フェニルチオ]アニリド; 1,2−ビス(ベンジルアセトアミド)ベンゼン; 4−トルエンスルホニルオキシ)アニリドが挙げられるが、それらに限定されない。
【0052】
カップリング剤及び塩基性成分(すなわち、水酸化物源又はアルカリ塩、例えば酢酸ナトリウム若しくは炭酸ナトリウム)は、マイクロカプセル外部の支持体に施用される。
化学的合成法(例えばジアゾ化)の様々な経路によって、ほとんど全ての芳香族第一アミンは、ジアゾ化合物を形成できる。ジアゾ化できる一般的に使用される芳香族第一アミンとしては、5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール、2−アミノ−6−ニトロベンゾチアゾール、2−アミノ−3,5−ジニトロ−チオフェン(1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸、2−アミノ−4−スルホン酸及び1−ナフタレン−スフラミックアシッド(suflamic acid)が挙げられる。塩基性成分としては、例えば、アンモニウム塩、アミン、アミド、尿素及びチオ尿素又はそれらの誘導体、チアゾール、ピロール、ピリミジン、ピペラジン、グアニジン、インドール、イミダゾール、イミダゾリン、トリアゾール、モルフォリン、ピペリジン、アミジン、ホルマミジン及びピリジンが挙げられるが、それらに限定されない。窒素含有化合物の具体例は、酢酸アンモニウム、トリシクロヘキシルアミン、トリベンジルアミン、オクタデシルベンジルアミン、ステアリルアミン、アリル尿素、チオ尿素、メチルチオ尿素、アリルチオ尿素、エチレンチオウレア、2−ベンジルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾリン、2,4,5−トリフリル−2−イミダゾリン、1,2−ジフェニル−4,4−ジメチル−2−イミダゾリン、2−フェニル−2−イミダゾリン、1,2,3−トリフェニルグアニジン、1,2−ジトリルグアニジン、1,2−ジシクロヘキシルグアニジン、1,2,3−トリシクロヘキシルグアニジン、グアニジントリクロロアセテート、N,N’−ジベンジルピペラジン、4,4’−ジチオモルフォリン、モルホリニウムトリクロロアセテート、2−アミノベンゾチアゾール及び2−ベンゾイルヒドラジノベンゾチアゾールである。その内容全体を本明細書に引用したものとする米国特許第4,842,979号には追加の化合物が記載されている。
【0053】
好ましくは、カップリングは、塩基性成分の存在下で、例えば、アンモニウム塩、アミン化合物、アミド、尿素、チオ尿素、チアゾール、ピロール、ピリミジン、ピペラジン、グアニジン、インドール、イミダゾール、イミダゾリン、トリアゾール、モルフォリン、ピペリジン、アミジン、ホルマミジン、ピリジン及びそれらの組み合わせの存在下で行われる。
【0054】
染料前駆体のための溶媒
染料前駆体は、好ましくは溶媒中で可溶化され、次いでマイクロカプセル中に収容される。その場合、マイクロカプセル内に含まれている染料/溶媒組み合わせによってマイクロカプセルが影響を受けないことを条件とする。
【0055】
別法として、染料前駆体は、懸濁液又はエマルジョンであるか又はそうではないかもしれないキャリア流体(一種又は複数種)中に分散させることができる。分散液、エマルション、又は懸濁液において染料前駆体を溶解又は運ぶ能力を有する材料としては、アルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、枝分れ酸ポリオールエステル、混酸ポリオールエステル、ポリアルキレングリコール、アルキルベンゼン、ベンジル化エチルベンゼン、フタル酸ベンジルブチル、イソプロピルビフェニル及びジイソプロピルナフタレンが挙げられる。前記流体は、典型的には、高い沸点を有するように又は用途の温度範囲のために最小蒸気圧を示すように選択される。
【0056】
染料前駆体を溶かし、懸濁させ、又は運ぶために使用できる溶媒/キャリア流体の更なる非限定的な例を表2に示す。
【0057】
【表2(1)】

【0058】
【表2(2)】

【0059】
染料前駆体のための他の溶媒及びキャリアとしては、n−ブチルプロピオネート、t−ブチルヒドロキノン、燐酸エステル、フタル酸エステル及び他のカルボン酸エステル、脂肪酸アミド、アルキル化ビフェニル、アルキル化テルフェニル、塩素化パラフィン、アルキル化ナフタレン、ジアリールエタンなどが挙げられる。これらの有機溶媒の具体例としては、トリクレジルホスフェート、トリオクチルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジラウリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ブチルオレエート、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート、ジオクチルアジペート、トリオクチルトリメリテート、アセチルトリエチルシトレート、オクチルマレエート、ジブチルマレエート、イソプロピルビフェニル、イソアミルビフェニル、塩素化パラフィン、ジイソプロピルナフタレン、1,1’−ジトリテタン(1,1’−ditolytethane)、2,4−ジ−t−アミノフェノール、そしてN,N−及びジブチル−2−ブトキシ−5−t−オクチルアニリンが挙げられる。先にその内容を本明細書に引用したものとした米国特許第4,842,979号には、追加の化合物が記載されている。
【0060】
染料と溶媒との間の必要な溶解力に影響を及ぼすように溶媒又は染料を官能化することもできる。所定の染料前駆体に関して適当な溶解力を付与しない適切な不揮発性特性を有する所定の化学構造で溶媒を官能化することができる。具体的な化学基(単数又は複数)、例えば、水素、ハロゲン(塩素、弗素、臭素、沃素)、直鎖又は分枝鎖、不飽和、環状、芳香族の炭化水素(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、フェニル、ベンジル、ビフェニル、アルケン、アルキン)、酸素含有(ヒドロキシル、ケトン、アルデヒド、有機酸、エーテル又はエステル)、窒素含有(ニトロ、ニトロソ、アミン及びアミド)、硫黄含有(スルホー及びスルホニル)を、化学反応を介して、元の溶媒に追加できる。同様に、前記の基で染料前駆体を官能化できる。
