説明

マイクロカプセル化難燃剤及びその使用

【課題】マイクロカプセル化難燃剤及びその使用を提供すること。
【解決手段】本発明のマイクロカプセル化難燃剤は、コアがシェルによってカプセル化されている、難燃剤を含むコア及び天然微小管のシェルを含む。本発明のマイクロカプセル化難燃剤は、混合法によってある種のポリマー基材を複合化することができ、対応する難燃性のポリマー複合材料を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマイクロカプセル化難燃剤及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
安全な生産及び生活、ならびに火災防止の必要性を満たすために、難燃剤技術が人々の生命及び財産を守るために開発された。難燃性付与剤または耐火性薬剤としても知られている難燃剤は、そのような技術の実際的な応用である。難燃剤は、可燃性物質または可燃物の燃焼性を修飾するための特殊な化学工学的助剤であり、様々な装飾及び建築材料の耐火加工に広く使用されてきた。難燃剤は、建築用化学材料、電気電子デバイス、通信及び輸送、室内装飾、食品、衣類及び住宅などの様々な分野において用いることができ、プラスチック製品、織物、ゴム、紙製品、接着剤及び木製品に火がつくのを阻止または火の広がりを遅延することができる。建築、包装、通信、輸送、電子機器、電気製品、家具及び衣料において用いられるプラスチック製品の量が増加するにつれて、プラスチック製品の燃焼問題は、どの国においてもますます多くの注目を引きつけている。フッ素または塩素などのハロゲンを含むプラスチックの他は、炭素、水素及び酸素から構成されるポリマーはまた、ある程度可燃性である。これらのプラスチックが燃える場合、猛火だけでなく煙と有毒ガスも発生する。したがって、適切な難燃剤が、難燃剤の効率及びコストと共に、その樹脂との相溶性に基づいて選択されるべきである。材料が難燃剤で加工された場合、それが火種によって攻撃されるとき、材料の発火時間を効果的に引き延ばすことができ、または、材料が点火される場合、火を自己消火することができ、その結果、火の広がりを効果的に妨げるか、遅らすかまたは終了させることができ、難燃剤の効果を達成することができる。しかし、難燃剤の実用的な利用は、加工上の困難性、輸送に耐えられないこと、材料表面での分離し易さ、吸湿性、加水分解性、材料加工中に膨張する傾向及びガス気泡の生成、リサイクル困難性及び候耐性不良などの問題で満ちている。
【0003】
マイクロカプセル化は、安定なポリマーまたは無機物質で材料粒子をコートし、コアシェル構造をした複合材料を形成する技術である。高分子科学の発展と共に、マイクロカプセル化技術は徐々に成熟している。したがって、さらなる注目及び研究は、特定の特性及び使用を含む様々な材料をカプセル化するマイクロカプセル、特にコアに液体及びシェルとして固体のポリマーフィルムを有するマイクロカプセルに焦点を合わせてきた。これらのマイクロカプセルは、環境からコア液体を守りコア液体を安定させるように、シェル材料を有する固体粒子の形態をしている。そこでは、ポリマーのシェル材料または修飾されたシェル材料は、基材材料でカプセル化された材料の相溶性を大幅に増強する。したがって、マイクロカプセル化された材料は、浸透、移行及び相分離のし易さに関連する重大な問題を効果的に解決し、難燃剤材料の実用性を増加させることができる。しかし、マイクロカプセルの壁の強度、浸透性及び耐熱性をすべて改善する必要があり、それらの高いコストのため、マイクロカプセルの製作コストを低下させることが、マイクロカプセル化技術を実用化する鍵であろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明は、微細孔及び支持材として大きい比表面積を有する先切り微小管を利用し、難燃薬剤の液体を毛細管吸収によって微細孔に吸収し、難燃性微小管を形成するマイクロカプセル化難燃剤を対象とする。毛管力により、難燃薬剤の吸収された液体は、微細孔から容易にはあふれ出ない。次いで、難燃性微小管をさらに閉じて終端とするようにポリマーが使用され、難燃薬剤の液体が微小管から流れ出るのをさらに阻止する。本発明によるマイクロカプセル化難燃剤用の支持材は、得るのが安価で容易な天然微小管である。
【0005】
さらに、本発明のマイクロカプセル化難燃剤は粒子の形態をしているので、実際的な加工手順の間に基材材料中により一様に分散することができる。マイクロカプセル化難燃剤は微視的なレベルの寸法を有しており、製品の外観に影響しない。さらに、マイクロカプセル化難燃剤は特定のアスペクト比を有し、基材材料に微視的繊維強化材を与え、基材材料の機械的性質を増強することができ、それによって、結果として得られるポリマーの複合材に高い耐火性及び機械的性質を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、コア及びコアをカプセルに入れるためのシェルを含み、コアは難燃薬剤を含み、シェルは天然微小管である、マイクロカプセル化難燃剤を提供する。
【0007】
本発明の別の目的は、マイクロカプセル化難燃剤を製造する方法を提供することである。本発明のまた別の目的は、本発明のマイクロカプセル化難燃剤及びポリマー基材材料を含む難燃性のポリマー複合材料を提供することである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明によるマイクロカプセル化難燃薬剤は、難燃剤を含むコア及び前記コアをカプセルに入れるための天然微小管のシェルを含む。
【0009】
本発明のマイクロカプセル化された難燃剤に適する難燃薬剤の化学種は、特に限定されず、例えば、デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA(TBA)、オクタブロモエーテル(BDDP)、デカブロモジフェニルエタン、テトラブロモエーテル、ブロモポリスチレン、ヘキサブロモ-シクロドデカン(HBCD)、塩素化パラフィン、Dechlorane Plus、塩素化ポリエチレン(CPE)、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ペンタブロモジフェニルエーテル、2,2-ジ(クロロメチル)シクロプロパン(V-6)、塩化アンモニウム、ブロモエポキシ樹脂、ジブロモネオペンチルグリコール(DBNPG)、リン酸ジブロモネオペンチルグリコール、リン酸ジブロモネオペンチルグリコールシアナミド、ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)、トリブロモフェノール、テトラブロモ無水フタル酸、フマル酸ビス(2,3-ジブロモプロピル)、炭酸フェノキシテトラブロモビスフェノールA、1,2,3,4-テトラブロモブタン、フマル酸(2,3-ジブロモプロピル)、1,3-ビス(2,4,6-トリブロモフェノキシ)イソプロパノール、三塩化アンチモン、1,2-ビス(2,4,6-トリブロモフェノキシ)エタン、4,4'-イソプロピリデンビス(2,6-ジブロモフェノール)、2,3-ジブロモ-1-プロパノール、テトラクロロ無水フタル酸の不飽和エステル、炭酸フェノキシテトラブロモビスフェノールAオリゴマー、フマル酸ビス(2,3-ジブロモプロピル)、赤リン、リン酸トリ(2-クロロエチル)(TCEP)、リン酸トリ(2-クロロプロピル)(TCPP)、リン酸トリ(2,3-ジクロロプロピル)(TDCP)、リン酸モノアンモニウム、リン酸ジアンモニウム、リン酸トリフェニル、ExolitOP1311、ExolitOP1312M1、Exolit