説明

マイクロカプセル化粒子のコーティングの形成に適した重合性ラクタム共重合体

本出願は、マイクロカプセルまたはマイクロカプセル含有組成物に関し、当該マイクロカプセルは、重合性ラクタム共重合体を含む。より詳細には、いくつかの態様は、マイクロカプセル化粒子のコーティングの形成における重合性ラクタム共重合体の使用を対象とする。これらの重合性ラクタム共重合体は、アニオン性、非イオン性、またはカチオン性の表面改質マイクロカプセル化粒子を生じ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年12月22日に出願された米国仮出願第61/289,166号の利益を主張し、当該仮出願の全ての内容を援用する。
【0002】
本出願は、マイクロカプセルまたはマイクロカプセルを含む組成物に関し、当該マイクロカプセルは、重合性ラクタム共重合体を含む。より詳細には、いくつかの態様は、マイクロカプセル化粒子のコーティングの形成における重合性ラクタム共重合体の使用を対象とする。これらの重合性ラクタム共重合体は、アニオン性、非イオン性、またはカチオン性の表面改質マイクロカプセル化粒子を生じ得る。
【背景技術】
【0003】
マイクロカプセル化は、中実の壁材による活性剤またはコア材料の包囲である。その活性材料またはコア材料は、固体粒子、液滴、または気泡の形態であってもよい。そのカプセルを形成するのに用いられる中実コーティングは、例えば、有機ポリマー、ワックス、または無機酸化物であってもよい。
【0004】
多くの消費財および工業製品が、活性成分の効率的な送達を可能にするためマイクロカプセル化製品を採用する。例えば、香料、オイル、不安定無機化学物質、農業活性成分、および薬剤活性成分は、マイクロカプセル技術を用いて一般に商業的に展開されている。この技術の背景は、Encyclopedia of Polymer Science and Technology, John Wiley and Sons, New York, 2005の「Microencapsulation」に概説されており、その内容は参照により本明細書に援用される。図1にマイクロカプセル化粒子の例を示す。
【0005】
これらの製品についていくつかの課題が存在する。第1に、処方製品におけるカプセル化材料は、そのシェル−ウォールを通じて周囲の媒体への内部の成分の漏れを最小とするために安定でなければならない。第2に、そのシェル−ウォールと周囲の媒体との間で相溶性と安定性がなければならない。第3に、シェル−ウォールの物理的強度は、内部の成分の放出を制御し得る所望の破壊挙動が可能なように調節されなければならない。第4に、シェル−ウォールの電荷は、所望の表面に対するマイクロカプセル化粒子の親和性を向上するように調節されなければならない。
【0006】
国際公開第2008/005693A2号には、A. Farooqらが、ポリビニルピロリドン(PVP)、PVP/酢酸ビニル(PVP/VA)、およびポリ(ビニルピロリドン−co−ジメチルアミノエチルメタクリレート)(VP/DMAEMA)等のラクタムポリマーを用いて、マイクロカプセル化粒子の表面を処理し、柔軟剤のマイクロカプセル化香料粒子の安定性を向上させることを記載している。この公報の関連する開示は、参照により本明細書に援用される。
【0007】
米国特許第7,271,204号(B2)には、R. Fechterらが、紫外線硬化性モノマーおよびオリゴマーを用いた香料コーティング組成物の製造方法を記載している。しかし、その結果物の製品は、粒子状、またはマイクロカプセル形態ではない。
【0008】
米国特許第7,119,057号(B2)には、L. M. Popplewellらが、続いてカチオン性のポリマーにより被覆される香料マイクロカプセル化粒子の製造方法を記載している。初期のマイクロカプセル化粒子は、水中でポリ(アクリルアミド−co−アクリル酸)およびメチル化メラミンホルムアルデヒド樹脂を分散し、続いて所望の香料を加えることにより、形成される。pHの調節と昇温とにより、分散した香料液滴の架橋が可能となる。これらのマイクロカプセル化粒子は、次いで、カチオン性デンプンまたはグアー等のカチオン性ポリマーを用いて処理される。
【0009】
米国特許第4,608,330号には、C. P. Marabellaが感光性化合物からなるマイクロカプセルの製造方法を記載している。内部相中の成分は、トリメチロールプロパントリアクリレートと光開始剤(Irgacure651)である。内部相は、尿素ホルムアルデヒド樹脂と共に架橋イソブチレン−マレイン酸無水物共重合体(Isobam-10)によりカプセル化されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本出願は、マイクロカプセル化粒子の形成と改質に適した重合性ラクタム共重合体を記載する。いくつかの実施態様に従って、共重合体中のラクタムは、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、およびビニルホルムアミド等のn−ビニルアミドである。共重合体は、n−ビニルアミドモノマーの混合物をも含み得る。
【0011】
本発明の一の態様によれば、重合性ラクタム共重合体を含むマイクロカプセル化粒子を覆うコーティングの形成のための改良された方法が提供される。いくつかのケースでは、そのコーティングが、保護コーティングとして機能する場合がある。他の態様によれば、改良された反応性分散剤が開示される。本発明のいくつかの態様は、マイクロカプセルのシェル−ウォール表面を調節して、漏れに対する抵抗を高める方法を提供する。他の態様によれば、シェル−ウォール表面は、マイクロカプセルの破壊特性を改質するために調節され得る。シェル−ウォール表面は、周囲の環境の温度を調節することによりカプセル内部の成分を放出し得るように調節することも可能である。シェル−ウォール表面の電荷は、重合性ラクタム共重合体の電荷をアニオン性、非イオン性、および/またはカチオン性に調節することにより改質することも可能である。
【0012】
本発明の別の実施態様では、ポリビニルアミドポリマーは、20〜80wt%のN−ビニルアミドモノマーおよび80〜20wt%の2官能モノマーを含む。
【0013】