【0061】
溶媒は、好ましくは、揮発性溶媒によって引き起こされるかもしれない内圧によってマイクロカプセルに応力が加わらないように、比較的不揮発性の溶媒を選択する。別法として、微粉染料中間体を、マイクロカプセル化することができる。
【0062】
マイクロカプセルの調製
マイクロカプセルの製造法は、当業において公知であり、また、マイクロカプセルを調製する方法に関する詳細な説明は、最新のKirk−Othmer Encyclopedia,Vol.16,pp.628−649 及び Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton Pa.(1990)に見出される。また、Chandlerに与えられた米国特許第6,528,165号(2003年3月4日)及びKubotaらに与えられた米国特許第6,586,364号(2003年7月1日)は、本発明の使用に適するマイクロカプセルを調製する際に有用であるマイクロカプセルを調製するための様々な方法を説明している。前記全ての特許は、その内容全体を本明細書に引用したものとする。
【0063】
前記マイクロカプセルは、その内容全体を本明細書に引用したものとする日本国特開第58−33492号及び第58−82785号で説明されているコアセルベーション法、界面重合法又は現場重合法によって製造できる。
【0064】
ゼラチン、アクリル又はスチレン及び架橋可能なポリマーを使用するマイクロカプセル化のためのコアセルベーション法、界面架橋法は、その内容全体を本明細書に引用したものとするAtkinsonに与えられた米国特許第6,071,852号(2000年6月6日)及びHosieらに与えられた第5,585,051号(1996年12月17日)で説明されている。現場重合法は、その内容全体を本明細書に引用したものとする米国特許第5,464,803号;第4,001,140号;第4,100,103号;第4,105,823号及び第4,396,670号で説明されている。界面技術は、米国特許第4,379,071号;第4,428,983号;第4,412,959号;第4,402,856号;第4,253,682号及び第4,181,639号で説明されている。
【0065】
好ましくは、カプセル化染料は、例えば、溶媒蒸発、単純なコアセルベーション、複雑なコアセルベーション、ポリマー・ポリマー不相容性(polymer−polymer incompatibility)、遠心力、浸漬ノズルプロセス、噴霧乾燥、流動床コーティング、脱溶媒和、抽出物乾燥、界面重合、現場重合、二液カラム(biliquid column)、静電カプセル化(electrostatic encapsulation)、エチレン重合、極低温キャスティング、超臨界流体抽出及びそれらの組み合わせによってカプセル化される。
【0066】
例えば、アゾ染料を形成すると考えられる2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリドのようなカップリング剤とカップリングできるジアゾニウム塩のような染料前駆体の微細分散をマイクロカプセル化できる。染料前駆体の微細分散の前記マイクロカプセル化は、本明細書において完全に記載されているかのようにその内容を本明細書に引用したものとする米国特許第4,842,979号で説明されている。
【0067】
本明細書で使用される「可溶性」という用語は、架橋反応のために使用される条件下で適当な液体中に試薬が溶解できる状況、ならびに、試薬、特に架橋可能なポリマー材料、例えばゼラチンが、架橋反応のために使用される条件下で各液体中に溶解できないが、例えばより高い温度のような異なる条件下で溶解し、次いで、その条件が、架橋反応のために使用される条件へと変化するときに溶解したままである条件を包含することを意図している。
【0068】
マイクロカプセルを形成するための当業において公知である多くの架橋剤の中から、特定のポリマー材料のための効果的な架橋剤を選択することは、当業者の能力の範囲内である。
【0069】
1種以上の水溶性有機液体中において可溶性である架橋剤としては、ジルコニウム錯体、例えばジルコニウム炭酸カリウム及びジルコニウム炭酸アンモニウム;塩化ジルコニウム;硼酸;及び硼酸塩、例えば硼酸ナトリウムが挙げられる。
【0070】
1種以上の液体中において可溶性である架橋剤としては、酸二塩化物、例えば塩化スクシニル及び塩化アジポイル;チタン錯体、例えばテトライソプロポキシチタネート;ジカルボン酸無水物、例えば無水フタル酸;脂肪族ポリイソシアネート、例えば1−ペンチル−2−ヘプチル−3,4−ビス−(9−イソシアナトノニル)−シクロヘキサン);及び芳香族ポリイソシアネート、例えばトルエンジイソシアネートのホモポリマーが挙げられる。
【0071】
1種以上の適当な液体中において可溶性である代表的な架橋可能なポリマー材料は、 ゼラチン、特に175〜300ブルームのゼラチン;カルボキシメチルセルロース;ポリビニルアルコール;多糖類、例えば寒天及び天然の澱粉及び加工澱粉;アラビアゴム及びアルギン酸ナトリウムである。1種以上の適当な液体中において可溶性である代表的な架橋可能なポリマー材料は、複数のヒドロキシ基、カルボキシ基、エステル基及び/又はアミノ基を含むポリマー、例えばポリビニルアセテート、カチオン性ポリ(アミノシリコン)、セルロースアセテートブチレート、スチレン・アリルアルコールコポリマー、エチレン・酢酸ビニルコポリマー及びアクリルポリマー、例えばポリ(メチルメタクリレート)が挙げられる。
【0072】
好ましくは、染料前駆体がマイクロカプセルの外部にある試薬と接触できるように、検出することが意図されている漏れ有機蒸気に曝露されるときに、マイクロカプセルは、容易に拡散、溶解又は裂開すべきである。全ての場合で有利ではないかもしれないが、マイクロカプセル内に収容された成分及びマイクロカプセル外部にある成分は、所望ならば、変えることができると考えられる。