RP、ポリリン酸アンモニウム(APP)、ペンタエリトリトール、リン酸メラミン(MP)、リン酸トリ(2,3-ジブロモプロピル)、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム塩化物(THPC)、環状リン酸塩誘導体、リン含有ポリオールポリエーテル、リン酸トリ(クロロエチル)、リン酸亜鉛、ホスホン酸トリメチル、リン酸トリメチル、リン酸グアニジン、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸トリベンジル、ポリリン酸メラミン(塩)(MPP)、FR-108、FR-808、FR-NP、トリフェニルホスフィン(TPP)、エチレンジ(テトラブロモフタルイミド)、リン酸トリ(β-クロロエチル)(TCEP)、メチルリン酸ジメチル(DMMP)、リン酸トリ(ブロモフェニル)(PB-460)、DG-9021、メラミン及びその塩(MC、MA)、ジシアナミド、グアニジン塩、リン酸メラミン塩、シアヌール酸メラミン(MCA)、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化アンチモン(III)、ホウ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛低水和物、フェロセン、ホウ酸、イソシアヌール酸トリ(2,3-ジブロモプロピル)(TBC)、FB(2ZnO・3B2O3・3.5H2O)、ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)、シアヌール酸メラミン(MCA)、リン酸イソプロピルフェニルジフェニル(IPPP)、難燃性付与剤FR2003、ポリ(フェニレンオキシド)(PPO)、ポリ(テトラフルオロエチレン)細粉、ヒドロタルサイト、Reogardl000、難燃性付与剤SaFRon、FlamestabNOR116、Tin2uviFR、水滑石、有機土壌、難燃性付与剤ATH、RDP、Firebrake 415、Firebrake 500、BT-93W、FRC-1、TLG-512、3031、綿織物難燃性付与剤CP、ジイソプロピルベンゼンオリゴマー、アンチモン酸ナトリウム、塩化カルシウム、FR-303、FR-508A、FR-508B、FR-707、FR-708、FR-PもしくはFR-N、またはこれらの混合物であってもよい。
【0010】
本発明のマイクロカプセル化難燃剤に適する天然繊維は、カポック繊維、トウワタ繊維、ヘチマ繊維、竹繊維、テックス竹繊維、亜麻繊維、ウール及びダウンから選択することができる。本発明の実施形態によると、天然繊維は、10μm〜1cmの長さを有する天然微小管に機械的に先を切られる。本発明の一実施形態によると、天然微小管はカポック繊維から得られる。カポック繊維は、大きい比表面積及び最大80〜90%の高い中空度を有する天然繊維であり、これは現在の人工的な調製方法によって実現することが困難であり、したがって、人造繊維よりカプセル化材料を製造するのにより適している。さらに、カポック繊維は高い熱安定性を有しており、250℃で実質的に熱分解されない。また、カポック繊維は高い化学安定性を有しており、高濃度強酸にのみ溶ける。さらに、その特別な親油性及び疎水性の濡れ性は加工方法で利用することができる。
【0011】
本発明のマイクロカプセル化難燃剤は、支持材として天然微小管を利用し、毛細管吸収によって微細孔の中へ難燃薬剤の液を吸収し難燃性微小管を形成する。毛管力により吸収された難燃薬剤の液は、微細孔から容易にはあふれ出ない。本発明の好ましい一実施形態によると、本発明のマイクロカプセル化難燃剤は、前記難燃性微小管をカプセルに入れるためのカプセル化層を場合によって含み、難燃性微小管を閉じて終端とし、さらに難燃剤液に関連する流出の問題に対処する。本発明によると、マイクロカプセル化難燃剤をカプセルに入れるためのカプセル化層は合成高分子または天然繊維から形成することができる。適切な合成高分子は特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイソブチレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、アルキド樹脂、ポリカーボネート、尿素-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-尿素-ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエチレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ヘキサメチレンアジプアミドポリマー、ポリカプロラクタム、ポリイミド、ポリジメチルシロキサン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)コポリマー、スチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー(SBS)、イソブチレン-イソプレンゴム(IIR)、もしくはブタジエン-イソプレンコポリマー(PIB)、またはこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。カプセル化層に適する天然繊維は特に限定されず、例えば、綿繊維、靭皮繊維、木部繊維、草繊維、もしくはアセテート繊維、またはこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。本発明の好ましい一実施形態によると、マイクロカプセル化難燃剤のカプセル化層は、尿素-ホルムアルデヒド樹脂、アセテート繊維、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、もしくはアルキド樹脂、またはこれらの混合物から形成される。
【0012】
本発明によると、マイクロカプセル化難燃剤を製造する方法は、天然微小管を用いて難燃薬剤を吸収するステップ、及び難燃薬剤を吸収した天然微小管を合成高分子または天然繊維で場合によってカプセル化してマイクロカプセル化難燃剤を製造するステップを含む。
【0013】
本発明は、前述のマイクロカプセル化難燃剤及びポリマー基材材料を含む難燃性のポリマー複合材料を、さらに提供する。難燃性のポリマー複合材料は、混合法によって、ある種のポリマー基材材料を用いてマイクロカプセル化難燃剤を構成するステップを含む方法によって調製することができ、対応する難燃性のポリマー複合材料を生成する。
【0014】
本発明のマイクロカプセル化難燃剤は微視的なレベルの寸法を有しており、製品の外観に影響せずに、基材材料中に一様に分散することができる。さらに、マイクロカプセル化難燃剤は特定のアスペクト比を有しており、基材材料に微視的な繊維強化材を与えることができ、基材材料の機械的性質を増強することができ、それによって結果として得られるポリマー複合材料に高い耐火性及び大きい機械的強さを提供する。
【0015】
本発明に適するポリマー基材材料は特に限定されず、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリイソブチレンまたはポリn-ブチレンなどのポリオレフィン樹脂;ポリメタクリル酸メチル(PMMA)またはポリアクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル;ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;ポリスチレン;ポリ塩化ビニル;ポリアクリロニトリル;ポリウレタン;ポリ酢酸ビニル;ポリカーボネート;尿素-ホルムアルデヒド樹脂;メラミン-ホルムアルデヒド樹脂;メラミン-尿素-ホルムアルデヒド樹脂;フェノール樹脂;エポキシ樹脂;ポリオキシメチレン(POM);ポリエチレンオキシド;ヘキサメチレンアジプアミドポリマー(PA66);ポリカプロラクタム;ポリイミド;ポリジメチルシロキサン;アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)コポリマー;スチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー(SBS);イソブチレン-イソプレンゴム(IIR);もしくはブタジエン-イソプレンコポリマー(PIB)、またはこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。本発明の好ましい一実施形態によると、ポリマー基材材料はフェノール樹脂、ポリアクリロニトリル、エポキシ樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリウレタン、ブタジエン-イソプレンコポリマー、ヘキサメチレンアジプアミドポリマー、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、及びスチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー、ならびにこれらの混合物から選択される。