本発明のさらなる実施態様では、ポリビニルアミドポリマーは、40〜60wt%のN−ビニルアミドモノマーおよび60〜40wt%の2官能モノマーを含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、いくつかの典型的なマイクロカプセル化粒子の例を示す。図1(a)は、単一の壁材によりカプセル化された単一のコアを有するマイクロカプセルであり、図1(b)は、ウォール構造内にいくつかのコアを含むマイクロカプセルを示し、図1(c)は、複数層の壁材によりカプセル化された単一のコア材料を示す。
【図2】図2は、実施例1に従って製造された小さな着色したビーズまたはカプセルの顕微鏡写真である。
【図3】図3は、実施例2に従って製造されたマイクロカプセルの顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
本発明の重合性ポリマーは、種々の公知の方法により、マイクロカプセル化粒子に組み込まれ、または、マイクロカプセル化粒子と併せて用いられ得る。Encyclopedia of Polymer Science and Technology, John Wiley and Sons, New York, 2005の「Microencapsulation」に概説されているように、マイクロカプセル化のための2つの一般的な方法の部類がある。第1は、部類Aであり、カプセルは、液体が満たされたタンク内で形成される。第2は、部類Bであり、コーティングは、液体または固体粒子の表面に噴霧または堆積される。これらの2つの部類において、多くの方法がこれら2つの手法の有用性を示している。以下の表1は、各部類の公知のマイクロカプセル化方法の例を示している。
【表1】

【0016】
用語「マイクロカプセル」と「マイクロカプセル化粒子」は、本明細書において同じ意味で用いられる。
【0017】
用語「重合性官能基」は、重合され得るペンダント基または結合を意味する。用語「反応性官能基」は、他の基または結合と反応し得る官能基または結合を意味する。重合性官能基は、反応性官能基のサブセットである。
【0018】
用語「N−ビニルアミドモノマー」は、これらに限定されないが、N−ビニルピロリドン(VP)、N−ビニルバレロラクタム、N−ビニルカプロラクタム(VCL)、およびN−ビニルホルムアミドを含むモノマーを意味する。N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、およびN−ビニルカプロラクタムが特に有用である。
【0019】
用語「2官能モノマー」は、Q−R−Eの構造を有するモノマーを意味し、Qは、オキシラン、オキセタン、アジリジン、オキサゾリン、またはベンゾオキサジンであり、Eは、炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基であり、Rは、ヘテロ原子を有するまたは有しない、脂肪族および/または芳香族部分である。モノマーをポリマーに組み込み、炭素−炭素二重結合をなくすことおよび/またはイオン重合性官能基をなくすことが可能である。いくつかのケースでは、2官能モノマーは、グリシジルアクリレート以外のモノマーである。
【0020】
用語「グラフト」は、特定の官能基、特に重合性官能基を、当該官能基を既存の重合材料に化学的に接続し、組み込むことを意味する。グラフトに適した望ましい反応性官能基は、これらに限定されないが、−COH、−OH、アミン、ニトリル、チオール、−SH、エポキシ、オキセタン、アジリジン、イソシアネート、オキサゾリン、またはベンゾオキサジンおよびこれらの組み合わせを含む。これらの部分は、−COH、−無水物、−OH、アミン、ニトリル、チオール、−SH、エポキシ、オキセタン、アジリジン、イソシアネート、オキサゾリン、またはベンゾオキサジンおよびこれらの組み合わせ等の適切なグラフト官能モノマー、または前記モノマーの混合物、と反応して、重合性ポリマーを生じ得る。
【0021】
本明細書に記載のポリマーは、反応性モノマーと混合することができる。反応性モノマーの適した部類は、これらに限定されないが、エポキシ、オキセタン、アジリジン、オキサゾリン、ベンゾオキサジン、アクリレート、アセテート、マレイミド、マレイン酸エステル、フマル酸エステル、スチレン類、マレイン酸無水物、ビニルアミド、ビニルエーテル、フェノール類、シアネートエステル等を含む。
【0022】
本発明のいくつかの態様に従うポリマーは、非イオン性、アニオン性、またはカチオン性であってもよい。さらに、ポリマーまたはそのポリマーを含む組成物は、粉末、固体、液体または溶液の形態であってもよい。いくつかの実施態様に従うポリマーは、非ヒドロゲルポリマーである。ポリマーを含む組成物は、フリーラジカル開始剤、カチオン開始剤、アニオン開始剤、紫外線放射、電子線、またはγ線照射により硬化し得るものであってもよい。これらのポリマーは、マイクロカプセルに対する内部のシェル−ウォール形成成分として有用な場合がある。これらのポリマーは、多層マイクロカプセルに対する、層、または成分として有用な場合がある。これらのポリマーは、小さなゲル様粒子の形成が可能な押出方法において用いられてもよい。ポリマーを含む組成物は、フリーラジカル的におよび/または熱的におよび/またはカチオン的に硬化し得る、または、熱的におよび/またはアニオン的に硬化し得るものであってもよい。ポリマーまたはそのポリマーを含む組成物は、液体または粉末のいずれの形態で製造され得る熱可塑性ポリマーであってもよい。上記に加えて他の使用は、特に制限されず、当業者によって容易に決定され得る。
【0023】
本発明の重合性官能基を含むポリビニルアミドは、バルク重合、溶液重合、懸濁重合および乳化重合等の当技術分野で公知の重合技術により調製され得る。さらに、当業者は、ポリマーの調製に用いられるモノマーが、官能基を有し、その官能基が特定の用途のための特定のポリマーを生成するために選択的に反応し得ることを理解する。さらに、重合性であるまたはいくつかのモノマーを含むと記載されるポリマーに関する言及は、通常、重合性部分から形成される反応生成物または特定のモノマーの反応生成物として形成されるポリマーを意味する。
【0024】