【0073】
例えば染料前駆体又は染料中間体を含むために使用されるマイクロカプセルシェルは、連続又は多核であることができる。
【0074】
連続又は多核のマイクロカプセルを使用して、1つの層に染料前駆体を有し、また隣接層に相補的な顕色剤システムを有する階層化システムを組み立てることができると考えられる。層は、支持体、例えば紙又はポリマーの支持体上に順々に堆積させることができると考えられる。
【0075】
マイクロカプセル及び顕色剤システムは、独立した隣接するポリマーの層又はラミネーションに集積化することもできる。その場合、ポリマー材料は、検出しようとする漏れ材料がポリマー層中を拡散できるように選択しなければならない。
【0076】
別法として、染料の前駆体又は中間体及び顕色剤システムは、それぞれにマイクロカプセル化することができ、次いで、支持体上に配置できるか又は単一ポリマー層中に集積化できる。
【0077】
染料成分が集積化されているポリマーフィルムは、任意に支持体として役立てることができる。マイクロカプセルを使用しない前記システムも、本発明によって企図される。染料の前駆体又は中間体は、支持体上へと堆積されるポリマー(プレポリマー又はモノマーを含む)材料全体に分散させることができる。ポリマー材料は、溶媒中に溶解されたポリマーであることができるか、又は光、酸素及び熱のような適切な手段を使用して、層として堆積後に重合させることができると考えられるプレポリマー又はモノマーであることができる。
【0078】
而して、形成された層を洗浄又は処理して、層の表面にある染料の前駆体又は中間体を除去又は不活性化する。次いで、相補的顕色剤システムを含む第二の層を堆積させる。
ポリマー層は、フィルムとして生成させることができ、次いで、溶媒結合、接着剤結合、又は紙及びプラスチックのフィルムを貼り合わせるための他の公知の最高技術水準の方法によって結合させることができると考えられる。
【0079】
紙支持体は、撥水物質で、例えばポリマーコーティング、ワックス又はワックス様物質、シリコーン、シリコーンベースの界面活性剤又は弗素化有機界面活性剤で片側又は両側を処理することによって、耐候性にすることができる。コーティングは、スプレーコーティング、ディップコーティング又は浸漬コーティング、ロールコーティング、スピンコーティング、又は紙にコーティングを施用するために使用される他の適当な最高技術水準の方法によって施用できる。両側を被覆する場合、コーティング材料は、検出しようとする漏れ材料がコーティング中を拡散して、染料前駆体を含むマイクロカプセル又は層に到達することができるように選択しなければならない。ポリマーベースの支持体は、紙の代替として使用できると考えられる。
【0080】
クロロフルオロカーボン、例えばCFC−113(トリクロロトリフルオロエタン)及びヒドロクロロフルオロカーボン、例えばHCFC−141b(ジクロロフルオロエタン)は、マイクロカプセル化ロイコ染料前駆体溶液と、初期の感熱性印刷用紙に特有の外部酸性顕色剤とを使用して、検出できる。しかしながら、ヒドロフルオロカーボン、例えばHFC−134a(テトラフルオロエタン)及びいくつかのHCFC、例えばHCFC−22(クロロジフルオロメタン)は、これらのシステムでは色を発現させることができない。なぜならば、マイクロカプセルから染料前駆体が放出される程に充分にマイクロカプセルが影響を受けないからである。
【0081】
漏れHFC、例えばHFC−134a又は漏れHCFC、例えばHCFC22によって活性化できる上記のような漏れ検出システムは、好ましくは、漏れ化合物中においてある程度の溶解性を示すマイクロカプセルシェル材料又はポリマー層を有しているべきである。アクリロニトリルブタジエンスチレンターポリマーは、HFC、例えばHFC−134a(テトラフルオロエタン)、HFC−152a(ジフルオロエタン)、HFC−32(ジフルオロメタン)及びHCFC、例えばR−124(クロロテトラフルオロ−エタン)及びHCFC−22(クロロジフルオロメタン)によって少なくとも部分的に可溶化される。同様に、HFC−22は、ポリフェニレンオキシド及びポリカーボネートに影響を及ぼす。
【0082】
アクリル、スチレン、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオリド、ポリクロロテトラフルロルエチレン(polychlorotetraflurorethylene)、塩化ビニリデン、塩化ビニリデン/塩化ビニル、セルロース化合物、ポリスルホン、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフタルアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド及びポリエステルは、多くのHFC及びHCFCによって影響を受け、また、上記のようなマイクロカプセルシェル材料又はポリマー層のために使用できる材料の例である。
【0083】
ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン/ビニルアセテート(PVP/VA)、PVP/ジメチルアミノ・エチルメタクリレート及びビニルカプロラクタム/PVP/ジメチルアミノ・エチルメタクリレートのコポリマーも、HFCにおいて、例えばR−134aにおいて少なくとも部分的に可溶性であり、また、染料前駆体及び顕色剤システムを含むためのマイクロカプセルシェル材料又はポリマー層として使用できる。
【0084】
マイクロシェル中に収容された内容物によって溶解されず、且つ漏れ検出中に検出しようと意図される化合物によって充分に影響を受けるという条件付きで、マイクロカプセル化材として任意のポリマー材料を使用できる。天然ゴム、例えばカラゲーニン、グアー、寒天、イナゴマメ、アラビアゴム、カラヤゴム、天然ゼラチン、メチルセルロース、エチルセルロースを含むゲル様材料も使用できる。マイクロカプセル/フィルム材料として使用できる材料の更なる例は、下記の表3に列記してある。