【0016】
本発明は以下の実施例によってさらに例示される。ほかに記述されない限り、用いられる方法はすべて通常の方法であり、用いられる試薬はすべて市販品である。
【0017】
(実施例)
(実施例1)
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然カポック繊維の先を切って50〜200μmの長さを有する先切り微小管にする。
【0018】
(2)難燃剤液での天然微小管の充てん:
微小管への難燃剤液の吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、難燃剤RDP液(Zhejiang Wansheng Chemical Co., Ltd、商品名:WSFR)中に分散し0.5時間浸し、先切り微小管を難燃剤液体で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管1を得た。
【0019】
(3)難燃性微小管1のカプセル化:
2gの尿素-ホルムアルデヒドプレポリマー(1gの尿素を2mlの36体積分率%ホルムアルデヒド水溶液に加え、混合物が完全に溶けるまで撹拌し、60℃に加熱し、この温度で15分維持することによって得られた)を、ステップ(2)で得た難燃性微小管1へ直接滴下して加え、混合物の温度を、97〜98℃に上げ、反応は1時間持続した。尿素-ホルムアルデヒド樹脂ポリマーは相分離と堆積によってカポック繊維の周囲に生成し、難燃性微小管1を尿素-ホルムアルデヒド樹脂でカプセル化し、それによってカプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤1を得た。
【0020】
難燃性のポリマー複合材料の調製
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤1を、ポリウレタンの30%(質量パーセント)のN,N'-ジメチルホルムアミド溶液中で1:10の質量比でポリウレタンと混合し、それによってコートされ難燃性のポリマー複合材料1を形成した。
【0021】
純粋なポリウレタン(A)、ポリウレタンを含有するカポック細管(B)、直接RDPが添加されたポリウレタン(C)及び結果として得られる難燃性のポリマー複合材料1(D)の各々の限界酸素指数(LOI)、ならびにプラスチック難燃性試験(UL-94)の結果を、以下の表1に示す。
【0022】
この試験の結果から、直接RDPが添加されたポリウレタン及び結果として得られる難燃性のポリマー複合材料1の両方が、純粋なポリウレタンと比較して著しく難燃性特性が増強されたことが分かる。カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤1の難燃特性には悪影響を及ぼさず、適用工程の間の浸透、移行及び相分離に関連した問題に対処することができる。
【0023】
(実施例2)
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然カポック繊維の先を切って200μm〜2mmの長さを有する先切り微小管にする。
【0024】
(2)難燃剤液による天然微小管の充てん:
微小管への難燃剤液の毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、赤リンの90%(質量パーセント)エタノール溶液中に分散して0.5時間浸し、先切り微小管を赤リンのエタノール溶液で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管2を得た。
【0025】
(3)難燃性微小管2のカプセル化:
難燃性微小管2中のエタノールを蒸発させた。結果として得られる難燃性微小管2を、アセテート繊維の5mlの5質量%ジクロロメタン溶液に浸し、反応を1分間持続させた。アセテート繊維は堆積によってカポック繊維の周囲に生成し、アセテート繊維によって難燃性微小管2をカプセル化し、それによってカプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤2を得た。
【0026】
難燃性のポリマー複合材料の調製
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤2を、ポリアクリロニトリルの30%(質量パーセント)のジメチルアセトアミド溶液中で1:20の質量比でポリアクリロニトリルと混合し、60℃で乾燥して溶媒を蒸発させ、それによって難燃性のポリマー複合材料2を得た。
【0027】
純粋なポリアクリロニトリル(A)、ポリアクリロニトリルを含有するカポック細管(B)、直接赤リンが添加されたポリアクリロニトリル(C)、及び結果として得られる難燃性のポリマー複合材料2(D)の各々の限界酸素指数(LOI)、ならびにプラスチック難燃性試験(UL-94)の結果を、以下の表2に示す。
【0028】
この試験の結果から、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤2の難燃特性には悪影響を及ぼさず、使用プロセスの間の浸透、移行及び相分離に関連した問題に対処することができることが分かる。
【0029】
(実施例3)
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然トウワタ繊維の先を切って2〜10mmの長さを有する先切り微小管にする。
【0030】
(2)難燃剤液による天然微小管の充てん:
微小管へのメラミンのメタノール溶液の毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、メラミンの80%(質量パーセント)メタノール溶液中に分散して0.5時間浸し、先切り微小管をメラミンのメタノール溶液で完全に充てんし、それによって難燃性微小管3を得た。
【0031】
(3)難燃性微小管3のカプセル化:
難燃性微小管3中のメタノールを蒸発させた。結果として得られる難燃性微小管3を、ポリアクリロニトリルの5mlの5質量%N,N'-ジメチルホルムアミド溶液に浸し、反応を10分間持続させた。難燃性微小管を表面堆積によってポリアクリロニトリルでカプセル化し、それによって、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤3を得た。
【0032】
難燃性のポリマー複合材料の調製
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤3を、ポリウレタンの30%(質量パーセント)N,N'-ジメチルホルムアミド溶液中で1:5の質量比でポリウレタンと混合し、80℃で乾燥して溶媒を蒸発させ、それによって難燃性のポリマー複合材料3を得た。
【0033】
純粋なポリウレタン(A)、ポリウレタンを含有するトウワタ細管(B)、メラミンが直接添加されたポリウレタン(C)、及び結果として得られる難燃性のポリマー複合材料3(D)の各々の限界酸素指数(LOI)、ならびにプラスチック難燃性試験(UL-94)の結果を、以下の表3に示す。
【0034】