本発明に従う有用な特定の2官能モノマーは、限定するものではないが、アリルグリシジルエーテル([(2−プロペニルオキシ)メチル]オキシラン)、ブタジエンモノオキシド、グリシジルメタクリレート(GMA)、2−(1−アジリジニル)エチルメタクリレート、ビニルシクロヘキセンモノオキシド、4−ビニル−1−シクロヘキセン−1,2−エポキシド、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソシアネートエチルメタクリレート(ICEMA)、1,3−ジアリル−5−グリシジルイソシアヌレート、グリシジルN−(3−イソプロペニルジメチルベンジル)カルバメート、3−N−(6−プロピルビニルエーテル)ベンゾオキサジン、および2−(3−メチル−3−オキセタンメトキシ)エチルビニルエーテルを含む。1種以上の2官能モノマーを用いてもよい。
【0025】
本発明に従う有用な特定のグラフト官能モノマーは、限定するものではないが、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、マレイン酸無水物、アクリル酸、ビニルイミダゾール、4−ビニルアニリン、トリメチルビニルシラン、クロトン酸、ビニルスルホン、アリルグリシジルエーテル([(2−プロペニルオキシ)メチル]オキシラン)、ブタジエンモノオキシド、2−(1−アジリジニル)エチルメタクリレート、ビニルシクロヘキセンモノオキシド、4−ビニル−1−シクロヘキセン−1,2−エポキシド、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソシアネートエチルメタクリレート、アクリル酸無水物、グリシジルメタクリレート(GMA)、1,3−ジアリル−5−グリシジルイソシアヌレート、グリシジルN−(3−イソプロペニルジメチルベンジル)カルバメート、3−N−(6−プロピルビニルエーテル)ベンゾオキサジン、エピクロロヒドリン、および2−(3−メチル−3−オキセタンメトキシ)エチルビニルエーテル、およびビニルスルホン酸を含む。
【0026】
照射により重合を誘起するために、1種以上の光開始剤が系内に組み込まれ、重合反応を開始してもよい。いくつかの実施態様に従って、光開始剤は、通常、系に添加された後に、高い貯蔵安定性を有する。特に有用な光開始剤は、以下に限定されないが、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、および2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン;ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン;ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、およびヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;イソプロピルチオキサントンおよび2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン;アシルホスフィンオキシド;およびメチルフェニルグリオキシレート等の他の特殊な開始剤;ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ)フェニルスルフィド]、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビス(ヘキサフルオロアンチモネート)とジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートの混合物、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ)フェニルスルフィド]、5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル−[(1,2,3,4,5,6−η)−(1−メチルエチル−)ベンゼン]−鉄(1+)−ヘキサフルオロホスフェート(1−))、4−(2−ヒドロキシテトラデカニルオキシ)ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4−ヒドロキシナフチル)ジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−メトキシフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、(ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート)、(ビス(4−tert−フェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート)、(ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビス(ヘキサフルオロホスフェート))、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアリールセレノニウム塩、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩、トリアリールスルホキソニウム塩、アリールオキシジアリールスルホニウム塩等、例えばトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、メチルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジメチルフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルナフチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(メトキシナフチル)メチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、(4−オクチルオキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4−オクチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4−デシルオキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモナイト、(4−ドデシルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等の群または類から選択されるものを含む。