【0085】
【表3(1)】

【0086】
【表3(2)】

【0087】
溶媒及び染料前駆体と同様に、マイクロカプセル又はフィルムの材料が、染料との必要な相溶性又は検出しようとする漏れ化合物に関して必要な溶解性を提供しない場合、前記材料を官能化できる。具体的な化学基(単数又は複数)、例えば、水素、ハロゲン(塩素、弗素、臭素、沃素)、直鎖又は分枝鎖、不飽和、環状、芳香族の炭化水素(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、フェニル、ベンジル、ビ−フェニル、−エン、−イン)、酸素含有(ヒドロキシル、ケトン、アルデヒド、有機酸、エーテル又はエステル)、窒素含有(ニトロ、ニトロソ、アミン及びアミド)、硫黄(スルホー及びスルホニル)を、化学反応を介して、元の溶媒に追加できる。
【0088】
他の漏れ検出目的、例えば可燃性炭化水素の検出のためのマイクロカプセル材料としては、アルコール、ケトン及び当業者にとって公知の他の化合物が挙げられる。
【0089】
実際的な理由から、全てのマイクロカプセル又はフィルムの材料、溶媒又はキャリアが本明細書で列記されているわけではないが、本発明で説明されるような漏れ検出媒体は、表1からの少なくとも1種の酸(ロイコ染料前駆体顕色剤)、表2からの少なくとも1種の溶媒/キャリア、表3からの少なくとも1種のマイクロカプセル/フィルム材料、及び、必要に応じて、少なくとも1種の染料前駆体(中間体、すなわちロイコ形態、カルビノール形態、又は第一芳香族アミンのジアゾ化からのジアゾニウム塩)、カップリング剤、及び詳細な説明で先に記載したような塩基又は酸によって作ることができる。
【0090】
ほとんどの場合、溶媒を有する又は有してない染料前駆体はマイクロカプセル中に収容され、そして顕色剤は、マイクロカプセル若しくはフィルムに対して外部に存在するか、又は、同じフィルム内に隔離された形態で若しくは隣接フィルム中に別々に若しくはマイクロカプセルの別のセット内にホストされると考えられる。
【0091】
カプセル化の他の方法は、その内容全体を本明細書に引用したものとする米国特許第4,842,979号;第4,482,624号及び前記特許に記載されている引例で説明されている。油溶性材料は、例えばゼラチンタイプの材料、例えばアラビアゴム、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースを含む親水性壁形成材(Greenらに与えられた米国特許第2,730,456号及び第2,800,457号を参照されたい);レソルシノール・ホルムアルデヒド壁形成材(Hartらに与えられた米国特許第3,755,190号を参照されたい);イソシアネート壁形成材(Vassiliadesに与えらた米国特許第3,914,511号を参照されたい);イソシアネート・ポリオール壁形成材(Kirintaniらに与えられた米国特許第3,796,669号を参照されたい);尿素ホルムアルデヒド壁形成材、特に、親油性がレソルシノールの付加によって増強されている尿素レソルシノール・ホルムアルデヒド(Forisらに与えられた米国特許第4,001,140号;第4,087,376号及び第4,089,802号を参照されたい);メラミン・ホルムアルデヒド樹脂及びヒドロキシプロピルセルロース(米国特許第4,025,455号及び第4,771,032号を参照されたい)中にカプセル化されて来た;また、マイクロカプセル化法の実例及びそれらの方法で使用される化合物は、米国特許第3,726,804号及び第3,796,669号を参照されたい。
前記引例の全ては、その内容全体を本明細書に引用したものとする。
【0092】
本発明の態様を更に例示するために、染料前駆体、例えばロイコ染料前駆体を、高沸点芳香族溶剤に溶かし、そしてマイクロカプセル化プロセスにかける。次いで、得られたマイクロカプセルを、支持体、例えば紙に適用できる。他の支持体、例えばプラスチックフィルムを使用することもできる。
【0093】
充填材
充填材、例えばタルク又は当業者にとって公知の他の充填材を、外部パッケージにおいて任意に使用して、カプセルの破損を緩和し、而して、取り扱いに起因する発色を最小限に抑えることができる。それらの物質は、マイクロカプセルの外部に、例えばマイクロカプセルシェル自体に又は例えば紙のような媒体支持体に施用できる。
【0094】
動作モード
典型的には、染料前駆体は、拡散、溶解、破裂又は他のプロセスによって、マイクロカプセルから放出される。而して、マイクロカプセル中へ化学物質が吸収、吸着、又は拡散して、ひび割れ、クラッキング、又は他の劣化若しくは溶解によってカプセル化が破裂することによって、染料前駆体をマイクロカプセルから放出できる。
【0095】
化学物質は、染料前駆体にも溶解することができるので、物理的状態を変化させ、例えば固体から液体へと変化させ又は溶液粘度を低下させて、放出を助ける。
【0096】
色は、染料前駆体がマイクロカプセルから放出され、そしてマイクロカプセルの外部に施用された顕色剤と接触するときに、発現する。
【0097】
漏れ検出システムの成分の選択、すなわち染料前駆体のためのマイクロカプセル、フィルム材料、溶媒又はキャリア、顕色剤、充填材、及び必要に応じた他の薬剤の選択は、検出しようとする化合物によって強く影響を受ける。例えば、天然ガスの漏れ検出のために選択される材料は、1,1,1,2−テトラフルオロエタンを検出するために選択される材料とは異なっていてもよい。本質的には、本明細書で説明される漏れ検出手段を構成する適当な成分を選択することによって、様々な揮発性化合物を検出できると考えられる。
【0098】