この試験の結果から、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤3の難燃特性には悪影響を及ぼさず、使用プロセスの間の浸透、移行及び相分離に関連した問題に対処することができることが分かる。
【0035】
(実施例4)
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然亜麻繊維の先を切って50〜100μmの長さを有する先切り微小管にする。
【0036】
(2)難燃剤液による天然微小管の充てん:
微小管へのポリリン酸アンモニウムの毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、ポリリン酸アンモニウム液中に分散して0.5時間浸し、先切り微小管をポリリン酸アンモニウムで完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管4を得た。
【0037】
(3)難燃性微小管4のカプセル化:
難燃性微小管4を、アセテート繊維の5mlの5質量%ジクロロメタン溶液に浸した。難燃性微小管を表面堆積によってアセテート繊維でカプセル化し、それによって、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤4を得た。
【0038】
難燃性のポリマー複合材料の調製
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤4を、フェノール樹脂の90%(質量パーセント)のエタノール溶液中で1:20の質量比でフェノール樹脂と混合し、60℃で乾燥して溶媒を蒸発させ、それによって難燃性のポリマー複合材料4を得た。
【0039】
純粋なフェノール樹脂(A)、フェノール樹脂を含有する亜麻細管(B)、直接ポリリン酸アンモニウムが添加されたフェノール樹脂(C)、及び結果として得られる難燃性のポリマー複合材料4(D)の各々の限界酸素指数(LOI)、ならびにプラスチック難燃性試験(UL-94)の結果を、以下の表4に示す。
【0040】
この試験の結果から、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤4の難燃特性には悪影響を及ぼさず、使用プロセスの間の浸透、移行及び相分離に関連した問題に対処することができることが分かる。
【0041】
(実施例5)
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然カポック繊維の先を切って10〜50μmの長さを有する先切り微小管にする。
【0042】
(2)難燃剤液による天然微小管の充てん:
微小管へのテトラブロモビスフェノールA(TBA)の毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、テトラブロモビスフェノールA(TBA)の60%(質量パーセント)メタノール溶液中に分散して0.5時間浸し、先切り微小管をテトラブロモビスフェノールA(TBA)で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管5を生成した。
【0043】
(3)難燃性微小管5のカプセル化:
難燃性微小管5中のメタノールを蒸発させ、結果として得られる難燃性微小管をアセテート繊維の5mlの5質量%ジクロロメタン溶液に浸した。難燃性微小管を表面堆積によってアセテート繊維でカプセル化し、それによって、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤5を得た。
【0044】
難燃性のポリマー複合材料の調製
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤5を、ビスフェノールA及びエポキシクロロプロパンの混合液中で、1:8:1の質量比でビスフェノールA及びエポキシクロロプロパンと混合した。プレポリマーはNaOHでの触媒作用下で得られ、次いで、室温で当量のエチレンジアミンで架橋し、ポリマー基材材料としてエポキシ樹脂を含む難燃性ポリマー複合材料5を得た。
【0045】
純粋なエポキシ樹脂(A)、エポキシ樹脂を含有するカポック細管(B)、直接テトラブロモビスフェノールAが添加されたエポキシ樹脂(C)、及び結果として得られる難燃性のポリマー複合材料5(D)の各々の限界酸素指数(LOI)、ならびにプラスチック難燃性試験(UL-94)の結果を、以下の表5に示す。
【0046】
この試験の結果から、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤5の難燃特性には悪影響を及ぼさず、使用プロセスの間の浸透、移行及び相分離に関連した問題に対処することができることが分かる。
【0047】
(実施例6)
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然トウワタ繊維の先を切って100〜500μmの長さを有する先切り微小管にする。
【0048】
(2)難燃剤液による天然微小管の充てん:
微小管への塩素化ポリエチレン(CPE)のエタノール溶液の毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、塩素化ポリエチレンの60%(質量パーセント)エタノール溶液中に分散して0.5時間浸し、先切り微小管を難燃剤液で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管6を得た。
【0049】
(3)難燃性微小管6のカプセル化:
難燃性微小管6を、ポリアクリロニトリルの5mlの5質量%N,N'-ジメチルホルムアミド溶液に浸した。難燃性微小管を表面堆積によってポリアクリロニトリルでカプセル化し、それによって、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤6を得た。
【0050】
難燃性のポリマー複合材料の調製
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤6を、ポリアクリロニトリルのN,N'-ジメチルホルムアミド溶液中で1:10の質量比でポリアクリロニトリルと混合し、80℃で乾燥して溶媒を蒸発させ、それによって難燃性のポリマー複合材料6を得た。
【0051】
純粋なポリアクリロニトリル(A)、ポリアクリロニトリルを含有するカポック細管(B)、直接塩素化ポリエチレンが添加されたポリアクリロニトリル(C)、及び結果として得られる難燃性のポリマー複合材料6(D)の各々の限界酸素指数(LOI)、ならびにプラスチック難燃性試験(UL-94)の結果を、以下の表6に示す。
【0052】
この試験の結果から、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤6の難燃特性には悪影響を及ぼさず、使用プロセスの間の浸透、移行及び相分離に関連した問題に対処することができることが分かる。
【0053】
(実施例7)
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然竹繊維の先を切って500〜1000μmの長さを有する先切り微小管にする。
【0054】
(2)難燃剤液による天然微小管の充てん:
微小管への塩素化パラフィン(65%〜70%の塩素含有率)のメタノール溶液の毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、塩素化パラフィンの70%(質量パーセント)メタノール溶液中に分散して15分間浸し、先切り微小管を塩素化パラフィンのメタノール溶液で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管7を得た。
【0055】
(3)難燃性微小管7のカプセル化:
難燃性微小管7中のメタノールを蒸発させた。結果として得られる難燃性微小管7を、6:5(モル比)のフェノールとホルムアルデヒド(触媒として3質量%のシュウ酸を含有する)の混合液に浸した。難燃性微小管を表面縮合重合によってフェノール樹脂でカプセル化し、それによって、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤7を得た。
【0056】
難燃性のポリマー複合材料の調製
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤7を、1:5の質量比でポリスチレンと混合し、難燃性のポリマー複合材料7を得た。
【0057】
純粋なポリスチレン(A)、ポリスチレンを含有する竹細管(B)、直接塩素化パラフィンが添加されたポリスチレン(C)、及び結果として得られる難燃性のポリマー複合材料7(D)の各々の限界酸素指数(LOI)、ならびにプラスチック難燃性試験(UL-94)の結果を、以下の表7に示す。
【0058】
この試験の結果から、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤7の難燃特性には悪影響を及ぼさず、使用プロセスの間の浸透、移行及び相分離に関連した問題に対処することができることが分かる。
【0059】
(実施例8)
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然カポック繊維の先を切って1000〜2000μmの長さを有する先切り微小管にする。
【0060】
(2)難燃剤液による天然微小管の充てん:
微小管へのリン酸トリ(2-クロロエチル)(65%〜70%の塩素含有率)のエタノール溶液の毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、リン酸トリ(2-クロロエチル)(65%〜70%の塩素含有率)の60%(質量パーセント)エタノール溶液中に分散して1時間浸し、先切り微小管をリン酸トリ(2-クロロエチル)(65%〜70%の塩素含有率)のエタノール溶液で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管8を得た。
【0061】
(3)難燃性微小管8のカプセル化:
難燃性微小管8中のエタノールを蒸発させ、結果として得られる難燃性微小管をアセテート繊維の5mlの5質量%ジクロロメタン溶液に0.5時間浸した。難燃性微小管を表面堆積によってアセテート繊維でカプセル化し、それによって、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤8を得た。
【0062】
難燃性のポリマー複合材料の調製
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤8を、1:8の質量比でポリウレタンと混合し、難燃性のポリマー複合材料8を得た。
【0063】
純粋なポリウレタン(A)、ポリウレタンを含有するカポック細管(B)、直接リン酸トリ(2-クロロエチル)が添加されたポリウレタン(C)、及び結果として得られる難燃性のポリマー複合材料8(D)の各々の限界酸素指数(LOI)、ならびにプラスチック難燃性試験(UL-94)の結果を、以下の表8に示す。
【0064】
この試験の結果から、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤8の難燃特性には悪影響を及ぼさず、使用プロセスの間の浸透、移行及び相分離に関連した問題に対処することができることが分かる。
【0065】
(実施例9)
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然カポック繊維の先を切って2000〜3000μmの長さを有する先切り微小管にする。
【0066】
(2)難燃剤液による天然微小管の充てん:
微小管へのヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)(74.7%の臭素含有率)のエタノール溶液の毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、ヘキサブロモシクロドデカンの50%(質量パーセント)エタノール溶液中に分散して0.5時間浸し、先切り微小管をヘキサブロモシクロドデカンのエタノール溶液で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管9を得た。
【0067】
(3)難燃性微小管9のカプセル化:
難燃性微小管9中のエタノールを蒸発させ、結果として得られる難燃性微小管をアセテート繊維の5mlの5質量%ジクロロメタン溶液に浸した。難燃性微小管を表面堆積によってアセテート繊維でカプセル化し、それによって、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤9を得た。
【0068】
難燃性のポリマー複合材料の調製
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤9を、1:9の質量比でポリカーボネートに直接添加、混合し、難燃性のポリマー複合材料9を得た。
【0069】
純粋なポリカーボネート(A)、ポリカーボネートを含有するカポック細管(B)、直接ヘキサブロモシクロドデカンが添加されたポリカーボネート(C)、及び結果として得られる難燃性のポリマー複合材料9(D)の各々の限界酸素指数(LOI)、ならびにプラスチック難燃性試験(UL-94)の結果を、以下の表9に示す。
【0070】
この試験の結果から、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤9の難燃特性には悪影響を及ぼさず、使用プロセスの間の浸透、移行及び相分離に関連した問題に対処することができることが分かる。
【0071】
(実施例10)
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然カポック繊維の先を切って3〜4mmの長さを有する先切り微小管にする。
【0072】
(2)難燃剤液による天然微小管の充てん:
微小管へのリン酸トリフェニルのアセトン溶液の毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、リン酸トリフェニルの80%(質量パーセント)アセトン溶液中に分散して1時間浸し、先切り微小管をリン酸トリフェニルのアセトン溶液で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管10を得た。
【0073】
(3)難燃性微小管10のカプセル化:
難燃性微小管10中のアセトンを蒸発させ、結果として得られる難燃性微小管を、2gの尿素-ホルムアルデヒドプレポリマー(1gの尿素を2mlの36体積分率%ホルムアルデヒド水溶液に加え、混合物が完全に溶けるまで撹拌し、60℃に加熱し、この温度で15分間維持することによって得られた)に浸し、混合物の温度を97〜98℃に上げ、反応を1時間持続させた。尿素-ホルムアルデヒド樹脂ポリマーが表面相分離及び堆積によってカポック繊維の周囲に生成し、尿素-ホルムアルデヒド樹脂によって難燃性微小管10をカプセル化し、それによってカプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤10を得た。
【0074】
難燃性のポリマー複合材料の調製
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤10を、1:9の質量比でブタジエン-イソプレンコポリマー(PIB)と混合し、難燃性のポリマー複合材料10を得た。
【0075】
純粋なブタジエン-イソプレンコポリマー(A)、ブタジエン-イソプレンコポリマーを含有するカポック細管(B)、直接リン酸トリフェニルが添加されたブタジエン-イソプレンコポリマー(C)、及び結果として得られる難燃性のポリマー複合材料10(D)の各々の限界酸素指数(LOI)、ならびにプラスチック難燃性試験(UL-94)の結果を、以下の表10に示す。
【0076】