他の特に有用な光開始剤の例は、10−ビフェニル−4−イル−2−イソプロピル−9H−チオキサンテン−10−イウムヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ジメチルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、混合トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート塩およびポリオールと10−(2−カルボキシメトキシ)−ビフェニル−4−イル−2−イソプロピル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−10−イウムヘキサフルオロホスフェートの反応生成物を含む。さらに、これらの光開始剤は、単独でまたはこれらの組み合わせで用いてもよい。特定の実施態様に従って、光開始剤は、安息香酸(例えば、4−ジメチルアミノ安息香酸)または第三級アミン等の1種以上の光重合促進剤と任意の適切な比率で混合して用いてもよい。いくつかの実施態様に従って、光開始剤は、光重合性組成物に約0.1重量%〜約20重量%の範囲で加えられてもよい。
【0027】
本発明の一の実施態様に従って、重合性ポリマーは、フリーラジカル開始剤の存在下のフリーラジカル重合により製造される。重合のために企図されるフリーラジカル開始剤は、これらに限定されないが、ペルオキシド、ペルエステルおよび/またはアゾ化合物の種々の誘導体を含む。より詳細には、ジクミルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、2−ブタノンペルオキシド、tert−ブチルペルベンゾエート、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、およびtert−ブチルヒドロペルオキシド、ジアシルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、ヒドロペルオキシド、ケトンペルオキシド、モノペルオキシカルボネート、ペルオキシジカルボネート、ペルオキシエステル、およびペルオキシケタールからなる群より選択され、第三級ブチルペルベンゾエート、ジアリルフタレートにおける第三級ブチルペルオクトエート、ジメチルフタレートにおけるジアセチルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、1−ヒドロキシシクロヘキシル−1−フェニルケトン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィン、ベンゾインエチルエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ジブチルフタレートにおけるジ(p−クロロベンゾイル)ペルオキシド、ジブチルフタレートを有するジ(2,4−ジクロロベンゾイル)ペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジブチルフタレートにおけるシクロヘキサノンペルオキシド、3,5−ジヒドロキシ−3,4−ジメチル−1,2−ジオキサシクロペンタン、t−ブチルペルオキシ(2−エチルヘキサノエート)、カプリリルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、1−ヒドロキシシクロヘキシルヒドロペルオキシド−1、t−ブチルペルオキシ(2−エチルブチレート)、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、クミルヒドロペルオキシド、ジアセチルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、3,5−ジヒドロキシ−3,5−ジメチル−1,2−オキサシクロペンタン、および1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよびジ−(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、アゾビスイソブチロニトリルおよびアゾビスシクロヘキサンニトリル等のアゾ化合物(例えば、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)、および1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル))等とそれらの混合物および組み合わせを含む。あるいは、前述のフリーラジカル開始剤のいずれかを、単独または適切なそれらの混合物で、熱ベースの重合に用いることができ、ここで重合反応は熱エネルギーにより開始される。本明細書において熱重合に有用な特定の熱開始剤の例は、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)、ベンゾイルペルオキシド等のペルオキシド類、等を含む。特に有用な熱開始剤は、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)である。
【0028】
適したアミン相乗剤は、2−ジメチルアミノ−エチルベンゾエート、エチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、および2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエートを含む。
【0029】
適した重合光開始剤は、カルボキシメトキシベンゾフェノンとポリテトラメチレングリコール250とのジエステル、カルボキシメトキシチオアントンとポリテトラメチレングリコール250とのジエステル、ポリエチレングリコール(200)ジ(ベータ−(4(アセチルフェニル)ピペリジン))プロピオネート、ポリ(エチレングリコール)ビス(p−ジメチルアミノ)ベンゾエート、およびピパラジノベースアミノアルキルフェノンを含む。