染料前駆体を含むマイクロカプセル又はフィルムは、染料前駆体がマイクロカプセルから放出され、そして顕色剤と接触して検出可能な色を形成する程度まで、マイクロカプセルの完全性を劣化させる漏れ化合物によって充分に影響を受けなければならない。同時に、使用する場合、染料前駆体のための溶媒又はキャリアは、マイクロカプセル材料又はフィルム材料と適合性でなければならない。すなわち、前記溶媒は、漏れ化合物と接触する前に、膨張、溶解、ひび割れさせてはならず、又はマイクロカプセル若しくはフィルムの完全性を劣化させてはいけない。更に、選択される顕色剤又は充填材は、染料前駆体を含むマイクロカプセル又はフィルムに関する漏れ化合物の効果を有意に減弱させるべきでなく、また、マイクロカプセル又はフィルムの完全性を有意に劣化させるべきではない。
【0099】
別法として、染料前駆体を可溶化するために使用される溶媒は、漏れ化合物を溶かすことができるように又は漏れ化合物を溶かさないように選択できる。
【0100】
漏れ化学物質、例えば揮発性有機化合物が、マイクロカプセルを含む漏れ検出媒体と接触すると、漏れ化学物質は、溶解、拡散又は破裂によってマイクロカプセルの完全性を劣化させて、マイクロカプセルから染料前駆体、例えばロイコ染料前駆体を放出させ、そして、その染料前駆体を酸性顕色剤と接触させて特有な色を形成させる。
【0101】
本発明の実施では、漏れ検出媒体のストリップ又はテープを、漏れが疑われる配管ジョイント又は同様な領域の周囲に巻きつける。
【0102】
別の態様では、テープは、予防保守用に特定の場所のために設計されたモニタリングデバイスとして、まだ漏れていないジョイントに配置される。
【0103】
更に別の態様では、パッチは、疑わしい又は潜在的な漏れ部位が円形横断面というよりはむしろ平坦な幾何学的形状を有する場合に、テープの代わりに使用される。
【0104】
なお更に別の態様では、パッチは、領域モニタリング手段として、壁に載置することができるか又は装置の上に懸架できる。
【0105】
もう一つ別の態様では、漏れ検出媒体は、揮発性有機化合物を含むシステムの近傍で、漏れ検出モニターとして配置されると考えられる。
【0106】
更にもう一つ別の態様では、所定の漏れ検出媒体で所定の化合物又は化合物の組が検出可能であるか又は検出不可能であるかが既に確認されている化合物と漏れ検出媒体とを接触させることによって、液体及びガス状の化合物は分類される。
【0107】
而して、異なるマイクロカプセル又はフィルムの材料を形成するために使用される異なる媒体は、染料前駆体が実質的に任意の揮発性液体又はガスの漏れを検出し、そして実質的に任意の液体又はガス状の化合物を領域分類(field classification)するための手段を提供できるように、異なる溶媒又はキャリアと組み合わせて任意に使用できる。
【0108】
このタイプの漏れ検出媒体の利点は、本発明の漏れ検出媒体における色の発現が累積的である点、すなわち、より多くの漏れ化合物が媒体と接触して、より多くの発色が起こる。このようにして、非常に小さい漏れでさえも、色が発現するのをより長く待つことによって特定できる。
【0109】
本発明は、特に、好ましい態様に関して説明して来た。それらの変更及び改良は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者によって考案され得ることを理解すべきである。而して、本発明は、添付の請求の範囲内にあるそのような全ての代替、改良及び変更を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程:すなわち、
漏れが疑われる部位に近接させて又は直接接触させて試験片を配置する工程、該試験片は、支持材と、該支持材上に配置された発色組成物とを含み、該発色組成物は、マイクロカプセル中にカプセル化された染料前駆体と、顕色剤と、そして任意に充填材とを含む;及び
該化学物質の漏れに応答する該試験片上での色の変化を検出する工程
を含む、化学物質の漏れを検出する方法。
【請求項2】
該試験片上の該色変化が、該マイクロカプセルを該化学物質と接触させ、それによって該マイクロカプセルから該カプセル化染料前駆体が放出され、それによって該染料前駆体が該顕色剤と反応することができ、それによって該試験片の該色変化が生じることから得られる請求項1記載の方法。
【請求項3】
該支持材が、シート、テープ、パッチ又はフィルムから成る群より選択される形態の支持体である請求項1記載の方法。
【請求項4】
該支持材が、紙、ポリマー、ポリマーで片側又は両側が被覆された紙、金属、金属化紙、金属化ポリマー、アセテート、ポリビニルアセタール、ポリエステル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、ニトロセルロース、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、複合材料、金属/紙ラミネート、Perlonガーゼ及びそれらの組み合わせから成る群より選択される請求項1記載の方法。
【請求項5】
該支持材が、α−オレフィン、ポリエチレン及びそれらの組み合わせから成る群より選択されるポリマーで片側又は両側が被覆された紙である請求項1記載の方法。
【請求項6】
該支持材が、ポリビニルアセテート及びセルロースアセテートから成る群より選択されるアセテートフィルムである請求項1記載の方法。
【請求項7】
該支持材が、ポリエチレン被覆ポリエステル、ポリプロピレン又はポリスチレンを含む複合材料である請求項3記載の方法。
【請求項8】
該カプセル化染料前駆体が、ロイコ染料、カルビノールベースの染料、カップリング剤とカップリングできるジアゾニウム塩及びそれらの組み合わせから成る群より選択される請求項1記載の方法。
【請求項9】
該ロイコ染料が、トリアリールメタン染料のロイコ塩基である請求項8記載の方法。
【請求項10】
トリアリールメタン染料の該ロイコ塩基が:クリスタルバイオレット、Cl Basic Violet 1、Cl Basic Violet 2、Cl Basic Blue、Cl Victoria Blue、クリスタルバイオレットラクトン、N−ベンゾイルロイコ−メチレンブルー及びそれらの組み合わせから成る群より選択される請求項9記載の方法。