この試験の結果から、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤10の難燃特性には悪影響を及ぼさず、使用プロセスの間の浸透、移行及び相分離に関連した問題に対処することができることが分かる。
【0077】
(実施例11)
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然亜麻繊維の先を切って4000〜5000μmの長さを有する先切り微小管にする。
【0078】
(2)難燃剤液による天然微小管の充てん:
微小管へのテトラブロモビスフェノールA-ビス(2,3-ジブロモプロピル)エーテルのアセトン溶液の毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、テトラブロモビスフェノールA-ビス(2,3-ジブロモプロピル)エーテルの70%(質量パーセント)アセトン溶液中に分散して0.5時間浸し、先切り微小管をテトラブロモビスフェノールA-ビス(2,3-ジブロモプロピル)エーテルのアセトン溶液で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管11を得た。
【0079】
(3)難燃性微小管11のカプセル化:
難燃性微小管11中のアセトンを蒸発させ、結果として得られる難燃性微小管を2gのエチレンテレフタレートオリゴマーに浸した(このエチレンテレフタレートオリゴマーは、テレフタル酸をわずかに過剰なメタノールでエステル化し、水、過剰のメタノール及び安息香酸などの低沸点物質を蒸発させ、結果として得られる混合物を蒸留して純粋なテレフタル酸ジメチルを得、溶融物の温度を190〜200℃に上げ、酢酸カドミウムと酸化アンチモンの触媒作用を用いて、エチレングリコールとのテレフタル酸ジメチルのエステル交換反応(モル比約1:2.4)を行うことによって得られた)。283℃で、エチレンテレフタレートオリゴマーは酸化アンチモンの触媒作用で自己縮合して重合し、難燃性微小管11をカプセル化するポリエチレンテレフタレートを形成し、それによって、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤11を得た。
【0080】
難燃性のポリマー複合材料の調製
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤11を、1:8の質量比でポリカーボネートの溶融物と混合し、難燃性のポリマー複合材料11をホットプレスによって得た。
【0081】
純粋なポリカーボネート(A)、ポリカーボネートを含有する亜麻細管(B)、テトラブロモビスフェノールA-ビス(2,3-ジブロモプロピル)エーテルが直接添加されたポリカーボネート(C)、及び結果として得られる難燃性のポリマー複合材料11(D)の各々の限界酸素指数(LOI)、ならびにプラスチック難燃性試験(UL-94)の結果を、以下の表11に示す。
【0082】
この試験の結果から、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤11の難燃特性には悪影響を及ぼさず、使用プロセスの間の浸透、移行及び相分離に関連した問題に対処することができることが分かる。
【0083】
(実施例12)
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然カポック繊維の先を切って5000〜10000μmの長さを有する先切り微小管にする。
【0084】
(2)難燃剤液による天然微小管の充てん:
微小管への難燃剤液の毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、Reogardl000の80%(質量パーセント)アセトン溶液中に分散して1時間浸し、先切り微小管をReogardl000のアセトン溶液で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管12を得た。
【0085】
(3)難燃性微小管12のカプセル化:
難燃性微小管12中のアセトンを蒸発させ、結果として得られる難燃性微小管を、2gの尿素-ホルムアルデヒドプレポリマー(1gの尿素を2mlの36体積分率%ホルムアルデヒド水溶液に加え、混合物が完全に溶けるまで撹拌し、60℃に加熱し、この温度で15分維持することによって得られた)に浸し、混合物の温度を97〜98℃に上げ、反応を1時間間持続させた。尿素-ホルムアルデヒド樹脂ポリマーは表面相分離及び堆積によってカポック繊維の周囲に生成し、尿素-ホルムアルデヒド樹脂によって難燃性微小管12がカプセル化され、それによってカプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤12を得た。
【0086】
難燃性のポリマー複合材料の調製
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤12を、1:7の質量比でポリプロピレンに混合し、難燃性のポリマー複合材料12を射出成形によって得た。
【0087】
純粋なポリプロピレン(A)、ポリプロピレンを含有するカポック細管(B)、直接Reogardl000が添加されたポリプロピレン(C)、及び結果として得られる難燃性のポリマー複合材料12(D)の各々の限界酸素指数(LOI)、ならびにプラスチック難燃性試験(UL-94)の結果を、以下の表12に示す。
【0088】
この試験の結果から、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤12の難燃特性には悪影響を及ぼさず、使用プロセスの間の浸透、移行及び相分離に関連した問題に対処することができることが分かる。
【0089】
(実施例13)
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然亜麻繊維の先を切って50〜500μmの長さを有する先切り微小管にする。
【0090】
(2)難燃剤液での天然微小管の充てん:
微小管へのExolit RPのアセトン溶液の毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得られた先切り微小管を、Exolit RPの90%(質量パーセント)アセトン溶液中に分散して1.5時間浸し、先切り微小管をExolit RPのアセトン溶液で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管13を得た。
【0091】
(3)難燃性微小管13のカプセル化:
難燃性微小管13中のアセトンを蒸発させ、結果として得られる難燃性微小管を、ビス(4-クロロフェニル)スルホン及び硫化ナトリウムのN-メチルピロリドン溶液(1:1:1)に入れた。260〜220℃で2〜8時間重合を行い、難燃性微小管13をポリフェニレンスルフィド樹脂でカプセル化し、それによって、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤13を得た。
【0092】
難燃性のポリマー複合材料の調製
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤13を、1:5の質量比でPA66に混合し、難燃性のポリマー複合材材料13を射出成形によって得た。
【0093】
純粋なPA66(A)、PA66を含有する亜麻細管(B)、直接Exolit RPが添加されたPA66(C)、及び結果として得られる難燃性のポリマー複合材料13(D)の各々の限界酸素指数(LOI)、ならびにプラスチック難燃性試験(UL-94)の結果を、以下の表13に示す。
【0094】
この試験の結果から、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤13の難燃特性には悪影響を及ぼさず、使用プロセスの間の浸透、移行及び相分離に関連した問題に対処することができることが分かる。