【0030】
適した単官能モノマーの例は、2−フェノキシエチルアクリレート(PHEA)、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート(EOEOEA)、ラウリルアクリレート(LA)、ステアリルアクリレート(SA)、イソボルニルアクリレート(IBOA)、アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、アクリロイルモルホリン(ACMO)、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート(CTFA)、C8−C10アクリレート(ODA)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、[3−(メタクリロイルアミノ)プロピル]トリメチルアンモニウムクロライド(MAPTAC)、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロライド(APTAC)、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩、[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]ジメチル−(3−スルホプロピル)アンモニウムヒドロキシド、[3−(メタクリロイルアミノ)プロピル]ジメチル(3−スルホプロピル)アンモニウムヒドロキシド分子内塩、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソデシルアクリレート(ISODA)、ラウリルメタクリレート(LM)、およびステアリルメタクリレート(SM)を含む。
【0031】
適した2官能モノマーの例は、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)、ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、1,4−ブタンジオールジアクリレート(BDDA)、1,9−ノナンジオールジアクリレート(NNDA)、ネオペンチルグリコールジアクリレート(NPGDA)、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート(NPG2PODA)、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート(PEG(200)DA)、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート(PEG(400)DA)、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート(PEG(600)DA)、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(BPA2EODA)、トリエチレングリコールジアクリレート(TEGDA)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、ジエチレングリコールジメタクリレート(DEGDMA)、およびエトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(BPA10EODMA)を含む。
【0032】
適した3官能モノマーの例は、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PET3A)、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(TMP3EOTA)、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(TMP3POTA)、プロポキシ化グリセリルトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリメチルアクリレート(TMPTMA)、およびエトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMP3EOTMA)を含む。多官能モノマーの例は、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA)およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)を含む。
【0033】
斯かるコーティング用の他の適した成分は、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニルイミダゾール、4−アクリロイルモルホリン、ビニルエーテル、酢酸ビニル、スチレン類、アクリレート、(メタ)アクリレート、ポリアクリレート、界面活性剤(アニオン性、非イオン性、カチオン性)、オキセタン、オキサゾリン、ベンゾオキサジン、ケトン、イソシアネート系モノマーおよびポリマー、アクリル化オリゴマー、脱酸素剤、湿気捕捉剤、フリーラジカル開始剤、カチオン開始剤、スクロースベンゾエート、光学的光沢剤、阻害剤、ヒンダードアミン光安定剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、紫外線ウレタンオリゴマー、紫外線エポキシオリゴマー、紫外線不飽和ポリエステル、紫外線グリコール(すなわち、ポリエチレングリコール)アクリレート、紫外線ポリエステルオリゴマー、シリカ/ケイ酸塩、炭素、カーボンナノチューブ、銀、アルミナ/アルミン酸塩、ジルコン酸塩、チタン酸塩、アルミナの塩、クロムの塩、バリウムの塩、ポリアルキレングリコール、アクリル化ポリアルキレングリコール、塩素化ポリマー、スルホン酸化ポリマーおよびビニルシラン等のモノマーを含む。
【0034】