【請求項11】
該ロイコ染料が、フタリドロイコ染料、ビスインドフタリド、カルバゾリルメタン、フルオラン及びそれらの組み合わせから成る群より選択される請求項8記載の方法。
【請求項12】
該カルビノールベースの染料が、マラカイトグリーン、Cl Acid Blue 9、Cl Food Blue 2及びそれらの組み合わせから成る群より選択される請求項8記載の方法。
【請求項13】
該ジアゾニウム塩が、第一芳香族アミンのジアゾ化生成物である請求項8記載の方法。
【請求項14】
該第一芳香族アミンが、5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール、2−アミノ−6−ニトロベンゾチアゾール、2−アミノ−3,5−ジニトロチオフェン、1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸、2−アミノ−4−スルホン酸、1−ナフタレン−サフラミックアシッド、4−アミノ−3−メトキシジフェニルアミン、4−アミノ−2−メトキシジフェニルアミン、4−アミノ−2−メトキシジフェニルアミン、4’−アミノ−4−メトキシジフェニルアミン、4−アミノ−3−エトキシジフェニルアミン、4−アミノ−3−ヘキシルオキシジフェニルアミン、4−アミノ−3−β−ヒドロキシエトキシ−ジフェニルアミン、4’−アミノ−2−メトキシ−5−メチルジフェニルアミン、4−アミノ−3−メトキシ−6−メチルジフェニルアミン、4’−アミノ−4−n−ブトキシジフェニルアミン、4’−アミノ−3’,4−ジメトキシジフェニルアミン、4−アミノジフェニルアミン、4−アミノ−3−メチルジフェニルアミン、4−アミノ−3−エチルジフェニルアミン、4’−アミノ−3−メチルジフェニルアミン、4’−アミノ−4−メチルジフェニルアミン、4’−アミノ−3,3’−ジメチルジフェニルアミン、3’−クロロ−4−アミノ−ジフェニルアミン、4−アミノ−ジフェニルアミン−2−スルホン酸、4−アミノジフェニルアミン−2−カルボン酸、4−アミノジフェニルアミン−2’−カルボン酸及び4’−ブロモ−4−アミノジフェニルアミン及びそれらの混合物から成る群より選択される請求項13記載の方法。
【請求項15】
該ジアゾニウム塩が:ハロゲン化物、硫酸塩、硫酸水素塩、燐酸塩、燐酸水素、燐酸ニ水素、ヘキサフルオロホスフェート、テトラフルオロボレート:メタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、トルエンスルホネート、ナフタレンスルホネート及びメシチレンスルホネートから成る群より選択されるスルホン酸塩、及びそれらの任意の組み合わせから成る群より選択される対アニオンを有する請求項13記載の方法。
【請求項16】
該ジアゾニウム塩が、ジフェニルアミン−4−ジアゾニウムスルフェート、2−4−(N−(ナフチル−2−メチル)−N−プロピルアミノ)−ベンゼンジアゾニウムスルフェート、クロロ−ジフェニル−4−ジアゾニウムスルフェート、4−(3−フェニルプロピルアミノ)−ベンゼンジアゾニウムスルフェート、4−(N−エチル−N(ベンジル)−アミノ)−ベンゼンジアゾニウムスルフェート、4−(N,N−ジメチルアミノ)−ベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボレート、4−(N−(3−フェニル−メルカプト−プロピル)−N−エチル−アミノ)−2−クロロベンゼンジアゾニウムスルフェート、4−(4−メチルフェノキシ)−ベンゼンジアゾニウムスルフェート、4−(フェニルメルカプト)−ベンゼンジアゾニウムスルフェート、4−フェノキシ−ベンゼンジアゾニウムスルフェート、4−(ベンゾイルアミノ)−ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、メチルカルバゾール−3−ジアゾニウムスルフェート、3−メチル−ジフェニレンオキシド−2−ジアゾニウムスルフェート、3−メチルジフェニルアミン−4−ジアゾニウムスルフェート、2,3’,5−トリメトキシジフェニル−4−ジアゾニウムスルフェート、2,4’,5−トリエトキシジフェニル−4−ジアゾニウムスルフェート、4−(3−(3−メトキシフェニル)−プロピルアミノ)−ベンゼンジアゾニウムスルフェート、4−(N−エチル−N−(4−メトキシベンジル)−アミノ)−ベンゼンジアゾニウムスルフェート、(4−(N−(ナフチル−(2)−メチル)−N−n−プロピルアミノ)メトキシベンゼンジアゾニウムスルフェート、4−(N−(3−フェノキシプロピル)−N−メチルアミノ)−2,5−ジメトキシベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボレート、4−(N−(3−フェニルメルカプトプロピル)−N−エチルアミノ)−2−クロロ−5−メトキシベンゼン−ジアゾニウムスルフェート、4−(4−(3−メチルフェノキシ)−フェノキシ)−2,5−ジメトキシ−ベンゼンジアゾニウムスルフェート、4−(4−メトキシ−フェニルメルカプト)−2,5−ジエトキシベンゼンジアゾニウムスルフェート、2,5−ジエトキシ−4−フェノキシベンゼン−ジアゾニウムスルフェート)、4−(3,5−ジメトキシベンゾイルアミノ)−2,5−ジエトキシベンゼン−ジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、メトキシカルバゾール−3−ジアゾニウムスルフェート、3−メトキシ−ジフェニレンオキシド−2−ジアゾニウムスルフェート、メトキシジフェニル−アミン−4−ジアゾニウムスルフェート及びそれらの組み合わせから成る群より選択される請求項13記載の方法。
【請求項17】
該ジアゾニウム塩が、下式:
【化1(1)】

【化1(2)】

(式中、nは1から11である)で表される化合物及びそれらの組み合わせから成る群より選択される請求項13記載の方法。
【請求項18】