【0095】
(実施例14)
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然トウワタ繊維の先を切って50〜200μmの長さを有する先切り微小管にする。
【0096】
(2)難燃剤液での天然微小管の充てん:
微小管へのSaFRonのアセトン溶液の毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、SaFRonの90%(質量パーセント)アセトン溶液中に分散して2時間浸し、先切り微小管をSaFRonのアセトン溶液で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管14を得た。
【0097】
(3)難燃性微小管14のカプセル化:
難燃性微小管14中のアセトンを蒸発させ、結果として得られる難燃性微小管は、2gのアルキド樹脂プレポリマー(乾燥した油及びグリセリンを一緒に240℃で加熱し、エステル交換反応触媒を用いて加アルコール分解及びエステル交換反応を行い、グリセリンモノエステルまたはジオールを形成することによって得られた)に浸した。無水フタル酸を反応に加え、前述と同じ温度で共縮合エステル化を行い、難燃性微小管14をアルキド樹脂によってカプセル化し、それによって、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤14を得た。
【0098】
難燃性のポリマー複合材料の調製
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤14を、1:9の質量比でPETに混合し、難燃性のポリマー複合材料14を射出成形によって得た。
【0099】
純粋なPET(A)、PETを含有するトウワタ細管(B)、直接SaFRonが添加されたPET(C)、及び結果として得られる難燃性のポリマー複合材料14(D)の各々の限界酸素指数(LOI)、ならびにプラスチック難燃性試験(UL-94)の結果を、以下の表14に示す。
【0100】
この試験の結果から、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤14の難燃特性には悪影響を及ぼさず、使用プロセスの間の浸透、移行及び相分離に関連した問題に対処することができることが分かる。
【0101】
(実施例15)
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然カポック繊維の先を切って100〜500μmの長さを有する先切り微小管にする。
【0102】
(2)難燃剤液での天然微小管の充てん:
微小管へのイソシアヌール酸トリ(2,3-ジブロモプロピル)(TBC)のアセトン溶液の毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得られた先切り微小管を、TBCの70%(質量パーセント)アセトン溶液中に分散して0.5時間浸し、先切り微小管をTBCのアセトン溶液で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管15を得た。
【0103】
(3)難燃性微小管15のカプセル化:
難燃性微小管15中のアセトンを蒸発させ、結果として得られる難燃性微小管は2gのエチレンテレフタレートオリゴマーに浸した(このエチレンテレフタレートオリゴマーは、2mlのテレフタル酸をわずかに過剰なメタノールとエステル化し、水、過剰のメタノール及び安息香酸などの低沸点物質を蒸発させ、結果として得られる混合物を蒸留して純粋なテレフタル酸ジメチルを得、溶融物の温度を190〜200℃に上げ、酢酸カドミウムと酸化アンチモンの触媒作用を用いて、エチレングリコールとのテレフタル酸ジメチルのエステル交換反応(モル比約1:2.4)を行うことによって得られた)。283℃で、エチレンテレフタレートオリゴマーは酸化アンチモンの触媒作用で自己縮合して重合し、難燃性微小管15をカプセルに入れるポリエチレンテレフタレートを形成し、それによって、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤15を得た。
【0104】
難燃性のポリマー複合材料の調製
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤15を、1:8の質量比でスチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー(SBS)に混合し、難燃性のポリマー複合材料15を射出成形によって得た。
【0105】
純粋なスチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー(A)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマーを含有するカポック細管(B)、TBCが直接添加されたスチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー(C)及び結果として得られる難燃性のポリマー複合材料15(D)の各々の限界酸素指数(LOI)、及びプラスチック難燃性試験(UL-94)の結果を、以下の表15に示す。
【0106】
この試験の結果から、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤15の難燃特性には悪影響を及ぼさず、使用プロセスの間の浸透、移行及び相分離に関連した問題に対処することができることが分かる。
【0107】
(実施例16)
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然カポック繊維の先を切って10〜300μmの長さを有する先切り微小管にする。
【0108】
(2)難燃剤液での天然微小管の充てん:
微小管への1,2,3,4-テトラブロモブタンのエタノール溶液の吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、1,2,3,4-テトラブロモブタンの60%(質量パーセント)エタノール溶液中に分散して0.5時間浸し、先切り微小管を1,2,3,4-テトラブロモブタンのエタノール溶液で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管16を得た。
【0109】
(3)難燃性微小管16のカプセル化:
難燃性微小管16中のエタノールを蒸発させ、結果として得られる難燃性微小管を、ビス(4-クロロフェニル)スルホン及び硫化ナトリウムのN-メチルピロリドン溶液(1:1:1)に入れた。260〜220℃で2〜8時間重合を行い、難燃性微小管16をポリフェニレンスルフィド樹脂でカプセル化し、それによって、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤16を得た。
【0110】
難燃性のポリマー複合材料の調製
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤16を、1:5の質量比でポリオキシメチレン(POM)の溶融物に混合し、難燃性のポリマー複合材料16を射出成形によって得た。
【0111】
純粋なポリオキシメチレン(A)、ポリオキシメチレンを含有するカポック細管(B)、直接1,2,3,4-テトラブロモブタンが添加されたポリオキシメチレン(C)、及び結果として得られる難燃性のポリマー複合材料16(D)の各々の限界酸素指数(LOI)、ならびにプラスチック難燃性試験(UL-94)の結果を、以下の表16に示す。
【0112】
この試験の結果から、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤16の難燃特性には悪影響を及ぼさず、使用プロセスの間の浸透、移行及び相分離に関連した問題に対処することができることが分かる。
【0113】
【表1】