適した溶媒は、Industrial Solvents Handbook、第4版、E. W. Flick著(Noyes Daya Corp. Park Ridge, NJ, 1991)により特定することができる。溶媒の選択についての追加の見識は、Polymer Handbook、第4版、J. Brandrup, E.H. Immergut,およびE. A. Grulke著(John Wiley, New York, 1999)においても得られる。Polymer Handbookの中でも特に有用なものは、E. A. Grulkeによる溶解度係数(Solubility Parameters Values)である。これらの参考文献は、その全体が援用されるものと理解される。
【0035】
本発明の一の態様によって、N−ビニルアミドモノマーおよび2官能モノマーを含む重合性ポリマーが開示される。そのポリマーは、
少なくとも1種のN−ビニルアミドモノマー;および
少なくとも1種の2官能モノマー、を含み、
当該2官能モノマーは、Q−R−Eで表される構造を有し、
ここで、Qは、オキシラン、オキセタン、アジリジン、オキサゾリン、またはベンゾオキサジン部分であり、Eは、炭素−炭素二重結合を含む重合性官能基であり、Rは、ヘテロ原子を有するかまたは有しない、脂肪族および/または芳香族部分である。そのモノマーをポリマーに組み込むことでフリーの炭素−炭素二重結合および/またはフリーのイオン的な重合性官能基を生ずることができる。
【0036】
本発明の一の実施態様では、重合性ポリマーは、約5〜95重量%、特に約20〜約80重量%のN−ビニルアミドモノマー、約0.5〜60重量%、特に約1〜約30重量%のQ−R−Eの構造を有する2官能モノマーおよび約1〜約95重量%、特に約1〜80重量%の他の重合性モノマーを実質的に含んでいてもよい。
【0037】
本発明のさらなる実施態様では、重合性ポリマーは、N−ビニルアミドモノマー約5〜95重量%、特に約10〜約90重量%、および、グラフトに適したまたはグラフト可能なコモノマー約0.5〜60重量%、特に約1〜30重量%から製造されるベースポリマー、ならびに、他の重合性モノマー約1〜約95重量%、特に約1〜80重量%を実質的に含む。
【0038】
本明細書に記載されるラクタム重合性共重合体は、種々の方法に従ってマイクロカプセル組成物に組み込むことができる。一の態様によって、マイクロカプセルの製造方法が記載され、そこではラクタム重合性共重合体は、マイクロカプセル含有組成物と混合される。他の態様によって、ラクタム重合性共重合体は、マイクロカプセルを製造するために用いられる1種以上の組成物に含まれ得る。特定のカプセル方法に従って、内部相は外部相内で乳化され、内部相の液滴を製造し、そして当該液滴は、次いでカプセル化され、マイクロカプセルを製造する。内部相および外部相のうち少なくとも1種が、ラクタム重合性共重合体を含み得る。
【0039】
本発明のマイクロカプセル化された製品は、広範な用途に用いられ得る。この広範な用途は、以下に限定されないが、パーソナルケア(髪および皮膚)、家庭用、施設用および洗濯用(クリーナー、石鹸、および洗剤)、農業用、塗料および塗膜、殺生物剤、医療機器、薬剤ドラッグデリバリー、油田輸送用途、紙、食品技術、接着剤、インクジェットインクおよび塗膜、インク、ならびに潤滑油用途を含む。
【実施例】
【0040】
本発明のいくつかの態様を以下の実施例により説明するが、これらに限定されない。
【0041】
例1−熱硬化方法によるマイクロカプセル化
以下の成分を混合し、8ドラムの小瓶に組み入れた。
1g 3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボネート中のポリ(VP/VA/GMA)(11325-137B)(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボネート中の10%VP/VA/GMA)
1g Xtend−226(フェニルエチルベンゾエート)
0.1g インディゴ顔料(非水溶性)
3滴のDETA(ジエチレントリアミン)を加えて、撹拌して組み込んだ。ViviPrint300(DMAPMA/HEMA共重合体)(水中30%固形分)を1「滴」加えて、撹拌により組み込んだ。
【0042】
上記混合物を水100mLとJeffamine D400(ポリオキシプロピレンジアミン)5gの混合物に加えた。可能ならば、液滴を加え、もしそうでなければ、その混合物を流れに加え、その流れは撹拌の間に滴またはビーズとなるまで壊れる。(そのビーズをかく乱せずに)初期の水を除去して、追加の水を加えてそのビーズを洗い、溶液を中和した。その工程により、図2に示すように、小さな青色のビーズまたはカプセルを得た。顕微鏡によりそのカプセルを調べ、そのビーズの直径が0.5〜1mmであるとおおまかに目算した。
【0043】
例2−紫外線硬化方法によるマイクロカプセル化
マイクロカプセルの紫外線硬化処方のために、以下の成分から油相を調製した。
0.2g ポリ(VCap−PEA−HEAアクリレート)(6.2%)
2.0g GPTA(プロポキシ化グリセリルトリアクリレート(Sartomer社))(62%)
1.0g アマニ油(31%)
0.02g Darocur1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン 光開始剤(BASF社))(0.62%)
【0044】
水相は、以下の成分を含む。
1.2g IPA/水中でグリシジルメタクリレートの追加により四級化されたポリ(VCap/VP/DMAEMA)(固形分25%)
28.8g DI水(99%)
【0045】
紫外光で露光しながら、その油相をその水相に滴下により添加した。生成物の顕微鏡写真を図3に示す。光学顕微鏡を用いて粒子を調査した。
【0046】
例3−VP/VA/GMAを用いたマクロカプセル化粒子の合成
マイクロカプセル化粒子の製造のための指針として、米国特許第3,997,306号(その内容は参照により本明細書に援用される)の教示を用いて、以下の工程を策定した。
電気泳動媒体内部相(チタニアおよびカーボンブラック粒子を含有する炭化水素)をVP/VA/GMAの存在下、機械的撹拌を用いて1時間水中で乳化し、水中炭化水素型エマルションを形成した。このエマルションに、機械的撹拌を継続しながらポリエチレンイミン(PEI)の水溶液を滴下により添加した。PEIの追加の完了後にさらに15分間反応を継続し、結果物のカプセルを遠心分離により液体から分離した。PVP/VA/GMAの化学構造を構造2として示す。ここでx、yおよびzは、百分率として表されるモル分率を表し、x+y+z=100である。