該カップリング剤が、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリド、芳香族アミン、フェノール、ナフトール、ピロール、ピリジン、ピリミジン、インドール、活性メチレン化合物、アセトアセトアニリド、3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン、2,4−ジヒドロキノリン、N,N−ジメチルアニリン、3−ヒドロキシ−2−ナフタニリド、ナフチルアミン、8−アミノ−1−ナフトール−3,6−二スルホン酸、7−アミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸、ベンゾリ酢酸−2’−[2−(2−ヒドロキシ−3−ナフトイルアミノ)フェニルチオ]アニリド、1,2−ビス(ベンジルアセトアミド)ベンゼン、 4−トルエンスルホニルオキシ)アニリド及びそれらの組み合わせから成る群より選択される請求項8記載の方法。
【請求項19】
該カップリングが、アンモニウム塩、アミン化合物、アミド、尿素、チオ尿素、チアゾール、ピロール、ピリミジン、ピペラジン、グアニジン、インドール、イミダゾール、イミダゾリン、トリアゾール、モルフォリン、ピペリジン、アミジン、ホルマミジン、ピリジン及びそれらの組み合わせから成る群より選択される塩基成分の存在下で行われる請求項8記載の方法。
【請求項20】
該塩基成分が、酢酸アンモニウム、トリベンジルアミン、トリシクロヘキシルアミン、オクタデシルベンジルアミン、ステアリルアミン、アリル尿素、チオ尿素、メチルチオ尿素、アリルチオ尿素、エチレンチオウレア、2−ベンジル−イミダゾール、4−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシル−イミダゾリン、2,4,5−トリフリル−2−イミダゾリン、1,2−ジフェニル−4,4−ジメチル−2−イミダゾリン、2−フェニル−2−イミダゾリン、1,2,3−トリフェニルグアニジン、1,2−ジトリルグアニジン、1,2−ジシクロヘキシルグアニジン、1,2,3−トリシクロヘキシルグアニジン、グアニジントリクロロアセテート、N,N’−ジベンジルピペラジン、4,4’−ジチオモルフォリン、モルホリニウムトリクロロアセテート、2−アミノベンゾチアゾール、2−ベンゾイル−ヒドラジノベンゾチアゾール及びそれらの組み合わせから成る群より選択される請求項19記載の方法。
【請求項21】
該顕色剤が、ロイコ染料前駆体のための酸性顕色剤及びジアゾニウム塩前駆体のためのカップリング剤から成る群より選択される請求項1記載の方法。
【請求項22】
該酸性顕色剤が、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、シス−9−オクタデセン酸、cis,cis−9,12””−リノール酸、cis,cis,cis−9,12,15””−リノール酸、シクロヘキサン酸、フェニル酢酸、安息香酸、o−トルイル酸、m−トルイル酸、p−トルイル酸、o−クロロ安息香酸、m−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、o−ブロモ安息香酸、m−ブロモ安息香酸、p−ブロモ安息香酸、o−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、m−アミノ安息香酸、p‐アミノ安息香酸及びそれらの組み合わせから成る群より選択される請求項21記載の方法。
【請求項23】
該カプセル化前駆体染料が、該マイクロカプセルと該カプセル化染料中への該化学物質の吸収、吸着、拡散、該化学物質中での該マイクロカプセルの溶解、該マイクロカプセルの物理的劣化、該化学物質中でのカプセル化染料の溶解又は該カプセル化の破裂、及びそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つによってカプセル化から放出される請求項1記載の方法。
【請求項24】
該マイクロカプセルが、溶媒を更に含む請求項1記載の方法。
【請求項25】
該溶媒が、アルコール、ケトン、アルデヒド、油、アミド、グリコール、グリコールエーテル、エステル、フタラート、アジペート、枝分れ酸ポリオールエステル、混酸ポリオールエステル、ポリアルキレングリコール、アルキルベンゼン、ベンジル化エチルベンゼン、リン酸エステル、フタル酸エステル、カルボン酸エステル、脂肪酸アミド、アルキル化ビフェニル、アルキル化テルフェニル、塩素化パラフィン、アルキル化ナフタレン、ジアリールエタン及びそれらの組み合わせから成る群より選択される請求項24記載の方法。
【請求項26】
該溶媒が、ベンジルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、フェノール、o−,m−又はp−クレゾール、o−,m−又はp−クロロフェノール、o−,m−又はp−ニトロフェノール、カテコール、シンナミルアルコール、フェニールエチルアルコール、1,3−プロパンジオール、ペンタエリスリトール、ベンズアルデヒド、m−ミトロベンズアルデヒド、o−トルアルデヒド、アセトフェノン、ベンゾフェノン、パラフィン、シリコーン、ポリビニルエーテル、ポリオールエステル、ポリアルキレングリコール、鉱油、アルキルベンゼン、ペルフルオロポリエーテル、クロロトリフルオロエチレン、ハイドロフルオロポリエーテル、ブタナミド、n−メチルプロパンアミド、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチルジグリコール、ブチル三グリコール、エチルジグリコール、ヘキシルジグリコール、プロピルグリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、ハイドロキノンモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジオクチルフタレート、ジラウリルフタレート、ジオクチルアジペート、ベンジルブチルフタレート、イソプロピルビフェニル、ジイソプロピルナフタレン、n−ブチルプロピオネート、t−ブチルヒドロキノン、トリクレジルホスフェート、トリオクチルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジラウリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ブチルオレエート、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート、ジオクチルアジペート、トリオクチルトリメリテート、アセチルトリエチルシトレート、オクチルマレエート、ジブチルマレエート、イソプロピルビフェニル、イソアミルビフェニル、塩素化パラフィン、1,1’−ジトリテサン、2,4−ジ−t−アミノフェノール及びN,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−t−オクチルアニリン及びそれらの混合物から成る群より選択される請求項24記載の方法。