【0114】
【表2】

【0115】
【表3】

【0116】
【表4】

【0117】
【表5】

【0118】
【表6】

【0119】
【表7】

【0120】
【表8】

【0121】
【表9】

【0122】
【表10】

【0123】
【表11】

【0124】
【表12】

【0125】
【表13】

【0126】
【表14】

【0127】
【表15】

【0128】
【表16】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアと該コアをカプセルに入れるためのシェルとを含むマイクロカプセル化難燃剤であって、前記コアが難燃薬剤を含み、かつシェルが天然微小管である、マイクロカプセル化難燃剤。
【請求項2】
前記天然微小管が、カポック繊維、トウワタ繊維、ヘチマ繊維、竹繊維、テックス竹繊維、亜麻繊維、ウール、及びダウンからなる群から選択される、請求項1に記載のマイクロカプセル化難燃剤。
【請求項3】
前記天然微小管が10μmから1cmの長さを有する、請求項1に記載のマイクロカプセル化難燃剤。
【請求項4】
前記難燃薬剤が、デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、オクタブロモエーテル、デカブロモジフェニルエタン、テトラブロモエーテル、ブロモポリスチレン、ヘキサブロモシクロドデカン、塩素化パラフィン、Dechlorane Plus、塩素化ポリエチレン、デカブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエタン、オクタブロモジフェニルエーテル、ブロモポリスチレン、ペンタブロモジフェニルエーテル、2,2-ジ(クロロメチル)シクロプロパン、塩化アンモニウム、ブロモエポキシ樹脂、ジブロモネオペンチルグリコール、リン酸ジブロモネオペンチルグリコール、リン酸ジブロモネオペンチルグリコールシアナミド、ヘキサブロモシクロドデカン、トリブロモフェノール、テトラブロモ無水フタル酸、フマル酸ビス(2,3-ジブロモプロピル)、炭酸フェノキシテトラブロモビスフェノールA、1,2,3,4-テトラブロモブタン、フマル酸(2,3-ジブロモプロピル)、1,3-ビス(2,4,6-トリブロモフェノキシ)イソプロパノール、三塩化アンチモン、1,2-ビス(2,4,6-トリブロモフェノキシ)エタン、4,4'-イソプロピリデンビス(2,6-ジブロモフェノール)、2,3-ジブロモ-1-プロパノール、テトラクロロ無水フタル酸の不飽和エステル、炭酸フェノキシテトラブロモビスフェノールAオリゴマー、フマル酸ビス(2,3-ジブロモプロピル)、赤リン、リン酸トリ(2-クロロエチル)、リン酸トリ(2-クロロプロピル)、リン酸トリ(2,3-ジクロロプロピル)、リン酸モノアンモニウム、リン酸ジアンモニウム、リン酸トリフェニル、ポリリン酸アンモニウム、ペンタエリトリトール、リン酸メラミン、リン酸トリ(2,3-ジブロモプロピル)、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム塩化物、環状リン酸塩誘導体、リン含有ポリオールポリエーテル、リン酸トリ(クロロエチル)、リン酸亜鉛、ホスホン酸トリメチル、リン酸トリメチル、リン酸グアニジン、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素ジアンモニウム、リン酸トリベンジル、ポリリン酸メラミン(塩)、トリフェニルホスフィン、エチレンジ(テトラブロモフタルイミド)、リン酸トリ(β-クロロエチル)、リン酸トリ(2-クロロプロピル)、リン酸トリ(1,3-ジクロロプロピル)、メチルリン酸ジメチル、リン酸トリ(ブロモフェニル)(PB-460)、DG-9021、メラミン及びその塩、ジシアナミド、グアニジン塩、リン酸メラミン塩、シアヌール酸メラミン(MCA)、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化アンチモン(III)、ホウ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛低水和物、フェロセン、ホウ酸、ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)、シアヌール酸メラミン、リン酸イソプロピルフェニルジフェニル、ポリ(フェニレンオキシド)、ポリ(テトラフルオロエチレン)細粉、ヒドロタルサイト、水滑石、有機土壌、ジイソプロピルベンゼンオリゴマー、アンチモン酸ナトリウム、及び塩化カルシウム、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のマイクロカプセル化難燃剤。
【請求項5】
合成高分子または天然繊維から形成されるカプセル化層をさらに含む、請求項1に記載のマイクロカプセル化難燃剤。
【請求項6】
前記合成高分子が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイソブチレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、アルキド樹脂、ポリカーボネート、尿素-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-尿素-ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリオキシメチレン、ポリエチレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ヘキサメチレンアジプアミドポリマー、ポリカプロラクタム、ポリイミド、ポリジメチルシロキサン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー、スチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー、イソブチレン-イソプレンゴム、及びブタジエン-イソプレンコポリマー、またはこれらの混合物からなる群から選択される、請求項5に記載のマイクロカプセル化難燃剤。
【請求項7】
前記天然繊維が、綿繊維、靭皮繊維、木部繊維、草繊維及びアセテート繊維、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項5に記載のマイクロカプセル化難燃剤。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のマイクロカプセル化難燃剤を製造する方法であって、天然微小管を用いて難燃薬剤を吸収するステップ、及び難燃薬剤を吸収した天然微小管を合成高分子または天然繊維で場合によってカプセル化してマイクロカプセル化難燃剤を製造するステップを含む、方法。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか一項に記載のマイクロカプセル化難燃剤と、ポリマー基材材料とを含む、難燃性ポリマー複合材料。
【請求項10】
前記ポリマー基材材料が、ポリオレフィン樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、尿素-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-尿素-ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリオキシメチレン、ポリエチレンオキシド、ヘキサメチレンアジプアミドポリマー、ポリカプロラクタム、ポリイミド、ポリジメチルシロキサン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー、スチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー、イソブチレン-イソプレンゴム、及びブタジエン-イソプレンコポリマー、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載の難燃性ポリマー複合材料。

【公開番号】特開2010−261042(P2010−261042A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−109115(P2010−109115)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(500202322)長興化學工業股▲ふん▼有限公司 (30)
【Fターム(参考)】