【化1】

【0047】
例4−VCL/VA/GMAを用いたマイクロカプセル化粒子の合成
マイクロカプセル化粒子の製造のための指針として、米国特許第7,119,057号(B2)(その内容は参照により本明細書に援用される)の教示を用いて、以下の工程を策定した。
初期のマイクロカプセル化粒子を、水中にポリ(アクリルアミド−co−アクリル酸)およびPVCL/VA/GMA樹脂を分散させ、続いて所望の香料を加えることにより形成した。昇温により分散した香料液滴の架橋が可能となる。PVCL/VA/GMAの化学構造を構造3として示す。ここでx、yおよびzは、百分率として表されるモル分率を表し、x+y+z=100である。
【化2】

【0048】
例5−VCL/VA/GMAを用いたマイクロカプセル化粒子の合成
マイクロカプセル化粒子の製造のための指針として、米国特許第7,119,057号(B2)(その内容は参照により本明細書に援用される)の教示を用いて、以下の工程を策定した。
初期のマイクロカプセル化粒子を、水中にポリ(マレイン酸−co−メチルビニルエーテル)およびPVCL/VA/GMA樹脂を分散させ、続いて所望のオイルを加えることにより形成した。昇温により分散したオイルの液滴の架橋が可能となる。
【0049】
例6−VCL/PEA/ICEMAを用いたマイクロカプセル化粒子の合成
マイクロカプセル化粒子の製造のための指針として、国際公開第2009/063257号(A2)(その内容は参照により本明細書に援用される)の教示を用いて、以下の工程を策定した。
Solvesso 200ND中VCL/PEA/ICEMAの5% w/w溶液を調製した。一方、表面アミノ−シラン変性カオリン(Kaolin)分散体に過剰の水を加えて、次いでこの分散体に、VCL/PEA(フェノキシエチルアクリレート)/ICEMAを加えたSolvesso200NDを、Ystral高せん断ミキサーを約5000rpmで運転しながら滴下して添加した。その濃度を以下の表2に示す。
【表2】

その後、水中油型(O/W)エマルションをYstral高せん断ミキサーを用いて約20000rpmで2分間、高せん断混合することにより調製することができ、次いで、そのエマルションは架橋反応が起こり、マイクロカプセル系に発展する。VCap/PEA/ICEMAの構造を構造4として示す。ここでx、yおよびzは、百分率として表されるモル分率を表し、x+y+z=100である。
【化3】

【0050】
例7−VCap/VP/DMAEMA/GMAから形成したマイクロカプセル
マイクロカプセル化粒子の製造のための指針として、米国特許第4,588,639号(その内容は参照してにより明細書に援用される)の教示を用いて、以下の工程を策定した:
テトラエチレングリコールジメタクリレート10部、2,2−ジエトキシアセトフェノン0.5部、およびOil Yellowナンバー5001(0.7部)の組成物11.2gを、VCap/VP/DMAEMA/GMAを5g含む500mLの水中で、分散及び乳化させた。その分散体は、紫外光により硬化して、球状のマイクロカプセル化粒子を生成し得る。この工程において、乳化後に昇温することにより、熱的に活性なフリーラジカル開始剤を用いることもできる。VCap/VP/DMAEMA/GMAの構造を以下の構造5に示す。ここで、w、x、yおよびzは、百分率として表されるモル分率を表し、w+x+y+z=100である。
【化4】

【0051】
例8−VCap/VP/DMAEMA/GMAから形成したマイクロカプセル
例7に記載される工程において、構造6に示すPVP/アクリル酸(AA)ラウリルメタクリレート(LM)/GMAポリマーを採用することもできる。ここでx、y、zおよびaは、百分率として表されるモル分率を表し、x+y+z+a=100である。
【化5】

【0052】
例9−PVCap/ジメチルアミノプロピルメタクリレート(DMAPMA)/ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)/GMA/塩酸塩(HCL)から形成したマイクロカプセル
例7に記載される工程において、構造7に示すPVCap/DMAPMA/HEMA/GMA/HCLポリマーを採用することもできる。ここでx、y、zおよびaは、百分率として表されるモル分率を表し、x+y+z+a=100である。
【化6】

【0053】
例10−PVCap/PEA/2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)/アクリル酸無水物から形成したマイクロカプセル
例7に記載される工程において、構造8のPVCap/PEA/HEA/アクリル酸無水物を採用することもできる。ここでx、y、zおよびaは、百分率として表されるモル分率を表し、x+y+z+a=100である。
【化7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラクタム重合性共重合体を含むマイクロカプセル化粒子。
【請求項2】
前記ラクタム重合性共重合体が、前記粒子の表面にて重合されている、請求項1に記載のマイクロカプセル化粒子。
【請求項3】
前記ラクタム重合性共重合体が、熱重合、カチオン重合、アニオン重合、フリーラジカル重合およびこれらの組み合わせ、からなる群より選択される少なくとも1種のプロセスにより重合される、請求項2に記載のマイクロカプセル化粒子。
【請求項4】
前記ラクタム重合性共重合体が、前記粒子に、カチオン性、非イオン性またはアニオン性の表面電荷を与える、請求項1に記載のマイクロカプセル化粒子。
【請求項5】
前記マイクロカプセル化粒子が、壁材により少なくとも一部がカプセル化されたコア材料を含む、請求項1に記載のマイクロカプセル化粒子。
【請求項6】
前記コア材料が、香料、オイル、農業活性、殺生物剤、薬剤活性材料、日焼け止め、紫外線吸収剤、紫外線硬化性接着剤、潤滑油、研磨剤、ワックス、水溶性分子、顔料、着色剤、ペルオキシド、感水無機化学薬品、油田化学物質、およびビタミンからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項5に記載のマイクロカプセル化粒子。