【請求項27】
該カプセル化前駆体染料が、溶媒蒸発、単純なコアセルベーション、複雑なコアセルベーション、ポリマー・ポリマー不相容性、遠心力、浸漬ノズルプロセス、噴霧乾燥、流動床コーティング、脱溶媒和、抽出物乾燥、界面重合、現場重合、二液カラム、静電カプセル化、エチレン重合、極低温キャスティング、超臨界流体抽出及びそれらの組み合わせから成る群より選択される方法によってカプセル化される請求項1記載の方法。
【請求項28】
該カプセル化前駆体染料が、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンターポリマー、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート、アクリルポリマー、スチレン、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフロリド、ポリクロロテトラフルロルエチレン、塩化ビニリデン、塩化ビニリデン/塩化ビニル、セルロース化合物、ポリスルホン、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフタルアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエステル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン/ビニルアセテート(PVP/VA)コポリマー、PVP/ジメチルアミノ・エチルメタクリレートコポリマー、ビニルカプロラクタム/PVP/ジメチルアミノ・エチルメタクリレートポリマー、グアー、カラゲーニン、寒天、イナゴマメ、アラビアゴム、カラヤゴム、天然ゼラチン、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリオキシメチレン、アクリロニトリル・アクリル酸メチルコポリマー、セルロース系材料、エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー、四弗化エチレン・エチレンコポリマー、弗素化エチレン・プロピレンコポリマー、ペルフルオロアルコキシ樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ弗化ビニル、ポリ弗化ビニリデン、ビニリデン
フロリドターポリマー、アイオノマー、ポリパラキシリレン、ポリエチレンナフタレートポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリアリールエーテルケトン、ポリアリールエーテルケトン、ポリアミドイミド、非晶質ナイロン、ナイロン6及びPA6、ナイロン66及びPA6,6、ナイロン66/12及びPA6/12、ナイロン66/69、ナイロン66/69/61、及びPA66/69、PA66/69/61ナイロン66/610、ナイロン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、グリコール変性ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、液晶ポリマー、ポリイミド、ポリエチレン、ポリオレフィン環状オレフィンコポリマー、エチレン・酢酸ビニルコポリマー、エチレン・ビニルアルコールコポリマー、ポリエチレン・アクリル酸コポリマー、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリフェニレンスルファイド、ポリスルホン、ポリフタルアミド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエステル、ポリビニルアルコール、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンコポリマー、アクリロニトリル・スチレン・アクリレートコポリマー、ポリスチレン、延伸ポリスチレン、汎用ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリルコポリマー、スチレン・ブタジエンブロックコポリマー、スチレン・アクリレートコポリマー、スチレン・メタクリレートコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン/ポリスチレンアロイ、エポキシ樹脂、パラフィンワックス、ポリ尿素、ポリウレタン、尿素・ホルムアルデヒド樹脂及びそれらの組み合わせから成る群より選択されるマイクロカプセルシェル材料を有する請求項1記載の方法。

【公表番号】特表2007−502993(P2007−502993A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524075(P2006−524075)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/027091
【国際公開番号】WO2005/019816
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】