【請求項7】
紫外線硬化性BIS A エポキシアクリル化オリゴマー、紫外線硬化性ウレタンアクリレート、紫外線硬化性ポリエーテルアクリレート、およびこれらの混合物からなる群より選択される紫外線硬化性モノマーをさらに含む、請求項1に記載のマイクロカプセル化粒子。
【請求項8】
シリコーンオイル、モノマー含有シリコーンまたはオリゴマー含有アクリル化シリコーンをさらに含む、請求項1に記載のマイクロカプセル化粒子。
【請求項9】
前記ラクタム重合性共重合体が、
少なくとも1種のN−ビニルアミドモノマー;および
少なくとも1種の2官能モノマー、を含み、
当該2官能モノマーは、Q−R−Eで表される構造を有し、
ここで、Qは、オキシラン、オキセタン、アジリジン、オキサゾリン、またはベンゾオキサジン部分であり、Eは、炭素−炭素二重結合を含む重合性官能基であり、Rは、ヘテロ原子を有するかまたは有しない、脂肪族および/または芳香族部分である、請求項1に記載のマイクロカプセル化粒子。
【請求項10】
前記N−ビニルアミドが、N−ビニルピロリドン、N−ビニルバレロラクタム、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルホルムアミドおよびこれらの混合物からなる群より選択される、請求項9に記載のマイクロカプセル化粒子。
【請求項11】
前記2官能モノマーが、アリルグリシジルエーテル([(2−プロペニルオキシ)メチル]オキシラン)、ブタジエンモノオキシド、グリシジルメタクリレート(GMA)、2−(1−アジリジニル)エチルメタクリレート、ビニルシクロヘキセンモノオキシド、4−ビニル−1−シクロヘキセン−1,2−エポキシド、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソシアネートエチルメタクリレート(ICEMA)、1,3−ジアリル−5−グリシジルイソシアヌレート、グリシジルN−(3−イソプロペニルジメチルベンジル)カルバメート、3−N−(6−プロピルビニルエーテル)ベンゾオキサジン、2−(3−メチル−3−オキセタンメトキシ)エチルビニルエーテルおよびこれらの混合物からなる群より選択される、請求項9に記載のマイクロカプセル化粒子。
【請求項12】
前記ラクタム重合性共重合体が、約5〜95重量%のN−ビニルアミドモノマーおよび約0.5〜60重量%の2官能モノマーを含む、請求項9に記載のマイクロカプセル化粒子。
【請求項13】
前記ラクタム重合性共重合体が、VCap/VA/GMA、VP/VA/GMAまたはVCap−PEA−HEAアクリレートを含む、請求項9に記載のマイクロカプセル化粒子。
【請求項14】
(i)ラクタム重合性共重合体をマイクロカプセル含有組成物と混合する工程、または
(ii)壁材を含むウォール相を、コア材料を含むコア相と組み合わせて、マイクロカプセルを製造し、前記ウォール相および前記コア相のうち少なくとも1種が、ラクタム重合性共重合体を含む工程、
を含む、マイクロカプセルの製造方法。
【請求項15】
前記ウォール相を前記コア相と組み合わせる工程が、前記ウォール相中で前記コア相を乳化させて、前記コア相の液滴を生成すること、および、前記液滴をカプセル化すること、を含む、請求項14に記載の製造方法。
【請求項16】
前記コア材料が、香料、オイル、農業活性、殺生物剤、薬剤活性材料、日焼け止め、紫外線吸収剤、紫外線硬化性接着剤、潤滑油、研磨剤、ワックス、水溶性分子、顔料、着色剤、ペルオキシド、感水無機化学薬品、油田化学物質、およびビタミンからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項14に記載の製造方法。
【請求項17】
前記ラクタム重合性共重合体が、
少なくとも1種のN−ビニルアミドモノマー;および
少なくとも1種の2官能モノマー、を含み、
当該2官能モノマーは、Q−R−Eで表される構造を有し、
ここで、Qは、オキシラン、オキセタン、アジリジン、オキサゾリン、またはベンゾオキサジン部分であり、Eは、炭素−炭素二重結合を含む重合性官能基であり、Rは、ヘテロ原子を有するかまたは有しない、脂肪族および/または芳香族部分である、請求項14に記載の製造方法。
【請求項18】
前記N−ビニルアミドが、N−ビニルピロリドン、N−ビニルバレロラクタム、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルホルムアミドおよびこれらの混合物からなる群より選択される、請求項17に記載の製造方法。
【請求項19】
前記2官能モノマーが、アリルグリシジルエーテル([(2−プロペニルオキシ)メチル]オキシラン)、ブタジエンモノオキシド、グリシジルメタクリレート(GMA)、2−(1−アジリジニル)エチルメタクリレート、ビニルシクロヘキセンモノオキシド、4−ビニル−1−シクロヘキセン−1,2−エポキシド、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソシアネートエチルメタクリレート(ICEMA)、1,3−ジアリル−5−グリシジルイソシアヌレート、グリシジルN−(3−イソプロペニルジメチルベンジル)カルバメート、3−N−(6−プロピルビニルエーテル)ベンゾオキサジン、2−(3−メチル−3−オキセタンメトキシ)エチルビニルエーテルおよびこれらの混合物からなる群より選択される、請求項17に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−514885(P2013−514885A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546202(P2012−546202)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/061842
【国際公開番号】WO2011/079209
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(596121138)アイエスピー インヴェストメンツ インコーポレイテッド (24)
【氏名又は名称原語表記】ISP INVESTMENTS INC.
【Fターム(参考)】